(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】振動ミラー素子および光走査装置
(51)【国際特許分類】
G02B 26/10 20060101AFI20240305BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20240305BHJP
B81B 3/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G02B26/10 104Z
G02B26/08 E
B81B3/00
(21)【出願番号】P 2020076545
(22)【出願日】2020-04-23
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】種橋 健治
(72)【発明者】
【氏名】田中 史記
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健一
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-064843(JP,A)
【文献】特開2008-193890(JP,A)
【文献】特開2013-101388(JP,A)
【文献】特開2014-235245(JP,A)
【文献】国際公開第2018/109908(WO,A1)
【文献】特表2019-530019(JP,A)
【文献】特開2005-107069(JP,A)
【文献】特開2017-097203(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109683308(CN,A)
【文献】米国特許第06318871(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10
G02B 26/08
B81B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を反射するミラー部と、
第1端部および第2端部を有する一対の梁部と、前記一対の梁部の各々の前記第1端部を支持する支持部と、前記ミラー部を揺動可能に支持するトーション部と、を含む金属製の基板と、
前記支持部に設けられ、前記ミラー部を揺動させる板波を発生させる駆動源と、
前記一対の梁部に当接することにより、前記一対の梁部に伝達する振動を抑制する振動抑制部と、を備え、
前記トーション部は、前記ミラー部の表面に沿う方向において前記一対の梁部が延びる第1方向と直交する第2方向に延びるとともに、前記一対の梁部の各々に接続され、
前記振動抑制部は、前記第1方向において、前記ミラー部の端部のうち、前記支持部側の第1ミラー端部とは反対側の第2ミラー端部と、前記トーション部との間の位置において、前記一対の梁部と当接することにより、前記一対の梁部に伝達する振動を抑制するように構成されて
おり、
前記基板は平面視においてU字状形状を有する、振動ミラー素子。
【請求項2】
前記支持部を保持するとともに、前記一対の梁部の各々を保持する保持部材をさらに備え、
前記保持部材は、前記振動抑制部が前記一対の梁部と当接する位置、または、前記振動抑制部が前記一対の梁部と当接する位置よりも前記第2端部側の位置において、前記一対の梁部の各々を保持するように構成されている、請求項1に記載の振動ミラー素子。
【請求項3】
前記振動抑制部は、前記一対の梁部のうちの一方に当接することにより振動を抑制する第1振動抑制部と、前記第1振動抑制部とは個別に設けられ、前記一対の梁部のうちの他方に当接することにより振動を抑制する第2振動抑制部とを含み、
前記第1振動抑制部および前記第2振動抑制部の各々は、前記基板および前記保持部材とは別体で設けられており、
前記保持部材は、前記第1振動抑制部および前記第2振動抑制部が載置される載置面を有し、
前記載置面は、前記第1方向に延びるように形成されている、請求項2に記載の振動ミラー素子。
【請求項4】
前記ミラー部は、前記第1方向における前記トーション部から前記第2ミラー端部までの第1距離が、前記第1方向における前記トーション部から前記第2端部までの第2距離以上となるように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の振動ミラー素子。
【請求項5】
前記振動抑制部は、前記第1方向における前記トーション部から前記振動抑制部の前記第2端部側の端部までの第3距離が、前記第1距離未満となるように構成されている、請求項4に記載の振動ミラー素子。
【請求項6】
前記ミラー部は、前記基板とは別体で設けられ、
前記基板は、前記トーション部と接続し、前記ミラー部が配置されるミラー部配置部をさらに含み、
前記トーション部は、前記ミラー部と重なるように前記第2方向に延びるように設けられており、前記第2方向における前記ミラー部と重なる位置において、前記ミラー部配置部と接続されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の振動ミラー素子。
【請求項7】
前記ミラー部と前記ミラー部配置部とは、少なくとも2箇所において、弾性を有する接着剤によって接合されている、請求項6に記載の振動ミラー素子。
【請求項8】
前記接着剤は、少なくとも、前記ミラー部の重
心から略等距離の2箇所において、前記ミラー部と前記ミラー部配置部とを接合する、請求項7に記載の振動ミラー素子。
【請求項9】
前記ミラー部配置部は、前記ミラー部の重
心を含
み、前記第1方向と、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向とに延びる基準面において、対称な質量となるように肉抜きが施されて梁状に形成されている、請求項6~8のいずれか1項に記載の振動ミラー素子。
【請求項10】
前記駆動源または前記一対の梁部には、おもり部材が設けられている、請求項1~9のいずれか1項に記載の振動ミラー素子。
【請求項11】
前記基板のうちの前記ミラー部の近傍、および、前記駆動源の表面のうちの少なくともいずれかには、前記ミラー部によって反射される光の反射を防止する処理が施されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の振動ミラー素子。
【請求項12】
光を照射する光源と、
前記光源から照射された光を反射するミラー部と、
第1端部および第2端部を有する一対の梁部と、前記一対の梁部の各々の前記第1端部を支持する支持部と、前記ミラー部を揺動可能に支持するトーション部と、を含む金属製の基板と、
前記支持部に設けられ、前記ミラー部を揺動させる板波を発生させる駆動源と、
前記一対の梁部に当接することにより、前記一対の梁部に伝達する振動を抑制する振動抑制部と、を備え、
前記トーション部は、前記ミラー部の表面に沿う方向において前記一対の梁部が延びる第1方向と直交する第2方向に延びるとともに、前記一対の梁部の各々に接続され、
前記振動抑制部は、前記第1方向において、前記ミラー部の端部のうち、前記支持部側の第1ミラー端部とは反対側の第2ミラー端部と、前記トーション部との間の位置において、前記一対の梁部と当接することにより、前記一対の梁部に伝達する振動を抑制するように構成されて
おり、
前記基板は平面視においてU字状形状を有する、光走査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、振動ミラー素子および光走査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、振動ミラー素子および光走査装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、基板と、圧電膜と、捻れ梁部と、ミラー部と、を備える光走査装置が開示されている。
【0004】
上記特許文献1に開示されている光走査装置は、圧電膜によって基板に励起される板波を利用し、捻れ梁部に支持されたミラー部を揺動させるように構成されている。また、基板は、開口が設けられた枠状形状を有しており、ミラー部は、捻れ梁部を介して開口の内部に設けられている。また、上記特許文献1に開示されている基板は、一端が支持部材によって片持ち状に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記特許文献1には明記されていないが、振動ミラー素子は、振動ミラー素子を備えるスキャナユニットなどの小型化に伴い、ミラー部の大きさは大きくしたうえで、素子全体の大きさを小さくすることが求められる。また、使用環境および使用環境の変動に適合するため、ミラー部を所定の揺動角度範囲で安定して揺動させることが求められる。しかしながら、上記特許文献1に記載されている光走査装置(振動ミラー素子)のように、枠状形状を有する基板の内部に配置されたミラー部を大きくしようとした場合、基板がミラー部に当接することを抑制するために、基板自体も大きくなるという不都合がある。また、上記特許文献1に記載されている光走査装置(振動ミラー素子)は、基板が片持ち状に支持されているため、ミラー部を揺動軸の軸線周りに揺動させるための振動(板波)のみならず、ミラーの表面と直交する方向の振動が捻れ梁部(トーション部)を介してミラー部に伝達する場合がある。この場合、ミラー部を所定の揺動角度範囲内で安定して揺動させることが困難になるという不都合がある。そこで、ミラー部の大きさを大きくした場合でも、振動ミラー素子全体の大きさを大型化することを抑制しつつ、ミラー部を安定して揺動させることが可能な振動ミラー素子が求められている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ミラー部の大きさを大きくした場合でも、振動ミラー素子全体の大きさが大型化することを抑制しつつ、ミラー部を安定して揺動させることが可能な振動ミラー素および光走査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の第1の局面による振動ミラー素子は、光を反射するミラー部と、第1端部および第2端部を有する一対の梁部と、一対の梁部の各々の第1端部を支持する支持部と、ミラー部を揺動可能に支持するトーション部と、を含む金属製の基板と、支持部に設けられ、ミラー部を揺動させる板波を発生させる駆動源と、一対の梁部に当接することにより、一対の梁部に伝達する振動を抑制する振動抑制部と、を備え、トーション部は、ミラー部の表面に沿う方向において一対の梁部が延びる第1方向と直交する第2方向に延びるとともに、一対の梁部の各々に接続され、振動抑制部は、第1方向において、ミラー部の端部のうち、支持部側の第1ミラー端部とは反対側の第2ミラー端部と、トーション部との間の位置において、一対の梁部と当接することにより、一対の梁部に伝達する振動を抑制するように構成されており、基板は平面視においてU字状形状を有する。
【0009】
この発明の第1の局面による振動ミラー素子では、上記のように、一対の梁部と一対の梁部の第1端部を支持する支持部とミラー部を揺動可能に支持するトーション部とを含む金属製の基板を備える。これにより、一対の梁部の第1端部が支持部に支持されているため、枠状の基板に設けられた開口の内部にミラー部を配置する構成と異なり、ミラー部の大きさを大きくした場合でも、第2端部側において基板にミラー部が当接することを抑制することができる。したがって、ミラー部を大きくしつつ、振動ミラー素子全体が大型化することを抑制することができる。また、第2ミラー端部とトーション部との間の位置において一対の梁部と当接することにより、一対の梁部に伝達する振動を抑制する振動抑制部を備えるため、ミラー部を揺動軸の軸線周りに揺動させるための振動のみならず、ミラー部の表面と直交する方向の振動がトーション部を介してミラー部に伝達することを抑制することができる。したがって、ミラー部をミラー部の表面と直交する方向に揺動させる振動に起因して、ミラー部の揺動角度が所定の揺動角度範囲からずれることを抑制することができる。これらの結果、ミラー部の大きさを大きくした場合でも、振動ミラー素子全体の大きさが大型化することを抑制しつつ、ミラー部を安定して揺動させることができる。
【0010】
上記第1の局面による振動ミラー素子において、好ましくは、支持部を保持するとともに、一対の梁部の各々を保持する保持部材をさらに備え、保持部材は、振動抑制部が一対の梁部と当接する位置、または、振動抑制部が一対の梁部と当接する位置よりも第2端部側の位置において、一対の梁部の各々を保持するように構成されている。このように構成すれば、基板が支持部および一対の梁部の第2端部側において保持部材に保持されるので、基板が支持部材に片持ち状態で保持される構成とは異なり、基板自体が振動することを抑制することができる。その結果、基板自体が振動することに起因してミラー部の揺動の中心位置が移動することを抑制することが可能となるので、ミラー部をより安定して揺動させることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、振動抑制部は、一対の梁部のうちの一方に当接することにより振動を抑制する第1振動抑制部と、第1振動抑制部とは個別に設けられ、一対の梁部のうちの他方に当接することにより振動を抑制する第2振動抑制部とを含み、第1振動抑制部および第2振動抑制部の各々は、基板および保持部材とは別体で設けられており、保持部材は、第1振動抑制部および第2振動抑制部が載置される載置面を有し、載置面は、第1方向に延びるように形成されている。このように構成すれば、第1振動抑制部および第2振動抑制部の位置を個別に調整することができる。その結果、一対の梁部の一方の梁部と他方の梁部とにおいて、不要な振動を抑制することが可能な位置に第1振動抑制部および第2振動抑制部を個別に配置することが可能となるので、ミラー部をより一層安定して揺動させることができる。
【0012】
上記第1の局面による振動ミラー素子において、好ましくは、ミラー部は、第1方向におけるトーション部から第2ミラー端部までの第1距離が、第1方向におけるトーション部から第2端部までの第2距離以上となるように構成されている。このように構成すれば、一対の梁部の第2端部が、第2ミラー端部よりもトーション部から離れた位置に配置されることを抑制することができる。その結果、第1方向において、第2端部が第2ミラー端部よりも飛び出すことを抑制することが可能になるので、ミラー部を大きくしながら、第1方向における振動ミラー素子の大きさが大型化することを抑制することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、振動抑制部は、第1方向におけるトーション部から振動抑制部の第2端部側の端部までの第3距離が、第1距離未満となるように構成されている。このように構成すれば、第1方向において、振動抑制部の第2端部側の端部が、ミラー部の第2端部よりもトーション部から離れた位置に配置されることを抑制することができる。その結果、第1方向における振動ミラー素子の大きさが大型化することを抑制することができる。
【0014】
上記第1の局面による振動ミラー素子において、好ましくは、ミラー部は、基板とは別体で設けられ、基板は、トーション部と接続し、ミラー部が配置されるミラー部配置部をさらに含み、トーション部は、ミラー部と重なるように第2方向に延びるように設けられており、第2方向におけるミラー部と重なる位置において、ミラー部配置部と接続されている。このように構成すれば、トーション部が第2方向においてミラー部と重なる位置においてミラー部配置部と接続されているため、ミラー部の揺動角度を大きくするために、第2方向におけるトーション部の長さを大きくする場合でも、第2方向における基板の大きさが大きくなることを抑制することができる。その結果、第2方向における振動ミラー素子の大きさが大型化することを抑制することができる。
【0015】
この場合、好ましくは、ミラー部とミラー部配置部とは、少なくとも2箇所において、弾性を有する接着剤によって接合されている。このように構成すれば、たとえば、ミラー部とミラー部配置部とが異なる素材で構成され、互いの線膨張率が異なる場合でも、ミラー部およびミラー部配置部の線膨張率の違いによってミラー部に歪みが生じることを抑制することができる。その結果、ミラー部が歪むことにより、ミラー部によって走査される光の走査範囲が所定の走査範囲と異なる範囲になることを抑制することができる。
【0016】
上記ミラー部とミラー部配置部とが少なくとも2箇所において弾性を有する接着剤によって接合させる構成において、好ましくは、接着剤は、少なくとも、ミラー部の重心から略等距離の2箇所において、ミラー部とミラー部配置部とを接合する。このように構成すれば、ミラー部の重心から略等距離の位置において、ミラー部とミラー部配置部とが接合されるため、接合後の重量バランスが崩れることを抑制することができる。その結果、ミラー部を揺動させる際に、ミラー部とミラー部配置部との重量バランスが崩れることにより、不要な振動が生じることを抑制することが可能となるので、ミラー部を安定して揺動させることができる。
【0017】
上記トーション部が第2方向におけるミラー部と重なる位置において、ミラー部配置部と接続されている構成において、好ましくは、ミラー部配置部は、ミラー部の重心を含み、第1方向と、第1方向および第2方向に直交する第3方向とに延びる基準面において、対称な質量となるように肉抜きが施されて梁状に形成されている。このように構成すれば、ミラー部配置部が肉抜きされておらず、平板形状を有する構成と比較して、ミラー部配置部を軽量化することができる。また、ミラー部の重心を含む基準面において対称な質量となるように肉抜きが施されるので、肉抜き後のミラー部配置部の重量バランスが崩れることを抑制することができる。その結果、ミラー部を安定して揺動させつつ、ミラー部を所定の揺動角度で揺動させるために必要な電力を低減することができる。
【0018】
上記第1の局面による振動ミラー素子において、好ましくは、駆動源または一対の梁部には、おもり部材が設けられている。このように構成すれば、おもり部材を駆動源に設けた場合には、不要な振動を抑制することが可能となるため、駆動源から印加される振動が減衰することを抑制することができる。また、おもり部材を一対の梁部に設けた場合には、駆動源から印加される振動を増大させることが可能となるので、ミラー部の揺動角度を容易に大きくすることができる。
【0019】
上記第1の局面による振動ミラー素子において、好ましくは、基板のうちのミラー部の近傍、および、駆動源の表面のうちの少なくともいずれかには、ミラー部によって反射される光の反射を防止する処理が施されている。このように構成すれば、ミラー部に照射された光が、ミラー部近傍の基板、および、駆動源の表面のうち、少なくともいずれかによって反射されることが抑制される。したがって、ミラー部以外によって反射された光が走査光のノイズとなることを抑制することができる。
【0020】
この発明の第2の局面による光走査装置は、光を照射する光源と、光源から照射された光を反射するミラー部と、第1端部および第2端部を有する一対の梁部と、一対の梁部の各々の第1端部を支持する支持部と、ミラー部を揺動可能に支持するトーション部と、を含む金属製の基板と、支持部に設けられ、ミラー部を揺動させる板波を発生させる駆動源と、一対の梁部に当接することにより、一対の梁部に伝達する振動を抑制する振動抑制部と、を備え、トーション部は、ミラー部の表面に沿う方向において一対の梁部が延びる第1方向と直交する第2方向に延びるとともに、一対の梁部の各々に接続され、振動抑制部は、第1方向において、ミラー部の端部のうち、支持部側の第1ミラー端部とは反対側の第2ミラー端部と、トーション部との間の位置において、一対の梁部と当接することにより、一対の梁部に伝達する振動を抑制するように構成されており、基板は平面視においてU字状形状を有する。
【0021】
この発明の第2の局面による振動ミラー素子では、上記のように、一対の梁部と一対の梁部の第1端部を支持する支持部とミラー部を揺動可能に支持するトーション部とを含む金属製の基板と、第2ミラー端部と、トーション部との間の位置において、一対の梁部と当接することにより、一対の梁部に伝達する振動を抑制するように構成されている振動抑制部とを備える。これにより、上記第1の局面における振動ミラー素子と同様に、ミラー部の大きさを大きくした場合でも、振動ミラー素子全体の大きさを大型化することを抑制しつつ、ミラー部を安定して揺動させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、上記のように、ミラー部の大きさを大きくした場合でも、振動ミラー素子全体の大きさを大型化することを抑制しつつ、ミラー部を安定して揺動させることが可能な振動ミラー素子および光走査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】一実施形態による光走査装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態による振動ミラー素子の斜視図である。
【
図3】一実施形態による振動ミラー素子の平面図である。
【
図4】一実施形態による振動ミラー素子を、揺動軸が延びる方向から見た模式図である。
【
図5】一実施形態による振動抑制部が一対の梁部に当接する位置を説明するための模式図である。
【
図6】一実施形態によるミラー部とミラー部配置部とを接合する位置を説明するための斜視図である。
【
図7】一実施形態によるミラー配置部の構造を説明するための斜視図である。
【
図8】一実施形態による基板に施された反射防止処理を説明するための斜視図である。
【
図9】第1変形例によるミラー部配置部の構成を説明するための斜視図である。
【
図10】第2変形例による振動ミラー素子の構成を説明するための斜視図である。
【
図11】第3変形例による振動ミラー素子の構成を説明するための斜視図である。
【
図12】第4変形例によるミラー部配置部の構成を説明するための斜視図である。
【
図13】第5変形例によるミラー部およびミラー部配置部の構成を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1~
図8を参照して、一実施形態による振動ミラー素子2の構成、および、振動ミラー素子2を備える光走査装置100の構成について説明する。
【0026】
(光走査装置の構成)
本実施形態による光走査装置100は、
図1に示すように、光源1と、振動ミラー素子2と、制御部3と、を備えている。光走査装置100は、投影面60に対して、光を照射するように構成されている。
【0027】
光源1は、光を出力するように構成されている。具体的には、光源1は、レンズなどを介して、振動ミラー素子2が備えるミラー部20に照射するように構成されている。光源1は、たとえば、LED(Light Emitting Diode)または、LD(Laser Diode)などを含む。
【0028】
振動ミラー素子2は、駆動源22が発生させた板波によってミラー部20を揺動させながら、光源1から照射された光を、投影面60に投影させるように、ミラー部20により反射させるように構成されている。振動ミラー素子2の詳細な構成については、後述する。
【0029】
制御部3は、光源1によるレーザ光の照射を制御するように構成されている。具体的には、制御部3は、光源1から照射される青色のレーザ光、赤色のレーザ光および緑色のレーザ光の各々のタイミングの制御を行うように構成されている。
【0030】
また、制御部3は、光走査装置100の各部を制御するように構成されている。制御部3は、投影面60に対して投影する映像信号を、外部から取得するように構成されている。制御部3は、取得した映像信号に基づいて、光源1によるレーザ光の照射を制御するように構成されている。制御部3は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含んでいる。
【0031】
(振動ミラー素子の構成)
図2に示すように、振動ミラー素子2は、ミラー部20と、基板21と、駆動源22と、振動抑制部と、保持部材24と、を備える。なお、本明細書では、ミラー部20の表面と直交する方向をZ方向とし、上方向をZ1方向、下方向をZ2方向とする。また、Z方向と直交する面内において互いに直交する2方向をそれぞれX方向およびY方向とする。X方向のうち、一方側をX1方向とし、他方側をX2方向とする。また、Y方向のうち、一方側をY1方向とし、他方側をY2方向とする。
【0032】
ミラー部20は、光源1から照射された光を反射するように構成されている。ミラー部20は、矩形形状を有している。また、ミラー部20は、たとえば、アルミ材により構成されている。本実施形態では、ミラー部20は、基板21とは別体で設けられている。具体的には、ミラー部20は、ミラー部配置部25に設けられている。なお、
図2に示す例では、便宜上、ミラー部20にハッチングを付して図示している。
【0033】
基板21は、一対の梁部21aと、支持部21bと、トーション部21cとを含む。また、基板21は、ミラー部20が配置されるミラー部配置部25を含む。基板21は、たとえば、平板形状のステンレス鋼材により構成されている。
【0034】
一対の梁部21aは、第1端部121aおよび第2端部121bを有している。また、第1端部121aの各々は、支持部21bに支持されている。本実施形態では、一対の梁部21aは、おもり部材27を介して支持部21bに支持されている。すなわち、第1端部121aは、おもり部材27と接続している部分である。また、第2端部121bは、一対の梁部21aのうち、第1方向(Y方向)において、おもり部材27に接続していない端部である。また、
図2に示す例では、一対の梁部21aの第2端部121b側には、保持部材24に保持される保持部21dが設けられている。なお、保持部21dは、一対の梁部21aの一部である。
【0035】
図2に示す例では、一対の梁部21aの第2端部121b側のX方向の幅を大きくすることにより、保持部21dを形成している。また、保持部21dは、たとえば、ビス止めされることにより、保持部材24に保持される。そのため、保持部21dには、Z方向に貫通する貫通孔30が設けられている。
【0036】
支持部21bは、一対の梁部21aの各々の第1端部121aを支持するように構成されている。また、支持部21bには、駆動源22が設けられている。具体的には、支持部21bは、駆動源22を支持する駆動源支持部21eを有しており、駆動源22は、駆動源支持部21eに配置されている。駆動源支持部21eは、駆動源22と同様に、半円形状を有している。また、支持部21bは、第1方向(Y方向)において、一対の梁部21aを支持していない側の端部に、保持部21fを有する。支持部21bは、たとえば、ビス止めされことにより、保持部材24に保持される。そのため、保持部21fには、Z方向に貫通する貫通孔31が設けられている。
【0037】
トーション部21cは、ミラー部20を揺動可能に支持する。トーション部21cは、ミラー部20の表面に沿う方向において一対の梁部21aが延びる第1方向(Y方向)と直交する第2方向(X方向)に延びる。また、トーション部21cは、柱状形状を有している。また、トーション部21cは、一対設けられている。一対のトーション部21cの一方は、一対の梁部21aの一方と接続されており、他方のトーション部21cは、他方の梁部21aに接続されている。また、一対のトーション部21cの各々は、ミラー部配置部25に接続されている。
【0038】
ミラー部配置部25は、ミラー部20が配置されるように構成されている。また、ミラー部配置部25は、トーション部21cを介して一対の梁部21aに接続されている。ミラー部配置部25の詳細な構成については、後述する。
【0039】
駆動源22は、ミラー部20を揺動させる板波を発生させるように構成されている。駆動源22は、たとえば、圧電素子を含む。圧電素子は、たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を含む。
図2に示す例では、駆動源22として、半円形状を有するPZTが基板21に設けられている。
【0040】
振動抑制部は、一対の梁部21aに当接することにより、一対の梁部21aに伝達する振動を抑制するように構成されている。振動抑制部は、一対の梁部21aのうちの一方に当接することにより振動を抑制する第1振動抑制部23aと、第1振動抑制部23aとは個別に設けられ、一対の梁部21aのうちの他方に当接することにより振動を抑制する第2振動抑制部23bとを含む。第1振動抑制部23aおよび第2振動抑制部23bの各々は、基板21および保持部材24とは別体で設けられている。第1振動抑制部23aおよび第2振動抑制部23bの各々は、梁部21aに当接する当接面123a(
図4参照)を有する。第1振動抑制部23aおよび第2振動抑制部23bが一対の梁部21aに当接する位置などの詳細については、後述する。
【0041】
保持部材24は、支持部21bを保持するように構成されている。
図2に示すように、保持部材24は、支持部21bのうち、第1方向(Y方向)において、一対の梁部21aを支持していない側の端部に設けられた保持部21fを保持する。また、保持部材24は、一対の梁部21aの各々を保持するように構成されている。
図2に示すように、保持部材24は、一対の梁部21aのうち、保持部21dを保持するように構成されている。
【0042】
また、
図2に示すように、保持部材24は、振動抑制部が一対の梁部21aと当接する位置、または、振動抑制部が一対の梁部21aと当接する位置よりも第2端部121b側の位置において、一対の梁部21aの各々を保持するように構成されている。
図2に示す例では、保持部材24は、振動抑制部が一対の梁部21aと当接する位置よりも第2端部121b側の位置において、一対の梁部21aの各々を保持する。
【0043】
また、保持部材24は、第1振動抑制部23aおよび第2振動抑制部23bが載置される載置面24aを有している。載置面24aは、第1方向(Y方向)に延びるように形成されている。なお、載置面24aは、保持部材24のZ1方向側の表面のうち、一対の梁部21aの下方(Z2方向側)において、一対の梁部21aが延びる方向(Y方向)に延びる部分である。
【0044】
図3に示すように、基板21は、一対の梁部21aが、支持部21bに支持されている。したがって、本実施形態では、基板21は、平面視において、U字状形状を有する。また、
図3には図示されていないが、保持部材24も、基板21と同様に、U字状形状を有する。
【0045】
また、駆動源22または一対の梁部21aには、おもり部材27が設けられている。
図3に示すように、本実施形態では、一対の梁部21aのうち、第1端部121a側において、基板21と一体的におもり部材27が設けられている。具体的には、おもり部材27は、第1端部121a側のX方向における大きさを大きくすることにより、基板21に一体的に設けられている。
【0046】
また、本実施形態では、
図3に示すように、ミラー部20は、第1方向(Y方向)におけるトーション部21cから第2ミラー端部20bまでの第1距離D1が、第1方向におけるトーション部21cから第2端部121bまでの第2距離D2以上となるように構成されている。なお、本実施形態では、Y方向におけるトーション部21cの中心から第2ミラー端部20bまでの間の長さを、第1距離D1としている。また、Y方向におけるトーション部21cの中心から第2端部121bまでの間の長さを、第2距離D2としている。
【0047】
また、トーション部21cは、第2方向(X方向)において、ミラー部20と重ならない位置において、ミラー部配置部25に接続される。具体的には、トーション部21cは、X方向における梁部21aからミラー部20X方向の端部20cまでの距離D3と、X方向におけるトーション部21cの長さD4とが、等しくなる位置で、ミラー部配置部25に接続されている。
【0048】
(ミラー部の揺動)
ミラー部20は、
図4に示すように、揺動軸Axを中心として、所定の揺動角度Rとなるように、揺動される。本実施形態では、ミラー部20は、駆動源22が発生させる板波によって、揺動軸Axの軸線周りに揺動される。具体的には、駆動源22は、基板21の面に平行な方向(XY平面に平行な方向)に伸縮することにより、基板21をZ方向に撓ませることによって板波を発生させる。駆動源22によって発生された板波は、一対の梁部21aを介して、トーション部21cに伝達される。トーション部21cは、一対の梁部21aを介して伝達された板波によって捻れることにより、ミラー部配置部25を揺動させる。ミラー部配置部25は、トーション部21cによって揺動されることにより、ミラー部20を揺動させる。トーション部21cは、駆動源22が発生させる板波の腹部分、または、節部分の位置となるように配置される。なお、板波には、シンメトリーの板波と、アシンメトリーの板波とが含まれる。板波がシンメトリーの場合、振幅の極大点が腹部分であり、振幅の極小点が節部分である。また、板波がアシンメトリーの場合、変位が最大となる部分が腹部分であり、変位が最小となる部分が節部分である。
【0049】
また、
図4に示すように、ミラー部20とミラー部配置部25とは、少なくとも2箇所において、弾性を有する接着剤26によって接合されている。ミラー部20とミラー部配置部25とは、弾性を有する接着剤26によって接合されているため、
図4に示すように、Z方向においてわずかに隙間が空いた状態で接合される。これにより、トーション部21cが捻れた際に、トーション部21cがミラー部20に当接することを抑制することが可能となり、ミラー部20を所定の揺動角度Rで安定して揺動させることができる。なお、
図4は、断面を図示したものではなく、ミラー部20、トーション部21c、ミラー部配置部25、および、接着剤26を識別しやすくするために、ハッチングを付している。
【0050】
(振動抑制部の当接位置)
次に、
図5を参照して、振動抑制部が一対の梁部21aに当接する位置について説明する。振動抑制部は、第1方向(Y方向)において、ミラー部20の端部のうち、支持部21b側の第1ミラー端部20aとは反対側の第2ミラー端部20bと、トーション部21cとの間の位置において、一対の梁部21aと当接することにより、一対の梁部21aに伝達する振動を抑制するように構成されている。具体的には、振動抑制部は、基板21をZ方向に揺動させる振動が一対の梁部21aに伝達することを抑制するように構成されている。
【0051】
図5に示すように、第1振動抑制部23aは、Z2方向側から一対の梁部21aのうち、X2方向側の梁部に当接する。この際、第1振動抑制部23aが梁部に当接する当接面123aのうち、Y1方向側の端部の当接部分123bが、第2ミラー端部20bと、トーション部21cとの間の位置となるように、第1方向(Y方向)における第1振動抑制部23aの位置が調整される。当接部分123bの位置は、ミラー部20の大きさ、トーション部21cの太さ、長さなどによって決定される。また、
図5には図示していないが、第2振動抑制部23bは、一対の梁部21aのうち、X1方向側の梁部に当接する。第2振動抑制部23bについても、第1振動抑制部23aと同様に、位置が調整される。言い換えると、第1振動抑制部23aおよび第2振動抑制部23bは、一対の梁部21aのうち、振動部分の長さ(当接部分123bから第1端部121aまでの長さ)が調節されることにより、不要な振動モードの発生または強度を抑制するように構成されている。
【0052】
第1振動抑制部23aは、第1方向(Y方向)におけるトーション部21cから第1振動抑制部23aの第2端部121b側の端部までの第3距離D5が、第1距離D1未満となるように構成されている。なお、本実施形態では、Y方向におけるトーション部21cの中心から第1振動抑制部23aの第2端部121b側の端部までの間の長さを、第3距離D5としている。また、
図5には図示していないが、第2振動抑制部23bの第1方向(Y方向)におけるトーション部21cから第1振動抑制部23aの第2端部121b側の端部までの距離も、第1距離D1未満となるように構成されている。
【0053】
(ミラー部とミラー部配置部との接合位置)
次に、
図6を参照して、接着剤26によるミラー部20とミラー部配置部25との接合位置について説明する。
【0054】
接着剤26は、少なくとも、ミラー部20の重心Gまたはミラー部20の面の中心から略等距離の2箇所において、ミラー部20とミラー部配置部25とを接合する。
図6に示す例では、接着剤26は、ミラー部20の重心Gから略等距離の8箇所において、ミラー部20とミラー部配置部25とを接合している。具体的には、接着剤26は、第1接合位置P1~第8接合位置P8の8箇所において、ミラー部20とミラー部配置部25とを接合している。
【0055】
図6に示す例では、ミラー部20の重心Gからの距離が互い等しい接合位置の接着剤26に対して、接着剤26の配置位置とミラー部20の重心Gとを結ぶ破線上に共通の標識を付している。すなわち、第1標識40aが付された第1接合位置P1と、第8接合位置P8とが、ミラー部20の重心Gからの距離が互いに等しい接合位置である。また、第2標識40bが付された第2接合位置P2と、第7接合位置P7とが、ミラー部20の重心Gからの距離が互いに等しい接合位置である。また、第3標識40cが付された第3接合位置P3と、第6接合位置P6とが、ミラー部20の重心Gからの距離が互いに等しい接合位置である。また、第4標識40dが付された第4接合位置P4と、第5接合位置P5とが、ミラー部20の重心Gからの距離が互いに等しい接合位置である。
【0056】
(ミラー部配置部の構成)
図7に示すように、ミラー部配置部25は、ミラー部20の重心Gまたはミラー部20の面の中心を含む基準面Rpにおいて、対称な質量となるように肉抜きが施されて梁状に形成されている。
図7に示す例では、基準面Rpは、YZ平面である。
図7に示す例では、ミラー部配置部25は、ミラー部20の重心Gを含む基準面Rpにおいて、対称な質量となるように肉抜きが施されて梁状に形成されている。すなわち、ミラー部配置部25は、基準面RpよりもX1方向側の質量と、基準面RpよりもX2方向側の質量とが、互いに等しくなるように、肉抜きが施されて梁状に形成されている。
【0057】
具体的には、ミラー部配置部25は、一対の第1梁部25aと、一対の第2梁部25bと、第3梁部25cとを含む。一対の第1梁部25aは、第1方向(Y方向)に延びるように配置されている。また、一対の第2梁部25bは、第2方向(X)方向に延びるように配置されている。また、第3梁部25cは、一対の第2梁部25bのうち、Y1方向側に設けられた第2梁部25bに設けられ、第1方向(Y方向)に延びるように配置されている。トーション部21cは、第2方向(X方向)において、ミラー部20と重ならない位置において、一対の第1梁部25aに接続される。
【0058】
(反射防止処理)
図8に示すように、基板21のうちのミラー部20の近傍、および、駆動源22の表面のうちの少なくともいずれかには、ミラー部20によって反射される光の反射を防止する処理が施されている。
図8に示す例では、ミラー部20の近傍および駆動源22の表面の両方に、反射防止処理が施されている。具体的には、本実施形態では、基板21のうちの、一対の梁部21a、トーション部21c、第3梁部25cのうち、ミラー部20と重なっていない部分、および、駆動源22の表面に対して、反射防止処理が施されている。
【0059】
反射防止処理は、たとえば、ミラー部20の近傍および駆動源22の表面に対して、黒色の塗料を塗布する処理を含む。また、たとえば、ミラー部20の近傍および駆動源22の表面に対して、黒色の酸化被膜を形成することにより、反射防止処理を施してもよい。反射防止処理として黒色の酸化被膜を形成した場合、基板21の機械的強度を向上させることができる。
【0060】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0061】
本実施形態では、上記のように、振動ミラー素子2は、光を反射するミラー部20と、第1端部121aおよび第2端部121bを有する一対の梁部21aと、一対の梁部21aの各々の第1端部121aを支持する支持部21bと、ミラー部20を揺動可能に支持するトーション部21cと、を含む金属製の基板21と、支持部21bに設けられ、ミラー部20を揺動させる板波を発生させる駆動源22と、一対の梁部21aに当接することにより、一対の梁部21aに伝達する振動を抑制する振動抑制部と、を備え、トーション部21cは、ミラー部20の表面に沿う方向において一対の梁部21aが延びる第1方向と直交する第2方向に延びるとともに、一対の梁部21aの各々に接続され、振動抑制部は、第1方向において、ミラー部20の端部のうち、支持部21b側の第1ミラー端部20aとは反対側の第2ミラー端部20bと、トーション部21cとの間の位置において、一対の梁部21aと当接することにより、一対の梁部21aに伝達する振動を抑制するように構成されている。
【0062】
これにより、一対の梁部21aの第1端部121aが支持部21bに支持されているため、枠状の基板に設けられた開口の内部にミラー部20を配置する構成と異なり、ミラー部20の大きさを大きくした場合でも、第2端部121b側において基板21にミラー部20が当接することを抑制することができる。したがって、ミラー部20を大きくしつつ、振動ミラー素子2全体が大型化することを抑制することができる。また、第2ミラー端部20bとトーション部21cとの間の位置において一対の梁部21aと当接することにより、一対の梁部21aに伝達する振動を抑制する振動抑制部を備えるため、ミラー部20を揺動軸Axの軸線周りに揺動させるための振動のみならず、ミラー部20の表面と直交する方向(Z方向)の振動がトーション部21cを介してミラー部20に伝達することを抑制することができる。したがって、ミラー部20をZ方向に揺動させる振動に起因して、ミラー部20の揺動角度Rが所定の揺動角度範囲からずれることを抑制することができる。これらの結果、ミラー部20の大きさを大きくした場合でも、振動ミラー素子2全体の大きさが大型化することを抑制しつつ、ミラー部20を安定して揺動させることができる。
【0063】
また、本実施形態では、上記のように、支持部21bを保持するとともに、一対の梁部21aの各々を保持する保持部材24をさらに備え、保持部材24は、振動抑制部が一対の梁部21aと当接する位置、または、振動抑制部が一対の梁部21aと当接する位置よりも第2端部121b側の位置において、一対の梁部21aの各々を保持するように構成されている。これにより、基板21が支持部21bおよび一対の梁部21aの第2端部121b側において保持部材24に保持されるので、基板21が支持部21b材に片持ち状態で保持される構成とは異なり、基板21自体が振動することを抑制することができる。その結果、基板21自体が振動することに起因してミラー部20の揺動の中心位置が移動することを抑制することが可能となるので、ミラー部20をより安定して揺動させることができる。
【0064】
また、本実施形態では、上記のように、振動抑制部は、一対の梁部21aのうちの一方に当接することにより振動を抑制する第1振動抑制部23aと、第1振動抑制部23aとは個別に設けられ、一対の梁部21aのうちの他方に当接することにより振動を抑制する第2振動抑制部23bとを含み、第1振動抑制部23aおよび第2振動抑制部23bの各々は、基板21および保持部材24とは別体で設けられており、保持部材24は、第1振動抑制部23aおよび第2振動抑制部23bが載置される載置面24aを有し、載置面24aは、第1方向に延びるように形成されている。これにより、第1振動抑制部23aおよび第2振動抑制部23bの位置を個別に調整することができる。その結果、一対の梁部21aの一方の梁部21aと他方の梁部21aとにおいて、不要な振動を抑制することが可能な位置に第1振動抑制部23aおよび第2振動抑制部23bを個別に配置することが可能となるので、ミラー部20をより一層安定して揺動させることができる。
【0065】
また、本実施形態では、上記のように、ミラー部20は、第1方向におけるトーション部21cから第2ミラー端部20bまでの第1距離D1が、第1方向におけるトーション部21cから第2端部121bまでの第2距離D2以上となるように構成されている。これにより、一対の梁部21aの第2端部121bが、第2ミラー端部20bよりもトーション部21cから離れた位置に配置されることを抑制することができる。その結果、第1方向(Y方向)において、第2端部121bが第2ミラー端部20bよりも飛び出すことを抑制することが可能になるので、ミラー部20を大きくしながら、第1方向における振動ミラー素子2の大きさが大型化することを抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、上記のように、振動抑制部は、第1方向におけるトーション部21cから振動抑制部の第2端部121b側の端部までの第3距離D5が、第1距離D1未満となるように構成されている。これにより、第1方向において、振動抑制部の第2端部121b側の端部が、ミラー部20の第2端部121bよりもトーション部21cから離れた位置に配置されることを抑制することができる。その結果、第1方向における振動ミラー素子2の大きさが大型化することを抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態では、上記のように、ミラー部20とミラー部配置部25とは、少なくとも2箇所において、弾性を有する接着剤26によって接合されている。これにより、たとえば、ミラー部20とミラー部配置部25とが異なる素材で構成され、互いの線膨張率が異なる場合でも、ミラー部20およびミラー部配置部25の線膨張率の違いによってミラー部20に歪みが生じることを抑制することができる。その結果、ミラー部20が歪むことにより、ミラー部20によって走査される光の走査範囲が所定の走査範囲と異なる範囲になることを抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態では、上記のように、接着剤26は、少なくとも、ミラー部20の重心Gまたはミラー部20の面の中心から略等距離の2箇所において、ミラー部20とミラー部配置部25とを接合する。これにより、ミラー部20の重心Gまたはミラー部20の面の中心から略等距離の位置において、ミラー部20とミラー部配置部25とが接合されるため、接合後の重量バランスが崩れることを抑制することができる。その結果、ミラー部20を揺動させる際に、ミラー部20とミラー部配置部25との重量バランスが崩れることにより、不要な振動が生じることを抑制することが可能となるので、ミラー部20を安定して揺動させることができる。
【0069】
また、本実施形態では、上記のように、ミラー部配置部25は、ミラー部20の重心Gまたはミラー部20の面の中心を含む基準面Rpにおいて、対称な質量となるように肉抜きが施されて梁状に形成されている。これにより、ミラー部配置部25が肉抜きされておらず、平板形状を有する構成と比較して、ミラー部配置部25を軽量化することができる。また、ミラー部20の重心Gまたはミラー部20の面の中心を含む基準面Rpにおいて対称な質量となるように肉抜きが施されるので、肉抜き後のミラー部配置部25の重量バランスが崩れることを抑制することができる。その結果、ミラー部20を安定して揺動させつつ、ミラー部20を所定の揺動角度Rで揺動させるために必要な電力を低減することができる。
【0070】
また、本実施形態では、上記のように、駆動源22または一対の梁部21aには、おもり部材27が設けられている。これにより、おもり部材27を駆動源22に設けた場合には、不要な振動を抑制することが可能となるため、駆動源22から印加される振動が減衰することを抑制することができる。また、おもり部材27を一対の梁部21aに設けた場合には、駆動源22から印加される振動を増大させることが可能となるので、ミラー部20の揺動角度Rを容易に大きくすることができる。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、基板21のうちのミラー部20の近傍、および、駆動源22の表面のうちの少なくともいずれかには、ミラー部20によって反射される光の反射を防止する処理が施されている。これにより、ミラー部20に照射された光が、ミラー部20近傍の基板21、および、駆動源22の表面のうち、少なくともいずれかによって反射されることが抑制される。したがって、ミラー部20以外によって反射された光が走査光のノイズとなることを抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態では、上記のように、光走査装置100は、光を照射する光源1と、光源1から照射された光を反射するミラー部20と、第1端部121aおよび第2端部121bを有する一対の梁部21aと、一対の梁部21aの各々の第1端部121aを支持する支持部21bと、ミラー部20を揺動可能に支持するトーション部21cと、を含む金属製の基板21と、支持部21bに設けられ、ミラー部20を揺動させる板波を発生させる駆動源22と、一対の梁部21aに当接することにより、一対の梁部21aに伝達する振動を抑制する振動抑制部と、を備え、トーション部21cは、ミラー部20の表面に沿う方向において一対の梁部21aが延びる第1方向と直交する第2方向に延びるとともに、一対の梁部21aの各々に接続され、振動抑制部は、第1方向において、ミラー部20の端部のうち、支持部21b側の第1ミラー端部20aとは反対側の第2ミラー端部20bと、トーション部21cとの間の位置において、一対の梁部21aと当接することにより、一対の梁部21aに伝達する振動を抑制するように構成されている。これにより、上記振動ミラー素子2と同様に、ミラー部20の大きさを大きくした場合でも、振動ミラー素子2全体の大きさを大型化することを抑制しつつ、ミラー部20を安定して揺動させることが可能な光走査装置100を提供することができる。
【0073】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0074】
たとえば、上記実施形態では、トーション部21cが、第2方向(X方向)において、ミラー部20と重ならない位置でミラー部配置部25と接続される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図9に示す第1変形例による振動ミラー素子102のように、トーション部21cは、ミラー部20と重なるように第2方向(X方向)に延びるように設けられており、第2方向におけるミラー部20と重なる位置において、ミラー部配置部125と接続されている。
【0075】
第1変形例では、ミラー部配置部125は、一対の第1梁部125aと、一対の第2梁部125bと、一対の第3梁部125cと、一対の第4梁部125dと、第5梁部125eとを含む。一対の第1梁部125a、一対の第3梁部125c、および、一対の第4梁部125dの各々は、第1方向(Y方向)に延びるように配置されている。また、一対の第2梁部125bは、第2方向(X)方向に延びるように配置されている。一対の第1梁部125aは、Y1方向側の端部が一対の第2梁部125bのうち、Y2方向側に設けられた第2梁部125bと接続している。また、一対の第3梁部125cは、一対の第2梁部125bの各々と接続している。また、一対の第3梁部125cは、Y2方向側の端部が、Y1方向側に設けられた第2梁部125bと接続している。
【0076】
第3梁部125cは、第1梁部125aおよび第4梁部125dよりも、ミラー部20の内側に配置されている。具体的には、X1方向側に設けられている第3梁部125cは、X1方向側に設けられている第1梁部125aおよび第4梁部125dよりも、X2方向側で、かつ、ミラー部20の第2方向(X方向)の中心を通り、第1方向(Y方向)に延びる中心線CxよりもX1方向側の位置に設けられている。また、X2方向側に設けられている第3梁部125cは、X2方向側に設けられている第1梁部125aおよび第4梁部125dよりも、X1方向側で、かつ中心線Cxの位置よりもX2方向側の位置に設けられている。
【0077】
また、第4梁部125dは、一対の第2梁部125bのうち、Y1方向側に設けられた第2梁部125bに設けられ、第1方向(Y方向)に延びるように配置されている。トーション部21cは、一対の第3梁部125cに接続される。
【0078】
第1変形例では、上記のように、ミラー部20は、基板21とは別体で設けられ、基板21は、トーション部21cと接続し、ミラー部20が配置されるミラー部配置部125をさらに含み、トーション部21cは、ミラー部20と重なるように第2方向(X方向)に延びるように設けられており、第2方向におけるミラー部20と重なる位置において、ミラー部配置部125と接続されている。これにより、トーション部21cが第2方向においてミラー部20と重なる位置においてミラー部配置部125と接続されているため、ミラー部20の揺動角度Rを大きくするために、第2方向におけるトーション部21cの長さを大きくする場合でも、第2方向における基板21の大きさが大きくなることを抑制することができる。その結果、第2方向における振動ミラー素子2の大きさが大型化することを抑制することができる。
【0079】
また、上記実施形態では、第1振動抑制部23aと第2振動抑制部23bとが別体である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1振動抑制部23aと第2振動抑制部23bとは、一体形成されていてもよい。
【0080】
また、上記本実施形態では、基板21と保持部材24とが別体である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図10に示す第2変形例による振動ミラー素子202のように、基板と保持部材とが一体的に形成されていてもよい。具体的には、保持部21fを曲げ加工することにより、保持部21gを形成してもよい。なお、
図10に示す例では、保持部21gは、枠状形状を有している。また、保持部21dを曲げ加工することにより、保持部21hを形成してもよい。なお、保持部21hは、第1振動抑制部23aおよび第2振動抑制部23bを載置する載置面24aを有する。
【0081】
また、上記本実施形態では、おもり部材27を、一対の梁部21aの第1端部121a側に設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図11に示す第3変形例による振動ミラー素子302のように、おもり部材127は、駆動源322の近傍に設けられてもよい。
図11に示す例では、駆動源322は、三角形形状を有している。また、第3変形例では、支持部21bは、上記実施形態と同様の形状を有している。第3変形例では、駆動源322を支持する駆動源支持部21eのうち、駆動源322が配置されていない部分をおもり部材127として用いている。
【0082】
また、上記本実施形態では、ミラー部配置部25が、一対の第1梁部25aと、一対の第2梁部25bと、第3梁部25cとを有する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図12に示す第5変形例による振動ミラー素子402のように、ミラー部配置部425は、一対の第1梁部425aのみを有していてもよい。
【0083】
また、上記本実施形態では、ミラー部20が矩形形状を有する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図13に示す第5変形例による振動ミラー素子502のように、ミラー部520は、矩形形状以外の形状を有していてもよい。ミラー部520が矩形形状以外の形状を有する場合でも、ミラー部520と、ミラー部配置部525とは、ミラー部520の重心Gからの距離が互い等しい位置において接合すればよい。
【0084】
図13に示す例では、第9接合位置P9~第15接合位置P15において、ミラー部520とミラー部配置部525とが接合されている。第5変形例においても、ミラー部20の重心Gからの距離が等しい位置にある接着剤26とミラー部20の重心Gとを結ぶ破線上に、共通の標識を付している。第5標識40eが付された第9接合位置P9と、第12接合位置P12とは、ミラー部520の重心Gからの距離が互いに等しい接合位置である。また、第6標識40fが付された第11接合位置P11と、第14接合位置P14とは、ミラー部520の重心Gからの距離が互いに等しい接合位置である。また、第7標識40gが付された第13接合位置P13と、第15接合位置P15とは、ミラー部520の重心Gからの距離が互いに等しい接合位置である。
【0085】
なお、
図13に示す第5変形例では、第9接合位置P9および第10接合位置P10が、基準面Rpからの距離が互いに等しいため、第8標識40hが付されている。また、第11接合位置P11および第14接合位置P14についても、基準面Rpからの距離が互いに等しいため、第8標識40hが付されている。
【0086】
また、上記実施形態では、振動抑制部が当接面123aを有し、梁部21aと面接触する構成例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、振動抑制部は、梁部21aと点接触するように構成されていてもよい。振動抑制部が梁部21aと点接触する構成の場合でも、振動抑制部が梁部21aと接触する位置を、第2ミラー端部20bと、トーション部21cとの間の位置となるようにすればよい。
【0087】
また、上記実施形態では、振動抑制部が基板21および保持部材24とは別体で構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、振動抑制部は、基板21または保持部材24と一体的に形成されていてもよい。振動抑制部が基板21と一体的に形成される場合、一対の梁部21aの第2端部121b側の第2方向(X方向)における大きさを変えることにより、振動を抑制することができる。そのため、たとえば、上記実施形態における保持部21dを、振動抑制部としてもよい。また、振動抑制部が保持部材24と一体的に形成される場合、基板21を固定する部分のうち、Y1方向側の端部を、振動抑制部とすればよい。
【0088】
また、上記実施形態では、保持部材24が、振動抑制部が一対の梁部21aと当接する位置よりも第2端部121b側の位置において、一対の梁部21aの各々を保持する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、保持部材24は、振動抑制部が一対の梁部21aと当接する位置において、一対の梁部21aの各々を保持する用意構成されていてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、振動抑制部が、第1振動抑制部23aと第2振動抑制部23bとを含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、1つの振動抑制部が、一対の梁部21aの両方に当接することにより、一対の梁部21aの振動を抑制するように構成されていてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、第1距離D1と第2距離D2とが等しい構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2距離D2が第1距離D1よりも小さくなるように、基板21を構成してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、第3距離D5が第1距離D1よりも小さくなる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第3距離D5が第1距離D1と等しくなるように、振動抑制部が構成されていてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、接着剤26が、8箇所の接合位置において、ミラー部20とミラー部配置部25とを接合する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。2箇所以上の接合箇所でミラー部20とミラー部配置部25とを接合すれば、接着剤26による接合箇所は何箇所であってもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、接着剤26が、ミラー部20の重心Gから略等距離の接合位置において、ミラー部20とミラー部配置部25とを接合する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、接着剤26は、ミラー部20の面の中心から略等距離の接合位置において、ミラー部20とミラー部配置部25とを接合してもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、ミラー部配置部25が、ミラー部20の重心Gを含む基準面Rpにおいて、対称な質量となるように肉抜きが施された構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ミラー部配置部25は、ミラー部20の面の中心を含む基準面において、対称な質量となるように肉抜きが施されていてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、おもり部材27が基板21と一体的に形成されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、おもり部材27は、基板21とは別体で構成されており、基板21に配置される構成でもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、基板21のうちのミラー部20の近傍、および、駆動源22の表面に反射防止処理が施されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、基板21のうちのミラー部20の近傍、および、駆動源22の表面に反射防止処理が施されていなくてもよい。しかしながら、基板21のうちのミラー部20の近傍、および、駆動源22の表面に反射防止処理が施されていない場合、ミラー部20以外で反射した光が、ノイズとなるため、基板21のうちのミラー部20の近傍、および、駆動源22の表面のうち、少なくともいずれかには、反射防止処理を施していることが好ましい。なお、ミラー部20以外で光が反射することをより抑制するためには、基板21のうちのミラー部20の近傍、および、駆動源22の表面に反射防止処理を施すことがより好ましい。
【0097】
また、上記実施形態では、基板21がU字状形状を有する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。一対の梁部21aの第1端部121aが支持部21bに支持されていれば、基板21はU字状形状以外の形状を有していてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 光源
2、102、202、302、402、502 振動ミラー素子
20 ミラー部
20a 第1ミラー端部
20b 第2ミラー端部
21 基板
21a 一対の梁部
21b 支持部
21c トーション部
22 駆動源
23a 第1振動抑制部(振動抑制部)
23b 第2振動抑制部(振動抑制部)
24 保持部材
24a 載置面
25、125、425、525 ミラー部配置部
26 接着剤
27、127 おもり部材
100 光走査装置
121a 第1端部(梁部の第1端部)
121b 第2端部(梁部の第2端部)
D1 第1距離
D2 第2距離
D5 第3距離
G ミラー部の重心
Rp 基準面