(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】遊技機管理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 352F
A63F7/02 332B
(21)【出願番号】P 2020079184
(22)【出願日】2020-04-28
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】本多 孝高
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 奨
(72)【発明者】
【氏名】近藤 完
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 伸行
(72)【発明者】
【氏名】牧 悠平
【審査官】荒井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-065595(JP,A)
【文献】特開2015-047210(JP,A)
【文献】特開2008-073445(JP,A)
【文献】特許第6468382(JP,B1)
【文献】特開2001-346028(JP,A)
【文献】特開2019-198461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者によるレート変更が可能な遊技機を管理する遊技機管理システムであって、
遊技場に設置されている所定のグループ毎の遊技機に対するレートの比率の設定値を記憶するレート設定値記憶手段と、
稼働中の遊技機の遊技機情報及びレート情報を含む稼働情報を取得して、前記グループ毎のレートの稼働比率を算出する稼働比率算出手段と、
前記稼働比率算出手段により算出された所定のレートの稼働比率が前記レート設定値記憶手段に記憶されている設定値以上か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、設定値以上と判定された場合、所定のレートへの変更を不可とするレート制限手段と、
を有する遊技機管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載された遊技機管理システムにおいて、
前記所定のレートは最も低いレートである遊技機管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載された遊技機管理システムにおいて、
前記グループは、遊技場に設置されている遊技機全部、又は島、又は機種、又はスペックである遊技機管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載された遊技機管理システムにおいて、
遊技者による所定の入力操作を受け付ける操作手段と、
前記操作手段からの前記遊技者によるレート変更の入力操作に応じて、選択可能なレートを表示する表示手段と、を有し、
前記選択可能なレートに対して前記遊技者が選択したレートが前記所定のレートの場合、前記表示手段は、前記所定のレートへの変更が不可であることを表示する遊技機管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載された遊技機管理システムにおいて、
前記レート制限手段は、前記判定手段により所定のレートの稼働比率が設定値未満と判定された場合であっても、当該
所定のレートより
高レートの稼働比率が所定値未満の場合、当該
所定のレートへの変更を不可とする遊技機管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載された遊技機管理システムにおいて、
所定の条件を有する遊技機については、稼働レート比率に基づくレート制限の対象外とする遊技機管理システム。
【請求項7】
請求項1に記載された遊技機管理システムにおいて、
前記レート制限手段は、前記判定手段により所定のレートの稼働比率が設定値以上と判定された場合であっても、当該レート及び当該レートより低レートの稼働比率の合計が、当該レートの設定値及び当該レートより低レートの設定値の合計未満の場合、当該レートへの変更を制限しない遊技機管理システム。
【請求項8】
請求項1に記載された遊技機管理システムにおいて、
遊技場内の遊技機の設置場所に応じて、遊技者により設定可能なレート範囲が設定されている遊技機管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場で使用される遊技機を管理する遊技機管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店等の遊技場で使用される遊技機として、内部に封入された複数の弾球を循環させて使用する封入型遊技機が知られている(特許文献1)。封入型遊技機においては、遊技者は、予め設定されているレートを選択操作により好みのレートに変更することができる。レートとは玉貸しにおいて遊技者に提供される遊技球の単価(4円、1円等)を意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、低レートで遊技を行う遊技者が多くなると、遊技場の売上が減少するという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者によるレート変更が可能な遊技機を設置した遊技場の売上の減少を防止できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、遊技者によるレート変更が可能な遊技機を管理する遊技機管理システムであって、遊技場に設置されている所定のグループ毎の遊技機に対するレートの比率の設定値を記憶するレート設定値記憶手段と、稼働中の遊技機の遊技機情報及びレート情報を含む稼働情報を取得して、前記グループ毎のレートの稼働比率を算出する稼働比率算出手段と、前記稼働比率算出手段により算出された所定のレートの稼働比率が前記レート設定値記憶手段に記憶されている設定値以上か否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、設定値以上と判定された場合、所定のレートへの変更を不可とするレート制限手段と、を有する遊技機管理システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技者によるレート変更が可能な遊技機を設置した遊技場の売上の減少を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る遊技機管理システムを含む遊技システムの構成を示す図である。
【
図3】台間機におけるレート設定選択画面を示す図である。
【
図4】管理装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図5】遊技機管理システムの概略動作を示すフローチャートである。
【
図7】遊技機の設置場所に応じた優先順位を設定したマップを示す図である。
【
図8】マップの優先順位に従って許容するレート範囲を設定したマップを示す図である。
【
図9】優先順位の高い遊技機が高レートで利用されている場合に他の遊技機に許容するレート範囲を更新した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〈遊技システムの構成〉
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機管理システムを含む遊技システムの構成を示す図である。
【0010】
この遊技システムは、n台(ここではnは3以上の整数)の遊技機1-1,1-2,・・・1-nと、それぞれが遊技機1-1,1-2,・・・1-nに接続されたn台の台間機2-1,2-2,・・・2-nと、ネットワークNWを介して、台間機2-1,2-2,・・・2-nと通信可能に構成された管理装置3とからなる。台間機2-1,2-2,・・・2-n及び管理装置3が遊技機管理システムを構成する。なお、以下の説明において、各遊技機を区別しない場合は遊技機1とし、各台間機を区別しない場合は台間機2とする。
【0011】
遊技機1は、遊技者によるレート変更が可能な遊技機であり、例えば封入型のパチンコ台である。遊技機1の内部の記憶部には、メーカー情報、機種情報を含む識別情報(ID)が記憶されている。
【0012】
台間機2は、遊技者が遊技機1において遊技をする際に遊技機1を制御又は監視する。台間機2は、遊技者のログイン操作時の認証を行う。ログイン操作時の遊技者の認証は、例えば、顔認証や静脈認証等の生体認証であり、台間機2は、読み取った生態情報を管理装置3に送信する。会員カードを所持している遊技者については、台間機2は、生体情報を送信する代わりに会員カードから読み取った遊技者の識別情報を含むカードIDを送信してもよい。会員カードを所持していない遊技者については、遊技者が入力した認証用のパスワードを管理装置3に送信してもよい。認証が完了した時点でログイン状態となり、遊技者は、ログイン状態では、遊技機1において遊技をすることが可能になる。
【0013】
また、台間機2は、遊技機1から遊技機情報を取得して管理装置3に送信するとともに、レート情報を管理装置3に送信する。レート情報とは、予め遊技場の管理者や遊技者により台間機2に設定された遊技機1のレートを表す情報である。遊技機情報とレート情報を併せて稼働情報と言う。稼働情報は、レート変更などのイベント発生時や、定間隔で送信される。
【0014】
管理装置3は、複数の台間機2それぞれとの間でデータを送受信可能なサーバである。管理装置3は、各台間機2から送信された各遊技機1の稼働情報を収集し、稼働比率を算出する。稼働比率とは、所定のグループ毎(遊技機全部、島毎、機種毎、スペック毎、遊技場全体等)にどのレートでどれだけの比率の遊技機1が稼働しているのかを表す情報である。
【0015】
また、管理装置3は、算出された所定のレート(例えば最も低いレート)の稼働比率が予め設定されている閾値(例えば20%)以上になった場合、そのレートへの変更を不可とする通知(以下、レート変更不可通知)を台間機2に送信する。
【0016】
〈台間機の内部構成〉
図2は台間機の内部構成を示すブロック図である。台間機2は、制御部20と、それぞれが制御部20に接続された記憶部21、通信部22、遊技機接続部23、操作部24、表示部25、及びカード挿入部26を有する。
【0017】
記憶部21は、RAM、ROM、書換え可能な不揮発性メモリなどの記憶媒体である。そして、ROMには台間機2を動作させるために必要な制御プログラムや固定データなどが記憶されている。また、RAMには制御部20が実行中のプログラムや、それらの実行に必要なデータなどが記憶される。また、書換え可能な不揮発性メモリには、現在のレートの設定値、設定可能(選択可能)なレート、利用不可(変更不可)のレート等が記憶される。
【0018】
通信部22は、管理装置3の間で情報を送受信するための通信インターフェースである。通信部22は、例えばLANコントローラを含んでいる。遊技機接続部23は、遊技機1と連動するためのインターフェースを含んでいる。
【0019】
操作手段としての操作部24は、遊技者が入力操作を行うためのデバイスとして、例えば操作ボタンを有する。操作部24は、表示部25に重ねて設けられたタッチパネルを有してもよい。表示手段としての表示部25は、例えば液晶ディスプレイである。表示部25は、遊技者に通知する各種の情報を表示する。カード挿入部26は、遊技者が一般カードや会員カードを挿入するための挿入口である。
【0020】
制御部20は、例えばCPUであり、記憶部21に記憶されたプログラムを実行することにより、通信制御部201、遊技制御部202、操作制御部203、表示制御部204及びカード制御部205として機能する。
【0021】
通信制御部201は、通信部22を介して管理装置3との間でデータ通信を行う。本実施形態では、通信制御部201は、管理装置3に対して稼働情報(遊技機情報及びレート情報)を送信する。また、管理装置3からレート変更不可通知を受信する。
【0022】
遊技制御部202は、遊技機接続部23を介して、遊技機1との間でデータ通信を行うことで、遊技機1を制御する。
【0023】
操作制御部203は、操作部24において行われた操作内容を示す情報を操作部24から取得し、取得した情報に基づいて、操作内容に関連する制御部20の各部に操作内容を通知する。
【0024】
表示制御部204は、表示部25に各種の情報を表示させる。表示制御部204は、例えば、ユーザのカード残高、持玉数、及び払出可能な貯玉数を表示部25に表示させる。
【0025】
カード制御部205は、カード挿入部26に挿入された記憶媒体であるカードから情報を読み出したり、カードに情報を書き込んだりする。カード制御部205は、遊技者が操作部24を用いて玉の貸し出しに用いる現金を支払った場合に、カード内の残高情報を更新する。
【0026】
〈レート設定選択画面〉
図3は、表示部25に表示されるレート設定選択画面を示す図である。ここで、
図3Aは、遊技者がレート選択を行う前の状態を表し、
図3Bは、遊技者が「1円」のレートの選択を行った状態を表している。
【0027】
図3A及び
図3Bに示されているように、レート設定選択画面251には、レート設定画面であることを表す画像252、現在設定されている「4円」のレートを表すボタン253、及び選択可能なレートである「1円」のレートを表すボタン254が表示されている。そして、
図3Bでは、遊技者が選択を行った「1円」のレートが変更不可(利用不可)に設定されているため、「1円」に「×」が付されている。
【0028】
〈管理装置の内部構成〉
図4は、管理装置の内部構成を示すブロック図である。管理装置3は、制御部30と、それぞれが制御部30に接続された記憶部31、操作部32、表示部33、及び通信部34を有する。
【0029】
記憶部31は、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶媒体である。そして、ROMには管理装置3を動作させるために必要な制御プログラムや固定データなどが記憶されている。また、RAMには制御部30が実行中のプログラムや、それらの実行に必要なデータなどが記憶される。また、ハードディスクには大容量のデータが記憶される。ここでは、レート比率設定情報311、稼働情報312、及び稼働レート比率情報313を図示した。
【0030】
レート比率設定情報とは、遊技場に設置されている所定グループの遊技機総数に対するレートの比率の設定値を表す情報である。図示の場合、4円のレートを80%、1円のレートを20%に設定したものである。したがって、遊技機数が100台の場合、4円のレートが80台、1円のレートが20台になる。
【0031】
また、稼働情報とは、所定グループの遊技機のうち、レート毎の実際に遊技に利用されている遊技機の台数を表す情報である。図示の場合、100台のうち、4円のレートで稼働している遊技機が70台、1円のレートで稼働している遊技機が20台である。
【0032】
また、稼働レート比率情報とは、稼働情報における遊技機総数に対する各レートの稼働数の比率を表す情報である。図示の場合、4円のレートの稼働比率が70%、1円のレートの稼働比率が20%である。
【0033】
操作部32は、例えばキーボード及びマウスのように、ユーザ(遊技場の管理者等)の入力操作を受け付けるデバイスである。表示部33は、操作部32から入力された情報や台間機2から取得した情報等を表示するディスプレイである。通信部34は、ネットワークNWを介して台間機2との間でデータを送受信するための通信インターフェースの一部であり、例えばLANコントローラにより構成されている。
【0034】
制御部30は、例えばCPUであり、記憶部31に記憶されたプログラムを実行することにより、管理装置3全体を制御する。また、制御部30は、各台間機2から送信された各遊技機1の稼働情報を集計して稼働情報312を生成し、記憶部31に格納する。ここで、稼働情報の集計は、遊技機1の機種若しくはスペック、又は遊技場の島毎若しくは全遊技機について行う。
【0035】
また、制御部30は、稼働情報312から稼働レート比率情報313を算出し、記憶部31に格納する。また、制御部30は、算出した稼働レート比率情報313と、レート比率設定情報311の設定比率とを比較し、所定のレート(ここでは1円)の比率が設定値(ここでは20%)以上か否かを判定し、所定の比率以上の場合、所定のレートに対する現設定(ここでは4円)から所定のレートへの変更を不可とする通知を台間機2に送信する。
【0036】
〈遊技機管理システムの動作〉
図5は、遊技機管理システムの概略動作を示すフローチャートである。この動作は、遊技者が台間機2の操作部24から希望のレートを選択する際の動作の一例である。
図2、
図3、及び
図5を参照して管理装置3の概略動作を説明する。
【0037】
台間機2において、レート選択操作が行われる(ステップS1)。すなわち、遊技者は操作部24からレート変更の操作を入力すると、表示部25には
図3Aに示されているレート設定選択画面251が表示される。遊技者は初期値である「4円」のレートを低レートの「1円」に変更するため、「1円」を選択する操作を入力する。台間機2は、レート選択操作に応じて、選択されたレート情報及び遊技機1の遊技機情報を含む稼働情報を管理装置3に送信する(ステップS2)。
【0038】
稼働情報を受信した管理装置3は、記憶部31からレート比率設定情報311及び稼働レート比率情報313を読み出し(ステップS11)、稼働レート比率が設定値未満か否かを判定する(ステップS12)。ここでは、「1円」のレートで稼働中の遊技機1が20%未満であるか否かを判定する。
【0039】
稼働レート比率が設定値未満であると判定した場合は(ステップS12:Yes)、管理装置3は台間機2にレート変更許可通知を送信する(ステップS13)。また、稼働レート比率が設定値以上であると判定した場合は(ステップS12:No)、管理装置3は台間機2にレート変更不可通知を送信する(ステップS14)。ステップS12の実行時のレート比率設定情報311、稼働レート比率情報313が
図4に示されている値の場合、「1円」の稼働レート比率が設定値以上であるため、管理装置3はレート変更不可通知を送信することになる。
【0040】
管理装置3は、レート変更許可通知又はレート変更不可通知を送信した後、送信した通知の種類に応じて、記憶部31に記憶されている稼働情報及び稼働レート比率情報を更新する(ステップS15)。すなわち、レート変更許可通知を送信後に「1円」のレートで遊技を開始した場合は、稼働情報312における変更後のレート(ここでは「1円」のレート)の台数を1増やし、かつ稼働レート比率情報313における変更後のレートの比率を1台分増やす。また、レート変更不可通知を送信後に「4円」のレートで遊技を開始した場合は、稼働情報312における初期値のレート(ここでは「4円」のレート)の台数を1増やし、かつ稼働レート比率情報313における初期値のレートの比率を1台分(総数が100台の場合は1%)増やす。
【0041】
台間機2は、管理装置3からレート変更許可通知を受信したのか又はレート変更不可通知を受信したのかを判定する(ステップS3)。そして、レート変更許可通知を受信したと判定した場合は(ステップS3:許可通知)、表示部25にレート変更が許可された旨を表示するとともに、記憶部31に記憶されている現在のレート(ここでは「4円」)を変更したレート(ここでは「1円」)に更新することでレート変更を実施する(ステップS4)。また、レート変更不可通知を受信したと判定した場合は(ステップS3:不可通知)、選択したレートへの変更が不可であることを表示部25に表示する。ここでは、表示部25に
図3Bに示されているレート設定選択画面251を表示する(ステップS5)。
【0042】
台間機2は、遊技者が遊技を開始すると、遊技機1から遊技情報を取得し、管理装置3に送信する。このとき、レート変更が許可されて実施した場合は、変更したレート(ここでは「1円」のレート)で遊技を行い、レート変更が許可されず不実施であった場合は、初期値である「4円」のレートで遊技を行う。
【0043】
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態に係る遊技機管理システムによれば、低レートでの遊技を許可する遊技機の比率を制限することができるので、遊技者によるレート変更が可能な遊技機を設置した遊技場の売上の減少を防止することが可能になる。
【0044】
なお、本発明には上記実施形態に加えて下記(1)~(6)の変形例がある。
(1)遊技機のメーカー毎、スペック毎に集計する。
(2)高レートの稼働比率が所定値に達するまでは、低レートの利用を許可しない。
例えば
図4におけるレート比率設定情報311の場合、4円レートの稼働比率が80%に達するまでは1円レートを許可しない。稼働比率ではなく、稼働台数が所定数(例えば4円のレートが80台)に達するまで、1円のレートを許可しないように設定してもよい。
【0045】
(3)特定の条件の機種についてはレート比率の制限の対象外とする。
例えば新規に設置した遊技機については4円固定とし、レート比率の制限の対象外とする。
(4)最も高いレートには、レート比率を設定しない。
【0046】
(5)各レートの稼働比率はより低いレートの稼働比率を含める。
例えば
図6に示されているレート比率設定の場合、4円については4円以下のレートを含めて100%まで許容し、2円については2円以下のレートを含めて60%まで許容し、1円については1円以下のレートを含めて30%まで許容し、0.1円については10%まで許容する。
したがって、例えば2円、1円、0.1円がいずれも0%であれば、4円が100%になってもよいことになる。換言すれば、各レートは、そのレート及びより低レートの稼働比率の合計が、そのレートの設定値及びより低レートの設定値の合計未満の場合、そのレートへの変更を制限しない。このように処理することで、高レートの稼働比率を高めることができる。
【0047】
(6)遊技機の設置場所に応じて、遊技者により設定可能なレートの範囲を変える。
例えば、入口付近や通路側など、遊技者を集めたい場所に優先順位を設定する。
図7に示されているように、1つの島の10台の遊技機に対して、入口に近い程高い優先順位を設定したマップを作成し、マップ上の優先順位に従って、
図8に示されていつように許容するレート範囲を設定する。
図6と同じレート比率設定の場合、Aは0.1円以上を許容し、Bは1円以上を許容し、Cは2円以上を許容し、Dは4円のみを許容する。
【0048】
そして、優先順位の高い遊技機が高レートで利用されている場合は、他の遊技機のレート範囲を優先順位に従って更新する。例えば
図9に示されている場合では、優先順位1位の遊技機が4円のレートで利用されているため、優先順位2位~10位であった遊技機のレート範囲を優先順位1位~9位であった遊技機のレート範囲で更新した。このように処理することで、10台の遊技機全体としてのレート範囲を維持することができる。
【0049】
なお、遊技途中でレートを「4円」から「1円」に変更する場合、「4円」の持ち玉が遊技機内に残っていると遊技者に不利になり、逆に「1円」から「4円」に変更する場合、「1円」の持ち玉が遊技機内に残っていると店に不利になる。そこで、遊技途中でレートを変更する場合は、持ち玉の自動計数処理を実行した後、
図5に示されている処理を実行する。
【符号の説明】
【0050】
1-1,1-2・・・1-n…遊技機、2-1,2-2・・・2-n…台間機、20,30…制御部、24…操作部、25…表示部、31…記憶部、202…遊技制御部、311…レート比率設定情報、312…稼働情報、313…稼働レート比率情報。