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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】改質システム
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/04 20060101AFI20240305BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALN20240305BHJP
   H01M 8/04225 20160101ALN20240305BHJP
   H01M 8/04302 20160101ALN20240305BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALN20240305BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALN20240305BHJP
【FI】
C01B3/04 B
H01M8/0606
H01M8/04225
H01M8/04302
H01M8/04746
H01M8/0432
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020148211
(22)【出願日】2020-09-03
(65)【公開番号】P2022042692
(43)【公開日】2022-03-15
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】河内 浩康
(72)【発明者】
【氏名】久保 秀人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀明
(72)【発明者】
【氏名】松本 祥平
(72)【発明者】
【氏名】中谷 規之介
【審査官】青木 千歌子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-87556(JP,A)
【文献】特開2020-70213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 3/04
H01M 8/0606
H01M 8/04225
H01M 8/04302
H01M 8/04746
H01M 8/0432
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスを燃焼させて燃焼ガスを発生させる燃焼器と、
前記燃料ガスを改質することにより、水素を含有した改質ガスを生成する改質器と、
前記燃焼器と前記改質器とを接続し、前記燃焼器から前記改質器に向けて前記燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路と、
前記燃焼器及び前記改質器に酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給部と、
前記燃焼器に前記燃料ガスを供給する第1燃料ガス供給部と、
前記改質器に前記燃料ガスを供給する第2燃料ガス供給部と、
前記酸化性ガス供給部、前記第1燃料ガス供給部及び前記第2燃料ガス供給部を制御する制御部とを備え、
前記第2燃料ガス供給部は、前記燃焼ガス流路に接続されており、
前記制御部は、前記改質器の起動時に、前記燃焼器及び前記改質器に前記酸化性ガスを供給するように前記酸化性ガス供給部を制御すると共に、前記燃焼器及び前記改質器に前記燃料ガスを供給するように前記第1燃料ガス供給部及び前記第2燃料ガス供給部を制御する第1制御処理を実行し、前記第1制御処理を実行した後、前記燃焼器への前記燃料ガスの供給を停止させるように前記第1燃料ガス供給部を制御する第2制御処理を実行する改質システム。
【請求項2】
前記酸化性ガス供給部は、前記燃焼器に向けて前記酸化性ガスが流れる第1酸化性ガス流路と、前記第1酸化性ガス流路に配設され、前記燃焼器及び前記改質器に供給される前記酸化性ガスの流量を制御する流量制御弁と、前記第1酸化性ガス流路と前記燃焼ガス流路とを接続し、前記改質器に向けて前記酸化性ガスが流れる第2酸化性ガス流路とを有し、
前記第1燃料ガス供給部は、前記第1酸化性ガス流路に接続されており、
前記第2燃料ガス供給部は、前記燃焼ガス流路に直接または前記第2酸化性ガス流路を介して接続されており、
前記制御部は、前記第1制御処理を実行するときは、前記流量制御弁を開くように制御する請求項1記載の改質システム。
【請求項3】
前記第1酸化性ガス流路の圧力損失は、前記第2酸化性ガス流路の圧力損失よりも小さい請求項2記載の改質システム。
【請求項4】
前記第1燃料ガス供給部は、前記燃焼器に供給される前記燃料ガスの流量を制御する第1燃料供給弁を有し、
前記第2燃料ガス供給部は、前記改質器に供給される前記燃料ガスの流量を制御する第2燃料供給弁を有し、
前記制御部は、前記第1制御処理を実行するときは、前記第1燃料供給弁及び前記第2燃料供給弁を開くように制御し、前記第2制御処理を実行するときは、前記第1燃料供給弁を閉じるように制御する請求項2または3記載の改質システム。
【請求項5】
前記第2燃料ガス供給部は、前記燃焼ガス流路に直接または前記第2酸化性ガス流路を介して接続され、前記改質器に向けて前記燃料ガスが流れる第1燃料ガス流路と、前記第1燃料ガス流路に配設され、前記燃焼器及び前記改質器に供給される前記燃料ガスの流量を制御する燃料供給弁とを有し、
前記第1燃料ガス供給部は、前記燃料供給弁と、前記第1燃料ガス流路と前記第1酸化性ガス流路とを接続し、前記燃焼器に向けて前記燃料ガスが流れる第2燃料ガス流路と、前記第2燃料ガス流路を開閉する開閉弁とを有し、
前記制御部は、前記第1制御処理を実行するときは、前記燃料供給弁及び前記開閉弁を開くように制御し、前記第2制御処理を実行するときは、前記開閉弁を閉じるように制御する請求項2または3記載の改質システム。
【請求項6】
前記第1燃料ガス流路の圧力損失は、前記第2燃料ガス流路の圧力損失よりも小さい請求項5記載の改質システム。
【請求項7】
前記改質器の温度を検出する温度検出部を更に備え、
前記制御部は、前記温度検出部により検出された前記改質器の温度が規定温度以上であるときに、前記第2制御処理を実行する請求項1~6の何れか一項記載の改質システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1制御処理を実行するときは、前記燃焼器及び前記改質器に前記酸化性ガスを供給するように前記酸化性ガス供給部を制御すると共に、前記燃焼器及び前記改質器に前記燃料ガスを供給するように前記第1燃料ガス供給部及び前記第2燃料ガス供給部を制御した後、前記温度検出部により検出された前記改質器の温度が第1温度以上になると、前記燃焼器及び前記改質器に供給される前記酸化性ガス及び前記燃料ガスの少なくとも一方の流量を変更するように前記酸化性ガス供給部、前記第1燃料ガス供給部及び前記第2燃料ガス供給部の少なくとも何れか1つを制御し、前記第2制御処理を実行するときは、前記温度検出部により検出された前記改質器の温度が前記第1温度よりも高い第2温度以上になると、前記燃焼器への前記燃料ガスの供給を停止させるように前記第1燃料ガス供給部を制御する請求項7記載の改質システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改質システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の改質システムとしては、例えば特許文献1に記載されている技術が知られている。特許文献1に記載の改質システムは、燃料電池に供給するための水素含有の改質ガスを生成する熱交換型改質器を主要構成要素として構成されている。熱交換型改質器は、改質触媒が担持され、炭化水素ガスと水蒸気とを触媒反応させることで水素ガスを含む改質ガスを生成する改質部と、燃焼用の酸化触媒が担持され、改質部が改質反応を行うための熱を供給する加熱部とを含んで構成されている。改質部には、炭化水素ガスを改質部に供給する原料ポンプが原料供給ラインを介して接続されている。加熱部には、冷却オフガスと燃料電池のアノードからのアノードオフガスとを混合するガス混合器が接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-290901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、改質器において加熱部で発生した燃焼熱を改質部に供給しているため、改質器の起動時に改質部の昇温が遅く、改質器の起動時間が長くなってしまう。また、加熱部及び改質部に供給されるガスの流量をそれぞれ制御していないため、適切な流量のガスを加熱部及び改質部に供給することができない。
【0005】
本発明の目的は、改質器の起動時間を短縮しつつ、適切な流量の燃料ガスを燃焼器及び改質器に供給することができる改質システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る改質システムは、燃料ガスを燃焼させて燃焼ガスを発生させる燃焼器と、燃料ガスを改質することにより、水素を含有した改質ガスを生成する改質器と、燃焼器と改質器とを接続し、燃焼器から改質器に向けて燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路と、燃焼器及び改質器に酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給部と、燃焼器に燃料ガスを供給する第1燃料ガス供給部と、改質器に燃料ガスを供給する第2燃料ガス供給部と、酸化性ガス供給部、第1燃料ガス供給部及び第2燃料ガス供給部を制御する制御部とを備え、第2燃料ガス供給部は、燃焼ガス流路に接続されており、制御部は、改質器の起動時に、燃焼器及び改質器に酸化性ガスを供給するように酸化性ガス供給部を制御すると共に、燃焼器及び改質器に燃料ガスを供給するように第1燃料ガス供給部及び第2燃料ガス供給部を制御する第1制御処理を実行し、第1制御処理を実行した後、燃焼器への燃料ガスの供給を停止させるように第1燃料ガス供給部を制御する第2制御処理を実行する。
【0007】
このような改質システムにおいては、改質器の起動時に、酸化性ガス供給部により燃焼器及び改質器に酸化性ガスが供給されると共に、第1燃料ガス供給部及び第2燃料ガス供給部により燃料ガスが燃焼器及び改質器にそれぞれ供給される。その後、第1燃料ガス供給部による燃焼器への燃料ガスの供給が停止する。燃焼器及び改質器に酸化性ガス及び燃料ガスが供給されると、燃焼器において燃料ガスが着火して燃焼し、燃焼ガスが発生する。そして、燃焼ガスが改質器に供給され、燃焼ガスの熱によって改質器が加熱される。そして、改質器において、燃料ガスの燃焼及び改質が行われ、水素を含有した改質ガスが生成される。このように燃焼器によって燃料ガスを燃焼させて発生した高温の燃焼ガスの熱を利用して、改質器を燃焼動作させるため、改質器において燃料ガスが着火するまでの時間が短くなる。これにより、改質器の起動時間が短縮される。また、第1燃料ガス供給部により燃料ガスが燃焼器に供給されると共に、第2燃料ガス供給部により燃料ガスが改質器に供給される。このとき、第2燃料ガス供給部は、燃焼ガス流路に接続されているため、燃料ガスを燃焼器に供給しない。このため、燃焼器及び改質器に供給される燃料ガスの流量が制御しやすくなる。これにより、適切な流量の燃料ガスが燃焼器及び改質器に供給される。
【0008】
酸化性ガス供給部は、燃焼器に向けて酸化性ガスが流れる第1酸化性ガス流路と、第1酸化性ガス流路に配設され、燃焼器及び改質器に供給される酸化性ガスの流量を制御する流量制御弁と、第1酸化性ガス流路と燃焼ガス流路とを接続し、改質器に向けて酸化性ガスが流れる第2酸化性ガス流路とを有し、第1燃料ガス供給部は、第1酸化性ガス流路に接続されており、第2燃料ガス供給部は、燃焼ガス流路に直接または第2酸化性ガス流路を介して接続されており、制御部は、第1制御処理を実行するときは、流量制御弁を開くように制御してもよい。このような構成では、酸化性ガスが第1酸化性ガス流路を流れて燃焼器に供給されると共に、酸化性ガスが第2酸化性ガス流路を流れて改質器に供給される。このとき、流量制御弁によって燃焼器及び改質器に供給される酸化性ガスの流量の制御が容易に行われる。
【0009】
第1酸化性ガス流路の圧力損失は、第2酸化性ガス流路の圧力損失よりも小さくてもよい。このような構成では、燃焼器に供給される酸化性ガスの流量が改質器に供給される酸化性ガスの流量よりも多くなる。従って、燃焼器において燃料ガスの燃焼が効果的に行われるようになる。また、流量制御弁の数が1つだけであっても、燃焼器及び改質器に適切な流量の酸化性ガスが供給される。
【0010】
第1燃料ガス供給部は、燃焼器に供給される燃料ガスの流量を制御する第1燃料供給弁を有し、第2燃料ガス供給部は、改質器に供給される燃料ガスの流量を制御する第2燃料供給弁を有し、制御部は、第1制御処理を実行するときは、第1燃料供給弁及び第2燃料供給弁を開くように制御し、第2制御処理を実行するときは、第1燃料供給弁を閉じるように制御してもよい。このような構成では、第1燃料供給弁及び第2燃料供給弁の開度を制御することで、燃焼器及び改質器に供給される燃料ガスの流量をそれぞれ独立して制御することができる。
【0011】
第2燃料ガス供給部は、燃焼ガス流路に直接または第2酸化性ガス流路を介して接続され、改質器に向けて燃料ガスが流れる第1燃料ガス流路と、第1燃料ガス流路に配設され、燃焼器及び改質器に供給される燃料ガスの流量を制御する燃料供給弁とを有し、第1燃料ガス供給部は、燃料供給弁と、第1燃料ガス流路と第1酸化性ガス流路とを接続し、燃焼器に向けて燃料ガスが流れる第2燃料ガス流路と、第2燃料ガス流路を開閉する開閉弁とを有し、制御部は、第1制御処理を実行するときは、燃料供給弁及び開閉弁を開くように制御し、第2制御処理を実行するときは、開閉弁を閉じるように制御してもよい。このような構成では、開閉弁を開くと、燃料ガスが第2燃料ガス流路を流れて燃焼器に供給される。開閉弁を閉じると、燃焼器への燃料ガスの供給が遮断される。従って、燃料供給弁の数が1つだけでも、燃焼器への燃料ガスの供給及び遮断を切り換えることができる。また、燃料供給弁の数が1つだけで済むため、コスト削減につながる。
【0012】
第1燃料ガス流路の圧力損失は、第2燃料ガス流路の圧力損失よりも小さくてもよい。このような構成では、改質器に供給される燃料ガスの流量が燃焼器に供給される燃料ガスの流量よりも多くなる。このため、改質器において燃料ガスの改質が効果的に行われるようになる。従って、燃料供給弁の数が1つだけでも、燃焼器及び改質器に適切な流量の燃料ガスが供給される。
【0013】
改質システムは、改質器の温度を検出する温度検出部を更に備え、制御部は、温度検出部により検出された改質器の温度が規定温度以上であるときに、第2制御処理を実行してもよい。このような構成では、改質器の温度を検出することにより、改質器の昇温状態に応じた適切なタイミングで且つ簡単な制御処理で、燃焼器への燃料ガスの供給を停止させることができる。
【0014】
制御部は、第1制御処理を実行するときは、燃焼器及び改質器に酸化性ガスを供給するように酸化性ガス供給部を制御すると共に、燃焼器及び改質器に燃料ガスを供給するように第1燃料ガス供給部及び第2燃料ガス供給部を制御した後、温度検出部により検出された改質器の温度が第1温度以上になると、燃焼器及び改質器に供給される酸化性ガス及び燃料ガスの少なくとも一方の流量を変更するように酸化性ガス供給部、第1燃料ガス供給部及び第2燃料ガス供給部の少なくとも何れか1つを制御し、第2制御処理を実行するときは、温度検出部により検出された改質器の温度が第1温度よりも高い第2温度以上になると、燃焼器への燃料ガスの供給を停止させるように第1燃料ガス供給部を制御してもよい。このような構成では、改質器の温度が第1温度以上になると、例えば燃焼器による燃焼動作と改質器による改質動作とを同時に行うのに適した流量比の燃料ガス及び酸化性ガスを供給することにより、燃焼動作と改質動作とを同時に且つ効果的及び安定的に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、改質器の起動時間を短縮しつつ、適切な流量の燃料ガスを燃焼器及び改質器に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係る改質システムを示す概略構成図である。
図2図1に示された燃焼器の断面図である。
図3図1に示されたコントローラにより実行される制御処理手順の詳細を示すフローチャートである。
図4図3に示された制御処理が実行されるときの改質システムの動作を示すタイミング図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る改質システムを示す概略構成図である。
図6図5に示されたコントローラにより実行される制御処理手順の詳細を示すフローチャートである。
図7図6に示された制御処理が実行されるときの改質システムの動作を示すタイミング図である。
図8図7に示された改質システムの動作の変形例を示すタイミング図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る改質システムを示す概略構成図である。
図10図9に示されたコントローラにより実行される制御処理手順の詳細を示すフローチャートである。
図11図10に示された制御処理が実行されるときの改質システムの動作を示すタイミング図である。
図12図11に示された改質システムの動作の変形例を示すタイミング図である。
図13図11に示された改質システムの動作の他の変形例を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態に係る改質システムを示す概略構成図である。図1において、本実施形態の改質システム1は、燃焼器2と、改質器3と、空気流路4,5と、スロットル弁6と、アンモニアタンク7と、気化器8と、第1燃料供給弁10と、第2燃料供給弁12とを備えている。
【0019】
燃焼器2は、燃料ガスであるアンモニアガス(NHガス)を燃焼させて燃焼ガスを発生させる管状火炎バーナである。燃焼器2は、図2に示されるように、円管状の筐体16と、この筐体16に設けられた複数(ここでは4つ)のガス導入部17と、筐体16に取り付けられた点火部18(図1参照)とを有している。
【0020】
ガス導入部17は、アンモニアガスと酸化性ガスである空気との混合ガスを筐体16の内部に管状流が発生するように導入する。具体的には、ガス導入部17は、混合ガスを筐体16の内部に筐体16の内周面16aの接線方向に導入する。
【0021】
点火部18は、ガス導入部17より筐体16の内部に導入された混合ガス中のアンモニアガスを着火させる。点火部18は、例えばグロープラグまたはスパークプラグ等である。
【0022】
改質器3は、燃焼ガス流路20を介して燃焼器2の出口部2bと接続されている。燃焼ガス流路20は、燃焼器2により発生した燃焼ガスが改質器3に向けて流れる流路である。燃焼ガス流路20には、燃焼器2を通過したアンモニアガス及び空気も流れる。燃焼ガス流路20は、配管で形成されている。なお、燃焼ガス流路20は、燃焼器2と改質器3とを接続する配管ではなく、燃焼器2の筐体16と一体化されていてもよい。
【0023】
改質器3は、アンモニアガスを改質することにより、水素を含有した改質ガスを生成する。改質器3は、改質触媒3aを有している。改質触媒3aは、アンモニアガスを水素に分解する機能に加え、アンモニアガスを燃焼させる機能も有している。改質触媒3aは、例えばATR(Autothermal Reformer)式アンモニア改質触媒である。改質触媒3aとしては、例えばコバルト系触媒、ロジウム系触媒、ルテニウム系触媒またはパラジウム系触媒等が使用される。
【0024】
空気流路4は、燃焼器2の入口部2aに接続されている。空気流路4は、燃焼器2に向けて空気が流れる流路(第1酸化性ガス流路)である。空気流路4は、配管で形成されている。
【0025】
空気流路5は、分岐接続部4aにより空気流路4に分岐接続されている。空気流路5は、燃焼器2を迂回するように空気流路4と燃焼ガス流路20とを接続している。空気流路5は、改質器3に向けて空気が流れる流路(第2酸化性ガス流路)である。空気流路5は、配管で形成されている。
【0026】
改質器3の起動時には、改質器3は、燃焼器2により発生した燃焼ガスの熱を利用してアンモニアガスを改質する。このため、改質器3の起動時には、燃焼器2は、改質器3よりも多くの空気を必要とする。従って、空気流路4の圧力損失は、空気流路5の圧力損失よりも小さくなっている。具体的には、空気流路4を形成する配管の直径は、空気流路5を形成する配管の直径よりも大きい。
【0027】
また、空気流路4を形成する配管の長さは、空気流路5を形成する配管の長さよりも短くてもよい。空気流路4を形成する配管の内壁面の粗さは、空気流路5を形成する配管の内壁面の粗さよりも小さくてもよい。空気流路5を形成する配管の内部に流路を狭くするための圧力調整部材を配置し、空気流路4を形成する配管の内部に圧力調整部材を配置しなくてもよい。何れの場合も、空気流路4の圧力損失が空気流路5の圧力損失よりも小さくなる。
【0028】
スロットル弁6は、空気流路4に配設されている。具体的には、スロットル弁6は、空気流路4における空気流路5との分岐接続部4aよりも上流側に配設されている。スロットル弁6は、燃焼器2及び改質器3に供給される空気の流量を制御する電磁式の流量制御弁である。
【0029】
空気流路4,5及びスロットル弁6は、燃焼器2及び改質器3に空気を供給する空気供給部21(酸化性ガス供給部)を構成している。
【0030】
アンモニアタンク7は、アンモニアを液体状態で貯蔵するタンクである。つまり、アンモニアタンク7は、液体アンモニアを貯蔵する。気化器8は、アンモニア流路22を介してアンモニアタンク7と接続されている。アンモニア流路22は、液体アンモニアがアンモニアタンク7から気化器8に向けて流れる流路である。気化器8は、液体アンモニアを気化させてアンモニアガスを生成する。なお、アンモニア流路22には、流量調整弁が配設されていてもよい。
【0031】
第1燃料供給弁10は、アンモニア流路9を介して気化器8と接続されている。アンモニア流路9は、気化器8から第1燃料供給弁10にアンモニアガスが流れる流路である。アンモニア流路9は、配管で形成されている。
【0032】
第1燃料供給弁10は、燃焼器2に向けてアンモニアガスを噴射することで、燃焼器2に供給されるアンモニアガスの流量を制御する電磁式のインジェクタ(燃料噴射弁)である。具体的には、第1燃料供給弁10は、空気流路4を形成する配管に取り付けられている。第1燃料供給弁10は、空気流路4における空気流路5との分岐接続部4aと燃焼器2との間にアンモニアガスを噴射する。
【0033】
アンモニアタンク7、気化器8、アンモニア流路9及び第1燃料供給弁10は、燃焼器2にアンモニアガスを供給する第1燃料ガス供給部23を構成している。第1燃料ガス供給部23は、空気流路4に接続されている。第1燃料ガス供給部23は、アンモニアガスを空気流路4を通して燃焼器2に供給する。
【0034】
第2燃料供給弁12は、アンモニア流路11を介して気化器8と接続されている。アンモニア流路11は、アンモニア流路9に分岐接続されている。アンモニア流路11は、気化器8から第2燃料供給弁12にアンモニアガスが流れる流路である。アンモニア流路11は、配管で形成されている。
【0035】
第2燃料供給弁12は、改質器3に向けてアンモニアガスを噴射することで、改質器3に供給されるアンモニアガスの流量を制御する電磁式のインジェクタである。具体的には、第2燃料供給弁12は、空気流路5を形成する配管に取り付けられている。第2燃料供給弁12は、空気流路5の下流側(改質器3側)の領域にアンモニアガスを噴射する。
【0036】
アンモニアタンク7、気化器8、アンモニア流路11及び第2燃料供給弁12は、改質器3にアンモニアガスを供給する第2燃料ガス供給部24を構成している。第2燃料ガス供給部24は、燃焼ガス流路20に空気流路5を介して接続されている。第2燃料ガス供給部24は、燃焼器2を避けるようにアンモニアガスを燃焼ガス流路20を通して改質器3に供給する。つまり、第2燃料ガス供給部24は、アンモニアガスを燃焼器2に供給することはない。
【0037】
なお、第2燃料供給弁12は、燃焼ガス流路20を形成する配管に取り付けられ、燃焼ガス流路20にアンモニアガスを噴射してもよい。この場合には、第2燃料ガス供給部24は、燃焼ガス流路20に直接接続されることとなる。
【0038】
改質器3は、改質ガス流路27を介して水素利用装置13と接続されている。改質ガス流路27は、改質器3により生成された改質ガスが水素利用装置13に向けて流れる流路である。改質ガス流路27は、配管で形成されている。
【0039】
水素利用装置13は、改質ガスに含まれる水素を利用する装置である。水素利用装置13としては、例えばアンモニアを燃料としたアンモニアエンジンまたはアンモニアガスタービン等の燃焼装置、或いは水素と空気中の酸素とを化学反応させて発電を行う燃料電池等が挙げられる。水素利用装置13が燃料電池である場合には、水素利用装置13がアンモニアエンジンである場合と異なり、負圧が発生せず、空気が流れにくいため、空気をスムーズに供給するためのポンプ等を備えてもよい。
【0040】
また、改質システム1は、温度センサ30と、コントローラ31とを備えている。温度センサ30は、改質器3の温度を検出する温度検出部である。温度センサ30は、例えば改質器3の改質触媒3aの温度を検出してもよいし、改質器3に供給されるアンモニアガスの温度を検出してもよい。
【0041】
コントローラ31は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等により構成されている。コントローラ31は、温度センサ30の検出値に基づいて、スロットル弁6、第1燃料供給弁10、第2燃料供給弁12及び燃焼器2の点火部18を制御する制御部を構成している。
【0042】
コントローラ31は、改質器3の起動時に、燃焼器2及び改質器3に空気を供給するようにスロットル弁6を制御すると共に、燃焼器2及び改質器3にアンモニアガスを供給するように第1燃料供給弁10及び第2燃料供給弁12を制御する第1制御処理を実行する。
【0043】
コントローラ31は、第1制御処理を実行した後、燃焼器2へのアンモニアガスの供給を停止させるように第1燃料供給弁10を制御する第2制御処理を実行する。このとき、コントローラ31は、温度センサ30により検出された改質器3の温度が規定温度T以上であるときに、第2制御処理を実行する。
【0044】
図3は、コントローラ31により実行される制御処理手順の詳細を示すフローチャートである。本処理は、改質器3の起動が指示されると、実行される。なお、本処理の実行前は、スロットル弁6、第1燃料供給弁10及び第2燃料供給弁12は、閉状態となっている。
【0045】
図3において、コントローラ31は、改質器3の起動が指示されると、スロットル弁6、第1燃料供給弁10及び第2燃料供給弁12を開くように制御する(手順S101)。また、コントローラ31は、燃焼器2の点火部18を点火させるように制御する(手順S102)。
【0046】
続いて、コントローラ31は、温度センサ30の検出値を取得する(手順S103)。そして、コントローラ31は、温度センサ30の検出値に基づいて、改質器3の温度が予め決められた規定温度T以上であるかどうかを判断する(手順S104)。規定温度Tは、例えば改質器3の温度が改質触媒3aによるアンモニアガスの改質動作が安定する温度であり、改質器3の改質可能温度(後述)よりも高い。
【0047】
コントローラ31は、改質器3の温度が規定温度T以上でないと判断したときは、手順S103を再度実行する。コントローラ31は、改質器3の温度が規定温度T以上であると判断したときは、第1燃料供給弁10を閉じるように制御する(手順S105)。また、コントローラ31は、スロットル弁6の開度を小さくするように制御する(手順S106)。
【0048】
続いて、コントローラ31は、第1燃料供給弁10を閉じるように制御してから規定時間tが経過したかどうかを判断する(手順S107)。コントローラ31は、規定時間tが経過したと判断したときは、スロットル弁6及び第2燃料供給弁12の開度を大きくするように制御する(手順S108)。このとき、コントローラ31は、アンモニアガス及び空気の流量が改質器3による改質動作に適した流量比となるようにスロットル弁6及び第2燃料供給弁12を制御する。
【0049】
ここで、手順S101,S102は、上記の第1制御処理に相当する。手順S103~S106は、上記の第2制御処理に相当する。
【0050】
以上のような改質システム1において、改質器3の起動が指示されると、図4(a),(d),(e)に示されるように、スロットル弁6、第1燃料供給弁10及び第2燃料供給弁12が開弁する。すると、空気が空気流路4を流れて燃焼器2に供給されると共に、空気が空気流路5を流れて改質器3に供給される。また、アンモニアガスが空気流路4を流れて燃焼器2に供給されると共に、アンモニアガスが燃焼ガス流路20を流れて改質器3に供給される。
【0051】
このとき、空気流路4の圧力損失は、空気流路5の圧力損失よりも小さい。このため、図4(b),(c)に示されるように、燃焼器2に供給される空気の流量は、改質器3に供給される空気の流量よりも多くなる。
【0052】
アンモニアガスと空気との混合ガスは、燃焼器2においてガス導入部17より筐体16の内部に導入される。このとき、混合ガスは、筐体16の内部に筐体16の内周面16aの接線方向に導入されるため、筐体16の内部において管状流となる。
【0053】
その状態で、燃焼器2の点火部18が点火することで、混合ガス中のアンモニアガスが着火して管状火炎が形成され、アンモニアガスが燃焼し始める。具体的には、下記式のように、アンモニアと空気中の酸素とが化学反応し、高温の燃焼ガスが発生する(発熱反応)。燃焼ガスは、燃焼ガス流路20を改質器3に向かって旋回して流れる。
NH+3/4O→1/2N+3/2HO …(A)
【0054】
高温の燃焼ガスが改質器3に供給されると、燃焼ガスの熱により改質器3が直接加熱される。また、燃焼ガスの熱によりアンモニアガス及び空気が加熱され、そのアンモニアガス及び空気の熱によっても改質器3が加熱される。このため、図4(f)に示されるように、改質器3の温度が上昇し始める。
【0055】
そして、改質器3の温度が燃焼可能温度に達すると、改質器3の改質触媒3aによりアンモニアガスが燃焼する。すると、上記(A)式の発熱反応が起こり、改質器3において燃焼ガスが生成される。そして、その燃焼ガスの熱によって改質器3の温度が更に上昇する。つまり、改質器3は、自律燃焼動作を行うようになる。
【0056】
その後、改質器3の温度が改質可能温度に達すると、改質器3の改質触媒3aによりアンモニアガスが改質される。具体的には、下記式のように、アンモニアの分解反応が起こり(吸熱反応)、水素を含む改質ガスが生成される。改質ガスは、改質ガス流路27を流れて水素利用装置13に供給される。
NH→3/2H+1/2N …(B)
【0057】
その後、改質器3の温度が規定温度Tに達すると、図4(d)に示されるように、第1燃料供給弁10が閉弁することで、燃焼器2へのアンモニアガスの供給が停止する。従って、アンモニアガスが無駄に消費されることが防止される。
【0058】
また、図4(a)に示されるように、スロットル弁6の開度が小さくなることで、燃焼器2及び改質器3に供給される空気の流量が減少する。このとき、上述した空気流路4,5の圧力損失の違いによって、図4(b),(c)に示されるように、燃焼器2に供給される空気の流量が改質器3に供給される空気の流量よりも多くなる。
【0059】
その後、第1燃料供給弁10が閉弁してから規定時間tが経過すると、図4(a),(b),(c),(e)に示されるように、スロットル弁6及び第2燃料供給弁12の開度が大きくなることで、改質器3に供給されるアンモニアガス及び空気の流量が増加する。なお、燃焼器2に供給された空気は、燃焼器2を通過して改質器3に供給される。このとき、改質動作に適した流量のアンモニアガス及び空気が改質器3に供給される。これにより、改質器3の起動が完了し、改質器3が定常状態となる。
【0060】
以上のように本実施形態にあっては、改質器3の起動時に、空気供給部21により燃焼器2及び改質器3に空気が供給されると共に、第1燃料ガス供給部23及び第2燃料ガス供給部24によりアンモニアガスが燃焼器2及び改質器3にそれぞれ供給される。その後、第1燃料ガス供給部23による燃焼器2へのアンモニアガスの供給が停止する。燃焼器2及び改質器3にアンモニアガス及び空気が供給されると、燃焼器2においてアンモニアガスが着火して燃焼し、燃焼ガスが発生する。そして、燃焼ガスが改質器3に供給され、燃焼ガスの熱によって改質器3が加熱される。そして、改質器3において、アンモニアガスの燃焼及び改質が行われ、水素を含有した改質ガスが生成される。このように燃焼器2によってアンモニアガスを燃焼させて発生した高温の燃焼ガスの熱を利用して、改質器3を燃焼動作させるため、改質器3においてアンモニアガスが着火するまでの時間が短くなる。これにより、改質器3の起動時間が短縮される。また、第1燃料ガス供給部23によりアンモニアガスが燃焼器2に供給されると共に、第2燃料ガス供給部24によりアンモニアガスが改質器3に供給される。このとき、第2燃料ガス供給部24は、燃焼ガス流路20に接続されているため、アンモニアガスを燃焼器2に供給しない。このため、燃焼器2及び改質器3に供給されるアンモニアガスの流量が制御しやすくなる。これにより、適切な流量のアンモニアガスが燃焼器2及び改質器3に供給される。
【0061】
また、本実施形態では、空気が空気流路4を流れて燃焼器2に供給されると共に、空気が空気流路5を流れて改質器に供給される。このとき、スロットル弁6によって燃焼器2及び改質器3に供給される空気の流量の制御が容易に行われる。
【0062】
また、本実施形態では、空気流路4の圧力損失が空気流路5の圧力損失よりも小さいので、燃焼器2に供給される空気の流量が改質器3に供給される空気の流量よりも多くなる。従って、燃焼器2においてアンモニアガスの燃焼が効果的に行われるようになる。また、スロットル弁6の数が1つだけであっても、燃焼器2及び改質器3に適切な流量の空気が供給される。
【0063】
また、本実施形態では、第1燃料供給弁10及び第2燃料供給弁12の開度を制御することで、燃焼器2及び改質器3に供給されるアンモニアガスの流量をそれぞれ独立して制御することができる。
【0064】
また、本実施形態では、温度センサ30により改質器3の温度を検出することにより、改質器3の昇温状態に応じた適切なタイミングで且つ簡単な制御処理で、燃焼器2へのアンモニアガスの供給を停止させることができる。
【0065】
なお、本実施形態では、規定温度Tは、改質器3の温度が改質触媒3aによるアンモニアガスの改質動作が安定する温度であるが、特にそのような形態には限られない。規定温度Tは、例えば改質器3の改質可能温度または燃焼可能温度等でもよい。
【0066】
図5は、本発明の第2実施形態に係る改質システムを示す概略構成図である。図5において、本実施形態の改質システム1Aは、上記の第1実施形態における第1燃料供給弁10及び第2燃料供給弁12に代えて、燃料供給弁40と、ON/OFF弁41とを備えている。
【0067】
燃料供給弁40は、気化器8と燃焼ガス流路20とを接続するアンモニア流路42に配設されている。アンモニア流路42は、気化器8から改質器3に向けてアンモニアガスが流れる流路(第1燃料ガス流路)である。アンモニア流路42は、配管で形成されている。燃料供給弁40は、燃焼器2及び改質器3に供給されるアンモニアガスの流量を制御する電磁式の流量制御弁である。
【0068】
ON/OFF弁41は、アンモニア流路42と空気流路4とを接続するアンモニア流路43に配設されている。アンモニア流路43の一端は、アンモニア流路42における燃料供給弁40と燃焼ガス流路20との間の部分に接続されている。アンモニア流路43の他端は、空気流路4における空気流路5との分岐接続部4aと燃焼器2との間の部分に接続されている。アンモニア流路43は、気化器8から燃焼器2に向けてアンモニアガスが流れる流路(第2燃料ガス流路)である。アンモニア流路43は、配管で形成されている。
【0069】
改質器3は、燃焼器2よりも多くのアンモニアガスを必要とする。このため、アンモニア流路42の圧力損失は、アンモニア流路43の圧力損失よりも小さくなっている。アンモニア流路42を形成する配管は、例えば空気流路4を形成する配管と同じ構造を有している。アンモニア流路43を形成する配管は、例えば空気流路5を形成する配管と同じ構造を有している。
【0070】
ON/OFF弁41は、アンモニア流路43を開閉する電磁式の開閉弁である。ON/OFF弁41は、通常時は閉状態にあり、通電されると開くノーマリクローズ式の開閉弁である。
【0071】
アンモニアタンク7、気化器8、アンモニア流路42の一部、燃料供給弁40、アンモニア流路43及びON/OFF弁41は、燃焼器2にアンモニアガスを供給する第1燃料ガス供給部45を構成している。第1燃料ガス供給部45は、空気流路4に接続されている。第1燃料ガス供給部45は、アンモニアガスを空気流路4を通して燃焼器2に供給する。
【0072】
アンモニアタンク7、気化器8、アンモニア流路42及び燃料供給弁40は、改質器3にアンモニアガスを供給する第2燃料ガス供給部46を構成している。第2燃料ガス供給部46は、燃焼ガス流路20に接続されている。第2燃料ガス供給部46は、燃焼器2を避けるようにアンモニアガスを燃焼ガス流路20を通して改質器3に供給する。なお、第2燃料ガス供給部46は、燃焼ガス流路20に直接接続されずに、燃焼ガス流路20に空気流路5を介して接続されていてもよい。
【0073】
また、改質システム1Aは、上記の第1実施形態におけるコントローラ31に代えて、コントローラ31Aを備えている。コントローラ31Aは、温度センサ30の検出値に基づいて、スロットル弁6、燃料供給弁40、ON/OFF弁41及び燃焼器2の点火部18を制御する制御部を構成している。コントローラ31Aは、上記の第1実施形態と同様に、第1制御処理及び第2制御処理を実行する。
【0074】
コントローラ31Aは、第1制御処理を実行するときは、スロットル弁6、燃料供給弁40及びON/OFF弁41を開くように制御し、第2制御処理を実行するときは、ON/OFF弁41を閉じるように制御する。
【0075】
図6は、コントローラ31Aにより実行される制御処理手順の詳細を示すフローチャートであり、図3に対応している。
【0076】
図6において、コントローラ31Aは、改質器3の起動が指示されると、スロットル弁6、燃料供給弁40及びON/OFF弁41を開くように制御する(手順S111)。そして、コントローラ31Aは、上記の第1実施形態と同様に、手順S102~S104を実行する。
【0077】
コントローラ31Aは、手順S104で改質器3の温度が規定温度T以上であると判断したときは、ON/OFF弁41を閉じるように制御する(手順S112)。また、コントローラ31Aは、スロットル弁6及び燃料供給弁40の開度を小さくするように制御する(手順S113)。このとき、コントローラ31Aは、例えば改質器3に供給されるアンモニアガスの流量が変化しないように燃料供給弁40の開度を制御する。
【0078】
続いて、コントローラ31Aは、ON/OFF弁41を閉じるように制御してから規定時間tが経過したかどうかを判断する(手順S114)。コントローラ31Aは、規定時間tが経過したと判断したときは、スロットル弁6及び燃料供給弁40の開度を大きくするように制御する(手順S115)。このとき、コントローラ31Aは、アンモニアガス及び空気の流量が改質器3による改質動作に適した流量比となるようにスロットル弁6及び燃料供給弁40を制御する。
【0079】
ここで、手順S111,S102は、上記の第1制御処理に相当する。手順S103,S104,S112,S113は、上記の第2制御処理に相当する。
【0080】
以上において、改質器3の起動が指示されると、図7(a),(b),(e)に示されるように、ON/OFF弁41、スロットル弁6及び燃料供給弁40が開弁する。すると、空気が空気流路4を流れて燃焼器2に供給されると共に、空気が空気流路5を流れて改質器3に供給される。また、アンモニアガスがアンモニア流路42,43及び空気流路4を流れて燃焼器2に供給されると共に、アンモニアガスがアンモニア流路42及び燃焼ガス流路20を流れて改質器3に供給される。
【0081】
このとき、空気流路4の圧力損失は、空気流路5の圧力損失よりも小さい。このため、図7(c),(d)に示されるように、燃焼器2に供給される空気の流量が改質器3に供給される空気の流量よりも多くなる。また、アンモニア流路42の圧力損失は、アンモニア流路43の圧力損失よりも小さい。このため、図7(f),(g)に示されるように、改質器3に供給されるアンモニアガスの流量が燃焼器2に供給されるアンモニアガスの流量よりも多くなる。
【0082】
アンモニアガスと空気との混合ガスが燃焼器2に供給されると、アンモニアガスが着火して燃焼し、高温の燃焼ガスが発生する。そして、高温の燃焼ガスが燃焼ガス流路20を流れて改質器3に供給されると、改質器3が加熱されるため、図7(h)に示されるように、改質器3の温度が上昇し始める。
【0083】
そして、改質器3の温度が改質可能温度に達すると、改質器3の改質触媒3aによりアンモニアガスが改質され、水素を含む改質ガスが生成される。そして、改質ガスが改質ガス流路27を流れて水素利用装置13に供給される。
【0084】
その後、改質器3の温度が規定温度Tに達すると、図7(a),(f)に示されるように、ON/OFF弁41が閉弁することで、燃焼器2へのアンモニアガスの供給が停止する。また、図7(b)~(d)に示されるように、スロットル弁6の開度が小さくなることで、燃焼器2及び改質器3に供給される空気の流量が減少する。
【0085】
その後、ON/OFF弁41が閉弁してから規定時間tが経過すると、図7(b)~(e)に示されるように、スロットル弁6及び燃料供給弁40の開度が大きくなることで、改質器3に供給されるアンモニアガス及び空気の流量が増加する。なお、燃焼器2に供給された空気は、燃焼器2を通過して改質器3に供給される。このとき、改質動作に適した流量のアンモニアガス及び空気が改質器3に供給される。これにより、改質器3が定常状態となる。
【0086】
以上のように本実施形態においては、第1燃料ガス供給部45によりアンモニアガスが燃焼器2に供給されると共に、第2燃料ガス供給部46によりアンモニアガスが改質器3に供給される。このとき、第2燃料ガス供給部46は、燃焼ガス流路20に接続されているため、アンモニアガスを燃焼器2に供給しない。このため、燃焼器2及び改質器3に供給されるアンモニアガスの流量が制御しやすくなる。これにより、改質器3の起動時間を短縮しつつ、適切な流量のアンモニアガスを燃焼器2及び改質器3に供給することができる。
【0087】
また、本実施形態では、ON/OFF弁41を開くと、アンモニアガスがアンモニア流路43を流れて燃焼器2に供給される。その後、ON/OFF弁41を閉じると、燃焼器2へのアンモニアガスの供給が遮断される。従って、燃料供給弁40の数が1つだけでも、燃焼器2へのアンモニアガスの供給及び遮断を切り換えることができる。また、燃料供給弁40の数が1つだけで済むため、コスト削減につながる。
【0088】
また、本実施形態では、アンモニア流路42の圧力損失がアンモニア流路43の圧力損失よりも小さいので、改質器3に供給されるアンモニアガスの流量が燃焼器2に供給されるアンモニアガスの流量よりも多くなる。このため、改質器3においてアンモニアガスの改質が効果的に行われるようになる。従って、燃料供給弁40の数が1つだけであっても、燃焼器2及び改質器3に適切な流量のアンモニアガスが供給される。
【0089】
なお、本実施形態では、ノーマリクローズ式のON/OFF弁41が使用されているが、特にその形態には限られず、通常時は開状態にあり、通電されると閉じるノーマリオープン式のON/OFF弁41を使用してもよい。
【0090】
この場合には、図8に示されるように、改質器3の温度が規定温度Tに達すると、ON/OFF弁41を通電することで閉弁し、その後規定時間tが経過すると、ON/OFF弁41の通電を解除することでON/OFF弁41を開弁する(図8(a)参照)。これにより、省電力化を図ることができる。
【0091】
図9は、本発明の第3実施形態に係る改質システムを示す概略構成図である。図9において、本実施形態の改質システム1Bは、上記の第1実施形態における空気流路5を備えていない。空気流路4及びスロットル弁6は、燃焼器2及び改質器3に空気を供給する空気供給部50(酸化性ガス供給部)を構成している。
【0092】
また、改質システム1Bは、上記の第1実施形態におけるコントローラ31に代えて、コントローラ31Bを備えている。コントローラ31Bは、温度センサ30の検出値に基づいて、スロットル弁6、第1燃料供給弁10、第2燃料供給弁12及び燃焼器2の点火部18を制御する制御部を構成している。コントローラ31Bは、上記の第1実施形態と同様に、第1制御処理及び第2制御処理を実行する。
【0093】
コントローラ31Bは、第1制御処理を実行するときは、燃焼器2及び改質器3に空気を供給するようにスロットル弁6を制御すると共に、燃焼器2及び改質器3にアンモニアガスを供給するように第1燃料供給弁10及び第2燃料供給弁12を制御した後、温度センサ30により検出された改質器3の温度が規定温度T1以上になると、燃焼器2及び改質器3に供給される空気の流量を変更するようにスロットル弁6を制御する。
【0094】
コントローラ31Bは、第2制御処理を実行するときは、温度センサ30により検出された改質器3の温度が規定温度T2以上になると、燃焼器2へのアンモニアガスの供給を停止させるように第1燃料供給弁10を制御する。
【0095】
図10は、コントローラ31Bにより実行される制御処理手順の詳細を示すフローチャートであり、図3に対応している。
【0096】
図10において、コントローラ31Bは、改質器3の起動が指示されると、上記の第1実施形態と同様に、手順S101~S103を実行する。そして、コントローラ31Bは、温度センサ30の検出値に基づいて、改質器3の温度が予め決められた規定温度T1(第1温度)以上であるかどうかを判断する(手順S121)。規定温度T1は、例えば改質器3の燃焼可能温度(前述)である。
【0097】
コントローラ31Bは、改質器3の温度が規定温度T1以上であると判断したときは、スロットル弁6の開度を大きくするように制御する(手順S122)。このとき、コントローラ31Bは、アンモニアガス及び空気の流量が燃焼器2による燃焼動作と改質器3による改質動作とを同時に行うのに適した流量比となるようにスロットル弁6を制御する。
【0098】
続いて、コントローラ31Bは、温度センサ30の検出値を取得する(手順S123)。そして、コントローラ31Bは、温度センサ30の検出値に基づいて、改質器3の温度が予め決められた規定温度T2(第2温度)以上であるかどうかを判断する(手順S124)。規定温度T2は、規定温度T1よりも高い温度である。規定温度T2は、例えば改質器3の温度が改質触媒3aによるアンモニアガスの改質動作が安定する温度(上記の規定温度Tに相当)である。
【0099】
コントローラ31Bは、改質器3の温度が規定温度T2以上でないと判断したときは、手順S123を再度実行する。コントローラ31Bは、改質器3の温度が規定温度T2以上であると判断したときは、上記の第1実施形態と同様に、手順S105~S108を実行する。
【0100】
ここで、手順S101~S103,S121,S122は、上記の第1制御処理に相当する。手順S123,S124,S105,S106は、上記の第2制御処理に相当する。
【0101】
以上において、改質器3の起動が指示されると、図11(a)~(c)に示されるように、スロットル弁6、第1燃料供給弁10及び第2燃料供給弁12が開弁する。すると、空気が燃焼器2及び改質器3に供給されると共に、アンモニアガスが燃焼器2及び改質器3に供給される。
【0102】
アンモニアガスと空気との混合ガスが燃焼器2に供給されると、アンモニアガスが着火して燃焼し、高温の燃焼ガスが発生する。そして、高温の燃焼ガスが改質器3に供給されると、改質器3が加熱されるため、図11(d)に示されるように、改質器3の温度が上昇し始める。
【0103】
そして、改質器3の温度が燃焼可能温度である規定温度T1に達すると、改質器3の改質触媒3aによりアンモニアガスが燃焼し、改質器3において燃焼ガスが生成される。このため、燃焼ガスの熱によって改質器3の温度が更に上昇する。
【0104】
また、改質器3の温度が燃焼可能温度に達すると、図11(a)に示されるように、スロットル弁6の開度が大きくなるため、燃焼器2及び改質器3に供給される空気の流量が増加する。これにより、燃焼器2による燃焼動作と改質器3による改質動作とが同時に効率的に行われる。
【0105】
その後、改質器3の温度が改質可能温度に達すると、改質器3の改質触媒3aによりアンモニアガスが改質され、水素を含む改質ガスが生成される。そして、改質ガスが水素利用装置13に供給される。
【0106】
その後、改質器3の温度が規定温度T2に達すると、図11(b)に示されるように、第1燃料供給弁10が閉弁することで、燃焼器2へのアンモニアガスの供給が停止する。また、図11(a)に示されるように、スロットル弁6の開度が小さくなることで、燃焼器2を通って改質器3に供給される空気の流量が減少する。
【0107】
その後、第1燃料供給弁10が閉弁してから規定時間tが経過すると、図11(a),(c)に示されるように、スロットル弁6及び第2燃料供給弁12の開度が大きくなることで、改質器3に供給されるアンモニアガス及び空気の流量が増加する。このとき、改質動作に適した流量のアンモニアガス及び空気が改質器3に供給される。これにより、改質器3が定常状態となる。
【0108】
以上のように本実施形態においても、改質器3の起動時間を短縮しつつ、適切な流量のアンモニアガスを燃焼器2及び改質器3に供給することができる。また、改質器3に空気を供給するための専用の空気流路が不要となるため、空気供給部50が簡素化される。
【0109】
また、本実施形態では、改質器3の温度が規定温度T1以上になると、燃焼器2による燃焼動作と改質器3による改質動作とを同時に行うのに適した流量比のアンモニアガス及び空気を供給することにより、燃焼動作と改質動作とを同時に且つ効果的及び安定的に行うことができる。
【0110】
なお、本実施形態では、改質器3の温度が規定温度T1以上になると、スロットル弁6の開度を変更することで、燃焼器2及び改質器3に供給される空気の流量が変更されているが、特にそのような形態には限られない。例えば第1燃料供給弁10または第2燃料供給弁12の開度を変更することで、燃焼器2及び改質器3に供給されるアンモニアガスの流量を変更してもよいし、或いはスロットル弁6、第1燃料供給弁10及び第2燃料供給弁12の開度を変更することで、燃焼器2及び改質器3に供給されるアンモニアガス及び空気の流量を変更してもよい。
【0111】
また、本実施形態では、規定温度T1は改質器3の燃焼可能温度であるが、規定温度T1としては、特に燃焼可能温度には限られず、改質器3の改質可能温度等であってもよい。また、規定温度T2は、規定温度T1よりも高い温度であればよい。
【0112】
また、本実施形態では、改質器3の起動が指示されると、スロットル弁6及び第1燃料供給弁10が開くように制御されると同時に、第2燃料供給弁12が開くように制御されているが、特にそのような形態には限られない。例えば図12に示されるように、スロットル弁6及び第1燃料供給弁10が開くように制御された後、改質器3の温度が規定温度T1に達するまでに、第2燃料供給弁12を開くように制御してもよい(図12(c)参照)。
【0113】
また、定常時において改質器3が最大負荷の運転状態となる場合には、図13に示されるように、スロットル弁6及び第2燃料供給弁12の開度が大きくなるように制御された後、改質器3が最大負荷の運転状態となるタイミングで、スロットル弁6及び第2燃料供給弁12の開度を更に大きくするように制御することで、改質器3に供給されるアンモニアガス及び空気の流量を更に増加させてもよい。
【0114】
以上、本発明の実施形態について幾つか説明してきたが、本発明は上記実施形態には限定されない。例えば、上記の第1及び第3実施形態では、第1燃料供給弁10及び第2燃料供給弁12は、アンモニアガスを噴射するインジェクタであるが、第1燃料供給弁10及び第2燃料供給弁12としては、特にその形態には限られず、上記の第2実施形態における燃料供給弁40と同様に、アンモニア流路に配設される流量制御弁等を使用してもよい。
【0115】
また、上記の第3実施形態では、改質器3の温度が規定温度T1以上になると、スロットル弁6の開度を変更することで、燃焼器2及び改質器3に供給される空気の流量が変更されているが、そのような制御処理を上記の第1及び第2実施形態に適用してもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、燃焼器2において、ガス導入部17は、アンモニアガス及び空気を筐体16の内部に管状流が発生するように筐体16の内周面16aの接線方向に導入しているが、特にそのような形態には限られない。ガス導入部17は、例えばアンモニアガス及び空気を筐体16の内部に筐体16の径方向に導入してもよい。つまり、燃焼器2は、改質器3に供給される燃焼ガスを発生させるのであれば、管状火炎バーナ以外のバーナでもよく、或いはヒータ等であってもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、温度センサ30により検出された改質器3の温度に基づいて各種バルブ等が制御されているが、特に温度センサ30を使用しなくてもよく、例えばアンモニアガスの流量、空気の流量、時間及び室温等から改質器3の温度を推定してもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、改質器3は、アンモニアを燃焼させる機能とアンモニアを水素に分解する機能とを併せ持った改質触媒3aを有しているが、特にそのような形態には限られない。改質器3は、アンモニアを燃焼させる燃焼触媒と、アンモニアを水素に分解する改質触媒とを別々に有していてもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、スロットル弁6により燃焼器2及び改質器3に空気が供給されているが、特にその形態には限られず、例えばマスフローコントローラ、圧縮機またはポンプ等を用いて、燃焼器2及び改質器3に空気を供給してもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、燃料ガスとしてアンモニアガスが使用されているが、本発明は、燃料ガスとして炭化水素ガス等を使用した改質システムにも適用可能である。
【0121】
また、上記実施形態では、酸化性ガスとして空気が使用されているが、本発明は、酸化性ガスとして酸素を使用した改質システムにも適用可能である。
【符号の説明】
【0122】
1,1A,1B…改質システム、2…燃焼器、3…改質器、4…空気流路(第1酸化性ガス流路)、5…空気流路(第2酸化性ガス流路)、6…スロットル弁(流量制御弁)、10…第1燃料供給弁、12…第2燃料供給弁、20…燃焼ガス流路、21…空気供給部(酸化性ガス供給部)、23…第1燃料ガス供給部、24…第2燃料ガス供給部、30…温度センサ(温度検出部)、31,31A,31B…コントローラ(制御部)、40…燃料供給弁、41…ON/OFF弁(開閉弁)、42…アンモニア流路(第1燃料ガス流路)、43…アンモニア流路(第2燃料ガス流路)、45…第1燃料ガス供給部、46…第2燃料ガス供給部、50…空気供給部(酸化性ガス供給部)、T…規定温度、T1…規定温度(第1温度)、T2…規定温度(第2温度)。
図1
図2
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図13