(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】ステープル取り外し装置及びガイド
(51)【国際特許分類】
B25C 11/00 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
B25C11/00 A
(21)【出願番号】P 2020149466
(22)【出願日】2020-09-04
【審査請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】P 2019184852
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木 信昭
(72)【発明者】
【氏名】箱崎 克也
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-024470(JP,A)
【文献】特開平09-234678(JP,A)
【文献】特開2012-035350(JP,A)
【文献】実開昭60-175582(JP,U)
【文献】特開2006-036401(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0067107(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウン部と脚部とからなるステープルにより綴じられ、前記クラウン部の延伸方向に沿って折られた冊子の折り目が接する位置合わせ部と、
冊子の折り目を前記位置合わせ部にガイドするガイド部と、
冊子の折り目に対して交差する方向に移動して、冊子を綴じる前記ステープルの前記クラウン部と係止し、前記ステープルを冊子から抜く方向の力を前記ステープルに作用させる作用部を有した除去部と
を備えたステープル取り外し装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記位置合わせ部と交差する方向に突出し、前記クラウン部に近づく前記作用部の移動方向に対し、前記位置合わせ部の下流側に設けられる
請求項1に記載のステープル取り外し装置。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記位置合わせ部と交差する方向に突出し、前記クラウン部に近づく前記作用部の移動方向に対し、前記位置合わせ部の下流側に第1のガイド部を備え、前記位置合わせ部の上流側に第2のガイド部を備え、
前記第1のガイド部と前記第2のガイド部との間隔が、冊子の厚さに合わせられる
請求項1に記載のステープル取り外し装置。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記第1のガイド部と前記第2のガイド部との間隔が、前記位置合わせ部からの距離が離れた側から、前記位置合わせ部に近づくに従い狭くなり、冊子の厚さに合わせられる
請求項3に記載のステープル取り外し装置。
【請求項5】
前記ガイド部は、前記第1のガイド部と前記第2のガイド部の対向する面の少なくとも一方が、前記位置合わせ部に直交する方向に対して傾斜した斜面で構成される
請求項4に記載のステープル取り外し装置。
【請求項6】
前記ガイド部は、冊子を綴じた前記ステープルの位置を、前記作用部に合わせる指標部を備えた
請求項1または請求項2に記載のステープル取り外し装置。
【請求項7】
前記ガイド部は、冊子を綴じた前記ステープルの位置を、前記作用部に合わせる指標部を、前記第1のガイド部と前記第2のガイド部の少なくとも一方に備えた
請求項3~請求項5の何れか1項に記載のステープル取り外し装置。
【請求項8】
前記指標部は、前記作用部の位置に合わせて前記位置合わせ部から離れる方向に延伸する
請求項6または請求項7に記載のステープル取り外し装置。
【請求項9】
前記指標部は、凹凸形状を設けて構成される
請求項6~請求項8の何れか1項に記載のステープル取り外し装置。
【請求項10】
前記指標部は、表示により構成される
請求項6~請求項8の何れか1項に記載のステープル取り外し装置。
【請求項11】
前記位置合わせ部に設けられ、前記位置合わせ部に折り目が接した冊子を綴じる前記ステープルの前記クラウン部が入る開口部を備えた
請求項1~請求項10の何れか1項に記載のステープル取り外し装置。
【請求項12】
クラウン部と脚部とからなるステープルにより綴じられ、前記クラウン部の延伸方向に沿って折られた冊子の折り目が接する位置合わせ部と、
冊子の折り目に対して交差する方向に移動して、冊子を綴じる前記ステープルの前記クラウン部と係止し、前記ステープルを冊子から抜く方向の力を前記ステープルに作用させる作用部を有した除去部とを備えたステープル取り外し装置に取り付けられるガイドであって、
冊子の折り目を前記位置合わせ部にガイドするガイド部を備えた
ガイド。
【請求項13】
前記ガイド部は、前記位置合わせ部と交差する方向に突出し、前記クラウン部に近づく前記作用部の移動方向に対し、前記位置合わせ部の下流側に設けられる
請求項12に記載のガイド。
【請求項14】
前記ガイド部は、前記位置合わせ部と交差する方向に突出し、前記クラウン部に近づく前記作用部の移動方向に対し、前記位置合わせ部の下流側に第1のガイド部を備え、前記位置合わせ部の上流側に第2のガイド部を備え、
前記第1のガイド部と前記第2のガイド部との間隔が、冊子の厚さに合わせられる
請求項12に記載のガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ステープルを2つ折り製本された冊子から抜くステープル取り外し装置、及び、ステープル取り外し装置に取り付けられるガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステープルによって綴じられた用紙束から、このステープルを取り外す装置としては、用紙束と、該用紙束を綴じるステープルのクラウン部との間に楔状の部材を挿入して、ステープルを用紙束から抜く構成が知られている(特許文献1、2参照)。
【0003】
これらは、一般的な端綴じやコーナー綴じ等、紙端から近い部位をステープルで綴じた用紙束を除針の対象物としており、装置が大型化しないように、装置の用紙束挿入開口の奥行方向の寸法は必要最低限に抑えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平08-141935号公報
【文献】特開2019-022923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、2つ折り製本のために用紙の中央をステープルで綴じる形態も存在している。しかし、上述した従来の装置では、用紙束挿入開口の奥行方向の寸法が必要最低限に抑えられているため、2つ折り製本された冊子を開いたとしても、用紙の中央がステープルで綴じられているため、ステープルを楔状の部材による除針位置にセットすることができない。
【0006】
冊子を開いた形態で、ステープルの位置を楔状の部材による除針位置に合わせて、ステープルを取り外せるような装置の構成を考えると、冊子が挿入される開口の奥行方向の寸法を、開いた形態の冊子の一方の紙面が入るような長さとする必要があり、装置が大型化する。
【0007】
そこで、2つ折り製本された冊子を閉じたままの状態で、ステープルを冊子から取り外すことが可能なステープル取り外し装置、及び、ステープル取り外し装置に取り付けられるガイドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、クラウン部と脚部とからなるステープルにより綴じられ、クラウン部の延伸方向に沿って折られた冊子の折り目が接する位置合わせ部と、冊子の折り目を位置合わせ部にガイドするガイド部と、冊子の折り目に対して交差する方向に移動して、冊子を綴じるステープルのクラウン部と係止し、ステープルを冊子から抜く方向の力をステープルに作用させる作用部を有した除去部とを備えたステープル取り外し装置が開示される。
【0009】
ステープル取り外し装置では、ガイド部で冊子の折り目が位置合わせ部にガイドされる。除去部は、位置合わせ部に折り目が接した冊子を綴じるステープルのクラウン部と係止し、ステープルを冊子から抜く方向の力をステープルに作用させることで、ステープルが冊子から取り外される。ガイドは、クラウン部と脚部とからなるステープルにより綴じられ、クラウン部の延伸方向に沿って折られた冊子の折り目が接する位置合わせ部と、冊子の折り目に対して交差する方向に移動して、冊子を綴じるステープルのクラウン部と係止し、ステープルを冊子から抜く方向の力をステープルに作用させる作用部を有した除去部とを備えたステープル取り外し装置に取り付けられるガイドであって、冊子の折り目を前記位置合わせ部にガイドするガイド部を備えるガイドが開示される。
【発明の効果】
【0010】
ステープル取り外し装置では、折り目で折られた冊子を開くことなく、ガイド部で所定の位置に冊子がセットでき、ステープルを冊子から抜くことができる。ガイドは、ステープル取り外し装置に取り付けられることで、折り目で折られた冊子を開くことなく、所定の位置に冊子がセットできるようにして、ステープル取り外し装置でステープルを冊子から抜くことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す側断面図である。
【
図1B】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す側面図である。
【
図1C】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す平面図である。
【
図2A】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す斜視図である。
【
図2B】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す斜視図である。
【
図3A】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す分解斜視図である。
【
図3B】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す分解斜視図である。
【
図4A】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す冊子がセットされた状態の側面図である。
【
図4B】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す冊子がセットされた状態の斜視図である。
【
図5】冊子Pを綴じたステープルの一例を示す説明図である。
【
図6】ステープルで綴じられた冊子の一例を示す斜視図である。
【
図7A】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す側断面図である。
【
図7B】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す側断面図である。
【
図7C】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す側断面図である。
【
図7D】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す側断面図である。
【
図8A】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す要部側断面図である。
【
図8B】第1の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す要部側断面図である。
【
図9A】第2の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す斜視図である。
【
図9B】第2の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す斜視図である。
【
図9C】第2の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す側面図である。
【
図9D】第2の実施の形態のステープル取り外し装置の内部構成の一例を示す斜視図である。
【
図10A】第2の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す冊子がセットされる状態の斜視図である。
【
図10B】第2の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す冊子がセットされる状態の内部構成を示す斜視図である。
【
図11A】他の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す斜視図である。
【
図11B】他の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す斜視図である。
【
図12A】他の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す側断面図である。
【
図12B】他の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す側断面図である。
【
図12C】他の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す側断面図である。
【
図12D】他の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す側断面図である。
【
図13A】他の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す斜視図である。
【
図13B】他の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す斜視図である。
【
図13C】他の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す斜視図である。
【
図14A】他の実施の形態のステープル取り外し装置の別の例を示す斜視図である。
【
図14B】他の実施の形態のステープル取り外し装置の別の例を示す斜視図である。
【
図15A】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【
図15B】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【
図15C】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【
図16A】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【
図16B】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【
図16C】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【
図17A】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【
図17B】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【
図17C】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【
図17D】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【
図18A】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【
図18B】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【
図18C】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【
図18D】他の実施の形態のステープル取り外し装置のさらに別の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施の形態のステープル取り外し装置の構成例>
図1Aは、第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す側断面図、
図1Bは、第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す側面図、
図1Cは、第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す平面図である。また、
図2A、
図2Bは、第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す斜視図、
図3A、
図3Bは、第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す分解斜視図である。更に、
図4Aは、第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す冊子がセットされた状態の側面図、
図4Bは、第1の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す冊子がセットされた状態の斜視図である。また、
図5は、冊子Pを綴じたステープルの一例を示す説明図、
図6は、ステープルで綴じられた冊子の一例を示す斜視図である。
【0013】
まず、
図5、
図6を参照して、冊子Pを綴じたステープル100及びステープル100で綴じられた冊子Pについて説明する。
【0014】
ステープル100は、クラウン部101の両端が一の方向に折り曲げられて、一対の脚部102が形成される。ステープル100は、冊子Pを貫通した一対の脚部102がそれぞれ内側方向に折り曲げられる。これにより、冊子Pがステープル100で綴じられる。
【0015】
冊子Pは、用紙の中央がステープル100により綴じられる中綴じと称される形態で、ステープル100による綴じ位置が、クラウン部101の延伸方向に沿って折られた2つ折り製本の形態である。これにより、冊子Pは、ステープル100のクラウン部101の延伸方向に沿って折り目P1が形成される。また、冊子Pは、折り目P1の凸側(山側)にクラウン部101が位置し、凹側(谷側)に脚部102が位置する向きで折られる。
【0016】
次に、各図を参照して、冊子Pからステープル100を抜く第1の実施の形態のステープル取り外し装置1Aについて説明する。
【0017】
第1の実施の形態のステープル取り外し装置1Aは、
図1、
図4A、
図4Bに示すように、冊子Pが鉛直方向に沿った向きでセットされる構成である。ステープル取り外し装置1Aは、冊子Pの折り目P1が接する位置合わせ部2Aと、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接すると、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101が入る開口部3Aと、冊子Pの折り目P1を位置合わせ部2Aにガイドするガイド部4Aを備える。
【0018】
位置合わせ部2Aは、位置合わせ部2Aに接する冊子Pの折り目P1に沿った方向の長さが、冊子Pの厚さ方向に沿った方向より長い形状の面で構成される。位置合わせ部2Aは、冊子Pの折り目P1に沿った方向が長手方向となり、冊子Pの厚さ方向に沿った方向が短手方向となり、長手方向に沿って開口部3Aの両側に設けられる。位置合わせ部2Aは、短手方向に沿って開口部3Aの少なくとも一方の側に設けられていても良い。位置合わせ部2Aは、本例では、ステープル取り外し装置1Aの外装を構成する筐体20Aの第1の面21Aで構成される。第1の実施の形態のステープル取り外し装置1Aは、第1の面21Aが水平な向きで載置される。
【0019】
開口部3Aは、位置合わせ部2Aの長手方向に沿った寸法が、ステープル100のクラウン部101の長手方向の長さより長く、位置合わせ部2Aの短手方向に沿った寸法が、クラウン部101の短手方向の長さより長く構成され、この長い開口が位置合わせ部2Aに設けて構成される。開口部3Aは、本例では、
図3Aに示すように、筐体20Aの第1の面21Aの表裏を貫通し、位置合わせ部2Aの短手方向に沿って延伸した開口の一部で構成される。
【0020】
ガイド部4Aは、位置合わせ部2Aの長手方向及び短手方向と略交差する方向に突出する第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aを備える。第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aは、位置合わせ部2Aの短手方向に、開口部3Aを挟んで対向する。
【0021】
ガイド部4Aは、位置合わせ部2Aの短手方向に沿った第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aとの間隔が、冊子Pが位置合わせ部2Aと接する部位の近傍、言い換えれば、位置合わせ部2Aから突出する第1のガイド部41Aの位置合わせ部2A側の端部と第2のガイド部42Aの位置合わせ部2A側の端部とが対向する部位では、2つ折り製本の形態の冊子Pの厚さと同等程度またはそれ以上に構成される。また、位置合わせ部2Aからの距離が離れるに従い、位置合わせ部2Aの短手方向に沿った第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aとの間隔が広がるように、第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aの対向する面が、位置合わせ部2Aに直交する方向に対して傾斜した斜面で、テーパ状に構成される。
【0022】
ガイド部4Aは、本例では、第2のガイド部42Aが、筐体20Aと独立した部品をねじ45Aで第1の面21Aに取り付けることで構成される。なお、第2のガイド部42Aの取付位置を選択可能な構成とし、位置合わせ部2Aの短手方向に沿った第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aとの間隔を、冊子Pの厚さに応じて変えられるようにしてもよい。
【0023】
ガイド部4Aは、冊子Pを綴じたステープル100の位置を、開口部3Aに合わせる指標部43A、44Aを備える。指標部43Aは、第1のガイド部41Aの第2のガイド部42Aと対向する面に、開口部3Aの位置に合わせて開口部3Aから離れる方向に延伸する凹部を設けて構成される。指標部44Aは、第2のガイド部42Aの第1のガイド部41Aと対向する面に、開口部3Aの位置に合わせて開口部3Aから離れる方向に延伸する凹部を設けて構成される。
【0024】
なお、指標部43A、44Aは、開口部3Aが設けられる範囲を規定する複数本の線、開口部3Aに合わせた帯等を、印刷で表示してもよい。また、第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aの少なくとも一方に、指標部を設けてもよい。更に、第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aのいずれにも、指標部を設けなくてもよい。
【0025】
ステープル取り外し装置1Aは、冊子Pが第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aの間に入れられると、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aにガイドされる。冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101の位置を開口部3Aに合わせた状態で、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接すると、クラウン部101が開口部3Aに入る。
【0026】
ステープル取り外し装置1Aは、ステープル100を冊子Pから抜く除去部5Aを備える。除去部5Aは、楔板組み立て体50Aと、楔板組み立て体50Aを駆動する駆動部51Aを備える。楔板組み立て体50Aは、楔板500Aと、楔板500Aが取り付けられる支持部501Aを備える。
【0027】
楔板500Aは作用部の一例で、位置合わせ部2Aの長手方向に沿った寸法が、ステープル100のクラウン部101より短く構成される。また、楔板500Aは、位置合わせ部2Aの長手方向及び短手方向に交差した筐体20Aの第1の面21Aに直交する方向に沿った寸法が、先端側では、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101と、冊子Pとの間に入る程度に細く構成される。更に、楔板500Aは、筐体20Aの第1の面21Aに直交する方向に沿った寸法が、先端から支持部501Aに取り付けられる部位に向けて長くなる方向に傾斜した形状で構成される。
【0028】
支持部501Aは、楔板500Aが取り付けられる側に軸503Aが設けられ、楔板500Aが取り付けられる側の反対側に軸502Aが設けられる。軸502A及び軸503Aは、位置合わせ部2Aの長手方向に沿って、支持部501Aの両側から突出する。
【0029】
楔板組み立て体50Aは、筐体20Aに設けた一対の図示しないフレームに形成される長孔22Aに、軸502Aと軸503Aが入る。
【0030】
駆動部51Aは、支持部501Aに設けたラックギア510Aと、ラックギア510Aとかみ合うギア511Aと、モータ512Aの駆動力をギア511Aに伝達する図示しないギア群を備える。
【0031】
ステープル取り外し装置1Aは、操作ボタン8Aが押されると、図示しないセンサで検知された楔板組み立て体50Aの位置に基づき、モータ512Aが正転及び逆転する。除去部5Aは、モータ512Aが回転することで、駆動力がギア511A、ラックギア510Aを介して楔板組み立て体50Aに伝達される。
【0032】
楔板組み立て体50Aは、位置合わせ部2Aの短手方向に沿って延伸する長孔22Aに沿って軸502A及び軸503Aが移動することで、楔板500Aが、位置合わせ部2Aの短手方向に沿って移動する。ガイド部4Aに冊子Pがセットされ、位置合わせ部2Aに冊子Pの折り目P1が接した状態では、楔板500Aは、冊子Pの折り目P1に対して交差する方向に沿って移動する。また、楔板組み立て体50Aは、軸503Aが長孔22Aに誘導されることで、軸503Aを支点に回転し、楔板500Aが開口部3Aに対して入退出する。すなわち、開口部3Aに楔板500Aが入る。言い換えれば、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接すると、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101が入る開口部3Aに楔板500Aが入る。
【0033】
除去部5Aは、楔板500Aが第2のガイド部42Aの下側で第1の面21Aの裏面側に位置し、開口部3Aから退避する待機位置と、楔板500Aが開口部3Aを通過し、第1のガイド部41Aの下側に位置する作動位置との間を往復移動可能に構成される。
【0034】
これにより、除去部5Aは、楔板500Aが、開口部3Aに入るクラウン部101に待機位置から近づく方向に、冊子Pの折り目P1に対して交差する方向に沿って移動して、クラウン部101と冊子Pとの間に入ることでクラウン部101と係止し、ステープル100を冊子Pから抜く方向の力をステープル100に作用させる作用部として機能する。
【0035】
また、ガイド部4Aは、開口部3Aに入るクラウン部101に待機位置から近づく楔板500Aの移動方向に対し、開口部3Aの下流側に第1のガイド部41Aが設けられる。また、ガイド部4Aは、開口部3Aに入るクラウン部101に待機位置から近づく楔板500Aの移動方向に対し、開口部3Aの上流側に第2のガイド部42Aが設けられる。
【0036】
ステープル取り外し装置1Aは、楔板500Aがクラウン部101と冊子Pとの間に入る動作で、クラウン部101の移動を規制する針ストッパ6Aを備える。針ストッパ6Aは、開口部3Aに入るクラウン部101に待機位置から近づく楔板500Aの移動方向に対し、開口部3Aの下流側に設けられる。針ストッパ6Aは、軸60Aを支点とした回転で、第1の面21Aの裏面に対して近づく方向及び離れる方向に移動可能に構成され、図示しないばねで、第1の面21Aの裏面に接する方向へ付勢される。
【0037】
ステープル取り外し装置1Aは、冊子Pから取り外したステープル100が入る針屑入れ7Aを備える。針屑入れ7Aは、開口部3Aの下側に設けられ、除去部5Aの動作で冊子Pから取り外されたステープル100が自重で落下する。針屑入れ7Aは、筐体20Aに対して出し入れ可能に構成され、ステープル100の排出が可能である。
【0038】
<第1の実施の形態のステープル取り外し装置の動作例>
図7A~
図7Dは、第1の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す側断面図、
図8A~
図8Bは、第1の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す要部側断面図である。
【0039】
ステープル取り外し装置1Aは、
図4A、
図4Bに示すように、ガイド部4Aを構成する第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aとの間に、ステープル100で綴じられた折り目P1を下向きとして、閉じられた形態で冊子Pが入れられる。
【0040】
ガイド部4Aは、位置合わせ部2Aの短手方向に沿った第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aとの間隔が、位置合わせ部2Aからの距離が離れた側から、位置合わせ部2Aと接する部位の近傍に向けて徐々に狭くなるテーパ状となっているので、冊子Pを第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aとの間に入れる動作で、折り目P1が位置合わせ部2Aにガイドされる。
【0041】
また、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101を、指標部43Aまたは指標部44A、あるいは、指標部43A及び指標部44Aに合わせて、冊子Pを第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aとの間に入れる。
【0042】
これにより、ステープル取り外し装置1Aは、
図7Aに示すように、冊子Pが第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aの間に入れられると、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aの長手方向に沿った向きとなるようにして、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接する位置へガイドされる。
【0043】
また、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101を、指標部43A、44Aに合わせることで、クラウン部101の位置が開口部3Aに合わせられた状態となる。クラウン部101の位置が開口部3Aに合わせられた状態で、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接すると、クラウン部101が開口部3Aに入る。
【0044】
ステープル取り外し装置1Aは、第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aとの間に開口部3Aが設けられるので、第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aとの間に冊子Pが入れられると、開口部3Aの位置の視認が難しくなる。これに対し、ガイド部4Aに指標部43A、44Aを備えることで、ステープル100のクラウン部101を開口部3Aの位置に合わせることができる。
【0045】
このように、ステープル取り外し装置1Aは、ガイド部4Aを備えること、ガイド部4Aに指標部43A、44Aを備えることで、ステープル100の除去が可能な所定の位置への冊子Pのセットが容易となる。
【0046】
ステープル取り外し装置1Aは、操作ボタン8Aが押されると、モータ512Aが正転することで、
図7B、
図8Aに示すように、楔板組み立て体50Aが冊子Pの折り目P1に対して交差する方向に沿って移動し、矢印Fで示すように、楔板500Aが開口部3Aに入るクラウン部101に待機位置から近づく方向へ移動する。また、楔板組み立て体50Aは、軸503Aが長孔22Aに誘導されることで、軸503Aを支点に回転し、楔板500Aが開口部3Aに入る。そして、楔板500Aがステープル100のクラウン部101に接する。
【0047】
ステープル取り外し装置1Aは、楔板500Aがステープル100のクラウン部101に接した状態で、楔板500Aが更に矢印F方向に移動すると、冊子Pが第1のガイド部41A方向に押される。
【0048】
ガイド部4Aは、位置合わせ部2Aの短手方向に沿った第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aとの間隔が、位置合わせ部2Aと接する部位の近傍では、冊子Pの厚さと同等程度に構成されるので、冊子P及び冊子Pを綴じたステープル100の移動が規制される。
【0049】
また、ステープル100のクラウン部101が針ストッパ6Aに接することでも、ステープル100の移動が規制される。これにより、
図7C、
図8Bに示すように、楔板500Aがステープル100のクラウン部101と冊子Pの間に入る。
【0050】
ステープル取り外し装置1Aは、
図7Dに示すように、楔板500Aがステープル100のクラウン部101と冊子Pの間に入った状態で、楔板500Aが更に矢印F方向に移動すると、ステープル100を冊子Pから抜く方向の力がステープル100に作用し、脚部102が起こされながら冊子Pから抜ける。脚部102が冊子Pから抜けたステープル100は、自重で針屑入れ7Aに落下、収容される。
【0051】
ステープル取り外し装置1Aは、図示しないセンサで楔板組み立て体50Aの位置を検知し、冊子Pからステープル100が抜ける作動位置まで楔板500Aが移動すると、モータ512Aが逆転する。これにより、楔板組み立て体50Aが冊子Pの折り目P1に対して交差する方向に沿って移動し、楔板500Aが作動位置から待機位置へ移動する。
【0052】
以上により、ステープル取り外し装置1Aは、2つ折り製本された形態の冊子Pを開くことなく、閉じたままの形態でセットして、ステープル100を取り外すことができる。冊子Pを開いた形態では、ステープル100と、冊子Pの端部との距離が長くなる。このような冊子Pを開いた形態で、ステープル100の位置を開口部3Aに合わせて、ステープル100を取り外せるようなステープル取り外し装置の構成を考えると、開いた形態の冊子Pを載置できるスペースが必要で、装置が大型化する。
【0053】
これに対し、ステープル取り外し装置1Aでは、ガイド部4Aを備え、クラウン部101が入る開口部3Aが設けられた位置合わせ部2Aに対して、閉じられた形態の冊子Pを交差する向きでセットする構成とすることで、装置の大型化を抑制できる。
【0054】
なお、第2のガイド部42Aを第1の面21Aから外し、第1の面21Aを用紙束の載置台として、ステープル取り外し装置1Aを、用紙の端部がステープルで綴じられた形態の用紙束からステープルを取り外す装置と兼用できるようにしてもよい。この場合、第1のガイド部41Aに代えて、用紙束を紙面方向に押圧して用紙束の移動を規制する構成を追加できるようにしてもよい。
【0055】
<第2の実施の形態のステープル取り外し装置の構成例>
図9A、
図9Bは、第2の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す斜視図、
図9Cは、第2の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す側面図、
図9Dは、第2の実施の形態のステープル取り外し装置の内部構成の一例を示す斜視図である。また、
図10Aは、第2の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す冊子がセットされる状態の斜視図、
図10Bは、第2の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す冊子がセットされる状態の内部構成を示す斜視図である。
【0056】
第2の実施の形態のステープル取り外し装置1Bは、
図10A、
図10Bに示すように、冊子Pが水平方向に沿った向きでセットされる構成である。ステープル取り外し装置1Bは、冊子Pの折り目P1が接する位置合わせ部2Bと、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Bに接すると、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101が入る開口部3Bと、冊子Pの折り目P1を位置合わせ部2Bにガイドするガイド部4Bを備える。
【0057】
位置合わせ部2Bは、位置合わせ部2Aと同様に位置合わせ部2Bに接する冊子Pの折り目P1に沿った方向の長さが、冊子Pの厚さ方向に沿った方向より長い形状の面で構成され、長手方向に沿って開口部3Bの両側に設けられる。位置合わせ部2Bは、本例では、ステープル取り外し装置1Bの外装を構成する筐体20Bの第1の面21Bで構成される。第2の実施の形態のステープル取り外し装置1Bは、第1の面21Bが垂直な向きで載置される。
【0058】
開口部3Bは、位置合わせ部2Bの長手方向に沿った寸法が、
図5等に示すステープル100のクラウン部101の長手方向の長さより長く、位置合わせ部2Bの短手方向に沿った寸法が、クラウン部101の短手方向の長さより長い開口を、位置合わせ部2Bに設けて構成される。
【0059】
ガイド部4Bは、位置合わせ部2Bの長手方向及び短手方向と略交差する方向に突出する第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bを備える。第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bは、位置合わせ部2Bの短手方向に、開口部3Bを挟んで対向する。
【0060】
ガイド部4Bは、位置合わせ部2Bの短手方向に沿った第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bとの間隔が、位置合わせ部2Bと接する部位の近傍では、冊子Pの厚さと同等程度に構成される。また、ガイド部4Bは、第1のガイド部41Bが水平な向きで延伸し、位置合わせ部2Bからの距離が離れるに従い、位置合わせ部2Bの短手方向に沿った第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bとの間隔が広がるように、第2のガイド部42Bの第1のガイド部41Bと対向する面が、位置合わせ部2Bに直交する方向に対して傾斜した斜面で、テーパ状に構成される。
【0061】
ガイド部4Bは、冊子Pを綴じたステープル100の位置を、開口部3Bに合わせる指標部43B、44Bを備える。指標部43Bは、第1のガイド部41Bの第2のガイド部42Bと対向する面に、開口部3Bの位置に合わせて開口部3Bから離れる方向に延伸する凹部を設けて構成される。指標部44Bは、第2のガイド部42Bの第1のガイド部41Bと対向する面に、開口部3Bの位置に合わせて開口部3Bから離れる方向に延伸する凹部を設けて構成される。
【0062】
なお、指標部43B、44Bは、開口部3Bが設けられる範囲を規定する複数本の線、開口部3Bに合わせた帯等を、印刷で表示してもよい。また、第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bの少なくとも一方に、指標部を設けてもよい。更に、第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bのいずれにも、指標部を設けなくてもよい。
【0063】
ステープル取り外し装置1Bは、ステープル100を冊子Pから抜く除去部5Bを備える。除去部5Bは、除去部5Aと同様の構成でよく、楔板組み立て体50Bと、楔板組み立て体50Bを駆動する駆動部51Bを備える。楔板組み立て体50Bは、楔板500Bと、楔板500Bが取り付けられる支持部501Bを備える。
【0064】
楔板500Bは作用部の一例で、位置合わせ部2Bの長手方向に沿った寸法が、ステープル100のクラウン部101より短く構成される。また、楔板500Bは、位置合わせ部2Bの長手方向及び短手方向に交差した筐体20Bの第1の面21Bに直交する方向に沿った寸法が、先端側では、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101と、冊子Pとの間に入る程度に細く構成される。更に、楔板500Bは、筐体20Bの第1の面21Bに直交する方向に沿った寸法が、先端から支持部501Bに取り付けられる部位に向けて長くなる方向に傾斜した形状で構成される。
【0065】
支持部501Bは、楔板500Bが取り付けられる側に軸503Bが設けられ、楔板500Bが取り付けられる側の反対側に軸502Bが設けられる。軸502B及び軸503Bは、位置合わせ部2Bの長手方向に沿って、支持部501Bの両側から突出する。
【0066】
楔板組み立て体50Bは、筐体20Bに設けた一対のフレーム23Bに形成される長孔22Bに、軸502Bと軸503Bが入る。
【0067】
駆動部51Bは、支持部501Bに設けたラックギア510Bと、ラックギア510Bとかみ合うギア511Bと、モータ512Bの駆動力をギア511Bに伝達する図示しないギア群を備える。
【0068】
ステープル取り外し装置1Bは、操作ボタン8Bが押されると、図示しないセンサで検知された楔板組み立て体50Bの位置に基づき、モータ512Bが正転及び逆転する。除去部5Bは、モータ512Bが回転することで、駆動力がギア511B、ラックギア510Bを介して楔板組み立て体50Bに伝達される。
【0069】
楔板組み立て体50Bは、位置合わせ部2Bの短手方向に沿って延伸する長孔22Bに沿って軸502B及び軸503Bが移動することで、楔板500Bが、位置合わせ部2Bの短手方向に沿って移動する。ガイド部4Bに冊子Pがセットされ、位置合わせ部2Bに冊子Pの折り目P1が接した状態では、楔板500Bは、冊子Pの折り目P1に対して交差する方向に沿って移動する。
【0070】
除去部5Bは、楔板500Bが第2のガイド部42Bの後側に位置し、開口部3Bから退避する待機位置と、楔板500Bが開口部3Bを通過し、第1のガイド部41Bの後側に位置する作動位置との間を往復移動可能に構成される。
【0071】
ステープル取り外し装置1Bは、冊子Pから取り外したステープル100が入る針屑入れ7Bを備える。針屑入れ7Bは、開口部3Bの裏側の下側に設けられ、除去部5Bの動作で冊子Pから取り外されたステープル100が自重で落下する。針屑入れ7Bは、筐体20Bに対して出し入れ可能に構成され、ステープル100の排出が可能である。
【0072】
ステープル取り外し装置1Bは、
図10Bに示すように、ガイド部4Bを構成する第1のガイド部41Bに、ステープル100で綴じられた折り目P1を横向きとして、閉じられた形態で冊子Pが載せられ、第1のガイド部41B第2のガイド部42Bとの間に冊子Pが入れられる。
【0073】
ガイド部4Bは、位置合わせ部2Bの短手方向に沿った第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bとの間隔が、位置合わせ部2Bからの距離が離れた側から、位置合わせ部2Bと接する部位の近傍に向けて徐々に狭くなるテーパ状となっているので、冊子Pを第1のガイド部41Bに載せて、第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bとの間に入れる動作で、折り目P1が位置合わせ部2Bにガイドされる。
【0074】
また、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101を、指標部43Bまたは指標部44B、あるいは、指標部43B及び指標部44Bに合わせて、冊子Pを第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bとの間に入れる。
【0075】
これにより、ステープル取り外し装置1Bは、冊子Pが第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bの間に入れられると、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Bの長手方向に沿った向きとなるようにして、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Bに接する位置へガイドされる。
【0076】
また、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101を、指標部43B、44Bに合わせることで、クラウン部101の位置が開口部3Bに合わせられた状態となる。クラウン部101の位置が開口部3Bに合わせられた状態で、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Bに接すると、クラウン部101が開口部3Bに入る。
【0077】
このように、ステープル取り外し装置1Bは、ガイド部4Bを備えること、ガイド部4Bに指標部43B、44Bを備えることで、ステープル100の除去が可能な所定の位置への冊子Pのセットが容易となる。
【0078】
なお、ステープル取り外し装置1Bにおいて、除去部5Bでステープル100を冊子Pから取り外す動作は、ステープル取り外し装置1Aと同様であり、楔板500Bが、冊子Pに対して垂直方向に往復移動して、ステープル100のクラウン部101と冊子Pの間に入り、ステープル100を冊子Pから取り外す。冊子Pから取り外されたステープル100は、自重で針屑入れ7Bに落下する。
【0079】
<ステープル取り外し装置の他の実施の形態例>
本発明のステープル取り外し装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、以下のような実施の形態も含まれる。
【0080】
図11A及び
図11Bは、他の実施の形態のステープル取り外し装置の一例を示す斜視図である。
【0081】
他の実施の形態のステープル取り外し装置1Cは、第1の実施の形態のステープル取り外し装置1Aにおける除去部の変形例に相当する。このため、ステープル取り外し装置1Cにおいて、冊子Pの折り目P1が接する位置合わせ部2A(
図11Aでは図示せず)と、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接すると、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101が入る開口部3A(
図11A、
図11Bでは図示せず)と、冊子Pの折り目P1を位置合わせ部2Aにガイドするガイド部4Aは、第1の実施の形態のステープル取り外し装置1Aと同様の構成で良い。
【0082】
ステープル取り外し装置1Cは、ステープル100を冊子Pから抜く除去部5Cを備える。除去部5Cは、楔部組み立て体50Cと、楔部組み立て体50Cを駆動する駆動部51Cを備える。楔部組み立て体50Cは、楔部500Cと、楔部500Cが取り付けられる支持部501Cを備える。
【0083】
支持部501Cは、筐体20Aに設けた図示しないフレームに、一方の端部が軸520Cを支点として回転可能に支持される。また、支持部501Cは、軸520Cを支点とした回転動作で円を描くように変位する他方の端部に楔部500Cが取り付けられる。
【0084】
楔部500Cは作用部の一例で、軸520Cを支点とした支持部501Cの回転動作で、円を描くように変位する支持部501Cの他方の端部側の軌跡に沿った円弧形状で構成される。楔部500Cは、円弧形状の周方向に沿った一方の端部である後端側が支持部501Cに取り付けられる。
【0085】
楔部500Cは、位置合わせ部2Aの長手方向に沿った寸法が、ステープル100のクラウン部101より短く構成される。また、楔部500Cは、円弧形状の径方向に沿った寸法が、円弧形状の周方向に沿った他方の端部である先端側では、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101と、冊子Pとの間に入る程度に細く構成される。更に、楔部500Cは、円弧形状の径方向に沿った寸法が、先端から支持部501Cに取り付けられる後端側に向けて長くなる方向に曲面状に傾斜した形状で構成される。なお、楔部500Cは、位置合わせ部2Aの長手方向に沿った寸法が、先端側から後端側に向けて広くなる形状でもよい。
【0086】
駆動部51Cは、支持部501Cの軸520Cに設けたギア510Cと、モータ512Cの駆動力をギア510Cに伝達するギア群511Cを備える。
【0087】
ステープル取り外し装置1Cは、操作ボタン8Aが押されると、図示しないセンサで検知された楔部組み立て体50Cの位置に基づき、モータ512Cが正転及び逆転する。除去部5Cは、モータ512Cが回転することで、駆動力がギア群511C、ギア510Cを介して楔部組み立て体50Cに伝達される。
【0088】
楔部組み立て体50Cは、支持部501Cが軸520Cを支点に回転することで、楔部500Cが、軸520を支点とした回転動作で円弧を描くように変位する。これにより、円弧形状の楔部500Cが、周方向に沿って変位することになり、楔部500Cが、位置合わせ部2Aの短手方向に沿って移動する。なお、軸520Cを支点とした回転動作による楔部500Cの変位を回動と称す。ガイド部4Aに冊子Pがセットされ、位置合わせ部2Aに冊子Pの折り目P1が接した状態では、楔部500Cは、冊子Pの折り目P1に対して交差する方向に沿って移動する。また、楔部500Cは、軸520Cを支点とした回動による先端部及び円弧形状の外周面の軌跡が、図示しない開口部から第1の面21Aに突出し、楔部500Cの先端部及び円弧形状の外周面が、開口部に対して入退出する。
【0089】
除去部5Cは、楔部500Cが第2のガイド部42Aの下側で第1の面21Aの裏面側に位置する待機位置と、楔部500Cが位置合わせ部2Aを通過し、第1のガイド部41Aの下側に位置する作動位置との間を、軸520Cを支点とした回動で往復移動可能に構成される。
【0090】
これにより、除去部5Cは、軸520Cを支点として回動する楔部500Cが、楔部500Aと同様に作用部として機能する。
【0091】
図12A~
図12Dは、他の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す側断面図、
図13A~
図13Cは、他の実施の形態のステープル取り外し装置の動作の一例を示す斜視図である。
【0092】
ステープル取り外し装置1Cは、閉じられた形態の冊子Pが、
図5及び
図6に示すようにステープル100で綴じられた折り目P1を下向きとして、ガイド部4Aを構成する第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aとの間に入れられる。なお、ガイド部4Aの作用効果は、上述した第1の実施の形態のステープル取り外し装置1Aと同様である。
【0093】
ステープル取り外し装置1Cは、冊子Pが第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aの間に入れられると、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aの長手方向に沿った向きとなるようにして、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接する位置へガイドされる。
【0094】
また、クラウン部101の位置が図示しない開口部に合わせられた状態で、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接すると、クラウン部101が開口部に入る。
【0095】
これにより、ステープル取り外し装置1Cは、ガイド部4Aを備えることで、ステープル100の除去が可能な所定の位置への冊子Pのセットが容易となる。また、ステープル取り外し装置1Cは、ガイド部4Aに指標部43A、44Aを備えることで、ステープル100の除去が可能な所定の位置への冊子Pのセットがさらに容易となる。
【0096】
ステープル取り外し装置1Cは、操作ボタン8Aが押されると、モータ512Cが正転することで、
図12A、
図13Aに示すように、楔部組み立て体50Cは、楔部500Cが、軸520Cを支点とした回転動作で冊子Pの折り目P1に対して交差する方向に沿って移動する。これにより、楔部500Cは、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101に先端部が待機位置から近づく方向へ移動する。そして、楔部500Cの先端部がクラウン部101に接する。
【0097】
ステープル取り外し装置1Cは、楔部500Cがステープル100のクラウン部101に接した状態で、楔部500Cが待機位置から作動位置へ移動する方向に更に回動すると、
図12B、
図13Bに示すように、楔部500Cがステープル100のクラウン部101と冊子Pの間に入る。
【0098】
ステープル取り外し装置1Cは、
図12C、
図13Cに示すように、楔部500Cがステープル100のクラウン部101と冊子Pの間に入った状態で、楔部500Cが更に回動すると、ステープル100を冊子Pから抜く方向の力がステープル100に作用し、脚部102が起こされながら冊子Pから抜ける。脚部102が冊子Pから抜けたステープル100は、自重で針屑入れ7Aに落下、収容される。
【0099】
ステープル取り外し装置1Cは、図示しないセンサで楔部組み立て体50Cの位置を検知し、冊子Pからステープル100が抜ける作動位置まで楔部500Cが移動すると、モータ512Cが逆転する。これにより、
図12Dに示すように、楔部500Cが作動位置から待機位置へ移動する。
【0100】
以上により、ステープル取り外し装置1Cでも、ステープル取り外し装置1Aと同様に、2つ折り製本された形態の冊子Pを開くことなく、閉じたままの形態でセットして、ステープル100を取り外すことができる。
【0101】
図14A、
図14Bは、他の実施の形態のステープル取り外し装置の別の例を示す斜視図である。
【0102】
他の実施の形態の別の例のステープル取り外し装置1Dは、冊子Pが水平方向に沿った向きでセットされる構成である第2の実施の形態のステープル取り外し装置1Bにおける除去部の変形例に相当する。このため、ステープル取り外し装置1Dにおいて、冊子Pの折り目P1が接する位置合わせ部2B(
図14Bでは図示せず)と、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Bに接すると、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101が入る開口部3B(
図14A、
図14Bでは図示せず)と、冊子Pの折り目P1を位置合わせ部2Bにガイドするガイド部4Bは、第2の実施の形態のステープル取り外し装置1Bと同様の構成で良い。
【0103】
ステープル取り外し装置1Dは、ステープル100を冊子Pから抜く除去部5Cを備える。除去部5Cは、
図11A、
図11B等で説明したように、楔部組み立て体50Cと、楔部組み立て体50Cを駆動する駆動部51Cを備える。楔部組み立て体50Cは、楔部500Cと、楔部500Cが取り付けられる支持部501Cを備える。除去部5Cは、楔部500Cがフレーム22Cに支持された軸520Cを支点に回動する構成である。
【0104】
ステープル取り外し装置1Dにおいて、2つ折り製本された形態の冊子Pを開くことなく、閉じたままの形態で、第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bにより位置合わせ部2Bにガイドする動作は、ステープル取り外し装置1Bと同様である。
【0105】
すなわち、ステープル取り外し装置1Dは、冊子Pが第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bの間に入れられると、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Bの長手方向に沿った向きとなるようにして、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Bに接する位置へガイドされる。これにより、ステープル取り外し装置1Dでも、ガイド部4Bを備えることで、ステープル100の除去が可能な所定の位置への冊子Pのセットが容易となる。
【0106】
また、ガイド部4Bに指標部43B、44Bを備えることで、ステープル100の除去が可能な所定の位置への冊子Pのセットがさらに容易となる。
【0107】
なお、ステープル取り外し装置1Dにおいて、除去部5Cでステープル100を冊子Pから取り外す動作は、ステープル取り外し装置1Cと同様であり、楔部500Cが、軸520Cを支点とした回動で、ステープル100のクラウン部101と冊子Pの間に入り、ステープル100を冊子Pから取り外す。冊子Pから取り外されたステープル100は、自重で針屑入れ7Bに落下する。
【0108】
【0109】
他の実施の形態のさらに別の例のステープル取り外し装置1Eは、上述したステープル取り外し装置1Aにおける除去部の変形例に相当し、除去部を手動で動作させる構成である。このため、ステープル取り外し装置1Eにおいて、冊子Pの折り目P1が接する位置合わせ部2Aと、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接すると、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101が入る開口部3A(
図15A~
図15Cでは図示せず)と、冊子Pの折り目P1を位置合わせ部2Aにガイドするガイド部4Aは、第1の実施の形態のステープル取り外し装置1Aと同様の構成で良い。
【0110】
ステープル取り外し装置1Eは、ステープル100を冊子Pから抜く除去部5Eを備える。除去部5Eは、楔板組み立て体50Aと、楔板組み立て体50Aを駆動する駆動部51Eを備える。楔板組み立て体50Aは、上述したように、楔板500Aと、楔板500Aが取り付けられる支持部501Aを備える。除去部5Eは、楔板500Aが、軸502A及び軸503Aがガイドされることによる直動と、軸503Aを軸とした回転で、待機位置と作動位置との間を往復移動可能に構成される。
【0111】
駆動部51Eは、軸520Eを支点に回転するリンク521Eと、リンク521Eを回転させるレバー522Eを備える、リンク521Eは、一方の端部が軸520Eに支持され、軸520Eと連動して回転する。また、リンク521Eは、他方の端部が支持部501Aの軸503Aと連結される。レバー522Eは、一方の端部が軸520Eに支持され、軸520Eと連動して回転する。また、レバー522Eは、他方の端部に手で操作可能なハンドル部523Eを備える。
【0112】
ステープル取り外し装置1Eは、手でハンドル部523Eが操作され、レバー522Eが軸520Eを支点として回転すると、軸520Eと連動してリンク521Eが軸520Eを支点に回転する。除去部5Eは、リンク521Eが回転することで、駆動力が楔板組み立て体50Aに伝達される。
【0113】
ステープル取り外し装置1Eは、手でハンドル部523Eが操作され、レバー522Eが軸520Eを支点として回転すると、楔板500Aが、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101に待機位置から近づく方向に移動して、クラウン部101と冊子Pとの間に入る。
【0114】
楔板500Aがステープル100のクラウン部101と冊子Pの間に入った状態で、楔板500Aが待機位置から作動位置へ移動する方向に更に移動すると、ステープル100を冊子Pから抜く方向の力がステープル100に作用し、
図15Cに示すように、脚部102が起こされながら冊子Pから抜けて、冊子Pから取り外されたステープル100は、自重で針屑入れ7Aに落下する。
【0115】
ステープル取り外し装置1Eは、冊子Pからステープル100が抜ける作動位置まで楔板500Aを移動させた後、手でハンドル部523Eが操作され、レバー522Eが軸520Eを支点として逆方向に回転すると、楔板500Aが作動位置から待機位置へ移動する。
【0116】
以上により、ステープル取り外し装置1Eは、手動で除去部5Eの楔板500Aを作動させる構成で、2つ折り製本された形態の冊子Pを開くことなく、閉じたままの形態でセットして、ステープル100を取り外すことができる。
【0117】
【0118】
他の実施の形態のさらに別の例のステープル取り外し装置1Fは、上述したステープル取り外し装置1Aの変形例であるステープル取り外し装置1Cにおける除去部のさらなる変形例に相当し、除去部を手動で動作させる構成である。このため、ステープル取り外し装置1Fにおいて、冊子Pの折り目P1が接する位置合わせ部2Aと、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接すると、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101が入る開口部3A(
図16A~
図16Cでは図示せず)と、冊子Pの折り目P1を位置合わせ部2Aにガイドするガイド部4Aは、第1の実施の形態のステープル取り外し装置1Aと同様の構成で良い。
【0119】
ステープル取り外し装置1Fは、ステープル100を冊子Pから抜く除去部5Fを備える。除去部5Fは、楔部組み立て体50Cと、楔部組み立て体50Cを駆動する駆動部51Fを備える。楔部組み立て体50Cは、上述したように、楔部500Cと、楔部500Cが取り付けられる支持部501Cを備える。除去部5Fは、楔部500Cが、軸520Cを支点とした回動で、待機位置と作動位置との間を往復移動可能に構成される。
【0120】
駆動部51Fは、軸520Cを回転させるレバー522Fを備える、レバー522Fは、一方の端部が軸520Cに支持され、軸520Cと連動して回転する。また、レバー522Fは、他方の端部に手で操作可能なハンドル部523Fを備える。
【0121】
ステープル取り外し装置1Fは、手でハンドル部523Fが操作され、レバー522Fが軸520Cを支点として回転すると、支持部501Cが軸520Cを支点に回転することで、楔部500Cが、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101に待機位置から近づく方向に回動して、クラウン部101と冊子Pとの間に入る。
【0122】
楔部500Cがステープル100のクラウン部101と冊子Pの間に入った状態で、楔部500Cが待機位置から作動位置へ移動する方向に回動すると、ステープル100を冊子Pから抜く方向の力がステープル100に作用し、
図16Cに示すように、脚部102が起こされながら冊子Pから抜けて、冊子Pから取り外されたステープル100は、自重で針屑入れ7Aに落下する。
【0123】
ステープル取り外し装置1Fは、冊子Pからステープル100が抜ける作動位置まで楔部500Cを回動させた後、手でハンドル部523Fが操作され、レバー522Fが軸520Cを支点として逆方向に回転すると、楔部500Cが作動位置から待機位置へ回動する。
【0124】
以上により、ステープル取り外し装置1Fは、手動で除去部5Fを作動させる構成で、2つ折り製本された形態の冊子Pを開くことなく、閉じたままの形態でセットして、ステープル100を取り外すことができる。
【0125】
【0126】
他の実施の形態のさらに別の例のステープル取り外し装置は、上述したステープル取り外し装置1Aの変形例であるステープル取り外し装置1Cにおける除去部のさらなる変形例に相当する。
図17A~
図17Dに示すステープル取り外し装置1Gは、2つ折り製本された形態の冊子Pにおいて、折り目P1に沿った複数個所がステープル100で綴じられた形態である場合に、複数個所のステープル100を同時に除去できるようにしたものである。また、
図18A~
図18Dに示すステープル取り外し装置1Hは、2つ折り製本された形態の冊子Pにおいて、折り目P1に沿った複数個所がステープル100で綴じられた形態である場合に、複数個所のステープル100を同時に除去できるようにしたものであって、間隔が異なるステープル100の配置に対応可能としたものである。
【0127】
ステープル取り外し装置1Gは、例えば、折り目P1に沿った2個所がステープル100で綴じられた冊子Pに対応し、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接すると、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101が入る図示しない開口部を備える。開口部は、ステープル100の綴じ位置に合わせた複数個所に開口を設けた構成でも良いし、冊子Pの折り目P1に沿った複数個所のステープル100が入る長さの開口を設けた構成でも良い。
【0128】
また、冊子Pの折り目P1を位置合わせ部2Aにガイドするガイド部4Aは、第1のガイド部41Aの第2のガイド部42Aと対向する面において、ステープル100の綴じ位置に合わせた複数個所に指標部43Aが設けられる。また、ガイド部4Aは、第2のガイド部42Aの第1のガイド部41Aと対向する面において、ステープル100の綴じ位置に合わせた複数個所に指標部44Aが設けられる。
【0129】
ステープル100を冊子Pから抜く除去部5Gは、ステープル100の綴じ位置に合わせて設けられる複数の楔部組み立て体50Cと、各楔部組み立て体50Cを連動させて駆動する駆動部51Gを備える。楔部組み立て体50Cは、楔部500Cと、楔部500Cが取り付けられる支持部501Cを備える。
【0130】
除去部5Gは、1本の軸520Gに、ステープル100の綴じ位置に合わせた間隔で複数の支持部501Cが取り付けられる。また、駆動部51Gは、複数の支持部501Cが取り付けられた軸520Gを回転させるレバー522Gを備える。レバー522Gは、一方の端部が軸520Gに支持され、軸520Gと連動して回転する。また、レバー522Gは、他方の端部に手で操作可能なハンドル部523Gを備える。
【0131】
ステープル取り外し装置1Gは、閉じられた形態の冊子Pが、ステープル100で綴じられた折り目P1を下向きとして、ガイド部4Aを構成する第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aとの間に入れられる。
【0132】
ステープル取り外し装置1Gは、冊子Pが第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aの間に入れられると、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aの長手方向に沿った向きとなるようにして、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接する位置へガイドされる。
【0133】
また、冊子Pの折り目P1に沿った複数個所、本例では折り目P1に沿った2箇所で冊子Pと綴じたステープラ100の各クラウン部101の位置が図示しない開口部に合わせられた状態で、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接すると、クラウン部101が開口部に入る。
【0134】
これにより、ステープル取り外し装置1Gは、ガイド部4Aを備えることで、冊子Pの折り目P1に沿った複数個所を綴じたステープル100の除去が可能な所定の位置への冊子Pのセットが容易となる。また、ステープル取り外し装置1Gは、ガイド部4Aに指標部43A、44Aを備えることで、冊子Pの折り目P1に沿った複数個所を綴じたステープル100の除去が可能な所定の位置への冊子Pのセットがさらに容易となる。
【0135】
ステープル取り外し装置1Gは、手でハンドル部523Gが操作され、レバー522Gが軸520Gを支点として回転すると、各支持部501Cが軸520Gを支点に回転することで、各楔部500Cが、冊子Pを綴じた各ステープル100のクラウン部101に待機位置から近づく方向に回動して、クラウン部101と冊子Pとの間に入る。
【0136】
各楔部500Cが各ステープル100のクラウン部101と冊子Pの間に入った状態で、楔部500Cが待機位置から作動位置へ移動する方向に回動すると、ステープル100を冊子Pから抜く方向の力がステープル100に作用し、
図17Dに示すように、脚部102が起こされながら冊子Pから抜けて、冊子Pから取り外されたステープル100は、自重で針屑入れ7Aに落下する。
【0137】
ステープル取り外し装置1Gは、冊子Pからステープル100が抜ける作動位置まで楔部500Cを回動させた後、手でハンドル部523Gが操作され、レバー522Gが軸520Gを支点として逆方向に回転すると、各楔部500Cが作動位置から待機位置へ回動する。
【0138】
以上により、ステープル取り外し装置1Gは、折り目P1に沿った複数個所がステープル100で綴じられた冊子Pを、2つ折り製本された形態から開くことなく、閉じたままの形態でセットして、各ステープル100を取り外すことができる。
【0139】
ステープル取り外し装置1Hは、例えば、折り目P1に沿った2個所がステープル100で綴じられた冊子Pに対応する。かつ、2箇所のステープル100の間隔が異なる場合に対応できるように、冊子Pの折り目P1を位置合わせ部2Aにガイドするガイド部4Hは、第1のガイド部41H及び第2のガイド部42Hが、それぞれ2つに分割された構成である。
【0140】
また、ガイド部4Hは、各第1のガイド部41Hにおいて、各第2のガイド部42Hと対向する面に、それぞれ指標部43Hが設けられ、各第2のガイド部42Hにおいて、各第1のガイド部41Hと対向する面に、それぞれ指標部44Hが設けられる。
【0141】
第1のガイド部41H及び第2のガイド部42Hは、
図18A,
図18Cに示すように、位置合わせ部2Aの長手方向に沿った間隔が連動して切り替えられる構成である。これにより、一対の指標部43Hの間隔、及び、一対の指標部44Hの間隔が、ステープル100の綴じ位置に合わせた間隔に調整可能である。
【0142】
更に、ステープル取り外し装置1Hは、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接すると、冊子Pを綴じたステープル100のクラウン部101が入る図示しない開口部を備える。開口部は、第1のガイド部41H及び第2のガイド部42Hの長手方向に沿った間隔の切り替えに連動する開口を設けた構成でも良いし、冊子Pの折り目P1に沿った複数個所のステープル100が入る長さの開口を設けた構成でも良い。
【0143】
ステープル100を冊子Pから抜く除去部5Hは、位置合わせ部2Aの長手方向に沿った間隔が、ステープル100の綴じ位置に合わせて切り替えられる複数の楔部組み立て体50Cと、各楔部組み立て体50Cを連動させて駆動する駆動部51Hを備える。楔部組み立て体500Cは、楔部500Cと、楔部500Cが取り付けられる支持部501Cを備える。
【0144】
除去部5Hは、1本の軸520Hに、位置合わせ部2Aの長手方向に沿った間隔が、ステープル100の綴じ位置に合わせて切り替えられる構成で、複数の支持部501Cが取り付けられる。楔部組み立て体50Cは、
図18B。
図18Dに示すように、第1のガイド部41H及び第2のガイド部42Hの間隔の切り替えに連動して、支持部501Cの間隔が切り替えられる。
【0145】
駆動部51Hは、複数の支持部501Cが取り付けられた軸520Hを回転させるレバー522Hを備える、レバー522Hは、一方の端部が軸520Hに支持され、軸520Hと連動して回転する。また、レバー522Hは、他方の端部に手で操作可能なハンドル部523Hを備える。
【0146】
ステープル取り外し装置1Hは、閉じられた形態の冊子Pが、ステープル100で綴じられた折り目P1を下向きとして、ガイド部4Aを構成する第1のガイド部41Hと第2のガイド部42Hとの間に入れられる。
【0147】
ステープル取り外し装置1Hは、冊子Pが第1のガイド部41Hと第2のガイド部42Hの間に入れられると、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aの長手方向に沿った向きとなるようにして、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接する位置へガイドされる。
【0148】
また、冊子Pの折り目P1に沿った複数個所、本例では折り目P1に沿った2箇所で冊子Pと綴じたステープラ100の各クラウン部101の間隔に合わせて、第1のガイド部41H及び第2のガイド部42Hの間隔が切り替えることで、各クラウン部101の位置が図示しない開口部に合わせられた状態で、冊子Pの折り目P1が位置合わせ部2Aに接すると、クラウン部101が開口部に入る。
【0149】
これにより、ステープル取り外し装置1Hは、ガイド部4Hを備えることで、冊子Pの折り目P1に沿った複数個所を綴じたステープル100の除去が可能な所定の位置への冊子Pのセットが容易となる。また、ステープル取り外し装置1Hは、ガイド部4Hに指標部43H、44Hを備えることで、ステープル100の綴じ位置が異なる場合でも、冊子Pの折り目P1に沿った複数個所を綴じたステープル100の除去が可能な所定の位置への冊子Pのセットがさらに容易となる。
【0150】
ステープル取り外し装置1Hは、手でハンドル部523Hが操作され、レバー522Hが軸520Hを支点として回転すると、各支持部501Cが軸520Hを支点に回転することで、各楔部500Cが、冊子Pを綴じた各ステープル100のクラウン部101に待機位置から近づく方向に回動して、クラウン部101と冊子Pとの間に入る。
【0151】
各楔部500Cが各ステープル100のクラウン部101と冊子Pの間に入った状態で、楔部500Cが待機位置から作動位置へ移動する方向に回動すると、ステープル100を冊子Pから抜く方向の力がステープル100に作用し、脚部102が起こされながら冊子Pから抜けて、冊子Pから取り外されたステープル100は、自重で針屑入れ7Aに落下する。
【0152】
ステープル取り外し装置1Hは、冊子Pからステープル100が抜ける作動位置まで楔部500Cを回動させた後、手でハンドル部523Hが操作され、レバー522Hが軸520Hを支点として逆方向に回転すると、各楔部500Cが作動位置から待機位置へ回動する。
【0153】
以上により、ステープル取り外し装置1Hは、折り目P1に沿った複数個所がステープル100で綴じられた冊子Pを、2つ折り製本された形態から開くことなく、閉じたままの形態でセットして、各ステープル100を取り外すことができる。また、折り目P1に沿ったステープル100の綴じ位置が異なる場合でも対応可能である。
【0154】
<ガイドの例>
本発明に係るガイドは、クラウン部101と脚部102とからなるステープル100により綴じられ、クラウン部101の延伸方向に沿って折られた冊子Pの折り目P1が接する位置合わせ部2Aと、冊子Pの折り目P1に対して交差する方向に移動して、冊子Pを綴じるステープル100のクラウン部101と係止し、ステープル100を冊子Pから抜く方向の力をステープル100に作用させる作用部である楔部500Aを有した除去部5Aとを備えた第1の実施の形態のステープル取り外し装置1Aに取り付けられるガイドであって、冊子Pの折り目P1を位置合わせ部2Aにガイドする上述したガイド部4Aを備える。上記ガイドは、他の実施の形態のステープル取り外し装置にも適用可能である。
【0155】
ガイド部4Aは、位置合わせ部2Aと交差する方向に突出し、クラウン部101に近づく楔板500Aの移動方向に対し、位置合わせ部2Aの下流側に第1のガイド部41Aを備える。ガイドは、第1のガイド部41Aのみから構成され、第1のガイド部41Aがステープル取り外し装置1Aに着脱可能な構成としても良い。第1のガイド41Aは、冊子Pの折り目P1を位置合わせ部2Aに向かわせる連続面で構成しても良い。また、ガイドは、第1のガイド部41Aを備えると共に、位置合わせ部2Aの上流側に第2のガイド部42Aを備える。ガイドは、第2のガイド部42Aがステープル取り外し装置1Aに着脱可能な構成としても良い。第2のガイド42Aは、冊子Pの折り目P1を位置合わせ部2Aに向かわせる連続面で構成しても良い。
【0156】
第1の実施の形態のステープル取り外し装置1A、及び、他の実施の形態のステープル取り外し装置において、ガイド部4Aは、第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aの対向する面がテーパ状に構成されるものに限らない。例えば、位置合わせ部2Aからの距離が離れるに従い、位置合わせ部2Aの短手方向に沿った第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aとの間隔が広がるように、第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aの対向する面の少なくとも一方を階段状に構成してもよく、湾曲した形状に構成してもよい。また、第1のガイド部41Aと第2のガイド部42Aの対向する面が、位置合わせ部2Aに対して直交する方向に沿って、互いが平行に構成されていてもよい。
【0157】
第2の実施の形態のステープル取り外し装置1Bにおいても同様に、ガイド部4Bは、第2のガイド部42Bの第1のガイド部41Bと対向する面がテーパ状に構成されるものに限らない。例えば、位置合わせ部2Bからの距離が離れるに従い、位置合わせ部2Bの短手方向に沿った第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bとの間隔が広がるように、第2のガイド部42Bの第1のガイド部41Bと対向する面を階段状に構成してもよく、湾曲した形状に構成してもよい。また、第1のガイド部41Bと第2のガイド部42Bの対向する面が、位置合わせ部2Aに対して直交する方向に沿って、互いが平行に構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0158】
1A~1H・・・ステープル取り外し装置、2A、2B・・・位置合わせ部、3A、3B・・・開口部、4A、4B、4H・・・ガイド部(ガイド)、5A~5H・・・除去部、6A・・・針ストッパ、7A、7B・・・針屑入れ、8A、8B・・・操作ボタン、20A、20B・・・筐体、21A、21B・・・第1の面、22A、22B・・・長孔、41A、41B、41H・・・第1のガイド部、42A、42B、42H・・・第2のガイド部、43A、44A、43B、44B・・・指標部、50A、50B、50C・・・楔板組み立て体、51A、51B、51C・・・駆動部、60A・・・軸、500A、500B・・・楔板(作用部)、500C・・・楔部(作用部)、501A、501B、501C・・・支持部、502A、503A、502B、503B・・・軸、510A、510B・・・ラックギア、511A、511B・・・ギア、512A、512B、512C・・・モータ、100・・・ステープル、101・・・クラウン部、102・・・脚部、P・・・冊子、P1・・・折り目