(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20240305BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20240305BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240305BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240305BHJP
H01G 11/10 20130101ALI20240305BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20240305BHJP
【FI】
H01M50/289
H01M50/209
H01M50/291
H01M50/293
H01G11/10
H01G11/78
(21)【出願番号】P 2020569503
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 JP2020001391
(87)【国際公開番号】W WO2020158430
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】P 2019014715
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】岩嶋 泰行
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-159617(JP,A)
【文献】国際公開第2019/003772(WO,A1)
【文献】特開2015-230764(JP,A)
【文献】特開2007-294407(JP,A)
【文献】国際公開第2019/142645(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01G 11/10
H01G 11/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子と、
側方部材と、
前記蓄電素子及び前記側方部材の間に配置されるスペーサと、を備え、
前記スペーサは、第一部材と、前記第一部材に保持される第二部材と、を有し、
前記第二部材は、前記第一部材よりも硬く、かつ、前記第一部材よりも脆い
蓄電装置。
【請求項2】
前記第二部材は、
前記蓄電素子と前記側方部材との並び方向において、前記第一部材の内方に配置される
請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記第二部材は、
前記蓄電素子と前記側方部材との並び方向と交差す
る方向における前記蓄電素子の中央部と対向する位置に配置される
請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第二部材は、複数の粒体で構成されている
請求項1~3のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記第二部材は、
前記蓄電素子と前記側方部材との並び方向において、前記第一部材と並んで配置される板状部材である
請求項1~3のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子とスペーサとを備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電素子とスペーサとを備え、蓄電素子の間にスペーサを配置した構成の蓄電装置が広く知られている。特許文献1には、複数の二次電池セル(蓄電素子)の間に、セパレータ(スペーサ)を配置した構成の電源装置(蓄電装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の蓄電装置では、蓄電素子の寿命特性が低下するおそれがある。つまり、上記従来の蓄電装置では、蓄電素子の間にスペーサを配置して蓄電素子の膨張を抑制しているが、本願発明者は、蓄電素子の膨張が大きくなると、スペーサが蓄電素子を圧迫し過ぎてしまい、蓄電素子の寿命特性が低下するおそれがあることを見出した。
【0005】
本発明は、蓄電素子の寿命特性の向上を図ることができる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子の第一方向側に配置される側方部材と、前記蓄電素子及び前記側方部材の間に配置されるスペーサと、を備え、前記スペーサは、第一部材と、前記第一部材に保持される第二部材と、を有し、前記第二部材は、前記第一部材よりも硬く、かつ、前記第一部材よりも脆い。
【0007】
本発明は、このような蓄電装置として実現できるだけでなく、スペーサとしても実現できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明における蓄電装置によれば、蓄電素子の寿命特性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る蓄電素子の構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るスペーサの構成を示す斜視図及び断面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態の変形例1に係るスペーサの構成を示す断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態の変形例2に係るスペーサの構成を示す断面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態の変形例2に係るスペーサの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子の第一方向側に配置される側方部材と、前記蓄電素子及び前記側方部材の間に配置されるスペーサと、を備え、前記スペーサは、第一部材と、前記第一部材に保持される第二部材と、を有し、前記第二部材は、前記第一部材よりも硬く、かつ、前記第一部材よりも脆い。
【0011】
これによれば、蓄電装置において、蓄電素子及び側方部材の間のスペーサは、第一部材と、第一部材に保持される第二部材と、を有しており、第二部材は、第一部材よりも硬く、かつ、第一部材よりも脆い。このように、スペーサが、第一部材よりも硬く脆い第二部材を有していることで、蓄電素子の膨張が小さい状態では、第二部材によって蓄電素子を圧迫し、蓄電素子の膨張が大きくなると、第二部材が砕ける。これにより、蓄電素子の膨張が大きくなった場合でも、スペーサが蓄電素子を圧迫し過ぎてしまうのを抑制できるため、蓄電素子の寿命特性の向上を図ることができる。
【0012】
前記第二部材は、前記第一方向において、前記第一部材の内方に配置されてもよい。
【0013】
これによれば、スペーサにおいて、第二部材は、第一部材の内方に配置されている。このように、スペーサにおいて第二部材を第一部材の内方に配置することで、蓄電素子の膨張が大きくなって第二部材が砕けた場合でも、第二部材が蓄電素子に向けて飛び出すのを抑制できる。これにより、スペーサの第二部材が蓄電素子を傷付けたりして蓄電素子の寿命特性が低下するのを抑制できるため、蓄電素子の寿命特性の向上を図ることができる。
【0014】
前記第二部材は、前記第一方向と交差する第二方向における前記蓄電素子の中央部と対向する位置に配置されてもよい。
【0015】
これによれば、スペーサにおいて、第二部材は、蓄電素子の中央部と対向する位置に配置されている。このように、蓄電素子は中央部が膨張しやすいため、スペーサの第二部材を、蓄電素子の中央部と対向する位置に配置する。これにより、蓄電素子の膨張に対して、効果的に蓄電素子を圧迫するとともに、蓄電素子の膨張が大きくなると蓄電素子を圧迫し過ぎてしまうのを抑制できるため、蓄電素子の寿命特性の向上を図ることができる。
【0016】
前記第二部材は、複数の粒体で構成されていてもよい。
【0017】
これによれば、スペーサにおいて、第二部材は、複数の粒体で構成されている。このように、第一部材に、第二部材として複数の粒体を配置することでスペーサを構成できるため、複雑な形状のスペーサでも容易に作製できる。これにより、容易に、蓄電素子の寿命特性の向上を図ることができる。
【0018】
前記第二部材は、前記第一方向において、前記第一部材と並んで配置される板状部材であってもよい。
【0019】
これによれば、スペーサにおいて、第二部材は、第一部材と並んで配置される板状部材である。このように、スペーサの第二部材を板状部材で構成することで、第二部材を蓄電素子に沿って均一に配置できる。これにより、蓄電素子の膨張に対して、満遍なく、蓄電素子を圧迫するとともに圧迫し過ぎてしまうのを抑制できるため、蓄電素子の寿命特性の向上を図ることができる。
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(及びその変形例)に係る蓄電装置について説明する。以下で説明する実施の形態は、包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図は、模式図であり、寸法等は必ずしも厳密に図示したものではない。さらに、各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0021】
以下の説明及び図面中において、1つの蓄電素子における一対(正極側及び負極側)の電極端子の並び方向、蓄電素子の容器の短側面の対向方向、または、2つのサイドプレートの並び方向をX軸方向と定義する。複数の蓄電素子と複数のスペーサと2つのエンドプレートとの並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、または、当該容器の厚さ方向をY軸方向と定義する。蓄電素子の容器本体と蓋との並び方向、蓄電装置の外装体本体と蓋との並び方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。以下の説明において、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。さらに、以下では、Y軸方向を第一方向、Z軸方向を第二方向とも呼ぶ場合がある。
【0022】
(実施の形態)
[1 蓄電装置10の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電装置10の全般的な説明を行う。
図1は、本実施の形態に係る蓄電装置10の外観を示す斜視図である。同図は、外装体500を透視して外装体500内方を示した図となっており、外装体500は破線で示している。
【0023】
蓄電装置10は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電できる装置である。蓄電装置10は、電力貯蔵用途または電源用途などに使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置10は、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)若しくはプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)等の自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電車、モノレール若しくはリニアモーターカー等の電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用若しくはエンジン始動用、または、家庭用若しくは発電機用に使用される定置用のバッテリ等として用いられる。
【0024】
図1に示すように、蓄電装置10は、複数の蓄電素子100(本実施の形態では、6つの蓄電素子100)と、複数のスペーサ200(本実施の形態では、7つのスペーサ200)と、2つ(一対)のエンドプレート300と、2つ(一対)のサイドプレート400と、外装体500とを備えている。蓄電装置10は、蓄電素子100同士を電気的に接続するバスバー、バスバーの位置決めを行うバスバーフレーム(バスバープレート)、蓄電素子100の充電状態及び放電状態を監視するための回路基板またはリレー等の電気機器なども備えていてもよいが、これらの図示は省略し、詳細な説明も省略する。
【0025】
蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子100は、扁平な直方体形状(角形)の形状を有しており、スペーサ200に隣接して配置されている。つまり、複数の蓄電素子100のそれぞれが、複数のスペーサ200のそれぞれと交互に配置され、Y軸方向に並べられている。本実施の形態では、7個のスペーサ200のうちの隣り合うスペーサ200の間に6個の蓄電素子100がそれぞれ配置されている。蓄電素子100の構成の詳細な説明については、後述する。
【0026】
蓄電素子100の個数は6個に限定されず、1個、または、6個以外の複数個数であってもよい。蓄電素子100の接続形態は特に限定されず、全てが直列接続されていてもよいし、いずれかの蓄電素子100が並列接続されていてもよい。蓄電素子100の形状は、直方体形状には限定されず、直方体形状以外の多角柱形状、円柱形状、楕円柱形状、長円柱形状等であってもよいし、ラミネート型の蓄電素子とすることもできる。蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子100は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。
【0027】
スペーサ200は、蓄電素子100の側方(Y軸プラス方向またはY軸マイナス方向)に配置され、蓄電素子100と他の部材とを絶縁する矩形状かつ板状のスペーサである。具体的には、スペーサ200は、隣り合う2つの蓄電素子100の間、及び、蓄電素子100とエンドプレート300との間に配置され、当該2つの蓄電素子100間、及び、蓄電素子100とエンドプレート300との間を絶縁するスペーサである。本実施の形態では、6個の蓄電素子100に対応して7個(7枚)のスペーサ200が配置されているが、蓄電素子100の個数が6個以外の場合には、スペーサ200の個数も蓄電素子100の個数に応じて適宜変更される。スペーサ200の構成の詳細な説明については、後述する。
【0028】
エンドプレート300及びサイドプレート400は、複数の蓄電素子100の並び方向(Y軸方向)において、蓄電素子100を外方から圧迫する部材である。つまり、エンドプレート300及びサイドプレート400は、複数の蓄電素子100を当該並び方向の両側から挟み込むことで、複数の蓄電素子100に含まれるそれぞれの蓄電素子100を当該両側から圧迫する。エンドプレート300及びサイドプレート400は、強度の観点等から、鋼またはステンレス等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、これに限定されず、強度の高い電気的絶縁性の部材で形成されていてもよい。エンドプレート300またはサイドプレート400が金属等の導電性の部材で形成されている場合には、エンドプレート300またはサイドプレート400に絶縁処理を施したり、エンドプレート300またはサイドプレート400と蓄電素子100との間に絶縁部材を配置したりしてもよい。
【0029】
具体的には、エンドプレート300は、複数の蓄電素子100のY軸方向両側に配置された平板状の部材であり、複数の蓄電素子100を、当該複数の蓄電素子100の並び方向(Y軸方向)の両側から挟み込んで保持する。
【0030】
サイドプレート400は、両端がエンドプレート300に取り付けられて、複数の蓄電素子100を拘束する長尺状かつ平板状の部材である。つまり、サイドプレート400は、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200を跨ぐようにY軸方向に延設されて配置され、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200に対してこれらの並び方向(Y軸方向)における拘束力を付与する。本実施の形態では、複数の蓄電素子100、複数のスペーサ200及び2つのエンドプレート300のX軸方向における両側方に、2つのサイドプレート400が配置されている。当該2つのサイドプレート400のそれぞれが、Y軸方向両端部において、2つのエンドプレート300のX軸方向端部に、ボルト等の固定部材410によって取り付けられている。これにより、2つのサイドプレート400は、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200をX軸方向の両側及びY軸方向の両側から挟み込んで拘束する。
【0031】
外装体500は、蓄電装置10の外装体を構成する略直方体形状(箱形)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体500は、蓄電素子100等の外方に配置されて、これら蓄電素子100等を収容し、衝撃等から保護する。外装体500は、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の、後述のスペーサ200の第一部材210と同様の絶縁部材により構成されている。外装体500は、これにより、蓄電素子100等が外部の金属部材などに接触することを回避する。外装体500は、箱形の本体部分と蓋部分とを有しており、蓋部分には2つの外部端子(正極側及び負極側の外部接続端子)が設けられているが、これらの図示は省略し、詳細な説明も省略する。
【0032】
[2 蓄電素子100の構成の説明]
次に、蓄電素子100の構成について、詳細に説明する。蓄電装置10が有する蓄電素子100は全て同様の構成を有するため、以下では、1つの蓄電素子100の構成について詳細に説明する。
図2は、本実施の形態に係る蓄電素子100の構成を示す斜視図である。具体的には、
図2は、蓄電素子100が備える各構成要素を分解して示す分解斜視図である。
【0033】
図2に示すように、蓄電素子100は、容器110と、一対の電極端子120(正極端子及び負極端子)とを備え、容器110の内方には、一対の集電体130(正極集電体及び負極集電体)及び電極体140等が収容されている。容器110(後述の蓋体112)と電極端子120との間、及び、容器110(後述の蓋体112)と集電体130との間には、電気的絶縁性及び気密性を高めるためにガスケット等が配置され、容器110の内方には、電解液(非水電解質)も収容されているが、これらの図示は省略する。当該電解液としては、蓄電素子100の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択できる。上記の構成の他に、集電体130の側方等にスペーサが配置されていてもよいし、容器110の表面を覆う絶縁シートが配置されていてもよい。
【0034】
容器110は、開口が形成された容器本体111と、容器本体111の開口を閉塞する蓋体112とを有する直方体形状(角形)の容器である。容器本体111は、容器110の本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材であり、Y軸方向両側の側面に2つの長側面部111aを有し、X軸方向両側の側面に2つの短側面部111bを有し、Z軸マイナス方向側に底面部111cを有している。
【0035】
具体的には、長側面部111aは、容器110の長側面を形成する矩形状かつ平面状の面部である。言い換えれば、長側面部111aは、底面部111c及び短側面部111bに隣接し、短側面部111bよりも面積が大きい面部である。本実施の形態では、長側面部111aは、底面部111c及び短側面部111bよりも面積が大きい(最も面積が大きい)面部である。短側面部111bは、容器110の短側面を形成する矩形状かつ平面状の面部である。言い換えれば、短側面部111bは、底面部111c及び長側面部111aに隣接し、長側面部111aよりも面積が小さい面部である。本実施の形態では、短側面部111bは、底面部111c及び長側面部111aよりも面積が小さい(最も面積が小さい)面部である。底面部111cは、容器110の底面を形成する矩形状かつ平面状の面部である。
【0036】
蓋体112は、容器110の蓋部を構成する矩形状の板状部材であり、容器本体111のZ軸プラス方向側に配置されている。蓋体112には、容器110内方の圧力が上昇した場合に当該圧力を開放するガス排出弁113、及び、容器110内方に電解液を注液するための注液部114等も設けられている。
【0037】
このような構成により、容器110は、電極体140等を容器本体111の内方に収容後、容器本体111と蓋体112とが溶接等によって接合されることにより、内部が密封される構造となっている。容器110(容器本体111及び蓋体112)の材質は、特に限定されないが、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能(接合可能)な金属であるのが好ましい。
【0038】
電極端子120は、集電体130を介して、電極体140の正極板及び負極板に電気的に接続される端子(正極端子及び負極端子)である。つまり、電極端子120は、電極体140に蓄えられている電気を蓄電素子100の外部空間に導出し、また、電極体140に電気を蓄えるために蓄電素子100の内部空間に電気を導入するための金属製の部材である。電極端子120は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などで形成されている。
【0039】
電極体140は、正極板と負極板とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる蓄電要素(発電要素)である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属からなる長尺帯状の集電箔である正極基材層上に正極活物質層が形成された極板である。負極板は、銅または銅合金などの金属からなる長尺帯状の集電箔である負極基材層上に負極活物質層が形成された極板である。正極活物質層及び負極活物質層に用いられる活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。セパレータは、樹脂等からなる微多孔性のシートである。
【0040】
電極体140は、正極板と負極板との間にセパレータが配置され(積層され)、巻回されて形成されている。本実施の形態では、電極体140の断面形状として長円形状を図示しているが、楕円形状、円形状、多角形状などでもよい。電極体140は、
図2のようにX軸方向を巻回軸として巻回した形状であってもよいし、Z軸方向を巻回軸として巻回した形状であってもよいし、巻回型ではなく、平板状極板を積層した積層型、または、極板を蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の形状等を有していてもよい。
【0041】
集電体130は、電極端子120と電極体140とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材(正極集電体及び負極集電体)である。正極集電体は、電極体140の正極板の正極基材層と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成され、負極集電体は、電極体140の負極板の負極基材層と同様、銅または銅合金などで形成されている。
【0042】
[3 スペーサ200の構成の説明]
次に、スペーサ200の構成について、詳細に説明する。蓄電装置10が有するスペーサ200は全て同様の構成を有するため、以下では、1つのスペーサ200の構成について詳細に説明する。
図3は、本実施の形態に係るスペーサ200の構成を示す斜視図及び断面図である。具体的には、
図3の(a)は、蓄電素子100とスペーサ200とを並べて配置した状態を示す斜視図であり、
図3の(b)は、
図3の(a)のスペーサ200をIIIb-IIIb線を通るYZ平面に平行な面で切断した場合の構成を示す断面図である。
【0043】
上述の通り、スペーサ200は、蓄電素子100のY軸プラス方向側またはY軸マイナス方向側に蓄電素子100と隣接して配置される、XZ平面に平行な矩形状かつ平板状のスペーサである。具体的には、スペーサ200は、蓄電素子100と側方部材との間に配置される。側方部材は、蓄電素子100の側方に配置される部材であり、本実施の形態では、蓄電素子100のY軸方向(第一方向)側に配置される他の蓄電素子100またはエンドプレート300が、側方部材の一例である。つまり、当該他の蓄電素子100が側方部材の場合には、スペーサ200は、2つの蓄電素子100の間に配置される中間スペーサである。エンドプレート300が側方部材の場合には、スペーサ200は、蓄電素子100とエンドプレート300との間に配置されるエンドスペーサである。
【0044】
図3に示すように、本実施の形態では、スペーサ200は、隣接する蓄電素子100の長側面部111aの全面を覆うように、X軸方向及びZ軸方向において、当該長側面部111aの一端から他端に亘って延設されて配置されている。スペーサ200は、長側面部111aの全面ではなく一部しか覆わない構成でもよいが、X軸方向及びZ軸方向において、少なくとも長側面部111aの中央部は覆うように配置されるのが好ましい。Z軸方向における長側面部111aの中央部とは、例えば、Z軸方向に長側面部111aを5等分した場合の中間の3つ分の領域、4等分した場合の中間の2つ分の領域、または、3等分した場合の中間の1つ分の領域である。X軸方向についても同様である。
【0045】
スペーサ200は、第一部材210と、第一部材210に保持される第二部材220と、を有している。第一部材210は、スペーサ200の本体部分であり、樹脂材料等により形成されている。第一部材210は、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、または、それらの複合材料等の絶縁部材等により形成されている。第一部材210は、ゴム(天然ゴム、合成ゴム)等の樹脂以外の材料により形成されていてもよい。
【0046】
第二部材220は、第一部材210の内部に配置される部材であり、第一部材210よりも硬く、かつ、第一部材210よりも脆い材料で形成されている。例えば、第二部材220は、ガラス、セラミック、陶器、鋳鉄、竹炭若しくは木炭等の炭、または、発泡材料等の多孔質体等の脆性材料により形成されている。第一部材210がPP、PC及びABSのいずれかであり、第二部材220がガラス及びセラミックのいずれかであるのが好ましく、第一部材210がPPであり、第二部材220がガラス及びセラミックのいずれかであるのがさらに好ましい。
【0047】
第二部材220が第一部材210よりも硬いとは、第二部材220が第一部材210よりも硬度が高い(硬くて変形しにくい)ことを言い、例えば、ビッカース硬さを比較することで、硬度が高いか否かを判断できる。この硬度の比較は、適宜公知の方法により計測して判断できる。
【0048】
第二部材220が第一部材210よりも脆いとは、第二部材220が第一部材210よりも割れやすい(砕けやすい、壊れやすい)ことを言い、脆性材料であるか否か、または、破断点までのひずみが小さいか否か等により、脆いか否かを判断できる。つまり、第一部材210が延性材料であり、第二部材220が脆性材料である場合には、第二部材220は、第一部材210よりも脆いと言える。第一部材210及び第二部材220ともに脆性材料である場合には、第二部材220の方が第一部材210よりも破断点までのひずみが小さければ、第二部材220は、第一部材210よりも脆いと言える。脆いの概念には、材料として脆い場合の他、多孔質体のように構造的に脆い場合も含む。つまり、同じ力を加えた場合に、先に割れる(砕ける、壊れる)方が脆いと判断できる。この脆さの比較は、適宜公知の方法により計測して判断できる。
【0049】
本実施の形態では、第二部材220は、複数の粒体220aで構成されている。蓄電素子100の膨張が大きくなった場合に、第二部材220が砕けることで、スペーサ200が蓄電素子100を圧迫し過ぎてしまうのを抑制するためには、第二部材220のつぶれ代が重要であり、粒体220aにはある程度の大きさが必要である。粒体220aは、例えば、Y軸方向の幅が0.1mm以上の粒体であり、本実施の形態では、直径が0.1mm以上の球体である。粒体220aは、Y軸方向の幅(直径)が0.5mm以上であるのが好ましく、Y軸方向の幅(直径)が、第一部材210のY軸方向の幅(厚み)の半分程度であるのがさらに好ましい。粒体220aの形状は、球体には限定されず、楕円体、立方体、直方体等であってもよいし、その他どのような形状であってもよい。
【0050】
第二部材220は、Y軸方向(第一方向)において、第一部材210の内方に配置されている。つまり、第二部材220は、Y軸方向において、第一部材210から露出しない位置に配置されている。本実施の形態では、第二部材220は、X軸方向及びZ軸方向においても、第一部材210の内方に(第一部材210から露出しない位置に)配置されている。具体的には、第二部材220は、X軸方向及びZ軸方向において、第一部材210の内方の全体に亘って満遍なく広がるように配置されている。
【0051】
第二部材220は、第一部材210の内方の全体に亘って満遍なく配置されているのではなく、第一部材210の内方に偏在して配置されていてもよいし、第一部材210の内方の一部にしか配置されていない構成でもよい。ただし、第二部材220は、少なくとも第一部材210の内方の中央部には配置されているのが好ましい。つまり、第二部材220は、Z軸方向(第一方向と交差する第二方向)における蓄電素子100の中央部と対向する位置に配置されているのが好ましい。第二部材220は、X軸方向においても、蓄電素子100の中央部と対向する位置に配置されているのが好ましい。Z軸方向(またはX軸方向)における蓄電素子100の中央部とは、上述の長側面部111aの中央部と同じ領域を指す。
【0052】
スペーサ200は、第一部材210となる材料粒子(材料ペレット)に、予め第二部材220を混ぜ込んだものを、射出成形など、従来の方法を用いて一体成形することにより作製できる。
【0053】
[4 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10によれば、スペーサ200は、第一部材210と、第一部材210に保持される第二部材220と、を有しており、第二部材220は、第一部材210よりも硬く、かつ、第一部材210よりも脆い。このように、スペーサ200が、第一部材210よりも硬く脆い第二部材220を有していることで、蓄電素子100の膨張が小さい状態では、第二部材220によって蓄電素子100を圧迫し、蓄電素子100の膨張が大きくなると、第二部材220が砕ける。これにより、蓄電素子100の膨張が大きくなった場合でも、スペーサ200が蓄電素子100を圧迫し過ぎてしまうのを抑制できるため、蓄電素子100の寿命特性の向上を図ることができる。
【0054】
スペーサ200において、第二部材220は、第一部材210の内方に配置されている。このように、スペーサ200において第二部材220を第一部材210の内方に配置することで、蓄電素子100の膨張が大きくなって第二部材220が砕けた場合でも、第二部材220が蓄電素子100に向けて飛び出すのを抑制できる。これにより、スペーサ200の第二部材220が蓄電素子100を傷付けたりして蓄電素子100の寿命特性が低下するのを抑制できるため、蓄電素子100の寿命特性の向上を図ることができる。
【0055】
スペーサ200において、第二部材220は、蓄電素子100の中央部と対向する位置に配置されている。このように、蓄電素子100は中央部が膨張しやすいため、スペーサ200の第二部材220を、蓄電素子100の中央部と対向する位置に配置する。これにより、蓄電素子100の膨張に対して、効果的に蓄電素子100を圧迫するとともに、蓄電素子100の膨張が大きくなると蓄電素子100を圧迫し過ぎてしまうのを抑制できるため、蓄電素子100の寿命特性の向上を図ることができる。
【0056】
スペーサ200において、第二部材220は、複数の粒体220aで構成されている。このように、第一部材210に、第二部材220として複数の粒体220aを配置することでスペーサ200を構成できるため、複雑な形状のスペーサ200でも容易に作製できる。これにより、容易に、蓄電素子100の寿命特性の向上を図ることができる。
【0057】
[5 変形例の説明]
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。
図4は、本実施の形態の変形例1に係るスペーサ201の構成を示す断面図である。具体的には、
図4は、
図3の(b)に対応する図である。
【0058】
図4に示すように、本変形例におけるスペーサ201は、上記実施の形態におけるスペーサ200の第一部材210に代えて、第一部材211を有している。第一部材211は、Z軸方向の両端部に、突出部211aを有している。第一部材211は、X軸方向の両端部にも、同様の突出部211aを有している。突出部211aは、Y軸方向における厚みが、粒体220aの直径よりも小さく形成されている。つまり、第一部材211は、Y軸方向から見てスペーサ201の外縁に沿って配置された矩形状かつ環状の薄肉部分である。その他の構成については、上記実施の形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0059】
スペーサ201は、上記実施の形態におけるスペーサ200と同様に、第一部材211となる材料粒子(材料ペレット)に、予め第二部材220を混ぜ込んだものを、射出成形など、従来の方法を用いて一体成形することにより作製できる。
【0060】
以上のように、本変形例に係る蓄電装置によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、スペーサ201において、第一部材211が、粒体220aの直径よりも小さい厚みの突出部211aを有している。これにより、スペーサ201の作製時に、突出部211aがストッパとなって、第一部材211の外縁から第二部材220の粒体220aが露出するのを抑制できる。
【0061】
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。
図5及び
図6は、本実施の形態の変形例2に係るスペーサ202及び203の構成を示す断面図である。具体的には、
図5及び
図6は、
図3の(b)に対応する図である。
【0062】
まず、
図5に示すように、本変形例におけるスペーサ202は、上記実施の形態におけるスペーサ200の第一部材210及び第二部材220に代えて、第一部材212及び第二部材221を有している。第二部材221は、Y軸方向(第一方向)において、第一部材212と並んで配置される板状部材である。具体的には、第二部材221は、XZ平面に平行な矩形状かつ平板状の部材であり、Y軸方向と、X軸方向及びZ軸方向とにおいて、第一部材212の内方に(第一部材212から露出しない位置に)配置されている。つまり、第二部材221は、X軸方向及びZ軸方向において、蓄電素子100の端部と対向する位置には配置されておらず、蓄電素子100の中央部と対向する位置に配置されている。言い換えれば、第一部材212が、第二部材221のY軸方向両側と、X軸方向両側及びZ軸方向両側とに配置されて、第二部材221の全体を覆うように形成されている。その他の構成については、上記実施の形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0063】
スペーサ202は、第二部材221を予め金型内に設置した状態で、第一部材212を射出成形など、従来の方法を用いて一体成形する、いわゆるインサート成形により作製できる。スペーサ202は、第一部材212として射出成形で凹部を有する箱体と平板状の蓋体とを成形し、当該箱体の凹部に第二部材221を挿入して、当該箱体に蓋体を接着もしくは溶着することによっても作製できる。
【0064】
図6に示すように、本変形例におけるスペーサ203は、上記実施の形態におけるスペーサ200の第一部材210及び第二部材220に代えて、第一部材213及び第二部材222を有している。第二部材222は、Y軸方向(第一方向)において、第一部材213と並んで配置される板状部材である。具体的には、第二部材222は、XZ平面に平行な矩形状かつ平板状の部材であり、Y軸方向において、第一部材213の内方に(第一部材213から露出しない位置に)配置されている。第二部材222は、X軸方向及びZ軸方向においては、第一部材213から露出して配置されている。言い換えれば、2枚の平板状の第一部材213の間に、平板状の第二部材222が挟まれて配置されている。その他の構成については、上記実施の形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0065】
スペーサ203は、シート状の第二部材222の表面に第一部材213を接着する等によって、第一部材213と第二部材222とを一体化することにより作製できる。
【0066】
以上のように、本変形例に係る蓄電装置によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、スペーサ202、203において、第二部材221、222は、第一部材212、213と並んで配置される板状部材である。このように、スペーサ202、203の第二部材221、222を板状部材で構成することで、第二部材221、222を蓄電素子100に沿って均一に配置できる。これにより、蓄電素子100の膨張に対して、満遍なく、蓄電素子100を圧迫するとともに圧迫し過ぎてしまうのを抑制できるため、蓄電素子100の寿命特性の向上を図ることができる。
【0067】
スペーサ202においては、第二部材221がX軸方向及びZ軸方向において第一部材212から露出していないため、砕けた第二部材221が第一部材212からX軸方向またはZ軸方向に飛び出すのを抑制できる。スペーサ203においては、平板状の第一部材213と第二部材222とを重ね合わせることで形成できるため、スペーサ203の作製を簡易に行うことができる。
【0068】
(その他の変形例)
以上、本実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例には限定されない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0069】
上記実施の形態及びその変形例では、蓄電素子100とでスペーサを挟む側方部材として、他の蓄電素子100またはエンドプレート300を例示した。しかし、蓄電装置がエンドプレート300を備えていない場合には、外装体500の側壁を側方部材の一例としてもよいし、その他、蓄電素子100とでスペーサを挟む部材であれば、どのような部材を側方部材の一例としてもよい。
【0070】
上記実施の形態及びその変形例では、スペーサにおいて、第二部材は、Y軸方向において、第一部材の内方に配置されていることとした。しかし、第二部材は、Y軸方向において、第一部材から露出して配置されていてもよい。上記実施の形態及び変形例1において、第二部材220の粒体220aが、第一部材のY軸プラス方向側の面、または、Y軸マイナス方向側の面から露出して配置されていてもよい。この構成の場合、粒体220aが球体であれば、第一部材から露出する部分は僅かであるため、粒体220aは砕けても第一部材から飛び出し難い。上記変形例2のスペーサ203においては、第一部材213のうちの、第二部材222のY軸プラス方向側の部分またはY軸マイナス方向側の部分が設けられていないことで、第二部材222のY軸プラス方向側の面またはY軸マイナス方向側の面が露出していてもよい。この場合には、第二部材222の片側の面に1枚の第一部材213を貼り付けるだけでよいため、簡易にスペーサ203を作製できる。同様に、第二部材は、X軸方向またはZ軸方向においても、第一部材から露出して配置されていてもよい。つまり、スペーサにおいて、第二部材は第一部材に保持されていればよい。
【0071】
上記実施の形態及びその変形例では、スペーサにおいて、第二部材は、X軸方向及びZ軸方向において、少なくとも蓄電素子の中央部と対向する位置に配置されることとした。しかし、第二部材は、X軸方向及びZ軸方向の少なくとも一方において、蓄電素子の端部と対向する位置に配置されてもよい。
【0072】
上記実施の形態及びその変形例では、スペーサにおいて、第二部材は、複数の粒体または平板状部材で構成されていることとした。しかし、第二部材の形状は特に限定されず、長尺状の部材または曲板状の部材等で構成されていてもよい。
【0073】
上記実施の形態及びその変形例では、全てのスペーサが上記の構成を有していることとした。しかし、いずれかのスペーサが上記の構成を有していなくてもよい。
【0074】
上記実施の形態及びその変形例では、外装体500は、本体部分と蓋部分とを有する箱形の容器であり、絶縁部材により構成されていることとした。しかし、外装体500の形状及び材質は特に限定されない。つまり、外装体500は箱形以外の形状でもよく、本体部分と蓋部分とに分かれていなくてもよい。外装体500は、絶縁部材ではなく金属部材等で構成されていてもよい。さらに、蓄電装置は、外装体500を備えていなくてもよい。
【0075】
上記実施の形態及び上記変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0076】
本発明は、このような蓄電装置として実現できるだけでなく、スペーサとしても実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子を備えた蓄電装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0078】
10 蓄電装置
100 蓄電素子
110 容器
111 容器本体
111a 長側面部
111b 短側面部
111c 底面部
112 蓋体
113 ガス排出弁
114 注液部
120 電極端子
130 集電体
140 電極体
200、201、202、203 スペーサ
210、211、212、213 第一部材
211a 突出部
220、221、222 第二部材
220a 粒体
300 エンドプレート
400 サイドプレート
410 固定部材
500 外装体