(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】電子機器、表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 19/06 20060101AFI20240305BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240305BHJP
【FI】
G06K19/06 112
G06K19/06 037
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2021122350
(22)【出願日】2021-07-27
【審査請求日】2022-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神谷 佐武郎
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-055594(JP,A)
【文献】特開2018-004801(JP,A)
【文献】特開2016-095603(JP,A)
【文献】特開2006-139349(JP,A)
【文献】特開2015-162765(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0104310(US,A1)
【文献】特開2015-169952(JP,A)
【文献】特開2008-171353(JP,A)
【文献】特開2008-217124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/06
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の同一画面上に複数のコードシンボルを
並べて表示させるとき、前記複数のコードシンボルのうちの何れかを、外部の読取装置が読取可能な態様で表示させ
、前記複数のコードシンボルのうちの何れか以外を、前記外部の読取装置が読取不可能な態様で表示させるよう制御する制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記読取可能な表示態様で表示されるコードシンボルと前記表示部の背景とのコントラストが、前記読取装置が読取可能なコントラストとなるように
、前記読取不可能な表示態様で表示されるコードシンボルと前記表示部の背景とのコントラストが、前記読取装置が読取不可能なコントラストとなるように、前記表示部を制御することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記読取可能な表示態様とは、コードシンボルとしての規定を満たす表示態様であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記コードシンボルとしての規定を満たすサイズになるように、前記読
取可能な表示態様で表示されるコードシンボルを前記表示部に表示させ
、前記コードシンボルとしての規定を満たさないサイズになるように、前記読取不可能な表示態様で表示されるコードシンボルを前記表示部に表示させるよう制御することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示部の同一画面上に複数のコードシンボルを
並べて表示させるとき、前記読取可能な態様で表示させるべきコードシンボルについては、シンボル全体を表示させ、
前記読取不可能な態様で表示させるべきコードシンボルについては、シンボルの一部を表示させることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記表示部の同一画面上に複数のコードシンボルを
並べて表示させるとき、所定時間ごとに切り替えて、前記複数のコードシンボルのうちの何れかを、前記読取可能な態様で表示させ
、前記複数のコードシンボルのうちの何れか以外を、前記外部の読取装置が読取不可能な態様で表示させるよう制御することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
表示装置が有するコンピュータに、
前記表示装置の表示部の同一画面上に複数のコードシンボルを
並べて表示させるとき、前記複数のコードシンボルのうちの何れかを、外部の読取装置が読取可能な態様で表示させ
、前記複数のコードシンボルのうちの何れか以外を、前記外部の読取装置が読取不可能な態様で表示させるよう制御する機能、
を実現させるためのプログラム。
【請求項8】
表示装置が実行するコードシンボルの表示方法であって、
前記表示装置が備える表示部の同一画面上に複数のコードシンボルを
並べて表示させるとき、前記複数のコードシンボルのうちの何れかを、外部の読取装置が読取可能な態様で表示させ
、前記複数のコードシンボルのうちの何れか以外を、前記外部の読取装置が読取不可能な態様で表示させるよう制御する表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、QR(Quick Response)コード(登録商標)、バーコード等のコードシンボルをディスプレイ上に表示する電子機器が種々開発されている。
例えば、特許文献1、2には、読み取るべきバーコードが複数枚存在する場合、一定時間毎に1枚ずつ切り替え表示する表示装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-141554号公報
【文献】特開2003-317051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コードシンボルを1枚ずつ表示すると、読み取るべきコードシンボルが複数存在するのか否かをユーザが認識しづらいという問題がある。一方、複数のコードシンボルを一度に表示すると、読取順序として読取対象ではないコードシンボルを読取装置で誤って読み取ってしまい、効率よく読み取りができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、読み取るべきコードシンボルが複数存在する場合に、その旨をユーザが認識できるようにするとともに、効率よく読み取りを実施できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明の電子機器は、
表示部と、
前記表示部の同一画面上に複数のコードシンボルを並べて表示させるとき、前記複数のコードシンボルのうちの何れかを、外部の読取装置が読取可能な態様で表示させ、前記複数のコードシンボルのうちの何れか以外を、前記外部の読取装置が読取不可能な態様で表示させるよう制御する制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、読み取るべきコードシンボルが複数存在する場合に、その旨をユーザが認識することが可能となるとともに、効率よく読み取りを実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電子機器の一例としての関数電卓の概観を示す平面図である。
【
図2】関数電卓の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】関数電卓における基本動作の各処理を説明するフローチャートである。
【
図4】
図3のステップS6において実行される2次元コード表示処理のフローチャートである。
【
図5】2次元コードへのコード化対象となるデータの例を示す図である。
【
図6】読み取るべき2次元コードが複数存在する場合の、ステップS15におけるディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図7】読み取るべき2次元コードが複数存在する場合の、ステップS15におけるディスプレイの表示の他の例を示す図である。
【
図8】読み取るべき2次元コードが複数存在する場合の、ステップS15におけるディスプレイの表示の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る電子機器の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では、電子機器が関数電卓である場合について説明するが、本発明は、電子機器が関数電卓である場合に限定されず、ディスプレイ上に、コードシンボルを表示することが可能な電子機器(例えば、スマートフォンやタブレット等)であればどのような電子機器にも適用される。また、発明の範囲は、図示例に限定されない。
また、本実施形態では、コードシンボルが2次元コードである場合を例にとり説明するが、コードシンボルはこれに限らず、例えばバーコード等の他のコードシンボルであってもよい。
【0010】
図1は、本実施形態に係る電子機器の例としての関数電卓の平面図である。
図1に示すように、関数電卓1は、各種キー群を有する入力キー群2と、ディスプレイ10とを備えている。
【0011】
入力キー群2は、ユーザから数値や計算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。本実施形態においては、入力キー群2は、テンキー20やカーソルキー21、ACキー22、CODEキー23、SHIFTキー24等を備えている。
【0012】
このうち、テンキー20は数値の入力操作を受けるキーである。また、カーソルキー21は、ディスプレイ10内で編集対象位置や選択対象位置を示すカーソルを所定の方向に移動させる場合等に押下されるキーであり、本実施形態では、上下左右の4方向について入力可能に構成されている。
【0013】
ACキー22は、それまで行った演算等を全てクリアするために押下するキーである。また、本実施形態では、ディスプレイ10上に2次元コードが表示されている状態でACキー22が押下されると、2次元コードのコード表示が解除され、ディスプレイ10上の表示が、2次元コードをコード表示する直前の状態に戻るようになっている。
【0014】
CODEキー23は、入力キー群2の操作に応じた数式や演算結果、選択されたアプリに対応するURL(Uniform Resource Locator)等を2次元コードにコード化して表示させる際に押下されるキーである。
【0015】
ディスプレイ10は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)等により構成されており、入力キー群2などの操作に応じた文字や符号、記号、数式、演算結果、表等(数式や表等と呼ぶ)の各種データや、2次元コードを、複数のドットにより表示する表示部である。本実施形態において、ディスプレイ10は、黒、ダークグレー、ライトグレー、白の4つの階調での表示が可能である。
なお、ディスプレイ10に、タッチパネルを、例えば表示画面全面に亘って一体的に設けることも可能である。
【0016】
[内部構成]
次に、関数電卓1の内部構造について説明する。
図2は、関数電卓1の内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、関数電卓1は、CPU(Central Processing Unit)11と、表示駆動部12と、キー入力部13と、通信部14と、記録媒体読取部15と、記憶部16とを備えて構成されている。また、図示を省略するが、関数電卓1は、このほかに、例えばディスプレイ10上に表示する数式や表等のデータを一時的に保存するRAM(Random Access Memory)等を適宜備えている。
【0017】
表示駆動部12は、CPU11からの制御に従って、前述したディスプレイ10上に各種情報を表示するように駆動制御する。また、表示駆動部12は、ディスプレイ10上に表示を行う際のコントラスト比を調整するようになっている。
【0018】
キー入力部13は、前述した入力キー群2(前述したようにタッチパネルを設ける場合には入力キー群2とタッチパネル)を備えており、ユーザ操作により入力されたキーに対応するキー入力信号をCPU11に出力する。そして、CPU11は、ユーザ操作により入力されたキーに対応するキー入力信号を受け付けて対応する数式や表等をディスプレイ10上に表示させたり、演算を実行したり、或いは種々の処理を行う。
【0019】
通信部14は、関数電卓1を例えば図示しないネットワークに接続した場合等に、これを介してネットワーク等に接続される外部機器(例えば、サーバやコンピュータ等)との間で通信を行う。
【0020】
記録媒体読取部15は、着脱自在に装着されるUSBメモリ等の外部情報記録媒体15Aから情報を読み取るようになっている。なお、後述する本発明に係るプログラム(
図4に示す2次元コード表示処理のプログラム)が記憶された外部情報記録媒体15Aから当該プログラムを記録媒体読取部15経由で読み込むように構成することも可能である。また、本発明に係るプログラムを関数電卓1から外部情報記録媒体15Aに読み出すことができるように構成することも可能である。
【0021】
記憶部16は、プログラム等を記憶するメモリである。本実施形態では、記憶部16は、各種の記憶領域を備えており、CPU11が関数電卓1の各種機能を実行するためのプログラム、例えば、後述する2次元コード表示処理(
図4参照)を実行するためのプログラムや、プログラムの実行に必要なデータを記憶する記憶領域160を備えている。
【0022】
CPU11は、関数電卓1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、記憶部16の記憶領域160に記憶されているシステムプログラムや各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出して記憶部16の作業領域に展開し、記憶部16に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。また、CPU11は、表示駆動部12を制御して、ディスプレイ10上に必要な表示を行わせるようになっている。CPU11は、本発明の制御部として機能する。
【0023】
[動作]
次に、本実施形態に係る電子機器である関数電卓1における動作について、各図面に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、以下で説明する関数電卓1の動作は、CPU11と記憶部16に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0024】
[基本動作]
まず、本実施形態に係る関数電卓1における基本動作について、
図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0025】
関数電卓1のCPU11は、装置の電源がオンされて(ステップS1)、関数電卓1の使用が開始されると、各機能部に所定の初期動作等を行わせて、計算機処理を開始する(ステップS2)。そして、ユーザによるコード表示指令すなわち2次元コードを生成して表示する指令(CODEキー23の押下)がない場合(ステップS3;NO)、CPU11は、ユーザが数式や文字等の入力等の通常動作を行うと(ステップS4)、それに基づいてディスプレイ10上に数式や文字等を表示したり、演算を実行して演算結果を表示したりする等して、通常動作に基づく表示を行い(ステップS5)、ステップS3に戻る。
【0026】
一方、ユーザがCODEキー23を押下して2次元コード表示指令が行われると(ステップS3;YES)、CPU11は、2次元コード表示処理を実行する(ステップS6)。2次元コード表示処理が終了すると、CPU11は、ディスプレイ10上の表示を、2次元コードをコード表示する直前の状態に戻して、計算機処理(ステップS2)を再開する。
【0027】
[2次元コード表示処理]
図4は、
図2のステップS6で実行される2次元コード表示処理の流れを示すフローチャートである。以下、
図4を参照して2次元コード表示処理について説明する。
【0028】
まず、CPU11は、コード化対象のデータをコード化して2次元コードを生成する(ステップS11)。
例えば、
図5(a)に示すように、数式が入力され、演算が実行された状態で2次元コード表示指令が行われた場合、CPU11は、入力式と演算結果をコード化対象としてコード化を行い、2次元コードを生成する。
また、例えば、
図5(b)に示すように、ディスプレイ10に表示されたリスト画面からデータが登録された状態で2次元コード表示指令が行われた場合、CPU11は、登録されたデータをコード化対象としてコード化を行い、2次元コードを生成する。
また、例えば、
図5(c)に示すように、連立方程式の係数や定数の値が入力され、演算が実行された状態で2次元コード表示指令が行われた場合、CPU11は、入力された値と演算結果をコード化対象としてコード化を行い、2次元コードを生成する。
また、例えば、
図5(d)に示すように、ディスプレイ10に表示されたアプリ選択画面からアプリが選択された状態で2次元コード表示指令が行われた場合、CPU11は、選択されたアプリのアプリ番号(アプリのマニュアルに飛ばすURL)をコード化対象としてコード化を行い、2次元コードを生成する。
CPU11は、コード化対象のデータ量に応じて、1又は複数の2次元コードを生成する。複数の2次元コードが生成された場合には、CPU11は、先頭側のデータをコード化した2次元コードから順に、シーケンシャルな項番を付与し、2次元コードと項番を対応付けてRAM等に記憶する。この項番は、2次元コードの読取順序を表す。
【0029】
次いで、CPU11は、生成された2次元コードの総数を取得する(ステップS12)。
次いで、CPU11は、変数nに1をセットし(ステップS13)、図示しない2次元コードの読取装置(例えば、カメラ付きスマートフォンやタブレット等)による次の読取対象の2次元コードをn枚目の2次元コード(項番がnの2次元コード)に設定する(ステップS14)。
【0030】
次いで、CPU11は、2次元コードと項番/総数を表示駆動部12によりディスプレイ10に表示させる。読み取るべき2次元コードが複数存在する場合(例えば、表示されていた数式や表等のデータの2次元コードが複数枚により構成されている場合など)、CPU11は、表示駆動部12により複数の2次元コードを同一画面上に表示させる。このとき、次の読取対象の2次元コードを黒で、それ以外の(次の読取対象ではない)2次元コードをライトグレーで表示させる(ステップS15)。
【0031】
図6は、読み取るべき2次元コードが複数存在する場合の、ステップS15におけるディスプレイ10の表示の一例を示す図である。
図6に示すように、ステップS15において、ディスプレイ10には、2次元コード101と項番/総数102とが表示される。ディスプレイ10には、m枚(m≧2)の2次元コード101が表示可能であり、読み取るべき2次元コードが複数存在する場合、m枚までの2次元コード101がディスプレイ10の同一画面上に項番の順に並べて表示される。
図6では、m=2の場合の表示例を示している。また、読取対象の2次元コード101は黒で、それ以外の(読取対象ではない)2次元コード101はライトグレーで表示される。なお、読取対象の2次元コードは、CPU11により、所定時間経過ごと又はユーザのカーソルキー21の操作に応じて、項番の順序に基づいて切り替えられるようになっている。また、読み取るべき2次元コードの数がmより大きい場合、所定時間経過ごと又はユーザのカーソルキー21の操作に応じて、ディスプレイ10に表示される2次元コードについても切り替えられるようになっている。
【0032】
ここで、上述のように、本実施形態では、ディスプレイ10は、黒、ダークグレー、ライトグレー、白の4階調で表示可能である。ディスプレイ10において黒又はダークグレーで2次元コード101を表示した場合、ディスプレイ10における背景と2次元コード101とのコントラスト(反射率の差(あるいは、輝度値の差))は、読取装置で読取可能なコントラストであるが、2次元コード101をライトグレーで表示した場合、ディスプレイ10における背景と2次元コード101とのコントラストは読取装置で読取可能なコントラストの下限値(閾値TH)より低く、読取不可能である。そのため、読取対象ではない2次元コード101がライトグレーで表示されていれば、誤って読み取られることを回避することができ、読取対象の2次元コード101を読取装置で効率よく読み取ることができる。なお、閾値THは、高性能な読取装置で2次元コード101を読み取った場合であっても読み取りエラーが発生するコントラストとして予め実験的に求められた値である。
【0033】
次いで、CPU11は、カーソルキー21が操作されたか否かを判断する(ステップS16)。
カーソルキー21が操作されたと判断した場合(ステップS16;YES)、CPU11は、カーソルキー21の「→」キーが押下されたか否かを判断する(ステップS17)。
「→」キーが押下されたと判断した場合(ステップS17;YES)、CPU11は、n+1枚目の2次元コードが存在するか否かを判断する(ステップS18)。
n+1枚目の2次元コードが存在すると判断した場合(ステップS18;YES)、CPU11は、変数nにn+1を格納し(ステップS19)、ステップS15に戻る。
すなわち、n+1枚目の2次元コードを次の読取対象としてディスプレイ10に複数の2次元コード101及び項数/総数102を表示させる。
n+1枚目の2次元コードが存在しないと判断した場合(ステップS18;NO)、CPU11は、ステップS15に戻る。
【0034】
一方、ステップS17において、「→」キーが押下されていないと判断した場合(ステップS17;NO)、CPU11は、「←」キーが押下されたか否かを判断する(ステップS20)。
「←」キーが押下されたと判断した場合(ステップS20;YES)、CPU11は、n-1枚目の2次元コードが存在するか否かを判断する(ステップS21)。
n-1枚目の2次元コードが存在すると判断した場合(ステップS21;YES)、CPU11は、変数nにn-1を格納し(ステップS22)、ステップS15に戻る。
すなわち、n-1枚目の2次元コードを次の読取対象としてディスプレイ10に複数の2次元コード101及び項数/総数102を表示させる。
n-1枚目の2次元コードが存在しないと判断した場合(ステップS21;NO)、CPU11は、ステップS15に戻る。
【0035】
ステップS20において、「←」キーが押下されていないと判断した場合(ステップS20;NO)、CPU11は、ステップS15に戻る。
【0036】
一方、ステップS16において、カーソルキー21が操作されていないと判断した場合(ステップS16;NO)、CPU11は、ディスプレイ10の画面表示が現在の表示となってから予め定められた所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS23)。
ディスプレイ10の画面表示が現在の表示となってから所定時間が経過したと判断した場合(ステップS23;YES)、CPU11は、ステップS18に移行し、n+1枚目の2次元コードが存在すると判断した場合(ステップS18;YES)、CPU11は、変数nにn+1を格納し(ステップS19)、ステップS15に戻る。
すなわち、n+1枚目の2次元コードを読取対象としてディスプレイ10に複数の2次元コード101及び項数/総数102を表示させる。
n+1枚目の2次元コードが存在しないと判断した場合(ステップS18;NO)、CPU11は、ステップS15に戻る。
【0037】
ディスプレイ10の画面表示が現在の表示となってから所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS23;NO)、CPU11は、2次元コードの表示の終了操作が実施されたか否かを判断する(ステップS24)。
例えば、ACキー22の押下が2次元コードの表示の終了操作である場合、ACキー22が押下されたか否かを判断する。
【0038】
2次元コードの表示の終了操作が実施されていないと判断した場合(ステップS24;NO)、CPU11は、ステップS15に戻る。
2次元コードの表示の終了操作が実施されたと判断した場合(ステップS24;YES)、CPU11は、2次元コード表示処理を終了し、ディスプレイ10上の表示を、2次元コード101をコード表示する直前の状態に戻して、計算機処理(ステップS2)を再開する。
なお、複数の2次元コードの全てを読取対象として表示した後、所定時間が経過した場合に、自動的に2次元コード表示処理を終了することとしてもよい。
【0039】
[効果]
このように、上記実施形態では、読み取るべき2次元コード101が複数存在する場合、CPU11は、複数の2次元コード101をディスプレイ10の同一画面上に並べて表示するので、ユーザは、読み取るべき2次元コードが複数存在することを認識することができる。また、読取対象ではない2次元コード101は、背景とのコントラストが読取装置で読取不可能なコントラストとなるライトグレーで表示されるので、読取順序として読取対象ではない2次元コード101が誤って読み取られることを回避することができ、効率よく読み取りができる。
また、CPU11は、読取対象の2次元コード101を所定時間ごとに切り替えて表示するので、ユーザは関数電卓1を操作する必要がなく、簡単に効率よく読み取りを実施することができる。
【0040】
なお、上記の実施形態では、ディスプレイ10が黒、ダークグレー、ライトグレー、白の4階調である場合を例にとり説明したが、これに限定されない。例えば、4階調以上であってもよいし、カラー表示であってもよい。また、読取対象の2次元コード101を黒で表示させることとしたが、ダークグレーで表示させることとしてもよい。ディスプレイ10が4階調以上での表示が可能である場合、読取対象ではない2次元コード101の表示色は、コントラストが閾値THよりも低ければライトグレーに限らない。
【0041】
[変形例1]
上記の実施形態では、ステップS15において複数の2次元コード101と項番/総数102を表示する場合、CPU11は、読取対象ではない2次元コード101を、ディスプレイ10における背景とのコントラストが外部の読取装置で読取不可能なコントラストとなるライトグレーで表示したが、読取対象ではない2次元コード101の表示態様は、2次元コード101が2次元コードとして読取不可能な(2次元コードとして認識できない)表示態様であれば、上記実施形態に限定されない。
【0042】
例えば、CPU11は、読取対象の2次元コード101は、2次元コードとしての規定を満たす態様(規格により規定された条件を満たす態様)でディスプレイ10に表示させ、読取対象ではない2次元コード101は、2次元コードとしての規定を満たさない態様に変化させてディスプレイ10に表示させることとしてもよい。
例えば、
図7に示すように、読取対象の2次元コード101は2次元コードとしての規定を満たすサイズ表示させ、読取対象ではない2次元コード101は2次元コードとしての規定を満たさないサイズ(例えば、2次元コードの規格で規定されているセル数を表示不可能な小さいサイズ)に変化させて表示させることとしてもよい。
図7では、項番/総数102が1/2の2次元コード101が読取対象、項番/総数102が2/2の2次元コード101が読取対象ではない場合の表示例を示している。
【0043】
読取装置では、2次元コードとしての規定を満たさない態様の2次元コード101を2次元コードとして読み取ることができないため、読取順序として読取対象ではない2次元コード101が誤って読み取られることを回避することができ、効率よく読み取りを行うことができる。
なお、2次元コードとしての規定を満たさない態様での表示は、2次元コードとしての規定を満たさないサイズで表示することに限らない。例えば、2次元コードがQRコードであれば、右上、左上、左下に配置された四角形のいずれかをなくした表示態様としてもよい。
【0044】
[変形例2]
また、例えば、CPU11は、
図8(a)、(b)に示すように、読取対象の2次元コード101についてはディスプレイ10に全体を表示し、読取対象ではない2次元コード101についてはディスプレイ10に一部しか表示させないように制御してもよい。ここで、
図8(a)は、項番/総数102が1/3の2次元コード101が読取対象、項番/総数102が2/3の2次元コード101が読取対象ではない場合の表示例を示している。
図8(b)は、項番/総数102が2/3の2次元コード101が読取対象、項番/総数102が1/3、3/3の2次元コード101が読取対象ではない場合の表示例を示している。
読取装置では、一部しか表示されていない2次元コード101を2次元コードとして読み取ることができないため、読取順序として読取対象ではない2次元コード101が誤って読み取られることを回避することができ、効率よく読み取りを行うことができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態や変形例を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施形態や変形例等に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
複数のコードシンボルを同一画面上に表示可能な表示部と、
前記複数のコードシンボルのうち、読取対象のコードシンボルを読取可能な態様で表示させ、読取対象ではないコードシンボルを読取不可能な態様で表示させる制御部と、
を備える電子機器。
<請求項2>
前記制御部は、前記読取対象のコードシンボルと前記表示部の背景とのコントラストが読取装置で読取可能なコントラストとなるように前記読取対象のコードシンボルを表示させ、前記読取対象ではないコードシンボルと前記表示部の背景とのコントラストが前記読取装置で読取不可能なコントラストとなるように前記読取対象ではないコードシンボルを表示させる請求項1に記載の電子機器。
<請求項3>
前記制御部は、前記読取対象のコードシンボルを、前記コードシンボルとしての規定を満たす態様で表示させ、前記読取対象ではないコードシンボルを、前記コードシンボルとしての規定を満たさない態様に変化させて表示させる請求項1に記載の電子機器。
<請求項4>
前記制御部は、前記読取対象のコードシンボルを、前記コードシンボルとしての規定を満たすサイズで表示させ、前記読取対象ではないコードシンボルを、前記コードシンボルとしての規定を満たさないサイズに変化させて表示させる請求項3に記載の電子機器。
<請求項5>
前記制御部は、前記読取対象のコードシンボルについては全体を前記表示部に表示させ、前記読取対象ではないコードシンボルについてはその一部のみを前記表示部に表示させる請求項1に記載の電子機器。
<請求項6>
前記制御部は、前記読取対象のコードシンボルを所定時間ごとに切り替え表示させる請求項1~5のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項7>
コンピュータに、
複数のコードシンボルを表示部の同一画面上に表示させる機能、
前記複数のコードシンボルのうち、読取対象のコードシンボルを読取可能な態様で表示させ、読取対象ではないコードシンボルを読取不可能な態様で表示させる機能、
を実現させるためのプログラム。
<請求項8>
コードシンボルの表示方法であって、
複数のコードシンボルを表示部の同一画面上に表示させる表示工程を含み、
前記表示工程は、前記複数のコードシンボルのうち、読取対象のコードシンボルを読取可能な態様で表示させ、読取対象ではないコードシンボルを読取不可能な態様で表示させる、表示方法。
【符号の説明】
【0046】
1 関数電卓(電子機器)
10 ディスプレイ(表示部)
11 CPU(制御部)
12 表示駆動部
13 キー入力部
14 通信部
15 記録媒体読取部
16 記憶部
21 カーソルキー
22 ACキー