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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/22 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A01F12/22 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021194292
(22)【出願日】2021-11-30
(65)【公開番号】P2023080780
(43)【公開日】2023-06-09
【審査請求日】2022-12-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】渡部 寛樹
(72)【発明者】
【氏名】二神 伸
(72)【発明者】
【氏名】上加 郁朗
(72)【発明者】
【氏名】内山 龍介
(72)【発明者】
【氏名】黒木 慎
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-202877(JP,A)
【文献】実開昭51-018263(JP,U)
【文献】特開2016-187327(JP,A)
【文献】特開2019-208393(JP,A)
【文献】特開2020-048474(JP,A)
【文献】特開平07-289067(JP,A)
【文献】実開昭55-136233(JP,U)
【文献】実開平03-022634(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)の上方の一側に脱穀装置(3)を設け、他側にグレンタンク(5)を設け、脱穀装置(3)は上方を扱胴カバー(7)で包囲した扱室(11)内に扱胴軸(8)により扱胴(10)を軸装して構成し、該扱胴(10)の始端部に設けた後側に至るに従い大径になる円錐部(20)の後側に終始略同径の枠体に形成した本体部(21)を設けて構成し、本体部(21)は、扱胴(10)の回転方向に複数配置した前後方向の軸棒形状のバーフレーム(25)と、各バーフレーム(25)の内周に設けたリング形状のリングフレーム(26)とにより構成し、各リングフレーム(26)には扱歯(30)を扱胴(10)の回転方向に所定間隔を置いて複数並設したコンバイン。
【請求項2】
請求項1記載の発明において、扱歯(30)は、扱胴(10)の回転方向において隣接するバーフレーム(25)とバーフレーム(25)との中間位置に設けたコンバイン。
【請求項3】
請求項1記載の発明において、扱歯(30)は、扱胴(10)の円周に設けたバーフレーム(25)とバーフレーム(25)との間でリングフレーム(26)の回転方向上手側近傍に設けたコンバイン。
【請求項4】
請求項1~請求項3記載の発明において、扱歯(30)は軸棒部材により形成し、リングフレーム(26)を扱胴(10)の軸心に向けて貫通させ、リングフレーム(26)の内側まで突出させて構成したコンバイン。
【請求項5】
請求項1~請求項4記載の発明において、扱胴(10)のバーフレーム(25)は前後に分割可能で着脱可能に構成したコンバイン。
【請求項6】
請求項1~請求項5記載の発明において、扱胴(10)のバーフレーム(25)を前後に分割可能で着脱可能に構成するとともに、リングフレーム(26)は回転方向に分割可能で着脱可能に構成したコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脱穀装置の扱胴は、前後方向のバーフレームを、回転方向に複数配置し、バーフレームに扱歯を複数配置した構成は、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-202877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例では、バーフレームに扱歯を複数並設した構成のため、扱室内に大量の被処理物が滞留して、脱穀負荷が高くなると、回転時の扱歯に掛かる回転抵抗が増加し、扱歯の取付部材であるバーフレームが扱歯に掛かる回転負荷により捻られ、扱胴が変形・歪むことがあり、脱穀効率が低下し、さらに、扱胴の耐久性が低下するという課題がある。
本願は、扱胴の構成を工夫し、扱胴の変形・歪み発生を防止し、扱胴の耐久性を向上させると共に、脱穀効率を向上させるものでである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、走行装置2の上方の一側に脱穀装置3を設け、他側にグレンタンク5を設け、脱穀装置3は上方を扱胴カバー7で包囲した扱室11内に扱胴軸8により扱胴10を軸装して構成し、該扱胴10はの始端部に設けた後側に至るに従い大径になる円錐部20の後側に終始略同径の枠体に形成した本体部21を設けて構成し、本体部21は、扱胴10の回転方向に複数配置した前後方向の軸棒形状のバーフレーム25と、各バーフレーム25の内周に設けたリング形状のリングフレーム26とにより構成し、各リングフレーム26には扱歯30を扱胴10の回転方向に所定間隔を置いて複数並設したコンバインとしたものである。
請求項2記載の発明は、扱歯30は、扱胴10の回転方向において隣接するバーフレーム25とバーフレーム25との中間位置に設けたコンバインとしたものである。
請求項記載の発明は、扱歯30は、扱胴10の円周に設けたバーフレーム25とバーフレーム25との間でリングフレーム26の回転方向上手側近傍に設けたコンバインとしたものである。
請求項記載の発明は、扱歯30は軸棒部材により形成し、リングフレーム26を扱胴10の軸心に向けて貫通させ、リングフレーム26の内側まで突出させて構成したコンバインとしたものである。
請求項記載の発明は、扱胴10のバーフレーム25は前後に分割可能で着脱可能に構成したコンバインとしたものである。
請求項記載の発明は、扱胴10のバーフレーム25を前後に分割可能で着脱可能に構成するとともに、リングフレーム26は回転方向に分割可能で着脱可能に構成したコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、扱胴10の本体部21は、軸棒形状のバーフレーム25と、リング形状のリングフレーム26とにより構成し、各リングフレーム26には扱歯30を設けているので、バーフレーム25には扱歯30を取付けていないから、バーフレーム25に捻り方向の負荷が係らず、扱胴10の変形・歪み発生を防止でき、また、リングフレーム26が複数のバーフレーム25の連結部材として作用してこの点でも扱胴10の変形・歪み発生を防止でき、脱穀効率の低下を防止でき、さらに、扱胴10の耐久性の低下を抑制でき、また、バーフレーム25の内側にリングフレーム26を設けているので、リングフレーム26への被処理物の接触抵抗を抑制して摩耗を防止できる。
請求項2記載の発明では、扱歯30は、扱胴10の回転方向において隣接するバーフレーム25とバーフレーム25との中間位置に設けているので、扱胴10の変形・歪み発生を防止でき、脱穀効率の低下を防止でき、さらに、扱胴10の耐久性の低下を抑制できる。
請求項記載の発明では、扱歯30は、扱胴10の円周に設けたバーフレーム25とバーフレーム25との間でリングフレーム26の回転方向上手側近傍に設けているので、扱歯30に掛かる回転抵抗の負荷をバーフレーム25が支持し、扱胴10の変形・歪み発生を防止し、扱胴10の耐久性を向上させられる。
請求項記載の発明では、扱歯30は軸棒部材により形成し、リングフレーム26を扱胴10の軸心に向けて貫通させ、リングフレーム26の内側まで突出させて構成しているので、扱胴10の外側における被処理物のみならず、扱胴10の内側に入った被処理物についても作用させることができる。
請求項記載の発明では、扱胴10のバーフレーム25は前後に分割可能で着脱可能に構成したので、扱胴10全体を前後に分割することが可能となり、メンテナンスの際に扱胴10を前後の部材ごとに分割して行うことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
また、リングフレーム26は扱胴軸8を境にして回転方向の上下に分割可能で着脱可能に構成としているので、扱胴10は上下に分割することが可能となり、メンテナンスの際に扱胴10を上下の部材ごとに分割して行うことができ、メンテナンス性が向上する。
請求項記載の発明では、扱胴10のバーフレーム25を前後に分割可能で着脱可能に構成するとともに、リングフレーム26は回転方向に分割可能で着脱可能に構成しているので、メンテナンスの際に扱胴10を分割した部材ごとに着脱でき、メンテナンス性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】コンバインの側面図。
図2】脱穀装置の側面図。
図3】同正面図。扱胴の分割状態側面図。
図4】扱胴を3個の扱胴構成枠体で構成した正面図および分割状態正面図。
図5】リングフレームの分割部分の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図面により説明すると、1は機体フレーム、2は機体フレーム1の下部に設けた走行装置、3は機体フレーム1上に設けた脱穀装置、4は刈取装置、5はグレンタンク、6はグレンタンク5の前方の一側に設けた操縦部である(図1)。
なお、理解を容易にするため、前後・左右・上下等の方向を便宜的に使用して説明するが、これらによって、本発明の構成が限定されるものではない。
脱穀装置3は、前側上部には上方を扱胴カバー7で包囲するように扱胴10を軸装した扱室11を設け、扱胴10の主として下方側は扱網12により包囲して構成している。扱網12の下方の始端側(前側)には唐箕13を設け、前記扱室11の下方には前記唐箕13の送風により穀粒と異物とを風選し得る風選室を形成し、風選室内には、唐箕13の送風方向(前後方向)に往復揺動する揺動選別棚14を設ける(図2)。
揺動選別棚14の下方所定位置には一番コンベア15を設け、一番コンベア15の後側には二番コンベア16を設ける。一番コンベア15の終端には、図示は省略するが、揚穀装置の下部を接続し、揚穀装置の上部はグレンタンク(図示省略)の供給口に接続する。
【0009】
扱胴10は扱胴10の前側に円錐部20を設け、円錐部20の後側に終始同径となる円筒状にした枠体により形成した本体部21を設けて構成する。
本体部21は、前板22と後板23とを複数の軸棒形状の前後方向のバーフレーム25で連結する。バーフレーム25は扱胴10の円周(回転)方向に等間隔で複数配置する。
扱胴10は、前後方向の複数のバーフレーム25の内周にリング形状のリングフレーム26を設ける。リングフレーム26はバーフレーム25に前後方向に複数配置して構成する。
リングフレーム26は外周上に扱歯30を長さ方向に複数並設して構成する。
リングフレーム26はバーフレーム25に前後方向に略等間隔で複数配置し、リングフレーム26は回転方向に複数あるバーフレーム25を連結する連結部材としても作用する。
この場合、リングフレーム26は扱歯30を長さ方向に等間隔で複数並設すると、扱胴10の剛性を向上させられて、好適である。
【0010】
リング状のリングフレーム26には扱歯30を扱胴10の回転方向に所定間隔を置いて複数並設して扱胴10を構成する。
そのため、扱歯30はリングフレーム26の回転方向に並設しているので、扱胴10の回転時の回転抵抗による負荷はリングフレーム26の長さ方向の全般で支持でき、バーフレーム25に捻り負荷が掛かるのを抑制でき、扱胴10の変形・歪み発生を防止し、扱胴10の耐久性を向上させられる。
リングフレーム26はリングフレーム26の外周上に外接したバーフレーム25と隣接するバーフレーム25の中間位置に扱歯30を長さ方向に複数並設して構成する。
そのため、扱歯30が被処理物と共に回転するときに掛かる回転抵抗を、バーフレーム25が支持し、扱胴10の変形・歪み発生を防止し、扱胴10の耐久性を向上させられる。
リングフレーム26はリングフレーム26の外周上に設けたバーフレーム25と隣接するバーフレーム25の間において、回転方向上手側のバーフレーム25近傍に扱歯30を設け、扱胴10の軸心方向に複数並設した各リングフレーム26の扱歯30は正面視において直線状に配置して構成する。
【0011】
そのため、扱歯30をバーフレーム25と隣接するバーフレーム25の間において、回転方向上手側のバーフレーム25近傍に設置しているため、バーフレーム25の強度の強い位置に扱歯30を設置することが可能となり、扱歯30の支持強度を向上させ、扱胴10の変形・歪み発生を防止し、扱胴10の耐久性を向上させられる。
リングフレーム26はリングフレーム26の外周上に設けたバーフレーム25と隣接するバーフレーム25の間において、回転方向下手側のバーフレーム25近傍に扱歯30を設け、扱胴10の軸心方向にリングフレーム26と扱歯30を複数並設して構成する。
そのため、扱歯30をバーフレーム25とバーフレーム25の間において、回転方向下手側のバーフレーム25近傍に設置するためバーフレーム25の強度の強い位置に扱歯30を設置することが可能となり、扱歯30を支えることができる。
扱胴10は、前後方向の複数のバーフレーム25の内周にリング形状のリングフレーム26を前後方向に並列させて構成し、扱歯30をリングフレーム26の外周に設ける。
リングフレーム26はリングフレーム26の外周上に設けたバーフレーム25の真上に扱歯30を長さ方向に複数並設して構成する。
【0012】
そのため、扱歯30をバーフレーム25の真上に設置するためバーフレーム25の強度によって扱歯30を支えることができる。
リング形状のリングフレーム26の機体進行方向の前面側に扱歯30を固定状態に設ける。
扱歯30の根本部分が穀稈等の被処理物に接触するため、脱粒作用が向上される。
リング形状のリングフレーム26の機体進行方向の後面側に扱歯30を固定状態に設ける。
リングフレーム26に設けた扱歯30はリングフレーム26の内周面よりも内側まで突出させて設ける。
そのため、リングフレーム26の内周側に入り込んだ脱穀物の解砕処理が促進される。
扱胴10を前後方向のバーフレーム25と、バーフレーム25の内周にリング形状のリングフレーム26を設けて構成すると共に、バーフレーム25およびリングフレーム26を前後に2分割可能に構成し、各バーフレーム25およびリングフレーム26を着脱自在に構成する。
そのため、扱胴10は前後に分割することが可能となり、メンテナンスの際に扱胴10を前後の部材ごとに分割し、メンテナンス性が向上する。
【0013】
また、バーフレーム25およびリングフレーム26は上下に分割可能に構成する。
そのため、扱胴10は上下に分割することが可能となり、メンテナンスの際に扱胴10を上下の部材ごとに分割し、メンテナンス性が向上する。
また、バーフレーム25は前後に2分割可能に構成し、リングフレーム26を扱胴10の回転方向に三分割可能に構成する。
そのため、扱胴10は回転方向に三分割することが可能となり、回転時のバランスが取りやすく、メンテナンスの際に扱胴10を部材ごとに分割し、メンテナンス性が向上する。
また、バーフレーム25を前後に2分割可能に構成し、リングフレーム26を扱胴10の回転方向に四分割可能に構成する。
そのため、扱胴10は回転方向に四分割することが可能となり、回転時のバランスが取りやすく、メンテナンスの際に扱胴10を部材ごとに分割し、メンテナンス性が向上する。
【0014】
バーフレーム25を、少なくとも、前後に2分割可能であって着脱自在に構成し、リングフレーム26を扱胴10の回転方向に分割可能にした構成において、リングフレーム26の分割位置は回転方向のバーフレーム25の上手側近傍に構成する。
すなわち、バーフレーム25の上手側近傍とは、例えば、バーフレーム25とバーフレーム25の間における中央位置を基準にして回転方向の上手側部分で、リングフレーム26を分割することをいう。
バーフレーム25を、少なくとも、前後に2分割可能であって着脱自在に構成し、リングフレーム26を扱胴10の回転方向に分割可能にした構成において、
リングフレーム26の分割位置は回転方向のバーフレーム25の下手側近傍に構成する。
【0015】
扱胴10は扱胴10の前側に円錐部20を設け、円錐部20の後側に軸棒形状の前後方向のバーフレーム25とバーフレーム25の内周に設けたリング形状のリングフレーム26とにより、終始同径となる円筒状にした枠体により形成した本体部21を設けて構成したものにおいて、リングフレーム26の外径は扱胴10の円錐部20の終端の最大直径部分の外径と略同径に構成する。
そのため、円錐部20から本体部21への扱室11内の被処理物の移動を円滑にして、脱穀処理効率を向上させられる。
【0016】
扱胴10は扱胴10の前側に円錐部20を設け、円錐部20の後側に軸棒形状の前後方向のバーフレーム25とバーフレーム25の内周に設けたリング形状のリングフレーム26とにより、終始同径となる円筒状にした枠体により形成した本体部21を設けて構成したものにおいて、リングフレーム26の外径は扱胴10の円錐部20の終端の最大直径部分の外径より小径に構成する。
そのため、円錐部20から本体部21への扱室11内の被処理物の移動を円滑にして、脱穀処理効率を向上させられる。
リングフレーム26に設けた扱歯30は、各リングフレーム26の位相を、扱胴10の後方に向うに従い回転方向下手側に位置するようにずらして配置し、前後方向の一群の各扱歯30が螺旋状に配列し、被処理物を後方に移送するように構成する。
【0017】
そのため、各扱歯30は扱室11内の被処理物の搬送を良好にし、脱穀負荷を低減させられる。
リングフレーム26に設けた扱歯30は、各リングフレーム26の位相を、扱胴10の後方に向うに従い回転方向下手側に位置するようにずらして配置し、前後方向の一群の各扱歯30が螺旋状に配列されるように構成すると共に、扱歯30の螺旋状配列は、円錐部20のスパイラル翼31の終端部から連続するように配列させる。
そのため、扱室11の始端部の円錐部20から本体部21に引き継いだ被処理物の搬送を良好にし、脱穀負荷を低減させられる。
扱胴10は、前後方向のバーフレーム25の外周にリングフレーム26を複数軸心方向に並設し、かつ、バーフレーム25は前後に分割し、リングフレーム26は上下に分割して、各分割した扱胴構成枠体35をそれぞれ着脱自在に構成し、各扱胴構成枠体35の扱歯30が前後方向において、各扱歯30群の配列が連続する螺旋状配列となるように構成する。
【0018】
そのため、各扱胴構成枠体35の扱歯30が摩耗した際に、扱胴10の前後あるいは上下に分割した部材を入れ替えることで、摩耗した扱歯30をローテーションで入れ替えることが可能となる。
したがって、扱胴構成枠体35は扱胴10の円錐部20に対しても着脱自在に構成している。
各扱胴構成枠体35の扱歯30の配列は扱胴10の前後の分割位置において、前部の扱歯30の配列と後部の扱歯30の配列が前後対称になるように構成する。
すなわち、各扱胴構成枠体35を、例えば、前後ひっくり返しても同じとなるように、使えるように、前後対称に配置し、螺旋状に扱歯30を配置したものであっても、成り立つものである。
各扱胴構成枠体35の前後端部分には、互いの扱胴構成枠体35の前後端部分と面接触する取付面部36を設け、各扱胴構成枠体35の前後端の取付面部36を面接触させた状態でボルト37で締結固定する構成とする。
【0019】
扱胴10の前部と後部あるいは上下に取付面部36をそれぞれ設けて連結接続可能に構成する。
そのため、扱胴10の組立を容易にでき、また、各扱胴構成枠体35の着脱を容易にでき、メンテナンスを容易にできる。
この場合、扱胴10は、バーフレーム25を前後に3分割可能に構成し、前後に3分割した各扱胴構成枠体35の前後端部分に、互いの扱胴構成枠体35の前後端部分と面接触する取付面部36を設け、取付面部36にボルト37を取付ける取付孔38は扱胴10の径方向に長い長孔に構成する。
そのため、扱歯30の先端移動軌跡の径を大小に調整でき、これにより、扱網12との間隔を調整して条件適応性を向上させられる。
【0020】
各扱胴構成枠体35の取付面部36に設けた取付孔38は、前後の締め付けをそれぞれ2点締付けに構成し、片側の取付孔38をもう一方の取付孔38の中心とした長孔とする。
取付孔38は扱胴の径方向に長く形成する。
そのため、長穴分ずらして締め付けることで、ツースの角度と先端径を調整でき条件適応性向上させられる。
扱胴10は、前後方向のバーフレーム25の外周に六角形形状のリングフレーム26を設け、リングフレーム26はバーフレーム25の前後に複数配置して構成する。
この場合、六角形に形成したリングフレーム26の各頂点の外側にバーフレーム25を設ける。
【0021】
リングフレーム26は上下に分割可能に構成し、扱胴10の分割位置において上下に分割した一方のリングフレーム26の一方端部40を凸形状とし、他方のリングフレーム26の他方端部41を扱胴軸8が嵌合固定される凹形状に形成して、一方端部40と他方端部41とを、差し込んで組付け可能に構成する。
42は一方端部40に形成した突起、43は他方端部41に設けた凹部である。
そのため、扱胴10の組み立てを容易にでき、リングフレーム26の合わせ部に凹凸がなく引っ掛かりがない。
【符号の説明】
【0022】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、7…扱胴カバー、8…扱胴軸8、10…扱胴、11…扱室、12…扱網、13…唐箕、14…揺動選別棚、15…一番コンベア、16…二番コンベア、20…円錐部、21…本体部、22…前板、23…後板、25…バーフレーム、26…リングフレーム、30…扱歯、31…スパイラル翼、35…扱胴構成枠体、36…取付面部、37…ボルト、38…取付孔、40…一方端部、41…他方端部。
図1
図2
図3
図4
図5