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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】撮像システム、撮像方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1171 20160101AFI20240305BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240305BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240305BHJP
   G06V 40/18 20220101ALI20240305BHJP
【FI】
A61B5/1171 300
G06T1/00 400H
G06T7/00 510D
G06V40/18
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022502730
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 JP2020008110
(87)【国際公開番号】W WO2021171505
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】蝶野 慶一
(72)【発明者】
【氏名】赤司 竜一
(72)【発明者】
【氏名】荻野 有加
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-319174(JP,A)
【文献】特開2007-319175(JP,A)
【文献】特開2005-304809(JP,A)
【文献】国際公開第2006/088042(WO,A1)
【文献】特開2005-258860(JP,A)
【文献】特開2003-308523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06 - 5/22
G06T 1/00
G06T 7/00
G06V 40/18 - 40/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の虹彩を撮像するための虹彩撮像手段と、
前記対象者に光を照射するためのものである第1照射手段と、
前記対象者に光を照射するためのもので照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、前記第1照射手段における照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角よりも大きい第2照射手段と、
前記対象者が眼鏡を着用しているか否かに基づいて、前記第1照射手段と前記第2照射手段の動作制御を行う制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記対象者が眼鏡を着用していない場合には、前記第1照射手段から光が照射されるように前記第2照射手段は動作させず、前記第1照射手段を動作させ、
前記対象者が眼鏡を着用している場合には、前記第2照射手段から光が照射されるように前記第1照射手段は動作させず、前記第2照射手段を動作させ、
前記第2照射手段が前記対象者の右目の虹彩を撮像するのに適する位置に配置された右目照射手段を有する場合、前記右目照射手段は、前記右目の右側のみにあり、
前記第2照射手段が前記対象者の左目の虹彩を撮像するのに適する位置に配置された左目照射手段を有する場合、前記左目照射手段は、前記左目の左側のみにある、撮像システム。
【請求項2】
前記対象者を誘導するための誘導手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記対象者が眼鏡を着用していないと判定された場合には、前記対象者が前記第1照射手段の照射範囲と前記虹彩撮像手段の撮像範囲との重複範囲に誘導されるように前記誘導手段を動作させ、
前記対象者が眼鏡を着用していると判定された場合には、前記対象者が前記第2照射手段の照射範囲と前記虹彩撮像手段の撮像範囲との重複範囲に誘導されるように前記誘導手段を動作させる、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記第2照射手段は、前記対象者の左目の虹彩を撮像するのに適する位置に配置された左目照射手段と、前記対象者の右目の虹彩を撮像するのに適する位置に配置された右目照射手段と、を有する、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記対象者の顔と前記虹彩撮像手段との距離を計測する測距手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記対象者が眼鏡を着用していると判定された場合には、前記測距手段により計測された前記距離が前記第2照射手段における照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角に応じて決まる所定の長さとなるような位置に前記対象者が誘導されるように前記誘導手段を動作させる、請求項2に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記対象者の顔と前記虹彩撮像手段との距離を計測する測距手段と、
前記第2照射手段の位置を調整する位置調整手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記第2照射手段における照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、前記測距手段により計測された前記距離に応じて決まる所定の角度になるように前記位置調整手段を動作させる、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記対象者が眼鏡を着用していると判定された場合、対象者の着用している眼鏡が片眼鏡であるか否かを判定し、
前記制御手段は、前記対象者の着用している眼鏡が片眼鏡であると判定された場合、片眼鏡をかけているほうの目に対応する第2照射手段から光が照射されるように、第2照射手段を制御する、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項7】
対象者が眼鏡を着用しているか否かを判定するステップと、
前記対象者が眼鏡を着用していないと判定された場合には、第1照射手段から前記対象者に光を照射させ、照射光の光軸と前記対象者の虹彩を撮像するための虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、前記第1照射手段における照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角よりも大きい第2照射手段から前記対象者に光を照射させないステップと、
前記対象者が眼鏡を着用していると判定された場合には、前記第1照射手段から前記対象者に光を照射させず、前記第2照射手段から前記対象者に光を照射させるステップと、を有し、
前記第2照射手段が前記対象者の右目の虹彩を撮像するのに適する位置に配置された右目照射手段を有する場合、前記右目照射手段は、前記右目の右側のみにあり、
前記第2照射手段が前記対象者の左目の虹彩を撮像するのに適する位置に配置された左目照射手段を有する場合、前記左目照射手段は、前記左目の左側のみにある、撮像方法。
【請求項8】
対象者が眼鏡を着用しているか否かを判定するステップと、
前記対象者が眼鏡を着用していないと判定された場合には、第1照射手段から前記対象者に光を照射させ、照射光の光軸と前記対象者の虹彩を撮像するための虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、前記第1照射手段における照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角よりも大きい第2照射手段から前記対象者に光を照射させないステップと、
前記対象者が眼鏡を着用していると判定された場合には、前記第1照射手段から前記対象者に光を照射させず、前記第2照射手段から前記対象者に光を照射させるステップと、をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記第2照射手段が前記対象者の右目の虹彩を撮像するのに適する位置に配置された右目照射手段を有する場合、前記右目照射手段は、前記右目の右側のみにあり、
前記第2照射手段が前記対象者の左目の虹彩を撮像するのに適する位置に配置された左目照射手段を有する場合、前記左目照射手段は、前記左目の左側のみにある、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、虹彩認証に用いる画像を取得するのに好適な、撮像システム、撮像方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
虹彩を用いる生体認証(虹彩認証)が知られている。この生体認証では、撮像システムを用いて対象者の虹彩が撮像され、撮像された虹彩のパターンから特徴量が抽出される。瞳孔を取り囲むドーナツ型の組織である虹彩は、非常に複雑なパターンで、人それぞれに固有のものとなる。この種の装置では、対象者の虹彩が適切に撮像された画像が要求される。
【0003】
特許文献1には、人間の眼球へ一の入射角で光を照射して眼球の画像を撮影し、撮影画像が良好でないと判断した場合には、順次、当該一の入射角と異なる他の入射角で虹彩へ光を照射して、虹彩の画像を撮影する撮像システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-005195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、対象者が眼鏡等を着用している場合もある。
【0006】
この開示の目的は、上述した課題を解決する撮像システム、撮像方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この開示の第1の態様に係る撮像システムは、対象者の虹彩を撮像するための虹彩撮像手段と、前記対象者に光を照射するためのものである第1照射手段と、前記対象者に光を照射するためのもので照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、前記第1照射手段における照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角よりも大きい第2照射手段と、を備える。
【0008】
この開示の第2の態様に係る撮像方法は、対象者が眼鏡等を着用しているか否かを判定するステップと、前記対象者が眼鏡等を着用していないと判定された場合には、第1照射手段から前記対象者に光を照射させるステップと、前記対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合には、照射光の光軸と前記対象者の虹彩を撮像するための虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、前記第1照射手段における照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角よりも大きい第2照射手段から前記対象者に光を照射させるステップと、を有する。
【0009】
この開示の第3の態様に係るプログラムは、対象者が眼鏡等を着用しているか否かを判定するステップと、前記対象者が眼鏡等を着用していないと判定された場合には、第1照射手段から前記対象者に光を照射させるステップと、前記対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合には、照射光の光軸と前記対象者の虹彩を撮像するための虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、前記第1照射手段における照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角よりも大きい第2照射手段から前記対象者に光を照射させるステップと、をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態2に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態2に係る撮像システムにおける撮像処理の流れについて説明するフローチャートである。
図4】実施の形態3に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。
図5】実施の形態3に係る撮像システムにおける第1照明器の配置について説明する模式図である。
図6】実施の形態3に係る撮像システムにおける第2照明器の配置について説明する模式図である。
図7】実施の形態3に係る撮像システムにおける撮像処理の流れについて説明するフローチャートである。
図8】実施の形態4に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。
図9】実施の形態4に係る撮像システムの第2照明器の配置について説明する模式図である。
図10】実施の形態5に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。
図11】所定の長さと、第2照明器における照射光の光軸と虹彩撮像器の光軸とのなす角と、の関係について示すグラフである。
図12】実施の形態6に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。
図13】実施の形態6に係る撮像システムにおける撮像処理の流れについて説明するフローチャートである。
図14】実施の形態7に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。
図15】実施の形態7に係る撮像システムにおける誘導器のディスプレイに表示される画像の例を示す模式図である。
図16】実施の形態8に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。
図17】実施の形態8に係る撮像システムにおける誘導器のディスプレイに表示される画像の例を示す模式図である。
図18】実施の形態9に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。
図19】実施の形態9に係る撮像システムにおける撮像処理の流れについて説明するフローチャートである。
図20】実施の形態9に係る撮像システムにおける撮像処理の流れについて説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照してこの開示の実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0012】
[実施の形態1]
以下、実施の形態1について説明する。
図1は、実施の形態1に係る撮像システム10の構成を示すブロック図である。図1に示すように、撮像システム10は、虹彩撮像器(虹彩撮像手段)1と、第1照射手段(第1照明器)2aと、第2照射手段(第2照明器)2bと、を備えている。
【0013】
虹彩撮像器1は、対象者の虹彩を撮像するためのものである。第1照明器2aは、対象者に光を照射するためのものである。第2照明器2bは、対象者に光を照射するためのもので照射光の光軸と虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、第1照明器2aにおける照射光の光軸と虹彩撮像器1の光軸とのなす角よりも広いものである。
【0014】
このようにすることで、対象者が眼鏡等を着用しているか否かにかかわらず対象者の虹彩が適切に撮像された画像を得ることができる。
【0015】
[実施の形態2]
以下、実施の形態2について説明する。
まず、実施の形態2に係る撮像システムの構成例について説明する。図2は、実施の形態2に係る撮像システム510の構成を示すブロック図である。図2に示すように、撮像システム510は、虹彩撮像器1と、第1照明器2aと、第2照明器2bと、制御器(制御手段)5と、を備えている。すなわち、撮像システム510は、上述した実施の形態1に係る撮像システム10(図1参照)に対して、さらに制御器5を備えている点が異なる。
【0016】
制御器5は、対象者が眼鏡等を着用しているか否かを判定し、当該判定の結果に基づいて、第1照明器2aと第2照明器2bの動作制御を行う。具体的には、制御器5は、対象者が眼鏡等を着用していないと判定された場合には、第1照明器2aから光が照射されるように第1照明器2aを動作させる。一方、制御器5は、対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合には、第2照明器2bから光が照射されるように第2照明器2bを動作させる。
【0017】
図3は、撮像システム510における撮像処理の流れについて説明するフローチャートである。図3に示すように、まず、制御器5が、対象者が眼鏡等を着用しているか否かを判定する(ステップS1)。
【0018】
ステップS1において、対象者が眼鏡等を着用していないと判定された場合(NO)、制御器5が、第1照明器2aから光が照射されるように第1照明器2aを動作させる(ステップS2)。ステップS1において、対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合(YES)、制御器5が、第2照明器2bから光が照射されるように第2照明器2bを動作させる(ステップS3)。ステップS2またはステップS3に続いて、制御器5は、虹彩撮像器1を制御し、虹彩の撮像画像を取得する(ステップS4)。ステップS4で取得された虹彩の撮像画像は、虹彩認証や登録のために使用される。
【0019】
以上より、撮像システム510は、第1照明器2aと、照射光の光軸と虹彩撮像手段の光軸とのなす角が第1照明器2aよりも大きい第2照明器2bと、を備えている。対象者が眼鏡等を着用している場合に第2照明器2bから光を照射することで、眼鏡等からの反射光が虹彩撮像手段1に入るのを抑制することができる。これにより、対象者が眼鏡等を着用している場合にも撮像システム510で取得された撮像画像が虹彩認証に適切である可能性が高くなるので、当該撮像画像を用いて虹彩認証を行うことで、虹彩認証の成功率を向上させることができる。結果として、眼鏡等を着用している対象者が、眼鏡等を外す手間が省け、利便性が向上する。
【0020】
一方、対象者が眼鏡等を着用していない場合には第1照明器2aから光を照射する。第1照明器2aの照射範囲と虹彩撮像器1の撮像範囲との重複範囲は、第2照明器2bの照射範囲と虹彩撮像器1の撮像範囲との重複範囲よりも広い。当該重複範囲が広い方が、取得された対象者の虹彩の撮像画像が虹彩認証に適切である可能性が高まる。対象者が眼鏡等を着用していない場合には、眼鏡等からの反射光の抑制を考慮しなくて良いので、照射範囲と虹彩撮像器1の撮像範囲との重複範囲が広い第1照明器2aから光を照射することにより、撮像のやり直しのリスクが低減されるので利便性が向上する。
【0021】
[実施の形態3]
以下、実施の形態3について説明する。
まず、実施の形態3に係る撮像システムの構成例について説明する。図4は、実施の形態3に係る撮像システム110の構成を示すブロック図である。図4に示すように、撮像システム110は、虹彩撮像器(虹彩撮像手段)101と、第1照明器(第1照明手段)102aと、第2照明器(第2照明手段)102bと、誘導器(誘導手段)103と、制御器(制御手段)105と、を備えている。
【0022】
虹彩撮像器101は、対象者Pの虹彩を撮像するためのカメラである。虹彩撮像器101は、所定位置にいる対象者Pの目を含む注視領域を好適に撮像可能なように設置されている。虹彩撮像器101は、例えば、産業用カメラなどで普及品となりつつある、12M画素(水平4000画素、垂直3000画素)かつ60fpsの汎用カメラで構成される。
【0023】
第1照明器102a、第2照明器102bは、光源であるLED(Light Emitting Diode)や同期信号発生器を含む。第1照明器102a、第2照明器102bから対象者Pに照射される光量は、LEDへの供給電流値、LEDの点灯時間、及び点灯周期で決定される、照明制御情報は、これらの数値を含む。なお、第1照明器102a、第2照明器102bの配置については後述する。
【0024】
誘導器103は、対象者Pを誘導するためのものである。誘導器103はスピーカを含む。誘導器103は、対象者Pを誘導するための音声をスピーカにより提示する。スピーカからは、例えば、「あと○歩進んでください」、「下がってください」、「止まっていてください」、等の対象者Pを誘導するための音声案内が発せられる。
【0025】
制御器105は、対象者Pが眼鏡等を着用しているか否かを判定し、当該判定の結果に基づいて、第1照明器102a、第2照明器102b及び誘導器103の動作制御を行うものである。また、制御器105は、虹彩撮像器101の動作制御も行う。対象者Pが眼鏡等を着用しているか否かを判定する方法は、例えば、特許文献1に記載されている、眼鏡等のレンズによる乱反射の有無を確認するなどの公知の方法を用いることができる。
【0026】
次に、第1照明器102a、第2照明器102bの配置について説明する。
図5は、第1照明器102aの配置について説明する模式図である。第1照明器102aは、制御器105により対象者が眼鏡等を着用していない(対象者が裸眼である)と判定された場合に対象者Pに光を照射させる。図5に示すように、第1照明器102aによる照射光の光軸と虹彩撮像器101の光軸とのなす角を角度θ1とする。角度θ1は、虹彩撮像手段1の撮像範囲A1と第1照射手段2aの照射範囲A2との重複範囲ができるだけ大きくなるように経験的、実験的に決める。
【0027】
図6は、第2照明器102bの配置について説明する模式図である。第2照明器102bは、制御器105により対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合に対象者Pに光を照射させる。図6に示すように、第2照明器102bによる照射光の光軸と虹彩撮像器101の光軸とのなす角を角度θ2とする。角度θ2は角度θ1よりも大きい(θ2>θ1)。角度θ2は、一般的な眼鏡等のレンズの曲率を仮定し、眼鏡等の反射光が虹彩領域に重ならないように設定する。
【0028】
次に、撮像システム110における撮像処理の流れについて説明する。なお、以下の説明では図4についても適宜参照する。
【0029】
図7は、撮像システム110における撮像処理の流れについて説明するフローチャートである。図7に示すように、まず、制御器105が、対象者が眼鏡等を着用しているか否かを判定する(ステップS101)。
【0030】
ステップS101において、対象者が眼鏡等を着用していないと判定された場合(NO)、制御器105が、第1照明器102aから光が照射されるように第1照明器102aを動作させる(ステップS102)。続いて、制御器105が、対象者が第1照明器102aの照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲に誘導されるように誘導器103を動作させる(ステップS103)。
【0031】
ステップS101において、対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合(YES)、制御器105が、第2照明器102bから光が照射されるように第2照明器102bを動作させる(ステップS104)。続いて、制御器105が、対象者が第2照明器102bの照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲に誘導されるように誘導器103を動作させる(ステップS105)。
【0032】
ステップS103またはステップS105に続いて、制御器105は、虹彩撮像器101を制御し、虹彩の撮像画像を取得する(ステップS106)。ステップS106で取得された虹彩の撮像画像は、虹彩認証や登録のために使用される。
【0033】
以上より、実施の形態3に係る撮像システム110では、制御器105が、対象者が眼鏡等を着用しているか否かを判定する。そして、対象者が眼鏡等を着用していないと判定された場合には、制御器105が、対象者が第1照明器102aの照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲に誘導されるように誘導器103を動作させ、第1照明器102aから光が照射されるように第1照明器2aを動作させる。
【0034】
一方、対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合には、制御器105が、対象者が第2照明器102bの照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲に誘導されるように誘導器103を動作させ、第2照明器102bから光が照射されるように第2照明器102bを動作させる。
【0035】
対象者が眼鏡等を着用している場合に第2照明器102bから光を照射することで、眼鏡等からの反射光が虹彩撮像手段1に入るのを抑制することができる。第1照明器102aの照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲は、第2照明器102bの照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲よりも広い。対象者が眼鏡等を着用していない場合には、眼鏡等からの反射光の抑制を考慮しなくて良いので、照射範囲と虹彩撮像器1の撮像範囲との重複範囲が広い第1照明器2aから光を照射する。これにより、対象者が眼鏡等を着用していない場合には対象者の誘導が容易になり利便性が向上する。
【0036】
[実施の形態4]
以下、実施の形態4について説明する。
図8は、実施の形態4に係る撮像システム210の構成を示すブロック図である。図8に示すように、撮像システム210は、虹彩撮像器101と、第1照明器102aと、第2照明器202bと、誘導器103と、制御器105と、を備えている。すなわち、撮像システム210は、上述した実施の形態3に係る撮像システム110(図4参照)に対して、第2照明器202bの構成が異なる。第2照明器202bは、目照明器(目照射手段)202bAと、目照明器(目照射手段)202bBと、を有する。
【0037】
図9は、第2照明器102bの配置について説明する模式図である。図9に示すように、目照明器202bAは、対象者Pの目の虹彩を撮像するのに適する位置に配置されている。また、目照明器202bBは、対象者Pの目の虹彩を撮像するのに適する位置に配置されている。
【0038】
撮像システム210における撮像処理の流れは、図3または図7を参照して説明した、実施の形態3に係る撮像システム110における撮像処理の流れと基本的に同じである。図3のステップS3または図7のステップS104において、対象者Pにおける目の虹彩の撮像画像を取得する場合には、目照明器202bAから対象者Pに光を照射させるようにし、対象者Pにおける左目の虹彩の撮像画像を取得する場合には、目照明器202bBから対象者Pに光を照射させる。このようにすることで、対象者Pにおける両目の虹彩の撮像画像を精度良く取得することができる。
【0039】
なお、1度の撮像で対象者Pにおける両目の虹彩の撮像画像を取得したい場合には、図3のステップS3または図7のステップS104において、目照明器202bAと目照明器202bBの両方により対象者Pに光を照射させるようにしてもよい。ただし、目照明器202bAにより対象者Pに光を照射させて対象者Pにおける目の虹彩の撮像画像を取得し、目照明器202bBにより対象者Pに光を照射させて対象者Pにおける目の虹彩の撮像画像を取得する方が、虹彩の撮像画像の精度は高くなる。目照明器202bA、目照明器202bBの一方のみ点灯させて片目ずつ虹彩の撮像画像を取得する方が、反射抑制効果が高いからである。

【0040】
[実施の形態5]
以下、実施の形態5について説明する。
図10は、実施の形態5に係る撮像システム310の構成を示すブロック図である。図10に示すように、撮像システム310は、虹彩撮像器101と、第1照明器102aと、第2照明器102bと、誘導器103と、制御器305と、測距センサ306を備えている。すなわち、撮像システム210は、上述した実施の形態3に係る撮像システム110(図4参照)に対して、さらに測距センサ(測距手段)306を備えている点が異なる。測距センサ306は、対象者Pの顔と虹彩撮像器101との距離を計測する。また、制御器305は、実施の形態3に係る撮像システム110における制御器105の機能を包含する。
【0041】
撮像システム310における撮像処理の流れは、図7を参照して説明した、実施の形態3に係る撮像システム110における撮像処理の流れと基本的に同じであるが、図7のステップS105における処理が異なる。撮像システム310では、図7のステップS105において、制御器305が、測距センサ306による測距の結果より対象者が距離dに位置するか否かを判断する。そして、制御器305が、対象者が距離dに位置しない場合、第2照明器102bの照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲に対象者Pが誘導されるように誘導器103を動作させる。かつ、図7のステップS105において、制御器305が、測距センサ306により計測された距離が第2照明器102bにおける照射光の光軸と虹彩撮像手段の光軸とのなす角に応じて決まる所定の長さdとなるような位置に対象者Pが誘導されるように誘導器103を動作させる。このように、測距の結果より対象者が距離dに位置するか否かを判断し、対象者が距離dに位置しない場合にのみ誘導を行うようにすることで、不要な案内を行わなくて済む。
【0042】
このようにして、対象者が当該位置に誘導されたときに、ステップS106において、制御器305が、虹彩撮像器101が対象者の虹彩を撮像するように虹彩撮像器101を動作させる。
【0043】
図11は、所定の長さdと、第2照明器102bにおける照射光の光軸と虹彩撮像器101の光軸とのなす角θ2と、の関係の一例について示すグラフである。図11に示すように、所定の長さdは、第2照明器102bにおける照射光の光軸と虹彩撮像器101の光軸とのなす角θ2に応じて定める。例えば、第2照明器102bにおける照射光の光軸と虹彩撮像器101の光軸とのなす角θ2が20[deg]であるとき、所定の長さdは45[cm]である。
【0044】
上述したように、角度θ2は、眼鏡等の反射光が虹彩領域に重ならないような角度に設定する。眼鏡等の反射光が虹彩領域に重ならないような角度は、一般的な眼鏡等のレンズの曲率を仮定することで算出することができる。角度θ2が決まれば、図11を用いて所定の長さを決定することができる。
【0045】
このように、撮像システム310では、対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合に、対象者を、第2照明器102bの照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲で、かつ、測距センサ306と対象者の顔との距離が所定の長さdの位置に誘導する。これにより、取得される撮像画像の精度をより向上させることができる。また、当該撮像画像を用いて虹彩認証を行うことで、虹彩認証の成功率を向上させることができる。
【0046】
[実施の形態6]
以下、実施の形態6について説明する。
図12は、実施の形態6に係る撮像システム410の構成を示すブロック図である。図12に示すように、撮像システム410は、虹彩撮像器101と、第1照明器102aと、第2照明器102bと、誘導器103と、制御器305と、測距センサ306と、位置調整器407と、を備えている。すなわち、撮像システム410は、上述した実施の形態5に係る撮像システム310(図10参照)に対して、さらに位置調整器(位置調整手段)407を備えている点が異なる。位置調整器407は、第2照明器102bの位置を調整するものである。
【0047】
図13は、撮像システム410における撮像処理の流れについて説明するフローチャートである。図13に示すように、まず、対象者を所定の範囲に誘導する(ステップS201)。ここで、所定の範囲は、例えば、第1照明器102aの照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲である。続いて、制御器405が、対象者が眼鏡等を着用しているか否かを判定する(ステップS202)。
【0048】
ステップS202において、対象者が眼鏡等を着用していないと判定された場合(NO)、制御器405が、第1照明器102aから光が照射されるように第1照明器102aを動作させる(ステップS203)。
【0049】
ステップS202において、対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合(YES)、測距センサ306により対象者の顔までの距離を計測する(ステップS204)。続いて、制御器405が、第2照明器102bにおける照射光の光軸と虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、測距センサ306により計測された距離に応じて決まる所定の角度になるように位置調整器407を動作させる(ステップS205)。続いて、制御器405が、第2照明器102bから光が照射されるように第2照明器102bを動作させる(ステップS206)。
【0050】
ステップS203またはステップS206に続いて、制御器405は、虹彩撮像器101を制御し、虹彩の撮像画像を取得する(ステップS207)。ステップS207で取得された虹彩の撮像画像は、虹彩認証や登録のために使用される。
【0051】
[実施の形態7]
以下、実施の形態7について説明する。
図14は、実施の形態7に係る撮像システム510の構成を示すブロック図である。図14に示すように、実施の形態7に係る撮像システム510の構成は、図4を参照して説明した実施の形態3に係る撮像システム110の構成と基本的に同じである。実施の形態7に係る撮像システム510では、誘導器503の構成が実施の形態3に係る撮像システム110の誘導器103の構成と異なる。誘導器503はディスプレイ503aを含む。誘導器503は、対象者Pを誘導するための映像をディスプレイ503aにより提示する。
【0052】
図15は、ディスプレイ503aに表示される画像の例を示す模式図である。図15に示すように、ディスプレイ503aには、照明器の照射範囲(図15では第2照明器102bの照射範囲A2)と、虹彩撮像器101の撮像範囲A1と、を表示させる。なお、第1照明器102aを照射させる場合には、ディスプレイ503aには、照明器の照射範囲として、第1照明器102aの照射範囲を表示させる。ディスプレイ503aには、対象者Pを誘導するための映像として、照明器の照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲A4が斜線で強調されている。なお、重複範囲A4を斜線で強調して表示する代わりに、重複範囲A4内に単に○印を付すなど、重複範囲A4を別の方法で強調して表示するようにしてもよい。上述のように誘導器503を構成することで、対象者を適切に誘導することができる。
【0053】
[実施の形態8]
以下、実施の形態8について説明する。
図16は、実施の形態8に係る撮像システム610の構成を示すブロック図である。図16に示すように、実施の形態8に係る撮像システム610の構成は、図10を参照して説明した実施の形態5に係る撮像システム310の構成と基本的に同じである。実施の形態8に係る撮像システム610では、誘導器603が実施の形態5に係る撮像システム310の誘導器103と異なる。誘導器603はディスプレイ603aを含む。誘導器603は、対象者Pを誘導するための映像をディスプレイ603aより提示する。
【0054】
図17は、ディスプレイ603aに表示される画像の例を示す模式図である。図15に示すように、ディスプレイ603aには、照明器の照射範囲(図15では第2照明器102bの照射範囲A2)と、虹彩撮像器101の撮像範囲A1と、を表示させる。なお、第1照明器102aを照射させる場合には、ディスプレイ603aにおいて、照明器の照射範囲として、第1照明器102aの照射範囲を表示させる。また、ディスプレイ603aには、対象者Pの位置が表示される。ここで、対象者Pの位置は、測距センサ306により特定される。さらに、ディスプレイ603aには、対象者Pを誘導するための映像として、照明器の照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲A4が斜線で強調され、対象者Pの進む方向が矢印で示され、さらに「斜線の範囲までお進みください」との指示が表示されている。上述のように誘導器603を構成することで、対象者Pをより適切に誘導することができる。
【0055】
[実施の形態9]
以下、実施の形態9について説明する。
図18は、実施の形態9に係る撮像システム710の構成を示すブロック図である。図18に示すように、撮像システム710は、虹彩撮像器101と、第1照明器102aと、第2照明器202bと、誘導器103と、制御器705と、を備えている。撮像システム710では、制御器705における処理が、実施の形態4に係る撮像システム210の制御器105における処理と異なる。
【0056】
図19及び図20は、実施の形態9に係る撮像システム710における撮像処理の流れについて説明するフローチャートである。図19に示すように、まず、制御器705が、対象者が眼鏡等を着用しているか否かを判定する(ステップS301)。
【0057】
ステップS301において、対象者が眼鏡等を着用していないと判定された場合(NO)、制御器705が、第1照明器102aから光が照射されるように第1照明器102aを動作させる(ステップS302)。続いて、制御器705が、対象者が第1照明器102aの照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲に誘導されるように誘導器103を動作させる(ステップS303)。続いて、制御器705は、虹彩撮像器101を制御し、虹彩の撮像画像を取得する(ステップS304)。
【0058】
ステップS301において、対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合(YES)、対象者の着用している眼鏡等が片眼鏡であるか否かを判定する(ステップS305)。
【0059】
ステップS305において、対象者の着用している眼鏡等が片眼鏡ではないと判定された場合(NO)、制御器705が、第2照明器202b(左目照明器202bA及び右目照明器202bB)から光が照射されるように第2照明器202bを動作させる(ステップS306)。続いて、制御器705が、対象者が第2照明器202bの照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲に誘導されるように誘導器103を動作させる(ステップS307)。続いて、制御器705は、虹彩撮像器101を制御し、虹彩の撮像画像を取得する(ステップS308)。
【0060】
ステップS305において、対象者の着用している眼鏡等が片眼鏡であると判定された場合(YES)、図20に示すように、制御器705が、第2照明器202bにおける左目照明器202bAか右目照明器202bBのいずれか、片眼鏡をかけているほうの目に対応するものから光が照射されるように第2照明器202bを動作させる(ステップS309)。続いて、制御器705が、対象者が第2照明器202bの照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲に誘導されるように誘導器103を動作させる(ステップS310)。ここで、第2照明器202bの照射範囲は、左目照明器202bAから光が照射された場合は左目照明器202bAの照射範囲、右目照明器202bBから光が照射された場合は右目照明器202bBの照射範囲である。続いて、制御器705は、虹彩撮像器101を制御し、虹彩の撮像画像を取得する(ステップS311)。続いて、制御器705が、第1照明器102aから光が照射されるように第1照明器102aを動作させる(ステップS312)。このとき、第2照明器202bは消灯されている。続いて、制御器705が、対象者が第1照明器102aの照射範囲と虹彩撮像器101の撮像範囲との重複範囲に誘導されるように誘導器103を動作させる(ステップS313)。続いて、制御器705は、虹彩撮像器101を制御し、虹彩の撮像画像を取得する(ステップS314)。
【0061】
図19における、ステップS304及びステップS308、図20における、ステップS311及びステップS314で取得された虹彩の撮像画像は、虹彩認証や登録のために使用される。このようにすることで、対象者の左右それぞれの目に対し虹彩認証を行う場合に、片眼鏡をしている対象者の左右それぞれの目の虹彩の撮像画像を精度良く取得することができる。
【0062】
上述の実施の形態では、この開示をハードウェアの構成として説明したが、この開示は、これに限定されるものではない。この開示は、図3図7図13及び図18に示す撮像システムにおける撮像処理を、CPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることにより実現することも可能である。また、図3図7図13及び図18に示す撮像システムにおける撮像各処理をGPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(Demand-Side Platform)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で実現してもよい。
【0063】
上述の撮像方法を実現するためのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0064】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。例えば、上記実施の形態では、第1照射手段と第2照射手段がともに同一の水平面上にあるように二次元的に配置されている、これに限るものではない。第1照射手段と第2照射手段が、三次元的に配置されていてもよい。
【0065】
上述した実施の形態6では、位置調整器により、第2照明器における照射光の光軸と虹彩撮像手段の光軸とのなす角を調整する。これに代えて、照射光の光軸と虹彩撮像手段の光軸とのなす角が互いに異なる複数の第2照明器を設置するようにしても良い。このようにする場合、複数の第2照明器のうち、照射光の光軸と虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、測距センサにより計測された距離に応じて決まる所定の角度に最も近いものにより対象者に光を照射させる。
【0066】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
対象者の虹彩を撮像するための虹彩撮像手段と、
前記対象者に光を照射するためのものである第1照射手段と、
前記対象者に光を照射するためのもので照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、前記第1照射手段における照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角よりも大きい第2照射手段と、を備える、撮像システム。
(付記2)
前記対象者が眼鏡等を着用しているか否かを判定し、当該判定の結果に基づいて、前記第1照射手段と前記第2照射手段の動作制御を行う制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記対象者が眼鏡等を着用していないと判定された場合には、前記第1照射手段から光が照射されるように前記第1照射手段を動作させ、
前記対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合には、前記第2照射手段から光が照射されるように前記第2照射手段を動作させる、付記1に記載の撮像システム。
(付記3)
前記対象者を誘導するための誘導手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記対象者が眼鏡等を着用していないと判定された場合には、前記対象者が前記第1照射手段の照射範囲と前記虹彩撮像手段の撮像範囲との重複範囲に誘導されるように前記誘導手段を動作させ、
前記対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合には、前記対象者が前記第2照射手段の照射範囲と前記虹彩撮像手段の撮像範囲との重複範囲に誘導されるように前記誘導手段を動作させる、付記2に記載の撮像システム。
(付記4)
前記第2照射手段は、前記対象者の左目の虹彩を撮像するのに適する位置に配置された左目照射手段と、前記対象者の右目の虹彩を撮像するのに適する位置に配置された右目照射手段と、を有する、付記1に記載の撮像システム。
(付記5)
前記対象者の顔と前記虹彩撮像手段との距離を計測する測距手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合には、前記測距手段により計測された前記距離が前記第2照射手段における照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角に応じて決まる所定の長さとなるような位置に前記対象者が誘導されるように前記誘導手段を動作させる、付記3に記載の撮像システム。
(付記6)
前記対象者の顔と前記虹彩撮像手段との距離を計測する測距手段と、
前記第2照射手段の位置を調整する位置調整手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記第2照射手段における照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、前記測距手段により計測された前記距離に応じて決まる所定の角度になるように前記位置調整手段を動作させる、付記2に記載の撮像システム。
(付記7)
対象者が眼鏡等を着用しているか否かを判定するステップと、
前記対象者が眼鏡等を着用していないと判定された場合には、第1照射手段から前記対象者に光を照射させるステップと、
前記対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合には、照射光の光軸と前記対象者の虹彩を撮像するための虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、前記第1照射手段における照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角よりも大きい第2照射手段から前記対象者に光を照射させるステップと、を有する撮像方法。
(付記8)
対象者が眼鏡等を着用しているか否かを判定するステップと、
前記対象者が眼鏡等を着用していないと判定された場合には、第1照射手段から前記対象者に光を照射させるステップと、
前記対象者が眼鏡等を着用していると判定された場合には、照射光の光軸と前記対象者の虹彩を撮像するための虹彩撮像手段の光軸とのなす角が、前記第1照射手段における照射光の光軸と前記虹彩撮像手段の光軸とのなす角よりも大きい第2照射手段から前記対象者に光を照射させるステップと、をコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0067】
1、101 虹彩撮像器
2a、102a 第1照明器
2b、102b、202b 第2照明器
5、105、305、705 制御器
10、110、210、310、410、510、610、710 撮像システム
103、503、603 誘導器
202bA 左目照明器
202bB 右目照明器
503a、603a ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20