(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】サーバ装置、センサ装置、及びデータ表示方法
(51)【国際特許分類】
H04W 16/18 20090101AFI20240305BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20240305BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20240305BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240305BHJP
【FI】
H04W16/18 110
H04W4/38
H04W64/00 110
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2022526609
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2021019962
(87)【国際公開番号】W WO2021241627
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】P 2020093936
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】井上 高道
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-106611(JP,A)
【文献】特開2014-099772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04B 7/24- 7/26
H04M 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00- 7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線端末から送信されたパケットを収集した複数のセンサ装置から、前記センサ装置が設置されたエリアの所定期間における無線品質を示す無線品質情報であって、前記パケットに基づいて定まる前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報が付与されたセンサ情報を受信する通信手段と、
受信した複数のセンサ情報に、複数のエリア識別情報が含まれる場合、前記無線品質情報に基づいて複数の前記エリア識別情報から第1のエリア識別情報を選択する選択手段と、
前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記無線品質情報に関連する情報を表示する表示手段と、を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記通信手段は、
それぞれのセンサ装置へ、前記センサ装置が設置されたエリアを識別する前記エリア識別情報を送信する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記エリアは、
基地局、もしくは無線LAN(Local Area Network)通信を行うアクセスポイントが形成する通信エリアを含む、請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記エリアは、
前記アクセスポイントが有するSSIDによって識別される、請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記選択手段は、
前記エリア毎に前記無線品質の平均値を算出し、前記無線品質の平均値が最も良好である前記エリアを示すエリア識別情報を前記第1のエリア識別情報として選択する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記無線品質情報として前記センサ装置における前記パケットの受信信号強度を用いて、前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記第1の無線端末の位置を推定する位置推定手段をさらに備える、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記無線品質情報として前記センサ装置における前記パケットの受信信号強度を用いて、前記エリア毎に前記第1の無線端末の位置を推定する位置推定手段をさらに備え、
前記表示手段は、
前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記第1の無線端末の位置を表示する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
エリア内において第1の無線端末から送信されたパケットを収集する収集手段と、
前記パケットに基づいて定まる所定期間における無線品質情報を生成する生成手段と、
前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報を付与するエリア情報付与手段と、
前記無線品質情報に前記エリア識別情報が付与されたセンサ情報を、ネットワークを介してサーバ装置へ送信する通信手段と、を備えるセンサ装置。
【請求項9】
前記通信手段は、
前記サーバ装置から、前記センサ装置が配置された前記エリアを識別する前記エリア識別情報を受信する、請求項8に記載のセンサ装置。
【請求項10】
第1の無線端末から送信されたパケットを収集した複数のセンサ装置のそれぞれから、前記センサ装置が設置されたエリアの所定期間における無線品質を示す無線品質情報であって、前記パケットに基づいて定まる前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報が付与されたセンサ情報を受信し、
受信した複数のセンサ情報に、複数のエリア識別情報が含まれる場合、前記無線品質情報に基づいて複数の前記エリア識別情報から第1のエリア識別情報を選択し、
前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記無線品質情報に関連する情報を表示する、データ表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はサーバ装置、センサ装置、可視化システム、及びデータ表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウドサーバが、無線通信システム内の通信品質を管理することによって、無線通信システムの品質を維持もしくは向上させることが行われている。クラウドサーバは、無線通信システム内の無線通信端末から、通信品質に関する情報を取得する。さらに、クラウドサーバが、取得した情報をディスプレイ等の表示部へ表示させることによって、管理者は、無線通信システムの通信品質を容易に把握することができる。
【0003】
特許文献1には、無線センサノードが検出した情報、例えば、温度、をディレクトリサーバに格納させるシステムの構成が開示されている。特許文献1においては、無線センサノードの位置情報として、無線センサノードが接続している基地局の情報が用いられ、ディレクトリサーバには、無線センサノードの位置と、無線センサノードが検出した情報とが関連付けて格納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているシステムにおいては、無線センサノードは、基地局が形成する通信エリアの境界に位置している場合、監視すべき通信エリアに隣接する通信エリア内の環境を示す情報を取得もしくは測定する可能性がある。このような場合であっても、無線センサノードの位置情報は、現在接続している基地局の情報が用いられる。そのため、特許文献1に開示されているシステムにおいては、無線センサノードが取得した情報は、ディレクトリサーバにおいて関連付けられた位置情報が示すエリアに関する情報とは異なる可能性があるという問題がある。
【0006】
本開示の目的は、複数のエリアに関する情報を混在させることなく処理することができるサーバ装置、センサ装置、可視化システム、及びデータ表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様にかかるサーバ装置は、第1の無線端末から送信されたパケットを収集した複数のセンサ装置から、前記センサ装置が設置されたエリアの所定期間における無線品質を示す無線品質情報であって、前記パケットに基づいて定まる前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報が付与されたセンサ情報を受信する通信部と、受信した複数のセンサ情報に、複数のエリア識別情報が含まれる場合、前記無線品質情報に基づいて複数の前記エリア識別情報から第1のエリア識別情報を選択する選択部と、前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記無線品質情報に関連する情報を表示する表示部と、を備える。
【0008】
本開示の第2の態様にかかるセンサ装置は、エリア内において第1の無線端末から送信されたパケットを収集する収集部と、前記パケットに基づいて定まる所定期間における無線品質情報を生成する生成部と、前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報を付与するエリア情報付与部と、前記無線品質情報に前記エリア識別情報が付与されたセンサ情報を、ネットワークを介してサーバ装置へ送信する通信部と、を備える。
【0009】
本開示の第3の態様にかかる可視化システムは、エリア内において第1の無線端末から送信されたパケットに基づいて定まる所定期間における無線品質情報に、前記エリアを識別するエリア識別情報が付与されたセンサ情報を送信するセンサ装置と、前記第1の無線端末から送信されたパケットを収集した複数の前記センサ装置のそれぞれから、前記センサ情報を受信し、受信した複数のセンサ情報に、複数のエリア識別情報が含まれる場合、前記無線品質情報に基づいて複数の前記エリア識別情報から第1のエリア識別情報を選択し、前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記無線品質情報に関連する情報を表示するサーバ装置と、を備える。
【0010】
本開示の第4の態様にかかるデータ表示方法は、第1の無線端末から送信されたパケットを収集した複数のセンサ装置のそれぞれから、前記センサ装置が設置されたエリアの所定期間における無線品質を示す無線品質情報であって、前記パケットに基づいて定まる前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報が付与されたセンサ情報を受信し、受信した複数のセンサ情報に、複数のエリア識別情報が含まれる場合、前記無線品質情報に基づいて複数の前記エリア識別情報から第1のエリア識別情報を選択し、前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記無線品質情報に関連する情報を表示する。
【0011】
本開示の第5の態様にかかるデータ送信方法は、エリア内において第1の無線端末から送信されたパケットを収集し、前記パケットに基づいて定まる所定期間における無線品質情報を生成し、前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報を付与し、前記無線品質情報に前記エリア識別情報が付与されたセンサ情報を、ネットワークを介してサーバ装置へ送信する。
【0012】
本開示の第6の態様にかかるプログラムは、第1の無線端末から送信されたパケットを収集した複数のセンサ装置のそれぞれから、前記センサ装置が設置されたエリアの所定期間における無線品質を示す無線品質情報であって、前記パケットに基づいて定まる前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報が付与されたセンサ情報を受信し、受信した複数のセンサ情報に、複数のエリア識別情報が含まれる場合、前記無線品質情報に基づいて複数の前記エリア識別情報から第1のエリア識別情報を選択し、前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記無線品質情報に関連する情報を表示することをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本開示により、複数のエリアに関する情報を混在させることなく処理することができるサーバ装置、センサ装置、可視化システム、及びデータ表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1にかかるサーバ装置の構成図である。
【
図2】実施の形態2にかかる可視化システムの構成図である。
【
図3】実施の形態2にかかる無線センサの構成図である。
【
図4】実施の形態2にかかるクラウドサーバの構成図である。
【
図5】実施の形態2にかかる無線センサにおける無線品質情報の送信処理の流れを示す図である。
【
図6】実施の形態2にかかるクラウドサーバにおける設定情報の変更処理の流れを示す図である。
【
図7】実施の形態2にかかるクラウドサーバにおける位置情報の推定処理の流れを示す図である。
【
図8】それぞれの実施の形態にかかるセンサ装置、無線センサ、及びクラウドサーバの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。
図1を用いて実施の形態1にかかるサーバ装置10の構成例について説明する。サーバ装置10は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。
【0016】
サーバ装置10は、通信部11、選択部12、及び表示部13を有している。通信部11、選択部12、及び表示部13は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、通信部11、選択部12、及び表示部13は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0017】
通信部11は、無線品質情報にエリアを識別するエリア識別情報が付与されたセンサ情報を受信する。無線品質情報は、第1の無線端末から送信されたパケットを収集した複数のセンサ装置から、センサ装置が設置されたエリアの所定期間における無線品質を示す情報である。無線品質情報は、センサ装置が収集したパケットに基づいて定まる。つまり、通信部11は、第1の無線端末に関するパケットに基づいて定められた無線品質情報を含むセンサ情報を、複数のセンサ装置から受信する。
【0018】
センサ装置がパケットを収集するとは、パケットをキャプチャすると言い換えられてもよい。
【0019】
パケットは、送信フレームもしくはデータ等と称されてもよい。エリアは、建物の1つのフロア内に複数設けられてもよく、建物のフロアごとに設けられてもよい。また、エリアは、無線装置が形成する無線エリア毎に形成されてもよく、複数の無線エリアを含むように形成されてもよい。無線エリアは、例えば、基地局と無線端末との間においてパケットが伝送される無線区間を含む通信エリアであってもよい。基地局は、例えば、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格をサポートする装置であってもよく、3GPP(3rd Generation Partnership Project)において規定される他の通信規格をサポートする装置であってもよい。または、無線エリアは、無線LAN(Local Area Network)に用いられるAP(Access Point)と無線端末との間においてパケットが伝送される無線区間を含む通信エリアであってもよい。また、無線エリアは、LPWA(Low Power Wide Area)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、5G、及びローカル 5G等が用いられるエリアであってもよい。
【0020】
無線エリア内において伝送されるパケットは、例えば、無線端末と、基地局もしくはAPとの間において伝送されるパケットであってもよい。パケットは、画像データもしくは動画データ等のユーザデータであってもよく、制御データであってもよい。ユーザデータは、例えば、データフレームと称されてもよく、制御データは、マネージメントフレームもしくはコントロールフレームと称されてもよい。
【0021】
無線品質情報は、信号強度を示すデータ、送信パケット数、再送パケットの数、スループット、送信レート、MCS、Busy time等であってもよい。信号強度を示すデータは、RSSI(Received Signal Strength Indicator)と称されてもよい。無線品質を示すそれぞれのデータは、基地局もしくはAP等と通信する無線端末毎に生成されてもよく、複数の無線端末の合計値もしくは平均値であってもよい。
【0022】
選択部12は、受信した複数のセンサ情報に、複数のエリア識別情報が含まれる場合、前記無線品質情報に基づいて複数の前記エリア識別情報から第1のエリア識別情報を選択する。エリア識別情報は、建物のフロアの名称、フロア内の特定の位置を示す名称等であってもよい。もしくは、エリア識別情報は、無線エリアを示す情報であってもよい。無線エリアを示す情報は、例えば、基地局を識別する情報であってもよく、APを識別する情報であってもよい。APを識別する情報は、SSID(Service Set Identifier)もしくはBSSID(Basic Service Set Identifier)が用いられてもよい。
【0023】
複数のエリア識別情報が含まれる事象は、異なる場所に設置された複数のセンサ装置が、第1の無線端末から送信されたパケットを収集した場合に起こりえる。例えば、エリアがフロアごとに分かれている場合に、無線センサ装置は、設置されたフロアと異なるフロアにおいて用いられている第1の無線端末から送信されたパケットをキャプチャすることもある。もしくは、第1の無線端末は、特定のAPもしくは基地局等にパケットを送信するが、他のAPもしくは基地局等が形成する無線エリアに設置されたセンサ装置においても、第1の無線端末が送信したパケットをキャプチャすることが可能である。
【0024】
選択部12は、例えば、無線品質が良好な状態を示す無線品質情報と関連付けられたエリア識別情報を選択してもよい。例えば、第1の無線端末が存在するエリア内に設置されたセンサ装置が、第1の無線端末に最も近い位置にあることが推定される。このような場合、第1の無線端末に最も近いセンサ装置が第1の無線端末から受信するパケットの信号強度は、他のセンサ装置が受信するパケットの信号強度よりも大きいことが推定される。そのため、最も高い信号強度を示す無線品質情報に関連付けられたエリア識別情報が、第1の無線端末が存在するエリアを示すと推定することができる。もしくは、予め定められた基準よりも高い信号強度を示す無線品質情報に関連付けられたエリア識別情報が、第1の無線端末が存在するエリアを示すと推定してもよい。もしくは、エリア毎に第1の無線端末から送信されたパケットの信号強度の平均値を算出し、平均値が最も高いエリアが第1の無線端末が存在するエリアと推定してもよい。
【0025】
表示部13は、第1のエリア識別情報が示すエリアにおける無線品質情報に関連する情報を表示する。無線品質情報に関連する情報とは、無線品質情報から特定もしくは推定される情報であってもよい。無線品質情報に関連する情報は、例えば、信号強度に基づいて推定される第1の無線端末の位置情報であってもよい。表示部13は、無線品質情報を表示してもよい。
【0026】
以上説明したように、サーバ装置10は、第1の無線端末に関するパケットに基づいて生成された無線品質情報に関連付けられたエリア識別情報が複数存在する場合であっても、無線品質情報に基づいて、エリア識別情報を選択する。これより、第1の無線端末が存在するエリアを推定することができる。その結果、表示部13は、第1の無線端末に関するパケットに基づいて生成された無線品質情報に関連する情報を、適切なエリアにおける情報として表示することができる。
【0027】
(実施の形態2)
続いて、
図2を用いて実施の形態2にかかる可視化システムの構成例について説明する。可視化システムは、クラウドサーバ700が複数の無線センサから取得した情報を用いて、エリアの品質状況等を可視化するシステムである。
【0028】
図2の可視化システムは、AP(Access Point:アクセスポイント)200~202、AP210~212、無線センサ100~101、無線センサ110~111、無線LAN端末300~302、及び無線LAN端末310~312を有している。さらに、
図2の可視化システムは、基地局400、コアネットワーク500、インターネット600、及びクラウドサーバ700を有している。クラウドサーバ700は、
図1のサーバ装置10に相当する。無線センサ100~101及び無線センサ110~111は、実施の形態1にかかるセンサ装置に相当する。
【0029】
無線LAN端末300~303は、エリア#0に設置されているAP200~202と通信を行う。また、無線センサ100~101は、エリア#0に設置されている。言い換えると、AP200~202は、エリア#0内に設置され、無線LAN子機である無線LAN端末300~302は、AP200~202のいずれかを無線LAN親機として無線LAN通信を行う。また、無線センサ100及び無線センサ101は、エリア#0内において送受信されるパケットをキャプチャする。また、無線センサ100及び無線センサ101は、無線LAN通信を行うことができる範囲が、エリア#0及びエリア#1にまたがっている場合、エリア#1内において送受信されるパケットもキャプチャする。
【0030】
無線LAN端末310~312は、エリア#1に設置されているAP201~212と通信を行う。また、無線センサ110~111は、エリア#1に設置されている。また、無線センサ110及び無線センサ111は、エリア#1内において送受信されるパケットをキャプチャする。また、無線センサ110及び無線センサ111は、無線LAN通信を行うことができる範囲が、エリア#0及びエリア#1にまたがっている場合、エリア#0内において送受信されるパケットもキャプチャする。
【0031】
無線LAN端末300~302及び無線LAN端末310~312は、エリア#0とエリア#1との間を移動する。例えば、無線LAN端末300~302は、AP200~202のいずれかに接続している際に、エリア#1に移動し、AP210~21のいずれかに接続してもよい。この場合、無線LAN端末300~302は、AP200~202との接続を解消する。
【0032】
ここで、無線センサ110及び無線センサ111は、エリア#1に設置された無線センサであるが、エリア#0に属している無線LAN端末300~302が送受信するパケットをキャプチャする場合もある。例えば、無線センサ110及び111は、エリア#1内の無線LAN通信において用いられる周波数帯域、及び周波数チャネル等を用いることにより、エリア#1内において送受信されるパケットをキャプチャすることができる。さらに、無線センサ110及び111は、エリア#0内の無線LAN通信において用いられる周波数帯域、及び周波数チャネル等を用いることにより、エリア#0内において送受信されるパケットをキャプチャすることができる。
【0033】
無線センサ100~101及び無線センサ110~111は、基地局400、コアネットワーク500、及びインターネット600を介してクラウドサーバ700と双方向の通信を行う。基地局400は、例えば、無線通信規格として、LTE、5G、もしくはローカル5Gをサポートしていてもよい。基地局400は、無線センサ100~101及び無線センサ110~111との間においてLTE回線、5G回線、もしくはローカル5G回線を設定し、データ通信を行う。また、無線センサ100~101及び無線センサ110~111は、は、有線回線もしくはイーサネット(登録商標)を介してインターネット600と通信を行ってもよい。また、クラウドサーバ700は、特定の企業内等において構築されるイントラネット内に配置されてもよい。
【0034】
図2においては、可視化システム内に2つのエリアが存在する構成が示されているが、エリアの数は2つに制限されない。また、それぞれのエリアに設置されるAP、無線センサ、及び無線LAN端末の数は、
図2に示される数に制限されない。上述のように、エリアは、例えば、建物のフロアごとに設けられていても良い。
図2の例では、例えば、エリア#0は1階、エリア#1は2階となる。
【0035】
続いて、
図3を用いて実施の形態2にかかる無線センサ100の構成例について説明する。無線センサ101、無線センサ110、及び無線センサ111は、無線センサ100と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。
【0036】
無線センサ100は、通信部121、収集部122、生成部123、及びエリア情報付与部124を有している。通信部121、収集部122、生成部123、及びエリア情報付与部124は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、通信部121、収集部122、生成部123、及びエリア情報付与部124は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0037】
通信部121は、基地局400と通信を行う。通信部121は、例えば、3GPPにおいて既定された無線通信規格を用いて基地局400と通信を行う。具体的には、通信部121は、LTEを用いて、基地局400と通信を行ってもよい。通信部121は、基地局400との無線通信の周波数に対応したアンテナ、変調器、及び復調器から構成されてもよい。
【0038】
通信部121は、基地局400、コアネットワーク500、及びインターネット600を介して、クラウドサーバ700から、パケットの収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報を取得する。パケットの収集条件は、パケットのキャプチャ条件と称されてもよい。通信部121は、収集条件を収集部122へ出力し、抽出条件を生成部123へ出力し、エリア識別情報をエリア情報付与部124へ出力する。通信部121は、定期的に収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報をクラウドサーバ700から受信してもよく、変更のあった収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報を、不定期に受信してもよい。また、通信部121は、無線センサ100が起動された際に、収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報を、クラウドサーバ700から取得してもよい。収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報は、クラウドサーバ700において設定される。
【0039】
収集部122は、収集条件に従って、無線センサ100が通信可能な範囲において伝送されるパケットをキャプチャする。無線センサ100が通信可能な範囲は、無線センサ100が設置されたエリアとは異なる。つまり、無線センサ100は、通信可能な範囲が複数のエリアにまたがる場合、設置されたエリアと異なるエリアにおいて伝送されるパケットもキャプチャすることができる。収集条件は、例えば、周波数帯域、周波数チャネル、収集時間、収集周期、バイト数等であってもよい。収集条件は、周波数帯域、周波数チャネル、収集時間、収集周期、バイト数等のうちの1つであってもよく、2つ以上が組み合わされてもよい。
【0040】
収集部122は、AP200~202及びAP210~212との無線LAN通信の周波数に対応したアンテナ、変調器、及び復調器から構成されてもよい。
【0041】
周波数チャネルが2つ設定された場合、収集部122は、2つの、アンテナ、変調器、及び復調器を用いて同時に異なる周波数チャネルのパケットをキャプチャしてもよい。もしくは、周波数チャネルが2つ設定された場合、収集部122は、1つの、アンテナ、変調器、及び復調器を用いて所定の時間ごとに周波数チャネルを切り替えて、異なる周波数チャネルのパケットをキャプチャしてもよい。
【0042】
生成部123は、収集部122においてキャプチャされたパケットの中から、抽出条件に従って、パケットを抽出する。パケットを抽出するとは、パケットを選択すると言い換えられてもよい。抽出条件は、例えば、パケットの送信先BSSID(Basic Service Set Identifier)もしくは送信元のBSSIDであってもよい。BSSIDには、例えば、AP200のMAC(Media Access Control)アドレスが設定されてもよい。また、抽出条件は、パケットの送信先IPアドレスもしくは送信元IPアドレスであってもよい。また、抽出条件は、パケットの送信先MACアドレスもしくは送信元MACアドレスであってもよい。つまり、生成部123は、キャプチャされたパケットの中から、特定の無線LAN端末、例えば、無線LAN端末300から送信されたパケットを抽出してもよい。または、生成部123は、エリア#0におけるAP200~202に送信されるすべてのパケットを抽出してもよい。生成部123は、複数の無線LAN端末のアドレスを抽出条件として指定してもよい。また、抽出条件には、キャプチャ対象のパケットに関するIPアドレスもしくはMACアドレスが指定されてもよく、キャプチャ対象外のパケットに関するIPアドレスもしくはMACアドレスが指定されてもよい。
【0043】
さらに、生成部123は、抽出したパケットから観測もしくは測定される無線品質情報を生成する。例えば、生成部123は、抽出したパケットから観測されるRSSIデータを生成してもよい。RSSIは、無線LAN端末又はAPが受信したパケットのRSSIではなく、無線センサ100が受信したパケットのRSSIである。
【0044】
もしくは、生成部123は、所定期間内に無線LAN端末300から送信されたパケットの数及びパケットのデータ長等を用いて、無線LAN端末300が送信するパケットのスループットデータ、送信レートデータを生成してもよい。もしくは、生成部123は、パケットのヘッダ部を解析することによって、再送パケットであるか否かを特定し、再送パケットの数を示すデータを生成してもよい。もしくは、生成部123は、AP200と無線LAN端末との間の最大の回線速度と、無線LAN端末300のスループットデータとを用いて、無線LAN端末300の帯域占有率に関するデータを生成してもよい。もしくは、生成部123は、受信したパケットの総数と、再送パケットの数とを用いて、パケットの再送率に関するデータを生成してもよい。パケットの再送率は、無線LAN端末毎に生成されてもよく、無線LANシステム210全体のデータとして生成されてもよい。
【0045】
エリア情報付与部124は、生成部123において生成された無線品質情報にエリア識別情報を付与する。エリア識別情報は、無線センサ100が設置されているエリア#0を識別する情報である。例えば、エリア識別情報は、1階もしくは2階等のフロアを示す情報であってもよい。もしくは、エリア識別情報は、フロア内の会議室等の部屋を識別する情報であってもよい。通信部121は、無線品質情報にエリア識別情報が付与されたセンサ情報を、基地局400、コアネットワーク500、及びインターネット600を介してクラウドサーバ700へ送信する。
【0046】
続いて、
図4を用いて実施の形態2にかかるクラウドサーバ700の構成例について説明する。クラウドサーバ700は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。また、クラウドサーバ700は、データベースを記憶するメモリを内蔵してもよく、データベースサーバ装置とネットワークもしくはケーブル等を介して接続してもよい。クラウドサーバ700は、データベースに、無線センサ100~101及び無線センサ110~111から受信したデータを保存する。
【0047】
クラウドサーバ700は、通信部701、選択部702、表示部703、位置推定部704、データ記憶部705、及び条件決定部706を有している。通信部701、選択部702、表示部703、位置推定部704、データ記憶部705、及び条件決定部706は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、通信部701、選択部702、表示部703、位置推定部704、データ記憶部705、及び条件決定部706は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0048】
条件決定部706は、表示部703に、パケットの収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報の設定に関する情報を表示させる。クラウドサーバ700の管理者は、表示部703に表示された情報を確認し、パケットの収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報を入力してもよい。表示部703には、例えば、パケットの収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報として選択可能なパラメータ情報が表示されてもよい。また、管理者は、表示部703に表示された情報に基づいて、エリア識別情報と、無線センサの識別情報とを関連付けた情報を入力する。例えば、無線センサ100及び101が、エリア#0を示すエリア識別情報に関連付けられ、無線センサ110及び111が、エリア#1を示すエリア識別情報に関連付けられる。無線センサの識別情報は、無線センサを識別するための名称を示す情報であってもよく、IPアドレスもしくはMACアドレス等のアドレス情報であってもよい。
【0049】
条件決定部706は、入力された情報に従って定められたパケットの収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報を、通信部701を介してデータ記憶部705へ保存する。また、通信部701は、条件決定部706から出力された収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報を、インターネット600、コアネットワーク500、及び基地局400を介して無線センサ100及び101と、無線センサ110及び111へ送信する。条件決定部706は、無線センサ毎に異なる収集条件、抽出条件、もしくはエリア識別情報を定めてもよい。
【0050】
条件決定部706は、収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報が変更された場合、収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報が変更されたことを示す変更通知をそれぞれの無線センサへ送信してもよい。この場合、変更通知を受信した無線センサは、クラウドサーバ700へアクセスし、変更後の収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報を取得する。もしくは、条件決定部706は、変更通知を送信することなく、変更された情報を無線センサへ送信してもよい。もしくは、条件決定部706は、定期的に、収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報をそれぞれの無線センサへ送信してもよい。また、条件決定部706は、変更後の収集条件、抽出条件、もしくはエリア識別情報を、通信部701を介してデータ記憶部705へ出力する。データ記憶部705は、受け取った、変更後の収集条件、抽出条件、もしくはエリア識別情報を記憶する。
【0051】
また、通信部701は、無線センサ100及び101と、無線センサ110及び111とから無線品質情報を受信する。通信部701は、受信した無線品質情報を、データ記憶部705へ保存する。表示部703は、データ記憶部705に保存されたデータを表示用データに加工し、表示する。
【0052】
続いて、
図5を用いて実施の形態2にかかる無線センサ100における無線品質情報の送信処理の流れについて説明する。はじめに、通信部121は、クラウドサーバ700から設定情報を受信する(S101)。設定情報は、収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報のうち少なくとも1つを含む。例えば、通信部121は、新たに設定された収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報を受信してもよく、変更された、収集条件、抽出条件、もしくはエリア識別情報を受信してもよい。
【0053】
次に、収集部122は、収集条件に従ってキャプチャすることが可能なパケットをキャプチャする(S102)。例えば、収集部122は、エリア#0において送受信されるパケットのみではなく、エリア#1において送受信されるパケットもキャプチャする可能性がある。次に、生成部123は、抽出条件に従って、抽出したパケットから観測される無線品質情報を生成する(S103)。例えば、生成部123は、キャプチャされたパケットから、無線LAN端末300に関するパケットのみを抽出してもよい。もしくは、生成部123は、エリア#1のAPと通信する無線LAN端末に関するパケットを抽出してもよい。
【0054】
次に、エリア情報付与部124は、生成されたそれぞれの無線品質情報にエリア識別情報を付与したセンサ情報を生成する(S104)。例えば、エリア情報付与部124は、エリア#0を示すエリア識別情報を無線品質情報に付与する。
【0055】
次に、通信部121は、エリア情報付与部124において無線品質情報にエリア情報が付与されたセンサ情報をクラウドサーバ700へ送信する(S105)。
【0056】
次に、通信部121は、クラウドサーバ700から設定情報の変更通知を受けたか否かを判定する(S106)。通信部121が設定情報の変更通知を受けた場合、ステップS101以降の処理が繰り返される。通信部121が設定情報の変更通知を受けていない場合、ステップS102以降の処理が繰り返される。
【0057】
続いて、
図6を用いて、実施の形態2にかかるクラウドサーバ700における設定情報の変更処理の流れについて説明する。はじめに、条件決定部706は、表示部703に収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報の設定に関する情報を表示し、管理者から収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報の設定を受け付ける(S201)。次に、条件決定部706は、管理者から入力された情報に従って収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報を生成する(S202)。
【0058】
次に、条件決定部706は、生成した収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報を、データ記憶部705へ保存する(S203)。例えば、条件決定部706は、通信部701を介して収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報をデータ記憶部705へ出力する。また、通信部701は、収集条件、抽出条件、及びエリア識別情報を、インターネット600、コアネットワーク500、基地局400、AP200~202及びAP210~212を介して、無線センサ100~101及び無線センサ110~111へ送信する。
【0059】
次に、条件決定部706は、管理者等から新たな情報が入力されたことによって、収集条件、抽出条件、もしくはエリア識別情報が変更された場合、無線センサ100~101及び無線センサ110~111へ、変更通知を送信する(S204)。その後、条件決定部706は、無線センサ100~101及び無線センサ110~111からの要求に応じて変更後の収集条件、抽出条件、もしくはエリア識別情報を、通信部701を介して無線センサ100~101及び無線センサ110~111へ送信する。もしくは、条件決定部706は、変更通知を送信することなく、変更後の収集条件、抽出条件、もしくはエリア識別情報を、通信部701を介して無線センサ100~101及び無線センサ110~111へ送信してもよい。
【0060】
続いて、
図7を用いて実施の形態2にかかるクラウドサーバ700における位置情報推定処理の流れについて説明する。はじめに、選択部702は、通信部701を介してデータ記憶部705から、位置を推定する対象である無線LAN端末300に関する複数のRSSIデータを参照する(S301)。選択部702は、データ記憶部705に保存されている、RSSIデータを参照する。無線LAN端末300に関するRSSIデータは、無線LAN端末300から送信されたパケットに基づいて観測されたRSSIの値を示すデータである。
【0061】
次に、選択部702は、参照した複数のRSSIデータに付与されたエリア識別情報が、複数のエリア識別情報を含むか否かを判定する(S302)。例えば、選択部702は、エリア#0が付与されたRSSIデータと、エリア#1が付与されたRSSIデータとが混在するか否かを判定する。
【0062】
選択部702は、複数のエリア識別情報を含むと判定した場合、エリア#0のRSSIの平均値がエリア#1のRSSIの平均値を上回っているか否かを判定する(S303)。エリア#0のRSSIの平均値とは、エリア#0が付与されたRSSIデータが示す値の平均値である。
【0063】
選択部702においてエリア#0のRSSIの平均値がエリア#1のRSSIの平均値を上回っていると判定された場合、位置推定部704は、エリア#0のRSSIデータを使用して無線LAN端末300の位置を推定する(S304)。例えば、位置推定部704が実行する位置推定方式は、各無線センサで観測されたRSSIの強度と電波のパスロスモデルを使用して、各無線センサに対する相対的な位置を推定する三点測位アルゴリズムなどが使用されてもよい。無線LAN端末300の位置は、例えば、XY座標系を用いて示される位置であってもよい。
【0064】
次に、位置推定部704は、無線LAN端末300の位置情報にエリア#0の識別情報を付与して、通信部701を介してデータ記憶部705へ保存する(S305)。位置推定部704がエリア識別情報が付与された位置情報をデータ記憶部705へ保存した後、ステップS301以降の処理が繰り返される。
【0065】
ステップS302において、選択部702は、複数のエリア識別情報を含まないと判定した場合、RSSIデータに付与されたエリア識別情報がエリア#0であるか否かを判定する(S306)。選択部702においてRSSIデータに付与されたエリア識別情報がエリア#1であることを示す場合、位置推定部704は、エリア#1のRSSIデータを使用して無線LAN端末300の位置を推定する(S307)。
【0066】
次に、位置推定部704は、無線LAN端末300の位置情報にエリア#1の識別情報を付与して、通信部701を介してデータ記憶部705へ保存する(S308)。位置推定部704がエリア識別情報が付与された位置情報をデータ記憶部705へ保存した後、ステップS301以降の処理が繰り返される。
【0067】
ステップS303において、選択部702においてエリア#0のRSSIの平均値がエリア#1のRSSIの平均値を上回っていないと判定された場合、ステップS307以降の処理が行われる。また、ステップS306において、選択部702が、RSSIデータに付与されたエリア識別情報がエリア#1であることを示すと判定した場合、ステップS304以降の処理が行われる。
【0068】
以上説明したように、実施の形態2にかかる可視化システムにおいて、クラウドサーバ700は、複数のエリアが混在する無線LAN端末300に関するRSSIデータが存在する場合に、エリアを選択して無線LAN端末300の位置を推定することができる。言い換えると、クラウドサーバ700は、無線LAN端末300の位置を推定するためのエリアを選択することができる。
【0069】
例えば、無線LAN端末300が、エリア#0とエリア#1との間を移動する場合であっても、クラウドサーバ700は、無線LAN端末300がどのエリアに位置するかを推定することができる。その結果、クラウドサーバ700は、例えば、表示部703に、無線LAN端末300が存在するエリアを適切に表示することができる。
【0070】
図2においては、エリアが複数の階層エリアとなっている例について説明したが、同一階層に複数のエリアがあってもよく、エリア同士が離れた位置に存在してもよい。
【0071】
また、実施の形態2においては、複数エリアのRSSIデータが混在する場合に、RSSIの平均値が上回っているエリアのRSSIを使用して位置を推定する処理について説明した。これに対して、複数エリアのRSSIデータが混在する場合、それぞれのエリアにおいてRSSIを使用して無線LAN端末300の位置を推定し、位置を推定する際に用いたエリア毎のRSSIの平均値を比較してもよい。この場合、位置推定部704は、RSSIの平均値が上回っているエリアを、無線LAN端末300の存在するエリアとして推定してもよい。
【0072】
図8は、サーバ装置10、無線センサ100、及びクラウドサーバ700(以下、サーバ装置10等と称する)の構成例を示すブロック図である。
図8を参照すると、サーバ装置10等は、ネットワークインタフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワークインタフェース1201は、ネットワークノード(e.g., eNB、MME、P-GW、)と通信するために使用される。ネットワークインタフェース1201は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。ここで、eNBはevolved Node B、MMEはMobility Management Entity、P-GWはPacket Data Network Gatewayを表す。IEEEは、Institute of Electrical and Electronics Engineersを表す。
【0073】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明されたサーバ装置10等の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0074】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/O(Input/Output)インタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0075】
図8の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明されたサーバ装置10等の処理を行うことができる。
【0076】
図8を用いて説明したように、上述の実施形態におけるサーバ装置10等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
【0077】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0078】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0079】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0080】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0081】
(付記1)
第1の無線端末から送信されたパケットを収集した複数のセンサ装置から、前記センサ装置が設置されたエリアの所定期間における無線品質を示す無線品質情報であって、前記パケットに基づいて定まる前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報が付与されたセンサ情報を受信する通信部と、
受信した複数のセンサ情報に、複数のエリア識別情報が含まれる場合、前記無線品質情報に基づいて複数の前記エリア識別情報から第1のエリア識別情報を選択する選択部と、
前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記無線品質情報に関連する情報を表示する表示部と、を備えるサーバ装置。
(付記2)
前記通信部は、
それぞれのセンサ装置へ、前記センサ装置が設置されたエリアを識別する前記エリア識別情報を送信する、付記1に記載のサーバ装置。
(付記3)
無線エリアは、
基地局、もしくは無線LAN(Local Area Network)通信を行うアクセスポイントが形成する通信エリアを含む、付記1又は2に記載のサーバ装置。
(付記4)
無線エリアは、
前記アクセスポイントが有するSSIDによって識別される、付記3に記載のサーバ装置。
(付記5)
前記選択部は、
前記エリア毎に前記無線品質の平均値を算出し、前記無線品質の平均値が最も良好である前記エリアを示すエリア識別情報を前記第1のエリア識別情報として選択する、付記1乃至4のいずれか1項に記載のサーバ装置。
(付記6)
前記無線品質情報として前記センサ装置における前記パケットの受信信号強度を用いて、前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記第1の無線端末の位置を推定する位置推定部をさらに備える、付記1乃至5のいずれか1項に記載のサーバ装置。
(付記7)
前記無線品質情報として前記センサ装置における前記パケットの受信信号強度を用いて、前記エリア毎に前記第1の無線端末の位置を推定する位置推定部をさらに備え、
前記表示部は、
前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記第1の無線端末の位置を表示する、付記1乃至5のいずれか1項に記載のサーバ装置。
(付記8)
エリア内において第1の無線端末から送信されたパケットを収集する収集部と、
前記パケットに基づいて定まる所定期間における無線品質情報を生成する生成部と、
前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報を付与するエリア情報付与部と、
前記無線品質情報に前記エリア識別情報が付与されたセンサ情報を、ネットワークを介してサーバ装置へ送信する通信部と、を備えるセンサ装置。
(付記9)
前記通信部は、
前記サーバ装置から、前記センサ装置が配置された前記エリアを識別する前記エリア識別情報を受信する、付記8に記載のセンサ装置。
(付記10)
エリア内において第1の無線端末から送信されたパケットに基づいて定まる所定期間における無線品質情報に、前記エリアを識別するエリア識別情報が付与されたセンサ情報を送信するセンサ装置と、
前記第1の無線端末から送信されたパケットを収集した複数の前記センサ装置のそれぞれから、前記センサ情報を受信し、受信した複数のセンサ情報に、複数のエリア識別情報が含まれる場合、前記無線品質情報に基づいて複数の前記エリア識別情報から第1のエリア識別情報を選択し、前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記無線品質情報に関連する情報を表示するサーバ装置と、を備える可視化システム。
(付記11)
前記サーバ装置は、
それぞれのセンサ装置へ、前記センサ装置が設置されたエリアを識別する前記エリア識別情報を送信する、付記10に記載の可視化システム。
(付記12)
第1の無線端末から送信されたパケットを収集した複数のセンサ装置のそれぞれから、前記センサ装置が設置されたエリアの所定期間における無線品質を示す無線品質情報であって、前記パケットに基づいて定まる前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報が付与されたセンサ情報を受信し、
受信した複数のセンサ情報に、複数のエリア識別情報が含まれる場合、前記無線品質情報に基づいて複数の前記エリア識別情報から第1のエリア識別情報を選択し、
前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記無線品質情報に関連する情報を表示する、データ表示方法。
(付記13)
エリア内において第1の無線端末から送信されたパケットを収集し、
前記パケットに基づいて定まる所定期間における無線品質情報を生成し、
前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報を付与し、
前記無線品質情報に前記エリア識別情報が付与されたセンサ情報を、ネットワークを介してサーバ装置へ送信する、データ送信方法。
(付記14)
第1の無線端末から送信されたパケットを収集した複数のセンサ装置のそれぞれから、前記センサ装置が設置されたエリアの所定期間における無線品質を示す無線品質情報であって、前記パケットに基づいて定まる前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報が付与されたセンサ情報を受信し、
受信した複数のセンサ情報に、複数のエリア識別情報が含まれる場合、前記無線品質情報に基づいて複数の前記エリア識別情報から第1のエリア識別情報を選択し、
前記第1のエリア識別情報が示す前記エリアにおける前記無線品質情報に関連する情報を表示することをコンピュータに実行させるプログラム。
(付記15)
エリア内において第1の無線端末から送信されたパケットを収集し、
前記パケットに基づいて定まる所定期間における無線品質情報を生成し、
前記無線品質情報に前記エリアを識別するエリア識別情報を付与し、
前記無線品質情報に前記エリア識別情報が付与されたセンサ情報を、ネットワークを介してサーバ装置へ送信することをコンピュータに実行させるプログラム。
【0082】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0083】
この出願は、2020年5月29日に出願された日本出願特願2020-93936を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0084】
10 サーバ装置
11 通信部
12 選択部
13 表示部
100 無線センサ
101 無線センサ
110 無線センサ
111 無線センサ
121 通信部
122 収集部
123 生成部
124 エリア情報付与部
200 AP
201 AP
202 AP
210 AP
211 AP
212 AP
300 無線LAN端末
301 無線LAN端末
302 無線LAN端末
310 無線LAN端末
311 無線LAN端末
312 無線LAN端末
400 基地局
500 コアネットワーク
600 インターネット
700 クラウドサーバ
701 通信部
702 選択部
703 表示部
704 位置推定部
705 データ記憶部
706 条件決定部