(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】口腔用本体装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20240305BHJP
A61B 1/24 20060101ALI20240305BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61B5/00 N
A61B1/24
A61B1/00 632
(21)【出願番号】P 2022532458
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(86)【国際出願番号】 JP2021020466
(87)【国際公開番号】W WO2021256222
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2020106457
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】志牟田 亨
(72)【発明者】
【氏名】檀野 圭右
(72)【発明者】
【氏名】江尻 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】江島 秀樹
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-517864(JP,A)
【文献】特開2011-92233(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0200903(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/01
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気接続部を有する口腔器具を着脱可能な口腔用本体装置であって、
本体部と、
電気接続導体を有し、且つ前記口腔器具に対する力の付与と解放を操作することによって前記口腔器具を前記本体部に対して着脱可能に取り付けるように構成された着脱操作部と、
を備え、
前記着脱操作部は、前記口腔器具に対して力を付与することによって前記電気接続部と前記電気接続導体とを電気的に接続した状態で前記口腔器具を固定して取り付け、前記口腔器具に対して付与している力を解放することによって固定を解除して前記口腔器具を取り外す、口腔用本体装置。
【請求項2】
前記着脱操作部は、
前記口腔器具を配置する配置面と、
前記配置面に対して交差する方向に力を付与する押さえ部材と、
を有する、
請求項1に記載の口腔用本体装置。
【請求項3】
前記押さえ部材は、
前記配置面側に設けられる一端と、前記一端とは反対側に設けられる他端と、を有し、
前記一端と前記他端との間に配置された回転軸を中心にして回転可能に構成されている、
請求項2に記載の口腔用本体装置。
【請求項4】
前記押さえ部材は、前記一端と前記回転軸との間で、前記配置面に向かって突出する突起を有する、
請求項3に記載の口腔用本体装置。
【請求項5】
前記押さえ部材は、
前記口腔器具と接触する接触面を有し、
前記配置面に対して斜め方向にスライド移動可能に構成されている、
請求項2に記載の口腔用本体装置。
【請求項6】
前記押さえ部材は、
前記配置面側に設けられる一端と、前記一端とは反対側に設けられる他端と、を有し、
前記一端から前記他端へ向かう第1斜め方向にスライド移動することによって、前記接触面を前記口腔器具に接触させ、
前記第1斜め方向と反対の第2斜め方向にスライド移動することによって、前記口腔器具を押し出しつつ前記接触面と前記口腔器具との接触を解除する、
請求項5に記載の口腔用本体装置。
【請求項7】
前記押さえ部材は、前記接触面から前記配置面に向かって突出する突起を有する、
請求項5又は6に記載の口腔用本体装置。
【請求項8】
前記配置面には、前記押さえ部材に向かって突出する突起が設けられている、
請求項2~7のいずれか一項に記載の口腔用本体装置。
【請求項9】
前記配置面は、凹状又は凸状に湾曲しており、
前記押さえ部材は、前記配置面の形状に沿って凹状又は凸状に湾曲する、
請求項2~8のいずれか一項に記載の口腔用本体装置。
【請求項10】
更に、
前記口腔器具が前記着脱操作部に取り付けられているか否かを検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいて前記口腔器具の使用の可否を判定する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記着脱操作部に取り付けられた前記口腔器具が使用済みであるか否かを判定し、
前記口腔器具が使用済みであると判定された場合、前記口腔器具の使用が不可であると判定し、
前記口腔器具の使用が不可であると判定された後、前記検知部によって使用済みの口腔器具が取り外されたこと及び未使用の口腔器具が取り付けられたことを検知したとき、前記口腔器具の使用が可能であると判定する、
請求項1~9のいずれか一項に記載の口腔用本体装置。
【請求項11】
更に、
前記口腔器具の使用の可否の情報を表示する表示部を備える、
請求項10に記載の口腔用本体装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記口腔器具が使用済みであると判定された場合、
前記口腔器具の使用を停止し、
前記口腔器具の使用が可能であるとの判定に基づいて、前記口腔器具の使用を可能にする、
請求項10又は11に記載の口腔用本体装置。
【請求項13】
前記本体部は、
ユーザによって把持される把持部と、
前記把持部を保護するガードと、
を有する、
請求項1~12のいずれか一項に記載の口腔用本体装置。
【請求項14】
前記口腔器具の前記電気接続部は、1つ又は複数の電極であり、
前記口腔用本体装置の前記電気接続導体は、1つ又は複数の接続端子であり、
前記着脱操作部は、前記1つ又は複数の電極と前記1つ又は複数の接続端子とを物理的に接触させることによって電気的に接続する、
請求項1~13のいずれか一項に記載の口腔用本体装置。
【請求項15】
前記口腔器具の前記電気接続部は、RFIDタグであり、
前記口腔用本体装置の前記電気接続導体は、アンテナであり、
前記着脱操作部は、前記RFIDタグと前記アンテナとを無線接続させることによって電気的に接続する、
請求項1~13のいずれか一項に記載の口腔用本体装置。
【請求項16】
更に、
前記口腔器具で取得した情報に基づいて水分量を算出する算出部を備える、
請求項1~15のいずれか一項に記載の口腔用本体装置。
【請求項17】
前記口腔器具の前記電気接続部は、複数の電極を有し、
前記電気接続導体は、基板の両主面に設けられた複数の接続端子を有し、
前記着脱操作部は、前記基板の両主面にそれぞれ配置され、且つ前記基板の両主面に交差する方向に力を付与する複数の押さえ部材を有し、
前記複数の押さえ部材は、前記複数の電極と前記複数の接続端子とがそれぞれ接触した状態で、前記基板の両主面に交差する方向に力を付与することによって前記口腔器具を固定する、
請求項1に記載の口腔用本体装置。
【請求項18】
前記複数の押さえ部材は、それぞれ、前記基板の両主面に向かって突出する突起を有する、
請求項17に記載の口腔用本体装置。
【請求項19】
前記電気接続導体は、
基板の一方の主面に設けられた接続端子と、
前記接続端子に向かって移動し、前記接続端子と接触する可動部品と、
を有し、
前記可動部品は、前記口腔器具の前記電気接続部と接触したとき、前記接続端子に向かって移動することによって前記接続端子と接触し、
前記着脱操作部は、前記基板の一方の主面に配置され、且つ前記基板の一方の主面に交差する方向に力を付与する押さえ部材を有し、
前記押さえ部材は、電気接続部、前記可動部品及び前記接続端子が接触した状態で、前記基板の一方の主面に交差する方向に力を付与することによって前記口腔器具を固定する、
請求項1に記載の口腔用本体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔器具を着脱可能な口腔用本体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、口腔内水分測定器が開示されている。特許文献1に記載の口腔内水分測定器は、揺動部材と、揺動部材の先端に設けられた水分量検出部と、揺動部材を揺動方向の一方に付勢する付勢部材と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、口腔内で使用される口腔器具を着脱可能な口腔用本体装置において、口腔器具を容易に着脱することができる口腔用本体装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様の口腔用本体装置は、
電気接続部を有する口腔器具を着脱可能な口腔用本体装置であって、
本体部と、
電気接続導体を有し、且つ前記口腔器具に対する力の付与と解放を操作することによって前記口腔器具を前記本体部に対して着脱可能に取り付けるように構成された着脱操作部と、
を備え、
前記着脱操作部は、前記口腔器具に対して力を付与することによって前記電気接続部と前記電気接続導体とを電気的に接続した状態で前記口腔器具を固定して取り付け、前記口腔器具に対して付与している力を解放することによって固定を解除して前記口腔器具を取り外す。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、口腔器具を容易に着脱することができる口腔用本体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る実施の形態1の口腔用装置の一例の概略斜視図である。
【
図2】本発明に係る実施の形態1の口腔用装置の一例の概略斜視図である。
【
図3】本発明に係る実施の形態1の口腔用装置を使用している状態の一例を示す概略図である。
【
図5】
図4の口腔器具の一例を拡大して示す概略断面図である。
【
図6】口腔器具の一例の主要な構成を示すブロック図である。
【
図8】
図7の口腔用本体装置の一例の概略分解図である。
【
図9】口腔用本体装置の一例の主要な構成を示すブロック図である。
【
図10A】着脱操作部の操作の一例を示す模式図である。
【
図10B】着脱操作部の操作の一例を示す模式図である。
【
図10C】着脱操作部の操作の一例を示す模式図である。
【
図11】着脱操作部の操作の一例を示す模式図である。
【
図12】変形例1の着脱操作部を示す模式図である。
【
図13A】変形例2の押さえ部材を示す概略図である。
【
図13B】変形例2の口腔器具を示す概略図である。
【
図14A】変形例3の着脱操作部の操作を示す模式図である。
【
図14B】変形例3の着脱操作部の操作を示す模式図である。
【
図14C】変形例3の着脱操作部の操作を示す概略斜視図である。
【
図14D】変形例3の着脱操作部の操作を示す概略斜視図である。
【
図14E】変形例3の着脱操作部の操作を示す概略斜視図である。
【
図15A】変形例3の着脱操作部の操作を示す模式図である。
【
図15B】変形例3の着脱操作部の操作を示す模式図である。
【
図15C】変形例3の別の着脱操作部の操作を示す模式図である。
【
図15D】変形例3の別の着脱操作部の操作を示す模式図である。
【
図15E】変形例4の着脱操作部を示す模式図である。
【
図15F】変形例5の着脱操作部を示す模式図である。
【
図16】本発明に係る実施の形態2の口腔用装置の一例の主要な構成を示すブロック図である。
【
図17A】検知部の動作の一例を示す模式図である。
【
図17B】検知部の動作の一例を示す模式図である。
【
図17C】検知部の動作の一例を示す模式図である。
【
図18A】変形例6の検知部の動作を示す模式図である。
【
図18B】変形例6の検知部の動作を示す模式図である。
【
図19A】変形例7の検知部の動作を示す模式図である。
【
図19B】変形例7の検知部の動作を示す模式図である。
【
図20A】本発明に係る実施の形態3の口腔用装置の一例の概略斜視図である。
【
図20B】本発明に係る実施の形態3の口腔用装置の一例の概略斜視図である。
【
図21A】着脱操作部の一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
【
図22】変形例8の着脱操作部を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
【
図23】変形例9の着脱操作部を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
【
図24A】本発明に係る実施の形態4の口腔用装置の一例の概略斜視図である。
【
図24B】本発明に係る実施の形態4の口腔用装置の一例の概略斜視図である。
【
図25】着脱操作部の一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
【
図26】変形例10の着脱操作部を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
【
図27】変形例11の着脱操作部を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
【
図28】本発明に係る実施の形態5の口腔用装置の一例の主要な構成を示すブロック図である。
【
図30】変形例12の口腔器具を示す概略図である。
【
図31A】変形例13の口腔器具を示す概略図である。
【
図32】本発明に係る実施の形態6の口腔用装置の一例の主要な構成を示すブロック図である。
【
図37】着脱操作部の一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
【
図38A】本発明に係る実施の形態7の口腔用装置の一例の概略斜視図である。
【
図38B】本発明に係る実施の形態7の口腔用装置の一例の概略斜視図である。
【
図39A】本発明に係る実施の形態7の口腔器具の一例の概略平面図である。
【
図40A】着脱操作部の操作の一例を示す模式図である。
【
図40B】着脱操作部の操作の一例を示す模式図である。
【
図40C】着脱操作部の操作の一例を示す模式図である。
【
図41A】本発明に係る実施の形態8の口腔用装置の一例の概略断面図である。
【
図41B】本発明に係る実施の形態8の口腔用装置の一例の概略断面図である。
【
図42A】本発明に係る実施の形態8の口腔器具の一例の概略底面図である。
【
図43】本発明に係る実施の形態8の口腔用本体装置の一例の概略部分斜視図である。
【
図44】基板に設けられた電気接続導体の一例の概略斜視図である。
【
図47】口腔
器具が取り付けられた状態を示す概略部分拡大図である。
【
図48A】着脱操作部の操作の一例を示す模式図である。
【
図48B】着脱操作部の操作の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本発明に至った経緯)
特許文献1に記載の水分測定器では、本体に対して揺動する揺動部材の先端側に設けられた水分量検出部(センサ部)を口腔内の測定部位に接触させることにより、口腔内の水分を測定している。また、特許文献1に記載の水分測定器においては、センサ部及び揺動部材を本体から着脱可能な着脱部として構成している。これにより、測定器の衛生状態をより適切な状態に保っている。このような装置においては、着脱部の先端側を引っ張ることによって、着脱部を本体から取り外している。
【0009】
しかしながら、着脱部は口腔内の測定部位に接触する部分であるため、使用後に唾液が付着している。このため、着脱部を本体から取り外す際に、ユーザが着脱部の先端側を掴んで引っ張ると、ユーザの手に唾液が付着してしまう。
【0010】
このような背景から、口腔内の測定部位に接触する口腔器具を着脱可能な口腔用本体装置において、口腔器具を容易に着脱することができる口腔用本体装置が求められている。具体的には、ユーザの手に唾液を付着させずに、使用後の口腔器具を口腔用本体装置の操作によって取り外すことができる口腔用本体装置が求められている。
【0011】
そこで、本発明者らは、口腔器具に対する力の付与と解放を操作することによって口腔器具を着脱する構成を見出し、以下の発明に至った。
【0012】
本発明の一態様の口腔用本体装置は、
電気接続部を有する口腔器具を着脱可能な口腔用本体装置であって、
本体部と、
電気接続導体を有し、且つ前記口腔器具に対する力の付与と解放を操作することによって前記口腔器具を前記本体部に対して着脱可能に取り付けるように構成された着脱操作部と、
を備え、
前記着脱操作部は、前記口腔器具に対して力を付与することによって前記電気接続部と前記電気接続導体とを電気的に接続した状態で前記口腔器具を固定して取り付け、前記口腔器具に対して付与している力を解放することによって固定を解除して前記口腔器具を取り外す。
【0013】
このような構成により、口腔器具を容易に着脱することができる。
【0014】
前記着脱操作部は、
前記口腔器具を配置する配置面と、
前記配置面に対して交差する方向に力を付与する押さえ部材と、
を有していてもよい。
【0015】
このような構成により、口腔器具を更に容易に着脱することができる。
【0016】
前記押さえ部材は、
前記配置面側に設けられる一端と、前記一端とは反対側に設けられる他端と、を有し、
前記一端と前記他端との間に配置された回転軸を中心にして回転可能に構成されていてもよい。
【0017】
このような構成により、口腔器具を更に容易に着脱することができる。
【0018】
前記押さえ部材は、前記一端と前記回転軸との間で、前記配置面に向かって突出する突起を有していてもよい。
【0019】
このような構成により、口腔器具が抜け落ちることを抑制することができる。
【0020】
前記押さえ部材は、
前記口腔器具と接触する接触面を有し、
前記配置面に対して斜め方向にスライド移動可能に構成されていてもよい。
【0021】
このような構成により、口腔器具を更に容易に着脱することができる。
【0022】
前記押さえ部材は、
前記配置面側に設けられる一端と、前記一端とは反対側に設けられる他端と、を有し、
前記一端から前記他端へ向かう第1斜め方向にスライド移動することによって、前記接触面を前記口腔器具に接触させ、
前記第1斜め方向と反対の第2斜め方向にスライド移動することによって、前記口腔器具を押し出しつつ前記接触面と前記口腔器具との接触を解除してもよい。
【0023】
このような構成により、口腔器具をより容易に取り外すことができる。
【0024】
前記押さえ部材は、前記接触面から前記配置面に向かって突出する突起を有していてもよい。
【0025】
このような構成により、口腔器具が抜け落ちることを抑制することができる。
【0026】
前記配置面には、前記押さえ部材に向かって突出する突起が設けられていてもよい。
【0027】
このような構成により、口腔器具が抜け落ちることを抑制することができる。
【0028】
前記配置面は、凹状又は凸状に湾曲しており、
前記押さえ部材は、前記配置面の形状に沿って凹状又は凸状に湾曲していてもよい。
【0029】
このような構成により、口腔器具を変形させて固定することができる。
【0030】
前記口腔用本体装置は、更に、
前記口腔器具が前記着脱操作部に取り付けられているか否かを検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいて前記口腔器具の使用の可否を判定する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記着脱操作部に取り付けられた前記口腔器具が使用済みであるか否かを判定し、
前記口腔器具が使用済みであると判定された場合、前記口腔器具の使用が不可であると判定し、 前記口腔器具の使用が不可であると判定された後、前記検知部によって使用済みの口腔器具が取り外されたこと及び未使用の口腔器具が取り付けられたことを検知したとき、前記口腔器具の使用が可能であると判定してもよい。
【0031】
このような構成により、口腔器具の使用の有無を検知することによって、口腔器具の使用の可否を容易に判定することができる。
【0032】
前記口腔用本体装置は、更に、
前記口腔器具の使用の可否の情報を表示する表示部を備えていてもよい。
【0033】
このような構成により、口腔器具の使用の可否を容易に知ることができる。
【0034】
前記制御部は、前記口腔器具が使用済みであると判定された場合、
前記口腔器具の使用を停止し、
前記口腔器具の使用が可能であるとの判定に基づいて、前記口腔器具の使用を可能にしてもよい。
【0035】
このような構成により、使用済みの口腔器具の使用を停止することができる。
【0036】
前記本体部は、
ユーザによって把持される把持部と、
前記把持部を保護するガードと、
を有していてもよい。
【0037】
このような構成により、唾液などが把持部へ流れることを抑制することができる。
【0038】
前記口腔器具の前記電気接続部は、1つ又は複数の電極であり、
前記口腔用本体装置の前記電気接続導体は、1つ又は複数の接続端子であり、
前記着脱操作部は、前記1つ又は複数の電極と前記1つ又は複数の接続端子とを物理的に接触させることによって電気的に接続してもよい。
【0039】
このような構成により、口腔器具と口腔用本体装置との電気的接続を容易に行うことができる。
【0040】
前記口腔器具の前記電気接続部は、RFIDタグであり、
前記口腔用本体装置の前記電気接続導体は、本体側アンテナであり、
前記着脱操作部は、前記RFIDタグと前記本体側アンテナとを無線接続させることによって電気的に接続してもよい。
【0041】
このような構成により、口腔器具と口腔用本体装置との電気的接続を容易に行うことができる。
【0042】
前記口腔用本体装置は、更に、
前記口腔器具で取得した情報に基づいて水分量を算出する算出部を備えていてもよい。
【0043】
このような構成により、口腔内の水分量を測定することができる。
【0044】
前記口腔器具の前記電気接続部は、複数の電極を有し、
前記電気接続導体は、基板の両主面に設けられた複数の接続端子を有し、
前記着脱操作部は、前記基板の両主面にそれぞれ配置され、且つ前記基板の両主面に交差する方向に力を付与する複数の押さえ部材を有し、
前記複数の押さえ部材は、前記複数の電極と前記複数の接続端子とがそれぞれ接触した状態で、前記基板の両主面に交差する方向に力を付与することによって前記口腔器具を固定してもよい。
【0045】
このような構成により、口腔器具と口腔用本体装置との電気的接続を容易に実現することができる。
【0046】
前記複数の押さえ部材は、それぞれ、前記基板の両主面に向かって突出する突起を有していてもよい。
【0047】
このような構成により、口腔器具を口腔用本体装置に強固に固定することができる。
【0048】
前記電気接続導体は、
基板の一方の主面に設けられた接続端子と、
前記接続端子に向かって移動し、前記接続端子と接触する可動部品と、
を有し、
前記可動部品は、前記口腔器具の前記電気接続部と接触したとき、前記接続端子に向かって移動することによって前記接続端子と接触し、
前記着脱操作部は、前記基板の一方の主面に配置され、且つ前記基板の一方の主面に交差する方向に力を付与する押さえ部材を有し、
前記押さえ部材は、電気接続部、前記可動部品及び前記接続端子が接触した状態で、前記基板の一方の主面に交差する方向に力を付与することによって前記口腔器具を固定してもよい。
【0049】
このような構成により、口腔器具と口腔用本体装置との電気的接続を容易に且つ安定して実現することができる。
【0050】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0051】
(実施の形態1)
[口腔用装置]
図1及び
図2は、本発明に係る実施の形態1の口腔用装置1Aの一例の概略斜視図である。
図1は、口腔用本体装置50に口腔器具10が取り付けられている状態を示す。
図2は、口腔用本体装置50から口腔器具10が取り外されている状態を示す。図中のX,Y,Z方向は、それぞれ、口腔用装置1Aの長さ方向、幅方向、高さ方向を示す。
【0052】
図1及び
図2に示すように、口腔用装置1Aは、口腔器具10と、口腔用本体装置50と、を備える。口腔用装置1Aは、ディスポーザブルタイプの装置である。口腔用装置1Aにおいては、口腔内で使用される口腔器具10が口腔用本体装置50に対して着脱可能に取り付けられる。口腔器具10は、口腔用本体装置50に取り付けられて使用された後、口腔用本体装置50から取り外される。
【0053】
口腔用装置1Aは、口腔器具10を口腔内の部位に接触させて機能を実行する。機能は、例えば、センシング機能及び/又はエネルギー照射機能を含む。
【0054】
センシング機能は、口腔内の生体情報に関連する情報を取得する。生体情報とは、生体が発する種々の生理学的且つ解剖学的情報である。生体情報は、例えば、乾燥度(湿潤度、水分量)、舌圧、咬合力、咀嚼機能、嚥下機能、舌口唇運動機能、衛生状態不良、唾液成分、呼気ガス成分、体温、硬度などの情報である。生体情報に関連する情報とは、例えば、静電容量、インピーダンス(抵抗)、圧力、電位、色調、温度、硬度、振動などの情報である。口腔用装置1Aは、口腔器具10をユーザの口腔内の測定部位に接触させ、接触した測定部位の生体情報に関連する情報を取得する。口腔用装置1Aは、口腔器具10で取得した情報に基づいて、口腔用本体装置50で生体情報を取得することによって、口腔内の状態を測定する。口腔用本体装置50は、例えば、水分量、唾液の分泌量、咬合力、舌圧力、舌の色調及び/又は唾液中に含まれる各種物質の量を測定する。
【0055】
エネルギー照射機能は、口腔内にエネルギーを照射する。エネルギーは、例えば、光、熱、超音波、電磁波などのエネルギーである。
【0056】
口腔用装置1Aは、例えば、湿潤計、咬合力計、舌圧計、レーザ治療器、温熱治療器、超音波エコー、超音波治療器、電磁波照射器として用いることができる。
【0057】
実施の形態1では、口腔用装置1Aが湿潤計である例について説明する。
【0058】
図3は、本発明に係る実施の形態1の口腔用装置1Aを使用している状態の一例を示す概略図である。
図3に示すように、口腔用装置1Aは、口腔器具10をユーザの口腔内の測定部位に接触させる。測定部位とは、例えば、口腔内の舌部、頬粘膜、口蓋などである。口腔器具10は、測定部位の形状に沿って変形することによって、測定部位に接触する。口腔用装置1Aは、口腔器具10を口腔内の測定部位に接触させた状態で測定を開始する。
【0059】
[口腔器具]
図4は、口腔器具10の一例を示す概略図である。
図5は、
図4の口腔器具10の一例を拡大して示す概略断面図である。
図6は、口腔器具10の一例の構成を示すブロック図である。
【0060】
図4-6に示すように、口腔器具10は、機能部20、配線部30及び接続部40を備える。
【0061】
実施の形態1では、口腔器具10は、口腔用本体装置50に着脱可能なセンシングプローブとして構成されている。口腔器具10は、電気接続部を有するシート状を有する器具である。口腔器具10は、長手方向を有する矩形のシート状に形成されている。また、口腔器具10は、可撓性を有し、変形することができる。
【0062】
電気接続部は、口腔用本体装置50と電気的に接続する。実施の形態1では、電気接続部は、1つ又は複数の電極41である。
【0063】
<機能部>
機能部20は、センシング機能を発揮する部分であり、口腔器具10の先端側に設けられる。機能部20は、口腔内の情報を取得するセンサ部21を有する。センサ部21は、ユーザの口腔内の測定部位側に配置されるセンサ面21aを有している。機能部20は、センサ部21のセンサ面21a側を測定部位に面接触させることによって、口腔内の情報を取得する。実施の形態1では、センサ部21は、静電容量センサを有し、静電容量を取得する。
【0064】
<配線部>
配線部30は、機能部20と接続部40との間に配置されている。配線部30は、機能部20と接続部40の電極41とを電気的に接続する配線31を有する。配線31は、導電性材料で形成されている。例えば、配線31は、配線導体パターンで形成されている。
【0065】
配線層11の厚さは、1μm以上50μm以下が好ましい。より好ましくは、配線層11の厚さは、2μm以上25μm以下である。
【0066】
また、配線部30は、配線部30の周囲を覆う保護層32を有する。保護層32は、口腔器具10を口腔内に配置したときに、歯が当たる部分に配置される。保護層32は、機能部20と接続部40との間に配置されていればよい。例えば、保護層32は、厚さ100μm以上10mm以下の保護膜で形成されている。保護膜は、例えば、樹脂、発泡体などの材料で形成されていてもよい。
【0067】
<接続部>
接続部40は、口腔用本体装置50に取り付けられる部分であり、口腔器具10の先端と反対側の後端側に設けられる。接続部40は、1つ又は複数の電極41を有する。実施の形態1では、接続部40は2つの電極41を有する。なお、電極41の数は2つに限定されない。
【0068】
1つ又は複数の電極41は、導電性を有する材料で形成されている。
【0069】
実施の形態1では、接続部40が口腔用本体装置50に取り付けられると、複数の電極41が口腔用本体装置50に設けられた複数の接続端子と物理的に接触することによって電気的に接続される。
【0070】
また、接続部40には、取付孔42が設けられている。取付孔42は、後述する着脱操作部70の突起73aが挿入される貫通孔である。実施の形態1では、2つの取付孔42が接続部40に設けられている。
【0071】
なお、取付孔42は、貫通孔に限定されるものではなく、切り欠き、凹部であってもよい。取付孔42は、着脱操作部70の突起73aが挿入可能なサイズを有していればよい。また、接続部40には、1つ又は複数の取付孔42が設けられていればよい。
【0072】
図5に示すように、口腔器具10は、配線層11と、複数の絶縁層12,13と、で形成されている。実施の形態1では、配線層11及び複数の絶縁層12,13は、積層されて構成されている。
【0073】
<配線層>
配線層11は、センサ部21、配線31及び複数の電極41を含む。配線層11は、第1主面PS1と、第1主面PS1と反対側の第2主面PS2とを有する。口腔器具10において、第1主面PS1側は、口腔内の測定部位に接触する側である。実施の形態1では、センサ部21のセンサ面21aは、配線層11の第1主面PS1側に配置されている。配線層11の第1主面PS1側において、複数の電極41は絶縁層12から露出している。
【0074】
<複数の絶縁層>
複数の絶縁層12,13は、配線層11の第1主面PS1に配置される第1絶縁層12と、配線層11の第2主面PS2に配置される第2絶縁層13と、を有する。
【0075】
第1絶縁層12の厚みT1は、第2絶縁層13の厚みT2よりも小さい。第1絶縁層12の厚みT1は、25μm以下が好ましい。第2絶縁層13の厚みT2は、10μm以上200μm以下が好ましい。
【0076】
例えば、配線層11及び複数の絶縁層12,13は、フレキシブルプリント回路基板で形成される。
【0077】
なお、上述した口腔器具10は一例であり、口腔器具10の構成はこれに限定されない。口腔器具10は、電気接続部を有する器具であればよい。また、口腔器具10の形状は、シート状に限定されない。あるいは、口腔器具10は、配線層11及び複数の絶縁層12,13に加えて、シールド層を有していてもよい。
【0078】
[口腔用本体装置]
図7は、口腔用本体装置50の一例の概略斜視図である。
図8は、
図7の口腔用本体装置50の一例の概略分解図である。
図9は、口腔用本体装置50の一例の構成を示すブロック図である。なお、以下では、口腔用本体装置50を本体装置50と称する場合がある。
【0079】
図7-9に示すように、本体装置50は、本体部60、着脱操作部70、ガード80及び表示部90を備える。なお、実施の形態1では、本体装置50がガード80及び表示部90を備える例について説明するが、これに限定されない。ガード80及び表示部90は、必須の構成ではない。例えば、表示部90は、本体装置50とは別の装置に備えられていてもよい。
【0080】
本体装置50は、着脱操作部70に口腔器具10を着脱可能に取り付けることができる。また、本体装置50は、口腔器具10で取得した生体情報に関連する情報に基づいて、測定対象物の量を算出する。具体的には、本体装置50は、口腔器具10で取得した静電容量に基づいて水分量(湿潤度)を算出する。
【0081】
<本体部>
本体部60は、本体装置50の本体部分である。本体部60は、長手方向を有する棒状部材で形成されている。本体部60は、ユーザによって把持される把持部61を有する。把持部61は、本体部60の外観形状によって形成されている。
【0082】
本体部60の一端側には、着脱操作部70が配置されている。本体部60には、ガード80及び表示部90が配置されている。
【0083】
本体部60は、制御部62と、算出部63と、を備える。
【0084】
制御部62は、口腔用装置1Aを構成する構成要素を統括的に制御する。制御部62は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路を備える。例えば、制御部62においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。
【0085】
制御部62は、算出部63及び表示部90を制御する。
【0086】
算出部63は、口腔器具10で取得した情報に基づいて測定対象物の量を算出する。実施の形態1では、算出部63は、口腔器具10で取得した静電容量に基づいて水分量を算出する。
【0087】
算出部63は、半導体素子などで実現可能である。算出部63の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。
【0088】
実施の形態1では、算出部63は、水分量算出回路を有する。水分量算出回路は、口腔器具10で取得された静電容量から、静電容量と水分量との関係式に基づいて水分量を算出する。
【0089】
算出部63で算出された水分量の情報は、表示部90に送信される。
【0090】
<着脱操作部>
着脱操作部70は、口腔器具10に対する力の付与と解放を操作することによって口腔器具10を本体部60に対して着脱可能に取り付けるように構成されている。実施の形態1では、着脱操作部70は、本体部60の延びる方向に対して交差する方向に、口腔器具10を着脱可能に取り付けるように構成されている。即ち、口腔器具10の着脱方向は、本体部60の延びる方向に対して交差する方向となっている。
【0091】
着脱操作部70は、電気接続導体を有する。電気接続導体とは、口腔器具10と電気的に接続される導体である。具体的には、電気接続導体は、口腔器具10の電気接続部と電気的に接続される。実施の形態1では、電気接続導体は、1つ又は複数の接続端子71である。1つ又は複数の接続端子71は、導電性を有する材料で形成されている。1つ又は複数の接続端子71は、口腔器具10の接続部40に設けられた1つ又は複数の電極41と物理的に接触することによって電気的に接続される。
【0092】
着脱操作部70は、口腔器具10の接続部40に対して力を付与することによって電極41と接続端子71とを電気的に接続した状態で口腔器具10を固定して取り付ける。また、着脱操作部70は、口腔器具10の接続部40に対して付与している力を解放することによって固定を解除して口腔器具10を取り外す。また、口腔器具10が取り外されたときに、電極41と接続端子71との電気的接続が解除されてもよい。
【0093】
着脱操作部70は、口腔器具10を配置する配置面72と、配置面72に対して交差する方向に力を付与する押さえ部材73と、を有する。実施の形態1では、押さえ部材73は、配置面72の上方に配置されている。
【0094】
配置面72は、本体部60の一端側の端面に設けられている。配置面72は、口腔器具10がスライド移動可能な面である。配置面72は、本体部60の一端側の端面を凹状に窪ませて形成されていてもよいし、フラット面で形成されていてもよい。
【0095】
配置面72には、1つ又は複数の接続端子71が配置されている。1つ又は複数の接続端子71は、口腔器具10が配置面72に配置されて固定されたときに1つ又は複数の電極41と対応する位置に配置されている。実施の形態1では、配置面72には、2つの接続端子71が配置されている。なお、接続端子71の数は2つに限定されない。
【0096】
配置面72には、押さえ部材73に向かって延びる位置決め部材72aが設けられている。位置決め部材72aは、配置面72上でのX方向の位置を決定している。位置決め部材72aは、例えば、配置面72に形成される段差によって形成されてもよいし、配置面72から押さえ部材73に向かって凸状に突出させて形成されていてもよい。例えば、口腔器具10をX方向にスライド移動させて配置面72に配置するとき、口腔器具10の接続部40の端部を位置決め部材72aに接触するまで口腔器具10をスライド移動させる。このように、口腔器具10を着脱操作部70に取り付ける際に、口腔器具10を位置決め部材72aに接触するまでスライド移動させることによって、口腔器具10のX方向の位置を容易に決定することができる。これにより、口腔器具10の電極41と配置面72に配置される接続端子71とが物理的に接触する位置での取り付けが容易となり、電気的接続を容易に行うことができる。
【0097】
押さえ部材73は、口腔器具10に対する力の付与と解放とを操作可能な部材である。押さえ部材73は、配置面72に対して交差する方向に力を付与するように構成されている。これにより、押さえ部材73は、電極41と接続端子71とを電気的に接続した状態で、配置面72に口腔器具10を固定することができる。
【0098】
押さえ部材73は、一端E1と他端E2とを有する板状の部材で形成されている。一端E1は配置面72側に設けられる。他端E2は、一端E1とは反対側に設けられる。押さえ部材73の一端E1と他端E2との間には、回転軸74が配置されている。押さえ部材73は、回転軸74を中心にして回転可能に構成されている。また、押さえ部材73の一端E1は、例えば、弾性体によって配置面72に近づく方向へ付勢されている。弾性体としては、例えば、ばね、ゴムなどが挙げられる。
【0099】
押さえ部材73は、一端E1と回転軸74との間で、配置面72に向かって突出する突起73aを有する。突起73aは、口腔器具10の接続部40に設けられた取付孔42に挿入される。実施の形態1では、押さえ部材73は、押さえ部材73の一端E1に設けられる2つの突起73aを有する。なお、押さえ部材73は、1つ又は複数の突起73aを有していればよい。
【0100】
着脱操作部70においては、押さえ部材73の回転動作を操作することによって、口腔器具10に対する力の付与と解放とを操作している。具体的には、押さえ部材73を操作していない状態では、押さえ部材73の一端E1が弾性体の付勢力によって配置面72に近づく方向へ移動し、配置面72に配置された口腔器具10に対して押圧する。これにより、口腔器具10を配置面72と押さえ部材73とで挟むように固定し、口腔器具10を着脱操作部70に取り付けることができる。また、押さえ部材73の突起73aが接続部40の取付孔42に挿入されることによって、口腔器具10が着脱操作部70から外れないように固定することができる。
【0101】
口腔器具10を着脱操作部70から取り外すとき、押さえ部材73の他端E2を押し下げることによって、押さえ部材73の一端E1が配置面72から離れる方向に移動する。これにより、押さえ部材73による口腔器具10に対する押圧力を解除し、口腔器具10を着脱操作部70から取り外すことができる。このように、口腔器具10の取り外しを着脱操作部70の操作によって行うことができるため、使用済みの口腔器具10に触れずに、口腔器具10を容易に取り外すことができる。
【0102】
なお、実施の形態1では、押さえ部材73が弾性体によって付勢される例について説明したが、これに限定されない。押さえ部材73は弾性体以外の機構、例えば、ロック機構、スライド機構及び/又は電磁力などによって押さえ部材73を配置面72と交差する方向に力を付与してもよい。また、吸引部を設け、吸引力によって口腔器具10に対して力を付与してもよい。
【0103】
<ガード>
ガード80は、本体部60に配置され、把持部61を保護する。ガード80は、ユーザが口腔用装置1Aを使用する際に、唾液が把持部61を把持するユーザの手に付着することを抑制する。
【0104】
実施の形態1では、ガード80は、口腔器具10が取り付けられる側の本体部60に配置されている。口腔器具10が取り付けられる側とは、口腔器具10の取り付け及び取り外しが行われる側を意味する。また、ガード80は、板状の部材で形成されている。
【0105】
<表示部>
表示部90は、本体部60に配置され、口腔用装置1Aの情報を表示する。口腔用装置1Aの情報は、例えば、測定対象の情報などを含む。
【0106】
実施の形態1では、測定対象の情報は、水分量の情報である。例えば、算出部63は、口腔器具10で取得した静電容量に基づいて水分量を算出する。算出部63は、水分量の情報を表示部90に送信する。
【0107】
表示部90は、例えば、ディスプレイである。
【0108】
なお、本体装置50は、ユーザからの入力情報を入力する入力部を備えていてもよい。例えば、入力部は、ユーザからの入力を受け付ける1つ又は複数のボタンを有していてもよい。1つ又は複数のボタンは、例えば、電源ON/OFFを切り替える電源ボタン、測定を開始する測定開始ボタンなどを含んでいてもよい。
【0109】
[着脱操作部の操作の一例について]
着脱操作部70の操作の一例について
図10A-10C及び
図11を用いて説明する。
図10A-10C及び
図11は、着脱操作部70の操作の一例を示す模式図である。
図10A-10Cは、口腔器具10を取り付ける操作の一例を示す。
図11は、口腔器具10を取り外す操作の一例を示す。
【0110】
まず、口腔器具10を取り付ける操作の一例について説明する。
図10Aに示すように、口腔器具10を取り付ける前において、押さえ部材73の一端E1が弾性体の付勢力によって配置面72に押し当てられている。一方、押さえ部材73の他端E2は、上方に持ち上がった状態である。
【0111】
図10Bに示すように、押さえ部材73の他端E2を下方に押し下げる。これにより、押さえ部材73は回転軸74を中心として回転し、押さえ部材73の一端E1が上方に移動する。即ち、押さえ部材73の他端E2を押し下げる方向に力
を加えると、押さえ部材73の一端E1が配置面72から離れる方向に移動し、配置面72と押さえ部材73との間にスペースを形成する。
【0112】
押さえ部材73の一端E1を上方に持ち上げた状態で、口腔器具10の接続部40を、配置面72上をスライド移動させて着脱操作部70に挿入する。具体的には、接続部40の端部が位置決め部材72aに接触するまで、口腔器具10をスライド移動させる。口腔器具10の接続部40は、電極41と接続端子71とが物理的に接触する位置に位置決めされる。これにより、電極41と接続端子71とが電気的に接続される。
【0113】
図10Cに示すように、口腔器具10の接続部40を配置面72に配置した状態で、押さえ部材73の他端E2に加えていた力を解放する。これにより、押さえ部材73の一端E1が配置面72に向かって移動し、口腔器具10の接続部40を押圧する。口腔器具10の接続部40は、配置面72と押さえ部材73との間に挟まれて固定される。
【0114】
また、押さえ部材73の一端E1に設けられた突起73aが口腔器具10の接続部40の取付孔42に挿入される。これにより、口腔器具10が着脱操作部70から抜け落ちることを抑制することができる。
【0115】
このように、着脱操作部70は、口腔器具10に対して押さえ部材73による押圧力を付与することによって電極41と接続端子71とを電気的に接続した状態で口腔器具10を本体装置50に固定して取り付けている。
【0116】
次に、口腔器具10を取り外す操作の一例について説明する。
図11に示すように、押さえ部材73の他端E2を下方に押し下げる。これにより、押さえ部材73は回転軸74を中心として回転し、押さえ部材73の一端E1が上方に移動する。即ち、押さえ部材73の他端E2を押し下げる方向に力と加えると、押さえ部材73の一端E1が配置面72から離れる方向に移動する。これにより、口腔器具10の接続部40に対して付与していた押さえ部材73による押圧力が解放される。また、押さえ部材73の突起73aが接続部40の取付孔42から抜け出す。
【0117】
このように、着脱操作部70は、口腔器具10に対して付与している押さえ部材73による押圧力を解放することによって固定を解除して口腔器具10を本体装置50から取り外している。
【0118】
[効果]
実施の形態1に係る口腔用本体装置50によれば、以下の効果を奏することができる。
【0119】
口腔用本体装置50は、電気接続部を有する口腔器具10を着脱可能である。口腔用本体装置50は、本体部60と、着脱操作部70と、を備える。着脱操作部70は、電気接続導体を有し、且つ口腔器具10に対する力の付与と解放を操作することによって口腔器具10を本体部60に対して着脱可能に取り付けるように構成されている。着脱操作部70は、口腔器具10に対して力を付与することによって電気接続部と電気接続導体とを電気的に接続した状態で口腔器具10を固定して取り付ける。また、着脱操作部70は、口腔器具10に対して付与している力を解放することによって固定を解除して口腔器具10を取り外す。
【0120】
このような構成により、口腔器具10を容易に着脱することができる。具体的には、口腔用本体装置50は、着脱操作部70の操作によって口腔器具10の取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。
【0121】
口腔器具10を使用した後、ユーザは着脱操作部70の操作によって口腔器具10を固定している力を解放し、口腔器具10を本体装置50から取り外すことができる。即ち、ユーザは、口腔器具10に触れずに、口腔器具10の取り外しを容易に行うことができる。これにより、ユーザは、唾液などが付着した使用済みの口腔器具10に触れずに、口腔器具10を本体装置50から取り外すことができる。
【0122】
口腔器具10を本体装置50に取り付けている間、口腔器具10の電気接続部と本体装置50の電気接続導体とを容易に電気的に接続することができる。また、口腔器具10の本体装置50への取り付けと、口腔器具10と本体装置50との電気的接続と、を1つの機構によって実現することができる。これにより、本体装置50を構成する部品点数を減らすことができ、装置コストを低減することができる。
【0123】
口腔内で使用される口腔器具10を本体装置50から着脱可能に構成することによって、カバーなどを用いずとも使用することができる。これにより、口腔器具10がセンシングの目的で用いられる場合、口腔器具10を口腔内の測定部位に直接接触させることができるため、測定精度を向上させることができる。
【0124】
着脱操作部70は、口腔器具10を配置する配置面72と、配置面72に対して交差する方向に力を付与する押さえ部材73と、を有する。このような構成により、着脱操作部70は、配置面72に配置された口腔器具10を押さえ部材73によって押圧し、口腔器具10を本体装置50に固定して取り付けることができる。また、押さえ部材73による押圧力を解放することによって口腔器具10を本体装置50から容易に取り外すことができる。このように、配置面72に配置される口腔器具10に対する押さえ部材73の押圧力の付与と解放によって、口腔器具10を容易に着脱することができる。
【0125】
押さえ部材73は、配置面72側に設けられる一端E1と、一端E1とは反対側に設けられる他端E2と、を有し、一端E1と他端E2との間に配置された回転軸74を中心にして回転可能に構成されている。このような構成により、押さえ部材73による押圧力の付与と解放を容易に行うことができる。即ち、着脱操作部70の操作性が向上する。これにより、口腔器具10をより容易に着脱することができる。
【0126】
押さえ部材73は、一端E1と回転軸74との間で、配置面72に向かって突出する突起73aを有する。このような構成により、口腔器具10が着脱操作部70から抜け出すことを抑制することができる。例えば、突起73aを口腔器具10に設けられた取付孔42に挿入することによって、口腔器具10が取り外し方向に移動することを抑制することができる。これにより、口腔器具10をより強固に固定することができる。
【0127】
本体部60は、ユーザによって把持される把持部61と、把持部61を保護するガード80と、を有する。このような構成により、唾液などが把持部61を把持しているユーザの手に付着することをガード80によって保護することができる。
【0128】
口腔器具10の電気接続部は、1つ又は複数の電極41である。口腔用本体装置50の電気接続導体は、1つ又は複数の接続端子71である。着脱操作部70は、1つ又は複数の電極41と1つ又は複数の接続端子71とを物理的に接触させることによって電気的に接続する。このような構成により、口腔器具10と本体装置50との電気的接続を容易に行うことができる。
【0129】
口腔用本体装置50は、口腔器具10で取得した情報に基づいて水分量を算出する算出部63を備える。このような構成により、口腔内の水分量を測定することができる。
【0130】
なお、実施の形態1では、口腔用装置1Aが口腔内の水分量を測定する口腔湿潤計である例について説明したが、これに限定されない。口腔用装置1Aは、口腔内の情報を取得する装置及び/又は口腔内にエネルギーを照射する装置であればよい。
【0131】
実施の形態1では、口腔器具10のセンサ部21が静電容量センサを有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、センサ部21は、生体情報を取得できるセンサを有していればよい。例えば、センサ部21は、インピーダンス測定センサ、抵抗センサ、荷重センサ、湿度センサ、圧力センサ、カラーセンサ、温度センサ、硬度センサ、振動センサ、バイオセンサなどのうちの少なくともいずれか1つを有していればよい。
【0132】
実施の形態1では、算出部63が静電容量から水分量を算出する例について説明したが、これに限定されない。算出部63は、口腔器具10で取得した情報に基づいて口腔内の情報を算出できればよい。
【0133】
実施の形態1では、本体部60の延びる方向に対して交差する方向に口腔器具10を着脱可能に取り付けるように着脱操作部70が構成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、着脱操作部70は、本体部60の延びる方向と平行に口腔器具10を着脱可能に取り付けるように構成されていてもよい。
【0134】
実施の形態1では、着脱操作部70が位置決め部材72aを有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、着脱操作部70は、位置決め部材72aを有していなくてもよい。
【0135】
実施の形態1では、接続端子71が配置面72に配置されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、接続端子71は、押さえ部材73に配置されていてもよい。
【0136】
実施の形態1では、口腔器具10に対する押さえ部材73による押圧力の付与と解放によって口腔器具10の取り付け及び取り外しを行う例について説明したが、これに限定されない。例えば、押さえ部材73による押圧力及び/又は電磁力によって口腔器具10の取り付け及び取り外しを行ってもよい。例えば、口腔器具10の電極41は、磁石に反応する金属で形成されていてもよい。磁石に反応する金属とは、例えば、鉄、コバルト、ニッケルなどである。また、本体装置50には磁石が設けられていてもよい。本体装置50に設けられた磁石の磁力によって、口腔器具10の電極41を配置面72に引き寄せてもよい。
【0137】
実施の形態1では、押さえ部材73が回転軸74を中心として回転可能に構成される例について説明したが、これに限定されない。押さえ部材73は、配置面72に配置された口腔器具10に対する力の付与及び解放を行うことができる構成を有していればよい。
【0138】
実施の形態1では、押さえ部材73が突起73aを有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、押さえ部材73は突起73aを有していなくてもよい。
【0139】
実施の形態1では、突起73aが押さえ部材73の一端E1に設けられている例について説明したが、これに限定されない。突起73aは口腔器具10の取付孔42に挿入される位置に設けられていればよい。
【0140】
実施の形態1では、口腔器具10の電気接続部が電極41であり、本体装置50の電気接続導体が接続端子71である例について説明したが、これに限定されない。また、「電気接続部と電気接続導体とを電気的に接続した状態」とは、電気接続部と電気接続導体とを物理的に接触させている状態に限定されない。「電気接続部と電気接続導体とを電気的に接続した状態」とは、電気接続部と電気接続導体とが非接触で電気的に接続されている状態を含んでもよい。例えば、RFIDタグなどの無線通信デバイスを用いて電気接続部と電気接続導体とを無線接続することによって、電気的接続を実現してもよい。
【0141】
(変形例1)
図12は、変形例1の着脱操作部70Aを示す模式図である。
図12に示すように、突起73bが押さえ部材73の一端E1と回転軸74との間に配置されていてもよい。このような構成においても、口腔器具10をより強固に固定することができる。
【0142】
(変形例2)
図13Aは、変形例2の押さえ部材73Aを示す概略図である。
図13Bは、変形例2の口腔器具10Aを示す概略図である。
図13Aに示すように、押さえ部材73AをZ方向から見たとき、2つの突起73aは、X方向に延びる中心線に対して左右非対称に配置されている。また、
図13Bに示すように、口腔器具10AをZ方向から見て、接続部40Aにおける2つの取付孔42は、X方向に延びる中心線に対して左右非対称に配置されている。このような構成により、口腔器具10Aの取り付け方向を規定することができる。これにより、口腔器具10Aの表面と裏面とを間違えずに取り付けることができる。
【0143】
(変形例3)
図14A及び
図14Bは、変形例3の着脱操作部70Aの動作を示す模式図である。
図14C-14Eは、変形例3の着脱操作部70Aの操作を示す概略斜視図である。
図14A-14Eは、口腔器具10の取り付け操作の一例を示す。
【0144】
変形例3において、着脱操作部70Aは、押さえ部材73AAをスライド移動可能に構成している。押さえ部材73AAは、配置面72側に設けられる一端E1と、一端E1とは反対側に設けられる他端E2と、を有する板状の部材で形成されている。押さえ部材73AAは、口腔器具10と接触する接触面73cを有する。例えば、接触面73cは、配置面72側に設けられたフラット面である。押さえ部材73AAは、配置面72に対して斜め方向にスライド移動可能に構成されている。例えば、着脱操作部70Aは、押さえ部材73AAを、配置面72に対して斜め方向にスライド移動させるスライド機構を有する。押さえ部材73AAは、例えば、配置面72に対して2°以上20°以下の範囲で傾斜している。また、押さえ部材73AAは、一端E1が他端E2よりも本体部60に対して持ち上がった状態で傾斜している。
【0145】
変形例3における着脱操作部70Aの口腔器具10の取り付け操作の一例について説明する。
図14Aに示すように、配置面72に口腔器具10を配置した状態で、押さえ部材73AAは、一端E1から他端E2へ向かう第1斜め方向D1にスライド移動する。これにより、
図14Bに示すように、押さえ部材73AAが口腔器具10に接触する。具体的には、押さえ部材73A
Aの接触面73cが口腔器具10の接続部40に接触する。押さえ部材73A
Aの接触面73cと口腔器具10の接続部40とが接触することによって、摩擦力が生じる。具体的には、押さえ部材73AAが第1斜め方向D1にスライド移動して、接触面73cと口腔器具10の接続部40とが接触することによって、口腔器具10が取り外される方向と反対方向に摩擦力が生じる。この摩擦力によって、押さえ部材73AAの他端E2側に口腔器具10を引き込むようにして固定することができる。これにより、口腔器具10を本体部60に対して固定することができる。
【0146】
次に、スライド機構について説明する。
図14C~14Eに示すように、着脱操作部70Aは、スライド機構として、押さえ部材73AAの両側端が挿入されるスライド溝73dが設けられている。
図14C~14Eは、変形例3の着脱操作部の操作を示す概略斜視図である。スライド溝73dは、本体装置50のX方向に延びる凹状の溝である。スライド溝73dの幅は、口腔器具10の取り付け方向、即ち挿入方向(X方向)に向かうにつれて小さくなっている。スライド溝73dの幅とは、
図14C~14EにおけるZ方向の長さである。例えば、本体装置50をY方向から見たとき、スライド溝73dの上辺は配置面72に対して斜めに延びている一方、スライド溝73dの下辺は配置面72に対して平行に延びている。また、
図14C~14Eにおいて、押さえ部材73AAが
位置するスライド溝73dの左端側の幅は、押さえ部材73AAの厚みより大きい。このため、押さえ部材73AAがスライド溝73dの左端側に位置するとき、押さえ部材73AAは上下方向(Z方向)に移動することができる。
【0147】
図14Cに示すように、口腔器具10を着脱操作部70Aの配置面72に沿って挿入する。このとき、押さえ部材73AAは、スライド溝73dの左端側に位置している。
図14Dに示すように、口腔器具10が配置面72に配置されることによって、押さえ部材73AAが上方に押し上げられる。この状態で、押さえ部材73AAを第1斜め方向D1にスライド移動する。具体的には、押さえ部材73AAをスライド溝73dの左端から右端に向かって移動させる。このとき、押さえ部材73AAは、スライド溝73dの上辺に沿ってスライド移動する。スライド溝73dの上辺は、配置面72に対して斜めに延びている。このため、押さえ部材73AAは、配置面72に対して斜めの方向である第1斜め方向D1に向かってスライド移動する。
図14Eに示すように、押さえ部材73AAがスライド溝73dの右端に配置されることによって、口腔器具10を固定する。
【0148】
変形例3における着脱操作部70Aの口腔器具10の取り外し操作の一例について説明する。
図15A-15Bは、口腔器具10の取り外し操作の一例を示す。
図15Aに示すように、押さえ部材73AAは、第1斜め方向D1と反対の第2斜め方向D2にスライド移動する。第2斜め方向D2は、押さえ部材73AAの他端E2から一端E1に向かう方向である。
図15Bに示すように、押さえ部材73AAが第2斜め方向D2にスライド移動することによって、口腔器具10を取り外し方向に押し出しつつ、押さえ部材73AAの接触面73cと口腔器具10の接続部40との接触を解除する。これにより、口腔器具10の固定を解除し、口腔器具10を容易に取り外すことができる。また、押さえ部材73AAにより、口腔器具10を取り外し方向に押し出すことができるため、ユーザは口腔器具10に触れずに、着脱操作部70Aの操作によって口腔器具10を取り外すことができる。
【0149】
なお、変形例3においては、押さえ部材73AAは、接触面73cから配置面72に向かって突出する突起を有していてもよい。
図15C及び
図15Dは、変形例3の別の着脱操作部の操作を示す模式図である。
【0150】
図15Cに示すように、押さえ部材73AAは、接触面73cから配置面72に向かって突出する突起73aを有していてもよい。
図15Dに示すように、突起73aは、口腔器具10の取付孔42に挿入されてもよい。これにより、口腔器具10をより強固に固定することができる。
【0151】
(変形例4)
図15Eは、変形例4の着脱操作部70ABを示す模式図である。
図15Eに示すように、着脱操作部70ABにおいて、突起73aは配置面72に設けられていてもよい。なお、着脱操作部70ABは、突起73aの位置を除いて実施の形態1の着脱操作部70と同様の構成を有している。このような構成においても、口腔器具10が取り外し方向に移動することを抑制することができる。これにより、口腔器具10をより強固に固定することができる。
【0152】
(変形例5)
図15Fは、変形例5の着脱操作部70ACを示す模式図である。
図15Fに示すように、着脱操作部70ACにおいて、突起73aは配置面72に設けられていてもよい。なお、着脱操作部70ACは、突起73aの位置を除いて変形例3の別の着脱操作部70AAと同様の構成を有している。このような構成においても、口腔器具10が取り外し方向に移動することを抑制することができる。これにより、口腔器具10をより強固に固定することができる。
【0153】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る口腔用装置について説明する。なお、実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0154】
実施の形態2の口腔用装置の一例について、
図16を用いて説明する。
図16は、本発明に係る実施の形態2の口腔用装置1Bの一例の主要な構成を示すブロック図である。
【0155】
実施の形態2では、口腔用本体装置50Bが検知部75を備えている点で、実施の形態1と異なる。
【0156】
図16に示すように、口腔用本体装置50Bの着脱操作部70Bは検知部75を備える。検知部75は、口腔器具10が着脱操作部70Bに取り付けられているか否かを検知する。検知部75による検知については後述する。検知部75の検知結果の情報は制御部62に送信される。
【0157】
制御部62は、検知部75の検知結果に基づいて口腔器具10の使用の可否を決定する。具体的には、制御部62は、口腔器具10が着脱操作部70Bに取り付けられた状態で使用された後、口腔器具10の使用を停止する。制御部62は、検知部75によって使用済みの口腔器具10が取り外されたこと及び未使用の口腔器具10が取り付けられたことを検知したとき、未使用の口腔器具10の使用を可能にする。また、制御部62は、口腔器具10の使用の可否の情報を表示部90に送信する。
【0158】
口腔器具10の使用を停止するとは、例えば、本体装置50Bの操作を無効にすることを含む。
【0159】
制御部62は、着脱操作部70Bに取り付けられた口腔器具10が使用済みであるか否かを判定する。具体的には、制御部62は、口腔器具10で取得された情報に基づいて口腔器具10が使用済みであるか、又は未使用であるかを判定する。例えば、制御部62は、算出部63によって水分量の算出処理が行われたか否かの情報に基づいて、口腔器具10が使用されたか否かを判定してもよい。算出部63は、算出処理を行った後に、算出処理完了フラグ情報を制御部62に送信する。制御部62は、算出処理完了フラグ情報を受信したとき、口腔器具10が使用されたと判定する。なお、口腔器具10が使用済みであるか、又は未使用であるかの判定は、これに限定されない。口腔器具10が使用済みであるか、又は未使用であるかの判定は、他の情報に基づいて行ってもよい。
【0160】
制御部62は、口腔器具10が使用済みであると判定した場合、口腔器具10の使用を停止する。また、制御部62は、口腔器具10の使用を停止していることを示す情報を表示部90に送信する。
【0161】
口腔器具10の使用を停止した後、制御部62は、検知部75によって使用済みの口腔器具10が取り外されたこと及び未使用の口腔器具10が取り付けられたことを検知したとき、未使用の口腔器具10の使用を可能にする。
【0162】
制御部62は、検知部75によって使用済みの口腔器具10が取り外されたことを検知すると、算出処理完了フラグ情報をクリアする。これにより、本体装置50Bは、未使用の口腔器具10が着脱操作部70Bに取り付けられるまで待機する。
【0163】
制御部62は、検知部75によって未使用の口腔器具10が着脱操作部70Bに取り付けられたことを検知すると、口腔器具10の使用を可能にする。また、制御部62は、口腔器具10の使用が可能であることを示す情報を表示部90に送信する。
【0164】
表示部90は、口腔器具10の使用の可否の情報を表示する。口腔器具の使用の可否の情報は、口腔器具10の使用を停止していることを示す情報、および口腔器具10の使用が可能であることを示す情報を含む。例えば、口腔器具10の使用を停止していることを示す情報は、使用済みの口腔器具10の交換を促すメッセージであってもよい。口腔器具10の使用が可能であることを示す情報は、メッセージの表示を停止することであってもよい。
【0165】
なお、実施の形態2では、制御部62において、口腔器具10が着脱操作部70Bに取り付けられた状態で使用された後、口腔器具10の使用を停止する例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御部62は、口腔器具10の使用を停止しなくてもよい。制御部62は、口腔器具10の使用を停止せずに、口腔器具10の使用の可否を判定し、表示部90に口腔器具10の使用の可否の判定結果の情報を表示させてもよい。例えば、制御部62は、口腔器具10が使用済みであると判定した場合、口腔器具10の使用を停止せずに、表示部90に交換メッセージを表示させてもよい。
【0166】
検知部75について
図17A-17Cを用いて説明する。
図17A-17Cは、検知部の動作の一例を示す模式図である。
図17A-17Cに示すように、検知部75は、スイッチで構成されている。例えば、検知部75は、プッシュ式スイッチである。プッシュ式スイッチは、スイッチが押されたときにONとなり、スイッチが押されていないときにOFFとなる。
【0167】
検知部75は、押さえ部材73Bに配置されている。具体的には、検知部75は、押さえ部材73Bの配置面72側に配置されている。また、検知部75は、押さえ部材73Bの一端E1側に配置されている。検知部75は、配置面72に配置された口腔器具10の接続部40に物理的に接触する位置に配置されている。
【0168】
図17Bに示すように、配置面72に口腔器具10が配置されている場合、押さえ部材73Bを配置面72に向かって押圧すると、検知部75が口腔器具10と物理的に接触する。これにより、検知部75のスイッチがONとなる。検知部75は、スイッチがONとなったとき、口腔器具10が着脱操作部70Bに取り付けられていることを検知する。
【0169】
図17Cに示すように、配置面72に口腔器具10が配置されていない場合、押さえ部材73Bを配置面72に向かって押圧しても、検知部75が口腔器具10と物理的に接触しない。このため、検知部75のスイッチがOFFのままとなる。検知部75は、スイッチがOFFのとき、口腔器具10が着脱操作部70Bから取り外されていることを検知する。
【0170】
[効果]
実施の形態2に係る口腔用本体装置50Bによれば、以下の効果を奏することができる。
【0171】
口腔用本体装置50Bは、口腔器具10が着脱操作部70Bに取り付けられているか否かを検知する検知部75を備える。制御部62は、検知部75の検知結果に基づいて口腔器具10の使用の可否を判定する。制御部62は、着脱操作部70Bに取り付けられた口腔器具10が使用済みであるか否かを判定する。制御部62は、口腔器具10が使用済みであると判定された場合、口腔器具10の使用が不可であると判定する。制御部62は、口腔器具10の使用が不可であると判定された後、検知部75によって使用済みの口腔器具10が取り外されたこと及び未使用の口腔器具10が取り付けられたことを検知したとき、口腔器具10の使用が可能であると判定する。
【0172】
このような構成により、口腔器具10の使用の可否を容易に判定することができる。これにより、口腔器具10の再使用を抑制することができる。
【0173】
表示部90は、口腔器具10の使用の可否の情報を表示する。このような構成により、ユーザは口腔器具10が使用されたか否かを容易に知ることができる。
【0174】
制御部62は、口腔器具10が使用済みであると判定された場合、口腔器具10の使用を停止する。制御部62は、口腔器具10の使用が可能であるとの判定に基づいて、口腔器具10の使用を可能にする。このような構成により、ユーザが使用済みの口腔器具10を再度使用することを抑制することができる。
【0175】
なお、実施の形態2では、本体装置50Bにおいて、表示部90が口腔器具10の使用の可否の情報を表示する例について説明したが、これに限定されない。本体装置50Bにおいて、表示部90が口腔器具10の使用の可否の情報を表示することは必須の構成ではない。
【0176】
実施の形態2では、表示部90が使用済みの口腔器具10の交換を促すメッセージを表示する例について説明したが、これに限定されない。例えば、表示部90は、使用済み、未使用であることを示すメッセージを表示してもよい。あるいは、表示部90は、光、色、音などで情報を示してもよい。
【0177】
実施の形態2では、検知部75がプッシュ式スイッチで構成される例について説明したが、これに限定されない。検知部75は、口腔器具10が着脱操作部70Bに取り付けられているか否かを検知することができる構成を有していればよい。例えば、検知部75は、静電容量センサなどのセンサであってもよい。この場合、検知部75は、静電容量の変化に基づいて口腔器具10の着脱を検知してもよい。
【0178】
あるいは、検知部75は、口腔器具10で取得した情報に基づいて、口腔器具10が着脱操作部70Bに取り付けられているか否かを検知してもよい。例えば、検知部75は、口腔器具で取得した静電容量と閾値とに基づいて、口腔器具10が着脱操作部70Bに取り付けられているか否かを検知してもよい。この場合、検知部75は、算出部63に含まれていてもよい。このような構成により、検知するための機械的構成要素を減らすことができ、コストを低減することができる。
【0179】
実施の形態2では、検知部75が押さえ部材73Bに配置される例について説明したが、これに限定されない。検知部75は、口腔器具10の着脱を検知可能な位置に配置されていればよい。例えば、検知部75は、配置面72に配置されていてもよい。
【0180】
(変形例6)
図18A及び
図18Bは、変形例6の検知部75BAの動作を示す模式図である。
図18A及び
図18Bに示すように、検知部75BAは、フォトセンサで構成されていてもよい。検知部75B
Aは、光を発する発光部76aと、光を受光する受光部76bと、を有する。
【0181】
着脱操作部70BAにおいて、発光部76aは配置面72に配置されている。具体的には、発光部76aは、配置面72に設けられた穴に配置されている。発光部76aは、受光部76bに向かって光を照射する。
【0182】
着脱操作部70BAにおいて、受光部76bは、押さえ部材73BAに配置されている。具体的には、受光部76bは、押さえ部材73BAの配置面72側に配置されている。また、受光部76bは、発光部76aの発する光の光軸上に配置されている。言い換えると、受光部76bは、発光部76aの上方に配置されている。
【0183】
図18Aに示すように、配置面72に口腔器具10が配置されていないとき、発光部76aから発する光が、受光部76bで受光される。検知部75BAは、受光部76bが発光部76aからの光を受光しているとき、口腔器具10が着脱操作部70BAから取り外されていることを検知する。
【0184】
図18Bに示すように、配置面72に口腔器具10が配置されているとき、発光部76aから発する光が、口腔器具10で遮断される。このため、受光部76bは、発光部76aからの光を受光しない。検知部75BAは、受光部76bが発光部76aからの光を受光していないとき、口腔器具10が着脱操作部70BAに取り付けられていることを検知する。
【0185】
なお、変形例6においては、口腔器具10に光を吸収する吸収材又は光を遮光する遮光材で形成していてもよい。このような構成により、口腔器具10によって発光部76aから照射される光を吸収又は遮光しやすくなる。このため、検知精度を向上させることができる。
【0186】
(変形例7)
図19A及び
図19Bは、変形例7の検知部75BBの動作を示す模式図である。
図19A及び
図19Bに示すように、検知部75BBは、変形例6と同様に、フォトセンサで構成されていてもよい。検知部75BBは、光を発する発光部76aと、光を受光する受光部76bと、を有する。
【0187】
着脱操作部70BBにおいて、発光部76a及び受光部76bは配置面72に配置されている。具体的には、発光部76a及び受光部76bは、配置面72に設けられた穴に並べて配置されている。発光部76aは、押さえ部材73BBに向かって光を照射する。受光部76bは、発光部76aから照射され、口腔器具10で反射された光を受光する。
【0188】
図19Aに示すように、配置面72に口腔器具10が配置されていないとき、発光部76aから発する光が口腔器具10で反射されない。このため、受光部76bは、光を受光しない。検知部75BBは、受光部76bが発光部76aからの光を受光していないとき、口腔器具10が着脱操作部70
Bから取り外されていることを検知する。
【0189】
図19Bに示すように、配置面72に口腔器具10が配置されているとき、発光部76aから発する光が、口腔器具10で反射される。このため、受光部76bは、口腔器具10で反射した光を受光する。検知部75BBは、受光部76bが口腔器具10からの反射光を受光しているとき、口腔器具10が着脱操作部70
Bに取り付けられていることを検知する。
【0190】
なお、変形例7においては、口腔器具10に光を反射する反射材で形成していてもよい。このような構成により、口腔器具10によって発光部76aから照射される光を反射しやすくなる。このため、検知精度を向上させることができる。
【0191】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る口腔用装置について説明する。なお、実施の形態3では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態3においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0192】
【0193】
実施の形態3では、口腔用本体装置50Cの本体部60Cの延びる方向が、口腔器具10Cの着脱方向と同じである点、着脱操作部70Cが口腔器具10Cを変形させて固定するように構成されている点で、実施の形態1と異なる。
【0194】
図20A及び
図20Bに示すように、口腔用本体装置50Cの本体部60Cは、口腔器具10Cの着脱方向と同じ方向に延びる棒状の部材で形成されている。口腔器具10Cの着脱方向とは、
図20A及び
図20BにおいてX方向である。
【0195】
ガード80Cは、口腔器具10Cの着脱方向と交差する方向に突出する凸部により形成されている。ガード80Cは、本体部60Cにおいて、着脱操作部70Cが設けられている側と反対側に設けられている。ガード80Cは、把持部61Cよりも外側に突出している。また、ガード80Cには、唾液などの液体が把持部61Cに向かって流れることを抑制する傾斜面が形成されている。これにより、把持部61Cに唾液が流れることを抑制することができる。
【0196】
口腔器具10Cは、変形可能な長手方向を有するシート状に形成されている。実施の形態3では、口腔器具10Cの全体が可撓性を有している。着脱操作部70Cは、口腔器具10Cを変形させて固定するように構成されている。
【0197】
着脱操作部70Cは、凹状又は凸状に湾曲する配置面72Cと、配置面72Cの形状に沿って凹状又は凸状に湾曲する押さえ部材73Cと、を有する。
【0198】
着脱操作部70Cの一例について、
図21A及び
図21Bを用いて説明する。
図21Aは、着脱操作部70Cの一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
図21Bは、
図21Aの着脱操作部の概略分解断面図である。なお、
図21A及び
図21Bは、着脱操作部70CをYZ平面で切断したときの断面図を示している。
【0199】
図21A及び
図21Bに示すように、配置面72Cは、凹状に湾曲して形成されている。具体的には、配置面72Cは、台形状に窪んで形成されている。配置面72Cは、平坦な底面72aaと、底面72aaに向かって傾斜して延びる複数の傾斜面72ab,72acと、を含む。配置面72Cの底面72aaには、複数の接続端子71が配置されている。
【0200】
押さえ部材73Cは、配置面72Cの形状に沿って凸状に湾曲して形成されている。具体的には、押さえ部材73Cは、台形状に形成されている。押さえ部材73Cは、平坦な底面73caと、底面73caに向かって傾斜して延びる複数の傾斜面73ab,73ccと、を含む。
【0201】
図21Aに示すように、押さえ部材73Cによって配置面72Cに配置された口腔器具10Cを押圧することによって、口腔器具10Cを着脱操作部70Cに取り付ける。口腔器具10Cは、押さえ部材73Cと配置面72Cとの間に挟まれることによって、押さえ部材73Cと配置面72Cの形状に沿って変形した状態で固定される。実施の形態3では、口腔器具10Cは、Z方向において下側に突出した台形状に変形する。
【0202】
具体的には、口腔器具10Cは、配置面72Cの底面72aaと押さえ部材73Cの底面73caとの間、配置面72Cの傾斜面72abと押さえ部材73Cの傾斜面73cbとの間、配置面72Cの傾斜面72acと押さえ部材73Cの傾斜面73ccとの間で挟持される。
【0203】
口腔器具10Cの複数の電極41は、配置面72Cの底面72aaに配置された複数の接続端子71と物理的に接触することによって、複数の接続端子71に電気的に接続される。
【0204】
これにより、口腔器具10Cは、台形形状に変形して着脱操作部70Cに固定される。このように、着脱操作部70Cは、可撓性を有する口腔器具10Cを台形状などの形状に変形させて取り付けることができる。
【0205】
[効果]
実施の形態3に係る口腔用本体装置50Cによれば、以下の効果を奏することができる。
【0206】
口腔用本体装置50Cの着脱操作部70Cにおいて、配置面72Cは、凹状又は凸状に湾曲している。押さえ部材73Cは、配置面72の形状に沿って凹状又は凸状に湾曲している。このような構成により、可撓性を有する口腔器具10Cを変形させて取り付けることができる。これにより、口腔器具10Cが垂れ下がることを抑制することができる。例えば、口腔器具10Cに唾液などが付着すると、唾液の重さによって口腔器具10Cが垂れ下がる場合がある。口腔器具10Cを台形状などの形状に変形させて取り付けておくことによって、口腔器具10Cが垂れ下がることを抑制することができる。一方、口腔器具10Cを口腔内で使用するとき、口腔器具10Cを口腔内の接触部位の形状に沿って変形させることができる。これにより、測定精度又は照射精度を向上させることができる。
【0207】
また、着脱操作部70Cは、可撓性を有する口腔器具10Cを変形させて固定している。このため、口腔器具10Cに付与している力を解放し、固定を解除すると、口腔器具10Cの復元力によって着脱操作部70Cから容易に取り外すことができる。
【0208】
また、配置面72C及び押さえ部材73Cが台形状に形成されている。配置面72Cの平坦な底面72aaには、複数の接続端子71が配置されている。底面72aaにおいて、口腔器具10Cの複数の電極41と複数の接続端子71とが物理的に接触している。これにより、複数の電極41と複数の接続端子71とを電気的に接続しやすくなる。
【0209】
なお、実施の形態3では、配置面72C及び押さえ部材73Cが台形状に形成されている例について説明したが、これに限定されない。配置面72Cは、凹状又は凸状に湾曲していればよい。押さえ部材73Cは、配置面72の形状に沿って凹状又は凸状に湾曲していればよい。例えば、配置面72Cは台形状に突出して形成されており、押さえ部材73Cが台形状に窪んで形成されていてもよい。このような構成により、口腔器具10Cを口腔内の接触部位にフィットしやすくなる。
【0210】
実施の形態3では、複数の接続端子71が配置面72Cの底面72aaに配置される例について説明したが、これに限定されない。例えば、複数の接続端子71は、傾斜面72ab,72acに配置されていてもよい。あるいは、複数の接続端子71は、押さえ部材73Cの底面73ca、傾斜面73cb,73ccに配置されていてもよい。
【0211】
(変形例8)
図22は、変形例8の着脱操作部70CAを拡大して示す概略部分拡大断面図である。
図22に示すように、着脱操作部70CAは、半円状に窪んだ配置面72CAと、配置面72CAの形状に沿った半円状の押さえ部材73CAと、を有する。押さえ部材73CAは、半円状に形成された半円面73cdを有する。口腔器具10Cは、配置面72CAと押さえ部材73CAの半円面73cdとの間に挟まれることによって、半円状に変形した状態で固定される。言い換えると、口腔器具10C
Aは、配置面72CBと押さえ部材73C
Aの
半円面73cdとの間に挟まれることによって、X方向から見て、下側に突出するV字状に変形した状態で固定される。
【0212】
(変形例9)
図23は、変形例9の着脱操作部70CBを拡大して示す概略部分拡大断面図である。
図23に示すように、着脱操作部70CBは、三角形状に窪んだ配置面72CBと、配置面72CBの形状に沿った三角形状の押さえ部材73CBと、を有する。配置面72CBは、2つの傾斜面72ad,72aeを有する。押さえ部材73CBは、2つの傾斜面
73ce,73cfを有する。口腔器具10C
Bは、配置面72CBと押さえ部材73CBとの間に挟まれることによって、三角形状に変形した状態で固定される。具体的には、口腔器具10C
Bは、配置面72CBの傾斜面72adと押さえ部材73CBの傾斜面73ceとの間、及び配置面72CBの傾斜面72aeと押さえ部材73CBの傾斜面73cfとの間に挟まれる。これにより、口腔器具10C
Bは、X方向から見て、下側に突出するV字状に変形した状態で固定される。
【0213】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る口腔用装置について説明する。なお、実施の形態4では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態4においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態4では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0214】
【0215】
実施の形態4では、着脱操作部70Dにおいて配置面72Dと押さえ部材73Dの位置が逆になっている点で、実施の形態1と異なる。また、実施の形態4では、実施の形態3と同様に、着脱操作部70Dは口腔器具10Dを変形させて固定するように構成されている。
【0216】
図24A及び
図24Bに示すように、着脱操作部70Dにおいて、押さえ部材73Dは、配置面72Dの下方に配置されている。口腔器具10Dを取り付けるとき、押さえ部材73Dを押し上げることによって配置面72Dに配置された口腔器具10Dを押圧して固定する。口腔器具10Dを取り外すとき、押さえ部材73Dを押し下げることによって口腔器具10Dに対する押圧を解除し、固定を解除している。
【0217】
口腔用本体装置50Dは、所謂、銃タイプの構成を有する。具体的には、着脱操作部70Dにおいて、押さえ部材73Dは、リング状部材77を有する。リング状部材77は、押さえ部材73Dと一体で形成されている。リング状部材77を操作することによって、押さえ部材73Dの動きを制御することができる。例えば、ユーザは、本体部60Dの把持部61Dを把持しつつ、人差し指をリング状部材77に入れる。ユーザは、人差し指でリング状部材77を操作することによって、口腔器具10Dの着脱を行うことができる。また、リング状部材77によって、実施の形態1のガード80の機能を実現することができる。例えば、口腔器具10Dが垂れ下がってきたときに、リング状部材77によってユーザの指を保護することができる。
【0218】
図25は、着脱操作部70Dの一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
図25は、口腔器具10Dを着脱操作部70Dに取り付けている状態を示す。なお、
図25は、着脱操作部70DをYZ平面で切断したときの断面図を示している。
【0219】
図25に示すように、着脱操作部70Dは、半円状に窪んだ配置面72Dと、配置面72Dの形状に沿った半円状の押さえ部材73Dと、を有する。配置面72Dには、複数の接続端子71が配置されている。押さえ部材73Dは、半円状に形成された半円面73cgを有する。
【0220】
口腔器具10Dは、配置面72Dと押さえ部材73Dの半円面73cgとの間に挟まれることによって、半円状に変形した状態で固定される。実施の形態4では、口腔器具10Dは、Z方向において上側に突出した半円状に変形する。また、口腔器具10Dの複数の電極41は、配置面72Dに配置された複数の接続端子71と物理的に接触する。これにより、複数の電極41と複数の接続端子71とが電気的に接続される。
【0221】
[効果]
実施の形態4に係る口腔用本体装置50Dによれば、以下の効果を奏することができる。
【0222】
口腔用本体装置50Dの着脱操作部70Dにおいて、押さえ部材73Dは、配置面72Dの下方に配置されている。押さえ部材73Dは、リング状部材77を有する。このような構成により、ユーザは押さえ部材73Dのリング状部材77を操作することによって、口腔器具10Dの着脱を容易に行うことができる。
【0223】
着脱操作部70Dは、半円状に窪んだ配置面72Dと、配置面72Dの形状に沿った半円状の押さえ部材73Dと、を有する。このような構成により、口腔器具10Dは、Z方向において上側に突出した半円状に変形した状態で固定される。これにより、口腔器具10Dの垂れ下がりを抑制すると共に、口腔内の舌部などにフィットしやすくなる。
【0224】
なお、実施の形態4では、配置面72Dと押さえ部材73Dが半円状に形成される例について説明したが、これに限定されない。例えば、配置面72Dと押さえ部材73Dは、凹状又は凸状に湾曲して形成されていればよい。
【0225】
実施の形態4では、複数の接続端子71が配置面72に配置されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、複数の接続端子71は、押さえ部材73Dに配置されていてもよい。
【0226】
(変形例10)
図26は、変形例10の着脱操作部70DAを拡大して示す概略部分拡大断面図である。
図26は、口腔器具10Dを着脱操作部70DAに取り付けている状態を示す。なお、
図26は、着脱操作部70DAをYZ平面で切断したときの断面図を示している。
【0227】
図26に示すように、着脱操作部70DAは、半円状に窪んだ配置面72DAと、配置面72DAの形状に沿った半円状の押さえ部材73DAと、を有する。押さえ部材73DAは、半円状に形成された半円面73chを有する。複数の接続端子71は、半円面73chに配置されている。このような構成においても、口腔器具10Dの複数の電極41と複数の接続端子71とを電気的に接続させることができる。
【0228】
(変形例11)
図27は、変形例11の着脱操作部70DBを拡大して示す概略部分拡大断面図である。
図27は、口腔器具10Dを着脱操作部70DBから取り外している状態を示す。なお、
図27は、着脱操作部70DBをYZ平面で切断したときの断面図を示している。
【0229】
図27に示すように、着脱操作部70DBは、半円状に窪んだ配置面72DBと、配置面72DBの形状に沿った半円状の押さえ部材73DBと、を有する。押さえ部材73DBは、半円状に形成された半円面73ciを有する。複数の接続端子71は、配置面72DBと半円面73ciの両方に配置されている。このような構成においても、口腔器具10Dの複数の電極41と複数の接続端子71とを電気的に接続させることができる。また、複数の電極41が口腔器具10Dの上面に配置されている場合、および複数の電極41が口腔器具10Dの下面に配置されている場合のいずれの場合でも、複数の電極41と複数の接続端子71とを電気的に接続しつつ、口腔器具10Dを着脱操作部70DBに取り付けることができる。
【0230】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る口腔用装置について説明する。なお、実施の形態5では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態5においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態5では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0231】
実施の形態5の口腔用装置の一例について、
図28を用いて説明する。
図28は、本発明に係る実施の形態5の口腔用装置1Eの一例の主要な構成を示すブロック図である。
【0232】
実施の形態5では、口腔器具10Eの機能部20Eがエネルギー照射部22を有する点、口腔用本体装置50Eがエネルギー照射部22の制御を行う点で、実施の形態1と異なる。
【0233】
図28に示すように、口腔器具10Eにおいて、機能部20Eは、口腔内にエネルギーを照射するエネルギー照射部22を有する。実施の形態5では、口腔器具10Eがレーザ治療器である例を説明する。口腔器具10Eは、口腔用本体装置50Eに着脱可能に取り付けられて使用される。
【0234】
図29Aは、口腔器具10Eの一例を示す概略図である。
図29Bは、
図29Aの口腔器具の一例の概略断面図である。
図29A及び
図29Bに示すように、機能部20Eは、複数のエネルギー照射部22を有する。実施の形態5では、機能部20Eは、4つのエネルギー照射部22を有する。
【0235】
複数のエネルギー照射部22は、例えば、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting LASER)である。複数のエネルギー照射部22は、配線層11の第1主面PS1に実装され、その上から透明な樹脂フィルム14で覆われている。複数のエネルギー照射部22からのレーザは、樹脂フィルム14を透過して口腔内の照射部位に照射される。
【0236】
図28に戻って、口腔用本体装置50Eは、入力部91を備える。入力部91は、エネルギー照射部22を操作する入力情報を取得する。ユーザは、入力部91に入力情報を入力する。例えば、入力部91は、1つ又は複数の操作ボタン、タッチパネル、マイクなどであってもよい。入力部91に入力された入力情報は、制御部62に送信される。入力情報としては、例えば、レーザの照射、レーザの停止、タイマー、出力値などを含む。
【0237】
制御部62は、入力部91から入力情報を受信し、入力情報に基づいて口腔器具10Eの動作を制御する。制御部62は、入力情報に基づいて、複数のエネルギー照射部22を制御する。例えば、入力部91にレーザ照射の入力情報が入力されると、制御部62は、口腔器具10Eの複数のエネルギー照射部22を制御し、複数のエネルギー照射部22からレーザを照射させる。
【0238】
[効果]
実施の形態5に係る口腔用本体装置50Eによれば、以下の効果を奏することができる。
【0239】
口腔用本体装置50Eは、エネルギー照射部22を有する口腔器具10Eを着脱可能に取り付け、口腔器具10Eの動作を制御することができる。また、口腔器具10Eを使用した後は、口腔器具10Eを本体装置50Eから容易に取り外すことができる。
【0240】
なお、実施の形態5では、エネルギー照射部22が垂直共振器面発光レーザである例について説明したが、これに限定されない。エネルギー照射部22は、エネルギーを照射できればよい。
【0241】
実施の形態5では、機能部20Eが4つのエネルギー照射部22を有する例について説明したが、これに限定されない。機能部20Eは1つ又は複数のエネルギー照射部22を有していればよい。
【0242】
(変形例12)
図30は、変形例12の口腔器具10EAを示す概略図である。
図30に示すように、口腔器具10EAは、高周波治療器として用いられる。機能部20EAの複数のエネルギー照射部22aは、高周波電流を流すことができる複数の電極である。複数の電極を口腔内に接触させた状態で、複数の電極間に高周波電流を供給する。高周波電流の供給は、本体装置50Eによって制御される。
【0243】
なお、変形例12においては、口腔器具10EAが高周波治療器である例を説明したが、これに限定されない。口腔器具10EAは低周波治療器であってもよい。この場合、複数の電極間に低周波電流を供給する。
【0244】
(変形例13)
図31Aは、変形例13の口腔器具10EBを示す概略図である。
図31Bは、
図31Aの変形例13の口腔器具10EBの概略断面図である。
図31A及び
図31Bに示すように、口腔器具10EBは、温熱治療器として用いられる。機能部20EBのエネルギー照射部22bは、シートヒータである。シートヒータは、抵抗体での発熱を利用して加熱を行う。また、口腔器具10EBは、エネルギー照射部22bで加熱される部分を除いて断熱材15で覆われていてもよい。
【0245】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6に係る口腔用装置について説明する。なお、実施の形態6では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態6においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態6では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0246】
実施の形態6の口腔用装置の一例について、
図32を用いて説明する。
図32は、本発明に係る実施の形態6の口腔用装置1Fの一例の主要な構成を示すブロック図である。
【0247】
実施の形態6では、口腔器具10Fの電気接続部がRFID(Radio Frequency Identification)タグ43である点、口腔用本体装置50Fの電気接続導体がアンテナ78である点で、実施の形態1と異なる。
【0248】
図32に示すように、口腔器具10Fにおいて、接続部40
Fは、電気接続部としてRFIDタグ43を有する。RFIDタグ43は、口腔用本体装置50Fの電気接続導体と無線接続することによって電気的に接続される。即ち、RFIDタグ43は、口腔用本体装置50Fのアンテナ78と非接触で電気的に接続される。
【0249】
図33は、口腔器具10Fの一例を示す概略図である。
図34は、
図33の口腔器具10Fの一例の概略断面図である。
図33及び
図34に示すように、RFIDタグ43は、配線層11において接続部40Fに配置されている。RFIDタグ43は、複数の絶縁層12,13で覆われている。即ち、RFIDタグ43は、複数の絶縁層12,13から露出していない。
【0250】
図35は、RFIDタグ43の一例の概略図である。
図35に示すように、RFIDタグ43は、アンテナ44と、アンテナ44に接続されるICチップ45と、を有する。
【0251】
アンテナ44は、導電性の線状部材がコイル状に巻かれて形成されている。アンテナ44は、例えば、配線導体パターンで形成される。
【0252】
ICチップ45は、例えば、入出力用の端子を有するRFICチップ(ベアチップ)をパッケージングしたものである。例えば、ICチップ45は、RFIDタグ用のRF回路やメモリ回路、制御回路等を実装したICチップである。ICチップ45は、配線31を介して機能部20のセンサ部21と接続されている。
【0253】
図36は、RFIDタグ43の一例の概略回路図である。
図36に示すように、ICチップ45には、アンテナ44が接続されている。アンテナ44には、チップキャパシタC1が並列接続されている。チップキャパシタC1は、例えば、積層型セラミックチップ部品である。アンテナ44と、チップキャパシタC1と、ICチップ45自身が持つ容量成分とによって、共振周波数を有するアンテナ共振回路が構成されている。なお、当該回路は、一例であって、RFIDタグ43の共振回路はこれに限定されない。
【0254】
図37は、着脱操作部70Fの一例を拡大して示す概略部分拡大断面図である。
図37は、口腔器具10Fが着脱操作部70Fに取り付けられており、口腔器具10Fと本体装置50
Fが非接触で電気的に接続されている状態を示す。
【0255】
図37に示すように、着脱操作部70Fは、アンテナ78を有する。本明細書では、アンテナ78を本体側アンテナ78と称する場合がある。なお、着脱操作部70Fは、接続端子71の代わりにアンテナ78を有する点を除いて、実施の形態1の着脱操作部70と同様の構成を有する。
【0256】
本体側アンテナ78は、導電性の線状部材がコイル状に巻かれて形成されている。本体側アンテナ78は、例えば、配線導体パターンで形成される。
【0257】
本体側アンテナ78は、本体装置50Fの内部に収容されている。本体側アンテナ78は、配置面72の下方に配置されている。具体的には、口腔器具10Fが配置面72上に配置されて着脱操作部70Fに取り付けられている状態において、本体側アンテナ78は、RFIDタグ43のアンテナ44の下方に位置する。即ち、口腔器具10Fが配置面72上に配置されて着脱操作部70Fに取り付けられている状態において、本体側アンテナ78は、RFIDタグ43のアンテナ44と対向する。
【0258】
口腔器具10Fのアンテナ44と本体装置50Fの本体側アンテナ78が対向しているとき、RFIDタグ43と本体側アンテナ78とが磁界結合する。これにより、アンテナ44に誘導電流が流れ、ICチップ45が動作する。これにより、口腔器具10Fを使用することができる。
【0259】
[効果]
実施の形態6に係る口腔用本体装置50Fによれば、以下の効果を奏することができる。
【0260】
口腔器具10Fの電気接続部は、RFIDタグ43である。口腔用本体装置50Fの電気接続導体は、アンテナ78である。着脱操作部70Fは、RFIDタグ43とアンテナ78とを無線接続させることによって電気的に接続する。このような構成により、口腔器具10Fの着脱が容易になると共に、口腔器具10Fと口腔用本体装置50Fとの電気的接続を容易に行うことができる。
【0261】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7に係る口腔用装置について説明する。なお、実施の形態7では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態7においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態7では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0262】
実施の形態7の口腔用装置の一例について、
図38A及び
図38Bを用いて説明する。
図38A及び
図38Bは、本発明に係る実施の形態7の口腔用装置1Gの一例の概略斜視図である。
図38Aは、口腔用本体装置50Gから口腔器具10Gが取り外されている状態を示す。
図38Bは、口腔用本体装置50Gに口腔器具10Gが取り付けられている状態を示す。
【0263】
実施の形態7では、口腔用装置1Gが咬合力計である例について説明する。咬合力計とは、咬合する際の力、即ち咬合力を測定する装置である。口腔用装置1Gでは、口腔器具10Gが咬合力に関連する情報を取得し、咬合力に関連する情報を口腔用本体装置50Gに送信する。口腔用本体装置50Gは、口腔器具10Gで取得した咬合力に関連する情報に基づいて、咬合力を算出する。
【0264】
図38A及び
図38Bに示すように、口腔器具10Gは、口腔用本体装置50Gの着脱操作部70Gに着脱可能に取り付けられる。
【0265】
口腔器具10Gについて、
図39A及び
図39Bを用いて説明する。
図39Aは、本発明に係る実施の形態7の口腔器具10Gの一例の概略平面図である。
図39Bは、
図39Aの口腔器具10GをA-A線で切断した概略断面図である。
図39A及び
図39Bに示すように、口腔器具10Gは、機能部20G及び接続部40Gを備える。
【0266】
機能部20Gは、ユーザの咬合力に関連する情報を検出するセンサ部21Gを有する。センサ部21Gは、咬合力を測定する際に、ユーザの歯によって噛まれる部分である。センサ部21Gは、絶縁層23、電極24、加重分散板25及び受圧部26を備える。
【0267】
実施の形態7では、センサ部21Gにおいては、絶縁層23の両面に2つの電極24が配置されており、電極24の外側に2つの加重分散板25及び2つの受圧部26が配置されている。
【0268】
絶縁層23は、板状の樹脂部材で形成されている。樹脂部材としては、例えば、熱可塑性エラストマーが用いられる。例えば、絶縁層23は、長さ15mm、幅30mm、厚み0.8mmを有する。なお、長さとはX方向の寸法を意味し、幅とはY方向の寸法を意味し、厚みとはZ方向の寸法を意味する。
【0269】
電極24は、板状の導電性部材で形成されている。導電性部材としては、例えば、フレキシブルプリント回路基板が用いられる。例えば、電極24は、長さ15mm、幅30mm、厚み0.1mmを有する。電極24は、絶縁層23を挟んで配置されている。また、電極24は、後述する接続部40Gの電気接続部41Gと一体で形成されている。
【0270】
加重分散板25は、センサ部21Gに加わる加重を分散する板状の部材である。具体的には、加重分散板25は、受圧部26で受けた加重を分散する。加重分散板25は、絶縁層23よりも硬い材料で形成されている。例えば、加重分散板25は、SUSなどの材料で形成されている。例えば、加重分散板25は、長さ30mm、幅15mm、厚み1mmを有する。加重分散板25は、電極24の外側に配置され、絶縁層23と電極24とを挟んでいる。また、加重分散板25の一部は、接続部40Gを構成している。
【0271】
受圧部26は、ユーザの歯と接触し、咬合力による圧力を受ける部分である。受圧部26は、板状の樹脂部材で形成されている。樹脂部材としては、例えば、ゴムが用いられる。例えば、受圧部26は、長さ30mm、幅15mm、厚み2mmを有する。受圧部26は、加重分散板25の外側に配置され、絶縁層23、電極24及び加重分散板25を挟んでいる。
【0272】
接続部40Gは、口腔用本体装置50Gの着脱操作部70Gに着脱可能に取り付けられる部分であり、口腔器具10Gの先端と反対側の後端に設けられる。接続部40Gは、複数の係合部46と、複数の電気接続部41Gと、を有する。複数の係合部46は、間隔を有して対向して配置される一対の板状の部材で構成されている。複数の電気接続部41Gは、複数の係合部46の間に配置される一対の電極で構成されている。また、複数の電気接続部41Gは、それぞれ、複数の係合部46の内側に配置されている。
【0273】
実施の形態7では、係合部46は加重分散板25の一部で構成されており、電気接続部41Gは電極24の一部で構成されている。具体的には、係合部46は、加重分散板25の一端を絶縁層23及び受圧部26よりも突出させることによって形成されている。電気接続部41Gは、電極24の一端を絶縁層23及び受圧部26よりも突出させることによって形成されている。
【0274】
係合部46には、厚み方向に貫通するロック孔46aが設けられている。ロック孔46aは、口腔器具10Gの厚み方向に見て、矩形状に形成されている。また、口腔器具10Gの厚み方向に見て、電気接続部41Gは、ロック孔46aと重なる位置に配置されている。ロック孔46aは、後述する着脱操作部70Gの押さえ部材73Gの突起73eが挿入される孔である。
【0275】
口腔器具10Gでは、機能部20Gがユーザの口腔内に配置され、機能部20Gのセンサ部21Gが上下方向から噛まれることによって咬合力に関連する情報を取得する。また、センサ部21Gで取得した咬合力に関連する情報は、接続部40Gを介して口腔用本体装置50Gに送信される。口腔用本体装置50Gでは、算出部63が、口腔器具10Gで取得した咬合力に関連する情報に基づいて、咬合力を算出する。
【0276】
具体的には、口腔器具10Gにおいては、ユーザがセンサ部21Gを上下方向から噛むことによって受圧部26に圧力がかかる。受圧部26に圧力がかかると、加重分散板25が圧力を均等に分散する。これにより、絶縁層23に均等に圧力がかかった状態で絶縁層23が変形する。絶縁層23が変形することで、絶縁層23の両主面に配置される一対の電極24間の静電容量が変化する。口腔器具10Gは、ユーザの咬合力に関連する情報として、静電容量の情報を取得する。
【0277】
口腔器具10Gの接続部40Gにおいては、電気接続部41Gと口腔用本体装置50Gの電気接続導体71Gとが物理的に接触することによって電気的に接続される。このため、口腔器具10Gで取得した静電容量の情報が、電気接続部41G及び電気接続導体71Gを介して口腔用本体装置50Gに送信される。口腔用本体装置50Gにおいて、算出部63は、口腔器具10Gで取得した静電容量の情報に基づいて、咬合力を算出する。
【0278】
次に、口腔用本体装置50Gの構成と着脱操作部70Gの操作の一例について
図40A-40Cを用いて説明する。
図40A-40Cは、着脱操作部70Gの操作の一例を示す模式図である。
【0279】
図40A-40Cに示すように、口腔用本体装置50Gは、電気接続導体71Gが設けられた基板72Gと、着脱操作部70Gと、を備える。
【0280】
基板72Gは、板状に形成されており、本体部60Gの内部に配置されている。基板72Gの一端は、本体部60Gの先端に設けられた開口64側に配置されている。開口64は、口腔器具10Gの接続部40Gが挿入される部分である。また、開口64には、口腔器具10Gが挿入される際のガイド64aが設けられている。
【0281】
基板72Gの両主面には、複数の電気接続導体71Gが設けられている。具体的には、基板72Gは、第1配置面72GAと、第1配置面72GAと反対側の第2配置面72GBと、を有する。基板72Gの第1配置面72GAに1つの電気接続導体71Gが設けられており、基板72Gの第2配置面72GBに1つの電気接続導体71Gが設けられている。複数の電気接続導体71Gは、基板72Gの一端側に設けられている。
【0282】
複数の電気接続導体71Gは、複数の接続端子で形成されている。接続端子としては、例えば、パッド電極が用いられてもよい。パッド電極は、例えば、導電性材料で形成されている。パッド電極は、例えば、基板72Gの主面側から見て、矩形状に形成されている。パッド電極は、例えば、電極24と同様の材料で形成されていてもよい。
【0283】
着脱操作部70Gは、複数の押さえ部材73Gを有する。複数の押さえ部材73Gは、口腔器具10Gに対する力の付与と解放とを操作可能な部材である。複数の押さえ部材73Gは、基板72Gの両主面にそれぞれ配置され、基板72Gの両主面に交差する方向に力を付与するように構成されている。「基板72Gの両主面に交差する方向に力を付与する」とは、基板72Gに近づく方向に力を付与することを意味する。具体的には、複数の押さえ部材73Gは、少なくとも2つの押さえ部材73Gを有する。複数の押さえ部材73Gは、本体部60Gの内部において、基板72Gの両主面側、即ち、第1配置面72GA側と第2配置面72GB側とに配置されている。複数の押さえ部材73Gは、複数の電気接続導体71G、即ち、複数の接続端子が設けられた部分で、基板72Gの両主面に交差する方向に力を付与するように構成されている。押さえ部材73Gは、電気接続部41G(複数の電極)と複数の電気接続導体71G(複数の接続端子)とがそれぞれ接触した状態で、口腔器具10Gの接続部40Gに対して力を付与する。これにより、押さえ部材73Gは、口腔器具10Gの電気接続部41Gと電気接続導体71Gとが電気的に接続している状態で、口腔器具10Gを口腔用本体装置50Gに固定することができる。
【0284】
押さえ部材73Gは、一端と他端とを有する棒状の部材で形成されている。押さえ部材73Gの一端は開口64側に配置され、押さえ部材73Gの他端は開口64と反対側の本体部60Gの内部に配置されている。
【0285】
複数の押さえ部材73Gは、それぞれ、基板72Gの両主面に向かって突出する突起73eを有する。突起73eは、押さえ部材73Gの一端に設けられている。突起73eは、例えば、丸く湾曲した形状を有する。口腔器具10Gの接続部40Gが口腔用本体装置50Gに取り付けられた状態において、突起73eは、接続部40Gの係合部46に設けられたロック孔46aに挿入される。これにより、突起73eが係合部46に係合し、口腔器具10Gを口腔用本体装置50Gに固定する。
【0286】
また、複数の押さえ部材73Gは、それぞれ、本体部60Gの操作孔65内に位置する操作部79を有している。操作部79は、押さえ部材73Gの他端側に設けられ、操作孔65から突出している。実施の形態7では、操作部79は、押さえ部材73GをU字状に屈曲して形成されている。なお、操作部79の形状は、これに限定されない。
【0287】
複数の押さえ部材73Gの他端側には、複数の弾性部材79aが配置されている。複数の弾性部材79aは、基板72Gの両主面に配置されており、複数の押さえ部材73Gの他端側を基板72Gの両主面から離れる方向に付勢している。具体的には、基板72Gの他端側において、第1配置面72GAに1つの弾性部材79aが配置されており、第2配置面72GBに1つの弾性部材79aが配置されている。これにより、押さえ部材73Gの他端側を基板72Gから離れる方向に押圧し、操作部79を操作孔65から突出させている。弾性部材79aは、例えば、バネである。
【0288】
複数の押さえ部材73Gは、それぞれ、回転軸74Gを有しており、回転軸74Gを中心にして回動する。回転軸74Gは、押さえ部材73Gの一端と他端との間に設けられている。押さえ部材73Gの他端側が弾性部材79aによって基板72Gから離れる方向に付勢されると、押さえ部材73Gが回転軸74Gを中心にして回動する。これにより、押さえ部材73Gの一端側が基板72Gに近づく一方、押さえ部材73Gの他端側が基板72Gから離れる。また、操作部79が基板72Gに近づく方向に押されると、押さえ部材73Gが回転軸74Gを中心にして回動し、押さえ部材73Gの一端側が基板72Gから離れる一方、押さえ部材73Gの他端側が基板72Gに近づく。
【0289】
次に、着脱操作部70Gの操作の一例について説明する。
【0290】
図40Aに示すように、口腔器具10Gの接続部40Gを本体部60Gの開口64に向かって挿入する。口腔器具10Gの接続部40は、ガイド64aに沿って、開口64に挿入される。具体的には、口腔器具10Gは、一対の係合部46の間にガイド64aが位置するように開口64に挿入される。
【0291】
図40Bに示すように、口腔器具10Gの接続部40Gが開口64から本体部60G内へ挿入されると、係合部46によって押さえ部材73Gの一端、即ち、突起73eが基板72Gから離れる方向に押される。このとき、口腔器具10Gの電気接続部41Gは、基板72Gの第1配置面72GA及び第2配置面72GBに沿って移動し、電気接続導体71Gと物理的に接触する。
【0292】
図40Cに示すように、接続部40Gの係合部46のロック孔46aに、押さえ部材
73Gの突起73eが挿入されることによって、突起73eと係合部46とが係合する。押さえ部材73Gの突起73eがロック孔46aに挿入された状態においては、弾性部材79aによって、押さえ部材73Gの他端側が基板72Gから離れる方向に付勢されている。このため、押さえ部材73Gの一端側では基板72Gに近づく方向に力が付与される。これにより、押さえ部材73Gの突起73eがロック孔46aに挿入された状態、即ち、突起73eが係合部46に係合された状態を維持することができる。その結果、電気接続部41Gと電気接続導体71Gとが電気的に接続された状態で、口腔器具10Gが口腔用本体装置50Gに固定される。
【0293】
なお、口腔器具10Gを取り外す際は、押さえ部材73Gの操作部79を基板72Gに近づく方向に押すことによって、押さえ部材73Gの突起73eを基板72Gから離れる方向に移動させる。これにより、押さえ部材73Gの突起73eがロック孔46aの外部へ移動し、突起73eと係合部46との係合が解除され、口腔用本体装置50Gから口腔器具10Gを取り外すことができる。
【0294】
[効果]
実施の形態7に係る口腔用本体装置50Gによれば、以下の効果を奏することができる。
【0295】
口腔器具10Gの電気接続部41Gは、複数の電極を有する。口腔用本体装置50Gの電気接続導体71Gは、基板72Gの両主面に設けられた複数の接続端子を有する。着脱操作部70Gは、基板72Gの両主面にそれぞれ配置され、且つ基板72Gの両主面に交差する方向に力を付与する複数の押さえ部材73Gを有する。複数の押さえ部材73Gは、複数の電極と複数の接続端子とがそれぞれ接触した状態で、基板72Gの両主面に交差する方向に力を付与することによって口腔器具10を固定する。このような構成により、口腔器具10Gの着脱が容易になると共に、口腔器具10Gと口腔用本体装置50Gとの電気的接続を容易に行うことができる。
【0296】
複数の押さえ部材73Gは、それぞれ、基板72Gの両主面に向かって突出する突起73eを有する。このような構成により、複数の押さえ部材73Gが、口腔器具10Gに対して接触しやすくなり、口腔器具10Gを口腔用本体装置50Gに容易に且つ強固に固定することができる。
【0297】
なお、実施の形態7では、口腔器具10Gの係合部46にロック孔46aが設けられている例について説明したが、これに限定されない。口腔器具10において、ロック孔46aは必須の構成ではなく、係合部46に設けられていなくてもよい。
【0298】
実施の形態7では、係合部46が加重分散板25の一部で構成される例について説明したが、これに限定されない。例えば、係合部46は、加重分散板25とは別の部材で形成されていてもよい。
【0299】
実施の形態7では、電気接続部41Gが電極24と一体で形成された電極である例について説明したが、これに限定されない。例えば、電気接続部41Gは、電極24とは別の部材で形成されていてもよい。この場合、電極24と電気接続部41Gとの間に配線部を設けてもよい。
【0300】
実施の形態7では、口腔器具10Gが加重分散板25を備える例について説明したが、これに限定されない。口腔器具10Gにおいて、加重分散板25は必須の構成ではない。
【0301】
実施の形態7では、複数の押さえ部材73Gが回転軸74Gを中心にして回動する例について説明したが、これに限定されない。例えば、押さえ部材73Gは、実施の形態1の変形例1~5の押さえ部材73,73AAであってもよい。
【0302】
実施の形態7では、口腔器具10Gがユーザの咬合力に関連する情報として、静電容量の情報を取得する例について説明したが、これに限定されない。口腔器具10Gは、ユーザの咬合力に関連する情報として、咬合力を算出する情報を取得すればよい。
【0303】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8に係る口腔用装置について説明する。なお、実施の形態8では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態8においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態8では、実施の形態1と重複する記載は省略する。また、実施の形態8では、実施の形態7と一部重複する記載があるが、そのような記載は省略する。
【0304】
実施の形態8の口腔用装置の一例について、
図41A及び
図41Bを用いて説明する。
図41A及び
図41Bは、本発明に係る実施の形態8の口腔用装置1Hの一例の概略断面図である。
図41Aは、口腔用本体装置50Hから口腔器具10Hが取り外されている状態を示す。
図41Bは、口腔用本体装置50Hに口腔器具10Hが取り付けられている状態を示す。
【0305】
実施の形態8では、口腔用装置1Hが咬合力計である例について説明する。咬合力計の説明については、実施の形態7と同様のため省略する。また、実施の形態8では、基板72Hの一方の主面のみに押さえ部材73Hが配置されている点で、実施の形態7と異なる。
【0306】
図41A及び
図41Bに示すように、口腔器具10Hは、口腔用本体装置50Hの着脱操作部70Hに着脱可能に取り付けられる。
【0307】
口腔器具10Hについて、
図42A及び
図42Bを用いて説明する。
図42Aは、本発明に係る実施の形態8の口腔器具10Hの一例の概略底面図である。
図42Bは、
図42Aの口腔器具10HをB-B線で切断した概略断面図である。
図42A及び
図42Bに示すように、口腔器具10Hは、機能部20H及び接続部40Hを備える。
【0308】
機能部20Hは、ユーザの咬合力に関連する情報を検出するセンサ部21Hを有する。センサ部21Hは、咬合力を測定する際に、ユーザの歯によって噛まれる部分である。センサ部21Hは、絶縁層23、電極24、加重分散板25及び受圧部26を備える。絶縁層23、電極24、加重分散板25及び受圧部26については、実施の形態7と同様であるため、説明を省略する。
【0309】
接続部40Hは、口腔用本体装置50Hの着脱操作部70Hに着脱可能に取り付けられる部分であり、口腔器具10Hの先端と反対側の後端側に設けられる。接続部40Hは、係合部46Hと、複数の電気接続部41Hと、を有する。係合部46Hは、板状の部材で構成されている。複数の電気接続部41Hは、例えば、電極で構成されている。また、複数の電気接続部41Hは、それぞれ、係合部46Hの内面側に配置されている。係合部46Hの内面側とは、口腔器具10Hの厚み方向(Z方向)において絶縁層23が配置されている側の面である。実施の形態8では、3つの複数の電気接続部41Hが係合部46Hに配置されている。なお、電気接続部41Hの数は、3つに限定されず、1つ又は複数であってもよい。
【0310】
実施の形態8では、係合部46Hは加重分散板25の一部で構成されており、電気接続部41Hは電極24の一部で構成されている。具体的には、係合部46Hは、加重分散板25の一端を絶縁層23及び受圧部26よりも突出させることによって形成されている。電気接続部41Hは、電極24の一端を絶縁層23及び受圧部26よりも突出させることによって形成されている。
【0311】
接続部40Hにおいて、係合部46Hには、厚み方向に貫通するロック孔46bが設けられている。ロック孔46bは、口腔器具10Hの厚み方向に見て、矩形状に形成されている。ロック孔46bは、後述する着脱操作部70Hの押さえ部材73Hの突起73fが挿入される孔である。実施の形態8では、係合部46Hには、2つのロック孔46bが間隔を有して設けられている。また、口腔器具10Hの厚み方向に見て、複数の電気接続部41Hは、2つのロック孔46bの間に配置されている。
【0312】
接続部40Hにおいては、電気接続部41Hと口腔用本体装置50Hの電気接続導体71Hとが物理的に接触することによって電気的に接続される。
【0313】
図41A及び
図41Bに戻って、口腔用本体装置50Hの構成と着脱操作部70Hの操作の一例について説明する。
【0314】
図41A及び
図41Bに示すように、口腔用本体装置50Hは、複数の電気接続導体71Hが設けられた基板72Hと、着脱操作部70Hと、を備える。
【0315】
基板72Hは、板状に形成されており、本体部60Hの内部に配置されている。基板72Hの一端は、本体部60Hの先端に設けられた開口64H側に配置されている。開口64Hは、口腔器具10Hの接続部40Hが挿入される部分である。
【0316】
図43は、本発明に係る実施の形態8の口腔用本体装置50Hの一例の概略部分斜視図である。
図43に示すように、口腔用本体装置50Hの先端に設けられた開口64Hに、口腔器具10Hの接続部40Hを挿入する。これにより、口腔器具10Hを口腔用本体装置50Hに取り付ける。
【0317】
図41A及び
図41Bに戻って、基板72Hの先端側には、複数の電気接続導体71Hが配置されている。具体的には、基板72Hにおいて、後述する押さえ部材73Hが配置されている側の主面(一方の主面)に、複数の電気接続導体71Hが配置されている。実施の形態8では、3つの電気接続導体71Hが基板72Hに配置されている。なお、電気接続導体71Hの数は、3つに限定されず、1つ又は複数であってもよい。
【0318】
図44は、基板72Hに設けられた複数の電気接続導体71Hの一例の概略斜視図である。
図44に示すように、複数の電気接続導体71Hは、コンタクトコネクタにより構成されている。コンタクトコネクタとは、物理的接触により電気的接続を行うコネクタである。具体的には、複数の電気接続導体71Hのそれぞれは、接続端子81と、可動部品82と、を有する。
【0319】
接続端子81は、導電性の材料で形成されていればよく、例えば、電極24と同様の材料で形成されていてもよい。
【0320】
可動部品82は、接続端子81に向かって移動し、接続端子81と接触する部品である。具体的には、可動部品82は、力が付与されることによって接続端子81に向かって移動し、接続端子81と物理的に接触する。即ち、可動部品82は、力が付与されていない状態では、接続端子81と物理的に接触していない。一方、可動部品82は、力が付与されている状態では、接続端子81に向かって移動し、接続端子81と物理的に接触する。
【0321】
可動部品82は、例えば、導電性材料で形成されている。このため、可動部品82が接続端子81と物理的に接触すると、可動部品82と接続端子81とが電気的に接続される。
【0322】
可動部品82は、例えば、板バネで形成されている。
【0323】
可動部品82は、口腔器具10Hの接続部40Hの電気接続部41H(電極)と物理的に接触する。具体的には、口腔器具10Hの接続部40Hが口腔用本体装置50Hの開口64Hから挿入されると、接続部40Hの電気接続部41Hが可動部品82と接触し、押圧する。この押圧力により、可動部品82は、接続端子81に向かって移動する。
【0324】
可動部品82は、電気接続部41Hと接触したとき、接続端子81に向かって移動することによって接続端子81と物理的に接触する。これにより、口腔器具10Hの電気接続部41H(電極)、可動部品82及び接続端子81が電気的に接続される。
【0325】
図41A及び
図41Bに戻って、着脱操作部70Hは、押さえ部材73Hを有する。押さえ部材73Hは、口腔器具10Hに対する力の付与と解放とを操作可能な部材である。押さえ部材73Hは、基板72Hの一方の主面に配置され、基板72Hの主面に交差する方向に力を付与するように構成されている。具体的には、着脱操作部70Hは、基板72Hの一方の主面に配置された1つの押さえ部材73Hを有する。押さえ部材73Hは、電気接続導体71Hが配置されている部分において、基板72Hの一方の主面に交差する方向に力を付与するように構成されている。「基板72Hの一方の主面に交差する方向に力を付与する」とは、基板72Hの一方の主面に近づく方向に力を付与することを意味する。押さえ部材73Hは、口腔器具10Hの電気接続部41H(電極)と電気接続導体71H(接続端子81、可動部品82)とが接触した状態で、口腔器具10Hを口腔用本体装置50Hに固定する。
【0326】
押さえ部材73Hは、一端と他端とを有する棒状の部材で形成されている。押さえ部材73Hの一端は開口64H側に配置され、押さえ部材73Hの他端は開口64Hと反対側の本体部60Hの内部に配置されている。
【0327】
押さえ部材73Hは、基板72Hの一方の主面に向かって突出する突起73fを有する。突起73fは、押さえ部材73Hの一端に設けられている。口腔器具10Hの接続部40Hが口腔用本体装置50Hに取り付けられた状態において、突起73fは、接続部40Hの係合部46Hに設けられたロック孔46bに挿入され、係合部46Hに係合する。これにより、口腔器具10Hを口腔用本体装置50Hに固定する。
【0328】
図45は、押さえ部材73Hの一例の概略斜視図である。
図46は、
図45のZ1部分の概略拡大図である。
図47は、口腔器具10Hが取り付けられた状態を示す概略部分拡大図である。
図45及び
図46に示すように、押さえ部材73Hの一端側には、2つの突起73fが間隔を有して設けられている。具体的には、2つの突起73fは、Y方向に間隔を有して配置されている。
図46に示すように、口腔器具10Hの接続部41Hが口腔用本体装置50Hに取り付けられると、2つの突起73fは、口腔器具10Hの2つのロック孔46bに挿入される。これにより、押さえ部材73Hは、口腔器具10Hを口腔用本体装置50Hに固定する。
【0329】
図41A及び
図41Bに戻って、押さえ部材73Hは、操作部79Hを有している。操作部79Hは、押さえ部材73Hの他端側に設けられ、本体部60Hに設けられた操作孔(図示なし)から突出している。ユーザは操作部79Hを操作することによって、押さえ部材73Hによる口腔用本体装置50Hに対する口腔器具10Hの固定を解除する。
【0330】
また、押さえ部材73Hは、回転軸74Hを有しており、回転軸74Hを中心にして回動する。回転軸74Hは、押さえ部材73Hの一端と他端との間に設けられている。押さえ部材73Hの他端側が基板72Hから離れる方向に移動すると、押さえ部材73Hが回転軸74Hを中心にして回動する。これにより、押さえ部材73Hの一端側が基板72Hに近づく一方、押さえ部材73Hの他端側が基板72Hから離れる。また、操作部が基板72Hに近づく方向に押されると、押さえ部材73Hが回転軸74Hを中心にして回動し、押さえ部材73Hの一端側が基板72Hから離れる一方、押さえ部材73Hの他端側が基板72Hに近づく。
【0331】
【0332】
図48Aに示すように、口腔器具10Hの接続部40Hが口腔用本体装置50Hの開口64Hから本体部60Hの内部に挿入されると、押さえ部材73Hの一端が接続部40Hと接触する。押さえ部材73Hの一端は、接続部40Hの挿入によって、基板72Hの一方の主面から離れる方向に持ち上げられる。なお、
図48Aに示す状態では、電気接続部41Hにおいて、可動部品82は、接続端子81から離れており、物理的に接触していない。
【0333】
図48Bに示すように、接続部40Hが本体部60Hの内部に配置されると、接続部40Hの電気接続部41H(電極)が電気接続導体71Hに接触する。具体的には、電気接続部41Hは、可動部品82と接触する。可動部品82は、電気接続部41Hと接触すると、接続端子81に向かって移動し、接続端子81と物理的に接触する。これにより、電気接続部41H、可動部品82及び接続端子81が電気的に接続される。
【0334】
押さえ部材73Hは、電気接続部41H(電極)、可動部品82及び接続端子81が接触した状態で、基板72Hの一方の主面に交差する方向に力を付与することによって口腔器具10Hを固定する。また、押さえ部材73Hの一端に設けられた突起73fが、係合部46Hのロック孔46bに配置される。これにより、口腔器具10Hが口腔用本体装置50Hから抜け出すのを防止することができる。
【0335】
なお、口腔器具10Hを口腔用本体装置50Hから取り外す際には、操作部79Hを操作することによって、押さえ部材73Hによる口腔用本体装置50Hに対する口腔器具10Hの固定を解除することができる。
【0336】
[効果]
実施の形態8に係る口腔用本体装置50Hによれば、以下の効果を奏することができる。
【0337】
口腔用本体装置50Hにおいては、電気接続導体71Hは、基板72Hの一方の主面に設けられた接続端子81と、接続端子81に向かって移動し、接続端子81と接触する可動部品82と、を有する。可動部品82は、口腔器具10Hの電気接続部41Hと接触したとき、接続端子81に向かって移動することによって接続端子81と接触する。着脱操作部70Hは、基板72Hの一方の主面に配置され、且つ基板72Hの一方の主面に交差する方向に力を付与する押さえ部材73Hを有する。押さえ部材73Hは、電気接続部41H、可動部品82及び接続端子81が接触した状態で、基板72Hの一方の主面に交差する方向に力を付与することによって口腔器具10Hを固定する。このような構成により、口腔器具10Hの着脱が容易になると共に、口腔器具10Hと口腔用本体装置50Hとの電気的接続を容易に行うことができる。
【0338】
また、実施の形態8の口腔用本体装置50Hは、実施の形態7と比べて、口腔器具10Hとの電気的接続を維持しやすい。口腔用本体装置50Hでは、基板72Hの一方の主面側のみで電気接続部41Hと電気接続導体71H(接続端子81、可動部品82)との物理的接触により電気的接続を実現している。このため、例えば、咬合力を測定するときに、口腔器具10Hに回転方向の力(ねじる力)が生じる場合であっても、電気接続部41Hと電気接続導体71Hとの物理的接触を維持しやすいため、電気的接続が解除されにくい。
【0339】
また、実施の形態8の口腔用本体装置50Hは、実施の形態7と比べて、口腔器具10Hを着脱しやすい。口腔用本体装置50Hでは、基板72Hの一方の主面側のみで押さえ部材73Hによる口腔器具10Hの固定が行われるため、実施の形態7のように開口64Hにガイド64aを設けなくてもよい。このため、ガイド64aに沿わせて口腔器具10Hを着脱しなくてもよい。
【0340】
また、実施の形態8の口腔用本体装置50Hは、実施の形態7と比べて、部品点数を減らすことができるため、製造コストを低減することができる。
【0341】
また、実施の形態8の口腔用本体装置50Hは、形状により表面と裏面とを区別しやすい。
【0342】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0343】
本発明の口腔用本体装置は、例えば、ディスポーザブルタイプの口腔用装置などに適用できる。
【符号の説明】
【0344】
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H 口腔用装置
10,10A,10C,10CA,10CB,10D,10E,10EA,10EB,10F,10G,10H 口腔器具
11 配線層
12 第1絶縁層
13 第2絶縁層
14 樹脂フィルム
15 断熱材
16 絶縁層
20,20E,20EA,20EB,20G,20H 機能部
21,21H,21G センサ部
21a センサ面
22,22a,22b エネルギー照射部
23 絶縁層
24 電極
25 加重分散板
26 受圧部 30 配線部
31 配線
32 保護層
40,40A,40E,40F,40G,40H 接続部
41,41G,41H 電極(電気接続部)
42 取付孔
43 RFIDタグ(電気接続部)
44 アンテナ
45 ICチップ
46,46H 係合部
46a,46b ロック孔
50,50B,50C,50D,50E,50F,50G,50H 口腔用本体装置
60,60C,60D,60G,60H 本体部
61,61C,61D 把持部
62 制御部
63 算出部
64,64H 開口
65 操作孔
70,70A,70AA,70AB,70AC,70B,70BA,70BB,70C,70CA,70CB,70D,70DA,70DB,70F,70G,70H 着脱操作部
71,71G,71H 接続端子(電気接続導体)
72,72C,72CA,72CB,72D,72DA,72DB,72GA,72GB 配置面
72G,72H 基板
72a 位置決め部材
72aa 底面
72ab,72ac,72ad,72ae 傾斜面
73,73A,73AA,73B,73BA,73BB,73C,73CA,73CB,73D,73DA,73DB,73G,73H 押さえ部材
73a,73b 突起
73c 接触面
73ca 底面
73cb,73cc 傾斜面
73cd,73ci 半円面
73ce,73cf 傾斜面
73cg,73ch 半円面
73d スライド溝
73e,73f 突起
74,74G,74H 回転軸
75,75B,75BA,75BB 検知部
76a 発光部
76b 受光部
77 リング状部材
78 アンテナ(電気接続導体)
79,79H 操作部
80,80C ガード
81 接続端子
82 可動部品
90 表示部
91 入力部