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特許7448009画像読取装置、画像形成装置、及び画像読取方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像形成装置、及び画像読取方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/12 20060101AFI20240305BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20240305BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240305BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
H04N1/12
H04N1/04 106A
H04N1/00 567H
H04N1/00 L
B65H7/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022533952
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 JP2021024108
(87)【国際公開番号】W WO2022004587
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2020111232
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼月 也寸志
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017ー208627(JP,A)
【文献】特開2013ー021626(JP,A)
【文献】特開2018ー198353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04 - 1/207
H04N 1/00
B65H 7/00 - 7/20
43/00 -43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚綴りのシートを搬送路に給紙する給紙部と、
前記搬送路上における所定の測定位置において、前記シートに対して超音波を発信し、受信する超音波の強度に応じた電圧値を検出するシート検出部と、
前記シートの画像を読み取る画像読取位置において、前記シートに光を照射して前記シートの反射光を検出する光量検出部と、
前記シートのうち第1領域の電圧値と、前記シートのうち前記第1領域を除いた第2領域の電圧値との電圧差が予め設定された閾値以上であるか否かを判定する判定処理部と、
前記判定処理部により前記電圧差が前記閾値以上であると判定された場合に、前記光量検出部から前記シートに照射する光の光量を調整する実行処理部と、
を備え、
前記光量検出部は、前記画像読取位置よりも搬送方向側に配置される第1光源と、前記画像読取位置よりも搬送方向とは反対方向側に配置される第2光源とを備え、
前記実行処理部は、前記判定処理部により前記電圧差が前記閾値以上であると判定された場合に、前記第1光源及び前記第2光源のそれぞれから前記シートに照射する光の光量を互いに異ならせる、画像読取装置。
【請求項2】
前記実行処理部は、前記電圧差が前記閾値以上であって、前記第1領域に対応する超音波の減衰率が前記第2領域に対応する超音波の減衰率よりも大きい場合に、前記第1領域に対して照射する光量を前記第2領域に対して照射する光量よりも多くする、
請求項に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記実行処理部は、前記判定処理部により前記電圧差が前記閾値以上であると判定された場合に、前記第2光源から照射される光の光量を前記第1光源から照射される光の光量よりも多くする、
請求項に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記実行処理部は、光量が調整された光が照射された前記シートの画像を読み取り、読み取った画像に所定の画像処理を実行する、
請求項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記実行処理部は、読み取られた画像が前記シートに対して斜めに傾いている場合に当該画像の傾きを補正する補正処理を実行する、
請求項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の画像読取装置と、前記シートに画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【請求項7】
複数枚綴りのシートを搬送路に給紙するステップと、
前記搬送路上における所定の測定位置において、前記シートに対して超音波を発信し、受信する超音波の強度に応じた電圧値を検出するステップと、
前記シートの画像を読み取る画像読取位置において、前記シートに光を照射して前記シートの反射光を検出するステップと、
前記シートのうち第1領域の電圧値と、前記シートのうち前記第1領域を除いた第2領域の電圧値との電圧差が予め設定された閾値以上であるか否かを判定するステップと、
前記電圧差が前記閾値以上であると判定された場合に、前記画像読取位置よりも搬送方向側に配置される第1光源及び前記画像読取位置よりも搬送方向とは反対方向側に配置される第2光源のそれぞれから前記シートに照射する光の光量を互いに異ならせるステップと、
を含む画像読取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像形成装置、及び画像読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャン機能、プリント機能などを有する画像形成装置は、シートを供給するシート供給装置を備える。シート供給装置では、給紙カセットなどのシート積載部に積載された複数枚のシートのうち、最上位のシートがピックアップローラーなどの送出ローラーによって搬送路に送出される。この種のシート供給装置では、送出ローラーによって複数枚のシートが搬送路に送出されることがある。この場合、搬送路で紙詰まりが発生するなどの不具合が生じることがある。これに対し、送出ローラーによって送出された複数枚のシートを最上位の第1シートと前記第1シートよりも下位の第2シートとに分離する分離機構を備えるシート供給装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-72267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、四辺のうち少なくとも一辺が糊付けなどにより接着された複数枚綴りのシートをシート搬送装置のシート載置部に載置して供給する場合がある。この場合に前記シートを分離する処理を行うと、シートが破損する問題が生じる。また、画像読取処理において前記シートの画像を読み取る場合に、シートの厚みなどの影響により読取精度が低下する問題も生じ得る。
【0005】
本発明の目的は、複数枚綴りのシートの読取精度を向上させることが可能な画像読取装置、画像形成装置、及び画像読取方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る画像読取装置は、給紙部とシート検出部と判定処理部と実行処理部とを備える。前記給紙部は、複数枚綴りのシートを搬送路に給紙する。前記シート検出部は、前記搬送路上における所定の測定位置において、前記シートの厚みに応じて変化する検出値を検出する。前記判定処理部は、前記シート検出部により検出される前記シートにおける前記検出値の変動値が予め設定された閾値以上であるか否かを判定する。前記実行処理部は、前記判定処理部により前記変動値が前記閾値以上であると判定された場合に、前記シートに対応する特定処理を実行する。
【0007】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記画像読取装置と、前記シートに画像を形成する画像形成部とを備える。
【0008】
本発明の他の局面に係る画像読取方法は、給紙ステップとシート検出ステップと判定ステップと実行ステップとを含む。前記給紙ステップは、複数枚綴りのシートを搬送路に給紙する。前記シート検出ステップは、前記搬送路上における所定の測定位置において、前記シートの厚みに応じて変化する検出値を検出する。前記判定ステップは、前記シート検出ステップにおいて検出される前記シートにおける前記検出値の変動値が予め設定された閾値以上であるか否かを判定する。前記実行ステップは、前記判定ステップにおいて前記変動値が前記閾値以上であると判定された場合に、前記シートに対応する特定処理を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数枚綴りのシートの読取精度を向上させることが可能な画像読取装置、画像形成装置、及び画像読取方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面模式図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置のADF(自動原稿搬送装置)及び画像読取部の主要部の概略構成を示す断面模式図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機能を示す機能ブロック図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置で読み取られるシートの一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置で読み取られるシートの一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の超音波センサーにより検出される電圧値の変化の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置で実行される画像読取処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図8図8は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置で実行される画像読取処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、例えば、シート(原稿等)から画像を読み取るスキャン機能、シートから読み取った画像又は外部から取得した画像データに基づいて画像を形成するプリント機能、ファクシミリ機能、コピー機能等の複数の機能を有する複合機である。尚、本発明に係る画像形成装置は、スキャナー装置、プリンター装置、ファクシミリ装置、及び、コピー機等に適用可能である。以下では、複合機としての画像形成装置10が有する複数の機能のうちスキャン機能を例に挙げて説明する。
【0013】
図1図2及び図3に示すように、画像形成装置10は、主に、ADF1(シート搬送装置)、画像読取部2、画像形成部3、シート給紙部4、制御部5、操作表示部6、記憶部7、及び通信部8を備えている。
【0014】
操作表示部6は、ユーザーの操作を受け付けて当該操作に応じた各種の情報を制御部5に入力するための操作キー又はタッチパネル等の操作部と、制御部5から出力される命令に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレー等の表示部とを備えている。例えば、ユーザーが操作表示部6においてスキャン操作(画像読取指示)を行った場合は、当該スキャン操作に応じた情報が制御部5に入力される。制御部5は、スキャン操作に応じた各種処理を含むスキャン処理を実行する。尚、ユーザーは、通信部8を介してネットワーク接続されるユーザー端末を使用して、各種の操作を行ってもよい。
【0015】
ADF1は、シート載置部11、搬送路18、給紙ローラー部12(本発明の給紙部の一例)、複数の搬送ローラー13、レジストローラー14(レジスト部)、排出ローラー15、シートガイド16、及び排出トレイ17を備える。また、ADF1は、超音波センサー19と給紙センサー20とを備える。超音波センサー19は、本発明のシート検出部の一例である。給紙センサー20は、例えば光学式センサーで構成される。
【0016】
ADF1は、制御部5によって制御されることにより、シート載置部11に載置される複数枚のシートS1を順次搬送する。また、シートS1が、四辺のうち少なくとも一辺が糊付けなどにより接着された複数枚綴りのシートである場合、ADF1は、複数枚綴りのシートS1を搬送する。図4及び図5には、複数枚綴りのシートS1の一例を示している。例えば図4及び図5に示すように、荷物の送り状、仕入帳、売上帳、請求書などの帳票(帳簿、伝票)は、最上位の記入シートSaと、記入シートSaより下位の複数の複写シートSb,Scとで構成されている。なお、複数枚綴りのシートS1は、複写シートに限定されない。
【0017】
図4に示すシートS1では、3枚のシートSa,Sb,Scのそれぞれの左辺が糊付けにより接着されている。また、シートS1の全体の幅W1のうち左端の一部の幅W2が糊付け領域AR1となっており、残りの幅W3の残領域AR2は3枚のシートSa,Sb,Scを捲ることが可能に重なっている。
【0018】
図5に示すシートS1では、3枚のシートSa,Sb,Scのそれぞれの上辺が糊付けにより接着されている。また、シートS1の全体の幅W1のうち上端の一部の幅W2が糊付け領域AR1となっており、残りの幅W3の残領域AR2は3枚のシートSa,Sb,Scを捲ることが可能に重なっている。
【0019】
このような複数枚綴りのシートS1は、糊付け領域AR1が搬送方向D1に向くようにシート載置部11に載置されて、複数枚のシートが綴られた状態で搬送される。なお、シートS1のうち糊付け領域AR1は、本発明の第1領域の一例であり、シートS1のうち糊付け領域AR1を除いた残りの領域(残領域AR2)は、本発明の第2領域の一例である。
【0020】
搬送路18は、ADF1によって搬送されるシートS1の移動通路であって、一対の搬送ガイド部材により形成されている。
【0021】
給紙ローラー部12(給紙部)は、ピックアップローラー12aと分離ローラー12bとを含む。ピックアップローラー12aは、制御部5により駆動が制御されるモーター(図示せず)で駆動されることにより、シートS1の給紙を開始する給紙開始位置P1において、シートS1を1枚ずつ引き出して搬送方向D1(図2参照)へ搬送する。また、ピックアップローラー12aは、複数枚綴りのシートS1については複数枚を1セットとして、シートS1を1セットずつ引き出して搬送方向D1へ搬送する。
【0022】
具体的に、制御部5は、スキャン処理における画像読取処理を開始する際に、ピックアップローラー12a及び搬送ローラー13を制御してシートS1をシート載置部11からレジストローラー14まで移動させる。そして、制御部5は、シートS1がレジストローラー14(レジスト位置P4)まで到達すると、当該レジストローラー14を停止させる。その後、制御部5は、画像読取処理が可能となった場合に、レジストローラー14の駆動を開始させてシートS1の搬送を再開するとともに、画像読取位置P5において画像読取処理を開始し、当該シートS1の画像を読み取る。制御部5は、前記画像読取処理が終了すると、前記シートS1を排出トレイ17に排出する。
【0023】
超音波センサー19は、搬送路18上における測定位置P2において、シートS1の厚みに応じて変化する検出値を検出する。具体的には、超音波センサー19は、ピックアップローラー12aにより引き出されるシートS1の厚みに応じた電圧値を検出(計測)する。超音波センサー19は、図2に示すように、搬送路18を挟んで対向して配置される発信部19A及び受信部19Bを有する。発信部19Aは、搬送路18に向けて超音波を発信する。受信部19Bは、発信部19Aから発信された超音波を受信する。超音波センサー19は、受信部19Bで受信された超音波の強度に応じた電気信号を出力する。超音波センサー19から出力される電気信号(電圧値)は、制御部5に入力される。制御部5は、超音波センサー19から取得する電圧値に基づいて、シート載置部11から複数枚のシートS1が重なり合って搬送される重送を検知する。例えば、制御部5は、超音波センサー19から取得する電圧値が閾値未満の場合にシートS1の重送を検知する。制御部5は、前記重送を検知した場合、分離ローラー12bを搬送方向D1とは反対方向に回転(逆回転)させて複数のシートS1を分離させる。
【0024】
ここで、複数枚綴りのシートS1を搬送する場合には、制御部5は、シートS1の分離を防ぐためために重送検知機能を停止(OFF)する。例えば、ユーザーが複数枚綴りのシートS1をシート載置部11に載置して原稿手差しモードに設定して画像読取操作を行った場合には、制御部5は、前記電圧値が閾値未満の場合に、シートS1の重送を検知しない。この場合、制御部5は、分離ローラー12bを搬送方向D1に回転(順回転)させて、複数枚綴りのシートS1を重なった状態のまま搬送させる。なお、制御部5は、重送検知機能を停止した場合にも超音波センサー19から検出値を取得する。
【0025】
超音波センサー19は、例えば、シートS1の給紙を開始する給紙開始位置P1の下流側かつ給紙センサー20の上流側(給紙開始位置P1と測定位置P3のとの間の位置)(測定位置P2)に設けられる。なお、超音波センサー19は、超音波をシートS1に出射してシートS1に反射された反射波を受信する反射型の超音波センサーであってもよい。
【0026】
給紙センサー20(給紙検知部)は、給紙ローラー部12からシートS1が正常に送り出されず、シートS1の前端が搬送ローラー13まで到達しない所謂無給紙ジャム(シートS1の有無)を検出する。給紙センサー20は、給紙ローラー部12の下流側かつ搬送ローラー13の上流側(給紙ローラー部12と搬送ローラー13との間の位置)(測定位置P3)に設けられる。
【0027】
画像読取部2は、制御部5によって制御されることにより、ADF1によってコンタクトガラス211に案内されるシートS1から画像を読み取る画像読取処理を実行する。画像読取部2は、本発明の画像読取装置の一例である。また、画像読取部2は、ユーザーにより設定される解像度と同じ解像度でシートS1の画像を読み取る。例えば、図1に示すように、画像読取部2は、シート台21、読取ユニット22などを備えている。シート台21は、画像形成装置10の筐体の上面に設けられている。
【0028】
読取ユニット22は、コンタクトガラス211の下側に設けられている。読取ユニット22は、ステッピングモーター等の駆動部を有する移動機構(図示せず)によって、副走査方向(図1における紙面左右方向)に移動可能に構成されている。例えば、読取ユニット22は、前記移動機構によってADF1のシートガイド16との対向位置(画像読取位置P5)に移動する。読取ユニット22は、コンタクトイメージセンサー(以下、CISセンサーという。)23と、CISセンサー23を保持するとともに前記移動機構によって副走査方向に駆動される保持部(不図示)とを備えている。CISセンサー23は、本発明の光量検出部の一例である。
【0029】
CISセンサー23は、シートS1に光を照射してシートS1の反射光を検出する。CISセンサー23は、コンタクトガラス211との距離が一定に保たれるように保持されている。CISセンサー23は、コンタクトガラス211上のシートS1に向けて光を出射する光源24と、主走査方向に並ぶ複数の受光素子26(例えばCMOS)と、複数の受光素子26が実装されたセンサー基板27と、受光素子26の上側に設けられたレンズ25とを備えている。
【0030】
光源24は、例えば、主走査方向(図1における紙面奥行方向)に沿って配列される複数の白色LED又は多色LEDである。光源24は、コンタクトガラス211に向けて主走査方向の1ライン分の光を出射する。光源24から出射される光は、コンタクトガラス211を透過して、ADF1によって搬送されるシートS1に照射される。図2に示すように、光源24は、副走査方向に2列配置されてもよい。例えば図2に示すように、CISセンサー23は、画像読取位置P5よりも搬送方向D1側に配置され、シートS1に対して右側から光を照射する右列の光源24Rと、画像読取位置P5よりも搬送方向D1とは反対方向側に配置され、シートS1に対して左側から光を照射する左列の光源24Lとを備えている。光源24Rは本発明の第1光源の一例であり、光源24Lは本発明の第2光源の一例である。
【0031】
CISセンサー23には、コネクタ28が設けられており、コネクタ28は配線を介して制御部5に接続されている。
【0032】
CISセンサー23では、シートS1が画像読取位置P5に搬送されると、光源24L,24RがシートS1に対して光を出射し、シートS1で反射された光がレンズ25に入射される。レンズ25は、入射された光を集光して受光素子26に出射する。受光素子26は、受光した光の光量に応じた電気信号(アナログ信号)を出力する。受光素子26から出力されるアナログ信号は、センサー基板27においてデジタル信号(画像データ)に変換されて、制御部5に入力される。制御部5は、前記画像データを取得すると、前記画像データを記憶部7に記憶し、前記画像データに基づいて所定の画像処理を実行する。画像読取部2は、以上の処理により、シートS1の画像を読み取る。
【0033】
記憶部7は、SSD(ソリッドステートドライブ)又はHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。記憶部7は、画像データ記憶部(図示せず)を含んでいる。例えば、画像データ記憶部には、画像読取部2によって読み取られた画像データが記憶される。
【0034】
制御部5は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を備える。また、制御部5は、EEPROM(登録商標)のような不揮発性の記憶部(図示せず)を含む。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性又は不揮発性の記憶部である。なお、制御部5は、前記各種の処理を実現する電子回路を備えるものであってもよい。
【0035】
ところで、画像形成装置10において、四辺のうち少なくとも一辺が糊付けなどにより接着された複数枚綴りのシートS1をシート搬送装置のシート載置部に載置して供給する場合がある。この場合に前記シートS1を分離する処理を行うと、シートS1が破損する問題が生じる。また、画像読取処理において前記シートS1の画像を読み取る場合に、シートS1の厚みなどの影響により読取精度が低下する問題も生じ得る。これに対して、本実施形態に係る画像形成装置10では、複数枚綴りのシートS1の読取精度を向上させることが可能である。
【0036】
具体的には、図3に示すように、制御部5は、受付処理部51、取得処理部52、判定処理部53、光量調整処理部54、画像処理部55を含んでいる。制御部5は、前記ROMに記憶されているプログラムに従った処理を前記CPUで実行することにより、受付処理部51、取得処理部52、判定処理部53、光量調整処理部54、画像処理部55として機能する。なお、受付処理部51、取得処理部52、判定処理部53、光量調整処理部54、画像処理部55のいずれか一又は複数がASICなどの電子回路であってもよい。また、前記プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、メモリカードなどのコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶され、前記記憶媒体から画像形成装置10にインストールされてもよいし、インターネット等の通信ネットワークからダウンロードされてもよい。
【0037】
受付処理部51は、ユーザーから、画像形成装置10に対する各種の操作を受け付ける。例えば、ユーザーが複数枚綴りのシートS1を糊付け領域AR1(図4図5参照)が搬送方向D1に向くようにシート載置部11に載置して、操作表示部6において原稿手差しモードを選択して画像読取指示を行った場合に、受付処理部51は、原稿手差しモードの指示、及び画像読取指示を受け付ける。
【0038】
受付処理部51は、画像読取指示を受け付けると、給紙ローラー部12を駆動させて、給紙開始位置P1においてシートS1を1セットずつ引き出して搬送方向D1(図2参照)へ搬送させる。
【0039】
また受付処理部51は、ユーザーから原稿手差しモードを選択する操作を受け付けると、重送検知機能を停止(OFF)する。すなわち、受付処理部51は、原稿手差しモードの選択操作を受け付けると、分離ローラー12bを搬送方向D1に回転(順回転)させて、給紙開始位置P1から引き出された複数枚綴りのシートS1を重なった状態のまま搬送させる。なお、制御部5は、シートS1がシート載置部11又は手差しトレイに載置されたことを検知した場合に、原稿手差しモードに設定して重送検知機能を停止してもよい。
【0040】
取得処理部52は、測定位置P2(図2参照)において超音波センサー19により検出される、シートS1の厚みに応じた電圧値を取得する。例えば、超音波センサー19は、給紙開始位置P1においてシートS1の給紙動作を開始すると検出処理を開始し、測定位置P3においてシートS1の後端が検出された場合に検出処理を終了する。なお、超音波センサー19は、給紙ローラー部12の回転を検出するセンサー(不図示)に基づいて前記検出処理を開始及び終了してもよい。超音波センサー19は、前記検出処理を開始すると、測定位置P2に搬送されたシートS1に対して発信部19Aから超音波を発信し、シートS1を透過する超音波を受信部19Bにより受信する。そして、超音波センサー19は、受信した超音波の強度、減衰率などを電圧値に変換して制御部5に出力する。超音波センサー19は、1枚のシートS1ごと又は複数枚綴り(1セット)のシートS1ごとに、前記検出処理を実行する。取得処理部52は、超音波センサー19から前記電圧値を取得する。
【0041】
図6は、複数枚綴り(1セット)のシートS1に対する超音波センサー19の前記検出処理により取得処理部52により取得される電圧値の変化の一例を示すグラフである。なお、図6は、図4に示すシートS1に対する前記検出処理の結果を示している。
【0042】
図6において、符号T1は前記検出処理の開始時を示し、符号T4は前記検出処理の終了時を示している。図6に示すように、時刻T2~T3は、シートS1の糊付け領域AR1(幅W2)の電圧値を示し、時刻T3~T4は、シートS1の残領域AR2(幅W3)の電圧値を示している。
【0043】
例えば、時刻T2~T3では、超音波センサー19から発信された超音波が糊付け領域AR1に入射されると、糊付け領域AR1を透過する超音波の透過量が少なくなるため電圧値がV1からV3(尚、V3<V1)に低下する。続く時刻T3~T4では、超音波センサー19から発信された超音波が残領域AR2に入射されると、残領域AR2を透過する透過量が糊付け領域AR1を透過する超音波の透過量より多くなるため電圧値がV3からV2に上昇する。時刻T4において、シートS1の後端が測定位置P2を通過すると、電圧値はV2からV1に上昇する。このように、1つ(1セット)のシートS1に糊付け領域AR1が存在する場合には、1つのシートS1おいて、超音波の強度(電圧値)が異なる領域(AR1,AR2)が生じることになる。すなわち、図6に示すように、1つのシートS1において電圧差(電圧変動)が生じる。
【0044】
判定処理部53は、超音波センサー19により検出されるシートS1における検出値の変動値が予め設定された閾値以上であるか否かを判定する。具体的には、判定処理部53は、シートS1のうち糊付け領域AR1の電圧値と、シートS1のうち残領域AR2の電圧値との電圧差が閾値以上であるか否かを判定する。判定処理部53は、前記電圧差が前記閾値以上である場合に、シートS1を、帳票、伝票など、四辺のうち少なくとも一辺が糊付けなどにより接着された複数枚綴りのシートと判定する。
【0045】
また、判定処理部53は、前記電圧差が前記閾値未満である場合には、シートS1を1枚のシートと判定する。また、判定処理部53は、前記電圧差が前記閾値未満であり、かつ、超音波センサー19から取得する電圧値が所定値未満の場合に、シートS1を厚手のシートと判定し、前記電圧差が前記閾値未満であり、かつ、超音波センサー19から取得する電圧値が所定値以上の場合に、シートS1を通常又は薄手のシートと判定する。
【0046】
光量調整処理部54は、判定処理部53により前記電圧差(変動値)が前記閾値以上であると判定された場合に、CISセンサー23からシートS1に照射する光の光量を調整する。例えば、前記電圧差が前記閾値以上であって、糊付け領域AR1に対応する超音波の減衰率が残領域AR2に対応する超音波の減衰率よりも大きい場合に、光量調整処理部54は、糊付け領域AR1に対して照射する光量を残領域AR2に対して照射する光量よりも多くする。例えば図6に示すように、シートS1のうち糊付け領域AR1の電圧値V3と、シートS1のうち残領域AR2の電圧値V2との電圧差(V2-V3)が閾値以上であって、電圧値V3が電圧値V2よりも低い場合に、光量調整処理部54は、糊付け領域AR1に対して照射する光量を残領域AR2に対して照射する光量よりも多くする。換言すると、光量調整処理部54は、残領域AR2に対して照射する光量を、糊付け領域AR1に対して照射する光量よりも少なくする。すなわち、光量調整処理部54は、糊付け領域AR1に対して照射する光量を多くし、残領域AR2に対して照射する光量を少なくする。これにより、例えば、糊付け領域AR1及び残領域AR2のそれぞれの端部(エッジ)の影を強調することができる。
【0047】
なお、前記電圧差(V2-V3)が閾値以上であって、電圧値V3が電圧値V2よりも低い場合に、光量調整処理部54は、糊付け領域AR1に対して照射する光量を少なくし、残領域AR2に対して照射する光量を多くしてもよい。これにより、例えば、糊付け領域AR1及び残領域AR2のそれぞれの端部(エッジ)の影を目立たなくすることができる。
【0048】
また、光量調整処理部54は、判定処理部53により前記電圧差が前記閾値以上であると判定された場合に、光源24L,24Rのそれぞれから照射される光の光量を互いに異ならせてもよい。例えば、光量調整処理部54は、判定処理部53により前記電圧差が前記閾値以上であると判定された場合に、光源24Lから照射される光の光量を光源24Rから照射される光の光量よりも多くする。これにより、例えば、糊付け領域AR1の先端(エッジ)の影を強調することができる。なお、光量調整処理部54は、超音波センサー19の検出値(電圧値)及び電圧差に応じて、光源24L,24Rの光量の比率(バランス)を調整する。光量調整処理部54は、本発明の実行処理部の一例である。
【0049】
画像処理部55は、光量が調整された光が照射されたシートS1の画像を読み取り、読み取った画像に所定の画像処理を実行する。例えば、画像処理部55は、読み取った画像がシートS1に対して斜めに傾いている場合に当該画像の傾きを補正する補正処理を実行する。ここで、本実施形態では、上述のように、光量調整処理部54がCISセンサー23からシートS1に照射する光の光量を調整するため、シートS1の端部を適切に認識することが可能になる。このため、前記補正処理の精度を向上させることができる。
【0050】
画像処理部55が実行する画像処理は、前記補正処理に限定されず、種々の画像処理が含まれる。例えば、画像処理部55は、読み取った画像に基づいてOCR処理、クロッピング処理などを実行してもよい。本実施形態によれば、前記各画像処理の精度を向上させることができる。
【0051】
画像処理部55は、本発明の実行処理部の一例である。なお、本発明の実行処理部は、前記電圧差が前記閾値未満であり、かつ、超音波センサー19から取得する電圧値が所定値未満の場合、すなわちシートS1の厚みが所定厚み以上の場合に、警告メッセージを操作表示部6に表示させてもよい。また、この場合に、実行処理部は、シートS1の搬送処理を停止させてもよいし、シートS1を所定の排出トレイに排出させてもよい。
【0052】
[画像読取処理]
以下、図7のフローチャートを参照しつつ、画像形成装置10において制御部5が実行する画像読取処理の手順の一例について説明する。尚、制御部5によって実行される各処理工程をステップS11、S12、・・・と称する。なお、ここで説明する前記画像読取処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記画像読取処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは画像形成装置10の制御部5によって前記画像読取処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、他の複数のプロセッサーによって前記画像読取処理における各ステップが分散して実行されてもよい。
【0053】
ここで、本発明は、前記画像読取処理に含まれる一又は複数のステップを実行する画像読取方法(本発明の画像読取方法の一例)の発明として捉えることができる。
【0054】
例えば、前記画像読取処理は、ユーザーが画像形成装置10において、原稿手差しモードに設定し、複数枚綴りのシートS1をシート載置部11に載置してスキャン操作を指示した場合に実行される。
【0055】
先ず、ステップS11において、制御部5は、シートS1を検知したか否かを判定する。例えば、シートS1がシート載置部11に載置された場合に、制御部5はシートS1を検知する。制御部5がシートS1を検知した場合(S11:Yes)、処理はステップS12に移行する。制御部5はシートS1を検知するまで待機する(S11:No)。
【0056】
ステップS12において、制御部5は、超音波センサー19に検出処理を開始させる。例えば、制御部5は、給紙開始位置P1においてシートS1の搬送が開始された場合に、超音波センサー19に検出処理を開始させる。検出処理の開始時点は、例えば図6に示す時刻T1に対応する。超音波センサー19は、検出処理を開始すると、シートS1の搬送に伴って、超音波の強度に応じた電圧値を検出して制御部5に出力する。制御部5は、超音波センサー19により検出される電圧値を順次取得する。ステップS12は、本発明のシート検出ステップの一例である。
【0057】
ステップS13において、制御部5は、シートS1の後端を検知したか否かを判定する。制御部5がシートS1の後端を検知した場合(S13:Yes)、処理はステップS14に移行する。制御部5は、シートS1の後端を検知するまで待機する(S13:No)。制御部5がシートS1の後端を検知すると(S13:Yes)、ステップS14において、制御部5は、超音波センサー19に検出処理を停止させる。例えば、制御部5は、測定位置P3においてシートS1の後端を検出した場合に、超音波センサー19に検出処理を停止させる。シートS1の後端が検知されるまで超音波センサー19による検出処理が継続される。このようにして、制御部5は、シートS1の全面にわたって超音波センサー19により検出される電圧値を取得する。図6は、シートS1の対応する電圧値の変化を示している。
【0058】
ステップS15において、制御部5は、シートS1に対応する検出結果において、電圧値の変動値(電圧差)が閾値以上であるか否かを判定する。前記電圧差が前記閾値以上であると判定された場合(S15:Yes)、処理はステップS16に移行する。一方、前記電圧差が前記閾値以上であると判定されない場合(S15:No)、処理はステップS17に移行する。ステップS15は、本発明の判定ステップの一例である。
【0059】
ステップS16において、制御部5は、CISセンサー23からシートS1に照射する光の光量を調整する。例えば図6に示すように、シートS1のうち糊付け領域AR1の電圧値V3と、シートS1のうち残領域AR2の電圧値V2との電圧差(V2-V3)が閾値以上であって、電圧値V2が電圧値V3よりも低い場合に、制御部5は、糊付け領域AR1に対して照射する光量を多くし、残領域AR2に対して照射する光量を少なくする。ステップS16は、本発明の実行ステップの一例である。
【0060】
ステップS17において、制御部5は、画像を読み取る画像読取処理を実行する。制御部5は、読み取った画像データを記憶部7に記憶する。
【0061】
なお、ステップS16,S17において、制御部5は、光量が調整された光が照射されたシートS1の画像を読み取り、読み取った画像に所定の画像処理を実行してもよい。例えば、制御部5は、読み取った画像がシートS1に対して斜めに傾いている場合に当該画像の傾きを補正する補正処理を実行する。
【0062】
ステップS17の処理が終了すると、処理はステップS11に戻り、制御部5は、次のシートS1に対して上述の処理を繰り返す。以上のようにして、制御部5は、画像読取処理を実行する。
【0063】
図8には、画像読取処理の他の例を示している。図8に示す画像読取処理において、ステップS21~S24,S27は、図7に示す画像読取処理のステップS11~S14,S17と同一であるため、その説明を省略する。
【0064】
ステップS25において、制御部5は、シートS1に対応する検出結果において、電圧値が所定値未満であるか否かを判定する。前記電圧値が前記所定値未満であると判定された場合(S25:Yes)、処理はステップS26に移行する。一方、前記電圧値が前記所定値未満であると判定されない場合(S25:No)、処理はステップS27に移行する。
【0065】
ステップS26において、制御部5は、警告メッセージを操作表示部6に表示させる。すなわち、制御部5は、シートS1の厚みが所定厚み以上の場合に、警告メッセージを操作表示部6に表示させる。なお、ステップS26において、制御部5は、シートS1の搬送処理を停止させてもよいし、シートS1を所定の排出トレイに排出させてもよい。
【0066】
以上説明したように、画像形成装置10は、複数枚綴りのシートS1を搬送路18に給紙し、搬送路18上における所定の測定位置において、シートS1の厚みに応じて変化する検出値(電圧値)を検出し、検出される前記電圧値の変動値が予め設定された閾値以上である場合に、シートS1に対応する特定処理を実行する。例えば、画像形成装置10は、CISセンサー23からシートS1に照射する光の光量を調整する。また、画像形成装置10は、複数枚綴りのシートS1を搬送する場合に重送検知機能を停止(OFF)する。これにより、複数枚綴りのシートの読取精度を向上させることが可能となる。また、読み取った画像に対して所定の画像処理を高精度に実行することが可能となる。
【0067】
画像形成装置10は、画像読取部2により読み取られた画像をシート収容部41から供給されるシートS2を形成してもよい。
【0068】
具体的には、図1に示すように、シート給紙部4において、給紙ローラー部42(給紙部)は、ピックアップローラー42aと分離ローラー42bとを含む。ピックアップローラー42aは、制御部5によって駆動が制御されるモーター(図示せず)で駆動されることにより、シートS2の給紙を開始する給紙開始位置P6において、シートS2を1枚ずつ引き出して搬送方向D2へ搬送する。
【0069】
制御部5は、画像形成処理を開始する際に、ピックアップローラー42a及び搬送ローラー31を制御してシートS2をシート収容部41からレジストローラー32まで移動させる。そして、制御部5は、シートS2がレジストローラー32(レジスト位置P7)まで到達すると、当該レジストローラー32を停止させる。その後、制御部5は、画像形成処理が可能となった場合に、レジストローラー32の駆動を開始させてシートS2の搬送を再開するとともに、画像形成位置P8において画像読形成処理を開始し、当該シートS2の画像を形成する。
【0070】
画像形成部3は、画像読取部2で読み取られる画像データ、又は外部のパーソナルコンピューター等の情報処理装置から入力される画像データに基づいて、シート収容部41から供給されるシートS2に画像を形成する電子写真方式の画像形成部である。具体的に、画像形成部3は、感光体ドラム33、帯電装置、LSU(レーザスキャナユニット)、現像装置、転写ローラー、除電装置、定着ローラー、及び加圧ローラーなどを備える。なお、画像形成部3は、インクジェット方式の画像形成部であってもよい。
【0071】
本発明の範囲は、請求項の記載に先行する詳細な説明ではなく、添付の請求項の記載により定義されるので、本明細書に記載の実施形態は、例示に過ぎず、かつ非限定的であると理解されたい。従って、特許請求の範囲から逸脱しない変更の全て、または均等物が、特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8