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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】海底光ケーブルシステム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/27 20130101AFI20240305BHJP
【FI】
H04B10/27
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022545496
(86)(22)【出願日】2021-07-02
(86)【国際出願番号】 JP2021025178
(87)【国際公開番号】W WO2022044545
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2020141351
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 欣也
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-503182(JP,A)
【文献】特開平11-041174(JP,A)
【文献】特表2019-501586(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147610(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/092806(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一陸上局と第一海底光ケーブルにより接続される第一切替装置と、
第二陸上局と第二海底光ケーブルにより接続される第二切替装置と、
前記第一切替装置及び前記第二切替装置とに接続された第三海底光ケーブルとを備え、
前記第一切替装置は、
前記第三海底光ケーブルに相当する海底光ケーブルの光ファイバ心線が接続可能な、第一光ファイバ心線接続部と、
送付を受けた第一光接続切替情報により、前記第一海底光ケーブルが備える光ファイバ心線と、前記第三海底光ケーブルが備える光ファイバ心線及び前記第一光ファイバ心線接続部のいずれかと、を光ファイバ心線毎に接続する、第一光スイッチ群を備え、
前記第二切替装置は、
前記第三海底光ケーブルに相当する海底光ケーブルの光ファイバ心線が接続可能な、第二光ファイバ心線接続部と、
送付を受けた第二光接続切替情報により、前記第二海底光ケーブルが備える光ファイバ心線と、前記第三海底光ケーブルが備える光ファイバ心線及び前記第二光ファイバ心線接続部のいずれかと、を光ファイバ心線毎に接続する、第二光スイッチ群を備える、
海底光ケーブルシステム。
【請求項2】
前記第一光ファイバ心線接続部は、前記第一切替装置の筐体の内部にあり、前記第二光ファイバ心線接続部は、前記第二切替装置の筐体の内部にある、
請求項1に記載された海底光ケーブルシステム。
【請求項3】
前記第一光ファイバ心線接続部及び前記第二光ファイバ心線接続部は保護されている、
請求項1又は請求項2に記載された海底光ケーブルシステム。
【請求項4】
前記第一光接続切替情報及び前記第二光接続切替情報は、前記第一陸上局及び前記第二陸上局のうちのいずれかから送付される、
請求項1乃至請求項3のうちのいずれか一に記載された海底光ケーブルシステム。
【請求項5】
前記第一光接続切替情報は、前記第一海底光ケーブル又は前記第三海底光ケーブルを通じて送付され、
前記第二光接続切替情報は、前記第二海底光ケーブル又は前記第三海底光ケーブルを通じて送付される、
請求項1乃至請求項4のうちのいずれか一に記載された海底光ケーブルシステム。
【請求項6】
前記第一光接続切替情報は、前記第一海底光ケーブル又は前記第三海底光ケーブルが備える光ファイバ心線を通じて送付され、
前記第二光接続切替情報は、前記第二海底光ケーブル又は前記第三海底光ケーブルが備える光ファイバ心線を通じて送付される、
請求項5に記載された海底光ケーブルシステム。
【請求項7】
前記第一切替装置は、
前記第三海底光ケーブルに相当する海底光ケーブルの給電線が接続可能な、第一給電線接続部と、
前記第一陸上局又は前記第二陸上局から送付される第一給電切替情報により、前記第一海底光ケーブルが備える給電線の接続先を前記第一給電線接続部に切り替える、第一電気スイッチとを備え、
前記第二切替装置は、
前記第三海底光ケーブルに相当する海底光ケーブルの給電線が接続可能な、第二給電線接続部と、
前記第一陸上局又は前記第二陸上局から送付される第二給電切替情報により、前記第二海底光ケーブルが備える給電線の接続先を前記第二給電線接続部に切り替える、第二電気スイッチとを備える、
請求項1乃至請求項6のうちのいずれか一に記載された海底光ケーブルシステム。
【請求項8】
前記第一給電線接続部は、前記第一切替装置の筐体の内部にあり、前記第二給電線接続部は、前記第二切替装置の筐体の内部にある、
請求項7に記載された海底光ケーブルシステム。
【請求項9】
前記第一給電線接続部及び前記第二給電線接続部は保護されている、
請求項7又は請求項8に記載された海底光ケーブルシステム。
【請求項10】
前記第一給電切替情報及び前記第二給電切替情報は、前記第一陸上局及び前記第二陸上局のうちのいずれかから送付される、
請求項7乃至請求項9のうちのいずれか一に記載された海底光ケーブルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海底光ケーブルによる通信に関する。
【背景技術】
【0002】
陸上局間の光通信を行う海底光ケーブルシステムは大陸間の大容量通信等に広く用いられている。
【0003】
図1は、一般的な海底光ケーブルシステムの例である海底光ケーブルシステム50の構成を表す概念図である。海底光ケーブルシステム50は、陸上局31乃至34と、中継増幅装置2a乃至2fと、分岐装置11及び12と、海底光ケーブル81乃至83を備える。
【0004】
海底光ケーブル81乃至83は、主に海底又は海中に設置された海底光ケーブルである。海底光ケーブル81乃至83は、光ファイバペアと、給電線とを備える。ここで、光ファイバペアは、互いに逆向きに光信号が進行する一対の光ファイバ心線である。また、給電線は、海底光ケーブルに接続された分岐装置や中継増幅装置等に給電するための導線である。
【0005】
陸上局31乃至34は、陸上に設置されており、他の陸上局へ、光信号を送信するとともに、他の陸上局が送付する光信号を受信する。陸上局31乃至34の各々は、また、接続された海底光ケーブルが備える給電線に電力を供給する。
【0006】
中継増幅装置2a乃至2fは、挿入されている海底光ケーブルが備える光ファイバペアを通じて送付される双方向の光信号を光増幅する。中継増幅装置2a乃至2fは、海底又は海中に設置されている。これらの点は、後に記述される他の中継増幅装置においても同様である。
【0007】
分岐装置11及び12は、海底又は海中に設置されている。この点は、以下に説明される他の分岐装置についても同様である。分岐装置11は、海底光ケーブル81と海底光ケーブル82とを接続する。当該接続には、海底光ケーブル81が備える光ファイバペアの海底光ケーブル82が備える光ファイバペアへの接続と、海底光ケーブル81が備える給電線の海底光ケーブル82が備える給電線への接続とが含まれる。
【0008】
分岐装置12は、海底光ケーブル81と海底光ケーブル83とを接続する。当該接続には、海底光ケーブル81が備える光ファイバペアの海底光ケーブル83が備える光ファイバペアへの接続(分岐)と、海底光ケーブル81が備える給電線の海底光ケーブル83が備える給電線への接続(分岐)とが含まれる。
【0009】
上記構成により、海底光ケーブルシステム50は、陸上局31乃至34の各々間の光通信を可能にする。
【0010】
なお、分岐装置11及び12は、実際は光ファイバ心線同士の接続を切り替える光接続切替装置であるが、一般的に、そのような光接続切替装置は、分岐装置と称されている。従い、以下の説明においても、そのような光接続切替装置を、分岐装置という場合がある。
【0011】
図2は、図1の海底光ケーブルシステム50において障害が発生した状態を表す概念図である。位置Aでの障害により、分岐装置11と分岐装置12との間の通信経路が利用できなくなる。そのため、陸上局31と陸上局32との間の巨大な通信量の光通信が行えなくなる。この状況は、海底光ケーブル81の障害が復旧するまで続く。このように、海底光ケーブルに障害が発生した場合に、その海底光ケーブルが交換等により復旧するまで、その海底光ケーブルでの光通信が行えなくなる。
【0012】
ここで、特許文献1は、光分岐装置に一端が接続され、延長された第1および第2分岐光ファイバ対を内蔵する冗長光ケーブルを備える光ケーブルシステムを開示する。
【0013】
また、特許文献2は、予備回線システムを有し、多方向に分岐したケーブルを有し、障害が発生したときに当該障害の現用系から予備回線系統に切り換え可能とするケーブルシステムの分岐装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】特開平07-087013号公報
【文献】特開平04-137828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
一般的な海底光ケーブルシステムには、将来他の陸上局との光通信を行う設備を増設する予定がある場合に課題がある。それは、将来他の陸上局との接続のための分岐装置や海底光ケーブル等の増設が予定されている場合に、その増設する設備の構成が当初より定められていなければならないという点である。
【0016】
例えば、図3(a)のように、海底光ケーブルシステム50に、将来、陸上局35との接続する構成の増設が予定されている場合を想定する。なお、図3(a)の海底光ケーブルシステム50においては、図1の中継増幅装置2a、2d、2e及び2f、分岐装置11及び12、陸上局33及び34、並びに、海底光ケーブル82及び83は、図示されていない。
【0017】
この場合、分岐装置13は、増設前から予め設置されていなければならない。その理由は、後から増設するためには、陸上局31と32との間の巨大な通信量の光通信を増設期間の間、止めなければならないためである。そのようなことは実際上行えない。そのため、例えば、図3(b)のように1×2スイッチにより分岐装置13が構成されている場合、図3(c)のような2×2スイッチによる構成に変更することは実際上不可能である。そのため、海底光ケーブル81に含まれるどの光ファイバ心線を陸上局35に接続するための海底光ケーブルに含まれる光ファイバ心線に接続するかについての自由度も制限される。
【0018】
本発明は、増設される構成の自由度を向上させる海底光ケーブルシステム等の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の海底光ケーブルシステムは、第一陸上局と第一海底光ケーブルにより接続される第一切替装置と、第二陸上局と第二海底光ケーブルにより接続される第二切替装置と、前記第一切替装置及び前記第二切替装置とに接続された第三海底光ケーブルとを備え、前記第一切替装置は、前記第三海底光ケーブルに相当する海底光ケーブルの光ファイバ心線が接続が可能な、第一光ファイバ心線接続部と、送付を受けた第一光接続切替情報により、前記第一海底光ケーブルが備える光ファイバ心線の接続先を、前記第三海底光ケーブルが備える光ファイバ心線及び前記第一光ファイバ心線接続部のいずれかに切り替える、第一光スイッチ群を備え、前記第二切替装置は、前記第三海底光ケーブルに相当する海底光ケーブルの光ファイバ心線が接続が可能な、第二光ファイバ心線接続部と、送付を受けた第二光接続切替情報により、前記第二海底光ケーブルが備える光ファイバ心線の接続先を、前記第三海底光ケーブルが備える光ファイバ心線及び前記第二光ファイバ心線接続部のいずれかに切り替える、第二光スイッチ群を備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明の海底光ケーブルシステム等は、増設される構成の自由度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一般的な海底光ケーブルシステムの構成例を表す概念図である。
図2】一般的な海底光ケーブルシステムにおいて障害が発生した状態を表す概念図である。
図3】一般的な海底光ケーブルシステムにおいて増設を行えるようにする場合の例を表す概念図である。
図4】本実施形態の海底光ケーブルシステムの構成例を表す概念図である。
図5】本実施形態の海底光ケーブルシステムの、光信号の伝送に関する部分の例を表す概念図である。
図6】本実施形態の分岐装置の構成例を表す概念図である。
図7】本実施形態の海底光ケーブルシステムの、給電に関する部分の構成例を表す概念図である。
図8】増設予定部分を増設することにより冗長構成にした海底光ケーブルシステムの構成例を表す概念図である。
図9】増設予定部分を増設することにより冗長構成にした海底光ケーブルシステムの、光伝送に関する部分の構成例を表す概念図である。
図10】増設予定部分を増設することにより冗長構成にした海底光ケーブルシステムの、給電に関する部分の構成例を表す概念図である。
図11】増設予定部分を増設することにより冗長構成にした海底光ケーブルシステムにおいて障害が発生した場合の状態を表す概念図である。
図12】増設予定部分に、他の陸上局と光通信を行うための構成が増設された海底光ケーブルシステムの構成例を表す概念図である
図13】増設予定部分に、他の陸上局と光通信を行うための構成が増設された海底光ケーブルシステムの、光伝送に関する部分の構成例を表す概念図である。
図14】増設予定部分に、他の陸上局と光通信を行うための構成が増設された海底光ケーブルシステムの、給電に関する部分の構成例を表す概念図である。
図15】実施形態の海底光ケーブルシステムの最小限の構成を表す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図4は、本実施形態の海底光ケーブルシステムの例である海底光ケーブルシステム50の構成を表す概念図である。増設予定部分91は増設が予定されている部分である。
【0023】
図4の海底光ケーブルシステム50においては、海底光ケーブル811に分岐装置13が、海底光ケーブル812に分岐装置14が接続されている。分岐装置13と分岐装置14との間は、海底光ケーブル84により接続されている。それらの接続には、光ファイバペアによる光学的な接続と、給電線による電気的な接続とが含まれる。ここで、光ファイバペアは、互いに逆向きの光信号を伝送する一対の光ファイバ心線である。海底光ケーブル84が備える光ファイバペアの数は、例えば、海底光ケーブル811又は812が備える光ファイバペアの数と同じである。
【0024】
分岐装置13は、陸上局31から海底光ケーブル811の光ファイバペアを通じて送付される光信号を、海底光ケーブル84の備える光ファイバペアに入射させる。ただし、分岐装置13は、増設予定部分91の増設が行われた場合には、当該光信号を、増設された部分が備える海底光ケーブルの備える光ファイバペアに振り分けることもできる。
【0025】
分岐装置13は、また、海底光ケーブル84の光ファイバペアを通じて陸上局32から送付される光信号を、海底光ケーブル811が備える光ファイバペアに入射させる。ただし、分岐装置13は、増設予定部分91の増設が行われた場合には、増設された部分が備える海底光ケーブルの備える光ファイバペアから送付された光信号を、海底光ケーブル811の光ファイバペアに入射させることもできる。
【0026】
分岐装置13は、上記光信号の入射の切替えを行う光スイッチを備えている。当該光スイッチは、例えば、陸上局31から海底光ケーブル811の光ファイバ心線を通じて送付される光接続切替情報により接続先の光ファイバ心線の切り替えを行う。なお、前記光接続情報は、陸上局32から海底光ケーブル84の光ファイバ心線を通じて送付されてもよい。
【0027】
分岐装置13は、さらに、海底光ケーブル811が備える給電線を、海底光ケーブル84が備える給電線に接続する。ただし、分岐装置13は、増設予定部分91の増設が行われた場合には、海底光ケーブル811の給電線を、増設された部分が備える海底光ケーブルが備える給電線に接続することもできる。
【0028】
分岐装置13は、そのような接続の切替えを行うための接続切替部(電気スイッチ)を備えている。当該接続切替部は、例えば、陸上局31から海底光ケーブル811の光ファイバ心線を通じて送付される給電切替情報により接続先の給電線の切替えを行う。当該給電切替情報は、陸上局32から海底光ケーブル84の光ファイバ心線を通じて送付されてもよい。
【0029】
分岐装置14は、分岐装置13と同様の構成を備え、同様の動作を行う。
【0030】
すなわち、分岐装置14は、陸上局32が海底光ケーブル812の光ファイバペアを通じて送付される光信号を、海底光ケーブル84の備える光ファイバペアに入射させる。ただし、分岐装置14は、増設予定部分91の増設が行われた場合には、陸上局32が海底光ケーブル812の光ファイバペアを通じて送付される光信号を、増設された部分が備える海底光ケーブルの備える光ファイバペアに振り分けることもできる。
【0031】
分岐装置14は、また、海底光ケーブル84の光ファイバペアを通じて陸上局31から送付される光信号を、海底光ケーブル812が備える光ファイバペアに入射させる。ただし、分岐装置14は、増設予定部分91の増設が行われた場合には、増設された部分が備える海底光ケーブルの備える光ファイバペアから送付された光信号を、海底光ケーブル812の光ファイバペアに入射させることもできる。
【0032】
分岐装置14は、上記光信号の切り替えを行う光スイッチを備えている。当該光スイッチは、例えば、陸上局32から海底光ケーブル812の光ファイバ心線を通じて送付される光接続切替情報により接続先の光ファイバ心線の切り替えを行う。当該光接続切替情報は、陸上局31から海底光ケーブル84の光ファイバ心線を通じて送付されてもよい。
【0033】
分岐装置14は、さらに、海底光ケーブル812が備える給電線を、海底光ケーブル84が備える給電線に接続する。ただし、分岐装置14は、増設予定部分91の増設が行われた場合には、海底光ケーブル812の給電線を、増設された部分が備える海底光ケーブルが備える給電線に接続することもできる。
【0034】
分岐装置14は、そのような接続の切替えを行うための接続切替部(電気スイッチ)を備えている。当該接続切替部は、例えば、陸上局32から海底光ケーブル812の光ファイバ心線を通じて送付される給電切替情報により接続先の給電線の切替えを行う。当該給電切替情報は、あるいは、陸上局31から海底光ケーブル84の光ファイバ心線を通じて送付されてもよい。
【0035】
図5は、図4の海底光ケーブルシステム50の、光信号の伝送に関する部分の構成例を表す概念図である。また、図6は、図5の分岐装置13の構成例を表す概念図である。
【0036】
陸上局31及び32は、伝送装置31b及び32bを備える。海底光ケーブル811は、光ファイバペア71乃至73を備える。海底光ケーブル812は、光ファイバペア7a乃至7cを備える。海底光ケーブル84は、光ファイバペア74乃至76を備える。
【0037】
分岐装置13は光スイッチ対1乃至3と、受信部13cと、制御部13bとを備える。受信部13cには、光ファイバペア73の下側の光ファイバ心線からカプラ51により取り出された光信号が入力される。当該光信号は、図5の伝送装置31bが伝送装置32bに向けて送付する光信号であるが、その光信号に、分岐装置13宛の制御信号が重畳されている場合がある。
【0038】
受信部13cは、分岐装置13宛の制御情報を受信し、受信信号を制御部13bへ送付する。制御部13bは、制御信号に、光スイッチ対1乃至3の接続先を切り替えさせる光接続切替情報が含まれる場合には、光接続切替情報に従う。すなわち、制御部13bは、光接続切替情報に従い、光スイッチ対1乃至3の各々に、光ファイバペア71乃至73の各々の接続先を、光ファイバペア74乃至74の各々、又は、光ファイバペア77乃至79の各々に、切り替えさせる。光ファイバペア77乃至79は、光ファイバペア群61を構成する光ファイバペアである。
【0039】
図5の分岐装置14についても同様である。
【0040】
なお、図5及び図6においては、1本の海底光ケーブルに含まれる光ファイバペアの数は説明の都合上3ペアとしているが、1本の海底光ケーブルに含まれる光ファイバペアの数は任意である。1本の海底光ケーブルに含まれる光ファイバペアの数は、一般的には、4ペア以上である。
【0041】
図5及び図6の海底光ケーブルシステム50においては、分岐装置13の光スイッチ対1乃至3は、光ファイバペア71乃至73を、光ファイバペア74乃至76に接続している。そして、光ファイバペア71乃至73及び光ファイバペア74乃至76のいずれにも接続されていない光ファイバペアからなる光ファイバペア群61の各光ファイバペアの端部は開放されている。光ファイバペア群61は、後に増設を行う際に、増設用の海底光ケーブルの光ファイバペアが接続できるように、分岐装置13の外部へ光ケーブルにより引き出され、その端部は、接続用筐体に収められている。接続用筐体の内部では、各光ファイバは、端面において反射が生じないように終端処置が施され、端部が開放されている。
【0042】
分岐装置14についても同様である。
【0043】
図7は、図4の海底光ケーブルシステム50の、給電に関する部分を表す概念図である。陸上局31及び32は、給電装置31a及び32aを備える。給電線811a及び84aは、図4の海底光ケーブル811及び84が備える給電線である。当該給電線は、給電装置31a及び32aが、分岐装置や中継増幅装置に電力を供給するための電力線(導線)である。分岐装置13及び14は、給電切替部13a及び14aを備える。
【0044】
給電切替部13aは、給電線811aを給電線84aに接続させている。ただし、給電切替部13aは、図4の増設予定部分91の増設が行われた場合には、陸上局31又は32から送付される制御情報に含まれる給電切替情報に従う。すなわち、給電切替部13aは、給電切替情報に従い、給電線811aの接続先に、増設予定部分91に相当する実際に増設された部分の海底光ケーブルが備える給電線を切り替える。陸上局31又は32は、当該給電切替情報を、例えば、分岐装置13に接続されたいずれかの光ファイバペアにより、分岐装置13に送付する。当該給電切替情報の送付方法は、前述の、光スイッチ対の切替えのために送付される光接続切替情報の送付方法と同様である。例えば、図6の受信部13cが当該給電切替情報を受信し、制御部13bが当該給電切替情報により、図7の給電切替部13aを切り替えさせてもよい。
【0045】
給電切替部14aについても給電切替部13aと同様である。
【0046】
図7の海底光ケーブルシステム50においては、給電線811a及び84aのいずれにも接続されていない給電端子85aaは、分岐装置13の外部の前述の接続用筐体に収められ、その後に増設を行う際に、増設用の海底光ケーブルの給電線が接続できるように保護されている。給電端子85aaは、分岐装置13において、給電端子85aaに接続された給電線がグランド87aに接続されることにより接地されている。グランド87aは、例えば、シーグランドである。
【0047】
分岐装置14についても同様である。
【0048】
図4の増設予定部分91の増設のされ方には、大きく分けて次の二つがある。一つは、増設予定部分91を、海底光ケーブル84と中継増幅装置2g及び2hとを含む構成と同様の構成にし、冗長構成にするものである。もう一つは増設予定部分91に、他の陸上局の光通信を可能にするための構成を増設するものである。
【0049】
まず、冗長構成にする場合について説明する。図8は、図4の増設予定部分91を増設することにより冗長構成にした海底光ケーブルシステム50を表す概念図である。
【0050】
図8の分岐装置13は、陸上局31から海底光ケーブル811の光ファイバペアを通じて送付される光信号を、海底光ケーブル84の備える光ファイバペアと海底光ケーブル85の備える光ファイバペアとに振り分けることができる。分岐装置13は、海底光ケーブル811の光ファイバペアを通じて送付される光信号を、海底光ケーブル84の備える光ファイバペアと海底光ケーブル85の備える光ファイバペアとのうちにいずれか一方に振り分けることもできる。
【0051】
分岐装置13は、また、海底光ケーブル84及び85の光ファイバペアを通じて陸上局32から送付される光信号を、海底光ケーブル811が備える光ファイバペアに入射させることができる。
【0052】
分岐装置13は、図8の状態では、海底光ケーブル811が備える給電線を、海底光ケーブル84が備える給電線に接続している。海底光ケーブル84が備える給電線の右方の端部は、分岐装置14により、グランド87cに接続されている。これにより、陸上局31が備える給電装置から、グランド87cへ、電流が流れ、海底光ケーブル811及び84への給電が行われる。
【0053】
分岐装置14は、図8の状態では、左側の海底光ケーブル812が備える給電線を、海底光ケーブル85が備える給電線に接続している。海底光ケーブル85が備える給電線の左方の端部は、分岐装置13により、グランド87aに接続されている。これにより、陸上局32が備える給電装置から、グランド87cへ、電流が流れ、海底光ケーブル812及び85への給電が行われる。
【0054】
分岐装置13は、図8の状態から、海底光ケーブル811が備える給電線の接続先を、海底光ケーブル85が備える給電線に切り替えることができる。また、分岐装置14は、図8の状態から、海底光ケーブル812が備える給電線の接続先を、海底光ケーブル84が備える給電線に切り替えることができる。以上により、図8の海底光ケーブルシステムは、分岐装置13と分岐装置14との間の区間が冗長構成になっている。
【0055】
図9図8の海底光ケーブルシステム50の光伝送に関する部分の構成例を表す概念図である。また、図10は、図8の海底光ケーブルシステム50の給電系統を表す概念図である。これらの図の内容は、以上の説明から類推し理解可能と思われるので、煩雑さを避けるため、それらの説明は省略される。
【0056】
図11は、図8の海底光ケーブルシステム50において障害が発生した場合の様子を表す概念図である。図11の海底光ケーブルシステム50においては、分岐装置13は、海底光ケーブル811の光ファイバペアを海底光ケーブル85の光ファイバペアに接続させている。また、分岐装置13は、海底光ケーブル811の給電線を、海底光ケーブル85の給電線に接続させている。また、分岐装置14は、海底光ケーブル812の光ファイバペアを海底光ケーブル85の光ファイバペアに接続させている。また、分岐装置14は、海底光ケーブル812の給電線を、海底光ケーブル85の給電線に接続させている
以上により、海底光ケーブル84の位置Aにおいて障害が発生した場合においても、陸上局31及び32は、互いに、海底光ケーブル85を用いて光通信を行うことができる。
【0057】
次に、図4の増設予定部分91に、他の陸上局との光通信を可能にする構成を増設した場合の例について説明する。
【0058】
図12は、図4の増設予定部分91に、他の陸上局と接続する構成が増設された海底光ケーブルシステム50を表す概念図である。増設された部分である増設部分92は、海底光ケーブル85及び86と、分岐装置15と、中継増幅装置2i乃至2kと、陸上局35とを備える。
【0059】
分岐装置15は、海底光ケーブル85が備える光ファイバペアの一部又は全部を海底光ケーブル86が備える光ファイバペアに接続する。分岐装置15は、当該接続を切り替えるための光スイッチを備えている。当該光スイッチは、陸上局31、32及び35のいずれかが送付する光接続切替情報に従い、海底光ケーブル間の光ファイバペアの接続の切替えを行う。陸上局31、32又は35が当該光接続切替情報を送付する方法には、例えば、陸上局31が分岐装置13に制御情報を送付する前述の方法を適用することができる。
【0060】
分岐装置15は、また、接続切替部(電気スイッチ)を備える。当該接続切替部は、前述の制御情報により、海底光ケーブル86が備える給電線の接続先を切り替える。
【0061】
図12の海底光ケーブルシステム50は、上記構成により、陸上局35の、陸上局31及び32の双方又は一方との光通信が可能である。
【0062】
図13は、図12の海底光ケーブルシステム50の光信号の伝送に関する部分を表す概念図である。図13においては、分岐装置15は、光ファイバペア77乃至79のうちのいずれか1ペアを、陸上局35が備える伝送装置35bに接続される海底光ケーブル86が備える光ファイバペア7dに接続している。これにより、伝送装置35bは、伝送装置31b及び32bのうちのいずれか一方又は双方と光通信が可能である。
【0063】
分岐装置15が、光ファイバペア77乃至79のうちのいずれを光ファイバペア7dに接続するかは任意である。また、当該接続を行うための分岐装置15内部の構成は任意である。さらには、海底光ケーブル86が、光ファイバペア7d以外の光ファイバペアを備え、それらの各々が、光ファイバペア77乃至79のいずれかに接続されるように分岐装置15を構成することもできる。
【0064】
図14は、図12の海底光ケーブルシステム50の給電に関する部分を表す概念図である。図14においては、分岐装置15が備える給電切替部15aは、陸上局35が備える給電装置35aにより給電を受ける給電線85aを、図12の海底光ケーブル86が備える給電線86aに接続している。
【0065】
なお、給電線86aが給電線85aに接続されない構成にすることもできる。その場合は、給電切替部15aは無くても構わない。
【0066】
以上の説明から理解されるように、分岐装置15、海底光ケーブル86、及び、陸上局35の構成は自由度が高いものである。図4の海底光ケーブルシステム50は、陸上局31と陸上局32との間の、大容量の光通信を中断させずに、そのような自由度の高い増設を行うことが可能である。
【0067】
このように、図4に表される増設前の海底光ケーブルシステム50においては、増設予定部分91の構成について、図3に表される一般的な海底光ケーブルシステム50と比較して、高い設計の自由度が確保されている。
[効果]
本実施形態の海底光ケーブルシステムは、二つの分岐装置の間の通信経路に冗長構成を持たせる増設が可能になっている。そのため、まず、それらの分岐装置の間に冗長構成を持たせる増設を行うことにより、一方の通信経路に障害が生じても、他方の通信経路により通信を行うことができる。
【0068】
さらに、前記海底光ケーブルシステムは、それらの分岐装置の間の区間で、他の陸上局との光通信を行うための増設を行う場合、一方の通信経路で既存の陸上局間の光通信を継続しながら、他方の通信経路に他の陸上局との光通信を行うための構成を増設することができる。そのため、前記海底光ケーブルシステムは、他の陸上局との光通信を行うために増設される構成の自由度を大きくすることができる。
【0069】
図15は実施形態の海底光ケーブルシステムの最小限の構成である海底光ケーブルシステム50xの構成を表す概念図である。海底光ケーブルシステム50xは、第一切替装置13xと、第二切替装置14xと、第三海底光ケーブル84xとを備える。第一切替装置13xは、第一陸上局と第一海底光ケーブルにより接続される。第二切替装置14xは、第二陸上局と第二海底光ケーブルにより接続される。第三海底光ケーブル84xは、第一切替装置13x及び第二切替装置14xとに接続されている。
【0070】
第一切替装置13xは、第三海底光ケーブル84xに相当する海底光ケーブルの光ファイバ心線が接続が可能な、第一光ファイバ心線接続部を備える。第一切替装置13xは、さらに、送付を受けた第一光接続切替情報により、前記第一海底光ケーブルが備える光ファイバ心線の接続先を、第三海底光ケーブル84xが備える光ファイバ心線及び前記第一光ファイバ心線接続部のいずれかに切り替える、第一光スイッチ群を備える。
【0071】
第二切替装置14xは、第三海底光ケーブル84xに相当する海底光ケーブルの光ファイバ心線が接続が可能な、第二光ファイバ心線接続部を備える。第二切替装置14xは、さらに、送付を受けた第二光接続切替情報により、前記第二海底光ケーブルが備える光ファイバ心線の接続先を切り替える、第二光スイッチ群を備える。当該第二スイッチ群は、第三海底光ケーブル84xが備える光ファイバ心線及び前記第二光ファイバ心線接続部のいずれかに当該接続先を切り替える。
【0072】
海底光ケーブルシステム50xは、上記構成により、第一切替装置13xと第二切替装置14xの間の通信経路が冗長構成になるように増設することが可能である。海底光ケーブルシステム50xは、上記構成により、さらに、前記第一陸上局と前記第二陸上局との間の光通信を行いつつ、前記第一陸上局及び前記第二陸上局のうちの少なくとも一方が他の陸上局と光通信を行えるように増設することもできる。さらに、海底光ケーブルシステム50xは、前記第一陸上局と前記第二陸上局との間の光通信を止めないで増設することを可能にするため、他の陸上局と光通信を行えるように増設を行う構成の自由度を確保できる。
【0073】
以上のように、海底光ケーブルシステム50xは、増設される構成の自由度を向上させる。そのため、海底光ケーブルシステム50xは、前記構成により、[発明の効果]の項に記載した効果を奏する。
【0074】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で更なる変形、置換、調整を加えることができる。例えば、各図面に示した要素の構成は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0075】
また、前記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記述され得るが、以下には限られない。
(付記1)
第一陸上局と第一海底光ケーブルにより接続される第一切替装置と、
第二陸上局と第二海底光ケーブルにより接続される第二切替装置と、
前記第一切替装置及び前記第二切替装置とに接続された第三海底光ケーブルとを備え、
前記第一切替装置は、
前記第三海底光ケーブルに相当する海底光ケーブルの光ファイバ心線が接続可能な、第一光ファイバ心線接続部と、
送付を受けた第一光接続切替情報により、前記第一海底光ケーブルが備える光ファイバ心線の接続先を、前記第三海底光ケーブルが備える光ファイバ心線及び前記第一光ファイバ心線接続部のいずれかに切り替える、第一光スイッチ群を備え、
前記第二切替装置は、
前記第三海底光ケーブルに相当する海底光ケーブルの光ファイバ心線が接続可能な、第二光ファイバ心線接続部と、
送付を受けた第二光接続切替情報により、前記第二海底光ケーブルが備える光ファイバ心線の接続先を、前記第三海底光ケーブルが備える光ファイバ心線及び前記第二光ファイバ心線接続部のいずれかに切り替える、第二光スイッチ群を備える、
海底光ケーブルシステム。
(付記2)
前記第一光ファイバ心線接続部は、前記第一切替装置の筐体の内部にあり、前記第二光ファイバ心線接続部は、前記第二切替装置の筐体の内部にある、
付記1に記載された海底光ケーブルシステム。
(付記3)
前記第一光ファイバ心線接続部及び前記第二光ファイバ心線接続部は保護されている、
付記1又は付記2に記載された海底光ケーブルシステム。
(付記4)
前記第一光接続切替情報及び前記第二光接続切替情報は、前記第一陸上局及び前記第二陸上局のうちのいずれかから送付される、
付記1乃至付記3のうちのいずれか一に記載された海底光ケーブルシステム。
(付記5)
前記第一光接続切替情報は、前記第一海底光ケーブル又は前記第三海底光ケーブルを通じて送付され、
前記第二光接続切替情報は、前記第二海底光ケーブル又は前記第三海底光ケーブルを通じて送付される、
付記1乃至付記4のうちのいずれか一に記載された海底光ケーブルシステム。
(付記6)
前記第一光接続切替情報は、前記第一海底光ケーブル又は前記第三海底光ケーブルが備える光ファイバ心線を通じて送付され、
前記第二光接続切替情報は、前記第二海底光ケーブル又は前記第三海底光ケーブルが備える光ファイバ心線を通じて送付される、
付記5に記載された海底光ケーブルシステム。
(付記7)
前記第一切替装置は、
前記第三海底光ケーブルに相当する海底光ケーブルの給電線が接続可能な、第一給電線接続部と、
前記第一陸上局又は前記第二陸上局から送付される第一給電切替情報により、前記第一海底光ケーブルが備える給電線の接続先を前記第一給電線接続部に切り替える、第一電気スイッチとを備え、
前記第二切替装置は、
前記第三海底光ケーブルに相当する海底光ケーブルの給電線が接続可能な、第二給電線接続部と、
前記第一陸上局又は前記第二陸上局から送付される第二給電切替情報により、前記第二海底光ケーブルが備える給電線の接続先を前記第二給電線接続部に切り替える、第二電気スイッチとを備える、
付記1乃至付記6のうちのいずれか一に記載された海底光ケーブルシステム。
(付記8)
前記第一給電線接続部は、前記第一切替装置の筐体の内部にあり、前記第二給電線接続部は、前記第二切替装置の筐体の内部にある、
付記7に記載された海底光ケーブルシステム。
(付記9)
前記第一給電線接続部及び前記第二給電線接続部は保護されている、
付記7又は付記8に記載された海底光ケーブルシステム。
(付記10)
前記第一給電切替情報及び前記第二給電切替情報は、前記第一陸上局及び前記第二陸上局のうちのいずれかから送付される、
付記7乃至付記9のうちのいずれか一に記載された海底光ケーブルシステム。
(付記11)
前記第一給電切替情報は、前記第一海底光ケーブル又は前記第三海底光ケーブルを通じて送付され、
前記第二給電切替情報は、前記第二海底光ケーブル又は前記第三海底光ケーブルを通じて送付される、
付記7乃至付記10のうちのいずれか一に記載された海底光ケーブルシステム。
(付記12)
前記第一給電切替情報は、前記第一海底光ケーブル又は前記第三海底光ケーブルが備える光ファイバ心線を通じて送付され、
前記第二給電切替情報は、前記第二海底光ケーブル又は前記第三海底光ケーブルが備える光ファイバ心線を通じて送付される、
付記11に記載された海底光ケーブルシステム。
(付記13)
前記第一海底光ケーブル及び前記第二海底光ケーブルのうちの少なくとも一方をさらに備える、
付記1乃至付記12のうちのいずれか一に記載された海底光ケーブルシステム。
(付記14)
前記第一陸上局及び前記第二陸上局のうちの少なくとも一方をさらに備える、
付記1乃至付記13のうちのいずれか一に記載された海底光ケーブルシステム。
【0076】
ここで、上記の付記における用語と、付記以前に用いられている用語との対応例は、以下の通りである。「第一陸上局」は、例えば、図4、5又は7の、陸上局31である。また、「第一海底光ケーブル」は、例えば、図4又は5の、海底光ケーブル811である。
また、「第一切替装置」は、例えば、図4、5又は7の、分岐装置13、又は、図15の第一切替装置13xである。
【0077】
また、「第二陸上局」は、例えば、図4、5又は7の、陸上局32である。また、「第二海底光ケーブル」は、例えば、図4又は5の、海底光ケーブル812である。また、「第二切替装置」は、例えば、図4、5又は7の、分岐装置14、又は、図15の第二切替装置14xである。
【0078】
また、「第三海底光ケーブル」は、例えば、図4又は5の、海底光ケーブル84、又は、図15の第三海底光ケーブル84xである。また、「第一光ファイバ心線接続部」は、例えば、図5又は6の、光ファイバペア群61の開放された端部である。また、「第一光接続切替情報」は、例えば、図6の受信部13cが受信する制御情報に含まれる接続切替情報である。
【0079】
また、「第一光スイッチ群」は、例えば、図6の光スイッチ対1乃至3からなる光スイッチ群である。また、「第二光ファイバ心線接続部」は、例えば、図5の、光ファイバペア群62の開放された端部である。また、「第二光接続切替情報」は、例えば、「第二切替装置」が備える、図6の受信部13cに相当する受信部が受信する制御情報に含まれる接続切替情報である。
【0080】
また、「第二光スイッチ群」は、例えば、「第二切替装置」が備える、図6の光スイッチ対1乃至3に相当する光スイッチ対からなる光スイッチ群である。また、「海底光ケーブルシステム」は、例えば、図4、5又は7の、海底光ケーブルシステム50、又は、図15の海底光ケーブルシステム50xである。
【0081】
また、「第一給電線接続部」は、例えば、図7の給電端子85aaである。また、「第一給電切替情報」は、例えば、図6の受信部13cが受信する制御情報に含まれる給電切替情報である。また、「第一電気スイッチ」は、例えば、図7の給電切替部13aである。また、「第二給電線接続部」は、例えば、図7の給電端子85abである。また、「第二給電切替情報」は、例えば、図7の分岐装置14が備える、図6の受信部13cに相当する受信部が受信する制御情報に含まれる給電切替情報である。また、「第二電気スイッチ」は、例えば、図7の給電切替部14aである。
【0082】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0083】
この出願は、2020年8月25日に出願された日本出願特願2020-141351を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0084】
1、2、3 光スイッチ対
11、12、13 分岐装置
13a、14a 給電切替部
13b 制御部
13c 受信部
13x 第一切替装置
14x 第二切替装置
2a、2b、2c、2d、2e、2f、2i、2j、2k 中継増幅装置
31、32、33、34、35 陸上局
31a、32a、35a 給電装置
31b、32b、35b 伝送装置
50、50x 海底光ケーブルシステム
51 カプラ
61 光ファイバペア群
71、72、72、74、75、76、77、78、79、7a、7b、7c、7d 光ファイバペア
91 増設予定部分
81、811、812、82、83、84、85 海底光ケーブル
84x 第三海底光ケーブル
81a、85a 給電線
87a、87b、87c、87d グランド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15