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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】NWDAFノード及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/08 20090101AFI20240305BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20240305BHJP
   H04W 92/24 20090101ALI20240305BHJP
【FI】
H04W24/08
H04W88/18
H04W92/24
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023024415
(22)【出願日】2023-02-20
(62)【分割の表示】P 2022503952の分割
【原出願日】2020-12-15
(65)【公開番号】P2023062122
(43)【公開日】2023-05-02
【審査請求日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】19219407.4
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141519
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 邦之
(72)【発明者】
【氏名】ファン, リンハン
(72)【発明者】
【氏名】田村 利之
(72)【発明者】
【氏名】イアネフ, イスクレン
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】ZTE,Clarification of User Data Congestion Analytics[online],3GPP TSG SA WG2 #136 S2-1911135,フランス,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_136_Reno/Docs/S2-1911135.zip>,2019年11月08日,[検索日 2023.11.30]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
NWDAF(Network Data Analytic Function)ノードであって、
コアネットワークノードから、UE(User Equipment)の誤動作の報告を要求するメッセージを受信し、
AMF(Access and Mobility Management Function)に対して、前記UEの動作に関する情報を収集するための要求を送信し、
前記AMFから、前記UEの位置に関する情報を含むUE情報を受信し、
前記UEの誤動作に関する分析を行い、
前記分析の結果に基づいて、前記コアネットワークノードに対して、前記UEの誤動作に関する通知を送信し、
前記UEの誤動作に関する通知は、前記UEが指定されたサービスエリア制限に関する通知である、
NWDAF。
【請求項2】
前記UEの位置に関する情報はセルIDである、
請求項1に記載のNWDAF。
【請求項3】
前記コアネットワークノードはAF(Application Function)またはPCF(Policy Control Function)である、
請求項1または2に記載のNWDAF。
【請求項4】
NWDAF(Network Data Analytic Function)ノードにより実行される方法であって、
コアネットワークノードから、UE(User Equipment)の誤動作の報告を要求するメッセージを受信する工程と、
AMF(Access and Mobility Management Function)に対して、前記UEの動作に関する情報を収集するための要求を送信する工程と、
前記AMFから、前記UEの位置に関する情報を含むUE情報を受信する工程と、
前記UEの誤動作に関する分析を行う工程と、
前記分析の結果に基づいて、前記コアネットワークノードに対して、前記UEの誤動作に関する通知を送信する工程と、
を備え
前記UEの誤動作に関する通知は、前記UEが指定されたサービスエリア制限に関する通知である、
方法。
【請求項5】
前記UEの位置に関する情報はセルIDである、
請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記コアネットワークノードはAF(Application Function)またはPCF(Policy Control Function)である、
請求項4または5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムに関する。本開示は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project:)規格又はその等価物若しくは派生物に従って動作する無線通信システム及びその装置に特に関連するが、これに限定するものではない。本開示は、いわゆる「5G」(あるいは「Next Generation」)システムにおけるデータ分析及び誤動作している(misbehaving)UEの検出に特に関連するが、これに限定するものではない。
【0002】
以下の略語および用語(異なる記載がある場合はいつでも)は、本開示において使用される。
3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project)
5GC 5Gコアネットワーク(5G Core Network)
5GS 5Gシステム(5G System)
5G-AN 5Gアクセスネットワーク(5G Access Network)
AF アプリケーション機能(Application Function)
AMF アクセス及びモビリティ管理機能(Access and Mobility Management Function)
AN アクセスネットワーク(Access Network)
CC 国コード(Country Code)
DDoS 分散型サービス妨害(Distributed Denial of Service)
DL ダウンリンク(Downlink)
DNN データネットワーク名(Data Network Name)
EIR 装置アイデンティティレジスタ(Equipment Identity Register)
gNB 次世代ノードB(Next Generation NodeB)
GPS 地球測位システム(Global Positioning System)
GPSI 汎用公衆加入者アイデンティファイア(Generic Public Subscription Identifier)
IMEI 国際モバイル装置アイデンティティ(International Mobile Equipment Identity)
IMEISV 国際モバイル装置アイデンティティソフトウェアバージョン(International Mobile Equipment Identity Software Version)
IMSI 国際モバイル加入者アイデンティティ(International Mobile Subscriber Identity)
MCC モバイル国コード(Mobile Country Code)
MM モビリティ管理(Mobility Management)
MT モバイル終端(Mobile Terminated)
MNC モバイルネットワークコード(Mobile Network Code)
MNO モバイル・ネットワーク・オペレータ(Mobile Network Operator)
MSISDN モバイル局国際加入者ディレクトリ番号(Mobile Station International Subscriber Directory Number)
NAI ネットワークアクセスアイデンティファイア(Network Access Identifier)
NAS 非アクセス層(Non-Access Stratum)
NF ネットワーク機能(Network Function)
NG Next Generation
NG-RAN 次世代無線アクセスネットワーク(Next Generation Radio Access Network)
NR New Radio
NSSAI ネットワークスライス選択補助情報(Network Slice Selection Assistance Information)
NWDAF ネットワークデータ分析機能(Network Data Analytics Function)
OAM 運用・管理・保守(Operations, Administration and Maintenance)
ODB オペレータ決定排除(Operator Determined Barring)
OS オペレーティングシステム(Operating System)
OTA オーバーザエア(Over the Air)
OTT オーバーザトップ(Over the Top)
PCF ポリシー制御機能(Policy Control Function)
PDB パケット遅延割当量(Packet Delay Budget)
PDU プロトコルデータユニット(Protocol Data Unit)
PEI パーマネント(永久的な)装置アイデンティファイア(Permanent Equipment Identifier)
PER パケット誤り率(Packet Error Rate)
PLMN 公衆陸上移動体通信網(Public Land Mobile Network)
RAN 無線アクセスネットワーク(Radio Access Network)
RRC 無線リソース制御(Radio Resource Control)
SBA サービスベースのアーキテクチャ(Service-based Architecture)
SM セッション管理(Session Management)
SMF セッション管理機能(Session Management Function)
SMS ショートメッセージサービス(Short Message Service)
S-NSSAI 単一ネットワークスライス選択補助情報(Single Network Slice Selection Assistance Information)
SUPI サブスクリプション永久的アイデンティファイア(Subscription Permanent Identifier)
UE ユーザ装置(User Equipment)
UDM 統合データ管理(Unified Data Management)
UL アップリンク(Uplink)
なお、本開示は、用語MM NASおよびSM NASを使用する。MM NASという用語は、NAS MMと解釈できる。SM NASという用語は、NAS SMと解釈できる。
【背景技術】
【0003】
3GPPワーキンググループは現在、5Gシステムを定義しており、さらに、3GPP TSG SA WG2(SA2)は、3GPP技術仕様書(TS)23.501[1]において5Gシステムアーキテクチャを、また3GPP TS23.502[2]においてプロシージャを定めている。SA2内では、5Gネットワークにおいてネットワークデータ分析を提供するため、ネットワークデータ分析機能(NWDAF)と呼ばれるネットワーク機能(NF)が、3GPP TS 23.288 v16.1.0[3]で定められている。
【0004】
最近、異常イベントの検出をサポートし、その原因分析に役立つNWDAFなど、新しい使用事例のためのNWDAFによりもたらされる新しいタイプのアウトプットを識別するため、SA2において新たな調査が提案された。3GPP技術報告書(TR)23.700-91[4]には、この調査の最新の結果が記載されている。
【発明の概要】
【0005】
MM NAS/SM NAS関連プロシージャ(例えば、UE登録及びPDUセッションセットアップ)の不備に関しては、異なる拒絶理由と、異なる再送信用バックオフタイマが存在する。拒絶理由又は異なる再送信用バックオフタイマは、UE又はネットワークにおける特定のタイプの問題と相関している可能性はあるが、このトピックに関する調査は行われていない。
【0006】
現在、誤動作しているUEの識別方法はケースバイケースで対応されているが、これにより問題解決において膨大な量の作業が発生しているだけでなく、これらのケースの間には何の繋がりも存在しない。
【0007】
誤動作しているUEを体系的に識別し、それにより問題解決に要する作業量を低減し、ネットワークの自動化を改善するためには効率的な方法が必要である。
【0008】
本開示の態様によれば、NWDAF(Network Data Analytic Function)ノードは、コアネットワークにおける第1のネットワーク機能ノードから、ユーザ装置(UE)の装置アイデンティファイアと、前記UEからの要求に応じて前記第1のネットワーク機能ノードが拒絶メッセージを前記UEに送信した場合の拒絶された原因とを受信する手段と、前記UEが誤動作しているUEであるかどうかを判定するために、前記装置アイデンティファイアと前記拒絶された原因とを分析する手段と、前記UEが前記誤動作しているUEであると判定された場合に、前記装置アイデンティファイアを、前記コアネットワークにおける第2のネットワーク機能ノードに送信する手段と、を備える。
【0009】
本開示の別の態様によれば、コアネットワークにおける第2のネットワーク機能ノードは、NWDAF(Network Data Analytic Function)ノードから装置アイデンティファイアを受信する手段と、前記装置アイデンティファイアにより示されるユーザ装置(UE)に対して措置を講じる(take action)手段とを備え、前記UEは、前記装置アイデンティファイア及び拒絶された原因を分析することにより、前記NWDAFノードによって、誤動作しているUEと判定され、ここで、前記装置アイデンティファイア及び前記拒絶された原因は、前記コアネットワークにおける第1のネットワーク機能ノードから前記NWDAFノードに送信され且つ前記第1のネットワーク機能ノードから前記UEに送信される。
【0010】
本開示の別の態様によれば、NWDAF(Network Data Analytic Function)ノードのための制御方法は、コアネットワークにおける第1のネットワーク機能ノードから、ユーザ装置(UE)の装置アイデンティファイアと、前記UEからの要求に応じて前記第1のネットワーク機能ノードが拒絶メッセージを前記UEに送信した場合の拒絶された原因とを受信することと、前記UEが誤動作しているUEであるかどうかを判定するために、前記装置アイデンティファイアと前記拒絶された原因とを分析することと、前記UEが前記誤動作しているUEであると判定された場合に、前記装置アイデンティファイアを、前記コアネットワークにおける第2のネットワーク機能ノードに送信することと、を含む。
【0011】
本開示の別の態様によれば、コアネットワークにおける第2のネットワーク機能ノードのための制御方法は、NWDAF(Network Data Analytic Function)ノードから装置アイデンティファイアを受信することと、前記装置アイデンティファイアにより示されるユーザ装置(UE)に対して措置を講じることと、を含み、前記UEは、前記装置アイデンティファイア及び拒絶された原因を分析することにより、前記NWDAFノードによって、誤動作しているUEと判定され、ここで、前記装置アイデンティファイア及び前記拒絶された原因は、前記コアネットワークにおける第1のネットワーク機能ノードから前記NWDAFノードに送信され且つ前記第1のネットワーク機能ノードから前記UEに送信される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、NWDAFのMM NAS関連エラー用データ分析をサブスクライブするサービスコンシューマと、AMFのMM NAS関連エラー用イベントエクスポージャサービスをサブスクライブするNWDAFの代表的なプロシージャを示す。
図2図2は、MM NAS拒絶をAMFが検出する際の代表的なAMFプロシージャを示す。
図3図3は、バックオフタイマを無視するUEをAMFが検出する際の代表的なAMFプロシージャを示す。
図4図4は、AMFからの誤動作UEイベント通知プロシージャと、NWDAFからの分析報告通知を示す。
図5図5は、NWDAFのSM NAS関連エラー用データ分析をサブスクライブするサービスコンシューマと、SMFのSM NAS関連エラー用イベントエクスポージャサービスをサブスクライブするNWDAFの代表的なプロシージャを示す。
図6図6は、SM NAS拒絶をSMFが検出する際の代表的なSMFプロシージャを示す。以下のステップが実行される。
図7図7は、バックオフタイマを無視するUEをSMFが検出する際の代表的なSMFプロシージャを示す。
図8図8は、SMFからの誤動作UEイベント通知プロシージャと、NWDAFからの分析報告通知を示す。
図9図9は、モバイル(携帯又はワイヤレス)通信システム1を体系的に図示している。
図10図10は、UE(モバイルデバイス3)の主要コンポーネントを図示したブロック図である。
図11図11は、代表的な(R)ANノード5(基地局)の主要コンポーネントを図示したブロック図である。
図12図12は、一般的なコアネットワークノードの主要コンポーネントを図示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
前記の問題に対処するため、本開示には2つのソリューションがある。
・ソリューション1:MM NAS関連エラー(MM NAS related errors)に基づく、誤動作しているUE(misbehaving UEs)の識別
・ソリューション2:SM NAS関連エラー(SM NAS related errors)に基づく、誤動作しているUEの識別
【0014】
ソリューション1 MM NAS関連エラーに基づく、誤動作しているUEの識別
【0015】
例示的な態様1:AMF12は、MM NAS関連誤動作UE情報に関するデータをNWDAF11に報告する。
本ソリューションの主要なアイデアは、誤動作しているUEを識別し、トラブルシューティングにおいて適切な措置を講じ(take action)、さらにはネットワークの自動化を改善するために、UDM、EIR、AF、OAM及びPCFを含むコンシューマが、NWDAFのサービスをサブスクライブするというものである。集められたMM NAS関連エラーに基づいて、NWDAFはデータ分析を実行し、サブスクライブされたコンシューマの分析結果及び推奨(recommendations)を通知する。
【0016】
図1から図4は、MM NASと、NWDAF11が実行したデータ分析に関して、AMF12からのエラー関連データに基づいて誤動作しているUEを識別する代表的なプロシージャを示す。
【0017】
NWDAFのMM NAS関連エラー用データ分析をサブスクライブするサービスコンシューマと、AMFのMM NAS関連エラー用イベントエクスポージャサービスをサブスクライブするNWDAF11のプロシージャ
図1は、NWDAFのMM NAS関連エラー用データ分析をサブスクライブするサービスコンシューマと、AMFのMM NAS関連エラー用イベントエクスポージャサービスをサブスクライブするNWDAF11の代表的なプロシージャとを示す。以下のステップが実行される。
【0018】
ステップ1:誤動作しているUE(複数可)に関する分析情報を得るため、コンシューマは、分析情報サブスクリプションプロシージャ若しくはその他のプロシージャを実行するか、又はNWDAF11からの誤動作UE分析情報報告若しくは通知をサブスクライブするため、「Nnwdaf_AnalyticsInfo_Subscribe」メッセージ若しくはその他のメッセージをNWDAF11に送信する。
【0019】
コンシューマは、UDM、EIR、OAM、AF及びPCFであり得る。
【0020】
このメッセージには、分析ID、分析フィルタ情報、分析報告のターゲット、通知ターゲットアドレス(Notification Target Address)(+通知相関ID(Notification Correlation ID))、分析ターゲット期間、アプリケーションID、DNN、NSSAI、ロケーション情報、アクセスタイプ(Access Type)、PEI、GPSI及びSUPIが含まれる。
【0021】
分析ID(複数可)は、要求された分析を識別する[3]。
【0022】
分析フィルタ情報は、分析情報を報告するために満たすべき条件を示し、さらに、どのタイプの分析情報が要求されるのか(例えば、NWDAF11によって生成され、特定の分析IDに使用できるすべての分析のサブセット)を選択できるようにする[3]。
【0023】
分類に応じて、サブスクライブされた誤動作UE分析情報を識別する方法は2つある。例えば、1)分析IDは、「異常動作(abnormal behavior)」であり得る、さらに、分析フィルタ情報は、「MM NAS関連エラーにおいて誤動作しているUE(misbehaving UE in MM NAS related errors)」であり得る。誤動作しているUEのある種の動作は、分析フィルタ情報と関連付けることができる。例えば、誤動作しているUEのある種の動作は、バックオフタイマを無視するUE、又はネットワークをスパムするUEであり得る。2)分析IDは、「MM NAS関連エラーにおいて誤動作しているUE」であり得る、さらに、分析フィルタ情報は、MM NAS関連エラーにおける誤動作しているUEのある種の動作であり得る。
【0024】
分析報告のターゲットは、分析情報が要求されているオブジェクト(複数可)を示す。例えば、オブジェクト(複数可)は、特定のUE、UE(複数可)のグループ又はいずれかのUE(すなわちすべてのUE)であり得る[3]。GPSI及びSUPIは、分析報告のターゲットにおいて使用できる。
【0025】
通知ターゲットアドレス(+通知相関ID)により、NWDAF11から受信した通知を、サービスコンシューマのサブスクリプションと相関させることができる[3]。
【0026】
分析ターゲット期間は、開始時間から終了時間までの指定される時間インターバルである。
【0027】
コンシューマが特定のロケーションにおいて分析データを必要とする場合は、ロケーション情報を指定することができる。ロケーション情報は、地理的ロケーション、又は、ネットワーク定義ロケーション(network defined location:ネットワークにおいて定義されたロケーション)であり得る。地理的ロケーションが使用される場合、ロケーション情報は、GPSロケータにより表すことができるか、又は、ロンドンやサウス・ライスリップなどのような人間が読めるアドレスであり得る。
【0028】
ネットワーク定義ロケーションが使用される場合、ロケーション情報は、PLMN、トラッキングエリアのリスト、又はサービスエリアであり得る。コンシューマが特定のアクセスタイプの分析データを必要とする場合は、アクセスタイプを指定することができる。アクセスタイプは、3GPPアクセス、非3GPPアクセス、gNBアクセス又はNRアクセスであり得る。
【0029】
コンシューマが特定の端末タイプについて分析データを必要とする場合は、PEIを指定することができる。例えば、コンシューマがEIRであり、且つ、EIRが特定の端末タイプとソフトウェアバージョンについてのみ分析データを必要とする場合、EIRは、PEIを使用して必要な分析データを指定することができる。
【0030】
コンシューマが特定のユーザアイデンティティ(複数可)について分析データを必要とする場合は、GPSIを指定することができる。GPSIは、アイデンティティ群の形を取ることができる。例えば、GPSIがMSISDNの形を取る場合、コンシューマは、MSISDNの国コード(Country code:CC)部のみがGPSIとして指定されていれば、特定の国のUEのみから分析データを集めることができる。
【0031】
コンシューマが特定のユーザについて分析データを必要としている場合は、SUPIを指定することができる。SUPIは、アイデンティティのレンジ(range of identities)の形をとることができる。例えば、SUPIがIMSIの形を取る場合、コンシューマは、IMSIのモバイル国コード(Mobile Country Code:MCC)部とモバイルネットワークコード(Mobile Network Code:MNC)部のみがSUPIとして指定されていれば、特定のMNOのUEのみから分析データを集めることができる。
【0032】
ステップ2:MM NAS関連エラーに関して誤動作UE情報を集めるため、NWDAF11は、誤動作UE情報サブスクリプションプロシージャ若しくはその他のプロシージャを実行するか、又は関連AMF(複数可)からの誤動作UE関連データをサブスクライブするために、「Namf_EventExposure_Subscribe」メッセージ又はその他のメッセージを関連AMF(複数可)に送信する。関連AMF(複数可)は、PLMN内のすべてのサービングAMF12であり得る。ステップ2がステップ1の前に実行された場合、ステップ2が実行されない可能性がある。
【0033】
このメッセージには、イベントID(複数可)、イベントフィルタ(複数可)、イベント報告のターゲット、通知ターゲットアドレス(+通知相関ID)、イベントターゲット期間、イベント報告モード、アプリケーションID、DNN、NSSAI、ロケーション情報、アクセスタイプ、PEI、GPSI及びSUPIが含まれる。
【0034】
イベントIDは、(例えば、PDUセッションリリース)にサブスクライブされているイベントのタイプを識別する[2]。このメッセージでは、イベントIDは、MM NAS関連エラーにおけるUEの異常動作に関するイベントのタイプを識別する。
【0035】
イベントフィルタは、サブスクライブされたイベントIDを通知するために満たすべき条件を示し、さらに、イベント関連パラメータ(複数可)と、パラメータに一致する値(複数可)を含む。イベントフィルタは、イベントIDにより異なる[2]。
【0036】
イベント報告のターゲットは、特定のUE又はPDUセッション、UE(複数可)のグループ又はいずれかのUE(すなわちすべてのUE)であり得る[2]。GPSI及びSUPIは、イベント報告のターゲットにおいて使用できる。
【0037】
分析IDの場合、NWDAF11は、対応するNFタイプ(複数可)及び/又はイベントID(複数可)で設定される[3]。
【0038】
ステップ1からのサブスクリプション要求に基づき、NWDAF11は、受信した分析ID及び分析フィルタ情報を、対応するイベントID(複数可)及び/又はイベントフィルタ(複数可)にマッピングする。分析報告のターゲットも、イベント報告のターゲットにマッピングされる。
【0039】
例えば、分析IDが「異常動作」であり、かつ分析フィルタ情報が「MM NAS関連エラーにおいて誤動作しているUE」である場合、NWDAF11は、MM NAS関連エラーにおけるUEの異常動作に関連するイベントIDのリストにこれらをマッピングする。例えば、イベントIDは、「AMFにより指定されるバックオフタイマを無視するUE」又は「AMFにより要求されるイベント報告を無視するUE」であり得る。複数のイベントフィルタを各イベントIDに関連付けることができる。例えば、「AMFにより指定されたバックオフタイマを無視するUE」というイベントIDについては、関連付けられたイベントフィルタは、初期登録時、周期的な登録更新時のいずれかにおいてAMFにより指定された特定のバックオフタイマをUEが無視したというイベントであり得る。
【0040】
イベント報告のターゲットは、分析報告のターゲットと同じであり得る。
【0041】
通知ターゲットアドレス(+通知相関ID)により、イベントプロバイダから受信した通知をサービスコンシューマのサブスクリプションと相関させることができる[2]。
【0042】
分析ターゲット期間は、開始時間から終了時間までの指定される時間インターバルである。
【0043】
イベント報告モードは、イベント報告を行うモードである。例えば、イベント報告モードは、最大数までの報告[2]、又は周期的報告[2]、又は最大継続時間までの報告[2]をイベントごとに行うことができる。
【0044】
以下のリストは、すべてのイベントを網羅するものではないが、UEの異常動作について考えられるイベントIDを示す。
・UE3からのMM NASメッセージが、AMF12により拒絶されている。
・UE3が、短時間で多過ぎるMM NASメッセージを送信する。
・UE3が、AMF12により指定されたバックオフタイマを無視する。
・UE3が、AMF12により指定されたRAT制限を無視する。
・UE3が、AMF12により指定された禁止エリア(Forbidden Area)を無視する。
・UE3が、AMF12により指定されたサービスエリア制限(Service Area Restriction)を無視する。
・UE3が、AMF12により指定されたコアネットワークタイプ制限を無視する。
・UE3が、AMF12により要求されたイベント報告を無視する。
【0045】
図2及び図3はそれぞれ、MM NAS拒絶(MM NAS rejection)のAMF動作と、バックオフタイマに関連するUE誤動作を示す。
【0046】
AMF12におけるMM NAS拒絶のプロシージャ
図2は、MM NAS拒絶をAMF12が検出する際の代表的なAMFプロシージャを示す。以下のステップが実行される。
【0047】
ステップ1:UE3が、MM NASメッセージをAMF12に送信する。
【0048】
ステップ2:AMF12が、MM NAS拒絶メッセージをUE3に送信する。AMF12はイベントエクスポージャにサブスクライブされているため、AMF12は、要求されたすべての情報が使用できるか否かを確認する。
【0049】
ステップ3:これは、AMF12が実行できる任意のステップである。PEI情報がイベントエクスポージャのために報告で要求されている一方で、AMF12にはUE3のPEI情報がない場合、AMF12は、PEIを要求されたアイデンティティとして、アイデンティティ要求メッセージをUE3に送信する。
【0050】
ステップ4:UE3が、PEI情報と共にアイデンティティ応答メッセージをAMF12に送信する。
【0051】
ステップ5:AMF12は、NWDAF11に通知できる状態である。図4に示す通知プロシージャが実行される。
【0052】
AMFにおける、バックオフタイマを無視するUE検出プロシージャ
【0053】
図3は、バックオフタイマを無視するUE3をAMF12が検出する際の代表的なAMFプロシージャを示す。以下のステップが実行される。
【0054】
ステップ1:UE3が、MM NASメッセージをAMF12に送信する。
【0055】
ステップ2:AMF12が、指定されたバックオフタイマと共にMM NASメッセージをUE3に送信する。
【0056】
ステップ3:AMF12がバックオフタイマを起動する。
【0057】
ステップ4:UE3が、ステップ2で受信したメッセージと同じMM NASメッセージを送信する。この時点で、ステップ3でセットされたバックオフタイマはまだ作動しているため、UE3がステップ2で指定されたバックオフ時間に従っていないことをAMF12は検出する。AMF12は、UE3を誤動作しているUEと見なし、通知の対象となる。AMF12はイベントエクスポージャにサブスクライブされているため、AMF12は、要求されたすべての情報が使用できるか否かを確認する。
【0058】
ステップ5:これは、AMF12が実行できる任意のステップである。PEI情報がイベントエクスポージャのために報告で要求されている一方で、AMF12にはUE3のPEI情報がない場合、AMF12は、PEIを要求されたアイデンティティとしてアイデンティティ要求メッセージをUE3に送信する。
【0059】
ステップ6:UE3が、PEI情報と共にアイデンティティ応答メッセージをAMF12に送信する。
【0060】
ステップ7:AMF12は、NWDAF11に通知できる状態である。図4に示す通知プロシージャが実行される。
【0061】
AMF12からの通知プロシージャ
図4は、AMF12からの誤動作UEイベント通知プロシージャと、NWDAF11からの分析報告通知とを示す。通知は、イベントごとに、若しくは予め決められた時間ごと、又はコンシューマからの要求に基づいて行うことができる。イベントごとに通知が行われない限り、1つの通知メッセージには複数のイベントが含まれる場合がある。以下のステップが実行される。
【0062】
ステップ1:誤動作しているUEに関する情報を報告/通知するため、AMF12は、誤動作UE情報報告又は通知プロシージャ若しくはその他のプロシージャを実行するか、又はNamf_EventExposure_Notifyメッセージ若しくはその他のメッセージをNWDAF11に送信する。このメッセージには、イベントID(複数可)、イベントフィルタ(複数可)、通知相関ID、イベント報告及びMM NASメッセージが含まれる。
【0063】
イベント報告には、誤動作しているUE(複数可)(SUPIなど)、装置ID(複数可)(PEI又はIMEI SV)及びUEロケーション(セルIDなど)のリストが含まれる。
【0064】
ステップ2:NWDAF11は、誤動作UE情報に関するデータ分析を実行し、以下を判定する。1)UEが単一の誤動作しているUEか、又は誤動作しているUEのグループが存在しているか否か。2)誤動作しているUEの装置パターンが存在しているか否か。3)誤動作しているUEのサブスクリプションパターンが存在しているか否か。4)誤動作しているUEのロケーション分布パターンが存在しているか否か。5)誤動作しているUEがどのような結果をもたらす可能性があるか。
【0065】
ステップ3:データ分析から得られた結果に基づいて、NWDAF11は、関連サービスコンシューマ(複数可)、分析結果(複数可)及び/又は推奨(recommendation)(複数可)を通知する。
【0066】
誤動作UE分析情報を報告/通知するため、NWDAF11は、誤動作UE分析報告若しくは通知プロシージャ又はその他のプロシージャを実行するか、又はNnwdaf_AnalyticsInfo_Notifyメッセージ若しくはその他のメッセージをUDMに送信する。このメッセージには、通知相関情報、分析報告、及び任意でMM NASメッセージが含まれる。
【0067】
通知相関情報は通知ターゲットアドレス(+通知相関ID)であり、NWDAF11から受信した通知をサービスコンシューマのサブスクリプションと相関させることができる[3]。通知相関情報は、前記メッセージにおいて任意のパラメータである分析ID(複数可)及び分析フィルタ(複数可)の代わりに使用することができる。
【0068】
分析報告には、誤動作しているUE(複数可)(SUPIなど)、モバイル装置ID(複数可)(PEIなど)、及びUEロケーション(セルIDなど)のリスト、誤動作しているUEのパターン(複数可)、検出されたリスクとその規模(スケール)、及び推奨が含まれる。
【0069】
誤動作しているUEのパターンは、モバイル装置パターン、UEサブスクリプションパターン、又はロケーション分布パターンであり得る。
【0070】
検出されたリスクとその規模は、1つのUE、デバイス端末のタイプとベンダーが同一のUE(複数可)のタイプ、又は大規模DDoS攻撃であり得る。
【0071】
推奨とは、措置を講じる必要のあるサービスコンシューマに対してNWDAF11が推奨する措置である。例えば、検出されたリスクの規模に応じて、NWDAF11は、特定の推奨を行うことができる。検出されたリスクが、1つのUEが関わっている孤立した異常イベントの場合、NWDAF11は、誤動作しているUEを排除してネットワークにアクセスするよう推奨する可能性がある。検出されたリスクが、デバイス端末のタイプとベンダーが同一の誤動作しているUE(複数可)のタイプの場合、NWDAF11は、識別されたタイプのデバイス端末から誤動作しているUE(複数可)を排除するよう推奨する可能性がある。検出されたリスクが大規模DDoS攻撃の場合、NWDAF11は、ロケーション分布パターンに従って、識別されたセル内の全UE(複数可)を排除するよう推奨する可能性がある。
【0072】
コンシューマによる、NWDAF11からの分析報告の利用方法を示す使用事例はいくつか存在する。
【0073】
使用事例1:誤動作しているUEに対するUDMアクション
UDMは、NWDAF11から受信するNnwdaf_AnalyticsInfo_Notifyメッセージに基づいて以下の措置を講じることができる。
・UDMは、3GPP TS 23.015で定めるように、ODB(Operator Determined Barring:オペレータ決定排除)に基づいてサービス停止を開始する[5]。このプロシージャ又はメッセージには、誤動作しているUEのリストを伴う新しい指示「誤動作しているUE」が含まれる。あるいは、
・UDMは、誤動作の警告を行うため、SMSメッセージをUEに送信する。ユーザがSMSを読むと、ユーザは、適切な措置を講じて誤動作を修正することができる。例:MTを他の製品に変更。あるいは、
・UDMは、サブスクライバデータを削除してサービスを終了する。
【0074】
使用事例2:誤動作しているUEに対するOAMアクション
OAMシステムは、NWDAF11から受信するNnwdaf_AnalyticsInfo_Notifyメッセージに基づいて以下の措置を講じることができる。
・OAMシステムは、PLMN固有オペレータ定義アクセスカテゴリ(PLMN-specific Operator-defined access category)を使用して統合アクセス制御(Unified Access Control)を開始する。OAMシステムが、5GSのトラブルの原因となる特定のOS Id又はOS Id+OS App Idを持つUEを識別した場合、OAMシステムはUE のネットワークのAMFに対して、3GPP TS 24.501で定義するオペレータ定義アクセスカテゴリを使用して、特定のUEの統合アクセス制御を実行するよう指示する[6]。
【0075】
使用事例3:誤動作しているUEに対するEIRアクション
EIRは、NWDAFから受信するNnwdaf_AnalyticsInfo_Notifyメッセージに基づいて以下の措置を講じることができる。
・EIRは、UEの誤動作を分析し、さらに、OTA(Over the Air:無線)システムを使用して新しいソフトウェアバージョンを発行し、新しいソフトウェアをすべての誤動作しているUEに配布する場合がある。
・EIRは、自らのブラックリストを更新し、更新された装置ブラックリストをAMF12に知らせることができる。
【0076】
使用事例4:誤動作しているUEに対するPCF/AFアクション
PCF/AFは、NWDAF11から受信するNnwdaf_AnalyticsInfo_Notifyメッセージに基づいて以下の措置を講じることができる。
・PCF/AFは、PLMN固有オペレータ定義アクセスカテゴリを使用して統合アクセス制御を開始する。PCF又はAFが、5GSのトラブルの原因となる特定のネットワークスライスS-NSSAIを持つUEを識別した場合、PCF又はAFはUEのネットワークのAMFに対して、3GPP TS 24.501で定義するオペレータ定義アクセスカテゴリを使用して、特定のUEの統合アクセス制御を実行するよう指示する[6]。
【0077】
ソリューション2 SM NAS関連エラーに基づく、誤動作しているUEの識別
【0078】
例示的な態様2:SMF13が、SM NAS関連誤動作UE情報に関するデータをNWDAF11に報告する。
本ソリューションの主要なアイデアは、誤動作しているUEを識別し、トラブルシューティングにおいて適切な措置を講じ、さらにはネットワークの自動化を改善するため、UDM、EIR、AF、OAM及びPCFを含むコンシューマが、NWDAFのサービスをサブスクライブするというものである。集められたSM NAS関連エラーに基づいて、NWDAF11はデータ分析を実行し、サブスクライブされたコンシューマの分析結果及び推奨を通知する。
【0079】
図5から図8は、SM NASと、NWDAF11が実行したデータ分析に関して、SMF13からのエラー関連データに基づいて誤動作しているUEを識別する代表的なプロシージャを示す。
【0080】
NWDAFのSM NAS関連エラー用データ分析をサブスクライブするサービスコンシューマと、SMFのSM NAS関連エラー用イベントエクスポージャサービスをサブスクライブするNWDAF11のプロシージャ
図5は、NWDAFのSM NAS関連エラー用データ分析をサブスクライブするサービスコンシューマと、SMFのSM NAS関連エラー用イベントエクスポージャサービスをサブスクライブするNWDAF11の代表的なプロシージャとを示す。以下のステップが実行される。
【0081】
ステップ1:誤動作しているUE(複数可)に関する分析情報を得るため、コンシューマは、分析情報サブスクリプションプロシージャ若しくはその他のプロシージャを実行するか、又はNWDAF11からの誤動作UE分析情報報告又は通知をサブスクライブするため、「Nnwdaf_AnalyticsInfo_Subscribe」メッセージ若しくはその他のメッセージをNWDAF11に送信する。
【0082】
コンシューマは、UDM、EIR、OAM、AF及びPCFであり得る。
【0083】
このメッセージには、分析ID、分析フィルタ情報、分析報告のターゲット、通知ターゲットアドレス(+通知相関ID)、分析ターゲット期間、アプリケーションID、DNN、NSSAI、ロケーション情報、アクセスタイプ、PEI、GPSI及びSUPIが含まれる。
【0084】
分析ID(複数可)は、要求された分析を識別する[3]。
【0085】
分析フィルタ情報は、分析情報を報告するために満たすべき条件を示し、さらに、どのタイプの分析情報が要求されるのか(例えば、NWDAFによって生成され、特定の分析IDに使用できるすべての分析のサブセット)を選択できるようにする[3]。
【0086】
分類に応じて、サブスクライブされた誤動作UE分析情報を識別する方法は2つある。例えば、1)分析IDは、「異常動作」であり得る、さらに、分析フィルタ情報は、「SM NAS関連エラーにおいて誤動作しているUE」であり得る。誤動作しているUEのある種の動作は、分析フィルタ情報と関連付けることができる。例えば、誤動作しているUEのある種の動作は、バックオフタイマを無視するUE、又はネットワークをスパムするUEであり得る。2)分析IDは、「SM NAS関連エラーにおいて誤動作しているUE」であり得る、さらに、分析フィルタ情報は、SM NAS関連エラーにおいて誤動作しているUEのある種の動作であり得る。
【0087】
分析報告のターゲットは、分析情報が要求されているオブジェクト(複数可)を示す。例えば、オブジェクト(複数可)は、特定のUE、UEのグループ又はいずれかのUE(すなわちすべてのUE)であり得る[3]。GPSI及びSUPIは、分析報告のターゲットにおいて使用できる。
【0088】
通知ターゲットアドレス(+通知相関ID)により、NWDAFから受信した通知を、サービスコンシューマのサブスクリプションと相関させることができる[3]。
【0089】
分析ターゲット期間は、開始時間から終了時間までの指定される時間インターバルである。
【0090】
コンシューマが特定のロケーションにおいて分析データを必要とする場合は、ロケーション情報を指定することができる。ロケーション情報は、地理的ロケーション又はネットワーク定義ロケーションであり得る。地理的ロケーションが使用される場合、ロケーション情報は、GPSロケータにより表すことができるか、又は、ロンドンやサウス・ライスリップなどのような人間が読めるアドレスであり得る。
【0091】
ネットワーク定義ロケーションが使用される場合、ロケーション情報は、PLMN、トラッキングエリアのリスト、又はサービスエリアであり得る。コンシューマが特定のアクセスタイプの分析データを必要とする場合は、アクセスタイプを指定することができる。アクセスタイプは、3GPPアクセス、非3GPPアクセス、gNBアクセス又はNRアクセスであり得る。
【0092】
コンシューマが特定の端末タイプについて分析データを必要とする場合は、PEIを指定することができる。例えば、コンシューマがEIRであり、且つ、EIRが特定の端末タイプとソフトウェアバージョンについてのみ分析データを必要とする場合、EIRは、PEIを使用して必要な分析データを指定することができる。
【0093】
コンシューマが特定のユーザアイデンティティ(複数可)について分析データを必要とする場合は、GPSIを指定することができる。GPSIは、アイデンティティ群の形を取ることができる。例えば、GPSIがMSISDNの形を取る場合、コンシューマは、MSISDNの国コード(Country code:CC)部のみがGPSIとして指定されていれば、特定の国のUEのみから分析データを集めることができる。
【0094】
コンシューマが特定のユーザについて分析データを必要としている場合は、SUPIを指定することができる。SUPIは、アイデンティティのレンジの形をとることができる。例えば、SUPIがIMSIの形を取る場合、コンシューマは、IMSIのモバイル国コード(Mobile Country Code:MCC)部とモバイルネットワークコード(Mobile Network Code:MNC)部のみがSUPIとして指定されていれば、特定のMNOのUEのみから分析データを集めることができる。
【0095】
ステップ2:SM NAS関連エラーに関して誤動作UE情報を集めるため、NWDAF11は、誤動作UE情報サブスクリプションプロシージャ若しくはその他のプロシージャを実行するか、又は関連SMF(複数可)からの誤動作UE関連データをサブスクライブするために、「Nsmf_EventExposure_Subscribe」メッセージ若しくはその他のメッセージを関連SMF(複数可)に送信する。関連SMF(複数可)は、PLMN内のすべてのサービングSMF13であり得る。ステップ2がステップ1の前に実行された場合、ステップ2が実行されない可能性がある。
【0096】
このメッセージには、イベントID(複数可)、イベントフィルタ(複数可)、イベント報告のターゲット、通知ターゲットアドレス(+通知相関ID)、イベントターゲット期間、イベント報告モード、アプリケーションID、DNN、NSSAI、ロケーション情報、アクセスタイプ、PEI、GPSI及びSUPIが含まれる。
【0097】
イベントIDは、(例えば、PDUセッションリリース)にサブスクライブされているイベントのタイプを識別する[2]。このメッセージでは、イベントIDは、SM NAS関連エラーにおけるUEの異常動作に関するイベントのタイプを識別する。
【0098】
イベントフィルタは、サブスクライブされたイベントIDを通知するために満たすべき条件を示し、さらに、イベント関連パラメータ(複数可)と、パラメータに一致する値(複数可)を含む。イベントフィルタは、イベントIDにより異なる[2]。
【0099】
イベント報告のターゲットは、特定のUE若しくはPDUセッション、UE(複数可)のグループ又はいずれかのUE(すなわちすべてのUE)であり得る[2]。GPSI及びSUPIは、イベント報告のターゲットにおいて使用できる。
【0100】
分析IDの場合、NWDAF11は、対応するNFタイプ(複数可)及び/又はイベントID(複数可)で設定される[3]。
【0101】
ステップ1からのサブスクリプション要求に基づき、NWDAF11は、受信した分析ID及び分析フィルタ情報を、対応するイベントID(複数可)及び/又はイベントフィルタ(複数可)にマッピングする。分析報告のターゲットも、イベント報告のターゲットにマッピングされる。
【0102】
例えば、分析IDが「異常動作」であり、かつ分析フィルタ情報が「SM NAS関連エラーにおいて誤動作しているUE」である場合、NWDAF11は、SM NAS関連エラーにおけるUEの異常動作に関連するイベントIDのリストにこれらをマッピングする。例えば、イベントIDは、「SMF13により指定されるバックオフタイマを無視するUE」又は「SMF13により要求されるイベント報告を無視するUE」であり得る。複数のイベントフィルタを各イベントIDに関連付けることができる。例えば、「SMF13により指定されたバックオフタイマを無視するUE」というイベントIDについては、関連付けられたイベントフィルタは、初期登録時、周期的な登録更新時のいずれかにおいてSMF13により指定された特定のバックオフタイマをUEが無視したというイベントであり得る。
【0103】
イベント報告のターゲットは、分析報告のターゲットと同じであり得る。
【0104】
通知ターゲットアドレス(+通知相関ID)により、イベントプロバイダから受信した通知をサービスコンシューマのサブスクリプションと相関させることができる[2]。
【0105】
分析ターゲット期間は、開始時間から終了時間までの指定される時間インターバルである。
【0106】
イベント報告モードは、イベント報告を行うモードである。例えば、イベント報告モードは、最大数の報告[2]、又は定期報告[2]、又は最大継続時間までの報告[2]をイベントごとに行うことができる。
【0107】
以下のリストは、すべてのイベントを網羅するものではないが、UEの異常動作について考えられるイベントIDを示す。
・UE3からのSM NASメッセージが、SMF13により拒絶されている。
・UE3が、短時間で多過ぎるSM NASメッセージを送信する。
・UE3が、SMF13により指定されたバックオフタイマを無視する。
・UE3が、SMF13により指定されたRAT制限を無視する。
・UE3が、SMF13により指定された禁止エリアを無視する。
・UE3が、SMF13により指定されたサービスエリア制限を無視する。
・UE3が、SMF13により指定されたコアネットワークタイプ制限を無視する。
【0108】
図6及び図7はそれぞれ、SM NAS拒絶(SM NAS rejection)のSMF動作と、バックオフタイマに関連するUE誤動作を示す。
【0109】
SMF13におけるSM NAS拒絶のプロシージャ
図6は、SM NAS拒絶をSMF13が検出する際の代表的なSMFプロシージャを示す。以下のステップが実行される。
【0110】
ステップ1:UE3が、SM NASメッセージをSMF13に送信する。
【0111】
ステップ2:SMF13が、SM NAS拒絶メッセージをUE3に送信する。SMF13はイベントエクスポージャにサブスクライブされているため、SMF13は、要求されたすべての情報が使用できるか否かを確認する。
【0112】
ステップ3:これは、SMF13が実行できる任意のステップである。PEI情報がイベントエクスポージャのために報告で要求されている一方で、SMF13にはUE3のPEI情報がない場合、SMF13は、Namf_identity_requestメッセージをAMF12に送信してUE3のためのPEIを要求する。
【0113】
ステップ4:AMF12が、PEIを要求されたアイデンティティとして、アイデンティティ要求メッセージをUE3に送信する。
【0114】
ステップ5:UE3は、PEI情報と共にアイデンティティ応答メッセージをSMF13に送信する。
【0115】
ステップ6:AMFは、Namf_identity_responseメッセージをSMFに送信してUEのためのPEIを知らせる。
【0116】
ステップ7:SMF13は、NWDAF11に通知を行える状態である。図8に示す通知プロシージャが実行される。
【0117】
SMF13における、バックオフタイマを無視するUE3検出プロシージャ
図7は、バックオフタイマを無視するUE3をSMF13が検出する際の代表的なSMFプロシージャを示す。以下のステップが実行される。
【0118】
ステップ1:UE3が、SM NASメッセージをSMF13に送信する。
【0119】
ステップ2:SMF13が、指定されたバックオフタイマと共にSM NASメッセージをUE3に送信する。
【0120】
ステップ3:SMF13がバックオフタイマを起動する。
【0121】
ステップ4:UE3が、ステップ2で受信したメッセージと同じSM NASメッセージを送信する。この時点で、ステップ3でセットされたバックオフタイマはまだ作動しているため、UE3がステップ2で指定されたバックオフ時間に従っていないことをSMF13は検出する。SMF13は、UE3を誤動作しているUEと見なし、通知の対象となる。SMF13はイベントエクスポージャにサブスクライブされているため、SMF13は、要求されたすべての情報が使用できるか否かを確認する。
【0122】
ステップ5:これは、SMF13が実行できる任意のステップである。PEI情報がイベントエクスポージャのために報告で要求されている一方で、SMF13にはUE3のPEI情報がない場合、SMF13は、Namf_identity_requestメッセージをAMF12に送信してUE3のためのPEIを要求する。
【0123】
ステップ6:AMF12が、PEIを要求されたアイデンティティとして、アイデンティティ要求メッセージをUE3に送信する。
【0124】
ステップ7:UE3が、PEI情報と共にアイデンティティ応答メッセージをSMF13に送信する。
【0125】
ステップ8:AMF12は、Namf_identity_responseメッセージをSMF13に送信してUE3のためのPEIを知らせる。
【0126】
ステップ9:SMF13は、NWDAF11に通知を行える状態である。図8に示す通知プロシージャが実行される。
【0127】
SMF13からの通知プロシージャ
図8は、SMF13からの誤動作UEイベント通知プロシージャと、NWDAF11からの分析報告通知を示す。通知は、イベントごとに、若しくは予め決められた時間ごと、又はコンシューマからの要求に基づいて行うことができる。イベントごとに通知が行われない限り、1つの通知メッセージには複数のイベントが含まれる場合がある。以下のステップが実行される。
【0128】
ステップ1:誤動作しているUEに関する情報を報告/通知するため、SMF13は、誤動作UE情報報告若しくは通知プロシージャ又はその他のプロシージャを実行するか、又はNsmf_EventExposure_Notifyメッセージ若しくはその他のメッセージをNWDAF11に送信する。このメッセージには、イベントID(複数可)、イベントフィルタ(複数可)、通知相関ID、イベント報告及びSM NASメッセージが含まれる。
【0129】
イベント報告には、誤動作しているUE(複数可)(SUPIなど)、装置ID(複数可)(PEI又はIMEI SVなど)及びUEロケーション(セルIDなど)のリストが含まれる。
【0130】
ステップ2:NWDAF11は、誤動作UE情報に関するデータ分析を実行し、以下を判定する。1)UEが単一の誤動作しているUEか、又は誤動作しているUEのグループが存在しているか否か。2)誤動作しているUEの装置パターンが存在しているか否か。3)誤動作しているUEのサブスクリプションパターンが存在しているか否か。4)誤動作しているUEのロケーション分布パターンが存在しているか否か。5)誤動作しているUEがどのような結果をもたらす可能性があるか。
【0131】
ステップ3:データ分析から得られた結果に基づいて、NWDAF11は、関連サービスコンシューマ(複数可)、分析結果(複数可)及び/又は推奨を通知する。
【0132】
誤動作UE分析情報を報告/通知するため、NWDAF11は、誤動作UE分析報告若しくは通知プロシージャ又はその他のプロシージャを実行するか、又はNnwdaf_AnalyticsInfo_Notifyメッセージ若しくはその他のメッセージをUDMに送信する。このメッセージには、通知相関情報、分析報告、及び任意でSM NASメッセージが含まれる。
【0133】
分析報告には、誤動作しているUE(複数可)(SUPIなど)、モバイル装置ID(複数可)(PEIなど)、及びUEロケーション(セルIDなど)のリスト、誤動作しているUEのパターン(複数可)、検出されたリスクとその規模、及び推奨が含まれる。
【0134】
誤動作しているUEのパターンは、モバイル装置パターン、UEサブスクリプションパターン、又はロケーション分布パターンであり得る。
【0135】
検出されたリスクとその規模は、1つのUE、デバイス端末のタイプとベンダーが同一のUE(複数可)のタイプ、又は大規模DDoS攻撃であり得る。
【0136】
推奨とは、措置を講じる必要のあるサービスコンシューマに対してNWDAF11が推奨する措置である。例えば、検出されたリスクの規模に応じて、NWDAF11は、特定の推奨を行うことができる。検出されたリスクが、1つのUEが関わっている孤立した異常イベントの場合、NWDAF11は、誤動作しているUEを排除してネットワークにアクセスするよう推奨する可能性がある。検出されたリスクが、デバイス端末のタイプとベンダーが同一の誤動作しているUE(複数可)のタイプの場合、NWDAF11は、識別されたタイプのデバイス端末から誤動作しているUE(複数可)を排除するよう推奨する可能性がある。検出されたリスクが大規模DDoS攻撃の場合、NWDAF11は、ロケーション分布パターンに従って、識別されたセル内の全UE(複数可)を排除するよう推奨する可能性がある。
【0137】
コンシューマによる、NWDAF11からの分析報告の利用方法を示す使用事例はいくつか存在する。
【0138】
使用事例1:誤動作しているUEに対するUDMアクション
UDMは、NWDAF11から受信するNnwdaf_AnalyticsInfo_Notifyメッセージに基づいて以下の措置を講じることができる。
・UDMは、3GPP TS 23.015で定めるように、ODB(Operator Determined Barring:オペレータ決定排除)に基づいてサービス停止を開始する[5]。このプロシージャ又はメッセージには、誤動作しているUEのリストを伴う新しい指示「誤動作しているUE」が含まれる。あるいは、
・UDMは、誤動作の警告を行うため、SMSメッセージをUE3に送信する。ユーザがSMSを読むと、ユーザは、適切な措置を講じて誤動作を修正することができる。例:MTを他の製品に変更。あるいは、
・UDMは、サブスクライバデータを削除してサービスを終了する。
【0139】
使用事例2:誤動作しているUEに対するOAMアクション
OAMシステムは、NWDAF11から受信するNnwdaf_AnalyticsInfo_Notifyメッセージに基づいて以下の措置を講じることができる。
・OAMシステムは、PLMN固有オペレータ定義アクセスカテゴリを使用して統合アクセス制御を開始する。OAMシステムが、5GSのトラブルの原因となる特定のOS Id又はOS Id+OS App Idを持つUEを識別した場合、OAMシステムはUE のネットワークのSMFに対して、3GPP TS 24.501で定義するオペレータ定義アクセスカテゴリを使用して、特定のUEの統合アクセス制御を実行するよう指示する[6]。
【0140】
使用事例3:誤動作しているUEに対するEIRアクション
EIRは、NWDAF11から受信するNnwdaf_AnalyticsInfo_Notifyメッセージに基づいて以下の措置を講じることができる。
・EIRは、UEの誤動作を分析し、さらに、OTA(Over the Air:無線)システムを使用して新しいソフトウェアバージョンを発行し、新しいソフトウェアをすべての誤動作しているUEに配布する場合がある。
・EIRは、自らのブラックリストを更新し、更新された装置ブラックリストをAMF12に知らせることができる。
【0141】
使用事例4:誤動作しているUEに対するPCF/AFアクション
PCF/AFは、NWDAF11から受信するNnwdaf_AnalyticsInfo_Notifyメッセージに基づいて以下の措置を講じることができる。
・PCF/AFは、PLMN固有オペレータ定義アクセスカテゴリを使用して統合アクセス制御を開始する。PCF又はAFが、5GSのトラブルの原因となる特定のネットワークスライスS-NSSAIを持つUEを識別した場合、PCF又はAFはUEのネットワークのSMFに対して、3GPP TS 24.501で定義するオペレータ定義アクセスカテゴリを使用して、特定のUEの統合アクセス制御を実行するよう指示する[6]。
【0142】
概要
有益なことに、前記の例示的な態様は、以下のいずれか1つ又は複数の機能を含むが、これらに限定されるものではない。
1)UE ID(例えばSUCI)及びセルIDと共に、新しいパラメータであるモバイル装置ID IMEI SV及びPEI、拒絶の原因及び無視されたバックオフタイマを、データ分析において入力データとして使用して、UEの異常動作の分析が行われている。このように、NWDAFはデータ分析を行い、さらに、誤動作しているUEの端末モデル(複数可)及びUEベンダー(複数可)から誤動作しているUEのグループを識別することができる。
2)誤動作しているUEについて集められた情報に基づき、NWDAFはデータ分析を行い、以下を判定することができる。1)UEが単一の誤動作しているUEか、又は誤動作しているUEのグループが存在しているか否か。2)誤動作しているUEの装置パターンが存在しているか否か。3)誤動作しているUEのサブスクリプションパターンが存在しているか否か。4)誤動作しているUEのロケーション分布パターンが存在しているか否か。5)誤動作しているUEがどのような結果をもたらす可能性があるか。
3)現在、UDMはNWDAFのサービスのコンシューマではない。本文書において、UDMは、NWDAFのサービスをサブスクライブし、誤動作しているUEのサブスクリプションデータを変更することができる。UDMは、ODB(Operator Determined Barring)に基づいてサービス停止を開始することができる。このプロシージャ又はメッセージには、誤動作しているUEのリストを伴う新しい指示「誤動作しているUE」が含まれる。UDMは、誤動作の警告を行うため、SMSメッセージをUEに送信することができる。ユーザがSMSを読むと、ユーザは、適切な措置を講じて誤動作を修正することができる。UDMは、サブスクライバデータを削除してサービスを終了することができる。このように、ネットワークは、効率的に反応して誤動作しているUE(複数可)に対応することができる。
4)現在、EIRと他の5G NFとの間の唯一のやり取りは、AMFが、N5g-eir_EquipmentIdentityCheck_Getサービスを起動することによりMEアイデンティティチェックを開始して、PEIがブラックリストに入っているか否かを確認することである。本文書において、EIRは、NWDAFのサービスをサブスクライブし、UEの誤動作を分析し、さらに、OTA(Over the Air:無線)システムを使用して新しいソフトウェアバージョンを発行し、新しいソフトウェアをすべての誤動作しているUEに配布することができる。さらに、EIRは、NWDAFのサービスをサブスクライブして、自らのブラックリストを更新し、更新された装置ブラックリストをAMFに知らせることができる。このように、ネットワークは、効率的に反応して誤動作しているUE(複数可)に対応することができる。
5)NWDAFのサービスを使用することにより、OAMシステムは、PLMN固有オペレータ定義アクセスカテゴリを使用して統合アクセス制御を開始する。OAMシステムが、5GSのトラブルの原因となる特定のOS Id又はOS Id+OS App Idを持つUEを識別した場合、OAMシステムはUEのネットワークのAMFに対して、3GPP TS 24.501で定義するオペレータ定義アクセスカテゴリを使用して、特定のUEの統合アクセス制御を実行するよう指示する[6]。このように、ネットワークは、効率的に反応して誤動作しているUE(複数可)に対応することができる。
【0143】
これらの機能を提供するため、前記の例示的な態様は、以下の(少なくとも一部の)ステップから成る代表的な方法を述べる。
1)UDM/EIR/AF/OAM/PCFは、NWDAFのサービスをサブスクライブして、誤動作しているUE(複数可)を識別する。
2)これらのサブスクリプションに基づき、NWDAFは、AMF/SMFから誤動作UE関連データエクスポージャサービスをサブスクライブする。
3)AMF/SMFは、誤動作しているUE(複数可)を検出し、誤動作UE関連情報をNWDAFに報告する。
4)NWDAFは、誤動作しているUEに関連するデータを分析し、さらに分析結果及び推奨をUDM/EIR/AF/OAM/PCFに通知する。
【0144】
利点
5GSに基づいて、誤動作しているUEを検出する新しい方法が提案されている。これらのソリューションを使用することにより、ネットワークは正確かつ効率的に反応して誤動作しているUE(複数可)に対応することができる。
【0145】
システム概要
図9は、上記の例示的な態様が適用可能な、モバイル(セルラ又は無線)通信システム1を概略的に示す。
【0146】
このネットワークでは、モバイル装置3(UE)のユーザが適切な3GPP無線アクセス技術(RAT)、例えば、E‐UTRA及び/又は5G RATを使用して、各基地局5及びコアネットワーク7を介して、互いに及び他のユーザと通信することができる。多くの基地局5が(無線)アクセスネットワーク又は(R)ANを形成することが理解される。当業者が理解するように、1台のモバイル装置3及び1台の基地局5(RAN)が例示の目的で図9に示されるが、システムは、実装される際に、典型的には他の基地局及びモバイル装置(UE)を含む。
【0147】
各基地局5は、1つ又は複数の関連付けられたセルを(直接的に、又、はホーム基地局、中継器、リモート無線ヘッド、及び/又は分散ユニットなどの他のノードを介して)制御する。E‐UTRA/4Gプロトコルをサポートする基地局5は「eNB」と呼ばれてもよく、Next Generation(次世代)/5Gプロトコルをサポートする基地局5は「gNB」と呼ばれてもよい。いくつかの基地局5は、4G及び5Gの双方、及び/又は他の任意の3GPP又は非3GPPの通信プロトコルをサポートするように構成されてもよいことが理解される。
モバイル装置3とそのサービング基地局5とは、適切なエアインタフェース(例えば、いわゆる「Uu」インタフェースなど)を介して接続される。隣接する基地局5は(いわゆる「X2」インタフェース、及び/又は「Xn」インタフェースなど)基地局インタフェースに対する適切な基地局を介して互いに接続される。基地局5は、適切なインタフェース(いわゆる「S1」、「N2」、及び/又は「N3」インタフェースなど)を介して、コアネットワークノードにも接続される。非アクセス層(Non-Access-Stratum、NAS)インタフェース(例えば、いわゆる「N1」インタフェース等)は、基地局5を介してモバイル装置3とコアネットワークノードとの間に備えられる。
【0148】
コアネットワーク7は、典型的には通信システム1における通信をサポートするための論理ノード(又は「機能」)を含む。典型的には、例えば、「Next Generation」/5Gシステムのコアネットワーク7は、他の機能に加えて、制御プレーン機能(CPF)及びユーザプレーン機能(UPF)を含む。コアネットワーク7は、とりわけ、ネットワークデータ分析機能(NWDAF)11、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)12、及びセッション管理機能(SMF)13を含むこともできることが理解される。コアネットワーク7から(インターネットなどの)外部IPネットワーク/データネットワーク20への接続も提供される。
【0149】
このシステム1の構成要素は、上記の例示的な態様のうちの1つまたは複数を実行するように構成される。
【0150】
ユーザ装置(UE:User equipment)
図10は、図9に示すUE(モバイル装置3)の主要な構成要素を示すブロック図である。図示したように、UEは、1つ以上のアンテナ33を介して、接続されたノード(複数可)に信号を送信し、当該ノードから信号を受信するように動作可能なトランシーバ回路31を含む。図10には必ずしも示されていないが、UEは、当然ながら、(ユーザインタフェース35などの)従来のモバイル装置の通常の機能のすべてを有することになり、これは、必要に応じて、ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアのうちの任意の1つ又は任意の組み合わせによって提供されてもよい。コントローラ37は、メモリ39に記憶されたソフトウェアに従って、UEの動作を制御する。ソフトウェアは、例えば、メモリ39に予めインストールされていてもよく、及び/又は通信ネットワーク1を介して、若しくは取り外し可能なデータ記憶装置(RMD:removable data storage device)からダウンロードされてもよい。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム41と通信制御モジュール43とを含む。通信制御モジュール43は、UE3と、(R)ANノード5、及びコアネットワークノードを含む他のノードとの間の、シグナリングメッセージ及びアップリンク/ダウンリンクデータパケットに処理する(生成する/送信する/受信する)ことを担う。このようなシグナリングは、データ分析(例えば、誤動作しているUEの検出)に関する適切にフォーマットされた要求および応答を含む。
【0151】
(R)ANノード
図11は、図9に示す例示的な(R)ANノード5(基地局)の主要な構成要素を示すブロック図である。図示したように、(R)ANノード5は、1つ以上のアンテナ53を介して、接続されたUE3(複数可)に信号を送信し、当該UE3から信号を受信し、ネットワークインタフェース55を介して(直接的あるいは間接的に)他のネットワークノードに信号を送信し、当該ノードから信号を受信するように動作可能なトランシーバ回路51を含む。ネットワークインタフェース55は、典型的には、適切な基地局-基地局インタフェース(X2/Xnなど)と、適切な基地局-コアネットワークインタフェース(S1/N2/N3など)とを含む。コントローラ57は、メモリ59内に格納されたソフトウェアに従って(R)ANノード5の動作を制御する。ソフトウェアは、例えば、メモリ59に予めインストールされていてもよく、及び/又は通信ネットワーク1を介して、若しくは取り外し可能なデータ記憶装置(RMD:removable data storage device)からダウンロードされてもよい。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム61と通信制御モジュール63とを含む。通信制御モジュール63は、(R)ANノード5と、UE 3及びコアネットワークノードなどの他のノードとの間のシグナリングを処理(生成/送信/受信)する役割を担う。このようなシグナリングは、データ分析(例えば、誤動作しているUEの検出)に関する適切にフォーマットされた要求および応答を含む。
【0152】
コアネットワークノード
図12は、図9に示す、一般的なコアネットワークノード(又は機能)、例えば、NWDAF11、AMF12、及びSMF13の主要な構成要素を示すブロック図である。図示したように、コアネットワークノードは、ネットワークインタフェース75を介して他のノード(UE3及び(R)ANノード5を含む)に信号を送信し、当該他のノードから信号を受信するように動作可能なトランシーバ回路71を含む。コントローラ77は、メモリ79に記憶されたソフトウェアに従って、コアネットワークノードの動作を制御する。ソフトウェアは、例えば、メモリ79に予めインストールされていてもよく、及び/又は通信ネットワーク1を介して、若しくは取り外し可能なデータ記憶装置(RMD:removable data storage device)からダウンロードされてもよい。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム81と、少なくとも通信制御モジュール83とを含む。通信制御モジュール83は、コアネットワークノードと、UE3、(R)ANノード5、及び他のコアネットワークノードなどの他のノードとの間のシグナリングを処理する(生成する/送信する/受信する)役割を果たす。このようなシグナリングは、データ分析(例えば、誤動作しているUEの検出)に関する適切にフォーマットされた要求および応答を含む。
【0153】
変形例及び代替例
以上、詳細な例示的な態様について説明してきた。当業者が理解しうるように、上記の例示的な態様に対して、多数の変形及び代替を行うことができ、そこで実施される本開示の利点を得ることができる。ここでは、例示のために、これらの代替例及び変形例のうちのいくつかのみを説明する。
【0154】
上記の説明ではUE、(R)ANノード、コアネットワークノードはいくつかの個別モジュール(通信制御モジュールなど)を有するものとして理解しやすくするために説明されている。これらのモジュールは、例えば、既存のシステムが上記例示的な態様を実装するように変形された特定の用途のために、又は、例えば、最初から本発明の特徴を念頭に置いて設計されたシステムにおける他の用途のためにこのように提供されてもよい。一方で、これらのモジュールは、オペレーティングシステム又はコードの全体に組み込まれてもよく、従って、これらのモジュールは、別個のエンティティとして識別できなくてもよい。これらのモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせで実装されてもよい。
【0155】
各コントローラは、例えば、1つ以上のハードウェアで実装されたコンピュータプロセッサと、マイクロプロセッサと、CPU(central processing unit:中央処理装置)と、ALU(arithmetic logic unit:算術論理ユニット)と、IO(input/output:入出力)回路と、内部メモリ/キャッシュ(プログラム及び/若しくはデータ)と、プロセッシングレジスタと、通信バス(例えば、コントロール、データ、及び/若しくはアドレスバス)と、DMA(direct memory access:ダイレクトメモリアクセス)機能と、ハードウェア若しくはソフトウェアで実装されたカウンタ、ポインタ、及び/若しくはタイマなどを含む(但しそれらに限定はされない)任意の適当な形式の処理回路を備えてもよい。
【0156】
上記の例示的な態様で、多くのソフトウェアモジュールを説明した。当業者は理解することになるように、ソフトウェアモジュールは、コンパイルされた形態又はコンパイルされていない形態で提供されてもよく、コンピュータネットワーク上の信号として、又は記録媒体上で、UE、(R)ANノード、及びコアネットワークノードに供給されてもよい。更に、このソフトウェアの一部又は全部によって実行される機能は、1つ又は複数の専用ハードウェア回路を使用して実行してもよい。但し、ソフトウェアモジュールの使用はUE、(R)ANノード、及びコアネットワークノードの更新を容易にし、それらの機能を更新するために好ましい。
【0157】
上記の例示的な態様は、また、「非モバイル」若しくは概して固定式のユーザ機器にも適用できる。
【0158】
様々な他の変形が当業者には明らかであり、ここでは、それ以上詳細には説明しない。
【0159】
本明細書に記載の参考文献一覧
[1]3GPP TS 23.501 V16.2.0
[2]3GPP TS 23.502 V16.2.0
[3]3GPP TS 23.288 V16.1.0
[4]3GPP TR 23.700-91 V0.2.0
[5]3GPP TS 23.015 V15.1.0
[6]3GPP TS 24.501 V16.2.0
【0160】
この出願は2019年12月23日に出願された欧州特許出願第19219407.4号に基づくものであり、その優先権の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【符号の説明】
【0161】
1 モバイル(セルラまたは無線)通信システム
3 モバイル装置(UE)
5 基地局
7 コアネットワーク
11 ネットワークデータ分析機能(NWDAF)
12 アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)
13 セッション管理機能(SMF)
20 外部IPネットワーク
31 トランシーバ回路
33 アンテナ
35 ネットワークインタフェース
37 コントローラ
39 メモリ
41 オペレーティングシステム
43 通信制御モジュール
51 トランシーバ回路
53 アンテナ
55 ネットワークインタフェース
57 コントローラ
59 メモリ
61 オペレーティングシステム
63 通信制御モジュール
71 トランシーバ回路
75 ネットワークインタフェース
77 コントローラ
79 メモリ
81 オペレーティングシステム
83 通信制御モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12