(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】移動体管理装置、セキュリティシステム、移動体管理方法、および移動体管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/225 20240101AFI20240305BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20240305BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G05D1/225
G05D1/43
G08B25/04 F
(21)【出願番号】P 2023117000
(22)【出願日】2023-07-18
【審査請求日】2023-07-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 知久
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-100903(JP,A)
【文献】特開2021-117566(JP,A)
【文献】特開2018-185727(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0187838(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/225
G05D 1/43
G08B 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理する区域管理部と、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断する判断部と、
前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、
前記自律移動体が前記施設を移動する経路を前記自律移動体の移動の開始前に計画し、前記複数の区域の各々について、計画した経路を移動する前記自律移動体の通行予定時刻を算出する経路計画部と、
を備え
、
前記禁止仕様情報は、仕様についての時間に依る禁止の情報を含み、
前記判断部は、前記経路計画部が算出した前記通行予定時刻に応じて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断し、
前記経路計画部は、前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体の経路を計画し、
前記経路探索部は、前記自律移動体の移動の開始後かつ終了前に、前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する、
移動体管理装置。
【請求項2】
前記自律移動体は、定期的または不定期的に反復して前記施設を移動し、
前記経路計画部は、前回の前記自律移動体の移動で前記自律移動体が通行しなかった区域として記憶された区域を、今回の前記自律移動体の移動の際に優先して通行するように経路を計画する、
請求項1に記載の移動体管理装置。
【請求項3】
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理する区域管理部と、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断する判断部と、
前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、
を備え
、
前記禁止仕様情報は、
音声もしくは映像の記録の機能を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報、
寸法もしくは重量によって自律移動体の進入を禁止する情報、または
自律移動体の外観によって当該自律移動体の進入を禁止する情報
の少なくともいずれかを含む、
移動体管理装置。
【請求項4】
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理する区域管理部と、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断する判断部と、
前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、
を備え
、
前記禁止仕様情報は、前記複数の区域の少なくともいずれかの環境に影響を及ぼす環境影響情報を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報を含み、
前記環境影響情報を仕様として有する自律移動体は、
稼働に伴って臭気を発するような自律移動体、または
光もしくは音の少なくとも一方を発する機能を有するような自律移動体
の少なくともいずれかを含む、
移動体管理装置。
【請求項5】
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の少なくともいずれかについて、前記自律移動体の入退を管理する入退管理装置と、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の移動体管理装置と、
を備え
る、
セキュリティシステム。
【請求項6】
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域のいずれかであるエレベーターの利用を管理するエレベーター管理装置と、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の移動体管理装置と、
を備え
る、
セキュリティシステム。
【請求項7】
コンピュータが、
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、
前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、
前記自律移動体が前記施設を移動する経路を前記自律移動体の移動の開始前に計画し、前記複数の区域の各々について、計画した経路を移動する前記自律移動体の通行予定時刻を算出することと、
を実行する、
移動体管理方法であり、
前記禁止仕様情報は、仕様についての時間に依る禁止の情報を含み、
前記通行予定時刻に応じて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否が判断され、
前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体の経路が計画され、
前記自律移動体の移動の開始後かつ終了前に、前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路が探索される、
移動体管理方法。
【請求項8】
前記自律移動体は、定期的または不定期的に反復して前記施設を移動し、
前回の前記自律移動体の移動で前記自律移動体が通行しなかった区域として記憶された区域を、今回の前記自律移動体の移動の際に優先して通行するように経路が計画される、
請求項7に記載の移動体管理方法。
【請求項9】
コンピュータが、
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、
前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、
を実行する、
移動体管理方法であり、
前記禁止仕様情報は、
音声もしくは映像の記録の機能を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報、
寸法もしくは重量によって自律移動体の進入を禁止する情報、または
自律移動体の外観によって当該自律移動体の進入を禁止する情報
の少なくともいずれかを含む、
移動体管理方法。
【請求項10】
コンピュータが、
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、
前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、
を実行する、
移動体管理方法であり、
前記禁止仕様情報は、前記複数の区域の少なくともいずれかの環境に影響を及ぼす環境影響情報を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報を含み、
前記環境影響情報を仕様として有する自律移動体は、
稼働に伴って臭気を発するような自律移動体、または
光もしくは音の少なくとも一方を発する機能を有するような自律移動体
の少なくともいずれかを含む、
移動体管理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、
前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、
前記自律移動体が前記施設を移動する経路を前記自律移動体の移動の開始前に計画し、前記複数の区域の各々について、計画した経路を移動する前記自律移動体の通行予定時刻を算出することと、
を実行させる、
移動体管理プログラムであり、
前記禁止仕様情報は、仕様についての時間に依る禁止の情報を含み、
前記通行予定時刻に応じて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を前記コンピュータに判断させ、
前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体の経路を前記コンピュータに計画させ、
前記自律移動体の移動の開始後かつ終了前に、前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を前記コンピュータに探索させる、
移動体管理プログラム。
【請求項12】
前記自律移動体は、定期的または不定期的に反復して前記施設を移動し、
前回の前記自律移動体の移動で前記自律移動体が通行しなかった区域として記憶された区域を、今回の前記自律移動体の移動の際に優先して通行するように経路を前記コンピュータに計画させる、
請求項11に記載の移動体管理プログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、
前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、
を実行させる、
移動体管理プログラムであり、
前記禁止仕様情報は、
音声もしくは映像の記録の機能を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報、
寸法もしくは重量によって自律移動体の進入を禁止する情報、または
自律移動体の外観によって当該自律移動体の進入を禁止する情報
の少なくともいずれかを含む、
移動体管理プログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、
前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、
を実行させる、
移動体管理プログラムであり、
前記禁止仕様情報は、前記複数の区域の少なくともいずれかの環境に影響を及ぼす環境影響情報を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報を含み、
前記環境影響情報を仕様として有する自律移動体は、
稼働に伴って臭気を発するような自律移動体、または
光もしくは音の少なくとも一方を発する機能を有するような自律移動体
の少なくともいずれかを含む、
移動体管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体管理装置、セキュリティシステム、移動体管理方法、および移動体管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、移動体制御システムの例を開示する。移動体制御システムは、施設のセキュリティを確保しながら、施錠された施設内のドアの解錠を行って自律移動体を通行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の移動体制御システムにおいて、自律移動体は、予め設定された静的なシナリオに含まれる経路に従って移動する。このため、施設内の区域の用途または進入権限などの運用の状況が動的に変化すると、自律移動体が所定のシナリオ通りに稼働できないことがある。このとき、自律移動体が施設において効率的に稼働できない可能性がある。
【0005】
本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、施設のセキュリティ性を保ちながら自律移動体をより効率的に稼働させられるように自律移動体の移動を管理する移動体管理装置、セキュリティシステム、移動体管理方法、および移動体管理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る移動体管理装置は、施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理する区域管理部と、前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断する判断部と、前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を前記自律移動体の移動の開始前に計画し、前記複数の区域の各々について、計画した経路を移動する前記自律移動体の通行予定時刻を算出する経路計画部と、を備え、前記禁止仕様情報は、仕様についての時間に依る禁止の情報を含み、前記判断部は、前記経路計画部が算出した前記通行予定時刻に応じて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断し、前記経路計画部は、前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体の経路を計画し、前記経路探索部は、前記自律移動体の移動の開始後かつ終了前に、前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する。
本開示に係る移動体管理装置は、施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理する区域管理部と、前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断する判断部と、前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、を備え、前記禁止仕様情報は、音声またはもしくは映像の記録の機能を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報、寸法もしくは重量によって自律移動体の進入を禁止する情報、または自律移動体の外観によって当該自律移動体の進入を禁止する情報の少なくともいずれかを含む。
本開示に係る移動体管理装置は、施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理する区域管理部と、前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断する判断部と、前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、を備え、前記禁止仕様情報は、前記複数の区域の少なくともいずれかの環境に影響を及ぼす環境影響情報を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報を含み、前記環境影響情報を仕様として有する自律移動体は、稼働に伴って臭気を発するような自律移動体、または光もしくは音の少なくとも一方を発する機能を有するような自律移動体の少なくともいずれかを含む。
【0007】
本開示に係るセキュリティシステムは、施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の少なくともいずれかについて、前記自律移動体の入退を管理する入退管理装置と、上記の移動体管理装置と、を備える。
本開示に係るセキュリティシステムは、施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域のいずれかであるエレベーターの利用を管理するエレベーター管理装置と、上記の移動体管理装置と、を備える。
【0008】
本開示に係る移動体管理方法は、コンピュータが、施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を前記自律移動体の移動の開始前に計画し、前記複数の区域の各々について、計画した経路を移動する前記自律移動体の通行予定時刻を算出することと、を実行する方法であり、前記禁止仕様情報は、仕様についての時間に依る禁止の情報を含み、前記通行予定時刻に応じて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否が判断され、前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体の経路が計画され、前記自律移動体の移動の開始後かつ終了前に、前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路が探索される。
本開示に係る移動体管理方法は、コンピュータが、施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、を実行する方法であり、前記禁止仕様情報は、音声もしくは映像の記録の機能を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報、寸法もしくは重量によって自律移動体の進入を禁止する情報、または自律移動体の外観によって当該自律移動体の進入を禁止する情報の少なくともいずれかを含む。
本開示に係る移動体管理方法は、コンピュータが、施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、を実行する方法であり、前記禁止仕様情報は、前記複数の区域の少なくともいずれかの環境に影響を及ぼす環境影響情報を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報を含み、前記環境影響情報を仕様として有する自律移動体は、稼働に伴って臭気を発するような自律移動体、または光もしくは音の少なくとも一方を発する機能を有するような自律移動体の少なくともいずれかを含む。
【0009】
本開示に係る移動体管理プログラムは、コンピュータに、施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を前記自律移動体の移動の開始前に計画し、前記複数の区域の各々について、計画した経路を移動する前記自律移動体の通行予定時刻を算出することと、を実行させるプログラムであり、前記禁止仕様情報は、仕様についての時間に依る禁止の情報を含み、前記通行予定時刻に応じて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を前記コンピュータに判断させ、前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体の経路を前記コンピュータに計画させ、前記自律移動体の移動の開始後かつ終了前に、前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を前記コンピュータに探索させる。
本開示に係る移動体管理プログラムは、コンピュータに、施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、を実行させるプログラムであり、前記禁止仕様情報は、音声もしくは映像の記録の機能を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報、寸法もしくは重量によって自律移動体の進入を禁止する情報、または自律移動体の外観によって当該自律移動体の進入を禁止する情報の少なくともいずれかを含む。
本開示に係る移動体管理プログラムは、コンピュータに、施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、を実行させるプログラムであり、前記禁止仕様情報は、前記複数の区域の少なくともいずれかの環境に影響を及ぼす環境影響情報を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報を含み、前記環境影響情報を仕様として有する自律移動体は、稼働に伴って臭気を発するような自律移動体、または光もしくは音の少なくとも一方を発する機能を有するような自律移動体の少なくともいずれかを含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る移動体管理装置、セキュリティシステム、移動体管理方法、または移動体管理プログラムによれば、施設のセキュリティ性を保ちながら自律移動体をより効率的に稼働させられるように自律移動体の移動を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係るセキュリティシステムの構成図である。
【
図2】実施の形態1に係るセキュリティシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【
図3A】実施の形態1に係る記憶部が記憶する区域情報の例を示す表である。
【
図3B】実施の形態1に係る記憶部が記憶する移動体情報の例を示す表である。
【
図3C】実施の形態1に係る記憶部が記憶する禁止仕様情報の例を示す表である。
【
図4A】実施の形態1に係るセキュリティシステムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図4B】実施の形態1に係るセキュリティシステムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態1に係るセキュリティシステムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態1に係る自律移動体の巡回の例を示す図である。
【
図7】実施の形態1に係るセキュリティシステムの主要部のハードウェア構成図である。
【
図8】実施の形態2に係る記憶部が記憶する禁止仕様情報の例を示す表である。
【
図9】実施の形態2に係るセキュリティシステムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図10】実施の形態3に係るセキュリティシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【
図11A】実施の形態3に係る記憶部が記憶する区域間距離情報の例を示す表である。
【
図11B】実施の形態3に係る記憶部が記憶するエレベーター利用情報の例を示す表である。
【
図11C】実施の形態3に係る記憶部が記憶する移動体情報の例を示す表である。
【
図11D】実施の形態3に係る記憶部が記憶する作業情報の例を示す表である。
【
図12A】実施の形態3に係るセキュリティシステムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図12B】実施の形態3に係るセキュリティシステムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態3に係るセキュリティシステムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態3に係る経路計画部による通行予定時刻の算出の例を示す表である。
【
図15A】実施の形態3に係る経路計画部による自律移動体の移動の経路の計画の例を示す図である。
【
図15B】実施の形態3に係る経路計画部による自律移動体の移動の経路の計画の例を示す図である。
【
図16】実施の形態4に係るセキュリティシステムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図17】実施の形態4に係る経路計画部による自律移動体の移動の経路の計画の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の対象を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。なお、本開示の対象は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、または実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るセキュリティシステム1の構成図である。
【0014】
セキュリティシステム1は、施設に適用される。セキュリティシステム1は、施設におけるセキュリティ性を高めるシステムである。施設は、例えば、屋内施設もしくは屋外施設、またはこれらを複合した施設などである。施設は、例えば、1つまたは複数の建物などからなる。施設は、例えば、建物などの一部であってもよい。
【0015】
施設において、1つまたは複数の自律移動体2が稼働する。各々の自律移動体2は、施設において自律的に移動する、ロボット、ドローン、またはその他の移動可能な機器である。自律移動体2は、例えば、移動体管理装置3による移動指示などに基づいて施設を移動して、例えば警備、清掃、搬送などのサービスの提供などを行う。この例において、自律移動体2は、定期的または不定期的に反復して施設を巡回するように移動することで、サービスの提供を行う。移動体管理装置3は、自律移動体2の施設における移動などの管理に係る情報処理などを行う装置である。移動体管理装置3は、例えば1つまたは複数のサーバコンピュータなどによって構成される。移動体管理装置3の一部または全部は、施設に設けられていてもよいし、施設外に設けられていてもよい。移動体管理装置3の一部または全部の機能は、クラウドサービス上の処理または記憶のリソースなどによって実装されていてもよい。
【0016】
施設は、複数の区域4を含む。各々の区域4は、施設において自律移動体2または人である施設の利用者などが通行しうる空間などである。施設の区域4は、例えば、利用者が会議などを行う打合せコーナーまたは会議室などを含む。施設の区域4は、例えば、事務所などを含む。施設の区域4は、例えば、自律移動体2のホームを含む。自律移動体2のホームは、稼働していない自律移動体2が施設において待機する場所などである。自律移動体2は、ホームを起点として施設内を移動し、サービス提供完了後にホームに戻る。自律移動体2のホームにおいて、例えば自律移動体2の充電器などが配置されていてもよい。施設の区域4は、例えば、エレベーターを含む。エレベーターである区域4は、例えば、利用者が乗車するかご内の空間、およびかごに乗車する利用者が待機する乗場などの空間を含む。この例において、打合せコーナー、会議室、および事務所の入り口に扉が設けられている。施設内の区域4は、扉が設けられていない打合せコーナーなどを含んでもよい。この例において、自律移動体2のホームの入り口に、扉は設けられていない。施設の区域4は、施設における1つの階床であってもよい。例えば、施設の区域4は、VIPフロアなどの単一の階床であってもよい。
【0017】
施設において、入退管理装置5が適用される。入退管理装置5は、施設における区域4への自律移動体2および利用者の入退を管理する装置である。入退管理装置5は、例えば1つまたは複数のサーバコンピュータなどによって構成される。入退管理装置5の一部または全部は、施設に設けられていてもよいし、施設外に設けられていてもよい。入退管理装置5の一部または全部の機能は、クラウドサービス上の処理または記憶のリソースなどによって実装されていてもよい。入退管理装置5は、例えば、区域4の入り口に設けられた扉の電気錠などの施解錠を制御する機能を搭載する。
【0018】
施設において、エレベーター管理装置6が適用される。エレベーター管理装置6は、施設に設けられたエレベーターの動作などの管理を行う装置である。エレベーター管理装置6は、例えば1つまたは複数のサーバコンピュータなどによって構成されていてもよい。エレベーター管理装置6は、例えば、エレベーターのかごの走行を制御する制御盤、エレベーターの複数のかごの運行を管理する群管理盤などを含んでもよい。エレベーター管理装置6の一部または全部は、施設に設けられていてもよいし、施設外に設けられていてもよい。エレベーター管理装置6の一部または全部の機能は、クラウドサービス上の処理または記憶のリソースなどによって実装されていてもよい。エレベーター管理装置6は、例えば、エレベーターの呼びの登録を受け付ける機能を搭載する。
【0019】
この例において、セキュリティシステム1は、移動体管理装置3、入退管理装置5、およびエレベーター管理装置6を含む。移動体管理装置3、入退管理装置5、およびエレベーター管理装置6などのセキュリティシステム1を構成する装置は、例えばインターネットまたは電話回線網などの通信ネットワークを通じて互いに通信可能に構成される。セキュリティシステム1は、例えば、入退管理装置5およびエレベーター管理装置6などが既に適用された施設に新たに適用されるものであってもよい。
【0020】
図2は、実施の形態1に係るセキュリティシステム1の構成を示す機能ブロック図である。
【0021】
移動体管理装置3は、記憶部7と、区域管理部8と、判断部9と、経路探索部10と、移動体制御部11と、を備える。
【0022】
記憶部7は、情報を記憶する機能を搭載する部分である。記憶部7は、単一のハードウェアによって構成されていてもよいし、複数のハードウェアによって構成されていてもよい。複数のハードウェアによって構成される記憶部7は、例えば、ハードウェアごとに異なる種類の情報を記憶していてもよい。記憶部7は、例えば、区域情報、移動体情報、および禁止仕様情報などを記憶する。区域情報は、例えば、各区域4の位置などの情報を含む。移動体情報は、例えば、自律移動体2の仕様などの情報を含む。禁止仕様情報は、例えば、各区域4について進入を禁止する自律移動体2の仕様を指定する情報などを含む。禁止仕様情報は、例えば、各区域4の利用状況などに応じて変化する。
【0023】
区域管理部8は、各区域4について紐づけられた禁止仕様情報を管理する機能を搭載する部分である。この例において、区域管理部8は、記憶部7が記憶する禁止仕様情報をリアルタイムに更新しながら管理する。区域管理部8は、例えば入退管理装置5またはエレベーター管理装置6などから取得する各区域4の利用状況の情報などに基づいて、禁止仕様情報を更新する。例えば会議室などの各区域4において「空き」または「利用中」などの当該区域4の利用状況を切り替える操作盤などが設けられている場合に、区域管理部8は、当該操作盤などからの情報に基づいて禁止仕様情報を更新してもよい。なお、各区域4の利用状況は、例えば遠隔操作などによって設定されてもよい。
【0024】
判断部9は、各区域4に紐づけられた禁止仕様情報および自律移動体2の仕様に基づいて、各区域4への自律移動体2の進入可否を判断する。判断部9は、例えば、ある区域4の禁止仕様情報として特定の仕様が指定されている場合に、自律移動体2が当該特定の仕様を搭載しているかを判定する。このとき、自律移動体2のいずれかの仕様が当該区域4の禁止仕様情報に含まれる仕様である場合に、判断部9は、当該自律移動体2の当該区域4への進入を不可と判断する。一方、自律移動体2が当該区域4の禁止仕様情報に含まれるいずれの仕様も搭載していない場合に、判断部9は、当該自律移動体2の当該区域4への進入を可と判断する。
【0025】
経路探索部10は、自律移動体2が施設を移動する経路を探索する機能を搭載する部分である。この例において、経路探索部10は、判断部9が判断する各区域4への進入可否に基づいて、自律移動体2の経路を探索する。経路探索部10は、例えば、自律移動体2の施設における移動中に、施設におけるその後の移動の経路を探索してもよい。この例において、経路探索部10は、予め設定された巡回区域リストを用いて経路の探索を行う。巡回区域リストは、自律移動体2が各回の巡回において移動する区域4のリストである。巡回区域リストは、例えば、記憶部7などに自律移動体2に対応づけて予め記憶される。この例の自律移動体2は、各回の巡回において、ホームである区域4から出発してホームである区域4に戻るように移動する。このため、巡回区域リストは、ホームである区域4を先頭および末尾に持つリストとして構成される。経路探索部10は、例えば、予め設定された巡回区域リストを、判断部9による各区域4の進入可否の判断の結果に基づいて編集することで、自律移動体2の移動の経路を探索する。
【0026】
移動体制御部11は、自律移動体2を施設において移動させる制御を行う機能を搭載する部分である。移動体制御部11は、例えば、経路探索部10が探索する経路に従って自律移動体2を制御する。移動体制御部11は、自律移動体2が巡回のための移動を開始する巡回開始時刻まで待機する。巡回開始時刻は、例えば予め設定された定期的または不定期的なタイミングの時刻である。巡回開始時刻になるときに、移動体制御部11は、経路探索部10が探索する経路に従って移動させる自律移動体2の制御を開始する。
【0027】
続いて、
図3を用いて、セキュリティシステム1において用いられる各種データの例を説明する。
図3Aは、実施の形態1に係る記憶部7が記憶する区域情報の例を示す表である。
図3Bは、実施の形態1に係る記憶部7が記憶する移動体情報の例を示す表である。
図3Cは、実施の形態1に係る記憶部7が記憶する禁止仕様情報の例を示す表である。
【0028】
図3Aに示されるように、区域情報は、各区域4を識別する固有の区域ID(ID:IDentifier)に対応づけられる。区域情報は、例えば、各区域4の名称の情報を含む。区域情報は、例えば、各区域4が設けられた階床の情報を含む。区域情報は、各区域4の属性の情報を含む。属性は、例えば、「扉」、「ホーム」、または「エレベーター」などである。属性が「扉」の区域4は、例えば、出入口に扉が設けられた区域4である。属性が「ホーム」である区域4は、例えば、自律移動体2のホームである区域4である。属性が「エレベーター」である区域4は、例えば、施設に設けられたエレベーターである。属性が「エレベーター」である区域4について、当該区域4は複数の階床にわたるため、当該区域4が設けられた階床の情報として「null」値が設定されていてもよい。区域情報は、各区域4についてのこれらの他の情報を含んでいてもよい。
【0029】
図3Bに示されるように、移動体情報は、各自律移動体2を識別する移動体IDに対応づけられる。移動体情報は、例えば、自律移動体2の属性の情報を含む。自律移動体2の属性は、例えば、当該自律移動体2が提供するサービスなどを表す情報を含む。自律移動体2の属性は、例えば、「警備ロボット」、「清掃ロボット」、または「搬送ロボット」などである。移動体情報は、例えば、各自律移動体2に搭載される機器などの仕様の情報を含む。自律移動体2の仕様は、例えば「カメラ」、「録音」、「大型」、または「騒音」などを含む。仕様「カメラ」は、撮影によって映像を記録するカメラなどが自律移動体2に搭載されていることを表す。仕様「録音」は、音声を記録するマイクなどが自律移動体2に搭載されていることを表す。仕様「大型」は、自律移動体2の寸法または重量が予め設定された範囲より大きいことを表す。仕様「騒音」は、自律移動体2が稼働時に予め設定された程度以上の騒音を発生させることを表す。仕様「騒音」は、例えば吸引によって清掃を行う清掃ロボットなどの仕様である。仕様「騒音」は、区域4の環境に影響を及ぼす環境影響情報の例である。自律移動体2の仕様の情報は、これらの他の仕様が設定されていてもよいし、種類または性能などにより細分化されたものであってもよい。例えば、仕様「カメラ」は、赤外線カメラまたは可視光カメラなどのカメラの種類によって細分化されていてもよいし、解像度などの性能によって細分化されていてもよい。なお、移動体情報は、自律移動体2の機種または型式を識別する機種IDに対応づけられていてもよい。
【0030】
図3Cに示されるように、禁止仕様情報は、各区域4を識別する区域IDに対応づけられる。禁止仕様情報は、各区域4において進入が禁止される自律移動体2の仕様を指定する。禁止仕様情報は、1つの区域4について複数の仕様を指定してもよい。なお、施設において、進入が禁止される仕様を指定しない区域4があってもよい。この例において、区域Cについて仕様「カメラ」および仕様「録音」が指定される。このとき、仕様「カメラ」または仕様「録音」の少なくとも一方を搭載する自律移動体2の区域Cへの進入が禁止される。この例において、例えば区域Cについて仕様「カメラ」が指定されている場合に、自律移動体2がカメラ機能を有効にする動作状態であるか否かに関わらず、当該自律移動体2が仕様としてカメラ機能を搭載しているものであれば、当該自律移動体2の区域Cへの進入が禁止される。他の仕様および区域4についても同様である。この例において、区域Aについて仕様「大型」および仕様「騒音」が指定される。このとき、仕様「大型」または仕様「騒音」の少なくとも一方を搭載する自律移動体2の区域Aへの進入が禁止される。この例において、区域Bについて仕様「カメラ」、仕様「録音」および仕様「騒音」が指定される。このとき、仕様「カメラ」、仕様「録音」、または仕様「騒音」の少なくともいずれかを搭載する自律移動体2の区域Bへの進入が禁止される。この例において、区域Eについて仕様「大型」が指定される。このとき、仕様「大型」を搭載する自律移動体2の区域Eへの進入が禁止される。この例において、区域Dについて仕様が指定されない。このとき、区域Dへの自律移動体2の進入は禁止されない。なお、禁止仕様情報は、区域4の種別または属性などに対応づけられていてもよい。
【0031】
禁止仕様情報は、例えば区域管理部8などによって更新しながら管理される。例えば、会議室である区域4について、利用状況が「空き」である場合に、区域管理部8は、当該区域4について進入を禁止する仕様を指定しないように禁止仕様情報を更新する。一方、会議室である区域4について、利用状況が「利用中」である場合に、区域管理部8は、当該区域4への進入を禁止する仕様として「カメラ」、「録音」、および「騒音」を指定するように禁止仕様情報を更新する。なお、機密性の比較的低い情報を扱う区域4について、利用状況が「利用中」である場合に、区域管理部8は、当該区域4への進入を禁止する仕様として「騒音」のみを指定するように禁止仕様情報を更新してもよい。区域4と利用状況とに応じた禁止仕様の対応は、例えば、施設の管理者などによって予め設定されてもよいし、当該区域4の利用者などによって都度設定されてもよい。
【0032】
続いて、
図4および
図5を用いて、セキュリティシステム1の動作の例を説明する。
図4Aおよび
図4Bならびに
図5は、実施の形態1に係るセキュリティシステム1の動作の例を示すフローチャートである。
【0033】
図4Aおよび
図4Bにおいて、自律移動体2が巡回のための移動を開始する巡回開始時刻になったときの、当該自律移動体2に対する移動体管理装置3の動作の例が示される。
図4Aおよび
図4Bの処理を開始するときに、経路探索部10は、自律移動体2に対して予め設定された巡回区域リストを読み込む。
【0034】
図4AのステップS101において、経路探索部10は、巡回区域リストの先頭の区域4を読み出す。経路探索部10は、読み出した先頭の区域4を巡回区域リストから削除する。経路探索部10は、読み出した区域4を出発区域に設定する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS102に進む。
【0035】
ステップS102において、経路探索部10は、巡回区域リストの先頭の区域4を読み出す。経路探索部10は、読み出した先頭の区域4を巡回区域リストから削除する。経路探索部10は、読み出した区域4を行先区域に設定する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS103に進む。
【0036】
ステップS103において、経路探索部10は、行先区域に有効な区域4が設定されているかを判定する。例えばステップS102の開始時点において巡回区域リストが既に空であった場合に、同ステップの終了時点において行先区域に有効な区域4が設定されていない状態となる。一方、例えばステップS102の開始時点において巡回区域リストに1つ以上の区域4が残っている場合に、同ステップの終了時点において行先区域に有効な区域4が設定された状態となる。行先区域に有効な区域4が設定されていない場合に、今回の自律移動体2の巡回に関するセキュリティシステム1の動作は、終了する。一方、行先区域に有効な区域4が設定されている場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS104に進む。
【0037】
ステップS104において、経路探索部10は、出発区域と行先区域とが同じ区域4であるかを判定する。これらの区域4が同じ区域4である場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS102に進む。一方、これらの区域4が異なる区域4である場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS105に進む。
【0038】
ステップS105において、経路探索部10は、出発区域と行先区域とが同じ階床にあるかを判定する。これらの区域4が異なる階床にある場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS106に進む。一方、これらの区域4が同じ階床にある場合に、セキュリティシステム1の動作は、
図4BのステップS111に進む。
【0039】
ステップS106において、経路探索部10は、自律移動体2の現在の位置からエレベーターである区域4の前までの移動経路を探索する。移動体制御部11は、自律移動体2をエレベーターである区域4の前に移動させる。この例において、移動体制御部11は、自律移動体2をエレベーターの乗場まで移動させる。経路探索部10は、自律移動体2が当該区域4の前に到着するまで待機する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS107に進む。
【0040】
ステップS107において、経路探索部10は、エレベーター管理装置6に乗場呼びの要求を送信する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS108に進む。
【0041】
ステップS108において、移動体制御部11は、自律移動体2をエレベーターである区域4に移動させる。この例において、移動体制御部11は、自律移動体2をエレベーターのかごの内部まで移動させる。経路探索部10は、自律移動体2が当該区域4に到着するまで待機する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS109に進む。
【0042】
ステップS109において、経路探索部10は、エレベーター管理装置6にかご呼びの要求を送信する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS110に進む。
【0043】
ステップS110において、移動体制御部11は、エレベーターのかごが行先区域のある階床に到着したときに、自律移動体2をエレベーターである区域4の前に移動させる。この例において、移動体制御部11は、自律移動体2をエレベーターの乗場まで移動させる。経路探索部10は、自律移動体2が当該区域4の前に到着するまで待機する。その後、セキュリティシステム1の動作は、
図4BのステップS111に進む。
【0044】
図4BのステップS111において、経路探索部10は、自律移動体2の現在の位置から行先区域の前までの移動経路を探索する。移動体制御部11は、自律移動体2を行先区域の前に移動させる。経路探索部10は、自律移動体2が当該区域4の前に到着するまで待機する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS112に進む。
【0045】
ステップS112において、判断部9は、自律移動体2の行先区域への進入可否を判断する。判断部9が進入不可と判定するときに、セキュリティシステム1の動作は、
図4AのステップS102に進む。一方、判断部9が進入可と判定するときに、セキュリティシステム1の動作は、ステップS113に進む。
【0046】
ステップS113において、経路探索部10は、行先区域が「扉」属性を有しているかを判定する。行先区域が「扉」属性を有している場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS114に進む。一方、行先区域が「扉」属性を有していない場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS115に進む。
【0047】
ステップS114において、経路探索部10は、行先区域への入域のための解錠の要求を入退管理装置5に送信する。入退管理装置5から要求に応じて解錠した通知を受ける場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS115に進む。一方、入退管理装置5が進入不可と判定して解錠しない場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS120に進む。
【0048】
ステップS115において、移動体制御部11は、自律移動体2を行先区域の内部に進入させる。移動体制御部11は、自律移動体2が行先区域におけるサービスの提供などの作業を実行しうるように、自律移動体2を稼働させる。自律移動体2は、例えば清掃サービス、警備サービス、または搬送サービスなどのサービスを行先区域において提供する。行先区域において自律移動体2が行う作業がない場合に、自律移動体2は、行先区域を単に通行してもよい。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS116に進む。
【0049】
ステップS116において、経路探索部10は、自律移動体2の行先区域における作業が完了するまで待機する。なお、行先区域が自律移動体2のホームである場合に、経路探索部10は、自律移動体2が当該区域4に到着した時点で作業が完了したと判定してもよい。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS117に進む。
【0050】
ステップS117において、経路探索部10は、行先区域が「扉」属性を有しているかを判定する。行先区域が「扉」属性を有している場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS118に進む。一方、行先区域が「扉」属性を有していない場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS119に進む。
【0051】
ステップS118において、経路探索部10は、行先区域からの退域のための解錠の要求を入退管理装置5に送信する。入退管理装置5は、要求に応じて扉を解錠する。経路探索部10は、入退管理装置5から解錠の通知を受ける。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS119に進む。
【0052】
ステップS119において、移動体制御部11は、自律移動体2を行先区域の前に移動させる。経路探索部10は、自律移動体2が当該区域4の前に到着するまで待機する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS120に進む。
【0053】
ステップS120において、経路探索部10は、行先区域を新たな出発区域に設定する。その後、セキュリティシステム1の動作は、
図4AのステップS102に進む。
【0054】
図5において、判断部9による進入可否の判断の動作の例が示される。
図5の処理は、
図4BのステップS112における内部処理の例である。
図5の処理を開始するときに、判断部9は、対象の自律移動体2および対象の区域4を識別する情報を取得する。
【0055】
ステップS201において、判断部9は、対象の自律移動体2についての移動体情報を例えば記憶部7などから読み込む。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS202に進む。
【0056】
ステップS202において、判断部9は、対象の区域4についての禁止仕様情報を例えば記憶部7などから読み込む。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS203に進む。
【0057】
ステップS203において、対称の区域4において進入を禁止するとして禁止仕様情報で指定されている仕様のいずれかが、対象の自律移動体2に搭載されているかを判定する。禁止仕様情報で指定された仕様のいずれかが自律移動体2に搭載されている場合に、判断部9は、対象の自律移動体2の対象の区域4への進入を不可と判定する。一方、禁止仕様情報で指定された仕様のいずれも自律移動体2に搭載されてない場合に、判断部9は、対象の自律移動体2の対象の区域4への進入を可と判定する。その後、判断部9による進入可否の判断に係るセキュリティシステム1の動作は、終了する。
【0058】
続いて、
図6を用いて、自律移動体2の施設における巡回の例を説明する。
図6は、実施の形態1に係る自律移動体2の巡回の例を示す図である。
【0059】
この例において、自律移動体2に予め設定される巡回区域リストには、先頭から順に区域D、区域A、区域C、区域B、および区域Dが登録されている。区域Dは、1階に配置された自律移動体2のホームである。区域Aは、1階に配置された打合せコーナーである。区域Cは、2階に配置された事務所である。区域Bは、1階に配置された会議室である。区域Eは、1階および2階の間で稼働するエレベーターである。区域Eは、巡回区域リストに含まれていない。
【0060】
まず、経路探索部10は、区域Dを出発区域に設定し、区域Aを行先区域に設定する。経路探索部10は、区域Dから区域Aの前までの移動経路を探索する。移動体制御部11は、行先区域である区域Aの前まで自律移動体2を移動させる。判断部9は、自律移動体2の区域Aへの進入可否を判断する。この例において、判断部9は、進入可であると判定する。なお、判断部9は、自律移動体2が出発区域を出発する前に行先区域の進入可否を判断してもよい。区域Aの入口には扉が設けられているので、経路探索部10は、入退管理装置5に区域Aへの入域の要求を送信する。区域Aの入口の扉の解錠後、移動体制御部11は、自律移動体2を区域Aの内部に進入させる。移動体制御部11は、区域A内での作業を自律移動体2に実行させる。区域Aでの作業の完了後、移動体制御部11は、入退管理装置5に区域Aからの退域の要求を送信する。区域Aの入口の扉の解錠後、移動体制御部11は、自律移動体2を区域Aの内部から退出させる。移動体制御部11は、区域Aの前まで自律移動体2を移動させる。
【0061】
次に、経路探索部10は、区域Aを新たな出発区域に設定し、区域Cを新たな行先区域に設定する。区域Aおよび区域Cは異なる階床に配置されているので、経路探索部10は、エレベーターである区域Eを利用する移動経路を探索する。経路探索部10は、区域Aから1階の区域Eの前までの移動経路を探索する。移動体制御部11は、1階の区域Eの前まで自律移動体2を移動させる。経路探索部10は、エレベーター管理装置6に1階の乗場呼びの要求を送信する。エレベーターのかごが1階に到着してかごドアが開いた後に、移動体制御部11は、自律移動体2をエレベーターのかごの内部に移動させる。経路探索部10は、エレベーター管理装置6に2階へのかご呼びの要求を送信する。エレベーターのかごが2階に到着してかごドアが開いた後に、移動体制御部11は、自律移動体2をエレベーターのかごの内部から移動させる。移動体制御部11は、2階の区域Eの前まで自律移動体2を移動させる。経路探索部10は、2階の区域Eから区域Cの前までの移動経路を探索する。移動体制御部11は、区域Cの前まで自律移動体2を移動させる。判断部9は、自律移動体2の区域Cへの進入可否を判断する。この例において、判断部9は、進入可であると判定する。なお、判断部9は、自律移動体2が出発区域を出発する前に行先区域の進入可否を判断してもよい。区域Cの入口には扉が設けられているので、経路探索部10は、入退管理装置5に区域Cへの入域の要求を送信する。区域Cの入口の扉の解錠後、移動体制御部11は、自律移動体2を区域Cの内部に進入させる。移動体制御部11は、区域C内での作業を自律移動体2に実行させる。区域Cでの作業の完了後、移動体制御部11は、入退管理装置5に区域Cからの退域の要求を送信する。区域Cの入口の扉の解錠後、移動体制御部11は、自律移動体2を区域Cの内部から退出させる。移動体制御部11は、区域Cの前まで自律移動体2を移動させる。
【0062】
次に、経路探索部10は、区域Cを新たな出発区域に設定し、区域Bを新たな行先区域に設定する。区域Cおよび区域Bは異なる階床に配置されているので、経路探索部10は、エレベーターである区域Eを利用する移動経路を探索する。経路探索部10は、区域Cから2階の区域Eの前までの移動経路を探索する。移動体制御部11は、2階の区域Eの前まで自律移動体2を移動させる。経路探索部10は、エレベーター管理装置6に2階の乗場呼びの要求を送信する。エレベーターのかごが2階に到着してかごドアが開いた後に、移動体制御部11は、自律移動体2をエレベーターのかごの内部に移動させる。経路探索部10は、エレベーター管理装置6に1階へのかご呼びの要求を送信する。エレベーターのかごが1階に到着してかごドアが開いた後に、移動体制御部11は、自律移動体2をエレベーターのかごの内部から移動させる。移動体制御部11は、1階の区域Eの前まで自律移動体2を移動させる。経路探索部10は、1階の区域Eから区域Bの前までの移動経路を探索する。移動体制御部11は、区域Bの前まで自律移動体2を移動させる。判断部9は、自律移動体2の区域Bへの進入可否を判断する。この例において、判断部9は、進入可であると判定する。なお、判断部9は、自律移動体2が出発区域を出発する前に行先区域の進入可否を判断してもよい。区域Bの入口には扉が設けられているので、経路探索部10は、入退管理装置5に区域Bへの入域の要求を送信する。区域Bの入口の扉の解錠後、移動体制御部11は、自律移動体2を区域Bの内部に進入させる。移動体制御部11は、区域B内での作業を自律移動体2に実行させる。区域Bでの作業の完了後、移動体制御部11は、入退管理装置5に区域Bからの退域の要求を送信する。区域Bの入口の扉の解錠後、移動体制御部11は、自律移動体2を区域Bの内部から退出させる。移動体制御部11は、区域Bの前まで自律移動体2を移動させる。
【0063】
次に、経路探索部10は、区域Bを新たな出発区域に設定し、区域Dを新たな行先区域に設定する。経路探索部10は、区域Bから区域Dの前までの移動経路を探索する。移動体制御部11は、区域Dの前まで自律移動体2を移動させる。判断部9は、自律移動体2の区域Dへの進入可否を判断する。この例において、判断部9は、進入可であると判定する。なお、判断部9は、自律移動体2が出発区域を出発する前に行先区域の進入可否を判断してもよい。また、判断部9は、自律移動体2のホームである区域4について、無条件で進入可と判断してもよい。区域Dの入口には扉が設けられていないので、移動体制御部11は、自律移動体2を区域Bの内部にそのまま進入させる。区域D内で行う作業はないため、移動体制御部11は、区域Dに到着した時点で自律移動体2の作業が完了したと判定する。
【0064】
次に、経路探索部10は、区域Dを新たな出発区域に設定する。このとき、新たな行先区域に有効な区域4が設定されないので、経路探索部10は、今回の自律移動体2の巡回に関する動作を終了する。
【0065】
以上に説明したように、実施の形態1に係るセキュリティシステム1の移動体管理装置3は、区域管理部8と、判断部9と、経路探索部10と、を備える。区域管理部8は、自律移動体2が稼働する施設の各々の区域4について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理する。判断部9は、各々の区域4に紐づけられた禁止仕様情報および自律移動体2の仕様に基づいて、各々の区域4への自律移動体2の進入可否を判断する。経路探索部10は、判断部9が判断する各々の区域4への進入可否に基づいて、自律移動体2が施設を移動する経路を探索する。
【0066】
このような構成により、各区域4への進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報は、各区域4の利用状況などに応じて動的に更新される。自律移動体2は、その仕様などの条件によって進入できない区域4が巡回経路上にある場合に、例えば当該区域4を通行せずにスキップして巡回を行う。このように、各区域4の状況および自律移動体2の仕様に応じて自律移動体2が柔軟に施設を巡回できるようになるので、施設のセキュリティ性を保ちながら自律移動体2がより効率的に稼働できるようになる。
【0067】
また、禁止仕様情報は、音声または映像の記録の機能を仕様として有する自律移動体2の進入を禁止する情報を含む。これにより、情報管理などの点における施設のセキュリティ性がより高められる。また、禁止仕様情報は、区域4の環境に影響を及ぼす環境影響情報として稼働の際に騒音を発する自律移動体2の進入を禁止する情報を含む。これにより、自律移動体2の稼働が各区域4を利用する利用者の妨げになりにくくなる。また、禁止仕様情報は、寸法または重量によって自律移動体2の進入を禁止する情報を含む。これにより、自律移動体2がその大きさなどのために進入させたくない区域4が予め判定されるため、自律移動体2の施設における移動などがより効率的になる。なお、自律移動体2を区域4に進入させたくない場合とは、当該区域4に対して寸法または重量としては物理的に進入可能な場合においても、例えば席替え中もしくは清掃中などの理由により当該区域4を利用する利用者の妨げになるので、自律移動体2の当該区域4への侵入を一時的に制限したい場合を含んでもよい。また、席配置を変更した結果、自律移動体2の当該区域4への侵入を恒久的に制限したい場合を含んでもよい。
【0068】
なお、禁止仕様情報は、区域4の環境に影響を及ぼす環境影響情報として音声案内または音楽を出力する機能を有する自律移動体2の進入を禁止する情報を含む。これにより、自律移動体2が出力する音声が各区域4を利用する利用者の妨げになりにくくなる。また、禁止仕様情報は、区域4の環境に影響を及ぼす環境影響情報として照明器具などの光を出力する機能を有する自律移動体2の進入を禁止する情報を含む。これにより、自律移動体2が発する光が各区域4を利用する利用者の妨げになりにくくなる。また、禁止仕様情報は、区域4の環境に影響を及ぼす環境影響情報として清掃作業中または清掃作業後の清掃ロボットのように、稼働に伴って異臭または悪臭などの臭気を放つ可能性のある自律移動体2の進入を禁止する情報を含む。これにより、自律移動体2が放つ臭気によって各区域4を利用する利用者が不快感を抱きにくくなる。また、禁止仕様情報は、自律移動体2の外観に関する情報を含む。自律移動体2の外観とは、自律移動体2の本体の形状、模様、または色彩のうちの少なくとも一つである。これにより、自律移動体2の外観によって各区域4を利用する利用者が不快感を抱きにくくなる。
【0069】
なお、セキュリティシステム1の機能の一部または全部は、移動体管理装置3、入退管理装置5、エレベーター管理装置6、自律移動体2、またはその他の装置などに搭載されていてもよい。
【0070】
続いて、
図7を用いて、セキュリティシステム1のハードウェア構成の例について説明する。
図7は、実施の形態1に係るセキュリティシステム1の主要部のハードウェア構成図である。
【0071】
セキュリティシステム1の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。処理回路は、プロセッサ100aおよびメモリ100bと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用ハードウェア200を備えてもよい。
【0072】
処理回路がプロセッサ100aとメモリ100bとを備える場合、セキュリティシステム1の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ100bに格納される。プロセッサ100aは、メモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、セキュリティシステム1の各機能を実現する。
【0073】
プロセッサ100aは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ100bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
【0074】
処理回路が専用ハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
【0075】
セキュリティシステム1の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、セキュリティシステム1の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。セキュリティシステム1の各機能について、一部を専用ハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、専用ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせでセキュリティシステム1の各機能を実現する。
【0076】
実施の形態2.
実施の形態2において、実施の形態1で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態2で説明しない特徴については、実施の形態1で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0077】
図8は、実施の形態2に係る記憶部7が記憶する禁止仕様情報の例を示す表である。
【0078】
禁止仕様情報は、仕様についての時間に依る禁止の情報を含む。この例において、禁止仕様情報は、時間帯を区切って進入を禁止する仕様を指定する。禁止仕様情報は、禁止開始時刻、および禁止終了時刻の情報を含む。禁止開始時刻から禁止終了時刻までの時間帯において、各々の区域4についての禁止仕様情報で指定された仕様を搭載した自律移動体2の当該区域4への進入が禁止される。この例において、区域Cについて、禁止開始時刻「2023年3月14日13:00」および禁止終了時刻「2023年3月14日15:00」と、仕様「カメラ」および仕様「録音」とが指定される。このとき、2023年3月14日13:00から15:00までの時間帯において、仕様「カメラ」または仕様「録音」の少なくとも一方を搭載する自律移動体2の区域Cへの進入が禁止される。なお、禁止仕様情報は、単一の区域4について複数の時間帯を区切って仕様を指定してもよい。また、禁止開始時刻および禁止終了時刻の指定は、例えば「毎週水曜日15:00」などのように定期的なものであってもよい。なお、禁止仕様情報は、例えば、操作盤などを通じて入力される区域4の利用状況に基づく、時間に依らない仕様の指定を含んでもよい。
【0079】
続いて、
図9を用いて、セキュリティシステム1の動作の例を説明する。
図9は、実施の形態2に係るセキュリティシステム1の動作の例を示すフローチャートである。
図9において、判断部9による進入可否の判断の動作の例が示される。自律移動体2が巡回のための移動を開始する巡回開始時刻になったときに、セキュリティシステム1は、例えば
図4と同様の処理を行う。
図9の処理は、
図4BのステップS112における処理の例である。
図9の処理を開始するときに、判断部9は、対象の自律移動体2および対象の区域4を識別する情報を取得する。なお、同一の区域4について複数の時間帯を区切って仕様が指定されているときに、判断部9は、当該複数の時間帯ごとに
図9の処理を行ってもよい。
【0080】
図9のステップS201およびステップS202において、判断部9は、
図5のステップS201およびステップS202と同様の処理を行う。
図9の処理において、ステップS202の後に、セキュリティシステム1の動作はステップS211に進む。
【0081】
ステップS211において、判断部9は、現在時刻が禁止開始時刻から禁止終了時刻までの時間帯に含まれるかを判定する。なお、禁止仕様情報における仕様の指定が時間に依らないものである場合に、判断部9は、現在時刻が当該仕様の進入を禁止する時間帯に含まれるものと判定してもよい。現在時刻が当該時間帯に含まれる場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS212に進む。一方、現在時刻が当該時間帯に含まれない場合に、判断部9は、対象の自律移動体2の対象の区域4への進入を可と判定する。その後、判断部9による進入可否の判断に係るセキュリティシステム1の動作は、終了する。
【0082】
ステップS212において、対象の時間帯に対称の区域4において進入を禁止するとして禁止仕様情報で指定されている仕様のいずれかが、対象の自律移動体2に搭載されているかを判定する。禁止仕様情報で指定された仕様のいずれかが自律移動体2に搭載されている場合に、判断部9は、対象の自律移動体2の対象の区域4への進入を不可と判定する。一方、禁止仕様情報で指定された仕様のいずれも自律移動体2に搭載されてない場合に、判断部9は、対象の自律移動体2の対象の区域4への進入を可と判定する。その後、判断部9による進入可否の判断に係るセキュリティシステム1の動作は、終了する。
【0083】
以上に説明したように、実施の形態2に係る移動体管理装置3において、禁止仕様情報は、自律移動体2の仕様についての時間に依る禁止の情報を含む。判断部9は、現在時刻に応じて各区域4への自律移動体2の進入可否を判断する。経路探索部10は、現在時刻に応じて判断部9が判断する各々の区域4への進入可否に基づいて、自律移動体2が施設を移動する経路を探索する。
【0084】
このような構成により、各区域4への進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報は、各区域4の利用予約の状況などに応じて動的に更新される。自律移動体2は、その仕様などの条件によって進入できない区域4が巡回経路上にある場合に、例えば当該区域4を通行せずにスキップして巡回を行う。このように、各区域4の利用予約の状況および自律移動体2の仕様に応じて自律移動体2が柔軟に施設を巡回できるようになるので、施設のセキュリティ性を保ちながら自律移動体2がより効率的に稼働できるようになる。
【0085】
実施の形態3.
実施の形態3において、実施の形態1または実施の形態2で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態3で説明しない特徴については、実施の形態1または実施の形態2で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0086】
図10は、実施の形態3に係るセキュリティシステム1の構成を示す機能ブロック図である。
【0087】
記憶部7は、区域情報、移動体情報、禁止仕様情報、区域4間距離情報、エレベーター利用情報、および作業情報などを記憶する。区域4間距離情報は、例えば、各区域4の間を移動する際に自律移動体2が移動する距離の情報などを含む。エレベーター利用情報は、各階床の間を移動する際に自律移動体2が要する時間の情報などを含む。作業情報は、自律移動体2が各区域4において作業を行う際に要する時間の情報などを含む。
【0088】
移動体管理装置3は、経路計画部12を備える。経路計画部12は、自律移動体2が施設を移動する経路を、自律移動体2の巡回などの移動の開始前に計画する機能を搭載する部分である。経路計画部12は、各々の区域4について、計画した経路を移動する自律移動体2の通行予定時刻を算出する。通行予定時刻は、対象の区域4への到着予定時刻、または対象の区域4からの出発予定時刻などを含む。判断部9は、経路計画部12が算出した通行予定時刻に応じて、各区域4への自律移動体2の進入可否を判断する。経路計画部12は、通行予定時刻に応じて判断部9が判断する各区域4への進入可否に基づいて、自律移動体2の経路を探索する。この例において、経路計画部12は、巡回区域リストおよび記憶部7に記憶された各種の情報を用いて、経路の計画および通行予定時刻の算出などの処理を行う。経路計画部12は、例えば、巡回区域リストを、判断部9による通行予定時刻に応じた各区域4の進入可否の判断の結果に基づいて編集して計画巡回区域リストを生成することで、自律移動体2の移動の経路を計画する。計画巡回区域リストは、自律移動体2が次回の巡回において移動を計画する区域4のリストである。計画巡回区域リストは、例えば、記憶部7などにおいて自律移動体2に対応づけて記憶される。計画巡回区域リストは、巡回区域リストと同様に、ホームである区域4を先頭および末尾に持つリストとして構成される。
【0089】
経路計画部12は、各区域4の通行予定時刻における進入可否に応じて、巡回区域リストの順序の並べ替えなどを行った計画巡回区域リストを生成してもよい。例えば、経路計画部12は、巡回区域リストのうち通行予定時刻において進入不可と判定された区域4を、通行不可リストに登録する。経路計画部12は、巡回の最後に自律移動体2がホームに戻る前に通行不可リストに登録した区域4を通行する場合の通行予定時刻を再計算する。経路計画部12は、再計算した通行予定時刻における進入可否に応じて、計画巡回区域リストの末尾の直前に、通行不可リストに登録した各区域4を挿入する。経路計画部12は、通行不可リストに登録した各区域4の計画巡回区域リストへの挿入の成否について、通行区域フラグを用いて管理する。通行区域フラグは、通行不可リストに登録された区域4のうち計画巡回区域リストに挿入できた区域4があるか否かを表すフラグである。
【0090】
経路探索部10は、例えば、経路計画部12が生成した計画巡回区域リストを、実施の形態1または実施の形態2と同様に判断部9による各区域4の進入可否の判断の結果に基づいて編集することで、自律移動体2の移動の経路を探索する。経路探索部10は、例えば、自律移動体2の施設における移動中に、施設におけるその後の移動の経路を探索する。
【0091】
移動体制御部11は、例えば、経路計画部12が事前に計画する経路および経路探索部10が移動中に探索する経路に従って移動するように自律移動体2を制御する。移動体制御部11は、経路計画部12が経路を計画した後、自律移動体2が巡回のための移動を開始する巡回開始時刻まで待機する。巡回開始時刻になるときに、移動体制御部11は、経路計画部12が事前に計画する経路および経路探索部10が移動中に探索する経路に従って移動させる自律移動体2の制御を開始する。
【0092】
続いて、
図11を用いて、セキュリティシステム1において用いられる各種データの例を説明する。
図11Aは、実施の形態3に係る記憶部7が記憶する区域4間距離情報の例を示す表である。
図11Bは、実施の形態3に係る記憶部7が記憶するエレベーター利用情報の例を示す表である。
図11Cは、実施の形態3に係る記憶部7が記憶する移動体情報の例を示す表である。
図11Dは、実施の形態3に係る記憶部7が記憶する作業情報の例を示す表である。
【0093】
図11Aに示されるように、区域4間距離情報は、互いに異なる2つの区域4の組に対応づけられる。この例の区域4間距離情報において、区域Aおよび区域Bの組に、区域4間を移動する際に自律移動体2が移動する距離「20m」が対応づけられる。この例の区域4間距離情報において、区域Aおよび区域Eの組に、区域4間を移動する際に自律移動体2が移動する距離「10m」が対応づけられる。ここで、区域Eは、複数の階床の間で稼働するエレベーターである。このとき、区域Aおよび区域Eの組に、区域Aおよび区域Aが設けられた階床の区域Eの間の距離が対応づけられる。
【0094】
図11Bに示されるように、エレベーター利用情報は、互いに異なる2つの階床の組に対応づけられる。1つの階床の組は、例えば順序のある順序対であってもよい。この例の区域4間距離情報において、1階および2階の組に、かごに乗車するまでの平均待ち時間「16秒」および階床間を移動する際のかごの走行時間「15秒」が対応づけられる。
【0095】
図11Cに示されるように、移動体情報は、各自律移動体2を識別する移動体IDに対応づけられる。移動体情報は、例えば、自律移動体2の移動速度の情報を含む。この例の移動体情報において、自律移動体2である移動体Qに、当該自律移動体2の平均移動速度「0.05m/s」が対応づけられる。
【0096】
図11Dに示されるように、作業情報は、自律移動体2および区域4の組に対応づけられる。この例の作業情報において、移動体Qおよび区域Aの組に、移動体Qが区域Aで行う作業に要する時間「600秒」が対応づけられる。
【0097】
続いて、
図12および
図13を用いて、セキュリティシステム1の動作の例を説明する。
図12Aおよび
図12Bならびに
図13は、実施の形態3に係るセキュリティシステム1の動作の例を示すフローチャートである。
【0098】
図12Aおよび
図12Bにおいて、自律移動体2の移動の経路を計画する際の移動体管理装置3の動作の例が示される。自律移動体2の経路は、例えば予め設定された定期的または不定期的なタイミングで計画させる。施設において複数の自律移動体2が稼働しているときに、経路計画部12は、各移動体について
図12の処理を順次実行してもよい。
図12Aおよび
図12Bの処理を開始するときに、経路計画部12は、自律移動体2に対して予め設定された巡回区域リストを読み込む。また、このとき、経路計画部12は、初期化処理として計画巡回区域リストおよび通行不可リストを空リストに設定する。
【0099】
図12AのステップS301において、経路計画部12は、自律移動体2の移動体情報を読み込む。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS302に進む。
【0100】
ステップS302において、経路計画部12は、巡回区域リストの先頭の区域4を読み出す。経路計画部12は、読み出した先頭の区域4を巡回区域リストから削除する。経路計画部12は、読み出した区域4を出発区域に設定する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS303に進む。
【0101】
ステップS303において、経路計画部12は、自律移動体2の巡回開始時刻を、出発区域の出発予定時刻に設定する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS304に進む。
【0102】
ステップS304において、経路計画部12は、出発区域を計画巡回区域リストに追加する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS305に進む。
【0103】
ステップS305において、経路計画部12は、通行区域フラグを「なし」に初期化する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS306に進む。
【0104】
ステップS306において、経路計画部12は、行先区域の選択処理を行う。選択処理によって行先区域が設定されなかった場合に、今回の自律移動体2の巡回の経路の計画に関するセキュリティシステム1の動作は、終了する。一方、選択処理によって行先区域が設定された場合に、セキュリティシステム1の動作は、
図12BのステップS307に進む。
【0105】
図12BのステップS307において、経路計画部12は、出発区域および行先区域の区域情報を読み込む。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS308に進む。
【0106】
ステップS308において、経路計画部12は、出発区域と行先区域とが同じ階床にあるかを判定する。これらの区域4が異なる階床にある場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS309に進む。一方、これらの区域4が同じ階床にある場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS311に進む。
【0107】
ステップS309において、経路計画部12は、出発区域がある階床と行先区域がある階床との組についてのエレベーター利用情報を読み込む。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS310に進む。
【0108】
ステップS310において、経路計画部12は、自律移動体2がエレベーターの利用に要する時間を、読み込んだエレベーター利用情報に基づいて算出する。この例において、経路計画部12は、例えば、かごに乗車するまでの平均待ち時間および階床間を移動する際のかごの走行時間の読込値の和を、自律移動体2がエレベーターの利用に要する時間とする。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS311に進む。
【0109】
ステップS311において、経路計画部12は、出発区域および行先区域の組についての区域4間距離情報を読み込む。経路計画部12は、読み込んだ距離を出発区域から行先区域までの自律移動体2の移動の距離とする。なお、出発区域と行先区域とが異なる階床にある場合に、経路計画部12は、エレベーターである区域4を経由する場合の距離の情報を読み込んでもよい。すなわち、経路計画部12は、出発区域からエレベーターである区域4までの距離と、エレベーターである区域4から行先区域までの距離と、をそれぞれ読み込んで加算することで、出発区域から行先区域までの自律移動体2の移動の距離を算出してもよい。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS312に進む。
【0110】
ステップS312において、経路計画部12は、行先区域の到着予定時刻を算出する。経路計画部12は、例えば、ステップS311において取得した自律移動体2の移動の距離を、当該自律移動体2の移動速度で割ることで、出発区域から行先区域までの自律移動体2の移動の時間を算出する。なお、出発区域と行先区域とが異なる階床にある場合に、経路計画部12は、エレベーターの利用に要する時間を自律移動体2の移動の時間に加算する。経路計画部12は、出発区域の出発予定時刻から自律移動体2の移動の時間だけ経過した時刻を、行先区域の到着予定時刻とする。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS313に進む。
【0111】
ステップS313において、判断部9は、到着予定時刻における自律移動体2の行先区域への進入可否を判断する。到着予定時刻における進入可否の判断は、例えば、
図9の現在時刻における進入可否における判断と同様に処理される。判断部9が進入可と判定するときに、セキュリティシステム1の動作は、ステップS314に進む。一方、判断部9が進入不可と判定するときに、セキュリティシステム1の動作は、ステップS319に進む。
【0112】
ステップS314において、経路計画部12は、自律移動体2および行先区域の組についての作業情報を読み込む。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS315に進む。
【0113】
ステップS315において、経路計画部12は、行先区域の出発予定時刻を算出する。経路計画部12は、例えば、行先区域の到着予定時刻から作業情報として読み込んだ作業に要する時間だけ経過した時刻を、行先区域の出発予定時刻とする。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS316に進む。
【0114】
ステップS316において、経路計画部12は、通行区域フラグを「あり」に設定する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS317に進む。
【0115】
ステップS317において、経路計画部12は、行先区域を計画巡回区域リストに追加する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS318に進む。
【0116】
ステップS318において、経路計画部12は、行先区域を新たな出発区域に設定する。その後、セキュリティシステム1の動作は、
図12AのステップS306に進む。
【0117】
ステップS319において、経路計画部12は、行先区域を通行不可リストに追加する。その後、セキュリティシステム1の動作は、
図12AのステップS306に進む。
【0118】
図13において、行先区域の選択処理の例が示される。
図13の処理は、
図12AのステップS306における内部処理の例である。
図13の処理を開始するときに、経路計画部12は、出発区域、巡回区域リスト、通行不可リスト、および通行区域フラグを読み込む。
【0119】
ステップS401において、経路計画部12は、巡回区域リストの先頭の区域4を読み出す。経路計画部12は、読み出した先頭の区域4を巡回区域リストから削除する。経路計画部12は、読み出した区域4を行先区域に設定する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS402に進む。
【0120】
ステップS402において、経路計画部12は、行先区域に有効な区域4が設定されているかを判定する。行先区域に有効な区域4が設定されていない場合に、行先区域が設定できなかったものとして、選択処理に係るセキュリティシステム1の動作は、終了する。一方、行先区域に自律移動体2のホーム以外の有効な区域4が設定されている場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS403に進む。また、行先区域に自律移動体2のホームが設定されている場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS404に進む。
【0121】
ステップS403において、経路計画部12は、出発区域と行先区域とが同じ区域4であるかを判定する。これらの区域4が同じ区域4である場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS401に進む。一方、これらの区域4が異なる区域4である場合に、行先区域が設定できたものとして、選択処理に係るセキュリティシステム1の動作は、終了する。
【0122】
ステップS404において、経路計画部12は、通行区域フラグの状態を判定する。通行区域フラグが「なし」の場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS403に進む。一方、通行区域フラグが「あり」の場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS405に進む。
【0123】
ステップS405において、経路計画部12は、通行不可リストを巡回区域リストの末尾に追加する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS406に進む。
【0124】
ステップS406において、経路計画部12は、通行不可リストを空リストにクリアする。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS407に進む。
【0125】
ステップS407において、経路計画部12は、自律移動体2のホームである区域4を巡回区域リストの末尾に追加する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS408に進む。
【0126】
ステップS408において、経路計画部12は、通行区域フラグを「なし」に設定する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS401に進む。
【0127】
続いて、
図14を用いて、通行予定時刻の算出の例を説明する。
図14は、実施の形態3に係る経路計画部12による通行予定時刻の算出の例を示す表である。
【0128】
ここで、施設およびその巡回区域リストが、
図6に示されるものと同様である場合の例を説明する。この例において、経路計画部12は、自律移動体2である移動体Qについての通行予定時刻を算出する。移動体Qの巡回開始時刻は、8:00とする。
【0129】
経路計画部12は、区域Dを出発区域に設定し、区域Aを行先区域に設定する。
区域Dおよび区域Aは同じ階床に配置されているので、経路計画部12は、区域Dおよび区域Aの組についての区域4間距離情報から、これらの区域4の間の距離「30m」を取得する。
経路計画部12は、移動体Qの区域Aまでの移動時間を、距離「30m」を移動体Qの移動速度「0.05毎秒」で割って600秒と算出する。
経路計画部12は、巡回開始時刻の8:00から600秒経過した8:10を、移動体Qの区域Aへの到着予定時刻とする。
経路計画部12は、移動体Qおよび区域Aの組についての作業情報から、作業時間「600秒」を取得する。
経路計画部12は、区域Aの到着予定時刻の8:10から600秒経過した8:20を、移動体Qの区域Aからの出発予定時刻とする。
【0130】
次に、経路計画部12は、区域Aを新たな出発区域に設定し、区域Cを新たな行先区域に設定する。区域Aおよび区域Cは異なる階床に配置されているので、経路計画部12は、エレベーターである区域Eを利用するものとして通行予定時刻の算出を行う。経路計画部12は、区域Aおよび1階の区域Eの組についての区域4間距離情報から、これらの区域4の間の距離「10m」を取得する。経路計画部12は、移動体Qの1階の区域Eまでの移動時間を、距離「10m」を移動体Qの移動速度「0.05毎秒」で割って200秒と算出する。経路計画部12は、区域Aの出発予定時刻の8:10から200秒経過した8:23を、移動体Qの1階の区域Eへの到着予定時刻とする。経路計画部12は、1階および2階の組についてのエレベーター情報に基づいて、昇降時間「16秒」および平均待ち時間「15」秒を取得する。経路計画部12は、これらを加算した31秒を、移動体Qのエレベーターの利用時間とする。経路計画部12は、1階の区域Eの到着予定時刻の8:10から31秒経過した時刻を、移動体Qの2階の区域Eへの到着予定時刻とする。経路計画部12は、2階の区域Eおよび区域Cの組についての区域4間距離情報から、これらの区域4の間の距離「13m」を取得する。経路計画部12は、移動体Qの区域Cまでの移動時間を、距離「13m」を移動体Qの移動速度「0.05毎秒」で割って260秒と算出する。経路計画部12は、2階の区域Eへの到着予定時刻から260秒経過した8:28を、移動体Qの区域Cへの到着予定時刻とする。経路計画部12は、移動体Qおよび区域Cの組についての作業情報から、作業時間「1800秒」を取得する。経路計画部12は、区域Cの到着予定時刻から1800秒経過した8:58を、移動体Qの区域Cからの出発予定時刻とする。
【0131】
経路計画部12は、以降の区域B、および区域Dについても、同様に通行予定時刻を算出する。
【0132】
続いて、
図15を用いて、通行予定時刻において進入不可と判断される区域4がある場合の例を説明する。
図15Aおよび
図15Bは、実施の形態3に係る経路計画部12による自律移動体2の移動の経路の計画の例を示す図である。
【0133】
図15Aに示されるように、巡回区域リストの順に区域4を移動すると区域Cが進入不可と判断される場合に、区域Cは一時的に通行不可リストに登録される。経路計画部12は、区域Cを通行せずに自律移動体2のホームを除くその他の区域4を通行した後、区域Cに進入する場合の、区域Cの通行予定時刻を再計算する。再計算した通行予定時刻において区域Cが進入可と判断される場合に、経路計画部12は、区域Cを計画巡回区域リストのホームを除く区域4の末尾に追加する。このとき、経路計画部12は、区域Cを通行不可リストから削除する。通行不可リストに登録された区域Cを計画巡回区域リストに挿入できたため、通行区域フラグは「あり」に設定される。
【0134】
一方、
図15Bに示されるように、再計算した通行予定時刻においても区域Cが進入不可と判断される場合に、経路計画部12は、区域Cを計画巡回区域リストに追加しない。通行不可リストに登録された区域Cを計画巡回区域リストに挿入できなかったため、通行区域フラグは「なし」に設定される。この例において、計画巡回区域リストに登録されなかった区域Cは、今回の巡回において自律移動体2が通行しない区域4となる。このとき、通行不可リストは、例えば、記憶部7に記憶される。施設の管理者などは、記憶された通行不可リストを参照することで、人手による作業または自律移動体2による追加作業などの対処を行ってもよい。なお、実際の巡回の際に自律移動体2が通行できなかった区域4が他にある場合に、経路探索部10は、当該区域4を記憶部7が記憶する通行不可リストに追加してもよい。
【0135】
以上に説明したように、実施の形態3に係る移動体管理装置3は、経路計画部12を備える。経路計画部12は、自律移動体2が施設を移動する経路を自律移動体2の移動の開始前に計画する。経路計画部12は、各区域4について、計画した経路を移動する自律移動体2の通行予定時刻を算出する。判断部9は、経路計画部12が算出した通行予定時刻に応じて、各区域4への自律移動体2の進入可否を判断する。経路計画部12は、判断部9が判断する各区域4への進入可否に基づいて、自律移動体2の経路を計画する。経路探索部10は、自律移動体2の移動の開始後かつ終了前に、判断部9が判断する各区域4への進入可否に基づいて、自律移動体2が施設を移動する経路を探索する。
【0136】
このような構成により、事前に移動の経路が計画されるので、自律移動体2が施設内で稼働する際に進入不可の区域4の前に立ち寄ってしまうことで移動の効率が低下する可能性が抑えられる。これにより、施設のセキュリティ性を保ちながら自律移動体2がより効率的に稼働できるようになる。
【0137】
なお、自律移動体2の経路の計画において、判断部9は、各区域4への到着予定時刻における進入可否の他に、各区域4からの出発予定時刻における進入可否もあわせて判断してもよい。このとき、経路計画部12は、例えば、ある区域4について到着予定時刻および出発予定時刻の一方で進入不可と判断される場合に、当該区域4を通行不可リストに登録してもよい。同様に、判断部9は、各区域4に自律移動体2が滞在している間の予定時刻における進入可否を判断してもよい。
【0138】
また、経路計画部12は、巡回区域リストの先頭から通行可否を決定していくため、巡回区域リストの先頭により近い区域4は自律移動体2の通行の機会をより持ちやすくなる。このため、経路計画部12は、各回の巡回についての計画において、初期化処理として巡回区域リストの順序を並べ替えた上で、計画巡回区域リストを生成してもよい。例えば、経路計画部12は、奇数回目の巡回については巡回区域リストをそのまま採用して計画巡回区域リストを生成し、偶数回目の巡回については巡回区域リストを逆順に用いて計画巡回区域リストを生成するようにしてもよい。また、経路計画部12は、各回の巡回について、先頭および末尾のホームである区域4を除いて、巡回区域リストにおける各区域4の順序を1つずつ循環的にシフトした上で計画巡回区域リストを生成するようにしてもよい。これにより、各区域4は、自律移動体2の通行の機会をより公平に持てるようになる。
【0139】
実施の形態4.
実施の形態4において、実施の形態1から実施の形態3で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態4で説明しない特徴については、実施の形態1から実施の形態3で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0140】
経路計画部12は、前回の巡回の際に自律移動体2が通行できなかった区域4がある場合に、当該区域4を今回の巡回の際に優先して通行するように計画する。
【0141】
図16は、実施の形態4に係るセキュリティシステム1の動作の例を示すフローチャートである。
図16において、経路計画部12による行先区域の選択処理の例が示される。
自律移動体2の巡回の経路を計画する際に、セキュリティシステム1は、例えば
図12と同様の処理を行う。
図16の処理は、
図12AのステップS306における内部処理の例である。
図16の処理を開始するときに、経路計画部12は、出発区域、巡回区域リスト、および通行区域フラグと、今回の通行不可リストと、記憶部7などに記憶された前回の通行不可リストと、を読み込む。
【0142】
ステップS501において、経路計画部12は、出発区域と同一階床の区域4が前回の通行不可リストに登録されているかを判定する。出発区域と同一階床の区域4が前回の通行不可リストに登録されているときに、経路計画部12は、当該区域4を行先区域に設定する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS502に進む。一方、出発区域と同一階床の区域4が前回の通行不可リストに登録されていないときに、セキュリティシステム1の動作は、ステップS503に進む。
【0143】
ステップS502において、経路計画部12は、巡回区域リストから行先区域を削除する。その後、行先区域が設定できたものとして、選択処理に係るセキュリティシステム1の動作は、終了する。
【0144】
ステップS503において、経路計画部12は、巡回区域リストの先頭の区域4を読み出す。経路計画部12は、読み出した先頭の区域4を巡回区域リストから削除する。経路計画部12は、読み出した区域4を行先区域に設定する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS504に進む。
【0145】
ステップS504において、経路計画部12は、行先区域に有効な区域4が設定されているかを判定する。行先区域に有効な区域4が設定されていない場合に、行先区域が設定できなかったものとして、選択処理に係るセキュリティシステム1の動作は、終了する。一方、行先区域に自律移動体2のホーム以外の有効な区域4が設定されている場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS505に進む。また、行先区域に自律移動体2のホームが設定されている場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS506に進む。
【0146】
ステップS505において、経路計画部12は、出発区域と行先区域とが同じ区域4であるかを判定する。これらの区域4が同じ区域4である場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS503に進む。一方、これらの区域4が異なる区域4である場合に、行先区域が設定できたものとして、選択処理に係るセキュリティシステム1の動作は、終了する。
【0147】
ステップS506において、経路計画部12は、通行区域フラグの状態を判定する。通行区域フラグが「なし」の場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS507に進む。一方、通行区域フラグが「あり」の場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS508に進む。
【0148】
ステップS507において、経路計画部12は、今回の通行不可リストの内容を、前回の通行不可リストの末尾に追加する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS505に進む。
【0149】
ステップS508において、経路計画部12は、前回の通行不可リストが空リストであるかを判定する。前回の通行不可リストが空リストである場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS509に進む。一方、前回の通行不可リストが空リストでない場合に、セキュリティシステム1の動作は、ステップS510に進む。
【0150】
ステップS509において、経路計画部12は、今回の通行不可リストを巡回区域リストの末尾に追加する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS512に進む。
【0151】
ステップS510において、経路計画部12は、前回の通行不可リストを巡回区域リストの末尾に追加し、今回の通行不可リストをさらにその末尾に追加する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS511に進む。
【0152】
ステップS511において、経路計画部12は、巡回区域リストにおいて重複している区域4を削除する。この例において、経路計画部12は、重複した区域4のうち最も先頭に近い区域4を残し、その他の区域4を削除する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS512に進む。
【0153】
ステップS512において、経路計画部12は、今回の通行不可リストを空リストにクリアする。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS513に進む。
【0154】
ステップS513において、経路計画部12は、自律移動体2のホームである区域4を巡回区域リストの末尾に追加する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS514に進む。
【0155】
ステップS514において、経路計画部12は、通行区域フラグを「なし」に設定する。その後、セキュリティシステム1の動作は、ステップS503に進む。
【0156】
続いて、
図17を用いて、自律移動体2の経路の計画の例を説明する。
図17は、実施の形態4に係る経路計画部12による自律移動体2の移動の経路の計画の例を示す図である。
【0157】
この例において、区域Cは、前回の巡回において自律移動体2が通行しない区域4として、前回の通行不可リストに登録されている。また、この例において、区域A、区域B、および区域C、ならびに自律移動体2のホームである区域Dは、同一階床にあるものとする。
【0158】
区域Cは、前回の通行不可リストに登録されているので、ホームを出発した直後に通行するように計画される。このとき、区域Cは、巡回区域リストから削除される。その後、区域Cを除くその他の区域4は、判断部9が通行予定時刻に応じて判断した通行可否に基づいて、順次計画巡回区域リストに追加される。
【0159】
以上に説明したように、実施の形態4に係る移動体管理装置3において、経路計画部12は、前回の自律移動体2の移動で自律移動体2が通行しなかった区域4として記憶された区域4を、今回の自律移動体2の移動の際に優先して通行するように経路を計画する。巡回できなかった区域4がより優先されるように経路が計画されるため、施設の各区域4は、自律移動体2の通行の機会をより公平に持てるようになる。
【0160】
以上の説明をまとめると、本開示に係る技術の取りうる構成は、以下に付記として示す各構成などを含む。
(付記1)
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理する区域管理部と、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断する判断部と、
前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、
を備える、移動体管理装置。
(付記2)
前記禁止仕様情報は、仕様についての時間に依る禁止の情報を含み、
前記判断部は、時間に応じて前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断する、
付記1に記載の移動体管理装置。
(付記3)
前記自律移動体が前記施設を移動する経路を前記自律移動体の移動の開始前に計画し、前記複数の区域の各々について、計画した経路を移動する前記自律移動体の通行予定時刻を算出する経路計画部
を備え、
前記判断部は、前記経路計画部が算出した前記通行予定時刻に応じて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断し、
前記経路計画部は、前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体の経路を計画し、
前記経路探索部は、前記自律移動体の移動の開始後かつ終了前に、前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する、
付記2に記載の移動体管理装置。
(付記4)
前記自律移動体は、定期的または不定期的に反復して前記施設を移動し、
前記経路計画部は、前回の前記自律移動体の移動で前記自律移動体が通行しなかった区域として記憶された区域を、今回の前記自律移動体の移動の際に優先して通行するように経路を計画する、
付記3に記載の移動体管理装置。
(付記5)
前記禁止仕様情報は、音声または映像の記録の機能を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報を含む、
付記1から付記4のいずれか一項に記載の移動体管理装置。
(付記6)
前記禁止仕様情報は、前記複数の区域の少なくともいずれかの環境に影響を及ぼす環境影響情報を仕様として有する自律移動体の進入を禁止する情報を含む、
付記1から付記5のいずれか一項に記載の移動体管理装置。
(付記7)
前記環境影響情報を仕様として有する自律移動体は、稼働する際に騒音を発するような自律移動体を含む、
付記6に記載の移動体管理装置。
(付記8)
前記環境影響情報を仕様として有する自律移動体は、稼働に伴って臭気を発するような自律移動体を含む、
付記6または付記7に記載の移動体管理装置。
(付記9)
前記環境影響情報を仕様として有する自律移動体は、光または音の少なくとも一方を発する機能を有するような自律移動体を含む、
付記6から付記8のいずれか一項に記載の移動体管理装置。
(付記10)
前記禁止仕様情報は、寸法または重量によって自律移動体の進入を禁止する情報を含む、
付記1から付記9のいずれか一項に記載の移動体管理装置。
(付記11)
前記禁止仕様情報は、自律移動体の外観によって当該自律移動体の進入を禁止する情報を含む、
付記1から付記10のいずれか一項に記載の移動体管理装置。
(付記12)
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の少なくともいずれかについて、前記自律移動体の入退を管理する入退管理装置と、
移動体管理装置と、
を備え、
前記移動体管理装置は、
前記複数の区域の各々について、進入を制限する仕様を表す制限仕様情報を紐づけるように更新しながら管理する区域管理部と、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記制限仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断する判断部と、
前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、
を備える、
セキュリティシステム。
(付記13)
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域のいずれかであるエレベーターの利用を管理するエレベーター管理装置と、
移動体管理装置と、
を備え、
前記移動体管理装置は、
前記複数の区域の各々について、進入を制限する仕様を表す制限仕様情報を紐づけるように更新しながら管理する区域管理部と、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記制限仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断する判断部と、
前記判断部が判断する前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、
を備える、
セキュリティシステム。
(付記14)
コンピュータが、
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、
前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、
を実行する、移動体管理方法。
(付記15)
コンピュータに、
施設を移動する自律移動体が進入しうる前記施設の複数の区域の各々について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理することと、
前記複数の区域の各々に紐づけられた前記禁止仕様情報、および前記自律移動体の仕様に基づいて、前記複数の区域の各々への前記自律移動体の進入可否を判断することと、
前記複数の区域の各々への進入可否に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索することと、
を実行させる、移動体管理プログラム。
【符号の説明】
【0161】
1 セキュリティシステム、 2 自律移動体、 3 移動体管理装置、 4 区域、 5 入退管理装置、 6 エレベーター管理装置、 7 記憶部、 8 区域管理部、 9 判断部、 10 経路探索部、 11 移動体制御部、 12 経路計画部、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 専用ハードウェア
【要約】 (修正有)
【課題】施設のセキュリティ性を保ちながら自律移動体をより効率的に稼働させられるように自律移動体の移動を管理する移動体管理装置、セキュリティシステム、移動体管理方法、および移動体管理プログラムを提供する。
【解決手段】セキュリティシステム1の移動体管理装置3は、区域管理部8と、判断部9と、経路探索部10と、を備える。区域管理部8は、自律移動体2が稼働する施設の各々の区域4について、進入を禁止する仕様を表す禁止仕様情報を紐づけるように更新しながら管理する。判断部9は、各々の区域4に紐づけられた禁止仕様情報および自律移動体2の仕様に基づいて、各々の区域4への自律移動体2の進入可否を判断する。経路探索部10は、判断部9が判断する各々の区域4への進入可否に基づいて、自律移動体2が施設を移動する経路を探索する。
【選択図】
図2