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特許7448105雨水利用システム、制御装置、洗浄方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】雨水利用システム、制御装置、洗浄方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   E03B 3/02 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
E03B3/02 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023579349
(86)(22)【出願日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 JP2023037180
【審査請求日】2023-12-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】金尾 祥陛
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-227849(JP,A)
【文献】特開2013-133678(JP,A)
【文献】特開2021-004461(JP,A)
【文献】特開2007-146638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器と、
前記便器からの汚水が流れる汚水配管と、
雨水を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された雨水を前記便器及び前記汚水配管に供給する雨水供給部と、
前記雨水供給部を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記貯留部の水位を示す水位情報を取得する水位情報取得部と、
前記貯留部が配置される地域における予測対象期間の気象予測情報を取得する気象予測情報取得部と、
前記水位情報と前記気象予測情報とに基づいて前記貯留部から前記汚水配管に雨水を前記予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、その判定結果に基づいて前記雨水供給部を制御する雨水供給制御部と、を備える雨水利用システム。
【請求項2】
前記気象予測情報には、前記地域における前記予測対象期間の予測雨量が含まれ、
前記雨水供給制御部は、前記水位情報が示す水位が所定の水位閾値を超え、かつ、前記予測雨量が所定の雨量閾値を超えた場合に、前記汚水配管に雨水を供給すると判定する請求項1に記載の雨水利用システム。
【請求項3】
前記雨水供給制御部は、前記水位情報と前記気象予測情報とに基づいて、前記雨水供給部を制御して前記貯留部から前記便器に供給される雨水で前記便器を洗浄する頻度を調整する請求項1又は2に記載の雨水利用システム。
【請求項4】
便器と、前記便器からの汚水が流れる汚水配管と、雨水を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留された雨水を前記便器及び前記汚水配管に供給する雨水供給部と、を備える雨水利用システムにおいて前記雨水供給部を制御する制御装置であって、
前記貯留部の水位を示す水位情報を取得する水位情報取得部と、
前記貯留部が配置される地域における予測対象期間の気象予測情報を取得する気象予測情報取得部と、
前記水位情報と前記気象予測情報とに基づいて前記貯留部から前記汚水配管に雨水を前記予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、その判定結果に基づいて前記雨水供給部を制御する雨水供給制御部と、を備える制御装置。
【請求項5】
便器と、前記便器からの汚水が流れる汚水配管と、雨水を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留された雨水を前記便器及び前記汚水配管に供給する雨水供給部と、を備える雨水利用システムにおいて前記汚水配管を洗浄する洗浄方法であって、
前記貯留部の水位を示す水位情報を取得する水位情報取得ステップと、
前記貯留部が配置される地域における予測対象期間の気象予測情報を取得する気象予測情報取得ステップと、
前記水位情報と前記気象予測情報とに基づいて前記貯留部から前記汚水配管に雨水を前記予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、その判定結果に基づいて前記雨水供給部を制御する雨水供給制御ステップと、を含む洗浄方法。
【請求項6】
便器と、前記便器からの汚水が流れる汚水配管と、雨水を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留された雨水を前記便器及び前記汚水配管に供給する雨水供給部と、を備える雨水利用システムにおいて前記雨水供給部を制御する制御装置に、
前記貯留部の水位を示す水位情報を取得する水位情報取得処理と、
前記貯留部が配置される地域における予測対象期間の気象予測情報を取得する気象予測情報取得処理と、
前記水位情報と前記気象予測情報とに基づいて前記貯留部から前記汚水配管に雨水を前記予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、その判定結果に基づいて前記雨水供給部を制御する雨水供給制御処理と、を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水利用システム、制御装置、洗浄方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、雨水を貯蓄し、利用するシステムが知られている。例えば特許文献1には、取得した気象情報に基づいて、所定の期間の雨水利用計画を設定するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-116579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、貯留部に貯留された雨水を便器の洗浄に利用する設備において、便器の洗浄用の雨水の使用量を抑え、節水する場合があるが、便器から汚水配管に流れる水が少なくなり、汚物が汚水配管等に付着しやすくなる。この付着した汚物の影響により、汚水配管が傷み、劣化するおそれがある。
【0005】
本発明は、貯留部に貯留された雨水を便器の洗浄に利用する設備において、便器からの汚水が流れる汚水配管の劣化を抑制するとともに、貯留部内の雨水の貯留空間及び該貯留部に貯留された雨水をより効率的に利用できる雨水利用システム、制御装置、洗浄方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)雨水利用システムは、便器と、前記便器からの汚水が流れる汚水配管と、雨水を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留された雨水を前記便器及び前記汚水配管に供給する雨水供給部と、前記雨水供給部を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記貯留部の水位を示す水位情報を取得する水位情報取得部と、前記貯留部が配置される地域における予測対象期間の気象予測情報を取得する気象予測情報取得部と、前記水位情報と前記気象予測情報とに基づいて前記貯留部から前記汚水配管に雨水を前記予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、その判定結果に基づいて前記雨水供給部を制御する雨水供給制御部と、を備える。
【0007】
(2)(1)に記載の雨水利用システムにおいて、前記気象予測情報には、前記地域における前記予測対象期間の予測雨量が含まれ、前記雨水供給制御部は、前記水位情報が示す水位が所定の水位閾値を超え、かつ、前記予測雨量が所定の雨量閾値を超えた場合に、前記汚水配管に雨水を供給すると判定する。
【0008】
(3)(1)又は(2)に記載の雨水利用システムにおいて、前記雨水供給制御部は、前記水位情報と前記気象予測情報とに基づいて、前記雨水供給部を制御して前記貯留部から前記便器に供給される雨水で前記便器を洗浄する頻度を調整する。
【0009】
(4)制御装置は、便器と、前記便器からの汚水が流れる汚水配管と、雨水を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留された雨水を前記便器及び前記汚水配管に供給する雨水供給部と、を備える雨水利用システムにおいて前記雨水供給部を制御する制御装置であって、前記貯留部の水位を示す水位情報を取得する水位情報取得部と、前記貯留部が配置される地域における予測対象期間の気象予測情報を取得する気象予測情報取得部と、前記水位情報と前記気象予測情報とに基づいて前記貯留部から前記汚水配管に雨水を前記予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、その判定結果に基づいて前記雨水供給部を制御する雨水供給制御部と、を備える。
【0010】
(5)洗浄方法は、便器と、前記便器からの汚水が流れる汚水配管と、雨水を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留された雨水を前記便器及び前記汚水配管に供給する雨水供給部と、を備える雨水利用システムにおいて前記汚水配管を洗浄する洗浄方法であって、前記貯留部の水位を示す水位情報を取得する水位情報取得ステップと、前記貯留部が配置される地域における予測対象期間の気象予測情報を取得する気象予測情報取得ステップと、前記水位情報と前記気象予測情報とに基づいて前記貯留部から前記汚水配管に雨水を前記予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、その判定結果に基づいて前記雨水供給部を制御する雨水供給制御ステップと、を含む。
【0011】
(6)プログラムは、便器と、前記便器からの汚水が流れる汚水配管と、雨水を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留された雨水を前記便器及び前記汚水配管に供給する雨水供給部と、を備える雨水利用システムにおいて前記雨水供給部を制御する制御装置に、前記貯留部の水位を示す水位情報を取得する水位情報取得処理と、前記貯留部が配置される地域における予測対象期間の気象予測情報を取得する気象予測情報取得処理と、前記水位情報と前記気象予測情報とに基づいて前記貯留部から前記汚水配管に雨水を前記予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、その判定結果に基づいて前記雨水供給部を制御する雨水供給制御処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、貯留部に貯留された雨水を便器の洗浄に利用する設備において、便器からの汚水が流れる汚水配管の劣化を抑制するとともに、貯留部内の雨水の貯留空間及び該貯留部に貯留された雨水をより効率的に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る雨水利用システムを示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る雨水利用システムにおいて雨水利用制御を実行する制御装置を含むハードウェアの構成及び制御装置の機能的構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る雨水利用システムの制御装置が実行する雨水利用制御の一例を示すフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る雨水利用システムの制御装置が実行する雨水利用制御の一例を示すフローチャートである
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0015】
本実施形態に係る雨水利用システム1について図1を参照しながら説明する。図1は、雨水利用システム1を示す模式図である。
【0016】
雨水利用システム1は、建物2や屋外トイレ等の設備に設けられた水洗式の便器31の洗浄等に雨水を利用するためのシステムである。本実施形態では、建物2内に設けられた便器31の洗浄用の雨水利用システム1を例に説明する。
【0017】
まず、雨水利用システム1が適用される建物2について説明する。図1に示すように、建物2には、その内部に浴室20と、洗面所40と、トイレ30と、台所50と、が設けられる。また建物2の敷地内には、その地面Gの下に汚水配管3と汚水桝4とが設けられる。
【0018】
汚水配管3は、建物2の屋外の地面Gから建物2の下を通り、建物2の敷地外の下水本管5に接続される配管である。汚水配管3には、トイレ30等からの汚水等が流れる。
【0019】
汚水桝4は、建物2の屋外の地面Gに設けられ、汚水配管3等を点検するための桝である。汚水桝4は、分岐配管35を介して汚水配管3に接続される。汚水桝4には、後述する雨水供給機構70の第1雨水供給ライン73が配置される。
【0020】
浴室20には、浴槽21と、浴室20内の水を排出する排水口22と、が設けられる。排水口22は、浴室排水管23を介して汚水配管3に接続される。浴室20内の水は、排水口22及び浴室排水管23を流れ、汚水配管3に排出される。
【0021】
洗面所40には、底部に排水口42を有する洗面台41が設けられる。排水口42は、洗面台排水管43を介して汚水配管3に接続される。洗面台41から流れた水は、排水口42及び洗面台排水管43を流れ、汚水配管3に排出される。
【0022】
台所50には、底部に排水口52を有するシンク51等が設けられる。排水口52は、シンク排水管53を介して汚水配管3に接続される。シンク51から流れた水は、排水口52及びシンク排水管53を流れ、汚水配管3に排出される。
【0023】
トイレ30には、汚物を水で流して洗浄する水洗式の便器31が設けられる。便器31は、便器本体32と、便器本体32に洗浄水としての雨水を供給する自動洗浄機構33と、を備える。
【0024】
便器本体32は、洗浄水が供給されて汚物を便器排水管34に排出する。便器排水管34は、その一端が便器本体32に接続され、他端が汚水配管3に接続される。便器本体32内の汚物は、洗浄水によって便器排水管34を介して汚水配管3へ排出される。
【0025】
便器排水管34は、汚水配管3における浴室排水管23及び洗面台排水管43よりも下流側(下水本管5側)で汚水配管3に接続される。この位置関係により、便器31からの汚水が流れた汚水配管3に対して、浴室20や洗面所40から排水を流すことができる。
【0026】
自動洗浄機構33は、後述する雨水供給機構70の第2雨水供給ラインが接続される。自動洗浄機構33は、制御装置80からの制御信号に基づく所定の時間間隔で、第2雨水供給ラインから供給される雨水で便器本体32を自動洗浄するとともに、便器排水管34へ雨水を流す。これにより、便器本体32及び便器排水管34内の細菌の増殖を防止できる。なお、自動洗浄機構33は、雨水供給機構70の一部でもある。
【0027】
次に、雨水利用システム1について図1及び図2を参照しながら説明する。図2は、雨水利用システム1において雨水利用制御を実行する制御装置80を含むハードウェアの構成及び制御装置80の機能的構成を示す図である。
【0028】
雨水利用システム1は、建物2の便器31及び汚水配管3と、貯留装置(貯留部)60と、雨水供給機構(雨水供給部)70と、制御装置80と、を備える。
【0029】
貯留装置60は、屋外に設けられ、雨水を収集し貯留することが可能な装置である。貯留装置60は、ろ過槽61と、雨水貯留槽62と、を備える。
【0030】
ろ過槽61は、その側壁に設けられた流入管63から流入する雨水を収集し、ろ過処理する槽である。ろ過槽61でろ過処理された雨水は、雨水貯留槽62に送られる。
【0031】
雨水貯留槽62は、ろ過処理された雨水を貯留する槽である。雨水貯留槽62には、その水位を検出する水位センサ65(図1では図示省略)が配置される。また雨水貯留槽62は、その側壁に設けられるオーバフロー管64を有する。雨水貯留槽62内の水位が所定の水位を超えた場合に、オーバフロー管64を介して雨水が外部に排出される。
【0032】
雨水供給機構70は、雨水貯留槽62に貯留された雨水を汚水配管3や便器31に供給する。雨水供給機構70は、第1雨水供給機構71と、第2雨水供給機構72と、を有する。
【0033】
第1雨水供給機構71は、雨水貯留槽62に貯留された雨水を汚水配管3に供給する。第1雨水供給機構71は、第1雨水供給ライン73と、第1ポンプ711(図1では図示省略)と、第1電磁弁712と、を備える。
【0034】
第1雨水供給ライン73は、その一端が雨水貯留槽62内に配置され、その他端が汚水桝4を介して汚水配管3内に配置される。第1雨水供給ライン73の一端には、雨水貯留槽62の底部付近に位置し、雨水貯留槽62内の雨水を吸入可能な吸引口74が設けられる。第1雨水供給ライン73の他端には、高圧水を排出可能な水洗ノズル75が設けられる。
【0035】
第1ポンプ711は、第1雨水供給ライン73に配置され、雨水貯留槽62内の雨水を汲み上げる装置である。第1ポンプ711は、雨水を吸引口74から汲み上げ、第1雨水供給ライン73を介して水洗ノズル75に供給する。第1ポンプ711の駆動は、制御装置80によって制御される。
【0036】
第1電磁弁712は、開度調整可能なバルブ等により構成され、第1雨水供給ライン73を流通する雨水の流量を調整する。第1電磁弁712は、第1雨水供給ライン73内における汚水桝4付近に配置される。第1ポンプ711によって雨水貯留槽62内の雨水が汲み上げられている状態で第1電磁弁712を開けると、雨水が第1雨水供給ライン73内を流れ、水洗ノズル75から汚水配管3に供給される。
【0037】
第2雨水供給機構72は、雨水貯留槽62に貯留された雨水を便器31に供給する。第2雨水供給機構72は、第2雨水供給ライン(図示省略)と、第2ポンプ721(図1では図示省略)と、第2電磁弁722(図1では図示省略)と、自動洗浄機構33と、を備える。
【0038】
第2雨水供給ラインは、その一端が雨水貯留槽62内に配置され、その他端が自動洗浄機構33に接続される。第2雨水供給ラインの一端には、雨水貯留槽62の底部付近に位置し、雨水貯留槽62内の雨水を吸入可能な吸引口(図示省略)が設けられる。
【0039】
第2ポンプ721は、第2雨水供給ラインに配置され、雨水貯留槽62内の雨水を汲み上げる装置である。第2ポンプ721は、雨水を第2雨水供給ラインの吸引口から汲み上げ、第2雨水供給ラインの他端に供給する。第2ポンプ721の駆動は、制御装置80によって制御される。
【0040】
第2電磁弁722は、開度調整可能なバルブ等により構成され、第2雨水供給ラインに配置される。第2電磁弁722は、第2雨水供給ラインを流通する雨水の流量を調整する。第2ポンプ721によって雨水貯留槽62内の雨水が汲み上げられている状態で第2電磁弁722を開けると、雨水が第2雨水供給ライン内を流れ、便器31の自動洗浄機構33に供給される。
【0041】
制御装置80は、水位センサ65より検出された情報や外部から通信により取得した情報に基づいて、雨水供給機構70を制御して貯留装置60に貯留された雨水を建物2に供給する雨水利用制御を実行する。制御装置100による制御の詳細については後述する。
【0042】
ここで、貯留装置60等に貯留された雨水を便器31の洗浄に利用する設備では、貯留装置60の雨水貯留槽62等を大きくするほど、雨水の貯留空間が確保でき、渇水期等に有効である。しかしながら、貯留装置60を配置するスペースが制限されており、貯留装置60のサイズを大きくすることができない場合もある。この場合、トイレの洗浄用の雨水の使用量を抑え、節水する方法があるが、便器31から汚水配管3に流れる水が少なくなり、汚物が汚水配管3等に付着しやすくなる。この付着した汚物の影響により、汚水配管3が傷み、劣化するおそれがある。本実施形態の雨水利用システム1の雨水利用制御によれば、汚水配管3の劣化を抑制するとともに、貯留装置60の貯留空間及び貯留装置60に貯留された雨水をより効率的に利用できる。
【0043】
次に、雨水利用制御を行う制御装置80のハードウェアの構成について説明する。図2に示すように制御装置80は、通信部82と、入力部83と、記憶部84と、処理部81と、を備える。
【0044】
通信部82は、雨水供給機構70や水位センサ65、建物2に設けられるその他機器や外部装置との間で行う通信を制御する。例えば通信部82は、水位センサ65から検出信号を受信し、雨水供給機構70に制御信号を送信する。また、通信部82は、インターネット等のネットワークを介する通信等によって外部装置から情報を受信する。
【0045】
入力部83は、例えばタッチパネルやキー等の各種のボタン、マイク等の入力デバイスで構成され、ユーザの操作を受け付ける。
【0046】
記憶部84は、ハードウェア群を制御装置80として機能させるための各種プログラム、及び各種データなどの記憶領域であり、ROM、RAM、フラッシュメモリ、半導体ドライブ(SSD)又はハードウェア(HDD)などで構成することができる。具体的には、記憶部84は、本実施形態の各機能を処理部81に実行させるためのプログラム、雨水利用制御の制御プログラム、後述する水位閾値、雨量閾値等の基準値が記憶される。なお、これらの基準値は、ユーザが適宜設定できる。
【0047】
処理部81は、プロセッサによって構成される演算装置であり、記憶部84から各種プログラム、データを読み込んで所定のデータ処理を実行する。プロセッサは、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、VPU(vision processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)等である。
【0048】
処理部81は、図2に示すように、水位情報取得部811と、気象予測情報取得部812と、雨水供給制御部813と、を備える。
【0049】
水位情報取得部811は、貯留装置60の水位を示す水位情報を取得する処理を実行する。本実施形態の水位情報取得部811は、通信部82を介して、水位センサ65によって検出された雨水貯留槽62の水位を水位情報として取得する。
【0050】
気象予測情報取得部812は、貯留装置60が配置される地域における予測対象期間の気象予測情報を取得する処理を実行する。気象予測情報取得部812は、例えばインターネット等を介する通信によって気象予測情報を保有する外部装置等から取得してもよく、ユーザが入力部83を介して入力した情報を気象予測情報として取得してもよい。気象予測情報は、例えば気象庁等の気象観測所の発表値であってもよい。
【0051】
予測対象期間の気象予測情報とは、将来のある期間の気象情報を意味し、例えば現時点から半日後の1時間の気象情報であってもよく、翌日の1日の間の気象情報であってもよい。また気象予測情報の種類としては、例えば晴天、雨天、曇天、大雨警報等の天気の種類を示す情報であってよく、予測雨量等の具体的な数値を含む情報であってもよい。本実施形態の気象予測情報取得部812によって取得される気象予測情報には、貯留装置60が配置される地域における予測対象期間の予測雨量(以下、予測雨量Rという)が含まれる。
【0052】
雨水供給制御部813は、水位情報取得部811によって取得された水位情報(以下、水位Wという)と気象予測情報取得部812によって取得された気象予測情報とに基づいて、貯留装置60に貯留された雨水の建物2への供給を制御する雨水利用制御を実行する。雨水供給制御部813は、第1雨水供給制御部814と第2雨水供給制御部815とを有する。
【0053】
第1雨水供給制御部814は、貯留装置60の水位Wと気象予測情報とに基づいて、貯留装置60から汚水配管3に雨水を予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、その判定結果に基づいて第1雨水供給機構71を制御する。
【0054】
例えば雨水供給制御部813は、水位Wが水位閾値を超え、かつ、予測対象期間の気象予測情報が雨天を示す場合に、予測対象期間よりも前に汚水配管3に雨水を供給すると判定してもよい。例えば第1雨水供給制御部814は、水位Wが所定の水位閾値(以下、第1水位閾値という)を超え、かつ、予測雨量Rが所定の雨量閾値を超えた場合に、予測対象期間よりも前に汚水配管3に雨水を供給すると判定してもよい。第1水位閾値としては、特に限定されず、例えば雨水貯留槽62の雨水の貯留可能容量を示す水位であってもよく、貯留可能容量の半分の容量を示す水位であってもよく、80%の容量を示す水位であってもよく、90%の容量を示す水位であってもよい。雨量閾値としては、特に限定されず、例えば1日あたり50mmの雨量であってもよく、50mm未満の雨量であってよく、50mmを超える雨量であってもよい。
【0055】
第1雨水供給制御部814は、貯留装置60から汚水配管3に雨水を予測対象期間よりも前に供給すると判定した場合、予測対象期間が到来するまでに第1雨水供給機構71を制御して雨水貯留槽62から第1雨水供給ライン73を介して汚水配管3に雨水を供給する。このとき、第1雨水供給制御部814は、第1ポンプ711の駆動及び第1電磁弁712の開度を調整する制御して、水洗ノズル75から下水本管5に向かって(図1の矢印Fの方向)所定の流量及び水圧で汚水配管3に雨水を供給する。この結果、雨水貯留槽62に貯留された雨水により、汚水配管3に付着した汚物を除去するように汚水配管3を洗浄できる。所定の流量及び所定の水圧は、汚水配管3に付着した汚物を除去できる程度の値であることが好ましい。例えば所定の流量は500L/時以上の流量であってもよく、所定の水圧は10MPa以上の水圧であってもよい。
【0056】
なお、第1雨水供給制御部814が雨水貯留槽62から汚水配管3への雨水の供給を開始するタイミングは特に限定されない。例えば、予測対象期間が到来する1時間前であってもよく、半日前であってもよく、一日前であってもよい。また第1雨水供給制御部814は、汚水配管3への雨水の供給を開始してから雨水貯留槽62の水位が所定の水位閾値(以下、第2水位閾値という)未満になるまで汚水配管3への雨水の供給を繰り返してもよい。第2水位閾値は、第1水位閾値未満であれば特に限定されず、例えば雨水貯留槽62の雨水の貯留可能容量の半分の容量を示す水位であってもよく、20%の容量を示す水位であってもよく、10%の容量を示す水位であってもよい。
【0057】
第2雨水供給制御部815は、貯留装置60の水位Wと気象予測情報とに基づいて、第2雨水供給機構を制御して貯留装置60から便器31に雨水を供給し、供給した雨水で便器31を洗浄する頻度を調整する。本実施形態では、第2雨水供給制御部815は、第2ポンプ721及び自動洗浄機構33の駆動、第2電磁弁722の開度を制御することで、便器31の洗浄頻度が低い第1洗浄モードと、便器31の洗浄頻度が高い第2洗浄モードとに切り替えて便器31を洗浄する頻度を調整する。
【0058】
例えば、第2雨水供給制御部815は、水位Wが第1水位閾値を超える場合、第2洗浄モードに切り替えてもよい。一方で、第2雨水供給制御部815は、水位Wが第1水位閾値以下である場合、気象予測情報が示す予測雨量Rが雨量閾値以下であれば第1洗浄モードに切り替え、予測雨量Rが雨量閾値を超えれば第2洗浄モードに切り替えてもよい。
【0059】
次に、制御装置80の処理部81が実行する雨水利用制御の一例について図3及び図4を参照しながら説明する。図3及び図4は、雨水利用システム1の制御装置80が実行する雨水利用制御の一例を示すフローチャートである。
【0060】
図3に示すように、ステップS11において、水位情報取得部811は、水位センサ65によって検出された雨水貯留槽62の水位を水位情報として取得する。
【0061】
ステップS12において、気象予測情報取得部812は、通信部82を介して貯留装置60が配置される地域における予測対象期間の予測雨量Rを含む気象予測情報を取得する。
【0062】
ステップS13において、第1雨水供給制御部814は、ステップS11で取得した水位Wが第1水位閾値を超えるか否かを判定する。第1雨水供給制御部814は、水位Wが第1水位閾値未満であると判定した場合(ステップS13でNO)、処理をステップS14に移行する。一方で、第1雨水供給制御部814は、水位Wが第1水位閾値を超えると判定した場合(ステップS13でYES)、処理をステップS21に移行する。ステップS21の処理については後述する。
【0063】
ステップS14において、第2雨水供給制御部815は、ステップS12で取得した予測雨量Rが雨量閾値を超えるか否かを判定する。第2雨水供給制御部815は、予測雨量Rが雨量閾値以下であると判定した場合(ステップS14でNO)、処理をステップS15に移行する。そして、第2雨水供給制御部815は、自動洗浄機構33が行う便器31の洗浄頻度を頻度が低い第1洗浄モードに切り替え、その後雨水利用制御を終了する。一方で、第2雨水供給制御部815は、予測雨量Rが雨量閾値を超えると判定した場合(ステップS14でYES)、処理をステップS16に移行する。
【0064】
ステップS16において、第2雨水供給制御部815は、自動洗浄機構33が行う便器31の洗浄頻度を頻度が高い第2洗浄モードに切り替える。
【0065】
ステップS17において、処理部81は、ステップS16のイベントが発生してから所定の時間経過したか否かを判定し、所定の時間経過した場合に処理をステップS18に進める。
【0066】
ステップS18において、水位情報取得部811は、水位センサ65によって検出された雨水貯留槽62の水位を水位情報として取得する。
【0067】
ステップS19において、ステップS18で取得した水位Wが第1水位閾値を超えるか否かを判定する。第1雨水供給制御部814は、水位Wが第1水位閾値を超えると判定した場合(ステップS19でYES)、処理をステップS20に移行し、水位Wが第1水位閾値以下であると判定した場合(ステップS19でNO)、処理をステップS21に移行する。
【0068】
ステップS20において、第1雨水供給制御部814は、ステップS12で取得した予測雨量Rについての予測対象期間が到来するまでに第1雨水供給機構71を制御して雨水貯留槽62から汚水配管3に雨水を供給する。その後、処理部81は、雨水利用制御を終了する。
【0069】
ステップS21において、雨水供給制御部813は、予測対象期間が経過したか否かを判定する。雨水供給制御部813は、予測対象期間が経過していない判定した場合(ステップS21でNO)、ステップS16のイベントが発生してから経過した経過時間の合計を「0」にリセットした後に、処理をステップS17に戻す。一方で、雨水供給制御部813は、予測対象期間が経過したと判定した場合(ステップS21でYES)、処理をステップS22に移行する。
【0070】
ステップS22において、第2雨水供給制御部815は、自動洗浄機構33が行う便器31の洗浄頻度を頻度が低い第1洗浄モードに切り替える。その後、処理部81は、雨水利用制御を終了する。
【0071】
図4に示すように、ステップS23において、第2雨水供給制御部815は、自動洗浄機構33が行う便器31の洗浄頻度を頻度が高い第2洗浄モードに切り替える。
【0072】
ステップS24において、第1雨水供給制御部814は、ステップS12で取得した予測雨量Rが雨量閾値を超えるか否かを判定する。第1雨水供給制御部814は、予測雨量Rが雨量閾値以下であると判定した場合(ステップS24でNO)、雨水利用制御を終了する。一方で、第1雨水供給制御部814は、予測雨量Rが雨量閾値を超えると判定した場合(ステップS24でYES)、処理をステップS25に移行する。
【0073】
ステップS25において、第1雨水供給制御部814は、ステップS12で取得した予測雨量Rについての予測対象期間が到来するまでに第1雨水供給機構71を制御して雨水貯留槽62から汚水配管3に雨水を供給する。その後、処理部81は、雨水利用制御を終了する。なお、処理部81は、所定の間隔で図3及び図4に示す雨水利用制御を繰り返す。
【0074】
以上説明した実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
【0075】
本実施形態に係る雨水利用システム1は、便器31と、便器31からの汚水が流れる汚水配管3と、雨水を貯留する貯留装置60と、貯留装置60に貯留された雨水を便器31及び汚水配管3に供給する雨水供給機構70と、雨水供給機構70を制御する制御装置80と、を備え、制御装置80は、貯留装置60の水位を示す水位情報を取得する水位情報取得部811と、貯留装置60が配置される地域における予測対象期間の気象予測情報を取得する気象予測情報取得部812と、水位情報と気象予測情報とに基づいて貯留装置60から汚水配管3に雨水を予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、その判定結果に基づいて雨水供給機構70を制御する雨水供給制御部813と、を備える。
【0076】
ここで、貯留装置60に貯留された雨水を便器31の洗浄に利用する設備では、便器31の洗浄用の雨水の使用量を抑えて節水する場合、便器31から汚水配管3に流れる水が少なくなり、汚物が汚水配管3等に付着しやすくなる。汚水配管3に付着した汚物を放置すると、汚水配管3が劣化するおそれがある。
【0077】
本実施形態の雨水利用システム1では、貯留装置60の水位と予測対象期間の気象予測情報に基づいて、予測対象期間が到来する前に貯留装置60から汚水配管3に雨水を供給するか否かを判定し、判定結果に基づいて処理を行う。例えば、貯留装置60の水位が高い状態で、雨天になると予測されている場合に、貯留装置60に貯留された雨水を雨が降る前に前もって汚水配管3に流すことができる。これにより、汚水配管3に付着した汚物を除去するように雨水で汚水配管3を洗浄でき、汚水配管3の劣化を抑制できる。また、雨が降る前に、貯留装置60の水位を下げて貯留装置60の治水機能を高めることができ、大雨の場合の洪水防止に寄与することができる。よって、汚水配管3の劣化を抑制するとともに、貯留装置60内の雨水の貯留空間及び該貯留装置60に貯留された雨水をより効率的に利用できる。
【0078】
また本実施形態に係る雨水利用システム1において、気象予測情報には、地域における予測対象期間の予測雨量が含まれ、雨水供給制御部813は、水位情報が示す水位が所定の第1水位閾値を超え、かつ、予測雨量が所定の雨量閾値を超えた場合に、汚水配管3に雨水を供給すると判定する。
【0079】
これにより、貯留装置60の水位が所定の第1水位閾値を超え、かつ、予測雨量が所定の雨量閾値を超えた場合に、前もって貯留装置60に貯留された雨水で汚水配管3を洗浄できるとともに、貯留装置60の治水機能を高めることができる。
【0080】
また本実施形態に係る雨水利用システム1において、雨水供給制御部813は、水位情報と気象予測情報とに基づいて、雨水供給機構70を制御して貯留装置60から便器31に供給される雨水で便器31を洗浄する頻度を調整する。
【0081】
これにより、貯留装置60の現時点での水位と気象予測情報に基づいて予測される水位とを考慮して、雨水をより効率的に利用することができる。
【0082】
本実施形態に係る制御装置80は、便器31と、便器31からの汚水が流れる汚水配管3と、雨水を貯留する貯留装置60と、貯留装置60に貯留された雨水を便器31及び汚水配管3に供給する雨水供給機構70と、を備える雨水利用システム1において雨水供給機構70を制御する制御装置80であって、貯留装置60の水位を示す水位情報を取得する水位情報取得部811と、貯留装置60が配置される地域における予測対象期間の気象予測情報を取得する気象予測情報取得部812と、水位情報と気象予測情報とに基づいて貯留装置60から汚水配管3に雨水を予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、その判定結果に基づいて雨水供給機構70を制御する雨水供給制御部813と、を備える。
【0083】
本実施形態に係る洗浄方法は、便器31と、便器31からの汚水が流れる汚水配管3と、雨水を貯留する貯留装置60と、貯留装置60に貯留された雨水を便器31及び汚水配管3に供給する雨水供給機構70と、を備える雨水利用システム1において汚水配管3を洗浄する洗浄方法であって、貯留装置60の水位を示す水位情報を取得する水位情報取得ステップと、貯留装置60が配置される地域における予測対象期間の気象予測情報を取得する気象予測情報取得ステップと、水位情報と気象予測情報とに基づいて貯留装置60から汚水配管3に雨水を予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、その判定結果に基づいて雨水供給機構70を制御する雨水供給制御ステップと、を含む。
【0084】
本実施形態に係るプログラムは、便器31と、便器31からの汚水が流れる汚水配管3と、雨水を貯留する貯留装置60と、貯留装置60に貯留された雨水を便器31及び汚水配管3に供給する雨水供給機構70と、を備える雨水利用システム1において雨水供給機構70を制御する制御装置80に、貯留装置60の水位を示す水位情報を取得する水位情報取得処理と、貯留装置60が配置される地域における予測対象期間の気象予測情報を取得する気象予測情報取得処理と、水位情報と気象予測情報とに基づいて貯留装置60から汚水配管3に雨水を予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、その判定結果に基づいて雨水供給機構70を制御する雨水供給制御処理と、を実行させる。
【0085】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
【0086】
上記実施形態では、便器排水管34は、汚水配管3における浴室排水管23及び洗面台排水管43よりも下流側で汚水配管3に接続されていたが、浴室排水管23及び洗面台排水管43よりも上流側で汚水配管3に接続されていてもよい。
【0087】
上記実施形態では、雨水供給制御部813は、第1雨水供給制御部814及び第2雨水供給制御部815を有する構成であったが、第2雨水供給制御部815を有しない構成であってもよい。即ち、雨水利用システム1は、水位情報と気象予測情報とに基づいて、貯留装置60から便器31に供給される雨水で便器を洗浄する頻度を調整しない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 雨水利用システム
3 汚水配管
21 便器
60 貯留装置
70 雨水供給機構(雨水供給部)
80 制御装置
811 水位情報取得部
812 気象予測情報取得部
813 雨水供給制御部
【要約】
貯留部に貯留された雨水を便器の洗浄に利用する設備において、便器からの汚水が流れる汚水配管の劣化を抑制するとともに、貯留部内の雨水の貯留空間及び該貯留部に貯留された雨水をより効率的に利用できる雨水利用システム、制御装置、洗浄方法及びプログラムを提供すること。雨水利用システム1は、便器31と、汚水配管3と、雨水を貯留する貯留装置60と、雨水を便器31及び汚水配管3に供給する雨水供給機構70と、雨水供給機構70を制御する制御装置80と、を備え、制御装置80は、貯留装置60の水位情報を取得する水位情報取得部811と、予測対象期間の気象予測情報を取得する気象予測情報取得部812と、水位情報と気象予測情報とに基づいて貯留装置60から汚水配管3に雨水を予測対象期間よりも前に供給するか否かを判定し、雨水供給機構70を制御する雨水供給制御部813と、を備える。
図1
図2
図3
図4