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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】ハンドドライヤ
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/48 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A47K10/48 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022545764
(86)(22)【出願日】2021-08-31
(86)【国際出願番号】 JP2021031872
(87)【国際公開番号】W WO2022045347
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】63/072,302
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515165650
【氏名又は名称】株式会社 Air Labo
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉野 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】淺見 潤
(72)【発明者】
【氏名】小野 和宏
(72)【発明者】
【氏名】永木 秀明
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/057597(WO,A1)
【文献】特開2005-342496(JP,A)
【文献】国際公開第2018/179085(WO,A1)
【文献】米国特許第6038786(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/00 - 10/14
A47K 10/18 - 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥室と、
上下に延びる第1方向において、前記乾燥室よりも下方に配置される送風室と、
前記乾燥室の下部と前記送風室とを連通する筒状のダクトと、
前記乾燥室の上部と前記送風室とを連通する少なくとも一つのホースと、を有し、
前記乾燥室の上部には、前記第1方向に開口し、外部と連通する乾燥室開口が構成され、
前記乾燥室は、前記第1方向と直交する第2方向の両側と、前記第1方向及び前記第2方向の両方と直交する第3方向の両側と、を囲み、前記第1方向に延びる側壁を有し、
前記送風室には、前記ホースを介して下方から上方に向かって気流を発生させる送風装置が配置され、
前記ダクトは、
前記乾燥室の下部と連通し、前記第2方向に幅広なダクト上部と、
前記ダクト上部の下部から前記第3方向成分を含む方向に延び、前記第2方向に幅広なダクト接続部と、
前記ダクト接続部と連通し、前記ダクト接続部よりも下方に配置されて前記第2方向に幅広なダクト下部と、を有し、
前記ダクト接続部は、前記ダクト上部の下端から前記第1方向に向かうに従って第3方向に屈曲し、
前記ダクト下部の前記第2方向の幅は、前記ダクト上部の前記第2方向の幅の40%以上70%以下である、ハンドドライヤ。
【請求項2】
前記ダクト接続部における前記第2方向の幅は、前記ダクト上部から前記ダクト下部に向かうにつれて連続的に狭くなり、
前記ダクト接続部における前記第2方向の幅の最小値は、前記ダクト下部の前記第2方向の幅と同一である、請求項1に記載のハンドドライヤ。
【請求項3】
前記ダクト下部の前記第2方向の幅は、前記送風室の前記第2方向の幅の50%以上である、請求項1又は請求項2に記載のハンドドライヤ。
【請求項4】
前記ホースは、
前記送風室と連通するホース下部と、
前記乾燥室と連通するホース上部と、
前記ホース下部と前記ホース上部とを接続するホース接続部と、を有し、
前記ホース接続部の外筒部は、前記ホース下部から前記ホース上部に向かって、滑らかに湾曲している、請求項1~請求項3のいずれかに記載のハンドドライヤ。
【請求項5】
前記ホースの外径は、前記ダクト下部の前記第2方向の幅の15%以上20%以下である、請求項1~請求項4のいずれかに記載のハンドドライヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドドライヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のハンドドライヤは、上部に開口部が開口し、開口部から挿入した手を囲む側壁を有する手挿入空間を備える。側壁には空気が吹出すノズルが配置され、手挿入空間は、排水路(ダクト)を介して高圧空気発生装置が配置される送風室に連通する。
【0003】
高圧空気発生装置の駆動により発生した空気は、ノズルから吹出され、手指に付着した水分を吹き飛ばす。吹き飛ばされた水滴を含む気流は、排水路を流通する。(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-000348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたハンドドライヤは、手挿入空間で吹き飛ばされた水滴を含む気流が排水路内で円滑に流通し難く、送風効率が低くなる可能性があった。
【0006】
本発明は、ダクト内の送風効率を向上できるハンドドライヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的なハンドドライヤは、乾燥室と、送風室と、ダクトと、ホースと、を有する。送風室は、上下に延びる第1方向において、乾燥室よりも下方に配置される。ダクトは、乾燥室の下部と送風室とを連通する筒状である。ホースは、乾燥室の上部と送風室とを連通して少なくとも一つ設けられる。乾燥室の上部には、第1方向に開口し、外部と連通する乾燥室開口が構成される。乾燥室は、第1方向と直交する第2方向の両側と、第1方向及び第2方向の両方と直交する第3方向の両側と、を囲み、第1方向に延びる側壁を有する。送風室には、ホースを介して下方から上方に向かって気流を発生させる送風装置が配置される。ダクトは、ダクト上部と、ダクト接続部と、ダクト下部と、を有する。ダクト上部は、乾燥室の下部と連通し、第2方向に幅広である。ダクト接続部は、ダクト上部の下部から第3方向成分を含む方向に延び、第2方向に幅広である。ダクト下部は、ダクト接続部と連通し、ダクト接続部よりも下方に配置されて第2方向に幅広である。ダクト下部の第2方向の幅は、ダクト上部の第2方向の幅の40%以上70%以下である。
【発明の効果】
【0008】
例示的な本発明によれば、ダクト内の送風効率を向上できるハンドドライヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るハンドドライヤの斜視図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係るハンドドライヤの斜視図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係るハンドドライヤの正面図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態に係るハンドドライヤの側面図である。
図5図5は、本発明の第2実施形態に係るハンドドライヤの斜視図である。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係るハンドドライヤの側面断面図である。
図7図7は、本発明の第2実施形態に係るハンドドライヤの一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面においては、適宜、3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向(すなわち上下方向)を示し、+Z方向が上側(重力方向の反対側)であり、-Z方向が下側(重力方向)である。Z軸方向は、後述する側壁12の延びる方向でもある。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向を指し、その一方向および逆方向を、それぞれ+X方向および-X方向とする。Y軸方向は、Z軸方向およびX軸方向の両方向と直交する方向を指し、その一方向および逆方向を、それぞれ+Y方向および-Y方向とする。ただし、これは、あくまで説明の便宜のために方向を定義したものであって、本発明に係るハンドドライヤ1の製造時及び使用時の向きを限定するものではない。つまり、鉛直方向と上下方向は互いに異なる方向であってもよく、ハンドドライヤ1を設置する向きは任意に選択可能である。
【0011】
<第1実施形態>
(1.ハンドドライヤの構成)
図1図2は、本発明の例示的な第1実施形態に係るハンドドライヤ1の斜視図であり、図2は、カバー70を外した状態を示す。図3図4は、ハンドドライヤ1の正面図及び側面図であり、カバー70を外した状態を示す。ハンドドライヤ1は、例えば、洗面所内における洗面台の近傍に設置して、洗浄後の手の乾燥に用いる。なお、洗面所に限らず、病院や工場等において、洗浄後の手指を衛生的に乾燥する必要がある場所に設置してもよい。
【0012】
ハンドドライヤ1は、乾燥室10と、送風室20と、ダクト30と、ホース40a、40bと、送風装置50と、ベース60と、カバー70と、を有する。カバー70は、上面が開口する筒状であり、乾燥室10、送風室20、ダクト30、ホース40a、40b及びベース60の外側面を囲む。ベース60は、箱状に形成され、ハンドドライヤ1の設置面に固定される。なお、カバー70の背面を、例えば、洗面所などの壁面に取り付けてもよい。
【0013】
乾燥室10は、側壁12を有し、上部に乾燥室開口13が開口する。乾燥室開口13は、第1方向(Z方向)に開口し、外部と連通する。乾燥室開口13の近傍には、手の挿入を検知するセンサ(不図示)が設置されている。
【0014】
側壁12は、乾燥室開口13に挿入された手を囲む。側壁12は、第1方向(Z方向)と直交する第2方向(X方向)の両側と、第1方向(Z方向)及び第2方向(X方向)の両方と直交する第3方向(Y方向)の両側と、を囲み、第1方向(Z方向)に延びる。
【0015】
本実施形態では、側壁12は、前面壁121と、背面壁122と、側面壁123、124と、で構成される。側壁12の第1方向一方(+Z方向)側に乾燥室開口13が開口する。側壁12の第1方向他方(-Z方向)側に流入口31aが開口する。
【0016】
前面壁121及び背面壁122は第3方向(Y方向)に対向する。側面壁123及び側面壁124は第2方向(X方向)に対向する。前面壁121と、背面壁122と、側面壁123、124とは、第1方向(Z方向)に拡がる。
【0017】
前面壁121は、傾斜部121aを有する。傾斜部121aは、第1方向他方(-Z方向)に向かうに従って第3方向一方(+Y方向)側に傾斜する。傾斜部121aは、気流を円滑に第1方向他方(-Z方向)に案内できる。
【0018】
また、背面壁122には、吹出口11が開口する。前面壁121にも同様に、吹出口(不図示)が開口する。第3方向(Y方向)に対向する各吹出口11から乾燥室10内に空気が吹出される。吹出口11を前面壁121及び背面壁122にそれぞれ設けることにより、乾燥室10内で乱流が発生することを抑制できる。また、吹出口11を側面壁123、124に設けてもよい。また、吹出口11を前面壁121及び背面壁122の一方のみに設けてもよい。
【0019】
ダクト30は、乾燥室10の下部と送風室20とを連通する筒状である。ダクト30は、乾燥室10から流入する空気を送風室20に戻す。
【0020】
ダクト30は、ダクト上部31と、ダクト接続部32と、ダクト下部33と、水受通路34と、を有する。ダクト上部31は、乾燥室10の下部と流入口31aを介して連通し、第2方向(X方向)に幅広である。ダクト接続部32は、ダクト上部31の下部から第3方向(Y方向)成分を含む方向に延び、第2方向(X方向)に幅広である。ダクト下部33は、ダクト接続部32と連通し、ダクト接続部32よりも下方に配置されて第2方向(X方向)に幅広である。
【0021】
本実施形態では、ダクト上部31は、流入口31aから第1方向他方(-Z方向)側に向かって第2方向(X方向)の幅が狭まりながら延びる。ダクト接続部32は、ダクト上部31の下端から第1方向他方(-Z方向)側に向かうに従って第3方向他方(-Y方向)側に屈曲する。ダクト下部33は、ダクト接続部32の下端から第1方向他方(-Z方向)側に直線状に延びる。
【0022】
ダクト下部33の第2方向(X方向)の幅L2は、ダクト上部31の第2方向(X方向)の幅L1の最大値の40%以上70%以下である。なお、本実施形態では、ダクト下部33の第2方向(X方向)の幅L2は一定であるが、第1方向他方(-Z方向)側に向かって第2方向(X方向)の幅が狭まりながら延びてもよい。
【0023】
これにより、ダクト30内でダクト上部31からダクト下部33に向かって水滴を含む気流を円滑に流通させることができる。従って、ダクト30内の送風効率を向上させることができ、ハンドドライヤ1の風量を増加させることができる。
【0024】
また、ダクト接続部32における第2方向(X方向)の幅は、ダクト上部31からダクト下部33に向かうにつれて連続的に狭くなり、ダクト接続部32における第2方向(X方向)の幅の最小値は、ダクト下部33の第2方向(X方向)の幅L2と同一である。これにより。ダクト接続部32からダクト下部33に向かって水滴を含む気流をより円滑に流通させることができる。また、ダクト接続部32において乱流が発生することを抑制し、ハンドドライヤ1の風量を増加させることができる。
【0025】
また、ダクト下部33の第2方向(X方向)の幅L2は、送風室20の第2方向(X方向)の幅L3の50%以上である。これにより。ダクト下部33から送風室20に向かって水滴を含む気流を円滑に流通させることができる。また、ダクト下部33内の流路抵抗を低減し、ハンドドライヤ1の風量を増加させることができる。
【0026】
水受通路34は、ダクト下部33に接続され、ベース60の内部に配置される。水受通路34には、水受トレイ34aが、設置されている。水受トレイ34aは、ダクト上部31と、ダクト接続部32と、ダクト下部33と、を介して滴下してくる水を内部に溜める。水受通路34のダクト下部33と反対側の端部は、送風室20に連結される。
【0027】
送風室20は、上下に延びる第1方向(Z方向)において、乾燥室10よりも下方に配置される。送風室20には、送風装置50が、配置される。送風装置50は、ホース40a、40bを介して下方から上方に向かって気流を発生させる。
【0028】
ホース40a、40bは、乾燥室10の上部と送風室20とを連通して少なくとも一つ設けられる。本実施形態では、2本設けられている。ホース40a、40bは、送風装置50の下流側に配置される。ホース40aの下流側の端部は、前面壁121に配置された吹出口(不図示)に連通する。ホース40bの下流側の端部は、背面壁122に配置された、吹出口11に連通する。
【0029】
ホース40aは、ホース下部41aと、ホース接続部41bと、ホース上部41cと、を有する。ホース下部41aは、送風室20と連通する。ホース上部41cは、乾燥室10と連通する。ホース接続部41bは、ホース下部41aとホース上部41cとを接続する。ホース接続部41bの外筒部は、ホース下部41aからホース上部41cに向かって、滑らかに湾曲している。これにより、ホース40a内でホース下部41aからホース上部41cに向かって気流を円滑に流通させることができる。また、ホース40a内で乱流が発生することを抑制できる。従って、ホース40a内の送風効率を向上させることができる。
【0030】
また、ホース40aの外径は、ダクト下部33の第2方向(X方向)の幅L2の15%以上20%以下である。これにより、ホース40a内の流路抵抗を低減し、ハンドドライヤ1の風量を増加させることができる。
【0031】
使用者が、乾燥室開口13から手を乾燥室10に挿入すると、センサ(不図示)が挿入された手を検知して、送風装置50を稼働する。送風装置50を駆動すると、乾燥室10内の空気が、流入口31aからダクト30に流入する。ダクト30に流入した空気は、送風室20及びホース40a、40bを通って吹出口11から乾燥室10に吹出す。これにより、乾燥室10内の空気が循環する。
【0032】
このとき、乾燥室10内に吹き出した空気が、乾燥室10に配置した手に吹き付けられて、手指に付着した水滴が、吹き飛ばされる。吹き飛ばされた水滴を含む空気は、ダクト30に吸引される。乾燥室10に挿入した手に付着している水滴は、ダクト30を通って水受通路34内の水受トレイ34aに貯留される。
【0033】
その後、使用者が手を乾燥室10から抜き出した時に、センサ(不図示)が、これを検知して送風装置50の駆動を停止させる。これにより手の乾燥が完了する。
【0034】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5図6は、第2実施形態に係るハンドドライヤ1の斜視図及び側面断面図であり、カバー70を外した状態を示す。図7は、ハンドドライヤ1の一部を示す斜視図である。説明の便宜上、前述の図1図4に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付す。
【0035】
第2実施形態では、ハンドドライヤ1は、乾燥室10と、第1送風室221と、第2送風室222と、ダクト130と、ホース140と、第1送風装置151と、第2送風装置152と、カバー70と、を有する。
【0036】
ダクト130は、第1ダクト131及び第2ダクト132を有し、乾燥室10の下部と第1送風室221とを連通する。第1ダクト131及び第2ダクト132は、乾燥室10から流入する空気を第1送風室221に戻す。第1ダクト131は、乾燥室10の下端部から下方に延び、第1送風室221と連通する。第1ダクト131内には、フィルタ133が配置されている。これにより、第1送風室221に流入する水分を低減することができる。
【0037】
第2ダクト132は、乾燥室10の下端部から、第1方向(Z方向)と交差する方向に延びて第1送風室221と連通する。具体的には、第2ダクト132は、第1方向(Z方向)と交差する方向かつ上方に向かって延びるラビリンス部132aを有する。乾燥室10から流入する水分は第1ダクト131を通り、乾燥室10から流入する気体は第2ダクト132を通る。これにより、水と気体を分離できる。なお、第1ダクト131をハンドドライヤ1の外部と連通させてもよい。
【0038】
第2ダクト132の流路面積は、第1ダクト131の流路面積よりも広い。これにより、第2ダクト132の流路抵抗を低減できる。
【0039】
第1送風室221は、上下に延びる第1方向(Z方向)において、乾燥室10よりも下方に配置される。第1送風室221には、第1送風装置151が、配置される。第1送風室221は、排気口221aが開口する。具体的には、第1送風室221の下端部は、ハンドドライヤ1の外部と第1方向(Z方向)に連通する排気口221aを有する。ハンドドライヤ1の下端部に排気口221aがあるため、ハンドドライヤ1の利用者が排気された気体と接触する機会を低減できる。なお、第1ダクト131の下端部を第1送風室221と連通させてもよい。このとき、第1ダクト131内にフィルタ133を配置することにより、第1送風室221に流入する水分を低減することができる。
【0040】
第1送風装置151は、排気口221aを介して第1送風室221の外部に気流を排気し、第1ダクト131及び第2ダクト132を介して上方から下方に向かって気流を発生させる。すなわち、第1送風装置151は、乾燥室10から第1送風室221に向かう気流を発生可能であり。これにより。乾燥室10から第1ダクト131及び第2ダクト132に向かって水滴を含む気流を円滑に流通させることができる。また、ハンドドライヤ1の送風量を向上できる。
【0041】
第2送風室222は、第1送風室221よりも上方に配置される。第2送風室222を乾燥室10の近くに配置することにより、送風効率が向上する。
【0042】
また、乾燥室10は、拡大部12aと縮小部12bとを有する。拡大部12aは、側壁12によって構成され、第1方向(Z方向)に交差する方向の幅が広い。縮小部12bは、側壁12によって構成され、拡大部12aよりも下方に配置され、第1方向(Z方向)に交差する方向の幅が拡大部12aにおける幅よりも狭い。第2送風室222は、縮小部12bを構成する側壁12の外側面に固定される。これにより、ハンドドライヤ1を小型化でき、第2送風室222を安定的に固定できる。
【0043】
第2送風室222には、第2送風装置152が、配置される。第2送風室222は、吸気口222aが開口する(図7参照)。第2送風装置152は、ホース140に向かって気体を排出可能であり、ホース140を介して下方から上方に向かって気流を発生させる。第2送風装置152を設けることにより、乾燥室10内に吹出す気体の流量を向上できる。なお、第1送風装置151の出力は、第2送風装置152の出力よりも低い。これにより、第2送風装置152を導入することによって、低出力な第1送風装置151でもハンドドライヤ1の風量を向上できる。
【0044】
ホース140は、乾燥室10の上部と送風室20とを連通して一つ設けられる(図7参照)。ホース140は、本実施形態では、1本設けられている。ホース140は、第2送風装置152の下流側に配置される。ホース140は、上流部141と下流部142とを有する。
【0045】
上流部141は、第2送風室222と連通する。下流部142は、上流部141における乾燥室10側の端部から延びる。また、下流部142は、乾燥室開口13を第1方向(Z方向)周りに囲む環状に形成され、乾燥室10に臨んで開口する吹出口142aを有する。これにより、単一のホース140によって、複数の乾燥室10への空気の吹出が可能になる。また、乾燥室開口13の近傍において、第1方向(Z方向)周りに空気を均一に吹出すことができる。なお、下流部142を管状に形成せず、上流部141における乾燥室10側の端部から分岐して複数延ばしてもよい。
【0046】
使用者が、乾燥室開口13から手を乾燥室10に挿入すると、センサ(不図示)が挿入された手を検知して、第1送風装置151及び第2送風装置152を稼働する。第2送風装置152の駆動により発生した気流は、ホース140を通って吹出口142aから乾燥室10に吹出す。また、第1送風装置151の駆動により、乾燥室10内の空気が、第1ダクト131及び第2ダクト132に流入する。
【0047】
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾を生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。例えば、第1実施形態において、ホース40a、40bを3本以上設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明によると、洗面所などに設置されて洗浄後の手を乾燥させるために用いるハンドドライヤに利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 ハンドドライヤ
10 乾燥室
11 吹出口
12 側壁
12a 拡大部
12b 縮小部
13 乾燥室開口
20 送風室
30 ダクト
31 ダクト上部
31a 流入口
32 ダクト接続部
33 ダクト下部
34 水受通路
34a 水受トレイ
40a、40b ホース
41a ホース下部
41b ホース接続部
41c ホース上部
50 送風装置
60 ベース
70 カバー
121 前面壁
121a 傾斜部
122 背面壁
123、124 側面壁
130 ダクト
131 第1ダクト
132 第2ダクト
132a ラビリンス部
133 フィルタ
140 ホース
141 上流部
142 下流部
142a 吹出口
151 第1送風装置
152 第2送風装置
221 第1送風室
221a 排気口
222 第2送風室
222a 吸気口
L1 幅
L2 幅
L3 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7