IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 国立大学法人 鹿児島大学の特許一覧 ▶ 四国計測工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ベーパチャンバ 図1
  • 特許-ベーパチャンバ 図2
  • 特許-ベーパチャンバ 図3
  • 特許-ベーパチャンバ 図4
  • 特許-ベーパチャンバ 図5
  • 特許-ベーパチャンバ 図6
  • 特許-ベーパチャンバ 図7
  • 特許-ベーパチャンバ 図8
  • 特許-ベーパチャンバ 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】ベーパチャンバ
(51)【国際特許分類】
   F28D 15/02 20060101AFI20240305BHJP
   F28D 15/04 20060101ALI20240305BHJP
   H01L 23/427 20060101ALI20240305BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
F28D15/02 101H
F28D15/04 B
F28D15/04 H
F28D15/02 L
H01L23/46 B
H05K7/20 R
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020001086
(22)【出願日】2020-01-07
(65)【公開番号】P2021110482
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000180313
【氏名又は名称】四国計測工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100168114
【弁理士】
【氏名又は名称】山中 生太
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【弁理士】
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】水田 敬
(72)【発明者】
【氏名】福田 賢司
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特許第4047918(JP,B2)
【文献】特開2011-181731(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0230085(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D15/02-15/04
H01L23/34-23/46
H05K7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の第1の部材と平板状の第2の部材とを平板状の中間板を介在させて貼り合わせることにより形成され、内部に冷媒が封入された封止空間を有し、前記第2の部材の一部に冷却対象が配置される配置部が設けられたベーパチャンバであって、
前記封止空間として、前記第1の部材と前記中間板との間の第1の空間と、前記第2の部材と前記中間板との間の第2の空間とを有し、
前記中間板の前記配置部に対向する部分に、前記冷却対象から前記配置部を介して伝えられた熱を奪って蒸気化した冷媒を、前記第2の空間から前記第1の空間に送る連通部が形成され、
前記第1の空間には、前記連通部から送られた蒸気化した冷媒を次第に凝縮させながら前記中間板の面方向に送る蒸気流路が形成され、
前記中間板には、前記蒸気流路で凝縮した冷媒を、毛細管現象により前記第1の空間から前記第2の空間に送る第1の毛細管流路が形成され、
前記第2の空間には、前記第1の毛細管流路から送られた凝縮した冷媒を前記配置部に送る第2の毛細管流路が形成されており、
前記連通部では、
前記第2の空間と前記第1の空間とを連通する第1の貫通孔が前記中間板に2次元配列されており、
前記第1の貫通孔では、前記第1の空間側の孔の大きさの方が前記第2の空間側の孔の大きさよりも大きくなっている、
ーパチャンバ。
【請求項2】
前記第1の毛細管流路は、
前記中間板に2次元配列され、前記第1の空間と前記第2の空間とを連通し、毛細管現象により、凝縮した冷媒を前記第1の空間から前記第2の空間に送る第2の貫通孔を有する、
請求項1に記載のベーパチャンバ。
【請求項3】
前記蒸気流路として、前記連通部から離れる方向に延びる不連続な壁により前記中間板の面方向に仕切られた複数の蒸気流路が形成されている、
請求項1又は2に記載のベーパチャンバ。
【請求項4】
前記壁の間が、前記第1の毛細管流路の一部を形成する、
請求項に記載のベーパチャンバ。
【請求項5】
前記壁は、前記中間板の面方向に沿って2次元配列された第1の突起によって形成され、前記第1の突起の間が前記第1の毛細管流路の一部を形成する、
請求項に記載のベーパチャンバ。
【請求項6】
前記第1の突起は、前記中間板と前記第1の部材との間隔を保持する、
請求項に記載のベーパチャンバ。
【請求項7】
前記第2の毛細管流路は、前記中間板の面方向に沿って延び、互いに交差する複数の流路によって形成されている、
請求項1からのいずれか一項に記載のベーパチャンバ。
【請求項8】
前記第2の毛細管流路は、前記中間板の面方向に沿って格子状に延びている、
請求項に記載のベーパチャンバ。
【請求項9】
前記第2の毛細管流路は、前記中間板の面方向に沿って2次元配列された第2の突起間に形成されている、
請求項に記載のベーパチャンバ。
【請求項10】
前記第2の突起は、前記中間板と前記第2の部材との間隔を保持する、
請求項に記載のベーパチャンバ。
【請求項11】
前記第1の空間を構成する凹部と、前記蒸気流路及び前記第1の毛細管流路の一部を形成する部材とが、前記中間板又は前記第1の部材に形成されている、
請求項1に記載のベーパチャンバ。
【請求項12】
前記第2の空間を構成する凹部と、前記第2の毛細管流路の一部を形成する部材とが、前記中間板又は前記第2の部材に形成されている、
請求項1又は1に記載のベーパチャンバ。
【請求項13】
前記第1の空間では、前記第1の部材と前記中間板との間隔を保持する第1の保持部が、2次元配列されており、
前記第1の保持部が、前記蒸気流路及び前記第1の毛細管流路の一部を形成している、
請求項1に記載のベーパチャンバ。
【請求項14】
前記第2の空間では、前記第2の部材と前記中間板との間隔を保持する第2の保持部が、2次元配列されており、
前記第2の保持部が、前記第2の毛細管流路を形成している、
請求項1又は1に記載のベーパチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーパチャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型・高性能化が進んでおり、発光ダイオード又は電子回路等の熱源の集積密度、すなわち発熱密度が増大し、熱源からの放熱がより困難になっている。電子機器の温度上昇は、動作不安定化、処理効率低下、短寿命化の原因となる。このような背景から、電子機器の熱源の冷却効率を高めるヒートパイプが開示されている(例えば、特許文献1~4参照)。
【0003】
特許文献1~4に開示されたヒートパイプは、冷却対象から熱を奪い気化した冷媒を面方向及び厚み方向に拡散させる蒸気拡散流路と、再び液化した冷媒を面方向及び厚み方向に熱源に向かって戻す毛細管流路とが形成されている。このようなヒートパイプを、FGHP(Fine Grid Heat Pipe)ともいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4119944号公報
【文献】特許第4112602号公報
【文献】特許第4047918号公報
【文献】特許第4035155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子機器には、さらなる薄型化が求められている。このため、ベーパチャンバにも、さらなる冷却効率の向上、薄型化が求められている。
【0006】
本発明は、上記実情の下になされたものであり、冷却効率を高めるとともに薄型化を実現することができるベーパチャンバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るベーパチャンバは、
平板状の第1の部材と平板状の第2の部材とを平板状の中間板を介在させて貼り合わせることにより形成され、内部に冷媒が封入された封止空間を有し、前記第2の部材の一部に冷却対象が配置される配置部が設けられたベーパチャンバであって、
前記封止空間として、前記第1の部材と前記中間板との間の第1の空間と、前記第2の部材と前記中間板との間の第2の空間とを有し、
前記中間板の前記配置部に対向する部分に、前記冷却対象から前記配置部を介して伝えられた熱を奪って蒸気化した冷媒を、前記第2の空間から前記第1の空間に送る連通部が形成され、
前記第1の空間には、前記連通部から送られた蒸気化した冷媒を次第に凝縮させながら前記中間板の面方向に送る蒸気流路が形成され、
前記中間板には、前記蒸気流路で凝縮した冷媒を、毛細管現象により前記第1の空間から前記第2の空間に送る第1の毛細管流路が形成され、
前記第2の空間には、前記第1の毛細管流路から送られた凝縮した冷媒を前記配置部に送る第2の毛細管流路が形成されており、
前記連通部では、
前記第2の空間と前記第1の空間とを連通する第1の貫通孔が前記中間板に2次元配列されており、
前記第1の貫通孔では、前記第1の空間側の孔の大きさの方が前記第2の空間側の孔の大きさよりも大きくなっている。
【0009】
前記第1の毛細管流路は、
前記中間板に2次元配列され、前記第1の空間と前記第2の空間とを連通し、毛細管現象により、凝縮した冷媒を前記第1の空間から前記第2の空間に送る第2の貫通孔を有する、
こととしてもよい。
【0010】
前記蒸気流路として、前記連通部から離れる方向に延びる不連続な壁により前記中間板の面方向に仕切られた複数の蒸気流路が形成されている、
こととしてもよい。
【0011】
前記壁の間が、前記第1の毛細管流路の一部を形成する、
こととしてもよい。
【0012】
前記壁は、前記中間板の面方向に沿って2次元配列された第1の突起によって形成され、前記第1の突起の間が前記第1の毛細管流路の一部を形成する、
こととしてもよい。
【0013】
前記第1の突起は、前記中間板と前記第1の部材との間隔を保持する、
こととしてもよい。
【0014】
前記第2の毛細管流路は、前記中間板の面方向に沿って延び、互いに交差する複数の流路によって形成されている、
こととしてもよい。
【0015】
前記第2の毛細管流路は、前記中間板の面方向に沿って格子状に延びている、
こととしてもよい。
【0016】
前記第2の毛細管流路は、前記中間板の面方向に沿って2次元配列された第2の突起間に形成されている、
こととしてもよい。
【0017】
前記第2の突起は、前記中間板と前記第2の部材との間隔を保持する、
ことしてもよい。
【0018】
前記第1の空間を構成する凹部と、前記蒸気流路及び前記第1の毛細管流路の一部を形成する部材とが、前記中間板又は前記第1の部材に形成されている、
こととしてもよい。
【0019】
前記第2の空間を構成する凹部と、前記第2の毛細管流路の一部を形成する部材とが、前記中間板又は前記第2の部材に形成されている、
こととしてもよい。
【0020】
前記第1の空間では、前記第1の部材と前記中間板との間隔を保持する第1の保持部が、2次元配列されており、
前記第1の保持部が、前記蒸気流路及び前記第1の毛細管流路の一部を形成している、
こととしてもよい。
【0021】
前記第2の空間では、前記第2の部材と前記中間板との間隔を保持する第2の保持部が、2次元配列されており、
前記第2の保持部が、前記第2の毛細管流路を形成している、
こととしてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、冷却対象から熱を奪って蒸気化した冷媒を面方向に送る蒸気流路と、凝縮した冷媒を面方向に送る第2の毛細管流路とが中間板で仕切られているので、両流路の冷媒の流れを安定化させることができる。この結果、冷却効率を高めるとともに薄型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】(A)は、本発明の実施の形態に係るベーパチャンバを構成する板材を示す斜視図である。(B)は、(A)のベーパチャンバの封止空間を示す模式図である。(C)は、ベーパチャンバの冷媒の流れを示す模式図である。
図2】(A)は、中間板の上部材側の面の構造を示す図である。(B)は、中間板の上部材側の面の拡大斜視図である。
図3】連通部での冷媒の移動を示す断面図である。
図4】蒸気流路での冷媒の移動を示す拡大図である。
図5】蒸気流路及び第1の毛細管路での冷媒の移動を示す断面図である。
図6】(A)は、中間板の下部材側の面の構造を示す図である。(B)は、第2の毛細管流路の拡大斜視図である。
図7】第2の毛細管流路での冷媒の移動を示す拡大図である。
図8】突起が封止空間を保持する様子を示す図である。
図9図1(A)~図1(C)のベーパチャンバの製造工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。全図において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号が付されている。
【0025】
図1(A)に示すように、本実施の形態に係るベーパチャンバ1は、第1の部材としての平板状の上部材2と、第2の部材としての平板状の下部材3と、平板状の中間板4とを備える。中間板4は、1枚または複数枚の張り合わせで構成される。上部材2、下部材3及び中間板4は、固体である素材(例えば銅又アルミニウム)で形成されている。上部材2、下部材3の厚みは、求められる機械的強度と伝熱性能とから決定される。上部材2、下部材3は、同じ大きさで外形は任意の形状である。
【0026】
ベーパチャンバ1では、上部材2と下部材3とを、中間板4を間に挟んで厚み方向に積層して貼り合わせることにより、密閉容器が形成されている。複数の板が積層されて構成されているため、ベーパチャンバ1は、積層型ベーパチャンバともいわれている。また、ベーパチャンバ1は、単にヒートパイプとも呼ばれている。
【0027】
ベーパチャンバ1の厚みは、例えば1mm程度である。また、厚み方向から見たベーパチャンバ1の大きさは、冷却対象7(図1(B)参照)の大きさに応じて、適宜決定することができる。
【0028】
また、図1(A)では図示されていないが、実際には、図1(B)に示すように、中間板4では、上部材2に対向する凹部と、下部材3に対向する凹部とが設けられている。凹部が形成されていない中間板4の外周にはこれら凹部の外周を囲む外周縁部(接合突起)4aが設けられている。この外周縁部4aが、上部材2及び下部材3の外周部分と密着する。この結果、両凹部が上部材2及び下部材3に塞がれて、封止空間6が形成される。封止空間6は、上部材2と中間板4との間の第1の空間としての上部空間6aと、下部材3と中間板4との間の第2の空間としての下部空間6bとに分かれている。
【0029】
この封止空間6は、大気圧に対して減圧されており、その内部に冷媒5が封入されている。冷媒5として、例えば超純水が用いられる。この冷媒5が、冷却対象7からの熱を奪って封止空間6内を循環しながら放熱を行う。
【0030】
下部材3の外面の一部に冷却対象7と接する配置部10が設けられている。冷却対象7は、例えば、IC(Integrated Circuit;半導体集積装置)、LSI(Large Scale Integration;大規模集積回路装置)、LED(Light Emitted Diode;発光ダイオード)等の熱源である。この熱源から発せられた熱は、配置部10に伝えられる。配置部10に伝えられた熱により、液体状態にある冷媒5は蒸気化する。
【0031】
図1(C)に示すように、中間板4における配置部10に対向する部分には、連通部11が形成されている。連通部11は、冷却対象7から配置部10を介して伝えられた熱を奪って蒸気化した冷媒5を、下部空間6bから上部空間6aに送る。
【0032】
さらに、上部空間6aには、蒸気流路12が設けられている。蒸気流路12は、連通部11から送られた蒸気化した冷媒5を、次第に凝縮させながら中間板4の面方向に送る。蒸気流路12を送られる冷媒5は、熱を上部材2等に奪われ、次第に凝縮する。
【0033】
また、中間板4には、第1の毛細管流路13が形成されている。第1の毛細管流路13は、上部空間6a内で凝縮した冷媒5を、毛細管現象により上部空間6aから下部空間6bに送る。
【0034】
また、下部空間6bには、第2の毛細管流路14が形成されている。第2の毛細管流路14は、第1の毛細管流路13から送られた凝縮した冷媒5を配置部10に送る。
【0035】
このように、配置部10からの熱により蒸気化した冷媒5は、下部空間6bから連通部11を介して上部空間6aに抜ける。上部空間6aに抜けた蒸気化した冷媒5は、蒸気流路12を上部材2の面方向に送られ、次第に凝縮していく。凝縮し液滴状態となった冷媒5は、毛細管現象により、第1の毛細管流路13を介して下部空間6bに送られる。
【0036】
下部空間6bに送られた液化した冷媒5は、毛細管現象により、第2の毛細管流路14を通って、配置部10に戻る。冷媒5は、このような経路で循環し、蒸気化及び凝縮を繰り返すことにより、冷却対象7を冷却する。
【0037】
ベーパチャンバ1の各部についてより詳細に説明する。連通部11は、下部空間6bと上部空間6aとを連通する第1の貫通孔11Aを有する。図2(A)及び図2(B)に示すように、連通部11は、第1の貫通孔11Aが中間板4に2次元配列されることにより形成される。図3に示すように、連通部11の第1の貫通孔11Aは、孔部11a,11bを有している。孔部11aは下部空間6b側に配置され、孔部11bは、上部空間6a側に配置され、孔部11aと孔部11bとは連通している。孔部11aとしては、例えば円柱状の孔が設けられる。孔部11bは、その径が上部空間6a側に向かって大きくなっている。すなわち、第1の貫通孔11Aは、上部空間6a側の孔の大きさの方が下部空間6b側の孔の大きさよりも大きくなっている。孔部11aの径は、冷媒5が毛細管力により移動可能な大きさに決定され、超純水を冷媒5として用いる場合は、例えば0.05mm以上である。この径は、冷媒5の種類に応じて決定される。
【0038】
図3に示すように、冷却対象7から発せられる熱により配置部10上の冷媒5が蒸気化すると下部空間6bの気圧が増加して、上部空間6aの気圧に比べて相対的に高くなる。この圧力差により、下部空間6bにおいて蒸気化した冷媒5は、連通部11を通って上部空間6aに送られる。さらに、孔部11bの横断面は、図3に示すように、孔部11aから上部空間6aに向かって次第に大きくなっていてもよい。この場合、孔部11bを通過した冷媒5の蒸気の圧力は、低下する。この減圧により、連通部11において、蒸気化した冷媒5を下部空間6bから上部空間6aへ送るさらなる吸引力が発生する。
【0039】
図2(A)及び図2(B)に戻り、上部空間6aを形成する中間板4の凹部には、蒸気流路12が形成されている。連通部11が形成された領域12aは、蒸気流路12の一部となっている。蒸気流路12は、複数設けられており、領域12aから中間板4の外周縁部4aに向かって、面方向に放射状に延びている。蒸気流路12は、連通部11から離れる方向に延びる不連続な壁により、中間板4の面方向に仕切られている。蒸気化した冷媒5は、上部材2及び中間板4に挟まれた空間を、各流路に沿って、矢印の方向、すなわち中間板4の周縁方向に進む。
【0040】
図4に示すように、蒸気流路12を進むにつれて、冷媒5は次第に周辺に熱を奪われ、凝縮する。冷媒5が凝縮していけばそれだけ蒸気流路12内は、減圧される。この気圧の低下による気圧差が、冷媒5を周縁方向に送る力になる。
【0041】
蒸気流路12の不連続な壁は、中間板4の面方向に沿って2次元配列された第1の突起としての突起20によって形成されている。突起20をディンプルともいう。突起20は、中間板4と上部材2との間隔を保持する第1の保持部20として機能する。このようにすれば、上部空間6a内の圧力が大気圧より小さくても、上部空間6aがつぶれないようにすることができる。
【0042】
図2(A)及び図2(B)に戻り、中間板4には、第1の毛細管流路13が設けられている。第1の毛細管流路13は、下部空間6bと上部空間6aとを連通する第2の貫通孔13Aを有する。第2の貫通孔13Aは、中間板4に2次元配列されている。第2の貫通孔13Aは、毛細管現象により、凝縮した冷媒5を上部空間6aから下部空間6bに送る。第2の貫通孔13Aの径は、例えば0.05mm以上であるが、冷媒5の種類に応じて適宜変更することができる。第2の貫通孔13Aの径は、冷媒5が通ることが可能な大きさであり、冷媒5に毛細管現象が発生する大きさである必要がある。図5に示すように、蒸気流路12を送られる途中で凝縮した冷媒5は、第1の毛細管流路13を介して、下部空間6bに送られる。
【0043】
また、蒸気流路12の壁(突起)20は、第1の毛細管流路13の一部を形成する。不連続に並ぶ突起20の間が、第1の毛細管流路13の一部、その入り口を形成する。第1の毛細管流路13は、交差する複数の流路によって形成されている。突起20によって形成される流路の幅は、例えば0.05mm以上であり、深さは1mm以下である。この流路の幅及び深さは、使用される冷媒の種類に応じて変更し得る。図5に示すように、蒸気流路12を送られる蒸気化した冷媒5(実線)の一部は、蒸気流路12を進む途中、第1の毛細管流路13との境界等で再び凝縮する。凝縮した冷媒5は、毛細管現象により、点線で示すように、壁20の間に内部に入り込む。壁20の間に入り込んだ液化した冷媒5は、第2の貫通孔13Aに入り込み、上部空間6aから下部空間6bに送られる。
【0044】
図6(A)及び図6(B)に示すように、第2の毛細管流路14は、中間板4の面方向に沿って延び、互いに交差する複数の流路によって形成されている。第2の毛細管流路14は、中間板4の面方向に沿って格子状に延びている。第2の毛細管流路14は、中間板4の面方向に沿って2次元配列された突起(ディンプル)21間に形成されている。第1の毛細管流路13を介して下部空間6bに送られた液化した冷媒5は、図7に示すように、毛細管現象により、第2の突起としての突起21の間を抜けて、配置部10に送られる。この冷媒5の動きは、上述のように、第2の毛細管流路14において発生する毛細管力と、配置部10で気化し連通部11を介して上部空間6aに送られた冷媒5による圧力の低下とによって実現される。
【0045】
なお、第2の毛細管流路14は、中間板4の第2の貫通孔13Aに接しているが、上部空間6aにおいて冷媒5が連続的に液化し第2の貫通孔13Aへ侵入してくることにより、全体として上部空間6aから下部空間6bへと向かう流れが生じているため、下部空間6bを進行する冷媒5は、第2の貫通孔13Aには入り込まず、突起21の間を抜けて、配置部10の方に進む。
【0046】
なお、突起21は、中間板4と下部材3との間隔を保持する第2の保持部として機能する。これにより、下部空間6b内の圧力が大気圧より小さくても、下部空間6bがつぶれないようにすることができる。
【0047】
上述のように、冷媒5は、図1(C)に示すように、配置部10→連通部11→蒸気流路12→第1の毛細管流路13→第2の毛細管流路14→配置部10と移動し、その移動を繰り返す。これにより、冷却対象7から伝えられた熱は、例えば上部材2に伝えられ、上部材2から外部に伝達される。これにより、冷却対象7が冷却される。
【0048】
[縦置き]
本実施の形態に係るベーパチャンバ1は、縦置きにもできる。ベーパチャンバ1を縦置き、すなわち面方向を重力方向とした場合でも、例えば、図7に示すように、第2の毛細管流路14は、重力に逆らって冷媒5を送ることができるので、図1(C)に示すような冷媒5の循環経路を実現することができる。
【0049】
第2の毛細管流路14では、流路が格子状に配列されている。これにより、中間板4の面内方向のいずれの方向を重力方向としても、重力の反対方向に配置部10へ向かって延びる流路を確保することができる。
【0050】
なお、第2の貫通孔13Aの下部空間6b側の大きさは、第1の貫通孔11Aの下部空間6b側の大きさと同じとしてもよい。第1の貫通孔11Aの下部空間6b側の大きさと、第2の貫通孔13Aの下部空間6b側の大きさは、気化した冷媒5が第1の貫通孔11Aを通過する際の圧力損失と、液化した冷媒5が第2の貫通孔13Aを通過する際の毛細管力及び圧力損失との関係を考慮し、配置部10へむけて、ドライアウトを防ぐのに十分な量の液化した冷媒5が供給されるように、決定される。
【0051】
また、図8に示すように、第1の保持部(突起)20は、上部材2と中間板4との間隔を保持し、第2の保持部(突起)21は、下部材3と中間板4との間隔を保持する。これにより、減圧された空間となっている封止空間6を大気圧によりつぶさないようにすることができる。
【0052】
次に、本実施の形態に係るベーパチャンバ1の製造方法について説明する。
【0053】
図9に示すように、まず、凹部、貫通孔、突起の形成を行う(ステップS1)。ここで、具体的には、中間板4に上部材2に対向する凹部と、下部材3に対向する凹部とを形成するとともに、その凹部内に第1の貫通孔11A、第2の貫通孔13A、突起20,21を形成する。各部の形成は、例えば、エッチング加工により行われる。また、ここでは、複数枚の部材を張り合わせることにより、凹部、第1の貫通孔11A、第2の貫通孔13A、突起20、21を形成してもよい。
【0054】
続いて、上部材2、中間板4及び下部材3を順番に最適な位置で重ね合わせて積層し、接合を行う(ステップS2)。この接合には、例えば拡散接合を用いることができる。拡散接合を用いる場合には、融点以下の温度で加熱しつつプレスして、それぞれに設けられた外周縁部4aの接合用突起を直接接合させ、上部材2、中間板4及び下部材3の接合が行われる。これにより、図1(B)及び図1(C)に示すように、一体化した容器が形成される。
【0055】
なお、中間板4の一部には、不図示の孔が設けられている。続いて、封止空間6には、その孔から不図示のノズルを用いて冷媒5を所定量注入する(ステップS3)。
【0056】
次に、ガス透過性のない部材で構成された不図示の封止部材を用意しておき、孔上に封止部材を載置する(ステップS4)。ここで、孔の縁と封止部材との間に隙間を設けておくと、ベーパチャンバ1の封止空間6と外部とは連通した状態が維持される。このため、この隙間から封止空間6内のガス抜きを行なうことができる。なお、ステップS4を実行することなく、次のステップS5に進むようにしてもよい。封止部材を載置するのは、後でもよい。
【0057】
続いて、真空脱気を、数分間行なう(ステップS5)。ステップS4を実行した場合には、この工程では、封止部材を孔の上に配置したまま隙間を通じて減圧による真空脱気を行なうことで、封止空間6内の冷媒5以外の気体が抜かれる。一方、ステップS4を実行しなかった場合には、孔から気体が抜かれる。
【0058】
そして、封止部材を用いて孔を塞ぐように容器と接合することにより、封止を行う(ステップS6)。この工程では、ステップS4を実行した場合には、封止部材と孔との隙間を閉じるように封止部材と孔とが接合され、孔が封止される。一方、ステップS4を実行しなかった場合には、その孔を塞ぐように前述の封止部材を置き、さらに封止部材と孔とを接合することにより、孔が封止される。
【0059】
なお、そのとき封止部材の外表面は、ベーパチャンバ1の外表面と略同一平面上に形成することが好ましい。というのは、ベーパチャンバ1の外表面の平坦性を保ち、これによりベーパチャンバ1自身とそれに取り付けられる例えばフィン等のラジエータとの密着性を良くし、その間の熱伝導性を支障なく高めることができるからである。
【0060】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るベーパチャンバ1では、冷却対象7の動作によって発生する熱を受けて配置部10において蒸気化した冷媒5が、連通部11を介して下部空間6bから上部空間6aに送られる。蒸気化した冷媒5は、蒸気流路12を送られつつ、熱を奪われて凝縮し再液化する。再液化した冷媒5は、場合によって毛細管現象により第1の毛細管流路13で下部空間6bに送られる。下部空間6bに送られた液化した冷媒5は、毛細管現象により第2の毛細管流路14で冷却対象7の配置部10に戻る。このように、このベーパチャンバ1では、冷媒5の流れが、配置部10→連通部11→蒸気流路12→第1の毛細管流路13→第2の毛細管流路14→配置部10となるように中間板4で仕切られているため、気化して蒸気となった冷媒5の流れと、凝縮して液となった流れとが互いに入り乱れないようにすることができる。
【0061】
すなわち、このベーパチャンバ1によれば、蒸気化した冷媒5が面方向に送られる蒸気流路12と、面方向に液化した冷媒5が戻る第2の毛細管流路14とが中間板4で仕切られているので、冷媒5の流れを安定化させることができる。この結果、仕切られていない場合に生じる、蒸気となった冷媒5の流れと液となった冷媒5の流れとの間の摩擦がなくなるため、それぞれの流動を阻害する要因を除去することが可能となり、冷却効率を高めるとともに薄型化を実現することができる。
【0062】
具体的には、本実施の形態では、面方向及び厚み方向に張り巡らされた毛細管流路を形成する必要がないので、ベーパチャンバ1を薄く形成することができる。この結果、ベーパチャンバ1を薄型の電子機器等に組み込み易くすることができる。
【0063】
また、本実施の形態では、連通部11では、下部空間6bと上部空間6aとを連通する第1の貫通孔11Aが2次元配列されている。また、第1の貫通孔11Aは、下部空間6b側よりも上部空間6a側の方がその孔径が大きくなっている。このようにすれば、貫通孔を通る冷媒5の蒸気の流れにより、上部空間6aの方が気圧が低下し、連通部11が蒸気化した冷媒5を吸引し易くなる。この連通部11での冷媒5の移動が、冷媒5の全体的な循環を発生させる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、第1の毛細管流路13は、中間板4に2次元配列されている。このようにすれば、蒸気流路12では、凝縮した冷媒5をその場所から速やかに下部空間6bに送ることができる。また、このようにすれば、凝縮し液化した冷媒5が大きくなり過ぎる前に、その冷媒5を下部空間6bに送ることができ、高速な冷媒5の循環が可能となる。また、蒸気流路12ですぐに凝縮した冷媒5は短い経路で配置部10に戻すことができ、凝縮するまで時間のかかった冷媒5は、長い経路で配置部10に戻すことができるので、冷媒5の経路の最適化を自動的に図ることができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、蒸気流路12として、連通部11から離れる方向に延びる不連続な壁(突起)20により中間板4の面方向に仕切られた複数の蒸気流路12が形成されている。このようにすれば、蒸気化した冷媒5を面方向に拡散し易くなる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、壁(突起)20が、第1の毛細管流路13の一部を形成する。このようにすれば、壁(突起)20で凝縮した冷媒5を第1の毛細管流路13に引き込み易くなる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、蒸気流路12の壁は、中間板4の面方向に沿って2次元配列された突起20によって形成され、突起20の間が第1の毛細管流路13の一部を形成する。壁20を、2次元配列された突起とすることにより、凝縮した冷媒5を、一定の間隔で第1の毛細管流路13に引き込むことができるようになる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、突起20は、中間板4と上部材2との間隔を保持する第1の保持部として機能する。このようにすれば、中間板4と上部材2との上部空間6aがつぶれるのを防ぐことができる。これにより、ベーパチャンバ1の冷却効率が低下するのを防ぐことが可能になる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、第2の毛細管流路14は、中間板4の面方向に沿って延び、互いに交差する複数の流路によって形成されている、このようにすれば、ある流路で吸収した冷媒5を他の流路にも分散して冷媒5から熱を奪い易くすることができる。
【0070】
また、本実施の形態によれば、第2の毛細管流路14は、中間板4の面方向に沿って格子状に延びている。具体的には、第2の毛細管流路14は、中間板4の面方向に沿って2次元配列された突起21間に形成されている。このように流路を不連続なものにしておけば、流路内に生じる冷媒5の粘性抵抗を低減して、冷媒5を送り易くすることができる。また、ベーパチャンバ1の向きに関わらず、第2の毛細管流路14で冷媒5を重力に抗して吸い上げることが可能になる。
【0071】
また、本実施の形態によれば、第2の保持部21は、中間板4と下部材3との間隔を保持する。このようにすれば、中間板4と下部材3との間の下部空間6bがつぶれるのを防ぐことができる。これにより、ベーパチャンバ1の冷却効率が低下するのを防ぐことが可能になる。
【0072】
また、本実施の形態によれば、上部空間6a、下部空間6bを構成する凹部は、中間板4に形成され、連通部11、蒸気流路12、第1の毛細管流路13、第2の毛細管流路14は、中間板4の凹部内に形成されているものとした。このようにすれば、上部材2及び下部材3については凹部等を加工せず、中間板4のみを加工して製造することができる。しかしながら、本発明はこれには限られない。例えば、上部材2及び下部材3に凹部を形成し、突起20,21を上部材2又は下部材3に形成するようにしてもよい。
【0073】
なお、ベーパチャンバ1では、冷媒5が凝縮する場合には、凝縮した冷媒5が滴状状態(しずく程度の状態)となっているのが望ましい。大量の液状の冷媒5が溜まると、冷媒5の循環がかえって遅くなるためである。第1の毛細管流路13の流路の大きさは、凝縮した冷媒5の滴状状態が維持されるように設計されるようにするのが望ましい。
【0074】
また、冷却対象7を冷却するには、液化した冷媒5が配置部10上に常に存在する必要がある。冷媒5の量は、冷却対象7が発生する熱量、冷媒5の循環速度等を考慮して決めておく必要がある。
【0075】
なお、封止空間6内の冷媒5の循環速度が上がれば、粘性抵抗が増大する。第1の毛細管流路13、第2の毛細管流路14は、この粘性抵抗に打ち勝つ程度の毛細管力が要求される。この毛細管力を考慮して、突起20,21の大きさや間隔などが決定される。
【0076】
また、本実施の形態によれば、2次元配列された第1の保持部(突起)20及び第2の保持部(突起)21が、上部空間6a及び下部空間6bがつぶれないように保持している。このようにすれば、上部材2及び下部材3の厚みをより薄くして、ベーパチャンバ1全体をより薄く形成することができる。
【0077】
上記実施の形態では、突起20,21の横断面の形状を正方形とした。しかしながら、本発明はこれには限られない。第2の毛細管流路14を形成できるのであれば、長方形、円形、楕円形、多角形、星形などであってもよいし、様々なものを組み合わせるようにしてもよい。
【0078】
また、第2の毛細管流路14は、繊維部材を詰め込むことにより形成されるものであってもよい。
【0079】
上記実施の形態では、配置部10については、他の部分と同じ厚さとした。しかしながら、本発明はこれには限られない。例えば、配置部10を他の部分より薄くしてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態では、上部材2、下部材3及び中間板4を銅又はアルミニウムとした。しかしながら、本発明はこれには限られない。例えば、銅合金、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレス、金、銀等の金属材料に加えてガス透過性のない非金属材料(例えばガスバリア性のあるフィルム等の有機素材や無機素材など)が好適である。また、冷媒は、純水の他、蒸留水、エタノール、メタノール、アセトン等が好適である。
【0081】
また、薄型化を実現するため、上部材2及び下部材3の板厚は、1μm~2000μmの範囲内とすることができる。
【0082】
なお、上部材2、下部材3及び中間板4は、正方形状のものには限られない。例えば、長方形、円形や楕円形又は他の多角形状のものであってもよい。
【0083】
また、配置部10は、下部材3の中央部に配置されていなくてもよい。例えば、配置部10を下部材3の角部に配置するようにしてもよい。この場合、連通部11もその角部に位置するようになり、蒸気流路12は、その連通部11から放射状に延びるように配置されるようになる。
【0084】
また、ベーパチャンバ1の外周面に、放熱フィンを設けるようにしてもよい。このようにすれば、ベーパチャンバ1の熱をさらに外部に逃がし易くすることができる。
【0085】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、電子機器、例えばスマートフォン等のモバイル端末における熱源の冷却に適用することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 ベーパチャンバ、2 上部材、3 下部材、4 中間板、4a 外周縁部、5 冷媒、6 封止空間、6a 上部空間、6b 下部空間、7 冷却対象、10 配置部、11 連通部、11A 第1の貫通孔、11a,11b 孔部、12 蒸気流路(流路)、12a 中心領域、13 第1の毛細管流路、13A 第2の貫通孔、14 第2の毛細管流路、20 突起(壁、ディンプル、第1の保持部),21 突起(壁、ディンプル、第2の保持部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9