(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】被包装物充填用漏斗を備えた包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 1/06 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
B65B1/06
(21)【出願番号】P 2020059804
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】曽我 章典
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭48-050476(JP,U)
【文献】特開2012-166820(JP,A)
【文献】特開平08-324515(JP,A)
【文献】実公昭60-003051(JP,Y1)
【文献】特開2010-143629(JP,A)
【文献】特開2019-093361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放出口の開口面積を拡大または縮小可能とする開閉部と該開閉部を開閉可能とするための開閉機構とを有し被包装物を包装袋内に充填するための被包装物充填用漏斗と、該被包装物充填用漏斗の前記開閉機構を操作するための操作機構を有している包装機であって、
該包装機は、前記包装袋を各包装工程が行われる包装ステーション毎に間欠移動させ、
前記被包装物充填用漏斗は、全ての前記包装ステーションに存在するように設けられると共に、前記包装袋の間欠移動と同期して前記包装ステーションを順次間欠移動するように構成されており、
前記操作機構は、複数の前記包装ステーションに存在する前記被包装物充填用漏斗の前記開閉部を同時に開閉可能とする開閉レールを有し
、
前記操作機構の前記開閉レールは昇降装置により昇降可能に設けられており、
前記開閉レールは前記昇降装置により上昇して複数の前記包装ステーションに存在する前記被包装物充填用漏斗の前記開閉部を開くように構成され、
前記開閉レールは前記昇降装置により降下して複数の前記包装ステーションに存在する前記被包装物充填用漏斗の前記開閉部を閉じるように構成されていることを特徴とする被包装物充填用漏斗を備えた包装機。
【請求項2】
前記開閉部は、放出口を備えた下側筒形胴部からなり、下側筒形胴部は分割された分割胴部を有し、該分割胴部は開閉可能に構成されている請求項1に記載の被包装物充填用漏斗を備えた包装機。
【請求項3】
前記開閉機構は、リンク機構である請求項1
または2に記載の被包装物充填用漏斗を備えた包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被包装物を充填する際に使用して好適な被包装物充填用漏斗を備えた包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、包装機内において、例えば米、砂糖、ペットフードまたは肥料などの被包装物を包装袋内に充填するための被包装物充填用漏斗が多用されている。
この被包装物充填用漏斗としては、一般に上方に向かって拡がるラッパ形状の上口と一体形成された円筒形胴部の下部に設けられた放出口を有したものが使用されており、この放出口の開口面積は一定であるため、製品の切り替え時には、被包装物に応じた被包装物充填用漏斗に取り換える煩雑な作業が必要であった。
【0003】
また、多種製品に対応しようとすると包装機に複数種の被包装物充填用漏斗が必要となるため、使用しない被包装物充填用漏斗の保管スペースの確保や管理も煩雑であった。特に、包装工程毎に包装袋が間欠移動する包装機であって、包装袋の間欠移動と同期して被包装物充填用漏斗も間欠移動するタイプの包装機では、工程数の被包装物充填用漏斗が複数種存在することとなるため、被包装物に応じた被包装物充填用漏斗の取り替え作業および保管が極めて煩雑であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、製品切り替えによる被包装物充填用漏斗の取り換え作業が不要で、使用しない被包装物充填用漏斗の保管スペースの確保および管理も不要な被包装物充填用漏斗を備えた包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するものは、放出口の開口面積を拡大または縮小可能とする開閉部と該開閉部を開閉可能とするための開閉機構とを有し被包装物を包装袋内に充填するための被包装物充填用漏斗と、該被包装物充填用漏斗の前記開閉機構を操作するための操作機構を有している包装機であって、該包装機は、前記包装袋を各包装工程が行われる包装ステーション毎に間欠移動させ、前記被包装物充填用漏斗は、全ての前記包装ステーションに存在するように設けられると共に、前記包装袋の間欠移動と同期して前記包装ステーションを順次間欠移動するように構成されており、前記操作機構は、複数の前記包装ステーションに存在する前記被包装物充填用漏斗の前記開閉部を同時に開閉可能とする開閉レールを有し、前記操作機構の前記開閉レールは昇降装置により昇降可能に設けられており、前記開閉レールは前記昇降装置により上昇して複数の前記包装ステーションに存在する前記被包装物充填用漏斗の前記開閉部を開くように構成され、前記開閉レールは前記昇降装置により降下して複数の前記包装ステーションに存在する前記被包装物充填用漏斗の前記開閉部を閉じるように構成されていることを特徴とする被包装物充填用漏斗を備えた包装機である。
【0007】
前記開閉部は、放出口を備えた下側筒形胴部からなり、下側筒形胴部は分割された分割胴部を有し、該分割胴部は開閉可能に構成されていることが好ましい(請求項2)。前記開閉機構はリンク機構であることが好ましい(請求項3)。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の被包装物充填用漏斗を備えた包装機によれば、製品切り替えによる被包装物充填用漏斗の取り換え作業が不要で、使用しない被包装物充填用漏斗の保管スペースの確保および管理も不要となると共に、被包装物充填用漏斗が一つの包装袋に対して各包装工程に渡る連続的な役割(例えば被包装物充填工程では、充填量に応じた放出口の開口面積の確保と包装袋の袋口の開口保持であり、ガス充填工程では包装袋の袋口の開口保持)を果たすことができ、複数の包装ステーションにおける、被包装物充填用漏斗の開閉部の開閉を同時に行うこと、および複数の包装ステーションに渡って、包装袋に応じて必要とされる袋口の開口状態を維持できる。
請求項2に記載の被包装物充填用漏斗を備えた包装機によれば、上記請求項1の効果を奏する被包装物充填用漏斗を備えた包装機をより簡素な構造で構成できる。
請求項3に記載の被包装物充填用漏斗を備えた包装機によれば、開閉機構をより簡素な構造で構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の被包装物充填用漏斗を備えた包装機の一実施例の平面概略図である。
【
図2】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機の右側面概略図である。
【
図3】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における包装工程を説明するための説明図である。
【
図4】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における包装工程を説明するための説明図である。
【
図5】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における包装工程を説明するための説明図である。
【
図6】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における包装工程を説明するための説明図である。
【
図7】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における包装工程を順に説明するための説明図である。
【
図8】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における被包装物充填用漏斗の作用を説明するための説明図である。
【
図9】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における被包装物充填用漏斗の拡大正面図である。
【
図10】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における被包装物充填用漏斗の拡大平面図である。
【
図11】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における被包装物充填用漏斗の作用を説明するための説明図であり、
図11(1)は
図9のA-A線において放出口の開口面積を拡大した状態を示す端面図であり、
図11(2)は
図9のB-B線において放出口の開口面積を拡大した状態を示す端面図である。
【
図12】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における被包装物充填用漏斗の作用を説明するための説明図であり、
図12(1)は
図9のA-A線において放出口の開口面積を縮小した状態を示す端面図であり、
図12(2)は
図9のB-B線において放出口の開口面積を縮小した状態を示す端面図である。
【
図13】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における操作機構を説明するための平面拡大概略図である。
【
図14】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における操作機構を説明するための正面側部分拡大概略図である。
【
図15】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における操作機構を説明するための正面側部分拡大概略図である。
【
図16】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における操作機構を説明するための左側面側部分拡大概略図である。
【
図17】
図1に示した被包装物充填用漏斗を備えた包装機における底受け装置を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明では、放出口51の開口面積を拡大または縮小可能とする開閉部52と、開閉部52を開閉可能とするための開閉機構53とを有し被包装物cを包装袋a内に充填するための被包装物充填用漏斗50と、被包装物充填用漏斗50の開閉機構52を操作するための操作機構60を有することで、製品切り替えによる被包装物充填用漏斗の取り換え作業が不要で、使用しない被包装物充填用漏斗の保管スペースの確保および管理も不要な被包装物充填用漏斗を備えた包装機Pを実現した。
【実施例1】
【0011】
本発明の被包装物充填用漏斗を備えた包装機を
図1ないし
図16に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の被包装物充填用漏斗を備えた包装機Pは、放出口51の開口面積を拡大または縮小可能とする開閉部52と開閉部52を開閉可能とするための開閉機構53とを有し被包装物cを包装袋a内に充填するための被包装物充填用漏斗50と、被包装物充填用漏斗50の開閉機構52を操作するための操作機構60を有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0012】
この実施例の被包装物充填用漏斗を備えた包装機Pは、
図1または
図2に示すように、
複数のグリップ対gを備えた移動体20を複数の工程毎に間欠停止するようにして移動させ、グリップ対gに吊り下げ状に支持された包装袋aに被包装物を充填して袋口を施封する包装機である。
【0013】
包装袋aとしては、例えば両側縁に折込み部分を有するガゼット袋、底部に折込み部分を有する自立袋、それらの袋にチャックを備えたチャック付袋または平袋などである。また、包装袋a内に充填される被包装物cとしては、例えば、ペットフード、肥料、米、砂糖などである。
【0014】
なお、この実施例の被包装物充填用漏斗を備えた包装機Pは、ロータリー式包装機であるが、これに限定されるものではなく、例えば、公知の直線移動式包装機や二つの直線部とその両端の半円形部からなる環状路を水平移動するトラック移動式包装機であってもよい。
【0015】
この被包装物充填用漏斗を備えた包装機Pでは、
図1に示すように、平面視円形の移動体20に、包装袋aを掴着又は釈放するための20個のグリップ対gが等角度間隔で放射方向に突出するように設けられている。
【0016】
この実施例の被包装物充填用漏斗を備えた包装機Pは、
図3ないし
図6に示すように、給袋工程(第1工程)、チャック開口・賞味期限等の印字工程(第2-1工程)、印字検査工程(第2-2工程)、ノズル挿入・袋開口・袋膨張・被包装物充填用漏斗挿入工程(第3工程)、被包装物充填工程(第4工程)、ガス充填・底部振動工程、(第5工程)、(第6工程)および(第7工程)、トップシール工程(第8工程)、シール冷却・製品排出工程(第9工程)、不良品・空袋排出工程(第10工程)を有し被包装物を包装袋a内に充填し施封して製品を量産するものである。
【0017】
給袋工程(第1工程)では、
図1または
図3(1)に示すように、給袋ステーション1に配された給袋装置(給袋手段)30が、搬送コンベア31上に積み重ねられて順次搬送される包装袋aを垂直姿勢にして、順次間欠移動して待機するグリップgに受け渡す。具体的にはサーボモーター(図示しない)により上下移動自在とされる吸盤32によって搬送コンベア31上に積み重ねられた多数の包装袋aを上から一枚ずつ捲ると共に回動アーム(図示しない)によって所定高さまで持ち上げてグリップgに順次受け渡すように構成されている。なお、この実施例の被包装物充填用漏斗を備えた包装機Pは、各包装工程において同時に2つの包装袋aに対して各包装工程を行うものであるため、グリップ対gは各包装ステーション1~10毎に2対ずつ間欠移動するように移動体20に取り付けられている。
【0018】
チャック開口・賞味期限等の印字工程(第2-1工程)では、
図3(2)に示すように、包装袋aの袋口b付近の内面に設けられたチャックを開くチャック開口と、賞味期限等を包装袋aに印刷する印字工程が行われる。具体的には、チャック開口・印字ステーション2において、チャック開口として、グリップ対gに両端上部が把持されて吊り下げ状に支持された包装袋aの袋口付近が表裏外面より吸盤33にてそれぞれ吸引され開口されると共に、挟持部材34が表裏面をそれぞれ挟持した状態で外側に移動することにより包装袋aの袋口内面に設けられたチャックを開くように構成されている。また、賞味期限等の印字として、印字及び捺印35によって賞味期限等を包装袋aに印刷するように構成されている。
【0019】
印字検査工程(第2-2工程)では、
図4(1)に示すように、賞味期限等の印字工程(第2-1工程)にて印刷された印字が適切になされているかの検査が行われる。なお、この工程は、チャック開口・印字ステーション2と開口・被包装物充填用漏斗挿入ステーション3の間において移動中の包装袋aに対してカメラ36にて行われる。
【0020】
ノズル挿入・袋開口・袋膨張・被包装物充填用漏斗挿入工程(3)では、開口・被包装物充填用漏斗挿入ステーション3において、
図4(2)に示すように、包装袋aの袋口bが吸盤37にて開口されることにより包装袋aが膨張され、ガスノズル38が挿入されと共に、被包装物充填用漏斗50が袋口bより挿入される。
【0021】
被包装物充填工程(4)では、被包装物充填ステーション4において、
図5(1)に示すように、袋口bより挿入された被包装物充填用漏斗50の放出口51から設定量の被包装物cが包装袋a内に充填される。具体的には、被包装物供給用漏斗80が降下して、被包装物充填用漏斗50内に1つの包装袋a内に充填される設定量の被包装物cが供給され、被包装物充填用漏斗50の放出口51から包装袋a内に被包装物cが充填される。
【0022】
ガス充填・底部振動工程(5)、(6)、(7)では、ガス充填ステーション5,6,7において、ガスノズル38から不活性ガス(この実施例では窒素ガス)が噴出されて空気と不活性ガスが置換されると共に、
図17に示すように、包装袋aの底部を受けるための底部受け体12と、底部受け体12が昇降する昇降部13と、昇降部13における底受け体12の昇降および底受け体12の振動を制御するエアー駆動ユニットを有した底受け装置11の底部受け体12により、包装袋aの底部が振動される。
【0023】
トップシール工程(8)では、シーリングステーション8において、
図5(2)に示すように、シールバー39により包装袋aの袋口b付近が水平方向にシールされ施封される。
【0024】
シール冷却・製品排出工程(9)では、良品と判定された包装袋aは、製品排出ステーション9において、
図6(1)に示すように、冷却バー40により包装袋aの袋口b付近が両側から冷却されると共に、グリップ対gの把持用爪部(図示しない)が開いて包装袋aの把持が解除され製品排出コンベア41により機外排出される。
【0025】
不良品・空袋排出工程(10)では、不良品または空袋と判定された包装袋aは、不良品排出ステーション10において、
図6(2)に示すように、グリップ対gの把持用爪部(図示しない)が開いて包装袋aの把持が解除され、不良品排出シュート42により機外排出される。
【0026】
以上のように、この実施例の被包装物充填用漏斗を備えた包装機Pは、間欠移動する包装袋aに対して、各包装ステーション1~10における上記各包装工程を行うことにより順次、製品を量産するように構成されている。
【0027】
そして、本発明の被包装物充填用漏斗を備えた包装機Pの特徴は、放出口51の開口面積を拡大または縮小可能とする開閉部52と、開閉部52を開閉可能とするための開閉機構53とを有し、被包装物cを包装袋a内に充填するための被包装物充填用漏斗50と、被包装物充填用漏斗50の開閉機構52を操作するための操作機構60を有していることである。これにより、被包装物充填用漏斗の充填量を変更できるため、本発明の被包装物充填用漏斗を備えた包装機Pでは、製品切り替えによる被包装物充填用漏斗の取り換え作業が不要で、使用しない被包装物充填用漏斗の保管スペースの確保および管理も不要となる。
【0028】
開閉部52は、放出口51の開口面積を拡大または縮小可能とするための部位であり、この実施例の開閉部52は、下端に放出口51を備えた下側筒形胴部52からなり、この下側筒形胴部52は分割された分割胴部52a,52bを有し、分割胴部52a,52bは開閉可能に構成されている。これにより、被包装物の充填量を変更できる被包装物充填用漏斗をより簡素な構造で構成できる。
【0029】
具体的には、この実施例の被包装物充填用漏斗50は、
図9に示すように、上口54aを備えた上側筒形胴部54と、放出口51を備えた下側筒形胴部52が水平方向に沿って二分割されており、下側筒形胴部52は、垂直方向に沿って二分割された分割胴部52a,52bを有している。そして、分割胴部52a,52bは、開閉機構53により開閉可能に構成されている。
【0030】
開閉機構53は、開閉部52(分割胴部52a,52b)を開閉可能とするためのものであり、この実施例の開閉機構53は、リンク機構にて構成されている。これにより、開閉機構をより簡素な構造で構成できる。
【0031】
具体的には、この実施例の開閉機構(リンク機構)53は、
図9に示すように、分割胴部52aを開閉するための第1リンク53aと、分割胴部52bを開閉するための第2リンク53bと、第1リンク53aと第2リンク53bとを連接し第1リンク53aの動作に伴って第2リンク53bを動作させる第3リンク53cとを有している。そして、第1リンク53aが上昇すると、分割胴部52aおよび分割胴部52bが開き、第1リンク53aが下降すると、分割胴部52aおよび分割胴部52bが閉じるように構成されている。
【0032】
なお、この実施例の開閉機構53は、
図9に示すように、2つの被包装物充填用漏斗50の開閉部(分割胴部52a,52b)を同時に開閉可能に構成されている。これにより、被包装物充填ステーション4に順次間欠移動する複数の被包装物充填用漏斗50をより簡素な構造で同時に開閉できる。
【0033】
そして、開閉部(分割胴部52a,52b)を開いた状態では、
図11(1)および
図11(2)に示すように、放出口51の開口面積は拡大した状態になり、充填する被包装物の設定量が多い大きな包装袋に充填することができる。
【0034】
他方、開閉部(分割胴部52a,52b)を閉じた状態では、
図12(1)および
図12(2)に示すように、放出口51の開口面積は縮小した状態になり、充填する被包装物の設定量が少ない小さい包装袋に充填することができる。
【0035】
なお、
図11(1)および
図11(2)に示した状態は、放出口51の開口面積を最も拡大した状態であり、
図12(1)および
図12(2)に示した状態は、放出口51の開口面積を最も縮小した状態であるため、開閉部(分割胴部52a,52b)の開閉具合を調整することにより、被包装物充填用漏斗50を取り換えることなく、様々な設定量の被包装物を様々なサイズの包装袋に充填することができる。
【0036】
操作機構60は、被包装物充填用漏斗50の開閉機構53を操作するための機構であり、この実施例では、
図8ないし
図10および
図13ないし
図16に示すように、複数の包装ステーション(例えば被包装物充填ステーション4およびガス充填ステーション5)に存在する被包装物充填用漏斗50の開閉部52を同時に開閉可能とする開閉レール61を有している。これにより、複数の包装ステーションにおける、被包装物充填用漏斗50の開閉部52の開閉を同時に行うことができると共に、複数の包装ステーションに渡って、包装袋aに応じて必要とされる袋口bの開口状態を維持することができる。
【0037】
具体的には、この実施例の開閉レール61は、
図13に示すように、移動体2の外方において移動体20と同心円上に、開口・被包装物充填用漏斗挿入ステーション3からガス導入ステーション6まで延在して設けられた弧状体にて構成されている。
【0038】
そして、この開閉レール61は、昇降装置(シリンダー)62により昇降可能に設けられており、
図14に示すように、昇降装置(シリンダー)62のロッド62aが上方に伸長すると、開閉レール61も上昇し、
図8(2)に示すように、包装物充填用漏斗50の開閉部52が開くように構成されている。他方、
図15に示すように、昇降装置(シリンダー)62のロッド62aが下方に移動して収縮すると、開閉レール61も降下し、
図8(1)に示すように、包装物充填用漏斗50の開閉部52が閉じるように構成されている。
【0039】
この実施例の操作機構60は、
図10または
図14に示すように、上記開閉レール61と、昇降装置(シリンダー)62と、ローラー63と、シャフト64と、アーム65と、回動軸66と、回動部材67と昇降シャフト68とを有し、
図16に示した開閉レール61の昇降により、
図10に示したローラー63が昇降し、このローラー63の昇降に伴ないシャフト64が昇降し、これに伴ってアーム65が回動し、このアーム65の回動に伴なって回動軸66を介して回動部材67が回動し、この回動部材67の回動に伴なってリンク機構53と連接された昇降シャフト68が昇降し、この昇降シャフト68の昇降によってリンク機構53が作用して開閉部(分割胴部52a,52b)の開閉具合が調整されるように構成されている。
【0040】
また、この実施例の被包装物充填用漏斗を備えた包装機Pは、包装袋aを各包装工程が行われる包装ステーション1~10毎に間欠移動させる包装機であって、被包装物充填用漏斗50は、全ての包装ステーション1~10に存在するように設けられると共に、包装袋aの間欠移動と同期して包装ステーション1~10を順次間欠移動するように構成されている(同調漏斗:被包装物充填用漏斗50を包装ステーションの数と同数有している:この実施例では、包装ステーションの数は10であるため、被包装物充填用漏斗50も10設けられている)。これにより、被包装物充填用漏斗50が一つの包装袋aに対して各包装工程に渡る連続的な役割(例えば被包装物充填工程では充填量に応じた放出口51の開口面積の確保と包装袋aの袋口bの開口保持であり、ガス充填工程では包装袋aの袋口bの開口保持)を果たすことができるように構成されている。
【0041】
具体的には、包装ステーション1~10と同数の被包装物充填用漏斗50は、包装袋aの移送と同期して、
図7に示した環状レール70に沿って、サーボモーター駆動ユニット(図示しない)の駆動により上下移動を行うように制御され、割り出し機構(図示しない)とモータ装置(図示しない)とからなる公知の駆動ユニットにより水平移動を行うように制御されている。なお、
図7では、被包装物充填用漏斗50は3つの包装ステーションにのみ表されて他の包装ステーションは省略されているが、実際には他の7つの包装ステーションにも同調漏斗(被包装物充填用漏斗50)が設けられている。
【符号の説明】
【0042】
1~10 包装ステーション
11 底受け装置
12 底部受け体
13 昇降部
20 移動体
30 給袋装置(給袋手段)
31 搬送コンベア
32 吸盤
33 吸盤
34 挟持部材
35 印字及び捺印
36 カメラ
37 吸盤
38 ガスノズル
39 シールバー
40 冷却バー
41 製品排出コンベア
42 不良品排出シュート
50 被包装物充填用漏斗
51 放出口
52 開閉部(下側筒形胴部)
52a 分割胴部
52b 分割胴部
53 開閉機構
54 上側筒形胴部
54a 上口
60 操作機構
61 開閉レール
62 昇降装置(シリンダー)
62a ロッド
63 ローラー
64 シャフト
65 アーム
66 回動軸
67 回動部材
68 昇降シャフト
70 環状レール
80 被包装物供給用漏斗
P 被包装物充填用漏斗を備えた包装機
a 包装袋
c 被包装物
g グリップ対