(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】災害対策用被害想定情報作成システム及び該システム用のプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 9/00 20060101AFI20240305BHJP
G06Q 50/26 20240101ALI20240305BHJP
G08B 21/10 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G09B9/00 M
G06Q50/26
G08B21/10
(21)【出願番号】P 2019091233
(22)【出願日】2019-05-14
【審査請求日】2022-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】513089350
【氏名又は名称】株式会社レスキューナウ危機管理研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100080528
【氏名又は名称】下山 冨士男
(74)【代理人】
【識別番号】100073601
【氏名又は名称】前田 和男
(72)【発明者】
【氏名】市川 啓一
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-259887(JP,A)
【文献】特開2019-067306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 9/00
G06Q 50/26
G08B 21/10,31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害に関する複数の状況を想定して被害想定情報を作成する災害対策用被害想定情報作成システムであって、
被害想定情報作成支援コンピュータと、この被害想定情報作成支援コンピュータが交信する被害想定情報データベースと、を有し、
前記被害想定情報データベースは、想定される地震、火災・爆発、火山噴火、豪雨・洪水等、どのような災害に対する訓練を行いたいかを選択するための災害種別、訓練の対象としたい地域を示す被災地域、どの程度深刻な被害想定とするかを選択するための訓練レベルの各情報を登録した基本情報データベースと、想定される地震、火災・爆発、火山噴火、豪雨・洪水等の発生状況等の災害情報を登録した災害情報データベースと、都道府県市町村名を登録した都道府県市町村名データベースと、負傷、建物損壊、火災、交通状況、ライフライン状況、行政対応等の社会被害事例データベースと、業務種別、建物種別、階数、在籍人数等の拠点の情報を登録した拠点名データベースと、業務種別、建物種別、階数別等からなる社内被害事例を登録した社内被害事例データベースと、社内被害別の対応状況を登録した対応事例データベースと、社員名を登録した人名データベースと、社員の部署名を登録した部署名データベースと、社員の役職名を登録した役職名データベースと、を備え、
前記被害想定情報作成支援コンピュータは、前記基本情報データベースの基本情報からオペレータが選択した災害種別、被災地域、訓練レベルの情報と前記災害情報データベースの情報とから訓練の対象とする想定される災害状況情報を生成する災害情報生成手段、
前記災害状況情報を基にその災害の種別、地域、訓練レベルに応じて、前記都道府県市町村名データベースと前記社会被害事例データベースとを参照して、想定される社会被害状況情報を生成する社会被害状況情報生成手段、前記都道府県市町村名データベースと社会被害事例データベースとを参照して、想定される社会被害状況情報を生成する社会被害状況情報生成手段、
前記災害状況情報を基にその災害の種別、地域、訓練レベルに応じて前記拠点名データベースから前記社会被害状況情報に関連付けた該当拠点名を抽出するとともに、
前記社会被害状況情報、該当拠点名の情報を基に、その災害の種別、地域、訓練レベルに応じて前記社内被害事例データベース、対応事例データベースを参照して想定される拠点被害状況情報を生成する拠点被害状況情報生成手段、及び
生成された前記社会被害状況情報、該当拠点名、拠点被害状況情報を基に前記人名データベース、部署名データベース、役職名データベースを参照して、社員名簿を生成し、生成された前記社会被害状況情報、該当拠点名、拠点被害状況情報、社員名簿を基に、拠点毎に該当する社員の想定される安否確認状況情報を生成する安否確認状況情報生成手段として機能する情報生成手段と、を備え、
生成した前記災害状況情報、社会被害状況情報、拠点被害状況情報、及び社員名簿に応じた社員の安否確認状況情報からなる被害想定情報に基づく災害対策訓練を実施可能としたことを特徴とする災害対策用被害想定情報作成システム。
【請求項2】
災害に関する複数の状況を想定して被害想定情報を作成する災害対策用被害想定情報作成システムであって、
被害想定情報作成支援コンピュータと、この被害想定情報作成支援コンピュータが交信する被害想定情報データベースと、を有し、
前記被害想定情報データベースは、想定される地震、火災・爆発、火山噴火、豪雨・洪水等、どのような災害に対する訓練を行いたいかを選択するための災害種別、訓練の対象としたい地域を示す被災地域、どの程度深刻な被害想定とするかを選択するための訓練レベルの各情報を登録した基本情報データベースと、想定される地震、火災・爆発、火山噴火、豪雨・洪水等の発生状況等の災害情報を登録した災害情報データベースと、都道府県市町村名を登録した都道府県市町村名データベースと、負傷、建物損壊、火災、交通状況、ライフライン状況、行政対応等の社会被害事例データベースと、業務種別、建物種別、階数、在籍人数等の拠点の情報を登録した拠点名データベースと、業務種別、建物種別、階数別等からなる社内被害事例を登録した社内被害事例データベースと、社内被害別の対応状況を登録した対応事例データベースと、社員名を登録した人名データベースと、社員の部署名を登録した部署名データベースと、社員の役職名を登録した役職名データベースと、を備え、
前記被害想定情報作成支援コンピュータは、前記基本情報データベースの基本情報からオペレータが選択した災害種別、被災地域、訓練レベルの情報と、前記災害情報データベースの情報とから訓練の対象とする想定される災害状況情報を生成する災害情報生成手段、前記災害状況情報を基にその災害の種別、地域、訓練レベルに応じて、前記都道府県市町村名データベースと社会被害事例データベースとを参照し、想定される社会被害状況情報を生成する社会被害状況情報生成手段、
前記災害状況情報を基にその災害の種別、地域、訓練レベルに応じて前記拠点名データベースから前記社会被害状況情報に関連付けた該当拠点名を抽出するとともに、前記社会被害状況情報、該当拠点名の情報を基に、その災害の種別、地域、訓練レベルに応じて前記社内被害事例データベース、対応事例データベースを参照して想定される拠点被害状況情報を生成する拠点被害状況情報生成手段、及び
生成された前記社会被害状況情報、該当拠点名、拠点被害状況情報を基に前記人名データベース、部署名データベース、役職名データベースを参照して、社員名簿を生成し、生成された前記社会被害状況情報、該当拠点名、拠点被害状況情報、社員名簿を基に、拠点毎に該当する部署名付き、役職名付きの社員の想定される安否確認状況情報を生成する安否確認状況情報生成手段として機能する情報生成手段と、を備え、
生成した前記災害状況情報、社会被害状況情報、拠点被害状況情報、及び社員名簿に応じた部署名付き、役職名付きの社員の安否確認状況情報からなる被害想定情報に基づく災害対策訓練を実施可能としたことを特徴とする災害対策用被害想定情報作成システム。
【請求項3】
被害想定情報作成支援コンピュータと、この被害想定情報作成支援コンピュータが交信する被害想定情報データベースと、を有し、
前記被害想定情報データベースは、災害に関する複数の状況を想定して、想定される地震、火災・爆発、火山噴火、豪雨・洪水等、どのような災害に対する訓練を行いたいかを選択するための災害種別、訓練の対象としたい地域を示す被災地域、どの程度深刻な被害想定とするかを選択するための訓練レベルの各情報を登録した基本情報データベースと、想定される地震、火災・爆発、火山噴火、豪雨・洪水等の発生状況等の災害情報を登録した災害情報データベースと、都道府県市町村名を登録した都道府県市町村名データベースと、負傷、建物損壊、火災、交通状況、ライフライン状況、行政対応等の社会被害事例データベースと、業務種別、建物種別、階数、在籍人数等の拠点の情報を登録した拠点名データベースと、業務種別、建物種別、階数別等からなる社内被害事例を登録した社内被害事例データベースと、社内被害別の対応状況を登録した対応事例データベースと、社員名を登録した人名データベースと、社員の部署名を登録した部署名データベースと、社員の役職名を登録した役職名データベースと、を備える災害対策用被害想定情報作成システム用のプログラムであって、
前記被害想定情報作成支援コンピュータに、前記基本情報データベースの基本情報からオペレータが選択した災害種別、被災地域、訓練レベルの情報と、前記災害情報データベースの情報とから訓練の対象とする想定される災害状況情報を生成する処理を実行させ、更に、前記災害状況情報を基にその災害の種別、地域、訓練レベルに応じて、前記都道府県市町村名データベースと社会被害事例データベースとを参照して、想定される社会被害状況情報を生成する処理をコンピュータに実行させ、そして、
前記災害状況情報を基にその災害の種別、地域、訓練レベルに応じて前記拠点名データベースから前記社会被害状況情報に関連付けた該当拠点名を抽出するとともに、前記社会被害状況情報、該当拠点名の情報を基に、その災害の種別、地域、訓練レベルに応じて前記社内被害事例データベース、対応事例データベースを参照して想定される拠点被害状況情報を生成する処理を実行させ、
生成された前記社会被害状況情報、該当拠点名、拠点被害状況情報を基に前記人名データベース、部署名データベース、役職名データベースを参照して、社員名簿を生成するとともに、前記社会被害状況情報、該当拠点名、拠点被害状況情報、社員名簿に応じて拠点毎に該当する部署名付き、役職名付きの社員の想定される安否確認状況情報を生成する処理を実行させることを特徴とする災害対策用被害想定情報作成システム用のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広範な領域を想定し具体的で実戦的な被害想定情報を簡略に作成することにより、災害対策訓練の実施を促し、社会の災害対応力を高めることが可能な災害対策用被害想定情報作成システム及び該システム用のプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、地震、洪水等に関する災害対策訓練は、想定される被害情報の収集と意思決定を行う訓練とからなり、その災害対策訓練を行うためには被害想定情報の作成が必須となるが、その作業には災害発生時の被害と対応及び災害対応訓練に関する豊富な知識と経験が必要であり、訓練計画を行う際の大きな負荷となり、災害対策訓練を実施する際の大きな障害となっている。
【0003】
特許文献1には、災害状況をシミュレートし災害状況シミュレーション結果を生成する災害状況シミュレータと、仮想空間内の体験者の視点位置と前記体験者が指定する進行方向と前記体験者が指定する速度情報とからなる避難経路情報をリアルタイムに入力するための入力手段と、前記避難経路情報と予め登録した理想的な避難経路情報とを管理する仮想空間構築手段と、前記理想的な避難経路の情報に従い仮想空間映像内を避難する仮想人間像を生成し、該仮想人間像と前記災害状況シミュレーション結果と前記避難経路情報とから避難仮想体験用の仮想空間映像データを生成する映像生成手段と、前記仮想空問映像データに基づいて実スケールで立体視可能な仮想空間映像を表示させて体験者に仮想空間を提示するドーム型の映像表示手段と、を備え、前記映像生成手段は、前記仮想人問像を、前記体験者の視点位置の進行方向前方に位置する場合には動作を有した詳細な3次元形状とテクスチャとで表現するとともに、前記体験者の視点位置の進行方向後方に位置する場合には動作及び3次元形状が無いテクスチャのみで表現する構成とした避難仮想訓練システムが開示されている。
【0004】
しかし、この特許文献1の避難仮想訓練システムの場合、体験者が限定された仮想空間内において、災害時の状況下の避難を疑似体験することを主体とするものであり、適用範囲が狭小で社会の災害対応力を高めるような内容ではない。
【0005】
特許文献2には、位置及び高度を測位可能な測位手段を有する携帯端末と、該携帯端末とネットワークを介して通信可能な管理サーバとを有するシステムを用いた避難シミュレーション方法であって、前記管理サーバは、地図上の所定位置範囲毎に「危険高度」を設定しており、前記管理サーバが想定避難事象の発生に基づく「避難開始アラーム」を、前記携帯端末へ報知する第1のステップと、前記携帯端末が、避難開始アラームを受信した後、前記測位手段によって測位された位置及び高度を、前記管理サーバへ定期的に送信する第2のステップと、前記管理サーバが、前記想定避難事象の発生後からの時間経過に応じて前記地図の危険高度を変化させると共に、前記携帯端末から受信した前記位置及び高度について、前記地図上の当該位置における当該高度が危険高度以下となったか否かを判定し、真と判定された際に、当該携帯端末へ「避難失敗アラーム」を送信する第3のステップと、前記携帯端末は、前記避難失敗アラームを受信した際に、当該携帯端末のユーザへ「避難失敗アラーム」を明示する第4のステップと、を有する避難シミュレーション方法が開示されている。
【0006】
しかし、この特許文献2の避難シミュレーション方法は、避難シミュレーション対象者である住民が自ら避難経路の危険性を判断することを主体とするものであり、極めて狭い範囲の避難経路の危険性を想定したもので、社会の災害対応力を高めるような内容ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第3948202号公報
【文献】特許第5737683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来における上記事情に鑑み開発されたものであり、広範な領域を想定し具体的で実戦的な被害想定情報を簡略に作成することにより、災害対策訓練の実施を促して社会の災害対応力を高めることが可能な災害対策用被害想定情報作成システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、災害に関する複数の状況を想定して被害想定情報を作成する災害対策用被害想定情報作成システムであって、被害想定情報作成支援コンピュータと、この被害想定情報作成支援コンピュータが交信する被害想定情報データベースと、を有し、前記被害想定情報データベースは、想定される災害種別、被災地域、訓練レベルの各情報を登録した基本情報データベースと、想定される災害情報を登録した災害情報データベースと、都道府県市町村名を登録した都道府県市町村名データベースと、想定される社会被害事例を登録した社会被害事例データベースと、拠点の情報を登録した拠点名データベースと、社内被害事例を登録した社内被害事例データベースと、社内被害別の対応状況を登録した対応事例データベースと、社員名を登録した人名データベースと、を備え、前記被害想定情報作成支援コンピュータは、前記被害想定情報データベースに登録した各情報を参照し、想定される災害状況情報、社会被害状況情報、拠点被害状況情報、及び社員名に応じた各社員の安否確認状況情報からなる被害想定情報を作成する情報生成手段を備え、生成した前記災害状況情報、社会被害状況情報、拠点被害状況情報、及び社員名に応じた各社員の安否確認状況情報からなる被害想定情報に基づく災害対策訓練を実施可能としたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、広範な領域を想定し具体的で実戦的な被害想定情報を簡略に作成することにより、災害対策訓練の実施を促し、社会の災害対応力を高めることが可能な災害対策用被害想定情報作成システムを実現し提供することができるとともに、災害状況情報、社会被害状況情報、拠点被害状況情報及び社員名簿に応じた社員の安否確認状況情報からなる被害想定情報を簡略に作成し、この被害想定情報に基づいた災害対策訓練の実施を促し、社会の災害対応力を高めることが可能な災害対策用被害想定情報作成システムを実現し提供することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果を奏するとともに、安否確認状況情報には社員名簿に応じた部署名付き、役職名付きの社員の情報も含まれるので、より一層詳細な被害想定情報を簡略に作成し、この被害想定情報に基づいた災害対策訓練の実施を促すことが可能な災害対策用被害想定情報作成システムを実現し提供することができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、請求項1、2記載の発明の効果を奏する災害対策用被害想定情報作成システムを実現することができる災害対策用被害想定情報作成システム用のプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は本発明の実施例に係る災害対策用被害想定情報作成システムの構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】
図2は本実施例に係る災害対策用被害想定情報作成システムによる被害想定情報の作成処理を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、広範な領域を想定し具体的で実戦的な被害想定情報を簡略に作成することにより、災害対策訓練の実施を促し、社会の災害対応力を高めることが可能な災害対策用被害想定情報作成システムを実現し提供するという目的を、災害に関する複数の状況を想定して被害想定情報を作成する災害対策用被害想定情報作成システムであって、被害想定情報作成支援コンピュータと、この被害想定情報作成支援コンピュータが交信する被害想定情報データベースと、を有し、前記被害想定情報データベースは、想定される地震、火災・爆発、火山噴火、豪雨・洪水等どのような災害に対する訓練を行いたいかを選択するための災害種別、訓練の対象としたい地域を示す被災地域、どの程度深刻な被害想定とするかを選択するための訓練レベルの各情報を登録した基本情報データベースと、想定される地震、火災・爆発、火山噴火、豪雨・洪水等の発生状況等の災害情報を登録した災害情報データベースと、都道府県市町村名を登録した都道府県市町村名データベースと、負傷、建物損壊、火災、交通状況、ライフライン状況、行政対応等の社会被害事例データベースと、業務種別、建物種別、階数、在籍人数等の拠点の情報を登録した拠点名データベースと、業務種別、建物種別、階数別等からなる社内被害事例を登録した社内被害事例データベースと、社内被害別の対応状況を登録した対応事例データベースと、社員名を登録した人名データベースと、を備え、前記被害想定情報作成支援コンピュータは、前記基本情報データベースの基本情報から選択した災害種別、被災地域、訓練レベルの情報と、前記災害情報データベースの情報とから訓練の対象とする想定される災害状況情報を生成する災害情報生成手段、前記災害状況情報を基にその災害の種別、地域、訓練レベルに応じて、前記都道府県市町村名データベースと社会被害事例データベースとを参照し、想定される社会被害状況情報を生成する社会被害状況情報生成手段、生成された社会被害状況情報を基にその災害の種別、地域、訓練レベルに応じて前記拠点名データベースから該当拠点名を抽出するとともに、前記社内被害事例データベース、対応事例データベースを参照して想定される拠点被害状況情報を生成する拠点被害状況情報生成手段、及び生成された拠点被害状況情報を基に前記人名データベースを参照して、社員名簿、及び拠点毎に該当する社員の想定される安否確認状況情報を生成する安否確認状況情報生成手段として機能する情報生成手段と、を備え、生成した前記災害状況情報、社会被害状況情報、拠点被害状況情報、及び社員名簿に応じた社員の安否確認状況情報からなる被害想定情報に基づく災害対策訓練を実施可能とする構成により実現した。
【実施例】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係る災害対策用被害想定情報作成システム及び該システム用のプログラムについて詳細に説明する。
【0017】
本実施例に係る災害対策用被害想定情報作成システム1は、
図1に示すように、被害想定情報作成支援コンピュータ2と、被害想定情報データベース(DB)21と、を有している。
【0018】
前記被害想定情報作成支援コンピュータ2は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含みシステム全体を制御する制御部10と、システムの動作に必要なプログラムを格納したプログラムメモリ11と、本実施例の情報処理に伴って発生する一時的な情報を記憶するRAM12と、を具備し、前記制御部10により、プログラムメモリ11からプログラムをRAM12に読み出して各種情報処理を支援する。
【0019】
また、前記被害想定情報作成支援コンピュータ2は、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の表示部13、キーボード、マウス等の入力部14、プリンタ15及び前記被害想定情報データベース21と交信するインタフェース16を備えている。
【0020】
更に、前記被害想定情報作成支援コンピュータ2は、前記プログラム、及び被害想定情報データベース21に記憶した各種情報に基づき、詳細は後述する災害対策用の各種内容からなる被害想定情報を生成する情報生成手段17と、生成した各種内容からなる被害想定情報を記憶する生成情報記憶部18とを具備している。
【0021】
次に、前記被害想定情報データベース21について詳述する。
【0022】
前記被害想定情報データベース21は、基本情報データベース(DB)22と、災害情報データベース(DB)23と、都道府県市町村名データベース(DB)24と、社会被害事例データベース(DB)25と、拠点名データベース(DB)26と、社内被害事例データベース(DB)27と、対応事例データベース(DB)28と、人名データベース(DB)29と、部署名データベース(DB)30と、役職名データベース(DB)31とを具備している。
【0023】
前記基本情報データベース(DB)22は、想定される災害種別、被災地域、訓練レベルの各情報を他のデータと関連付けて記憶している。
【0024】
ここに、災害種別とは、地震、火災・爆発、火山噴火、豪雨・洪水等、どのような災害に対する訓練を行いたいかの各情報である。また、被災地域とは、訓練の対象としたい地域名を登録した情報である。更に、訓練レベルとは、どの程度深刻な被害想定とするかを選択するための情報である。
【0025】
前記災害情報データベース(DB)23は、想定される地震、火災・爆発、火山噴火、豪雨・洪水等の発生状況等の各情報を記憶している。
【0026】
前記都道府県市町村名データベース(DB)24は、都道府県名や市町村名(市区町村名)を関連付けて記憶している。
【0027】
前記社会被害事例データベース(DB)25は、想定される負傷、建物損壊、火災、交通状況、ライフライン状況、行政対応等の各情報を記憶している。
【0028】
前記拠点名データベース(DB)26は、業務種別、建物種別、階数、在籍人数等の各情報を記憶している。
【0029】
前記社内被害事例データベース(DB)27は、業務種別、建物種別、階数別の社内被害事例の各情報を記憶している。
【0030】
前記対応事例データベース(DB)28は、社内被害別の対応状況の情報を記憶している。
【0031】
前記人名データベース(DB)29は、社員の姓名の情報を記憶している。
【0032】
前記部署名データベース(DB)30は、社員の部署名の情報を記憶している。
【0033】
前記役職名データベース(DB)31は、社員の役職名の情報を記憶している。
【0034】
次に、
図2を参照して本実施例に係る災害対策用被害想定情報作成システム1による被害想定情報の作成処理について説明する。
【0035】
まず、オペレータが前記基本情報データベース22の基本情報から災害種別、被災地域、訓練レベルの情報を選択すると、前記情報生成手段(災害情報生成手段)17は前記プログラムに基づき選択した前記各情報と、前記災害情報データベース23を参照した情報とにより、想定される災害状況情報を生成する。
【0036】
例えば、災害種別が地震であれば、
震源地:東京多摩東部 北緯139.4度 東経35.6度
震源の深さ:約20km(暫定値)
地震の規模(マグニチュード):7.4(暫定値)
[震度5弱以上が観測された地域]
震度7 東京多摩東部
震度6強 東京多摩西部
震度6弱 東京23区 埼玉県南部
震度5強 埼玉県北部 山梨県東部・富士五湖 神奈川県西部 神奈川県東部
津波情報:多少の潮位の変化はあるかもしれないが被害の心配はなし
のような災害状況情報を生成する。
【0037】
これらの情報はパターンとして前記災害情報データベース23に記憶されており、基本情報との関連性をマトリックス表で整理しており、合致するパターンが抽出される。
【0038】
次に、前記プログラムにより、前記情報生成手段(社会被害状況情報生成手段)17は前記災害状況情報を基にその災害の種別、地域、訓練レベルに応じて、前記都道府県市町村名データベース24と社会被害事例データベース25とを参照し、想定される社会被害状況情報を生成する。
【0039】
例えば、社会被害状況情報としては、xx市内では多数の負傷者が発生している等である。
【0040】
この「xx」の欄には都道府県市町村名データベース24から被災該当地域の市名等を挿入するものである。
【0041】
社会被害状況情報の具体例としては、
鉄道は首都圏全線点検のため運休中
エレベータ閉じ込め多数発生との報道
首相官邸に災害対策本部設置。官邸入りした首相が記者団に「状況把握に全力を挙げるように」指示した
〇〇消防庁によると8名の死亡が確認されており、119番通報多く救急車が対応しきれていない
道路は都内各所で大渋滞しており、信号機が止まっているところもある
首都圏と周辺一帯の高速道路、首都高速道路は全線通行止め
停電している地域もある模様
〇〇ガス社によると首都圏の多くのところでガス供給を停止している
〇〇空港は滑走路点検のため離発着停止中
首都圏では固定電話、携帯電話ともにつながりにくくなっている
東京都知事は自衛隊派遣を要請
〇〇証券取引所をはじめ国内の証券取引所は取引を停止している
のような情報を挙げることができる。
【0042】
また、前記プログラムにより、前記情報生成手段17は前記災害状況情報を基にその災害の種別、地域、訓練レベルに応じて、前記拠点名データベース26を参照して、業務種別、建物種別等の社会被害状況情報に関連付けた該当拠点名の情報も生成する。
【0043】
次に、前記プログラムにより、前記情報生成手段(拠点被害状況情報生成手段)17は生成された社会被害状況情報、該当拠点名の情報を基に、その災害の種別、地域、訓練レベルに応じて前記社内被害事例データベース27、対応事例データベース28を参照して想定される拠点被害状況情報を生成する。
【0044】
この拠点被害状況情報としては、例えば、
○○工場 工場棟の第一ラインで機器が転倒、倉庫で製品が落下し2名負傷、頭を強く打ち意識もうろう
△△工場 倉庫で棚が転倒、工場内の天井パネル落下、機器の転倒など被害が多数出ている模様 生産再開はすぐに出来ない状況
□□工場 揺れにより機器がずれたり配管がはずれるなどの被害が出ているため点検中
等のような内容である。
【0045】
次に、前記プログラムにより、前記情報生成手段17は、生成された社会被害状況情報該当拠点名、拠点被害状況情報を基に、前記人名データベース29と、部署名データベース30と、役職名データベース31を参照し、社員名簿の情報を生成する。
【0046】
この社員名簿の情報は、例えば、部署名を営業所とした場合、その部署に関連する役職名は所長、部長、課長、主任となり、また、その営業所には、所長は1名、部長1名、課長2名、主任4名、のように関連した情報である。
【0047】
また、仮に部署名を工場とした場合には、工場長、第一生産部長、第二生産部長、生産管理部長、その下に課長をそれぞれ2名、その下に主任をそれぞれ4名というような情報である。
【0048】
次に、前記プログラムにより、前記情報生成手段(安否確認状況情報生成手段)17は生成された社会被害状況情報、該当拠点名、拠点被害状況情報、社員名簿の情報を基に、拠点毎に該当する部署名付き、役職名付きの社員の想定される安否確認状況情報を生成する。
【0049】
これら一連の処理により、生成した前記災害状況情報、社会被害状況情報、拠点被害状況情報、及び社員名簿に基づく部署名付き、役職名付きの社員の安否確認状況情報からなる被害想定情報が簡略に作成され、これらを基に災害対策訓練の実施が可能となる。
【0050】
本実施例に係る災害対策用被害想定情報作成システム1用のプログラムは、前記被害想定情報作成支援コンピュータ2に、前記基本情報データベース22の基本情報から選択した災害種別、被災地域、訓練レベルの情報と、前記災害情報データベース23の情報とから訓練の対象とする想定される災害状況情報を生成する処理、前記災害状況情報を基にその災害の種別、地域、訓練レベルに応じて、前記都道府県市町村名データベース24と社会被害事例データベース25とを参照し、想定される社会被害状況情報を生成する処理、生成された社会被害状況情報を基にその災害の種別、地域、訓練レベルに応じて前記拠点名データベース26から該当拠点名を抽出するとともに、前記社内被害事例データベース27、対応事例データベース28を参照して想定される拠点被害状況情報を生成する処理、生成された拠点被害状況情報を基に前記人名データベース29、部署名データベース30、役職名データベース31を参照して、社員名簿を生成するとともに、社員名簿に応じて拠点毎に該当する部署名付き、役職名付きの社員の想定される安否確認状況情報を生成する処理を実行させるものである。
【0051】
以上説明した本実施例に係る災害対策用被害想定情報作成システム1によれば、被害想定情報が簡略に作成されることから、訓練計画を行う際の負担軽減が図れ、災害対策訓練の実施する際の障害が確実に解消される。
【0052】
更に具体的には、災害対策訓練を実施するための準備負担の軽減が図れ、災害対策訓練の準備に知識と経験を必要とすることがなく、災害対策訓練を何度でもいつでも繰り返し行うことが可能となって実戦的な災害対策訓練を行うことが可能となり、一人でも災害対策訓練を行うことができるという種々の効果を奏するものである。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る災害対策用被害想定情報作成システムは、想定される地震、台風、洪水、津波、火山噴火等各種災害に対する訓練用として広範に利用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 災害対策用被害想定情報作成システム
2 被害想定情報作成支援コンピュータ
10 制御部
11 プログラムメモリ
12 RAM
13 表示部
14 入力部
15 プリンタ
16 インタフェース
17 情報生成手段
18 生成情報記憶部
21 被害想定情報データベース
22 基本情報データベース
23 災害情報データベース
24 都道府県市町村名データベース
25 社会被害事例データベース
26 拠点名データベース
27 社内被害事例データベース
28 対応事例データベース
29 人名データベース
30 部署名データベース
31 役職名データベース