(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】折処理設定装置、シート折装置及び折処理設定プログラム
(51)【国際特許分類】
B65H 45/10 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
B65H45/10
(21)【出願番号】P 2019190599
(22)【出願日】2019-10-17
【審査請求日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】P 2019113121
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000109727
【氏名又は名称】株式会社デュプロ
(72)【発明者】
【氏名】坂本 利浩
(72)【発明者】
【氏名】羽田野 聖昌
(72)【発明者】
【氏名】秋永 幸一
(72)【発明者】
【氏名】仲西 聡
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 守
(72)【発明者】
【氏名】清水 弥
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-095319(JP,A)
【文献】特開2005-138961(JP,A)
【文献】特開2013-010581(JP,A)
【文献】特開平04-064576(JP,A)
【文献】特開2014-144857(JP,A)
【文献】特開2008-247533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 37/00- 37/06
B65H 41/00
B65H 45/00- 47/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの折処理での前記シートにおける折目の位置を設定する折処理設定装置であって、
前記シートの全長を取得するシート全長取得制御と、
前記折処理の後の前記シートの長さである仕上り寸法の入力を受付ける仕上り寸法入力受付制御と、
前記折処理での折りの種類の入力を受付ける折種入力受付制御と、
前記折処理によって形成される複数の折面の中から、その長さが前記仕上り寸法となる仕上り寸法折面を選択する入力を受付ける仕上り寸法折面選択受付制御と、を実行し、前記シートにおける前記折目の位置を設定する
ものであり、
前記仕上り寸法入力受付制御の後に、前記折種入力受付制御を実行することを特徴とする折処理設定装置。
【請求項2】
シートの折処理での前記シートにおける折目の位置を設定する折処理設定装置であって、
前記シートの全長を取得するシート全長取得制御と、
前記折処理の後の前記シートの長さである仕上り寸法の入力を受付ける仕上り寸法入力受付制御と、
前記折処理での折りの種類の入力を受付ける折種入力受付制御と、
前記折処理によって形成される複数の折面の中から、その長さが前記仕上り寸法となる仕上り寸法折面を選択する入力を受付ける仕上り寸法折面選択受付制御と、を実行し、前記シートにおける前記折目の位置を設定するものであり、
前記折種入力受付制御の後に、前記仕上り寸法入力受付制御を実行することを特徴とする折処理設定装置。
【請求項3】
請求項1
または2に記載の折処理設定装置において、
前記仕上り寸法折面以外の少なくとも一つの前記折面の寸法の入力を受付ける折面寸法入力受付制御を実行することを特徴とする折処理設定装置。
【請求項4】
請求項1乃至
3の何れか一項に記載の折処理設定装置において、
前記シート全長取得制御として、前記シートの全長の入力を受付けるシート全長入力制御を実行することを特徴とする折処理設定装置。
【請求項5】
請求項1乃至
4の何れか一項に記載の折処理設定装置において、
前記折処理を施す前の前記シートの全長を検出するシート全長検出手段を備え、
前記シート全長取得制御として、前記シート全長検出手段による検出制御を実行することを特徴とする折処理設定装置。
【請求項6】
請求項1乃至
5の何れか一項に記載の折処理設定装置において、
前記折処理の設定の操作入力を受付ける操作部と、
前記操作入力に関する表示を行う表示部と、を備え、
前記仕上り寸法入力受付制御で前記仕上り寸法の入力を受付ける表示と、前記折種入力受付制御で前記折りの種類の入力を受付ける表示と、前記仕上り寸法折面選択制御で前記仕上り寸法折面を選択させる表示とを前記表示部に表示することを特徴とする折処理設定装置。
【請求項7】
折目の位置の設定に基づいてシートに対して折処理を施すシート折手段を備えるシート折装置において、
前記折目の位置を設定する構成として、請求項1乃至
6の何れか一項に記載の折処理設定装置の構成を備えることを特徴とするシート折装置。
【請求項8】
シートの折処理での前記シート
における折目の位置を設定する折処理設定プログラムであって、
前記シートの全長を取得するシート全長取得制御と、
前記折処理の後の前記シートの長さである仕上り寸法の入力を受付ける仕上り寸法入力
受付制御と、
前記折処理での折りの種類の入力を受付ける折種入力受付制御と、
前記折処理によって形成される複数の折面の中から、その長さが前記仕上り寸法となる仕上り寸法折面を選択する入力を受付ける仕上り寸法折面選択受付制御と、を実行し、前記シートにおける前記折目の位置を設定する
ものであり、
前記仕上り寸法入力受付制御の後に、前記折種入力受付制御を実行することを特徴とする折処理設定プログラム。
【請求項9】
シートの折処理での前記シートにおける折目の位置を設定する折処理設定プログラムであって、
前記シートの全長を取得するシート全長取得制御と、
前記折処理の後の前記シートの長さである仕上り寸法の入力を受付ける仕上り寸法入力
受付制御と、
前記折処理での折りの種類の入力を受付ける折種入力受付制御と、
前記折処理によって形成される複数の折面の中から、その長さが前記仕上り寸法となる仕上り寸法折面を選択する入力を受付ける仕上り寸法折面選択受付制御と、を実行し、前記シートにおける前記折目の位置を設定するものであり、
前記折種入力受付制御の後に、前記仕上り寸法入力受付制御を実行することを特徴とする折処理設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折処理設定装置、シート折装置及び折処理設定プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シートの折処理でのシートにおける折目の位置を設定する折処理設定装置が知られている。
【0003】
この種の折処理設定装置の構成を備えたシート折装置として、特許文献1には、用紙(シート)が積載される給紙台に積載された用紙を、給送機構によって紙折部にむけて給紙し、紙折部で折処理を行い、折処理を施した用紙を排紙部に排紙するものが記載されている。
特許文献1のシート折装置では、内部にシート搬送路を形成する二つの折込板と、それぞれの折込板に配置された二つのストッパとを備え、それぞれの折込板におけるストッパの位置を調整することで、シートにおける折目の位置を設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般の使用者にとって、折込板におけるストッパの位置と折処理後のシートにおける折目の位置との関係は分かり難い。このため、従来の折込板におけるストッパの位置を調整する構成では、使用者が折処理後のシートの状態をイメージし難く、折処理の設定操作が煩雑になるという問題が生じることがあった。このような問題は、折処理設定装置の構成を備えたシート折装置に限らず、シート折装置とは別体で、折処理でのシートの折目の位置の設定をシート折装置に出力する折処理設定装置や、折処理の設定を行う折処理設定プログラムであっても同様の問題は生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一つの態様は、シートの折処理での前記シートにおける折目の位置を設定する折処理設定装置であって、前記シートの全長を取得するシート全長取得制御と、前記折処理の後の前記シートの長さである仕上り寸法の入力を受付ける仕上り寸法入力受付制御と、前記折処理での折りの種類の入力を受付ける折種入力受付制御と、前記折処理によって形成される複数の折面の中から、その長さが前記仕上り寸法となる仕上り寸法折面を選択する入力を受付ける仕上り寸法折面選択受付制御と、を実行し、前記シートにおける折目の位置を設定するものであり、前記仕上り寸法入力受付制御の後に、前記折種入力受付制御を実行することを特徴とするものである。
また、本発明の他の態様は、シートの折処理での前記シートにおける折目の位置を設定する折処理設定装置であって、前記シートの全長を取得するシート全長取得制御と、前記折処理の後の前記シートの長さである仕上り寸法の入力を受付ける仕上り寸法入力受付制御と、前記折処理での折りの種類の入力を受付ける折種入力受付制御と、前記折処理によって形成される複数の折面の中から、その長さが前記仕上り寸法となる仕上り寸法折面を選択する入力を受付ける仕上り寸法折面選択受付制御と、を実行し、前記シートにおける折目の位置を設定するものであり、前記折種入力受付制御の後に、前記仕上り寸法入力受付制御を実行することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、折処理でのシートの折目の位置の設定する際に、使用者が折処理後のシートの状態をイメージし易くなり、折処理の設定操作が容易になる、という優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】紙折機の制御部を中心とする電気的接続関係の概略を示すブロック図。
【
図5】第一折込機構と、その周辺の構成とを表す側面図。
【
図6】第一折込機構と、その周辺の構成とを斜め下方から見た斜視図。
【
図7】定型折りと特殊折りとを模式的に示した説明図。
【
図8】変形外三つ折りを施した用紙Pを引き延ばした状態の説明図。
【
図9】特殊折りにおける折処理設定のフローチャート。
【
図17】変形二つ折りの場合の折処理後位置表示部の表示の説明図。
【
図18】変形内三つ折りの場合の折処理後位置表示部の表示の説明図。
【
図19】変形四つ折りの場合の折処理後位置表示部の表示の説明図。
【
図20】変形例の折処理設定前の待機画面の説明図。
【
図22】変形例の仕上り寸法位置選択画面の説明図。
【
図23】変形例の内三つ折りと四つ折りとの仕上り寸法位置選択ボタンの説明図。
【
図26】変形例の折処理設定後の待機画面の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した折処理設定装置を備えるシート折装置として、シートとして用紙を折り畳む紙折機1の一実施形態について説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る紙折機1の外観図であり、
図1(a)は側面図、
図1(b)は上面図である。
図2は、折り畳み対象となる用紙Pが積載された状態の紙折機1を
図1(a)と同じ方向から見た概略構成図である。
図1及び
図2に示すように、紙折機1は、折り畳み対象となる用紙Pを送り出す給紙部2と、給紙部2から送り出された用紙Pを折り畳む折処理部4と、折処理部4で折り畳まれた用紙Pが排紙される排紙部3とを備える。また、紙折機1の各構成部品を保持するフレーム5として、前フレーム5aと後フレーム5bとを備える。紙折機1の上面の一部を構成する前フレーム5aの上面には、ユーザーが所定の操作入力を行うための操作パネル10が設けられている。
【0011】
操作パネル10は、タッチパネル101、スタートボタン111、ストップボタン112及びテストボタン113等を備える。
【0012】
給紙部2は、用紙Pが積載される給紙台6と、給紙台6を昇降させる昇降駆動機構と、エア吐出機構8と、給送機構7とを備える。エア吐出機構8は、給紙台6に積載された用紙P同士を互いに分離させるためのエアを吐出するものであり、給送機構7は、分離された用紙Pのうち最上位の用紙Pを送り出すものである。
【0013】
給送機構7は、エアサクション式の機構である。給紙台6は、紙折機1のフレーム5に対して上下に昇降可能に支持されている。
給紙台6には、積載された用紙Pの幅方向の位置がずれることを防止する一対のサイドガイド50と、用紙Pの長さ方向の位置がずれることを防止するエンドフェンス12とを備える。一対のサイドガイド50は、給紙台6に積載された用紙Pのサイズに応じて、用紙幅方向のセンターラインを中心に対称移動可能に構成され、用紙束の幅方向の両端面にそれぞれ当接して用紙Pの幅方向の移動を規制する。エンドフェンス12は、用紙束を後方(給紙部2における用紙搬送方向上流側、
図2中の左側)から支持して、用紙Pの長さ方向(用紙搬送方向)の移動を規制する。
【0014】
給送機構7は、搬送ベルト14とサクションダクト16とを備える。搬送ベルト14は、不図示の駆動モータからの駆動が伝達されることで、用紙搬送面(下面)が用紙搬送方向(
図2中の右方向)に移動するように回転駆動する。サクションダクト16には、エア吸引用のファンが内蔵され、そのファンが回転することにより、搬送ベルト14の用紙搬送面近傍に設けられたサクションダクト16の吸引用開口部からエアが吸引される。吸引用開口部からエアを吸引しながら、所定の用紙給送タイミングで搬送ベルト14を駆動することで、給紙台6に積載された用紙束のうち最上位の用紙Pを搬送ベルト14の用紙搬送面に吸着させ、用紙Pを給送することができる。
【0015】
エア吐出機構8は、給紙台6の給送方向前方(用紙搬送方向下流側)に設けられている。エア吐出機構8は、給紙台6に積載された用紙束の前端部に向けてエアを吹き出し、その用紙束の上層部の用紙Pを浮上させるとともに、浮上した用紙P同士を分離して給紙性能を高めるものである。エア吐出機構8には、用紙束の前端面に対してエアを吐出するための複数のエア吐出口が設けられている。エア吐出機構8には、ファンまたはブロアなどのエアフロー発生部に接続されており、このエアフロー発生部が作動することにより、エア吐出口からエアが吹き出される。これにより、給紙台6に積載された用紙束を構成する用紙Pのうち、搬送ベルト14の用紙搬送面に近い用紙P同士の間隔を開けることができ、用紙Pの分離性を向上させ、給紙性能を高めることができる。
給送機構7としては、エアサクション式の機構に限らず、給紙ローラを用いたフリクション式の機構でもよい。
【0016】
折処理部4は、入口ローラ対18と、四つの折部ローラ20(20a~20d)と、内部に搬送路(23,28)を形成する二つの折込板(36,40)とを備える。排紙部3は、排紙搬送機構24及び排出トレイ26を備える。
図3は、紙折機1の四つの折部ローラ20近傍の拡大説明図であり、
図2に示す紙折機1の右半分の各拡大図である。
【0017】
四つの折部ローラ20のうち、第一折部ローラ20aと第二折部ローラ20bとは当接または近接対向し、第一折込板36に向けて用紙Pを受け入れる受入ローラ対を形成する。第二折部ローラ20bと第三折部ローラ20cとは当接または近接対向し、先端側が第一折込板36に進入した用紙Pに対して一回目の折りを施すとともに、第二折込板40に向けて搬送する第一折ローラ対を形成する。第三折部ローラ20cと第四折部ローラ20dとは当接または近接対向し、先端側が第二折込板40に進入した用紙Pに対して二回目の折りを施すとともに、排紙部3に向けて用紙Pを搬送する第二折ローラ対を形成する。
【0018】
第一折込板36は、第一折込搬送路23と第一折ストッパ25とを直方体形状の第一折込板筐体34に収容した構成である。また、第二折込板40は、第二折込搬送路28と第二折ストッパ32とを直方体形状の第二折込板筐体38に収容した構成である。
【0019】
図3中の二点鎖線「PL」は、用紙Pの搬送経路の一部を示している。
給紙部2から送り出された用紙Pは、入口ローラ対18によって折処理部4の機構に向けて搬送される。
入口ローラ対18を通過した用紙Pは、受入ローラ対を形成する第一折部ローラ20aと第二折部ローラ20bとによって挟持搬送され、第一折込搬送路23に進入する。第一折込搬送路23の所定位置には第一折ストッパ25が設けられている。このため、第一折込搬送路23に進入した用紙Pの先端が第一折ストッパ25に当接すると、用紙Pはそれ以上搬送方向前方(第一折込搬送路23の奥側)に進むことができなくなる。
【0020】
先端が第一折ストッパ25に突き当たった後も、受入ローラ対による用紙Pの搬送動作が継続されるため、用紙Pにおける受入ローラ対よりも下流側、且つ、第一折込搬送路23よりも上流側に位置する部分に撓みが生じる。この撓が生じた部分が先頭となって、第一折ローラ対を形成する第二折部ローラ20bと第三折部ローラ20cとの間に巻き込まれ、挟持搬送されることで、撓みが生じた部分が第一の折位置となって用紙Pに一つ目の折目が形成される。
【0021】
一つ目の折目が形成された用紙Pは、第一折ローラ対を通過した後、そのまま排紙部3に排紙されるか、二つ目の折目が形成される。第一折ローラ対のニップ部の出口側には経路切替ガイド30(経路切り替え部材)が配置されており、不図示の駆動源によって経路切替ガイド30を移動させ、位置を変更する。これにより、用紙Pの搬送経路を、第二折ローラ対のニップ部に向かう経路と、第二折込板40内の第二折込搬送路28に向かう経路との何れかの経路に切り替えることができる。
【0022】
経路切替ガイド30が第一折ローラ対のニップ部の出口を覆う遮蔽位置(
図3中の実線の位置)にある状態では、第一折ローラ対のニップ部を通過して二つ折りにされた用紙Pがそのまま排紙部3へと導かれる。
一方、経路切替ガイド30が第一折ローラ対のニップ部の出口を覆わない待機位置(
図3中の破線の位置)にある状態では、第一折ローラ対のニップ部を通過して二つ折りにされた用紙Pは、第二折込搬送路28に進入する。
【0023】
図2に示すように、第一折込搬送路23と同様に、第二折込搬送路28の所定位置には第二折ストッパ32が設けられている。このため、第二折込搬送路28に進入した用紙Pの先端(一つ目の折目の部分)が第二折ストッパ32に当接すると、用紙Pはそれ以上搬送方向前方(第二折込搬送路28の奥側)に進むことができなくなる。
先端が第二折ストッパ32に突き当たった後も、第一折ローラ対による用紙Pの搬送動作が継続されるため、用紙Pにおける第一折ローラ対よりも下流側、且つ、第二折込搬送路28よりも上流側に位置する部分に撓みが生じる。この撓が生じた部分が先頭となって、第二折ローラ対を形成する第三折部ローラ20cと第四折部ローラ20dとの間に巻き込まれ、挟持搬送されることで、撓みが生じた部分が第二の折位置となって用紙Pに二つ目の折目が形成される。
【0024】
このように、経路切替ガイド30を待機位置に位置させることで、用紙Pに対して三つ折りや四つ折りの折処理を施すことが可能となる。
折処理を施す際には、三つ折りや四つ折りといった折りの種類や折面(用紙Pにおける折目によって仕切られた複数の領域)の長さが所望のものとなるように、第一折込搬送路23における第一折ストッパ25の位置と、第二折込搬送路28における第二折ストッパ32の位置とを設定する必要がある。
【0025】
図4は、紙折機1の制御部100を中心とする電気的接続関係の概略を示すブロック図である。制御部100は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM等を有する。制御部100には、入力装置110の各種スイッチを介した操作入力、給紙処理用センサ120及び折処理用センサ130を含む各検出センサからの検出信号が入力される。入力装置110は、フレーム5の上面に設けられた操作パネル10として設けられている。折処理用センサ130は、後述する超音波式給紙エラーセンサ51、光学式給紙エラーセンサ52、排紙エラーセンサ54及びストッパ位置センサ90等を含む。
【0026】
操作パネル10は、ユーザーの操作入力を受付ける操作部であり、制御部100は、操作パネル10からの入力内容を受付けるとともに、その入力内容や各種センサからの入力内容に基づいて、給送機構7や折処理部4等を制御する制御手段である。
【0027】
制御部100は、各種スイッチやセンサからの入力に基づいて給紙制御や折り制御のための所定の演算処理を実行する。そして、給送機構7を作動する給紙作動アクチュエータ140、折処理部4を作動する折処理作動アクチュエータ150等に制御指令信号を出力する。
折処理作動アクチュエータ150は、入口ローラ対18や折部ローラ20(20a~20d)を駆動するローラ駆動モータ152や後述するストッパ移動モータ70等を含む。また、制御部100は、各処理の設定画面や進行状況を表示装置160に表示させる。表示装置160は、フレーム5の上面にタッチパネル101として設けられている。
【0028】
図2及び
図3に示すように、入口ローラ対18と受入ローラ対(20a,20b)との間には、給紙エラーを検出する超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52が設けられている。超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52は、入口ローラ対18と受入ローラ対との間の用紙搬送路である受入搬送路53を通過する用紙Pの有無と、通過する用紙Pの重送発生の有無とを検出する。
制御部100は、給紙部2から給紙した旨の信号を受け取ると、その受信から予め設定された給紙時間内に超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52の両方または一方により用紙Pが検出されなければ、空送りが発生したと判定する。給紙時間内に用紙Pが検出されると、超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52の一方または両方の出力に応じて重送発生の有無を判定する。
制御部100は、超音波式給紙エラーセンサ51及び光学式給紙エラーセンサ52の両方または一方が用紙Pの前端を検知してから、用紙通過時間(用紙Pの全長に応じて予め設定された時間)が経過してもその検出状態が継続した場合には、ジャムが発生したと判定する。
【0029】
第二折ローラ対(20c,20d)のニップ部の出口近傍(排紙搬送機構24の上流部)には、排紙エラーを検出するための排紙エラーセンサ54が設けられている。排紙エラーセンサ54は、第二折ローラ対のニップ部から排出トレイ26へ向けて排出される用紙Pの通過を検出する。制御部100は、用紙Pが超音波式給紙エラーセンサ51または光学式給紙エラーセンサ52を通過してから排紙到達時間(用紙Pの全長及び折処理の条件に応じて予め設定された用紙Pが排紙部3に到達するまでの時間)が経過しても、排紙エラーセンサ54によって用紙Pが検出されなければ、ジャムが発生したと判定する。また、制御部100は、排紙エラーセンサ54が用紙Pを検出してから排紙通過時間(用紙Pの全長及び折処理の条件に応じて予め設定された折処理後の用紙Pが任意の位置を通過するのに要する時間)が経過しても、排紙エラーセンサ54による用紙Pの検出状態が継続した場合にも、ジャムが発生したと判定する。
【0030】
上述した「排紙到達時間」や「排紙通過時間」については、折処理での折りの種類が二つ折りと三つ折りの何れであるか等、折処理の条件に応じて設定値を異ならせてもよい。また、「給紙時間」、「用紙通過時間」、「排紙到達時間」及び「排紙通過時間」の各設定時間に変えて、搬送モータの回転数を示すそれぞれの設定パルス数を設定し、設定パルス数に基づいて各搬送エラーを判定してもよい。
【0031】
図2及び
図3に示すように、第一折込板36は、第一折込板筐体34に第一折込機構60を収容して構成される。
図5は、第一折込機構60と、その周辺の構成とを表す側面図である。
図6は、第一折込機構60と、その周辺の構成とを斜め下方から見た斜視図である。
【0032】
第一折込機構60は、第一折込搬送ガイド62、第一折ストッパ25、ストッパガイドロッド64、ストッパ移動ベルト66及び駆動伝達ロッド68を含む。フレーム5には、第一折ストッパ25を移動させるためのストッパ移動モータ70が設置されている。ストッパ移動モータ70は、ステッピングモータからなる。
【0033】
図5及び
図6に示すように、第一折込搬送ガイド62は、長方形状の一対の板材を対向配置し、それらの間に第一折込搬送路23を形成するように構成される。第一折込搬送ガイド62の出入口側端部(用紙Pが第一折込搬送路23に進入する際の進入方向上流側端部)は、受入ローラ対のニップ部を通過した用紙Pの受け入れを容易とするよう拡開されている。
【0034】
第一折込搬送ガイド62の下方にストッパガイドロッド64を備えている。ストッパガイドロッド64は、
図6に示すように第一折込搬送ガイド62の幅方向(
図5の紙面に直交する方向)中央に配置されており、第一折込搬送ガイド62の長手方向(用紙Pの搬送方向に沿う方向)に延在するように固定されている。
第一折込搬送ガイド62には、ストッパガイドロッド64の上方及びその幅方向両側に複数のガイド孔72が設けられている。それぞれのガイド孔72は長方形状をなし、ストッパガイドロッド64と平行となるように第一折込搬送ガイド62の長手方向に延設されている。第一折ストッパ25は、ストッパガイドロッド64に沿って移動するように配設されている。
【0035】
第一折ストッパ25は、第一折込搬送ガイド62の幅方向に延在する長方形状のストッパ基体部74と、このストッパ基体部74における搬送方向上流側端部(第一折込搬送ガイド62の出入口側の端部)に立設された複数の用紙当接部76とを有する。
ストッパ基体部74の幅方向中央には、第一折込搬送ガイド62の長手方向の両端から下方に突き出すように一対のロッド受部78が設けられており、このロッド受部78がストッパガイドロッド64に挿通されている。これにより、第一折ストッパ25は、ストッパガイドロッド64に対して長手方向に摺動可能に支持される。複数の用紙当接部76は、複数のガイド孔72にそれぞれ対応する位置に設けられ、それぞれがガイド孔72を上下に貫通する。これにより、第一折込搬送ガイド62の内側の第一折込搬送路23に導入された用紙Pの先端を、複数の用紙当接部76に突き当てることができる。
【0036】
駆動伝達ロッド68は、第一折込搬送ガイド62の出入口側の端部近傍の下方に回転可能に配置されている。駆動伝達ロッド68は、第一折込搬送ガイド62の幅方向に沿って延在し、その一端に駆動出力プーリ79が設けられ、他端には駆動入力ギヤ80が設けられている。一方、第一折込搬送ガイド62の出入口側とは反対側の奥側端部近傍の下方には、従動プーリ82が回転可能に支持されている。ストッパ移動ベルト66は、駆動出力プーリ79と従動プーリ82との間に架け渡されている。また、ストッパ移動ベルト66の所定の位置には、第一折ストッパ25のストッパ基体部74における幅方向中央付近の部分が固定されている。
【0037】
ストッパ移動モータ70の出力軸には減速ギヤ機構84(減速機)が接続されており、減速ギヤ機構84の筐体の外側には、ストッパ移動モータ70から伝達された駆動力を駆動入力ギヤ80に伝達する減速駆動出力ギヤ84aが配置されている。第一折込板36は、紙折機1のフレーム5に対して着脱自在となっており、第一折込板36がフレーム5に装着されると、第一折込板36側に設置された駆動入力ギヤ80が、フレーム5側に設置された減速駆動出力ギヤ84aにギヤ連結する。
【0038】
このような構成により、ストッパ移動モータ70が回転駆動すると、その駆動力が減速駆動出力ギヤ84a及び駆動入力ギヤ80を介して駆動伝達ロッド68に伝達され、駆動出力プーリ79が回転する。これにより、駆動出力プーリ79に掛け回されたストッパ移動ベルト66が回転し、第一折ストッパ25がストッパガイドロッド64にガイドされつつ第一折込搬送路23における用紙Pの搬送方向に沿って並進する。
第一折ストッパ25は、ストッパ移動モータ70が正転駆動されると第一折込搬送路23の奥側へ移動し、ストッパ移動モータ70が逆転駆動されると第一折込搬送路23の出入口側へ移動する。これにより、第一折込搬送ガイド62に対する第一折ストッパ25の位置の制御を行うことができる。
【0039】
一方、フレーム5の所定位置には、第一折ストッパ25が基準位置にあるか否かを検出するためのストッパ位置センサ90が設けられている。ストッパ位置センサ90は、透過型の光センサからなり、発光素子と受光素子とを有する。第一折ストッパ25のストッパ基体部74の幅方向一端部には、光遮蔽板86が設けられている。そして、第一折ストッパ25がその可動範囲における第一折込搬送路23の出入口側の端部の位置(基準位置)にあるときには、光遮蔽板86がストッパ位置センサ90の発光素子と受光素子との間に位置する状態(
図6に示す状態)となる。ストッパ位置センサ90は、発光素子から発せられた光が光遮蔽板86により遮蔽されることで、第一折ストッパ25が基準位置にあることを検出する。
【0040】
折処理実行の際には、第一折ストッパ25の位置決めのための初期化処理が行われ、第一折ストッパ25は一旦基準位置にセットされる。そして、この基準位置からのステップ数を設定することにより、第一折込板36における第一折ストッパ25の位置を制御することができる。
【0041】
上述した説明では、第一折込板36の第一折込機構60の基本構成について説明した。第二折込板40も、第一折込機構60と同様の第二折込機構60bを備え、紙折機1本体は第二折込機構60bに駆動を伝達するための第二ストッパ移動モータ70bを備える。そして、上述した第一折込板36の第一折込機構60と同様に、第二ストッパ移動モータ70bの駆動を制御することにより、第二折込板40における第二折ストッパ32の位置を制御できるため、第二折込板40についての詳細な説明は省略する。
【0042】
本実施形態の紙折機1は、第一折込板36における第一折ストッパ25の位置と、第二折込板40における第二折ストッパ32の位置とを制御することで、二つ折り、四つ折り、片袖折り、内三つ折り、外三つ折り及び観音折りの各種折処理を行うことができる。また、各種折りについて、用紙Pのサイズ毎に折目の位置が予め設定された定型折りと、折目の位置をユーザーが好みに応じて設定可能な特殊折りとを行うことができる。
【0043】
図7は、定型折りと特殊折りとをそれぞれ施した折処理後の用紙Pを模式的に示した説明図である。
図7(a)は二つ折りの定型折り、
図7(b)は二つ折りの特殊折り、
図7(c)は外三つ折りの定型折り、
図7(d)は外三つ折りの特殊折りを示す。
二つ折りでは、
図7(a)に示す定型折りでは、用紙Pの長さ方向において一つの折目によって仕切られた二つの折面の寸法「A」と「B」とが同じ長さであるのに対して、
図7(b)に示す特殊折りでは、一方の折面の寸法「A」が他方の折面の寸法「B」よりも長い形状となっている。
外三つ折りでは、
図7(c)に示す定型折りでは、二つの折目によって仕切られた三つの折面の寸法「A」、「B」及び「C」が同じ長さであるのに対して、
図7(d)に示す特殊折りは、一つの折面の寸法が「C」が他の二つの折面の寸法「A」及び「B」よりも長い形状となっている。
【0044】
特殊折りの設定を用いることで、ユーザーの好みに応じた位置に折目を形成する折処理が可能となるが、従来の紙折機では、特殊折りの折処理の設定を行う際に、折処理後の用紙の状態をイメージし難いという問題があった。
【0045】
図8は、
図7(d)に示す特殊折りを施した用紙Pを引き延ばした状態の説明図であり、
図8中の矢印「α」は、折処理を行う際の用紙Pの搬送方向を示す。
二つの折目(D1、D2)が付けられることで、折目(D1、D2)によって仕切られる複数(本実施形態では三つ)の折面(FS1、FS2、FS3)が形成される。
図8に示す例では、用紙Pの長さ方向についての、第一折面FS1の寸法が「A」、第二折面FS2の寸法が「B」、第三折面FS3の寸法が「C」であり、用紙全長Lは、これらを足し合わせた値(A+B+C)である。
【0046】
図1乃至
図6を用いて説明した紙折機1を用いて
図8に示すように、二つの折目(D1,D2)をつける場合、第一折ローラ対(20b,20c)のニップ部から第一折ストッパ25の用紙当接部76までの距離が、
図8中の寸法「A」と略同じ長さとなるように、第一折込板36における第一折ストッパ25の位置を設定する。これにより、第一折ローラ対(20b,20c)のニップ部を用紙Pが通過する際に、
図8中の第一の折目「D1」が付けられる。
【0047】
また、第二折ローラ対(20c,20d)のニップ部から第二折ストッパ32の用紙当接部までの距離が、
図8中の寸法「B」と略同じ長さとなるように、第二折込板40における第二折ストッパ32の位置を設定する。これにより、第二折ローラ対(20c,20d)のニップ部を用紙Pが通過する際に、
図8中の第二の折目「D2」が付けられる。
【0048】
図1乃至
図6を用いて説明した紙折機1と同様の機械的構成を備えた従来の紙折機として、特殊折りの折処理設定の際に、第一折込板36における第一折ストッパ25の位置と、第二折込板40における第二折ストッパ32の位置とを、ユーザーが任意に入力するものがある。
しかしながら、一般のユーザーには、折込板(36,40)におけるストッパ(25,32)の位置と折処理後のシートにおける折目の位置との関係は分かり難く、折込板(36,40)におけるストッパ(25,32)の位置を入力する構成では、入力した情報に基づいた折処理後の用紙Pの状態をイメージし難い。このため、従来の紙折機で特殊折りを行う際には、ユーザーは、折処理を施す用紙Pと同じ用紙Pを用いて、手作業で所望の折りを施した「折り見本」を作成し、「折り見本」における
図8中の「A」と「B」とに対応する寸法を測定し、測定した寸法を紙折機に入力していた。このような「折り見本」の作成及び寸法の測定は、ユーザーの作業負担となる。
【0049】
折処理を施した後の用紙Pは、封筒に封入したり、ファイリングしたりすることが多く、ユーザーにとって、折処理後の用紙全体の寸法(以下、「仕上り寸法」という)が重要になる。このため、ユーザーにとって重要な仕上り寸法を把握し、且つ、複数の折面のうち、折目に直交する方向の寸法が仕上り寸法となる折面(以下、「最長折面」という)の位置を把握することで、ユーザーは折処理後の用紙Pの状態をイメージし易くなる。
【0050】
本実施形態の紙折機1では、制御部100は、タッチパネル101に対して、それぞれの入力が成される毎に、用紙全長入力画面、仕上り寸法入力画面、折り方指定画面及び仕上り寸法位置指定画面の順に表示する制御を行う。
以下、
図9に示すフローチャートと、
図10乃至
図15に示す表示画面とを用いて、本実施形態の紙折機1における特殊折りでの折処理設定操作の一例として、A4用紙に対する外三つ折りの変形折りの設定操作(以下、「本操作例」という)について説明する。
【0051】
図9は、特殊折りにおける折処理設定のフローチャートである。
図10乃至
図15は、操作パネル10のタッチパネル101に表示する表示画面の説明図である。
図10は、待機画面、
図11は、用紙全長入力画面、
図12は、仕上り寸法入力画面、
図13は、折り形指定画面、
図14は、仕上り寸法位置指定画面である。
図15は、折処理設定後の待機画面である。
【0052】
図10に示す待機画面では、画面上部に折条件表示部200があり、その下方の複数のボタンを表示する。このボタンのうちの一つの特殊折り条件新規作成キー201を押されることで、制御部100は、「特殊折り」を選択し(
図9中の「S1」)、
図11(a)に示すテンキー入力用の用紙全長入力画面を表示する(
図9中の「S2」)。
図11(a)に示すテンキー入力用の用紙全長入力画面では、テンキー202と、用紙全長表示部203と、用紙全長説明部204と、決定ボタン205と、入力表示変更ボタン206と、戻るボタン207とを備える。用紙全長説明部204は、入力する用紙全長Lが折処理前の用紙Pの全長であることを示している。ユーザーがテンキー202で入力した用紙全長Lを用紙全長表示部203に表示し、この表示を確認したユーザーが決定ボタン205を押すことで、用紙全長Lの入力が完了し(
図9中の「S3」)、制御部100は、
図12に示す仕上り寸法入力画面を表示する(
図9中の「S4」)。A4の用紙Pを用いる場合は、用紙全長Lとして「297.0」とテンキー202で入力する。
【0053】
本実施形態の紙折機1では、用紙PがA4サイズ等の定型サイズの場合は、テンキー202での直接入力だけでなく、定型サイズ選択用の画面から選択できる構成となっている。
図11(a)に示すテンキー入力用の用紙全長入力画面中の入力表示変更ボタン206をユーザーが押すことで、
図11(b)に示す定型サイズ選択用の用紙全長入力画面を表示する。
図11(b)に示す定型サイズ選択用の用紙全長入力画面は、A3~A5及びB4~B6に対応した六つの定型サイズ選択ボタン208(208a~208f)を備える。ユーザーが何れかの定型サイズ選択ボタン208を押すことで、制御部100は、選択された定型サイズに対応した寸法を用紙全長Lとして記憶し(
図9中の「S3」)、
図12に示す仕上り寸法入力画面を表示する(
図9中の「S4」)。
【0054】
用紙全長Lを取得する構成としては、ユーザーが用紙Pの長さの情報や定型サイズの情報を入力する構成に限らず、給紙台6に載置された用紙Pの給紙方向の長さを自動で検出する構成としてもよい。例えば、給紙台6におけるエンドフェンス12の位置を検出する後端検出手段を備え、この検出結果に基づいて用紙全長Lを算出する構成としてもよい。
【0055】
このように、用紙全長Lを取得する制御としては、表示部であるタッチパネル101に数値を入力する表示や定型用紙の情報を入力する表示を行なう制御や、給紙台6等の給紙トレイに配置されたエンドフェンス12等の後端フェンスの位置を検出する制御等により実現することができるが、これらに限るものではない。
【0056】
図11(b)に示す入力表示変更ボタン206をユーザーが押すと、
図11(a)に示す表示画面に戻る。また、
図11(a)及び
図11(b)に示す戻るボタン207をユーザーが押すと、
図10に示す表示画面に戻る。
【0057】
図12に示す仕上り寸法入力画面は、テンキー202と、仕上り寸法表示部209と、仕上り寸法説明部210と、決定ボタン205と、戻るボタン207とを備える。仕上り寸法説明部210は、入力する仕上り寸法Fが、折処理後の用紙Pを封筒に封入する場合の封筒の短辺に対応する長さであり、折処理後の用紙Pの短辺であることを示している。
ユーザーがテンキー202で入力した仕上り寸法Fを仕上り寸法表示部209に表示し、この表示を確認したユーザーが決定ボタン205を押すことで、仕上り寸法の入力が完了し(
図9中の「S5」)、制御部100は、
図13に示す折り形指定画面を表示する(
図9中の「S6」)。本操作例では、仕上り寸法を「100[mm]」に設定するため、テンキー202で「100.0」と入力する。また、
図12に示す戻るボタン207をユーザーが押すと、
図11(a)の表示画面に戻る。
【0058】
仕上り寸法Fは、用紙全長Lによって設定可能な範囲が異なり、少なくとも、用紙全長Lよりも短く設定する必要がある。このため、設定できない寸法は、入力できない構成とすることが望ましい。入力された数値が、仕上り寸法Fとして設定可能な範囲ではない場合は、例えば、警告表示または警告音を発して、仕上り寸法表示部209の表示を「0.0[mm]」とする制御を行う。
【0059】
図13に示す折り形指定画面は、用紙全長表示部203と、仕上り寸法表示部209と、複数の折り形指定ボタン211(211a~211d)と、戻るボタン207とを備える。用紙全長表示部203及び仕上り寸法表示部209には、先に入力された用紙全長L(本操作例では297.0[mm])及び仕上り寸法F(本操作例では100.0[mm])が表示される。複数の折り形指定ボタン211としては、四つの折り形に対応した、変形二つ折りボタン211a、変形内三つ折りボタン211b、変形四つ折りボタン211c及び変形外三つ折りボタン211dとを備える。ユーザーが何れかの折り形指定ボタン211(本操作例では「変形外三つ折りボタン211d」)押すことで、折り形が入力され(
図9中の「S7」)、制御部100は、
図14(a)に示す仕上り寸法位置指定画面を表示する(
図9中の「S8」)。
【0060】
図13に示す折り形指定画面では、用紙全長Lと仕上り寸法Fとの組み合わせで、成立しない折り形の折り形指定ボタン211をグレイアウトで表示する制御や、ボタンを押す操作を無視する制御により、成立しない折り形を選択できないようにしてもよい。例えば、変形二つ折りの場合、仕上り寸法Fは用紙全長Lの二分の一(L/2)以上の長さとなる。このため、本実施形態のように、用紙全長Lとして「297.0[mm]」を入力し、仕上り寸法Fとして「100.0[mm]」を入力した場合、変形二つ折りを設定することはできない。このような場合は、変形二つ折りボタン211aをグレイアウトさせて変形二つ折りを設定できないようにする。
【0061】
図13に示す戻るボタン207をユーザーが押すと、
図12の表示画面に戻る。このため、変形二つ折りボタン211aがグレイアウトしている場合は、戻るボタン207を押して
図12に示す仕上り寸法入力画面に戻り、仕上り寸法Fを変形二つ折りが可能な長さに設定し直すことで、
図13に示す画面で変形二つ折りを設定することが可能となる。
【0062】
図14に示す仕上り寸法位置指定画面では、複数の折面の中で最長折面となる部分の位置と、最長折面以外の一つの折面の折目に直交する方向の寸法「X」とを入力する。
図14に示すように、仕上り寸法位置指定画面は、仕上り寸法位置変更ボタン212と、用紙長さ方向位置表示部213と、折処理後位置表示部214と、仕上り寸法表示部209と、X寸法表示部215と、Y寸法表示部216と、メモリ番号表示部217と、保存ボタン218と、決定ボタン205と、戻るボタン207とを備える。
仕上り寸法位置指定画面は、仕上り寸法位置変更ボタン212を押す毎に、
図14(a)→
図14(b)→
図14(a)の順に画面表示が切り替わる。
【0063】
X寸法表示部215及びY寸法表示部216のそれぞれに表示される寸法「X」及び「Y」は、折処理によって用紙Pに形成される三つの折面のうち、最長折面以外の二つの折面の折目に直交する方向の長さである。
【0064】
図14(a)に示す仕上り寸法位置指定画面の初期画面では、三つの折面の寸法が、用紙Pの搬送方向前端側から順に「Y」、「X」、「F」となり、仕上り寸法Fとなる折面の位置は、用紙Pの搬送方向後端側となる。
図14(a)の状態から仕上り寸法位置変更ボタン212を押すと、
図14(b)の画面となり、搬送方向前端側からの折面の寸法は、「Y」、「F」、「X」となる。このとき、仕上り寸法Fとなる折面の位置は、用紙Pの搬送方向の中央部分となる。
図14(b)の状態から仕上り寸法位置変更ボタン212を押すと、
図14(a)の画面に戻る。
【0065】
このように、仕上り寸法位置変更ボタン212を押すことで、折目に直交する方向の長さが仕上り寸法Fとなる最長折面の位置を選択することが可能となる。そして、
図14(a)または
図14(b)の表示画面のうち、最長折面が所望の位置となっている表示画面の決定ボタン205をユーザーが押すことで仕上り寸法位置を指定する入力が成され(
図9中の「S9」)、制御部100は、
図15に示す折処理設定後の待機画面を表示する(
図9中の「S10」)。
【0066】
本実施形態の紙折機1で外三つ折りを行う場合、三つの折面のうち、給紙方向前側の折面は、仕上り寸法Fとなる最長折面には設定できない。これは、以下の理由による。すなわち、給紙方向前側の折面を給紙方向中央部の折面よりも長くしようとしても、第一折ローラ対で給紙方向前側の折面と給紙方向中央部の折面との間の折り目を形成した後、第二折ローラ対で給紙方向中央部の折面と給紙方向後側の折面との間の折り目を形成するときに、給紙方向前側の折面としようとした部分にも折り目が形成されてしまい、四つ折りとなってしまうためである。
このため、外三つ折りで仕上り寸法Fとなる最長折面として指定できる折面は、
図14に示すように、給紙方向中央部の折面と、給紙方向後側の折面に限られる。
【0067】
図15に示す待機画面では、折条件表示部200に、設定された折処理の条件(用紙全長L、仕上り寸法F、寸法「X」及び「Y」及び折り形等)を表示する。タッチパネル101に待機画面が表示している状態で、操作パネル10のテストボタン113が押されると、給紙台6に載置された用紙束の最上に位置する一枚の用紙Pを給紙し、折条件表示部200に表示された条件で折処理を施すテスト折りを実行する。待機画面の状態で、操作パネル10のスタートボタン111(
図1(b)参照)が押されると、給紙台6に載置された用紙束の用紙Pを一枚ずつ給紙し、用紙束が無くなるまで、または、ストップボタン112(
図1(b)参照)が押されるまで、設定された条件での折処理を行う。なお、予め設定された枚数まで折処理を行い、当該枚数に到達したら給紙を停止する制御も行うこともできる。
【0068】
本操作例のように、本実施形態の紙折機1では、ユーザーは、折処理での仕上り寸法Fを入力し、仕上り寸法となる最長折面の位置を選択できる。このため、ユーザーにとって重要な仕上り寸法Fと最長折面の位置とを、折処理の設定時に把握でき、ユーザーは折処理後の用紙Pの状態をイメージし易くなり、折処理の設定が容易になる。
【0069】
本実施形態の紙折機1は、上述した本操作例において最長折面以外の折面の一つの寸法である「X」の寸法を入力することができる。具体的には、仕上り寸法Fと折り形とが入力された後にタッチパネル101に表示される仕上り寸法位置指定画面(
図14)のX寸法表示部215を押すことで、タッチパネル101の表示が寸法「X」を入力する入力画面に切り替わり入力可能となる。
【0070】
仕上り寸法位置指定画面のX寸法表示部215及びY寸法表示部216には、初期値として「X」と「Y」とが同じ値(本操作例では「98.5[mm]」)または二つの値が近い値となる寸法が表示される。ユーザーがX寸法表示部215を押すことで、タッチパネル101の表示が寸法「X」の入力画面に切り替わる。この入力画面で寸法「X」が入力されると、表示画面が
図14の仕上り寸法位置指定画面に戻り、X寸法表示部215に入力された寸法が表示される。一方、寸法「X」が入力された後のY寸法表示部216には、用紙全長L、仕上り寸法F及び寸法「X」に基づいて自動算出された寸法「Y」(Y=L-(F+X))が表示される。
【0071】
最長折面以外の折面の寸法である「X」及び「Y」の値は、仕上り寸法F以下の値に設定する必要がある。このため、上述した入力画面で、寸法「X」または「Y」の値が仕上り寸法Fよりも大きくなるような寸法「X」は入力できない構成とすることが望ましい。例えば、寸法「X」または「Y」が仕上り寸法Fよりも大きくなるような寸法「X」が入力され場合には、警告表示または警告音を発して、寸法「X」の表示を初期値に戻す制御を行う。
本操作例では、「L」=297.0[mm]、「F」=100.0[mm]であるため、「X」の寸法として入力可能な数値範囲は、「97.0[mm]~100.0[mm]」である。このような入力可能な数値範囲を、上述した入力画面に予め表示する構成としてもよい。
【0072】
また、寸法「X」や「Y」として、第一折込板36におけると第一折ストッパ25の可動範囲外や第二折込板40における第二折ストッパ32の可動範囲外となる寸法も入力できない構成となっている。
【0073】
本実施形態の紙折機1は、寸法「Y」をユーザーが直接入力することができない構成となっており、寸法「Y」は、入力された「L」、「F」及び「X」の値に基づいて自動算出する。他の構成として、「X」と「Y」との両方の寸法を入力可能とし、一方の寸法が入力されると他方の寸法を自動算出して表示する構成としてもよい。
【0074】
本実施形態の紙折機1は、
図14に示す仕上り寸法位置指定画面では、用紙全長Lや仕上り寸法Fを入力できない構成となっている。これらの寸法を変更する場合は、戻るボタン207を押して、
図11の用紙全長入力画面や
図12の仕上り寸法入力画面までタッチパネル101の画像表示を戻し、それぞれの値を入力し直す。
【0075】
次に、各寸法の微調整について説明する。
図15に示す待機画面の微調整ボタン219が押されるとタッチパネル101の表示画面が
図16に示す微調整画面に切り替わる。
【0076】
微調整画面は、仕上り寸法表示部209と、仕上り寸法調整キー209aと、X寸法表示部215と、X寸法調整キー215aと、Y寸法表示部216と、折処理後位置表示部214と、決定ボタン205と、戻るボタン207とを備える。
折処理後位置表示部214を備えることで、ユーザーが折処理後の用紙Pにおける寸法「F」、「X」及び「Y」の位置を確認しつつ、微調整を行うことができる。
【0077】
仕上り寸法調整キー209a及びX寸法調整キー215aの「+」または「-」ボタンを操作することで、仕上り寸法F及び寸法「X」の微調整を行うことができる。寸法「Y」の値は直接調整することはできず、仕上り寸法F及び寸法「X」の変更に連動して寸法「Y」の値を変更する。
テスト折りを行った後に、出力された折処理後の用紙Pを確認し、微調整を行うことで、折処理後の用紙Pの状態を所望の状態に近づけることができる。
【0078】
次に、
図13の折り形指定画面で他の折り形を指定した場合の仕上り寸法位置を指定する画面表示について説明する。
図17は、変形二つ折りを指定した場合の折処理後位置表示部214の表示の説明図である。
図18は、変形内三つ折りを指定した場合の折処理後位置表示部214の表示の説明図である。
図19は、変形四つ折りを指定した場合の折処理後位置表示部214の表示の説明図である。
【0079】
変形二つ折りを指定した場合の仕上り寸法位置指定画面では、仕上り寸法位置変更ボタン212を押す毎に、
図17(a)→
図17(b)→
図17(a)の順に画面表示が切り替わる。
二つ折りの場合は、用紙全長Lと仕上り寸法Fとが入力されれば、最長折面以外の折面の寸法「Y」は算出できるため、最長折面以外の折面の寸法は入力できない構成となっている。
【0080】
変形内三つ折りを指定した場合の仕上り寸法位置指定画面では、仕上り寸法位置変更ボタン212を押す毎に、
図18(a)→
図18(b)→
図18(a)の順に画面表示が切り替わる。
内三つ折りの場合、三つの折面のうち、給紙方向後側の折面は、仕上り寸法Fとなる最長折面には設定できない。これは、給紙方向後側の折面は、内側に折り込まれるため、給紙方向中央部の折面よりも短くなるためである。このため、
図18に示すように、仕上り寸法Fとなる折面として指定できる折面は、給紙方向中央部の折面と、給紙方向前側の折面に限られる。
【0081】
変形四つ折りを指定した場合の仕上り寸法位置指定画面では、仕上り寸法位置変更ボタン212を押す毎に、
図19(a)→
図19(b)→
図19(c)→
図19(a)の順に画面表示が切り替わる。
変形四つ折りの場合、四つの折面のうち、内側の二つの折面は略同じ長さである。このため、
図19では、この二つの折面のうち内側に折り込まれる折面の寸法を括弧書きで示している。
【0082】
図18に示す変形内三つ折りの場合と、
図19に示す変形四つ折りの場合とでは、上述した本操作例の変形外三つ折りの場合と同様に、仕上り寸法位置指定画面中の寸法「X」の値が入力可能となっている。寸法「Y」の値は入力できず、他の寸法(「L」、「F」及び「X」の値)に基づいて制御部100が算出し、算出した値をY寸法表示部216に表示する。
【0083】
[変形例]
次に、仕上りサイズを指定する特殊折りにおける折処理設定操作の操作画面が上述した実施形態とは異なる変形例について説明する。
図20~
図27は、変形例の操作画面の説明図である。変形例の紙折機1は、タッチパネル101に表示する表示画面のみが上述した実施形態の紙折機1と異なり、他の構成は共通する。よって、共通点についての説明は省略し、相違点であるタッチパネル101に表示する表示画面について説明する。また、変形例の操作画面で、上述した実施形態と共通する操作画面については、実施形態の図面(
図11及び
図12)を用いて説明し、操作のフローについても
図9を用いて説明する。
【0084】
図20は、変形例の折処理設定前の待機画面である。
制御部100は、
図20に示す待機画面の特殊折り設定キー231を押されることで、「特殊折り」を選択し(
図9中の「S1」)、
図11(a)に示すテンキー入力用の用紙全長入力画面を表示する(
図9中の「S2」)。
図11(a)に示すテンキー入力用の用紙全長入力画面で、ユーザーがテンキー202で用紙全長L(A4の場合は、「297.0」)を入力すると、用紙全長表示部203にその値を表示する。この表示を確認したユーザーが決定ボタン205を押すことで、用紙全長Lの入力が完了し(
図9中の「S3」)、制御部100は、
図12に示す仕上り寸法入力画面を表示する(
図9中の「S4」)。
【0085】
用紙Pが定型サイズの場合は、定型サイズ選択用の画面から選択することでも用紙全長Lを入力できる。
図11(a)の画面中の入力表示変更ボタン206をユーザーが押すことで、
図11(b)に示す定型サイズ選択用の用紙全長入力画面を表示する。ユーザーが何れかの定型サイズ選択ボタン208を押すことで、制御部100は、選択された定型サイズに対応した寸法を用紙全長Lとして記憶し(
図9中の「S3」)、
図12に示す仕上り寸法入力画面を表示する(
図9中の「S4」)。
【0086】
図12に示す仕上り寸法入力画面のテンキー202で、ユーザーが仕上り寸法Fを入力すると、その値を仕上り寸法表示部209に表示し、この表示を確認したユーザーが決定ボタン205を押すことで、仕上り寸法の入力が完了し(
図9中の「S5」)、制御部100は、
図21に示す折り形指定画面を表示する(
図9中の「S6」)。本操作例では、仕上り寸法を「100.5[mm]」に設定する。
【0087】
図21の折り形指定画面は、
図13と同様に、用紙全長表示部203と、仕上り寸法表示部209と、複数の折り形指定ボタン211(211a~211d)と、戻るボタン207とを備える。用紙全長表示部203及び仕上り寸法表示部209には、先に入力された用紙全長L(本操作例では297.0[mm])及び仕上り寸法F(本操作例では100.5[mm])が表示される。複数の折り形指定ボタン211としては、四つの折り形に対応した、変形二つ折りボタン211a、変形内三つ折りボタン211b、変形四つ折りボタン211c及び変形外三つ折りボタン211dを備える。
【0088】
本操作例のように、用紙全長Lとして「297.0[mm]」を入力し、仕上り寸法Fとして「100.5[mm]」を入力した場合、変形二つ折りを設定することはできない。このような場合は、変形二つ折りボタン211aをグレイアウトさせて変形二つ折りを設定できないようにする。
ユーザーが何れかの折り形指定ボタン211(本操作例では「変形外三つ折りボタン211d」)押すことで、折り形が入力され(
図9中の「S7」)、制御部100は、
図22に示す仕上り寸法位置選択画面を表示する(
図9中の「S8」)。
【0089】
図22に示す仕上り寸法位置選択画面では、複数の折面の中で最長折面となる部分の位置を入力する。
図22に示す仕上り寸法位置選択画面は、仕上り寸法位置選択ボタン221(221a、221b)と、用紙全長表示部203と、仕上り寸法表示部209と、戻るボタン207とを備える。仕上り寸法位置選択ボタン221は、折り処理後に形成される複数の折面の中から、仕上り寸法Fとなる折面(最長折面)を選択するボタンである。
【0090】
変形例では上述した実施形態と同様に、外三つ折りで仕上り寸法Fとなる最長折面として指定できる折面は、給紙方向後側の折面と、給紙方向中央部の折面との二つの折面に限られる。このため、仕上り寸法位置選択ボタン221は、
図22に示すように、外三つ折り仕上り寸法最後尾選択ボタン221aと、外三つ折り仕上り寸法中央選択ボタン221bと、の二つとなる。
他の折り形を選択した場合については、二つ折りの場合及び内三つ折りの場合も、最長折面として指定できるのは二つの折面であるため(
図17及び
図18参照)、仕上り寸法位置選択画面に表示される仕上り寸法位置選択ボタン221は二つとなる。一方、四つ折りの場合は、最長折面として指定できる折面の組み合わせは三つあるため(
図19参照)、仕上り寸法位置選択画面に表示される仕上り寸法位置選択ボタン221は三つとなる。
【0091】
図23は、他の折り形に係る仕上り寸法位置選択ボタン221の一例を示す説明図である。
図23(a)は内三つ折りで最長折面が給紙方向前側の折面である場合の説明図であり、
図23(b)は四つ折りで最長折面が給紙方向後側の折面である場合の説明図である。
内三つ折りの場合には、仕上り寸法位置選択画面に表示される仕上り寸法位置選択ボタン221は、
図23(a)に示すものと、最長折面が給紙方向中央部の折面となるものとの二つである。
四つ折りの場合は、仕上り寸法位置選択画面に表示される仕上り寸法位置選択ボタン221は、
図23(b)に示すものと、最長折面が給紙方向中央の二つの折面となるものと、最長折面が給紙方向前側の折面となるものと、の三つである。
【0092】
仕上り寸法位置選択ボタン221(221a、221b)は、それぞれ用紙長さ方向位置表示部213と折処理後位置表示部214とを備える。用紙長さ方向位置表示部213及び折処理後位置表示部214で、「L」、「F」、「X」及び「Y」の表示を色分けすることによって、折り前及び折後の用紙Pにおける最長折面(仕上り長さ「F」となる折面)の位置を、ユーザーに認識し易くすることができる。
【0093】
ユーザーが、
図22に示す仕上り寸法位置選択画面中の複数の仕上り寸法位置選択ボタン221のうちの一つを押すと、制御部100は、
図24に示すような折面寸法表示画面を表示する。
図24に示す折面寸法表示画面は、
図22の仕上り寸法位置選択画面の二つの仕上り寸法位置選択ボタン221のうちの外三つ折り仕上り寸法中央選択ボタン221bをユーザーが押したときに表示する画面である。
図24の折面寸法表示画面の折処理後位置表示部214の表示は、
図22の仕上り寸法位置選択画面で選択した仕上り寸法位置選択ボタン221の折処理後位置表示部214の表示と同じ表示である。
【0094】
図24の折面寸法表示画面は、用紙長さ方向位置表示部213と、折処理後位置表示部214と、仕上り寸法表示部209と、X寸法表示部215と、Y寸法表示部216と、メモリ番号表示部217と、保存ボタン218と、決定ボタン205と、戻るボタン207とを備える。
【0095】
図24の折面寸法表示画面は、
図14に示した実施形態の仕上り寸法位置指定画面に対して、仕上り寸法位置変更ボタン212を備えていない点で異なる。このため、変形例では、実施形態のように、ユーザーが仕上り寸法位置変更ボタン212を押す毎に、用紙長さ方向位置表示部213及び折処理後位置表示部214での最長折面の位置(「F」の位置)を切り替える表示は行わない。これは、一つ前の画面である
図22の仕上り寸法位置選択画面で、仕上り寸法Fとなる最長折面の位置を指定するためである。
【0096】
図24の折面寸法表示画面で表示された最長折面の位置がユーザーの所望の位置と異なる場合は、ユーザーが戻るボタン207を押すことで、
図22の仕上り寸法位置選択画面に戻る。そして、仕上り寸法位置選択画面に表示される複数の仕上り寸法位置選択ボタン221の中から最長折面の位置が所望の位置にあるものを選び直すことができる。
【0097】
変形例においても、最長折面以外の折面の一つの寸法である「X」の寸法を入力することができる。
図24の折面寸法表示画面のX寸法表示部215を押すことで、タッチパネル101の表示が、
図25に示すX寸法入力画面に切り替わり、寸法「X」を入力可能となる。
図25に示すX寸法入力画面は、折処理後位置表示部214と、X寸法表示部215と、テンキー202と、決定ボタン205と、戻るボタン207とを備える。
図25のX寸法入力画面の折処理後位置表示部214の表示は、寸法を示す文字は「X」のみを表示する。また、折面の位置を表す直線は、寸法が「X」となる折面のみを実線で示し、寸法が「F」や「Y」となる折面は破線で示している。
タッチパネル101の表示画像の濃淡を調整できる場合は、
図25中の折処理後位置表示部214で破線で示した直線を、
図22や
図24で同じ折面を表す直線よりも薄い色の実線で示す表示を用いてもよい。
【0098】
図24の折面寸法表示画面のX寸法表示部215及びY寸法表示部216には、初期値として「X」と「Y」とが同じ値または二つの値が近い値となる寸法が表示される。ユーザーがX寸法表示部215を押すことで、タッチパネル101の表示が
図25のX寸法入力画面寸法に切り替わる。X寸法入力画面寸法のテンキー202で寸法「X」(本操作例では「98.2」)が入力されると、X寸法表示部215にその値を表示する。この表示を確認したユーザーが決定ボタン205を押すことで、タッチパネル101の表示が、
図24の折面寸法表示画面に戻り、ユーザーが入力した値が折面寸法表示画面のX寸法表示部215に表示される。
【0099】
寸法「X」が入力された後に表示される
図24の折面寸法表示画面のY寸法表示部216には、用紙全長L、仕上り寸法F及び寸法「X」に基づいて自動算出された寸法「Y」(Y=L-(F+X))が表示される。
【0100】
最長折面以外の折面の寸法である「X」及び「Y」の値は、仕上り寸法F以下の値に設定する必要がある。このため、
図25に示すX寸法入力画面では、寸法「X」または「Y」の値が仕上り寸法Fよりも大きくなるような寸法「X」は入力できない構成とすることが望ましい。例えば、寸法「X」または「Y」が仕上り寸法Fよりも大きくなるような寸法「X」が入力され場合には、警告表示または警告音を発して、寸法「X」の表示を初期値に戻す制御を行う。
本操作例では、「L」=297.0[mm]、「F」=100.5[mm]であるため、「X」の寸法として入力可能な数値範囲は、「96.0[mm]~100.5[mm]」である。このような入力可能な数値範囲を、
図25のX寸法入力画面に予め表示する構成としてもよい。
【0101】
変形例では、
図22の仕上り寸法位置選択画面、
図24の折面寸法表示画面及び
図25のX寸法入力画面では、用紙全長Lや仕上り寸法Fを入力できない構成となっている。これらの寸法を変更する場合は、戻るボタン207を押して、
図11の用紙全長入力画面や
図12の仕上り寸法入力画面までタッチパネル101の画像表示を戻し、それぞれの値を入力し直す。
【0102】
図26は、折処理設定後の待機画面である。
図24の折面寸法表示画面が、最長折面が所望の位置となっている状態で、ユーザーが決定ボタン205を押すことで仕上り寸法位置を指定する入力が成され(
図9中の「S9」)、制御部100は、
図26に示す折処理設定後の待機画面を表示する(
図9中の「S10」)。
図26に示すように、待機画面には、用紙長さL、仕上り長さF、寸法「X」及び寸法「Y」の全てを表示する。
【0103】
図26に示す待機画面の微調整ボタン219が押されるとタッチパネル101の表示画面が
図27に示す微調整画面に切り替わる。
図27の微調整画面の折処理後位置表示部214の表示は、
図22の仕上り寸法位置選択画面で選択した仕上り寸法位置選択ボタン221の折処理後位置表示部214の表示と同じ表示である。
そして、実施形態と同様に、仕上り寸法調整キー209a及びX寸法調整キー215aの「+」または「-」ボタンを操作することで、仕上り寸法F及び寸法「X」の微調整を行うことができる。寸法「Y」の値は直接調整することはできず、仕上り寸法F及び寸法「X」の変更に連動して寸法「Y」の値を変更する。
【0104】
また、仕上り寸法F及び寸法「X」の値は自動調整しない構成となっている。具体的には、仕上り寸法Fの変更時には寸法「Y」の値を自動調整し、寸法「X」の値は変更しなし。同様に、寸法「X」の変更時には寸法「Y」の値を自動調整し、仕上り寸法Fの値は変更しない。
【0105】
次に、重送検出に使用するセンサを選ぶ設定について説明する。
本実施形態の紙折機1は、超音波式給紙エラーセンサ51と光学式給紙エラーセンサ52との二つの給紙エラーセンサを備え、これらの給紙エラーセンサはそれぞれ重送を検出することができる。重送を検出する設定としては、二つのセンサの両方を用いる設定、何れか一方のみを用いる設定を選ぶことができ、さらに、何れのセンサも使用しない設定を選ぶこともできる。
【0106】
超音波式のセンサと光学式のセンサとは、方式の違いにより、一方では重送を検出し難い条件であっても、他方では問題なく重送を検出できる場合がある。このため、二つのセンサの両方を用いる設定では、少なくとも一方のセンサが重送を検出した場合に、重送が発生したと判断することで、超音波式または光学式の一方の方式のセンサのみを用いる場合よりも、より確実に重送の発生を検出することができる。
【0107】
超音波式のセンサで重送検出を行う場合、用紙Pの紙種(和紙等の内部に空洞のある紙を用いる場合等)によっては、重送が発生していなくても重送を検出してしまう場合がある。また、光学式のセンサで重送検出を行う場合、用紙Pの表面に形成された画像(光を透過し難い色のベタ画像が形成されている場合等)によっては、重送が発生していなくても重送を検出してしまう場合がある。このように、一方の方式のセンサでは、重送が発生していなくても重送を検出してしまう条件の場合には、他方の方式のセンサのみを用いる設定で重送検出を行う。
さらに、処理速度を重視する場合など、重送が生じても用紙Pを搬送できれば折処理を継続したい場合には、重送を検出しないように、何れの給紙エラーセンサも使用しない設定を選ぶことができる。
【0108】
本実施形態の紙折機1は、用紙Pを折ることなく、給紙及び排紙し、内部を通過させた用紙Pの枚数を計測する計数モードを実行できる。
本実施形態の紙折機1は、装置本体の筐体に形成されたユニット装着開口部37を備えており、折処理を行う場合には、
図1乃至
図3に示すように、第一折込板36をユニット装着開口部37に挿入した状態とする。
【0109】
計数モードを実行する際には、
図1乃至
図3に示す状態から第一折込板36を引き抜き、ユニット装着開口部37に計数ユニットを挿入する。筐体(特許文献1では「フレーム」)に対して第一折込板36(特許文献1では「折込装置」)に代えて計数ユニット(特許文献1では「ガイド部材」)を取り付けて、用紙Pの枚数を数える構成は、特許文献1に記載されている構成と同様であるため共通する構成の説明は省略する。
【0110】
計数モードでは、紙折機1本体の電源を切ってユニット装着開口部37から第一折込板36を引き出し、計数ユニットを挿入する。次に、電源を入れると、計数ユニットが装着された状態であることを検出し、計数モードを実行する。制御部100は、計数モードを開始すると、使用する給紙エラーセンサを選択する画面をタッチパネル101に表示する。初期状態では、超音波式給紙エラーセンサ51と光学式給紙エラーセンサ52との二つの給紙エラーセンサを使用する設定となっており、ユーザーの操作によって何れか一方のみの給紙エラーセンサを使用する設定に変更できる。なお、計数モードでは、少なくとも一つの給紙エラーセンサを使用しないと用紙Pの枚数を計測できないため、上述した折処理の場合と異なり、何れの給紙エラーセンサも使用しない設定を選ぶことはできない構成となっている。
【0111】
本実施形態の紙折機1は、仕上り寸法入力表示である仕上り寸法入力画面(
図12)を表示した後に、折り種入力表示である折り形指定画面を表示する。
このような構成では、折り形よりも仕上り寸法を優先的に設定することができる。また、用紙全長Lと仕上り寸法Fとの組み合わせで、成立しない折り形を指定できない構成とすることで、折処理の条件の誤入力を入力したときに認識させることができ、ユーザーが条件の再設定を行い易くなる。
【0112】
また、他の構成例として、折り形指定画面等の折り種入力表示を表示した後に、仕上り寸法入力画面等の仕上り寸法入力表示を表示する構成としてもよい。このような構成では、仕上り寸法よりも折り形を優先的に設定することができる。
【0113】
折処理後の用紙Pを封入する封筒としては、表面の一部に光透過性のある窓を備え、封入した用紙Pの表面の一部を、この窓から視認可能とする窓付封筒がある。そして、折処理後に窓付封筒に封入される用紙Pは、封筒の窓から視認可能とする可視印刷部を有することが一般的である。
【0114】
用紙Pの仕上り寸法Fは封入する封筒の短辺よりも短いが、封筒の短辺に対して用紙Pの仕上り寸法Fが短すぎると、封入した折処理後の用紙Pが封筒内で移動する。窓付封筒内で用紙Pが移動すると、可視印刷部と封筒の窓との位置がずれて可視印刷部を封筒の外から視認できなくなる。この不具合は、折処理後の用紙Pを封筒に封入可能で、且つ、位置ずれを抑制できるように調整し、封筒の短辺に対して仕上り寸法Fを数ミリ程度短い長さに設定することで防止できる。
【0115】
ここで、用紙Pの複数の折面のうち、可視印刷部が形成された折面が最長折面であると、封筒の短辺方向における窓に対する可視印刷部の位置の調節ができない。
これに対して、本実施形態の紙折機1では、複数の折面の中から最長折面となる折面を選択することができる。このため、可視印刷部が形成された折面以外を最長折面に設定し、
図14に示す「X」の値を変更して最長折面以外の折面の長さを調節できる。最長折面以外の折面の長さを調節することで、折処理後の用紙Pの仕上り寸法Fの長さ方向における可視印刷部の位置を調節することが可能である。これにより、用紙Pを封入したときの封筒の短辺方向についての窓に対する可視印刷部の位置を調節することが可能となる。
【0116】
本実施形態の紙折機1では、制御部100がストッパ移動モータ70及び第二ストッパ移動モータ70b等の駆動手段の駆動を制御して、設定された条件の折処理が行われるように、第一折ストッパ25及び第二折ストッパ32等の折ストッパを自動で移動させる構成である。
折処理を設定する構成としては、折ストッパを自動で移動させる構成に限らない。第一折込板36及び第二折込板40等の折込板に対する折ストッパの位置を手動で変更するシート折装置にも適用可能である。この場合、折込板におけるシートの搬送方向の複数個所にLEDランプ等の折ストッパ位置報知手段を備え、設定された折条件を実現できる折ストッパの位置を報知し、折ストッパをユーザーに移動させる構成としてもよい。
さらに、折込板に折ストッパの位置を示す目盛りをつけたシート折装置では、折ストッパの位置を、折処理設定装置の表示部に表示し、その表示された位置の目盛りに合わせてユーザーが折ストッパを移動させる構成としてもよい。
【0117】
本実施形態では、シートである用紙P折処理での用紙Pの長さ方向における折目の位置を設定する折処理設定装置の構成を、シート折装置である紙折機1が備える構成である。
折処理設定装置としては、紙折機等のシート折装置とは別体で、紙折機に折処理の条件を出力するパーソナルコンピュータ等の外部装置であってもよい。また、シート折装置が折目の位置を設定する制御部を備え、この制御部に接続された外部装置のディスプレイ等の表示部に各入力制御に関する表示を行う構成でもよい。
【0118】
さらに、本発明を適用する構成としては、紙折機や外部装置等の折処理設定装置の制御に用いる折処理設定プログラムでもよい。この構成では、既存の折処理設定装置に本発明に係る折処理設定プログラムをインストールしてもよい。
【0119】
本発明に係る折処理を施すシートとしては、普通紙に限らず、和紙やボール紙、コート紙等の他の紙でもよく、さらに、紙に限らず樹脂製シート等、折処理を施すことができるシートであればよい。
【0120】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
【0121】
(態様1)
用紙P等のシートの折処理でのシートにおける折目(D1、D2)等の折目の位置を設定する紙折機1等の折処理設定装置であって、用紙全長L等のシートの全長を取得する用紙全長入力画面を表示する制御(S2)及びその入力を受付ける制御(S3)等のシート全長取得制御と、折処理の後のシートの長さである仕上り寸法F等の仕上り寸法の入力を受付ける仕上り寸法入力画面を表示する制御(S4)その入力を受付ける制御(S5)等の仕上り寸法入力受付制御と、折処理での折り形等の折りの種類の入力を受付ける折り形指定画面を表示する制御(S6)その入力を受付ける制御(S7)等の折種入力受付制御と、折処理によって形成される第一折面FS1、第二折面FS2及び第三折面FS3等の複数の折面の中から、その長さが仕上り寸法となる最長折面等の仕上り寸法折面を選択する入力を受付ける仕上り寸法位置指定画面を表示する制御(S8)その入力を受付ける制御(S9)等の仕上り寸法折面選択受付制御と、を実行し、シートにおける折目の位置を設定することを特徴とするものである。
これによれば、ユーザー等の使用者にとって重要な仕上り寸法と仕上り寸法折面の位置とを、折処理の設定時に把握でき、使用者は折処理後のシートの状態をイメージし易くなり、折処理の設定が容易になる。
【0122】
(態様2)
態様1に係る折処理設定装置において、仕上り寸法入力受付制御の後に、折種入力受付制御を実行することを特徴とするものである。
これによれば、折りの種類よりも仕上り寸法を優先的に設定することができる。
【0123】
(態様3)
態様2に係る折処理設定装置において、折種入力受付制御の後に、仕上り寸法入力受付制御を実行することを特徴とするものである。
これによれば、仕上り寸法よりも折りの種類を優先的に設定することができる。
【0124】
(態様4)
態様1乃至3の何れかの態様に係る折処理設定装置において、仕上り寸法折面以外の少なくとも一つの折面の寸法(寸法「X」等)の入力を受付ける折面寸法入力受付制御(X寸法表示部215を押すことで、タッチパネル101の表示を、寸法「X」を入力する入力画面に切り替える制御)を実行することを特徴とするものである。
これによれば、仕上り寸法折面以外の折面の長さを調節することができる。特に、可視印刷部を有するシートの場合は、仕上り寸法折面以外の折面となる部分に可視印刷部を形成し、仕上り寸法折面以外の折面の長さを調節することで、折処理後のシートの仕上り寸法の長さ方向における可視印刷部の位置を調節することが可能となる。
【0125】
(態様5)
態様1乃至4の何れかの態様に係る折処理設定装置において、シート全長取得制御として、シートの全長の入力を受付ける用紙全長入力画面を表示する制御(S2)等のシート全長入力制御を実行することを特徴とするものである。
これによれば、使用者の入力操作によって、シートの全長の情報を取得できる。
【0126】
(態様6)
態様1乃至5の何れかの態様に係る折処理設定装置において、折処理を施す前のシートの全長を検出する後端検出手段等のシート全長検出手段を備え、シート全長取得制御として、シート全長検出手段による検出制御を実行することを特徴とするものである。
これによれば、使用者が入力操作を行うことなく、シートの全長の情報を取得できる。シート全長取得制御としては、シート全長検出手段を用いる構成と使用者による入力操作を行わせる制御とを併用してもよい。また、シート全長検出手段で取得したシートの全長の寸法を表示部に表示し、使用者が表示内容を修正することができる構成としてもよい。
【0127】
(態様7)
態様1乃至6の何れかの態様に係る折処理設定装置において、折処理の設定の操作入力を受付ける操作パネル10等の操作部と、操作入力に関する表示を行うタッチパネル101等の表示部と、を備え、仕上り寸法入力受付制御で仕上り寸法の入力を受付ける表示(仕上り寸法入力画面等)と、折種入力受付制御で折りの種類の入力を受付ける表示(折り形指定画面等)と、仕上り寸法折面選択制御で仕上り寸法折面を選択させる表示(仕上り寸法位置指定画面等)とを表示部に表示することを特徴とするものである。
これによれば、各制御の入力を受付ける表示を表示部に表示することで、使用者は表示部を視認しながら入力操作を行うことで、折処理の設定を容易に行うことができる。
【0128】
また、各制御の入力を受付ける構成としては、表示部に表示する構成に限らず、操作部内に各制御の入力状態を報知する報知手段を備え、使用者がその報知内容に基づいて入力操作を行う構成としてもよい。報知手段の構成としては、選択可能な条件に対応したLEDランプを備え、使用者の入力操作に応じて、点灯させるLEDランプを切り替える構成としてもよい。
【0129】
(態様8)
折目(D1、D2)等の折目の位置の設定に基づいて用紙P等のシートに対して折処理を施す折処理部4等のシート折手段を備える紙折機1等のシート折装置において、折目の位置を設定する構成として、態様1乃至7の何れかに態様に係る折処理設定装置の構成を備えることを特徴とするものである。
これによれば、ユーザー等の使用者にとって重要な仕上り寸法と仕上り寸法折面の位置とを、折処理の設定時に把握でき、使用者は折処理後のシートの状態をイメージし易くなり、折処理の設定が容易になるシート折装置を実現することができる。
【0130】
(態様9)
用紙P等のシートの折処理でのシートにおける折目(D1、D2)等の折目の位置を設定する折処理設定プログラムであって、用紙全長L等のシートの全長を取得する用紙全長入力画面を表示する制御(S2)及びその入力を受付ける制御(S3)等のシート全長取得制御と、折処理の後のシートの長さである仕上り寸法F等の仕上り寸法の入力を受付ける仕上り寸法入力画面を表示する制御(S4)及びその入力を受付ける制御(S5)等の仕上り寸法入力受付制御と、折処理での折り形等の折りの種類の入力を受付ける折り形指定画面を表示する制御(S6)及びその入力を受付ける制御(S7)等の折種入力受付制御と、折処理によって形成される第一折面FS1、第二折面FS2及び第三折面FS3等の複数の折面の中から、その長さが仕上り寸法となる最長折面等の仕上り寸法折面を選択する入力を受付ける仕上り寸法位置指定画面を表示する制御(S8)及びその入力を受付ける制御(S9)等の仕上り寸法折面選択受付制御と、を実行し、シートにおける折目の位置を設定することを特徴とするものである。
これによれば、折処理設定装置に適用することで、ユーザー等の使用者にとって重要な仕上り寸法と仕上り寸法折面の位置とを、折処理の設定時に把握でき、使用者は折処理後のシートの状態をイメージし易くなり、折処理の設定が容易になる折処理設定プログラムを実現できる。
【符号の説明】
【0131】
1 :紙折機
2 :給紙部
3 :排紙部
4 :折処理部
5 :フレーム
5a :前フレーム
5b :後フレーム
6 :給紙台
7 :給送機構
8 :エア吐出機構
10 :操作パネル
12 :エンドフェンス
14 :搬送ベルト
16 :サクションダクト
18 :入口ローラ対
20 :折部ローラ
20a :第一折部ローラ
20b :第二折部ローラ
20c :第三折部ローラ
20d :第四折部ローラ
23 :第一折込搬送路
24 :排紙搬送機構
25 :第一折ストッパ
26 :排出トレイ
28 :第二折込搬送路
30 :経路切替ガイド
32 :第二折ストッパ
34 :第一折込板筐体
36 :第一折込板
37 :ユニット装着開口部
38 :第二折込板筐体
40 :第二折込板
50 :サイドガイド
51 :超音波式給紙エラーセンサ
52 :光学式給紙エラーセンサ
53 :受入搬送路
54 :排紙エラーセンサ
60 :第一折込機構
60b :第二折込機構
62 :第一折込搬送ガイド
64 :ストッパガイドロッド
66 :ストッパ移動ベルト
68 :駆動伝達ロッド
70 :ストッパ移動モータ
70b :第二ストッパ移動モータ
72 :ガイド孔
74 :ストッパ基体部
76 :用紙当接部
78 :ロッド受部
79 :駆動出力プーリ
80 :駆動入力ギヤ
82 :従動プーリ
84 :減速ギヤ機構
84a :減速駆動出力ギヤ
86 :光遮蔽板
90 :ストッパ位置センサ
100 :制御部
101 :タッチパネル
110 :入力装置
111 :スタートボタン
112 :ストップボタン
113 :テストボタン
120 :給紙処理用センサ
130 :折処理用センサ
140 :給紙作動アクチュエータ
150 :折処理作動アクチュエータ
152 :ローラ駆動モータ
160 :表示装置
200 :折条件表示部
201 :特殊折り条件新規作成キー
202 :テンキー
203 :用紙全長表示部
204 :用紙全長説明部
205 :決定ボタン
206 :入力表示変更ボタン
207 :戻るボタン
208 :定型サイズ選択ボタン
209 :仕上り寸法表示部
209a :仕上り寸法調整キー
210 :仕上り寸法説明部
211 :折り形指定ボタン
211a :変形二つ折りボタン
211b :変形内三つ折りボタン
211c :変形四つ折りボタン
211d :変形外三つ折りボタン
212 :仕上り寸法位置変更ボタン
213 :用紙長さ方向位置表示部
214 :折処理後位置表示部
215 :X寸法表示部
215a :X寸法調整キー
216 :Y寸法表示部
217 :メモリ番号表示部
218 :保存ボタン
219 :微調整ボタン
221 :仕上り寸法位置選択ボタン
221a :外三つ折り仕上り寸法最後尾選択ボタン
221b :外三つ折り仕上り寸法中央選択ボタン
231 :特殊折り設定キー
F :仕上り寸法
FS1 :第一折面
FS2 :第二折面
FS3 :第三折面
L :用紙全長
P :用紙