(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】振動発電デバイス及び振動発電デバイスの周波数調整方法
(51)【国際特許分類】
H02N 2/18 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
H02N2/18
(21)【出願番号】P 2020141077
(22)【出願日】2020-08-24
【審査請求日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2020051727
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】上野 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】神田 一明
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-132192(JP,A)
【文献】国際公開第2013/121759(WO,A1)
【文献】特開2018-148791(JP,A)
【文献】特開2010-051945(JP,A)
【文献】特開2009-175513(JP,A)
【文献】特開2016-114715(JP,A)
【文献】特開2008-220485(JP,A)
【文献】特開2001-050847(JP,A)
【文献】特開平09-268466(JP,A)
【文献】特開平05-215779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 2/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動発電デバイスであって、
加振によって変形する発電素子と、
前記発電素子と接合された長尺状のフレームと、
前記振動発電デバイスの共振周波数を調整する周波数調整部材と、を備え、
前記周波数調整部材は、
展延性を有する金属によって構成され、
前記フレームの長手方向の一端に設けられ、
前記長手方向に対して屈曲している領域である第1領域、及び、前記フレームの短手方向に対して屈曲している領域である第2領域の少なくとも一方を有
し、
前記周波数調整部材は、板形状である板部と、前記板部から櫛歯状に突出する複数の突出部と、を有し、
前記複数の突出部のそれぞれは、独立して屈曲している
振動発電デバイス。
【請求項2】
前記金属は、スズ又はスズ合金によって構成される
請求項1に記載の振動発電デバイス。
【請求項3】
振動発電デバイスであって、
加振によって変形する発電素子と、
前記発電素子と接合された長尺状のフレームと、
前記振動発電デバイスの共振周波数を調整する周波数調整部材と、を備え、
前記周波数調整部材は、
展延性を有する金属によって構成され、
前記フレームの長手方向の一端に設けられ、
前記長手方向に対して屈曲している領域である第1領域、及び、前記フレームの短手方向に対して屈曲している領域である第2領域の少なくとも一方を有し、
前記周波数調整部材の形状は、板形状である
振動発電デバイス。
【請求項4】
前記金属は、スズ又はスズ合金によって構成される
請求項3に記載の振動発電デバイス。
【請求項5】
前記周波数調整部材の形状は、I字形状、T字形状、L字形状又はX字形状である
請求
項3又は4に記載の振動発電デバイス。
【請求項6】
前記周波数調整部材は、前記長手方向と垂直な平面に対して、平行に設けられる
請求
項3~5のいずれか1項に記載の振動発電デバイス。
【請求項7】
振動発電デバイスであって、
加振によって変形する発電素子と、
前記発電素子と接合された長尺状のフレームと、
前記振動発電デバイスの共振周波数を調整する周波数調整部材と、を備え、
前記周波数調整部材は、
展延性を有する金属によって構成され、
前記フレームの長手方向の一端に設けられ、
前記長手方向に対して屈曲している領域である第1領域、及び、前記フレームの短手方向に対して屈曲している領域である第2領域の少なくとも一方を有し、
前記フレームの形状は、U字形状であり、
前記長手方向の前記一端は、前記U字形状の湾曲部である
振動発電デバイス。
【請求項8】
さらに、前記周波数調整部材に設けられる錘を備える
請求項1~7のいずれか1項に記載の振動発電デバイス。
【請求項9】
さらに、前記周波数調整部材の内部又は表面に設けられる補助部材を備え、
前記補助部材は、前記周波数調整部材に沿って屈曲している
請求項1~8のいずれか1項に記載の振動発電デバイス。
【請求項10】
振動発電デバイスであって、
加振によって変形する発電素子と、
前記発電素子と接合された長尺状のフレームと、
前記フレームの長手方向の一端に設けられる第1磁石と、
前記振動発電デバイスの共振周波数を調整する周波数調整部材と、
前記周波数調整部材に設けられる第2磁石と、を備え、
前記第1磁石及び前記第2磁石の互いが、引き付け合う又は反発するように、離間して設けられ、
前記周波数調整部材は、
展延性を有する金属によって構成され、
前記フレームの長手方向に対して屈曲している領域である第1領域を有
し、
前記周波数調整部材の形状は、板形状である
振動発電デバイス。
【請求項11】
周波数調整部材を備える振動発電デバイスの共振周波数を調整する周波数調整方法であって、
前記振動発電デバイスが取り付けられる加振源装置の周波数を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した前記周波数に基いて、前記周波数に対応する前記周波数調整部材の屈曲角度を決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定した前記屈曲角度で前記周波数調整部材を屈曲する屈曲ステップと、を含
み、
前記決定ステップでは、前記振動発電デバイスが最大発電効率となるような前記屈曲角度を決定し、
前記周波数調整部材の形状は、板形状である
周波数調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動発電デバイス及び振動発電デバイスの周波数調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、身近な振動を電力に変換する技術の開発が盛んに行われている。その技術の1つとして圧電素子又は磁歪素子を用いた振動発電デバイスが知られている。振動発電デバイスが用いられる際には、振動発電デバイスの発電効率を高めるために、共振周波数の調整が行われる必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1では、圧電素子を有する板部の振動により発電を行う振動発電デバイスが開示されており、この振動発電デバイスは、上記の板部と、板部の共振周波数の調整が可能でありかつ板部の上に載置される錘とを備えている。この振動発電デバイスにおいては、錘の質量を変化させることで、板部のたわみの共振周波数の調整が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、振動発電デバイスが温度センサなどと共に生産機械又は工作機械などの機械装置などに取り付けられ、機械装置の異常(例えば高温状態)などを検知するために利用されることがある。この場合、振動発電デバイスは、機械装置などにより加振されることで発電するため、上記センサなどの電源として利用される。
【0006】
この場合、機械装置などの振動によって、振動発電デバイスの最大発電効率となるように、振動発電デバイスの共振周波数の調整が行われる。この調整は、振動発電デバイスが機械装置などに取り付けられる取付現場で、行われることがある。
【0007】
例えば、機械装置などの周波数が未知である場合、特許文献1で開示される周波数の振動の調整方法では、取付現場に多数の種類の錘が用意される必要があるため、調整を行うことが困難である。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、容易に共振周波数の調整を行うことが可能な振動発電デバイスなどを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る振動発電デバイスは、振動発電デバイスであって、加振によって変形する発電素子と、前記発電素子と接合された長尺状のフレームと、前記振動発電デバイスの共振周波数を調整する周波数調整部材と、を備え、前記周波数調整部材は、展延性を有する金属によって構成され、前記フレームの長手方向の一端に設けられ、かつ、前記長手方向に対して屈曲している領域である第1領域、及び、前記フレームの短手方向に対して屈曲している領域である第2領域の少なくとも一方を有する。
【0010】
また、本発明の一態様に係る振動発電デバイスは、振動発電デバイスであって、加振によって変形する発電素子と、前記発電素子と接合された長尺状のフレームと、前記フレームの長手方向の一端に設けられる第1磁石と、前記振動発電デバイスの共振周波数を調整する周波数調整部材と、前記周波数調整部材に設けられる第2磁石と、を備え、前記第1磁石及び前記第2磁石の互いが、引き付け合う又は反発するように、離間して設けられ、前記周波数調整部材は、展延性を有する金属によって構成され、前記フレームの長手方向に対して屈曲している領域である第1領域を有する。
【0011】
また、本発明の一態様に係る周波数調整方法は、周波数調整部材を備える振動発電デバイスの共振周波数を調整する周波数調整方法であって、前記振動発電デバイスが取り付けられる加振源装置の周波数を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した前記周波数に基いて、前記周波数に対応する前記周波数調整部材の屈曲角度を決定する決定ステップと、前記決定ステップで決定した前記屈曲角度で前記周波数調整部材を屈曲する屈曲ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、容易に共振周波数の調整を行うことが可能な振動発電デバイスなどを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、従来の振動発電デバイスの平面図である。
【
図2】
図2は、
図1のII-II線における振動発電デバイスの切断面を示す断面図である。
【
図3】
図3は、従来の振動発電デバイスの共振周波数の調整方法を示す側面図である。
【
図4】
図4は、従来の振動発電デバイスの共振周波数の調整を説明するための原理図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る振動発電デバイスの平面図である。
【
図6】
図6は、
図5のVI-VI線における振動発電デバイスの切断面を示す断面図である。
【
図7】
図7は、実施の形態1に係る周波数調整部材の屈曲角度を示す側面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態1の他の第1例に係る周波数調整部材の斜視図である。
【
図9】
図9は、実施の形態1の他の第2例に係る周波数調整部材の斜視図である。
【
図10】
図10は、実施の形態1の他の第3例に係る周波数調整部材の平面図である。
【
図11】
図11は、実施の形態1の他の第4例に係る周波数調整部材の平面図及び側面図である。
【
図12】
図12は、実施の形態1に係る振動発電デバイスの発電効率と周波数及び屈曲角度との関係性を説明する図である。
【
図13】
図13は、実施の形態1に係る周波数調整装置の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、実施の形態1に係る周波数調整方法における処理手順を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施の形態1の変形例に係る振動発電デバイスの一部が拡大された側面図である。
【
図16】
図16は、実施の形態2に係る振動発電デバイスの一部が拡大された側面図である。
【
図17】
図17は、実施の形態3に係る振動発電デバイスの平面図である。
【
図18】
図18は、
図17のXVIII-XVIII線における振動発電デバイスの切断面を示す断面図である。
【
図19】
図19は、実施の形態3に係る振動発電デバイスが備える周波数調整部材の周辺を示す正面図である。
【
図20】
図20は、実施の形態3に係る振動発電デバイスの発電効率と周波数及び屈曲角度との関係性を説明する図である。
【
図21】
図21は、実施の形態4に係る振動発電デバイスの平面図である。
【
図22】
図22は、
図21のXXII-XXII線における振動発電デバイスの切断面を示す断面図である。
【
図23】
図23は、実施の形態4に係る振動発電デバイスが備える周波数調整部材の周辺を示す正面図である。
【
図24】
図24は、実施の形態5に係る振動発電デバイスの平面図である。
【
図25】
図25は、
図24のXXV-XXV線における振動発電デバイスの切断面を示す断面図である。
【
図26】
図26は、実施の形態5に係る振動発電デバイスが備える周波数調整部材の周辺を示す正面図である。
【
図27】
図27は、実施の形態5に係る振動発電デバイスの発電効率と周波数及び屈曲角度との関係性を説明する図である。
【
図28】
図28は、実施の形態6に係る振動発電デバイスの平面図である。
【
図29】
図29は、
図28のXXIX-XXIX線における振動発電デバイスの切断面を示す断面図である。
【
図30】
図30は、実施の形態6に係る振動発電デバイスが備える周波数調整部材の周辺を示す正面図である。
【
図31】
図31は、実施の形態7に係る振動発電デバイスの平面図である。
【
図32】
図32は、
図31のXXXII-XXXII線における振動発電デバイスの切断面を示す断面図である。
【
図33】
図33は、実施の形態7に係る振動発電デバイスが備える周波数調整部材の周辺を示す正面図である。
【
図34】
図34は、実施の形態7に係る振動発電デバイスの発電効率と周波数及び屈曲角度との関係性を説明する図である。
【
図35】
図35は、実施の形態8に係る振動発電デバイスの平面図である。
【
図36】
図36は、
図35のXXXVI-XXXVI線における振動発電デバイスの切断面を示す断面図である。
【
図37】
図37は、実施の形態8に係る振動発電デバイスの発電効率と周波数及び屈曲角度との関係性を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(本発明の基礎となった知見)
まず、本発明の基礎となった従来技術について
図1、
図2、
図3及び
図4を参照して説明する。
【0015】
図1は、従来の振動発電デバイス100の平面図である。
図2は、
図1のII-II線における振動発電デバイス100の切断面を示す断面図である。
【0016】
図1及び
図2が示すように、従来の振動発電デバイス100は、磁歪板110と、フレーム120と、磁石130と、コイル140と、周波数調整部材150と、を備えている。
【0017】
フレーム120は、磁歪板110と接合された長尺状の部材であり、フレーム120の形状は、U字形状である。
【0018】
フレーム120によって支持される磁歪板110は、加振によって変形する素子である。磁歪板110は、磁歪材料によって構成されている。磁歪材料は、一例として、鉄ガリウム合金である。
【0019】
磁歪板110の大きさは、例えば、断面が4mm×0.5mmで軸方向の長さが16mm程度の角柱状として形成してもよい。
【0020】
コイル140は、フレーム120と磁歪板110とに巻かれている。
【0021】
磁石130は、フレーム120に設けられている。磁石130は、一例として、永久磁石である。磁石130からの磁力線が磁歪板110を通過する。
【0022】
ここで、磁歪板110が伸張又は圧縮されるように(例えば、
図2が示す両矢印の方向に)、フレーム120を振動させることにより、磁歪板110に逆磁歪効果が生じる。その結果、磁歪板110の磁束が変化するため、コイル140に起電力が生じる。こうして、振動発電デバイス100は、振動により発電することができる。
【0023】
さらに、周波数調整部材150は、振動発電デバイス100の共振周波数を調整する部材である。より具体的には、従来の周波数調整部材150は、例えば、ボルト151と、2つのナット152と、ボルト151をフレーム120に固定するボルト固定台153とで構成されている。周波数調整部材150は、
図3が示す方法で、振動発電デバイス100の共振周波数を調整する。
【0024】
図3は、従来の振動発電デバイス100の共振周波数の調整方法を示す側面図である。周波数調整部材150においては、
図3の(a)が示すように2つのナット152の一方を回転させ、さらに、
図3の(b)が示すようにボルト151がx軸方向に移動することで、共振周波数が調整される。
【0025】
図4は、従来の振動発電デバイス100の共振周波数の調整を説明するための原理図である。なお、
図4においては、簡略化のため、周波数調整部材150は、矩形で示されている。
図4の(a)は、振動発電デバイス100が振動する様子が示されている。
図4の(b)は、
図4の(a)が示すように振動発電デバイス100が振動する際に発生する曲げモーメントMについて説明する図である。
【0026】
図4の(a)が示すように、振動発電デバイス100は振動する。この結果、
図4の(b)が示すように、周波数調整部材150には、慣性力Fがz軸方向に発生する。これにより、磁歪板110とフレーム120とが積層される積層部111には曲げモーメントMが発生する。ここで、積層部111と周波数調整部材150の重心Gとの間の距離Lが大きいほど、慣性モーメントが大きくなる。
図3が示すように、ボルト151がx軸方向に移動することで、周波数調整部材150の重心Gもx軸方向に移動するため、距離Lが変化する。
【0027】
周波数調整部材150の重心Gの位置が移動すると、磁歪板110とフレーム120とが積層される積層部と質点との間の距離Lが変化する。これにより、積層部を曲げ(回転)変形させる慣性モーメントが変化することで、振動発電デバイス100の共振周波数が調整される。
【0028】
一般論として、振動発電デバイス1の共振周波数は、frで表され、式(1)を満たす。
【0029】
【0030】
なお、振動発電デバイス1のばね定数はk、振動発電デバイス1にかかる荷重はmで表される。上記の構成の場合、慣性モーメントがmに対応する。上述の通り、周波数調整部材150の重心Gの位置の移動に起因して、k及びmの少なくとも一方が変化することで、frが調整される。
【0031】
ところで、このような振動発電デバイス100は、小型化されることで、使用用途が広がる。例えば、
図1に示される振動発電デバイス100の平面視サイズは、x軸方向に50mmy軸方向に20mmなどの小型であってもよい。この場合、2つのナット152においても、例えば直径が5mm以下となり、小さいサイズとなる。
【0032】
そのため、振動発電デバイス100の共振周波数を調整する者である調整者の指では、2つのナット152を回転させることが容易ではなく、調整が難しい。また、調整のためには、特殊な工具などが必要となる。
【0033】
よって、このような振動発電デバイス100は、容易に共振周波数を変更することができない。
【0034】
さらに、このような振動発電デバイス100が長期間使用された場合には、2つのナット152が緩み、ボルト151の位置が変化してしまうことで、振動発電デバイス100の共振周波数が調整された値から変化してしまう。
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0036】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0037】
また、本明細書及び図面において、x軸、y軸及びz軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。各実施の形態では、フレームの長手方向をx軸とし、x軸に直交する方向をy軸及びz軸としている。また、フレームの短手方向をy軸としている。
【0038】
また、本明細書において、「平面視」とは、振動発電デバイスをz軸正方向から見たときのことであり、このときの図を平面図という。また、「側面視」とは、振動発電デバイスをy軸負方向から見たときのことであり、このときの図を側面図という。さらに、「正面視」とは、振動発電デバイスをx軸正方向から見たときのことであり、このときの図を正面図という。
【0039】
また、本明細書において、振動発電デバイスとしての動作に必須あるいは特性の改善に有効であるが、本発明の説明に不要な要素については省略している。また、各図面はあくまで概念を示す図であり、縮尺、形状等は一切考慮に入れていない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0040】
また、本明細書において、等しいなどの要素間の関係性を示す用語、および、U字形状または直線形状などの要素の形状を示す用語、ならびに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0041】
(実施の形態1)
[振動発電デバイスの構成]
本実施の形態に係る振動発電デバイス1の構成例について
図5及び
図6を用いて説明する。
【0042】
図5は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1の平面図である。
図6は、
図5のVI-VI線における振動発電デバイス1の切断面を示す断面図である。
【0043】
例えば、本実施の形態に係る振動発電デバイス1は、背景技術で記載の通り、機械装置(以下、加振源装置)に取り付けられており、温度センサなどの電源として利用される。
【0044】
振動発電デバイス1は、発電素子(以下、磁歪板10と記載)と、フレーム20と、磁石30と、コイル40と、周波数調整部材50と、を備える。
【0045】
フレーム20は、磁歪板10と接合された長尺状の部材である。フレーム20を構成する材料は、特に限られないが、例えば、弾性を有する材料で構成されているとよい。また、フレーム20を構成する材料は、例えば、鉄を含む材料で構成されているとよい。フレーム20は、例えば、バネ鋼(ベーナイト鋼)、冷間圧延鋼帯(SPCC:Steel Plate Cold Commercial)などによって構成される。
【0046】
本実施の形態に係るフレーム20の形状は、U字形状である。U字形状であるフレーム20は、
図6が示すように、互いに向かい合う第1内側面21及び第2内側面22と、第1外側面23及び第2外側面24とを有している。例えば、振動発電デバイス1は、フレーム20が有する第2外側面24が設置台(不図示)と接するように、設置されていてもよい。さらにこのような設置台が、上記の加振源装置に取り付けられていてもよい。U字形状であるフレーム20の長手方向とは、
図5及び
図6が示すx軸方向である。なお、振動発電デバイス1の大きさとは、フレーム20のx軸、y軸及びz軸方向の長さの積である。
【0047】
また、フレーム20が有する第1外側面23には、磁歪板10が設けられている。
【0048】
本実施の形態に係る発電素子は、磁歪板10である。磁歪板10は、加振によって変形する素子である。本実施の形態においては、加振源装置の振動により、磁歪板10は加振される。また、加振源装置の周波数と振動発電デバイス1の周波数とが一致する。
【0049】
磁歪板10は、磁歪材料によって構成されている。磁歪材料は、一例として、鉄ガリウム合金であるが、これに限られず、例えば、鉄アルミ合金であってもよいし、その他の材料であってもよい。磁歪板10の大きさは、例えば、断面が4mm×0.5mmで軸方向の長さが16mm程度の角柱状として形成してもよい。また、磁歪板10とフレーム20とが積層される領域である積層部11は、
図6において、破線で示されている。
【0050】
コイル40は、フレーム20が有する第1内側面21及び第1外側面23と磁歪板10とに巻かれている。コイル40は、上述の逆磁歪効果により、磁歪板10内を通る磁力線の時間変化に比例して、電圧を発生させる。
【0051】
コイル40の材質は、一例として、銅であるが、特に限定されない。また、コイル40の巻き数を変更することで、電圧の大きさを調整することができる。
【0052】
磁石30は、フレーム20の第2内側面22に設けられている。磁石30は、一例として、永久磁石であるが、これに限られず電磁石であってもよい。磁石30からの磁力線が磁歪板10を通過する。
【0053】
例えば、加振源装置が振動するとともに、フレーム20が振動する。ここで、磁歪板10が伸張又は圧縮されるように(例えば、
図6が示す両矢印の方向に)、フレーム20を振動させる(つまり、磁歪板10を振動させる)ことにより、磁歪板10に逆磁歪効果が生じる。その結果、磁歪板10の磁束が変化するため、コイル40に起電力が生じる。こうして、振動発電デバイス1は、振動により発電することができる。
【0054】
周波数調整部材50は、フレーム20の長手方向の一端に設けられている。より具体的には、周波数調整部材50は、フレーム20が有する第1外側面23の一端に設けられている。周波数調整部材50とフレーム20とは、接着材料などにより接着されていてもよく、ネジなどにより螺合されていてもよい。
【0055】
周波数調整部材50は、振動発電デバイス1の共振周波数を調整する部材である。
図5及び
図6が示すように、本実施の形態に係る周波数調整部材50の形状は、板形状である。また、周波数調整部材50は、フレーム20の長手方向(x軸方向)に対して屈曲している領域である第1領域を有する。換言すると、本実施の形態においては、周波数調整部材50がx軸方向に対して屈曲している。また、周波数調整部材50は、屈曲可能であり、例えば、特殊な工具などを要せず、人の手で容易に屈曲される。
【0056】
周波数調整部材50は、展延性を有する金属によって構成される。展延性を有する金属とは、例えば、金、鉛、スズ、及び、スズ合金である。なお、本実施の形態においては、周波数調整部材50は、スズによって構成される。
【0057】
図7は、本実施の形態に係る周波数調整部材50の屈曲角度θを示す側面図である。
図7の破線は、周波数調整部材50が支点50xに対して屈曲している状態を例示している。周波数調整部材50の屈曲角度θは、
図7が示す通り、周波数調整部材50がx軸に沿って延びている状態と周波数調整部材50が屈曲している状態との差分の角度である。このように、周波数調整部材50が屈曲することで、周波数調整部材50の重心の位置が変化する。
【0058】
図4で説明したように、
図7においても、磁歪板10及びフレーム20の積層部11と周波数調整部材50の重心との間の距離が大きいほど、慣性モーメントが大きくなる。
図7が示すように周波数調整部材50の屈曲角度θに応じて周波数調整部材50の重心の位置が変化することで、上記距離が変化する。
【0059】
これにより、積層部の曲げ(回転)速度に影響する慣性モーメントが変化することで、振動発電デバイス1の共振周波数が調整される。つまり、周波数調整部材50の屈曲角度θに応じて、振動発電デバイス1の共振周波数が調整される。
【0060】
つまり、このような周波数調整部材50が屈曲することで、容易に共振周波数の調整を行うことが可能な振動発電デバイス1が実現される。
【0061】
このような振動発電デバイス1においては、例えば、取り付けられる加振源装置の振動によって、振動発電デバイス1が最大発電効率となるように、容易に共振周波数を調整することができる。よって、発電効率の高い振動発電デバイス1が実現される。
【0062】
上記の通り、周波数調整部材50が屈曲し、かつ、フレーム20の一端に設けられることで、磁歪板10と周波数調整部材50の重心との間の距離を所定の値の範囲に保つことができる。よって、所定の共振周波数の範囲内で振動発電デバイス1の共振周波数の調整を行うことが可能である。よって、発電効率の高い振動発電デバイス1が実現される。
【0063】
また、周波数調整部材50が展延性を有する金属である場合、周波数調整部材50は容易に屈曲させられる。よって、周波数調整部材50の屈曲角度θを精緻に変更することが可能であるため、周波数調整部材50の重心の位置が容易に変化する。よって、容易に振動発電デバイス1の共振周波数の調整を行うことが可能である。よって、発電効率の高い振動発電デバイス1が実現される。
【0064】
さらに、周波数調整部材50がスズである場合、周波数調整部材50はより容易に屈曲させられる。よって、この場合、周波数調整部材50が展延性を有する金属である場合と同様に、より容易に振動発電デバイス1の共振周波数の調整を行うことが可能である。よって、発電効率の高い振動発電デバイス1が実現される。
【0065】
なお、本実施の形態に係る振動発電デバイス1が備える周波数調整部材50は、上記に限られない。本実施の形態に係る振動発電デバイス1は、上記の周波数調整部材50に代えて、下記の本実施の形態の他の例に係る周波数調整部材を備えてもよい。
【0066】
以下では、本実施の形態に係る振動発電デバイス1が備える周波数調整部材50、及び本実施の形態の他の例に係る周波数調整部材50との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
【0067】
<他の第1例>
まず、本実施の形態の他の第1例に係る周波数調整部材50について、説明する。
図8は、本実施の形態の他の第1例に係る周波数調整部材50の斜視図である。
【0068】
図8が示すように、本実施の形態の他の第1例においては、振動発電デバイス1は、さらに、周波数調整部材50の内部に設けられる補助部材51を備える。
【0069】
本実施の形態の他の第1例においては、3つの補助部材51が設けられているが、これに限られず、例えば、1つの補助部材51が設けられてもよい。
【0070】
3つの補助部材51の形状はいずれも線形状であり、3つの補助部材51は平面視でフレーム20の長手方向に延びている。3つの補助部材51は周波数調整部材50の両端面から露出しているが、これに限られず、3つの補助部材51は周波数調整部材50に内包され、露出していなくてもよい。
【0071】
図8が示すように、3つの補助部材51は、周波数調整部材50に沿って屈曲している。
【0072】
3つの補助部材51は、周波数調整部材50を構成する材料よりも強度が高い材料によって構成されている。3つの補助部材51は、一例として、ピアノ線によって構成されているが、これに限られず、例えば、金属材料(鉄又は銅等)によって構成されていてもよい。
【0073】
このような補助部材51が設けられることで、振動発電デバイス1が長期間使用され、周波数調整部材50が繰り返し屈曲されたとしても、周波数調整部材50の破壊が抑制される。
【0074】
さらに、補助部材51がピアノ線によって構成されていることで、周波数調整部材50の破壊がより抑制される。
【0075】
<他の第2例>
続いて、本実施の形態の他の第2例に係る周波数調整部材50について、説明する。
図9は、本実施の形態の他の第2例に係る周波数調整部材50の斜視図である。
【0076】
図9が示すように、本実施の形態の他の第2例においては、振動発電デバイス1は、さらに、周波数調整部材50の表面に設けられる補助部材52を備える。
【0077】
本実施の形態の他の第2例においては、1つの補助部材52が設けられているが、これに限られず、例えば、複数の補助部材52が設けられてもよい。
【0078】
補助部材52の形状は周波数調整部材50と同じく板形状であるが、これに限られない。
【0079】
補助部材52は周波数調整部材50のz軸負側の主面に接して積層されるように設けられている。より具体的には、補助部材52は、周波数調整部材50のz軸負側の主面の全てを覆うように設けられているが、これに限られず、例えば、周波数調整部材50のz軸負側の主面の一部を覆うように設けられてもよい。
【0080】
図9が示すように、補助部材52は、周波数調整部材50に沿って屈曲している。
【0081】
補助部材52は、周波数調整部材50を構成する材料よりも強度が高い材料によって構成されている。補助部材52は、一例として、金属材料(鉄又は銅等)によって構成されていてもよい。
【0082】
このような補助部材52が設けられることで、振動発電デバイス1が長期間使用され、周波数調整部材50が繰り返し屈曲されたとしても、周波数調整部材50の破壊が抑制される。
【0083】
<他の第3例>
さらに、本実施の形態の他の第3例に係る周波数調整部材50について、説明する。
図10は、本実施の形態の他の第3例に係る周波数調整部材50の平面図である。
【0084】
図10の破線が示すように、本実施の形態の他の第3例においては、振動発電デバイス1が備える周波数調整部材50は、板形状である板部53を有する。
【0085】
より具体的には、
図10が示すように、板部53は、平面視でフレーム20の長手方向(x軸方向)と垂直な方向(y軸方向に)延びている。この場合、本実施の形態の他の第3例に係る周波数調整部材50の形状は、平面視で、T字形状である。
【0086】
このような板部53を有する周波数調整部材50が設けられることで、例えば、調整者が指で板部53を容易に摘んで屈曲することができるため、周波数調整部材50の屈曲角度θを容易に変更することができる。つまり、特殊な工具などが用意されなくても、容易に振動発電デバイス1の共振周波数の調整を行うことが可能である。よって、発電効率の高い振動発電デバイス1が実現される。
【0087】
<他の第4例>
ここで、本実施の形態の他の第4例に係る周波数調整部材50について、説明する。
図11は、本実施の形態の他の第4例に係る周波数調整部材50の平面図及び側面図である。より具体的には、
図11の(a)が本実施の形態の他の第4例に係る周波数調整部材50の平面図であり、
図11の(b)が本実施の形態の他の第4例に係る周波数調整部材50の側面図である。
【0088】
図11の(a)の破線が示すように、本実施の形態の他の第4例においては、振動発電デバイス1が備える周波数調整部材50は、板形状である板部54と、板部54から櫛歯状に突出する複数の突出部55と、を有する。
【0089】
本実施の形態の他の第4例においては、3つの突出部55が設けられているが、これに限られず、2以上の突出部55が設けられていればよい。
【0090】
また、
図11が示すように、複数の突出部55は、平面視でフレーム20の長手方向(x軸方向)と垂直な方向(y軸方向に)延びて設けられているが、これに限られない。
【0091】
複数の突出部55のそれぞれは、独立して屈曲している。つまり、複数の突出部55のそれぞれの屈曲角度は、異なっていてもよく、同一であってもよい。また、複数の突出部55のそれぞれを側面視したときに、屈曲している端部56及び57は、異なっていてもよく、同一であってもよい。
【0092】
複数の突出部55のそれぞれが独立して屈曲することで、周波数調整部材50の重心を精緻に変更することが可能であるため、容易に振動発電デバイス1の共振周波数の調整を行うことが可能である。よって、発電効率の高い振動発電デバイス1が実現される。
【0093】
[発電効率]
ここで、振動発電デバイス1の発電効率について説明する。
【0094】
図12は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1の発電効率と周波数及び屈曲角度θとの関係性を説明する図である。より具体的には、
図12は、屈曲角度θが所定の値である場合の振動発電デバイス1が0Hz以上150Hz以下の周波数で加振され、加振された周波数ごとの発電効率が測定された図である。このとき、振動発電デバイス1は、ファンクションジェネレータで発生したホワイトノイズが与えられることで、加振される。なお、
図12においては、縦軸が発電効率を示し、横軸が周波数を示している。発電効率は、磁歪板10の変形量(Magnitude strain)を加振の加速度(Acc)で割った値で示されている。磁歪板10の変形量は、発電量と相関のある値である。
【0095】
本測定においては、屈曲角度θは、0°(1回目)、90°(1回目)、0°(2回目)、45°(1回目)、90°(2回目)、135°(1回目)及び0°(3回目)順で変更され、それぞれの屈曲角度θで周波数ごとの発電効率が測定されている。
【0096】
なお、
図12においては、0°(1回目)が0degree(1st)に、90°(1回目)が90degree(1st)に、0°(2回目)が0degree(2nd)に、45°(1回目)が45degree(1st)に、90°(2回目)が90degree(2nd)に、135°(1回目)が135degree(1st)に、0°(3回目)が0degree(3rd)に対応している。
【0097】
図12が示す通り、屈曲角度θが0°及び45°では、最大発電効率となる周波数は約70Hzであり、屈曲角度θが90°では、最大発電効率となる周波数は約80Hzであり、屈曲角度θが135°では、最大発電効率となる周波数は100Hzである。
【0098】
図12の0degree(1st)、0degree(2nd)及び0degree(3rd)が示す通り、屈曲が繰り返されても、屈曲角度θが一定の場合は最大発電効率となる周波数は一定であることが明らかである。なお、
図12の90degree(1st)及び90degree(2nd)においても同様である。
【0099】
また、屈曲角度θが0°から135°まで変化することで最大発電効率となる周波数が約30%変化し、周波数調整部材50の屈曲角度θに応じて最大発電効率となる周波数が大きく変化することが明らかとなった。つまり、周波数調整部材50は、屈曲することで、振動発電デバイス1が最大発電効率となる磁歪板10の共振周波数を調整する部材である。
【0100】
このような振動発電デバイス1においては、取り付けられる加振源装置の振動によって、振動発電デバイス1が最大発電効率となるように、容易に共振周波数を調整することができる。よって、発電効率の高い振動発電デバイス1が実現される。
【0101】
ここで、振動発電デバイス1の共振周波数を調整する周波数調整方法と周波数調整装置とについてさらに説明する。
【0102】
[周波数調整装置等の構成]
図13は、本実施の形態に係る周波数調整装置200の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
【0103】
周波数調整装置200は、受付装置300から振動発電デバイス1が取り付けられる加振源装置の周波数(卓越周波数)を取得して、加振源装置の周波数に対応する周波数調整部材50の屈曲角度θを決定する。さらに、周波数調整装置200は、決定した屈曲角度θを表示装置400に出力する。つまり、周波数調整装置200は、調整者に、周波数調整部材50の屈曲角度θを指示する装置である。周波数調整装置200は、例えば、コンピュータであるが、これに限られず、サーバ装置であってもよい。
【0104】
受付装置300は、タッチパネル又はハードウェアボタンを備えるスマートフォン、タブレット、コンピュータ又はサーバ装置である。受付装置300は、例えば、加振源装置の振動情報を受付ける。受付装置300は、受付けた振動情報を周波数分析(例えば、FFT解析(Fast Fourier Transform 解析))を行い、加振源装置の周波数(卓越周波数)を特定する。さらに、受付装置300は、特定した加振源装置の周波数を周波数調整装置200に出力してもよい。
【0105】
表示装置400は、周波数調整装置200から出力される屈曲角度θに基づいた画面を表示する。具体的には、液晶パネル、又は、有機ELパネルなどによって構成されるモニタ装置である。
【0106】
ここで、周波数調整装置200の具体的な構成について説明する。周波数調整装置200は、取得部210と、決定部220と、出力部230と、記憶部240と、を備える。
【0107】
取得部210は、受付装置300から、振動発電デバイス1が取り付けられる加振源装置の周波数を取得する。取得部210は、例えば、有線通信又は無線通信を行う通信インターフェースである。
【0108】
決定部220は、取得部210が取得した加振源装置の周波数(卓越周波数)に基いて、加振源装置の周波数に対応する周波数調整部材50の屈曲角度θを決定する処理部である。決定部220は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、専用回路によって実現される。なお、決定部220によって決定された周波数調整部材50の屈曲角度θは、出力部230へ出力される。
【0109】
決定部220は、取得部210が取得した加振源装置の周波数と、記憶部240に記憶されている参照データ241とを照合し、周波数調整部材50の屈曲角度θを決定する。
【0110】
出力部230は、決定部220が決定した周波数調整部材50の屈曲角度θを表示装置400へ出力する。出力部230は、例えば、有線通信又は無線通信を行う通信インターフェースである。
【0111】
記憶部240は、参照データ241が記憶されている記憶装置である。参照データ241は、例えば、周波数調整部材50の屈曲角度θを決定するために用いられる、加振源装置の周波数と周波数調整部材50の屈曲角度θとの関係を示すデータである。記憶部240は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)等によって実現される。
【0112】
また、記憶部240には、決定部220が実行するプログラム、及び、周波数調整部材50の屈曲角度θの情報を出力する際に用いられる当該情報を示す画面データも記憶されている。
【0113】
[周波数調整方法の処理手順]
続いて、周波数調整装置200が実行する周波数調整方法における具体的な処理手順について説明する。
【0114】
図14は、本実施の形態に係る周波数調整方法における処理手順を示すフローチャートである。
【0115】
まず、取得部210は、振動発電デバイス1が取り付けられる加振源装置の周波数を取得する(ステップS10)。より具体的には、取得部210は、受付装置300から、加振源装置の周波数を取得する。
【0116】
次に決定部220は、取得部210が出力した加振源装置の周波数(卓越周波数)に基いて、加振源装置の周波数に対応する周波数調整部材50の屈曲角度θを決定する(ステップS20)。
【0117】
決定部220は、加振源装置の周波数と、記憶部240に記憶されている参照データ241とを照合し、加振源装置の周波数において振動発電デバイス1が最大発電効率となるような周波数調整部材50の屈曲角度θを決定する。一例として、加振源装置の周波数が100Hzである場合、屈曲角度θを135°であると決定する。このとき、決定部220は、屈曲角度θと振動発電デバイス1の大きさとを決定してもよい。
【0118】
決定部220は、決定した屈曲角度θを、出力部230に出力する。このとき、決定部220は、振動発電デバイス1の大きさを出力部230に出力してもよい。
【0119】
出力部230は、決定部220が決定した屈曲角度θを出力する(ステップS30)。ステップS30において、出力部230は、例えば、屈曲角度θが示された画面の画面データを記憶部240から取得して、表示装置400へ取得した画面データを送信する。このとき、出力部230は、振動発電デバイス1の大きさを出力してもよい。
【0120】
表示装置400には、屈曲角度θが示された画面が表示される。このとき、表示装置400は、振動発電デバイス1の大きさが示された画面が生じされてもよい。
【0121】
さらに、調整者は、表示装置400に表示された屈曲角度θで、周波数調整部材50を屈曲する(ステップS40)。このとき、調整者は、表示装置400に表示された大きさの振動発電デバイス1を用いて、表示された屈曲角度θで周波数調整部材50を屈曲する。調整者は、指で周波数調整部材50を屈曲してもよく、例えば、ドライバー又は小さなハンマーなどの一般的な工具を用いて突くことで、周波数調整部材50を屈曲させてもよい。このとき、振動発電デバイス1による発電電圧が電圧計で測られながら、発電電圧が最大となるように周波数調整部材50が屈曲されてもよい。
【0122】
上述の通り、周波数調整部材50を備えた振動発電デバイス1は、容易に共振周波数の調整を行うことが可能である。
【0123】
本実施の形態に係る周波数調整方法では、このような振動発電デバイス1において、加振源装置の周波数に対応した屈曲角度θに屈曲することで、振動発電デバイス1の共振周波数が調整される。これにより、取り付けられる加振源装置の振動によって振動発電デバイス1の最大発電効率となるように、容易に共振周波数を調整することができる。よって、発電効率の高い振動発電デバイス1が実現される。
【0124】
(実施の形態1の変形例)
次に、実施の形態1の変形例について説明する。実施の形態1の変形例では、主に、周波数調整部材に錘が設けられる点が、実施の形態1と相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
【0125】
[振動発電デバイスの構成]
本実施の形態に係る振動発電デバイス1aの構成例について
図15を用いて説明する。
【0126】
図15は、本実施の形態の変形例に係る振動発電デバイス1aの一部が拡大された側面図である。より具体的には、
図15は、本実施の形態の変形例に係る振動発電デバイス1aが備える周波数調整部材50aの周辺が拡大された側面図である。
【0127】
振動発電デバイス1aは、磁歪板10と、フレーム20と、磁石(不図示)と、コイル(不図示)と、周波数調整部材50aと、錘58と、を備える。
【0128】
本変形例においては、実施の形態1に係る周波数調整部材50と同じく、周波数調整部材50aは、フレーム20の長手方向の一端に設けられている。錘58は、周波数調整部材50aに設けられている。より具体的には、錘58は、フレーム20とは反対側の周波数調整部材50aの一端に設けられている。しかしながら、これに限られず、錘58は、周波数調整部材50aのいずれかの箇所に設けられていればよい。錘58において、質量及びサイズが変更可能に設けられている。
【0129】
図15が示すように、周波数調整部材50aの屈曲角度θは、実施の形態1に係る周波数調整部材50の屈曲角度θと同様である。
【0130】
本変形例においては、周波数調整部材50aと錘58とが振動発電デバイス1aに設けられるため、重心は、周波数調整部材50a及び錘58の重心である。また、錘58の質量及びサイズと屈曲角度θとに基いて、周波数調整部材50a及び錘58の重心が決定される。よって錘58の質量及びサイズと屈曲角度θとが変更されることで周波数調整部材50a及び錘58の重心を精緻に変更することが可能であるため、容易に振動発電デバイス1aの共振周波数の調整を行うことが可能である。
【0131】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、主に、周波数調整部材がフレームの一端に設けられない点、及び、周波数調整部材に設けられる磁石が設けられる点が、実施の形態1と相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
【0132】
[振動発電デバイスの構成]
本実施の形態に係る振動発電デバイス1bの構成例について
図16を用いて説明する。
【0133】
図16は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1bの一部が拡大された側面図である。より具体的には、
図16は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1bが備える周波数調整部材50bの周辺が拡大された側面図である。
【0134】
振動発電デバイス1bは、磁歪板10と、フレーム20と、磁石(不図示)と、コイル(不図示)と、周波数調整部材50bと、保持部材60と、第1磁石61と、第2磁石62と、を備える。
【0135】
保持部材60は、フレーム20の長手方向の一端に設けられており、第1磁石61とフレーム20とを接続する部材である。保持部材60は、例えば、L字形状ブラケットであるが、これに限られず、第1磁石61とフレーム20との位置関係を固定できればどのような部材であってもよい。
【0136】
本実施の形態においては、周波数調整部材50bは、実施の形態1とは異なり、フレーム20の一端に設けられていない。周波数調整部材50bは、例えば、フレーム20がU字形状である場合には第2内側面に設けられている。また、周波数調整部材50bは、実施の形態1で説明したフレーム20と接する設置台に設けられていてもよい。また、周波数調整部材50bは、保持部材60よりもx軸正側に設けられている。
【0137】
第1磁石61は、フレーム20の長手方向の一端に設けられる磁石である。本実施の形態においては、第1磁石61は、保持部材60を介して、フレーム20の一端に設けられている。第2磁石62は、周波数調整部材50bに設けられる磁石である。
【0138】
第1磁石61及び第2磁石62の互いが、引き付け合う又は反発するように、離間して設けられている。本実施の形態においては、第1磁石61及び第2磁石62の互いが、反発するように設けられている。また、第1磁石61と第2磁石62とは、同じ磁極が互いに向きあうように配置されている。
【0139】
なお、第1磁石61及び第2磁石62は、一例として、永久磁石であるが、これに限られない。
【0140】
本実施の形態においては、第1磁石61及び第2磁石62の互いの間の距離に基いて生じる磁気力に応じてフレーム20の剛性が変化する。周波数調整部材50bの屈曲角度θに応じて第1磁石61及び第2磁石62の距離が変化し、反発する力が変化する。その結果、フレーム20の剛性も変化する。振動発電デバイス1bの共振周波数は、フレーム20の剛性に依存するため、周波数調整部材50bの屈曲角度θに応じて、振動発電デバイス1bの共振周波数が調整される。
【0141】
このように、屈曲角度θに応じて反発する力が変化してフレーム20の剛性を変更することが可能であるため、容易に振動発電デバイス1bの共振周波数の調整を行うことが可能である。
【0142】
なお、第1磁石61及び第2磁石62の互いが、引き付け合うように設けられている場合においても、周波数調整部材50bの屈曲角度θに応じて第1磁石61及び第2磁石62の距離が変化し、フレーム20の剛性が変化するため、同様の効果が期待される。
【0143】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、主に、周波数調整部材がフレームの短手方向に対して屈曲している領域である第2領域を有する点が、実施の形態1と相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
【0144】
[振動発電デバイスの構成]
本実施の形態に係る振動発電デバイス1cの構成例について
図17~
図19を用いて説明する。
【0145】
図17は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1cの平面図である。
図18は、
図17のXVIII-XVIII線における振動発電デバイス1cの切断面を示す断面図である。
図19は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1cが備える周波数調整部材50cの周辺を示す正面図である。
【0146】
本実施の形態に係る周波数調整部材50cは、板部500と、2つの第1延在部501とを有する。また、識別のため、
図17においては2つの第1延在部501には、ドットが付されている。
【0147】
板部500は、板形状、つまりは角柱状の部材である。また、より具体的には、板部500の形状は、平板形状でもある。振動発電デバイス1cにおいては、周波数調整部材50cの板部500とフレーム20とが、接着材料などにより接着されている、又は、ネジなどにより螺合されている。
【0148】
また、板部500は、長手方向(x軸方向)及び短手方向(y軸方向)と平行な平面であるxy平面に対して、平行に設けられている。より具体的には、
図18が示すように、板部500は、互いに背向する第1主面500aと第2主面500bとを含み、第1主面500a及び第2主面500bがxy平面に対して、平行に設けられている。
【0149】
2つの第1延在部501のそれぞれは、板部500から短手方向(y軸方向)に延在する板形状の部材である。より具体的には、2つの第1延在部501の一方は、板部500からy軸正側に延在し、2つの第1延在部501の他方は、y軸負側に延在している。
【0150】
上述の通り、板部500及び2つの第1延在部501は、板形状である。つまり、本実施の形態に係る周波数調整部材50cの形状は、板形状であり、より具体的には、平板形状である。
【0151】
さらに、
図19が示すように、周波数調整部材50cは、フレーム20の短手方向(y軸方向)に対して屈曲している領域である第2領域を有する。本実施の形態においては、周波数調整部材50cは2つの第2領域を有し、2つの第2領域の一方は板部500と2つの第1延在部501の一方との間に、2つの第2領域の他方は板部500と2つの第1延在部501の他方との間に、設けられている。つまり、本実施の形態においては、周波数調整部材50cがy軸方向に対して屈曲している。
【0152】
図19には、周波数調整部材50cの屈曲角度θ(より具体的には、第1延在部501及び第2領域に係る屈曲角度θ)が示されている。屈曲角度θは、2つの第1延在部501が、y軸方向に平行に延びている状態と、y軸方向に対して屈曲している状態との差分の角度である。
【0153】
なお、本実施の形態においては、周波数調整部材50cが2つの第2領域を有しているため2つの屈曲角度θが設けられているが、2つの屈曲角度θは同じ値でもよく又はそれぞれ独立した値であってもよい。
【0154】
また、2つの第1延在部501が調整者の指で摘まれ、さらに、屈曲されることで、周波数調整部材50cの屈曲角度θを容易に変更することができる。
【0155】
なお、2つの屈曲角度θがいずれも0°である場合の周波数調整部材50cの大きさの一例は、5mm(x軸方向長さ)×14mm(y軸方向長さ)×0.5mm(z軸方向長さ)である。またこのとき、
図17が示すように周波数調整部材50cの平面視形状はI字形状である。
【0156】
[発電効率]
図20は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1cの発電効率と周波数及び屈曲角度θとの関係性を説明する図である。
【0157】
より具体的には、
図20は、屈曲角度θが所定の値である場合の振動発電デバイス1cが所定の周波数で加振され加振された周波数ごとの発電効率が測定された図である。このとき、振動発電デバイス1cは、ファンクションジェネレータで発生したホワイトノイズが与えられることで、加振される。
【0158】
図20においては、縦軸が発電効率を示し、横軸が周波数を示している。発電効率は、振動発電デバイス1cから得られた開放電圧(Voltage)を加振の加速度(Acc)で割った値で示されている。なお、以下
図27、
図34及び
図37においても、同様である。
【0159】
図20が示すように、振動発電デバイス1cは、300Hz以上600Hz以下の周波数で加振されている。また、屈曲角度θが0°、45°及び90°となるように変更され、それぞれの屈曲角度θで周波数ごとの発電効率が測定されている。
【0160】
なお、
図20においては、屈曲角度θが0°は0degreeに、45°は45degreeに、90°は90degreeに対応している。
【0161】
図20が示す通り、屈曲角度θが0°では、最大発電効率となる周波数は約470Hzであり、屈曲角度θが45°では、最大発電効率となる周波数は約460Hzであり、屈曲角度θが90°では、最大発電効率となる周波数は約440Hzである。
【0162】
つまり、周波数調整部材50cの屈曲角度θを変化させることで、振動発電デバイス1cが最大発電効率となる磁歪板10の共振周波数を調整することができる。
【0163】
本実施の形態においては、周波数調整部材50cの形状が板形状であり、周波数調整部材50cが板部500と、第1延在部501とを有する。
【0164】
これにより、周波数調整部材50cの一部である第1延在部501が屈曲されることで、容易に振動周波数の調整を行うことが可能となる。
【0165】
また、周波数調整部材50cの形状は、I字形状である。より具体的には、周波数調整部材50cの平面視形状はI字形状である。
【0166】
これにより、周波数調整部材50cの一部、つまりは、I字形状の一部である第1延在部501が屈曲されることで、容易に振動周波数の調整を行うことが可能となる。
【0167】
また、板部500がxy平面に対して平行に設けられ、周波数調整部材50cが第2領域を有する。
【0168】
これにより、第1延在部501がy軸方向に対して屈曲されることで、容易に振動周波数の調整を行うことが可能となる。
【0169】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4では、主に、周波数調整部材が第2延在部を、さらに有する点が、実施の形態3と相違する。以下では、実施の形態3との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
【0170】
[振動発電デバイスの構成]
本実施の形態に係る振動発電デバイス1dの構成例について
図21~
図23を用いて説明する。
【0171】
図21は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1dの平面図である。
図22は、
図21のXXII-XXII線における振動発電デバイス1dの切断面を示す断面図である。
図23は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1dが備える周波数調整部材50dの周辺を示す正面図である。
【0172】
本実施の形態に係る周波数調整部材50dは、実施の形態3に係る周波数調整部材50cと同じく、板部500と、2つの第1延在部501と、2つの第2領域とを有する。また、周波数調整部材50dは、さらに、1つの第2延在部502と、1つの第1領域とを有する。また、識別のため、
図21においては2つの第1延在部501と1つの第2延在部502とにはドットが付されており、1つの第2延在部502にはより濃いドットが付されている。
【0173】
1つの第2延在部502は、板部500から長手方向(x軸方向)に延在する板形状の部材である。より具体的には、1つの第2延在部502は、x軸負側に延在している。
【0174】
上述の通り、板部500、2つの第1延在部501及び1つの第2延在部502は、板形状である。つまり、本実施の形態に係る周波数調整部材50dの形状は、板形状であり、より具体的には、平板形状である。
【0175】
また、
図22が示すように、周波数調整部材50dが有する第1領域は、フレーム20の長手方向(x軸方向)に対して屈曲している領域である。第1領域は板部500と第2延在部502との間に設けられている。つまり、本実施の形態においては、周波数調整部材50dがx軸方向に対して屈曲している。
【0176】
なお、上述の通り、周波数調整部材50dは、2つの第1延在部501と2つの第2領域とを有し、y軸方向に対して屈曲している。つまり、周波数調整部材50dは、x軸方向に対しても屈曲しており、y軸方向に対しても屈曲している。
【0177】
図22及び
図23には、周波数調整部材50dの屈曲角度θが示されている。本実施の形態においては、周波数調整部材50dが1つの第1領域及び2つの第2領域を有しているため3つの屈曲角度θが設けられている。より具体的には、
図22には第2延在部502及び第1領域に係る屈曲角度θが示されており、
図23には第1延在部501及び第2領域に係る屈曲角度θが示されている。
【0178】
ここで、第2延在部502及び第1領域に係る屈曲角度θは、第2延在部502がx軸方向に平行に延びている状態とx軸方向に対して屈曲している状態との差分の角度である。
【0179】
なお、本実施の形態に係る3つの屈曲角度θは同じ値でもよく又はそれぞれ独立した値であってもよい。
【0180】
また、2つの第1延在部501及び第2延在部502が調整者の指で摘まれ、さらに、屈曲されることで、周波数調整部材50dの屈曲角度θを容易に変更することができる。
【0181】
本実施の形態においては、周波数調整部材50dの形状は、T字形状である。より具体的には、3つの屈曲角度θがいずれも0°である場合に、
図21が示すように周波数調整部材50dの平面視形状はT字形状である。
【0182】
これにより、周波数調整部材50dの一部、つまりは、T字形状の一部である第1延在部501又は第2延在部502が屈曲されることで、容易に振動周波数の調整を行うことが可能となる。
【0183】
また、周波数調整部材50dが、板部500と、2つの第1延在部501と、2つの第2領域と、第2延在部502と、第1領域とを有する。
【0184】
これにより、第1延在部501がy軸方向に対して屈曲されることで、又は、第2延在部502がx軸方向に対して屈曲されることで、容易に振動周波数の調整を行うことが可能となる。
【0185】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について説明する。実施の形態5では、主に、周波数調整部材が有する板部がyz平面に対して平行に設けられている点が、実施の形態3と相違する。以下では、実施の形態3との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
【0186】
[振動発電デバイスの構成]
本実施の形態に係る振動発電デバイス1eの構成例について
図24~
図26を用いて説明する。
【0187】
図24は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1eの平面図である。
図25は、
図24のXXV-XXV線における振動発電デバイス1eの切断面を示す断面図である。
図26は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1eが備える周波数調整部材50eの周辺を示す正面図である。
【0188】
本実施の形態に係る振動発電デバイス1eは、磁歪板10と、フレーム20と、磁石30と、コイル40と、周波数調整部材50eと、接続部材70とを備える。また、周波数調整部材50eは、実施の形態3に係る周波数調整部材50cと同じく、板部500と、2つの第1延在部501とを有する。また、周波数調整部材50eは、実施の形態3に係る周波数調整部材50cとは異なり、第1領域を有する。また、識別のため、
図26においては2つの第1延在部501には、ドットが付されている。
【0189】
図24及び
図25が示すように、接続部材70は、フレーム20の長手方向の一端に設けられており、周波数調整部材50eとフレーム20とを接続する部材である。接続部材70は、例えば、L字形状ブラケットであるが、これに限られず、周波数調整部材50eとフレーム20との位置関係を固定できればどのような部材であってもよい。また、周波数調整部材50eと接続されるL字形状ブラケットの1つの面である接続平面は、yz平面と平行であるとよい。
【0190】
周波数調整部材50eは、長手方向(x軸方向)と垂直な平面であるyz平面に対して平行に設けられている。本実施の形態においては、周波数調整部材50eが有する板部500は、yz平面に対して平行に設けられている。より具体的には、
図25が示すように、板部500が含む第1主面500a及び第2主面500bがyz平面に対して、平行に設けられている。
【0191】
本実施の形態においては、板部500の第2主面500bが接続部材70の接続平面と接続されており、例えば、第2主面500bと接続平面とは、接着材料などにより接着されている、又は、ネジなどにより螺合されている。
【0192】
さらに、
図24が示すように、周波数調整部材50eは、フレーム20の長手方向(x軸方向)に対して屈曲している領域である第1領域を有する。周波数調整部材50eは2つの第1領域を有し、2つの第1領域の一方は板部500と2つの第1延在部501の一方との間に、2つの第1領域の他方は板部500と2つの第1延在部501の他方との間に、設けられている。つまり、本実施の形態においては、周波数調整部材50eがx軸方向に対して屈曲している。
【0193】
図24には、周波数調整部材50eの屈曲角度θ(より具体的には、第1延在部501及び第1領域に係る屈曲角度θ)が示されている。屈曲角度θは、2つの第1延在部501が、y軸方向に平行に延びている状態と、x軸方向に対して屈曲している状態との差分の角度である。
【0194】
なお、本実施の形態においては、周波数調整部材50eが2つの第1領域を有しているため2つの屈曲角度θが設けられている。2つの屈曲角度θは、同じ値でもよく又はそれぞれ独立した値であってもよい。
【0195】
また、2つの第1延在部501が調整者の指で摘まれ、さらに、屈曲されることで、周波数調整部材50eの屈曲角度θを容易に変更することができる。
【0196】
なお、2つの屈曲角度θがいずれも0°である場合の周波数調整部材50eの大きさの一例は、6mm(z軸方向長さ)×20mm(y軸方向長さ)×0.5mm(x軸方向長さ)である。またこのとき、
図26が示すように周波数調整部材50eの正面視形状はI字形状であり、周波数調整部材50e全体がyz平面に対して平行に設けられている。
【0197】
[発電効率]
図27は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1eの発電効率と周波数及び屈曲角度θとの関係性を説明する図である。
【0198】
図27が示すように、振動発電デバイス1eは、400Hz以上500Hz以下の周波数で加振されている。また、屈曲角度θが0°、45°及び90°となるように変更され、それぞれの屈曲角度θで周波数ごとの発電効率が測定されている。
【0199】
なお、
図27においては、屈曲角度θが0°は0degreeに、45°は45degreeに、90°は90degreeに対応している。
【0200】
図27が示す通り、屈曲角度θが0°では、最大発電効率となる周波数は約450Hzであり、屈曲角度θが45°では、最大発電効率となる周波数は約440Hzであり、屈曲角度θが90°では、最大発電効率となる周波数は約435Hzである。
【0201】
つまり、周波数調整部材50eの屈曲角度θを変化させることで、振動発電デバイス1eが最大発電効率となる磁歪板10の共振周波数を調整することができる。
【0202】
本実施の形態においては、周波数調整部材50eは、長手方向(x軸方向)と垂直な平面であるyz平面に対して平行に設けられており、板部500と2つの第1延在部501と2つの第1領域とを有する。なお、本実施の形態においては、周波数調整部材50eは、L字形状ブラケットである接続部材70によって、yz平面に対して平行に設けられている。
【0203】
これにより、第1延在部501がx軸方向に対して屈曲されることで、容易に振動周波数の調整を行うことが可能となる。
【0204】
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について説明する。実施の形態6では、主に、周波数調整部材が第3延在部を、さらに有する点が、実施の形態5と相違する。以下では、実施の形態5との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
【0205】
[振動発電デバイスの構成]
本実施の形態に係る振動発電デバイス1fの構成例について
図28~
図30を用いて説明する。
【0206】
図28は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1fの平面図である。
図29は、
図28のXXIX-XXIX線における振動発電デバイス1fの切断面を示す断面図である。
図30は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1fが備える周波数調整部材50fの周辺を示す正面図である。
【0207】
本実施の形態に係る周波数調整部材50fは、実施の形態5に係る周波数調整部材50eと同じく、板部500と、2つの第1延在部501と、2つの第1領域とを有する。また、周波数調整部材50fは、さらに、1つの第3延在部503と、1つの第3領域とを有する。また、識別のため、
図30においては、2つの第1延在部501にはドットが、1つの第3延在部503には格子模様が付されている。
【0208】
1つの第3延在部503は、板部500から長手方向(x軸方向)及び短手方向(y軸方向)と垂直な方向であるz軸方向に延在する板形状の部材である。より具体的には、1つの第3延在部503は、z軸正側に延在している。
【0209】
また、
図29が示すように、周波数調整部材50fが有する第3領域は、上記の第1領域と同様に、フレーム20の長手方向(x軸方向)に対して屈曲している領域である。第3領域は、板部500と第3延在部503との間に設けられている。つまり、本実施の形態においては、周波数調整部材50fがx軸方向に対して屈曲している。
【0210】
図28及び
図29には、周波数調整部材50fの屈曲角度θが示されている。本実施の形態においては、周波数調整部材50fが2つの第1領域及び1つの第3領域を有しているため3つの屈曲角度θが設けられている。より具体的には、
図28には第1延在部501及び第1領域に係る屈曲角度θが示されており、
図29には第3延在部503及び第3領域に係る屈曲角度θが示されている。
【0211】
ここで、第3延在部503及び第3領域に係る屈曲角度θは、第3延在部503がz軸方向に平行に延びている状態とx軸方向に対して屈曲している状態との差分の角度である。
【0212】
なお、本実施の形態に係る3つの屈曲角度θは同じ値でもよく又はそれぞれ独立した値であってもよい。
【0213】
また、2つの第1延在部501及び第3延在部503が調整者の指で摘まれ、さらに、屈曲されることで、周波数調整部材50fの屈曲角度θを容易に変更することができる。
【0214】
本実施の形態においては、周波数調整部材50fの形状はT字形状である。より具体的には、3つの屈曲角度θがいずれも0°である場合に、
図30が示すように周波数調整部材50fの正面視形状は、逆さまのT字形状である。
【0215】
これにより、周波数調整部材50fの一部、つまりは、T字形状の一部である第1延在部501又は第3延在部503が屈曲されることで、容易に振動周波数の調整を行うことが可能となる。
【0216】
本実施の形態においては、周波数調整部材50fが、板部500と、2つの第1延在部501と、2つの第1領域と、第3延在部503と、第3領域とを有する。
【0217】
これにより、第1延在部501がx軸方向に対して屈曲されることで、又は、第3延在部503がx軸方向に対して屈曲されることで、容易に振動周波数の調整を行うことが可能となる。
【0218】
(実施の形態7)
次に、実施の形態7について説明する。実施の形態7では、主に、周波数調整部材が第1延在部を有さない点が、実施の形態6と相違する。以下では、実施の形態6との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
【0219】
[振動発電デバイスの構成]
本実施の形態に係る振動発電デバイス1gの構成例について
図31~
図33を用いて説明する。
【0220】
図31は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1gの平面図である。
図32は、
図31のXXXII-XXXII線における振動発電デバイス1gの切断面を示す断面図である。
図33は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1gが備える周波数調整部材50gの周辺を示す正面図である。
【0221】
本実施の形態に係る周波数調整部材50gは、実施の形態6に係る周波数調整部材50fと同じく、板部500と、第3延在部503と、第3領域とを有する。また、周波数調整部材50gは、実施の形態6に係る周波数調整部材50fとは異なり、第1延在部501と、第1領域とを有さない。また、識別のため、
図33においては、第3延在部503には格子模様が付されている。
【0222】
図32には第3延在部503及び第3領域に係る屈曲角度θが示されている。
【0223】
上述の通り、第3延在部503及び第3領域に係る屈曲角度θは、第3延在部503がz軸方向に平行に延びている状態とx軸方向に対して屈曲している状態との差分の角度である。
【0224】
また、ここでは、当該屈曲角度θは、第3延在部503がx軸負方向に屈曲している状態では負の値であり、第3延在部503がx軸正方向に屈曲している状態では正の値であると定義する。つまり、
図32の実線で示される周波数調整部材50gにおいては、屈曲角度θは、正の値である。
【0225】
図33が示すように、第3延在部503のy軸方向の長さは、板部500のy軸方向の長さよりも長い。
【0226】
なお、屈曲角度θが0°である場合の第3延在部503の大きさの一例は、8mm(y軸方向長さ)×11mm(z軸方向長さ)×0.5mm(x軸方向長さ)である。
【0227】
[発電効率]
図34は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1gの発電効率と周波数及び屈曲角度θとの関係性を説明する図である。
【0228】
図34が示すように、振動発電デバイス1gは、150Hz以上350Hz以下の周波数で加振されている。また、屈曲角度θが-90°、-45°、0°、45°及び90°となるように変更され、それぞれの屈曲角度θで周波数ごとの発電効率が測定されている。
【0229】
なお、
図34においては、屈曲角度θが-90°は-90degreeに、-45°は-45degreeに、0°は0degreeに、45°は45degreeに、90°は90degreeに対応している。
【0230】
図34が示す通り、屈曲角度θが-90°では、最大発電効率となる周波数は約295Hzであり、屈曲角度θが-45°では、最大発電効率となる周波数は約270Hzである。また、屈曲角度θが0°では、最大発電効率となる周波数は約240Hzであり、屈曲角度θが45°及び90°では、最大発電効率となる周波数は約220Hzである。
【0231】
つまり、周波数調整部材50gの屈曲角度θを変化させることで、振動発電デバイス1gが最大発電効率となる磁歪板10の共振周波数を調整することができる。
【0232】
本実施の形態においては、周波数調整部材50gが、板部500と、第3延在部503と、第3領域とを有する。
【0233】
これにより、第3延在部503がx軸方向に対して屈曲されることで、容易に振動周波数の調整を行うことが可能となる。
【0234】
(実施の形態8)
次に、実施の形態8について説明する。実施の形態8では、主に、周波数調整部材がU字形状のフレームの湾曲部に設けられている点が、実施の形態1と相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
【0235】
[振動発電デバイスの構成]
本実施の形態に係る振動発電デバイス1hの構成例について
図35及び
図36を用いて説明する。
【0236】
図35は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1hの平面図である。
図36は、
図35のXXXVI-XXXVI線における振動発電デバイス1hの切断面を示す断面図である。
【0237】
本実施の形態に係るフレーム20の形状は、実施の形態1に係るフレーム20と同じく、U字形状である。また、
図36には、U字形状の湾曲部25が示されている。
【0238】
本実施の形態に係る周波数調整部材50hは、フレーム20の長手方向(x軸方向)の一端である湾曲部25に設けられている。より具体的には、周波数調整部材50hは、湾曲部25と第2外側面24とに沿うように湾曲しながら接続されている。周波数調整部材50hとフレーム20とは、接着材料などにより接着されていてもよく、ネジなどにより螺合されていてもよい。
【0239】
また、周波数調整部材50hは、第1領域を有する。つまり、周波数調整部材50hはx軸方向に対して屈曲している。
【0240】
図36には、周波数調整部材50hの屈曲角度θが示されている。屈曲角度θは、周波数調整部材50hがz軸方向に平行に延びている状態と、周波数調整部材50hがx軸方向に屈曲している状態との差分の角度である。
【0241】
さらに、ここでは、屈曲角度θは、周波数調整部材50hがx軸負方向に屈曲している状態では正の値であり、周波数調整部材50hがx軸正方向に屈曲している状態では負の値であると定義する。つまり、
図36の実線で示される周波数調整部材50hにおいては、屈曲角度θは、正の値である。
【0242】
[発電効率]
図37は、本実施の形態に係る振動発電デバイス1hの発電効率と周波数及び屈曲角度θとの関係性を説明する図である。
【0243】
図37が示すように、振動発電デバイス1hは、550Hz以上600Hz以下の周波数で加振されている。また、屈曲角度θが-45°、0°、45°及び90°となるように変更され、それぞれの屈曲角度θで周波数ごとの発電効率が測定されている。
【0244】
なお、
図37においては、屈曲角度θが-45°は-45degreeに、0°は0degreeに、45°は45degreeに、90°は90degreeに対応している。
【0245】
図37が示す通り、屈曲角度θが-45°では、最大発電効率となる周波数は約582Hzであり、屈曲角度θが0°では、最大発電効率となる周波数は約576Hzである。また、屈曲角度θが45°では、最大発電効率となる周波数は約575Hzであり、屈曲角度θが90°では、最大発電効率となる周波数は約574Hzである。
【0246】
つまり、周波数調整部材50hの屈曲角度θを変化させることで、振動発電デバイス1hが最大発電効率となる磁歪板10の共振周波数を調整することができる。
【0247】
本実施の形態においては、周波数調整部材50hは、フレーム20のU字形状の湾曲部25に設けられており、第1領域を有する。
【0248】
これにより、周波数調整部材50hがx軸方向に対して屈曲されることで、容易に振動周波数の調整を行うことが可能となる。
【0249】
(その他の実施の形態)
以上、本発明に係る振動発電デバイス等について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態及び変形例に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものや、実施の形態及び変形例における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0250】
フレーム20の形状は、U字形状に限られず、例えば、直線形状であってもよい。この場合、直線形状であるフレーム20の一端が所定の設置台に固定され加振源装置に取り付けられ、他端には周波数調整部材50が取り付けられているとよい。
【0251】
また、実施の形態及び変形例においては発電素子は、磁歪板10であったが、これに限られない。例えば、発電素子として圧電素子などが用いられてもよい。この場合、圧電素子に接続される電極が設けられるとよい。また、フレームは、例えば、リン青銅、超弾性材料などによって構成されるとよい。
【0252】
なお、実施の形態2においては、周波数調整部材50bは、保持部材60よりもx軸正側に設けられたが、これに限られない。例えば、周波数調整部材50bは、保持部材60よりもy軸正側又は負側に設けられてもよい。この場合においても、第1磁石61及び第2磁石62の互いは、引き付け合う又は反発するように、相対して離間して設けられている。
【0253】
また、上記実施の形態における板部500、第1延在部501、第2延在部502及び第3延在部503は、展延性を有する金属によって構成される。なお、上記実施の形態においては、板部500、第1延在部501、第2延在部502及び第3延在部503は、スズによって構成される。
【0254】
なお、上記実施の形態及び変形例においては、発電素子は磁歪板10であり、磁歪板10は、角柱状つまりは板形状である。よって、「平面視」とは、磁歪板10をz軸正方向から見たときのことでもある。
【0255】
また、上記実施の形態及び変形例においては、振動発電デバイスは、1つの磁歪板10と1つのコイル40とを備えていたが、これに限られない。振動発電デバイスは、複数の磁歪板10と、複数のコイル40とを備えていてもよい。
【0256】
例えば、振動発電デバイスが2つの磁歪板10と2つのコイル40とを備える場合、2つのコイル40のそれぞれは、2つの磁歪板10のそれぞれ及びフレーム20に巻かれている。つまり、1つの磁歪板10と1つのコイル40とは、1対1の対応関係にある。このような場合においても、振動発電デバイスは、1つの周波数調整部材を備えているとよい。
【0257】
なお、上記実施の形態においては、周波数調整部材の形状がI字形状又はT字形状である例が示されているが、これに限られない。例えば、周波数調整部材の形状は、L字形状又はX字形状であってもよい。つまり、周波数調整部材の平面視形状又は正面視形状が、L字形状又はX字形状であってもよい。
【0258】
周波数調整部材の形状がL字形状である一例として、実施の形態3に係る周波数調整部材50dと
図21とを用いて説明する。周波数調整部材の形状がL字形状である場合には、当該周波数調整部材は、y軸正側又は負側に延在する第1延在部501を有さない周波数調整部材50dと、同じ形状となる。
【0259】
また、X字形状とは、X字形状を構成する2本の線が直交する形状に限られず、当該2本の線が交差していればよい。
【0260】
このように、周波数調整部材の形状がL字形状又はX字形状である場合においても、周波数調整部材の一部が屈曲されることで、容易に振動周波数の調整を行うことが可能となる。
【0261】
また、上記の実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0262】
本発明は、容易に共振周波数の調整を行うことが可能な振動発電デバイスとして、温度センサなどと共に機械装置などに取り付けられ、機械装置の異常などを検知するための電源として利用することができる。
【符号の説明】
【0263】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、100 振動発電デバイス
10、110 磁歪板
11、111 積層部
20、120 フレーム
21 第1内側面
22 第2内側面
23 第1外側面
24 第2外側面
25 湾曲部
30、130 磁石
40、140 コイル
50、50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50h、150 周波数調整部材
50x 支点
51 補助部材
52 補助部材
53、54、500 板部
55 突出部
56、57 端部
58 錘
60 保持部材
61 第1磁石
62 第2磁石
151 ボルト
152 ナット
153 ボルト固定台
200 周波数調整装置
210 取得部
220 決定部
230 出力部
240 記憶部
241 参照データ
300 受付装置
400 表示装置
500a 第1主面
500b 第2主面
501 第1延在部
502 第2延在部
503 第3延在部
F 慣性力
G 重心
L 距離
M 曲げモーメント