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特許7448270ワックスガードを含む二重構造TPEイヤーチップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】ワックスガードを含む二重構造TPEイヤーチップ
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20240305BHJP
   H04R 1/12 20060101ALI20240305BHJP
   H04R 25/00 20060101ALN20240305BHJP
   H04R 25/02 20060101ALN20240305BHJP
【FI】
H04R1/10 104Z
H04R1/10 104A
H04R1/12
H04R25/00 G
H04R25/02 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023189642
(22)【出願日】2023-11-06
【審査請求日】2023-11-06
(31)【優先権主張番号】10-2022-0162953
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523420125
【氏名又は名称】アズラ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、サン ウォン
【審査官】中嶋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0003655(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0003644(US,A1)
【文献】中国実用新案第210351563(CN,U)
【文献】中国実用新案第211089909(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2020/0222272(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
H04R 1/12
H04R 25/00
H04R 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヤホンの一側に装着され着用者の外耳道内に挿入されてイヤホンの位置を安定的に固定させるイヤーチップであって、
イヤホンの一端部の外周面と対応する中空型シリンダ構造であり、第1硬度値を有するTPE(熱可塑性プラスチックエラストマー)素材で構成されるコア部(110);
前記コア部(110)の上端に一体型構造で形成され、多数の貫通口(123)が形成された板状構造であり、コア部(110)と同一の硬度値を有する同一の素材で構成されるワックスガード部(120);
前記コア部(110)の上端から上方に所定高さだけ延びた後に放射状に側方および下方に連続的に曲面構造を形成する構造であり、第2硬度値を有するTPE(熱可塑性プラスチックエラストマー)素材で構成され、着用者の外耳道内部面と接触するフランジ部(130);
前記コア部(110)の外周面に沿ってリング構造で装着され、フランジ部(130)の両側方加圧動作によって弾性縮小されて外部から吸入された空気を伝達配管(142)に注入する構造の異物排出空気ポンプ(141);
前記コア部(110)の内部に形成され、異物排出空気ポンプ(141)から伝達された空気を第1ノズル(143)および第2ノズル(144)に伝達する構造の伝達配管(142);
前記コア部(110)の上部内周面に一定の角度だけ離隔して多数形成され、伝達配管(142)と連通する構造であり、伝達配管(142)から伝達された空気をコア部(110)の内部の中空型空間に噴射してワックスガード部(120)の貫通口(123)を通じて上方に流動させる構造の第1ノズル(143);および、
前記ワックスガード部(120)の内部に形成され、それぞれの貫通口(123)に形成され、伝達配管(142)と連通する構造であり、伝達配管(142)から伝達された空気を貫通口(123)に噴射して第1ノズル(143)から噴射された空気とともに上方に流動させる構造の第2ノズル(144);を含む
ことを特徴とする二重構造TPEイヤーチップ。
【請求項2】
前記コア部(110)の第1硬度値はフランジ部(130)の第2硬度値対比150~300%の値である
請求項1に記載の二重構造TPEイヤーチップ。
【請求項3】
前記コア部(110)は、
前記イヤホンの一端部の外周面の一部を囲む形態で装着されて所定高さだけ延びた中空型シリンダ構造のコア本体部(111);および、
前記コア本体部(111)の下端部に一体型構造で形成されイヤホンの一端部の外周面と着脱可能な構造の脱着部(112);を含む
請求項1に記載の二重構造TPEイヤーチップ。
【請求項4】
前記コア部(110)は、
前記脱着部(112)の下部面の内周面に沿って連続的に形成され、コア本体部(111)の内部の中空型構造方向に傾斜した構造の脱着誘導傾斜部(113);および、
前記脱着部(112)の内側上部面とコア本体部(111)の内周面が互いに接触する部分に形成され、コア本体部(111)の内部の中空型構造方向に所定高さだけ突出した構造の段形成部(114);を含む
請求項3に記載の二重構造TPEイヤーチップ。
【請求項5】
前記ワックスガード部(120)は、
前記コア部(110)の上端部に一体型構造で結着される構造のワックスガード結束部(121);
前記ワックスガード結束部と一体型構造でコア部(110)の上端部を覆う板状構造のワックスガード本体部(122);および、
前記ワックスガード本体部(122)に一定間隔および一定パターンで形成され、正多角形構造の通孔を形成する貫通口(123);を含む
請求項1に記載の二重構造TPEイヤーチップ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二重構造TPEイヤーチップに関し、さらに詳細には、コア部分とフランジ部分の硬度を互いに異なるように構成して安定した装着構造、衛生を保障できる構造および安らかな着用感を具現することができる構造を含む二重構造TPEイヤーチップに関する。
【背景技術】
【0002】
最近多くのスマートフォン使用者はスマートフォンで音楽を鑑賞したり電話通話をする場合、ハンズフリー機能による一般イヤホンまたはブルートゥース(登録商標)イヤホンを使う。
【0003】
普通スマートフォンをはじめて購入する場合、バンドル用イヤホンが提供される場合が殆どであるが、ヘッドフォンと比較するとき、イヤホンは音量においては少々劣り得るものの、大きさが小さいので携帯が簡便であるためスマートフォンの大衆的な普及と共に生活の必需品となっているのが現実である。
【0004】
イヤホンを形態で分類すると、開放型とカーネル型イヤホンに大別することができる。初期モデルの場合には開放型が多く使われていたが、最近では開放型とカーネル型はいずれも同一程度の割合で使われている。
【0005】
開放型イヤホンの長所は、イヤホンのハウジング内にあるスピーカーモジュールが耳の穴に完全に密閉されず、直接音響が伝達されないため、音響の一部が漏れて安らかな開放感を感じることができるという点である。カーネル型イヤホンの長所は、騒音を遮断する効果があり、人ごとに個性的な外耳の形にかかわらず内耳の幅に合うイヤーチップを装着する場合には耳の穴とよく密着されて固定力が強いという点である。
【0006】
前記開放型イヤホンとカーネル型イヤホンは相互補完的な面があるが、開放型イヤホンの短所である固定力および音漏れによる低音域再生能力の低下と外部騒音流入の問題を解決しようとする過程で作られたイヤホンがカーネル型イヤホンであり、その反対に、カーネル型イヤホンは開放型イヤホンとは反対に、固定力および騒音遮断の機能はあるが耳の穴と密着されて空気がよく循環されないため低音の音域が強いものの、人ごとに異物感乃至は息苦しさ、そして痛みを誘発し得るという短所を有している。
【0007】
また、カーネル型イヤホンは密閉型ヘッドフォンのようにスピーカーと耳の間を最大限密着させて外部の騒音を最小化する方式であって、周辺の音による妨害が少なく振動板で発生する音響が外部に漏れないため、外部環境が劣悪な場所、すなわち外部騒音が酷い場所で音楽などの聴取が可能であり、周辺に被害を与えないという長所がある。しかし、長時間使う場合、耳に密着されたイヤーチップの圧力のため開放型イヤホンに比べて着用感は相対的に悪く、振動板の音が直接鼓膜に影響を与えるため空気の圧力による衝撃により鼓膜が衝撃を受ける可能性があるという短所がある。
【0008】
このような問題点を解決するために、図1に図示された通り、イヤホンの一端部と結着される構造のコア部11と着用者の外耳道内部面と接触するフランジ部12を柔軟な素材で構成した製品が開発された。
【0009】
このような構造のイヤーチップの場合、技術的限界と多様な理由によって一つの金型を通じて射出方式で製造される。すなわち、このような製造方法は、イヤホンと結着されるコア部11と着用者の外耳道内部面と接触するフランジ部12を一つの金型で取り出す方式であって、コア部11とフランジ部12が互いに同じ硬度を有するように製作される方法である。
【0010】
フランジ部12とコア部11が同じ硬度で形成されるため、コア部11の場合、イヤホンの一端部としばしば脱着する場合、素材の硬度が低いため広がったりイヤホンの一端部との結束強度が次第に低下する場合が発生する。
【0011】
したがって、前述した従来技術に係る問題点を解決できる技術が必要であるのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
(特許文献1)韓国登録特許公報第10-1323805号(登録日:2013年10月24日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、着用者の耳に着用時、イヤーチップによって着用者の外耳道皮膚表面に加えられる部分圧力を分散圧力に変更して圧迫感と異物感による不便な点を解消し、着用者の耳から発生する異物がイヤーチップ内部に浸透することを防止して衛生を保障することができ、イヤホンとの安定した結束状態を保障できる構造を含むイヤーチップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するための本発明の一側面に係る二重構造TPEイヤーチップは、イヤホンの一側に装着され着用者の外耳道内に挿入されてイヤホンの位置を安定的に固定させるイヤーチップであって、イヤホンの一端部の外周面と対応する中空型シリンダ構造であり、第1硬度値を有するTPE(熱可塑性プラスチックエラストマー)素材で構成されるコア部;前記コア部の上端に一体型構造で形成され、多数の貫通口が形成された板状構造であり、コア部と同一の硬度値を有する同一の素材で構成されるワックスガード部;および前記コア部の上端から上方に所定高さだけ延びた後に放射状に側方および下方に連続的に曲面構造を形成する構造であり、第2硬度値を有するTPE(熱可塑性プラスチックエラストマー)素材で構成され、着用者の外耳道内部面と接触するフランジ部;を含む構成であり得る。
【0015】
本発明の一実施例において、前記コア部の第1硬度値はフランジ部の第2硬度値対比150~300%の値であり得る。
【0016】
本発明の一実施例において、前記コア部は、前記イヤホンの一端部の外周面の一部を囲む形態で装着されて所定高さだけ延びた中空型シリンダ構造のコア本体部;前記コア本体部の下端部に一体型構造で形成されイヤホンの一端部の外周面と着脱可能な構造の脱着部;前記脱着部の下部面の内周面に沿って連続的に形成され、コア本体部の内部の中空型構造方向に傾斜した構造の脱着誘導傾斜部;および前記脱着部の内側上部面とコア本体部の内周面が互いに接触する部分に形成され、コア本体部の内部の中空型構造方向に所定高さだけ突出した構造の段形成部;を含む構成であり得る。
【0017】
本発明の一実施例において、前記二重構造TPEイヤーチップは、前記コア部の外周面に沿ってリング構造で装着され、フランジ部の両側方加圧動作によって弾性縮小されて外部から吸入された空気を伝達配管に注入する異物排出空気ポンプ;前記コア部の内部に形成され、異物排出空気ポンプから伝達された空気を第1ノズルおよび第2ノズルに伝達する伝達配管;前記コア部の上部内周面に一定の角度だけ離隔して多数形成され、伝達配管と連通する構造であり、伝達配管から伝達された空気をコア部の内部中空型空間に噴射してワックスガード部の貫通口を通じて上方に流動するようにする第1ノズル;および前記ワックスガード部内部に形成され、それぞれの貫通口に形成され、伝達配管と連通する構造であり、伝達配管から伝達された空気を貫通口に噴射して第1ノズルから噴射された空気とともに上方に流動するようにする第2ノズル;を含む構成であり得る。
【0018】
本発明の一実施例において、前記ワックスガード部は、前記コア部の上端部に一体型構造で結着される構造のワックスガード結束部;前記ワックスガード結束部と一体型構造でコア部の上端部を覆う板状構造のワックスガード本体部;および前記ワックスガード本体部に一定間隔および一定パターンで形成され、正多角形構造の通孔を形成する貫通口;を含む構成であり得る。
【発明の効果】
【0019】
以上で説明した通り、本発明の二重構造TPEイヤーチップによると、特定構造のコア部、ワックスガード部およびフランジ部を具備することによって、着用者の耳に着用時、イヤーチップによって着用者の外耳道皮膚表面に加えられる部分圧力を分散圧力に変更して圧迫感と異物感による不便な点を解消し、着用者の耳から発生する異物がイヤーチップ内部に浸透することを防止して衛生を保障することができ、イヤホンとの安定した結束状態を保障できる構造を含むイヤーチップを提供することができる。
【0020】
また、本発明の二重構造TPEイヤーチップによると、特定構造の異物排出空気ポンプ、伝達配管、第1ノズルおよび第2ノズルを具備することによって、使用者の指を利用してフランジ部を容易に加圧して異物排出空気ポンプを作動させてワックスガード部の上部面とフランジ部の内部に堆積したり吸着された異物を外部に排出でき、イヤホン使用後、指で軽く押してイヤーチップを清掃でき、その結果、イヤーチップの清潔な状態を保障することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来技術に係るイヤーチップを示す断面図である。
図2】本発明の一実施例に係る二重構造TPEイヤーチップを示す縦断面写真である。
図3】本発明の一実施例に係る二重構造TPEイヤーチップを示す写真である。
図4図3に図示された二重構造TPEイヤーチップの下部を示す写真である。
図5】本発明の一実施例に係る二重構造TPEイヤーチップを示す斜視図である。
図6図5に図示された二重構造TPEイヤーチップを示す縦断面斜視図である。
図7図5に図示された二重構造TPEイヤーチップを示す縦断面図である。
図8】本発明の一実施例に係る二重構造TPEイヤーチップのワックスガード部に形成された貫通口の多様な形状を示す平面図である。
図9図8に図示された多様な形状を利用してワックスガード部の平面構造を形成する例示を示す平面図である。
図10】本発明のさらに他の実施例に係る二重構造TPEイヤーチップを示す縦断面図である。
図11図10に図示された二重構造TPEイヤーチップを作動して異物を外部に排出する姿を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明することにする。これに先立ち、本明細書および請求の範囲に使われた用語や単語は通常的または辞書的な意味で限定して解釈されてはならず、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈される。
【0023】
本明細書全体で、或る部材が他の部材「上に」位置しているとする時、これは或る部材が他の部材に接している場合だけでなく、二つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。本明細書全体で、或る部分が何らかの構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0024】
図2には本発明の一実施例に係る二重構造TPEイヤーチップを示す縦断面写真が図示されており、図3には本発明の一実施例に係る二重構造TPEイヤーチップを示す写真が図示されており、図4には図3に図示された二重構造TPEイヤーチップの下部を示す写真が図示されている。
【0025】
これら図面を参照すると、本実施例に係る二重構造TPEイヤーチップ100は、イヤホンの一側に装着され着用者の外耳道内に挿入されてイヤホンの位置を安定的に固定させるイヤーチップであって、特定構造のコア部110、ワックスガード部120およびフランジ部130を具備することによって、着用者の耳に着用時、イヤーチップによって着用者の外耳道皮膚表面に加えられる部分圧力を分散圧力に変更して圧迫感と異物感による不便な点を解消し、着用者の耳から発生する異物がイヤーチップ内部に浸透することを防止して衛生を保障することができ、イヤホンとの安定した結束状態を保障できる構造を含むイヤーチップを提供することができる。
【0026】
以下では、本実施例に係る二重構造TPEイヤーチップ100を構成する各構成について詳細に説明する。
【0027】
図5には本発明の一実施例に係る二重構造TPEイヤーチップを示す斜視図が図示されており、図6には図5に図示された二重構造TPEイヤーチップを示す縦断面斜視図が図示されている。また、図7には図5に図示された二重構造TPEイヤーチップを示す縦断面図が図示されており、図8には本発明の一実施例に係る二重構造TPEイヤーチップのワックスガード部に形成された貫通口の多様な形状を示す平面図が図示されており、図9には図8に図示された多様な形状を利用してワックスガード部の平面構造を形成する例示を示す平面図が図示されている。
【0028】
これら図面を参照すると、本実施例に係るTPEイヤーチップ100のコア部110は、イヤホンの一端部の外周面と対応する中空型シリンダ構造であり、第1硬度値を有するTPE(熱可塑性プラスチックエラストマー)素材で構成される。
【0029】
具体的には、コア部110は特定構造のコア本体部111、脱着部112、脱着誘導傾斜部113および段形成部114を含む構成であり得る。コア本体部111はイヤホンの一端部の外周面の一部を囲む形態で装着されて所定高さだけ延びた中空型シリンダ構造である。脱着部112はコア本体部111の下端部に一体型構造で形成されイヤホンの一端部の外周面と着脱可能な構造である。脱着誘導傾斜部113は脱着部112の下部面の内周面に沿って連続的に形成され、コア本体部111の内部の中空型構造方向に傾斜した構造である。また、段形成部114は脱着部112の内側上部面とコア本体部111の内周面が互いに接触する部分に形成され、コア本体部111の内部の中空型構造方向に所定高さだけ突出した構造である。
【0030】
本実施例に係るワックスガード部120はコア部110の上端に一体型構造で形成され、多数の貫通口123が形成された板状構造であり、コア部110と同一の硬度値を有する同一の素材で構成される。
【0031】
具体的には、図も5~図9に図示された通り、本実施例に係るワックスガード部120は特定構造のワックスガード結束部121、ワックスガード本体部122および貫通口123を含む構成であり得る。ワックスガード結束部121はコア部110の上端部に一体型構造で結着される構造である。ワックスガード本体部122はワックスガード結束部と一体型構造でコア部110の上端部を覆う板状構造である。また、貫通口123はワックスガード本体部122に一定間隔および一定パターンで形成され、正多角形構造の通孔を形成する。この時、貫通口123は図8に図示された通り、多様な正多角形構造で形成され得、場合により、多様な多角形を組み合わせて図9に図示された通り、多様な平面構造を形成することができ、これに限定されないことは言うまでもない。
【0032】
本実施例に係るフランジ部130はコア部110の上端から上方に所定高さだけ延びた後に放射状に側方および下方に連続的に曲面構造を形成する構造であり、第2硬度値を有するTPE(熱可塑性プラスチックエラストマー)素材で構成され、着用者の外耳道内部面と接触する。
【0033】
好ましくは、前述したコア部110の第1硬度値はフランジ部130の第2硬度値対比150~300%の値であり得る。この時、コア部110の第1硬度値はイヤホンの一端部との結束状態を安定的に維持できる程度であれば特に制限されるものではない。また、フランジ部130の第2硬度値は着用者の外耳道の内部皮膚に圧迫感を与えないように設定されることが好ましく、使用者の要求と設計者の意図により多様に設定され得ることは言うまでもない。
【0034】
図10には本発明のさらに他の実施例に係る二重構造TPEイヤーチップを示す縦断面図が図示されており、図11には図10に図示された二重構造TPEイヤーチップを作動して異物を外部に排出する姿を示す縦断面図が図示されている。
【0035】
これら図面を参照すると、本実施例に係る二重構造TPEイヤーチップ100は、特定構造の異物排出空気ポンプ141、伝達配管142、第1ノズル143および第2ノズル144を含む構成であり得る。
【0036】
具体的には、異物排出空気ポンプ141はコア部110の外周面に沿ってリング構造で装着される構成であって、フランジ部130の両側方加圧動作によって弾性縮小されて外部から吸入された空気を伝達配管142に注入することができる。この時、異物排出空気ポンプ141は一つのクッション構造で形成されており、着用者の耳に挿入時にフランジ部130の弾力を補完することができる。
【0037】
伝達配管142はコア部110の内部に形成される構成であって、異物排出空気ポンプ141から伝達された空気を第1ノズル143および第2ノズル144に伝達することができる。
【0038】
第1ノズル143はコア部110の上部内周面に一定の角度だけ離隔して多数形成される構成であって、伝達配管142と連通する構造であり、伝達配管142から伝達された空気をコア部110の内部中空型空間に噴射してワックスガード部120の貫通口123を通じて上方に流動させる。
【0039】
また、第2ノズル144はワックスガード部120内部に形成される構成であって、それぞれの貫通口123に形成され、伝達配管142と連通する構造であり、伝達配管142から伝達された空気を貫通口123に噴射して第1ノズル143から噴射された空気とともに上方に流動させる。
【0040】
以上で説明した通り、本発明の二重構造TPEイヤーチップによると、特定構造のコア部110、ワックスガード部120およびフランジ部130を具備することによって、着用者の耳に着用時、イヤーチップによって着用者の外耳道皮膚表面に加えられる部分圧力を分散圧力に変更して圧迫感と異物感による不便な点を解消し、着用者の耳から発生する異物がイヤーチップ内部に浸透することを防止して衛生を保障することができ、イヤホンとの安定した結束状態を保障できる構造を含むイヤーチップを提供することができる。
【0041】
また、本発明の二重構造TPEイヤーチップによると、特定構造の異物排出空気ポンプ141、伝達配管142、第1ノズル143および第2ノズル144を具備することによって、使用者の指を利用してフランジ部130を容易に加圧して物質排出空気ポンプを作動させてワックスガード部120の上部面とフランジ部130の内部に堆積したり吸着された異物を外部に排出でき、イヤホン使用後、指で軽く押してイヤーチップを清掃でき、その結果、イヤーチップの清潔な状態を保障することができる。
【0042】
以上の本発明の詳細な説明ではそれによる特別な実施例に対してのみ記述した。しかし、本発明は詳細な説明で言及される特別な形態に限定されないものと理解され、かえって添付された請求の範囲によって定義される本発明の精神と範囲内にあるすべての変形物と均等物および代替物を含む。
【0043】
すなわち、本発明は前述した特定の実施例および説明に限定されず、請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、誰でも多様な変形実施が可能であり、そのような変形は本発明の保護範囲内にあることになる。
【符号の説明】
【0044】
100:二重構造TPEイヤーチップ
110:コア部
111:コア本体部
112:脱着部
113:脱着誘導傾斜部
114:段形成部
120:ワックスガード部
121:ワックスガード結束部
122:ワックスガード本体部
123:貫通口
130:フランジ部
141:異物排出空気ポンプ
142:伝達配管
143:第1ノズル
144:第2ノズル
【要約】      (修正有)
【課題】着用者の耳に着用時、イヤーチップによって着用者の外耳道皮膚表面に加えられる部分圧力を分散圧して圧迫感と異物感を解消し、耳からの異物がイヤーチップ内部に浸透することを防止して衛生を保障して、イヤホンとの安定した結束状態を保障する。
【解決手段】イヤホンに装着され、着用者の外耳道内に挿入されてイヤホンの位置を安定的に固定する二重構造TPEイヤーチップ100であって、イヤホンの端部と対応する中空型シリンダ構造であり、第1硬度値を有するTPE(熱可塑性プラスチックエラストマー)素材で構成されるコア部110、コア部の上端に一体型構造で形成され、多数の貫通口123が形成された板状構造であり、コア部と同一の硬度値を有するワックスガード部120及びコア部の上端から放射状に側方及び下方に曲面構造を形成し、第2硬度値を有するTPE素材の外耳道と接触するフランジ部130を含む。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11