(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06T 3/14 20240101AFI20240305BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240305BHJP
【FI】
G06T3/14
G06T7/00 300F
(21)【出願番号】P 2020037956
(22)【出願日】2020-03-05
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】後藤 孝和
【審査官】渡部 幸和
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-128927(JP,A)
【文献】特開2014-123916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 3/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像取得手段、抽出手段、照合手段、排除手段、対応付け手段、座標変化量算出手段、座標推定手段、及び画像合成手段を含み、
前記画像取得手段は、動画を構成する複数の画像を取得し、
前記抽出手段は、前記画像毎に、前記画像内の検知対象物及び前記検知対象物の座標を抽出し、
前記照合手段は、一方の前記画像内で前記抽出した検知対象物が他方の前記画像内の検知対象物と同一であるかを照合し、
前記排除手段は、前記複数の画像間において、前記画像内の前記検知対象物の構成が同一である画像を抽出して、且つ前記抽出した画像のうち1つを合成用画像として選択し、且つ他の画像を排除し、
前記対応付け手段は、一方の前記合成用画像内及び他方の前記合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物の座標同士を対応付け、
前記座標変化量算出手段は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標から座標変化量を算出し、
前記座標推定手段は、前記抽出した座標と前記座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
前記画像合成手段は、前記座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、画像処理装置。
【請求項2】
前記座標変化量算出手段は、前記対応付けられた検知対象物の座標毎に座標移動量を算出し、且つ前記算出された座標移動量の平均値を前記座標変化量として算出し、
前記座標推定手段は、前記
抽出した座標と、前記座標移動量の平均値とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定する、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記座標変化量算出手段は、前記合成用画像間における前記対応付けられた検知対象物が4つ以上であるとき、ホモグラフィ変換行列を算出し、且つ前記ホモグラフィ変換行列から前記座標変化量を算出する、請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
さらに、局所特徴量
取得手段を含み、
前記抽出手段は、さらに、前記画像毎に、前記画像内の特徴点及び前記特徴点の座標を抽出し、
前記局所特徴量取得手段は、前記各合成用画像内の前記特徴点毎に、局所特徴量を取得し、
前記照合手段は、さらに、前記各画像間において前記局所特徴量を照合し、
前記対応付け手段は、前記各合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、前記同一の検知対象物がない場合に、前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出手段は、前記対応付けられた各特徴点の前記座標から座標変化量を算出する、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記対応付け手段は、前記同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物同士を対応付け、且つ前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出手段は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標に基づく座標変化量と、前記対応付けられた各特徴点の前記座標に基づく座標変化量とを算出し、且つ前記各座標変化量から合成用画像全体の座標変化量を算出し、
前記座標推定手段は、前記
抽出した座標と前記合成用画像全体の座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
画像合成手段は、前記合成用画像全体の座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記座標
変化量算出手段は、前記特徴点の座標における座標変化量の平均値を用いて、前記合成用画像全体の座標変化量を算出する、請求項4または5記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像取得工程、抽出工程、照合工程、排除工程、対応付け工程、座標変化量算出工程、座標推定工程、及び画像合成工程を含み、
前記画像取得工程は、動画を構成する複数の画像を取得し、
前記抽出工程は、前記画像毎に、前記画像内の検知対象物及び前記検知対象物の座標を抽出し、
前記照合工程は、一方の前記画像内で前記抽出した検知対象物が他方の前記画像内の検知対象物と同一であるかを照合し、
前記排除工程は、前記複数の画像間において、前記画像内の前記検知対象物の構成が同一である画像を抽出して、且つ前記抽出した画像のうち1つを合成用画像として選択し、且つ他の画像を排除し、
前記対応付け工程は、一方の前記合成用画像内及び他方の前記合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物の座標同士を対応付け、
前記座標変化量算出工程は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標から座標変化量を算出し、
前記座標推定工程は、前記抽出した座標と前記座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
前記画像合成工程は、前記座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、画像処理方法。
【請求項8】
前記座標変化量算出工程は、前記対応付けられた検知対象物の座標毎に座標移動量を算出し、且つ前記算出された座標移動量の平均値を前記座標変化量として算出し、
前記座標推定工程は、前記
抽出した座標と、前記座標移動量の平均値とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定する、請求項7記載の画像処理方法。
【請求項9】
画像取得手順、抽出手順、照合手順、排除手順、対応付け手順、座標変化量算出手順、座標推定手順、及び画像合成手順を含み、
前記画像取得手順は、動画を構成する複数の画像を取得し、
前記抽出手順は、前記画像毎に、前記画像内の検知対象物及び前記検知対象物の座標を抽出し、
前記照合手順は、一方の前記画像内で前記抽出した検知対象物が他方の前記画像内の検知対象物と同一であるかを照合し、
前記排除手順は、前記複数の画像間において、前記画像内の前記検知対象物の構成が同一である画像を抽出して、且つ前記抽出した画像のうち1つを合成用画像として選択し、且つ他の画像を排除し、
前記対応付け手順は、一方の前記合成用画像内及び他方の前記合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物の座標同士を対応付け、
前記座標変化量算出手順は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標から座標変化量を算出し、
前記座標推定手順は、前記抽出した座標と前記座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
前記画像合成手順は、前記座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、コンピュータに各手順を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数台のカメラを用いて、広範囲に分布する検知対象物(ラベル等)を撮像する技術がある(例えば、特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数台のカメラによって得られた複数の画像を1枚の画像に合成すると、画像のつなぎ目に視差が発生するという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、視差の発生を抑制可能な画像処理装置、及び、画像処理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、
画像取得手段、抽出手段、照合手段、排除手段、対応付け手段、座標変化量算出手段、座標推定手段、及び画像合成手段を含み、
前記画像取得手段は、動画を構成する複数の画像を取得し、
前記抽出手段は、前記画像毎に、前記画像内の検知対象物及び前記検知対象物の座標を抽出し、
前記照合手段は、一方の前記画像内で前記抽出した検知対象物が他方の前記画像内の検知対象物と同一であるかを照合し、
前記排除手段は、前記複数の画像間において、前記画像内の前記検知対象物の構成が同一である画像を抽出して、且つ前記抽出した画像のうち1つを合成用画像として選択し、且つ他の画像を排除し、
前記対応付け手段は、一方の前記合成用画像内及び他方の前記合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物の座標同士を対応付け、
前記座標変化量算出手段は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標から座標変化量を算出し、
前記座標推定手段は、前記抽出した座標と前記座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
前記画像合成手段は、前記座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、装置である。
【0007】
本発明の画像処理方法は、
画像取得工程、抽出工程、照合工程、排除工程、対応付け工程、座標変化量算出工程、座標推定工程、及び画像合成工程を含み、
前記画像取得工程は、動画を構成する複数の画像を取得し、
前記抽出工程は、前記画像毎に、前記画像内の検知対象物及び前記検知対象物の座標を抽出し、
前記照合工程は、一方の前記画像内で前記抽出した検知対象物が他方の前記画像内の検知対象物と同一であるかを照合し、
前記排除工程は、前記複数の画像間において、前記画像内の前記検知対象物の構成が同一である画像を抽出して、且つ前記抽出した画像のうち1つを合成用画像として選択し、且つ他の画像を排除し、
前記対応付け工程は、一方の前記合成用画像内及び他方の前記合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物の座標同士を対応付け、
前記座標変化量算出工程は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標から座標変化量を算出し、
前記座標推定工程は、前記抽出した座標と前記座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
前記画像合成工程は、前記座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、視差の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1の装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態1の装置の排除手段による処理の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態1の装置の対応付け手段によって同一の検知対象物の座標同士が対応付けられた一例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、実施形態1の装置の座標変化量算出手段によって座標移動量を算出する一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、実施形態1において、1フレーム目と2フレーム目の各検知対象物の座標の関係の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、実施形態1において、1フレーム目と2フレーム目の各検知対象物の座標の関係の一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、実施形態1において、1フレーム目の合成用画像と2フレーム目の合成用画像とを合成した画像の一例を示す模式図である。
【
図10】
図10は、実施形態2の装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、実施形態2の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施形態2の装置の対応付け手段の処理の一例を示す模式図である。
【
図13】
図13は、実施形態2における処理一例を示す模式図である。
【
図14】
図14は、実施形態2において、1フレーム目の合成用画像と2フレーム目の合成用画像とを合成した画像の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の画像処理装置において、例えば、前記座標変化量算出手段は、前記対応付けられた検知対象物の座標毎に座標移動量を算出し、且つ前記算出された座標移動量の平均値を前記座標変化量として算出し、
前記座標推定手段は、前記特定した座標と、前記座標移動量の平均値とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定する、という態様であってもよい。
【0011】
本発明の画像処理装置において、例えば、前記座標変化量算出手段は、前記合成用画像間における前記対応付けられた検知対象物が4つ以上であるとき、ホモグラフィ変換行列を算出し、且つ前記ホモグラフィ変換行列から前記座標変化量を算出する、という態様であってもよい。
【0012】
本発明の画像処理装置は、例えば、さらに、局所特徴量算出手段を含み、
前記抽出手段は、さらに、前記画像毎に、前記画像内の特徴点及び前記特徴点の座標を抽出し、
前記局所特徴量取得手段は、前記各合成用画像内の前記特徴点毎に、局所特徴量を取得し、
前記照合手段は、さらに、前記各画像間において前記局所特徴量を照合し、
前記対応付け手段は、前記各合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、前記同一の検知対象物がない場合に、前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出手段は、前記対応付けられた各特徴点の前記座標から座標変化量を算出する、という態様であってもよい。
【0013】
本発明の画像処理装置において、例えば、前記対応付け手段は、前記同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物同士を対応付け、且つ前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出手段は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標に基づく座標変化量と、前記対応付けられた各特徴点の前記座標に基づく座標変化量とを算出し、且つ前記各座標変化量から合成用画像全体の座標変化量を算出し、
前記座標推定手段は、前記特定した座標と前記合成用画像全体の座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
画像合成手段は、前記合成用画像全体の座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、という態様であってもよい。
【0014】
本発明の画像処理装置において、例えば、前記座標推定手段は、前記特徴点の座標における座標変化量の平均値を用いて、前記合成用画像全体の座標変化量を算出する、という態様であってもよい。
【0015】
本発明の画像処理方法において、例えば、前記座標変化量算出工程は、前記対応付けられた検知対象物の座標毎に座標移動量を算出し、且つ前記算出された座標移動量の平均値を前記座標変化量として算出し、
前記座標推定工程は、前記特定した座標と、前記座標移動量の平均値とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定する、という態様であってもよい。
【0016】
本発明の画像処理方法において、例えば、前記座標変化量算出工程は、前記合成用画像間における前記対応付けられた検知対象物が4つ以上であるとき、ホモグラフィ変換行列を算出し、且つ前記ホモグラフィ変換行列から前記座標変化量を算出する、という態様であってもよい。
【0017】
本発明の画像処理方法は、例えば、さらに、局所特徴量算出工程を含み、
前記抽出工程は、さらに、前記画像毎に、前記画像内の特徴点及び前記特徴点の座標を抽出し、
前記局所特徴量取得工程は、前記各合成用画像内の前記特徴点毎に、局所特徴量を取得し、
前記照合工程は、さらに、前記各画像間において前記局所特徴量を照合し、
前記対応付け工程は、前記各合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、前記同一の検知対象物がない場合に、前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出工程は、前記対応付けられた各特徴点の前記座標から座標変化量を算出する、という態様であってもよい。
【0018】
本発明の画像処理方法において、例えば、前記対応付け工程は、前記同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物同士を対応付け、且つ前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出工程は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標に基づく座標変化量と、前記対応付けられた各特徴点の前記座標に基づく座標変化量とを算出し、且つ前記各座標変化量から合成用画像全体の座標変化量を算出し、
前記座標推定工程は、前記特定した座標と前記合成用画像全体の座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
画像合成工程は、前記合成用画像全体の座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、という態様であってもよい。
【0019】
本発明の画像処理方法において、例えば、前記座標推定工程は、前記特徴点の座標における座標変化量の平均値を用いて、前記合成用画像全体の座標変化量を算出する、という態様であってもよい。
【0020】
本発明のプログラムは、
画像取得手順、抽出手順、照合手順、排除手順、対応付け手順、座標変化量算出手順、座標推定手順、及び画像合成手順を含み、
前記画像取得手順は、動画を構成する複数の画像を取得し、
前記抽出手順は、前記画像毎に、前記画像内の検知対象物及び前記検知対象物の座標を抽出し、
前記照合手順は、一方の前記画像内で前記抽出した検知対象物が他方の前記画像内の検知対象物と同一であるかを照合し、
前記排除手順は、前記複数の画像間において、前記画像内の前記検知対象物の構成が同一である画像を抽出して、且つ前記抽出した画像のうち1つを合成用画像として選択し、且つ他の画像を排除し、
前記対応付け手順は、一方の前記合成用画像内及び他方の前記合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物の座標同士を対応付け、
前記座標変化量算出手順は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標から座標変化量を算出し、
前記座標推定手順は、前記抽出した座標と前記座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
前記画像合成手順は、前記座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、コンピュータに各手順を実行させるためのプログラムである。
【0021】
本発明のプログラムにおいて、例えば、
前記座標変化量算出手順は、前記対応付けられた検知対象物の座標毎に座標移動量を算出し、且つ前記算出された座標移動量の平均値を前記座標変化量として算出し、
前記座標推定手順は、前記特定した座標と、前記座標移動量の平均値とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定する、という態様であってもよい。
【0022】
本発明のプログラムにおいて、例えば、
前記座標変化量算出手順は、前記合成用画像間における前記対応付けられた検知対象物が4つ以上であるとき、ホモグラフィ変換行列を算出し、且つ前記ホモグラフィ変換行列から前記座標変化量を算出する、という態様であってもよい。
【0023】
本発明のプログラムは、例えば、
さらに、局所特徴量算出手順を含み、
前記抽出手順は、さらに、前記画像毎に、前記画像内の特徴点及び前記特徴点の座標を抽出し、
前記局所特徴量取得手順は、前記各合成用画像内の前記特徴点毎に、局所特徴量を取得し、
前記照合手順は、さらに、前記各画像間において前記局所特徴量を照合し、
前記対応付け手順は、前記各合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、前記同一の検知対象物がない場合に、前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出手順は、前記対応付けられた各特徴点の前記座標から座標変化量を算出する、という態様であってもよい。
【0024】
本発明のプログラムにおいて、例えば、
前記対応付け手順は、前記同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物同士を対応付け、且つ前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出手順は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標に基づく座標変化量と、前記対応付けられた各特徴点の前記座標に基づく座標変化量とを算出し、且つ前記各座標変化量から合成用画像全体の座標変化量を算出し、
前記座標推定手順は、前記特定した座標と前記合成用画像全体の座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
画像合成手順は、前記合成用画像全体の座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、という態様であってもよい。
【0025】
本発明のプログラムにおいて、例えば、
前記座標推定手順は、前記特徴点の座標における座標変化量の平均値を用いて、前記合成用画像全体の座標変化量を算出する、という態様であってもよい。
【0026】
本発明の記録媒体は、本発明のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0027】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0028】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の画像処理装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本装置10は、画像取得手段11、抽出手段12、照合手段13、排除手段14、対応付け手段15、座標変化量算出手段16、座標推定手段17、及び画像合成手段18を含む。
【0029】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)等があげられる。無線通信としては、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、アクセスポイントを介した間接通信のいずれであってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。
【0030】
図2に、本装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央演算装置(CPU,GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、表示装置106、通信デバイス107等を有する。本装置10は、例えば、さらに、カメラ等の撮像装置(図示せず)を含んでいてもよい。本装置10のハードウエア構成の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0031】
中央演算装置(中央処理装置)101は、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央演算装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央演算装置101が、画像取得手段11、抽出手段12、照合手段13、排除手段14、対応付け手段15、座標変化量算出手段16、座標推定手段17、及び画像合成手段18として機能する。
【0032】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部データベース、プリンター、記憶装置、撮像装置(カメラ等)等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、前記通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、外部装置と接続することもできる。
【0033】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央演算装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央演算装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0034】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0035】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、管理者からのアクセス情報及びログ情報、並びに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0036】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、表示装置106を有する。入力装置105は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0037】
つぎに、本実施形態の画像処理方法の一例を、
図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の画像処理方法は、例えば、
図1の画像処理装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の画像処理方法は、
図1の画像処理装置10の使用には限定されない。
【0038】
まず、画像取得手段11により、動画から前記動画を構成する複数の画像(フレームともいう)を取得する(S1)。前記取得の形式は、特に制限されず、例えば、本装置10が前記撮像装置を備える場合、前記撮像装置を用いて前記動画を撮像することで、前記フレームを取得してもよい。また、本装置10は、例えば、通信デバイス107を介して、外部の前記撮像装置が撮像した前記動画を取得して、前記動画から前記フレームを取得してもよい。前記動画は、例えば、後述の検知対象物が広範囲に複数存在するエリア(撮像エリアともいう)を撮像した1つの動画である。
【0039】
次に、抽出手段12により、前記画像毎に、前記画像内の検知対象物及び前記検知対象物の座標を抽出する(S2)。前記検知対象物は、特に制限されず、例えば、ラベル、コード(バーコード、二次元コード等)等がある。具体的に、抽出手段12は、例えば、前記検知対象物の色、形、大きさ等の外観から前記検知対象物を認識して抽出もよいし、前記検知対象物の内容情報を読取ることで前記検知対象物を認識して抽出してもよい。前記検知対象物の内容情報の読取りは、例えば、OCR(Optical Character Recognition)技術や各種コードリーダー等を用いることができる。前記検知対象物の座標は、例えば、前記画像の画素数(ピクセル)に基づいて生成された座標情報を用いることで抽出可能である。前記座標情報は、例えば、本装置10が、さらに座標情報生成手段を用いることで生成してもよいし、前記取得した画像に紐づけられていてもよい。前記検知対象物の座標は、前記検知対象物の少なくとも1点の座標(基準点ともいう)であればよく、例えば、前記検知対象物の中心点の座標でもよいし、前記検知対象物の各頂点の座標であってもよい。抽出手段12は、例えば、前記画像毎に前記基準点が共通していることが好ましい。すなわち、一方の前記画像において、前記検知対象物の中心点の座標を抽出した場合は、他方の前記画像においても前記検知対象物の中心点の座標を抽出することが好ましい。
【0040】
次に、照合手段13により、一方の前記画像内で前記抽出した検知対象物が他方の前記画像内の検知対象物と同一であるかを照合する(S3)。前記照合は、例えば、前記検知対象物の外観及び内容情報等に基づき、行ってもよい。
【0041】
次に、排除手段14により、前記複数の画像間において、前記画像内の前記検知対象物の構成が同一である画像を抽出して、且つ前記抽出した画像のうち1つを合成用画像として選択し、且つ他の画像を排除する(S4)。
図4に、排除手段14による処理の一例を示す。本装置10は、例えば、抽出手段12により、1フレーム目から「検知対象物1及び検知対象物2」を抽出し、2フレーム目から「検知対象物1及び検知対象物2」を抽出し、3フレーム目から「検知対象物1、検知対象物2、及び検知対象物3」を抽出する。なお、
図4において、同一番号を付した検知対象物は、後の照合手段13の結果により、同一の検知対象物であると処理され、検知対象1~3は、それぞれ異なる検知対象物であると処理されたものとする(特に示さない限り、他の図においても同様とする)。排除手段14は、前記検知対象物の構成が「検知対象物1及び検知対象物2」で同一である1フレーム目及び2フレーム目を抽出する。さらに、排除手段14は、1フレーム目及び2フレーム目のどちらか一方を合成用画像として選択する。前記抽出した画像のうち、どの画像を選択するかは、特に制限されないが、例えば、
図4に示すように、最初に取得されたフレーム(1フレーム目)を前記合成用画像として取得してもよい。また、排除手段14は、例えば、前記抽出した画像のうち最も鮮明な画像を前記合成用画像として取得してもよい。なお、3フレーム目の前記検知対象物の構成は、検知対象物3が含まれている点で、1フレーム目及び2フレーム目における前記検知対象物の構成と異なる。そのため、3フレーム目は、例えば、4フレーム目以降の前記検知対象物の構成と同一でない場合は、前記合成用画像として選択される。このように、前記検知対象物の構成は、前記検知対象物が1つでも違っていたら前記合成用画像として選択される。
【0042】
次に、対応付け手段15により、一方の前記合成用画像内及び他方の前記合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物の座標同士を対応付ける(S5)。
図5に、対応付け手段15によって同一の検知対象物の座標同士が対応付けられた一例を示す。
図5に示すように、本装置10は、抽出手段12により、各検知対象物の左上の頂点の座標を抽出した(特に示さない限り、他の図においても同様とする)。
図5において、前記対応付けられた座標同士を線で結んでいる(特に示さない限り、他の図においても同様とする)。
【0043】
次に、座標変化量算出手段16により、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標から座標変化量を算出する(S6)。前記座標変化量には、例えば、移動量、縮小・拡大量、回転量、伸縮、傾き等が含まれる。
【0044】
次に、座標推定手段17により、前記抽出した座標と前記座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定する(S7)。
【0045】
そして、画像合成手段18により、前記座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成し(S8)、終了する(END)。
【0046】
図6~
図9を用いて、座標変化量算出手段16、座標推定手段17、及び画像合成手段18の処理の一例について説明する。
【0047】
座標変化量算出手段16は、例えば、前記対応付けられた検知対象物の座標毎に座標移動量を算出し、且つ前記算出された座標移動量の平均値を前記座標変化量として算出してもよい。
図6は、座標変化量算出手段16によって座標移動量を算出する一例を示す。具体的には、例えば、
図6に示すように、検知対象物1の座標移動量は、1フレーム目の検知対象物1の座標(55、85)の各値から2フレーム目の検知対象物1の座標(5、85)の各値を引くことで算出でき、(-50、0)となる。なお、前記座標のX座標は、例えば、前記画像の横(長辺)を軸としたときの座標であり、前記座標のY座標は、例えば、前記画像の縦(短辺)を軸としたときの座標である。これにより、2フレーム目の検知対象物1は、1フレーム目から横方向に平行移動したことが分かる。同様にして、検知対象物2の座標移動量は、(-50、0)となる。ここで、座標変化量算出手段16は、検知対象物1の座標移動量(-50、0)と、検知対象物2の座標移動量(-50、0)との平均値を算出し、前記平均値は、(-50、0)となる。そして、座標推定手段17は、2フレーム目の各検知対象物の座標に対し、前記平均値の座標(-50、0)の各値を引くことで、1フレーム目の座標系上における前記2フレーム目の各検知対象物の座標(推定座標ともいう)を推定できる。特に、2フレーム目の検知対象物3(1フレーム目のいずれの検知対象物にも紐づけられていない検知対象物)の座標(225、55)は、前記平均値の座標(-50、0)の各値を引くことで、1フレーム目の座標系上に検知対象物3が存在した場合の推定座標が判明する。そして、画像合成手段18により、合成された画像(合成画像)の一例を
図6の下部に示す。このように、前記一方の合成用画像の座標系に基づき、全体画像における座標(全体座標ともいう)が生成可能である。本装置10は、例えば、前記座標変化量として、前記平均値を用いることで、各座標間におけるズレを補正することができる。
【0048】
また、座標変化量算出手段16は、例えば、前記合成用画像間における前記対応付けられた検知対象物が4つ以上であるとき、ホモグラフィ変換行列を算出し、且つ前記ホモグラフィ変換行列から前記座標変化量を算出してもよい。前記ホモグラフィ変換行列は、例えば、2枚目以降の画像の「ある点(例えば、前記抽出した座標)」をホモグラフィ変換行列により変換すると、1枚目の画像における「ある点(例えば、前記推定座標)」の対応点が求まる行列である。なお、前記合成用画像間において、前記対応付けられた検知対象物が5つ以上である場合は、例えば、抽出手段12により先に抽出された4つの検知対象物を用いてもよい。
図7~9は、座標変化量算出手段16によってホモグラフィ変換行列を算出する一例を示す。
図7は、本例における1フレーム目と2フレーム目の各検知対象物の座標の関係を示す。
図7に示すように、本例において、2フレーム目の検知対象物5は、1フレーム目において抽出されておらず、1フレーム目の各検知対象物と対応付けがされていない。本装置10は、前記対応付けられた4つの検知対象物の各座標を用いて、2フレーム目の検知対象物1~5における1フレーム目の座標系上の座標を推定するものとする。前記ホモグラフィ変換行列は、例えば、下記式(1)で表せられる。
図8に示すように、下記式(1)をホモグラフィ変換行列Hについて解くことで、ホモグラフィ変換行列Hを算出する。そして、算出したホモグラフィ変換行列と2フレーム目の検知対象物の座標とから前記座標変化量を算出する。
図9に、前記ホモグラフィ変換行列から算出した前記座標変化量を用いて1フレーム目の合成用画像と2フレーム目の合成用画像とを合成した画像の一例を示す。本装置10は、例えば、前記ホモグラフィ変換行列を用いることで、移動量、縮小・拡大量、回転量、伸縮、傾き等の各種の座標変化量を算出することができる。
【0049】
【0050】
本実施形態の画像処理装置10によれば、視差の発生を抑制することができる。このため、本装置10によれば、例えば、広範囲を撮像した複数の画像を1枚の高解像な画像に合成することができる。さらに、本装置10によれば、例えば、前記合成した画像から広範囲に存在する検知対象物をまとめて読み込むことが可能である。一般的に、1台のカメラで広範囲を撮像すると、解像度が低下し、検知対象物が不明確になる。特に、ラベルやコード等の検知対象物は、画像の解像度が低いと読み込めないという問題があった。しかしながら、本装置10によれば、例えば、広範囲に存在する前記検知対象物を移動しながら近距離で撮像した動画を取得することで、前記合成用画像の解像度を高くすることができ、前記合成した画像からの前記検知対象物の読み込みを可能にする。
【0051】
[実施形態2]
図10は、本実施形態の画像処理装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図10に示すように、本実施形態において、画像処理装置10が、さらに、局所特徴量取得手段19を含む点を除き、前記実施形態1の画像処理装置10と同様である。本実施形態の画像処理装置10におけるハードウエア構成は、中央演算装置101が、さらに、局所特徴量取得手段19を含む点を除き、
図2に示す前記実施形態1の画像処理装置10と同様である。特に示さない限り、本実施形態は、前記実施形態1の記載を援用できる。
【0052】
つぎに、本実施形態の画像処理方法の一例を、
図11のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の画像処理方法は、例えば、
図10の画像処理装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の画像処理方法は、
図10の画像処理装置10の使用には限定されない。
【0053】
まず、画像取得手段11により、前記実施形態1と同様に、前記画像を取得する(S1)。
【0054】
次に、抽出手段12により、前記実施形態1と同様に、前記検知対象物及び前記検知対象物の座標を取得する。さらに、抽出手段12は、前記画像毎に、前記画像内の特徴点及び前記特徴点の座標を抽出する(S2)。前記検知対象点は、特に制限されず、例えば、前記検知対象物以外の物体や、前記撮像エリアの背景等の任意な点でもよい。前記特徴点の座標の抽出は、例えば、前記検知対象物の座標の抽出と同様である。
【0055】
次に、局所特徴量取得手段19により、前記各合成用画像内の前記特徴点毎に、局所特徴量を取得する(S3)。前記局所特徴量の取得は、特に制限されず、例えば、OpenCV等の技術を用いることができる。
【0056】
次に、照合手段13により、前記実施形態1と同様に、検知対象物の照合を行う。さらに、照合手段13は、前記各画像間において前記局所特徴量を照合する(S4)。具体的に、照合手段13は、例えば、照合により、前記各画像間における前記局所特徴量の一致の程度を算出する。
【0057】
次に、前記実施形態1と同様に、排除手段14による選択及び排除を実行する(S5)。
【0058】
次に、対応付け手段15により、前記各合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、前記同一の検知対象物がない場合に、前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付ける(S6)。
図12に、前記同一の検知対象物がない場合における対応付け手段15の処理の一例を示す。
図12において、前記特徴点は、1フレーム目及び2フレーム目に存在する特徴物A及びB(段ボール)の任意な点(丸印で示す点)とする。そして、1フレーム目における特徴物Aと2フレーム目における特徴物Bとは、照合手段13により、前記局所特徴量が近い(一致度が高い)という照合結果になった。そこで、対応付け手段15は、特徴物Aの各特徴点と特徴物Bの各特徴点とを対応付ける。
【0059】
次に、座標変化量算出手段16により、前記対応付けられた各特徴点の前記座標から座標変化量を算出する(S7)。具体的には、例えば、実施形態1と同様に前記座標変化量を算出できる。また、後述の式(2)を用いることで、前記座標変化量を算出してもよい。
【0060】
そして、前記実施形態1と同様に、座標推定手段17による座標推定(S8)、及び画像合成手段18による合成(S9)を実行し、終了する(END)。
【0061】
一方で、対応付け手段15は、例えば、前記同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物同士を対応付け、且つ前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付けてもよい。前記同一の検知対象物同士及び前記特徴点同士を対応付ける形態について、
図13及び14を用いて説明する。
【0062】
対応付け手段15は、例えば、
図13に示すように、前記同一の検知対象物同士及び前記特徴点同士を対応付ける。次に、座標変化量算出手段16は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標に基づく座標変化量と、前記対応付けられた各特徴点の前記座標に基づく座標変化量とを算出し、且つ前記各座標変化量から合成用画像全体の座標変化量を算出する。具体的には、例えば、前記特徴点の座標における座標変化量の平均値を算出し、前記特徴点の座標における座標変化量の平均値を用いて、前記合成用画像全体の座標変化量を算出してもよい。より具体的には、例えば、
図13及び下記に示す式(2)により、前記合成用画像全体の座標変化量を算出してもよい。前記式(2)は、予め設定した任意の割合k(1≧k≧0)を用いて、「検知対象物の座標における座標変化量の平均値」と「特徴点の座標における座標変化量の平均値」との平均を取る式である。なお、フレーム間において、同一の検知対象物が存在しない場合は、例えば、前記kを「0」としてもよい。
【0063】
【数2】
d:合成用画像全体の座標変化量
k:予め設定した任意の割合
d
l:検知対象物の座標における座標変化量の平均値
d
s:特徴点の座標における座標変化量の平均値
【0064】
次に、座標推定手段17により、
図13に示すように、前記特定した座標と前記合成用画像全体の座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定する。特に、前記対応付けられていない検知対象物は、前記対応付けられていない検知対象物の座標から前記合成用画像全体の座標変化量を引くことで、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定することができる。
【0065】
そして、画像合成手段18は、前記合成用画像全体の座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する。
図14に、前記合成用画像全体の座標変化量を用いて1フレーム目の合成用画像と2フレーム目の合成用画像とを合成した画像の一例を示す。
【0066】
本実施形態の画像処理装置10によれば、各合成用画像間において同一の検知対象物が存在しない場合であっても、視差の発生を抑制し、前記合成用画像を合成することができる。また、本装置10によれば、例えば、前記同一の検知対象物が存在する場合には、前記検知対象物の座標における座標変化量と前記特徴点の座標における座標変化量とを用いることで、より視差の発生を抑制することができる。
【0067】
[実施形態3]
本実施形態のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明において、「手順」は、「処理」と読み替えてもよい。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク等が挙げられる。
【0068】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0069】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
画像取得手段、抽出手段、照合手段、排除手段、対応付け手段、座標変化量算出手段、座標推定手段、及び画像合成手段を含み、
前記画像取得手段は、動画を構成する複数の画像を取得し、
前記抽出手段は、前記画像毎に、前記画像内の検知対象物及び前記検知対象物の座標を抽出し、
前記照合手段は、一方の前記画像内で前記抽出した検知対象物が他方の前記画像内の検知対象物と同一であるかを照合し、
前記排除手段は、前記複数の画像間において、前記画像内の前記検知対象物の構成が同一である画像を抽出して、且つ前記抽出した画像のうち1つを合成用画像として選択し、且つ他の画像を排除し、
前記対応付け手段は、一方の前記合成用画像内及び他方の前記合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物の座標同士を対応付け、
前記座標変化量算出手段は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標から座標変化量を算出し、
前記座標推定手段は、前記抽出した座標と前記座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
前記画像合成手段は、前記座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、画像処理装置。
(付記2)
前記座標変化量算出手段は、前記対応付けられた検知対象物の座標毎に座標移動量を算出し、且つ前記算出された座標移動量の平均値を前記座標変化量として算出し、
前記座標推定手段は、前記特定した座標と、前記座標移動量の平均値とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定する、付記1記載の画像処理装置。
(付記3)
前記座標変化量算出手段は、前記合成用画像間における前記対応付けられた検知対象物が4つ以上であるとき、ホモグラフィ変換行列を算出し、且つ前記ホモグラフィ変換行列から前記座標変化量を算出する、付記1または2記載の画像処理装置。
(付記4)
さらに、局所特徴量算出手段を含み、
前記抽出手段は、さらに、前記画像毎に、前記画像内の特徴点及び前記特徴点の座標を抽出し、
前記局所特徴量取得手段は、前記各合成用画像内の前記特徴点毎に、局所特徴量を取得し、
前記照合手段は、さらに、前記各画像間において前記局所特徴量を照合し、
前記対応付け手段は、前記各合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、前記同一の検知対象物がない場合に、前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出手段は、前記対応付けられた各特徴点の前記座標から座標変化量を算出する、付記1から3のいずれかに記載の画像処理装置。
(付記5)
前記対応付け手段は、前記同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物同士を対応付け、且つ前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出手段は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標に基づく座標変化量と、前記対応付けられた各特徴点の前記座標に基づく座標変化量とを算出し、且つ前記各座標変化量から合成用画像全体の座標変化量を算出し、
前記座標推定手段は、前記特定した座標と前記合成用画像全体の座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
画像合成手段は、前記合成用画像全体の座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、付記4記載の画像処理装置。
(付記6)
前記座標推定手段は、前記特徴点の座標における座標変化量の平均値を用いて、前記合成用画像全体の座標変化量を算出する、付記4または5記載の画像処理装置。
(付記7)
画像取得工程、抽出工程、照合工程、排除工程、対応付け工程、座標変化量算出工程、座標推定工程、及び画像合成工程を含み、
前記画像取得工程は、動画を構成する複数の画像を取得し、
前記抽出工程は、前記画像毎に、前記画像内の検知対象物及び前記検知対象物の座標を抽出し、
前記照合工程は、一方の前記画像内で前記抽出した検知対象物が他方の前記画像内の検知対象物と同一であるかを照合し、
前記排除工程は、前記複数の画像間において、前記画像内の前記検知対象物の構成が同一である画像を抽出して、且つ前記抽出した画像のうち1つを合成用画像として選択し、且つ他の画像を排除し、
前記対応付け工程は、一方の前記合成用画像内及び他方の前記合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物の座標同士を対応付け、
前記座標変化量算出工程は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標から座標変化量を算出し、
前記座標推定工程は、前記抽出した座標と前記座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
前記画像合成工程は、前記座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、画像処理方法。
(付記8)
前記座標変化量算出工程は、前記対応付けられた検知対象物の座標毎に座標移動量を算出し、且つ前記算出された座標移動量の平均値を前記座標変化量として算出し、
前記座標推定工程は、前記特定した座標と、前記座標移動量の平均値とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定する、付記7記載の画像処理方法。
(付記9)
前記座標変化量算出工程は、前記合成用画像間における前記対応付けられた検知対象物が4つ以上であるとき、ホモグラフィ変換行列を算出し、且つ前記ホモグラフィ変換行列から前記座標変化量を算出する、付記7または8記載の画像処理方法。
(付記10)
さらに、局所特徴量算出工程を含み、
前記抽出工程は、さらに、前記画像毎に、前記画像内の特徴点及び前記特徴点の座標を抽出し、
前記局所特徴量取得工程は、前記各合成用画像内の前記特徴点毎に、局所特徴量を取得し、
前記照合工程は、さらに、前記各画像間において前記局所特徴量を照合し、
前記対応付け工程は、前記各合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、前記同一の検知対象物がない場合に、前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出工程は、前記対応付けられた各特徴点の前記座標から座標変化量を算出する、付記7から9のいずれかに記載の画像処理方法。
(付記11)
前記対応付け工程は、前記同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物同士を対応付け、且つ前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出工程は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標に基づく座標変化量と、前記対応付けられた各特徴点の前記座標に基づく座標変化量とを算出し、且つ前記各座標変化量から合成用画像全体の座標変化量を算出し、
前記座標推定工程は、前記特定した座標と前記合成用画像全体の座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
画像合成工程は、前記合成用画像全体の座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、付記10記載の画像処理方法。
(付記12)
前記座標推定工程は、前記特徴点の座標における座標変化量の平均値を用いて、前記合成用画像全体の座標変化量を算出する、付記10または11記載の画像処理方法。
(付記13)
画像取得手順、抽出手順、照合手順、排除手順、対応付け手順、座標変化量算出手順、座標推定手順、及び画像合成手順を含み、
前記画像取得手順は、動画を構成する複数の画像を取得し、
前記抽出手順は、前記画像毎に、前記画像内の検知対象物及び前記検知対象物の座標を抽出し、
前記照合手順は、一方の前記画像内で前記抽出した検知対象物が他方の前記画像内の検知対象物と同一であるかを照合し、
前記排除手順は、前記複数の画像間において、前記画像内の前記検知対象物の構成が同一である画像を抽出して、且つ前記抽出した画像のうち1つを合成用画像として選択し、且つ他の画像を排除し、
前記対応付け手順は、一方の前記合成用画像内及び他方の前記合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物の座標同士を対応付け、
前記座標変化量算出手順は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標から座標変化量を算出し、
前記座標推定手順は、前記抽出した座標と前記座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
前記画像合成手順は、前記座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、コンピュータに各手順を実行させるためのプログラム。
(付記14)
前記座標変化量算出手順は、前記対応付けられた検知対象物の座標毎に座標移動量を算出し、且つ前記算出された座標移動量の平均値を前記座標変化量として算出し、
前記座標推定手順は、前記特定した座標と、前記座標移動量の平均値とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定する、付記13記載のプログラム。
(付記15)
前記座標変化量算出手順は、前記合成用画像間における前記対応付けられた検知対象物が4つ以上であるとき、ホモグラフィ変換行列を算出し、且つ前記ホモグラフィ変換行列から前記座標変化量を算出する、付記13または14記載のプログラム。
(付記16)
さらに、局所特徴量算出手順を含み、
前記抽出手順は、さらに、前記画像毎に、前記画像内の特徴点及び前記特徴点の座標を抽出し、
前記局所特徴量取得手順は、前記各合成用画像内の前記特徴点毎に、局所特徴量を取得し、
前記照合手順は、さらに、前記各画像間において前記局所特徴量を照合し、
前記対応付け手順は、前記各合成用画像内に存在する前記検知対象物のうち、前記同一の検知対象物がない場合に、前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出手順は、前記対応付けられた各特徴点の前記座標から座標変化量を算出する、付記13から15のいずれかに記載のプログラム。
(付記17)
前記対応付け手順は、前記同一の検知対象物が存在する場合に、前記同一の検知対象物同士を対応付け、且つ前記局所特徴量が近い前記特徴点同士を対応付け、
前記座標変化量算出手順は、前記対応付けられた各検知対象物の前記座標に基づく座標変化量と、前記対応付けられた各特徴点の前記座標に基づく座標変化量とを算出し、且つ前記各座標変化量から合成用画像全体の座標変化量を算出し、
前記座標推定手順は、前記特定した座標と前記合成用画像全体の座標変化量とに基づき、前記対応付けられていない検知対象物を含む前記他方の合成用画像内の検知対象物における、前記一方の合成用画像の座標系上の座標を推定し、
画像合成手順は、前記合成用画像全体の座標変化量と前記推定した座標とに基づき、前記一方の合成用画像上に、前記他方の合成用画像を合成する、付記16記載のプログラム。
(付記18)
前記座標推定手順は、前記特徴点の座標における座標変化量の平均値を用いて、前記合成用画像全体の座標変化量を算出する、付記16または17記載のプログラム。
(付記19)
付記13から18のいずれかに記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、画像の合成時に視差の発生を抑制することができる。このため、本発明は、例えば、合成後の画像からラベルやコード等の検知対象物を読取る場合に、特に有用である。
【符号の説明】
【0071】
10 画像処理装置
11 画像取得手段
12 抽出手段
13 照合手段
14 排除手段
15 対応付け手段
16 座標変化量算出手段
17 座標推定手段
18 画像合成手段
19 局所特徴量取得手段