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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】位置情報システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/10 20060101AFI20240305BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G08B25/10 D
G08B17/00 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019107896
(22)【出願日】2019-06-10
(65)【公開番号】P2020201699
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000111074
【氏名又は名称】ニッタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】工藤 彰久
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-106693(JP,A)
【文献】特開2017-182289(JP,A)
【文献】特開2016-099706(JP,A)
【文献】特開2016-099678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00
23/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定エリアに設置された発信器からの信号を受信して、当該発信器の識別情報を含む発信器情報および自己の識別情報を送信可能な携帯端末と、
前記携帯端末により送信された発信器情報に基づいて、当該携帯端末の現在位置を把握し、当該携帯端末の現在位置が示されたマップ画像を当該携帯端末に表示させるためのマップ情報を当該携帯端末に送信可能なサーバと、
所定エリアに設置された火災感知器からの火災検出信号を受信可能な受信機により送信された火災の発生場所情報を含む火災情報に基づいて、前記火災の発生位置を判定する火災監視装置と、
建物内に設置されている設備および機器のうち、通常時には前記マップ画像に示さないが火災時には前記マップ画像に示す設備および機器に関する情報を記憶する設備・機器情報記憶手段と、
携帯端末に対してプッシュ通知を実行可能なプッシュ通知システムと、を備えた位置情報システムであって、
前記設備には建物の構造関連設備が含まれ、
前記サーバは、火災発生情報を受信すると、
前記発信器情報および前記携帯端末の識別情報に基づいて火災の発生を報知すべき携帯端末を選別し、前記プッシュ通知システムに対して選別された携帯端末へのプッシュ通知の実行を要求可能であり、
前記火災監視装置から送信されてくる火災の発生位置情報を含む火災情報と、前記設備・機器情報記憶手段に記憶されている設備および機器に関する情報と、携帯端末の現在位置とに基づいて、当該携帯端末の現在位置と、火災の発生位置と、所定の設備および機器とが示されたマップ画像を当該携帯端末に表示させるためのマップ情報を作成し、送信可能であり、
前記火災の発生を報知すべき前記携帯端末の保有者には自衛消防隊員と一般の利用者が含まれており、
前記プッシュ通知システムは、前記サーバからの前記要求に応じて携帯端末に対して火災の発生を報知するプッシュ通知を実行することを特徴とする位置情報システム。
【請求項2】
前記サーバは、情報を送信してきた携帯端末の識別情報に基づいて、予め携帯端末の識別情報と携帯端末の保有者の属性に関する情報とを紐づけて記憶した記憶手段を参照して当該携帯端末を保有する携帯保有者の属性を判定し、その属性に応じて当該携帯端末の現在位置が示されたマップ画像を当該携帯端末に表示させるためのマップ情報を作成し、送信可能であることを特徴とする請求項1に記載の位置情報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル等の施設内における携帯端末の位置を報知可能な位置情報システムに関し、特に火災が検出された場合に火災発生情報を携帯端末の位置と共に視覚的に報知可能な位置情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災感知器を利用して、機器固有の識別情報を位置検出用の情報として無線により発信するビーコン等の位置情報システム用の発信器が知られている(例えば特許文献1参照)。
上記のような発信器を備えた位置情報システムでは、異なる位置に配設された複数の発信器の各識別情報と各設置箇所とを対応付けたマップ情報が予め用意され、携帯端末に与えられる。そして、携帯端末のユーザが当該携帯端末を保有して移動する際に、携帯端末が建物内の各箇所に配設された発信器からの識別情報を受信することで、受信した識別情報とマップ情報とから建物内での位置をマップと共に携帯端末の表示部に表示させることができ、携帯端末の保有者は自身の位置を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-072965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ビーコン等の発信器を使用した従来の位置情報システムでは、建物内での携帯端末の位置は把握できるものの、建物内で火災が発生した場合には地区ベル等が鳴動することで火災の発生は認知できるが、火災の発生位置は把握できなかった。火災の発生位置を把握できれば、適切な避難や消火作業が可能となり、確実に火災初動動作が行えるという利点がある。
【0005】
一方、建物内には通常、火災等の発生を検知して発報する火災感知システムや防災監視システムが設けられている。そこで、火災感知システムまたは防災監視システムが火災の発生を検知した場合には、位置情報システムへ火災発生情報および発生位置情報を送信して、位置情報システムが建物内に存在する携帯端末へ火災情報を送信して、火災の発生を表示部に表示させたり、マップ上に火災発生位置を表示させたりすることが考えられる。
【0006】
しかし、マップ情報はそれほど緊急性が高い情報ではないので、位置情報システムから携帯端末へのマップ情報の送信は、数分~数10秒おきに実行するのが一般的である。一方、火災情報は緊急性が高い情報である。そのため、定期的なマップ情報の送信の際に火災情報を送信するようにすると、携帯保有者への火災発生の報知が遅れてしまうおそれがある。また、位置情報システムに緊急情報の送信機能を持たせるには、位置情報システムを構成するサーバ等のプログラムを大幅に改変しなくてはならないという課題がある。
本発明は上記のような背景の下になされたものでその目的とするところは、サーバ等のプログラムを大幅に改変することなく、携帯端末の表示部に火災の発生を速やかに表示させることが可能な位置情報システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、携帯端末の保有者の属性(権限、資格等)に応じてそれぞれに適した火災情報を表示させることが可能な位置情報システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は、
所定エリアに設置された発信器からの信号を受信して、当該発信器の識別情報を含む発信器情報および自己の識別情報を送信可能な携帯端末と、
前記携帯端末により送信された発信器情報に基づいて、当該携帯端末の現在位置を把握し、当該携帯端末の現在位置が示されたマップ画像を当該携帯端末に表示させるためのマップ情報を当該携帯端末に送信可能なサーバと、
携帯端末に対してプッシュ通知を実行可能なプッシュ通知システムと、を備えた位置情報システムであって、
前記サーバは、火災発生情報を受信すると、前記発信器情報および前記携帯端末の識別情報に基づいて火災の発生を報知すべき携帯端末を選別し、プッシュ通知システムに対して選別された携帯端末へのプッシュ通知の実行を要求可能であり、前記火災の発生を報知すべき前記携帯端末の保有者には自衛消防隊員と一般の利用者が含まれており、
前記プッシュ通知システムは、前記サーバからの前記要求に応じて携帯端末に対して火災の発生を報知するプッシュ通知を実行するように構成したものである。
【0008】
上記のような構成を有する位置情報システムによれば、位置情報用のサーバから携帯端末へ所定の時間間隔で定期的にマップ情報が送信される場合にも、火災が発生するとプッシュ通知システムから直ちに携帯端末へ火災の発生を知らせるプッシュ通知が実行されるため、携帯端末保有者は火災の発生を速やかに知ることができる。しかも、携帯端末へ火災の発生を知らせるプッシュ通知を行うシステムとして、既存のプッシュ通知システムや地図情報配信システム(位置情報システム)を利用することができ、位置情報システムを構成するサーバ等のプログラムを大幅に改変したり新たなシステムを追加したりすることなく、携帯端末によって火災の発生を速やかに報知させることができる。
【0009】
また、携帯端末を選別して火災の発生を報知することができるため、例えば自衛消防隊員に対しては速やかに火災の発生を報知して直ちに火災発生の確認や消火活動などを実行させる一方、多数の携帯端末保有者(一般利用者)に対して一斉に火災発生を報知することで、パニックのような混乱が起きるのを回避することができる。
【0010】
また、望ましくは、前記サーバは、情報を送信してきた携帯端末の識別情報に基づいて、予め携帯端末の識別情報と携帯端末の保有者の属性に関する情報とを紐づけて記憶した記憶手段を参照して当該携帯端末を保有する携帯保有者の属性を判定し、その属性に応じて当該携帯端末の現在位置が示されたマップ画像を当該携帯端末に表示させるためのマップ情報を作成し、送信可能に構成する。
かかる構成によれば、使用者の属性(権限、資格等)によって異なる地図情報を表示させることができ、それによって様々な企業および商業施設が入居している建物や、ホテル、企業、住居等が共存している複合施設内のセキュリティを向上させつつ、携帯端末の保有者が内部を移動する際の利便性を高めることができる。
【0011】
また、望ましくは、前記サーバは、前記火災監視装置から送信されてくる火災の発生位置情報を含む火災情報に基づいて、前記携帯端末の現在位置と火災の発生位置とが示されたマップ画像を当該携帯端末に表示させるためのマップ情報を作成し、送信可能に構成する。
かかる構成によれば、火災が発生した場合に、携帯端末の位置だけでなく当該火災の発生位置も報知することができ、速やかな避難行動や消火活動などを行う際の利便性を高めることができる。
【0012】
さらに、望ましくは、建物内に設置されている設備および機器のうち、通常時には前記マップ画像に示さないが火災時には前記マップ画像に示す設備および機器に関する情報を記憶する設備・機器情報記憶手段を備え、前記設備には建物の構造関連設備が含まれ、
前記サーバは、前記火災監視装置から送信されてくる火災の発生場所情報を含む火災情報と、前記設備・機器情報記憶手段に記憶されている設備および機器に関する情報と、携帯端末の現在位置とに基づいて、当該携帯端末の現在位置と、火災の発生位置と、所定の設備および機器とが示されたマップ画像を当該携帯端末に表示させるためのマップ情報を作成し、送信可能に構成する。
かかる構成によれば、火災が発生した場合に、携帯端末の現在位置や火災の発生位置だけでなく、所定の機器(例えば、消火作業の際に使用する消火作業関連機器)や建物の構造関連設備(避難の際に使用する非常口など)の位置もマップ上に表示されるため、携帯端末の保有者である自衛消防隊員や一般利用者はそれぞれ火災時に適切な対応を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る位置情報システムによれば、サーバ等のプログラムを大幅に改変することなく、携帯端末の表示部に火災の発生を表示することができる。また、携帯端末の保有者の属性(権限、資格等)に応じてそれぞれに適した火災情報を表示することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態の位置情報システムの一例を示すブロック図である。
図2】実施形態の位置情報システムを構成する位置情報サーバと携帯端末との間および各サーバ間における通信シーケンスの一例を示す図である。
図3】位置情報サーバによって参照される表示範囲指定テーブルの一例を示す図である。
図4】平時と有事に携帯保有者の携帯端末に表示されるマップ画像(フロア図画像)の一例を示す図である。
図5】防災管理サーバ(火災監視装置)によって参照される表示/非表示テーブルの一例を示す図である。
図6】商業施設において平時と有事(火災発生時)に携帯保有者の携帯端末に表示されるマップ画像(フロア図画像)の一例を示す図である。
図7】有事(火災発生時)に管理者、自衛消防隊員の携帯端末に表示されるマップ画像(フロア図画像)の一例を示す図である。
図8】実施形態の位置情報システムを構成する携帯端末及び防災管理サーバにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】実施形態の位置情報システムを構成する位置情報サーバにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明を適用した位置情報システムの実施形態について説明する。図1は、本実施形態の位置情報システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態の位置情報システムは、図1に示すように、建物内部の所定エリア内の複数の箇所に配設されているビーコン(発信器)10からの信号(電波)を受信可能な携帯端末20と、携帯電話基地局30及びインターネット等の通信ネットワークNを介して携帯端末20との間でデータ通信を行う位置情報サーバ40と、建物内部の所定エリア内の複数の箇所に配設されている火災感知器50からの火災検出信号を受信可能な火災受信機60と、ゲートウェイ(中継器)70及び通信ネットワークNを介して火災受信機60との間でデータ通信を行う防災管理サーバ80と、通信ネットワークNを介して携帯端末20へメッセージを直接送信可能なプッシュ通知システム90などから構成されている。
なお、通信ネットワークNは、セキュアな回線によるネットワークでも良いし、一部が独立した回線によるネットワークを使用しても良い。
【0016】
プッシュ通知システム90は、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)機能、プッシュ通知を送信する機能、送信するメッセージや送信時間を管理する管理機能などを備えたサーバ(プッシュ通知実行サーバ)91と、プログラム等を記憶した記憶装置92などにより構成することができる。また、プッシュ通知システム90には、既存のシステムを利用することができる。その場合、プッシュ通知システム90は、後に説明する火災発生の通知の他、他のシステムからの要求に応じて、例えば地震速報などの情報を、携帯端末がアプリを起動していない状態であっても通知することができる。
なお、上記位置情報サーバ40とプッシュ通知実行サーバ91は1つの支援サーバとして構成しても良い。防災管理サーバ80も同様に、位置情報サーバ40やプッシュ通知実行サーバ91と共通の支援サーバとして構成しても良い。
【0017】
携帯端末20へ無線信号(機器IDや設備情報などの固有情報)を発信するビーコン10の通信方式としては、例えばBluetooth(登録商標)通信やIEEE 802.11規格に従ったWiFi等の無線LAN、赤外線通信、可視光通信など公知の通信方式を利用することができる。ビーコン10を配置する間隔は特に限定されないが、以下の説明では、隣接するそれぞれのビーコン10の通信範囲が建物内の空間を網羅できるように配置されているものとする。
【0018】
具体的には、もともと建物内には所定の間隔をおいて火災感知器50やスプリンクラーヘッドが設置されているので、それらの機器に内蔵もしくは付加する形態で取り付けたビーコン10、あるいは、それらの機器の近傍に設置する形態で取り付けたビーコン10を利用することができる。
ビーコン10は、電源に関する情報(内蔵電池情報又は外部電源情報)と自己の識別情報とを無線信号に乗せて定期的に周囲に発信する発信部を備える。ビーコン10が無線で発信する信号(ビーコン信号)には、少なくとも当該ビーコン10の識別情報(発信器の機器ID)が含まれていれば良く、さらに、設置されているエリアに関する情報が含まれても良い。したがって、電源に関する情報は含まれていなくても良い。
【0019】
携帯端末20は、ビーコン10からの信号を受信する受信機能と、無線通信機能とを備えるスマートフォン等の機器である。携帯端末20の内部メモリには、定期的にビーコン10から無線で発信されるビーコン信号を受信して当該ビーコン信号に含まれる識別情報(機器ID)等を抽出するとともに、当該ビーコン信号の受信電波強度を検出し、識別情報等と受信電波強度とを含むビーコン情報および自携帯端末固有の識別情報(端末ID)を位置情報サーバ40へ送信する処理と、位置情報サーバ40から送信されたフロア図情報に基づくフロア図画像を画面に表示する処理とを実行するアプリケーション・プログラム(位置情報表示アプリ)が格納されている。携帯端末20は、複数のビーコン10(通信範囲が互いに重なるビーコン10)から発信されるビーコン信号を受信した場合には、それぞれのビーコン情報を位置情報サーバ40へ送信する。
【0020】
火災感知器50は、例えば、熱、煙、炎、有害ガスなどの異常現象の発生を検出すると、火災検出信号を、感知器回線51を介して火災受信機60に送信する。火災感知器50は、火災検出信号に自己の設置アドレスを付加するタイプの感知器であっても良いし、火災検出信号に自身の設置アドレスを付加しないタイプの感知器であっても良い。
【0021】
火災受信機60は、火災感知器50からの火災検出信号を受信した場合に、表示部に火災報知表示を行うとともに、地区ベル鳴動や防排煙連動などの制御を行う。さらに、火災受信機60は、火災の発生場所情報や発生時刻情報などを含む火災情報を、ゲートウェイ70及び通信ネットワークNを介して防災管理サーバ80へ送信する。
なお、火災受信機60は、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されている場合には、当該設置アドレスに基づいて火災の発生場所を特定する。一方、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されていない場合には、当該火災検出信号を伝送した感知器回線51(警戒区域)に基づいて火災の発生場所を特定する。
【0022】
位置情報サーバ40は、当該位置情報サーバ40が管理する建物の各フロアの地図情報(フロア図)と、携帯端末固有の識別情報(端末ID)と、携帯保有者(携帯端末保有者)の権限や資格等の属性に関する情報(携帯保有者属性情報)または携帯保有者種別情報と紐づけした表示範囲指定テーブルとを記憶するデータベース41を備えている。なお、各フロアの地図情報(フロア図情報)には、各フロアに設置されているビーコン10の機器ID及び設置位置情報などが含まれる。
【0023】
位置情報サーバ40は、携帯端末20からビーコン10の機器IDおよび端末IDを受信すると、受信したビーコンの機器IDとデータベース41に記憶されている情報に基づいて当該携帯端末20の現在位置を算出する。そして、データベース41から当該携帯端末20が位置しているフロアのマップ情報を読み出し、読み出したフロア図に当該携帯端末20の現在位置を示すマーク(アイコン)を付記してフロア表示情報を生成し、生成したフロア表示情報を、端末IDを送信してきた携帯端末20に対して送信する処理を実行する。これにより、当該携帯端末20には、当該携帯端末20の現在位置を示すフロア図画像が表示される。
【0024】
次に、図2を用いて、上記実施形態の位置情報システムにおける位置情報サーバ40と携帯端末20との間および各サーバ40、80とプッシュ通知システム90との間の通信シーケンスの概略について説明する。
火災のない通常の状況においては、所定エリア内で携帯端末20が汎用地図アプリを起動すると、携帯端末20は、近傍のビーコン10から機器IDを受信し、受信した機器IDおよび自身の端末IDを位置情報サーバ40へ送信する(#1)。
【0025】
すると、位置情報サーバ40は、受信したビーコン機器IDからIDを送信してきた携帯端末20の位置を把握して、データベース41からマップ情報を読み出し、マップ上の端末の位置にアイコン等を付記した地図データを作成して当該携帯端末20へ送信する(#2)。携帯端末20は、定期的(例えば1分おき)にビーコン機器IDを位置情報サーバ40へ送信し、位置情報サーバ40はそれに応じて上記地図データの送信を定期的に実行する。所定エリア内に汎用地図アプリを起動した複数の携帯端末20が存在する場合には、位置情報サーバ40は上記地図データの送信を、エリア内のすべての携帯端末20に対して実行する。なお、位置情報サーバ40は、携帯端末20からのIDを受信しなくても、所定エリア内の携帯端末へマップ情報を定期的(例えば1分おき)に送信するように構成しても良い。
【0026】
火災が発生して、火災受信機60がそれを検知すると防災管理サーバ80へ火災発生および発生位置を含む火災情報を送信する(#3)。すると、防災管理サーバ80は、位置情報サーバ40へ火災発生および発生位置の情報を送信する(#4)。
すると、位置情報サーバ40は、既に把握しているエリア内の携帯端末20の端末IDに基づいて、データベース41内のテーブルを参照して携帯保有者の属性または種別を判断し、火災の発生を通知すべき携帯端末を選別して、プッシュ通知システム90に対して選別した携帯端末への火災発生のプッシュ通知要求を行う(#5)。
【0027】
要求を受けたプッシュ通知システム90は、直ちに(例えば1秒以内に)選別携帯端末へ火災の発生を知らせるプッシュ通知を行う(#6)。すると、プッシュ通知を受けた携帯端末20は、スピーカを鳴動させるとともに火災の発生を知らせるメッセージを表示部に表示する(#7)。これにより、携帯保有者は、火災の発生を速やかに知ることができる。
その後、位置情報サーバ40は、定期送信タイミングになると、携帯端末20の現在位置を示すアイコンおよび火災発生位置に火災を示すアイコン等を付記した地図データを作成して当該携帯端末20へ送信する(#8)。これにより、携帯保有者は、自己の位置および火災の発生位置を知ることができる。
【0028】
なお、位置情報サーバ40が火災発生位置に火災を示すアイコン等を付記した地図データを作成する際においては、携帯端末20から送られてくる発信器の機器IDおよび端末IDに基づいて、データベース41内の表示範囲指定テーブルを参照して携帯保有者の属性または種別に応じて表示する設備の情報を読み出し、当該携帯端末の表示データを生成して送信するようにしてもよい。
ここで、表示範囲指定テーブルは、建物の各フロアに設けられている設備等のアイテムをフロア図上に表示するか否かに関する情報であり、その一例が図3に示されている。
【0029】
図3に示すように、表示範囲指定テーブルにおいては、例えばホテルや居住区、オフィス、病院、商業施設(店舗)などの施設ごとに、利用者(訪問者)やスタッフ、管理者(責任者)のような属性の異なる携帯保有者の保有する携帯端末に表示するフロア図上に表示する設備(通路やエレベータのような共用部など)の範囲が、平時と有事に分けて登録されている。
因みに、図3に示す表示範囲指定テーブルは、例えば下記の表1に示すような考えのもとに作成されている。
【0030】
【表1】
また、図4には、図3の表示範囲指定テーブルに従って利用者(訪問者)の携帯端末に表示される平時と有事の際のフロア図の一例が示されている。図4のうち、(a)は平時に表示されるフロア図、(b)は火災発生等の有事の際に表示されるフロア図の例である。
したがって、本実施形態の位置情報システムによれば、携帯保有者の属性(権限、資格等)によって異なる地図情報を表示させることができる。
【0031】
さらに、本実施形態の位置情報サーバ40は、防災管理サーバ80からの火災情報(火災の発生場所情報を含む情報)と火災時表示必要アイテム情報と火災時表示不要アイテム情報とを受信した場合に、これらの情報を反映させたフロア図表示情報を生成し、通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して携帯端末20へ送信する処理を実行可能に構成されている。これにより、当該携帯端末20には、端末の現在位置を示すマーク(アイコン)と共に、火災情報と火災時表示必要アイテム情報と火災時表示不要アイテム情報とが反映されたフロア図が表示される。
したがって、本実施形態の位置情報システムによれば、平時と有事の際とで異なるアイテムを表記した地図情報を携帯端末の表示部に表示させることができる。
【0032】
防災管理サーバ80は、図1に示すように、当該防災管理サーバ80が管理する各建物の設備・機器情報等を格納するデータベース81を備えている。ここで、建物の設備・機器情報とは、当該建物の各フロアに設置されている設備・機器等のアイテムをフロア図上に表示するか否かに関する表示/非表示テーブルや、当該建物の各フロアに設置されている設備・機器等のアイテムの設置位置情報などを含む情報である。なお、表示/非表示テーブルや設備・機器等の設置位置情報は、位置情報サーバ40に接続されたデータベース41に格納されていても良い。
【0033】
表示/非表示テーブルには、例えば図5に示すように、建物設備(間仕切り、部屋名、出入り口、扉、各種フロア間移動用設備(例えば、階段、エレベータ、エスカレータ)、各種防災関連設備(例えば、非常口)、火災報知機器(地区ベル等の発信機など)、消火設備(消火栓など)、消火機器(消火器など)、非常電話、防排煙機器(防火戸、防火シャッター、排煙口など)等のアイテムを、火災時ではない通常時に表示するか否かの情報(フラグ)と、同フロアで火災が発生している時に表示するか否かの情報と、別フロアで火災が発生している時に表示するか否かの情報等が登録される。なお、図5に示されている発信機は、火災の発生を火災受信機へ知らせる信号を生成する押釦スイッチを内蔵した火災発信機である。
【0034】
防災管理サーバ80は、火災感知器50からの火災情報を受信すると、当該火災情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に送信する処理を実行可能である。
さらに、防災管理サーバ80は、当該火災情報に基づいて火災が発生している建物を特定し、特定した建物の設備・機器情報をデータベース81から取得する。そして、取得した設備・機器情報に基づいて、通常時に表示するが火災時に表示しないアイテムを指定する火災時表示不要アイテム情報と、通常時に表示しないが火災時に表示するアイテムを指定する火災時表示必要アイテム情報を生成し、生成したこれらの情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に送信する処理を実行可能である。
【0035】
図6(a)には、建物が商業施設である場合に、平時において利用者(来訪者)の携帯端末に表示されるフロア図の例が、図6(b)には、有事(火災発生)の際に利用者(来訪者)の携帯端末に表示されるフロア図の例が示されている。図6(a)と(b)とを比較すると分かるように、有事の際には、自分が居る位置の他、平時には不要な情報である非常階段の位置および火災の発生位置が表示されるため、速やかに適切な避難行動をとることができる。
【0036】
また、図7には、建物が商業施設である場合に、有事(火災発生)の際に管理者または自衛消防隊員の携帯端末に表示されるフロア図の例が示されている。図7から分かるように、有事の際には、管理者または自衛消防隊員の携帯端末に、自分が居る位置の他、消火栓や非常電話の接地位置および火災の発生位置が表示されるため、速やかに消火活動および消防署等関係部署への火災通報を実行することができる。
【0037】
さらに、フロア図が表示されている携帯端末20の画面のうち、操作可能設備・機器を示す記号等(例えば強調表示が施された記号等)が表示されている部分に触れると、当該操作可能設備・機器に関する情報(例えば、操作可能設備・機器の機器情報や操作方法など)が表示されるようにしても良い。これにより、操作可能設備・機器の使い方を熟知していない携帯保有者であっても、適切な消火作業を行うことができるようになるため、延焼を防止することが可能となる。
【0038】
次に、本実施形態の位置情報システムを構成する携帯端末20、防災管理サーバ80及び位置情報サーバ40による処理手順を、図8及び図9に示すフローチャートを用いて説明する。
携帯端末20は、位置情報表示アプリが起動されると、例えば図8(a)に示すように、まず、ビーコン10から発信されるビーコン信号を受信したかを判定する(ステップS11)。そして、ビーコン信号を受信した場合(ステップS11;Yes)には、当該ビーコン信号に含まれるビーコン10の識別情報(機器ID)等と当該ビーコン信号の受信電波強度とを含むビーコン情報を、携帯電話基地局30及び通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40へ送信する(ステップS12)。
【0039】
次に、位置情報サーバ40から送信されるフロア図情報を受信したかを判定する(ステップS13)。そして、フロア図情報を受信した場合(ステップS13;Yes)には、当該フロア図情報に基づくフロア図画像を画面に表示する(ステップS14)。これにより、位置情報表示アプリの起動後最初のステップS14では、最新のフロア図画像が携帯端末20の画面に表示されることとなり、位置情報表示アプリの起動後、2回目以降のステップS14では、画面に表示中のフロア図画像が最新のフロア図画像に更新される。
【0040】
防災管理サーバ80は、例えば図8(b)に示すように、まず、火災受信機60から送信される火災情報(火災の発生場所情報や発生時刻情報などを含む情報)を受信したかを判定する(ステップS21)。そして、火災情報を受信した場合(ステップS21;Yes)には、当該火災情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に送信する(ステップS22)。
【0041】
次に、当該火災情報に基づいて火災が発生している建物を特定し、特定した建物の設備・機器情報をデータベース81から取得し、取得した設備・機器情報に基づいて火災時表示必要アイテム情報を生成し、生成した火災時表示必要アイテム情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に送信する(ステップS23)。次いで、取得した設備・機器情報に基づいて火災時表示不要アイテム情報を生成し、生成した火災時表示不要アイテム情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に送信する(ステップS24)。
なお、火災が発生している建物に、同フロア火災時表示必要アイテム及び別フロア火災時表示必要アイテムがない場合には、ステップS23の処理は省略される。また、火災が発生している建物に、同フロア火災時表示不要アイテム及び別フロア火災時表示不要アイテムがない場合には、ステップS24の処理は省略される。
【0042】
図9には、位置情報サーバ40による処理の手順の一例が示されている。
位置情報サーバ40は、図9に示すように、まず、防災管理サーバ80から火災の発生を知らせる火災情報を受信したか判定する(ステップS27)。そして、火災情報を受信した(Yes)と判定した場合には、火災発生フラグを立て(ステップS28)、データベース41内のテーブルを参照して火災の発生を通知すべき携帯端末を選別する(ステップS29)。続いて、プッシュ通知システム90へ、ステップS29で選別した携帯端末に対して火災発生のプッシュ通知の実行を要求する(ステップS30)。ステップS27で、火災情報を受信していない(No)と判定した場合には、ステップS31へ移行する。
【0043】
ステップS31では、位置情報サーバ40は、携帯端末20から送信されるビーコン情報を受信したか判定する。そして、ビーコン情報を受信した(Yes)と判定した場合には、受信したビーコン情報および端末IDとデータベース41に記憶されている情報とに基づいて当該携帯端末20の現在位置を算出し(ステップS32)、端末IDを用いてデータベース41を参照して当該携帯端末の携帯保有者の属性を判定する(ステップS33)。続いて、図2のテーブルを参照して属性に応じた表示範囲を決定し(ステップS34)、データベース41から当該携帯端末20が位置しているフロアのフロア図を抽出し、抽出したフロア図に当該携帯端末20の現在位置を示すマークをプロットするとともに、表示範囲の設備を表示したフロア図情報を生成する(ステップS35)。
【0044】
次に、位置情報サーバ40は、火災発生フラグが立っているか判定する(ステップS36)。そして、火災発生フラグが立っていない(ステップS36;No)と判定した場合には、ステップS44へ移行して、ステップS33で生成したフロア図情報を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して当該携帯端末20に送信する。これにより、例えば図6(a)に示すようなフロア図画像が当該携帯端末20の画面に表示されることとなる。
【0045】
一方、発生フラグが立っている(ステップS36;Yes)と判定した場合には、ステップS37へ進み、当該携帯端末20が位置している建物に関する火災関係情報(火災情報、火災時表示必要アイテム情報、火災時表示不要アイテム情報)を受信したか判定する。そして、当該携帯端末20が位置している建物に関する火災関係情報を受信した場合(ステップS37;Yes)には、当該火災関係情報に基づいて火災の発生位置を特定し、当該携帯端末20が位置しているフロアで火災が発生しているかを判定する(ステップS38)。
【0046】
当該携帯端末20が位置しているフロアで火災が発生している場合(ステップS38;Yes)には、当該携帯端末20の現在位置がプロットされたフロア図に、火災の発生位置をプロットして(ステップS39)、同フロア火災時表示必要アイテムの設置位置をプロットする(ステップS40)。次いで、当該携帯端末20の現在位置と火災の発生位置と同フロア火災時表示必要アイテムの設置位置とがプロットされたフロア図から、同フロア火災時表示不要アイテムを消去する(ステップS41)。すなわち、ステップS39~S41では、ステップS35で生成したフロア図情報を用いて、火災の発生位置を示す記号等と同フロア火災時表示必要アイテムを示す記号等とが付加され、かつ、同フロア火災時表示不要アイテムを示す記号等が消去されたフロア図画像を表示させるためのフロア図情報が生成される。
【0047】
そして、ステップS39~S41で生成したフロア図情報を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して当該携帯端末20に送信する(ステップS44)。これにより、例えば図6(b)に示すようなフロア図画像(10階フロア)が当該携帯端末20の画面に表示されることとなる。
なお、火災関係情報として、火災時表示必要アイテム情報を受信しなかった場合には、ステップS40の処理は省略される。また、火災関係情報として、火災時表示不要アイテム情報を受信しなかった場合には、ステップS41の処理は省略される。
【0048】
一方、当該携帯端末20が位置しているフロアで火災が発生していない場合(ステップS38;No)には、当該携帯端末20の現在位置がプロットされたフロア図に、別フロア火災時表示必要アイテムの設置位置をプロットする(ステップS42)。続いて、当該携帯端末20の現在位置と別フロア火災時表示必要アイテムの設置位置とがプロットされたフロア図から、別フロア火災時表示不要アイテムを消去する(ステップS43)。すなわち、ステップS42~S43では、ステップS35で生成したフロア図情報を用いて、別フロア火災時表示必要アイテムを示す記号等が付加され、かつ、別フロア火災時表示不要アイテムを示す記号等が消去されたフロア図画像を表示させるためのフロア図情報が生成される。なお、別フロア火災時表示不要ファイルを示す記号等をフロア図画像から消去せずに、画面上でグレーアウト処理をしても良い。
【0049】
そして、ステップS42~S43で生成したフロア図情報を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して当該携帯端末20に送信する(ステップS44)。これにより、別フロア(例えば9階フロア)のフロア図画像が当該携帯端末20の画面に表示されることとなる。
なお、火災関係情報として、火災時表示必要アイテム情報を受信しなかった場合には、ステップS40の処理は省略される。また、火災関係情報として、火災時表示不要アイテム情報を受信しなかった場合には、ステップS41の処理は省略される。
【0050】
上述したように、本実施形態の位置情報システムによれば、位置情報サーバ40から携帯端末20へ所定の時間間隔で定期的にマップ情報が送信される場合にも、火災が発生するとプッシュ通知システム90から直ちに携帯端末へ火災の発生を知らせるプッシュ通知が実行されるため、携帯端末保有者は火災の発生を速やかに知ることができる。しかも、携帯端末へ火災の発生を知らせるプッシュ通知を行うシステムとして、既存のプッシュ通知システムを利用することができ、マップ情報に火災発生の情報を付加するのみで位置情報システムを構成するサーバ等のプログラムを大幅に改変したり新たなシステムを追加したりすることなく、携帯端末の表示部に火災の発生を速やかに表示させることができる。
【0051】
また、本実施形態の位置情報システムによれば、携帯保有者の属性および設備・機器情報に応じて、平時は移動が許可された範囲での携帯端末の位置を、また火災が発生した場合には当該火災の発生位置や携帯端末の位置と、消火作業関連機器の位置、非常口の位置等も報知することができるので、セキュリティを保証しつつ、有事の際の初動動作を速やかに行えるようにすることができる。
【0052】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、ビーコンからの信号を携帯端末によって受信し受信した情報を無線通信で位置情報サーバへ送信すると説明したが、監視対象エリアがオフィスのような空間である場合には、オフィス内の机に設置されているパソコンにビーコンからの信号を受信可能な機器を接続して、当該機器が受信した情報をパソコンがLAN(ローカルエリアネットワーク)を介して位置情報サーバへ送信するようにしても良い。
【0053】
また、上記実施形態では、ビーコンは情報を送信する機能のみ有していると説明したが、携帯端末や他の発信器(無線タグ、端末等)からの無線信号を受信する機能さらには受信した情報をサーバへ送信する機能を有するものであっても良い。
また、上記実施形態では、位置情報システムとして、ビーコンによる測位を利用したシステムを例示したが、これに限定されず、位置情報システムは、例えばIMES(Indoor MEssaging System)等のその他の方式による測位を利用したシステムであっても良い。すなわち、発信器は、ビーコンに限定されずIMES送信機等であっても良い。
【0054】
また、上記実施形態では、位置情報システムの位置特定処理は、サーバで行うこととしたが、処理の一部または全てを携帯端末側で行うようにしても良い。
さらに、位置情報システムの位置特定処理は、ビーコンの一点測位でも良いし、多点測位(複数のビーコンの信号により位置を特定する処理)であっても良い。
また、上記実施形態では、有事の例として火災監視装置により火災を検知した場合に関して述べたが、地震や水害などによる他の有事が発生した場合に適用しても良い。
【符号の説明】
【0055】
10 ビーコン(発信器)
20 携帯端末
40 位置情報サーバ(サーバ)
41 データベース(携帯保有者・施設情報記憶手段)
50 火災感知器
60 火災受信機(受信機)
80 防災管理サーバ(火災監視装置)
81 データベース(設備・機器情報記憶手段)
90 プッシュ通知システム
91 プッシュ通知実行サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9