(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】無人航空機を使用した就航中の整備プロセス
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20240305BHJP
G01N 29/06 20060101ALI20240305BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20240305BHJP
B64D 47/08 20060101ALI20240305BHJP
B64C 13/20 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G01N21/84 B
G01N29/06
B64C39/02
B64D47/08
B64C13/20 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020046257
(22)【出願日】2020-03-17
【審査請求日】2023-02-20
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・イー・ジョージソン
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-115787(JP,A)
【文献】特開2017-054486(JP,A)
【文献】特開2013-015445(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0244387(US,A1)
【文献】特開2008-82949(JP,A)
【文献】特開2015-194465(JP,A)
【文献】特開2005-227196(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0095155(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
G01N 29/00 - G01N 29/52
B64C 39/02
B64D 47/08
B64C 13/20
G08G 1/00 - G08G 1/16
H04N 5/222 - H04N 5/28
E01C 1/00 - E01C 23/24
E01D 1/00 - E01D 24/00
E04G 23/00 - E04G 23/08
E21D 1/00 - E21D 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機を使用して構造物(18)を検査および修理するための方法(200)であって、
(a)カメラ(30)を備えた1台または複数の無人航空機(20、20a)を構造物(18)の表面上の領域の近傍内の位置まで飛行させるステップ(206)と、
(b)前記カメラ(30)を使用して前記構造物(18)の1つまたは複数の画像を表す画像データを取得するステップ(208)と、
ステップ(c)に進む前に、ステップ(b)で取得された前記画像データが第1の「現状のまま使用」閾値を上回る前記領域内の損傷を指示していると判断するステップ(210)と、
(c)NDEセンサーユニット(62)を備えた前記1台または複数の無人航空機(20、20b)を前記NDEセンサーユニットが前記構造物(18)の測定範囲内に入るまで飛行させるステップ(212)と、
(d)前記NDEセンサーユニット(62)が前記構造物(18)の測定範囲内にある間に前記NDEセンサーユニット(62)を使用して前記構造物(18)の構造特性を表すセンサーデータを取得するステップ(214)と、
(e)修理工具(31、33)を備えた前記1台または複数の無人航空機(20、20c)を、前記修理工具(31、33)を前記構造物(18)の前記表面と接触して配置するロケーションまで移動させるステップ(220)と、
(f)前記1台または複数の無人航空機(20、20c)が前記ロケーションにある間に前記修理工具(31、33)を使用して前記構造物(18)を修理するステップ(222)と
を含む、方法(200)。
【請求項2】
ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得された前記センサーデータが第2の「現状のまま使用」閾値を上回る前記領域内の損傷を指示していると判断するステップ(216)をさらに含む、請求項
1に記載の方法(200)。
【請求項3】
ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得された前記センサーデータが「遠隔修理」閾値を下回る前記領域内の損傷を指示していると判断するステップ(218)をさらに含む、請求項1から
2のいずれか一項に記載の方法(200)。
【請求項4】
修理するステップが、前記領域内の前記構造物(18)から材料を除去するかまたは前記領域内の前記構造物(18)に材料を付加する電動式修理工具(31、33)の遠隔制御動作を含む、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法(200)。
【請求項5】
前記1台または複数の無人航空機を前記NDEセンサーユニット(62)が前記修理された構造物(18)の測定範囲内に入るまで飛行させるステップと、
前記NDEセンサーユニット(62)が前記修理された構造物(18)の測定範囲内にある間に前記NDEセンサーユニット(62)を使用して前記修理された構造物(18)の構造特性を表すセンサーデータを取得するステップと
をさらに含む、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法(200)。
【請求項6】
ステップ(c)に進む前に、ステップ(b)で取得された前記画像データが第1の「現状のまま使用」閾値を上回る前記領域内の損傷を指示していると判断するステップと、
ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得された前記センサーデータが第2の「現状のまま使用」閾値を上回る前記領域内の損傷を指示していると判断するステップと、
ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得された前記センサーデータが「遠隔修理」閾値を下回る前記領域内の損傷を指示していると判断するステップと
をさらに含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載の方法(200)。
【請求項7】
フレーム(19)と、
前記フレーム(19)に取り付けられた複数の回転翼モーター(36a~36d)と、
前記複数の回転翼モーター(36a~36d)のそれぞれの回転翼モーター(36a~36d)に動作可能に結合された複数の回転翼(28a~28d)と、
前記フレーム(19)によって支持され、前記フレーム(19)に対して回転可能なカメラ(30)と、
前記フレーム(19)によって支持されたNDEセンサーユニット(62)と、
前記フレーム(19)によって支持された修理工具と、
コンピューターシステム(32)であって、
前記カメラ(30)によって取得された画像データが第1の「現状のまま使用」閾値よりも大きい値を有するか否かを判断し、
前記画像データが前記第1の「現状のまま使用」閾値よりも大きい値を有するとの判断に 応答して前記NDEセンサーユニット(62)を作動させ、
前記NDEセンサーユニット(62)によって取得されたNDEセンサーデータが第
2の「現状のまま使用」閾値よりも大きく「遠隔修理」閾値よりも小さい値を有するか否かを判断し、かつ
前記NDEセンサーデータが前記第
2の「現状のまま使用」閾値より大きく前記「遠隔修理」閾値より小さい値を有するとの判断に応答して前記修理工具(31、33)を作動させるよう構成されたコンピューターシステム(32)と
を含む、無人航空機(20、20a、20b、20c)。
【請求項8】
前記フレーム(19)に取り付けられたカメラ(30)・ターレット・モーターと、
前記フレーム(19)に回転可能に結合され、前記カメラ・ターレット・モーター(56)に動作可能に結合された、前記カメラ(30)を支持するカメラターレット(50)と
をさらに含み、
前記カメラターレット(50)が、第1の角度位置と第2の角度位置との間で回転可能であり、
前記NDEセンサーユニット(62)が、前記カメラターレット(50)が前記第1の角度位置にあるときには前記カメラ(30)の視野内にあり、前記カメラターレット(50)が前記第2の角度位置にあるときには前記カメラ(30)の前記視野内になく、
前記修理工具(31、33)が、前記カメラターレット(50)が前記第2の角度位置にあるときには前記カメラ(30)の前記視野内にあり、前記カメラターレット(50)が前記第1の角度位置にあるときには前記カメラ(30)の前記視野内にない、請求項
7に記載の無人航空機(20、20a、20b、20c)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、構造物の非破壊検査および修理に関する。特に、本開示は、アクセスが制限された構造物の非破壊検査および修理のための無人航空機(UAV)の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
大型構造物および様々なタイプの大型物体の人間による直の検査は、個人が行うには時間がかかり、高くつき、困難な場合がある。重大な検査課題を有する大型構造物の例には、風力タービンのブレード、航空機の胴体および翼、貯蔵タンク、橋、ダム、堤防、発電所、送電線または電力グリッド、水処理施設、石油精製所、化学処理プラント、高層ビル、および電車やモノレールの支持構造と関連付けられた基礎構造などが含まれる。そのような構造物は、構造の健全性を判断し、さらなる検査、保守または修理を必要とし得る問題がないか突き止めるために定期的に検査される。
【0003】
より具体的には、航空宇宙産業などの分野で用いられる材料および構造物は、就航中の損傷の修理を周期的に必要とし得る。航空機の迅速な検査および修理は、ダウンタイムを短縮するために軍事用および商用で重要である。例えば、複合構造の使用は商用航空機においてますます一般的になっている。複合材料は、就航の過程で損傷する可能性がある。そのような就航中の損傷の例には、ひょう、滑走路の破片(異物損傷)、または地上支援ビークルとの衝突に起因する衝突損傷が含まれる。
【0004】
例えば、物体は一般に移動中のビークルに衝突する。航空機に対する物体の衝撃の問題は特に重大である。飛行中に航空機に衝突する物体には、ひょう、凍雨および鳥が含まれる。加えて、誘導路または滑走路上の部品、岩石および砂利も地上にある間に航空機にぶつかる可能性がある。航空機に対する物体の衝突が航空機乗組員によって疑われる場合、着陸時の航空機の目視検査を必要とする報告義務要件が生じ得る。
【0005】
構造物の検査により、その構造物が、例えば検査中に特定された構造異常に対処するために修理を受けるべきであると判断される例では、修理は、構造物が迅速に稼動状態に復帰し得るように適時に行われることが望ましい。例えば、損傷が出発の直前に空港のローディングゲートで発見される場合がある。修理用具が利用できない場合、または修理が広範囲に及ぶ可能性がある場合には、フライトが欠航する可能性もある。航空機は、地上待機し、運行停止となって整備基地へと輸送またはけん引され、結果として航空機運行者に著しい経済的影響を及ぼすことになり得る。
【0006】
損傷の程度に応じて一時的または永続的な修理が提供され得る。これらは、非構造的(湿気が入らないように表面をシールすることなど)または構造的(その領域にあるレベルの強度を復元すること)であり得る。損傷が表面的である場合、航空機は単に修理なしで出発のために解放され得る。損傷の程度は、たとえ乗客が搭乗ゲートで出発を予期して待っているときでも、判断される必要があり得る。損傷の程度を知らなければ、修理が必要な場合、どのレベルの修理が必要であるかを判断することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
計画構造整備点検時に、または損傷を生じさせた可能性のある事象(落雷、物理的衝撃、バードストライクなど)の後に、大型複合構造物(例えば、航空機や風力タービンのブレード)を稼動状態に迅速に復帰させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下で若干詳しく説明される主題は、無人航空機(UAV)を使用して検査および修理作業を行うための方法を対象とする。これらの方法は、1台または複数のUAVに、整備要員が容易にアクセスできない大型の構造物または物体(航空機や風力タービンのブレードなど)の構造評価および修理を伴うプロセスを迅速に行うためのそれぞれの工具を装備することによって可能となる。いくつかの実施形態によれば、このプロセスは、航空機や風力タービンなとの大型構造物が、衝突事故や潜在的損傷の発見後速やかに稼動状態に復帰することを可能にするようなやり方で目視検出、非破壊評価(NDE)、および修理を行うようにそれぞれ構成された複数のUAVを含む。(本明細書で使用される場合、「NDE」および「目視検査」は、表面から反射された可視スペクトルの光を使用した表面の視覚化を含まない。)代替の実施形態では、1台のUAVが、前述の機能とさらなる閾値処理機能とを果たすように構成され得る。
【0009】
本明細書で開示される修理計画は、稼動状態への再投入が優先事項である場合にUAV技術を完全迅速な構造整備活動に利用する統合されたアプローチを採用する。目視検査は、結果の信頼性を保証するために制御されたプロセスを使用して、カメラ付きUAVで遠隔で行われる。視覚データは、近くの構造物に対する定位および処置評価のための構造モデルにひも付けられる。カメラによって取得された画像データは、(損傷基準に対する画像解析ベースの寸法または面積測定値の比較を使用して)指定された損傷閾値に対して(UAV上で)自動的に評価され、結果が非標準またはそれ以外の関心対象外である場合、ダウンロードされた結果を地上解析するためのオプションがある。
【0010】
画像データの局面(パラメータの値など)を指定された損傷閾値と比較することにより、視覚的証拠が、第1の「現状のまま使用」閾値を上回る関心対象領域内の損傷を指示しているかどうかが判断される。閾値が上回る場合、UAV対応のNDEが行われる。UAVは、NDEセンサーユニットを検査されている構造物の表面の測定範囲に接触して、またはその測定範囲内に配置するように構成される。本明細書で使用される場合、「測定範囲」という用語は、その範囲内でセンサーが構造物の特性を表す測定可能信号を受信できる距離を意味する。NDEが求められる場合、目視検査を行った同じUAVまたは別のUAVが、NDEセンサーユニットを表面上または潜在的損傷領域に覆い被せて延伸させるかまたは一時的に放置する。NDEセンサーユニットのスキャンまたはセンサー箇所は、(構造物の表面上の)ロケーションタグがカメラの視野内にあった間に取得されたカメラ画像を処理することによって決定される。NDEセンサーユニットは、関連領域上でデータを収集し、その情報は、「現状のまま使用」、より完全なNDEが必要、UAV対応の修理、または手作業の修理について(UAV上で)自動的に評価される。UAV対応のNDEの結果は任意選択で、修理のタイプ、サイズおよび形状を判断するために有限要素解析に供給されてもよい。
【0011】
センサーデータの局面(パラメータの値など)を指定された損傷閾値と比較することにより、NDEセンサー・ユニット・データが、第2の「現状のまま使用」閾値よりも大きく、かつ「遠隔修理」閾値よりも小さい領域内の損傷を指示しているかどうかが判断される。損傷がそれらの閾値によって限定される範囲内にあるとNDEが確認した場合、修理が行われるべきであると判断される。NDEを行ったUAVに修理を行う十分な装備がない場合、適切な修理工具を備えたUAVが修理部位に急派される。UAVが静止している間に、修理工具が構造物に対して修理作業を行うように作動される。修理が完了すると、カメラまたはNDEセンサーユニットを備えたUAVが、修理された構造物の状態を評価するために使用され得る。評価の結果に応じて、構造物を稼動状態に復帰させるか否かの判断が行われる。
【0012】
前の3段落で説明された全体プロセスは、使用される工程数を最小化しようとする(時間と労力を削減する)ものであり、工程数は視覚データセットおよびNDEデータセットの結果に依存する。このプロセスは多種多様な利点を有し得る。本明細書で提案されるUAVを使用した完全な構造評価プロセスは、大幅なコスト、時間および労力の削減を可能にするとともに安全性を高める。このプロセスは、大型複合構造物に対する潜在的な損傷の非常に迅速で潜在的に完全な処置を可能にする。このプロセスはさらに、ビークルまたは構造物の稼動状態への迅速な復帰を可能にし、それによってダウンタイムの延長を回避する。このプロセスはさらに、風力タービン所有者などのユーザーが、損傷箇所に直接アクセスせずに、自社の構造物の損傷検出、NDEおよび修理を行うことを可能にする。収集されたすべてのデータを、評価、追跡および傾向把握に使用することができる。
【0013】
本明細書では1台または複数のUAVを使用して大型の構造物または物体の損傷部分を検査および修理するための方法の様々な実施形態が若干詳しく説明されているが、それらの実施形態のうちの1つまたは複数は以下の態様のうちの1つまたは複数を特徴とし得る。
【0014】
以下で詳細に開示される主題の一態様は、1台または複数の無人航空機を使用して構造物を検査および修理するための方法であって、(a)カメラを備えた無人航空機を、構造物の表面上の領域の近傍内の位置まで飛行させるステップと、(b)カメラを使用して領域内の構造物の1つまたは複数の画像を表す画像データを取得するステップと、(c)NDEセンサーユニットを備えた無人航空機を、NDEセンサーユニットが領域内の構造物の測定範囲内に入るまで飛行させるステップと、(d)NDEセンサーユニットが領域内の構造物の測定範囲内にある間にNDEセンサーユニットを使用して領域内の構造物の構造特性を表すセンサーデータを取得するステップと、(e)修理工具を備えた無人航空機を、修理工具を領域内の表面と接触して配置するロケーションまで移動させるステップと、(f)修理工具を備えた無人航空機がそのロケーションにある間に修理工具を使用して領域内の構造物を修理するステップと、を含む方法である。いくつかの実施形態によれば、本方法は、ステップ(c)に進む前に、ステップ(b)で取得された画像データが第1の「現状のまま使用」閾値を上回る領域内の損傷を指示していると判断するステップと、ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得されたセンサーデータが第2の「現状のまま使用」閾値を上回る領域内の損傷を指示していると判断するステップと、ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得されたセンサーデータが「遠隔修理」閾値を下回る領域内の損傷を指示していると判断するステップと、をさらに含む。
【0015】
直前の段落に記載される方法の1つの提案の実施態様では、構造物は航空機であり、本方法は、(g)航空機整備作業センターで、航空機に物体が衝突したという報告を受け取るステップと、(h)航空機の地上の現在位置を決定するステップと、をさらに含み、ステップ(g)とステップ(h)とはステップ(a)の前に行われる。
【0016】
以下で詳細に開示される主題の別の態様は、カメラとNDEセンサーユニットと修理工具とを備えた無人航空機を使用して構造物を検査および修理するための方法である。本方法は、(a)無人航空機を構造物の表面上の領域の近傍内のロケーションまで飛行させるステップと、(b)無人航空機がそのロケーションでホバリングしている間にカメラを使用して領域内の表面の1つまたは複数の画像を表す画像データを取得するステップと、(c)無人航空機をNDEセンサーユニットが領域内の構造物の測定範囲内に入るまで飛行させるステップと、(d)NDEセンサーユニットが領域内の構造物の測定範囲内にある間にNDEセンサーユニットを使用して領域内の構造物の構造特性を表すセンサーデータを取得するステップと、(e)無人航空機を修理工具が領域内の表面と接触するまで移動させるステップと、(f)修理工具を使用して領域内の構造物を修理するステップと、を含む。
【0017】
以下で詳細に開示される主題のさらなる態様は、フレームと、フレームに取り付けられた複数の回転翼モーターと、複数の回転翼モーターのそれぞれの回転翼モーターに動作可能に結合された複数の回転翼と、フレームによって支持された、フレームに対して回転可能なカメラと、フレームによって支持されたNDEセンサーユニットと、フレームによって支持された修理工具と、NDEセンサーによって取得されたNDEセンサーデータが第1の「現状のまま使用」閾値よりも大きく「遠隔修理」閾値よりも小さい値を有するか否かを判断する動作と、NDEセンサーデータが第1の「現状のまま使用」閾値よりも大きく「遠隔修理」閾値よりも小さい値を有するとの判断に応答して修理工具を作動させる動作と、を実行するコンピューターシステムと、を含む無人航空機である。いくつかの実施形態では、コンピューターシステムは、カメラによって取得された画像データが第2の「現状のまま使用」閾値よりも大きい値を有するか否かを判断し、画像データが第2の「現状のまま使用」閾値よりも大きい値を有するとの判断に応答してNDEセンサーユニットを作動させる、ようにさらに構成される。
【0018】
1つの提案の実施態様では、直前の段落に記載される無人航空機は、フレームに取り付けられたカメラ・ターレット・モーターと、フレームに回転可能に結合され、カメラ・ターレット・モーターに動作可能に結合された、カメラを支持するカメラターレットと、をさらに含む。カメラターレットは、第1の角度位置と第2の角度位置との間で回転可能である。NDEセンサーユニットは、カメラターレットが第1の角度位置にあるときにはカメラの視野内にあり、カメラターレットが第2の角度位置にあるときにはカメラの視野内にない。修理工具は、カメラターレットが第2の角度位置にあるときにはカメラの視野内にあり、カメラターレットが第1の角度位置にあるときにはカメラの視野内にない。例示の実施形態では、本明細書に記載される検査および修理を行うために1台または複数のUAV(20、20a、20b、20c)が利用され得る。例えば、第1のUAV20がカメラを備えており、第2のUAVがNDEセンサーユニットを備えており、第3のUAVが修理工具を備えていてもよい。任意選択で、1台のUAV20がカメラ、NDEセンサーユニットおよび/または修理工具を含んでいてもよい。よって、1台または複数のUAVが、本明細書に記載される検査および修理の方法の1つまたは複数の態様を行うように装備され得る。
【0019】
1台または複数のUAVを使用して大型の構造物または物体の損傷部分を検査および修理するための方法の他の態様を以下で開示する。
【0020】
前項で論じた特徴、機能、および利点は、様々な実施形態において独立して達成され得るか、またはさらに別の実施形態において組み合わされ得る。上記その他の態様を例示するために以下で図面を参照して様々な実施形態を説明する。本項で簡単に説明される図のいずれも縮尺通り描かれてはいない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】いくつかの実施形態による、1台または複数のUAVを使用して大型の構造物または物体の損傷部分を検査および修理するための方法のステップを示すフローチャートである。
【
図1B】いくつかの実施形態による、1台または複数のUAVを使用して大型の構造物または物体の損傷部分を検査および修理するための方法のステップを示すフローチャートである。
【
図2】いくつかの実施形態による、1対のレーザーデバイスと搭載カメラとを有する飛行UAVを使用して構造物を目視検査するためのシステムの三次元ビューを表す図である。
【
図3】
図2に示されるタイプの遠隔制御型UAVを使用して構造物の目視検査を行うためのシステムのいくつかの構成要素を示すブロック図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、非破壊検査センサー(以後「NDEセンサーユニット」)ユニットを備えた飛行UAVを使用した構造物の非破壊検査のためのシステムの三次元ビューを表す図である。
【
図5】
図4に示されるタイプの飛行UAVを使用して構造物の非破壊検査を行うためのシステムのいくつかの構成要素を示すブロック図である。
【
図6】一実施形態による、カメラとNDEセンサーユニットと修理工具とを備えたUAVの平面図を表す図である。
【
図7】
図6に示されるUAVの同じ構成要素および追加構成要素の一部を示すブロック図である。
【
図8】航空機を保守する空港運営支援ビークルの三次元ビューを表す図である。
【
図9A】例示的なレベルの損傷を有する複合積層体の断面図を表す図である。
【
図9B】例示的なレベルの損傷を有する複合積層体の断面図を表す図である。
【
図9C】例示的なレベルの損傷を有する複合積層体の断面図を表す図である。
【
図10】いくつかの実施形態による、1台または複数のUAVを使用して航空機の損傷部分を検査および修理するための方法のステップを示すフローチャートである。
【0022】
以下では図面を参照し、図面において異なる図中の同様の要素は同じ参照番号を有する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
例示のために、次に1台または複数のUAVを使用して大型の構造物または物体の損傷部分を検査および修理するための方法を詳細に説明する。しかしながら、本明細書に実際の実施態様のすべての特徴が記載されるとは限らない。任意のそのような実施形態の開発においては、実施態様ごとに異なる、システム関連および業務関連の制約との適合性など、開発者に固有の目標を達成するために、多数の実施態様固有の判断がなされなければならないことを当業者は理解するであろう。さらに、そのような開発努力は複雑で時間を要する場合もあるが、それでもなお、本開示の恩恵を有する当業者にとっては日常的な業務であろうことが理解されよう。
【0024】
以下で若干詳しく開示される実施形態によれば、UAVは少なくとも3つの回転翼を有する本明細書で開示される実施態様によれば、各回転翼は2つの相互に正反対の回転翼羽根を有する。しかしながら、代替の実施態様では、3つ以上の回転翼羽根を有する回転翼を備えるUAVも使用され得る。本明細書で使用される場合、「回転翼」という用語は、回転翼支柱と、回転翼支柱の一端に取り付けられた回転翼ハブと、回転翼ハブから外方へ半径方向に延伸する2つ以上の回転翼羽根とを含む回転装置を指す。本明細書で開示される実施形態では、回転翼支柱は、以下で「回転翼モーター」と呼ばれる、駆動モーターの出力軸に機械的に結合されている。回転翼モーターは回転翼の回転を駆動する。本明細書で使用される場合、「回転翼システム」という用語は、少なくとも複数の回転翼と、UAVの重さを指示するのに十分な空力的揚力および前方飛行において空力抵抗に対抗するのに十分な推力を発生させるために回転翼回転速度を制御するように構成されたコントローラーとを含む、構成要素の組み合わせを意味する。本明細書で開示されるUAVは、好ましくは、回転翼のそれぞれの回転を調整するように構成された搭載コンピューターと通信する複数の回転翼モーターコントローラーの形態をとるコントローラーを含む。コントローラーは、UAVを、飛行経路に沿って、UAVが検査および修理されるべき構造物の表面上の領域に近接するかまたは接触するロケーションまで飛行させるよう回転翼を制御するように構成(例えばプログラム)される。
【0025】
本明細書で提案されるプロセスの様々な実施形態によれば、1台または複数のUAVが、航空機や風力タービンなとの大型構造物が、衝突事故や潜在的損傷の発見後速やかに稼動状態に復帰することを可能にするようなやり方で目視検出、非破壊評価(NDE)、および修理を行うように構成される。カメラ付きUAVは、構造物上の関心対象領域から取得された画像データが第1の「現状のまま使用」閾値を上回る損傷を指示しているか否かを判断するように構成されている(例えばプログラムされている)搭載コンピューターを有する。損傷が第1の「現状のまま使用」閾値を上回る場合、UAV対応のNDEが開始される。NDEセンサー付きUAVは、関心対象領域内の構造物から取得されたNDEセンサーデータが第2の「現状のまま使用」閾値から「遠隔修理」閾値までの指定された範囲内の損傷を指示しているか否かを判断するように構成されている(プログラムされている)搭載コンピューターを有する。損傷が指定された範囲内である場合、UAV対応の修理が開始される。
【0026】
図1Aおよび
図1Bは、いくつかの実施形態による、1台または複数のUAVを使用して稼動中の大型の構造物または物体の損傷部分を検査および修理するための方法100のステップを示すフローチャートを形成している。以下でより詳細に説明されるように、UAVに搭載されたコンピューターは、取得されたデータが特定の閾値よりも大きい(上回る)かまたは小さい(下回る)損傷を指示しているかどうかを判断するように構成され得る。本明細書で使用される場合、「現状のまま使用」閾値とは、修理を必要としない構造(例えば、指示された損傷が「現状のまま使用」閾値よりも小さいかまたはこれを下回る場合)と潜在的に修理を必要とする構造(例えば、指示された損傷が「現状のまま使用」閾値よりも大きいかまたはこれを上回る場合)との境界を定めるように指定された閾値を意味する。本明細書で使用される場合、「遠隔修理」閾値とは、UAVによって行われ得る修理を必要とする構造(例えば、指示された損傷が「遠隔修理」閾値よりも小さいかまたはこれを下回る場合)とUAVによっては行われない修理を必要とする構造(例えば、指示された損傷が「遠隔修理」閾値よりも大きいかまたはこれを上回る場合)との境界を定めるように指定された閾値を意味する。
【0027】
図1Aを参照すると、方法100の開始102では、就航中の構造物が機能しているが、計画就航中検査の予定時期が到来した(ステップ104)か、または事故による就航中の構造物への潜在的な損傷が指示もしくは推測される(ステップ106)。例えば、物体衝突イベントが検出されたかまたは疑われている。
【0028】
全体の検査および修理プロセスは、整備作業センターが就航中の構造物の目視検査を行うためにカメラを備えたUAVを急派するときに開始される(ステップ108)。急派されたUAVは、可能性のある衝突領域(以下「関心対象領域」)の近傍まで飛行し、カメラを使用して関心対象領域の画像を取得し、次いで取得された画像データを第1の「現状のまま使用」閾値と比較する(ステップ110)。目視検査および閾値処理の結果、画像化領域の箇所およびその他のデータは、次いで、カメラ付きUAVに搭載された非一時的な有形のコンピューター可読記憶媒体に記録される(ステップ112)。カメラ付きUAVに搭載されたコンピューターは次いで、画像データによって指示された損傷が第1の「現状のまま使用」閾値を上回るか否かの判断を行う(ステップ114)。代替として、カメラ付きUAVが同時にNDEセンサーユニットを備えていない場合には、カメラ付きUAVは、目視検査および閾値処理の結果を表すデータ、画像化領域の箇所を表すデータおよびその他のデータを、ステップ114の判断を行うように構成されたコンピューターを有する整備作業センターに無線送信する。
【0029】
一方では、ステップ114で、画像データによって指示された損傷が第1の「現状のまま使用」閾値を上回らないと判断された場合には、構造物は現状のまま使用され(ステップ116)、稼動状態に復帰する(
図1Bのステップ140)。他方では、ステップ114で、画像データによって指示された損傷が第1の「現状のまま使用」閾値を上回ると判断された場合には、NDEセンサーユニットを備えたUAV(カメラ付きUAVと同じUAVまたは別のUAVであり得る)を、NDEセンサーユニットが構造物の表面上の潜在的に損傷した領域(以下「潜在的損傷領域」)の測定範囲内に入るロケーションまで飛行させる。例えば、NDEセンサー付きUAVは、構造物の表面に着陸し、次いでNDEセンサーユニットを使用して潜在的損傷領域内でNDEセンサーデータを取得し得る(ステップ118)。NDEセンサー付きUAVに搭載されたコンピューターは次いで、表面下損傷を定量化するNDEセンサーデータの解析を行い、結果として得られる定量的データを様々な所定の閾値と比較する(ステップ120)。解析および閾値処理の結果、感知領域の箇所およびその他のデータは、次いで、NDEセンサー付きUAVに搭載された非一時的な有形のコンピューター可読記憶媒体に記録される(ステップ122)。NDEセンサー付きUAVに搭載されたコンピューターは次いで、NDEセンサーデータによって指示された損傷が第2の「現状のまま使用」閾値を上回るか否かの判断を行う(ステップ124)。代替として、NDEセンサー付きUAVが同時に修理工具を備えていない場合には、NDEセンサー付きUAVは、解析および閾値処理の結果を表すデータ、感知領域の箇所を表すデータおよびその他のデータを、ステップ124の判断を行うコンピューターを有する整備作業センターに無線送信する。
【0030】
一方では、ステップ124で、NDEセンサーデータによって指示された損傷が第2の「現状のまま使用」閾値を上回らないと判断された場合には、構造物は現状のまま使用され(ステップ116)、稼動状態に復帰する(
図1Bのステップ142)。他方では、ステップ124で、NDEセンサーデータによって指示された損傷が第2の「現状のまま使用」閾値を上回ると判断された場合には、NDEセンサー付きUAVに搭載されたコンピューターは次いで、NDEセンサーデータによって指示された損傷が「遠隔修理」閾値を下回るか否かの判断を行う(ステップ126)。代替として、NDEセンサー付きUAVが同時に修理工具を備えていない場合には、整備作業センターがステップ124の判断を行うようにプログラムされたコンピューターを有する。
【0031】
(
図1Aに示される)ステップ126の結果に応じて、プロセスは、遠隔もしくはUAV対応の修理手順または人間の介入を必要とする手作業の修理手順に従って、どちらも
図1Bに示されているステップに進み得る。一方では、ステップ126でNDEセンサーデータによって指示された損傷が「遠隔修理」閾値を上回らないと判断された場合には、修理工具を備えたUAV(カメラ付きUAVと同じUAVであるかまたは別のUAVであり得る)を、修理工具が修理されるべき領域内の構造物に接触して配置されるかまたは配置され得るロケーションまで飛行させる。修理工具付きUAVが静止している間に、損傷領域は修理工具を使用して修理される(
図1Bのステップ128)。他方では、ステップ126でNDEセンサーデータによって指示された損傷が「遠隔修理」閾値を上回ると判断された場合には、NDEセンサー付きUAVは、構造物が損傷構造物のより徹底したまたは複雑な修理のために直接の人間によるアクセスを必要とすると整備作業センターに通知するメッセージを無線送信する(
図1Bのステップ134)。後者の場合、UAV対応の修理は行われない。
【0032】
さらに
図1Bを参照すると、ステップ128のUAV対応の修理の完了に続いて、カメラまたはNDEセンサーユニットを備えたUAV(上述のカメラ付きUAVまたはNDEセンサー付きUAVと同じUAVかまたは別のUAVであり得る)が、修理された構造物が稼動に適することを検証する検査を行うために使用される(ステップ130)。検査の結果は検査UAVに搭載された非一時的な有形のコンピューター可読記憶媒体に格納され、UAVは修理の完了を報告する整備作業センターへのメッセージを無線送信する。次いで、修理が有効か否かが判断される(ステップ132)。一方では、修理が有効ではない場合には、修理手順はステップ128に戻る。他方では、修理が有効である場合には、修理された構造物が稼動状態に復帰する(ステップ140)。
【0033】
これに反して、UAVを含まない手段による修理(例えば手作業の修理)が推奨されることを指示する通知の発行に続いて、整備作業センターは、構造物上の損傷領域の修理を実行するために適切に装備した技術者を急派する(ステップ134)。ステップ134のUAVを含まない手段による修理の完了に続いて、構造物の修理された部分のNDEまたは目視検査が、やはりUAVを含まない手段によって行われる(ステップ136)。次いで修理が有効か否かが判断される(ステップ138)。一方では、修理が有効ではない場合には、修理手順はステップ134に戻る。他方では、修理が有効である場合には、修理された構造物が稼動状態に復帰する(ステップ140)。
【0034】
図2は、飛行UAV20を使用して構造物18を目視検査するためのシステムの三次元ビューを表す図である。
図2に示されるUAV20は、ベース22と、ベース22によって支持され、ベース22に対して回転可能な4つの回転翼28a~28dとを含む。各回転翼の回転は、ベース22に取り付けられたそれぞれの回転翼モーター36a~36dによって駆動される。
【0035】
UAV20は、すべてベース22上で支持された、レーザーデバイス対24aおよび24bと、ビデオカメラ30とをさらに含む。
図2に示される提案の実施態様では、第1の無人航空機(UAV)20aは、ビデオカメラ30の両側に配置されたレーザーデバイス対24aおよび24bを含む。代替として、スチルカメラ(カラーおよび/もしくは白黒)または赤外線カメラが用いられてもよい。レーザーデバイス対24aおよび24bは、非平行軸線を有するベース22に固定して取り付けられている。作動されると、レーザーデバイス24aおよび24bは、構造物18の表面上のそれぞれの点に向けられたそれぞれのレーザービーム26aおよび26bを発射し、それによってそれぞれのレーザースポットを形成する。構造物18の表面上でのレーザービーム26aおよび26bの衝突により、構造物18に対するUAV20のロケーションに関する情報の取得が可能になる。より具体的には、取り込み画像内でレーザースポットを隔てる距離は構造物18とUAV20とを隔てる距離に正比例する。この基準系が確立されると、搭載コンピューターは、取り込み画像に現れる視覚的に顕著な領域の寸法をさらに計算し得る。
【0036】
図2に示されるシステムは、UAV20との間で無線通信を送受信するための遠隔制御局10をさらに含む。一実施形態によれば、遠隔制御局10は、ラップトップコンピューター12と、送受信機14と、アンテナ16とを含む。送受信機14は、ラップトップコンピューター12とUAV20に搭載されたコンピューターとの間の通信を可能にするためのアンテナ16と通信している。
【0037】
UAV20の搭載システムは、非一時的な有形のコンピューター可読記憶媒体(
図2には示されていない)に格納された飛行計画データによってデジタル方式で表される1つまたは複数の異なる格納された飛行計画を実施することができる誘導および制御のハードウェアおよびソフトウェアシステム(
図2には示されていない)をさらに含み得る。搭載システムは、UAV20の向きを制御し、メモリに格納された事前プログラム飛行計画の実行を支援するための全地球測位システム/慣性航法システム(GPS/INS)をさらに含み得る。無線送受信機および搭載アンテナ(
図2には示されていない)が、遠隔制御局10との双方向無線電磁波通信を可能にする。
【0038】
図2に示されるタイプの無人航空機は、目視検査を受ける物体についてのスケールおよび点間距離情報を取得する能力でアップグレードされ得る。UAV20は、搭載センサーと、目標物体上の点間の距離または目標物体のスケールの不連続または連続の測定値を提供する処理技術とを備えていてもよい。そのような拡張能力UAVの様々な実施形態が米国特許出願第15/714662号に開示されている。
【0039】
ビデオカメラ30は、2つのレーザースポットが見える画像を取り込むように作動され得る。画像データを、2つのレーザーデバイス24aおよび24bの軸線を隔てる既知の距離と併せて、倍率を決定するために使用され得る画素情報を導出するように処理することができる。次いでその倍率を使用して、例えば、UAV20aが構造物18に近接して飛行またはホバリングしている間にビデオカメラ30によって取り込まれた任意の後続の画像上に目盛りを表示することができる。取り込み画像内の視覚的に顕著な領域のサイズは、関心対象領域をセグメント化し、次いで倍率を適用して領域の寸法を決定する画像処理技術を使用して搭載コンピューターによって計算され得る。より具体的には、UAV20と構造物18との間の距離が推定され得る。
【0040】
図3は、2つ以上のレーザーデバイス24(例えば、
図2のレーザーデバイス24aおよび24b)が取り付けられた、UAV20aなどの遠隔制御型UAV20を使用して構造物の目視検査を行うためのシステムのいくつかの構成要素を示すブロック図である。この例では、UAV20とUAV20によって運搬される装置とは、制御局40によって送信される無線周波数コマンドに応じて搭載コンピューターシステム32によって制御される。それらの無線周波数コマンドは、UAV20に搭載された送受信機38によって受信され、適切なデジタルフォーマットに変換されて、コンピューターシステム32に転送される。制御局40は、コンピューターシステム32にコマンドを送信することによってUAV20とUAV20に搭載された装置との動作を制御するためのプログラミングで構成された汎用コンピューターシステムを含み得る。例えば、制御局40は、UAV20の飛行を制御するコマンドおよびレーザーデバイス24の作動のためのコマンドを送信し得る。加えて、制御局40のコンピューターシステムは、検査動作時にUAV20から受信されたデータを処理するためのプログラミングで構成される。特に、制御局40のコンピューターシステムは、表示モニタ-42を、ビデオカメラ30によって取得された画像を表示するよう制御するためのソフトウェアで構成された表示プロセッサーを含み得る。ビデオカメラ30によって観察される光学画像フィールドは、表示モニタ-42上に表示され得る。
【0041】
制御局40からのコマンドに応答して、ビデオカメラ30とレーザーデバイス24とが、搭載コンピューターシステム32によって(例えば、UAV20に搭載された電気ケーブルを介して)送信された制御信号によって作動される。ビデオカメラ30は、自動化された(遠隔制御式の)ズーム能力を有し得る。搭載コンピューターシステム32はまた、回転翼28a~28dの回転をそれぞれ駆動する回転翼モーター36a~36d(
図2参照)などの、それぞれの回転翼モーター36の回転をそれぞれ制御するモーターコントローラー34にコマンドを送信することによってUAV20の飛行を制御する。
【0042】
UAV20に搭載されたコンピューターシステム32はまた、ビデオカメラ30によって測定された損傷を定量化するようにもプログラムされる。場合によっては、損傷が異常(亀裂など)の所定の深さや所定の長さなどの所定の線寸法を定義する所定の基準を満たすかどうかを判断することが望ましい。例えば、損傷領域の最長翼弦が、損傷の画像内の2つの最も離れた画素間で測定される。この例では、損傷が所定の線寸法を満たすかどうかを判断することは、最長翼弦が所定の長さを超えるかどうかを判断することを含む。
【0043】
場合によっては、損傷領域が所定の面積を定義する所定の基準を満たすかどうかを判断することが望ましい。例えば、2つの翼弦の乗算によって損傷領域の面積測定値を決定するために最長翼弦と第2の翼弦とが測定される。第2の翼弦は、最長翼弦に対して垂直な軸線に沿って損傷の最大部分にまたがる。この例では、損傷が所定の基準を満たすかどうかを判断することは、そのような面積測定値が所定の面積を超えるかどうかを判断することを含む。
【0044】
1つの提案の実施態様によれば、搭載コンピューターシステム32は、エッジ認識や画像セグメント化などの技術を使用して潜在的損傷領域を表す画素を分離する画像処理ソフトウェアを用いるように構成される。1つの例示的な提案の実施態様では、潜在的損傷領域の画像は別々の領域にセグメント化され、これは、サイズ、色、形状、または他のパラメータを使用したフィルタリングを含み得る。画像セグメント化とは、特定の特性を有する画素グループを定義することを意味する。一実施態様によれば、互いに隣り合う(すなわち、連続した領域)特定の色および輝度の画素が見つけられる。画像はまた、除外されることになるいくつかの小さいアーチファクト(微妙なエッジアウトラインなど)も有することになる。これは、ぼかしフィルターおよび輝度閾値フィルターを使用して行うことができる。潜在的損傷領域の前述の翼弦を表す分離された画素の対に対応する選択された画素座標は次いで、潜在的損傷領域の寸法またはその特徴を判断するために使用される。
【0045】
前述のように、
図2に示されるUAVによる目視検査の完了に続いて、構造物18上の関心対象領域は非破壊調査(NDE)を受ける。1つの例示的な操作では、マニピュレーターアームなどの、1つまたは複数の支持構造物によって支持された1つまたは複数のNDEデバイスを備えたUAVを、検査されている構造物の目標領域まで飛行させる。UAVオペレータはUAVに、例えばマニピュレーターアームを延伸させることによって、NDEデバイスを目標領域上に位置決めするよう命令する。NDEデバイスは、磁気ベースのデバイスなどの固定機構、例えば、強磁性構造物のための永久電磁石、および/または非強磁性構造物のための真空ベースの装置、静電気ベースの装置、接着ベースの装置、グリッパーベースの装置を備えることができる。
【0046】
例えば、永久電磁石を電気パルスでオンにし、次いで電力を使用せずに励磁されたままにすることができる。永久電磁石が励磁されると、UAVが目標領域と接触したときにUAVを目標領域上に物理的に固定し、支持することができる。目標領域に物理的に固定された後、次いでUAV上の回転翼をオフにする(回転を停止する)ことができ、その場合UAVは今度は安定した静止位置になる。次いでNDEセンサーユニットを作動させて検査読み取り値を取得することができる。UAVの三次元ロケーションを、UAVのロケーションを検査されている構造物の座標系として決定できる、ローカル測位システム(「LPS」)などの非搭載追跡システムによって測定することができる。NDEが完了すると、UAVの回転翼を始動することができ、固定機構が作動解除され、UAVは飛び去るかまたは次の検査箇所まで飛行し、プロセスが繰り返される。
【0047】
図4は、飛行UAV20を使用した構造物18の非破壊調査のためのシステム6の三次元ビューを表す図である。システム6は、ローカル測位システム80と、検査されるべき構造物18の近傍まで飛行させ得る無人航空機(UAV)20bとを含む。
図4に示されるように、一実施形態によればUAV20bはNDEセンサーユニット62を備えている。UAV20bはまた、上記のUAV20aに関して説明されたカメラ30を備えていてもよいことを理解されたい。UAV20は、事前プログラムされた飛行計画に従ってUAV20をナビゲートし、構造物18からの検査データの取得を可能にすることができる搭載システムを含み得る。いくつかの例では、無線UAVコントローラー92を使用してオペレータが飛行経路に沿ってUAV20bを飛行させることができる。
【0048】
UAV20、20a、20b、および20cは各々フレーム19を含む。例示の実施形態では、フレーム19は、一端にNDEセンサーユニット62が取り付けられ、他端に釣り合いおもり64が取り付けられているビーム60を支持するベース22を含む。代替の実施形態では、NDEセンサーユニット62は、マニピュレーターアームの端部に取り付けられていてもよく、マニピュレーターアームはグリッパーを含み、グリッパーは検査されている構造物18に対してNDEセンサーユニット62を操作するように動作する。いくつかの例では、釣り合いおもり64の代わりにビーム60の他端に修理工具が取り付けられ得る。例えば、修理工具は、(損傷部位から材料を除去するための)研磨機または(損傷部位に材料を付加するための)噴霧器であり得る。
【0049】
UAV20bのフレーム19は、NDEセンサーユニット62を検査されている表面に対してスタンドオフの位置に維持するためのスタンドオフシステム(
図4にはスタンドオフ支持部材68および70のみが示されている)をさらに含む。UAV20bのフレーム19は、接触する遠位端を有する複数のスタンドオフアームをさらに含む。
図4に示される例では、UAV20bが構造物18にドッキングされるか、または物理的に固定されるときに、スタンドオフアームは、構造物18に対するNDEセンサーユニット62の位置的安定性を提供し、これにより、NDEセンサーユニット62は損傷のより高い空間分解能を取得し、(赤外線サーモグラフィーのような)時間依存感知が行われることが可能になる。
【0050】
NDEセンサーユニット62は、以下の群より選択され得る:渦電流センサー、超音波センサー、音響センサー、機械インピーダンスセンサー、光学センサー、X線後方散乱センサー、コンピューター断層撮影センサー、表面粗さセンサー、赤外線サーモグラフィーデバイス、マイクロ波センサー、およびテラヘルツセンサー。NDEセンサーユニット62は、NDEセンサーユニット62および/またはUAV20bを構造物18の表面上に物理的保持する固定機構を備えていてもよく、これには、磁気ベースの装置、真空ベースの装置、静電気ベースの装置、接着ベースの装置、グリッパーベースの装置が含まれるがこれに限定されない。
【0051】
UAV20bのフレームには、構造物18の基準系におけるUAV20bのロケーションを決定する較正点として使用するための多数の光学ターゲットが取り付けられている。
図4に示される例は、スタンドオフ部材68の遠位端上の較正点66a、NDEセンサーユニット62上の較正点66b、釣り合いおもり64上の較正点66c、スタンドオフ部材70の遠位端上の較正点66d、ならびにベース22のそれぞれの角の較正点66eおよび66f、を含んでいる。
【0052】
UAV20bによって目標領域に配置された後、NDEセンサーユニット62の3Dロケーションを、構造物18の座標系に対するNDEセンサーユニット62のロケーションを決定するように構成されている非搭載追跡システムによって測定することができる。
図4には、構造物18に対するUAV20bのロケーションを追跡するためにローカル測位システム80が使用される物理的セットアップが示されている。LPS80は、三脚86上に載置された角度測定能力を有する制御可能なパン・チルト機構84上のビデオカメラ82とレーザー距離計(図示されていない)とを含む。ビデオカメラ82は、自動化された(遠隔制御式の)ズーム能力を有し得る。ビデオカメラ82は、ビデオカメラ82の光学画像フィールドディスプレイ内の点の厳密な位置特定を容易にする一体型クロスヘア発生器をさらに含み得る。ビデオカメラ82およびパン・チルト機構84は、LPSコンピューター88によって操作され得る。LPSコンピューター88は、ビデオ/制御ケーブル89を介してビデオカメラ82およびパン・チルト機構84と通信する。あるいは、LPSコンピューター88は、無線通信経路を介してビデオカメラ82およびパン・チルト機構84と通信してもよい。パン・チルト機構84のパン角およびチルト角、したがって、ビデオカメラ82の向きは、LPSコンピューター88のキーボードや、
図4に示されるゲームパッドインターフェース90などの他の入力装置を使用して制御することができる。
【0053】
パン・チルト機構84は、ビデオカメラ82を、垂直の方位(パン)軸線と水平の仰角(チルト)軸線を中心とした選択の角度に位置的に調整するように制御される。三脚86(またはパン・チルトユニット84が取り付けられた他の台)の固定された座標系に対するビデオカメラ82の向きを記述する方向ベクトル78が、パン角およびチルト角と、カメラ82が関心対象点に向けられたときの光学フィールド内のクロスヘアマーカーの中心の位置とから決定される。方向ベクトル78は、
図4に、カメラ82のレンズから延伸してスタンドオフ部材68の遠位端上の較正点66bと交差する破線として示されている。UAVフレーム上の較正点66a~66fおよび構造物18上の較正点(
図4には示されていない)は順番に標的とされ、そのように取得されたデータを、LPSコンピューター88が構造物18に対するUAV20bの位置および向きのオフセットを計算するために処理することができる。
【0054】
レーザー距離計は、カメラ82のハウジング内に組み込まれるか、または方向ベクトル78に沿ってレーザービームを送るようにカメラ82の外側に取り付けられ得る。レーザー距離計は、各較正点までの距離を測定するように構成される。レーザー距離計は、レーザーと、各較正点によって反射されたレーザービームに応答して検出されたレーザー光に基づいて距離を計算するように構成された装置とを有し得る。
【0055】
図4に示されるローカル測位システム80は、LPSコンピューター88にロードされた三次元定位ソフトウェアをさらに含む。例えば、三次元定位ソフトウェアは、構造物18上の複数の同一線上にない較正点を使用して、構造物18に対するビデオカメラ82のロケーション(位置および向き)を定義するタイプのものであり得る。較正点を、UAV20bが構造物18に一時的に取り付けることができる。あるいは、構造物18の視覚的に顕著な特徴を較正点として使用することもできる。較正点までの測定距離は、構造物18に対するUAVのロケーションを決定するためにパン・チルト機構84からのパン角およびチルト角と連係させて使用され得る。
【0056】
図5は、
図2および/または
図4に示されるタイプの飛行UAV20を使用して構造物の非破壊評価を行うためのシステムのいくつかの構成要素を示すブロック図である。UAV20は、UAVの飛行と、ビデオカメラ30およびNDEセンサーユニット62の動作とを制御する制御システム8を有する。より具体的には、制御システム8は、回転翼モーター36の回転速度および方向を制御するためのそれぞれのモーターコントローラー34と、モーターコントローラー34、ビデオカメラ30、およびNDEセンサーユニット62の動作を制御するコンピューターシステム32とを含む。1つの提案の実施態様では、モーターコントローラー34は、電気モーターの速度、方向および制動を変動させるように構成された電子速度制御回路であり、回転翼モーター36はブラシレス電気モーターである。そのような電子速度制御回路は、回転翼モーター36に高周波数高分解能の三相交流電力を提供する。
【0057】
図5に部分的に示される実施形態では、UAV20、ビデオカメラ30およびNDEセンサーユニット62は、制御局40によって送信された無線周波数コマンドに応じてコンピューターシステム32によって制御される。それらの無線周波数コマンドは、地上の送受信機44によって送信され、UAV20に搭載された送受信機38によって受信され、送受信機38によって適切なデジタルフォーマットに変換され、次いでコンピューターシステム32に転送される。制御局40は、UAV20とUAV20に搭載されたNDEセンサーユニット62とを制御するためのプログラミングで構成された汎用コンピューターシステムを含み得る。例えば、UAV20の飛行を、制御局40または他のユーザ-・インターフェース・ハードウェア(ゲームパッドやペンダントなど)においてコンピューターシステムのジョイスティック、キーボード、マウス、タッチパッド、またはタッチスクリーンを使用して制御することができる。加えて、制御局40のコンピューターシステムは、検査動作時にUAV20から受信されたデータを処理するためのプログラミングで構成される。特に、制御局40のコンピューターシステムは、表示モニタ-(
図5には示されていない)を、ビデオカメラ30によって取得された画像を表示するように制御するためのソフトウェアで構成された表示プロセッサーを含み得る。
【0058】
図5をさらに参照すると、UAV20に搭載された装置は、慣性計測装置46(以下「IMU46」)をさらに含む。慣性計測装置は、1つまたは複数の加速度計を使用して線形加速度を検出し、1つまたは複数のジャイロスコープを使用して回転速度を検出することによって動作する。典型的な構成では、慣性計測装置は、3つのビークル軸線、すなわち、ピッチ、ロールおよびヨーの各々について軸線ごとに1台の加速度計と1台のジャイロスコープとを含む。コンピューターシステム8は、生のIMU測定値を利用して、姿勢、角速度、直線速度およびグローバル基準系に対する位置を計算する慣性航法ソフトウェアで構成された別個のプロセッサーをさらに含み得る。IMU46から収集されたデータにより、コンピューターシステム32が、推測航法として知られている方法を使用してUAVの位置を追跡することが可能になる。
【0059】
前述のように、
図4に示されるUAVによる非破壊評価の完了に続いて、構造物18上の関心対象領域は修理を受ける。1つの例示的な操作では、UAV、例えばUAV20cが、旋回アームや伸縮アームなどの1つまたは複数の支持構造物によって支持された1つまたは複数の修理工具デバイスを備えていてもよく、そのUAVを修理される構造物の目標領域まで飛行させる。UAVオペレータはUAVに、修理工具を目標領域上に位置決めするよう命令する。修理工具付きUAVは、磁気ベースのデバイスなどの固定機構、例えば、強磁性構造物のための永久電磁石、および/または非強磁性構造物のための真空ベースの装置、静電気ベースの装置、接着ベースの装置、グリッパーベースの装置を備えることができる。
【0060】
図6は、ベース22に取り付けられたビデオカメラ30、NDEセンサーユニット62、除去的修理工具31、および付加的修理工具33を備えたUAV20、例えばUAV20cの平面図を表す図である。本明細書で使用される場合、「除去的修理工具」という用語は、材料の本体から材料を除去するように構成されているツールを意味し、「付加的修理工具」という用語は、材料の本体に材料を付加するように構成されているツールを意味する。ベース22はまた、UAV20cによって運搬されるすべての電動デバイスに電力を提供する1つまたは複数の電池(図示されていない)も支持する。ベース22はまた、それぞれの回転翼の回転を駆動する回転翼モーター36a~36dも支持する(
図6には示されていないが、
図4の回転翼28a~28dを参照されたい)。
【0061】
図6に示される実施形態によれば、NDEセンサーユニット62は、センサーアレイ52と、アレイコントローラー54とを含む。1つの提案の実施態様では、センサーアレイ52は、列と行とに配置されたセンサーの二次元配列である。センサーアレイ52は、例えば、ケーブルによってアレイコントローラー54と電気的に連通している。除去的修理工具31は、回転軸74の遠位端に、構造物の損傷面を研磨または研削して塗装を施すために表面を調製するための研磨ヘッド76を有する回転軸74を含む。回転軸74は、UAV20cのベース22に取り付けられた回転工具モーター72によって回転するように駆動される。付加的修理工具33は、管96を通してノズル98から損傷領域内の構造物の表面上に液体材料を送り込むポンプ94を含む。ポンプ94は、ポンプモーター58が作動されると、貯蔵容器91からの液体を、開いている電子制御バルブ93を介して、管96に沿ってノズル98から送り込む。ポンプモーター58、ポンプ94および貯蔵容器91は、UAV20cのベース22に取り付けられている。
【0062】
図6に示される提案の実施態様は、UAV20cのベース22の中央部分に回転可能に結合されたカメラターレット50上に配置され、取り付けられたビデオカメラ30をさらに含む。カメラターレット50は、歯車列55を経由してカメラ・ターレット・モーター56によって回転するように駆動される。ビデオカメラ30は、ベース22の平面に対して垂直な軸線を中心として回転可能である。
図6の平面図で分かるように、NDEセンサーユニット62、除去的修理工具31、および付加的修理工具33は、ベース22上に、センサーアレイ52がベース22の第1の側23aを越えて配置され、ノズル98がベース22の第2の側23bを越えて配置され、研磨ヘッド76がベース22の第3の側23cを越えてに配置されるように配置され得る。カメラターレット50は、第1の角度位置ではセンサーアレイ52がビデオカメラ30の視野内にあり、第2の角度位置ではノズル98がビデオカメラ30の視野内にあり、第3の角度位置では研磨ヘッド76がビデオカメラ30の視野内にあるように配置されている。これにより、ビデオカメラ30が、遠隔検査/修理作業の異なる段階の間にそれぞれの画像を取り込むことが可能になる。画像は整備作業センターに無線送信され、それによって、整備要員がNDE作業および修理作業中の構造物上の損傷領域を観察することが可能になる。
【0063】
例えば、
図6に示されるUAV20cは、センサーアレイ52が損傷領域に覆い被さるように、ある位置において第1の向きで構造物の表面に着陸するように設計されている。NDEセンサーユニット62は次いで、NDE手順を行うために作動される。NDE手順が完了すると、次いで回転翼は、UAV20cを、表面から離昇させ、表面に対して垂直な軸線を中心として180度回転させ、次いで、研磨ヘッド76が損傷領域に覆い被さるように第2の向きで同じ位置において表面上に再着陸させるように作動される。次いで除去的修理工具31が、損傷領域内の破片を除去するかまたは表面を滑らかにするように作動される。材料の除去が完了すると、次いで回転翼は、UAV20cを、表面から再度離昇させ、表面に対して垂直な軸線を中心として-90度回転させ、次いで、ノズル98が損傷領域に覆い被さるように第3の向きで同じ位置において表面上に再着陸させるように作動される。次いで付加的修理工具33が、損傷領域内の表面上でシーリング材料またはその他の塗料を塗布するように作動される。
【0064】
図7は、
図6に示されるUAV20cの同じ構成要素および追加構成要素の一部を示すブロック図である。UAV20cは、UAVの飛行と、ビデオカメラ30およびNDEセンサーユニット62の動作とを制御する制御システム8を有する。制御システム8は、回転翼モーター36、ポンプモーター58、カメラ・ターレット・モーター56、および回転工具モーター72の回転速度および方向を制御するためのそれぞれのモーターコントローラー34を含む。これらのモーターの動作は、コンピューターシステム32によって、直前の段落で説明された動作を行うように調整される。
【0065】
航空機の迅速な検査および修理は、ダウンタイムを短縮するために軍事用および商用で重要である。例えば、複合構造の使用は商用航空機においてますます一般的になっている。複合材料は、就航の過程で損傷する可能性がある。そのような就航中の損傷の例には、ひょう、滑走路の破片(異物損傷)、または地上支援ビークルとの衝突に起因する衝突損傷が含まれる。
図8は、航空機2を保守する空港運営支援ビークル4の三次元ビューを表す図である。そのような保守の前後に、空港運営支援ビークル4が航空機2に誤ってぶつかることがある。本明細書で使用される場合、空港運営支援ビークル4とは、航空機2上または航空機2の周囲で貨物、要員または装置を搬送するために使用される任意のタイプのビークルまたは装置であり得る。いくつかの用途では、空港運営支援ビークル4は、例えば、貨物ベルトローダー、手荷物カート、航空機燃料補給車、ケータリングビークル、地上電源車、空港バスまたは乗客搭乗階段であり得る。
【0066】
空港運営支援ビークル4が誤って航空機2にぶつかった場合には、航空機2に対する損傷が出発直前に空港のローディングゲートで発見される可能性がある。修理用具が利用できない場合、または修理が広範囲に及ぶ可能性がある場合には、フライトが欠航する可能性もある。航空機は、地上待機し、運行停止となって整備基地へと輸送またはけん引され、結果として航空機運行者に著しい経済的影響を及ぼすことになり得る。
【0067】
損傷の程度に応じて一時的または永続的な修理が提供され得る。これらは、非構造的(湿気が入らないように表面をシールすることなど)または構造的(その領域にあるレベルの強度を復元すること)であり得る。損傷が表面的である場合、航空機は単に修理なしで出発のために解放され得る。損傷の程度は、たとえ乗客が搭乗ゲートで出発を予期して待っているときでも、判断される必要があり得る。損傷の程度を知らなければ、修理が必要な場合、どのレベルの修理が必要であるかを判断することができない。
【0068】
図9A~
図9Cは、それぞれの例示的なレベルの損傷を有する複合積層体150の断面図を表す図である。本明細書に開示されるUAV対応のNDE手順によれば、損傷は分類され得る。例えば、
図9Aに示される表面損傷152が、わずかな損傷を伴う低エネルギー衝撃として分類され、
図9Bに示される表面損傷152および内部亀裂154が、中程度の損傷を伴う低エネルギー衝撃として分類され、または
図9Cに示される内部亀裂154、表面圧痕156および層間剥離158が、重大な損傷を伴う中エネルギー衝撃として分類され得る。
図9A~
図9Cに示されるように、目視検出は、損傷の程度の正確な指標にならない可能性がある。しかしながら、複合材料の複雑な構造が原因で、修理方法は非常に込み入ったものになる可能性があり、通常は、適切な整備施設でのみ行われる。
【0069】
衝突事故報告を受け取ると、航空機整備作業センターは、潜在的損傷がないか航空機の胴体を検査するためにカメラとNDEセンサーユニットとを備えたUAVを急派する。不連続性が見つかった場合、写真が撮られ、次いで損傷であるかどうかを判断するために写真が解析されて、損傷である場合、損傷のサイズが決定される。ひょうまたは巻き上げられた岩石からの衝撃は、損傷の紛れもない兆候を残し得る。損傷のサイズが外部損傷についての所定の閾値よりも小さい場合、その損傷はそのまま放置されることになる(例えば、直径1/4インチのわずかな圧痕)。外部損傷が(目視で)外部損傷の所定の閾値よりも大きい場合には、UAVはNDEセンサーユニットを使用してNDE手順を行う。その結果により、内部損傷が内部損傷の所定の閾値よりも大きいか否かが判断されることになる。内部損傷が内部損傷の所定の閾値以下である場合、修理(例えばシーリングや単純な接着パッチ)を同じまたは別のUAVで行うことができる。内部損傷が内部損傷の所定の閾値を上回る場合(例えば直径1インチ)、例えば、溶削、パッチ挿入、吸引、加熱などを行う工具を備えた特殊なUAVを使用して遠隔修理が行われる。
【0070】
図10は、いくつかの実施形態による、1台または複数のUAVを使用して航空機の損傷部分を検査および修理するための方法200のステップを示すフローチャートである。例示のために、航空機の航空機乗組員が航空機に対する物体の衝突の可能性を検出していると仮定する。全体プロセスは、整備作業センターが、航空機が物体に衝突されたという航空機乗組員からの報告を受け取ったときに開始される(ステップ202)。整備作業センターは、地上の航空機の現在位置を決定し(ステップ204)、次いで、目視検査を行うためにカメラを備えたUAVを急派する。急派されたUAVは、航空機上の可能性のある衝突領域(以下「関心対象領域」)の近傍まで飛行する(ステップ206)。次いで、UAVが当該関心対象領域からある距離でホバリングする際にカメラを使用して関心対象領域の画像を取得する(ステップ208)。次いでカメラ付きUAVに搭載されたコンピューターが、取得された画像データが第1の「現状のまま使用」閾値を上回る関心対象領域内の損傷を指示していると判断する(ステップ210)。
【0071】
損傷の兆候が第1の「現状のまま使用」閾値を上回るという判断に続いて、NDEセンサーユニットを備えたUAV(カメラ付きUAVと同じUAVまたは別のUAVであり得る)を、NDEセンサーユニットが航空機の表面上の関心対象領域の測定範囲内に入るロケーションまで飛行させる(ステップ212)。例えば、NDEセンサー付きUAVは、航空機の表面と接触し、次いでそれ以上の移動を停止し得る。次いでNDEセンサーユニットを使用して関心対象領域内でNDEセンサーデータを取得する(ステップ214)。次いでNDEセンサー付きUAVに搭載されたコンピューターが、取得されたNDEセンサーデータが第2の「現状のまま使用」閾値を上回る関心対象領域内の損傷を指示していると判断する(ステップ216)。さらに、次いでNDEセンサー付きUAVに搭載されたコンピューターが、取得されたNDEセンサーデータが「遠隔修理」閾値を下回る関心対象領域内の損傷を指示していると判断する(ステップ218)。
【0072】
これらの判断に続いて、修理工具を備えたUAV(NDEセンサー付きUAVと同じUAVであるかまたは別のUAVであり得る)を、修理が行われることになる領域内の航空機の表面と接触して修理工具を配置できるロケーションまで飛行させる(ステップ220)。次いで、修理工具付きUAVが静止している間に、修理工具を使用して航空機の損傷部分を修理する(ステップ222)。
【0073】
修理の完了に続いて、カメラ付きUAVまたはNDEセンサー付きUAVを、航空機上の修理部位に近接するか、またはこれと接触するロケーションまで飛行させる(ステップ224)。(前述のように、すべてのUAV対応ステップが、カメラ、NDEセンサーユニットおよび修理工具を備えた1台のUAVによって行われてもよい。)次いでUAVが、航空機の修理部分の構造特性を表す画像またはセンサーデータを取得する(ステップ226)。次いで搭載コンピューターが、画像またはセンサーデータの解析により、修理された航空機が稼動に適すると判断する(ステップ228)。この報告を受け取ると、整備作業センターは、航空業務要員に、修理された航空機の就航を再開し得ることを通知する航空業務センターへのメッセージを送信する。その通知に応答して、航空業務センターが航空機の就航を再開する(ステップ230)。
【0074】
本明細書で使用される「構造物」という用語は、航空機と風力タービンに限定されない。本開示は、機械加工鍛造物、鋳造物、パイプ、または複合パネルもしくは部品などの、異なる形状およびサイズの任意の数の部品または構造物を検査および修理するために使用することができるシステムおよび方法に関する。加えて、検査および修理される構造物には、構造物にさらなる支持を提供するための基礎構造などの、様々な構成要素も含めることができる。さらに、検査および修理される構造物は、いくつかの材料のうちのいずれで作られていてもよい。例えば、検査および修理される構造物は、アルミニウムなどの金属材料や、黒鉛エポキシなどの複合材料を含むことができる。特に、検査および修理される構造物は、複合材料で作られた航空機構成要素とすることができる。
【0075】
1台または複数のUAVを使用して大型の構造物または物体の損傷部分を検査および修理するための方法を様々な実施形態に関連して説明したが、本明細書の教示の範囲から逸脱することなく様々な変更がなされてもよく、その要素が均等物で代用されてもよいことが当業者には理解されるであろう。加えて、本明細書の教示を特定の状況に適合させるために、本明細書の教示の範囲から逸脱することなく多くの改変が行われてもよい。したがって、特許請求の範囲は本明細書で開示された特定の実施形態に限定されないことが意図されている。
【0076】
特許請求の範囲で使用される場合、「ロケーション」という用語は、三次元座標系における位置と、その座標系に対する向きとを含む。
【0077】
本明細書で使用される場合、「コンピューターシステム」という用語は、少なくとも1つのコンピューターまたはプロセッサーを有し、ネットワークまたはバスを介して通信する複数のコンピューターまたはプロセッサーを有し得るシステムを包含するよう広く解釈されるべきである。前の文で使用されているように、「コンピューター」という用語と「プロセッサー」という用語はどちらも、処理装置(例えば中央処理装置)と、処理装置が読み取り可能なプログラムを格納するための何らかの形態のメモリ(すなわち、コンピューター可読媒体)とを含むデバイスを指す。
【0078】
さらに、本開示は以下の各項目に記載の実施形態を含む。
【0079】
項目1.無人航空機を使用して構造物を検査および修理するための方法であって、
(a)カメラを備えた第1の無人航空機を、構造物の表面上の領域の近傍内の位置まで飛行させるステップと、
(b)カメラを使用して領域内の構造物の1つまたは複数の画像を表す画像データを取得するステップと、
(c)NDEセンサーユニットを備えた第2の無人航空機を、NDEセンサーユニットが領域内の構造物の測定範囲内に入るまで飛行させるステップと、
(d)NDEセンサーユニットが領域内の構造物の測定範囲内にある間にNDEセンサーユニットを使用して領域内の構造物の構造特性を表すセンサーデータを取得するステップと、
(e)修理工具を備えた第3の無人航空機を、修理工具を領域内の表面と接触して配置するロケーションまで移動させるステップと、
(f)第3の無人航空機がそのロケーションにある間に修理工具を使用して領域内の構造物を修理するステップと
を含む方法。
【0080】
項目2.ステップ(c)に進む前に、ステップ(b)で取得された画像データが第1の「現状のまま使用」閾値を上回る領域内の損傷を指示していると判断するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
【0081】
項目3.ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得されたセンサーデータが第2の「現状のまま使用」閾値を上回る領域内の損傷を指示していると判断するステップをさらに含む、項目2に記載の方法。
【0082】
項目4.ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得されたセンサーデータが「遠隔修理」閾値を下回る領域内の損傷を指示していると判断するステップをさらに含む、項目3に記載の方法。
【0083】
項目5.修理するステップが、領域内の構造物から材料を除去するかまたは領域内の構造物に材料を付加する電動式修理工具の遠隔制御動作を含む、項目1に記載の方法。
【0084】
項目6.第2の無人航空機を、NDEセンサーユニットが修理された構造物の測定範囲内に入るまで飛行させるステップと、
NDEセンサーユニットが修理された構造物の測定範囲内にある間にNDEセンサーユニットを使用して修理された構造物の構造特性を表すセンサーデータを取得するステップと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
【0085】
項目7.構造物が航空機であり、
(g)航空機整備作業センターで、航空機に物体が衝突したという報告を受け取るステップと、
(h)航空機の地上の現在位置を決定するステップと
をさらに含み、ステップ(g)とステップ(h)とがステップ(a)の前に行われる、項目1に記載の方法。
【0086】
項目8.無人航空機を使用して構造物を検査および修理するための方法であって、
(a)カメラおよびNDEセンサーユニットを備えた第1の無人航空機を、構造物の表面上の領域の近傍内の位置まで飛行させるステップと、
(b)カメラを使用して領域内の構造物の1つまたは複数の画像を表す画像データを取得するステップと、
(c)第1の無人航空機を、NDEセンサーユニットが領域内の構造物の測定範囲内に入るまで飛行させるステップと、
(d)NDEセンサーユニットが領域内の構造物の測定範囲内にある間にNDEセンサーユニットを使用して領域内の構造物の構造特性を表すセンサーデータを取得するステップと、
(e)修理工具を備えた第2の無人航空機を、修理工具を領域内の表面と接触させて配置するロケーションまで移動させるステップと、
(f)第2の無人航空機がそのロケーションにある間に修理工具を使用して領域内の構造物を修理するステップと
を含む方法。
【0087】
項目9.ステップ(c)に進む前に、ステップ(b)で取得された画像データが第1の「現状のまま使用」閾値を上回る領域内の損傷を指示していると判断するステップと、
ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得されたセンサーデータが第2の「現状のまま使用」閾値を上回る領域内の損傷を指示していると判断するステップと、
ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得されたセンサーデータが「遠隔修理」閾値を下回る領域内の損傷を指示していると判断するステップと
をさらに含む、項目8に記載の方法。
【0088】
項目10.無人航空機を使用して構造物を検査および修理するための方法であって、
(a)カメラを備えた第1の無人航空機を、構造物の表面上の領域の近傍内の位置まで飛行させるステップと、
(b)カメラを使用して領域内の構造物の1つまたは複数の画像を表す画像データを取得するステップと、
(c)NDEセンサーユニットおよび修理工具を備えた第2の無人航空機を、NDEセンサーユニットが領域内の構造物の測定範囲内に入るまで飛行させるステップと、
(d)NDEセンサーユニットが領域内の構造物の測定範囲内にある間にNDEセンサーユニットを使用して領域内の構造物の構造特性を表すセンサーデータを取得するステップと、
(e)第2の無人航空機を、修理工具を領域内の表面と接触して配置するロケーションまで移動させるステップと、
(f)第2の無人航空機がそのロケーションにある間に修理工具を使用して領域内の構造物を修理するステップと
を含む方法。
【0089】
項目11.ステップ(c)に進む前に、ステップ(b)で取得された画像データが第1の「現状のまま使用」閾値を上回る領域内の損傷を指示していると判断するステップと、
ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得されたセンサーデータが第2の「現状のまま使用」閾値を上回る領域内の損傷を指示していると判断するステップと、
ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得されたセンサーデータが「遠隔修理」閾値を下回る領域内の損傷を指示していると判断するステップと
をさらに含む、項目10に記載の方法。
【0090】
項目12.カメラとNDEセンサーユニットと修理工具とを備えた無人航空機を使用して構造物を検査および修理するための方法であって、
(a)無人航空機を構造物の表面上の領域の近傍内のロケーションまで飛行させるステップと、
(b)無人航空機がそのロケーションでホバリングしている間にカメラを使用して領域内の表面の1つまたは複数の画像を表す画像データを取得するステップと、
(c)無人航空機をNDEセンサーユニットが領域内の構造物の測定範囲内に入るまで飛行させるステップと、
(d)NDEセンサーユニットが領域内の構造物の測定範囲内にある間にNDEセンサーユニットを使用して領域内の構造物の構造特性を表すセンサーデータを取得するステップと、
(e)無人航空機を修理工具が領域内の表面と接触するまで移動させるステップと、
(f)修理工具を使用して領域内の構造物を修理するステップと
を含む、方法。
【0091】
項目13.ステップ(c)に進む前に、ステップ(b)で取得された画像データが第1の「現状のまま使用」閾値を上回る領域内の損傷を指示していると判断するステップをさらに含む、項目12に記載の方法。
【0092】
項目14.ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得されたセンサーデータが第2の「現状のまま使用」閾値を上回る領域内の損傷を指示していると判断するステップをさらに含む、項目13に記載の方法。
【0093】
項目15.ステップ(f)に進む前に、ステップ(d)で取得されたセンサーデータが「遠隔修理」閾値を下回る領域内の損傷を指示していると判断するステップをさらに含む、項目14に記載の方法。
【0094】
項目16.修理するステップが、領域内の構造物から材料を除去するかまたは領域内の構造物に材料を付加する電動式修理工具の遠隔制御動作を含む、項目12に記載の方法。
【0095】
項目17.構造物が航空機であり、
(g)航空機整備作業センターで、航空機に物体が衝突したという報告を受け取るステップと、
(h)航空機の地上の現在位置を決定するステップと
をさらに含み、ステップ(g)とステップ(h)とがステップ(a)の前に行われる、項目12に記載の方法。
【0096】
項目18.フレームと、
フレームに取り付けられた複数の回転翼モーターと、
複数の回転翼モーターのそれぞれの回転翼モーターに動作可能に結合された複数の回転翼と、
フレームによって支持された、フレームに対して回転可能なカメラと、
フレームによって支持されたNDEセンサーユニットと、
フレームによって支持された修理工具と、
NDEセンサーによって取得されたNDEセンサーデータが第1の「現状のまま使用」閾値よりも大きく「遠隔修理」閾値よりも小さい値を有するか否かを判断し、
NDEセンサーデータが第1の「現状のまま使用」閾値よりも大きく「遠隔修理」閾値よりも小さい値を有するとの判断に応答して修理工具を作動させる
コンピューターシステムと
を含む、無人航空機。
【0097】
項目19.コンピューターシステムが、
カメラによって取得された画像データが第2の「現状のまま使用」閾値よりも大きい値を有するか否かを判断し、
画像データが第1の「現状のまま使用」閾値よりも大きい値を有するとの判断に応答してNDEセンサーユニットを作動させる
ようにさらに構成される、項目18に記載の無人航空機。
【0098】
項目20.フレームに取り付けられたカメラ・ターレット・モーターと、
フレームに回転可能に結合され、カメラ・ターレット・モーターに動作可能に結合された、カメラを支持するカメラターレットと
をさらに含み、
カメラターレットが、第1の角度位置と第2の角度位置との間で回転可能であり、
NDEセンサーユニットが、カメラターレットが第1の角度位置にあるときにはカメラの視野内にあり、カメラターレットが第2の角度位置にあるときにはカメラの視野内になく、
修理工具が、カメラターレットが第2の角度位置にあるときにはカメラの視野内にあり、カメラターレットが第1の角度位置にあるときにはカメラの視野内にない、項目18に記載の無人航空機。
【0099】
以下に記載される方法請求項は、その請求項の文言でそれらのステップの一部または全部が行われる特定の順序を指示する条件が明示的に指定または記載されない限り、その方法請求項に記載されるステップが、アルファベット順で(特許請求の範囲におけるアルファベットの順序付けはもっぱら前に記載されたステップを参照するためのものである)またはそれらのステップが記載されている順序で行われる必要があると解釈されるべきではない。また方法請求項は、その請求項の文言でそのような解釈を除外する条件が明示的に記載されない限り、2つ以上のステップの任意の部分が同時または代替的に行われることを除外するとも解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0100】
2 航空機
4 空港運営支援ビークル
6 システム
8 制御システム、コンピューターシステム
10 遠隔制御局
12 ラップトップコンピューター
14 送受信機
16 アンテナ
18 構造物
19 フレーム
20 UAV
22 ベース
24 レーザーデバイス
30 ビデオカメラ
31 除去的修理工具
32 搭載コンピューターシステム
33 付加的修理工具
34 モーターコントローラー
36 回転翼モーター
38 送受信機
40 制御局
42 表示モニタ-
44 送受信機
46 慣性計測装置(IMU)
50 カメラターレット
52 センサーアレイ
54 アレイコントローラー
55 歯車列
56 カメラ・ターレット・モーター
58 ポンプモーター
60 ビーム
62 NDEセンサーユニット
64 釣り合いおもり
68 スタンドオフ支持部材
70 スタンドオフ支持部材
72 回転工具モーター
74 回転軸
76 研磨ヘッド
80 ローカル測位システム
82 ビデオカメラ
84 制御可能なパン・チルト機構、パン・チルトユニット
86 三脚
88 LPSコンピューター
89 ビデオ/制御ケーブル
90 ゲームパッドインターフェース
91 貯蔵容器
92 無線UAVコントローラー
93 電子制御バルブ
94 ポンプ
96 管
98 ノズル