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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】データ収集装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20240305BHJP
   H04L 61/5038 20220101ALI20240305BHJP
【FI】
H04L12/28 400
H04L61/5038
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020106005
(22)【出願日】2020-06-19
(65)【公開番号】P2022000939
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100098305
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 祥人
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】匂坂 広志
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 輝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 達也
(72)【発明者】
【氏名】津守 良一
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-152741(JP,A)
【文献】特開2006-020162(JP,A)
【文献】特開2001-222788(JP,A)
【文献】特開平06-291766(JP,A)
【文献】特開2017-135709(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0222829(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-12/66,13/00,41/00-49/9057,61/00-65/80,69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を測定する第1のセンサが接続されかつ前記第1のセンサにより測定された物理量を取得する第1の機能ユニットと、
前記第1の機能ユニットにより取得された物理量を収集するマスタユニットと、
前記マスタユニットにケーブルを介して接続されるとともに、前記第1の機能ユニットが直列に接続され、前記直列に接続された第1の機能ユニットにより取得された物理量を前記マスタユニットに転送する複数のリモートユニットとを備え、
前記マスタユニットは、
前記複数のリモートユニットへ前記ケーブルを通して電力を供給する電力供給部と、
非起動状態にある前記複数のリモートユニットへ前記電力供給部から前記ケーブルを通して電力を供給することにより前記複数のリモートユニットを起動させ、前記複数のリモートユニットの起動順序に基づいて前記複数のリモートユニットの接続構成を認識する接続認識部と、
前記複数のリモートユニットの各々に前記接続構成における電気的な接続位置を特定可能な識別子を付与する識別子付与部とを含む、データ収集装置。
【請求項2】
前記複数のリモートユニットの各々は、
前記マスタユニットからの電力供給に加えて、外部電源からの電力供給を受けることが可能に構成された電源部を備え、
前記電源部は、前記接続認識部による前記複数のリモートユニットの接続構成の認識時に、前記マスタユニットから供給される電力を前記外部電源から供給される電力よりも優先的に当該リモートユニットの起動に用いる、請求項1記載のデータ収集装置。
【請求項3】
前記マスタユニットは、前記ケーブルを介して前記複数のリモートユニットが直列に接続されることが可能に構成された、請求項1または2記載のデータ収集装置。
【請求項4】
前記マスタユニットは、第1および第2のリモートポートを有し、
前記第1および第2のリモートポートの各々は、前記ケーブルを介して前記複数のリモートユニットが接続されることが可能に構成された、請求項1~3のいずれか一項に記載のデータ収集装置。
【請求項5】
前記マスタユニットは、前記接続認識部により認識された前記複数のリモートユニットの接続構成を示すデータを出力する出力部をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のデータ収集装置。
【請求項6】
前記接続認識部は、前記複数のリモートユニットに接続される前記第1の機能ユニットの接続構成を認識するとともに、前記第1の機能ユニットの種類に関する情報を機種情報として取得し、
前記出力部は、前記第1の機能ユニットの接続構成、および前記第1の機能ユニットの機種情報を示すデータをさらに出力する、請求項5記載のデータ収集装置。
【請求項7】
前記マスタユニットは、物理量を測定する第2のセンサが接続されかつ前記第2のセンサにより測定された物理量を取得する第2の機能ユニットの直列接続が可能に構成され、
前記マスタユニットは、前記第2の機能ユニットにより取得された物理量を収集する、請求項1~6のいずれか一項に記載のデータ収集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量に関するデータを収集するデータ収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車、住居または工場等に設けられる動作部(アクチュエータまたは温度調整器等)を制御するため、あるいは動作部の状態を監視するために、動作部に関する複数の物理量を収集するデータ収集装置が用いられる。
【0003】
特許文献1には、データ収集装置の一例として、複数の計測ユニット、複数のCAN(Controller Area Network)ユニット、および表示装置を含む通信モニタシステムが記載されている。複数の計測ユニットの各々は、センサにより検出された物理量のデータを、当該計測ユニットが備えるデータ出力バッファ内に格納する。また、複数のCANユニットの各々は、CANバスを介して複数のECU(Electric Control Unit)間で伝送されるデータを当該CANユニットが備えるデータ出力バッファ内に格納する。ここで、複数の計測ユニットおよび複数のCANユニットの各々を機能ユニットと総称する。
【0004】
表示装置は、マスタユニットとして用いられ、複数の機能ユニットのデータ出力バッファに格納された複数のデータを読み出し、読み出された複数のデータを表示画面に表示する。このとき、読み出された複数のデータは、機能ユニットごとに同一画面上に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-254045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の複数の機能ユニットは、マスタユニットの一側面からその一側面が向く方向に順次並ぶように連結されている。このように、複数の機能ユニットがマスタユニットの一側方に順に並ぶように連結された構成は、ビルディングブロックタイプと呼ばれる。ビルディングブロックタイプのデータ収集装置は、マスタユニットに連結される複数の機能ユニットの機種および数を適宜変更することが可能である。したがって、マスタユニットに連結される複数の機能ユニットの組み換えも可能である。
【0007】
ところで、互いに離間した複数の測定位置で上記のデータ収集装置を用いて複数の物理量のデータを収集する場合には、各測定位置の近傍にマスタユニットおよび機能ユニットを設置することが望ましい。それにより、例えばセンサと機能ユニットとをつなぐ配線の設置作業が容易になり、その配線に要するコストも低減することができる。
【0008】
複数のマスタユニットおよび複数の機能ユニットにより収集された複数の物理量を識別するためには、複数のマスタユニットおよび複数の機能ユニットの電気的な接続位置を正確に把握する必要がある。したがって、使用者は、複数のマスタユニットおよび複数の機能ユニットの各々について、他のユニットから区別するための識別子を予め設定しなければならない。
【0009】
しかしながら、このような識別子の設定作業は、マスタユニットおよび機能ユニットの数が増加するにつれて煩雑になる。また、複数のマスタユニットおよび複数の機能ユニットのうちの一部のユニットが他のユニットと組み替えられること等により複数のユニット間の電気的な接続位置の関係に変化が生じると、収集される複数の物理量を識別するために、使用者は識別子の設定作業を再度行う必要がある。
【0010】
本発明の目的は、煩雑な設置作業および設定作業を要することなく、機能ユニットから収集される複数の物理量を正確に識別することを可能にするデータ収集装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明に係るデータ収集装置は、物理量を測定する第1のセンサが接続されかつ第1のセンサにより測定された物理量を取得する第1の機能ユニットと、第1の機能ユニットにより取得された物理量を収集するマスタユニットと、マスタユニットにケーブルを介して接続されるとともに、第1の機能ユニットが直列に接続され、直列に接続された第1の機能ユニットにより取得された物理量をマスタユニットに転送する複数のリモートユニットとを備え、マスタユニットは、複数のリモートユニットへケーブルを通して電力を供給する電力供給部と、非起動状態にある複数のリモートユニットへ電力供給部からケーブルを通して電力を供給することにより複数のリモートユニットを起動させ、複数のリモートユニットの起動順序に基づいて複数のリモートユニットの接続構成を認識する接続認識部と、複数のリモートユニットの各々に接続構成における電気的な接続位置を特定可能な識別子を付与する識別子付与部とを含む。
【0012】
そのデータ収集装置においては、マスタユニットにケーブルを介して複数のリモートユニットが接続される。複数のリモートユニットの各々には、第1の機能ユニットが直列に接続される。各リモートユニットは、当該リモートユニットに接続された第1の機能ユニットにより取得された物理量をマスタユニットに転送する。マスタユニットにおいては、第1の機能ユニットにより取得された物理量が収集される。この場合、複数の位置で物理量の測定を行いたい場合に、複数の位置に複数のリモートユニットをそれぞれ配置することにより、第1の機能ユニットと第1のセンサとの間の距離を短くすることができる。したがって、第1のセンサと第1の機能ユニットとをつなぐ配線の設置作業が容易になる。また、複数の位置にそれぞれ複数のマスタユニットを設ける必要がない。
【0013】
マスタユニットに収集される複数の物理量を識別するためには、マスタユニットとリモートユニットとの接続構成を把握する必要がある。上記のデータ収集装置においては、非起動状態にある複数のリモートユニットにマスタユニットから電力が供給される。複数のリモートユニットは、マスタユニットに例えばデイジーチェーン接続されている。この場合、マスタユニットから出力される電力は、接続の順で複数のリモートユニットに供給される。それにより、複数のリモートユニットが、マスタユニットからの接続の順で起動する。複数のリモートユニットの起動順序に基づいて複数のリモートユニットの接続構成が認識される。複数のリモートユニットの各々には、認識された接続構成における電気的な接続位置を特定可能な識別子が付与される。それにより、マスタユニットと複数のリモートユニットとの接続構成についての自動的かつ正確な設定が可能になる。
【0014】
これらの結果、煩雑な設置作業および設定作業を要することなく、第1の機能ユニットから収集される複数の物理量を正確に識別することが可能になる。
【0015】
(2)複数のリモートユニットの各々は、マスタユニットからの電力供給に加えて、外部電源からの電力供給を受けることが可能に構成された電源部を備え、電源部は、接続認識部による複数のリモートユニットの接続構成の認識時に、マスタユニットから供給される電力を外部電源から供給される電力よりも優先的に当該リモートユニットの起動に用いてもよい。
【0016】
この場合、複数のリモートユニットの接続構成の認識時に、外部電源から供給される電力がリモートユニットの起動に用いられない。したがって、複数のリモートユニットが、マスタユニットからの接続の順とは異なる順で起動することが防止される。その結果、複数のリモートユニットの接続構成が正確に認識される。
【0017】
(3)マスタユニットは、ケーブルを介して複数のリモートユニットが直列に接続されることが可能に構成されてもよい。この場合、直列に接続された複数のリモートユニットは、接続認識部による複数のリモートユニットの接続構成の認識時に、マスタユニットに対する接続の順に起動する。
【0018】
(4)マスタユニットは、第1および第2のリモートポートを有し、第1および第2のリモートポートの各々は、ケーブルを介して複数のリモートユニットが接続されることが可能に構成されてもよい。
【0019】
この場合、データ収集装置における複数のリモートユニットおよび第1の機能ユニットのレイアウトの自由度が向上する。
【0020】
(5)マスタユニットは、接続認識部により認識された複数のリモートユニットの接続構成を示すデータを出力する出力部をさらに備えてもよい。
【0021】
この場合、使用者は、マスタユニットから出力されたデータに基づいて、複数のリモートユニットの接続構成を容易に把握することができる。
【0022】
(6)接続認識部は、複数のリモートユニットに接続される第1の機能ユニットの接続構成を認識するとともに、第1の機能ユニットの種類に関する情報を機種情報として取得し、出力部は、第1の機能ユニットの接続構成、および第1の機能ユニットの機種情報を示すデータをさらに出力してもよい。
【0023】
この場合、使用者は、マスタユニットから出力されたデータに基づいて、第1の機能ユニットについてのより多くの情報を容易に把握することができる。
【0024】
(7)マスタユニットは、物理量を測定する第2のセンサが接続されかつ第2のセンサにより測定された物理量を取得する第2の機能ユニットの直列接続が可能に構成され、マスタユニットは、第2の機能ユニットにより取得された物理量を収集してもよい。
【0025】
この場合、より多くの物理量を収集することが可能になる。また、物理量を収集する第2の機能ユニットをマスタユニットに接続することができるので、物理量を取得するためのユニットのレイアウトの自由度が向上する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、煩雑な設置作業および設定作業を要することなく、機能ユニットから収集される複数の物理量を正確に識別することが可能なデータ収集装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施の形態に係るデータ収集装置の構成を示すブロック図である。
図2図1のマスタユニットの構成の詳細を示すブロック図である。
図3図1のリモートユニットの構成の詳細を示すブロック図である。
図4図1の機能ユニットの構成の詳細を示すブロック図である。
図5図1のマスタユニット、機能ユニットおよびバッテリユニットの外観斜視図である。
図6図1のリモートユニットおよび機能ユニットの外観斜視図である。
図7図5および図6のマスタユニット、リモートユニットおよび機能ユニットの具体的な接続の一例を示す図である。
図8】マスタユニットにおいて認識されたデータ収集装置の接続構成の一表示例を示す図である。
図9】ユニットグループの詳細を示す表示例である。
図10】マスタユニットにおいて認識されたデータ収集装置の接続構成の他の表示例を示す図である。
図11】マスタユニットにおいて認識されたデータ収集装置の接続構成のさらに他の表示例を示す図である。
図12】機能アイコンの表示形態の変形例を示す図である。
図13】第1の認識処理のフローチャートである。
図14】第2の認識処理のフローチャートである。
図15】第2の認識処理のフローチャートである。
図16】第3の認識処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[1]データ収集装置の基本構成
図1は、本発明の一実施の形態に係るデータ収集装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態に係るデータ収集装置1は、主として一のマスタユニット2、複数のリモートユニット3および複数の機能ユニット4a,4bを含む。
【0029】
マスタユニット2には、ケーブルCAを介して複数のリモートユニット3がデイジーチェーン接続される。図1では、マスタユニット2と2つのリモートユニット3とが2本のケーブルCAによりデイジーチェーン接続され、マスタユニット2と他の2つのリモートユニット3とが2本のケーブルCAによりデイジーチェーン接続されている。ここで、マスタユニット2とリモートユニット3とを接続するケーブルCAは、パワーオーバーイーサネット(登録商標)規格に従う汎用的なネットワークケーブルである。さらに、本実施の形態においてケーブルCAとして用いられるネットワークケーブルは、マスタユニット2とリモートユニット3との間で、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコル等の汎用プロトコルに準拠するデータ通信が可能に構成される。あるいは、本実施の形態においてケーブルCAとして用いられるネットワークケーブルは、マスタユニット2とリモートユニット3との間で、イーサネット(登録商標)/IP(Ethernet/Internet Protocol)またはEtherCAT(登録商標)等のサイクリック通信を有するプロトコルに準拠するデータ通信が可能に構成される。
【0030】
マスタユニット2および複数のリモートユニット3の各々は、機能ユニット4a,4bを直接的に接続可能に構成されている。具体的には、マスタユニット2は、一または複数の機能ユニット4aを、いわゆるビルディングブロックタイプで直列接続可能に構成されている。マスタユニット2と機能ユニット4aとの間の接続は、マスタユニット2と当該マスタユニット2に接続される機能ユニット4aとの間で各種データのバス通信が可能となるように構成されている。また、複数のリモートユニット3の各々は、一または複数の機能ユニット4bを、いわゆるビルディングブロックタイプで直列接続可能に構成されている。リモートユニット3と機能ユニット4bとの間の接続は、リモートユニット3と当該リモートユニット3に接続される機能ユニット4bとの間で各種データのバス通信が可能となるように構成されている。これらの接続の詳細は後述する。
【0031】
一または複数の機能ユニット4a,4bの各々には、温度、電圧、速度、加速度または歪等の物理量を測定するセンサssが接続されている。各機能ユニット4a,4bは、センサssにより測定された物理量を取得する。
【0032】
マスタユニット2に接続された機能ユニット4aにおいて取得された物理量は、マスタユニット2により収集される。一方、リモートユニット3に接続された機能ユニット4bにおいて取得された物理量は、リモートユニット3によりマスタユニット2に転送された後、マスタユニット2により収集される。このように、マスタユニット2は、全ての機能ユニット4a,4bにより取得された複数の物理量を収集する。
【0033】
マスタユニット2は、リモートユニット3および機能ユニット4aの他、バッテリユニット11、外部電源12、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)13、PC(パーソナルコンピュータ)15および記録媒体17と接続可能に構成されている。
【0034】
外部電源12は、交流電源である。この場合、外部電源12とマスタユニット2との間には、図示しないACアダプタが設けられる。バッテリユニット11は、バッテリを含み、例えばバックアップ電源として機能する。これにより、マスタユニット2は、外部電源12またはバッテリユニット11から供給される電力により動作する。なお、本例のマスタユニット2は、バッテリユニット11および外部電源12に加えて、図示しない他の外部電源をさらに接続可能に構成される。外部電源12が交流電源である場合に、他の外部電源は直流電源である。
【0035】
また、マスタユニット2は、外部電源12、バッテリユニット11または図示しない他の外部電源のいずれかから電力の供給を受ける場合に、供給された電力の一部を、ケーブルCAを介して複数のリモートユニット3に供給可能に構成される。マスタユニット2の構成の詳細については後述する。
【0036】
PLC13は、マスタユニット2において収集される複数の物理量に基づいて、データ収集装置1の動作を制御するため、または、データ収集装置1の外部機器の動作を制御するために用いられる。したがって、PLC13とマスタユニット2との間では、データ収集装置1の動作を制御するための制御信号、および、複数の機能ユニット4a,4bから収集された複数の物理量に関する各種信号の授受が行われる。
【0037】
本実施の形態においては、PC15は、例えばCPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)およびRAM(ランダムアクセスメモリ)を含む。PC15には、表示装置14とともに図示しない操作装置が接続されている。表示装置14は、LCD(液晶ディスプレイ)パネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルにより構成される。操作装置は、キーボードおよびポインティングデバイスを含み、使用者により操作可能に構成される。
【0038】
PC15のCPUは、例えばマスタユニット2から与えられる各種情報に基づいて、データ収集装置1における複数の構成要素間の接続構成を示す画像を表示装置14に表示させる。また、PC15のCPUは、使用者による図示しない操作装置の操作に応答して、所定の指令信号をマスタユニット2に与える。本実施の形態においては、データ収集装置1における複数の構成要素間の接続構成とは、主としてマスタユニット2、複数のリモートユニット3および一または複数の機能ユニット4a,4bの物理的な配置構成である。ここでいう物理的な配置構成は、いわゆるトポロジ構成である。
【0039】
記録媒体17は、例えばSD(セキュアデジタル)カードまたはUSB(ユニバーサルシリアルバス)メモリ等の記録媒体であり、マスタユニット2に対して着脱可能かつ携帯可能に構成されている。記録媒体17には、後述する第1および第2の認識処理に関する各種データが記憶される。
【0040】
マスタユニット2は、さらに無線LAN(ローカルエリアネットワーク)ユニット16と無線通信可能に構成されている。無線LANユニット16とマスタユニット2との間では、複数の機能ユニット4a,4bから収集された複数の物理量に関する各種信号の授受が行われる。
【0041】
リモートユニット3は、マスタユニット2および機能ユニット4bの他、外部電源18を接続可能に構成されている。外部電源18は、交流電源である。この場合、外部電源18とリモートユニット3との間には、図示しないACアダプタが設けられる。これにより、リモートユニット3は、マスタユニット2または外部電源18から供給される電力により動作する。また、リモートユニット3は、マスタユニット2または外部電源18のいずれかから電力の供給を受ける場合に、供給された電力の一部を、当該リモートユニット3に連結された機能ユニット4bに供給可能に構成される。リモートユニット3および機能ユニット4bの構成の詳細については後述する。
【0042】
図1の例において、マスタユニット2には、機能ユニット4aを介してさらに表示設定ユニット19が接続されている。表示設定ユニット19は、LCDパネルまたは有機ELパネル等からなる表示部と、表示部を制御する表示制御部と、各種ボタンまたはタッチパネル等からなる操作部とを含み、マスタユニット2および機能ユニット4aの各々に接続可能に構成される。表示設定ユニット19においては、表示制御部は、例えばマスタユニット2から与えられる各種情報に基づいて、データ収集装置1における複数の構成要素間の接続構成を示す画像を表示部に表示させる。
【0043】
[2]マスタユニット2の構成の詳細
図2は、図1のマスタユニット2の構成の詳細を示すブロック図である。図2に示すように、マスタユニット2は、筐体20内にマスタ制御部21、マスタ電源回路22、電源供給制御部23、リモート用インターフェイス24、機能ユニット用インターフェイス25、外部装置用インターフェイス26および記憶部27が収容された構成を有する。
【0044】
マスタ電源回路22は、筐体20の外部に露出する3個の電源接続部pc1,pc2,pc3を有する。電源接続部pc1は外部電源12を接続可能に構成され、電源接続部pc2はバッテリユニット11を接続可能に構成され、電源接続部pc3は図示しない直流電源を接続可能に構成されている。マスタ電源回路22は、電源接続部pc1~pc3から供給される電力を、図2に白抜きの矢印a1,a2で示すように、マスタ制御部21および電源供給制御部23に供給する。マスタ電源回路22には、マスタ制御部21および電源供給制御部23に対する電力の供給源を3個の電源接続部pc1~pc3の間で選択的に切り替える切替回路が設けられている。
【0045】
電源供給制御部23は、図2に白抜きの矢印a3で示すように、マスタ電源回路22から供給される電力をリモート用インターフェイス24および機能ユニット用インターフェイス25に選択的に供給することが可能である。図2では、筐体20の内部における電力の供給経路が太い実線で示される。
【0046】
リモート用インターフェイス24は、筐体20の外部に露出する複数(本例では2個)のリモートポートdp1,dp2を有する。リモートポートdp1,dp2の各々は、ケーブルCAを介して複数のリモートユニット3をデイジーチェーン接続可能に構成されている。これにより、リモート用インターフェイス24は、図2に白抜きの矢印a4で示すように、電源供給制御部23から供給される電力をリモートポートdp1,dp2に接続されたリモートユニット3にそれぞれ供給する。また、リモート用インターフェイス24は、各リモートポートdp1,dp2に接続されたリモートユニット3とマスタ制御部21との間で各種信号の伝送を行う。なお、リモートポートdp1,dp2は、汎用的なネットワークケーブルであるケーブルCAに対応する汎用的なコネクタで構成されてもよいが、電力供給を安定して行うために、マスタユニット2の形状に適合する専用的なコネクタで構成されてもよい。
【0047】
機能ユニット用インターフェイス25は、筐体20の外部に露出する一の機能接続部fc1を有する。機能接続部fc1は、機能ユニット4aを直接的に接続することが可能に構成されている。機能ユニット4aが接続された状態で、機能ユニット用インターフェイス25は、図2に白抜きの矢印a5で示すように、電源供給制御部23から供給される電力を当該機能ユニット4aに供給する。また、機能ユニット用インターフェイス25は、接続された機能ユニット4aとマスタ制御部21との間で各種信号の伝送を行う。
【0048】
外部装置用インターフェイス26は、筐体20の外部に露出する複数の外部装置用接続部ecを有する。本例の複数の外部装置用接続部ecは、図1のPLC13、PC15および記録媒体17にそれぞれ対応する3以上の接続部を含む。これにより、外部装置用インターフェイス26は、複数の外部装置用接続部ecに接続された図1のPLC13、PC15および記録媒体17とマスタ制御部21との間で各種信号の伝送を行う。また、外部装置用インターフェイス26には、図1の無線LANユニット16と無線通信可能な通信装置が設けられている。これにより、外部装置用インターフェイス26は、無線LANユニット16とマスタ制御部21との間でさらに各種信号の伝送を行う。
【0049】
記憶部27は、例えば不揮発性メモリまたはハードディスク等の記録媒体により構成され、マスタ認識プログラムが記憶される。マスタ認識プログラムは、マスタ制御部21が後述する第1および第2の認識処理を実行するためのプログラムである。また、記憶部27には、第1および第2の認識処理に関する各種データおよび複数の機能ユニット4a,4bにより測定された物理量等が記憶される。
【0050】
マスタ制御部21は、例えばCPUおよびメモリにより構成され、マスタユニット2の各部の動作を制御する。また、マスタ制御部21は、マスタユニット2に接続される電子機器(本例では、リモートユニット3、機能ユニット4a,4bおよびPC15等)との間で各種信号の授受を行う。
【0051】
本実施の形態に係るマスタ制御部21は、機能部として、マスタ認識部21a、マスタ識別子付与部21bおよび出力部21cを含む。マスタ制御部21の機能部は、例えばマスタ制御部21のCPUが記憶部27に記憶されたマスタ認識プログラムを実行することにより実現される。なお、マスタ制御部21の機能部の一部または全部が電子回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0052】
ここで、マスタユニット2、複数のリモートユニット3および複数の機能ユニット4a,4bの電気的な接続状態が確定されかつマスタユニット2に接続された全てのリモートユニット3および全ての機能ユニット4a,4bが非起動状態にあるものとする。この状態で、マスタ認識部21aは、マスタ電源回路22および電源供給制御部23を制御することにより、非起動状態にある複数のリモートユニット3へケーブルCAを通して電力を供給する。それにより、マスタ認識部21aは、複数のリモートユニット3を起動させる。
【0053】
このとき、各リモートポートdp1,dp2にデイジーチェーン接続された複数のリモートユニット3には、接続の順、すなわちマスタユニット2から遠ざかる順に従って電力が順次供給される。それにより、複数のリモートユニット3は、マスタユニット2に対する接続の順に起動する。そこで、マスタ認識部21aは、リモートポート毎に、当該リモートポートに接続された複数のリモートユニット3の起動順序に基づいて、それらのリモートユニット3の接続構成を認識する。マスタ認識部21aが複数のリモートユニット3の接続構成をそれぞれ認識すると、マスタ識別子付与部21bは、複数のリモートユニット3の各々に、認識された接続構成における電気的な接続位置を特定可能な識別子を付与する。マスタ識別子付与部21bにより各リモートユニット3に付与された識別子は、複数のリモートユニット3の接続構成を示す情報としてさらに記憶部27に記憶される。
【0054】
さらに、マスタ認識部21aは、当該マスタユニット2に直接的に接続された一または複数の機能ユニット4aに電力を供給する。それにより、一または複数の機能ユニット4aが起動する。
【0055】
一または複数の機能ユニット4aが起動すると、マスタユニット2と各機能ユニット4aとの間で各種データのバス通信が行われる。それにより、マスタ認識部21aは、一または複数の機能ユニット4aの接続構成を認識する。マスタ認識部21aが一または複数の機能ユニット4aの接続構成をそれぞれ認識すると、マスタ識別子付与部21bは、一または複数の機能ユニット4aの各々に、認識された接続構成における電気的な接続位置を特定可能な識別子を付与する。マスタ識別子付与部21bにより各機能ユニット4aに付与された識別子は、一または複数の機能ユニット4aの接続構成を示す情報としてさらに記憶部27に記憶される。
【0056】
本実施の形態においては、マスタ認識部21aは、複数のリモートユニット3および一または複数の機能ユニット4aの接続構成に加えて、各リモートユニット3に接続された全ての機能ユニット4bの接続構成も認識する。このとき、全ての機能ユニット4bの各々には、リモートユニット3および機能ユニット4aと同様に、当該機能ユニット4bの電気的な接続位置を特定可能な識別子が付与される。それにより、各機能ユニット4bに付与された識別子は、一または複数の機能ユニット4bの接続構成を示す情報としてさらに記憶部27に記憶される。
【0057】
出力部21cは、記憶部27に記憶された複数のリモートユニット3および複数の機能ユニット4a,4bの識別子を含む情報を機能ユニット用インターフェイス25または外部装置用インターフェイス26から出力する。それにより、図1の表示装置14または表示設定ユニット19に複数のリモートユニット3および複数の機能ユニット4a,4bの接続構成が表示される。
【0058】
[3]リモートユニット3の構成の詳細
図3は、図1のリモートユニット3の構成の詳細を示すブロック図である。図3に示すように、リモートユニット3は、筐体30内にリモート制御部31、リモート電源回路32、電源供給制御部33、リモート用インターフェイス34、機能ユニット用インターフェイス35、外部装置用インターフェイス36および記憶部37が収容された構成を有する。
【0059】
リモート電源回路32は、筐体30の外部に露出する1個の電源接続部pc4を有する。電源接続部pc4は外部電源18を接続可能に構成されている。また、リモート電源回路32は、外部電源18から電源接続部pc4に供給される電力を受けることが可能であるとともに、後述するようにリモート用インターフェイス34を介してリモートユニット3の外部から供給される電力を受けることが可能に構成されている。このような構成により、リモート電源回路32は、電源接続部pc4またはリモート用インターフェイス34から供給される電力を、図3に白抜きの矢印a6,a7で示すように、リモート制御部31および電源供給制御部33に供給する。
【0060】
さらに、リモート電源回路32は、リモート制御部31および電源供給制御部33に対する電力の供給源を電源接続部pc4とリモート用インターフェイス34との間で選択的に切り替える。例えば、リモート電源回路32は、リモートユニット3が非起動状態にあるときに、リモートユニット3の外部からリモート用インターフェイス34に供給される電力を外部電源18から供給される電力よりも優先的にリモート制御部31に供給する。それにより、リモートユニット3が起動状態に移行する。
【0061】
より具体的には、リモート電源回路32は、例えば電源用制御部と切替回路とを含む。電源用制御部は、例えばCPUおよびメモリからなる。そのメモリには、マスタユニット2の起動状態を切り替えるためのスイッチングプログラムが記憶されている。CPUがメモリに記憶されたスイッチングプログラムを実行することにより、電源用制御部は、起動スイッチとして機能する。
【0062】
この場合、起動スイッチは、マスタユニット2からリモート用インターフェイス34に供給される電力(電流供給または電圧供給)の立ち上がりに応答してオン状態となる。切替回路は、起動スイッチがオンされたときにリモートユニット3の外部からリモート用インターフェイス34に供給される電力を優先的にリモート制御部31に供給する。また、切替回路は、起動スイッチがオンされることによりリモートユニット3が起動状態に移行した後、リモート制御部31からの制御に基づいて、リモート制御部31および電源供給制御部33に対する電力の供給源を切り替える。このような構成により、非起動状態にあるリモートユニット3は、マスタユニット2からの電力供給が開始されない限り起動状態に移行しない。
【0063】
なお、上記の例では、リモート電源回路32における起動スイッチはソフトウェアにより実現されるが、起動スイッチは、その一部または全部が電子回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0064】
以下の説明では、リモート制御部31および電源供給制御部33に対する電力の供給源が電源接続部pc4であるときのリモート電源回路32の状態を外部電源状態と呼ぶ。一方、リモート制御部31および電源供給制御部33に対する電力の供給源がリモート用インターフェイス34であるときのリモート電源回路32の状態をリモート電源状態と呼ぶ。リモート電源回路32の状態は、上記のようにリモート制御部31により制御される。
【0065】
電源供給制御部33は、図3に白抜きの矢印a8で示すように、リモート電源回路32から供給される電力をリモート用インターフェイス34および機能ユニット用インターフェイス35に選択的に供給することが可能である。図3では、筐体30の内部における電力の供給経路が太い実線で示される。
【0066】
リモート用インターフェイス34は、筐体30の外部に露出するインポートdp3およびアウトポートdp4を有する。インポートdp3は、ケーブルCAを介してマスタユニット2または他のリモートユニット3を接続可能に構成されている。アウトポートdp4は、ケーブルCAを介して他のリモートユニット3を接続可能に構成されている。このような構成により、例えば、一のリモートユニット3のインポートdp3に他のリモートユニット3が接続され、一のリモートユニット3のアウトポートdp4にさらに他のリモートユニット3が接続される。それにより、複数のリモートユニット3のデイジーチェーン接続が実現される。なお、インポートdp3およびアウトポートdp4は、汎用的なネットワークケーブルであるケーブルCAに対応する汎用的なコネクタで構成されてもよいが、電力供給を安定して行うために、リモートユニット3の形状に適合する専用的なコネクタで構成されてもよい。
【0067】
インポートdp3に他のユニットが接続された状態で、リモート用インターフェイス34は、図3にハッチングの矢印a11で示すように、他のユニットからインポートdp3に供給される電力を受けることが可能に構成されている。他のユニットは、マスタユニット2または他のリモートユニット3である。リモート用インターフェイス34は、図3にハッチングの矢印a12で示すように、他のユニットから受けた電力をリモート電源回路32に供給する。さらに、リモート用インターフェイス34は、インポートdp3に接続された他のユニットとリモート制御部31との間で各種信号の伝送を行う。
【0068】
一方、アウトポートdp4に他のリモートユニット3が接続された状態で、リモート用インターフェイス34は、図3に白抜きの矢印a9で示すように、電源供給制御部33から供給される電力を他のリモートユニット3に供給する。さらに、リモート用インターフェイス34は、アウトポートdp4に接続された他のユニットとリモート制御部31との間で各種信号の伝送を行う。
【0069】
機能ユニット用インターフェイス35は、筐体30の外部に露出する一の機能接続部fc2を有する。機能接続部fc2は、機能ユニット4bを直接的に接続することが可能に構成されている。機能ユニット4bが接続された状態で、機能ユニット用インターフェイス35は、図3に白抜きの矢印a10で示すように、電源供給制御部33から供給される電力を当該機能ユニット4bに供給する。また、機能ユニット用インターフェイス35は、接続された機能ユニット4bとリモート制御部31との間で各種信号の伝送を行う。
【0070】
外部装置用インターフェイス36は、筐体30の外部に露出する外部装置用接続部ec1を有する。外部装置用接続部ec1は、図1の表示設定ユニット19を接続可能に構成される。これにより、リモートユニット3には、表示設定ユニット19を接続することも可能である。
【0071】
記憶部37は、例えば不揮発性メモリまたはハードディスク等の記録媒体により構成され、リモート認識プログラムが記憶される。リモート認識プログラムは、リモート制御部31が後述する第3の認識処理を実行するためのプログラムである。また、記憶部37には、例えば第3の認識処理に関する各種データが記憶される。
【0072】
リモート制御部31は、例えばCPUおよびメモリにより構成され、リモートユニット3の各部の動作を制御する。また、リモート制御部31は、リモートユニット3に接続される電子機器(本例では、マスタユニット2および機能ユニット4b等)との間で各種信号の授受を行う。
【0073】
本実施の形態に係るリモート制御部31は、機能部として、リモート認識部31a、リモート識別子付与部31bおよび出力部31cを含む。リモート制御部31の機能部は、例えばリモート制御部31のCPUが記憶部37に記憶されたリモート認識プログラムを実行することにより実現される。なお、リモート制御部31の機能部の一部または全部が電子回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0074】
ここで、マスタユニット2、複数のリモートユニット3および複数の機能ユニット4a,4bの電気的な接続状態が確定されかつマスタユニット2に接続された全てのリモートユニット3および全ての機能ユニット4a,4bが非起動状態にあるものとする。この状態で、リモート認識部31aは、マスタユニット2から電力が供給されることにより起動状態に移行する。その後、リモート認識部31aは、マスタユニット2から当該リモートユニット3についての識別子を受けると、受けた識別子を記憶部37に記憶させる。
【0075】
また、リモート認識部31aは、アウトポートdp4から外部への電力供給を開始すべき指令をマスタユニット2から受けると、アウトポートdp4から外部への電力供給を開始する。これにより、一のリモートユニット3から次のリモートユニット3への電力供給が行われ、リモートユニット3の接続構成の認識が行われる。
【0076】
さらに、リモート認識部31aは、機能ユニット4bへの電力供給を許可する旨の信号をマスタユニット2から受けると、当該リモートユニット3に直接的に接続された一または複数の機能ユニット4bに電力を供給する。それにより、一または複数の機能ユニット4bが起動する。
【0077】
一または複数の機能ユニット4bが起動すると、リモートユニット3と各機能ユニット4bとの間で各種データのバス通信が行われる。それにより、リモート認識部31aは、一または複数の機能ユニット4bの接続構成を認識する。
【0078】
ここで、リモート認識部31aは、機能ユニット4bへの電力供給の許可を受けた場合、リモートユニット3に外部電源18が接続されているか否かに応じてリモート電源回路32の状態を切り替える制御も行う。具体的には、リモート認識部31aは、機能ユニット4bへの電力供給の許可を受けた時点で、リモートユニット3に外部電源18が接続されている場合、リモート電源回路32を外部電源状態に移行させる。一方、リモート認識部31aは、リモートユニット3に外部電源18が接続されていない場合、リモート電源回路32をリモート電源状態に移行させる。これにより、リモートユニット3から機能ユニット4bに供給可能な電力量を増大させることができる。したがって、リモートユニット3に接続される機能ユニット4bについて、消費電力の制限が緩和される。
【0079】
リモート認識部31aが一または複数の機能ユニット4bの接続構成を認識すると、リモート識別子付与部31bは、各機能ユニット4bに、認識された接続構成における電気的な接続位置を特定可能な識別子を付与する。リモート識別子付与部31bにより各機能ユニット4bに付与された識別子は、一または複数の機能ユニット4bの接続構成を示す情報として記憶部37に記憶される。
【0080】
リモート認識部31aの処理はマスタユニット2のマスタ認識部21aにより行われてもよく、リモート識別子付与部31bの処理はマスタユニット2のマスタ識別子付与部21bにより行われてもよい。
【0081】
出力部31cは、記憶部37に記憶された一または複数の機能ユニット4bの接続構成と、当該接続構成の画像を表示すべき指令信号を機能ユニット用インターフェイス35または外部装置用インターフェイス36から出力する。
【0082】
[4]機能ユニット4a,4bの構成の詳細
図1の複数の機能ユニット4a,4bは、基本的に同じ構成および動作を有する。そこで、複数の機能ユニット4a,4bを代表して、一の機能ユニット4bの構成について詳細を説明する。図4は、図1の機能ユニット4bの構成の詳細を示すブロック図である。図4に示すように、機能ユニット4bは、筐体40内に機能制御部41、機能電源回路42、機能ユニット用インターフェイス43、信号制御部44、信号処理部45、外部装置用インターフェイス46および記憶部47が収容された構成を有する。
【0083】
機能ユニット用インターフェイス43は、筐体40の外部に露出する機能接続部fc3,fc4を有する。機能接続部fc3は他の機能ユニット4bまたはリモートユニット3を接続可能に構成されている。機能接続部fc4は、さらに他の機能ユニット4bを接続可能に構成されている。
【0084】
機能接続部fc3に他のユニットが接続された状態で、機能ユニット用インターフェイス43は、図4にハッチングの矢印a21で示すように、他のユニットから機能接続部fc3に供給される電力を受けることが可能に構成されている。このとき、機能ユニット用インターフェイス43は、図4にハッチングの矢印a22で示すように、他のユニットから受けた電力の少なくとも一部を機能電源回路42に供給する。また、機能接続部fc3に他のユニットが接続されかつ機能接続部fc4にさらに他の機能ユニット4bが接続された状態で、機能ユニット用インターフェイス43は、図4に白抜きの矢印a31で示すように、他のユニットから受けた電力の残りを機能電源回路42に選択的に供給する。また、機能ユニット用インターフェイス43は、接続された機能ユニット4bと機能制御部41との間で各種信号の伝送を行う。
【0085】
機能電源回路42は、図4に白抜きの矢印a32,a33,a34で示すように、機能ユニット用インターフェイス43から供給される電力を機能制御部41、信号制御部44および信号処理部45に供給する。図4では、筐体40の内部における電力の供給経路が太い実線で示される。
【0086】
信号処理部45は、筐体40の外部に露出する複数(本例では4個)のセンサ接続部scを有する。各センサ接続部scは、当該機能ユニット4bにおいて予め定められた物理量を測定するセンサssを接続可能に構成されている。また、信号処理部45は、アナログデジタル変換回路および信号処理回路等をさらに備える。アナログデジタル変換回路は、センサssから入力されるアナログ形式の信号をデジタル形式の信号に変換する。また、信号処理回路は、センサssから出力される信号に所定の処理を行う。信号処理部45において形式が変換されかつ所定の処理が施されたセンサssからの出力信号は、機能制御部41に与えられる。
【0087】
信号処理部45における信号処理は、測定対象となる物理量およびセンサssの種類等に応じて予め設定された処理条件に基づいて、信号制御部44により制御される。
【0088】
外部装置用インターフェイス46は、筐体40の外部に露出する外部装置用接続部ec2を有する。外部装置用接続部ec2は、図1の表示設定ユニット19を接続可能に構成される。
【0089】
記憶部47は、例えば不揮発性メモリまたはハードディスク等の記録媒体により構成され、機能プログラムが記憶される。機能プログラムは、機能制御部41がマスタユニット2およびリモートユニット3から受ける信号に応答する処理およびセンサssにより測定された物理量を取得する処理を行うためのプログラムである。また、記憶部47には、例えばセンサssにより測定された物理量および後述する第3の認識処理により当該機能ユニット4bに割り当てられた識別子が記憶される。
【0090】
ここで、データ収集装置1に用いることができる機能ユニット4bには、取得可能な物理量の種類およびデータの収集方法等が互いに異なる複数種類の機種が存在するものとする。記憶部47には、上記の物理量および識別子の他、工場出荷時に予め当該機能ユニット4bの機種が記憶される。
【0091】
機能ユニット4bの機種としては、例えば温度を測定する温度測定ユニット、高い周波数でアナログ信号のサンプリングが可能な高速アナログ測定ユニット、高い電圧を測定するための高電圧測定ユニット、歪を測定する歪測定ユニットがある。さらに、機能ユニット4bの機種としては、上記の例の他、例えば回転速度および周波数を測定する周波数測定ユニット、および加速度を測定する加速度測定ユニット、CAN(コントローラ エリア ネットワーク)データを用いた測定を行うCANデータ測定ユニットがある。
【0092】
機能制御部41は、例えばCPUおよびメモリにより構成され、機能ユニット4bの各部の動作を制御する。また、機能制御部41は、機能ユニット4bに接続されるリモートユニット3および他の機能ユニット4bとの間で各種信号の授受を行う。さらに、機能制御部41は、機能部として、機能応答部41aおよび取得部41bを含む。機能制御部41の機能部は、例えば機能制御部41のCPUが記憶部47に記憶された機能プログラムを実行することにより実現される。なお、機能制御部41の機能部の一部または全部が電子回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0093】
ここで、マスタユニット2、複数のリモートユニット3および複数の機能ユニット4a,4bの電気的な接続状態が確定されかつマスタユニット2に接続された全てのリモートユニット3および全ての機能ユニット4a,4bが非起動状態にあるものとする。
【0094】
この状態で、機能ユニット4bは、上記のようにリモートユニット3から電力供給を受けることにより起動状態となる。その後、機能応答部41aは、リモートユニット3のリモート識別子付与部31bから識別子が与えられると、当該識別子を記憶部47に記憶させる。また、機能応答部41aは、記憶された識別子を、当該機能ユニット4bに関する詳細な情報とともにマスタユニット2のマスタ認識部21aに送信する。機能ユニット4bに関する詳細な情報には、機能ユニット4bの機種、消費電力、チャンネル数およびポート数等が含まれる。この場合、マスタユニット2においては、機能ユニット4bから送信される識別子が機能ユニット4bの接続構成を示す情報として記憶部27に記憶される。また、機能ユニット4bに関する詳細な情報が、識別子に関連付けられた状態で機種情報として記憶部27に記憶される。
【0095】
一方、取得部41bは、機能ユニット4bが起動状態にありかつマスタユニット2から物理量の測定を開始することが指令されたときに、一または複数のセンサssから出力されて信号処理部45で処理された物理量のデータを所定のサンプリング周期で取得してゆく。また、取得部41bは、取得した物理量のデータを記憶部47に記憶させるとともに、マスタユニット2に送信する。
【0096】
なお、図1の機能ユニット4aにおいては、機能接続部fc3に他の機能ユニット4aまたはマスタユニット2が接続され、機能接続部fc4にさらに他の機能ユニット4aが接続される。また、機能ユニット4aは、マスタユニット2から電力が供給されることにより動作し、マスタユニット2のマスタ識別子付与部21bから識別子が与えられる。さらに、機能ユニット4aの機能応答部41aは、識別子が与えられると、当該識別子を記憶部47に記憶させるとともに、機能ユニット4aに関する詳細な情報をマスタユニット2のマスタ認識部21aに送信する。マスタユニット2においては、機能ユニット4bの例と同様に、機能ユニット4aから送信される詳細な情報が、識別子に関連付けられた状態で機種情報として記憶部27に記憶される。
【0097】
[5]各種ユニットの外観と複数のユニット間の接続の具体例
図1のマスタユニット2、リモートユニット3、機能ユニット4a,4bおよびバッテリユニット11の外観およびそれらの複数のユニット間の接続の具体例について説明する。図5は、図1のマスタユニット2、機能ユニット4aおよびバッテリユニット11の外観斜視図である。
【0098】
図5に示すように、マスタユニット2の筐体20は、上面、下面、一側面20a、他側面20b、前面20cおよび背面を含む略箱形状を有する。筐体20の前面20cには、マスタユニット2の電源状態のオン/オフを切り替える電源スイッチSWがマスタユニット2の前方を向くように設けられている。また、前面20cには、図2の電源接続部pc1,pc3、複数の外部装置用接続部ecおよび複数のリモートポートdp1,dp2がマスタユニット2の前方を向くように設けられている。
【0099】
筐体20の一側面20aには、図2の電源接続部pc2が設けられている(図5では図示せず)。図5の例では、マスタユニット2の一側方にバッテリユニット11が配置されている。バッテリユニット11は、マスタユニット2の電源接続部pc2に対応するバッテリ端子11aを有する。図5に一点鎖線の白抜き矢印a41で示すように、バッテリ端子11aが電源接続部pc2に接続されることにより、バッテリユニット11がマスタユニット2の一側面20aに連結される。
【0100】
筐体20の他側面20bには、図2の機能接続部fc1が設けられている。図5の例では、マスタユニット2の他側方に間隔をおいて2個の機能ユニット4aが配置されている。機能ユニット4aは、箱形の筐体40を有する。筐体40の互いに対向する一側面および他側面には、図3の機能接続部fc3,fc4がそれぞれ設けられている。
【0101】
図5に一点鎖線の白抜き矢印a42で示すように、一方の機能ユニット4aの機能接続部fc3がマスタユニット2の機能接続部fc1に接続されることにより、一方の機能ユニット4aがマスタユニット2の他側面20bに連結される。さらに、図5に一点鎖線の白抜き矢印a43で示すように、他方の機能ユニット4aの機能接続部fc3が一方の機能ユニット4aの機能接続部fc4に接続されることにより、他方の機能ユニット4aが一方の機能ユニット4aの他側面に連結される。他方の機能ユニット4aの他側面には、さらに他の機能ユニット4aを連結することができる。このように、マスタユニット2には、マスタユニット2の他側面から順に並ぶように、一または複数の機能ユニット4aをビルディングブロックタイプで直列に接続することができる。なお、マスタユニット2は、ケーブルCAを介して複数の機能ユニット4aをデイジーチェーン接続可能に構成されてもよい。また、マスタユニット2には、機能ユニット4aが接続されなくてもよい。
【0102】
図6は、図1のリモートユニット3および機能ユニット4bの外観斜視図である。図6に示すように、リモートユニット3の筐体30は、上面、下面、一側面、他側面30a、前面30bおよび背面を含む略箱形状を有する。筐体30の前面30bには、図3の電源接続部pc4、インポートdp3およびアウトポートdp4がリモートユニット3の前方を向くように設けられている。
【0103】
筐体30の他側面30aには、図3の機能接続部fc2が設けられている。図6の例では、リモートユニット3の他側方に間隔をおいて2個の機能ユニット4bが配置されている。上記のように、機能ユニット4a,4bは、基本的に同じ構成を有する。図6に一点鎖線の白抜き矢印a51で示すように、一方の機能ユニット4bの機能接続部fc3がリモートユニット3の機能接続部fc2に接続されることにより、一方の機能ユニット4bがリモートユニット3の他側面30aに連結される。さらに、図6に一点鎖線の白抜き矢印a52で示すように、他方の機能ユニット4bの機能接続部fc3が一方の機能ユニット4bの機能接続部fc4に接続されることにより、他方の機能ユニット4bが一方の機能ユニット4bの他側面に連結される。他方の機能ユニット4bの他側面には、さらに他の機能ユニット4bを連結することができる。このように、リモートユニット3には、図5のマスタユニット2の例と同様に、一または複数の機能ユニット4bをビルディングブロックタイプで直列に接続することができる。
【0104】
図7は、図5および図6のマスタユニット2、リモートユニット3および機能ユニット4a,4bの具体的な接続の一例を示す図である。図7の例では、マスタユニット2の一方のリモートポートdp1にケーブルCAを介して2個のリモートユニット3がデイジーチェーン接続されている。また、マスタユニット2の他方のリモートポートdp2にケーブルCAを介して3個のリモートユニット3がデイジーチェーン接続されている。さらに、マスタユニット2の外部装置用接続部ecにケーブルCALを介してPC15が接続されている。ケーブルCALは、例えば汎用的なLANケーブルである。マスタユニット2および5個のリモートユニット3の各々には、1~3個の機能ユニット4a,4bがビルディングブロックタイプで直列に接続されている。
【0105】
このような構成により、マスタユニット2と複数のリモートユニット3とをつなぐケーブルCAの長さを調整することにより、所望数の所望機種の機能ユニット4a,4bを互いに離間した複数の位置に容易に配置することができる。
【0106】
[6]マスタユニット2において認識される接続構成の表示例
図8は、マスタユニット2において認識されたデータ収集装置1の接続構成の一表示例を示す図である。上記のように、マスタユニット2において認識された接続構成は、例えば図1の表示装置14に表示される。
【0107】
図8の例では、表示装置14の表示画面90上に、リモート表示領域91、操作領域92および接続構成表示領域93が設定されている。リモート表示領域91は、表示画面90の一側部において上下方向(縦方向)に延びるように帯状に設定されている。操作領域92は、リモート表示領域91の上端部から右方向(横方向)に延びるように帯状に設定されている。接続構成表示領域93は、操作領域92の下方の広い範囲に渡って設定されている。
【0108】
リモート表示領域91には、マスタユニット2を示すマスタアイコン910が表示される。また、リモート表示領域91には、マスタユニット2の一方のリモートポートdp1に接続されたリモートユニット3を示すリモートアイコン911が表示される。さらに、リモート表示領域91には、マスタユニット2の他方のリモートポートdp1に接続されたリモートユニット3を示すリモートアイコン912が表示される。
【0109】
図8に示されるマスタアイコン910は、白抜きの矩形枠内にマスタユニット2を示す文字列(本例では、「MASTER」)が表記された態様を有する。一方、図8に示される複数のリモートアイコン911の各々は、ハッチングが付された矩形枠内に、対応するリモートユニット3がリモートポートdp1に対して何番目に接続されているのかを示す文字列(本例では、「A1 REMOTE」~「A5 REMOTE」)が表記された態様を有する。他方、図8に示される複数のリモートアイコン912の各々は、ドットパターンが付された矩形枠内に、対応するリモートユニット3がリモートポートdp2に対して何番目に接続されているのかを示す文字列(本例では、「B1 REMOTE」~「B3 REMOTE」)が表記された態様を有する。
【0110】
これにより、使用者は、リモート表示領域91を視認することにより、マスタユニット2および複数のリモートユニット3の接続構成を容易かつ直感的に把握することができる。
【0111】
なお、図8の例において、マスタアイコン910およびリモートアイコン911,912の矩形枠は、内部領域に互いに異なるパターンが付される代わりに、互いに異なる色で表示されてもよい。あるいは、マスタアイコン910およびリモートアイコン911,912の矩形枠は、共通の態様で表示されてもよい。
【0112】
操作領域92には、設定ボタン921およびグループボタン922が表示される。設定ボタン921は、例えば、使用者がPC15に接続された操作装置を用いて接続構成に関する設定を行う場合および各機能ユニット4a,4bについての詳細な設定を行う場合等に使用される。
【0113】
本実施の形態においては、マスタユニット2により認識された複数のユニットは、マスタユニット2またはリモートユニット3ごとにグループ化される。それにより、ユニットグループは、マスタユニット2およびリモートユニット3のうちいずれか一のユニットと、当該一のユニットにビルディングブロックタイプで接続された一または複数の機能ユニット4a,4bとで構成される。グループボタン922は、グループ化により生成された一または複数のユニットグループのいずれか一のユニットグループの詳細を表示画面90上に表示させるために用いられる(後述する図9参照)。
【0114】
接続構成表示領域93には、マスタユニット2において認識された接続構成を示す模式的構成図ILが表示される。模式的構成図ILには、マスタユニット2およびリモートユニット3をそれぞれ簡易的に表すマスタアイコンimおよびリモートアイコンirが含まれる。また、模式的構成図ILには、機能ユニット4a,4bを簡易的に表す機能アイコンifが含まれるとともに、ケーブルCAを示す太線が含まれる。
【0115】
この図8の模式的構成図ILによれば、使用者は、一方のリモートポートdp1に5個のリモートユニット3がデイジーチェーン接続され、他方のリモートポートdp2に3個のリモートユニット3がデイジーチェーン接続されていることを容易に把握することができる。また、使用者は、マスタユニット2に3個の機能ユニット4aが接続され、各リモートユニット3に1個または2個の機能ユニット4bが接続されていることを容易に把握することができる。
【0116】
ここで、接続構成表示領域93には、模式的構成図ILの他に、使用者が上記のグループ化により生成されたユニットグループの名称を入力するためのグループ名入力枠931が表示される。使用者は、例えばPC15に接続された操作装置を用いてグループ名入力枠931内に所望のグループ名を入力することができる。
【0117】
図8の例においては、複数のグループ名入力枠931は、接続構成表示領域93内で上下方向に並ぶように配置されている。さらに、模式的構成図ILにおいては、各グループ名入力枠931に対応するユニットグループに属するユニットのアイコンが、当該グループ名入力枠931から右方に並ぶように配置されている。
【0118】
模式的構成図ILに含まれる機能アイコンifにおいては、白抜きの矩形枠内に、当該機能アイコンifにより表される機能ユニット4a,4bの機種を示す文字列が表記されている。例えば、図8の模式的構成図ILの最上段には、マスタアイコンimの右方に3個の機能アイコンifが並んでいる。これらの3個の機能アイコンifの矩形枠内には、それぞれ「温度」、「アナログ」および「高電圧」の文字列が表記されている。この場合、「温度」を含む機能アイコンifは、温度測定ユニットを表す。また、「アナログ」を含む機能アイコンifは、高速アナログ測定ユニットを表す。さらに、「高電圧」を含む機能アイコンifは、高電圧測定ユニットを表す。
【0119】
これにより、使用者は、接続構成表示領域93の模式的構成図ILを視認することにより、データ収集装置1に含まれる一または複数の機能ユニット4a,4bの各々の機種を容易かつ直感的に把握することができる。
【0120】
なお、接続構成表示領域93においては、図8に一点鎖線で示すように、複数のユニットグループのうちいずれか一のユニットグループを指定するためのグループ枠が表示される。使用者は、例えばPC15に接続された操作装置を用いてグループ枠を操作することにより、所望のユニットグループを指定することができる。一のユニットグループが指定された状態でグループボタン922が操作されることにより、指定されたユニットグループの詳細が表示画面90上に表示される。
【0121】
図9は、ユニットグループの詳細を示す表示例である。例えば、図8の最上段のユニットグループが指定された状態でグループボタン922が操作される。この場合、図9に示すように、操作領域92には、指定されたユニットグループを示す文字列が表示されるとともに設定ボタン921が表示される。また、接続構成表示領域93には、指定されたユニットグループに属するマスタユニット2および3個の機能ユニット4aのそれぞれの前面を表す拡大画像IM1~IM4が、実際のユニットグループ内の接続の順に従って表示される。
【0122】
各機能ユニット4aの拡大画像IM2~IM3の近傍には、当該機能ユニット4aの詳細を示す情報が表示される。具体的には、各機能ユニット4aの拡大画像IM2~IM3の近傍には、当該機能ユニット4aの機種名、当該機能ユニット4aの消費電力および当該機能ユニット4aにおいて使用可能なセンサssのチャンネル数等が表示される。これにより、使用者は、図8の表示画面90において所望のユニットグループを指定することにより、指定したユニットグループについての詳細を容易に把握することができる。
【0123】
上記のような各機能ユニット4aの詳細を示す情報は、機能ユニット4aの識別子とともに記憶部27に記憶された機種情報に基づいて表示される。より具体的には、上記のように、例えば一の機能ユニット4aに識別子が付与される際には、一の機能ユニット4aからマスタユニット2に機種情報が送信されることにより、マスタユニット2の記憶部27に一の機能ユニット4aの機種情報が当該機能ユニット4aの識別子に関連付けられた状態で記憶される。ユニットグループの詳細が表示される際には、マスタユニット2の出力部21cが、記憶部27に記憶された機種情報を、対応する機能ユニット4aの識別子とともにPC15に出力する。それにより、PC15は、マスタユニット2の出力部21cから与えられる機種情報に基づいて図9に示すような各機能ユニット4aの詳細を示す情報の表示を行う。
【0124】
上記のように、図9の例では、マスタユニット2を含むユニットグループの詳細が表示される。一方、図8の表示例においてリモートユニット3を含むユニットグループが指定される場合、指定されたユニットグループに属するリモートユニット3および機能ユニット4bの前面を表す拡大画像が、実際のユニットグループ内の接続の順に従って表示画面90上に表示される。
【0125】
この場合においても、各機能ユニット4bの拡大画像の近傍には、当該機能ユニット4bの詳細を示す情報が表示される。具体的には、当該機能ユニット4bの機種名、当該機能ユニット4bの消費電力および当該機能ユニット4bにおいて使用可能なセンサssのチャンネル数等が表示される。
【0126】
各機能ユニット4bの詳細を示す情報は、図9の機能ユニット4aの表示例と同様に、機能ユニット4bの識別子とともに記憶部27に記憶された機種情報に基づいて表示される。より具体的には、リモートユニット3を含むユニットグループの詳細が表示される際には、マスタユニット2の出力部21cが、記憶部27に記憶された機種情報を、対応する機能ユニット4bの識別子とともにPC15に出力する。それにより、PC15は、マスタユニット2の出力部21cから与えられる機種情報に基づいて機能ユニット4bの詳細を示す情報の表示を行う。
【0127】
図10はマスタユニット2において認識されたデータ収集装置1の接続構成の他の表示例を示す図であり、図11はマスタユニット2において認識されたデータ収集装置1の接続構成のさらに他の表示例を示す図である。
【0128】
図10の表示例によれば、使用者は、マスタユニット2の一方のリモートポートdp1に8個のリモートユニット3がデイジーチェーン接続され、他方のリモートポートdp2にリモートユニット3が接続されていないことを容易に把握することができる。また、図10の表示例によれば、使用者は、8個のリモートユニット3の各々に1個または2個の機能ユニット4bが接続されていること、およびマスタユニット2に機能ユニット4aが接続されていないことを容易に把握することができる。さらに、使用者は、各リモートユニット3に接続されている機能ユニット4bの機種を容易に把握することができる。
【0129】
一方、図11の表示例によれば、使用者は、マスタユニット2にリモートユニット3が接続されておらず、マスタユニット2に3個の機能ユニット4aが接続されていることを容易に把握することができる。さらに、使用者は、マスタユニット2に接続されている3個の機能ユニット4aの機種を容易に把握することができる。
【0130】
模式的構成図ILを構成する機能アイコンifは、以下に示す表示態様を有してもよい。図12は、機能アイコンifの表示形態の変形例を示す図である。図12の機能アイコンifにおいては、白抜きの矩形枠内に、当該機能アイコンifにより表される機能ユニット4aの機種を示す文字列に加えて、機能ユニット4aが有するチャンネル数および機能ユニット4aの消費電力を示す文字列が表記されている。この場合、使用者は、模式的構成図ILを視認することにより各機能ユニット4aの機種情報を把握することができる。
【0131】
[7]第1の認識処理
データ収集装置1においては、例えば、マスタユニット2に接続された全てのリモートユニット3および機能ユニット4a,4bが起動していない状態で、図5の電源スイッチSWが操作されてマスタユニット2の電源状態がオフからオンに切り替えられる。図2のマスタ制御部21のCPUは、電源状態の切り替えに応答して、記憶部27に記憶されたマスタ認識プログラムを実行する。それにより、第1の認識処理が開始される。第1の認識処理は、主としてマスタユニット2に接続された複数のリモートユニット3の接続構成を認識するための処理である。
【0132】
図13は、第1の認識処理のフローチャートである。図13に示すように、第1の認識処理が開始されると、マスタ認識部21aは、リモートポートの番号を表す変数m(mは自然数)を1とし(ステップS101)、図2の電源供給制御部23を制御することにより複数のリモートポートdp1,dp2のうちm番目のリモートポート(以下、リモートポートmと呼ぶ。)から外部への電力供給を開始する(ステップS102)。リモートポートmにリモートユニット3が接続されている場合には、ステップS102の処理により、当該リモートユニット3が起動する。
【0133】
次に、マスタ認識部21aは、当該リモートポートmにリモートユニット3が接続されているか否かを判定する(ステップS103)。この判定は、マスタ認識部21aがリモートポートmから所定の信号を出力した後、マスタ認識部21aがその出力信号に対する応答信号を受けたか否かに基づいて行われる。所定の信号は、マスタユニット2と他の装置とのリンク状態を判定するためのリンク信号である。
【0134】
具体的には、リモートポートmにリモートユニット3が接続されている場合、当該リモートユニット3は起動状態にあるので、マスタユニット2からリンク信号を受けた場合に、マスタユニット2に応答信号を出力する。それにより、マスタ認識部21aは、リモートポートmから応答信号を受けた場合に、リモートポートmにリモートユニット3が接続されていると判定する。一方、リモートポートmにリモートユニット3が接続されていない場合、マスタユニット2に応答信号は入力されない。したがって、リンク信号の出力後一定時間以上応答信号を受けない場合に、マスタ認識部21aは、リモートポートmにリモートユニット3が接続されていないと判定する。
【0135】
なお、ステップS103においてリモートユニット3が接続されているか否かを判定する方法は、上記のリンク信号を用いた方法に限定されない。リモートユニット3が接続されているか否かを判定する方法としては、例えば起動状態にある2つの電子機器間で互いの通信状態を確認するための他の一般的な方法が用いられてもよい。
【0136】
ステップS103において、リモートポートmにリモートユニット3が接続されている場合、図2のマスタ識別子付与部21bは、リモートポートmからの接続の順を表す変数n(nは自然数)を1とし(ステップS104)、接続が確認されたリモートユニット3に識別子mを付与する(ステップS105)。この場合、リモートユニット3においては、付与された識別子mが、記憶部37に記憶される。識別子mによれば、マスタユニット2のリモートポートmに、n番目に接続されているという接続位置の特定が可能となる。
【0137】
次に、マスタ認識部21aは、直前のステップS105またはステップS109で識別子mが付与されたリモートユニット3にアウトポートdp4から外部への電力供給を開始すべき指令を与える(ステップS106)。このとき、後述する第3の認識処理により、電力供給指令を受けたリモートユニット3は、アウトポートdp4から外部への電力供給を開始する。それにより、当該リモートユニット3に他のリモートユニット3が接続されている場合には、ステップS106の処理により、他のリモートユニット3が起動する。
【0138】
次に、マスタ認識部21aは、識別子mが付与されたリモートユニット3に他のリモートユニット3がさらに接続されているか否かを判定する(ステップS107)。この判定は、マスタ認識部21aがリモートポートmを通して識別子mのリモートユニット3からリンク信号を出力した後、マスタ認識部21aが他のリモートユニット3からの応答信号を受けたか否かに基づいて行われる。
【0139】
ステップS107において、他のリモートユニット3が接続されている場合、図2のマスタ識別子付与部21bは、変数nの値を1大きくし(ステップS108)、接続が確認された他のリモートユニット3に識別子mを付与する(ステップS109)。この場合、他のリモートユニット3においては、新たに付与された識別子mが、記憶部37に記憶される。
【0140】
本実施の形態に係るデータ収集装置1においては、マスタユニット2に接続可能なリモートユニット3の数は、予め定められた規定数に制限されている。そこで、マスタ認識部21aは、接続が確認されたリモートユニット3の総数が規定数に到達しているか否かを判定する(ステップS110)。規定数は、例えば8である。なお、規定数は、2、3または10等の8以外の数であってもよい。
【0141】
ステップS110において、接続が確認されたリモートユニット3の数が規定数に到達している場合、マスタ認識部21aは第1の認識処理を終了する。一方、リモートユニット3の数が規定数に到達していない場合、マスタ認識部21aは、ステップS106の処理に戻る。
【0142】
上記のステップS103においてリモートポートmにリモートユニット3が接続されていない場合、マスタ認識部21aは、後述するステップS111の処理に進む。
【0143】
ステップS107において識別子mが付与されたリモートユニット3に他のリモートユニット3が接続されていない場合、マスタ認識部21aは、変数mの値を1大きくする(ステップS111)。また、マスタ認識部21aは、変数mの値が固定値Mであるか否かを判定する(ステップS112)。ここで、固定値Mは、マスタユニット2に設けられるリモートポートdp1,dp2の個数に1を加算した値であり、図2の例では3である。
【0144】
ステップS112において変数mの値が固定値Mに等しい場合、マスタ認識部21aは、第1の認識処理を終了する。一方、ステップS112において変数mの値が固定値Mに一致しない場合、マスタ認識部21aは、ステップS102の処理に戻る。
【0145】
第1の認識処理においては、一のリモートポートに複数のリモートユニット3がデイジーチェーン接続されている場合に、ステップS102,S106の処理により複数のリモートユニット3に順次電力が供給され、複数のリモートユニット3が接続の順に起動する。このとき、マスタ認識部21aは、ステップS103,S107の処理により、起動の順に従って複数のリモートユニット3の接続の有無を判定する。このことは、マスタ認識部21aが各リモートポートdp1,dp2に接続された複数のリモートユニット3の起動順序に基づいてそれらのリモートユニット3の接続構成を認識することを意味する。
【0146】
また、マスタ識別子付与部21bは、ステップS106,S109の処理により、リモートユニット3の接続の有無の判定結果に基づいて各リモートユニット3の電気的な接続位置を示す識別子mを当該リモートユニット3に付与する。このことは、マスタ識別子付与部21bが複数のリモートユニット3の各々にデータ収集装置1の接続構成における電気的な接続位置を特定可能な識別子を付与することを意味する。
【0147】
第1の認識処理においては、マスタ認識部21aは、マスタ識別子付与部21bにより複数のリモートユニット3にそれぞれ付与された複数の識別子mを複数のリモートユニット3の接続構成として図2の記憶部27に記憶させる。
【0148】
なお、上記の第1の認識処理では、マスタ識別子付与部21bは、リモートユニット3の接続が判定されるごとに確認されたリモートユニット3に識別子mを付与するが、マスタ識別子付与部21bがリモートユニット3に識別子mを付与するタイミングは、上記の例に限定されない。例えば、マスタ識別子付与部21bは、全てのリモートユニット3についての接続が確認された後、全てのリモートユニット3に対してそれぞれ対応する複数の識別子mを同時に付与してもよい。
【0149】
[8]第2の認識処理
マスタ制御部21のCPUがマスタ認識プログラムを実行すると、第1の認識処理の終了後に第2の認識処理が開始される。第2の認識処理は、主としてマスタユニット2および複数のリモートユニット3にそれぞれ接続された一または複数の機能ユニット4a,4bの接続構成を認識するための処理である。
【0150】
図14および図15は、第2の認識処理のフローチャートである。図14に示すように、第2の認識処理が開始されると、マスタ認識部21aは、図2の電源供給制御部23を制御することにより機能ユニット用インターフェイス25の機能接続部fc1から外部への電力供給を開始する(ステップS200)。
【0151】
次に、マスタ識別子付与部21bは、マスタユニット2の機能接続部fc1(図2)に接続された一または複数の機能ユニット4aに識別子を付与する(ステップS201)。この場合、識別子が付与された機能ユニット4aは、識別子の付与に応答して、当該機能ユニット4aの機種情報をマスタユニット2のマスタ認識部21aに与える。それにより、マスタ認識部21aは、機能接続部fc1に接続された一または複数の機能ユニット4aから機種情報を受信する(ステップS202)。ここで、一または複数の機能ユニット4aに付与される識別子は、マスタユニット2に対して何番目に接続されているか(電気的な接続位置)が特定できるように生成される。
【0152】
上記のステップS201の処理は、具体的には、マスタユニット2と各機能ユニット4aとの間のバス通信によりマスタ認識部21aが機能ユニット4aの接続構成を認識し、認識された接続構成を示す識別子をマスタ識別子付与部21bが当該機能ユニット4aに付与することにより行われる。なお、ステップS201において機能ユニット4aに識別子を付与する方法は、例えばPC15から使用者により入力された情報に基づいてマスタ識別子付与部21bが各機能ユニット4aに識別子を付与する方法であってもよい。
【0153】
あるいは、マスタユニット2に対して機能ユニット4aが上記のケーブルCAを用いてデージーチェーン接続される場合には、ステップS202において機能ユニット4aに識別子を付与する方法は、第1の認識処理のステップS102~S109の処理と基本的に同じであってもよい。すなわち、マスタ認識部21aおよびマスタ識別子付与部21bは、マスタユニット2に接続される一または複数の機能ユニット4aに順次電力供給を行いつつ各機能ユニット4aに識別子を付与してもよい。マスタユニット2に機能ユニット4aが接続されていない場合、ステップS202の処理は省略される。
【0154】
本実施の形態に係るデータ収集装置1においては、マスタユニット2に対する機能ユニット4aの接続状態について、予め定められた条件(以下、第1の接続条件と呼ぶ。)を満たすべきことが規定されている。第1の接続条件は、例えば、マスタユニット2にビルディングブロックタイプで接続される機能ユニット4aの数が所定数以下でありかつそれらの機能ユニット4aの消費電力の合計が所定値以下であることである。そこで、マスタ認識部21aは、マスタユニット2に対する機能ユニット4aの接続状態が第1の接続条件を満たすか否かを判定する(ステップS203)。この判定は、ステップS202で機能ユニット4aに付与される識別子と、識別子が付与された機能ユニット4aからマスタユニット2に与えられる機種情報とに基づいて行われる。
【0155】
ステップS203において、マスタユニット2に対する機能ユニット4aの接続状態が第1の接続条件を満たさない場合、マスタ認識部21aは、後述するステップS220の処理に進む。一方、マスタユニット2に対する機能ユニット4aの接続状態が第1の接続条件を満たす場合、マスタ認識部21aは、マスタユニット2に接続されたリモートユニット3が存在するか否かを判定する(ステップS204)。この判定は、例えば、記憶部27に少なくとも1つのリモートユニット3の識別子mが記憶されているか否かに基づいて行われる。
【0156】
マスタユニット2に接続されたリモートユニット3が存在しない場合、マスタ認識部21aは、後述するステップS211の処理に進む。一方、マスタユニット2に接続されたリモートユニット3が存在する場合、マスタ認識部21aは、一または複数のリモートユニット3のうち一のリモートユニット3に、機能ユニット4bへの電力供給を許可する(ステップS205)。
【0157】
一のリモートユニット3においては、機能ユニット4bへの電力供給の許可を受けると、後述する第3の認識処理により、接続された機能ユニット4bに対する識別子の付与が行われる。識別子が付与された機能ユニット4bは、付与された識別子を当該機能ユニット4bの機種情報とともにマスタユニット2に送信する。これにより、上記のステップS205の処理後、マスタ認識部21aは、一のリモートユニット3に接続された機能ユニット4bから識別子および当該機能ユニット4bの機種情報を受信する(ステップS206)。
【0158】
本実施の形態に係るデータ収集装置1においては、一のリモートユニット3に対する機能ユニット4bの接続状態について、予め定められた条件(以下、第2の接続条件と呼ぶ。)を満たすべきことが規定されている。第2の接続条件は、例えば、一のリモートユニット3にビルディングブロックタイプで接続される機能ユニット4bの数が所定数以下でありかつそれらの機能ユニット4bの消費電力の合計が所定値以下であることである。そこで、マスタ認識部21aは、ステップS206で受信した各種情報に基づいて、一のリモートユニット3に対する機能ユニット4bの接続状態が第2の接続条件を満たすか否かを判定する(ステップS207)。
【0159】
ステップS207において、機能ユニット4bの接続状態が第2の接続条件を満たさない場合、マスタ認識部21aは、後述するステップS220の処理に進む。一方、機能ユニット4bの接続状態が第2の接続条件を満たす場合、マスタ認識部21aは、マスタユニット2に接続された全てのリモートユニット3に機能ユニット4bへの電力供給を許可したか否かを判定する(ステップS208)。
【0160】
全てのリモートユニット3に機能ユニット4bへの電力供給を許可していない場合、マスタ認識部21aは、残りのリモートユニット3から新たに一のリモートユニット3を選択し(ステップS209)、ステップS205の処理に戻る。それにより、新たに選択された一のリモートユニット3について、ステップS205~S207の処理が行われる。
【0161】
本実施の形態に係るデータ収集装置1においては、データ収集装置1を構成する全てのユニットついて、予め定められた条件(以下、第3の接続条件と呼ぶ。)を満たすべきことが規定されている。ここでいう全てのユニットとは、データ収集装置1を構成するマスタユニット2、全てのリモートユニット3および全ての機能ユニット4a,4bである。第3の接続条件は、例えば、全てのユニットの数が所定数以下でありかつそれらのユニットの消費電力の合計が所定値以下であることである。そこで、ステップS208において全てのリモートユニット3に機能ユニット4bへの電力供給を許可していた場合、マスタ認識部21aは、全てのユニットの接続状態が第3の接続条件を満たすか否かを判定する(ステップS210)。
【0162】
ステップS210において、全てのユニットの接続状態が第3の接続条件を満たさない場合、マスタ認識部21aは、現在の接続構成に問題がある旨の信号をマスタユニット2の外部に出力し(ステップS220)、第2の認識処理を終了する。この場合、図1の表示装置14または表示設定ユニット19においては、現在の接続構成に問題がある旨の画像が表示される。
【0163】
ステップS210において、全てのユニットの接続状態が第3の接続条件を満たす場合、マスタ認識部21aは、全ての機能ユニット4a,4bに対して物理量の測定の開始を指令する(ステップS211)。また、出力部21cは、全てのリモートユニット3の識別子および全ての機能ユニット4a,4bの識別子を接続構成としてマスタユニット2の外部に出力し(ステップS212)、第2の認識処理を終了する。これにより、図1の表示装置14または表示設定ユニット19においては、データ収集装置1の各ユニットの電気的な接続位置が識別可能となるように、データ収集装置1の接続構成が表示される(図8等参照)。
【0164】
[9]第3の認識処理
各リモートユニット3は、図3のリモート電源回路32の機能により、マスタ認識部21aによる図13のステップS102またはステップS106の処理で電力供給を受けることにより起動する。図3のリモート制御部31のCPUは、非起動状態から起動状態への切り替えとともに、記憶部37に記憶されたリモート認識プログラムを実行する。それにより、第3の認識処理が開始される。第3の認識処理は、主としてリモートユニット3に接続された一または複数の機能ユニット4bの接続構成を認識するための処理である。
【0165】
図16は、第3の認識処理のフローチャートである。図16に示すように、第3の認識処理が開始されると、リモート認識部31aは、マスタユニット2から識別子mが付与されたか否かを判定する(ステップS401)。ここでリモート認識部31aに付与される識別子mは、マスタ認識部21aによる図13のステップS105またはステップS109の処理によりマスタ識別子付与部21bから与えられる識別子mである。
【0166】
識別子mが付与されない場合、リモート認識部31aは、ステップS401の処理を繰り返す。識別子mが付与されると、リモート認識部31aは、付与された識別子mを自己に割り当てられた識別子として記憶部37に記憶させる(ステップS402)。
【0167】
次に、リモート認識部31aは、アウトポートdp4から外部への電力供給を開始すべき指令を受けたか否かを判定する(ステップS403)。この指令は、図13のステップS106の処理によりマスタ認識部21aから与えられる指令である。指令がない場合、リモート認識部31aは、ステップS403の処理を繰り返す。指令があると、リモート認識部31aは、電源供給制御部33を制御することによりアウトポートdp4を外部への電力供給が可能な状態に移行させる(ステップS404)。
【0168】
次に、リモート認識部31aは、マスタユニット2から機能ユニット4bへの電力供給の許可があったか否かを判定する(ステップS405)。ここで判定対象となる許可は、マスタ認識部21aによる図14のステップS205の処理によりマスタ認識部21aから与えられる許可である。許可がない場合、リモート認識部31aは、ステップS405の処理を繰り返す。許可があると、リモート認識部31aは、当該リモートユニット3の図3のリモート電源回路32に外部電源18が接続されているか否かを判定する(ステップS406)。
【0169】
上記のように、本例のリモート電源回路32は、起動時にマスタユニット2からの電力を外部電源18の電力よりも優先して用いるように構成されている。そのため、第3の認識処理においては、処理が開始された後ステップS406の処理が行われるまでの間、リモート電源回路32はリモート電源状態で維持されている。
【0170】
ここで、上記のステップS406においてリモートユニット3に外部電源18が接続されている場合、リモート認識部31aは、リモート電源回路32を外部電源状態へ移行させ(ステップS407)、後続のステップS408の処理に進む。一方、リモートユニット3に外部電源18が接続されていない場合、リモート認識部31aは、リモート電源回路32をリモート電源状態に維持する。
【0171】
次に、リモート認識部31aは、電源供給制御部33を制御することにより当該リモートユニット3に接続された機能ユニット4bへの電力供給を開始する(ステップS408)。
【0172】
次に、リモート識別子付与部31bは、リモートユニット3の機能接続部fc2(図3)に接続された一または複数の機能ユニット4bに識別子を付与する(ステップS409)。この場合、識別子が付与された機能ユニット4bは、識別子の付与に応答して、当該機能ユニット4bの機種情報をマスタユニット2に与える。ここで、一または複数の機能ユニット4bに付与される識別子は、識別子mが付されたリモートユニット3に対して何番目に接続されているか(電気的な接続位置)が特定できるように生成される。ステップS409の処理後、リモート認識部31aは、第3の認識処理を終了する。
【0173】
上記のステップS409の処理は、具体的には、リモートユニット3と各機能ユニット4bとの間のバス通信によりリモート認識部31aが機能ユニット4bの接続構成を認識し、認識された接続構成を示す識別子をリモート識別子付与部31bが当該機能ユニット4bに付与することにより行われる。なお、ステップS409において機能ユニット4bに識別子を付与する方法は、例えばPC15から使用者により入力された情報に基づいてリモート識別子付与部31bが各機能ユニット4bに識別子を付与する方法であってもよい。
【0174】
あるいは、リモートユニット3に対して機能ユニット4bが上記のケーブルCAを用いてデージーチェーン接続される場合には、ステップS409において機能ユニット4bに識別子を付与する方法は、第1の認識処理のステップS102~S109の処理と基本的に同じであってもよい。すなわち、リモート認識部31aおよびリモート識別子付与部31bは、リモートユニット3に接続される一または複数の機能ユニット4bに順次電力供給を行いつつ各機能ユニット4bに識別子を付与してもよい。リモートユニット3に機能ユニット4bが接続されていない場合、ステップS409の処理は省略される。
【0175】
第3の認識処理の処理の一部(例えばステップS408,S409の処理)は、リモート認識部31aおよびリモート識別子付与部31bに代えて、マスタ認識部21aおよびマスタ識別子付与部21bによって行われてもよい。
【0176】
上記の第3の認識処理においては、ステップS403,S404の処理は、ステップS405~S409の処理後に行われてもよいし、ステップS405~S409のいずれかの処理中に並行して行われてもよいし、ステップS405~S409のいずれか2つの処理の間に行われてもよい。
【0177】
[10]効果
(1)本実施の形態に係るデータ収集装置1においては、マスタユニット2にケーブルCAを介して複数のリモートユニット3がデイジーチェーン接続される。複数のリモートユニット3の各々には、少なくとも一の機能ユニット4bが接続される。各リモートユニット3は、接続された機能ユニット4bにより取得された物理量をマスタユニット2に転送する。マスタユニット2においては、複数の機能ユニット4bにより取得された複数の物理量が収集される。この場合、複数の位置で物理量の測定を行いたい場合に、複数の位置に複数のリモートユニット3をそれぞれ配置することにより、機能ユニット4bとその機能ユニット4bに接続されるセンサssとの間の距離を短くすることができる。したがって、センサssと機能ユニット4bとをつなぐ配線の設置作業が容易になる。また、複数の位置にそれぞれ複数のマスタユニット2を設ける必要がない。
【0178】
マスタユニット2に収集される複数の物理量の各々を識別するためには、マスタユニット2と複数のリモートユニット3との接続構成を把握する必要がある。上記のデータ収集装置1においては、非起動状態にある複数のリモートユニット3にマスタユニット2から電力が供給される。ここで、マスタユニット2の各リモートポートdp1,dp2に対して複数のリモートユニット3は、汎用的なネットワークケーブルであるケーブルCAを介してデイジーチェーン接続されている。そのため、マスタユニット2の各リモートポートdp1,dp2から出力される電力は、接続の順で複数のリモートユニット3に供給される。それにより、複数のリモートユニット3が、マスタユニット2からの接続の順で起動する。複数のリモートユニット3の起動順序に基づいて複数のリモートユニット3の接続構成が認識される。複数のリモートユニット3の各々には、認識された接続構成における電気的な接続位置を特定可能な識別子mが付与される。それにより、マスタユニット2と複数のリモートユニット3との接続構成についての自動的かつ正確な設定が可能になる。
【0179】
これらの結果、煩雑な設置作業および設定作業を要することなく、機能ユニット4bから収集される複数の物理量を正確に識別することが可能になる。
【0180】
(2)複数のリモートユニット3の各々においては、リモート電源回路32はマスタユニット2からの電力供給に加えて、外部電源18からの電力供給を受けることが可能に構成されている。また、リモート電源回路32は、複数のリモートユニット3および複数の機能ユニット4bの接続構成の認識時に、マスタユニット2から供給される電力を外部電源18から供給される電力よりも優先的に当該リモートユニット3の起動に用いるように構成されている。それにより、複数のリモートユニット3が、マスタユニット2からの接続の順とは異なる順で起動することが防止される。したがって、複数のリモートユニット3の接続構成が正確に認識される。
【0181】
(3)マスタユニット2は、複数のリモートポートdp1,dp2を有する。リモートポートdp1,dp2の各々は、ケーブルCAを介して複数のリモートユニット3がデイジーチェーン接続されることが可能に構成されている。この場合、データ収集装置1における複数のリモートユニット3および複数の機能ユニット4bのレイアウトの自由度が向上する。
【0182】
(4)データ収集装置1においては、マスタユニット2の出力部21cが各構成要素の接続構成を示すデータを出力する。それにより、当該データを受けたPC15が各構成要素の接続構成を表示装置14に表示させる。あるいは、表示設定ユニット19において、出力部21cから出力されたデータに基づいて各構成要素の接続構成が表示される。それにより、使用者は、表示装置14または表示設定ユニット19に表示される接続構成を視認することにより、データ収集装置1の各種構成要素の接続構成を容易かつ直感的に把握することができる。
【0183】
(5)表示装置14の表示画面90には、第1~第3の認識処理により認識された複数の機能ユニット4a,4bの接続構成とともにそれらの機能ユニット4a,4bの機種情報として機種、消費電力、チャンネル数およびポート数等が表示される。これにより、使用者は、表示画面90に表示される複数の機能ユニット4a,4bの接続構成および機種情報を視認することにより、複数の機能ユニット4a,4bについてのより多くの情報を容易かつ直感的に把握することができる。
【0184】
(6)上記のデータ収集装置1においては、マスタユニット2は、複数のリモートユニット3に加えて、一または複数の機能ユニット4aを接続することが可能に構成されている。マスタユニット2は、マスタユニット2に接続された一または複数の機能ユニット4aにより取得された一または複数の物理量を収集する。
【0185】
このような構成により、データ収集装置1においては、より多くの物理量を収集することが可能になる。また、物理量を取得するための各機能ユニット4a,4bのレイアウトの自由度が向上する。
【0186】
[11]他の実施の形態
(1)以下の説明では、データ収集装置1を構成するマスタユニット2、複数のリモートユニット3および複数の機能ユニット4a,4bの各々を、適宜ユニットと総称する。上記実施の形態においては、使用者は、例えば図9に示すように表示装置14に各種ユニットの機種情報が表示された状態で、PC15に接続された操作装置を用いて所望のユニットの詳細設定を行うことが可能である。ここで、各種ユニットについての詳細設定には、例えばサンプリング周期の設定、使用チャンネルの設定、測定レンジの設定、測定感度の設定等が含まれる。
【0187】
互いに離間した複数の位置におけるユニットの配置状態およびそれらの周辺環境によっては、表示装置14に表示される複数のユニットの画像と複数の位置に実際に配置される複数のユニットとの関係を正確に把握することが困難な場合がある。そこで、データ収集装置1を構成する複数のユニットの各々には、例えば使用者による詳細設定の対象となっていることを示す表示灯が設けられてもよい。表示灯としては、例えば発光ダイオードを用いることができる。
【0188】
この場合、各ユニットに設けられる表示灯は、例えば、当該ユニットについて使用者による詳細設定が行われていない間消灯し、当該ユニットについて使用者による詳細設定が行われている間点灯または点滅するように、制御部(マスタ制御部21、リモート制御部31または機能制御部41)により制御される。これにより、使用者は、表示装置14に表示される画像上で詳細設定の対象となっているユニットが、実際にどの位置に配置されているのかを容易に把握することが可能になる。
【0189】
(2)上記実施の形態に係るデータ収集装置1においては、複数のリモートユニット3のリモート制御部31は、マスタユニット2からの電力の供給がない場合に、非起動状態に移行するように構成されてもよい。この場合、マスタユニット2の電源状態がオフする際に、全てのリモートユニット3が非起動状態に移行する。したがって、全てのリモートユニット3を非起動状態にする作業を行わなくても、マスタユニット2の電源がオンされるごとに上記の第1~第3の認識処理が円滑に行われる。
【0190】
(3)上記実施の形態においては、マスタユニット2の電源状態がオフからオンに切り替えられることにより第1~第3の認識処理が開始されるが、本発明はこれに限定されない。データ収集装置1には、電源スイッチSWに加えて、第1~第3の認識処理の開始を指令するための他の操作部が設けられてもよい。例えば、マスタユニット2、リモートユニット3および複数の機能ユニット4a,4bが起動状態にあるときに、他の操作部が操作されることにより、全てのユニットが一時的に非起動状態に切り替えられるとともに、第1~第3の認識処理が開始されてもよい。この場合、使用者は、所望のタイミングで複数のユニットの接続構成の認識を行わせることができる。
【0191】
(4)上記実施の形態に係る第1の認識処理においては、マスタユニット2に接続可能なリモートユニット3の数が予め定められた規定数に制限されているが、マスタユニット2に接続可能なリモートユニット3の数は制限されなくてもよい。
【0192】
(5)上記実施の形態に係る第2の認識処理においては、マスタユニット2に対する機能ユニット4aの接続状態について、第1の接続条件を満たすべきことが規定されているが、このような条件は規定されていなくてもよい。
【0193】
(6)上記実施の形態に係る第2の認識処理においては、一のリモートユニット3に対する機能ユニット4bの接続状態について、第2の接続条件を満たすべきことが規定されているが、このような条件は規定されていなくてもよい。
【0194】
(7)上記実施の形態に係る第2の認識処理においては、データ収集装置1を構成する全てのユニットの接続状態について、第3の接続条件を満たすべきことが規定されているが、このような条件は規定されていなくてもよい。
【0195】
(8)上記実施の形態に係るマスタユニット2においては、ケーブルCAを介して複数のリモートユニット3をデイジーチェーン接続可能な2つのリモートポートdp1,dp2が設けられているが、本発明はこれに限定されない。マスタユニット2には、1つのリモートポートのみが設けられてもよいし、3以上のリモートポートが設けられてもよい。
【0196】
(9)上記実施の形態に係るデータ収集装置1においては、マスタユニット2に接続される複数のリモートユニット3の各々には、必ずしも機能ユニット4bが接続されなくてもよい。複数のリモートユニット3のうちの一部のリモートユニット3に機能ユニット4bが接続されなくてもよい。
【0197】
(10)上記実施の形態に係るデータ収集装置1においては、マスタユニット2は、一または複数の機能ユニット4aをビルディングブロックタイプで接続可能に構成されるが、本発明はこれに限定されない。マスタユニット2は、機能ユニット4aを接続不可能に構成されてもよい。
【0198】
(11)上記実施の形態に係るデータ収集装置1においては、機能ユニット4aはマスタユニット2から供給される電力により動作し、機能ユニット4bはリモートユニット3から供給される電力により動作するが、本発明はこれに限定されない。マスタユニット2に接続される一または複数の機能ユニット4aのうち少なくとも一部は、外部電源に接続されかつ当該外部電源からの電力供給により動作可能であってもよい。また、リモートユニット3に接続される一または複数の機能ユニット4bのうち少なくとも一部は、外部電源に接続されかつ当該外部電源からの電力供給により動作可能であってもよい。
【0199】
(12)リモート電源回路32の切替回路は、リモートユニット3に外部電源18が接続されている場合に、起動スイッチがオンされた後、外部電源18から供給される電力を優先的にリモート制御部31に供給してもよい。この場合においても、起動スイッチは、マスタユニット2からの電力を受けない限り、オンしない。それにより、マスタユニット2の各リモートポートdp1,dp2に接続された複数のリモートユニット3は、接続の順で起動する。
【0200】
(13)上記実施の形態に係るデータ収集装置1においては、マスタユニット2およびリモートユニット3の各々は、制御部(マスタ制御部21およびリモート制御部31)に電力が供給されない非起動状態と、制御部に電力が供給される起動状態との間で移行可能に構成されるが、本発明はこれに限定されない。
【0201】
マスタユニット2およびリモートユニット3の各々は、当該ユニットの全ての構成要素に電力が供給されない第1の状態と、当該ユニットの一部の構成要素にのみ電力が供給される第2の状態と、当該ユニットの全ての構成要素に電力が供給される第3の状態との間で移行可能に構成されてもよい。第1の状態は上記の非起動状態に相当し、第2の状態は当該ユニットのメイン機能以外の機能を使用可能ないわゆるスタンバイ状態に相当し、第3の状態は上記の起動状態に相当するものとする。なお、マスタユニット2におけるメイン機能は、例えば物理量のデータの収集機能および接続構成の認識機能である。また、リモートユニット3におけるメイン機能は、例えば物理量データの収集機能および接続構成の認識機能である。
【0202】
マスタユニット2が上記の第1~第3の状態に移行可能に構成される場合、マスタ制御部21のCPUは、第2の状態(スタンバイ状態)から第3の状態(起動状態)への電源状態の切り替えに応答して、記憶部27に記憶されたマスタ認識プログラムを実行してもよい。また、リモート制御部31のCPUは、第2の状態(スタンバイ状態)から第3の状態(起動状態)への電源状態の切り替えとともに、記憶部37に記憶されたリモート認識プログラムを実行してもよい。
【0203】
これらの場合、第3の状態にあるマスタユニット2およびリモートユニット3を一旦第2の状態に移行させた後、再度第3の状態に切り替えることにより、データ収集装置1を構成する各ユニットの接続構成の認識および識別子の付与を任意のタイミングで行うことが可能になる。
【0204】
(14)上記実施の形態においては、リモート電源回路32は、電源用制御部がマスタユニット2の起動状態を切り替えるための起動スイッチとして機能するが、本発明はこれに限定されない。例えば、記憶部37に上記のスイッチングプログラムが記憶され、リモート制御部31が当該スイッチングプログラムを実行することにより、起動スイッチの機能が実現されてもよい。
【0205】
[12]請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明する。上記実施の形態では、リモートユニット3に接続される機能ユニット4bにさらに接続されるセンサssが第1のセンサの例であり、リモートユニット3に接続される機能ユニット4bが第1の機能ユニットの例であり、マスタユニット2がマスタユニットの例であり、リモートユニット3がリモートユニットの例である。
【0206】
また、マスタ電源回路22、電源供給制御部23およびリモート用インターフェイス24が電力供給部の例であり、マスタ認識部21aが接続認識部の例であり、マスタ識別子付与部21bが識別子付与部の例である。
【0207】
また、リモート電源回路32が電源部の例であり、マスタユニット2のリモートポートdp1,dp2が第1および第2のリモートポートの例であり、出力部21cが出力部の例であり、マスタユニット2に接続される機能ユニット4aにさらに接続されるセンサssが第2のセンサの例であり、マスタユニット2に接続される機能ユニット4aが第2の機能ユニットの例であり、機能ユニット4a,4bの機種情報が機種情報の例である。
【0208】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【符号の説明】
【0209】
1…データ収集装置,2…マスタユニット,3…リモートユニット,4a,4b…機能ユニット,11…バッテリユニット,11a…バッテリ端子,12…外部電源,13…PLC,14…表示装置,15…PC,16…無線LANユニット,17…記録媒体,18…外部電源,19…表示設定ユニット,20,30,40…筐体,20a…一側面,20b…他側面,20c…前面,21…マスタ制御部,21a…マスタ認識部,21b…マスタ識別子付与部,21c,31c…出力部,22…マスタ電源回路,23…電源供給制御部,24…リモート用インターフェイス,25…機能ユニット用インターフェイス,26…外部装置用インターフェイス,27,37,47…記憶部,31…リモート制御部,31a…リモート認識部,31b…リモート識別子付与部,32…リモート電源回路,33…電源供給制御部,34…リモート用インターフェイス,35…機能ユニット用インターフェイス,36…外部装置用インターフェイス,41…機能制御部,41a…機能応答部,41b…取得部,42…機能電源回路,43…機能ユニット用インターフェイス,44…信号制御部,45…信号処理部,46…外部装置用インターフェイス,90…表示画面,91…リモート表示領域,92…操作領域,93…接続構成表示領域,910…マスタアイコン,911,912…リモートアイコン,921…設定ボタン,922…グループボタン,931…グループ名入力枠,CA,CAL…ケーブル,dp1,dp2…リモートポート,dp3…インポート,dp4…アウトポート,if…機能アイコン,IL…模式的構成図,im…マスタアイコン,IM1~IM4…拡大画像,ir…リモートアイコン,pc1~pc4…電源接続部,ec,ec1,ec2…外部装置用接続部,fc1~fc4…機能接続部,sc…センサ接続部,ss…センサ,SW…電源スイッチ
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