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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】ガス発生装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 13/11 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
C01B13/11 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020205466
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2022092642
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】中川 洋一
【審査官】西田 彩乃
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-104705(JP,A)
【文献】米国特許第04168238(US,A)
【文献】特開平05-043204(JP,A)
【文献】米国特許第05435978(US,A)
【文献】特開2000-072411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 13/11
B01J 19/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極面を有する第1電極と、
前記第1電極の外側に配置され、前記第1電極面と対向する第2電極面を有する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に形成される放電空間と、
前記放電空間に材料ガスを供給するための材料ガス供給口と、
前記第1電極面と前記第2電極面との間に電圧が印加され前記放電空間において放電が発生することにより前記材料ガスから生成される生成ガスを、装置外部へ送出するための生成ガス送出口と、
前記第2電極の外側に配置されるベース部材と、
前記ベース部材と接触するように前記ベース部材の外側に配置される変形防止部材と、
を備え、
前記変形防止部材の内部には、前記ベース部材に対して押圧力を発生させるための媒体が供給される内部空間が設けられており、
前記ベース部材に対して押圧力を発生させるための媒体として、前記放電空間に供給される前記材料ガスが分岐して前記内部空間に供給される、ガス発生装置。
【請求項2】
前記媒体は、前記材料ガスが前記放電空間に供給される圧力と同じ圧力で、前記内部空間に供給される、請求項1に記載のガス発生装置。
【請求項3】
前記ベース部材には、前記ベース部材を冷却する冷却媒体が供給される冷却部が設けられ、
前記内部空間は、前記冷却部より外側に配置されている、請求項1または請求項2に記載のガス発生装置。
【請求項4】
前記第2電極面と平行な平面視でみたときに、前記押圧力を受ける前記内部空間の形状は、前記第2電極面の形状と同一または相似の形状である、請求項1~請求項のいずれか一項に記載のガス発生装置。
【請求項5】
前記第2電極面と平行な平面視でみたときに、前記押圧力を受ける前記内部空間の面積は、前記第2電極面の面積の0.8~3倍の面積である、請求項1~請求項のいずれか一項に記載のガス発生装置。
【請求項6】
前記変形防止部材は、前記ベース部材と熱伝導率および/または導電率が同じ材料で構成されている、請求項1~請求項のいずれか一項に記載のガス発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極間で放電を発生させることによって材料ガスから生成ガス(例えばオゾンガス)を生成するガス発生装置に関し、特に、ガス生成効率を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電極間で放電を発生させることによって材料ガスから生成ガス(例えばオゾンガス)を生成する装置が提案されている。例えば、従来のオゾン発生装置では、オゾンの発生効率が高く高濃度のオゾンを発生することができる放電体の構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。従来の装置では、ガス生成効率を高めるために、放電部の電極間の距離は小さく(例えば、0.01mm~0.3mm)に設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4095758号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高濃度のオゾン水を生成するためには、高い圧力のオゾンガスが必要である。ここでは図示を省略するが、以下にその理由を説明する。例えば、オゾン水製造の工程では、水とオゾンガスを混合し、気液分離器でオゾン水と未溶解のガスに分離する。気液分離器の気相部の圧力を高くすると、ガスの溶解度が大きくなり、高濃度のオゾン水を作ることができる。一方、気液分離器に水とオゾンガスの気液混合水を入れるには、気液分離器内よりも高い圧力で導入しなくてはならない。気液混合水の圧力を上げるには、水の圧力を上げる必要があり、圧力の高い水にオゾンガスを溶解させるには、水の圧力より高いオゾンガスを混合させる必要がある。そのため、高い圧力のオゾンガスを必要とする。オゾンガスは昇圧ポンプを腐食させるため、生成後に圧力を上げることは現実的ではない。よって、高い圧力のオゾンガスを生成するためには、放電部に供給される材料ガスの圧力を高くすることが望ましい。
【0005】
しかしながら、従来の装置では、放電部に供給される材料ガスの圧力を高くすると、材料ガスの圧力を受けて放電部が膨らむ(電極間の距離が大きくなる)ように変形が生じるおそれがある。電極間の距離が大きくなると、ガス生成効率が低下し、オゾンガス濃度が低下してしまう。
【0006】
一方、生成ガス(例えばオゾンガス)によってシール部材が劣化する場合、シール部材が設けられる装置外周部に、生成ガスが発生する放電部を設けることは好ましくない。すなわち、放電部は、装置中央部(シール部材が設けられていない部分)に設けられることが好ましい。装置中央部にシール部材が設けられない場合には、装置中央部に締結部材を設けられないため、放電部が膨らむ変形を締結によって防止することができない。
【0007】
そのため、高い圧力のオゾンガスを生成するために、放電部に供給される材料ガスの圧力を高くすることが困難であった。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、材料ガスの圧力を高くすることが可能であり、ガス生成率及びガス濃度を低下させることなく、高い圧力のオゾンガスを生成することのできるガス発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のガス発生装置は、第1電極面を有する第1電極と、前記第1電極の外側に配置され、前記第1電極面と対向する第2電極面を有する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に形成される放電空間と、前記放電空間に材料ガスを供給するための材料ガス供給口と、前記第1電極面と前記第2電極面との間に電圧が印加され前記放電空間において放電が発生することにより前記材料ガスから生成される生成ガスを、装置外部へ送出するための生成ガス送出口と、前記第2電極の外側に配置されるベース部材と、前記ベース部材と接触するように前記ベース部材の外側に配置される変形防止部材と、を備え、前記変形防止部材の内部には、前記ベース部材に対して押圧力を発生させるための媒体が供給される内部空間が設けられている。
【0010】
この構成によれば、第1電極面と第2電極面との間に電圧が印加され、放電空間において放電が発生することによって、材料ガスから生成ガス(例えばオゾンガス)が生成される。高い圧力のオゾンガスを生成するためには、放電空間に供給される材料ガスの圧力を高くすることが有効である。この場合、ベース部材の外側に変形防止部材が配置され、変形防止部材の内部空間に媒体が供給されて、ベース部材に対して押圧力が発生する。したがって、放電空間に供給される材料ガスの圧力が高い場合でも、材料ガスの圧力によりベース部材が外側に膨らむように変形するのを押圧力によって抑制することができ、ベース部材の外側への変形が抑えられるので、第2電極の外側への変形も抑えられる。このようにして、第1電極と第2電極の電極間距離が大きくなるのを抑制することができ、ガス生成効率が低下するのを抑えることができる。
【0011】
また、本発明のガス発生装置では、前記ベース部材に対して押圧力を発生させるための媒体として、前記放電空間に供給される前記材料ガスが分岐して前記内部空間に供給されてもよい。
【0012】
この構成によれば、変形防止部材の内部空間に供給される媒体として、放電空間に供給される材料ガスが分岐して供給されるので、放電空間における材料ガスの圧力と内部空間における媒体(材料ガス)の圧力が同じになる。これにより、ベース部材が外側に膨らむように変形する力(放電空間における材料ガスの圧力)と、その変形を防止する力(内部空間における媒体の圧力)の大きさを容易に同じにすることができる。
【0013】
また、本発明のガス発生装置では、前記媒体は、前記材料ガスが前記放電空間に供給される圧力と同じ圧力で、前記内部空間に供給されてもよい。
【0014】
この構成によれば、放電空間における材料ガスの圧力と内部空間における媒体(材料ガス)の圧力が同じになる。したがって、ベース部材が外側に膨らむように変形する力(放電空間における材料ガスの圧力)と、その変形を防止する力(内部空間における媒体の圧力)の大きさを同じにすることができる。これにより、ベース部材が外側に膨らむように変形するのを適切に防止することができる。
【0015】
また、本発明のガス発生装置では、前記ベース部材には、前記ベース部材を冷却する冷却媒体が供給される冷却部が設けられ、前記内部空間は、前記冷却部より外側に配置されてもよい。
【0016】
この構成によれば、変形防止部材の内部空間が、ベース部材の冷却部より外側に配置される。したがって、冷却部(冷却媒体)によるベース部材の冷却効果が阻害されるのを防止することできる。
【0017】
また、本発明のガス発生装置では、前記第2電極面と平行な平面視でみたときに、前記押圧力を受ける前記内部空間の形状は、前記第2電極面の形状と同一または相似の形状であってもよい。
【0018】
この構成によれば、押圧力を受ける内部空間の形状が、第2電極面の形状と同一または相似の形状(ベース部材の変形を適切に防止できる形状)であるので、ベース部材が外側に膨らむように変形するのを適切に防止することができる。
【0019】
また、本発明のガス発生装置では、前記第2電極面と平行な平面視でみたときに、前記押圧力を受ける前記内部空間の面積は、前記第2電極面の面積の0.8~3倍の面積であってもよい。
【0020】
この構成によれば、押圧力を受ける内部空間の面積が、第2電極面の面積の0.8~3倍の面積(ベース部材の変形を適切に防止できる面積)であるので、ベース部材が外側に膨らむように変形するのを適切に防止することができる。
【0021】
また、本発明のガス発生装置では、前記変形防止部材は、前記ベース部材と熱伝導率および/または導電率が同じ材料で構成されてもよい。
【0022】
この構成によれば、変形防止部材の材料が、ベース部材と熱伝導率および/または導電率が同じ材料(ベース部材の変形を適切に防止できる材料)であるので、ベース部材が外側に膨らむように変形するのを適切に防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、材料ガスの圧力を高くすることが可能であり、ガス生成率及びガス濃度を低下させることなく、高い圧力のオゾンガスを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施の形態におけるガス発生装置の斜視図である。
図2】ガス発生装置の第1電極を示す平面図である。
図3】ガス発生装置の内部構造を示す説明図(側断面図)である。
図4】ガス発生装置の要部(放電空間)を示す説明図(側断面図)である。
図5】ガス発生装置のベース部材の変形防止効果を示す説明図(側断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態のガス発生装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、オゾンガスの生成に用いられるガス発生装置(オゾンガス発生装置)の場合を例示する。
【0026】
本発明の実施の形態のガス発生装置の構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のガス発生装置の斜視図である。図1に示すように、ガス発生装置1は、装置中央に配置される円板状の中央部材2と、中央部材2を挟むように中央部材2の外側に配置される円板状のベース部材3と、中央部材2とベース部材3を挟むようにベース部材3のさらに外側に配置される円板状の変形防止部材4を備えている。
【0027】
中央部材2には、オゾンガスの材料ガス(酸素を含むガス)が供給される材料ガス供給口5と、材料ガスから生成されたオゾンガスが送出される生成ガス送出口6が設けられている。また、中央部材2の内部には、円板状の第1電極7が設けられている(図2および図3参照)。本実施の形態では、第1電極7は、低圧側の電極であり、グランドに接続されている。第1電極7の電極面(第1電極面8)は、第1電極7の外側(図3における上側と下側)の両面に設けられている。また、第1電極面8には、同心円状に配置される複数のトレンチ溝80が形成されている(図2参照)。
【0028】
ベース部材3は、円板状の第2電極9と、第2電極9の外側に配置される円板状の絶縁板10とを備えている。第2電極9の電極面(第2電極面11)は、第1電極7と対向するように設けられており、第1電極面8と第2電極面11の間に放電空間12が形成されている(図4参照)。本実施の形態では、第2電極9は、高圧側の電極であり、電圧印加用のケーブル13が接続されている。例えば、第2電極9は、サファイアなどの誘電体で構成される。絶縁板10は、アルミナなどの絶縁体で構成される。
【0029】
ベース部材3の内部には、冷却媒体(例えば冷却水)が流される冷却部14が備えられており、ベース部材3には、冷却媒体の供給口15と排出口16が設けられている(図1参照)。冷却部14は、絶縁板10の外側に配置されているが(図3参照)、この場合、第2電極9と絶縁板10は互いに接触しており、絶縁板10とベース部材3は互いに接触している。そのため、ベース部材3の冷却部14の冷却効果は、絶縁板10を介して第2電極9に伝達され、第2電極9を冷却することができる。
【0030】
図3に示すように、第1電極7の外縁部には、材料ガス供給口5と連通する材料ガス出口17が設けられている。また、第1電極7の中央部には、生成ガス送出口6と連通する生成ガス入口18が設けられている。図3において矢印で示すように、材料ガス供給口5から供給された材料ガスは、材料ガス出口17から中央部材2の内部に供給され、第1電極面8と第2電極面11との間の空間(放電空間12)を横切るように流れる。第1電極面8と第2電極面11との間に電圧が印加されると、放電空間12で放電が発生し、材料ガスからオゾンガスが生成される。生成されたオゾンガスは、生成ガス入口18から生成ガス送出口6を経て装置外部へ送出される。
【0031】
変形防止部材4は、ベース部材3と接触するようにベース部材3の外側に配置されている(図3参照)。変形防止部材4は、ベース部材3と熱伝導率および/または導電率が同じ材料で構成されている。変形防止部材4には、材料ガスが供給される材料ガス供給口19が設けられている(図1参照)。変形防止部材4の内部には、ベース部材3に対して押圧力を発生させるための媒体が供給される内部空間20が設けられている。内部空間20には、放電空間12に供給される材料ガスが分岐して供給される。したがって、内部空間20に供給される材料ガスの圧力は、放電空間12に供給される材料ガスの圧力と同じである。また、内部空間20は、冷却部14より外側に配置されている(図3参照)。
【0032】
なお、内部空間20に供給される媒体の圧力が、放電空間12に供給される材料ガスの圧力と同じであれば、内部空間20に供給される媒体は、放電空間12に供給される材料ガスと同じ材料ガスでなくてもよく、放電空間12に供給される材料ガスが分岐して供給されなくても(媒体の圧力が個別に圧力制御されても)よい。また、内部空間20に供給される媒体の圧力が、放電空間12に供給される材料ガスの圧力と同じであれば、内部空間20に供給される媒体は、気体でなくてもよく、液体でもあってもよい。
【0033】
また、第2電極面11と平行な平面視でみたときに、押圧力を受ける内部空間20の形状は、第2電極面11の形状と同一または相似の形状である。また、第2電極面11と平行な平面視でみたときに、押圧力を受ける内部空間20の面積は、第2電極面11の面積の0.8~3倍の面積に設定されている。ここで、第2電極面11の面積とは、第2電極9(誘電体)の表面積であってもよく、第2電極9の表面積のうち放電空間12に露出している部分(材料ガスの圧力を受ける部分)の表面積であってもよい。
【0034】
このような本実施の形態のガス発生装置1によれば、第1電極面8と第2電極面11との間に電圧が印加され、放電空間12において放電が発生することによって、材料ガスから生成ガス(オゾンガス)が生成される。高い圧力のオゾンガスを生成するためには、放電空間12に供給される材料ガスの圧力を高くすることが有効である。この場合、図5において矢印で示すように、ベース部材3の外側に変形防止部材4が配置され、変形防止部材4の内部空間20に媒体が供給されて、ベース部材3に対して押圧力が発生する。したがって、放電空間12に供給される材料ガスの圧力が高い場合でも、材料ガスの圧力によりベース部材3が外側に膨らむように変形するのを押圧力によって抑制することができ、ベース部材3の外側への変形が抑えられるので、第2電極9の外側への変形も抑えられる。このようにして、第1電極7と第2電極9の電極間距離が大きくなるのを抑制することができ、材料ガスの圧力が高くても、電極間距離が大きくなることを防ぐことができるので、ガス生成効率が低下するのを抑えることができる。
【0035】
本実施の形態では、図5に示すように、変形防止部材4の内部空間20に供給される媒体として、放電空間12に供給される材料ガスが分岐して供給されるので、放電空間12における材料ガスの圧力と内部空間20における媒体(材料ガス)の圧力が同じになる。これにより、ベース部材3が外側に膨らむように変形する力(放電空間12における材料ガスの圧力)と、その変形を防止する力(内部空間20における媒体の圧力)の大きさを容易に同じにすることができる。
【0036】
また、本実施の形態では、放電空間12における材料ガスの圧力と内部空間20における媒体(材料ガス)の圧力が同じになる。したがって、ベース部材3が外側に膨らむように変形する力(放電空間12における材料ガスの圧力)と、その変形を防止する力(内部空間20における媒体の圧力)の大きさを同じにすることができる。これにより、ベース部材3が外側に膨らむように変形するのを適切に防止することができる。
【0037】
また、本実施の形態では、図3および図5に示すように、変形防止部材4の内部空間20が、ベース部材3の冷却部14より外側に配置される。したがって、冷却部14(冷却媒体)によるベース部材3の冷却効果が阻害されるのを防止することできる。
【0038】
また、本実施の形態では、押圧力を受ける内部空間20の形状が、第2電極面11の形状と同一または相似の形状(ベース部材3の変形を適切に防止できる形状)であるので、ベース部材3が外側に膨らむように変形するのを適切に防止することができる。
【0039】
また、本実施の形態では、押圧力を受ける内部空間20の面積が、第2電極面11の面積の0.8~3倍の面積(ベース部材3の変形を適切に防止できる面積)であるので、ベース部材3が外側に膨らむように変形するのを適切に防止することができる。
【0040】
また、本実施の形態では、変形防止部材4の材料が、ベース部材3と熱伝導率および/または導電率が同じ材料(ベース部材3の変形を適切に防止できる材料)であるので、ベース部材3が外側に膨らむように変形するのを適切に防止することができる。
【0041】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明にかかるガス発生装置は、材料ガスの圧力を高くすることが可能であり、ガス生成率及びガス濃度を低下させることなく、高い圧力のオゾンガスを生成することができるという効果を有し、オゾンガス等の生成に用いられ、有用である。
【符号の説明】
【0043】
1 ガス発生装置
2 中央部材
3 ベース部材
4 変形防止部材
5 材料ガス供給口
6 生成ガス送出口
7 第1電極
8 第1電極面
9 第2電極
10 絶縁板
11 第2電極面
12 放電空間
13 ケーブル
14 冷却部
15 供給口
16 排出口
17 材料ガス出口
18 生成ガス入口
19 材料ガス供給口
20 内部空間
80 トレンチ溝
図1
図2
図3
図4
図5