(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】オデビキシバットの医薬製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/554 20060101AFI20240305BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20240305BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20240305BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240305BHJP
A61K 9/50 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240305BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240305BHJP
C07K 5/06 20060101ALN20240305BHJP
【FI】
A61K31/554
A61K9/10
A61K9/16
A61K9/48
A61K9/50
A61K47/38
A61P1/16
C07K5/06
(21)【出願番号】P 2020570778
(86)(22)【出願日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 SE2019050603
(87)【国際公開番号】W WO2019245449
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-06-15
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】509100737
【氏名又は名称】アルビレオ・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エヴァ・ビュレード
(72)【発明者】
【氏名】ペル-ヨーラン・ギルベリ
(72)【発明者】
【氏名】アンナ-マリア・ティバート
(72)【発明者】
【氏名】リカルド・ブリーランド
(72)【発明者】
【氏名】アン-カルロッテ・ダールキスト
(72)【発明者】
【氏名】イェシカ・エルヴェルソン
(72)【発明者】
【氏名】ニルス・オーヴェ・グスタフソン
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト・ルンドクヴィスト
(72)【発明者】
【氏名】イングヴァル・イメン
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ボーリン
【審査官】工藤 友紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-545739(JP,A)
【文献】特表2014-532662(JP,A)
【文献】特表2013-541584(JP,A)
【文献】特開平06-205959(JP,A)
【文献】国際公開第2015/199146(WO,A1)
【文献】特表2013-542953(JP,A)
【文献】特開平07-173050(JP,A)
【文献】ASIAN JOURNAL OF PHARMACEUTICAL SCIENCES,2015年,Vol. 10,pp. 255-274
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P 1/16
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の粒子を含むオデビキシバットの医薬製剤であって、
各粒子が、
0.1~
1.5mmの間のサイズであり、
a) コア、及び、
b) コアを取り囲むコーティング層を含み、
コアがオデビキシバットを含有せず、
コーティング層が、オデビキシバット又は医薬として許容されるその塩を含み、
コーティング層中のオデビキシバットの凝集粒子の粒径分布のD
90が15μm未満であり、
各粒子が、
粒子の総質量に対して
0.1%w/w~
5.0%w/wの量でオデビキシバット又は医薬として許容されるその塩を含有し、同じ量のオデビキシバットを実質的に含有する、医薬製剤。
【請求項2】
各々の粒子が、粒子の総質量に対して
0.5%w/w~
2.0%w/wの量でオデビキシバット又は医薬として許容されるその塩を含有する、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
各々の粒子が、粒子の総質量に対して
0.5%w/wの量でオデビキシバット又は医薬として許容されるその塩を含有する、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項4】
各々の粒子が、粒子の総質量に対して
1.5%w/wの量でオデビキシバット又は医薬として許容されるその塩を含有する、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項5】
コアが微結晶性セルロースを含む、請求項
1に記載の製剤。
【請求項6】
コーティング層が、皮膜形成ポリマーを更に含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項7】
コーティング層が、オデビキシバットの均質な水中懸濁液としてコア上に噴霧されている、請求項1から
6のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項8】
均質な懸濁液が、オデビキシバットを湿式粉砕によって水中に分散させることによって調製される、請求項
7に記載の製剤。
【請求項9】
均質な懸濁液が、200μmより大きいオデビキシバットの凝集粒子を含有しない、請求項
7又は
8に記載の製剤。
【請求項10】
コーティング層が界面活性剤を含有しない、請求項1から
9のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項11】
粒子が
0.1~
1.0mmの間のサイズである、請求項1から
10のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項12】
オデビキシバットが、オデビキシバットの結晶性水和物として存在する、請求項1から
11のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項13】
オデビキシバットが、CuKα1線で得られた、°2θ位置5.6±0.2、6.7±0.2及び/又は12.1±0.2に少なくとも特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、オデビキシバットの結晶変態1として存在する、請求項1から
12のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項14】
粒子が、サシェ又はカプセル中に含有される、請求項1から
13のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項15】
コーティング層中のオデビキシバットの凝集粒子の粒径分布のD
90が12μm未満である、請求項1から
14のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項16】
小児製剤である、請求項1から
15のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項17】
肝疾患の治療又は予防に使用するための、請求項1から
16のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項18】
肝疾患が胆汁酸依存性疾患である、請求項
17に記載の製剤。
【請求項19】
肝疾患が進行性家族性肝内胆汁うっ滞(PFIC) 、アラジール症候群(ALGS)、胆道閉鎖又は小児胆汁うっ滞性そう痒である、請求項
17に記載の製剤。
【請求項20】
オデビキシバットの均質な水性懸濁液を調製する工程を含む、請求項1から
19のいずれか一項に記載の医薬製剤を調製するための方法であって、
前記懸濁液中のオデビキシバットの凝集粒子の粒径分布のD
90が15μm未満である、方法。
【請求項21】
コーティング懸濁液が、オデビキシバットを湿式粉砕によって水中に分散させることによって調製される、請求項
20に記載の方法。
【請求項22】
コーティング懸濁液が、200μmより大きいオデビキシバットの凝集粒子を含有しない、請求項
20又は
21に記載の方法。
【請求項23】
コーティング懸濁液が界面活性剤を含有しない、請求項
20から
22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
請求項1から
19のいずれか一項に記載の製剤を調製するための方法であって、
a)ホモジナイザを使用してオデビキシバットを水中で湿らせる工程;及び
b)湿ったオデビキシバットを湿式粉砕によって水中に分散させ、それによってオデビキシバットの均質な水性懸濁液を得る工程
を含む方法。
【請求項25】
皮膜形成ポリマーが、工程(b)で得られた懸濁液に添加される、請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
オデビキシバットが、オデビキシバットの結晶性水和物として存在する、請求項
20から
25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
オデビキシバットが、CuKα1線で得られた、°2θ位置5.6±0.2、6.7±0.2、及び/又は12.1±0.2に少なくとも特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、オデビキシバットの結晶変態1として存在する、請求項
26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2018年6月20日に出願したスウェーデン特許出願第1850761-6号、及び2018年6月20日に出願したスウェーデン特許出願第1850762-4号(これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれている)の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、複数の小粒子を含む、オデビキシバットの医薬製剤、例えば小児製剤に関する。該製剤は、肝疾患、例えば、胆汁酸依存性肝疾患、特に、胆汁うっ滞性肝疾患、例えば、胆道閉鎖、進行性家族性肝内胆汁うっ滞(PFIC)、アラジール症候群(ALGS)、及び小児胆汁うっ滞性そう痒の治療に使用することができる。本発明はまた、該医薬製剤を調製するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
化合物1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシプロピル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン(オデビキシバット;A4250としても公知である)は、WO 03/022286に開示されている。オデビキシバットの構造を以下に示す。
【0004】
【0005】
回腸胆汁酸輸送(IBAT)機序の阻害剤として、オデビキシバットは、回腸から肝門脈循環への胆汁酸の自然な再吸収を阻害する。回腸から再吸収されない胆汁酸は、代わりに糞便中に排泄される。腸肝循環から胆汁酸が全体的に除去されると、血清中及び肝臓内の胆汁酸レベルが減少する。したがって、オデビキシバット又は医薬として許容されるその塩は、胆汁酸レベルの上昇に関連する肝疾患の治療に、特に稀な小児胆汁うっ滞性肝疾患の治療に有用である。
【0006】
オデビキシバットは高い効力を呈し、約40~約120μg/kgの範囲等の低用量で投与されるべきである。これは、体重が約5~20kgである小児患者(例えば、乳児及び幼児)の治療では200~800μgほど低い用量に相当する。オデビキシバットの製剤は、若い患者には小さなサイズを有する剤形で投与できることが望ましい。そのような製剤は、良好な嗜好性を有し、ざらざらすると感じさせず、乳児及び小さな小児に十分に認容されることが更に望ましい。
【0007】
多粒子は、液体と共に投与されれば、出生直後からの幼児に投与することができる。およそ6か月以降(すなわち、離乳後)の小児には、多粒子は、その固形で、口内に直接投与するか、又は半固形食と混合して投与することができる。粒径、形状、質感、硬さ、味、及び用量体積(すなわち、粒子の数)が、乳児及び小児による多粒子の許容性に重要であることが報告されている(Kozarewicz、Int. J. Pharm. 2014、第469巻、245~248頁)。小児及び年上の成人患者における様々な経口剤形の許容性に関して様々な文献レビューが行われているが(例えば、Liu等、Drugs 2014、第74巻、1871~1889頁;Drumond等、Int. J. Pharm. 2017、第521巻、294~305頁;Mistry等、J. Pharm. Pharmacol. 2017、第69巻、361~376頁;Walsh等、Int. J. Pharm. 2017、第536巻、547~562頁を参照されたい)、調査された多粒子のサイズ及び/又は用量体積(量)は、これらのレビューに常に報告されているわけではない。
【0008】
ざらざらした感覚は、粒径、分量、及び投薬媒体(Mishra等、Yakugaku Zasshi 2009、第129巻、1537~1544頁;Lopez等、Eur. J. Pharm. Sci. 2016、第92巻、156~162頁を参照されたい)だけでなく、粒子の硬さ及び形状(Tyle、Acta Psychologica 1993、第84巻、111~118頁)も含めた様々な要因によって影響を受けることがあり、不規則な粒子は、同じサイズの円形(球状)の粒子より大きいと感じられる(Engelen等、J. Text. Studies 2005、第36巻、373~386頁)。ざらざらした感覚の研究から、多粒子のサイズ及び用量が増加するとざらつきの評価点(grittiness score)が増加し得るのに対し、媒体の粘度が増加するとざらつきの評価点が減少し得ることが示されている(Lopez等、Eur. J. Pharm. Sci. 2016、第92巻、156~162頁)。
【0009】
カプセルは、およそ6才からの小児には許容可能であり得る。カプセルの嚥下性は、剤形の寸法(すなわちサイズ)及び小児の能力に依存し得る。サイズ、形状、味、及び後味は、患者の許容性に影響を及ぼし得る重要なカプセルの属性である(Kozarewicz、Int. J. Pharm. 2014、第469巻、245~248頁)。幾つかの実施形態では、カプセルのサイズは可能な限り小さく保たれ、また用量当たりに必要とされるカプセルの数は最小限に、例えば、カプセル1~3個を超えないように保たれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【非特許文献】
【0011】
【文献】Kozarewicz、Int. J. Pharm. 2014、第469巻、245~248頁
【文献】Liu等、Drugs 2014、第74巻、1871~1889頁
【文献】Drumond等、Int. J. Pharm. 2017、第521巻、294~305頁
【文献】Mistry等、J. Pharm. Pharmacol. 2017、第69巻、361~376頁
【文献】Walsh等、Int. J. Pharm. 2017、第536巻、547~562頁
【文献】Mishra等、Yakugaku Zasshi 2009、第129巻、1537~1544頁
【文献】Lopez等、Eur. J. Pharm. Sci. 2016、第92巻、156~162頁
【文献】Tyle、Acta Psychologica 1993、第84巻、111~118頁
【文献】Engelen等、J. Text. Studies 2005、第36巻、373~386頁
【文献】Daneseら、PLoS One. 2017、第12(6)巻: e0179200
【文献】Kooistraら、「KLIFS: A structural kinase-ligand interaction database」、Nucleic Acids Res. 2016、第44巻、番号D1、D365-D371頁
【文献】Gunaydin, M.ら、Hepat Med. 2018、第10巻、95~104頁
【文献】R. Jenkins及びR.L. Snyder、「Introduction to X-ray powder diffractometry」、John Wiley & Sons、1996
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記に鑑み、患者の体重に適合した小用量で容易に投与することができるオデビキシバットの製剤に対する必要性が存在する。幾つかの実施形態では、該製剤は、非常に若い患者を治療するのに適したものであるべきであり、飲み込むのが容易であるべきであり、且つざらざらすると感じさせないものであるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】乾燥した結晶変態1のX線粉末回折図を示す図である。
【
図2】過水和した結晶変態1の試料のX線粉末回折図を示す図である。
【
図3】下が過水和した結晶変態1の試料、上が乾燥した試料のX線粉末回折図(2θ範囲5~13°)である、結晶変態1の乾燥を示す図である。
【
図4】下が過水和した結晶変態1の試料、上が乾燥した試料のX線粉末回折図(2θ範囲18~25°)である、結晶変態1の乾燥を示す図である。
【
図5】エタノールと水との混合物(70:30%v/v)から得たときの結晶変態2AのX線粉末回折図を示す図である。
【
図6】約50%の結晶分画を有するオデビキシバットの試料のDSCトレースを示す図(予熱及び冷却後)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で提供されるのは、低用量のオデビキシバットを含有する多粒子製剤である。幾つかの実施形態では、該製剤は小児製剤である。幾つかの実施形態では、該製剤は、体重に基づく投薬を可能にし、食品上に振りかけることができる。該製剤は、良好な嗜好性を有すると共に、粒径と用量体積の最適なバランスが取れるように設計することができる。
【0015】
第1の態様では、本発明は、複数の粒子を含むオデビキシバットの医薬製剤であって、各々の粒子が、粒子の総質量に対して約0.1%w/w~約5.0%w/wの量でオデビキシバット又は医薬として許容されるその塩を含有する、医薬製剤に関する。
【0016】
オデビキシバットを投与しようとする用量は少ないため、更に多粒子の形で適用されるため、製剤の各々の粒子はほんの少しの量の活性成分しか含有しない。例えば、各々の粒子中のオデビキシバット又は医薬として許容されるその塩の量は、粒子の総質量に対して、約0.2%w/w~約3.5%w/w、好ましくは約0.3%w/w~約3.0%w/w、より好ましくは約0.4%w/w~約2.5%w/w、最も好ましくは約0.5%w/w~約2.0%w/wであり得る。好ましい一実施形態では、各々の粒子は、粒子の総質量に対して約0.5%w/wの量でオデビキシバット又は医薬として許容されるその塩を含有する。別の好ましい実施形態では、各々の粒子は、粒子の総質量に対して約1.0%w/wの量でオデビキシバット又は医薬として許容されるその塩を含有する。更に別の好ましい実施形態では、各々の粒子は、粒子の総質量に対して約1.5%w/wの量でオデビキシバット又は医薬として許容されるその塩を含有する。
【0017】
本明細書で使用される場合、「粒子」という用語は、約0.1~約1.5mmの範囲のサイズの小粒子を指す。そのような粒子は、本質的に球状であることが好ましいが、長い又は細長い粒子も使用してもよいであろう。粒子は、例えば、ペレット、ビーズ、微小粒子、微小球、顆粒、又はミニタブレットであってもよく、任意選択により、各々のそのようなペレット、ビーズ、微小粒子、微小球、顆粒、又はミニタブレットを取り囲む1つ又は複数のコーティング層でコーティングされていてもよい。
【0018】
幾つかの実施形態では、製剤の粒子は十分に小さくて、それらを食品上に振りかけ、容易に飲み込むことができる。幾つかの実施形態では、該粒子は、ざらざらした感覚を引き起こさずに飲み込むことができる。幾つかの実施形態では、該粒子は、患者に粒子を噛もうとする気を抱かせない。したがって、該粒子は、好ましくは約0.1~約1.5mmの間、より好ましくは約0.1~約1.0mmの間、より好ましくは約0.1~0.8mmの間、例えば、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、又は約0.7mmのサイズである。より好ましい実施形態では、該粒子は、約0.4~約0.8mmの間、例えば約0.5mm、又は例えば約0.6mm、又は例えば約0.7mmである。本発明の特別な実施形態では、該粒子は約0.7mmである。
【0019】
幾つかの実施形態では、本発明は、各々の粒子が、コアと、コアを取り囲むコーティング層とを含む、オデビキシバットの製剤に関する。各々の粒子のコアは、ペレット、顆粒、ミニタブレット、ビーズ、微小粒子、又は微小球であってもよい。
【0020】
幾つかの実施形態では、各々の粒子のコアは医薬品有効成分(オデビキシバット)を含むが、各々の粒子のコーティング層は医薬品有効成分を含まない。幾つかの実施形態では、各々の粒子のコアは、粒子の総質量に対して約0.1%~約5%w/wの医薬品有効成分を含み、粒子の総質量に対して例えば約0.1%~約2%w/w、例えば約0.1%~約1%w/w、又は例えば約0.1%~約0.5%w/wの医薬品有効成分を含む。
【0021】
幾つかの実施形態では、各々の粒子のコーティング層は医薬品有効成分(オデビキシバット)を含むが、各々の粒子のコアは医薬品有効成分を含まない。幾つかの実施形態では、各々の粒子のコーティング層は、粒子の総質量に対して約0.1%~約5%w/wの医薬品有効成分を含み、粒子の総質量に対して例えば約0.1%~約2%w/w、例えば約0.1%~約1%w/w、又は例えば約0.1%~約0.5%w/wの医薬品有効成分を含む。
【0022】
コアは、口腔内分散性で、糖(例えば、スクロース)若しくは可溶性ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)等の可溶性成分を含んでもよく、又は非口腔内分散性で、不溶性ポリマー(例えば、微結晶性セルロース)等の不溶性成分を含んでもよい。本発明の好ましい実施形態では、コアは微結晶性セルロースを含む。より好ましい実施形態では、コアは微結晶性セルロース球である。
【0023】
コーティング層は、セルロース系ポリマー、多糖系ポリマー、N-ビニルピロリドン系ポリマー、アクリレート、アクリルアミド、又はそれらのコポリマー等の皮膜形成ポリマーを更に含むことができる。適切な皮膜形成ポリマーの例として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン(PVP)、メタクリル酸コポリマー、デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、キトサン、シェラック、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC;又はヒプロメロース)、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸トリメリット酸セルロース(CAT)、並びにそれらの組み合わせ、例えば、メチルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物(メトローズ)が挙げられる。好ましい実施形態では、コーティング層は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からなる群から選択される皮膜形成ポリマーを含む。最も好ましい実施形態では、コーティング層は、皮膜形成ポリマーとしてヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0024】
コーティング層は、任意選択により、可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール、トリアセチン、又はクエン酸トリエチル)、粘着防止剤(例えば、タルク、又はステアリン酸マグネシウム)、又は着色料(例えば、二酸化チタン、酸化鉄、リボフラビン、又はウコン)等の1種又は複数の追加成分を含んでもよい。
【0025】
幾つかの実施形態では、該製剤は、結晶形のオデビキシバットを含む。幾つかの実施形態では、該製剤は、オデビキシバットの結晶性水和物を含む。幾つかの実施形態では、該製剤は、オデビキシバットの結晶変態1を含む。この安定な結晶変態は、水とエタノール等の有機溶媒との混合物中のオデビキシバットのスラリーから得ることができる。これらの条件下で、1モルのオデビキシバット当たり約2モルの水と約1~約3モル、例えば約2~約3モルのエタノールとを含有する混合溶媒和物(例えば、二水和-二エタノール和物又は二水和-三エタノール和物)が最初に形成される。この混合溶媒和物は、本明細書では結晶変態2と呼ばれる。結晶変態2を真空下(例えば、5mbar未満)又は窒素流下等で乾燥させると、結晶変態2はその有機溶媒分子を失い、結晶変態1となる。幾つかの実施形態では、結晶変態2の結晶変態1への転移は、結晶中間体を介して進行する。この結晶中間体は脱水形であり、それがすぐに空気から水を吸収すると考えられる。理論に束縛されることを望むものではないが、溶媒分子は、結晶の溶解及び再結晶を行うことなく除去することができると考えられる。
【0026】
オデビキシバットの結晶変態1は、上記のような水とエタノールとの混合物からだけでなく、水と、メタノール、2-プロパノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、DMF、及びDMSOからなる群から選択される有機溶媒との混合物中のオデビキシバットのスラリーからも得ることができる。これらの条件下で得られた異なる混合溶媒和物(結晶変態2)を乾燥させると、オデビキシバットの同じ結晶性水和物、具体的には結晶変態1が得られる。
【0027】
結晶変態1は、相対湿度に応じて、1モルのオデビキシバット当たり結晶に結合した約2モルまでの水を含有できる空隙容量を含有する。したがって、この形は、形式的にはチャンネル水和物である。しかし、約30%の相対湿度で、結晶変態1は、1モルの有機化合物当たり実質的に化学量論量の約1.5モルの水を含有し、よってセスキ水和物である。結晶の含水率は、約30%~約70%RHである通常の相対湿度の範囲内で湿度が変化しても実質的に一定のままであるために、この実質的に化学量論量の水は有利であると考えられる。実際に、約30~約70%RHの間等の常湿で、結晶変態1は比較的低い吸湿性を呈する。
【0028】
一実施形態では、該製剤は、CuKα1線で得られた、°2θ位置5.6±0.2、6.7±0.2、及び/又は12.1±0.2に少なくとも特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、オデビキシバットの結晶変態1を含む。
【0029】
特定の実施形態では、該製剤は、CuKα1線で得られた、°2θ位置5.6±0.2、6.7±0.2、及び12.1±0.2に特定のピークと、特徴的なピーク:4.1±0.2、4.6±0.2、9.3±0.2、9.4±0.2、及び10.7±0.2のうちの1つ又は複数とを有するXRPDパターンを有する、結晶変態1を含む。
【0030】
より特定の実施形態では、該製剤は、CuKα1線で得られた、°2θ位置4.6±0.2、5.6±0.2、6.7±0.2、9.3±0.2、9.4±0.2、及び12.1±0.2に特定のピークを有するXRPDパターンを有する、結晶変態1を含む。
【0031】
より特定の実施形態では、該製剤は、CuKα1線で得られた、°2θ位置4.1±0.2、4.6±0.2、5.6±0.2、6.7±0.2、9.3±0.2、9.4±0.2、10.7±0.2、及び12.1±0.2と、8.1±0.2、8.6±0.2、13.4±0.2、13.8±0.2、13.9±0.2、16.6±0.2、17.3±0.2、17.7±0.2、18.3±0.2、18.9±0.2、19.4±0.2、19.7±0.2、20.5±0.2、20.8±0.2、21.6±0.2、23.2±0.2、24.3±0.2、29.8±0.2、及び30.6±0.2のうちの1つ又は複数とに特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、結晶変態1を含む。
【0032】
更により特定の実施形態では、該製剤は、CuKα1線で得られた、°2θ位置4.1±0.2、4.6±0.2、5.6±0.2、6.7±0.2、8.1±0.2、8.6±0.2、9.3±0.2、9.4±0.2、10.7±0.2、12.1±0.2、13.4±0.2、13.8±0.2、13.9±0.2、16.6±0.2、17.3±0.2、17.7±0.2、18.3±0.2、18.9±0.2、19.4±0.2、19.7±0.2、20.5±0.2、20.8±0.2、21.6±0.2、23.2±0.2、24.3±0.2、29.8±0.2、及び30.6±0.2に特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、結晶変態1を含む。
【0033】
別の実施形態では、該製剤は、CuKα1線で得られた、実質的に
図1に示す通りのXRPDパターンを有する結晶変態1を含む。
【0034】
結晶変態1は、約30%の相対湿度で約3.5%(w/w)(全結晶質量に対して)の水を含有するセスキ水和物であるが、湿度が95%RHまで増加すると、結晶は、1.5%(w/w)の追加的な水を吸収し得ることが観察されている。この追加的な水の吸着及び脱着は、完全に可逆的である。追加的な水は、表面上に吸着されることもあるし、構造のチャンネルを更に満たすこともある。幾つかの実施形態では、「過水和した」という用語は、1モルのオデビキシバット当たり約1.5~約4モルの水、例えば1モルのオデビキシバット当たり約1.5~約3.5、又は例えば約1.5~3、又は例えば約1.5~約2.5、又は例えば約1.5~約2モルの水を含有する結晶変態1を指す。幾つかの実施形態では、「過水和した」という用語は、1モルのオデビキシバット当たり約2~約4モルの水、例えば1モルのオデビキシバット当たり約2~約3.5、又は例えば約2~約3、又は例えば約2~2.5モルの水を含有する結晶変態1を指す。
【0035】
過水和した結晶変態1のXRPDパターンは、それを乾燥させると(例えば、真空中50℃で)、若干変化することが観察されている。
図3及び
図4にそれぞれ示す通りに、ピークの小さなシフトが5~13°及び18~25°の2θ範囲に最も明白に見られる。乾燥した変態を、上昇した相対湿度、例えば95%RHまで暴露すると、過水和した変態のXRPDパターンが再び出現する。ピークシフトは、水分子が結晶構造に出入りするときに生じる、単位格子体積の変化の結果である。
【0036】
したがって、別の実施形態では、該製剤は、CuKα1線で得られた、°2θ位置5.7±0.2、6.7±0.2及び/又は12.0±0.2に少なくとも特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、過水和した結晶変態1を含む。
【0037】
特定の実施形態では、該製剤は、CuKα1線で得られた、°2θ位置5.7±0.2、6.7±0.2、及び12.0±0.2に特定のピークと、特徴的なピーク:4.0±0.2、9.4±0.2、9.6±0.2、及び10.8±0.2のうちの1つ又は複数とを有するXRPDパターンを有する、過水和した結晶変態1を含む。
【0038】
より特定の実施形態では、該製剤は、CuKα1線で得られた、°2θ位置4.0±0.2、5.7±0.2、6.7±0.2、9.4±0.2、9.6±0.2、10.8±0.2、及び12.1±0.2に特定のピークを有するXRPDパターンを有する、過水和した結晶変態1を含む。
【0039】
より特定の実施形態では、該製剤は、CuKα1線で得られた、°2θ位置4.0±0.2、5.7±0.2、6.7±0.2、9.4±0.2、9.6±0.2、10.8±0.2、及び12.1±0.2と、4.7±0.2、8.0±0.2、8.6±0.2、13.3±0.2、14.1±0.2、15.3±0.2、16.5±0.2、17.3±0.2、19.3±0.2、19.7±0.2、19.9±0.2、20.1±0.2、20.8±0.2、21.7±0.2、23.6±0.2、26.2±0.2、26.5±0.2、28.3±0.2、及び30.9±0.2のうちの1つ又は複数とに特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、過水和した結晶変態1を含む。
【0040】
更により特定の実施形態では、該製剤は、CuKα1線で得られた、°2θ位置4.0±0.2、4.7±0.2、5.7±0.2、6.7±0.2、8.0±0.2、8.6±0.2、9.4±0.2、9.6±0.2、10.8±0.2、12.1±0.2、13.3±0.2、14.1±0.2、15.3±0.2、16.5±0.2、17.3±0.2、19.3±0.2、19.7±0.2、19.9±0.2、20.1±0.2、20.8±0.2、21.7±0.2、23.6±0.2、26.2±0.2、26.5±0.2、28.3±0.2、及び30.9±0.2に特徴的なピークを有するXRPDパターンを有する、過水和した結晶変態1を含む。
【0041】
別の実施形態では、該製剤は、CuKα1線で得られた、実質的に
図2に示す通りのXRPDパターンを有する、オデビキシバットの過水和した結晶変態1を含む。
【0042】
該製剤の調製において有機溶媒の使用を避けることが望ましい。幾つかの実施形態では、該製剤を調製するための溶媒として水が使用される。オデビキシバットは水にほんの少ししか溶解せず、pH7及び37℃での溶解性は、約30μg/mLほど低いことが決定されている。この水への溶解性の低さのために、オデビキシバットの水性懸濁液は、オデビキシバットの一層大きな凝集粒子を含有することがあり、それによってコア上の医薬品有効成分の分布が不均等になることがある。すなわち、コアが異なる量のオデビキシバットを含有することがあり、それによってひいては用量均一性に影響を及ぼすことになる。したがって、幾つかの実施形態では、オデビキシバットの水性懸濁液は均質である。幾つかの実施形態では、オデビキシバットの均質な水性懸濁液は、コア上に噴霧されている。
【0043】
オデビキシバットは高い効力を呈し、低用量で投与されるべきであり、とりわけ体重が約5~20kgである小児患者の治療ではそうである。本明細書に開示する多粒子製剤について高い用量均一性に至るために、該製剤の各々の粒子が同じ量のオデビキシバットを実質的に含有する、すなわち、該製剤の粒子のオデビキシバット含有率における偏差が可能な限り低いことが重要である。
【0044】
本明細書で使用される場合、「均質な」という用語は、約200μmより大きいオデビキシバットの凝集粒子を含有しない、好ましくは約100μmより大きい凝集粒子を含有しない、より好ましくは約50μmより大きい凝集粒子を含有しない懸濁液を指す。コーティング懸濁液中のオデビキシバットの凝集粒子のサイズは、光学顕微鏡法によって、ヨーロッパ薬局方9.0、モノグラフ2.9.37に基づく方法を使用して、実験の部に記載するように決定されてもよい。代替的に、コーティング懸濁液中のオデビキシバットの凝集粒子のサイズは、低角度レーザー光散乱(LALLS)等の光散乱技法によって決定されてもよい。幾つかの実施形態では、コーティング懸濁液の粒径分布のd90値は、15μmより小さく、例えば14μmより小さく、例えば13μmより小さく、例えば12μmより小さく、例えば11μmより小さく、又は例えば10μmより小さい。
【0045】
幾つかの実施形態では、オデビキシバットの均質な懸濁液は、湿式粉砕によって化合物を水中に分散させることによって調製することができる。湿式粉砕は、せん断によって、破砕によって、又は磨砕によって、固体物質を液体中に分散させるプロセスである。湿式粉砕機の例として、コロイドミル、コニカルミル、ボールミル、ディスクミル、及び高せん断分散機が挙げられる。本発明に使用するための湿式粉砕機の具体例は、コロイドミルである。
【0046】
幾つかの実施形態では、オデビキシバットの結晶化度は、湿式粉砕中に増加する。
【0047】
好ましくは、オデビキシバットは、ホモジナイザを使用して最初に少量の水中で湿らせ、その後コロイドミルを使用して水中に分散させる。均質化した分散体をコア上に噴霧すると、医薬品有効成分を均等に分布させることができる。
【0048】
該製剤は、界面活性剤等の、該製剤に厳密には必要でない成分をいずれも含まないことが望ましい。したがって、好ましい実施形態では、コーティング懸濁液は界面活性剤を含有しない。同様に、幾つかの実施形態では、該製剤のコーティング層は界面活性剤を含有しない。
【0049】
一実施形態では、粒子は、サシェ中に含有される。別の実施形態では、粒子は、カプセル中に含有される。そのようなカプセルは、ゼラチンから、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)等のセルロース系ポリマーから、又はプルラン等の多糖系ポリマーから作製されてもよい。カプセルは、そのまま飲み込まれてもよく、又は、例えば、開口させて内容物(すなわち粒子)を投与用の食品媒体上に振りかけることができるように設計されてもよい。後者の場合、1つのカプセル中の粒子の数は、好ましくは大さじ1杯の食品上に合うものであるべきである。幾つかの実施形態では、カプセルは、約20~約100mg、例えば、約30、約40、約50、約60、約70、約80、又は約90mgの粒子を含有する。
【0050】
乳児、幼児、及び6才までの小児等の若い方の小児患者の場合、粒子は、ヨーグルト、アップルソース、果実ピューレ、又はオートミール等の、容易に飲み込むことができ、噛むことを必要としない食品上に振りかけられることが好ましい。6才より大きい小児、青年、及び若年成人等の年齢の高い方の小児患者の場合、粒子を含有するカプセルは、そのまま飲み込まれてもよい(すなわち、開口させない)。離乳がまだ済んでいない又は半固形食を摂取することができない約6か月までの新生児患者の場合、該製剤は、母乳、粉ミルク、又は水等の適切な液体媒体中に粒子を分散させることによって投与することができる。粒子が液体媒体中に分散されているとき、分散後30分以内であれば、活性成分の喪失又は分解の徴候を有することなくそれを患者に投与することができる。幾つかの実施形態では、オデビキシバットの粒子を投与するのに使用される液体媒体の体積は、すすぎも含めて、約20mLより少なくてもよく、例えば約15mLより少なくても、例えば約10mLより少なくても、又は例えば約5mLより少なくてもよい。幾つかの実施形態では、分散された粒子は、経口注射器を使用して口内に直接投与される。
【0051】
本明細書に開示する製剤は、肝疾患、例えば胆汁酸依存性肝疾患の治療又は予防に使用されてもよい。幾つかの実施形態では、肝疾患は、血清中及び/又は肝臓内の胆汁酸レベルの上昇を伴う。本明細書に開示する製剤は、特に、胆汁うっ滞性肝疾患、例えば、稀な小児胆汁うっ滞性肝疾患、例えば、胆道閉鎖;葛西手術後の胆道閉鎖;肝臓移植後の胆道閉鎖;進行性家族性肝内胆汁うっ滞(PFIC)、例えば、PFIC-1、PFIC-2、PFIC-3、及び非特定PFIC、胆汁分流後のPFIC、並びに肝臓移植後のPFIC;アラジール症候群(ALGS);並びに原発性胆汁性肝硬変(PBC);並びに小児胆汁うっ滞性そう痒の治療又は予防に使用されてもよい。したがって、一態様では、本発明は、胆汁うっ滞性肝疾患の治療又は予防に使用するための本明細書に開示する製剤に関する。別の態様では、本発明は、ヒト等の対象における胆汁うっ滞性肝疾患を治療又は予防する方法であって、そのような治療又は予防を必要とする対象に治療的有効量の本明細書に開示する製剤を投与することを含む方法に関する。
【0052】
胆道閉鎖は、大胆管の部分的若しくは全体的な閉塞を(又は非存在さえ)伴う、稀な小児肝疾患である。この閉塞又は非存在は、肝臓を損傷する胆汁酸の蓄積に至る胆汁うっ滞を引き起こす。幾つかの実施形態では、胆汁酸の蓄積は、肝外胆管系で生じる。幾つかの実施形態では、胆汁酸の蓄積は、肝内胆管系で生じる。現在の標準治療は、閉塞した胆管を除去し、小腸の一部を直接肝臓につなぐ外科手術である、葛西手術である。現在のところ、この障害に対する承認された薬物療法は存在しない。
【0053】
胆道閉鎖の治療を必要とする対象における胆道閉鎖を治療するための方法であって、治療的有効量の本明細書に開示する製剤を投与することを含む方法が本明細書に提供される。幾つかの実施形態では、対象は、葛西手術を受けた後で、本明細書に開示する製剤を投与される。幾つかの実施形態では、対象は、葛西手術を受ける前に、本明細書に開示する製剤を投与される。幾つかの実施形態では、胆道閉鎖の治療によって、対象における血清中胆汁酸のレベルが減少する。幾つかの実施形態では、血清中胆汁酸のレベルは、例えば、ELISA酵素アッセイ、又はDaneseら、PLoS One. 2017、第12(6)巻: e0179200(これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている)に記載されるような総胆汁酸測定アッセイによって決定される。幾つかの実施形態では、血清中胆汁酸のレベルは、本明細書に開示する製剤の投与前の血清中胆汁酸のレベルの、例えば、10%~40%、20%~50%、30%~60%、40%~70%、50%~80%、又は90%超減少し得る。幾つかの実施形態では、胆道閉鎖の治療は、そう痒の治療を含む。
【0054】
PFICは、世界中の出生児50,000~100,000人に一人が罹患し、進行性の、命を脅かす肝疾患を引き起こすと推定される、稀な遺伝障害である
【0055】
PFICの一つの徴候はそう痒であり、それによって生活の質が著しく低下することが多い。ある場合には、PFICは、肝硬変及び肝不全に至る。現在の療法には、部分的胆汁外瘻術(PEFD)及び肝臓移植が含まれるが、これらの選択肢は、術後合併症の実質的なリスクだけなく、心理学的及び社会的問題も抱える可能性がある。
【0056】
1型、2型、及び3型として知られる3つの別々のPFICサブタイプに相関する、3つの代替的な遺伝子欠損が特定されている。
・ PFIC 1型は、「バイラー病」と呼ばれることもあり、胆管内の細胞膜中のリン脂質として知られる脂肪の適正な均衡を維持するのを助けるタンパク質をコードする、ATP8B1遺伝子の変異に起因する胆汁分泌の障害によって引き起こされる。これらのリン脂質の不均衡は、胆汁うっ滞及び肝臓内の胆汁酸の上昇と関連している。PFIC 1型に罹患した対象は、通常、生後1か月で胆汁うっ滞を発症し、外科的治療がなければ、生後10年が過ぎる前に肝硬変及び末期肝疾患に進行する。
・ PFIC 2型は、「バイラー症候群」と呼ばれることもあり、胆汁酸を肝臓外に移動させる胆汁酸塩排出ポンプとして知られるタンパク質をコードする、ABCB11遺伝子の変異に起因する胆汁酸塩分泌の障害によって引き起こされる。PFIC 2型を有する対象は、生後数年以内に肝不全を発症することが多く、肝細胞癌として知られる、ある種の肝臓がんを発症するリスクが高い。
・ PFIC 3型は、典型的には、小児期の最初の数年に進行性胆汁うっ滞と共に現れ、細胞膜を横切ってリン脂質を移動させる輸送体をコードするABCB4遺伝子の変異によって引き起こされる。
【0057】
加えて、TJP2遺伝子、NR1H4遺伝子、又はMyo5b遺伝子変異が、PFICの原因として提示されている。加えて、PFICを有する対象には、ATP8B1、ABCB11、ABCB4、TJP2、NR1H4、又はMyo5b遺伝子のいずれにも変異を有していない者もいる。これらの場合、この状態の原因は不明である。
【0058】
ATP8B1遺伝子又は得られるタンパク質の例示的な変異を、ヒト野生型ATP8B1タンパク質(例えば、配列番号1)又は遺伝子(例えば、配列番号2)に基づいて番号を付け、Table 1(表1)及びTable 2(表2)に列挙する。ABCB11遺伝子又は得られるタンパク質の例示的な変異を、ヒト野生型ABCB11タンパク質(例えば、配列番号3)又は遺伝子(例えば、配列番号4)に基づいて番号を付け、Table 4(表4)及びTable 5(表5)に列挙する。
【0059】
当業者であれば理解できるように、配列番号1又は3における特定のアミノ酸位置に対応する参照タンパク質配列におけるアミノ酸位置は、参照タンパク質配列を配列番号1又は3と(例えば、ClustalW2等のソフトウェアプログラムを使用して)整列させることによって決定することができる。これらの残基に対する変更(本明細書では「変異」と呼ぶ)は、配列内の又は配列に隣接する単一又は複数のアミノ酸置換、挿入、及び配列内の又は配列に隣接する欠失を含み得る。当業者であれば理解できるように、配列番号2又は4における特定のヌクレオチド位置に対応する参照遺伝子配列におけるヌクレオチド位置は、参照遺伝子配列を配列番号2又は4と(例えば、ClustalW2等のソフトウェアプログラムを使用して)整列させることによって決定することができる。これらの残基に対する変更(本明細書では「変異」と呼ぶ)は、配列内の又は配列に隣接する単一又は複数のヌクレオチド置換、挿入、及び配列内の又は配列に隣接する欠失を含み得る。Kooistraら、「KLIFS: A structural kinase-ligand interaction database」、Nucleic Acids Res. 2016、第44巻、番号D1、D365-D371頁(これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている)も参照されたい。
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
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【0074】
幾つかの実施形態では、ATP8B1における変異は、L127P、G308V、T456M、D554N、F529del、I661T、E665X、R930X、R952X、R1014X、及びG1040Rから選択される。
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
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【0098】
幾つかの実施形態では、ABCB11における変異は、A167T、G238V、V284L、E297G、R470Q、R470X、D482G、R487H、A570T、N591S、A865V、G982R、R1153C、及びR1268Qから選択される。
【0099】
対象におけるPFIC(例えば、PFIC-1及びPFIC-2)を治療する方法が提供され、該方法は、対象から得られた試料についてアッセイを行って、対象がPFICに関連する変異(例えば、ATP8B1、ABCB11、ABCB4、TJP2、NR1H4、又はMyo5b変異)を有しているかどうか決定すること、及び治療的有効量の式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩を、PFICに関連する変異を有していると決定された対象に投与すること(例えば、特異的に又は選択的に投与すること)を含む。幾つかの実施形態では、変異は、ATP8B1又はABCB11変異である。例えば、Table 1~4(表1~4)のいずれか一つに示すような変異である。幾つかの実施形態では、ATP8B1における変異は、L127P、G308V、T456M、D554N、F529del、I661T、E665X、R930X、R952X、R1014X、及びG1040Rから選択される。幾つかの実施形態では、ABCB11における変異は、A167T、G238V、V284L、E297G、R470Q、R470X、D482G、R487H、A570T、N591S、A865V、G982R、R1153C、及びR1268Qから選択される。
【0100】
PFICの治療を必要とする対象におけるPFIC(例えば、PFIC-1及びPFIC-2)を治療するための方法がまた提供され、該方法は、(a)対象におけるPFICに関連する変異(例えば、ATP8B1、ABCB11、ABCB4、TJP2、NR1H4、又はMyo5b変異)を検出すること;及び(b)対象に治療的有効量の本明細書に開示する製剤を投与することを含む。幾つかの実施形態では、PFICを治療するための方法は、治療的有効量の式(I)の化合物又は医薬として許容されるその塩を、PFICに関連する変異(例えば、ATP8B1、ABCB11、ABCB4、TJP2、NR1H4、又はMyo5b変異)を有する対象に投与することを含み得る。幾つかの実施形態では、変異は、ATP8B1又はABCB11変異である。例えば、Table 1~4(表1~4)のいずれか一つに示すような変異である。幾つかの実施形態では、ATP8B1における変異は、L127P、G308V、T456M、D554N、F529del、I661T、E665X、R930X、R952X、R1014X、及びG1040Rから選択される。幾つかの実施形態では、ABCB11における変異は、A167T、G238V、V284L、E297G、R470Q、R470X、D482G、R487H、A570T、N591S、A865V、G982R、R1153C、及びR1268Qから選択される。
【0101】
幾つかの実施形態では、対象は、次世代シーケンシング(NGS)を含めた、当業者に認められる検査の使用を通して、対象又は対象からの生検標本におけるPFICに関連する変異を有すると決定される。幾つかの実施形態では、対象は、対象若しくは対象からの生検標本におけるPFICに関連する変異を識別するための、規制機関に承認された、例えば、FDAに承認された検査若しくはアッセイを使用して、又は本明細書に記載するアッセイの非限定的な例のいずれかを行うことによって、PFICに関連する変異を有すると決定される。PFICを診断する更なる方法は、Gunaydin, M.ら、Hepat Med. 2018、第10巻、95~104頁(参照によりその全体が本明細書に組み込まれている)に記載されている。
【0102】
幾つかの実施形態では、PFIC(例えば、PFIC-1又はPFIC-2)の治療によって、対象における血清中胆汁酸のレベルが減少する。幾つかの実施形態では、血清中胆汁酸のレベルは、例えば、ELISA酵素アッセイによって、又はDaneseら、PLoS One. 2017、第12(6)巻: e0179200(これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている)に記載されるような総胆汁酸を測定するためのアッセイによって決定される。幾つかの実施形態では、血清中胆汁酸のレベルは、本明細書に開示する製剤の投与前の血清中胆汁酸のレベルの、例えば、10%~40%、20%~50%、30%~60%、40%~70%、50%~80%、又は90%超減少し得る。幾つかの実施形態では、PFICの治療は、そう痒の治療を含む。
【0103】
別の態様では、本発明は、オデビキシバットの均質な水性懸濁液を調製する工程を含む、本明細書に開示する通りの医薬製剤を調製するための方法に関する。好ましい実施形態では、コーティング懸濁液は、オデビキシバットを湿式粉砕によって水中に分散させることによって調製される。
【0104】
より特定の実施形態では、該方法は、
a)ホモジナイザを使用してオデビキシバットを水中で湿らせる工程;及び
b)湿ったオデビキシバットを湿式粉砕によって水中に分散させ、それによってオデビキシバットの均質な水性懸濁液を得る工程
を含む。
【0105】
幾つかの実施形態では、オデビキシバットは、工程a)の湿らせる工程の前にふるい分けされる。
【0106】
幾つかの実施形態では、該方法は、皮膜形成ポリマーを懸濁液に添加する工程を更に含む。皮膜形成ポリマーは、オデビキシバットの懸濁液中の均一な分散を容易にすることができる。皮膜形成ポリマーは、湿式粉砕工程の前又は後のどちらで添加してもよい。幾つかの実施形態では、湿式粉砕は、皮膜形成ポリマーが存在しない方が効果的である。したがって、好ましい実施形態では、皮膜形成ポリマーは、工程(b)で得られたオデビキシバットの均質な水性懸濁液に添加される。
【0107】
コーティング懸濁液の均質性は、皮膜形成ポリマーの添加の前又は後のどちらでチェックしてもよい。実験の部に記載するように、オデビキシバット凝集粒子のサイズを光学顕微鏡法によって決定し得るとき、コーティング懸濁液は、200μmより大きい凝集粒子を含有するべきではない。懸濁液は、好ましくは100μmより大きい凝集粒子を含有せず、より好ましくは50μmより大きい凝集粒子を含有しない。凝集粒子のサイズをLALLS等の光散乱技法によって決定するとき、コーティング懸濁液の粒径分布のd90値は、好ましくは15μmより小さく、例えば14μmより小さく、例えば13μmより小さく、例えば12μmより小さく、例えば11μmより小さく、又は例えば10μmより小さい。
【0108】
別の好ましい実施形態では、コーティング懸濁液は、界面活性剤を含有しない。
【0109】
別の態様では、本発明は、本明細書に開示する通りの方法のいずれかによって得られる製剤に関する。
【0110】
定義
本明細書で使用される場合、「治療」、「治療する」、及び「治療すること」という用語は、本明細書に記載する通りの疾患、又は障害、又はそれらの1つ若しくは複数の症状の後退、緩和、それらの発症の遅延、又はそれらの進行の阻害を指す。幾つかの実施形態では、治療は、1つ又は複数の症状が発症した後に施されてもよい。他の実施形態では、治療は、症状の非存在下で施されてもよい。例えば、治療は、罹患しやすい個体に(例えば、症状の病歴を考慮して、及び/又は遺伝的若しくは他の罹患しやすい要因を考慮して)、症状の発症前に施されてもよい。治療は、症状が解消した後でも、例えば、その再発を予防又は遅延させるために継続されてもよい。
【0111】
本明細書で使用される場合、「医薬として許容される」という用語は、ヒトの医薬用途に適し、一般に安全で無毒であり、生物学的にも他の点でも望ましくないものではない、化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指す。
【0112】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、本明細書では、値又はパラメータであって、その値又はパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(及び記載する)値又はパラメータを指す。例えば、「約20」に言及する記載は、「20」の記載を含む。数値範囲は、範囲を定義する数を含む。一般に言えば、「約」という用語は、その変数が示す値、その変数が示す値の実験誤差内のすべての値(例えば、平均の95%信頼区間内)、又はその変数が示す値の10パーセント以内の、どちらでも大きい方を指す。
【0113】
「結晶変態」という用語は、有機化合物の結晶性固相を指す。結晶変態は、溶媒和物又は非溶媒和物のいずれであってもよい。
【0114】
「溶媒和物」という用語は、有機化合物の結晶性固相であって、その結晶構造に組み込まれた溶媒(すなわち、溶媒分子)を有するものを指す。「水和物」は、溶媒が水である溶媒和物である。
【0115】
「セスキ水和物」という用語は、1モルの有機化合物当たり結晶に結合した水を約1.5モル含有する水和物(すなわち、1.5水和物)を指す。本明細書で使用される場合、セスキ水和物は、結晶中に1モルのオデビキシバットに結合した約1.2~約1.8、より好ましくは約1.3~約1.7、より好ましくは約1.4~約1.6、更により好ましくは約1.45~約1.55モルの水を含む。本明細書で算出される水の量は、結晶の表面に吸着された水を除外する。
【0116】
「混合溶媒和物」という用語は、有機化合物の結晶性固相であって、その結晶構造に組み込まれた2種以上の異なる溶媒分子を有するものを指す。少なくとも2種の溶媒分子のうちの1種は、水であってもよい。
【0117】
「スラリー」という用語は、過剰な固体を添加すると、それによって固体と飽和溶液との混合物が形成する、飽和溶液を指す。
【0118】
本明細書で使用される場合、「空隙容量」という用語は、結晶構造中のチャンネル、層、又は他の多かれ少なかれ単離された空隙を指す。
【0119】
オデビキシバットの結晶性試料の結晶化度は、例えば、実験の部に開示する方法のような、X線粉末回折(XRPD)法又は示差走査熱量測定(DSC)法によって測定されてもよい。本明細書において結晶性化合物に言及するとき、好ましくは、DSC法によって測定したときの結晶化度は、約70%超、例えば約80%超、特に約90%超、より特に約95%超である。幾つかの実施形態では、DSC法によって測定したときの結晶化度は、約98%超である。幾つかの実施形態では、DSC法によって測定したときの結晶化度は、約99%超である。結晶化度(%)は、結晶性である総試料質量の質量パーセントを指す。
【0120】
これから以下の実施例によって本発明を説明していくが、これらは、いかなる点においても本発明を限定するものではない。本明細書に述べるすべての引用文献及び参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれている。
【0121】
略語
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOH エタノール
MeOH メタノール
RH 相対湿度
2-PrOH 2-プロパノール
【0122】
実験方法
X線粉末回折(XRPD)分析
分析は、CuロングファインフォーカスX線管及びPIXcel検出器を備えたPANalytical X'Pert Pro回折計を用いて22℃で行った。自動発散及び散乱防止スリットを、0.02radのSollerスリット及びNiフィルターと一緒に使用した。乾燥試料を、切り出したシリコンのZero Background Holder(ZBH)上に塗抹し、2~40°(2θ)の間で、17分の分析時間で分析した。すべてのスラリー試料を熱処理した多孔質アルミナフィルター基板上に滴下し、それらが乾くにつれて2回分析し、最初に1分16秒の走査(2~30°(2θ))、次いで7分の走査(2~30°(2θ))を行った。最後の17分の走査は、試料が数時間乾燥したときに行った。
【0123】
試料のランダム性を増大させるために、試料を分析中に回転させた。以下の実験設定を使用した:
管の張力及び電流:40kV、50mA
波長アルファ1(CuKα1):1.5406Å
波長アルファ2(CuKα2):1.5444Å
波長アルファ1とアルファ2の平均(CuKα):1.5418Å
【0124】
測定条件(使用する装置、試料調製物、又は機械等)に応じて、1つ又は複数の測定誤差を有するX線粉末回折パターンが得られる可能性があることが当技術分野で知られている。特に、XRPDパターンにおける強度は測定条件及び試料調製物に応じて揺らぐ可能性があることが一般に知られている。例えば、XRPDの当業者であれば、ピークの相対強度が、試験中の試料の配向によって、また使用する機器のタイプ及び設定に応じて変動し得ることを認識するであろう。当業者であれば、反射の位置が、回折計内に置かれた試料の正確な高さ及び回折計の零較正によっても影響を受ける可能性があることも認識するであろう。試料の表面の平面性も小さな影響を及ぼすことがある。よって、当業者であれば、本明細書に提示する回折パターンが絶対的なものとして解釈されるべきでないこと、及び本明細書に開示するものと実質的に同一な粉末回折パターンをもたらす結晶形はいずれも本開示の範囲内に含まれることを理解するであろう(更なる情報については、R. Jenkins及びR.L. Snyder、「Introduction to X-ray powder diffractometry」、John Wiley & Sons、1996を参照されたい)。
【0125】
示差走査熱量測定(DSC)
実験は、TA Instruments社Q2000 Differential Scanning Calorimeterを使用して行った。使用したDCSるつぼは、蓋にピンホール(直径≧0.2mm)を有するTZeroアルミニウムパンであった。測定を通して50mL/分の一定流量での乾燥窒素パージをDSCセル内で維持した。
【実施例】
【0126】
(実施例1)
製剤の調製(小規模)
微結晶性セルロース球を、以下のTable 5(表5)に示す通りの異なる2つのオデビキシバットのコーティング懸濁液のうちの1つでコーティングして、0.5%w/w又は1.5%w/wのオデビキシバットのいずれかを含有する粒子を得た。
【0127】
【0128】
結晶性オデビキシバットを使用した。結晶性材料の粒径分布の典型的な値は、d10=0.9μm、d50=4μm、及びd90=20μmであった(ここで、d10、d50、及びd90は、それぞれ粒子集団の10%、50%、及び90%がこれらの値の下にある直径として定義される)。
【0129】
コーティング懸濁液
オデビキシバット原薬を含有するコーティング懸濁液は、以下の3つの工程で調製した:
a)オデビキシバットの懸濁液:オデビキシバット原薬を0.5mmのふるいを通してふるい分けし、続いてホモジナイザを使用して(Ultra Turrax T25;およそ6600~7000rpmで15分)少量の水中で湿らせた。次いで、得られた湿ったオデビキシバット原薬を、コロイドミルを用いて(IKA社Magic Lab MKO又はMKモジュール、14600rpmで20分間、ギャップサイズ1.5回転)水中に分散させ、凝集粒子のレベルが工程内管理の合格限界を満たすまで行った。
b)ヒプロメロースの分散体:ヒプロメロース(3mPa.s)を熱水中に混合しながら分散させ、得られた分散体を室温まで冷却した。
c)オデビキシバットのコーティング懸濁液:コロイドミル内でヒプロメロースの分散体をオデビキシバットの懸濁液に添加し、この懸濁液を4分間10000rpmで混合した。最終的な混合を低速で磁気撹拌器を使用して継続した。オデビキシバットのコーティング懸濁液は、コーティングプロセスに使用する前に0.5mmのふるいを通してろ過した。
【0130】
コーティング懸濁液中のオデビキシバットの分散は、オデビキシバットのコーティング懸濁液に適用できるように調整したヨーロッパ薬局方9.0、モノグラフ2.9.37に基づく方法を使用して、光学顕微鏡法によってモニタリングした。Leica社DMC 2900ディジタルカメラを備えたLeica社DMLB顕微鏡を使用し、10×の倍率の対物レンズを使用した。
【0131】
試料は、4×4の試験領域のグリッド計算盤(grid counting chamber)の上部のブランク対物ガラス上にコーティング懸濁液の小さな液滴を置くこと(パスツールピペットを使用する)によって調製した。カバーガラス(約18×18mm、グリッドと同じサイズ)を液滴上に置き、中央を軽く押して、薄く均等な試料を得た。試料の直径は、カバーガラスのサイズと同程度であった。
【0132】
対物レンズは×10の倍率に設定し、スケールバーは100μmに調整した。5つの複製を走査した。凝集粒子のサイズはいずれも、各々の複製毎に4つの所定の試験領域でそれらをスケールバーに対して比較することによってチェックした。凝集粒子の総数は、5つの複製×4つの試験領域から、すなわち、合計20の試験領域において算出された。20の試験領域が≧50μmの凝集粒子を5つより多く含有しておらず、且つ≧200μmの凝集粒子を含有していなければ、コーティング懸濁液を許容した。
【0133】
コーティングプロセス
微結晶性セルロース(MCC)球は、ウルスター挿入物を有する流動床コーティング機内で、オデビキシバットのコーティング懸濁液を使用してコーティングした。MCC球上のコーティング懸濁液の量は、秤量によって決定する。微粒子だけでなく二重体を除去するために、コーティング済み粒子は、0.5mm及び1.25mmのふるいをそれぞれ通してふるい分けした。次いで粒子をバルクコンテナに移し、医薬品中間体として取り扱った。
【0134】
カプセル充填
各々の単位用量に必要とされる計算量の粒子を、ハードヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル(サイズ0又はサイズ3)中に自動カプセル充填器を使用して充填して、4つの異なる力価:200、400、600、及び1200μgを得た。
【0135】
200及び600μgの力価は、それぞれ0.5%w/w及び1.5%w/wのオデビキシバット濃度を有する40mgの粒子を含有するサイズ0の白色カプセルである。これらの力価は、フェーズ3臨床試験の低(40μg/kg)及び高(120μg/kg)用量群での5.0kgから<19.5kgの範囲の体重を有する患者に使用されることとなる。サイズ0のカプセルは、開口させて内容物を投与用の食品媒体上に振りかけることができるように設計される。それは、そのまま飲み込まれることは意図されていない。
【0136】
400μg及び1200μgの力価は、それぞれ0.5%w/w及び1.5%w/wのオデビキシバット濃度を有する80mgの粒子を含有するサイズ3の白色カプセルである。これらの力価は、フェーズ3臨床試験の低(40μg/kg)及び高(120μg/kg)用量群での19.5kgから>55.5kgの範囲の体重を有する患者に使用されることとなる。サイズ3のカプセルは、そのまま飲み込まれることが意図される。
【0137】
様々なカプセルの力価についての充填質量、オデビキシバット及び他の成分の量、並びにカプセルのサイズを以下のTable 6(表6)に示す。
【0138】
【0139】
(実施例2)
製剤の調製(大規模化)
微結晶性セルロース球を、以下のTable 7(表7)に示す通りの異なる2つのオデビキシバットのコーティング懸濁液のうちの1つでコーティングして、0.5%w/w又は1.5%w/wのオデビキシバットのいずれかを含有する粒子を得た。
【0140】
【0141】
結晶性オデビキシバットを使用した。結晶性材料の粒径分布の典型的な値は、d10=0.9μm、d50=4μm、及びd90=20μmであった(ここで、d10、d50、及びd90は、それぞれ粒子集団の10%、50%、及び90%がこれらの値の下にある直径として定義される)。
【0142】
コーティング懸濁液
オデビキシバット原薬を含有するコーティング懸濁液は、以下の3つの工程で調製した:
a)オデビキシバットの懸濁液:オデビキシバット原薬を、ホモジナイザを使用して(Ultra Turrax T25;およそ6600~7000rpmで15分)少量の水中で湿らせた。次いで、得られた湿ったオデビキシバット原薬を、コロイドミルを用いて(IKA社Magic Lab MKO又はMKモジュール、14600rpmで20分間、ギャップサイズ1.5回転)水中に分散させ、凝集粒子のレベルが工程内管理の合格限界、すなわち、d90<12μm(低角度レーザー光散乱(LALLS)によって決定したとき)を満たすまで行った。
b)ヒプロメロースの分散体:ヒプロメロース(3mPa.s)を熱水中に混合しながら分散させ、得られた分散体を室温まで冷却した。
c)オデビキシバットのコーティング懸濁液:ヒプロメロースの分散体をオデビキシバットの懸濁液に添加し、この懸濁液を混合した。最終的な混合を低速で撹拌器を使用して継続した。オデビキシバットのコーティング懸濁液は、コーティングプロセスに使用する前に0.5mmのふるいを通してろ過した。
【0143】
コーティングプロセス
得られたオデビキシバットのコーティング懸濁液を、実施例1に記載するコーティングプロセスに従って、微結晶性セルロース(MCC)球をコーティングするのに使用した。
【0144】
カプセル充填
カプセルを、実施例1に従って調製した。様々なカプセルの力価についての充填質量、オデビキシバット及び他の成分の量、並びにカプセルのサイズは、上のTable 5(表5)に提示した。
【0145】
(実施例3)
結晶変態1の調製
無水アルコール(100.42kg)及び粗オデビキシバット(18.16kg)を250LのGLRに窒素雰囲気下で撹拌しながら装入した。精製水(12.71kg)を添加し、反応物を25±5℃で15分間窒素雰囲気下で撹拌した。撹拌を25±5℃で3~60分間、透明な溶液が形成されるまで継続した。溶液を、5.0μのSSカートリッジフィルター、続いて0.2μのPPカートリッジフィルターを通してろ過し、次いで清浄な反応器に移した。精製水(63.56kg)を25±5℃で2~3時間にわたってゆっくり添加し、溶液にオデビキシバットの結晶変態1を種晶添加した。溶液を25±5℃で12時間撹拌した。この時間の間に、溶液は濁りを生じた。析出した固体を、遠心分離機を通してろ過し、材料を30分間遠心脱水した。材料を、その後Nutscheフィルター中で12時間真空乾燥させた。次いで材料を、真空棚段乾燥器中、25±5℃、真空下(550mmHg)で10時間、次いで30±5℃、真空下(550mmHg)で16時間乾燥させた。材料をオフホワイトの結晶性固体として単離した。単離した結晶性材料を粉砕し、LDPEの袋に保存した。
【0146】
過水和した試料をXRPDで分析した。その回折図を
図2に示す。別の試料を真空中50℃で乾燥させ、その後XRPDで分析した。乾燥した試料の回折図を
図1に示す。
【0147】
試料の乾燥についての回折図を
図3及び
図4に、それぞれ5~13°及び18~25°の2θ範囲で示す(下に過水和した試料、及び上に乾燥した試料)。
【0148】
(実施例4)
エタノール及び水からの結晶変態2の調製
105.9mgのオデビキシバットを計量して1mLのChromacol容器に入れた。磁気撹拌子及び1.0mLのエタノール:水の70:30%v/v混合物を添加し、容器をクリンプキャップで閉じた。次いで、得られたスラリーを25℃で1週間撹拌したままにした。
【0149】
湿った試料をXRPDで分析した。その回折図を
図5に示す。試料を乾燥させると、それは結晶変態1に転移した。
【0150】
(実施例5)
示差走査熱量測定による結晶分画の決定
この方法は、部分的に結晶性の試料におけるオデビキシバット原薬の結晶分画を定量化する。定量化は、部分的に結晶性の試料がオデビキシバットの結晶性水和物と非晶相との二成分混合物であるという仮定に基づいている。結晶分画は、無水形の融解エンタルピーに基づいて定量化される。この無水形は、水和物を昇温で乾燥させることによって自発的且つ再現可能に形成する、脱水した水和物である。
【0151】
5~6mgの結晶性又は部分的に結晶性のオデビキシバットの試料を正確に計量してDSCるつぼに入れ、次いでそれを、適切なプレスを使用して穴のあいた蓋で閉じた。DSCるつぼの総質量(パン+蓋+試料)を記録し、DSC試験の後でるつぼの総質量を再び決定した。DSC試験中の質量損失は、5%より多くてはならない。
【0152】
DSC試験は以下の3つのサイクルからなる:
サイクル1: 5℃/分の走査速度で20℃から120℃への温度の増加;
サイクル2: 10℃/分の走査速度で120℃から80℃への温度の減少;及び
サイクル3: 10℃/分の走査速度で80℃から200℃への温度の増加。
【0153】
第1の走査サイクルは試料を乾燥させ、それによって水和物形を脱水した水和物(無水形)に変換する。第2の走査サイクルでは、試料を冷却して、後続する昇温での信号積分のための安定なベースラインを得る。試料が無水形の融解を経て加熱される第3の走査サイクルで、融解エンタルピーを決定する。
【0154】
融解に起因する吸熱事象は、140~165℃の温度範囲内で出現する。ピークは、TA Universal AnalysisソフトウェアのSig Tangent積分機能を使用して、S字との接線であるベースライン上を積分しなければならない。積分は、実際のベースラインに応じて、130℃~140℃の間の温度で開始し、165℃~175℃の間の温度で終了するべきである。非晶質部分のガラス転移は、実際の非晶質分画に応じて120~130℃の温度範囲に出現し得る(例として
図6を参照されたい)。不規則なベースラインによって積分ができない場合は、試料の乾燥が不完全であったかどうか評価するべきである。
【0155】
融解エンタルピーの評価は、DSC試験後のDSCるつぼ(パン+蓋+試料)の総質量を試験前のるつぼの総質量から引くことによって得られる、試料の乾燥質量を使用して行われる。初期質量と乾燥質量の差を初期質量で割った、DSC走査中の質量損失(%)は、5%より多くてはならない。さもなければ、試料の結晶含有率を算出することができない。質量パーセントで表される結晶分画は、融解エンタルピー(ΔHsample)から次式に基づいて算出されることになる。その値は整数で与えられるものとする。
【0156】
【0157】
(実施例6)
LALLSによってモニタリングされる均質性
オデビキシバットのコーティング懸濁液の均質性を、低角度レーザー光散乱(LALLS)を使用して試験した。0.5%w/wのオデビキシバットを含有する粒子にするための3つのオデビキシバットのコーティング懸濁液を、オデビキシバット原薬(16g)をUltra Turraxホモジナイザで水(200g)中に7分間分散することによって生成した。原薬が分散したら、ホモジナイザを追加的に8分運転した。次いでホモジナイザを水(216g)ですすぎ、それを懸濁液に添加した。
【0158】
次いで、Table 8(表8)に提示する設定を使用して湿式粉砕機(IKA Magic Lab及びMKモジュール)を使用して、オデビキシバット懸濁液を分散させた。Methocel E3を熱水(85~90℃)中にオーバーヘッド撹拌器で混合しながら分散させ、次いで室温まで冷却した。水を添加することによって、濃度を17.4%w/wに調整した。
【0159】
368gのMethocelゲルをオデビキシバット懸濁液に装入し、湿式粉砕機を使用して10000rpmで更に4分間混合した。懸濁液の温度をプロセス中にチェックした。オデビキシバット懸濁液の均質性を、0、5、10、15、及び20分の再循環時間後にLALLSでモニタリングした。データをTable 9(表9)に提示する。
【0160】
【0161】
【0162】
(実施例7)
含量均一性
2つの異なる力価、0.5%w/w及び1.5%w/wのペレットを、実施例1に記載する通りに調製した。カプセル中のオデビキシバットの量を、逆相高速液体クロマトグラフィ(RP-HPLC)を使用して、30個のカプセルについて決定した。移動相:40:60 アセトニトリル:酢酸塩緩衝液pH5.5;流量1.5mL/分;カラム:Zorbax SB-CN(50×4.6mm、3.5μm)。オデビキシバットのアッセイ量及び含量均一性をTable 10(表10)に提示する。
【0163】
【0164】
(実施例8)
低pHでの安定性試験
0.5%w/wのオデビキシバットを含有する約40mgのコーティング済み粒子(200μgのカプセル1個の含量に相当する)を大さじ1杯の食品上に振りかけ、120分間での回収率を決定することによって、オデビキシバットでコーティングされた粒子と、ヨーグルト、リンゴソース、又は果実ピューレの間の適合性を評価した。オデビキシバットの回収率は、逆相高速液体クロマトグラフィ(RP-HPLC)法を使用して決定した。移動相:40:60 アセトニトリル:酢酸塩緩衝液pH5.5;流量1.5mL/分;カラム:Zorbax SB-CN(50×4.6mm、3.5μm)。
【0165】
すべての食品試料の回収率は95%~101%の間の範囲であり、経時的な変化はなかった。目視検査から、粒子はすべての試料で6時間までそのままであると結論付けられ、色の相違及び溶解した粒子は観察されなかった。この結果から、粒子を食品上に振りかける患者が、意図された用量を受け取ることになることが確認される。試験した食品の概要をTable 11(表11)に提示し、回収試験の結果を、Table 12(表12)(リンゴソース)、Table 13(表13)(ヨーグルトスムージー)、及びTable 14(表14)(果実ピューレ)に提示する。
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】
投与用の特定の食品媒体と混合したときにオデビキシバット粒子に予想される一次分解経路は、ジペプチド部分の酸加水分解である。オデビキシバット粒子の化学的安定性を評価するために、0.5%w/wのオデビキシバットを含有する約200mgの粒子(すなわち、200μgのカプセル5個の含量)に1mLのリン酸緩衝液(pH3.0)を添加し、室温で2時間放置した。分解は何も観察されなかった。
【0171】
(実施例9)
長期安定性試験
実施例1に従って調製したサイズ0及びサイズ3のオデビキシバットのカプセルを、HDPEのキャップを有するHDPEのボトル内に保存し、長期保存条件として25℃及び相対湿度60%で、並びに加速条件として40℃及び相対湿度75%で保持した。オデビキシバット、関連物質、及び水の量を、25℃/60%RHで保存した試料については1、3、6、9、及び12か月後に、40℃/75%RHで保存した試料については1、3、及び6か月後に決定した。力価200μg(サイズ0)のカプセルについての結果をTable 15(表15)に、力価600μg(サイズ0)のカプセルについての結果をTable 16(表16)に、力価400μg(サイズ3)のカプセルについての結果をTable 17(表17)に、そして力価1200μg(サイズ3)のカプセルについての結果をTable 18(表18)に提示する。
【0172】
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
(実施例10)
ペレットの混合均一性
2つの異なる力価、0.5%w/w及び1.5%w/wの粒子を、実施例2に記載する通りに調製した。ふるい分けしたペレットを、PEバッグで裏打ちされた55Lのドラム内に収集した。ペレットを、ドラムの異なる10箇所から0.25mLの試料採取器先端部でサンプリングした。各々の場所からの平均試料は80mgであり、これは、200μg若しくは600μgのサイズ0のカプセル2個の含量、又は400μg又は1200μgのサイズ3のカプセル1個の含量に相当する。オデビキシバットの含量は、RP-UPLCによって決定した:移動相A:80:20 酢酸アンモニウム緩衝液pH5.7/アセトニトリル;移動相B:20:80 酢酸アンモニウム緩衝液pH5.7/アセトニトリル;流量0.40mL/分;カラム:Waters社Acquity BEH C8 100×2.1mm、1.7mm;勾配:0分:60%A:40%B、12分:20%A:80%B、13.5分:20%A:80%B、13.6分:60%A:40%B、15分:60%A:40%B。オデビキシバットのアッセイ量及び含量均一性をTable 19(表19)に提示する。
【0177】
【配列表】