(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】管理サーバ、管理方法、および管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240305BHJP
【FI】
G06Q10/08
(21)【出願番号】P 2021153532
(22)【出願日】2021-09-21
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】石田 雅和
(72)【発明者】
【氏名】平林 泰之
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-105914(JP,A)
【文献】特開2021-086507(JP,A)
【文献】特許第6407359(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達される荷物の受取先変更要求および配車予約要求を利用者端末から受け付ける受付手段と、
前記配車予約要求に含まれる利用地点に基づいて、利用地点から所定距離の範囲内にある配車サービス業者を抽出する抽出手段と、
前記配車予約要求に基づいた配車予約情報と前記荷物の受取指示を、
抽出した前記配車サービス業者の配車サービスを管理する配車管理手段に出力し、前記受取先変更要求に基づいて、前記荷物の配達先を、
抽出した前記配車サービス業者の配車予約先に変更する配達先変更情報を、前記荷物を管理する荷物管理手段に出力する出力手段と、
を備える管理サーバ。
【請求項2】
前記配車管理手段は、前記配車サービスを提供するタクシー会社によって利用され、前記配車予約情報に応じてタクシーの配車を管理する
ことを特徴とする、請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記受取指示は、前記タクシー会社に配達された前記荷物を受け取り、前記配車予約情報により配車された車内に移すこと、前記配車予約情報により配車された車内に配達された前記荷物を受け取ること、または、前記配車予約情報により配車された車が、前記荷物管理手段を利用して前記荷物を管理する配達業者に留め置かれた前記荷物を受け取りに行くこと、のうちのいずれかを前記タクシー会社に指示する情報である
ことを特徴とする、請求項
2に記載の管理サーバ。
【請求項4】
前記配車管理手段は、前記配車サービスを提供するカーシェアリング会社によって利用され、前記配車予約情報に応じてシェアカーの配車を管理する
ことを特徴とする、請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項5】
前記受付手段は、利用者端末から前記配車予約要求を受け付けると、前記受取先変更要求の有無を確認する
ことを特徴とする、請求項1乃至
4のいずれかに記載の管理サーバ。
【請求項6】
前記受付手段は、前記荷物の配達予定情報を受信した利用者の利用者端末から、前記配車サービスの利用有無を含む前記受取先変更要求を受け付ける
ことを特徴とする、請求項1乃至
5のいずれかに記載の管理サーバ。
【請求項7】
コンピュータが、
配達される荷物の受取先変更要求および配車予約要求を利用者端末から受け付け、
前記配車予約要求に含まれる利用地点に基づいて、利用地点から所定距離の範囲内にある配車サービス業者を抽出し、
前記配車予約要求に基づいた配車予約情報と前記荷物の受取指示とを、
抽出した前記配車サービス業者の配車サービスを管理する配車管理手段に出力し、
前記受取先変更要求に基づいて、前記荷物の配達先を、
抽出した前記配車サービス業者の前記配車予約情報に基づいた配車予約先に変更する配達先変更情報を荷物管理手段に出力する、
管理方法。
【請求項8】
配達される荷物の受取先変更要求および配車予約要求を利用者端末から受け付ける受付処理と、
前記配車予約要求に含まれる利用地点に基づいて、利用地点から所定距離の範囲内にある配車サービス業者を抽出する抽出処理と、
前記配車予約要求に基づいた配車予約情報と前記荷物の受取指示を、
抽出した前記配車サービス業者の配車サービスを管理する配車管理手段に出力し、前記受取先変更要求に基づいて、前記荷物の受取先を、
抽出した前記配車サービス業者の前記配車予約情報に基づいた配車予約先に変更する配達先変更情報を荷物管理手段に出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させる管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配達する荷物の管理サーバ等に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物の配達サービスの需要が拡大し、中でも再配達による配達業者の負担が大きくなっている。
【0003】
特許文献1には、ユーザから配車サービスの予約を受け付けた際に、ユーザが配送を指示した荷物がある場合、当該荷物を予約された配車サービスの目的地へ配送するか否かをユーザの入力に応じて決定し、ユーザの目的地への到着に合わせて、配送車両による当該荷物の配達を可能にする配送システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の配送システムでは、配達業者は配車サービスによる目的地への到着に合わせて荷物を配達する必要がある。
【0006】
本開示の目的の一例は、荷物の配達サービスにおいて、配達業者の負担を軽減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様における管理サーバは、配達される荷物の受取先変更要求および配車予約要求を利用者端末から受け付ける受付手段と、前記配車予約要求に基づいた配車予約情報と前記荷物の受取指示を、配車サービスを管理する配車管理手段に出力し、前記受取先変更要求に基づいて、前記荷物の配達先を、前記配車予約情報に基づいた配車予約先に変更する配達先変更情報を、前記荷物を管理する荷物管理手段に出力する出力手段と、を備える。
【0008】
本開示の一態様における管理方法は、配達される荷物の受取先変更要求および配車予約要求を利用者端末から受け付け、前記配車予約要求に基づいた配車予約情報と前記荷物の受取指示とを、配車サービスを管理する配車管理手段に出力し、前記受取先変更要求に基づいて、前記荷物の配達先を、前記配車予約情報に基づいた配車予約先に変更する配達先変更情報を荷物管理手段に出力する。
【0009】
本開示の一態様における管理プログラムは、コンピュータに、配達される荷物の受取先変更要求および配車予約要求を利用者端末から受け付ける受付処理と、前記配車予約要求に基づいた配車予約情報と前記荷物の受取指示を、配車サービスを管理する配車管理手段に出力し、前記受取先変更要求に基づいて、前記荷物の受取先を、前記配車予約情報に基づいた配車予約先に変更する配達先変更情報を荷物管理手段に出力する出力処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示による効果の一例は、荷物の配達サービスにおいて、配達業者の負担を軽減することができることである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第一実施形態における管理サーバの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第一実施形態における管理サーバを含む管理システムの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第一実施形態における、管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第二実施形態における管理サーバの構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第二実施形態における、管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第三実施形態における、管理サーバの構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第三実施形態における、管理システムの利用シーンの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第四実施形態における、管理サーバの構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第四実施形態における、管理システムの利用シーンの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本開示における管理サーバをコンピュータ装置とその周辺装置で実現したハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態における管理サーバ100の構成を示すブロック図である。
図1を参照すると、管理サーバ100は、受付部101と出力部102と、を備える。
【0014】
次に、第一実施形態における管理サーバ100の構成について詳しく説明する。
【0015】
図1において、受付部101は、配達される荷物の受取先変更要求および配車予約要求を利用者端末から受け付ける。利用者端末は、利用者が使用する端末である。
【0016】
具体的に、利用者端末と管理サーバ100は、例えば、インターネットに接続される。利用者端末は、アプリケーションまたはWEB(World Wide Web)サイトを用いて、荷物の受取先変更要求および配車予約要求を管理サーバ100に送信する。あるいは利用者端末は、管理サーバ100に受取先変更要求および配車予約要求を音声で通知する。受付部101は、インターネットを経由して利用者端末から受取先変更要求および配車予約要求を受け付ける。あるいは、受付部101は、電話による自動音声応答を用いて、荷物の受取先変更要求および配車予約要求を受け付ける。受付部101が受取先変更要求および配車予約要求を受け付ける方法はこれらに限られない。
【0017】
本実施形態において、荷物とは、配達業者により配達され、利用者が受け取る荷物である。また、配車予約とは、配車サービスの予約であり、例えば、タクシーの予約である。あるいは、配車サービスは、ハイヤー、カーシェアリング、ライドシェア、レンタカー、バスなどでもよく、配車予約して利用する交通手段であり、自宅や勤務先などの荷物の行先の近くまで利用できる交通手段であればよい。また、配車サービスは、荷物の盗難および損傷を避けるため、鍵をかけられる、または運転手によって荷物を監視下に置くことができるとよい。さらに、配車サービスは、例えば、宅配ボックスが付いた自転車やバイクのようなものでもよい。
【0018】
出力部102は、受付部101が受け付けた配車予約要求に基づいた配車予約情報と、荷物の受取指示と、を
図1には不図示の配車管理部に出力する。
【0019】
配車予約要求は、利用者が配車の予約を要求するための情報である。配車予約要求は、例えば、利用開始地点、利用開始時刻、利用者の情報を含む。他にも、配車予約要求は、目的地、利用者が配車サービスを利用する会社、利用者が利用する交通手段の種類、配車予約の希望条件、利用終了時刻、決済の情報を含んでもよい。利用者の情報は、利用者端末に関する情報、または、利用者を識別するための情報である。また、出力部102は、利用者の情報を、あらかじめ管理サーバ100に登録された情報から抽出してよい。具体的に、出力部102は、あらかじめ登録された情報から、利用者の情報を抽出してもよい。
【0020】
例えば、利用者が配車サービスとしてタクシーを利用する場合、配車予約要求は、少なくとも迎車地点と迎車時間を含む。あるいは、配車サービスとしてカーシェアリングを利用する場合、配車予約要求は、少なくとも利用開始時刻、利用終了時刻、利用地点を含む。このとき、利用地点は、シェアカーの利用を開始したい地域、あるいは地図上に設定された範囲としてもよい。
【0021】
具体的に、出力部102は、配車予約情報と受取指示と配達先変更情報を生成する。このうち、配車予約情報は、利用者端末から受け付けた配車予約要求に基づいて、配車サービスの予約を行うための情報である。より具体的には、配車予約情報は、配車予約要求に含まれる情報に基づいた、例えば、利用開始地点、利用開始時刻、利用者の情報である。利用者の情報は、配車サービスの利用時に利用者を識別するための情報であり、例えば、利用者の氏名や電話番号である。また、配車予約情報は、配車予約要求に含まれる情報として上記の例に挙げた情報を含んでもよい。
【0022】
荷物の受取指示は、配車サービス業者が荷物を配達業者から受け取るための指示をする情報である。具体的に、出力部102は、受取先変更要求、配車予約要求、配達先変更情報、配車予約情報のうち、少なくともひとつに基づいて、荷物の受取指示を配車管理手段に出力する。例えば、受取指示は、配車サービス業者の営業所または事業所に配達された荷物を受け取り、配車予約情報により配車された車内に移すことを指示する。また、受取指示は、配車予約情報により配車された車内に配達された荷物を受け取ることを指示してもよい。あるいは、受取指示は、配車予約情報により配車された車が配達業者の営業所または事業所に留め置かれた荷物を受け取りに行くことを指示してもよい。また、カーシェアリングで予約されたシェアカーの車内に荷物を直接配達されることも受取指示としてもよい。
【0023】
更に、出力部102は、受付部101が受け付けた荷物の受取先変更要求に基づいて、荷物の配達先を、配達業者から配車予約情報に基づいた配車予約先に変更する配達先変更情報を、荷物管理手段に出力する。
【0024】
受取先変更要求は、利用者が荷物の受取先の変更を要求するための情報である。より詳しくは、受取先変更要求は、配車予約要求によって予約された配車予約先に、利用者が荷物を受け取る場所を変更することを示す情報である。例えば、受取先変更要求は、配車予約先、宅配ボックス、コンビニエンスストア、配達業者の営業所または事業所などの受取先変更の選択肢のうちから、配車予約先にすることを利用者が選択したことを示す情報でもよい。受取先変更要求は、例えば、利用者の情報、受取先変更する荷物の整理番号、受取先を配車予約先に変更することを示す情報を含む。他にも、受取先変更要求は、配達会社の情報、受け取りの希望日時、他の荷物とまとめて受け取ることを希望することを示す情報を含んでもよい。ここで、配車予約先は、例えば、配車予約情報によって示される情報である。あるいは、配車予約先は、配車管理手段が配車予約情報に基づいて決定した情報であり、この場合、管理サーバ100は、配車予約先を含む、確定した配車予約の情報を、配車管理部から取得する。配車予約先は、利用者が荷物を受け取る場となる、配車予約された車に関する情報である。例えば、配車予約先は、利用者が利用する配車サービス業者、または利用者が利用する配車予約された車両などの交通手段を、情報として含む。利用者が利用する配車サービス業者は、配車サービス業者の営業所または事業所である。配車サービス業者は、個人営業者であってもよい。出力部102は、配車予約情報から配車予約先を抽出してもよい。配達先を配車予約先に変更するとは、配車予約した配車サービス業者を通して、荷物を配達させることである。実体的な配達先は、受取指示の例に挙げたように、配車予約された配車サービス業者の営業所または事業所、または配車予約により配車された車内である。このように、配達先変更情報は、利用者の荷物の配達先を配車予約先に変更すること、すなわち、配車サービス業者の営業所または事業所、または配車予約により配車された車内に、配達先を変更することを、荷物管理手段に指示する情報である。また、配達先変更情報は、配車サービス業者が取りに行くべき荷物の保留先を、配達業者に設定する情報でもよい。こうすることで、配達業者は荷物を配達業者の営業所または事業所に留め置いて、配車予約された車を用いて利用者が荷物を取りに行くようにすることができる。
【0025】
次に、
図2は、第一実施形態における管理システム1000の構成を示すブロック図である。
図2を参照すると、管理システム1000は、管理サーバ100と、利用者端末103と、配車管理手段の一例である配車管理部104と、荷物管理手段の一例である荷物管理部105と、を備える。
【0026】
図2において、利用者端末103は、配達される荷物の受取人である利用者が荷物の受取先変更要求および配車予約要求を行う端末装置である。利用者端末103は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PC(Personal Computer)などの端末装置であるが、これらに限られない。利用者端末103は、インターネットや電話回線を介して管理サーバ100と通信を行う。
【0027】
配車管理部104は、配車サービスの配車を管理する。配車管理部104は、管理サーバ100を実施する主体とは異なる主体によって実施されてもよい。例えば、配車管理部104は、配車サービスを提供するタクシー会社によって利用される。あるいは、配車管理部104は、配車サービスを提供するカーシェアリング会社によって利用されるが、配車サービスはこれらに限られない。配車管理部104は、管理サーバ100から独立して、管理サーバ100と通信可能に接続されていてもよいし、管理サーバ100に含まれてもよい。配車管理部104が管理サーバ100から独立している場合、配車サービスを実施する配車サービス業者は既存の配車管理システムを配車管理部104として利用することができる。配車管理部104は、出力部102から出力される、配車予約要求に基づいた配車予約情報と荷物の受取指示とを取得する。そして、配車管理部104は、配車予約情報と荷物の受取指示とに応じて、配車予約を行い、利用者に対し、配車を行う。この場合、配車管理部104は、受取指示の内容を表示してもよい。配車サービス業者は、配車管理部104が取得した受取指示に基づいて、配達業者から荷物を受け取り、配車される車の車内に荷物を移す。または、受取指示に基づいて、配達業者によって配車される車の車内に荷物が配達される。このようにして配車サービス業者は、利用者に対し配車を行い、利用者に荷物を受け渡す。
【0028】
また、配車管理部104は、配車予約が確定したとき、確定した配車予約の情報を利用者端末に出力してもよい。この場合の出力は、管理サーバ100を通して利用者端末に出力されてもよいし、配車管理部104が、利用者の情報を用いて利用者端末に直接出力してもよい。また、確定した配車予約の情報には、利用者を認証するためのパスワードや認証番号などの情報を含んでもよい。こうすることで、管理システム1000は、利用者に確実に配車予約された配車サービスを提供することができ、さらに、荷物を確実に利用者に受け取らせることができる。
【0029】
荷物管理部105は、配達業者の荷物を管理する。荷物管理部105は、管理サーバ100から独立して、管理サーバ100と通信可能に接続されていてもよいし、管理サーバ100に含まれてもよい。荷物管理部105が管理サーバ100から独立している場合、配達業者は既存の荷物管理システムを荷物管理部105として利用することができる。荷物管理部105は、出力部102から出力される、荷物の配達先を配車予約先に変更する受取先変更情報を取得する。そして、荷物管理部105は、配達先変更情報に基づいて、荷物の配達先を変更する。配達業者は、配車予約先に配達先変更がなされた荷物を配車サービス業者の営業所または事業所、あるいは配車予約された車内に配達する。または、荷物を配達業者の営業所または事業所に留め置き、配車予約された車に受け渡してもよい。
【0030】
また、荷物管理部105は、配達先変更情報によって配達先の変更がなされたとき、配達先が変更されたことを示す情報を利用者端末103に出力してもよい。この場合の出力は、管理サーバ100を通して利用者端末103に出力されてもよいし、荷物管理部105が、利用者端末103に直接出力してもよい。また、配達先が変更されたことを示す情報には、配車予約先で利用者が荷物を受け取るときに利用者を認証するためのパスワードや認証番号などの情報を含んでもよい。こうすることで、管理システム1000は、荷物を確実に利用者に受け取らせることができる。さらに、荷物管理部105は、配達先変更がなされた荷物を利用者が受け取ったことを示す情報を利用者端末103から受信してもよい。この場合も、荷物を利用者が受け取ったことを示す情報は、管理サーバ100を介して荷物管理部105が受信してもよいし、荷物管理部105が直接利用者端末から取得してもよい。あるいは、荷物管理部105が、荷物を利用者が受け取ったか否かを確認する情報を利用者端末103に出力することを契機に、荷物管理部105が荷物を利用者が受け取ったことを示す情報を受信してもよい。こうすることで、荷物管理部105が、荷物が利用者によって受け取られたことを確認することができ、確実な荷物管理ができる。
【0031】
配車管理部104と、荷物管理部105とが管理サーバ100から独立している場合、配車管理部104を利用する配車サービス業者、及び荷物管理部105を利用する配達業者とは別の第三者が管理サーバ100を利用し、配車サービス業者と配達業者のサービスを融合させることができる。この場合、配車管理部104および荷物管理部105は、
図2では1つずつ図示されているが、それぞれ複数あってもよい。
【0032】
以上のように構成された管理サーバ100の動作について、
図3のフローチャートを参照して説明する。
【0033】
図3は、第一実施形態における管理サーバ100の動作の概要を示すフローチャートである。尚、このフローチャートによる処理は、プロセッサによるプログラム制御に基づいて、実行されてもよい。
【0034】
図3に示すように、まず、受付部101は、荷物の受取先変更要求および配車予約要求を、利用者端末103から受け付ける(ステップS101)。
【0035】
次に、出力部102は、配車予約要求に基づいた配車予約情報と荷物の受取指示を、配車管理部104に出力する(ステップS102)。
【0036】
次に、出力部102は、荷物の配達先を配車予約先に変更する配達先変更情報を、荷物管理部105に出力する(ステップS103)。
【0037】
以上で、管理サーバ100は、一連の動作を終了する。
【0038】
上述した本実施形態における管理サーバは、受付部が、利用者端末から荷物の受取先変更要求および配車予約要求を受け付ける。そして、出力部が配車予約情報と荷物の受取指示を配車管理部に出力し、さらに、荷物の配達先を配車予約先に変更する配達先変更情報を荷物管理手段に出力する。
【0039】
その結果、本実施形態における管理サーバは、荷物の配達サービスにおいて、配達業者の負担を軽減することができる。
[第二実施形態]
次に、本開示の第二実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0040】
図4は、本開示の第二実施形態にかかる管理サーバの構成を示すブロック図である。第二実施形態の管理サーバ200は、第一実施形態の構成に加えて、抽出部206を含む。
【0041】
抽出部206は、受付部101が利用者端末から受け付けた配車予約要求に基づいて、配車予約先を抽出する。例えば、利用者端末から受け付けた配車予約要求に含まれる情報である利用地点に基づいて、利用地点から所定距離の範囲内にある配車サービス業者を抽出する。所定距離は、例えば1kmなどの距離であるが、これに限られず、適宜定められればよい。所定距離は、利用者の求めに応じて変更されてもよい。また、抽出部206が、所定距離の範囲内に所在する配車サービス業者として抽出する配車サービス業者は、利用地点から所定時間内に到達可能な位置にある配車サービス業者でもよい。
【0042】
配車サービスを提供する配車サービス業者がタクシー会社である場合について説明する。抽出部206は、配車予約要求として受け付けた情報に含まれる、迎車地点から所定距離の範囲内、例えば、1km以内に所在する営業所または事業所をもつタクシー会社を抽出する。この時設定した所定距離の範囲においてタクシー会社が抽出されなければ、抽出部206は、範囲を広げて再度抽出すればよい。そして、出力部102は、抽出部206が抽出したタクシー会社が利用する配車管理部104に、配車予約情報と荷物の受取指示を出力する。また、ここではタクシー会社がもつ営業所または事業所を抽出したが、個人タクシーであれば、あらかじめ設定された営業範囲や拠点に基づいて、抽出部206が配車予約先を抽出してよい。また、ここではタクシー会社の営業所や事業所、拠点の位置と迎車地点との距離に基づいて、抽出部206がタクシー会社を抽出した。他にも、例えば、初乗り代金や、車両の大きさなど、配車予約要求において利用者が希望する条件に基づいて、抽出部206がタクシー会社を抽出してもよい。この例は、配車サービス業者として、ハイヤーやレンタカーを利用する場合にも適用することができる。
【0043】
また、例えば、配車サービス業者がカーシェアリング会社である場合について説明する。抽出部206は、配車予約要求として受け付けた情報に含まれる、利用地点から所定距離の範囲内、例えば、1km以内に駐車されているシェアカーを抽出する。この時設定した所定距離の範囲でシェアカーが抽出されなければ、抽出部206は、範囲を広げて再度抽出すればよい。また、シェアカーを抽出する場合には、荷物が配達される予定時刻から、利用者の希望する利用終了時刻まで利用可能であるシェアカーを抽出する。荷物が配達される予定時刻は、荷物の受取指示に含まれる。このとき、荷物の受取指示は、シェアカーが荷物の配達時刻にシェアカーが駐車場にあること、または利用者の利用時間内であることを指示する。そして、出力部102は、抽出部206が抽出したシェアカーを管理するカーシェアリング会社の配車管理部104に配車予約情報と荷物の受取指示を出力する。さらに、出力部102は、抽出されたシェアカーを荷物の配達先に変更する配達先変更情報を荷物管理部105に出力する。このとき、荷物の配達先は駐車場に停められたシェアカーでよいが、シェアカーから近くの配達業者の営業所または事業所に荷物を留め置き、利用者がシェアカーを利用して取りに行くようにしてもよい。また、他にも、例えば、利用したいカーシェアリング会社や、車両の大きさなど、配車予約要求において利用者が希望する条件に基づいて、抽出部206がシェアカーを抽出してもよい。
【0044】
さらに、抽出部206は、複数の配車サービス業者を抽出した場合、複数の候補を利用者に選択するよう受付部101に利用者端末と通信させてもよい。または、複数の配車サービス業者を抽出した場合、抽出部206は、利用地点から最短距離にある配車サービス業者を抽出してもよい。あるいは、管理サーバ100に配車サービス業者を選択する場合の優先順位情報を記憶させ、優先順位情報に基づいて、抽出部206が、抽出された複数の配車サービス業者から、配車サービス業者を選択してもよい。
【0045】
以上のように構成された管理サーバ200の動作について、
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0046】
図5は、第二実施形態における管理サーバ200の動作の概要を示すフローチャートである。尚、このフローチャートによる処理は、プロセッサによるプログラム制御に基づいて、実行されてもよい。
【0047】
図5に示すように、まず、受付部101が、荷物の受取先変更要求および配車予約要求を、利用者端末から受け付ける(ステップS201)。
【0048】
次に、抽出部206は、配車予約要求に含まれる利用地点から、所定距離の範囲内の配車予約先を抽出する(ステップS202)。
【0049】
次に、出力部102は、抽出した配車予約先が利用する配車管理部104に配車予約情報と荷物の受取指示を出力する(ステップS203)。
【0050】
次に、出力部102は、荷物の配達先を、抽出した配車予約先に変更する配達先変更情報を、荷物管理部105に出力する(ステップS204)。
【0051】
以上で、管理サーバ200は、一連の動作を終了する。
【0052】
上述した本実施形態における管理サーバは、受付部が、利用者端末から荷物の受取先変更要求および配車予約要求を受け付ける。そして、抽出部が、配車予約要求に含まれる利用地点から所定距離の範囲内にある配車予約先を抽出する。出力部が配車予約情報と荷物の受取指示を、抽出された配車予約先の配車管理部に出力し、さらに、荷物の配達先を配車予約先に変更する配達先変更情報を荷物管理手段に出力する。
【0053】
その結果、本実施形態における管理サーバは、荷物の配達サービスにおいて、配達業者の負担を軽減することができる。
[第三実施形態]
次に、本開示の第三実施形態について、
図6、
図7を参照して説明する。
【0054】
図6において、管理システム3000は、管理サーバ300と、利用者端末103と、配車管理部104と、を備える。管理サーバ300は、管理サーバ100と比べて、荷物管理部105をさらに備える。管理サーバ300は、管理サーバ200に、荷物管理部105をさらに備える構成でもよい。
【0055】
荷物管理部105を含む管理サーバ300は、配達業者が利用する管理サーバである。配車管理部104は、複数あってもよい。
【0056】
配達業者が管理サーバ300を利用する場合の利用シーンの一例を
図7に示す。
図7中の(1)~(5)の数字は、本実施形態を実施する場合の動作の順番の例を示す。なお、本実施形態を実施する動作はこれに限られない。
【0057】
例えば、配達業者の管理サーバ300は、利用者に配達する荷物に関する荷物情報を受け付けると、利用者端末103に、荷物の配達予定情報を送信する。配達予定情報には、配達予定の日時や荷物の依頼主などの情報が含まれる。利用者が荷物の受取先を変更したい場合、利用者端末103は、利用者の入力によって受取先変更要求を管理サーバ300に送信する。このとき、利用者が、配車サービスを利用したい場合、受取先変更要求とともに配車予約要求を管理サーバ300に送信する。あるいは、管理サーバ300の受付部101は、利用者端末103から配車サービスの利用有無を含む受取先変更要求を受け付けてもよい。または、配達業者の管理サーバ300が配達予定情報を利用者端末103に送信するときに、配車サービスを利用して荷物を受け取ることを勧める情報を送信してもよい。
【0058】
あるいは、利用者が配車サービスを利用して荷物を受け取ることができるよう、管理サーバ300は、受け付けた配車予約要求に基づいて、配車サービス業者が利用する配車管理部104に配車予約情報と荷物の受取指示を出力する。配車管理部104によって配車予約が確定すると、荷物管理部105は、荷物の配達先を配車予約先に変更する。また、このとき、管理サーバ300または配車サービス業者が利用する配車管理部104は、確定した配車予約の情報を利用者端末103に送信する。そして、配車予約先に配達先を変更された荷物は、配車予約先に受け渡される。そして、配車サービス業者の配車管理部は配車を行う。
【0059】
その結果、利用者は、配車サービスを利用し、荷物を受け取ることができる。
【0060】
本実施形態における管理サーバは、荷物の配達サービスにおいて、配達業者の負担を軽減することができる。また、本実施形態における管理システムは、荷物の配達の際に配車サービス業者を利用することができるため、配車サービス業者の利用を促進することができる。
[第四実施形態]
次に、本開示の第四実施形態について、
図8、
図9を参照して説明する。
【0061】
図8において、管理システム4000は、管理サーバ400と、利用者端末103と、荷物管理部105と、を備える。管理サーバ400は、管理サーバ100と比べて、配車管理部104をさらに備える。管理サーバ400は、第二実施形態の管理サーバ200に、配車管理部104をさらに備える構成でもよい。
【0062】
配車管理部104を含む管理サーバ400は、配車サービス業者が利用する管理サーバである。荷物管理部105は、複数あってもよい。
【0063】
配車サービス業者が管理サーバ400を利用する場合の利用シーンの一例を
図9に示す。
図9中の(1)~(4)の数字は、本実施形態を実施する場合の動作の順番の例を示す。なお、本実施形態を実施する動作はこれに限られない。
【0064】
例えば、配車サービス業者が利用する管理サーバ400は、利用者端末103から配車予約要求および荷物の受取先変更要求を受け付ける。あるいは、管理サーバ400の受付部101が利用者端末103から配車予約要求を受け付けた場合に、利用者端末103、または、配達業者が利用する荷物管理部105に、利用者が受け取り予定または配達業者が配達予定の荷物の有無を問い合わせてもよい。そして、配達予定の荷物がある場合、管理サーバ400が受取先変更要求を受け付けてもよい。または、受付部101が、荷物の受取先変更要求の有無を確認する情報を利用者端末に出力してもよい。配車サービス業者が利用する管理サーバ400において、配車予約要求に基づいて荷物の受取指示を含む配車予約を確定し、荷物の配達先を配車予約先に変更する配達先変更情報を配達業者が利用する荷物管理部105に出力する。そして、配達業者は取得した荷物の配達先変更情報に基づいて、配車予約先に荷物を配達する。そして、配車サービス業者は、配達業者から荷物を受け取り、配車を行う。
【0065】
その結果、利用者は、配車サービスを利用し、荷物を受け取ることができる。
【0066】
本実施形態における管理サーバは、荷物の配達サービスにおいて、配達業者の負担を軽減することができる。
【0067】
[ハードウェア構成]
以上説明した、本開示の各実施形態における各構成要素は、機能的なブロックで表されており、
図10に示すコンピュータ装置と同様に、その機能をハードウェア的に実現することはもちろん、プログラム制御に基づくコンピュータ装置、ファームウェアで実現することができる。
【0068】
図10は、本開示の各実施形態における管理サーバ100または管理サーバ200を、プロセッサを含むコンピュータ装置10で実現したハードウェア構成の一例を示す図である。
図10に示されるように、コンピュータ装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、プログラムを格納するハードディスク等の記憶装置13、入力装置および出力装置接続用の入出力I/F(Interface)14、およびネットワーク接続用の通信I/F(Interface)15を含む。
【0069】
CPU11は、オペレーティングシステムを動作させて本開示の管理サーバの全体を制御する。また、CPU11は、例えばドライブ装置などに装着された記憶媒体からメモリ12にプログラムやデータを読み出す。また、CPU11は、例えば第二実施形態における抽出部206の一部として機能し、プログラムに基づいて処理または命令を実行する。
【0070】
記憶装置13は、例えば光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、または半導体メモリ等である。記憶装置の一部の記憶媒体は、不揮発性記憶装置であり、そこにプログラムを記録する。また、プログラムは、通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからダウンロードされてもよい。
【0071】
入出力I/F(Interface)14に接続される入力装置は、例えばマウスやキーボード、内蔵のキーボタンなどで実現され、入力操作に用いられる。入力装置は、マウスやキーボード、内蔵のキーボタンに限られない。
【0072】
同様に入出力I/F(Interface)14に接続される出力装置は、例えばディスプレイやスピーカーで実現され、出力を確認するために用いられる。
【0073】
通信I/F(Interface)15は、他装置との有線通信または無線通信を行う。例えば、外部の利用者端末、配車管理部、または荷物管理部などとの通信を行う。
【0074】
以上のように、本開示の各実施形態および各変形例の管理サーバは、
図10に示されるコンピュータ・ハードウェアによって実現される。ただし、管理サーバが備える各部の実現手段は、以上説明した構成に限定されない。また、管理サーバは、物理的に結合した一つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した二つ以上の装置を有線または無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。例えば、入力装置および出力装置は、コンピュータ装置10とネットワークを経由して接続されていてもよい。
【0075】
以上、各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しえる様々な変更をすることができる。
【0076】
例えば、管理サーバは、第一実施形態の管理サーバ100または第二実施形態の管理サーバ200に、配車管理部104および荷物管理部105が含まれる管理サーバとして変更されてもよい。
【0077】
また、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【符号の説明】
【0078】
10 コンピュータ装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 入出力I/F
15 通信I/F
100 管理サーバ
101 受付部
102 出力部
103 利用者端末
104 配車管理部
105 荷物管理部
200 管理サーバ
206 抽出部
300 管理サーバ
400 管理サーバ
1000 管理システム
3000 管理システム
4000 管理システム