(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】皮膚用組成物およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/891 20060101AFI20240305BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/26 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/27 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20240305BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20240305BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61K8/891
A61K8/19
A61K8/25
A61K8/26
A61K8/27
A61K8/29
A61Q1/00
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2021203794
(22)【出願日】2021-12-16
(62)【分割の表示】P 2019162353の分割
【原出願日】2011-08-31
【審査請求日】2021-12-16
(32)【優先日】2011-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2011-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2011-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2011-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2010-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2011-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2011-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2011-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2011-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2011-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2010-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ベティー
(72)【発明者】
【氏名】ロマキン,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】カン,ス-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】アダムス,ベンジャミン,ダブリュ.
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-520002(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0142599(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚に塗布するための身体補正用配合物を含む二部キットであって、以下の:
a)前記身体補正用配合物である第一の部分として、反応性補強成分であって、以下の:
i)反応性要素であって、少なくとも1つのアルケニル官能化オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサンを含み、
前記少なくとも1つのアルケニル官能化オルガノポリシロキサンはビニル基を含み;及び
ii)補強要素;並びに
b)第二の部分として、白金を含む架橋成分;
c)前記二部キットの使用に関する指示書
を含む、二部キットであって、ここで、
前記少なくとも1つのアルケニル官能化オルガノポリシロキサンの粘度は、25℃で110,000~450,000cSt又はcPであり;及び、
前記反応性補強成分の粘度は、25℃で5,000~1,000,000cSt又はcPであり;並びに、
前記架橋成分は、配合物の架橋反応を触媒し、前記皮膚上のその場で膜を形成し、前記膜の前記形成は、周囲温度でヒト被験体の皮膚に塗布した後、5分以内に実質的に完了し;
並びに、
前記少なくとも1つのアルケニル官能化オルガノポリシロキサンは、以下の式IIa:
【化1】
で表されるポリマーであり、前記少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサンは、以下の式III:
【化2】
(式中、
R
la'、R
3a'、R
4a'、R
5a'、R
6a'、R
8a'、R
9a'、及びR
10a'は各々、独立して、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、C
5-10アリール、ヒドロキシル、又はC
1-20アルコキシルであり;
p及びqは各々、独立して、10~6000の整数であり、
R
lb、R
2b、R
3b、R
6b、R
7b、及びR
8bは、C
1-20アルキルであり;
R
4b、R
5b、R
9b、及びR
10bは各々、独立して、水素、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、C
5-10アリール、ヒドロキシル、及びC
1-20アルコキシルからなる群から選択され、ここで、
R
4b、R
5b、R
9b、及びR
10bのうちの少なくとも2つは水素であり;
m及びnは各々、独立して10~6000の整数である)
で表されるポリマーであり、ここで、
ビニル対官能性ヒドリド比は、1:10~1:100であり、
前記反応性要素及び前記補強要素は、前記反応性補強成分中に20%~90%含まれ、
前記補強要素は、前記反応性補強成分中に8~13%含まれ、かつ、
前記反応性要素は、前記反応性補強成分中に30%~60%含まれる、
二部キット。
【請求項2】
少なくとも1つのアルケニル官能化オルガノポリシロキサンの粘度は、25℃で120,000~400,000cSt又はcPである、請求項1に記載の二部キット。
【請求項3】
少なくとも1つのアルケニル官能化オルガノポリシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン、ビニルフェニルメチル末端ビニルフェニルシロキサン-フェニルメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端トリフルオロプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端ジエチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;トリメチルシロキシ末端ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;シラノール末端ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニルガム;ビニルメチルシロキサンホモポリマー;ビニルT構造ポリマー;モノビニル末端ポリメチルシロキサン;ビニルメチルシロキサンターポリマー;ビニルメトキシシランホモポリマー;及びそれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の二部キット。
【請求項4】
少なくとも1つのアルケニル官能化オルガノポリシロキサンは、ビニル末端である、請求項1に記載の二部キット。
【請求項5】
少なくとも1つのアルケニル官能化オルガノポリシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサンである、請求項1に記載の二部キット。
【請求項6】
少なくとも1つのアルケニル官能化オルガノポリシロキサンには、0.01~0.3の質量%のビニルがある、請求項1に記載の二部キット。
【請求項7】
前記架橋成分は、さらに、ビニル末端のオルガノポリシロキサンを含む、請求項1に記載の二部キット。
【請求項8】
ビニル末端のオルガノポリシロキサンは、前記架橋成分の50質量%未満である、請求項7に記載の二部キット。
【請求項9】
ビニル末端のオルガノポリシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン、ビニルフェニルメチル末端ビニルフェニルシロキサン-フェニルメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端トリフルオロプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端ジエチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;モノビニル末端ポリジメチルシロキサン;及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項7に記載の二部キット。
【請求項10】
少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサンの粘度は、5~11,000cSt又はcP(25℃)である、請求項1に記載の二部キット。
【請求項11】
少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサンには、含有量が0.5~10mmol/gであるSiHがある、請求項1に記載の二部キット。
【請求項12】
少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサンが、ヒドリド末端ポリジメチルシロキサン;ヒドリド末端ポリフェニル(ジメチルヒドロシロキシ)シロキサン;ヒドリド末端メチルヒドロシロキサン-フェニルメチルシロキサンメチルシロキサンコポリマー;トリメチルシロキ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;トリメチルシロキ末端ポリメチルヒドロシロキサン;ポリエチルヒドロシロキサン、トリエチルシロキサン、メチルヒドロシロキサン-フェニルオクチルメチルシロキサンコポリマー;メチルヒドロシロキサン-フェニルオクチルメチルシロキサンテルポリマー;及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の二部キット。
【請求項13】
少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサンは、アルキル末端である、請求項1に記載の二部キット。
【請求項14】
少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサンは、トリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマーである、請求項1に記載の二部キット。
【請求項15】
少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサンには、少なくとも2つのSi-Hユニットがある、請求項1に記載の二部キット。
【請求項16】
少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサンには、少なくとも3つのSi-Hユニットがある、請求項1に記載の二部キット。
【請求項17】
前記補強要素の表面積は、100~300m
2/gである、請求項1に記載の二部キット。
【請求項18】
前記補強要素の表面積の平均粒径は、1~20μmである、請求項1に記載の二部キット。
【請求項19】
前記補強要素は、場合によっては表面処理された雲母、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化アルミニウム、粘土、及びシリカからなる群より選択される、請求項1に記載の二部キット。
【請求項20】
前記補強要素はシリカである、請求項1に記載の二部キット。
【請求項21】
シリカは、ヒュームドシリカである、請求項20に記載の二部キット。
【請求項22】
ヒュームドシリカは、ヘキサメチルジシラザンで表面処理される、請求項21に記載の二部キット。
【請求項23】
白金触媒は、白金カルボニルシクロビニルメチルシロキサン錯体、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金オクタンアルデヒド/オクタノール錯体、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の二部キット。
【請求項24】
前記反応性補強成分及び/又は前記架橋成分は、さらに、感触改質剤、展延性促進剤、接着改質剤、希釈剤、タック改良剤、光学改質剤、粒子、揮発性シロキサン、乳化剤、皮膚軟化剤、界面活性剤、増粘剤、溶剤、成膜剤、湿潤剤、防腐剤及び顔料の1つ以上を含む、請求項1に記載の二部キット。
【請求項25】
前記反応性補強成分及び前記架橋成分は、使用前の接触が妨げられる、請求項1に記載の二部キット。
【請求項26】
i)反応性要素及びii)補強要素を含む反応性補強成分
であって、ここで、
前記i)反応性要素は、少なくとも1つのビニル官能化オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサンを含み、
ここで、前記少なくとも1つのビニル官能化オルガノポリシロキサンの粘度は、25℃で110,000~450,000cSt又はcPであり;
前記少なくとも1つのビニル官能化オルガノポリシロキサンには、粘度が25℃で130,000~300,000cSt又はcPの粘度である、少なくとも1つの高粘度ビニル官能化オルガノポリシロキサンがあり;及び、
前記反応性補強成分の粘度は、25℃で5,000~1,000,000cSt又はcPであり;並びに、
前記少なくとも1つのビニル官能化オルガノポリシロキサンは、以下の式IIa:
【化3】
で表されるポリマーであり、前記少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサンは、以下の式III:
【化4】
(式中、
R
la'
、R
3a'
、R
4a'
、R
5a'
、R
6a'
、R
8a'
、R
9a'
、及びR
10a'
は各々、独立して、C
1-20
アルキル、C
2-20
アルケニル、C
5-10
アリール、ヒドロキシル、又はC
1-20
アルコキシルであり;
p及びqは各々、独立して、10~6000の整数であり、
R
lb
、R
2b
、R
3b
、R
6b
、R
7b
、及びR
8b
は、C
1-20
アルキルであり;
R
4b
、R
5b
、R
9b
、及びR
10b
は各々、独立して、水素、C
1-20
アルキル、C
2-20
アルケニル、C
5-10
アリール、ヒドロキシル、及びC
1-20
アルコキシルからなる群から選択され、ここで、
R
4b
、R
5b
、R
9b
、及びR
10b
のうちの少なくとも2つは水素であり;
m及びnは各々、独立して10~6000の整数である)
で表されるポリマーであり、ここで、
ビニル対官能性ヒドリド比は、1:10~1:100であり、
前記反応性要素及び前記補強要素は、前記反応性補強成分中に20%~90%含まれ、
前記補強要素は、前記反応性補強成分中に8~13%含まれ、かつ、
前記反応性要素は、前記反応性補強成分中に30%~60%含まれる、
反応性補強成分。
【請求項27】
高粘度ビニル官能化オルガノポリシロキサンの粘度は、25℃で165,000cSt又はcPである、請求項26に記載の反応性補強成分。
【請求項28】
反応性補強成分の粘度は、25℃で5,000~100,000cSt又はcPである、請求項26又は27に記載の反応性補強成分。
【請求項29】
高粘度ビニル官能化オルガノポリシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン、ビニルフェニルメチル末端ビニルフェニルシロキサン-フェニルメチルシロキサン共重合体;ビニル末端トリフルオロプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニル末端ジエチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;トリメチルシロキシ末端ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;シラノール末端ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニル末端ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニルガム;ビニルメチルシロキサンホモポリマー;ビニルT構造ポリマー;モノビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニルメチルシロキサンターポリマー;ビニルメトキシシランホモポリマー及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項26~28のいずれか一項に記載の反応性補強成分。
【請求項30】
高粘度オルガノポリシロキサンは、ポリジメチルシロキサンである、請求項29に記載の反応性補強成分。
【請求項31】
官能化ビニル対官能性ヒドリド比が、1:35~1:100である、請求項26~30のいずれか一項に記載の反応性補強成分。
【請求項32】
皮膚に塗布するための身体補正用配合物であって、以下の:
a)
i)反応性要素であって、少なくとも1つのビニル官能化オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサン
;並びに
ii)補強要素を含む反応性補強成分;
かつ、
b)架橋成分;
を含む身体補正用配合物であって、ここで、
ここで、
前記少なくとも1つのビニル
官能化オルガノポリシロキサンの粘度は、25℃で110,000~450,000cSt又はcPであり;及び、
前記反応性補強成分の粘度は、25℃で5,000~1,000,000cSt又はcPであり;並びに、
前記少なくとも1つのビニル
オルガノポリシロキサンは、以下の式IIa:
【化5】
で表されるポリマーであり、前記少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサンは、以下の式III:
【化6】
(式中、
R
la'
、R
3a'
、R
4a'
、R
5a'
、R
6a'
、R
8a'
、R
9a'
、及びR
10a'
は各々、独立して、C
1-20
アルキル、C
2-20
アルケニル、C
5-10
アリール、ヒドロキシル、又はC
1-20
アルコキシルであり;
p及びqは各々、独立して、10~6000の整数であり、
R
lb
、R
2b
、R
3b
、R
6b
、R
7b
、及びR
8b
は、C
1-20
アルキルであり;
R
4b
、R
5b
、R
9b
、及びR
10b
は各々、独立して、水素、C
1-20
アルキル、C
2-20
アルケニル、C
5-10
アリール、ヒドロキシル、及びC
1-20
アルコキシルからなる群から選択され、ここで、
R
4b
、R
5b
、R
9b
、及びR
10b
のうちの少なくとも2つは水素であり;
m及びnは各々、独立して10~6000の整数である)
で表されるポリマーであり、ここで、
ビニル対官能性ヒドリド比は、1:10~1:100であり、
前記反応性要素及び前記補強要素は、前記反応性補強成分中に20%~90%含まれ、
前記補強要素は、前記反応性補強成分中に8~13%含まれ、かつ、
前記反応性要素は、前記反応性補強成分中に30%~60%含まれ、
前記架橋成分は、白金触媒を含み、かつ、前記反応性補強成分のその場形成架橋を触媒して、皮膚上に身体補正膜を形成し、前記身体補正膜を身体に塗布すると皮膚に自然な外観をもたらされ、
前記膜の前記形成は、周囲温度でヒト被験体の皮膚に塗布した後、5分以内に実質的に完了する、
身体補正用配合物。
【請求項33】
前記反応性補強成分と前記架橋成分は、使用前に互いに反応することが防止される、請求項32に記載の身体補正用配合物。
【請求項34】
前記反応性補強成分の粘度は、25℃で5,000~100,000cSt又はcPである、請求項32又は33に記載の身体補正用配合物。
【請求項35】
ビニル官能化オルガノポリシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン、ビニルフェニルメチル末端ビニルフェニルシロキサン-フェニルメチルシロキサン共重合体;ビニル末端トリフルオロプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニル末端ジエチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;トリメチルシロキシ末端ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;シラノール末端ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニル末端ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニルガム;ビニルメチルシロキサンホモポリマー;ビニルT構造ポリマー;モノビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニルメチルシロキサンターポリマー;ビニルメトキシシランホモポリマー及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項32~34のいずれか一項に記載の身体補正用配合物。
【請求項36】
ビニル官能化オルガノポリシロキサンは、ポリジメチルシロキサンである、請求項35に記載の身体補正用配合物。
【請求項37】
前記反応性補強成分のビニル対官能ヒドリド比は、1:35~1:100である、請求項32~36のいずれか一項に記載の身体補正用配合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2011年6月23日出願の米国仮特許出願第61/500455号、2011年6月20日出願の米国仮特許出願第61/499002号、2011年6月13日出願の米国仮特許出願第61/496420号、2011年6月3日出願の米国仮特許出願第61/493020号、2011年5月23日出願の米国仮特許出願第61/489119号、2011年5月16日出願の米国仮特許出願第61/486643号、2011年4月7日出願の米国仮特許出願第61/472995号、2011年2月24日出願の米国仮特許出願第61/446337号、2011年1月13日出願の米国仮特許出願第61/432458号、2010年11月11日出願の米国仮特許出願第61/412531号および2010年8月31日出願の米国仮特許出願第61/378504号の利益を主張する。上記出願の内容全体を参照により本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
皮膚の外観の欠点、例えば、しわ、小じわ、しみ、毛穴の広がりまたは傷跡を減少させる現在の方法として、侵襲的および非侵襲的方法ならびに配合物がある。外科手術、充填剤(例えば、レスチレン、ジュベダーム)、レーザーリサーフェイシングまたはボトックス(登録商標)などの侵襲的技術は、より持続効果があり、目立つ欠点を処置することができる。しかし、多くの消費者は、このような極端な美容処置を行う余裕がないか、希望しないかのどちらかである。
【0003】
非侵襲的方法の例として、ファンデーションタイプの化粧品を皮膚に塗布し、または時間をかけて外観の欠点を減少させ得る成分を含む化粧用配合物(例えば、抗しわクリーム)を塗布することにより欠点を隠すものがある。残念ながら、ファンデーション化粧品は、耐久性がなく、目立つ皮膚の外観の欠点、例えば、深いしわまたは傷跡を減少させることができず、その一方で、外観の欠点を減少させ得る種々の成分を含有する化粧用配合物は、効果が出るまでに時間がかかり、また目立つ外観の欠点は減少させることができない。特に、現在の多くの化粧用配合物には、目立つ外観の欠点を減少させるために必要な機械的特性がない。
【0004】
タンパク質および多糖などの高分子量ポリマーは、老化防止用スキンケア化粧用配合物を開発する試みとして使用されてきた(Jachowicz et al., Skin Res. and Tech., 2008,14:312-319)。これらのポリマーは、皮膚に塗布された場合、皮膚の物理特性(例えば、弾力性および硬さ)を変化させるが、長時間の使用における自然な、繰り返される顔の動きを可能にする耐久性は得られなかった。今日のスキンケア製品に使用される市販のポリマー材料では、持続効果のある製品の性能として弾力性、耐環境性および皮膚密着性が必ずしも得られず、化粧製品の消費者が求める美的な感触および外観も得られない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、求められる美的品質を呈し、皮膚および身体の外観の欠点を減少させる、耐久性があり、自然に見える非侵襲的組成物を提供し、その一方で、例えば、より侵襲的な、皮膚科医が投与する方法を通して、典型的に得られるような化粧効果を提供する。
【0006】
一実施形態において、本発明は、対象者に塗布された場合、身体補正皮膜を形成し、それにより身体の欠点を改善する非侵襲的身体補正用配合物を提供する。本発明は、このような身体補正用配合物の使用方法も提供する。別の実施形態において、本発明は皮膜を除去するクレンザーを提供する。
【0007】
それに応じて、一実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、対象者の皮膚に塗布される、a)反応性補強成分およびb)架橋成分を含む身体補正用配合物に関し、この場合、架橋成分が、in situで(その場で)反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、身体補正皮膜が対象者の皮膚に形成され、皮膜が自然な皮膚の外観となる。
【0008】
一実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、対象者の皮膚に塗布される、a)反応性補強成分およびb)架橋成分を含む二成分身体補正用配合物に関し、この場合、反応性補強成分および架橋成分が使用前に接触することが防止され、、架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、身体補正皮膜が対象者の皮膚に形成される。
【0009】
一実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、対象者の皮膚に塗布される、a)反応性補強成分およびb)架橋成分を含む身体補正用配合物を提供し、この場合、反応性補強成分が、25℃にて約5000~約1000000cStまたはcPの粘度を有し、架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、身体補正皮膜が対象者の皮膚に形成される。
【0010】
一実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、対象者の皮膚に塗布される、a)反応性補強成分およびb)架橋成分を含む身体補正用配合物に関し、この場合、反応性補強成分が、約1:10~約1:100のビニル:官能化ヒドリドの比を有し、架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、身体補正皮膜が対象者の皮膚に形成される。
【0011】
一実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、a)対象者の皮膚に反応性補強成分を塗布し、b)反応性補強成分に架橋成分を塗布するステップを含むプロセスにより調製された身体補正皮膜に関し、この場合、架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、身体補正皮膜が対象者の皮膚に形成される。
【0012】
一実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、a)対象者の皮膚に反応性補強成分を塗布し、b)反応性補強成分に架橋成分を塗布するステップを含むプロセスにより調製された身体整形皮膜に関し、この場合、架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、身体整形皮膜が対象者の皮膚に形成される。
【0013】
一実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、対象者の皮膚に、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、対象者の身体の欠点を補正する方法に関し、この場合、架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより身体の欠点を補正する。
【0014】
一実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、対象者の皮膚に、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、対象者の皮膚を予防する方法に関し、この場合、架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより皮膚を予防する。
【0015】
一実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、対象者の身体に、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、対象者の身体を整形する方法に関し、この場合、架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、皮膜が身体に形成され、それにより身体を整形する。
【0016】
一実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、対象者の皮膚に、a)場合により1種以上の薬剤を含む第1の反応性補強成分およびb)場合により1種以上の薬剤を含む第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、対象者に薬剤を送達する方法に関し、この場合、架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより対象者に薬剤を送達する。
【0017】
一実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの予め選択された機能調節成分を含む、対象者の身体に塗布する身体補正用配合物に関し、この場合、組成物は、対象者の身体に塗布された場合、身体補正皮膜を形成する。
【0018】
一実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの予め選択された処置特異的成分を含む、対象者の身体の処置領域を標的とする、対象者の皮膚に塗布される身体補正用配合物に関し、この場合、組成物は、対象者の身体の標的処置領域に塗布される場合、身体補正皮膜を形成する。
【0019】
一実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、身体補正皮膜を除去する場合に使用される皮膜除去クレンザーに関し、この場合、皮膜が、皮膚に反応性補強成分を塗布し、上記反応性補強成分に架橋成分を塗布するステップを含むプロセスにより調製され、上記架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒する。
【0020】
別の実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、皮膜湿潤成分、浸透成分、皮膜膨張成分および皮膜剥離成分を含む皮膜除去クレンザーに関する。
【0021】
いくつかの実施形態において、本発明は、皮膚に塗布された身体補正皮膜を修復する配合物に関し、この場合、上記配合物は、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含み、架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成される。
【0022】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、a)修復の必要な皮膜の領域を識別し、b)場合により皮膜の端部を滑らかにし、c)皮膜を修復する配合物を塗布するステップを含む、皮膚に塗布された身体補正皮膜を修復する方法に関し、この場合、配合物は、第1の反応性補強成分および第2の架橋成分を含み、架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより身体補正皮膜を修復する。
【0023】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、身体補正皮膜を修復するキットに関し、キットは、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含み、この場合、架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の配合物の塗布後の皮膚のヤング率の変化を示すチャートである。ヤング率の変化は、配合物を塗布された場合、皮膚の硬さが減少することを示す。
【
図2】
図2は、本発明の配合物の塗布後の戻り時間の変化を示すチャートである。戻り時間の変化は、配合物を塗布された場合、皮膚により弾力があることを示す。
【
図3】
図3は、ランダム化二重盲検臨床試験の属性による、2つの配合物の治験責任医師の鑑定を示すチャートである。各配合物は実施例5に記載される。採点された属性には、てかりの減少、毛穴の縮小、深いしわの減少および小じわの減少の程度が含まれた。全ての属性において、これら2の皮膜の塗布により、評価した22例の対象者に改善が見られた。これら4つの属性を処置部位毎にさらに詳述した。これらの部位は、額、目尻のしわ、目の下および鼻梁(番号11)である。改善は各標的処置領域において認められた。
【
図4】
図4は、ランダム化二重盲検臨床試験の属性による、実施例5に記載の2つ配合物の鑑定者の鑑定を示すチャートである。鑑定者の鑑定は、配合物の塗布後に採点された各美的属性の改善を示す。
【
図5】
図5は、ランダム化二重盲検臨床試験の属性による、実施例5に記載の2つ配合物のパネリストの鑑定を示すチャートである。評価された属性は、若々しい外観、マット化(またはてかりの減少)、毛穴の大きさ、均一な皮膚の色合い、引き締まった皮膚の外観およびしわの形成であった。各属性において、パネリストは平均して、配合物で処置後の各効用の改善を認めた。
【
図6】
図6は、鑑定者が決定したパネリストの平均年齢の低下を示すチャートである。8.7歳および7.7歳の全体の年齢低下は、それぞれ配合物60-140-LX2および配合物60-140-1に認められた。
【
図7】
図7は、パネリストの写真の盲検評価による平均グリフィススコアの結果を示すチャートである。グリフィススコアは、光損傷の程度を標準化した定量的な測定値であり、スコア0は光損傷がないことに対応し、スコア9は重度の光損傷を表す。2つの例において、グリフィススコアは、それぞれ配合物60-140-LX2および60-140-1を塗布後に2.15および1.25低下した。この結果は、
図4および5と一致しており、パネリストは配合物の塗布後により若く見えた。
【発明を実施するための形態】
【0025】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、a)反応性補強成分およびb)架橋成分を含む、皮膚に塗布される身体補正用配合物に関し、この場合、架橋成分が、in situで反応性補強成分の架橋を触媒し、その結果、身体補正皮膜が皮膚に形成される。
【0026】
用語「身体補正用配合物」または「配合物」には、身体に塗布する場合、身体の欠点を改善する、身体に皮膜を形成する化粧用組成物を含む。用語「身体の欠点」には、対象者がしみもしくは傷と感じ、または当業者、例えば、皮膚科医、エステティシャンまたは整形外科医がしみまたは傷と考える対象者の身体のこのような部分を含む。用語「身体の欠点」には、皮膚の欠点および身体の軟部組織の弛み(例えば、皮膚の緩みまたは弛み、乳房、臀部、腹部、顎、頸部などの弛み)を含む。用語「皮膚の欠点」には、対象者がしみまたは傷と感じる対象者の皮膚のこれらの項目を含む。皮膚の欠点の例として、焔状母斑または火炎状母斑(例えば、単純性血管腫もしくは正中火炎状母斑)、肝斑、しわ、しみ、にきび、ほくろ、傷跡、刺青、あざ、皮膚の変形、母斑、日焼け、老化、不均一な皮膚の色合い、弛んだ皮膚、皮膚の粗さ、色素沈着過度、毛穴の拡大、毛細管拡張症、赤み、てかり、セルライト、妊娠線または皮膚の弾力の低下を含む。
【0027】
本発明の一実施形態において、本発明の組成物、配合物または皮膜は、皮膚特性の視覚的および/または触覚的な改善を生じる。特定の実施形態において、本発明の組成物、配合物または皮膜は、対象者の皮膚の欠点または身体の欠点をマスクし、覆い隠しまたはカバーするが、処置はしない。
【0028】
少なくとも1つの実施形態において、皮膚の欠点または身体の欠点は創傷または皮膚の障害を含まない。
【0029】
用語「創傷」には、皮膚が裂傷、切傷または刺傷した場合の皮膚の損傷を含む。創傷は皮膚の裂け目である。一実施形態において、創傷は、皮膚と異物の接触により生じる。皮膚の裂け目は出血を生じ得る。創傷は、開放性創傷、例えば、擦過傷、裂傷、切傷、刺傷、裂離または切断を含む。創傷はまた、熱傷を含む。熱傷は熱、電気、化学物質、光、放射線または摩擦により生じる表皮に対する損傷の一種である。
【0030】
用語「皮膚障害」には、少なくとも1つの、医療処置を必要とする対象者の皮膚の症状を生じる障害を含む。一実施形態において、皮膚障害は、自己免疫異常により生じる。別の一実施形態において、皮膚障害は、環境因子、例えば、アレルゲンまたは化学物質により生じる。処置を必要とする皮膚障害の症状の例として、皮膚炎、皮膚掻痒、乾燥肌、皮膚のかさぶた、水膨れもしくはひび割れ、皮膚の浮腫または皮膚の病変形成がある。皮膚障害には、慢性単純性苔癬、皮膚ループス(例えば、急性皮膚ループス、亜急性皮膚ループス、慢性皮膚ループス、凍瘡状エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、ループスエリテマトーデス/扁平苔癬オーバーラップ症候群、エリテマトーデス性脂肪織炎、腫脹性ループスエリテマトーデスおよびいぼ状ループスエリテマトーデス)、乾癬(例えば、尋常性乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、薬剤性乾癬、逆乾癬、脂漏様乾癬および滴状性乾癬)、湿疹(例えば、アトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、乾燥性湿疹、脂漏性皮膚炎、汗疱、円板状湿疹、静脈性湿疹、疱疹状皮膚炎、神経皮膚炎および自家感作性皮膚炎)または慢性乾燥肌を含むがそれらに限定されない。
【0031】
いくつかの実施形態において、身体補正用配合物は、皮膚補正用配合物である。用語「皮膚補正用配合物」には、皮膚に塗布された場合、皮膚の欠点を改善する、皮膚に皮膜を形成する化粧用組成物を含む。いくつかの実施形態において、改善は、完全な改善または部分的な改善である。当業者であれば、実施例6に記載の方法を使用することにより身体の欠点の1つ以上を改善する程度を決定することができるだろう。
【0032】
いくつかの実施形態において、身体補正用配合物は、身体整形用配合物である。身体整形用配合物は、皮膚に塗布された場合、対象者の皮膚に身体整形皮膜を形成する化粧用組成物である。
【0033】
いくつかの実施形態において、身体補正用配合物は、皮膚保護用配合物である。皮膚保護用配合物は、皮膚に塗布された場合、対象者の皮膚に保護皮膜を形成する化粧用組成物である。
【0034】
いくつかの実施形態において、身体補正用配合物は、化粧剤または治療剤を、それを必要とする対象者に送達することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、身体補正用配合物は、身体補正皮膜を修復するために使用される。
【0036】
一実施形態において、身体補正用配合物は、反応性補強成分および架橋成分を含む。用語「反応性補強成分」には、第1の成分として皮膚に塗布される場合、架橋成分を反応性補強成分に塗布する場合に形成される身体補正皮膜の基礎となる成分を含む。一実施形態において、反応性補強成分は、少なくとも1つの反応性要素および少なくとも1つの補強要素を含む。
【0037】
用語「反応性要素」には、配合物の反応性皮膜形成要素となる反応性補強成分の1つ以上の要素を含む。いくつかの実施形態において、反応性要素は、少なくとも1種のポリシロキサン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル(ポリ乳酸-グリコール酸コポリマー、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびポリヒドロキシ酪酸、ポリアミドまたはポリスルホンなど)を含む。別の実施形態において、反応性要素は、式Iの化合物である:
【0038】
【化1】
式中、
WはR
1R
2R
3SiO-、-OR
4、-NR
5R
6、-CR
7R
8R
9またはC
5-10アリールであり、
Xは-R
11R
12Si-O-、-OCONR
13-、-NR
14CONR
15-、-CO-、-NR
16CO-、-SO
2-、-O-、-S-または-NR
17-であり、
Vは存在しないか、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、C
5-10アリール、-O-、-NR
10-または-S-であり、
Yは-R
18R
19Si-O-、-OCONR
20-、-NR
21CONR
22-、-CO-、-NR
23CO-、-SO
2-、-O-、-S-または-NR
24であり、
Zは-SiR
25R
26R
27、-OR
28、-NR
29R
30、-CR
31R
32R
33またはC
5-10アリールであり、
R
1、R
2、R
3、R
7、R
8、R
9、R
11、R
12、R
18、R
19、R
25、R
26、R
27、R
31、R
32およびR
33は、それぞれ独立して、水素、C
1-20ア
ルキル、C
2-20アルケニル、C
5-10アリール、ヒドロキシルまたはC
1-20アルコキシルであり、
R
4、R
5、R
6、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
20、R
21、R
2
2、R
23、R
24、R
28、R
29およびR
30は、それぞれ独立して、水素、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、C
5-10アリールであり、
sおよびtは、それぞれ独立して、約0~約6000の整数であり、
式IのXおよびYは、独立した「モノマー単位」を表す。式Iに存在するXおよびYモノマー単位の数は、それぞれsおよびtの値により得られる。代表的なモノマー単位は、以下を含む:
【0039】
【化2】
式中、RはR
1、R
2、R
3などにおいて上記に定義の通りである。
2個以上のX(またはY)モノマー単位が存在する(例えば、s(またはt)が2つ以上である)場合、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22、R
23およびR
24の値が、-[X]
s-(または-[Y]
t-)により記載されるそれぞれ個々のモノマー単位において独立して選択されることが理解される。例えば、モノマー単位Xの値が-R
11R
12Si-O-であり、sの値が3であり、この時、-[X]
s-が、
-[R
11R
12Si-O-R
11R
12Si-O-R
11R
12Si-O]-
である。
この例において、3個のR
11基が存在し、互いに同じまたは異なっていてよく、例えば、1個のR
11が水素であってよく、その他の2個のR
11基がメチルであってよい。
式IのWおよびXは、独立して末端キャップを表す。例えば、末端キャップの各末端の1つは、
【0040】
【0041】
【化4】
はモノマー単位への結合を示し、RはR
1、R
2、R
3などにおいて上記に定義の通りである。
【0042】
一実施形態において、
WはR1R2R3SiO-、-OR4、-NR5R6、-CR7R8R9またはC5-10アリールであり、
Xは-R11R12Si-O-または-NR14CONR15-であり、
Vは存在しないか、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、C5-10アリール、-O-、-NR10-または-S-であり、
Yは-R18R19Si-O-または-NR21CONR22-であり、
Zは-SiR25R26R27、-OR28、-NR29R30、-CR31R32R
33またはC5-10アリールであり、
R1、R2、R3、R7、R8、R9、R11、R12、R18、R19、R25、R26、R27、R31、R32およびR33は、それぞれ独立して、水素、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、C5-10アリール、ヒドロキシルまたはC1-20アルコキシルであり、
R4、R5、R6、R14、R15、R21、R22、R28、R29およびR30は、それぞれ独立して、水素、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、C5-10ア
リールであり、
sおよびtは、それぞれ独立して、約0~約6000の整数であり、この場合、sおよびtの合計は0ではない。
【0043】
一実施形態において、
WはR1R2R3SiO-、-CR7R8R9またはC5-10アリールであり、
Xは-R11R12Si-O-または-NR14CONR15-であり、
Vは存在しないか、C1-20アルキル、C2-20アルケニルまたはC5-10アリールであり、
Yは-R18R19Si-O-または-NR21CONR22-であり、
Zは-SiR25R26R27、-CR31R32R33またはC5-10アリールで
あり、
R1、R2、R3、R7、R8、R9、R11、R12、R18、R19、R25、R26、R27、R31、R32およびR33は、それぞれ独立して、水素、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、C5-10アリール、ヒドロキシルまたはC1-20アルコキシルであり、
R14、R15、R21およびR22は、それぞれ独立して、水素、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、C5-10アリールであり、
sおよびtは、それぞれ独立して、約0~約6000の整数であり、この場合、sおよびtの合計は0ではない。
【0044】
一実施形態において、Vは存在せず、WはR1R2R3SiO-であり、Xは-R11R12Si-O-であり、Yは-R18R19Si-O-であり、Zは-SiR25R26R27であり、R1、R2、R3、R11、R12、R18、R19、R25、R26およびR27は、それぞれ独立して、C1-20アルキル(例えば、メチルなどのC1アルキル)またはC2-20アルケニル(例えば、ビニルなどのC2アルケニル)から選択される。一実施形態において、R1、R2、R3、R11、R12、R18、R19、R25、R26およびR27の少なくとも1つは、C2-20アルケニル、例えば、C2アルケニル(例えば、ビニル)である。別の実施形態において、R1、R2、R3、R11、R12、R18、R19、R25、R26およびR27の少なくとも2つは、C2-20アルケニル、例えば、C2アルケニル(例えば、ビニル)である。いくつかの実施形態において、R1、R2、R3、R25、R26およびR27の少なくとも1つは、それぞれC2-20アルケニル、例えば、C2アルケニル(例えば、ビニル)である。
【0045】
一実施形態において、Vは存在せず、WはR1R2R3SiO-であり、Xは-R11R12Si-O-であり、Yは-R18R19Si-O-であり、Zは-SiR25R26R27であり、R1、R2、R3、R25、R26およびR27は、それぞれ独立して、C1-20アルキル(例えば、メチルなどのC1アルキル)またはC2-20アルケニル(例えば、ビニルなどのC2アルケニル)から選択され、R11、R12、R18およびR19は、それぞれ独立して、C1-20アルキル(例えば、メチルなどのC1アルキル)から選択される。一実施形態において、R1、R2、R3の少なくとも1つおよびR25、R26およびR27の少なくとも1つは、C2-20アルケニル、例えば、C2アルケニル(例えば、ビニル)である。一実施形態において、R1、R2、R3の1つはC2アルケニル(例えば、ビニル)であり、その他はC1-20アルキル(例えば、メチルなどのC1アルキル)であり、R25、R26およびR27の少なくとも1つは、C2-20アルケニル、例えば、C2アルケニル(例えば、ビニル)であり、その他はC1-20アルキル(例えば、メチルなどのC1アルキル)である。一実施形態において、R11またはR12の少なくとも1つおよびR18またはR19の少なくとも1つは、少なくとも1個のモノマー単位においてC2-20アルケニル、例えば、C2アルケニル(例えば、ビニル)である。一実施形態において、R11またはR12の1つはC2アルケニル(例えば、ビニル)であり、その他はC1-20アルキル(例えば、メチルなどのC1アルキル)であり、R18またはR19の少なくとも1つは、C2-20アルケニル、例えば、C2アルケニル(例えば、ビニル)であり、その他は少なくとも1個のモノマー単位においてC1-20アルキル(例えば、メチルなどのC1アルキル)である。
【0046】
いくつかの実施形態において、オルガノポリシロキサンは、ポリマーの末端キャップにおいてのみビニル部分を含む。いくつかの実施形態において、オルガノポリシロキサンは、モノマー単位においてのみビニル部分を含むが、ポリマーの末端キャップにおいてではない。他の実施形態において、オルガノポリシロキサンは、末端キャップまたはポリマーのモノマー単位の両方にビニル部分を含む。一実施形態において、ポリマーは、末端キャップにおいて、またはモノマー単位内のいずれか、あるいはその両方に位置する2つのビニル部分を含む。
【0047】
一実施形態において、平均して、少なくとも2つのビニル部分がポリマーに存在する。具体的な実施形態において、少なくとも2つのビニル部分がポリマーに存在し、少なくとも2つのビニル部分がポリマーの2つの末端キャップに存在する。具体的な実施形態において、2つのビニル部分のみがポリマーに存在する。具体的な実施形態において、2つのビニル部分のみがポリマーに存在し、末端キャップのそれぞれに位置する。具体的な実施形態において、平均して、少なくとも2つのビニル部分がポリマーに存在し、少なくとも2つのビニル部分がポリマーの1個以上のモノマー単位に存在する。具体的な実施形態において、平均して、少なくとも2つのビニル部分がポリマー内のどこかに存在するが、他のビニル部分から約2000モノマー単位、例えば、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400または2500モノマー単位離れている。具体的な実施形態において、平均して、少なくとも2つのビニル部分がポリマー内のどこかに存在するが、他のビニル部分から約850モノマー単位、例えば、350、450、550、650、750、850、950、1050、1250または1350モノマー単位離れている。具体的な実施形態において、平均して、2つ以上のビニル部分がポリマー内のどこかに存在するが、他のビニル部分から約40モノマー単位、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75または80モノマー単位離れている。具体的な実施形態において、1個以上のSi-H単位はビニル部分に結合して存在する。別法として、一実施形態において、ビニル部分が存在する場合、この時、Si-Hは存在しない。
【0048】
一実施形態において、Vは存在せず、WはR1R2R3SiO-であり、Xは-R11R12Si-O-であり、Yは-R18R19Si-O-であり、Zは-SiR25R26R27であり、R1、R2、R3、R11、R12、R18、R19、R25、R26およびR27は、それぞれ独立して、水素またはC1-20アルキル(例えば、メチルなどのC1アルキル)から選択される。一実施形態において、R1、R2、R3、R25、R26およびR27は、それぞれ独立して、C1-20アルキル(例えば、メチルなどのC1アルキル)から選択され、R11、R12、R18およびR19は、それぞれ独立して、水素またはC1-20アルキル(例えば、メチルなどのC1アルキル)から選択され、この場合、R11、R12、R18およびR19の少なくとも1つは少なくとも1個のモノマー単位において水素である。一実施形態において、平均して、2個以上のSi-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)がポリマー内に存在し、例えば、3~15個のSi-H単位が存在し得る。具体的な実施形態において、8個のSi-H単位が存在する。一実施形態において、1個以上のSi-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)がポリマー内に存在する。一実施形態において、少なくとも2個のモノマー単位が-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。一実施形態において、少なくとも3個のモノマー単位が-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。一実施形態において、少なくとも4個のモノマー単位が-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。一実施形態において、少なくとも5個のモノマー単位が-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。一実施形態において、少なくとも6個のモノマー単位が-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。一実施形態において、少なくとも7個のモノマー単位が-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。一実施形態において、少なくとも8個のモノマー単位が-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。一実施形態において、Si-H単位は1つまたは両方の末端キャップに存在し得、さらに上記のようにモノマー単位に存在し得る。具体的な実施形態において、Si-(アルキル)またはSi-(ビニル)単位もまた、ポリマー内に存在し得る。具体的な実施形態において、Si-CH3およびSi-H単位のみが存在する。具体的な実施形態において、モノマー単位または末端キャップはポリマーの非Si-H位において、C1-C20アルキル、具体的にはメチル基を含む。
【0049】
具体的な実施形態において、平均して、少なくとも2個のSi-H単位がポリマー内に存在する。具体的な実施形態において、平均して、少なくとも2個のSi-H部分がポリマー内のどこかに存在するが、他のSi-H部分から約2000モノマー単位、例えば、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400または2500モノマー単位離れている。具体的な実施形態において、平均して、少なくとも2個のSi-H単位がポリマー内のどこかに存在するが、他のSi-H部分から約850モノマー単位、例えば、350、450、550、650、750、800、850、950、1050、1150、1250または1350モノマー単位離れている。具体的な実施形態において、平均して、2個以上のSi-H単位がポリマー内のどこかに存在するが、他のSi-H部分から約40モノマー単位、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75または80モノマー単位離れている。
【0050】
上記の実施形態のいずれか1つの一態様において、sおよびtの合計は約1000~約8000、約1300~約2700、約1500~約2700、約1600~約2600、約1600~約2500、約1700~約2500、約1800~約2400、約1800~約2300、約1900~約2300、約2000~約2200、約2050~約2150、約2100~の整数である。
【0051】
上記の実施形態のいずれか1つの一態様において、sおよびtの合計は約200~約1100、約600~約1100、約700~約1000、約800~約900、約825~約875、約850~、約200~約800、約225~約700、約250~約600、約275~約500、約300~約400、約350~約400、約375~の整数である。具体的な実施形態において、sおよびtの合計は約850~の整数である。
【0052】
上記の実施形態のいずれか1つの一態様において、sおよびtの合計は約5~約1300、約10~約1100、約10~約600、約15~約500、約15~約400、約20~約300、約20~約200、約25~約100、約25~約75、約30~約50、約40~の整数である。
【0053】
いくつかの実施形態において、反応性要素は少なくとも1つのオルガノポリシロキサンを含む。用語「オルガノポリシロキサン」は、式IIの化合物を含む:
【0054】
【化5】
式中、R
1a、R
2a、R
3a、R
4a、R
5a、R
6a、R
7a、R
8a、R
9aおよびR
10aは、それぞれ独立して、水素、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、C
5-10アリール、ヒドロキシルまたはC
1-20アルコキシルから選択され、pおよびqは、それぞれ独立して、10~約6000の整数である。
【0055】
いくつかの実施形態において、「オルガノポリシロキサン」は、式IIaの化合物である:
【0056】
【化6】
式中、R
1a’、R
3a’、R
4a’、R
5a’、R
6a’、R
8a’、R
9a’およびR
10a’は、それぞれ独立して、水素、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、C
5-10アリール、ヒドロキシルまたはC
1-20アルコキシルから選択され、pおよびqは、それぞれ独立して、10~約6000の整数である。一実施形態において、R
1a’、R
3a’、R
4a’、R
5a’、R
6a’、R
8a’、R
9a’およびR
10a’はアルキル(例えば、メチルなどのC
1アルキル)である。
【0057】
用語「アルキル」には、特定の炭素原子数を有する分岐鎖および直鎖両方の飽和脂肪族炭化水素基を含む。用語「C1-20アルキル」には、1~20個の炭素を有する分岐鎖および直鎖脂肪族基を含む。アルキル部分の例として、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチルおよびs-ペンチルがある。さらに、用語アルキルには、「非置換アルキル類」および「置換アルキル類」をともに含む。置換アルキル類は、炭化水素骨格の1つ以上の炭素上の水素を置換
する置換基(例えば、F、Cl、Br、I、NO2、CN、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アルコキシ、COCH3など)を有するアルキル部分を指す。
【0058】
用語「アルケニル」には、エテニルおよびプロペニルなどの、鎖に沿っていずれかの安定な点で起こり得る1つ以上の不飽和炭素-炭素結合を有する直鎖または分岐鎖構造のいずれかにおける特定の炭化水素原子数を含む。用語「C2-20アルケニル」には、1~20個の炭素を有し、1つ以上の不飽和炭素-炭素結合を有する分岐鎖および直鎖の炭化水素基を含む。さらに用語「アルケニル」には、「非置換アルケニル類」および「置換アルケニル類」をともに含み、置換アルケニル類は、炭化水素骨格の1つ以上の炭素上の水素を置換する置換基(例えば、F、Cl、Br、I、NO2、CN、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アルコキシ、COCH3など)を有するアルケニル部分を指す。
【0059】
用語「アリール」には、5~10員の単環式、二環式または三環式環を含み、この場合、2つ以上が存在する場合、少なくとも1つの環が芳香族である。用語「アリール」にはまた、「ヘテロアリール」部分を含み、この場合、単環式、二環式または三環式環において1つ以上の炭素が、1つのヘテロ原子(例えば、N、OまたはS)と置換される。用語「アリール」にはまた、「非置換アリール類」および「置換アリール類」をともに含み、置換アリール類は、芳香族環の1つ以上の炭素上の水素を置換する置換基(例えば、F、Cl、Br、I、NO2、CN、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、COCH3など)を有するアリール部分を指す。
【0060】
用語「ヒドロキシル」には-OHを含む。
【0061】
用語「アルコキシ」には上記に定義の通り、OがC1-20アルキル基に共有結合する部分を含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、オルガノポリシロキサンはビニル末端化される。用語「ビニル末端オルガノポリシロキサン」には、式IIのオルガノポリシロキサンを含み、式中、R2aおよびR7aの1つまたは両方が、C2アルキル部分、例えば、ビニル部分(例えば、-CH=CH2)と置換される。具体的な実施形態において、「ビニル末端オルガノポリシロキサン」には、式IIのオルガノポリシロキサンを含み、式中、R2aおよびR7aの1つまたは両方が、C2アルキル部分、例えば、ビニル部分(例えば、-CH=CH2)と置換され、R1a、R3a、R4a、R5a、R6a、R8a、R9aおよびR10aは、独立して、C1-20アルキル、例えば、メチルから選択される。
【0063】
他の実施形態において、オルガノポリシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン、ビニルフェニルメチル末端ビニルフェニルシロキサン-フェニルメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端トリフルオロプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端ジエチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、シラノール末端;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ビニル末端;ビニルガム;ビニルメチルシロキサンホモポリマー;ビニルT構造ポリマー;モノビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニルメチルシロキサンターポリマー;ビニルメトキシシランホモポリマーおよびその組み合わせから選択される。
【0064】
いくつかの実施形態において、オルガノポリシロキサンは、高粘度のオルガノポリシロキサン、低粘度のオルガノポリシロキサンまたはその組み合わせである。
【0065】
オルガノポリシロキサンは、高粘度および低粘度のオルガノポリシロキサンであり、高粘度および低粘度のビニルオルガノシロキサンの組み合わせは、オルガノシロキサン分子量の二峰性分布となる。少なくとも1つの実施形態において、オルガノポリシロキサンは、ビニル末端オルガノポリシロキサンの二峰性分布となる高粘度および低粘度のビニル末端オルガノポリシロキサンの組み合わせである。一実施形態において、オルガノポリシロキサンは、ビニル末端オルガノポリシロキサンの二峰性分布となる、式I、II、IIa、IIbおよびIIc、具体的に、式IIa、IIbおよび/またはIIcまたはさらに具体的に、式IIbおよびIIcの組み合わせである。一実形態において、ポリマー分子量の二峰性分布は、高粘度のオルガノポリシロキサン:低粘度のオルガノポリシロキサンの分子量(例えば、Sおよびtの合計)の比で表される。一実施形態において、この比は2~3である。具体的な実施形態において、この比は2.5である。
【0066】
用語「粘度」には、剪断応力または引張応力のいずれかにより変形されている流体の抵抗性の測定値を指す。当業者であれば、過度の実験を行うことなく、流体の粘度の測定方法を、例えば、粘度計またはレオメーターを使用して決定することができるだろう。代表的な方法は、計測器に特異的な圧え粘度を測定する毛細管粘度計、回転粘度計またはレオメーターの使用がある。流体の粘度を決定する具体的な方法を実施例8に示す。
【0067】
用語「高粘度のオルガノポリシロキサン」には、25℃にて約100000~約500000cStまたはcP、例えば、25℃にて約110000~約450000cStまたはcP、25℃にて約120000~約400000cStまたはcP、25℃にて約125000~約350000cStまたはcP、25℃にて約130000~約300000cStまたはcP、25℃にて約135000~約250000cStまたはcP、25℃にて約140000~約200000cStまたはcP、25℃にて約145000~約190000cStまたはcP、25℃にて約150000~約185000cStまたはcP、25℃にて約155000~約175000cStまたはcP、または25℃にて約160000~約170000cStまたはcPの粘度を有するオルガノポリシロキサンを含む。いくつかの実施形態において、高粘度のオルガノポリシロキサンの粘度は、25℃にて約140000~約200000cStまたはcPである。一実施形態において、高粘度のオルガノポリシロキサンは25℃にて約165000cStまたはcPの粘度を有する。
【0068】
一実施形態において、高粘度のオルガノポリシロキサンの平均分子量は、約100000~約200000Da、例えば、約115000~約195000Da、約120000~約190000Da、約125000~約185000Da、約130000~約180000Da、約135000~約175000Da、約140000~約170000Da、約145000~約165000Daまたは約150000~約160000Daである。一実施形態において、高粘度のオルガノポリシロキサンの平均分子量は、約155000Daである。
【0069】
いくつかの実施形態において、高粘度のオルガノポリシロキサンは、式IIのものであり、式中、R2aおよびR7aはC2-20アルケニル、例えば、C2アルケニル(例えば、ビニル)であり、R1a、R3a、R4a、R5a、R6a、R8a、R9aおよびR10aは、それぞれC1-20アルキル、例えばC1アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、高粘度のオルガノポリシロキサンはビニル末端化される。他の実施形態において、高粘度のオルガノポリシロキサンはビニル末端ポリジメチルシロキサンである。
【0070】
いくつかの実施形態において、ビニル末端化された高粘度のオルガノポリシロキサンは、約0.010~約0.100、例えば、約0.015~約0.080、約0.020~約0.075、約0.025~約0.060または約0.030~約0.050重量%のビニルを有する。一実施形態において、高粘度のオルガノポリシロキサンは、約0.030~約0.040重量%のビニルを有する。
【0071】
他の実施形態において、高粘度のオルガノポリシロキサンは、約0.0100~約0.0200、例えば、約0.0110~約0.0190、約0.0115~約0.0180、約0.0120~約0.0170、約0.0125~約0.0165または約0.013~約0.016当量/kgのビニルを有する。
【0072】
一実施形態において、高粘度のオルガノポリシロキサンは、高粘度のオルガノポリシロキサン当たり平均して少なくとも2個のビニル単位を有する。一実施形態において、ビニル部分を含むモノマー単位はポリマー全体に位置する。一実施形態において、ビニル含有モノマー単位は、他のビニル含有モノマー単位またはビニル含有末端キャップから約2000モノマー単位離れて位置する。例えば、高粘度のオルガノポリシロキサンのビニル単位は、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2300、2400または2500モノマー単位離れている。
【0073】
いくつかの実施形態において、高粘度のオルガノポリシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン、ビニルフェニルメチル末端ビニルフェニルシロキサン-フェニルメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端トリフルオロプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端ジエチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、シラノール末端;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ビニル末端;ビニルガム;ビニルメチルシロキサンホモポリマー;ビニルT構造ポリマー;モノビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニルメチルシロキサンターポリマー;ビニルメトキシシランホモポリマーおよびその組み合わせから選択される。
【0074】
用語「低粘度のオルガノポリシロキサン」には、25℃にて約500~約50000cStまたはcP、例えば、25℃にて約1000~約45000cStまたはcP、25℃にて約1500~約40000cStまたはcP、25℃にて約2000~約35000cStまたはcP、25℃にて約2500~約30000cStまたはcP、25℃にて約3000~約25000cStまたはcP、25℃にて約3500~約20000cStまたはcP、25℃にて約4000~約15000cStまたはcP、または25℃にて約4000~約12000cStまたはcPの粘度を有するオルガノポリシロキサンを含む。いくつかの実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンは、25℃にて約100~約5000cStまたはcP、例えば、25℃にて約200~約4000cStまたはcP、25℃にて約300~約3000cStまたはcP、25℃にて約400~約2000cStまたはcP、または25℃にて約750~約1500cStまたはcPの粘度を有するオルガノポリシロキサンを含む。一実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンは25℃にて約10000cStまたはcPの粘度を有する。いくつかの実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンは25℃にて約1000cStまたはcPの粘度を有する。
【0075】
一実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンは、約20000~約80000Da、例えば、約50000~約75000Da、約55000~約70000Da、約60000~約65000Daまたは約62000~約63000Daの平均分子量を有する。一実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンは、約62700Daの平均分子量を有する。一実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンは、約28000Daの平均分子量を有する。
【0076】
いくつかの実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンは、式IIのものであり、式中、R2aおよびR7aはC2-20アルケニル、例えば、C2アルケニル(例えば、ビニル)であり、R1a、R3a、R4a、R5a、R6a、R8a、R9aおよびR10aは、それぞれC1-20アルキル、例えば、C1アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンはビニル末端化される。他の実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンはビニル末端ポリジメチルシロキサンである。
【0077】
いくつかの実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンは、約0.010~約0.30、例えば、約0.020~約0.29、約0.030~約0.28、約0.040~約0.27、約0.050~約0.26、約0.060~約0.25、約0.070~約0.24、約0.080~約0.23、または約0.090~約0.22重量%のビニルを有する。いくつかの実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンは、約0.18~約0.26重量%のビニルを有する。
【0078】
他の実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンは、約0.010~約0.100、例えば、約0.015~約0.090、約0.020~約0.080、約0.025~約0.070、約0.030~約0.060または約0.040~約0.050当量/kgのビニルを有する。いくつかの実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンは、約0.030~0.040当量/Kgのビニルを有する。
【0079】
他の実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンは、低粘度のオルガノポリシロキサン当たり平均して少なくとも2個のビニル単位を有する。一実施形態において、ビニル部分を含むモノマー単位はポリマー全体に位置する。一実施形態において、ビニル含有モノマー単位は、他のビニル含有モノマー単位またはビニル含有末端キャップから約800モノマー単位離れて位置する。例えば、低粘度のオルガノポリシロキサンのビニル単位は、450、550、650、750、800、950、1050、1150、1250または1350モノマー単位離れている。
【0080】
いくつかの実施形態において、低粘度のオルガノポリシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン、ビニルフェニルメチル末端ビニルフェニルシロキサン-フェニルメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端トリフルオロプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニル末端ジエチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、シラノール末端;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ビニル末端;ビニルガム;ビニルメチルシロキサンホモポリマー;ビニルT構造ポリマー;モノビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニルメチルシロキサンターポリマー;ビニルメトキシシランホモポリマーおよびその組み合わせから選択される。
【0081】
いくつかの実施形態において、「オルガノポリシロキサン」は、式IIbの化合物である:
【0082】
【化7】
式中、R
1c、R
3c、R
4c、R
5c、R
6c、R
8c、R
9cおよびR
10cは、それぞれ独立して、水素、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、C
5-10アリール、ヒドロキシルまたはC
1-20アルコキシルから選択され、eおよびfは、それぞれ独立して、10~約6000の整数である。一実施形態において、R
1c、R
3c、R
4c、R
5c、R
6c、R
8c、R
9cおよびR
10cはアルキル(例えば、メチルなどのC
1アルキル)である。いくつかの実施形態において、eおよびfの合計は約1000~約8000、約1300~約2700、約1500~約2700、約1600~約2600、約1600~約2500、約1700~約2500、約1800~約2400、約1800~約2300、約1900~約2300、約2000~約2200、約2050~約2150、約2100~の整数である。
【0083】
いくつかの実施形態において、「オルガノポリシロキサン」は、式IIcの化合物である:
【0084】
【化8】
式中、R
1d、R
3d、R
4d、R
5d、R
6d、R
8d、R
9dおよびR
10dは、それぞれ独立して、水素、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、C
5-10アリール、ヒドロキシルまたはC
1-20アルコキシルから選択され、gおよびjは、それぞれ独立して、10~約6000の整数である。一実施形態において、R
1d、R
3d、R
4d、R
5d、R
6d、R
8d、R
9dおよびR
10dはアルキル(例えば、メチルなどのC
1アルキル)である。いくつかの実施形態において、gおよびjの合計は約200~約1100、約600~約1100、約700~約1000、約800~約900、約825~約875、約850~、約200~約800、約225~約700、約250~約600、約275~約500、約300~約400、約350~約400、約375~の整数である。いくつかの実施形態において、gおよびjの合計は約850~の整数である。
【0085】
いくつかの実施形態において、反応性要素は少なくとも1つのヒドリド官能化ポリシロキサンを含む。用語「ヒドリド官能化ポリシロキサン」は、式IIIの化合物を含む:
【0086】
【化9】
式中、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9bおよびR
10bは、それぞれ独立して、水素、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、C
5-10アリール、ヒドロキシルまたはC
1-20アルコキシから選択され、mおよびnは、それぞれ独立して、10~約6000の整数である。但し、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9bおよびR
10bの少なくとも1つは水素である。いくつかの実施形態において、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9bおよびR
10bの少なくとも1つは水素であり、残りはC
1-20アルキルである。いくつかの実施形態において、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9bおよびR
10bの少なくとも2つは水素である(例えば、官能化ヒドリドポリシロキサン分子当たり2個のSi-H単位)。他の実施形態において、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9bおよびR
10bの少なくとも3つは水素(例えば、官能化ヒドリドポリシロキサン分子当たり3個のSi-H単位)である。いくつかの実施形態において、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9bおよびR
10bの少なくとも2つは水素(例えば、官能化ヒドリドポリシロキサン分子当たり2個のSi-H単位)であり、残りはC
1-20アルキルである。他の実施形態において、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9bおよびR
10bの少なくとも3つは水素(例えば、官能化ヒドリドポリシロキサン分子当たり3個のSi-H単位)であり、残りはC
1-20アルキルである。いくつかの実施形態において、R
4b、R
5b、R
9bおよびR
10bの少なくとも2つは水素(例えば、官能化ヒドリドポリシロキサン分子当たり2個のSi-H単位)であり、残りはC
1-20アルキルである。他の実施形態において、R
4b、R
5b、R
9bおよびR
10bの少なくとも3つは水素(例えば、官能化ヒドリドポリシロキサン分子当たり3個のSi-H単位)であり、残りはC
1-20アルキルである。
【0087】
一実施形態において、式IIIの少なくとも2個以上のモノマー単位は-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。例えば、平均して、式IIIの2~15個のモノマー単位はSi-H単位を含む。一実施形態において、式IIIの少なくとも2個のモノマー単位は-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。一実施形態において、式IIIの少なくとも3個のモノマー単位は-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。一実施形態において、式IIIの少なくとも4個のモノマー単位は-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。一実施形態において、式IIIの少なくとも5個のモノマー単位は-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。一実施形態において、式IIIの少なくとも6個のモノマー単位は-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。一実施形態において、式IIIの少なくとも7個のモノマー単位は-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。一実施形態において、式IIIの少なくとも8個のモノマー単位は-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18およびR19の1つ以上は水素である)を含む。具体的な実施形態において、非Si-H位にはSi-(アルキル)またはSi-(ビニル)単位を含み得る。具体的な実施形態において、非Si-H位はSi-CH3である。一実施形態において、ヒドリド官能化オルガノポリシロキサンのSi-H単位は、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、65、70、75、80、85、90、100、125、150または200モノマー単位離れている。
【0088】
上記の実施形態のいずれか1つの一態様において、mおよびnの合計は約10~約1300、約10~約1100、約10~約600、約15~約500、約15~約400、約20~約300、約20~約200、約25~約100、約25~約75、約30~約50、約40~の整数である。
【0089】
いくつかの実施形態において、ヒドリド官能化ポリシロキサンは、ポリマーの末端キャップにおいてのみSi-H単位を含む。いくつかの実施形態において、ポリシロキサンは、モノマー単位においてのみSi-H単位を含むが、ポリマーの末端キャップにおいてではない。他の実施形態において、ポリシロキサンは、末端キャップにおいて、またはポリマーのモノマー単位の両方でSi-H単位を含む。一実施形態において、ポリシロキサンは、末端キャップにおいて、またはモノマー単位内のいずれかで、あるいはその両方に位置する2~12個のSi-H単位を含む。一実施形態において、ポリシロキサンは、末端キャップにおいて、またはモノマー単位内のいずれか、あるいはその両方に位置する4~15個のSi-H単位を含む。一実施形態において、ポリシロキサンは、末端キャップにおいて、またはモノマー単位内のいずれか、あるいはその両方に位置する8個のSi-H単位を含む。
【0090】
いくつかの実施形態において、ヒドリド官能化ポリシロキサンは、25℃にて約5~約11000cStまたはcP、例えば、25℃にて約10~約10000cStまたはcP、25℃にて約15~約5000cStまたはcP、25℃にて約20~約1000cStまたはcP、25℃にて約25~約500cStまたはcP、25℃にて約30~約100cStまたはcPおよび25℃にて約40~約50cStまたはcPの粘度を有する。いくつかの実施形態において、ヒドリド官能化ポリシロキサンは、25℃にて約45cStまたはcPの粘度を有する。
【0091】
いくつかの実施形態において、ヒドリド官能化ポリシロキサンは、約900~約60000Da、例えば、約1000~約50000Da、約1200~約25000Da、約1400~約20000Da、約1600~約15000Da、約1800~約10000Da、約2000~約5000Da、約2200~約4000Daおよび約2300~約2500Daの平均分子量を有する。一実施形態において、ヒドリド官能化ポリシロキサンの平均分子量は、約2400Daである。
【0092】
いくつかの実施形態において、ヒドリド官能化ポリシロキサンは、約3~約45%、例えば、約5~約40%、約10~約35%、約20~約30%または約26~約27%の%SiH量を有する。いくつかの実施形態において、ヒドリド官能化ポリシロキサンは、約26%の%SiH量を有する。
【0093】
いくつかの実施形態において、ヒドリド官能化ポリシロキサンは、約0.500mmol/g~約10.00mmol/g、例えば、約1.00mmol/g~約9.00mmol/g、約2.00mmol/g~約8.00mmol/g、約3.00mmol/g~約7.00mmol/gおよび約4.00mmol/g~約6.00mmol/gのSiH量を有する。一実施形態において、ヒドリド官能化ポリシロキサンは、約4.00~約5.00mmol/g、例えば、約4.35mmol/gのSiH量を有する。
【0094】
他の実施形態において、ヒドリド官能化ポリシロキサンはアルキル末端化される。用語「アルキル末端」は式IIIのヒドリド官能化ポリシロキサンを含み、式中、R2bおよびR7bの1つまたは両方がC1-20アルキルである。いくつかの実施形態において、「アルキル末端」は、式IIIのヒドリド官能化ポリシロキサンを含み、式中、R1b、R2b、R3b、R6b、R7bおよびR8bの1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つはC1-20アルキルである。一実施形態において、R1b、R2b、R3b、R4b、R5b、R6b、R7b、R8bおよびR10bは、それぞれC1-20アルキル、例えば、C1アルキル(例えば、メチル)であり、R9bは水素である。一実施形態において、R1b、R2b、R3b、R4b、R5b、R6b、R7b、R8bおよびR9bは、それぞれC1-20アルキル、例えば、C1アルキル(例えば、メチル)であり、R10bは水素である。
【0095】
いくつかの実施形態において、ヒドリド官能化ポリシロキサンは、ヒドリド末端ポリジメチルシロキサン;ポリフェニル-(ジメチルヒドロシロキシ)シロキサン、ヒドリド末端;メチルヒドロシロキサン-フェニルメチルシロキサンコポリマー、ヒドリド末端;メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端;ポリメチルヒドロシロキサン、トリメチルシロキシ末端;ポリエチルヒドロシロキサン、トリエチルシロキサン、メチルヒドロシロキサン-フェニルオクチルメチルシロキサンコポリマー;メチルヒドロシロキサン-フェニルオクチルメチルシロキサンターポリマーおよびその組み合わせからなる群から選択される。
【0096】
いくつかの実施形態において、反応性要素は、式I、II、IIa、IIb、IIc、IIdおよび/またはIIIのポリマーの組み合わせを含む。具体的な実施形態において、反応性要素は、式IIa、IIb、IIcおよび/またはIIIのポリマーの組み合わせを含む。具体的な実施形態において、反応性要素は、式IIb、IIcおよびIIIのポリマーの組み合わせを含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、反応性要素は、高分子量のビニルオルガノポリシロキサン、低分子量のビニルオルガノポリシロキサンおよび/またはヒドリド官能化オルガノポリシロキサンの組み合わせを含む。一実施形態において、高分子量および低分子量のオルガノポリシロキサンのそれぞれは、ポリマー当たり平均して少なくとも2つのビニル部分を含む。具体的な実施形態において、各ビニルオルガノポリシロキサンは、正確に2つのビニル部分を含む。一実施形態において、高分子量のオルガノポリシロキサン:低分子量のオルガノポリシロキサンの比は2~3、例えば、2、2.5または3である。この比を選択し、皮膜の化学特性および物理特性を調整し、具体的な方法または基体の一部に適合させ得る。一実施形態において、ヒドリド官能化オルガノポリマーは、ポリマー内に平均して2個以上のSi-H単位を含む。具体的な実施形態において、ヒドリド官能化オルガノポリシロキサン当たりの8個のSi-H単位がある。
【0098】
いくつかの実施形態において、反応性要素は、高分子量のヒドリド官能化オルガノポリシロキサン、低分子量のヒドリド官能化オルガノポリシロキサンおよび/またはビニルオルガノポリシロキサンの組み合わせを含む。一実施形態において、高分子量および低分子量のオルガノポリシロキサンのそれぞれは、ポリマー当たり平均して少なくとも2個のSi-H単位を含む。具体的な実施形態において、各ヒドリド官能化オルガノポリシロキサンは、正確に2個のSi-H部分を含む。一実施形態において、高分子量のオルガノポリシロキサン:低分子量のオルガノシロキサンの比は2~3、例えば、2、2.5または3である。この比を選択し、皮膜の化学特性および物理特性を調整し、具体的な方法または基体の一部に適合させ得る。一実施形態において、ビニルオルガノポリマーは、ポリマー内に平均して少なくとも2個以上のビニル単位を含む。具体的な実施形態において、ビニルオルガノポリシロキサン当たりの8個のビニル単位がある。
【0099】
用語「補強要素」には、反応性補強成分と架橋成分とのin situでの反応から生じる皮膜の所望の物理特性を得る反応性補強成分の1つ以上の要素を含む。このような物理特性は、例えば、機械的要因(例えば、弾力性、耐久性、破断歪み、引張り強さなど)、生物学的適合性(例えば、選択性通気性、粘着性など)、光学効果(例えば、反射率、色など)および表面調節(例えば、質感、化学物質など)を含む。補強要素の例として、粘土(例えば、Al2O3、SiO2)、チョーク、タルク、カルサイト(例えば、CaCO3)、マイカ、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム、硫化亜鉛、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカアルミネート、ケイ酸カルシウムまたは場合により表面処理されたシリカ(例えば、フュームドシリカ、ケイ酸または無水シリカ)を含む。いくつかの実施形態において、補強要素はシリカ、例えば、表面処理シリカ、例えば、ヘキサメチルジシラザンで処理したシリカである。
【0100】
いくつかの実施形態において、補強要素は、約100~約300m2/g、例えば、約110~約250m2/g、約120~約225m2/g、約130~約200m2/g、約135~約185m2/g、約160~約170m2/gおよび約164~約166m2/gの表面積を有する。一実施形態において、補強要素は、約160±25m2/gの表面積を有する。
【0101】
いくつかの実施形態において、補強要素は、約1~約20μmの平均粒径を有する。
【0102】
いくつかの実施形態において、補強要素は、低粘度および/または高粘度のオルガノポリシロキサンで化合される。
【0103】
いくつかの実施形態において、反応性要素および補強要素は反応性補強成分の約20~約90%、例えば、反応性補強成分の約40%~約60%を構成する。いくつかの実施形態において、反応性要素および補強要素は、反応性補強成分の約45.0~約61.0%、例えば、約45.0%、約45.5%、約46.0%、約46.5%、約47.0%、約47.5%、約48.5%、約49.0%、約49.5%、約50.0%、約50.5%、約51.0%、約51.5%、約52.0%、約52.5%、約53.0%、約53.5%、約54.0%、約54.5%、約55.0%、約55.5%、約56.0%、約56.5%、約57.0%、約58.0%、約58.5%、約59.0%、約59.5%、約60.0%または約65.5%を構成する。いくつかの実施形態において、反応性要素および補強要素は、反応性補強成分の約45%を構成する。一実施形態において、反応性要素および補強要素は、反応性補強成分の約48.0%を構成する。いくつかの実施形態において、反応性要素および補強要素は、反応性補強成分の約50.0%を構成する。別の実施形態において、反応性要素および補強要素は、反応性補強成分の約51.0%を構成する。いくつかの実施形態において、反応性要素および補強要素は、反応性補強成分の約51.5%を構成する。別の実施形態において、反応性要素および補強要素は、反応性補強成分の約54.5%を構成する。別の実施形態において、反応性要素および補強要素は、反応性補強成分の約55.0%を構成する。いくつかの実施形態において、反応性要素および補強要素は、反応性補強成分の約59.5%を構成する。別の実施形態において、反応性要素および補強要素は、反応性補強成分の約60.5%を構成する。いくつかの実施形態において、反応性要素および補強要素は、反応性補強成分の約30.0~約40.0%、例えば、約30.0%、約30.5%、約31.0%、約31.5%、約32.0%、約32.5%、約33.0%、約33.5%、約34.0%、約34.5%、約35.0%、約35.5%、約36.0%、約36.5%、約37.0%、約37.5%、約38.0%、約38.5%、約39.0%、約39.5%、約40.0%を構成する。いくつかの実施形態において、反応性要素および補強要素は、反応性補強成分の約33.0~約40.0%を構成する。
【0104】
一実施形態において、補強要素は、反応性補強成分の約8.0~約13.0%、例えば、約8.5%、約9.0%、約9.5%、約10.0%、約10.5%、約11.0%、約11.5%、約12.0%または約12.5%を構成する。いくつかの実施形態において、補強要素は、反応性補強成分の約8.5%を構成する。一実施形態において、補強要素は、反応性補強成分の約9.0%を構成する。別の実施形態において、補強要素は、反応性補強成分の約9.5%を構成する。いくつかの実施形態において、補強要素は、反応性補強成分の約10.0%を構成する。いくつかの実施形態において、補強要素は、反応性補強成分の約10.5%を構成する。別の実施形態において、補強要素は、反応性補強成分の約11.0%を構成する。別の実施形態において、補強要素は、反応性補強成分の約12.0%を構成する。別の実施形態において、補強要素は、反応性補強成分の約13.0%を構成する。
【0105】
別の実施形態において、反応性要素は、反応性補強成分の約30.0%~約60.0%、例えば、約30.5%、約31.0%、約32.0%、約33.0%、約34%、約35.0%、約36.0%、約37.0%、約38.0%、約39.0%、約40.0%、約41.0%、約42.0%、約43.0%、約44.0%、約45.0%、約46.0%、約47.0%、約48.0%、約49.0%、約50.0%、約51.0%、約52.0%、約53.0%、約54.0%、約55.0%、約56.0%、約57.0%、約58.0%または約59.0%を構成する。
【0106】
いくつかの実施形態において、反応性補強成分は、25℃にて約5000~約1000000cStまたはcPの粘度を有する。いくつかの実施形態において、反応性補強成分は、25℃にて約10000~約10000000cStまたはcP、例えば、約10000000、約9000000、約8000000、約7000000、約6000000、約5000000、約4000000、約3000000または約2000000、約1000000、約900000、約800000、約700000、約600000、約500000、約400000、約300000、約200000、約100000、約90000、約80000、約70000、約60000、約50000、約40000、約30000、約20000、約10000cStの粘度を有する。いつくかの実施形態において、反応性補強成分は、約1000000cStの粘度を有する。
【0107】
いくつかの実施形態において、反応性補強成分は、約1:10~約1:100、例えば、約1:15~約1:90、約1:20~約1:80、約1:25~約1:70、約1:30~約1:60、約1:35~約1:50のビニル:官能化ヒドリド(例えば、1つ以上のオルガノポリシロキサンの-CH=CH2:ヒドリド官能化ポリシロキサンのSi-H)の比を有する。一実施形態において、反応性補強成分は、約1:40のビニル:官能化ヒドリドの比を有する。別の実施形態において、反応性補強成分は、約1:20のビニル:官能化ヒドリドの比を有する。いくつかの実施形態において、反応性補強成分は、約1:15のビニル:官能化ヒドリドの比を有する。
【0108】
用語「架橋成分」には、反応性補強成分に塗布された場合、身体補正皮膜のin situでの形成を触媒する成分を含む。
【0109】
用語「身体補正皮膜のin situでの形成を触媒する」には、身体補正皮膜が皮膚に形成されるといった反応性補強成分の反応性要素の間で起こる反応を生じることを含む。理論に束縛されないが、架橋成分は、皮膜が皮膚に形成されるといった、これらの要素の縮合を生じる反応性補強成分の1つ以上のオルガノポリシロキサンとヒドリド官能化ポリシロキサンとの間の反応を含む。
【0110】
いくつかの実施形態において、架橋成分は、金属触媒、例えば、白金触媒、ロジウム触媒またはスズ触媒を含む。白金触媒の例として、例えば、白金カルボニルシクロビニルメチルシロキサン錯体、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金オクタンアルデヒド/オクタノール錯体およびその組み合わせがある。ロジウム触媒の例として、トリス(ジブチルスルフィド)ロジウムトリクロリドがある。スズ触媒の例として、オクタン酸スズ(II)、ネオデカン酸スズ(II)、マレイン酸ジイソオクチルジブチルスズ、ジ-n-ブチルビス(2,4ペンタンジオネート)スズ、ジ-n-ブチルブトキシクロロスズ、ジブチルスズジラウレート、ジメチルスズジネオデカノエート、ジメチルヒドロキシ(オレエート)スズおよびオレイン酸スズ(II)がある。
【0111】
いくつかの実施形態において、架橋成分はさらに、ビニル末端オルガノポリシロキサン(例えば、式I、II、IIa、IIbまたはIIcの化合物)を含む。いくつかの実施形態において、ビニル末端ポリシロキサンの量はビニル末端ポリシロキサンの安定化量である。用語「安定化量」には、触媒および/または架橋成分ならびに/または身体補正皮膜の分解を防ぐ量を含む。いくつかの実施形態において、ビニル末端ポリシロキサンの安定化量は、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満または約2%未満である。いくつかの実施形態において、ビニル末端ポリシロキサンの安定化量は約1%である。
【0112】
いくつかの実施形態において、架橋成分は、25℃にて約1000~約50000cSTまたはcPの粘度を有する。
【0113】
いくつかの実施形態において、触媒を溶液として添加し、その溶液は、架橋成分の約1.0~約5.0%、例えば、約1.5%、約2.0%、約2.5%、約3.0%、約3.5%、約4.0%または約4.5%を構成する。一実施形態において、触媒は架橋成分の約2.0%である。
【0114】
いくつかの実施形態において、触媒は、架橋成分の約0.005~約0.04%、例えば、約0.005%、約0.010%、約0.015%、約0.020%、約0.025%、約0.030%または約0.035%あるいは約0.040%を構成する。
【0115】
いくつかの実施形態において、触媒は、約100ppm~約500ppmの量で架橋成分に存在する。
【0116】
いくつかの実施形態において、反応性補強成分および架橋成分が、使用前に接触することを防ぐ。反応性補強成分および架橋成分を当業者が公知の通常の手段により使用前に接触することを防ぐ。一実施形態において、皮膚補正用配合物は、反応性補強成分および上記の架橋成分が個別の容器に詰められ、使用前に混合される二成分配合物である。別の実施形態において、最初に、反応性補強成分を皮膚に塗布し、架橋成分を反応性補強成分の上に塗布する。さらに別の実施形態において、最初に、架橋成分を皮膚に塗布し、反応性補強成分を架橋成分の上に塗布する。さらなる実施形態において、反応性補強成分および架橋成分を2つの成分の間を仕切った同じ容器に詰め、各成分が容器から取り出された時に混合される。
【0117】
用語「身体」には、本明細書に記載の配合物の効用が得られることができる対象者の身体のいずれかの部分を含む。対象者の身体の例として、皮膚、頸部、眉、顎、目、手、足、顔、頬、乳房、腹部、臀部、大腿、背中、脚、足首、セルライト、脂肪沈着物などがある。
【0118】
用語「皮膚」には、皮膚の外層であり、増殖する基底の角化細胞および分化する基底上部の角化細胞からなる重層扁平上皮を含む対象者の皮膚の表皮を含む。
【0119】
用語「対象者」には、本明細書に記載の配合物が使用に適していると思われる対象者を含む。一例として、対象者は、哺乳類動物、例えば、ヒトである。別の実施形態において、対象者は、皮膚の欠点、身体の欠点を患い、または最近において美容施術を行っている。別の実施形態において、対象者は、若く見えることを希望し、または身体の向上を希望している。
【0120】
一実施形態において、身体補正用配合物はさらに、感触改質剤、タック改質剤、展延性促進剤、希釈剤、粘着改質剤、光学改質剤、粒子、揮発性シロキサン、乳化剤、皮膚軟化剤、界面活性剤、増粘剤、溶剤、成膜剤、湿潤剤、防腐剤、顔料、化粧剤または治療剤の1つ以上を含む。他の実施形態において、反応性補強成分および/または架橋成分はさらに、感触改質剤、タック改質剤、展延性促進剤、希釈剤、粘着改質剤、光学改質剤、粒子、揮発性シロキサン、乳化剤、皮膚軟化剤、界面活性剤、増粘剤、溶剤、成膜剤、湿潤剤、防腐剤、顔料、化粧剤または治療剤の1つ以上を含む。当業者であれば、その全体を参照により本明細書に組み込む、INCI名の辞書に基づいたさらに適切な添加剤を容易に決定することができるだろう。
【0121】
化粧剤または治療剤の例として、日焼け防止剤(例えば、UV防止剤)、老化防止剤、ニキビ防止剤、抗しわ剤、スポットリデューサー、保湿剤、抗酸化剤、ビタミン類がある。
【0122】
いくつかの実施形態において、乳化剤は、シムルゲル(商標)400である。
【0123】
いくつかの実施形態において、最初に、組成物または皮膜を投与し、その後、1種以上の追加の化粧剤または治療剤を投与する。いくつかの実施形態において、組成物または皮膜を1種以上の追加の化粧剤または治療剤の後に投与する。いくつかの実施形態において、皮膜および1種以上の追加の化粧剤または治療剤を実質的に同時に投与する。いくつかの実施形態において、組成物または皮膜を使用し、1種以上の追加の化粧剤または治療剤を送達する。
【0124】
いくつかの実施形態において、仕上げ配合物を、身体上に皮膜が形成中、または形成後に身体補正用配合物に塗布する。用語「仕上げ配合物」には、形成後の皮膜に所望する触感または所望する美容的外見を得る成分を含む組成物を含む。例えば、仕上げ配合物は、皮膜に塗布後の艶やかな、やわらかな、および/または滑らかな触感またはしっとりとした、さわやかな、マットな、光沢があり、あるいは発色性の美容的外見を与え得る。
【0125】
いくつかの実施形態において、仕上げ配合物は、オイル、エステルまたはエーテル、例えば、トリグリセライド、ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル、シャーセモルDISDエステルまたは粒子、例えば、ナイロン、シリカおよびシリコーンエラストマービーズの1種以上を含む。いくつかの実施形態において、これらの成分の1種以上は、仕上げ配合物の約0.5%~約100%を構成する。
【0126】
いくつかの実施形態において、仕上げ配合物はクリーム、スプレー、フォーム、軟膏、美容液、ゲルまたは粉末である。
【0127】
いくつかの実施形態において、仕上げ配合物はさらに、感触改質剤、タック改質剤、展延性促進剤、希釈剤、粘着改質剤、光学改質剤、粒子、揮発性シロキサン、乳化剤、皮膚軟化剤、界面活性剤、増粘剤、溶剤、成膜剤、湿潤剤、防腐剤、顔料、染料(例えば、蛍光染料)、化粧剤または治療剤の1つ以上を含む。
【0128】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の皮膜および配合物は、1種以上の顔料を含む。これらには、天然または非天然の着色剤または染料を含む。一実施形態において、顔料は蛍光染料である。
【0129】
いくつかの実施形態において、皮膜および配合物はさらに、顔料拡散配合物を含む。用語「顔料拡散配合物」には、配合物または皮膜の個別の成分として皮膜または配合物に1種以上の顔料を含むことができる配合物を含む。いくつかの実施形態において、顔料拡散配合物は、皮膜および配合物の顔料の均一な分散を可能にする。いくつかの実施形態において、顔料拡散配合物は、少なくとも1つの反応性要素を含む。いくつかの実施形態において、顔料拡散配合物は、少なくとも1つの補強要素を含む。いくつかの実施形態において、顔料拡散配合物は、感触改質剤、タック改質剤、展延性促進剤、希釈剤、粘着改質剤、光学改質剤、粒子、揮発性シロキサン、乳化剤、皮膚軟化剤、界面活性剤、増粘剤、溶剤、成膜剤、湿潤剤、防腐剤、顔料、化粧剤または治療剤の1つ以上を含む。他の実施形態において、反応性補強成分および/または架橋成分はさらに、感触改質剤、タック改質剤、展延性促進剤、希釈剤、粘着改質剤、光学改質剤、粒子、揮発性シロキサン、乳化剤、皮膚軟化剤、界面活性剤、増粘剤、溶剤、成膜剤、湿潤剤、防腐剤、顔料、化粧剤または治療剤の1つ以上を含む。
【0130】
いくつかの実施形態において、顔料拡散配合物は、皮膚に反応性補強成分を塗布する前または後に塗布する。いくつかの実施形態において、顔料拡散配合物は、皮膚に架橋成分を塗布する前または後に塗布する。いくつかの実施形態において、顔料拡散配合物は、皮膚に反応性補強成分および架橋成分を塗布する間に塗布する。
【0131】
いくつかの実施形態において、顔料拡散配合物を、身体補正用配合物または身体補正皮膜が塗布されていない皮膚に塗布し得る。例えば、対象者は、身体補正皮膜または身体補正用配合物周辺の領域の皮膚に顔料拡散配合物を塗布し得、または対象者は身体補正皮膜または身体補正用配合物の塗布の代わりに皮膚に顔料配合物を塗布し得る。
【0132】
用語「塗布する」、「塗布される」および「塗布」には、本明細書に記載の配合物を対象者の身体に投与する方法、例えば、指、ブラシ、綿ボール、パッド、スプレー、スポンジ、綿棒、ロールオン式による塗布を含む。当業者であれば、本明細書に記載の配合物を塗布する適切な方法を容易に決定することができる。
【0133】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、反応性補強成分および架橋成分を含む身体補正用配合物を含むキットに関する。いくつかの実施形態において、キットは、1つ目のコンパートメントが反応性補強成分を含み、2つ目のコンパートメントが架橋成分を含む、少なくとも2つのコンパートメントを含むマルチコンパートメントキットである。いくつかの実施形態において、キットはさらに、キットの使用説明書、1本以上のブラシ、1本以上の綿棒、皮膜除去クレンザーまたは鏡を含む。いくつかの実施形態において、キットはさらに、1種以上の仕上げ配合物を含む。
【0134】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、身体に反応性補強成分を塗布し、反応性補強成分に架橋成分を塗布するステップを含むプロセスで調製された身体補正皮膜に関し、この場合、架橋成分は、反応性補強成分のin situでの架橋を触媒する。
【0135】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、身体に架橋成分を塗布し、架橋成分に反応性補強成分を塗布するステップを含むプロセスで調製された身体補正皮膜に関し、この場合、架橋成分は、反応性補強成分のin situでの架橋を触媒する。
【0136】
用語「身体補正皮膜」には、反応性補強成分および架橋成分の反応時に形成され、形成時に1つ以上の身体の欠点を改善する皮膜を含む。いくつかの実施形態において、身体補正皮膜は皮膚補正皮膜である(例えば、1つ以上の皮膚の欠点を改善する皮膜)。
【0137】
いくつかの実施形態において、身体補正皮膜は、皮膚に塗布された場合、自然な皮膚の外観となる。用語「自然な皮膚の外観」には、皮膚に塗布された場合、身体補正皮膜が実際の皮膚の外見、感触および質感となり、皮膜処理した皮膚が実際の(例えば、現状の)皮膚の物理特性(例えば、弾力性および硬さ)を有する。熟練の観察者および/または技術者が、身体に塗布された場合、皮膜が自然な皮膚の外観となるかを決定することができる。例えば、熟練の観察者が、身体に塗布された場合、皮膜が実施例3に記載のように過度に光沢があり、または、例えば、自然な皮膚の動きに対応して破損、歪みまたは変形することにより、皮膜が皮膚の下層の筋肉に伴い動かないかを決定することができる。
【0138】
技術者は、皮膜が、身体に塗布された場合、自然な皮膚の外観になるかを決定することができきる。例えば、身体補正皮膜の塗布に関わらず、皮膚の弾力性および硬さを多種多様な方法で鑑定することができる(Agache et al., Arch. Dermatol. Rev., 269 (1980) 221、参照によりこの教示を本明細書に組み込む)。例えば、ダーマラボサクションカップ計測器により、皮膚の機械的特性を鑑定する一般的な1つの方法が提供され、老化した皮膚に比べ、若い皮膚に硬さが少なく、弾力性があることがこれまでに示されている(Grahame et al. Clinical Science 39 (1970) 223-238、参照によりこの教示を本明細書に組み込む)。この方法を使用し、皮膚の硬さを、皮膚を所定の距離まで引っ張るために必要な圧力に基づいて計測器で算出した測定値であるヤング率で示す。
【0139】
いくつかの実施形態において、身体補正用配合物で処置した皮膚のヤング率は、未処置の皮膚に比べ、約5%~約70%、例えば、約30%~約60%または約40%~約50%減少する。いくつかの実施形態において、身体補正用配合物で処置したヤング率は未処置の皮膚に比べ、約5%~約25%減少する。
【0140】
皮膚の弾力性は、皮膚の戻り時間で決定される。戻り時間は、引張り圧を取り除いた後に皮膚が所定の距離をその自然な位置に戻るのにかかる時間を測定することにより得られる。いくつかの実施形態において、身体補正用配合物で処置した皮膚の戻り時間は、未処置の皮膚に比べ、約5%~約75%、例えば、約30%~約60%または約50%~約65%減少した。いくつかの実施形態において、身体補正用配合物で処置した皮膚の戻り時間は、未処置の皮膚に比べ、約5%~約10%減少した。いくつかの実施形態において、皮膜で処置した皮膚の戻り時間は、皮膜のみの戻り時間に近づく。
【0141】
図1および2に示されるように、二頭筋および手の皮膚について、身体補正処置物を塗布する前後で評価した。ダーマラボの結果により、製品を塗布後、皮膚の硬さが少なくなり(
図1)、弾力性が増えたことを確認した。観察された硬さの低下および皮膚弾力性の増加は、皮膚がより若々しいことと一致する。
【0142】
いくつかの実施形態において、身体補正皮膜は、皮膚に塗布された場合、若々しい、しみのない自然な皮膚の外観および物理特性を有する。用語「若々しい皮膚」には、グリフィススコアで測定したように、軽度の損傷または損傷のない皮膚を含む。以下に示すように、グリフィススコア(GS)は、対象者が有する皮膚損傷の量の定量的測定値である。
・0~1:損傷なし
・2~3:軽度の損傷
・4~5:中等度の損傷
・6~7:中等度~重度の損傷
・8~9:重度の損傷
【0143】
いくつかの実施形態において、若々しい皮膚には、グリフィススコアが約0~約3である皮膚を含む。
【0144】
いくつかの実施形態において、対象者は、身体補正用配合物の塗布後、グリフィススコアのマイナスの変化(ΔGS)が約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7または約8である。いくつかの実施形態において、対象者は身体補正用配合物を塗布された場合、ΔGSが約-0.5~約-0.3である。一実施形態において、対象者は、身体補正用配合物を塗布された場合、ΔGSが約-1~約-1.5、約-1.2~約-1.3(例えば、約-1.25)である。別の実施形態において、対象者は、身体補正用配合物を塗布された場合、ΔGSが約-2.0~約-3.0、例えば、約-2.0~-2.5または約-2.1~約-2.2(例えば、約-2.15)である。
【0145】
当業者であれば、身体に塗布された場合、皮膜が実施例6に記載の方法により若々しい、しみのない自然な皮膚の外観となるかを決定することができる。
【0146】
他の実施形態において、皮膚に塗布された場合、皮膜は、硬さおよび弾力性を与え、その結果、皮膜処置した皮膚が未処置の皮膚に比べ、実質的により若々しい皮膚と同様に見える。用語「弾力性」には、皮膚が変形した場合にその元の形状に戻る皮膚の傾向を含む。用語「実質的に若々しい皮膚と同様な弾力性」には、皮膚が変形した場合に若い皮膚と同様にその元の形状に戻る皮膚の性質を含む。用語「硬さ」には、皮膚の変形に対する抵抗性を含む。用語「実質的に若い皮膚と同様な「硬さ」には、若い皮膚と同様に変形に抵抗する皮膚の性質を含む。技術者であればさらに、身体に塗布された場合、皮膜が(例えば、ダーマラボサクションカップ計測器を使用して)上記の技術により若々しい、しみのない自然な皮膚の上記の物理的特性を有するかを決定することができるだろう。
【0147】
いくつかの実施形態において、対象者および/または対象者の観察者は、身体補正用配合物を塗布された場合、年齢低下を実感している。いくつかの実施形態において、実感した年齢低下は、対象者の実年齢に比べ、約1歳、約2歳、約3歳、約4歳、約5歳、約6歳、約7歳、約8歳、約9歳、約10歳、約11歳、約12歳、約13歳、約14歳または約15歳である。いくつかの実施形態において、実感した年齢低下は、身体補正用配合物を塗布された場合、対象者の実年齢に比べ約7.5歳である。他の実施形態において、実感した年齢低下は、身体補正用配合物を塗布された場合、対象者の実年齢に比べ約8.5歳である。
【0148】
用語「皮膜が形成される」および「皮膜形成」には、反応性補強成分および架橋成分の相互作用時に起こる重合反応の結果を含む。理論に束縛されないが、皮膜形成は、混合物の粘性ゾル状態から皮膜の連続相互結合したポリマー状態への相転移を特徴とする。
【0149】
技術者であれば、皮膜が身体上に形成される時間を決まりきった方法を使用して決定することができるだろう。例えば、小振幅の振動剪断を使用するレオロジー測定により、皮膜形成プロセスを通して連続して反応する混合物の粘弾性の連続評価、例えば、弾性係数(G’)、粘度率(G’’)および損失正接(tan δ)を決定することができる。いくつかの実施形態において、レオメーターを使用して、皮膜形成の測定値である、G’とG’’とのクロスオーバー時間およびtan δが周波数に依存していない時間を決定することができる。いくつかの実施形態において、皮膜は、少なくとも約5分以内、例えば、約1分、約2分、約3分または約4分以内に形成される。いくつかの実施形態において、皮膜は、少なくとも約10秒および約3分以内に形成される。
【0150】
いくつかの実施形態において、皮膚補正皮膜または身体補正皮膜は、実施例1に示すように、約0.01~約1MPaのヤング率(引張り強さ)を有する。
【0151】
いくつかの実施形態において、皮膚補正皮膜または身体補正皮膜の破断歪みは、実施例1で測定されたように、少なくとも約150%の破断歪みである。
【0152】
いくつかの実施形態において、皮膚補正皮膜または身体補正皮膜は、実施例2に示される皮革粘着試験で決定されるように、約20N/mm以上、例えば、約25N/mm以上、約30N/mm以上、約35N/mm以上、約40N/mm以上、約45N/mm以上、約50N/mm以上、約55N/mm以上、約60N/mm以上、約65N/mm以上、約70N/mm以上、約75N/mm以上または約80N/mm以上の皮革粘着力を有する。一実施形態において、実施例2に示される皮革粘着試験で決定されるように、皮革粘着力は、約50~約80N/mmである。
【0153】
いくつかの実施形態において、皮膚補正皮膜または身体補正皮膜は、約10%未満、例えば、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満または約0%のヒステリシスを有する。
【0154】
いくつかの実施形態において、皮膚補正皮膜または身体補正皮膜は、約10μm~約1500μm、例えば、約50μm~約500μmの厚さである。いくつかの実施形態において、皮膜は、約100μm未満の厚さである。皮膜厚を、当業者であれば公知の方法、例えば、キャリパーおよび目盛付き顕微鏡の組み合わせにより測定し得る。皮膜の厚さはまた、皮膜の断面の顕微鏡写真からデジタル処理で測定し得る。顕微鏡較正により、ピクセル単位の距離の測定値をメートル単位の距離に変換することが可能である。
【0155】
いくつかの実施形態において、皮膚補正皮膜または身体補正皮膜は、約1~30%未満、例えば、約1~約15%未満で収縮する。収縮する量は、当業者であれば公知の方法、例えば、クロール法(Croll, S.G. J. Coatings Tech. 52 (1980) 3、この教示を参照により本明細書に組み込む)により決定し得る。この方法では、皮膜を使用して、薄い柔軟性のある物質の片面を被覆する。被覆の収縮による物質の曲線量の広がりを使用して、被覆の収縮の大きさを算出する(Francis et al., J Mater Sci 2002; 37:4717-31、この教示を参照により本明細書に組み込む)。
【0156】
いくつかの実施形態において、身体補正皮膜は、生理学的に安定している。用語「生理学的に安定」には、正常な皮膚状態、例えば、湿度、涙、汗または皮脂にさらされた場合の皮膜の耐久性を含む。生理学的安定性は、当業者が一般に使用する方法、例えば、生理学的因子にさらされた後の皮膜の重量変化を測定する、取り込み試験により決定し得る。例えば、取り込み試験は、汗のシミュレーション(例えば、1Xリン酸緩衝生理食塩水)の配合物または皮脂のシミュレーション(例えば、25%ワックモノエステル、41%トリグリセライド、16%遊離脂肪酸および12%スクアレン)の配合物を利用し得る。いくつかの実施形態において、皮膜重量の増加は、約10%未満、例えば、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満であるか、または湿度、涙、汗または皮脂にさらされても増加しないことを示す。
【0157】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、対象者に、a)第1の反応性補強成分および第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、対象者の身体の欠点を補正する方法に関し、この場合、架橋成分は反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより身体の欠点を補正する。用語「身体の欠点を補正する」には、(例えば、皮膜が皮膚に残る期間において)恒久的、または一時的のいずれかで1つ以上の身体の欠点を(例えば、部分的または完全に)改善することを含む。当業者であれば、身体の欠点を、実施例6に記載の技術により身体に身体補正用配合物を塗布する場合、部分的、または完全のいずれかで補正されるかを決定することができるだろう。
【0158】
いくつかの実施形態において、用語「身体の欠点を補正する」には、対象者に、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、対象者の身体の外観の欠点を減少させることを含み、この場合、架橋成分は反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより皮膚または身体の外観の欠点を減少させる。用語「身体の外観の欠点を減少させる」には、1つ以上の身体の欠点の1つ以上の外面的な特徴の消失を含む。いくつかの実施形態において、身体補正用配合物を塗布された場合、身体の外観の欠点は、未処置の対象者に比べ、約100%、約95%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%、約50%、約45%、約40%、約35%、約30%、約25%、約20%、約10%、または約5%減少する。
【0159】
いくつかの実施形態において、用語「身体の欠点を補正する」には、上記の対象者に、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、対象者の身体の欠点をマスクすることを含み、この場合、上記の架橋成分は反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより身体の外観の欠点をマスクする。用語「身体の欠点をマスクする」には、1つ以上の身体の欠点を部分的、または完全のいずれかで見た目から覆い隠すまたは目立たなくすることを含む。いくつかの実施形態において、美容施術後の対象者の身体の欠点をマスクするため、美容施術を行った皮膚にa)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む方法を提供し、この場合、上記の架橋成分は反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより身体の外観の欠点をマスクする。化粧施術の方法の例として、例えば、美容外科手術(例えば、アイリフト、フェイスリフト、腹部の手術など)またはボトックス(登録商標)注射がある。いくつかの実施形態において、皮膚の欠点がマスクされる。いくつかの実施形態において、身体補正用配合物の塗布後の身体の欠点は、未処置の身体の欠点に比べ、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約100%マスクされる。
【0160】
いくつかの実施形態において、用語「身体の欠点を補正する」には、上記の対象者に、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、対象者の身体の外観を改善することを含み、この場合、上記の架橋成分は反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより身体の外観を改善する。用語「対象者の身体の外観を改善する」には、身体の外面的特徴を向上させることを含む。身体の外観を改善する例として、焔状母斑もしくは火炎状母斑(例えば、単純性血管腫もしくは正中火炎状母斑)、肝斑、しわ、傷跡、ほくろ、にきび、皮膚の変形、母斑、日焼け、しみもしくは毛穴、夕方の皮膚の色合いの外観を減少させ、またはマスクし、てかりを減少させ、またはマスクし、弛んだ皮膚をリフトし、あるいはセルライトもしくは妊娠線の外観を減少させ、またはマスクすることを含む。いくつかの実施形態において、対象者の皮膚の外観を改善する。
【0161】
いくつかの実施形態において、用語「身体の欠点を補正する」には、対象者の身体に、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、対象者の身体を向上させることを含み、この場合、架橋成分は反応性補強成分のinsituでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより対象者の身体を向上させる。用語「身体を向上させる」には、対象者の身体の特徴を増大させ、高め、その結果、対象者の外観をより魅力的にすることを含む。例えば、対象者の身体に着色剤、グリッターなどを加えることにより向上させ得る。いくつかの実施形態において、対象者の皮膚の外観を向上させる。
【0162】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、対象者に、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、対象者の年齢の外観を低下させる方法に関し、この場合、架橋成分は反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより身体の年齢の外観を低下させる。用語「対象者の年齢を低下させる」には、対象者に身体補正皮膜を塗布した場合、対象者が若くなる、対象者または対象者を見る者による実感を含む。いくつかの実施形態において、対象者は、身体補正皮膜を塗布された場合、約1歳、約2歳、約3歳、約4歳、約5歳、約6歳、約7歳、約8歳、約9歳、約10歳、約11歳、約12歳、約13歳、約14歳、約15歳、約16歳、約17歳、約18歳、約19歳または約20歳若く見える。
【0163】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、対象者に、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、対象者の身体を保護する方法に関し、この場合、架橋成分は反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより身体を保護する。用語「対象者の身体を保護する」には、対象者の皮膚または身体を、損傷を与える環境要因、例えば、太陽、風、雨または環境毒素による損傷から保護または遮断することを含む。いくつかの実施形態において、対象者の皮膚を保護する。
【0164】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、対象者に、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、対象者の身体を整形する方法に関し、この場合、架橋成分は反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより身体を整形する。用語「対象者の身体を整形する」には、例えば、身体の軟部組織にサポートを提供し、身体の軟部組織の弛みを保護することにより対象者の身体を変化させることを含む。身体の軟部組織の例として、腹部、臀部、大腿、頸部、眉、顎、乳房、腕部下の皮膚および目周辺の皮膚がある。いくつかの実施形態において、対象者の皮膚を整形する。
【0165】
いくつかの実施形態において、用語「対象者の身体を整形する」には、対象者に、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、例えば、対象者の身体の部分を再分布させることにより構造的に変化させることを含み、この場合、架橋成分は反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより身体を整形する。いくつかの実施形態において、対象者の身体の部分、例えば、乳房、皮膚、臀部などがリフトされる。用語「対象者の身体をリフトする」には、例えば、外科的美容施術(例えば、フェイスリフト、アイリフト、バストリフトなど)と同様に、対象者の身体を持ち上げることを含む。いくつかの実施形態において、対象者の皮膚がリフトされる。いくつかの実施形態において、皮膚は顔の皮膚(例えば、目の周りの皮膚、眉上の皮膚または唇周りの皮膚)または頸部の皮膚である。いくつかの実施形態において、身体補正用配合物を塗布された場合、身体が、対象者の未処置の身体に比べ、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%または約50%リフトされる。いくつかの実施形態において、身体が、身体補正皮膜を塗布された場合、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約1cm、約1.5cm、約2.0cm、約2.5cm、約3.0cm、約3.5cm、約4.0cm、約4.5cm、約5.0cm、約5.5cm、約6.0cm、約6.5cm、約7.0cm、約7.5cm、約8.0cm、約8.5cm、約9.0cm、約9.5cmまたは約10cmリフトされる。
【0166】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、対象者の皮膚に、a)場合により1種以上の薬剤を含む第1の反応性補強成分およびb)場合により1種以上の薬剤を含む第2の架橋成分を含む配合物を塗布することを含む、対象者に薬剤を送達する方法に関し、この場合、架橋成分は反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成され、それにより対象者に薬剤を送達する。用語「薬剤を送達する」には、対象者の皮膚の皮膜形成時に薬剤(例えば、化粧剤または治療剤)を対象者の皮膚に放出することを含む。いくつかの実施形態において、薬剤は1回量で送達され、または薬剤は徐放様式で送達されるよう配合される。薬剤の例として、化粧剤および治療剤がある。
【0167】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの予め選択された機能調節成分を含む、対象者の身体に塗布する身体補正用配合物に関し、この場合、上記の組成物は対象者の身体に塗布された場合、身体補正皮膜を形成する。
【0168】
用語「予め選択された」には、配合物の調製前に選択される成分を含む。例えば、成分は、特定の配合物を作製する製造プロセスの間に選択され得る。別法として、成分は、配合物の塗布前に対象者により選択され得る。
【0169】
用語「機能調節成分」には、身体補正用配合物が皮膜の具体的な使用(例えば、しわの外観を減少させる、てかりを最小限にする、毛穴をマスクするなど)のために選択的に調整されることを可能にする成分を含む。機能調節成分または複数の成分は、皮膜の具体的な使用において効果的に塗布されるために必要な皮膜の物理特性に基づいて選択され得る。例えば、配合物をてかりを最小限にするために使用する場合、モジュールは、得られる皮膜の他の物理特性の値に対して低くするものとする。
【0170】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの予め選択された処置特異的成分を含む、対象者の身体上の処置領域を標的とする身体補正用配合物に関し、この場合、上記の組成物は、対象者の身体上の標的処置領域に塗布された場合、身体補正皮膜を形成する。
【0171】
用語「標的処置領域」には、配合物が塗布されることを意味する身体の領域を含む。
【0172】
用語「処置特異的成分」には、身体補正用配合物が身体上の標的処置領域(例えば、目の下、額、唇、臀部、頸部など)のために選択的に調整されることが可能である成分を含む。処置特異的成分または複数の成分は、表1に示すように、標的処置領域に効果的に塗布されるために必要な、配合物から生じる皮膜の物理特性に基づいて選択され得る。例えば、標的処置領域が目の下である場合、モジュールは、得られる皮膜の他の物理特性の値に対して低くするものとする。
【0173】
【0174】
機能調節成分および処置特異的成分の例として、硬さの成分、弾力性の成分、伸びの成分、粘着性の成分、マットの成分および質感の成分がある。
【0175】
用語「硬さの成分」には、得られる皮膜の柔軟性を調節する成分を含み、これは、皮膜のヤング率を測定することにより決定される(実施例2を参照)。硬さの成分の例として、反応性要素(例えば、オルガノポリシロキサンおよび/またはヒドリド官能化ポリシロキサン)および補強要素がある。
【0176】
用語「弾力性の成分」には、得られる皮膜の跳ね返りを調節する成分を含み、これは、ヒステリシスを測定することにより決定され、例えば、補強要素を含む。
【0177】
用語「伸びの成分」には、得られる皮膜の伸縮性を調節する成分を含み、これは収率に対する伸びの百分率を測定することにより決定される。伸びの成分の例として、反応性要素(例えば、オルガノポリシロキサンおよび/またはヒドリド官能化ポリシロキサン)および補強要素がある。
【0178】
用語「粘着性の成分」には、得られる皮膜の皮膚への粘着性を調節する成分を含み、皮革粘着試験により測定される(実施例2を参照)。粘着性の成分の例として、反応性要素(例えば、オルガノポリシロキサンおよび/またはヒドリド官能化ポリシロキサン)および補強要素がある。
【0179】
用語「マットの成分」には、得られる皮膜の光沢性を調節する成分を含み、得られる皮膜のてかりを決定することにより測定される(実施例3を参照)。マットの成分の例として補強要素および光散乱粒子を含む。
【0180】
用語「質感の成分」には、得られる皮膜が自然な皮膚の外見および感触となるよう皮膜の質感を調節する成分を含み、皮膜の摩擦を決定することにより測定される。当業者であれば、例えば、押圧し、表面全体にカンチレバーをドラッグし、抵抗力を記録することにより皮膜の摩擦を測定する方法を容易に決定することができる。より高い摩擦は、より高い抵抗力の記録に対応し、表面が粗いと、摩擦が高くなる傾向にある。
【0181】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、身体補正皮膜を除去する場合に使用される皮膜除去クレンザーに関し、この場合、上記の皮膜は、a)反応性成分を皮膚に塗布し、b)架橋成分を上記の反応性補強成分に塗布するステップを含むプロセスにより調製され、上記の架橋成分は反応性補強成分のin situでの架橋を触媒する。
【0182】
他の実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、皮膜湿潤成分、浸透成分、皮膜膨張成分および皮膜剥離成分を含む皮膜除去クレンザーに関する。
【0183】
用語「皮膜除去クレンザー」には、身体補正皮膜を塗布された場合に、皮膜を身体から除去し得るように皮膜の成分を破壊する化粧用配合物を含む。いくつかの実施形態において、皮膜クレンザーは、皮膜を湿潤させ、皮膜を浸透させ、皮膜を膨張させ、皮膚から皮膜を剥離することにより皮膜を除去する。
【0184】
用語「皮膜湿潤成分」には、皮膜が液体を吸収することを可能にするクレンザーのこのような成分を含む。いくつかの実施形態において、皮膜湿潤成分は、カプリリルメチコン、エチルトリシロキサンまたはその組み合わせを含む。
【0185】
用語「浸透成分」には、クレンザーが皮膜に浸透することを可能にするクレンザーのこのような成分を含む。浸透成分の例として、シロキサン乳化剤、カプリリルメチコン、エチルトリシロキサンまたはその組み合わせを含む。
【0186】
用語「皮膜膨張成分」には、皮膜を膨張させるクレンザーの成分を含む。皮膜膨張成分の例として、カプリリルメチコン、エチルトリシロキサン、イソドデカンまたはその組み合わせを含む。
【0187】
用語「皮膜剥離成分」には、皮膜が、皮膜が塗布される対象者の皮膚または身体に粘着させないクレンザーの成分を含む。皮膜剥離成分の例として、グリコール、水またはその組み合わせを含む。
【0188】
いくつかの実施形態において、クレンザーは、皮膜の機械的完全性を破壊する。用語「皮膜の機械的完全性を破壊する」には、皮膜にその独自の特性(例えば、硬さ、弾力性、伸び、粘着性など)を与える機械的特徴の撹乱を含む。
【0189】
いくつかの実施形態において、クレンザーは、シロキサン相、乳化剤相および水性相を含む。用語「シロキサン相」には、1つ以上のシロキサン、例えば、カプリリルメチコンおよびエチルトリシロキサンを含むクレンザーの成分を含む。いくつかの実施形態において、シロキサン相はまた、イソドデカンおよびエアロゲルVM2270(東レ・ダウコーニング株式会社)を含む。用語「乳化剤相」には、1種以上の乳化剤、例えば、ラウリルPEG-9ポリジエチルシロキシエチルジメチコン、PEG-35ヒマシ油またはイソドデカンおよびラウリルジメチコン/ポリグリセリン3クロスポリマーなどのシロキサン乳化剤を含む。用語「水性相」は、水溶性、例えば、水、プロピレングリコール、ブチレンジグリコール、グリセロールまたはその組み合わせであるクレンザーの成分を含む。いくつかの実施形態において、水性相は、MPジオールグリセロール、防腐剤(例えば、ネオロンPE)、光学粒子(例えば、シリカおよびDMPA/イソフタル酸/SMDIコポリマーおよびグリーン5)および構造粒子(例えば、ナイロン-12)を含む。
【0190】
いくつかの実施形態において、シロキサン相はクレンザーの約50%であり、乳化剤相はクレンザーの約8%であり、水性相はクレンザーの約42%である。
【0191】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、クレンザーを皮膜に溶解させる有効量の皮膜を塗布し、その結果、上記の皮膜が溶解することを含む、身体補正皮膜を有する身体表面を洗浄する方法に関する。いくつかの実施形態において、身体表面は皮膚である。
【0192】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、皮膚に塗布される身体補正用皮膚を修復する配合物に関し、この場合、配合物は、a)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含み、架橋成分が、反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成される。
【0193】
用語「修復」および「修復する」には、皮膚に皮膜を形成後、身体補正皮膜における欠点を改善することを含む。いくつかの実施形態において、用語「修復」には、皮膜の裂け目、隙間または破れを修繕し、または塞ぐことを含む。いくつかの実施形態において、用語「修復」には、皮膚から除去した皮膜の一部を取り換えることを含む。いくつかの実施形態において、用語「修復」には、皮膚から剥がれた(例えば、皮膚から剥離した)皮膜の一部を再粘着または再付着させることを含む。いくつかの実施形態において、用語「修復」には、皮膜の裂け目、隙間または破れの端部を膨張させ、皮膜をより延展させ、その結果、皮膜を再整形させ得る。
【0194】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、a)修復が必要な皮膜の領域を識別し、b)場合により皮膜の端部を滑らかにし、c)皮膜を修復するための配合物を塗布することにより皮膚に塗布された身体補正皮膜を修復する方法に関し、この場合、配合物は、第1の反応性補強成分および第2の架橋成分を含み、架橋成分が、反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚上形成され、身体補正皮膜を修復する。
【0195】
用語「皮膜の端部を滑らかにする」には、修復が必要な領域の皮膜の端部を除去し、ふき取り、膨張させ、払い落し、または研磨し、皮膜のギザギザした、または不均一な部分を除去することを含む。
【0196】
いくつかの実施形態において、本発明は、第1の反応性補強成分および第2の架橋成分を含むキットに関し、この場合、架橋成分は反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成される。いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも部分的に、身体補正皮膜を修復するキットに関し、この場合、キットはa)第1の反応性補強成分およびb)第2の架橋成分を含む配合物を含み、架橋成分が、反応性補強成分のin situでの架橋を触媒し、その結果、皮膜が皮膚に形成される。
【0197】
いくつかの実施形態において、キットは、少なくとも2つのコンパートメントを含むマルチコンパートメントキットである。いくつかの実施形態において、反応性補強成分は1つ目のコンパートメントにあり、架橋成分は2つ目のコンパートメントにある。いくつかの実施形態において、キットはさらに、1本以上のブラシ、1本以上の綿棒、皮膜除去クレンザー、使用説明書または鏡を含む。いくつかの実施形態において、キットはさらに、顔料拡散配合物を含む。
【実施例】
【0198】
実施例I.サイクル試験および伸長引張り試験
サンプル作製: バルク機械特性を決定するため、標的材料をダンベル型金型内部で成型した。金型の首下寸法は、長さ20mm、幅5mmおよび深さ1.5mmである。金型の「ハンドル」は20mm×15mmであり、試験中、固定の滑り防止グリップを付けるために十分な領域が与えられた。金型寸法は、ASTM D638ガイドラインに一致する。
【0199】
流し入れた標本を十分に硬化乾燥させると、形成されたサンプルを、ヘラを用いて各金型から取り出し、仕上りの小片の形状をデジタルキャリパーで測定し、正確な寸法を決定した。
【0200】
機械試験: 標本の機械的特徴付けを、100Nロードセル(インストロン品番2519-103)を備えたインストロン3342(インストロン社、マサチューセッツ州、ノーウッド)で行った。ダンベル型サンプルは、改造型インストロン2710-101グリップを介して計測器に載せ、これにより、試験中、取り付けたサンプルがグリップ内に滑らない、または落ちることはなかった。各サンプルに続けて2種類の試験、まずサイクル試験の後、伸長引張り試験を行った。最初の試験(例えば、サイクル試験)は、次の試験(例えば、伸長引張り試験)の結果に影響しないことが示された。各試験を、計測器を操作するために使用したBluehill Liteソフトウェアにプログラムした。2つの試験それぞれに関連したパラメータおよびデータ分析を以下に記載する。
【0201】
サイクル試験: 材料の弾力性を決定するため、サイクル試験を作成した。サイクル試験を、最も弾力性のある(例えば、ばね様の)材料を決定するために使用し、この試験から、以下に記載のように即時残留歪み(I.R.S.)を得た。一般に、材料の弾力性が大きいほど、変形後のその元の形状への戻りが速くなる。完全な弾性材料においては、I.R.Sおよびサイクル試験領域がゼロに近づくため、値が低いほど良好である。
【0202】
試験を開始する前に、サンプルを計測器に載せ、そうして標本の矩形のハンドル部分を計測器グリップ内に固定し、標本首下は固定しなかった。計測器グリップの距離を、計測器の圧力がゼロ近くを示すように、サンプルが自然に伸長するよう調整した(±0.01N)。続いて、サイクル伸長は、初期サンプル長の15%の最大伸長で1mm/sにて行われた。合計15回を実行し、記録した。計測器に記録された応力歪みデータを、記録された機械特性を算出するエクセルに出力した。
【0203】
エクセルテンプレートを使用し、多くのパラメータを自動的に抽出した。サイクルのヤング率は、1%~4%の1回目のサイクルの応力歪み曲線の直線の傾きとして算出された。直線適合度のR2乗値が0.99を超え、すなわちヤング率が破棄された。各サイクルの即時残留歪み(I.R.S)を、1回目のサイクル時に得た最大応力の1/2の時の負荷曲線と無負荷曲線との歪みの差として算出した。1回目のサイクルのI.R.Sおよび4回目~14回目のサイクルの平均I.R.Sを記録した。各サイクルの負荷曲線および無負荷曲線の境界面積もまた算出した。I.R.Sと算出されたサイクル面積との間に良好な一致が認められた。
【0204】
評価された材料の大部分が十分に柔軟性および弾力性があり、その結果、サイクル試験は、算出した特性を大きく変化させることなく同じサンプルで繰り返すことができた。これは、この試験が試験材料に持続した変化を生じないことを示唆する。
【0205】
伸長引張り試験: 伸長引張り試験を、ヤング率および最終歪みを測定することにより材料の硬さおよび伸縮性を決定するため使用した。ヤング率を材料の硬さの測定値として利用し、同時に、最終歪みを材料の柔軟性の測定値として使用した。皮膚の外観を有する皮膜を作製するため、皮膚の動きにより変形した場合に皮膜が破れることがないように、ヤング率は標的範囲(例えば、0.1~1.0Mpa)とし、同時に(最終歪みにより測定された)破断歪みは十分に高い(例えば、約150%以上)ものとした。
【0206】
サンプルを計測器に載せ、そうして標本の矩形のハンドル部分を計測器グリップ内に固定し、標本首下は固定しなかった。計測器グリップの距離を、計測器の圧力がゼロ近く(±0.01N)を示すように、サンプルが自然に伸長するよう調整した。続いて、10mm/sにてサンプルが破断するまで伸長させた。伸長時の計測器に記録された応力歪みデータを、記録された機械特性を算出するエクセルに出力した。
【0207】
エクセルテンプレートを使用し、計測器に得られたデータから多くのパラメータを自動的に抽出した。伸長ヤング率は、6%~11%の応力歪み曲線の直線の傾きとして算出された。直線適合度のR2乗値が0.99を超え、すなわちヤング率は、応力歪み曲線上のより直線の5%歪み範囲から算出された。剪断率(G)をヤング率として同じ歪み範囲から決定した。Gを記録された応力とα-α-2の間の最大直線適合度の傾きとして算出し、この場合、αは1+即時の歪みとなる。降伏歪みを、ネオ・フック応力、つまりGおよび(α-α-2)の乗数から10%以上異なる応力測定時の歪みとして決定した。最終応力を実験中に記録した最大応力として算出した。本明細書に示した機械特性の算出は、ASTM D412に一致する。
【0208】
実施例2: 皮革剥離粘着試験: 標的材料の粘着性を決定するため、材料を軟性の柔軟な皮革片25.4mm幅および76.2mm長に伸ばした。試験物質として使用した皮革は、軽量の椅子張り用の皮革(AD1100、レザーアンリミテッド社製、ウィスコンシン州ベルギー)であった。1つ目の皮革片に材料を伸した直後に、2つ目の同等の皮革片を上に置き、2つの小片の間に薄層の材料を挟んだ。2つの皮革片を、2つ皮革生地の接触面に均質な薄層の材料があるように、合わせて押圧した。端部をふき取り、過剰の材料を取り除き、材料を硬化乾燥させ、試験標本を形成した。
【0209】
2つの皮革生地の各々をインストロン3342マウントで使用のグリップ用に分離するため、粘着試験サンプルの一端を手で部分的に剥離した。各皮革生地を計測器グリップ自体に固定し、伸長試験を10mm/sの速度にて行い、2つの生地を剥離した。圧力:時間データを伸長時の計測器により記録し、記録された粘着力を算出するエクセルに出力した。
【0210】
エクセルテンプレートを使用し、計測器に得られたデータから粘着パラメータを自動的に抽出した。サンプル平均粘着力を、サンプル幅(25.4mm)で正規化した、実験中の計測器により測定された即時の圧力の平均により算出した。この試験方法はASTM D1876に従い開発された。材料の硬さおよび皮膜を置いた領域に依存した最小許容粘着性は、およそ25N/mm以上であった。
【0211】
実施例3.画像分析測定
てかり: インビトロまたはインビボのいずれかのてかりを測定するため、測定する部位に対して45°の角度に置いた光源の付いた照明ボックスを使用して、てかりを作製し、レンズから測定する領域に引いた線が作る角度が45°であるように位置付けしたカメラを使用し、その部位を撮影した。カメラのホワイトバランス、F-ストップおよびISOを手動で設定値に固定し、十分に露出し、良好な色温度にした。1枚の写真を光源とてかりをとらえる部位との間に何らかの拡散要素を含むことなく撮影した。次いで、拡散表面を光源と部位との間に置き、(露出を1回目の写真と同様または等しくなるようにシャッター速度を変更して)さらに撮影した。この写真は、いかなるてかりも存在しない表面をとらえたが、1回目の写真は正反射率の結果として最大量のてかりをとらえた。これらの写真を重ね、関連のサンプル領域を切り取り、次いで拡散写真を最大てかり写真から取り去り、てかりのみを強調した写真を作製した。次いで、取り去られた写真全体を、標準偏差に沿って平均グレイ値を求めることで集約した。この平均グレイ値はてかり値として示され、各サンプルに存在する正反射率の量を比較するために使用された。各サンプルにおいて、各状態(拡散の有無)のカメラ設定は同一であった。
【0212】
写真設定キャプチャー: 製品性能評価のために撮影された各写真のパネリストの位置の再現性を最大限にするため、ヘッドポジショニングシステム(HPS)を作製した。このHPSは2つの構成、額のみの評価および顔全体の評価を有する。各構成において、アプライド・サイエンス・ラボラトリーズ(ASL)製のモデル819シリーズの台固定顎当てを、台に2つの異なる構成を設置するための土台として使用した。1つ目のカメラ(正常なショット)を、レンズとカメラの線がおよそ90°で対象者の顔の正面に対して位置付けられるように顔の位置を位置づけた。2つ目のカメラ(45°ショット)を、レンズとカメラの線がおもに対象者の顔左半分をとらえる、およそ45°で対象者の顔の正面に対して位置付けられるように対象者の左に位置づけた。顎当てに対するカメラの位置は固定し続けた。1つ目の構成において、ASL頬当て(819-2155)をASL顎当てに載せた。この設定において、パネリストの頭部をカメラレンズの中央から評価領域に作られる線が額の評価領域に垂直であるように位置づけした。2つ目の構成において、ASL額当て(819-2150)を顎当てに取り付けた。この設定において、顎当てのカップを額当ての水平バーをパネリストの生え際の水平線に合わせて、各写真の評価領域が最大限になるように位置付けした。
【0213】
Calumet35ワット5500K昼光色温度蛍光灯(OL2003)が4つ付いたCalumetクワトロ蛍光ランプ(CF0003)2つからなる写真の照明を、直接パネリストを指す角度の、パネリストの前側および片側に置いた。ビジュアルパージット社製ギラツキ防止偏光フィルターも各ランプの前に置いた。照明は、いずれかの写真を撮影する前に少なくとも10分間加温した。照明に加えて、円偏光フィルターを各カメラレンズに使用し、各写真の照明の種類を調節した。
【0214】
各評価において、2組の写真が正常ショットカメラ用に撮影された。1組目において、カメラの円偏光フィルターを、その偏光が蛍光灯の偏光に平行し、てかりおよび小じわ、毛穴および皮膚の質感を強調した写真となるように構成した。2組目において、円偏光フィルターを、偏光が蛍光灯の偏光に垂直(または直交)であり、ギラツキ全てを除外し、基本的な皮膚の色合い、変色および深いしわを示す結果が得られるように構成した。45°ショットカメラを、偏光を蛍光灯の偏光に平行にし、てかりおよび小じわ、毛穴および皮膚の質感を強調した写真となるようにカメラの円偏光フィルターを構成するように各評価用に構成した。
【0215】
写真の眉リフト測定: 写真の眉の高さを測定するため、上記の写真キャプチャーの方法を使用して、写真を得た。次いで、各目の眼角中央から外眼角までの「眼角線」を写真に引いた。この眼角線を、測定した眉の高さからの基準として使用した。眉を、バレー検出、エッジ検出を適用し、画像の図形操作を閾値化処理することで画像から識別した。一実験中、バレーおよびエッジ検出のパラメータおよび閾値化処理を各画像シリーズから眉の同じ部分が同じであるように一定にした。眉を正確に識別するため、これらのパラメータを、実験中の写真の露出およびパネリスト内での皮膚および眉の色の差を考慮して変更した。これらの方法において、バイナリマスクを作製し、次いで、これを眉のみを写真の中で正確に識別するためにさらに操作した。全体の高さの変化測定において、次いで、眉の塊の中央をそのバイナリマスクから決定した。バイナリ操作のパラメータおよび塊の中央決定を常に一定に維持した。各眉の高さは、その塊の中央からその対応する眼角線に垂直であった。この方法により全体の高さの変化を測定したが、位置の一部が上昇し、位置の一部が下がる、かなりのアーチまたはつり型の変化の大きさはとらえられなかった。この場合において、眉の塊の中央を測定する代わりに、眼角線に垂直な眉の左右の端部と中央の高さをバイナリマスクから決定した。
【0216】
赤み減少の写真測定: 上記の写真設定を用いてパネリストの写真を得た。赤みの比較は、同じ実験中に撮影された写真にしか行われず、これは、露出、照明および顔の位置が1回の実験中でしか一定でないためである。実験中に一連の写真を撮影後、交差偏光した写真を、赤みの減少を評価する領域を各画像間で可能な限り固定して残すように重ねた。図面操作ソフトウェアを使用して、CIELAB色空間のL*a*b*チャンネルを一連の写真の各画像用に作製した。L*値は照明の程度を表し、同時に、a*およびb*は色度を規定する。特に、a*は、赤(+値)または緑(-値)の度合いを表す。次いで、ベースラインの写真のa*チャンネルにおける色カードの赤色座標の明度を使用して、これらの画像の色カードの赤色座標内のa*値がベースライン値と等しくなるまで、次の画像のa*チャンネルの明度を調整することで次の画像を正規化する。次いで、評価の領域を写真から切り取る。次いで、赤みの減少を、「後」の写真のa*値から「前」の写真の領域のa*値を引くことで決定する。この減算から得た-値は赤みの減少を示し、同時に+値は増加を示す。
【0217】
実施例4: 応力試験方法
材料の機械的耐久性を、人工眉リフトを作製し、製品塗布中の皮膚をプレテンショニングする以下の方法の1つを適用することで評価した。これらのプレテンショニング法は、皮膚表面に応力を加え、リフトした位置に眉を引っ張るために使用した。
・「眉に直交に押す」、眉を始点とし、ベクトルが眉から眉の線に対して80°~100°の角度で前方に向かう応力を加えた。
・「生え際隅から対角に引っぱる」、パネリストの生え際の最も前と後ろの位置を始点とし、ベクトルが眉から眉の線に対して10°~80°の角度で前方に向かう応力を加えた。
・「生え際隅に直交に引っぱる」、パネリストの生え際の最も前と後ろの位置を始点とし、ベクトルが眉から眉の線に対して80°~100°の角度で前方に向かう応力を加えた。
・「生え際の後ろに直交に押す」、目の位置またはその上である生え際の最も後ろの位置を始点とし、ベクトルが眉から眉の線に対して80°~100°の角度で前方に向かう応力を加えた。
【0218】
眉をこれらの応力の1つでリフトし続けながら、張力を加えた皮膚の領域に製品を塗布した。皮膜が硬化すると応力を取り除き、皮膜の皮膚に張力を保持する機械的耐久能を評価した。この評価は、記載の方法を使用して、製品塗布前後の眉リフトの度合いを測定することにより得た。この影響による耐久性は、時間、正常および誇張した顔の表情および水、汗、熱、皮脂の産生などの環境ストレスならびに皮膜と相互作用する表面接触を考慮して測定された。リフトの量は、機械的効用を保つ皮膜の性質をどれくらい素早く持続させるかを決定するため、一定の間隔で追跡した。上記の応力に耐え、塗布直後に最初に得られたレベルで眉のリストを維持する場合、皮膜を機械的耐久性があると決定した。
【0219】
実施例5.配合物
2ステップの塗布方法を示す配合物の例を以下に記載する。反応性補強成分の第1のステップ(例えば、処置)は、以下に示す配合物60-140-1、60-140-1B、60-140-HP2、SK87/2、60-140-LX2、SK87/1、48-196、48-199、60-211、60-200-1N、60-208、66-166-F、66-167-E、66-166-C、66-169-3、66-170、79-23、79-24b、79-45、79-46、79-41、88-30-1、83-16、79-55a、79-55b、79-55c、79-55d、79-55e、79-55f、79-55g、83-54、79-55h、81-18、81-19、81-20、81-21、79-74、80-23、79-88、79-88-3A、79-74-RD、79-90-B、88-70、88-72、88-75-2、88-75-3、88-80、88-85-1、88-85-2、88-83-V2、88-83-V3および83-54を含む。
【0220】
配合物の成分は市販されている。以下の表に本出願を通して使用される商標名の一般名を記載する。
【0221】
【0222】
【表3】
方法:
成分1~4を、混合物に白色粒子がなくなるまで4オンス目盛付き容器において手で混合した。続いて、成分5~8を添加し、混合物が均質であることを確認した(混合物A)。別の容器に、成分9および10を均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを、4翼の40mmプロペラで550rpmにて激しく撹拌しながら混合物Aに添加後、成分11を添加し、混合速度を1000rpmにし、5分間混合した。混合物が均質であることを確認した。
【0223】
【表4】
方法:
成分1~4を、混合物に白色粒子がなくなったことを確認するまで4オンス目盛付き容器において手で混合した。続いて、成分5~8を添加し、混合物が均質であることを確認した(混合物A)。別の容器に、成分9および10を均質になるまで手で混合した(混合物B)。混合物Bを、4翼の40mmプロペラで550rpmにて激しく撹拌しながら混合物Aに添加後、成分11および12を添加し、混合速度を1000rpmに増加し、5分間混合した。混合物が均質であることを確認した。
【0224】
【表5】
方法:
成分1~3を4オンス目盛付き容器において手で混合し、混合物に白色粒子がなくなったことを確認した。続いて、成分4~7を添加し、混合物が均質であることを確認した(混合物A)。別の容器に、成分8を均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを、4翼の40mmプロペラで550rpmにて激しく撹拌しながら混合物Aに添加後、成分9を添加し、混合速度を1000rpmに増加し、5分間混合した。混合物が均質であることを確認した。
【0225】
【表6】
方法:
成分1~3を4オンス目盛付き容器において手で混合し、混合物に白色粒子がなくなったことを確認した。続いて、成分4および5を添加し、混合物が均質であることを確認した(混合物A)。別の容器に、成分6および7を均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを、4翼の40mmプロペラで550rpmにて激しく撹拌しながら混合物Aに添加後、成分8~10を添加し、混合速度を1000rpmに増加し、5分間混合した。混合物が均質であることを確認した。
【0226】
【表7】
方法:
成分1~4を4オンス目盛付き容器において手で混合し、混合物に白色粒子がなくなったことを確認した。続いて、成分5~8を添加し、混合物が均質であることを確認した(混合物A)。別の容器に、成分9および10を均質になるまで手で混合した(混合物B)。混合物Bを、4翼の40mmプロペラで550rpmにて激しく撹拌しながら混合物Aに添加後、成分11を添加し、混合速度を1000rpmに増加し、5分間混合した。混合物が均質であることを確認した。
【0227】
【表8】
方法:
成分1~3を4オンス目盛付き容器において手で混合し、混合物に白色粒子がなくなったことを確認した。続いて、成分4および5を添加し、混合物が均質であることを確認した(混合物A)。別の容器に、成分6および7を均質になるまで手で混合した(混合物B)。混合物Bを、4翼の40mmプロペラで550rpmにて激しく撹拌しながら混合物Aに添加後、成分8および9を添加し、混合速度を1000rpmに増加し、5分間混合した。混合物が均質であることを確認した。
【0228】
【表9】
方法:
成分1~3を4オンス目盛付き容器において、4翼のプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合し(混合物A)、混合物が均質になったことを確認した。別の容器に、成分4~8を4翼のプロペラで750rpmにて均質になるまで混合した(混合物B)。別の容器に、成分9~11を4翼のプロペラで750rpmにて均質になるまで混合した(混合物C)。混合物Bを、4翼の40mmプロペラで750rpmにて激しく撹拌しながら混合物Cに添加後、混合物Aを混合物BおよびCの混合物に滴下にて添加した。最後に成分12および13を添加し、混合速度を1000rpmに増加し、10分間混合した。混合物が均質であることを確認した。
【0229】
【表10】
方法:
成分1~3を4オンス目盛付き容器において、4翼のプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した(混合物A)。別の容器に、成分4~8を4翼のプロペラで750rpmにて均質になるまで混合した(混合物B)。別の容器に、成分9~11を4翼のプロペラで750rpmにて均質になるまで混合した(混合物C)。混合物Bを、4翼の40mmプロペラで750rpmにて激しく撹拌しながら混合物Cに添加後、混合物Aを混合物BおよびCの混合物に滴下にて添加した。最後に成分12および13を添加し、混合速度を1000rpmに増加し、10分間混合した。混合物が均質であることを確認した。
【0230】
【表11】
方法:
成分1~7を4オンス目盛付き容器において、4翼のプロペラで2000rpmにて均質になるまで混合した(混合物A)。別の容器に、成分8~11を4翼のプロペラで750rpmにて均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを、4翼のプロペラで2000rpmにて激しく撹拌しながら混合物Aにゆっくり添加した。成分12および13を添加し、混合速度を2000rpmに増加し、5分間混合した。混合物が均質であることを確認した。
【0231】
【表12】
方法:
成分1~5を4オンス目盛付き容器において、4翼のプロペラで2000rpmにて均質になるまで混合した(混合物A)。次いで、成分6~9を添加し、4翼のプロペラで2000rpmにて均質になるまで混合した。成分10および11を添加し、混合速度が2000rpmにて均質になるまで混合した。
【0232】
【表13】
方法:
成分1~5を4オンス目盛付き容器において、4翼のプロペラで2000rpmにて均質になるまで混合した(混合物A)。次いで、成分6~9を添加し、4翼のプロペラで2000rpmにて均質になるまで混合した。成分10および11を添加し、混合速度が2000rpmにて均質になるまで混合した。
【0233】
【表14】
方法:
成分1~3をシロキサン相Aとして合わせて混合した。シロキサン相Bに、成分4~8を混合した。成分9~11を水相として混合した。水相をゆっくりシロキサン相Bに添加し、均質になるまで混合した。この新しい相に、相Aを非常にゆっくり滴下にて添加した。シロキサン相Aを全て添加すると、成分12~19を配合物に添加し、均質になるまで混合した。
【0234】
【表15】
方法:
成分1~3をシロキサン相Aとして合わせて混合した。シロキサン相Bに、成分4~8を添加した。成分9~11を水相として混合した。水相をゆっくりシロキサン相Bに添加し、均質になるまで混合した。この新しい相に、相Aを非常にゆっくり滴下にて添加した。シロキサン相Aを全て添加すると、成分12~21を配合物に添加し、均質になるまで混合した。
【0235】
【表16】
方法:
成分1~3をシロキサン相Aとして合わせて混合した。シロキサン相Bに、成分4~8を添加した。成分9~11を水相として混合した。水相をゆっくりシロキサン相Bに添加し、均質になるまで混合した。この新しい相に、相Aを非常にゆっくり滴下にて添加した。シロキサン相Aを全て添加すると、成分12~19を配合物に添加し、均質になるまで混合した。
【0236】
【表17】
方法:
成分1~8を合わせて混合し、26000rpmにて10分間ホモジナイズした。10分後、成分9を添加し、再び26000rpmにて10分間ホモジナイズした。このホモジナイズした混合物に、成分10~15を添加し、外観が均質になるまで2000rpmにてオーバーヘッド撹拌機で混合した(これはシロキサン相である)。別の容器において、成分16~19を均質になるまで混合し、水相を形成した。水相をシロキサン相に2000rpmにて連続して撹拌しながら非常にゆっくり添加した。水相が完全に混合すると、成分20および21を配合物に添加し、2000rpmにて均質になるまで混合した。
【0237】
【表18】
方法:
成分1~10を合わせて混合し、シロキサン相Aを作製した。次に、成分11~14を混合し、シロキサン相Bを作製した。水相を成分15~20を混合することにより作製した。水相をゆっくりシロキサン相Bに2000rpmにて混合しながら添加し、相Cを作製した。最後に相Cを均質になるまでシロキサン相Aに混合した。
【0238】
【表19】
方法:
成分1~5を合わせて、2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーで混合(混合物A)しながら、混合物に白色粒子がなくなったことを確認した。成分6~15を混合物Aに混合し、二重非対称遠心分離ミキサーで混合した。混合物Aが均質になったことを確認した。別の容器において、成分16および20を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを4翼の40mmプロペラで2000rpmにて混合しながら混合物Aに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。成分21を混合物Aおよび混合物Bの生成物に添加し、4翼の40mmプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した。
【0239】
【表20】
方法:
成分4、8および9を合わせて、20000rpmにて滑らかになるまでホモジナイズした。成分1~3、6~7、10~12を粒子がもはや見えなくなるまで2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーで6分間混合した(混合物A)。別の容器において、成分13~17を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを4翼の40mmプロペラで2000rpmにて混合しながら混合物Aに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。成分18を混合物Aおよび混合物Bの生成物に添加し、4翼の40mmプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した。
【0240】
配合物79-45
配合物60-211および79-24bの2:1の混和物を4翼の40mmプロペラで2000rpmにて2分間合わせて混合した。
【0241】
配合物79-46
配合物60-211および79-24bの1:2の混和物を4翼の40mmプロペラで2000rpmにて2分間合わせて混合した。
【0242】
配合物79-41
配合物60-211および79-24bの1:5の混和物を4翼の40mmプロペラで2000rpmにて2分間合わせて混合した。
【0243】
【表21】
方法:
成分1~7を275rpmにてプロペラ翼を用いて混合し、相Aを調製した。別の容器において、成分8~10を275rpmにてプロペラ翼を用いて混合し、相Bを調製した。相Bを、乳液が均一になるまで275rpmにて相Aに混合した。0.01%酸化鉄の量を最終配合物に添加し、着色した。配合物83-49および83-50はそれぞれ、65%シロキサン、8%オレス-10界面活性剤およびバランス水を含有する、VS165000ビニルシロキサンおよびXL-11ヒドリド官能化シロキサンである。
【0244】
【表22】
方法:
成分1および2を合わせて、20000rpmにて滑らかになるまでホモジナイズした(混合物A)。成分3~9を粒子がもはや見えなくなるまで2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーで6分間混合した。混合物Aおよび混合物Bを合わせて、2500rpmにて6分間遠心混合した(混合物A+B)。別の容器において、成分10~13を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物C)。混合物Cを4翼の40mmプロペラで400rpmにて混合しながら混合物A+Bに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。成分14を混合物A+Bおよび混合物Cの生成物に添加し、4翼の40mmプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した。
【0245】
【表23】
方法:
成分1および2を合わせて、20000rpmにて滑らかになるまでホモジナイズした(混合物A)。成分3~7を粒子がもはや見えなくなるまで2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーで6分間混合した。混合物Aおよび混合物Bを合わせて、2500rpmにて6分間遠心混合した(混合物A+B)。別の容器において、成分8~12を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物C)。混合物Cを4翼の40mmプロペラで400rpmにて混合しながら混合物A+Bに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。成分13を混合物A+Bおよび混合物Cの生成物に添加し、4翼の40mmプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した。
【0246】
【表24】
方法:
成分1および2を合わせて、20000rpmにて滑らかになるまでホモジナイズした(混合物A)。成分3~7を粒子がもはや見えなくなるまで2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーで6分間混合した(混合物B)。混合物Aおよび混合物Bを合わせて、2500rpmにて6分間遠心混合した(混合物A+B)。別の容器において、成分8~12を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物C)。混合物Cを4翼の40mmプロペラで400rpmにて混合しながら混合物A+Bに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。成分13を混合物A+Bおよび混合物Cの生成物に添加し、4翼の40mmプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した。
【0247】
【表25】
方法:
成分1および2を合わせて、20000rpmにて滑らかになるまでホモジナイズした(混合物A)。成分3~8を粒子がもはや見えなくなるまで2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーで6分間混合した(混合物B)。混合物Aおよび混合物Bを合わせて、2500rpmにて6分間遠心混合した(混合物A+B)。別の容器において、成分9~13を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物C)。混合物Cを4翼の40mmプロペラで400rpmにて混合しながら混合物A+Bに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。成分14を混合物A+Bおよび混合物Cの生成物に添加し、4翼の40mmプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した。
【0248】
【表26】
方法:
成分1および2を合わせて、20000rpmにて滑らかになるまでホモジナイズした(混合物A)。成分3~10を粒子がもはや見えなくなるまで2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーで6分間混合した(混合物B)。混合物Aおよび混合物Bを合わせて、2500rpmにて6分間遠心混合した(混合物A+B)。別の容器において、成分11~15を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物C)。混合物Cを4翼の40mmプロペラで400rpmにて混合しながら混合物A+Bに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。成分16を混合物A+Bおよび混合物Cの生成物に添加し、4翼の40mmプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した。
【0249】
【表27】
方法:
成分1および2を合わせて、20000rpmにて滑らかになるまでホモジナイズした(混合物A)。成分3~9を粒子がもはや見えなくなるまで2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーで6分間混合した(混合物B)。混合物Aおよび混合物Bを合わせて、2500rpmにて6分間遠心混合した(混合物A+B)。別の容器において、成分10~14を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物C)。混合物Cを4翼の40mmプロペラで400rpmにて混合しながら混合物A+Bに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。成分15を混合物A+Bおよび混合物Cの生成物に添加し、4翼の40mmプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した。
【0250】
【表28】
方法:
成分1および2を合わせて、20000rpmにて滑らかになるまでホモジナイズした(混合物A)。成分3~8を粒子がもはや見えなくなるまで2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーで6分間混合した(混合物B)。混合物Aおよび混合物Bを合わせて、2500rpmにて6分間遠心混合した(混合物A+B)。別の容器において、成分9~13を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物C)。混合物Cを4翼の40mmプロペラで400rpmにて混合しながら混合物A+Bに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。成分14を混合物A+Bおよび混合物Cの生成物に添加し、4翼の40mmプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した。
【0251】
【表29】
方法:
成分1および2を合わせて、20000rpmにて滑らかになるまでホモジナイズした(混合物A)。成分3~9を粒子がもはや見えなくなるまで2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーで6分間混合した(混合物B)。混合物Aおよび混合物Bを合わせて、2500rpmにて6分間遠心混合した(混合物A+B)。別の容器において、成分10~14を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物C)。混合物Cを4翼の40mmプロペラで400rpmにて混合しながら混合物A+Bに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。成分15を混合物A+Bおよび混合物Cの生成物に添加し、4翼の40mmプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した。
【0252】
【表30】
方法:
成分1~7を添加し、粒子がもはや見えなくなるまで2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーで6分間混合した(混合物A)。別の容器において、成分8~12を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを4翼の40mmプロペラで400rpmにて混合しながら混合物Aに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。成分13を混合物Aおよび混合物Bの生成物に添加し、4翼の40mmプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した。
【0253】
【表31】
方法:
成分1および2を合わせて、20000rpmにて滑らかになるまでホモジナイズした(混合物A)。成分3~10を粒子がもはや見えなくなるまで2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーで6分間混合した(混合物B)。混合物Aおよび混合物Bを合わせて、2500rpmにて6分間遠心混合した(混合物A+B)。別の容器において、成分11~15を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物C)。混合物Cを4翼の40mmプロペラで400rpmにて混合しながら混合物A+Bに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。成分15を混合物A+Bおよび混合物Cの生成物に添加し、4翼の40mmプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した。
【0254】
【表32】
方法:
成分1~5を、混合物が均質になるまで4翼の40mmプロペラで2000rpmにて2分間ガラスビーカーにおいて混合した(混合物A)。別に、成分6~12を均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを、均質になるまで4翼の40mmプロペラで2000rpmにて激しく撹拌しながら混合物Aに添加した。最終配合物をさらに2分間ホモジナイズした。
【0255】
【表33】
方法:
成分1~5を、混合物が均質になるまで4翼の40mmプロペラで2000rpmにて2分間ガラスビーカーにおいて混合した(混合物A)。別に、成分6~12を均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを、均質になるまで4翼の40mmプロペラで2000rpmにて激しく撹拌しながら混合物Aに添加した。次いで、成分13を添加し、得られた混合物を2分間ホモジナイズした。
【0256】
【表34】
方法:
成分1~5を、混合物が均質になるまで4翼の40mmプロペラで2000rpmにて2分間ガラスビーカーにおいて混合した(混合物A)。別に、成分6~12を均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを、均質になるまで4翼の40mmプロペラで2000rpmにて激しく撹拌しながら混合物Aに添加した。次いで、成分13を添加し、得られた混合物を2分間ホモジナイズした。
【0257】
【表35】
方法:
成分1~5を、混合物が均質になるまで4翼の40mmプロペラで2000rpmにて2分間ガラスビーカーにおいて混合した(混合物A)。別に、成分6~12を均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを、均質になるまで4翼の40mmプロペラで2000rpmにて激しく撹拌しながら混合物Aに添加した。次いで、成分13を添加し、得られた混合物を2分間ホモジナイズした。
【0258】
【表36】
方法:
成分1~7を添加し、粒子がもはや見えなくなるまで2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーで6分間混合した(混合物A)。別の容器において、成分8~12を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを4翼の40mmプロペラで400rpmにて混合しながら混合物Aに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。成分13を混合物Aおよび混合物Bの生成物に添加し、4翼の40mmプロペラで1000rpmにて均質になるまで混合した。
【0259】
【表37】
方法:
成分1~3を、均質になるまで4翼の40mmプロペラで2000rpmにてガラスビーカーにおいて2分間混合した(混合物A)。別に、成分5~10を均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを、均質になるまで4翼の40mmプロペラで2000rpmにて激しく撹拌しながら混合物Aに添加した。次いで、成分11および12を添加し、均質になるまで200rpmにて混合した。次いで、最終混合物をさらに2分間ホモジナイズした。
【0260】
【表38】
方法:
成分1~4を合わせて、キッチンエイドミキサーで5時間混合した。続いて、混合物を一晩真空にした。次いで、成分5および6を添加し、混合物を2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーでホモジナイズした。別の容器において、成分7~10を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを4翼の40mmプロペラで500rpmにて混合しながら混合物Aに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。
【0261】
【表39】
方法:
成分1~4を合わせて、キッチンエイドミキサーで5時間混合した。続いて、混合物を一晩真空にした。次いで、成分5および6を添加し、混合物を2500rpmにて二重非対称遠心分離ミキサーでホモジナイズした。別の容器において、成分7~10を4翼の40mmプロペラで550rpmにて均質になるまで混合した(混合物B)。混合物Bを4翼の40mmプロペラで500rpmにて混合しながら混合物Aに滴下にて添加し、混合物が均質になったことを確認した。
【0262】
【表40】
方法:
成分1~5を合わせて、真空下にて混合した(混合物A)。別の容器において、成分6~7を4翼の40mmプロペラで550rpmにて、混合物が均質になるまで混合し、粒子を完全に湿潤させた(混合物B)。成分8を混合物Bに添加し、4翼の40mmプロペラで500rpmにて、混合物の粘度が高くなり、均質になるまで混合した。成分9を混合物Bに添加し、4翼の40mmプロペラで500rpmにて10分間混合した。混合物Aを、500rpmにて連続混合しながら、混合物Bにゆっくり添加した。生成物を10000rpmにて5分間ホモジナイズした。
【0263】
【表41】
方法:
成分1~5を合わせて、真空下にて混合した(混合物A)。別の容器において、成分6~7を4翼の40mmプロペラで550rpmにて、混合物が均質になるまで混合し、粒子を完全に湿潤させた(混合物B)。成分8を混合物Bに添加し、4翼の40mmプロペラで500rpmにて、混合物の粘度が高くなり、均質になるまで混合した。成分9を混合物Bに添加し、4翼の40mmプロペラで500rpmにて10分間混合した。混合物Aを、500rpmにて連続混合しながら、混合物Bにゆっくり添加した。生成物を10000rpmにて5分間ホモジナイズした。
【0264】
【表42】
方法:
成分1~8(パートA)および成分9~11(パートB)。パートBを、500rpmにてフラットプロペラ翼でパートAを混合しながらパートAに入れた。得られた溶液を、均一な乳液が形成されるまで混合した。成分12を続いて乳液に添加した。
【0265】
【表43】
方法:
成分1~9(相A)を成分10~14(相B)から別に混合した。相Bを、4枚パドル混合翼を使用して500rpmにて混合しながら、相Aに添加した後、シルバーソンホモジナイザーを用いて3000~5000rpmにて1時間ホモジナイズした。続いて、成分15を、混合翼を用いて200rpmにて添加した。
【0266】
【表44】
方法:
成分1~4(相A)を混合した。別に、成分5~9も、均一な分散液が形成されるまで混合した(相B)。成分10~12(相C)も別に混合した。相Cを、4翼のプロペラロッドで700rpmにて混合しながら、相Bにゆっくり入れ、均一な乳液を作製した(相D)。相Dを、均一になるまで700rpmにて相Aにゆっくり入れ、得られた配合物を5分間混合した。成分13を添加し、2分間混合した。
【0267】
【表45】
方法:
成分1~4(相A)を混合した。成分5~9(相B)を、均一な分散液が形成されるまで相Aとは別に混合した。成分10~12(相C)も相Aおよび相Bとは別に混合した。相Cを、4翼のプロペラロッドで700rpmにて混合しながら、相Bに入れ、均一な乳液を作製した(相D)。相Dを均一になるまで700rpmにて相Aにゆっくり入れ、5分間混合した。次いで、成分13を、得られた配合物に入れた後、5000rpmにて15分ホモジナイズした。
【0268】
【表46】
方法:
成分1~4(相A)を混合した。成分5~9(相B)を、均一な分散液が形成されるまで相Aとは別に混合した。成分10~12(相C)も相Aおよび相Bとは個別に混合した。相Cを、4翼のプロペラロッドで700rpmにて混合しながら、相Bにゆっくり入れ、均一な乳液を作製した(相D)。成分13を相Dに添加し、2分間混合した。得られた乳液を、均一になるまで700rpmにて相Aにゆっくり入れ、5分間混合した後、9000rpmにて7分ホモジナイズした。
【0269】
【表47】
方法:
成分1~3(相A)を混合した。成分4を、白色乳液が形成されるまで相Aを混合しながら添加した。成分6~9(相B)を混合し、続いて、相Bを乳液に添加し、1300rpmにて5分間混合した。得られた配合物を、5分間ホモジナイズ(シルバーソン)し、成分5を添加した後、プロペラ翼で700rpmにて2分間混合した。
【0270】
【表48】
方法:
成分1~3(相A)を混合した。成分4を、白色乳液が形成されるまで相Aを混合しながら添加した。成分6~9(相B)を別に混合し、続いて、1300rpmにて5分間混合しながら乳液に添加した。混合物を、5分間ホモジナイズ(シルバーソン)した。成分5を添加し、得られた配合物をプロペラ翼で700rpmにて2分間混合した。
【0271】
【表49】
方法:
成分1~4を混合後(相A)、白色乳液が形成されるまで成分5を添加した。成分6を乳液に添加し、5分間混合した(乳液基剤)。成分7~10(相B)を別に混合し、1300rpmにて乳液基剤に添加した後、5分間混合し、10分間ホモジナイズ(シルバーソン)した。
【0272】
【表50】
方法:
成分1および2を混合後(相A)、白色乳液が形成されるまで成分3を添加した。成分4を乳液に添加し、5分間混合した(乳液基剤)。成分5~8(相B)を別に混合し、1300rpmにて乳液基剤に添加した後、5分間混合し、10分間ホモジナイズ(シルバーソン)した。
【0273】
【表51】
方法:
配合物83-54を88-83-V3と同様の方法で調製した。
【0274】
アンディシルVS10000、アンディシルVS165000、アンディシルXL-11をアンダーソンアンドアソシエイツから入手し、エアロジルR8200をエボニックから入手し、クリシルから4つの成分を混合した。RM2051増粘剤およびPMX-1184をダウから入手した。グランサーフ90をグラントから入手した。ビタミンC複合体およびビタミンA複合体をDSMから入手した。ジーサイドCAP-5をジーンから入手した。ツイーン20をクロダから入手した。ビタミンE複合体をTRI-Mから入手した。
【0275】
架橋成分の第2のステップには、以下に示す配合物60-148-99、60-144-San、86-114および86-141cを含む。
【0276】
【表52】
方法:
成分1~6を合わせて、4翼の40mmプロペラで750rpmにて、均質になるまで2分間混合し、水性相を作製した。別の容器において、成分7~10を4翼の40mmプロペラで750rpmにて、均質になるまで2分間混合し、シリコン混合物Aを作製した。水性相に、成分11および12を添加し、4翼の40mmプロペラで750rpmにて混合した。混合速度を1000rpmに増加し、混合物が均質になり、粘度が高くなるまで混合した。成分13を添加し、1000rpmにて1分間撹拌した後、25000rpmにて5分間ホモジナイズした。
【0277】
【表53】
方法:
成分1および2をカーボポールが完全に湿潤し、混合物に白色粒子がなくなるまで、4翼の40mmプロペラ翼で250rpmにて静かに混和した。成分3および4を、4翼の40mmプロペラで500rpmにより中等度の撹拌下において添加した。成分5を、混合物が均質になり、粘度が高くなるまで4翼の40mmプロペラで550rpmにて中等度の撹拌下において滴下にて添加した。成分6を、4翼の40mmプロペラで550rpmにて中等度の撹拌下において添加した後、混合物が均質になるまで1000rpmにて5分間混合した。
【0278】
【表54】
86-114の方法:
成分1~3を合わせて、750rpmにて、均質になるまで2分間混合し、シリコーン相を作製した。別の容器において、成分4~11を750rpmにて、均質になるまで15分間混合し、水相を作製した。水相を、シリコーン相をゆっくり添加し、750rpmにて混合した。混合速度を2000rpmに増加し、混合物が均質になり、粘度が高くなるまで混合した。成分12を添加し、1000rpmにて5分間撹拌した。成分14を添加し、1000rpmにて5分間撹拌した。
【0279】
86-141cの方法:
成分1~4を合わせて、750rpmにて、均質になるまで2分間混合し、シリコーン相を作製した。別の容器において、成分5~12および14を750rpmにて、均質になるまで15分間混合し、水相を作製した。水相を、シリコーン相をゆっくり添加し、750rpmにて混合した。混合速度を2000rpmに増加し、混合物が均質になり、粘度が高くなるまで混合した。成分13を添加し、1000rpmにて5分間撹拌した。成分15を添加し、1000rpmにて5分間撹拌した。
【0280】
実施例6:老化した皮膚に美容的効用を得るための2種類の異なる配合物を評価する2日間の二重盲検試験
目的: 試験の目標は、次の確認臨床試験に進むための2種類の異なる配合物候補の主要な候補物質を識別することであった。選択基準は、小じわの外観、皮膚の色合いの均一性、皮膚の質感および毛穴ならびに6時間にわたる効果の持続時間に基づいた。さらなる目標として、一般的な使用者が自身で塗布した場合の各配合物の塗布しやすさを決定することであった。
【0281】
背景: 本試験は、ポリシロキサン系反応系を局所ヒト使用試験に使用することに焦点をあてた初期段階の開発プロジェクトであった。現在、性能評価試験は、監視下の限定使用の塗布に制限されている。評価された系は、ビニル末端ポリシロキサン、シリコンヒドリド官能化ポリシロキサン、ヒュームドシリカ粒子および白金触媒からなった。これらの試験において、ポリシロキサン系を皮膚表面に塗布し、白金触媒を添加することで硬化させた。
【0282】
試験材料の組成: 検討中の配合物の組成は、一般に以下の成分からなった。
・ビニル末端ポリシロキサン、
・ヒドリド官能化ポリシロキサン、
・ヒュームドシリカ粒子、
・白金触媒および
・市販の化粧成分
検討中のポリシロキサンは全て600ダルトンの分子量を超えていた。評価したポリシロキサンの組成割合を以下の表に要約する。これらは、シロキサンの上限濃度を表し、ヒュームドシリカ材料は、配合物の全体量に存在する。例えば、50%の水準の化粧成分を添加することにより、各成分が2倍希釈され、その結果、組成物番号1は、35%ビニル末端ポリシロキサン、15%ヒドリド官能化ポリシロキサン、0%ヒュームドシリカおよび50%市販の化粧成分となった。最終配合物中の白金触媒は、常に500ppm未満の濃度で存在した。試験した2つの処置は、配合物60-140-1および60-140-LX2であり、使用された架橋成分は60-148-99であった。
【0283】
対象者の登録:
対象者数: 確実に少なくとも15例が試験を完了するために、合計20例を登録させるため、およそ25例が選抜された。
インフォームドコンセントおよび承諾書: インフォームドコンセントの写しを2部、本試験開始前に各対象者に渡した。対象者は、疑問に回答してもらい、納得する機会が与えられた。しかし、さらに疑問がある場合、対象者は最初の訪問時に十分な時間が与えられ、署名する前に治験責任医師と試験および/またはインフォームドコンセントに関する未解決の疑問および心配について明らかにした。
対象者の分類: 対象者に3桁の番号を割り当て、臨床試験番号と併せて使用する場合、一意的に試験の各対象者を識別した。この番号は試験を通して対象者に与えられた。
【0284】
適格基準: フィッツパトリック皮膚分類は、太陽にさらされない冬の季節の後の最初の30~45分間の日焼けに対する保護していない皮膚の外観の反応に基づいた。皮膚タイプの分類は以下の通りである。
I 常に焼けやすい、褐色でない
II 常に焼けやすい、わずかに褐色
III やや焼ける、徐々に褐色
IV わずかに焼ける、常にかなり褐色
V ほとんど焼けない、過度に褐色
VI 焼けない、濃く色づく
【0285】
選択基準:
1.30~65歳
2.女性
3.フィッツパトリック皮膚分類I~IV
4.以下を含むがそれらに限定されない、顔にいくつかの老化の視覚的徴候を示す:大きな毛穴、小じわおよびしわまたは皮膚の色合い/質感の不良
5.試験期間において以下の試験条件により協力および参加し、何らかの有害な症状を直ちに報告する意思がある。
6.処置時間に処置部位に日焼けによる紅斑がわずかにある、またはない。
7.試験期間中、処置領域において本試験に含まれない局所スキンケア製品を使用することを控えることができる。
【0286】
除外基準:
1.フィッツパトリック皮膚分類V-VI
2.化粧試験のクリーム成分へのアレルギーまたは感受性の既往歴がわかっている者。
3.アトピー性皮膚疾患または神経皮膚炎がわかっている者。
4.妊娠、授乳または6ヵ月以内に妊娠を希望することがわかっている女性。
5.がん治療またはがんの既往歴があることがわかっている者。
6.試験結果に影響し得る試験領域に明らかな皮膚炎、日焼け、傷跡、不均一な色合い/色素沈着などの皮膚状態がある者。
7.臨床鑑定を妨げ得るいずれかの進行中の(1つまたは複数の)皮膚状態(例えば、刺青、湿疹、乾癬、酒さ、にきびなど)。
【0287】
試験方法: 以下の表2に試験の各訪問が行われた方法について概説する。
【0288】
【0289】
準備: パネリストが到着する前に、治験責任医師および写真撮影者が各配合物の識別に気付かないように、2種類の配合物を無作為化した。
【0290】
写真撮影: パネリストは、2種類の異なる照明条件下において(平行偏光照明および交差偏光照明)、および顔の正面に対して2種類の異なるカメラ角度(90°、45°)で写真撮影を行った。パネリストは顔位置付けシステムにおいて位置付けし、背腹の回転を減らし、各カメラ撮影時に対しておよそ同じ位置に顔を位置付けした。「画像分析測定」の章の「写真設定キャプチャー」の例を参照のこと。
【0291】
訪問1:
1.到着時に、各々が除外/選択基準に対して評価され、条件を満たす場合試験に採用された。
2.採用後、対象者に試験の簡単な説明およびインフォームドコンセントがされ、試験についての疑問全てに十分に回答後、(立会人とともに)署名を行った。
3.全ての書類に署名後、対象者を次に使用する対象者番号に割り当てた。
4.次いで、ランダム化スキームに従い対象者に試験する2つの配合物を治験責任医師が対象者の腕部の小領域に塗布し、5分間放置し、製品に対する何らかの感受性を決定した。
5.パネリストに製品に対する感受性がない場合、その後、弱い洗顔剤で洗顔させた。
6.洗顔後、パネリストの顔全体のベースラインの写真撮影を行った。
7.ベースラインの写真撮影後、監視の下、対象者に試験材料を顔の上半分全体(頬骨の下の領域を避けて目の下から生え際)に指を使って塗布するよう頼んだ。
8.その後、パネリストは2~5分後に写真撮影を行い、塗布後写真を得た。
9.その後、パネリストに、塗布した試験製品に関する質問について記入するよう頼んだ。
10.治験責任医師がベースラインに対する効果におけるパネリストの現状の評価を記入した。
11.その後、パネリストを6~8時間自由にさせ、以下の説明を行った:
a.顔をこすったり、引っ掻いたりしない。
b.シャワーまたは顔を濡らさない。
c.顔にさらに製品を塗布しない。
d.塗布領域に有害事象が生じる場合、パネリストは治験責任医師に連絡し、評価を受け、皮膜を除去する。
12.パネリストが戻ると、写真撮影を行い、パネリストおよび治験責任医師が評価書式に記入した。
13.その夕方に専門の現状の鑑定者の予定が確保された場合、この時、パネリストは、鑑定者がベースラインの写真に対するパネリストの外観について評点を付ける鑑定時間まで待つよう指示された。
14.鑑定後、その後、パネリストは鑑定書式に各製品の感想およびコメントを記入した。
15.鑑定が終了後、その後、パネリストは化粧リムーバーを使用して製品を除去するよう指示され、そのように行った。
16.その後、SPF15の市販のスキンケア保湿剤をパネリストの顔に保湿剤として塗布した。
17.その後、パネリストは帰宅した。
【0292】
訪問2:
1.到着時に、パネリストは弱い洗顔剤で洗顔した。
2.洗顔後、対象者の顔全体のベースラインの写真撮影を行った。
3.ベースライン写真撮影後、対象者に各配合物の塗布方法を指示し(以下を参照)、各配合物を別表Aのランダム化スキームに従い顔の上半分全体に塗布させた(前回の訪問と比べ塗布側を入れ替える)
4.その後、訪問1のステップ7を続ける。
【0293】
写真分析:
試験完了後、「ベースライン」、「塗布後」および「6~8時間後」の写真を盲検用デッキに集め、専門の鑑定者に提出し、以下に例示のグリフィススケールを用いて各写真のしわ形成の程度の評点を付けた。
・0~1:損傷なし
・2~3:軽度の損傷
・4~5:中等度の損傷
・6~7:中等度~重度の損傷
・8~9:重度の損傷
【0294】
評価される写真の撮影時点がわからないように、デッキを組み立てた。これにより評価の結果の予想の何らかの偏りを排除した。グリフィススコアは絶対的なものであるため、データ分析において、ベースラインの差を後ほど算出した。
【0295】
結果:
評価書式: 治験責任医師の評価書式から、-2、-1、0、+1、+2のスケール(かなりの減少/リフト、いくらかの減少/リフト、減少/リフトなし、いくらかの増加/垂れおよびかなりの増加/垂れ)を異なる評価パラメータの全てに作製した。各配合物において、このスケールの平均値をパネリスト全体に標準偏差とともに決定し、評価される各属性の性能の指標とした。
【0296】
鑑定者の評価書式から、-2、-1、0、+1、+2の同じスケールを適用し、含まれる評価に関する同じ統計データを得た。これらの平均値および標準偏差から、検討されるパラメータに影響する個々の配合物それぞれの性質における信頼性を決定した。
【0297】
パネリストの評価書式は、評価される各属性において-1、0、+1のスケールであった。このスケールの平均値を、パネリスト当たり塗布後および期間後の両方において決定し、短期および長期の性能の指標とした。相関のため、この結果の傾向を鑑定者および治験責任医師の評価結果に対して評価した。
【0298】
3つの全ての書式のコメントを記録し、何らかの類似性において検討した。専門の鑑定者は毎週評価していなかったため、治験責任医師およびパネリストの書式のみを、塗布された顔側に関わらず、各配合物の効果の一貫性において毎週にわたり比較した。
【0299】
写真分析: 臨床後の写真分析において、各写真に評価者によりグリフィススコアを割り当てられた。各配合物に対応するベースラインの写真からこのスコアの平均的な変化が、小じわおよびしわの外観の滑らかさおよびより若々しい外見を作る効果の指標となった。相関のため、これらの結果を現状の鑑定と比較した。
【0300】
2週目の結果の概要: 以下の表3は、60-140-LX2が60-140-1に比べ耐久性が低いことを示す。
【0301】
【0302】
治験責任医師のパネリストの鑑定は、2つの配合物の性能で2つの有意差を表した(
図3を参照)。配合物60-140-LX2は、額のしわの外観の全体の改善が有意に大きいことを示した。逆に、60-140-1は目の下のしわの外観の改善が有意に大きいことを示した。これは、より軟性の配合物を目の下の薄い皮膚に塗布されるべきであるという仮説を確認したという点で重要であり、肯定的な結果を得た。その代りに、額の皮膚は厚いため、しわを強力に減少させるにはより硬性の皮膜が必要となり得る。マット感、小じわの減少および毛穴の減少は治験責任医師の鑑定において全体の性能項目の上位3つであった。
【0303】
鑑定者は2つの配合物間の3つ属性の違いを区別することができた(
図4を参照)。配合物60-140-LX2は、60-140-1に対してより若々しい外観および自然な感触において有意な増加を示し、その一方で配合物60-140-1は、60-140-LX2に対して外見の引き締まりの有意な増加を示した。他の全ての属性は、2つの配合物間で有意な差を示さなかった。観察された全体の変化が最も大きい上位3つの属性は、どの配合物であってもマット感、毛穴の減少および小じわの改善がベースラインに対して一貫して最も大きい顕著な改善を示したことを示す。
【0304】
パネリストのデータは、試験した2つの配合物間で有意な差を示さなかった(
図5を参照)。60-140-LX2の上位の平均スコア項目は、外見の引き締まりの属性であった。この属性における60-140-LX2と60-140-1との間の差は、有意ではなかった(p約0.24)が、以下の検討したもののうち最も大きく異なる属性であった。サンプルの大きさが本試験において非常に小さかったため、さらなる試験もせず、差は有意に検出されていなかったのかもしれない。この属性がより若々しい外観、しわ形成の程度およびマット感を超えることについての1つの仮説として、パネリストが60-140-LX2で引き締まり感を最も大きく実感していたため、この配合物を60-140-1より高く採点したことがある。この結果を除くと、上位3つの性能の属性は、全体のより若々しさ、しわ形成の減少およびマット感である。毛穴の大きさは、パネリストの間では目立たなかったが、鑑定者および治験責任医師はともに常に高く採点していた。パネリストは、自身のベースラインの毛穴の大きさを覚えていなかったのかもしれない。
【0305】
最後に、鑑定者に、各鑑定毎にパネリストの年齢を評価するよう頼んだ。この年齢と実際の年齢との差を、その後算出し、60-140-LX2が60-140-1の-7.7歳に比べ-8.7歳で、年齢評価においてより有意な効果を有したことがわかった(
図6を参照)。
【0306】
パネリストの写真をさらに、前と後の写真を使用してグリフィススケールで鑑定した。
図7は、パネリストの写真の盲検評価による平均グリフィススコアの結果を示す。2つの例において、平均グリフィススコアは、配合物60-140-LX2および60-140-1の塗布後、2.15および1.25ポイント低下した。この結果は、パネリストが配合物塗布後に若く見えたという
図4および5と一致している。
【0307】
試験責任医師の評価: しわ、毛穴およびてかりの外観の減少に有意な改善が認められた。パネリストの顔上半分に第1週から選択された2つの配合物(60-140-LX2および60-140-1)を使用した処置は、試験責任医師の評価においてパネリストの小じわの外観を減少させた。60-140-LX2は100%小じわの外観を減少させ、その一方で、60-140-1は96%減少させた(表4)。これらの配合物はまた、小じわに比べより少ない程度(それぞれ75%および67%)であるが、深いしわを減少させた。
【0308】
【0309】
異なる種類のしわのうち、額のしわ(94%および93%)および目尻のしわ(96%および87%)の領域は、60-140-LX2および60-140-1配合物で最も減少を示した。目の下のしわもまた、額をひそめるしわとともに中等度に減少した(81%および79%)(番号11の深いしわ)、これはわずかにのみ減少した(58%および31%)(表5)。
【0310】
【0311】
額の毛穴は両方の処置において100%減少が見られ、頬の毛穴もまた、60-140-LX2および60-140-1を使用した処置時に50%および67%減少が見られた(表6)。
【0312】
【0313】
両方の配合物は、パネリストの処置した皮膚のてかりの外観を減少させた(表6)。
【0314】
【0315】
これらの2つの配合物の全体の美容的性能は、しわ、毛穴およびてかりの減少において同等であった。しかし、機械的性能において、皮膜の無傷および不具合において差を示し、硬い皮膜は剥離およびひび割れなどの不具合様式を示した(表8および9を参照)。
【0316】
【0317】
【0318】
配合物60-140-1は、皮膚表面に形成後、高い皮膜の耐久性を示し、約13%のみが、ひび割れおよび剥離により決定した皮膜の不具合を示した。しかし、60-140-LX2は、皮膚に形成時に皮膜の耐久性が不良を示す、皮膜の不具合(35%)が大きく、これは多く場合、皮膜のひび割れ(27%)および剥離(12%)の結果であった。要約すると、60-1401は、「一日中」耐久性のある皮膜を提供することができ、しわ、毛穴およびてかりを減少させることで皮膚の外観を改善する望ましいスキンケア処置であった。
【0319】
鑑定者の評価: 鑑定者の評価は、パネリストの塗布した皮膚のしわ、毛穴およびてかりの減少を示した。60-140-LX2および60-140-1の処置によるしわの減少は同等であった(表10)。
【0320】
【0321】
鑑定者は、処置後のパネリストの皮膚の毛穴の減少が大きく(表11)、マット感の改善(表12)を認めた。パネリストの皮膚の色合いもまた、わずかに改善され、皮膚は、鑑定者の評価によると引き締まって見えた(表11)。
【0322】
【0323】
【0324】
両方の配合物はより若々しい外見の皮膚となるように見えるが、60-140-LX2は、60-140-1配合物に比べ、より若々しい外見を作り(90%)、自然な感触(86%)において大きな改善を示した(表13)。これらの配合物で処置した皮膚の感触も印象的な観察がなされた。
【0325】
【0326】
艶やかさ、滑らかさおよび柔らかさは、鑑定者が、処置した皮膚の感触についての記載に選んだ上位3つの記述子である(表14)。
【0327】
【0328】
実施例7:身体補正用組成物を除去するクレンザーの開発
市販のクレンザーは、本発明の身体補正用組成物を塗布した場合、形成される皮膜の除去に効果がなかったことがかわった。クレンザーの性能を評価するため、皮膜を志願者の顔の皮膚に塗布した。6~8時間後、クレンザーを皮膜にこすらせ、30秒間皮膜につけたままにした。その後、対象者に、得られた表面のざらつきをウェットティッシュで皮膚から膨張した皮膜を静かにふき取ることで、皮膜を除去するよう指示した。以下の市販の製品を試験した:
・フィロソフィーピュリティメイドシンプル
・資生堂ベネフィアンスクリーミークレンジングフォーム
・ノグゼマ
・エスティローダーパーフェクトクリーンスプラッシュアウェイフォーミングクレンザー
・メイクアップフォーエバーセンズアイズ
・ロレアルgo360クリーンディープ
・クリニークナチュラリージェントルアイメークアップリムーバー
・オーレイトータルエフェクト7イン1アンチエイジングクレンザー
・オーレイダブルアクションクレンザーおよびポアスクラブ
・ガルニエスキンリニュー
・ランコムビファシルダブルアクションメークアップリムーバー
・ニュートロジーナディープクリーンインビゴレーティングフォーミングスクラブ
・オーレイリジェネリストデイリーリジェネレイティングクレンザー
・CVSファーマシーディープクレンジングメイクアップリムーバー
・ニュートロジーナエイジレスエッセンシャルコンティニュアスハイドレーションクリームクレンザー
・CVSクレンジングおよびメイクアップリムーバー
・イエストゥーキューカンバーナチュラルグローフェイシャルウェットティッシュ
【0329】
上記の製品のどれも皮膜の除去に効果がないとして、皮膜の機械的完全性を破壊し、皮膜へのクレンザー成分の送達を促進するクレンザーを調製した。理論に束縛されないが、除去機序を括弧に示す各ステップの主要な配合物成分を用いた4ステップを記載することができる:
1.皮膜を湿潤させる(シルソフト034、シルソフトETS、5CSジメチコン)
2.配合物成分の浸透(シロキサン乳化剤、シロキサン相、グリコール、クレモホアEL)
3.皮膜を膨張させる(シルソフト034、シルソフトETS、イソドデカン、5CSジメチコン)
4.皮膜を皮膚から剥離する(グリコール、水)
【0330】
シルソフト034、シルソフトETS、5CSジメチコンは、皮膜表面を容易に湿潤させた。シロキサン乳化剤またはクレモホアELは、シロキサン相に水性相を組み込み、皮膜への皮膜膨張成分の送達を促進し得る。シルソフト034、イソドデカンおよびシルソフトETSは、皮膜の膨張および機械的破壊に寄与する。これにより水性層の浸透、皮膚の水和作用および皮膜の皮膚への粘着の低下を可能にする。
【0331】
以下の表15~17は皮膜除去に有効であった組成物を挙げる:
【0332】
【0333】
【0334】
【0335】
方法:
成分1~4および9を、透明な分散液が形成されるまで混合した(相A)。化合物5~8を、均一な固体分散液が形成されるまで別に混合した。続いて、相Aを相Bに添加し、混合した。
【0336】
実施例8:粘度測定
液体の粘度を当業者が公知の多くの方法で測定することができる。特に、「トーマス・G・メツガー著、The rheology handbook: for users of rotational and oscillatory rheometers」またはASTM標準、例えば、ASTM D3835-08、ASTM D2857-95、ASTM D2196-10およびASTM D2983-09に当業者への液体の粘度測定の方法が指示されている。方法の例はさらに、以下の方法がある:
【0337】
方法A
I.概説
このプロトコールは、ブルックフィールド粘度計において粘度(cP)を決定する。このプロトコールは、即効の処置および完成物を含むがそれらに限定されない種々多様な配合物に行うことができる。
II.背景
配合物の粘度は、その性能およびその美容的観点に重要である。さらに、時間またはストレス状態にさらされることに伴う粘度の変化は、配合物の不安定性の重要な指標となる。そのため、配合物の粘度を、再現性があり、正確に評価できることが重要である。以下のプロトコールを使用し、粘度が50~300Pasである配合物の1回の剪断速度での粘度を決定することができる。
III.材料
・目的の配合物を含有する全容量2オズ~8オズの瓶
・ブルックフィールドDV-II+プロエクストラ粘度計およびRV-6スピンドル
・試験はサンプル当たり約5分を要する
IV.分析上の注意
・使用前に粘度計のジオメトリを洗浄
・サンプル容器中央の適切な深さにジオメトリを挿入する
・試験中、容器を確実に固定する
V.プロトコール
5.1 装置の準備:
1.計測器の後ろのスイッチを入れ、ブルックフィールドDV-II+プロエクストラ
粘度計の電源を入れる。計測器調節パネルの上向きの矢印を押し、「外部モード」を選択する。
2.デスクトップに見つけることができるショーカットのレオカルクソフトェアを起動する。
3.ダッシュボードタブの照明記号をクリックし粘度計をゼロにする(計測器のジオメトリはインストールされない)。
4.RV-6試験ジオメトリを見つけ、50%/50%IPA/ミネラルスピリット混合物を洗浄後、ふき取り乾燥させる。
5.計測器のジオメトリホルダーのスリーブアップを引っ張り、RV-6ジオメトリを挿入する。
6.試験タブをクリックし、Hold0.5-RV6-081511.RCP法を開き試験方法を選択する。
5.2 サンプルの準備:
1.サンプルが確実に均一に見えるように目で確かめること以外、特にサンプルの準備に要しない。
5.3 粘度測定の実施:
1.2~8オズのサンプルアンダーにジオメトリを挿入する。
i.ジオメトリのロッド内の薄片が示されるように正確な測定の高さにジオメトリを確実に挿入する。
ii.ジオメトリを確実に瓶の中央に置く。
2.適切な相対位置にサンプルおよびジオメトリを維持するようスタンドを調節する。
3.試験タブの小さなプレイボタンをクリックし、試験を開始する。
4.適宜、データファイルに名前を付け、適切な場所にファイルを保存する。
5.試験を完了まで行い、その後、これからの分析のためにデータを保存する。
6.別のサンプルを試験するために、
i.サンプルスタンドをスライドし、サンプルを計測器から取り出す。
ii.計測器からジオメトリを取り出し、50%IPA、50%ミネラルスピリット混合物で表面全体を静かにふき取る。リントフリーワイプで乾燥させる。
iii.ジオメトリを交換し、試験タブに戻り、次の試験を開始する。
7.最後の試験サンプルが終了後、50%IPA、50%ミネラルスピリット混合物でジオメトリを洗浄後、ふき取り乾燥させ、ジオメトリボックスに戻す。
VI.データ分析
1.データファイル(*.DB)を開き、出力ボタンをクリックし、データを含むエクセルファイルを得る。
2.データ分析用のViscometerPerfectorTemplate_JL-081511-v1-beta1.xlsxエクセルファイルテンプレートを指定する。
3.最初のシートにデータを貼り付ける。
4.平均粘度および標準偏差を記録する。
5.分析したサンプルを参照する新しい名前をつけた電子記録としてテンプレートを保存する。
1.各データセットの分析を繰り返す。
【0338】
方法B
I.概説
このプロトコールは、0.5l/sの粘度(Pas)、ずり粘稠化因子(Pa・s2)および不安定性の歪み速度を決定する。このプロトコールは、他の「クリーム」または「ローション」とともに、即効の処置および完成物を含むがそれらに限定されない種々多様な配合物に行うことができる。
II.背景
配合物の粘度およびその変化は、配合物の安静性に相関している。そのため、即効の活性プロトタイプの安定性のための予測ツールとして使用される配合物の粘度特性を、再現性があり、正確に評価できることが重要である。以下のプロトコールを使用して、粘度、ずり粘稠化因子および不安定性の歪み速度を決定することができる。
III.材料
・1gより大きい目的の配合物
・20mmパラレルプレートジオメトリを搭載したボーリンCVO100レオメーター
・試験はサンプル当たり約12分を要する
IV.分析上の注意
・ジオメトリの洗浄側は正確な試験結果に重要である
・いかなる偏差も記載しなければならない
V.プロトコール:
5.1 装置の準備
8.ボーリンレオメーターを設定する。
a.計測器の電源を入れる
b.温度コントローラーの電源を入れる
c.ボーリンソフトウェアを開始する
d.粘度安定性試験テンプレートを読み込む
e.ジオメトリおよびプレートがともに清潔であることを確認する
9.ジオメトリのインストール。
a.計測器をゼロにし、ここで試験の用意をする
10.複数のサンプルを試験するために、ジオメトリを単に持ち上げて、ドライワイプでまず清潔にした後、50%/50%IPA/ミネラルスピリット混合物で洗浄し、その後再度ドライワイプで清潔にする。
5.2 サンプルの準備:
1.サンプルが確実に均一に見えるように目で確かめること以外、特にサンプルの準備に要しない。
VI.粘度試験の実施
7.ジオメトリの下中央に置かれたマウンドの底プレートに約1gの混合材料を置く。
8.ジオメトリを補正キャップまで下げる(250μm)。
9.へらの平らな端を使い、ジオメトリの側部から過剰量の材料を除去する。
10.試験を完了まで行い、その後、これからの分析のためにデータを保存する。
11.次の試験を続けるために、ジオメトリを持ち上げ、計測器からサンプルを取り出す。50%IPA、50%ミネラルスピリット混合物で表面全体を静かにふき取る。リントフリーワイプで乾燥させる。
12.ここで、次の硬化試験を開始する用意をする。
VII.データ分析:
2.データ分析用の以下のエクセルテンプレートViscosityStabilityTemplate061411-v2を指定する。
3.適切なBohlin Viscometry Data Fileから計測器の生データを、エクセル文書のシート1のA:2(左隅あたり)に貼り付ける。
4.エクセル文書のシート1のA:1にサンプル名を貼り付ける。
5.粘度として算出した「0.5l/sの粘度(Pas)」を記録する。
6.ずり粘稠化因子として算出した「ずり粘稠化因子(Pa・s2)」を記録する。
7.歪み安定性として算出した「不安定性の歪み速度」を記録する(スケールは100以外)。
8.完了したテンプレートを適切なファイル名をつけて電子記録として保存する。
9.残りの生データにおいてステップ2~7を繰り返す。
【0339】
等価物
当業者であれば、単なる一連の実験を使用して、本明細書に記載の特定のポリペプチド、核酸、方法、アッセイおよび試薬に対する多くの等価物を認識または確かめることができるだろう。このような等価物は、本発明の範囲内にあると考えられ、以下の特許請求項の範囲により包含される。