(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】インダゾールを含む殺虫混合物
(51)【国際特許分類】
C07D 401/04 20060101AFI20240305BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20240305BHJP
A01N 43/56 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
A01P7/04
A01N43/56 G
(21)【出願番号】P 2021523575
(86)(22)【出願日】2019-07-12
(86)【国際出願番号】 US2019041547
(87)【国際公開番号】W WO2020018362
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-07-07
(32)【優先日】2018-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ウェンミン・チャン
【審査官】松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-530310(JP,A)
【文献】特表2022-540441(JP,A)
【文献】国際公開第2016/144351(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A01P
A01N
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物1または式2の化合物
【化1】
(式中、nは0、1、または2である)。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物1。
【請求項3】
nが0である、請求項1に記載の式2の化合物。
【請求項4】
nが1である、請求項1に記載の式2の化合物。
【請求項5】
nが2である、請求項1に記載の式2の化合物。
【請求項6】
N-[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、N-[1,1-ジメチル-2-(メチルチオ)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、N-[1,1-ジメチル-2-(メチルスルフィニル)エチル]-7-フルオロ-2
-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、およびN-[1,1-ジメチル-2-(メチルスルホニル)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド;または前述の化合物のうちのいずれかの組合せから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物、ならびに界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含む組成物であって、場合により、少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤をさらに含む前記組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤は、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミドフルメト、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス-メチル、ベンフラカルブ、ベンサルタップ、ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ホウ酸塩、ブプロフェジン、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾール、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シクロキサプリド、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ディルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、酸化フェンブタスズ、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルフェンスルホン、フルオルピラム、フルピプロール、フルピラジフロン、フルバリネート、タウ-フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホスチアゼート、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性石鹸、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトフルトリン、モノクロトホス、モノフルトリン、メトキシフェノジド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、パラチオン、パラチオン-メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ピリミカルブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルギット、プロトリフェンブト、ピフロブミド、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルオフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロル、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス、昆虫病原性バクテリア、昆虫病原性ウイルスおよび昆虫病原性菌類からなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤は、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)
カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、ブプロフェジン、カルバリル、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータシフルトリン、シハロトリン、ラムダシハロトリン、ガンマシハロトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ゼータシペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスファンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルフェンスルホン、フルピプロール、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノフルトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフロブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップナトリウム、トラロメトリン、テトラメチルフルトリン、トリアザマート、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシスのすべての株および核多角体病ウイルスのすべての株からなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
無脊椎有害生物を防除する方法であって、無脊椎有害生物またはその環境を、生物学的有効量の請求項1に記載の化合物と接触させる工程を含む前記方法
(ただし、治療による人または動物の身体の医学的処置方法ではない。)。
【請求項11】
処理前の種子の約0.0001~1重量%の量で請求項1に記載の化合物を含む、処理された種子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月14日に出願された米国特許仮出願第62/698,035号および2018年12月13日に出願された米国特許仮出願第62/778,992号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、農学的および非農学的使用に適切な特定の置換インダゾール、その組成物、ならびに農学的および非農学的環境両方での、節足動物などの無脊椎有害生物を防除するためにそれらを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
無脊椎有害生物の防除は、高い収穫効率の達成において極めて重要である。成長中のおよび保管された農学的作物に対する無脊椎有害生物による損害は、生産性の著しい低下を引き起こし、そのために消費者にとって価格の増加をもたらすことがある。林業、温室作物、観賞植物、苗床作物、保管された食品および繊維製品、家畜、家庭、芝地、木製品における無脊椎有害生物の防除、ならびに公衆および動物の健康状態もまた、重要である。多くの生産品がこれらの目的のために市販されているが、しかし、より有効であり、より低価格であり、毒性がより低く、環境上より安全であるか、または様々な活用の場がある新しい化合物が求められ続けている。特許文献1は、関連するインダゾール化合物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際出願PCT国際公開第2015/038503号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、化合物1または式2の化合物、それらを含有する組成物、および無脊髄有害生物を防除するためのその使用を対象とする
【化1】
[式中、nは0、1または2である。]。
【0006】
本発明はまた、化合物1もしくは式2の化合物、または前述の化合物のうちのいずれかの組合せを含む組成物を提供する。
【0007】
本発明はまた、化合物1または式2の化合物、ならびに界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を含む組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、また無脊椎有害生物を防除するための組成物であって、化合物1または式2の化合物、ならびに界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含み、場合により少なくとも1種の追加の生物学的活性化合物または薬剤をさらに含む前記組成物を提供する。
【0008】
本発明は、無脊椎有害生物を防除する方法であって、無脊椎有害生物またはその環境を、生物学的有効量の化合物1または式2の化合物(例えば本明細書に記載される組成物として)と接触させる工程を含む方法を提供する。本発明はまた、無脊椎有害生物またはその環境を、生物学的有効量の化合物1または式2の化合物を含む組成物であって、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含み、場合により生物学的有効量の少なくとも1種の追加の生物学的活性化合物または薬剤をさらに含む前記組成物と接触させる、そのような方法に関する。
【0009】
本発明はまた、種子を、生物学的有効量の化合物1または式2の化合物(例えば本明細書に記載される組成物として)と接触させる工程を含む無脊椎有害生物から種子を保護する方法を提供する。本発明はまた、処置された種子に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において使用される場合、用語「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含む(includes)」、「含むこと(including)」、「有する(has)」、「有すること(having)」、「含有する」、「含有すること」、「により特徴付けられる」、またはこれらのいずれかの他の変形は、明示的に示される任意の限定を条件として、非排他的な包含を網羅するように意図されている。例えば、要素の一覧を含む組成物、混合物、プロセスまたは方法は、必ずしもこれらの要素に限定されることはなく、明示的に列挙されていないか、またはこのような組成物、混合物、プロセスもしくは方法に固有である他の要素を包含していてもよい。
【0011】
「からなる」という移行句は、特定されていない任意の要素、ステップまたは成分を除外する。特許請求の範囲中にある場合、このような語句は、特許請求の範囲を、通常これに関連する不純物を除き、言及されたもの以外の材料の包含を限定することになる。「からなる」という語句が、プリアンブルの直後ではなく特許請求の範囲の本文の一文節中にある場合、これは、その文節中に述べられている要素のみを限定し;他の要素は、特許請求の範囲からは、全体としては除外されない。
【0012】
「から本質的になる」という移行句は、文言上開示されているものに追加して、材料、ステップ、機構、成分または要素を包含する組成物または方法を定義するために用いられるが、これらの追加の材料、ステップ、機構、成分または要素は、特許請求される発明の基本的なおよび新規な特徴に著しい影響を与えない。「から本質的になる」という用語は、「含む」と「からなる」との間の中間的な意味を有する。
【0013】
出願人らが、「含む(comprising)」などのオープンエンド形式の用語で発明またはその一部分が定義される場合、その記載は(他に明記されない限り)、「から本質的になる」または「からなる」という用語を用いてこのような発明を記載しているとも当然ながら解釈されると容易に理解されるものとする。
【0014】
さらに、相反する記載が明言されていない限り、「または」は包含的論理和を指し、排他的論理和を指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つ:Aが真であり(または存在し)、かつBが偽である(または存在しない)こと;Aが偽であり(または存在せず)、かつBが真である(または存在する)こと;ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)ことによって満たされる。
【0015】
また、本発明の要素または成分に先行する不定冠詞「a」および「an」は、要素または成分の事例(すなわち、存在)の数に関して比制限的であることが意図される。したがって、「a」または「an」は、1つまたは少なくとも1つを含むと読解されるべきであり、要素または成分の単数形の語形は、その数が明らかに単数を意味しない限りにおいては複数をも包含する。
【0016】
この開示において言及される場合、「無脊椎有害生物」という用語は、有害生物として経済的に重要な節足動物、腹足類、線虫および蠕虫を含む。「節足動物」という用語は、昆虫、ダニ、クモ、サソリ、ムカデ、ヤスデ、ワラジムシおよびコムカデを含む。「腹足類」という用語は、カタツムリ、ナメクジおよび他の柄眼目を含む。「線虫」という用語は、植物食性線虫および動物に寄生する蠕虫線虫などの線形動物門の成員を含む。「蠕虫」という用語は、回虫(線形動物門)、イヌ糸状虫(線形動物門、双線綱)、吸虫(扁形動物門、吸虫綱)、鈎頭虫(鉤頭虫門)および条虫(扁形動物門、条虫綱)などの寄生性の虫のすべてを含む。
【0017】
本開示の文脈において、「無脊椎有害生物防除」とは、無脊椎有害生物の発生の阻害(死亡率、摂食低減、および/または交尾撹乱を含む)を意味し、関連する表記も同様に定義される。
【0018】
「農学的」という用語は、食品および繊維用などの農作物の生産を指し、トウモロコシまたはコーン、ダイズおよび他のマメ科植物、イネ、穀類(例えば、コムギ、カラスムギ、オオムギ、ライ麦およびイネ)、葉野菜(例えば、レタス、キャベツおよび他のキャベツ作物)、結果野菜(例えば、トマト、トウガラシ属植物、ナス、十字花科植物およびウリ科植物)、ジャガイモ、サツマイモ、ブドウ、綿、樹果(例えば、仁果、石果および柑橘類)、小果実(例えば、液果類およびサクランボ)、ならびに他の特別な作物(例えば、アブラナ、ヒマワリおよびオリーヴ)の栽培を含む。
【0019】
「非農学的」という用語は、園芸用作物(例えば、畑で栽培されていない、温室、苗種または観賞用植物)、住居用、農業用、商業用および工業用構造、芝生(例えば、芝農地、牧草地、ゴルフ場、芝地、運動場等)、木製品、貯蔵製品、農林および植生の管理、公衆衛生(すなわち、ヒト)および動物の健康(例えば、ペット、家畜および家禽などの家畜動物、野生生物などの飼い慣らされていない動物)用途などの農作物以外を指す。
【0020】
「作物成長力」という用語は、作物植物の生育またはバイオマスの蓄積割合を指す。「成長力を高める」とは、未処理の対照作物植物に対する、作物植物における生育またはバイオマスの蓄積における高まりを指す。「作物収量」という用語は、作物植物の収穫後に得られる、量および質の両方の観点における作物材料の回収を指す。「作物収量を高める」とは、未処理の対照作物植物に対する作物収量の増加を指す。
【0021】
「生物学的有効量」という用語は、無脊椎有害生物による被害から植物を保護するため、もしくは、他の所望される効果(例えば、植物の成長力を高める)のため、防除されるべき無脊椎有害生物もしくはその環境に、または植物、植物が発育する種子もしくは植物が生育している場所(例えば、栽培培地)に適用(すなわち、接触)された場合に、所望の生物学的効果をもたらすのに十分な生物学的に活性な化合物(例えば、化合物1または式2の化合物)の量を指す。
【0022】
発明の概要に記載の本発明の実施形態は以下に記載のものを含む。
実施形態1.化合物1。
実施形態2.nは0、1または2である、式2の化合物。
実施形態3.nは0である、式2の化合物。
実施形態4.nは1である、式2の化合物。
実施形態5.nは2である、式2の化合物。
【0023】
実施形態6.N-[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド;N-[1,1-ジメチル-2-(メチルチオ)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド;N-[1,1-ジメチル-2-(メチルスルフィニル)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド;およびN-[1,1-ジメチル-2-(メチルスルホニル)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド;または前述の化合物のうちのいずれかの組合せから選択される1つである化合物。
【0024】
実施形態7.化合物1または式2の化合物、ならびに界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含み、場合により少なくとも1種の追加の生物学的活性化合物または薬剤をさらに含む組成物。
【0025】
実施形態8.化合物1または式2の化合物、ならびに界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含む組成物であって、場合により、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミドフルメト、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス-メチル、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ホウ酸塩、ブプロフェジン、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾール、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シクロキサプリド、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスファンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルフェンスルホン、フルオピラム、フルピプロール、フルピラジフロン、フルバリネート、タウ-フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホスチアゼート、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性石鹸、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロール、メトフルトリン、モノクロトホス、モノフルトリン、メトキシフェノジド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、パラチオン、パラチオン-メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ピリミカルブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルギット、プロトリフェンブト、ピフルブミド、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルオフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロル、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス、昆虫病原性細菌のすべての株、核多角体病ウイルス、昆虫病原性ウイルスおよび昆虫病原性菌のすべての株からなる群から選択される、少なくとも1種の追加の生物学的活性化合物または薬剤をさらに含む組成物。
【0026】
実施形態9.化合物1または式2の化合物、ならびに界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含む組成物であって、場合により、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、ブプロフェジン、カルバリル、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジエルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスファンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルフェンスルホン、フルピプロール、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノフルトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップナトリウム、トラロメトリン、テトラメチルフルトリン、トリアザメート、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシスのすべての株および核多角体病ウイルスのすべての株からなる群から選択される、少なくとも1種の追加の生物学的活性化合物または薬剤をさらに含む組成物。
【0027】
実施形態10.無脊髄有害生物を防除する方法であって、無脊髄有害生物またはその環境を、生物学的有効量の化合物1または式2の化合物と接触させる工程を含む前記方法。
【0028】
実施形態11.処理前の種子の約0.0001~1重量%の量で化合物1または式2の化合物を含む、処理された種子。
【0029】
注目すべきは、本発明の化合物は、好ましい代謝および/または土壌残存パターンを特徴とし、ある範囲の農学的および非農学的無脊椎有害生物を防除する活性を示すことである。
【0030】
特に注目すべきは、無脊椎有害生物の防除範囲および経済的な重要性のために、無脊椎有害生物を防除することによって、無脊椎有害生物により引き起こされる損害または被害から農作物を保護することが、本発明の実施形態である。本発明の化合物はまた、植物における好適な転流特性または体系性のために、化合物1もしくは式2の化合物またはこの化合物を含有する組成物に直接接触していない葉または他の植物部位をも保護する。
【0031】
また、本発明の実施形態として特に注目すべきは、前述の実施形態のいずれか、ならびに本明細書に記載のいずれかの他の実施形態およびこれらの任意の組合せの化合物と、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含む組成物であり、前記組成物は、場合により、少なくとも1種の追加の生物学的活性化合物または薬剤をさらに含む。
【0032】
さらに、本発明の実施形態として特に注目すべきは、前述の実施形態、ならびに本明細書に記載の他の実施形態の化合物、およびこれらの任意の組合せと、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含む無脊椎有害生物を防除するための組成物であり、前記組成物は、場合により、少なくとも1種の追加の生物学的活性化合物または薬剤をさらに含む。本発明の実施形態は、無脊椎有害生物を防除する方法であって、無脊椎有害生物またはその環境を、前述の実施形態のいずれかの生物学的有効量の化合物(例えば本明細書に記載の組成物として)と接触させる工程をさらに含む方法を含む。
【0033】
本発明の実施形態はまた、前述の実施形態のいずれかの化合物を土壌潅注液体配合物の形態で含む組成物を含む。本発明の実施形態は、無脊椎有害生物を防除する方法であって、土壌を、生物学的有効量の前述の実施形態のいずれかの化合物を含む土壌潅注として液体組成物と接触させる工程を含む方法をさらに含む。
【0034】
本発明の実施形態はまた、前述の実施形態のいずれかの化合物の生物学的有効量および噴射剤を含む無脊椎有害生物を防除するための噴霧組成物を含む。本発明の実施形態は、前述の実施形態のいずれかの化合物の生物学的有効量、1つまたはそれ以上の食材、場合により誘引剤、および場合により湿潤剤を含む無脊椎有害生物を防除するための誘引組成物をさらに含む。本発明の実施形態はまた、前記誘引組成物と、前記誘引組成物を収容するよう適応させた筐体とを備える無脊椎有害生物を防除するためのデバイスを含み、ここで、筐体は、無脊椎有害生物が筐体の外の位置から前記誘引組成物に接近することができるよう、無脊椎有害生物が通過することが可能である大きさの開口を少なくとも1つ有し、この筐体は、無脊椎有害生物が活動する可能性がある場所もしくは既知の活動場所に、またはその付近に配置されるようさらに適応させてある。
【0035】
本発明の実施形態は、また種子を前述の実施形態のいずれかの化合物の生物学的有効量と接触させる工程を含む、無脊椎有害生物から種子を保護する方法を含む。
【0036】
本発明の実施形態はまた、前述の実施形態のいずれかの化合物の寄生虫駆除に有効な量を動物に投与する工程を含む有害寄生性脊椎生物から動物を保護する方法を含む。
【0037】
本発明の実施形態はまた、無脊椎有害生物を防除する方法であって、無脊椎有害生物またはその環境を、生物学的有効量の、化合物1または式2の化合物(例えば、本明細書に記載の組成物として)と接触させる工程を含む方法を含むが、この方法は、治療によるヒトまたは動物の身体の医学的処置方法ではない。
【0038】
本発明はまた、無脊椎有害生物またはその環境を、生物学的有効量の、化合物1または式2の化合物、ならびに界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含む組成物に接触させる方法に関し、前記組成物は、場合により、生物学的有効量の少なくとも1種の追加の生物学的活性化合物または薬剤をさらに含むが、この方法は、治療によるヒトまたは動物の身体の医学的処置方法ではない。
【0039】
化合物1または式2の化合物はスキーム1および2に記載されている以下の方法および変形によって製造することができる。以下の短縮形が使用される:DMFはN,N-ジメチルホルムアミドであり、DCCはN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドであり、HATUは1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロ-ホスファートである。
【0040】
化合物1は、スキーム1に示される方法によって、化合物3から製造することができる。この方法において、化合物1は、DCCまたはHATUなどのアミドカップリング試薬の存在下で、化合物3のカルボキシル基の、化合物4のアミン基とのアミド結合形成反応によって製造することができる。代表的な試薬および反応条件に関しては、Jones,J.The Chemical Synthesis of Peptides、International Series of Monographs on Chemistry、Oxford University:Oxford、1994を参照すること。
【0041】
【0042】
化合物3(CAS登録番号2001277-98-9)は当業界で知られている。
【0043】
式2の化合物[式中、nは0である](化合物2a)は、スキーム2に示す方法によって、化合物5から製造することができる。スキーム2の方法は、スキーム1の化合物1の製造について記載された方法と同様である。この方法において、式2の化合物は、DCCまたはHATUなどのアミドカップリング試薬の存在下で、化合物5のカルボキシル基の化合物6のアミン基とのアミド結合形成反応によって製造される。
【0044】
【0045】
式2の化合物[式中、nは1または2である](すなわち、それぞれスルホキシド2bまたはスルホン2c)は、スルフィド2aの酸化によって製造することができる。スルフィドをスルホキシドおよびスルホンに酸化する様々な方法および試薬は、当業界で知られている。そのような酸化試薬の例は、メタクロロペルオキシ安息香酸および過ヨウ素酸ナトリウムを含む。
【0046】
化合物1または式2の化合物を製造するための上記の幾つかの試薬および反応条件は、中間体中に存在する特定の官能基と両立しない場合があることは認識される。これらの事例において、合成への保護/脱保護手順または官能基相互変換の組み込みは、所望の生成物を得る助けになる。保護基の使用および選択は化学合成において当業者にとって明らかであると予想される(参照:例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis、第2版;Wiley:New York、1991)。当業者は、幾つかの場合において、個々のスキームに示す試薬の導入後、詳細には記載されていない追加の慣例的な合成ステップが化合物1または式2の化合物の合成を完了するために必要であり得ることを認識していると予想される。当業者はまた、化合物1または式2の化合物の製造のために示す特定の手順によって示唆されるもの以外の順番で、上記スキームに例示するステップの組合せを実施することが必要であり得ることを認識していると予想される。
【0047】
当業者はまた、本明細書に記載の化合物1または式2の化合物および中間体を、置換基を追加するため、または既存の置換基を修飾するために、種々の求電子性、求核性、ラジカル、有機金属、酸化および還元反応にかけることができることを認識していると予想される。
【0048】
さらなる詳細を伴わずに、前述の説明を用いる当業者は、本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、以下の合成例は、単なる例示として解釈されるべきであり、開示を如何様にも限定すると解釈されるべきではない。以下の合成例中のステップは、全体の合成転換の各ステップについて手順を説明し、各ステップについての出発材料は、手法が他の実施例またはステップに記載されている特定の製造用操作によって製造される必要性がなくてもよい。百分率は、クロマトグラフィーの溶媒混合物を別にすれば、または別段の記載のある場合を除き、重量基準である。クロマトグラフ溶媒混合物に対する部および百分率は、特に断らなければ、体積基準である。1H NMRスペクトルは、テトラメチルシランの低磁場側にppmで報告され;「s」は一重項を意味し、「d」は二重項を意味し、「t」は三重項を意味し、「q」は四重項を意味し、「m」は多重項を意味し、「dd」は二重項の二重項を意味し、「ddd」は二重項の二重項の二重項を意味し、「br s」は幅広一重項を意味する。DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを意味する。化合物の番号は、索引表Aを指す。
【0049】
合成実施例1
N-[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド(化合物1)の製造
ステップA:N-[1-(ジフルオロメチル)シクロプロピル]-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミドの製造
DMF(2mL)中の2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボン酸(100mg、0.42mmol、CAS登録番号2001277-98-9)、HATU(190mg、0.5mmol)、1-(ジフルオロメチル)シクロプロパンアミン塩酸塩(71mg、0.5mmol)の溶液を、トリエチルアミン(174μL、1.25mmol)で処理した。反応混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、逆相カラムクロマトグラフィー[C18カラム、水に対して10%~100% MeCN/MeOH(1:1)で溶離]によって直接反応混合物を精製して標記化合物の本発明の化合物(105mg、収率76%)を生成した。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.35-9.39 (m, 2H) 9.14 (s, 1H) 8.67-8.68 (m, 1H) 8.55-8.58 (m, 1H) 7.94-7.97 (m, 1H), 7.73-7.75 (m, 1H), 7.63-7.67 (m, 1H), 7.41-7.45 (m, 1H), 6.21 (t, 1H), 1.13-1.17 (m, 2H), 1.02-1.06 (m, 2H).
【0050】
合成実施例2
N-[1,1-ジメチル-2-(メチルチオ)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド(化合物2a)の製造
ステップA:N-[1,1-ジメチル-2-(メチルチオ)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド(化合物2a)の製造
DMF(100mL)中の7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボン酸(10g、39mmol)、HATU(17.7g、47mmol)、2-メチル-1-メチルスルファニル-プロパン-2-アミン(7g、58mmol)の溶液を、トリエチルアミン(16mL、117mmol)で処理した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。EtOAc(300mL)を用いて反応混合物を希釈し、水(6×100mL)で洗浄した。真空内で有機層を分離し濃縮した。結果として得られた粗製の固体を順相クロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中70~100%のEtOAcを用いて溶離)によって精製して標記化合物の本発明の化合物(9.9g、収率71%)を生成した。1H NMR (500 MHz,DMSO-d6) δ ppm 9.37-9.43 (m, 2H), 8.69-8.72 (m, 1H), 8.56-8.60 (m, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.64-7.70 (m, 2 H), 7.22-7.27 (m, 1H), 3.11 (s, 2H), 2.09 (s, 3H), 1.47 (s, 6H).
化合物2b(N-[1,1-ジメチル-2-(メチルスルフィニル)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド、および化合物2c(N-[1,1-ジメチル-2-(メチルスルホニル)エチル]-7-フルオロ-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミドはそれぞれ、化合物2aの酸化によって製造することができる。
【0051】
本発明の化合物は、一般に、組成物中の、すなわち、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される、担体として役立つ少なくとも1種の追加の成分との配合物中の無脊椎有害生物防除活性成分として用いられると予想される。配合物または組成物の成分は、活性成分の物理特性、適用様式、ならびに土壌タイプ、水分および温度などの環境要因と調和するよう選択される。
【0052】
有用な配合物は、液体および固体組成物の両方を含む。液体組成物としては、溶液(乳化性濃縮物を含む)、懸濁液、エマルジョン(マイクロエマルジョン、水中油型エマルジョン、流動性濃縮物および/またはサスポエマルジョンを含む)等が挙げられ、これらは、場合によりゲルに増粘することができる。水性液体組成物の一般的なタイプは、可溶性濃縮物、懸濁液濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルジョン、マイクロエマルジョン、水中油型エマルジョン、流動性濃縮物およびサスポエマルジョンである。非水性液体組成物の一般的なタイプは、乳化性濃縮物、ミクロ乳化性濃縮物、分散性濃縮物および油分散液である。
【0053】
固体組成物の一般的なタイプは、粉剤、粉末、顆粒、ペレット、小球、香錠、錠剤、充填フィルム(種子粉衣を含む)等であり、これらは、水分散性(「水和性」)または水溶性とすることができる。フィルム形成性溶液または流動性懸濁液から形成されたフィルムおよびコーティングが、種子処理に特に有用である。活性成分は、(マイクロ)カプセル化し、懸濁液または固体配合物にさらに形成することができ;代替として、活性成分の全配合物を封入(または「オーバーコート」)することができる。カプセル化によって、活性成分の放出を制御または遅延することができる。乳化性顆粒は、乳化性濃縮配合物と乾燥顆粒状配合物の両方の利点を併せ持っている。高強度組成物は、主に、さらなる配合物のための中間体として用いられる。
【0054】
可噴霧配合物は、典型的には、吹付けの前に好適な媒体中で希釈される。このような液体および固体配合物は、噴霧媒体中、通常は水であるが、しかし時に芳香族もしくはパラフィン炭化水素、または植物油のような別の適切な媒体に容易に希釈されるよう配合される。噴霧体積は、約1から数千リットル/ヘクタールの範囲であってもよいが、より典型的には、約10から数百リットル/ヘクタールの範囲である。可噴霧配合物は、空中散布もしくは地上散布による茎葉処理のために、または植物の栽培媒体への適用のために、タンク中で水または他の好適な媒体と混合することができる。液体および乾燥配合物は、点滴灌漑システムに直接的に計量するか、または植栽の最中に畝間に計量することができる。液体および固体配合物は、発生する根および他の地下植物部位および/または群葉を、浸透による摂取を介して保護するために、植栽の前に、作物および他の望ましい植生の種子に種子処理として適用することができる。
【0055】
配合物は、典型的には、合計で最大100重量パーセントとなるおよその下記範囲内で、有効量の活性成分、希釈剤および界面活性剤を含有する。
【0056】
【0057】
固体希釈剤としては、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイトおよびカオリンなどのクレイ、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デキストリン、糖類(例えば、ラクトース、スクロース)、シリカ、タルク、雲母、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウム、ならびに硫酸ナトリウムが挙げられる。典型的な固体希釈剤が、Watkinsら、Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers、第2版、Dorland Books、Caldwell、New Jerseyに記載されている。
【0058】
液体希釈剤としては、例えば、水、N,N-ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N-アルキルピロリドン(例えば、N-メチルピロリジノン)、リン酸アルキル(例えばリン酸トリエチル)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、パラフィン(例えば、白色鉱物油、ノルマルパラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、三酢酸グリセリン、ソルビトール、芳香族炭化水素、脱芳香族化脂肪族化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、イソホロンおよび4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸トリデシルおよび酢酸イソボルニルなどのアセタート、アルキル化乳酸エステル、二塩基性エステルおよびアリールベンゾアート、γ-ブチロラクトンなどの他のエステル、ならびにメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、クレゾールおよびベンジルアルコールなどの直鎖、分岐、飽和または不飽和であってもよいアルコールが挙げられる。液体希釈剤としてはまた、植物種子および果実油(例えば、オリーヴ、トウゴマ、亜麻仁、ゴマ、コーン(トウモロコシ)、ピーナッツ、ヒマワリ、ブドウ種子、ベニバナ、綿実、ダイズ、ナタネ、ココナツおよびパーム核の油)、動物性脂肪(例えば、牛脂、豚脂、ラード、タラ肝油、魚油)などの飽和および不飽和脂肪酸(典型的にはC6~C22)のグリセリンエステル、ならびにその混合物が挙げられる。液体希釈剤としてはまた、アルキル化(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)脂肪酸が挙げられ、ここで、脂肪酸は、植物性および動物性供給源のグリセリンエステルの加水分解により入手でき、蒸留により精製することができる。典型的な液体希釈剤が、Marsden、Solvents Guide、第2版、Interscience、New York、1950年に記載されている。
【0059】
本発明の固体および液体組成物は、度々、1つまたはそれ以上の界面活性剤を含む。液体に添加される場合、界面活性剤(「表面活性剤としても公知である」)は、一般に、液体の表面張力を修飾、最も頻繁には低下させる。界面活性剤分子中の親水性基および親油性基の性質に応じて、界面活性剤は、湿潤剤、分散剤、乳化剤または消泡剤として有用となり得る。
【0060】
界面活性剤は、非イオン性、陰イオン性または陽イオン性に区分することができる。本組成物に有用な非イオン性界面活性剤としては、天然および合成アルコール系(分岐または直鎖であってよい)であり、アルコールおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはその混合物から製造されるアルコールアルコキシラートなどのアルコールアルコキシラート;アミンエトキシラート、アルカノールアミドおよびエトキシル化アルカノールアミド;エトキシル化ダイズ、ヒマシ油およびナタネ油などのアルコキシル化トリグリセリド;オクチルフェノールエトキシラート、ノニルフェノールエトキシラート、ジノニルフェノールエトキシラートおよびドデシルフェノールエトキシラート(フェノールおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはその混合物から製造される)などのアルキルフェノールアルコキシラート;末端ブロックがプロピレンオキシドから製造された、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドから製造されたブロックポリマーおよび逆ブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪エステルおよび油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはその混合物から製造されたものを含む);脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ラノリン系誘導体、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステルおよびポリエトキシル化グリセリン脂肪酸エステルなどのポリエトキシラートエステル;ソルビタンエステルなどの他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキドPEG(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフトまたはくし形ポリマーおよび星形ポリマーなどの高分子界面活性剤;ポリエチレングリコール(PEG);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーン系界面活性剤;ならびにスクロースエステル、アルキルポリグリコシドおよびアルキル多糖類などの糖誘導体を含むがこれらに限定されない。
【0061】
有用な陰イオン性界面活性剤としては、アルキルアリールスルホン酸およびその塩;カルボキシル化アルコールまたはアルキルフェノールエトキシラート;スルホン酸ジフェニル誘導体;リグニンおよびリグノスルホナートなどのリグニン誘導体;マレイン酸もしくはコハク酸、またはその無水物;オレフィンスルホナート;アルコールアルコキシラートのリン酸エステル、アルキルフェノールアルコキシラートのリン酸エステルおよびスチリルフェノールエトキシラートのリン酸エステルなどのリン酸エステル;タンパク質系界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテルスルファート;油および脂肪酸のスルファートおよびスルホナート;エトキシル化アルキルフェノールのスルファートおよびスルホナート;硫酸アルコール;硫酸エトキシル化アルコール;N,N-アルキルタウラートなどのアミンおよびアミドのスルホナート;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、ならびにドデシルおよびトリデシルベンゼンなどのスルホナート;縮合ナフタレンのスルホナート;ナフタレンおよびアルキルナフタレンのスルホナート;分留された石油のスルホナート;スルホスクシナマート;ならびにジアルキルスルホコハク酸塩などのスルホスクシナートおよびその誘導体を含むがこれらに限定されない。
【0062】
有用な陽イオン性界面活性剤としては、アミドおよびエトキシル化アミド;N-アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミンおよびジプロピレンテトラアミン、ならびにエトキシル化アミン、エトキシル化ジアミンおよびプロポキシル化アミン(アミンおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはその混合物から製造された)などのアミン;アミン酢酸塩およびジアミン塩などのアミン塩;第四級塩、エトキシル化第四級塩およびジ第四級塩などの第四級アンモニウム塩;ならびにアルキルジメチルアミンオキシドおよびビス-(2-ヒドロキシエチル)-アルキルアミンオキシドなどのアミンオキシドを含むがこれらに限定されない。
【0063】
また、非イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤との混合物、または非イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤との混合物が本組成物について有用である。非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤および陽イオン性界面活性剤、ならびにこれらの推奨される使用は、McCutcheon’s Division、The Manufacturing Confectioner Publishing Co.発行のMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents、annual American and International Editions;SiselyおよびWood、Encyclopedia of Surface Active Agents、Chemical Publ.Co.,Inc.、New York、1964年;ならびにA.S.DavidsonおよびB.Milwidsky、Synthetic Detergents、第7版、John Wiley and Sons、New York、1987年を含む多様な発行されている文献に開示されている。
【0064】
本発明の組成物はまた、配合補助剤として当業者に公知である配合助剤および添加剤を含有してもよい(この幾つかは、固体希釈剤、液体希釈剤または界面活性剤としても機能すると考えられる)。このような配合助剤および添加剤は:pH(緩衝剤)、加工時の発泡(ポリオルガノシロキサンなどの消泡剤)、活性成分の沈降(懸濁剤)、粘度(チクソトロープ性増粘剤)、容器内での微生物の増殖(抗菌剤)、生成物の凍結(不凍液)、着色(染料/顔料分散液)、洗浄性(フィルム形成剤または展着剤)、蒸発(蒸発遅延剤)、および他の配合特性を制御し得る。フィルム形成剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーおよびワックスが挙げられる。配合物助剤および添加剤の例としては、McCutcheon’s 第2巻:Functional Materials、annual International and North American、McCutcheon’s Division、The Manufacturing Confectioner Publishing Co.発行;および国際出願PCT/WO03/024222に列挙されているものが挙げられる。
【0065】
化合物1または式2の化合物および任意の他の活性成分は、典型的には、活性成分を溶媒中に溶解させることにより、または液体希釈剤もしくは乾燥希釈剤中で粉砕することにより、本組成物中に組み込まれる。乳化性濃縮物を含む溶液は、成分を単に混合することにより製造することができる。乳化性濃縮物として使用が意図される液体組成物の溶媒が水と混和しない場合、乳化剤が、典型的には、水で希釈する際に、活性成分含有溶媒を乳化させるために添加される。最大2,000μmの粒径を有する活性成分スラリーは、媒体ミルを用いて湿式混練されて、3μm未満の平均直径を有する粒子を得ることが可能である。水性スラリーは、最終懸濁液濃縮物とする(例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照のこと)か、または噴霧乾燥によりさらに加工して水分散性顆粒を形成することができる。乾燥配合物では、通常は、2~10μmの範囲内の平均粒径をもたらす乾式混練工程が必要とされる。粉剤および粉末は、ブレンド、および通常は粉砕すること(ハンマーミルまたは流体エネルギーミルなどで)により製造することができる。顆粒およびペレットは、予め形成しておいた顆粒状の担体に活性物質を吹付けることにより、または凝集技法により製造することができる。Browning、「Agglomeration」、Chemical Engineering、1967年12月4日、147~48頁、Perry’s Chemical Engineer’s Handbook、第4版、McGraw-Hill、New York、1963年、8~57頁およびそれ以降、ならびにWO91/13546を参照のこと。ペレットは、米国特許第4,172,714号明細書に記載の通り製造することができる。水分散性および水溶性顆粒は、米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書および独国特許3,246,493号明細書に教示されている通り製造することができる。錠剤は、米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書および米国特許第5,208,030号明細書に教示されている通り製造することができる。フィルムは、英国特許第2,095,558号明細書および米国特許第3,299,566号明細書に教示されている通り製造することができる。
【0066】
配合物の技術分野に関するさらなる情報については、T.S.Woods,「The Formulator’s Toolbox-Product Forms for Modern Agriculture」、Pesticide Chemistry and Bioscience、The Food-Environment Challenge、T.BrooksおよびT.R.Roberts編、Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry、The Royal Society of Chemistry、Cambridge、1999年、120~133頁を参照のこと。また、米国特許第3,235,361号明細書、第6欄、第16行~第7欄、第19行および実施例10~41;米国特許第3,309,192号明細書、第5欄、第43行~第7欄、第62行および実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138~140、162~164、166、167および169~182;米国特許第2,891,855号明細書、第3欄、第66行~第5欄、第17行および実施例1~4;Klingman,Weed Control as a Science、John Wiley and Sons,Inc.、New York、1961年、81~96頁;Hanceら、Weed Control Handbook、第8版、Blackwell Scientific Publications、Oxford、1989年;ならびにDevelopments in formulation technology、PJB Publications、Richmond,UK、2000年を参照のこと。
【0067】
以下の実施例において、すべての配合物は従来の方法で製造する。当業者は、さらなる詳細がなくても前述の説明を用いて本発明を最大限利用することができると考えられる。したがって、以下の実施例は単なる例示であって、本開示を如何様にも限定するとは解釈されるべきではない。別段の指示がなければ、百分率は重量基準である。
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
本発明の化合物は、広い範囲の無脊椎有害生物に対する活性を示す。これらの有害生物は、例えば、植物群葉、根、土壌、収穫された作物または他の食物、建築構造物または動物の外皮などの多様な環境に生育する無脊椎生物を含む。これらの有害生物は、例えば、群葉(葉、茎、花および果実を含む)、種子、木材、紡績繊維、または動物の血液もしくは組織に摂食し、これにより、例えば、栽培されているもしくは貯蔵されている農作物、森林、温室作物、観賞用植物、苗床作物、貯蔵食物もしくは繊維製品、または家屋もしくは他の構造物もしくはその構成部に被害または損害を与えるか、または動物衛生もしくは公衆衛生に有害である無脊椎生物を含む。当業者は、すべての化合物がすべての有害生物のすべての成長段階に対して同等に効果的であるわけではないことを理解していると予想される。
【0081】
したがって、これらの本化合物および組成物は、農作物を植食性無脊椎有害生物から保護するために農学的に有用であり、また、他の園芸作物および植物を植食性無脊椎有害生物から保護するために非農学的にも有用である。この実用性は、遺伝子工学(すなわち、遺伝子導入)により導入された遺伝物質を含有するか、または変異生成により修飾されて有利な形質がもたらされる作物および他の植物(すなわち、農学的および非農学的の両方)の保護を含む。このような形質の例としては、除草剤に対する許容量耐性、植食性有害生物(例えば、昆虫、ダニ、アブラムシ、クモ、線虫、カタツムリ、植物-病原性真菌、細菌およびウイルス)に対する耐性、向上した植物の生育、高温または低温、低いまたは高い土壌水分、および高い塩分などの悪い生育条件に対する高い許容量耐性、高い開花または結果、より高い収穫率、より早い成熟、より高い品質および/または収穫産物の栄養値、または収穫産物の向上した保管または加工特性が挙げられる。遺伝子導入植物は複数の形質を発現させるために修飾することができる。遺伝子工学または変異生成によりもたらされた形質を含有する植物の例としては、YIELD GARD(登録商標)、KNOCKOUT(登録商標)、STARLINK(登録商標)、BOLLGARD(登録商標)、NuCOTN(登録商標)およびNEWLEAF(登録商標)、INVICTA RR2 PRO(商標)などの殺虫性バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の毒素を発現するコーン、綿、ダイズおよびジャガイモの品種群、ならびにROUNDUP READY(登録商標)、LIBERTY LINK(登録商標)、IMI(登録商標)、STS(登録商標)、およびCLEARFIELD(登録商標)などのコーン、綿、ダイズおよびナタネの耐除草剤性品種群、ならびにN-アセチルトランスフェラーゼ(GAT)を発現してグリホサート除草剤に対する耐性をもたらす作物、またはHRA遺伝子を含有してアセト乳酸シンターゼ(ALS)を阻害する除草剤に対する耐性をもたらす作物が挙げられる。本化合物および組成物は、遺伝子工学により導入された、または変異生成により修飾された形質と相乗的に相互作用し得、それにより、形質発現または形質の効果が増強されるか、または本化合物および組成物の無脊椎有害生物防除効果が高められる。特に、本化合物および組成物は、無脊椎有害生物に有害なタンパク質または他の天然産生物の形質発現と相乗的に相互作用して、相加的を超えるこれらの有害生物の防除をもたらし得る。
【0082】
本発明の組成物はまた、場合により、植物栄養分、例えば、窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、ホウ素、マンガン、亜鉛およびモリブデンから選択される少なくとも1種の植物栄養分を含む肥料組成物を含むことができる。注目すべきは、窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウムおよびマグネシウムから選択される少なくとも1種の植物栄養分を含む少なくとも1種の肥料組成物を含む組成物である。少なくとも1種の植物栄養分をさらに含む本発明の組成物は、液体または固形分の形態であってもよい。注目すべきは、顆粒、小さい棒または錠剤の形態の固体配合物である。肥料組成物を含む固体配合物は、本発明の化合物または組成物と肥料組成物とを配合成分と共に混合し、次いで、粉砕または押出し成形などの方法により配合物を製造することにより製造することができる。代替として、固体配合物は、本発明の化合物または組成物の揮発性溶媒中の溶液または懸濁液を、例えば、顆粒、小さい棒または錠剤といった寸法的に安定な混合物の形態で予め製造しておいた肥料組成物に吹付け、次いで、溶媒を蒸発させることにより製造することができる。
【0083】
非農学的使用とは、作物植物の耕地以外の領域における無脊椎有害生物の防除を指す。本化合物および組成物の非農学的使用は、貯蔵されている穀物、マメ類および他の食材、ならびに被服および絨毯などの生地における無脊椎有害生物の防除を含む。本化合物および組成物の非農学的使用はまた、観賞用植物、森林、庭、路側沿および鉄道敷設用地、ならびに芝地、ゴルフコースおよび牧草地などの芝生における無脊椎有害生物防除を含む。本化合物および組成物の非農学的使用はまた、ヒトおよび/または伴侶によって占有され得る家屋および他の建物、農場、牧場、動物園または他の動物における無脊椎有害生物の防除を含む。本化合物および組成物の非農学的使用はまた、建物に用いられている木材または他の構造材に被害を及ぼし得るシロアリなどの有害生物の防除を含む。
【0084】
本化合物および組成物の非農学的使用はまた、寄生したりまたは感染症を伝染させたりする無脊椎有害生物を防除することによって、ヒトおよび動物の衛生を保護することを含む。動物寄生動物の防除には、宿主動物の身体の表面(例えば肩、腋の下、腹、ももの内側部分)に寄生する外部寄生生物および宿主動物の身体の内部(例えば胃、腸、肺、静脈、皮下、リンパ組織)に寄生する内部寄生生物を防除することを含む。外部に寄生する有害生物または疾患を感染させる有害生物には、例えば、チガー、犬ダニ、シラミ、蚊、ハエ、ダニおよびノミを含む。内部寄生生物は犬糸状虫、十二指腸虫および蠕虫を含む。本発明の化合物および組成物は、動物への寄生生物による寄生または感染症の浸透的および/または非浸透的な防除に適切である。本発明の化合物および組成物は、外部寄生する有害生物または疾患を感染させる有害生物を排除するのに特に適切である。本発明の化合物および組成物は、農業用使役動物、例えば牛、ヒツジ、ヤギ、馬、ブタ、ロバ、ラクダ、水牛、ウサギ、めんどり、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウおよびハチ;ペット動物および家庭動物、例えばイヌ、ネコ、ペットの鳥および観賞魚;ならびにいわゆる実験動物、例えばハムスター、モルモット、ラットおよびマウスに横行する寄生動物の排除に適切である。これらの寄生動物の排除によって、致死率および成績低下(ミート、ミルク、ウール、皮、卵、ハチミツなどに関して)が低減され、その結果、本発明の化合物を含む組成物の適用が、動物のより経済的で容易な節約を可能にする。
【0085】
農学的または非農学的無脊椎有害生物の例としては、アーミーワーム、根切虫、ルーパー、およびヤガ科のタバコガ(例えば、ピンクステムボーラー(pink stem borer)(Sesamia inferens Walker)、コーンストークボーラー(corn stalk borer)(Sesamia nonagrioides Lefebvre)、サウザンアーミーワーム(southern armyworm)(Spodoptera eridania Cramer)、ハスモンヨトウ(Spodoptera fugiperda J.E.Smith)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua Huebner)、コットンリーフワーム(cotton leafworm)(Spodoptera littoralis Boisduval)、イエローストライプドアーミーワーム(yellowstriped armyworm)(Spodoptera ornithogalli Guenee)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon Hufnagel)、ベルベットビーンキャタピラー(velvetbean caterpillar)(Anticarsia gemmatalis Huebner)、グリーンフルーツワーム(green fruitworm)(Lithophane antennata Walker)、キャベッジアーミーワーム(cabbage armyworm)(Barathra brassicae Linnaeus)、ソイビーンルーパー(soybean looper)(Pseudoplusia includens Walker)、イラクサキンウワバ(Trichoplusia ni Huebner)、オオタバコガ(Heliothis virescens Fabricius)などの鱗翅目の卵、幼虫および成虫;メイガ科(例えば、アワノメイガ(Ostrinia nubilalis Huebner)、ネーブルオレンジワーム(Amyelois transitella Walker)、ウスギンツトガ(Crambus caliginosellus Clemens)、クロオビクロノメイガ(Herpetogramma licarsisalis Walker)などのソッドウェブワーム(メイガ科:ツトガ亜科)、シュガーケーンステムボーラー(sugarcane stem borer)(Chilo infuscatellus Snellen)、トマトスモールボーラー(tomato small borer)(Neoleucinodes elegantalis Guenee)、グリーンリーフローラー(green leafroller)(Cnaphalocerus medinalis)、グレープリーフフォルダー(grape leaffolder)(Desmia funeralis Huebner)、メロンワーム(melon worm)(Diaphania nitidalis Stoll)、キャベッジセンターグラブ(cabbage center grub)(Helluala hydralis Guenee)、イエローステムボーラー(yellow stem borer)(Scirpophaga incertulas Walker)、アーリーシュートボーラー(early shoot borer)(Scirpophaga infuscatellus Snellen)、ホワイトステムボーラー(white stem borer)(Scirpophaga innotata Walker)、トップシュートボーラー(top shoot borer)(Scirpophaga nivella Fabricius)、ダーク-ヘデッドライスボーラー(dark-headed rice borer)(Chilo polychrysus Meyrick)、キャベッジクラスターキャタピラー(cabbage cluster caterpillar)(Crocidolomia binotalis English))の穿孔性害虫、ツツミノガ科、ウェブワーム、マツマダラメイガ、アオムシおよび食葉性の幼虫;ハマキムシ、ハマキガ科における芽を食外する害虫、種子を食害する害虫、および果実を食害する害虫(例えば、コドリンガ(Cydia pomonella Linnaeus)、ホソバヒメハマキ(Endopiza viteana Clemens)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta Busck)、シトラスフォルスカドリングモス(citrus false codling moth)(Cryptophlebia leucotreta Meyrick)、シトラスボーラー(citrus borer)(Ecdytolopha aurantiana Lima)、レッドバンデッドリーフローラー(redbanded leafroller)(Argyrotaenia velutinana Walker)、オブリキバンデッドリーフローラー(obliquebanded leafroller)(Choristoneura rosaceana Harris)、ライトブラウンアップルモス(light brown apple moth)(Epiphyas postvittana Walker)、ブドウホソハマキ(Eupoecilia ambiguella Huebner)、アップルバドモス(apple bud moth)(Pandemis pyrusana Kearfott)、オムニボラスリーフローラー(omnivorous leafroller)(Platynota stultana Walsingham)、バードフルート-ツリートルトリスク(barred fruit-tree tortrix)(Pandemis cerasana Huebner)、アップルブラウントルトリクス(apple brown tortrix)(Pandemis heparana Denis & Schiffermueller));ならびに多くの他の経済的に重要な鱗翅目(例えば、コナガ(Plutella xylostella Linnaeus)、ワタアカミムシガ(Pectinophora gossypiella Saunders)、マイマイガ(Lymantria dispar Linnaeus)、ピーチフルートボーラー(peach fruit borer)(Carposina niponensis Walsingham)、ピーチツイグボーラー(peach twig borer)(Anarsia lineatella Zeller)、ポテトチューバーワーム(potato tuberworm)(Phthorimaea operculella Zeller)、スポテッドテニフォームリーフマイナー(spotted teniform leafminer)(Lithocolletis blancardella Fabricius)、アジアチックアップルリーフマイナー(asiatic apple leafminer)(Lithocolletis ringoniella Matsumura)、ライスリーフフォルダー(rice leaffolder)(Lerodea eufala Edwards)、アップルリーフマイナー(apple leafminer)(Leucoptera scitella Zeller));チャバネゴキブリおよびゴキブリ科(例えば、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis Linnaeus)、アジアゴキブリ(Blatella asahinai Mizukubo)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica Linnaeus)、チャオビゴキブリ(Supella longipalpa Fabricius)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana Linnaeus)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea Burmeister)、マデラゴキブリ(Leucophaea maderae Fabricius))、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa Service)、コワモンゴキブリ(Periplaneta australasiae Fabr.)、ハイイロゴキブリ(Nauphoeta cinerea Olivier)およびスムースコックローチ(Symploce pallens Stephens))のゴキブリを含むゴキブリ目の卵、幼虫および成虫;ヒゲナガゾウムシ、マメゾウムシおよびゾウムシ科(例えば、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis Boheman)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus Kuschel)、オサゾウムシ(Sitophilus granarius Linnaeus)、ココクゾウムシ(Sitophilus oryzae Linnaeus))、アニュアルブルーグラスウィービル(Listronotus maculicollis Dietz)、ブルーグラスビルバグ(Sphenophorus paRvulus Gyllenhal)、ハンティングビルバグ(Sphenophorus venatus vestitus)、デンバービルバグ(Sphenophorus cicatristriatus Fahraeus))のゾウムシを含む鞘翅目の卵、食葉性、食果実性、食根性、食種子性および食小胞状組織性幼虫および成虫;ハムシ科中のノミハムシ、ウリハムシ、ネクイムシ、ハムシ、イモハムシおよびハモグリムシ(例えば、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata Say)、ウェスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera virgifera LeConte);コガネムシ科(例えば、マメコガネ(Popillia japonica Newman)、オリエンタルビートル(Anomala orientalis Waterhouse,Exomala orientalis(Waterhouse)Baraud)、ノーザンマスクドチェーファー(Cyclocephala borealis Arrow)、サウザンマスクドチェーファー(Cyclocephala immaculata OlivierまたはC.lurida Bland)、ダングビートル(dung beetle)およびホワイトグラブ(white grub)(Aphodius spp.)、ブラックターフグラスアテニウス(Ataenius spretulus Haldeman)、グリーンジューンビートル(Cotinis nitida Linnaeus)、アジアンガーデンビートル(Maladera castanea Arrow)、メイ/ジューンビートル(Phyllophaga spp.)およびヨーロピアンコガネムシ(European chafer)(Rhizotrogus majalis Razoumowsky))のコガネムシおよび他の甲虫;カツオブシムシ科のカツオブシムシ;コメツキムシ科のハリガネムシ;キクイムシ科のキクイムシおよびゴミムシダマシ科のコクヌストモドキが挙げられる。
【0086】
さらに、農学的および非農学的有害生物としては:クギヌキハサミムシ科のハサミムシ(例えば、ヨーロッパクギヌキハサミムシ(フォルフィクラ・アウリクラリア・リナエウス(Forficula auricularia Linnaeus))、ブラックイヤウィグ(black earwig)(Chelisoches morio Fabricius))を含む革翅目の卵、成虫および幼虫;カスミカメムシ科のカスミカメムシ、セミ科のセミ、ヨコバイ科のリーフホッパー(例えばEmpoasca spp.)、トコジラミ科のトコジラミ(例えば、Cimex lectularius Linnaeus)、ハゴロモ上科およびウンカ科のウンカ、ツノゼミ科のツノゼミ、キジラミ科のキジラミ、コナジラミ科のコナジラミ、アブラムシ科のアブラムシ、ネアブラムシ科のネアブラムシ、コナカイガラムシ科のイボタムシ、カタカイガラムシ科、マルカイガラムシ科およびワラジカイガラムシ科のカイガラムシ、グンバイムシ科のアワダチソウグンバイ、カメムシ科のカメムシ、ナガカメムシ科のコバネナガカメムシの1種(例えば、ヘアリーチンチバグ(Blissus leucopterus hirtus Montandon)およびサウザンチンチバグ(Blissus insularis Barber))および他のコバネナガカメムシ、コガシラアワフキ科のアワフキ、ヘリカメムシ科のヘリカメムシの1種、ならびにホシカメムシ科のアカホシカメムシおよびホシカメムシなどの半翅目および同翅目の卵、幼体、成虫および幼虫が挙げられる。
【0087】
農学的および非農学的有害生物としてはまた:ハダニ科(例えば、リンゴハダニ(Panonychus ulmi Koch)、ナミハダニ(Tetranychus urticae Koch)、マクダニエルダニ(Tetranychus mcdanieli McGregor))のハダニおよびアカダニなどのコナダニ目(ダニ)の卵、幼虫、幼虫および成虫;ヒメハダニ科(例えば、カンキツヒメハダニ(Brevipalpus lewisi McGregor))のヒメハダニ;フシダニ科におけるサビダニおよびフシダニ、ならびに他の食葉性ダニならびにヒトおよび動物衛生において重要なダニ、すなわち、チリダニ科におけるヒョウダニ、ニキビダニ科におけるニキビダニ、ニクダニ科におけるムギコナダニ;通例カタダニ類として知られるマダニ科におけるマダニ類(例えば、シカダニ(Ixodes scapularis Say)、オーストラリアマダニ(Ixodes holocyclus Neumann)、カクマダニ(Dermacentor variabilis Say)、ローンスターチック(lone star tick)(Amblyomma americanum Linnaeus))、および通例ヒメダニとして知られているヒメダニ科におけるマダニ類(例えば、回帰熱マダニ(Ornithodoros turicata)、一般的な家禽ダニ(Argas radiatus));キュウセンダニ科、シラミダニおよびヒゼンダニ科における疥癬や皮癬のダニ;バッタ、イナゴおよびコオロギ(例えば、クルマバッタ(例えば、Melanoplus sanguinipes Fabricius、M.differentialis Thomas)、アメリカイナゴ(例えば、Schistocerca americana Drury)、サバクバッタ(Schistocerca gregaria Forskal)、トノサマバッタ(Locusta migratoria Linnaeus)、ブッシュローカスト(bush locust)(Zonocerus spp.)、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus Linnaeus)、ケラ(例えば、トーニーモールクリケット(Scapteriscus vicinus Scudder)およびサウザンモールクリケット(Scapteriscus borellii Giglio-Tos))を含む直翅目の卵、成虫および幼体;ハモグリムシ(例えば、サーペンタインベジタブルリーフマイナー(serpentine vegetable leafminer)(Liriomyza sativae Blanchard)などのハモグリムシ類の一種(Liriomyza spp.))、ユスリカ、ミバエ(Tephritidae)、キモグリバエ(例えば、Oscinella frit Linnaeus)、ウジバエ、イエバエ(例えば、Musca domestica Linnaeus)、ヒメイエバエ(例えば、Fannia canicularis Linnaeus、F.femoralis Stein)、サシバエ(例えば、Stomoxys calcitrans Linnaeus)、イエバエの1種(face fly)、ノサシバエ、クロバエ(例えば、Chrysomya spp.、Phormia spp.)、および他のイエバエ(muscoid fly)有害生物、アブ(例えば、Tabanus spp.)、(例えば、Gastrophilus spp.、Oestrus spp.)、ウシバエ(例えば、Hypoderma spp.)、メクラアブ(例えば、Chrysops spp.)、シラミバエ(例えば、Melophagus ovinus Linnaeus)および他の短角亜目、蚊(例えば、Aedes spp.、Anopheles spp.、Culex spp.)、ブユ(例えば、Prosimulium spp.、Simulium spp.)、クロヌカカ、スナバエ、クロバネキノコバエ、および他の長角類を含む双翅目の卵、成虫および幼体;ネギアザミウマ(Thrips tabaci Lindeman)、フラワースリップス(flower thrips)(Frankliniella spp.)、および他の食葉性アザミウマを含む総翅目の卵、成虫および幼体;フロリダカーペンターアント(Florida carpenter ant)(Camponotus floridanus Buckley)、アカオオアリ(Camponotus ferrugineus Fabricius)、クロオオアリ(Camponotus pennsylvanicus De Geer)、アシジロヒラフシアリ(Technomyrmex albipes fr.Smith)、オオズアリ(Pheidole sp.)、アワテコヌカアリ(Tapinoma melanocephalum Fabricius);イエヒメアリ(Monomorium pharaonis Linnaeus)、チビヒアリ(Wasmannia auropunctata Roger)、アカカミアリ(Solenopsis geminata Fabricius)、ヒアリ(Solenopsis invicta Buren)、アルゼンチンアリ(Iridomyrmex humilis Mayr)、アシナガキアリ(Paratrechina longicornis Latreille)、トビイロシワアリ(Tetramorium caespitum Linnaeus)、ヒメトビイロケアリ(Lasius alienus Foerster)およびコヌカアリ(Tapinoma sessile Say)を含むアリ科のアリを含む膜翅目の昆虫有害生物が挙げられる。他の膜翅目としては、ハチ(クマバチを含む)、スズメバチ(hornet)、スズメバチ(yellow jacket)、大型のハチ(wasp)、およびハバチ(Neodiprion spp.;Cephus spp.);シロアリ科(例えば、Macrotermes sp.、Odontotermes obesus Rambur)、レイビシロアリ科(例えば、Cryptotermes sp.)、およびミゾガシラシロアリ科(例えば、Reticulitermes sp.、Coptotermes sp.、Heterotermes tenuis Hagen)、ミゾガシラシロアリ(Reticulitermes flavipes Kollar)、セイヨウシロアリ(Reticulitermes hesperus Banks)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus Shiraki)、ハワイシロアリ(Incisitermes immigrans Snyder)、パウダーポストターマイト(Cryptotermes brevis Walker)、ドライウッドターマイト(Incisitermes snyderi Light)、サウスイースタンサブタラニアンターマイト(Reticulitermes virginicus Banks)、ウェスタンドライウッドターマイト(Incisitermes minor Hagen)、Nasutitermes sp.などの樹木シロアリ、および経済的に重要な他のシロアリにおけるシロアリを含むシロアリ目の昆虫有害生物;セイヨウシミ(Lepisma saccharina Linnaeus)およびマダラシミ(Thermobia domestica Packard)などのシミ目の昆虫有害生物;ハジラミ目であって、コモロジラミ(Pediculus humanus capitis De Geer)、アタマジラミ(Pediculus humanus Linnaeus)、ニワトリハジラミ(Menacanthus stramineus Nitszch)、イヌハジラミ(Trichodectes canis De Geer)、フラッフラウス(fluff louse)(Goniocotes gallinae De Geer)、ヒツジハジラミ(Bovicola ovis Schrank)、ウシジラミ(short-nosed cattle louse)(Haematopinus eurysternus Nitzsch)、ウシジラミ(long-nosed cattle louse)(Linognathus vituli Linnaeus)、ならびに人および動物を襲う他の吸血性および刺咬性寄生性シラミを含む昆虫有害生物;ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis Rothschild)、ネコノミ(Ctenocephalides felis Bouche)、イヌノミ(Ctenocephalides canis Curtis)、ニワトリノミ(Ceratophyllus gallinae Schrank)、ニワトリフトノミ(Echidnophaga gallinacea Westwood)、ヒトノミ(Pulex irritans Linnaeus)、ならびに哺乳動物および鳥類を苦しめる他のノミを含むノミ目の昆虫有害生物が挙げられる。カバーされる追加の節足動物有害生物としては:イトグモ(Loxosceles reclusa Gertsch & Mulaik)およびクロゴケグモ(Latrodectus mactans Fabricius)などのクモ目におけるクモ、ならびにイエムカデ(Scutigera coleoptrata Linnaeus)などの唇脚綱ゲジ目におけるムカデが挙げられる。
【0088】
貯蔵穀物の無脊椎有害生物の例としては、オオコナナガシンクイ(Prostephanus truncatus)、コナナガシンクイムシ(Rhyzopertha dominica)、ココクゾウムシ(Stiophilus oryzae)、トウモロコシゾウムシ(Stiophilus zeamais)、ヨツモンマメゾウムシ(Callosobruchus maculatus)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、オサゾウムシ(Stiophilus granarius)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、スジコナマダラメイガ(Ephestia kuhniella)、およびカクムネヒラタムシまたはサビカクムネヒラタムシ(Cryptolestis ferrugineus)が挙げられる。
【0089】
本発明の化合物はまた、特に限定されないが、経済的に重要な農学上の有害生物(すなわち、ネコブセンチュウ属における根こぶ線虫、ネグサレセンチュウ属における根ぐされ線虫、ユミハリセンチュウ属におけるユミハリ線虫等)、ならびに動物および人間の健康を害する有害生物(すなわち、ウマにおける普通円虫(Strongylus vulgaris)、イヌにおける犬回虫(Toxocara canis)、ヒツジにおける捻転胃虫(Haemonchus contortus)、イヌにおける犬糸状虫(Dirofilaria immitis Leidy)、ウマにおける葉状条虫(Anoplocephala perfoliata)、反芻動物における肝蛭虫(Fasciola hepatica Linnaeus)等などのすべての経済的に重要な吸虫、条虫および回虫)などの円虫目、回虫目、ギョウチュウ目、桿線虫目、旋尾線虫目、およびエノブルス目の経済的に重要なメンバーを含む線形動物、条虫網、吸虫網、および鉤頭虫門の分類のメンバーに活性を有する。
【0090】
本発明の化合物は、鱗翅目における有害生物(例えば、Alabama argillacea Huebner(ヤガの幼虫)、Archips argyrospila Walker(果樹ハマキムシ)、A.rosana Linnaeus(セイヨウハマキ)および他のカクモンハマキ種、Chilo suppressalis Walker(ニカメイチュウ)、Cnaphalocrosis medinalis Guenee(コブノメイガ)、Crambus caliginosellus Clemens(ウスギンツトガ)、Crambus teterrellus Zincken(シバツトガ)、Cydia pomonella Linnaeus(コドリンガ)、Earias insulana Boisduval(ミスジアオリンガ)、Earias vittella Fabricius(クサオビリンガ)、Helicoverpa armigera Huebner(オオタバコガ(American bollworm))、Helicoverpa zea Boddie(オオタバコガ(corn earworm))、Heliothis virescens Fabricius(オオタバコガ(タバコ芽を食害する害中))、Herpetogramma licarsisalis Walker(ソッドウェブワーム)、Lobesia botrana Denis & Schiffermueller(ホソバヒメハマキ)、Pectinophora gossypiella Saunders(ワタアカミムシガ)、Phyllocnistis citrella Stainton(ミカンコハモグリ)、Pieris brassicae Linnaeus(大型のモンシロチョウ)、Pieris rapae Linnaeus(小型のモンシロチョウ)、Plutella xylostella Linnaeus(コナガ)、Spodoptera exigua Huebner(シロイチモジヨトウ)、Spodoptera litura Fabricius(ハスモンヨトウ(tobacco cutworm、cluster caterpillar))、Spodoptera frugiperda J.E.Smith(ツマジロクサヨトウ)、Trichoplusia ni Huebner(イラクサキンウワバ)、およびTuta absoluta Meyrick(キバガの1種))に対して特に高い活性を示す。
【0091】
本発明の化合物はまた:Acyrthosiphon pisum Harris(エンドウヒゲナガアブラムシ)、Aphis craccivora Koch(マメアブラムシ)、Aphis fabae Scopoli(マメクロアブラムシ)、Aphis gossypii Glover(ワタアブラムシ)、Aphis pomi De Geer(リンゴアブラムシ)、Aphis spiraecola Patch(ユキヤナギアブラムシ)、Aulacorthum solani Kaltenbach(ジャガイモヒゲナガアブラムシ)、Chaetosiphon fragaefolii Cockerell(イチゴケナガアブラムシ)、Diuraphis noxia Kurdjumov/Mordvilko(ロシアコムギアブラムシ)、Dysaphis plantaginea Paaserini(バラリンゴアブラムシ)、Eriosoma lanigerum Hausmann(リンゴワタムシ)、Hyalopterus pruni Geoffroy(モモコフキアブラムシ)、Lipaphis erysimi Kaltenbach(ニセダイコンアブラムシ)、Metopolophium dirrhodum Walker(穀類につくアブラムシ)、Macrosiphum euphorbiae Thomas(チューリップヒゲナガアブラムシ)、Myzus persicae Sulzer(モモアカアブラムシ)、Nasonovia ribisnigri Mosley(レタスアブラムシ)、Pemphigus spp.(コブアブラムシ(root aphidsおよびgall aphids))、Rhopalosiphum maidis Fitch(トウモロコシアブラムシ)、Rhopalosiphum padi Linnaeus(ムギクビレアブラムシ)、Schizaphis graminum Rondani(ムギミドリアブラムシ)、Sitobion avenae Fabricius(ムギヒゲナガアブラムシ)、Therioaphis maculata Buckton(マダラアルファルファアブラムシ)、Toxoptera aurantii Boyer de Fonscolombe(コミカンアブラムシ)、およびToxoptera citricida Kirkaldy(ミカンクロアブラムシ);Adelges spp.(カサアブラムシ);Phylloxera devastatrix Pergande(ペカンネアブラムシ);Bemisia tabaci Gennadius(タバココナジラミ)、Bemisia argentifolii Bellows & Perring(シルバーリーフコナジラミ)、Dialeurodes citri Ashmead(ミカンコナジラミ)およびTrialeurodes vaporariorum Westwood(オンシツコナジラミ);Empoasca fabae Harris(ジャガイモヒゲヨコバイ)、Laodelphax striatellus Fallen(ヒメトビウンカ)、Macrolestes quadrilineatus Forbes(フタテンヨコバイ)、Nephotettix cinticeps Uhler(ツマグロヨコバイ)、Nephotettix nigropictus Stael(クロスジツマグロヨコバイ)、NilapaRvata lugens Stael(トビイロウンカ)、Peregrinus maidis Ashmead(トウモロコシウンカ)、Sogatella furcifera HoRvath(セジロウンカ)、Sogatodes orizicola Muir(イネウンカ)、Typhlocyba pomaria McAtee シロリンゴヨコバイ、Erythroneoura spp.(チマダラヒメヨコバイ);Magicidada septendecim Linnaeus(十七年ゼミ);Icerya purchasi Maskell(イセリアカイガラムシ)、Quadraspidiotus perniciosus Comstock(サンホゼカイガラムシ);Planococcus citri Risso(ミカンコナカイガラムシ);Pseudococcus spp.(他のコナカイガラムシ);Cacopsylla pyricola Foerster(ヨーロッパナシキジラミ)、Trioza diospyri Ashmead(カキキジラミ)を含む同翅目からのメンバーに顕著な活性を有する。
【0092】
本発明の化合物はまた:Acrosternum hilare Say(アオクサカメムシ)、Anasa tristis De Geer(ヘリカメムシの1種)、Blissus leucopterus leucopterus Say(コバネナガカメムシの1種)、Cimex lectularius Linnaeus(トコジラミ)、Corythuca gossypii Fabricius(コットンレースバグ)、Cyrtopeltis modesta Distant(トマトバグ)、Dysdercus suturellus Herrich-Schaeffer(ホシカメムシ)、Euchistus seRvus Say(茶色のカメムシの1種)、Euchistus variolarius Palisot de Beauvois(イッテンカメムシ)、Graptosthetus spp.(ヒメマダラカメムシ)、クサギカメムシ(brown marmorated stink bug)(Halymorpha halys Stal)、Leptoglossus corculus Say(マツノミヘリカメムシ)、Lygus lineolaris Palisot de Beauvois(ミドリヘリカメムシ)、Nezara viridula Linnaeus(ミナミアオカメムシ)、Oebalus pugnax Fabricius(イネカメムシ)、Oncopeltus fasciatus Dallas(ナガカメムシの1種)、Pseudatomoscelis seriatus Reuter(ワタノミハムシ)を含む半翅目からのメンバーに活性を有し得る。本発明の化合物によって防除される他の昆虫目としては、総翅目(例えば、Frankliniella occidentalis Pergande(ミカンキイロアザミウマ)、Scirthothrips citri Moulton(ミカンアザミウマ)、Sericothrips variabilis Beach(ダイズアザミウマ)、およびThrips tabaci Lindeman(ネギアザミウマ);ならびに鞘翅目(例えば、Leptinotarsa decemlineata Say(コロラドハムシ)、Epilachna varivestis Mulsant(インゲンテントウ)、およびアグリオテス属(Agriotes)、アトウス属(Athous)またはリモニウム属のハリガネムシ)が挙げられる。
【0093】
幾つかの現代の分類システムでは、同翅目は半翅目の亜目とされていることに注目すべきである。
【0094】
注目すべきは、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)を防除するための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、ジャガイモヒゲヨコバイ(Empoasca fabae)を防除するための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)を防除するための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)を防除するための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、ワタコナジラミ(sweetpotato whitefly)(Bemisia tabaci)を防除するための本発明の化合物の使用である。
【0095】
本発明の化合物はまた、作物植物の成長力を高めるために有用である。この方法は、作物植物(例えば、群葉、花、果実または根)または作物植物が発育する種子を、所望の植物の成長力に係る効果を達成するために十分な量(すなわち、生物学的有効量)の化合物1または式2の化合物を接触させるステップを含む。典型的には、化合物1または式2の化合物は、配合組成物で適用される。化合物1または式2の化合物は、多くの場合、直接、作物植物またはその種子に適用されるが、作物植物が生育している場所、すなわち、作物植物の環境であって、特に作物植物への化合物1または式2の化合物の移動が可能となるのに十分近接した環境の一部にも適用することができる。この方法に関連する場所は、最も一般的には、栽培培地(すなわち、植物に栄養分を提供する培地)、典型的には植物が栽培されている土壌を含む。作物植物の成長力を高めるための作物植物の処理は、それ故、作物植物、作物植物が発育する種子、または作物植物が生育している場所を、生物学的有効量の化合物1または式2の化合物を接触させるステップを含む。
【0096】
高められた作物成長力は、1つまたはそれ以上の、以下の観察される効果をもたらすことができる:(a)優れた種子発芽、作物の出芽、および作物の株立本数により実証される最適な作物の株立ち;(b)速く強い葉の成長(例えば、葉面積指数によって計測される)、草高、株分け数(例えば、イネ)、根の質量、および作物の繁殖質量の全乾燥重量によって実証される増強された作物の成長;(c)開花にかかる時間、開花期間、花の数、バイオマス蓄積の合計(すなわち収穫高)、および/または農産物の市場性に係る果実もしくは穀粒グレード(すなわち収穫品質)によって実証される向上した作物収量;(d)植物病害の感染、および節足動物、線虫または有害軟体動物による外寄生に耐える、もしくは、これらを予防する作物の能力の増強;ならびに(e)極度な熱、最適下限水分または植物毒性化学物質への露出などの環境ストレスに耐える作物の能力の向上。
【0097】
本発明の化合物は、植物の環境中の植食性無脊椎有害生物を殺傷またはそうでなければ採食を妨げることにより、未処理の植物と比して処理された植物の成長力を高めることが可能である。植食性無脊椎有害生物のこのような防除が不在の場合、有害生物は、植物組織もしくは汁液を摂食することにより、またはウイルスなどの植物病原体を伝染させることにより植物の成長力を低減させてしまう。植食性無脊椎有害生物が不在の場合でも、本発明の化合物は、植物の代謝を改変することにより植物の成長力を高め得る。一般に、作物植物の成長力は、植物が、理想的ではない環境、すなわち、植物が理想的な環境において示すと予想される遺伝学的な可能性を十分達成するのに不都合な態様を1つ以上含む環境において栽培されている場合に、この植物を本発明の化合物で処理することにより最も顕著に高められることとなる。
【0098】
注目すべきは、植食性無脊椎有害生物が存在している環境において作物植物が栽培される作物植物の成長力を高める方法である。また、注目すべきは、植食性無脊椎有害生物が存在していない環境において作物植物が栽培される作物植物の成長力を高める方法である。また、注目すべきは、作物植物の生育を支えるのに理想的な量よりも水分が少ない環境において作物植物が栽培される、作物植物の成長力を高める方法である。注目すべきは、作物がイネである作物植物の成長力を高める方法である。また、注目すべきは、作物がトウモロコシ(コーン)である作物植物の成長力を高める方法である。また、注目すべきは、作物がダイズである作物植物の成長力を高める方法である。
【0099】
本発明の化合物はまた、殺虫剤、抗真菌剤、抗線虫薬、殺菌剤、殺ダニ剤、除草剤、除草剤毒性緩和剤、昆虫脱皮阻害剤および発根促進剤などの成長調整剤、不妊化剤、信号化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激物質、他の生体活性化合物または昆虫病原性細菌、ウイルスまたは真菌を含む他の生体活性化合物または薬剤の1種以上と混合されて多成分有害生物農薬を形成し、さらに広い範囲の農学的および非農学的実用性をもたらすことが可能である。それ故、本発明はまた、生物学的有効量の化合物1または式2の化合物と、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分と、少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤とを含む組成物に関する。本発明の混合物について、他の生体活性化合物もしくは薬剤は、化合物1もしくは式2の化合物を含む本化合物と一緒に配合されて予混合物を形成することが可能であり、または他の生体活性化合物もしくは薬剤は、化合物1もしくは式2の化合物を含む本化合物とは個別に配合されて、これら2種の配合物を適用の前に一緒に組み合わせること(例えば、噴霧タンク中で)、あるいは、逐次的に適用することが可能である。
【0100】
本発明の化合物を配合することが可能であるこのような生体活性化合物または薬剤の例は、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン([(3S,4R,4aR,6S,6aS,12R,12aS,12bS)-3-[(シクロプロピルカルボニル)オキシ]-1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b-デカヒドロ-6,12-ジヒドロキシ-4,6a,12b-トリメチル-11-オキソ-9-(3-ピリジニル)-2H,11H-ナフト[2,1-b]ピラノ[3,4-e]ピラン-4-イル]メチルシクロプロパンカルボキシラート)、アミドフルメト、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス-メチル、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ホウ酸塩、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾール、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアントラニリプロール(3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、シクラニリプロール(3-ブロモ-N-[2-ブロモ-4-クロロ-6-[[(1-シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、シクロプロトリン、シクロキサプリド((5S,8R)-1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2,3,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-9-ニトロ-5,8-エポキシ-1H-イミダゾ[1,2-a]アゼピン)、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ディルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメヒポ、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、酸化フェンブタスズ、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン(2-エチル-3,7-ジメチル-6-[4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-4-キノリニルメチルカルボナート)、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン(メチル(αE)-2-[[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセタート)、フルフェノスルホン(5-クロロ-2-[(3,4,4-トリフルオロ-3-ブテン-1-イル)スルホニル]チアゾール)、フルヘキサホン、フルオピラム、フルピロール(1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)アミノ]-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル)、フルピラジフロン(4-[[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル](2,2-ジフルオロエチル)アミノ]-2(5H)-フラノン)、フルバリネート、τ-フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホスチアゼート、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル2,2-ジメチル-3-[(1Z)-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]シクロプロパンカルボキシラート)、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫性石鹸、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル(1R,3S)-3-(2,2-ジクロロエテニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート)、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトフルトリン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノクロトホス、モノフルオロトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル3-(2-シアノ-1-プロペン-1-イル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート)、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、パラチオン、パラチオン-メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ピリミカルブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルギット、プロトリフェンブト、ピフロブミド(1,3,5-トリメチル-N-(2-メチル-1-オキソプロピル)-N-[3-(2-メチルプロピル)-4-[2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン(メチル(αE)-2-[[[2-[(2,4-ジクロロフェニル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-4-ピリミジニル]オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼンアセタート)、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルオフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロル(N-[メチルオキシド[1-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]エチル]-λ4-スルファニリデン]シアナミド)、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート)、テトラニリプロール、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、チオキサザフェン(3-フェニル-5-(2-チエニル)-1,2,4-オキサジアゾール)、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン、トリフルメゾピリム(2,4-ジオキソ-1-(5-ピリミジニルメチル)-3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシスのデルタエンドトキシン、昆虫病原性細菌、昆虫病原性ウイルス、および昆虫病原性菌などの殺虫剤である。
【0101】
注目すべきは、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ディルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルフェンスルホン、フルピプロール、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノフルオロトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフロブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシスのデルタエンドトキシンのすべての株および核多角体病ウイルスのすべての株などの殺虫剤である。
【0102】
本発明の化合物と混合されるための生物学剤の一実施形態としては、CellCap(登録商標)プロセス(CellCap(登録商標)、MVP(登録商標)およびMVPII(登録商標)は、Mycogen Corporation,Indianapolis,Indiana,USA商標である)により製造されるMVP(登録商標)およびMVPII(登録商標)昆虫農薬などのバチルス・チューリンゲンシスおよびバチルス・チューリンゲンシスの被包性デルタエンドトキシンなどの昆虫病原性細菌;黒きょう病真菌類などの昆虫病原性菌;ならびにバキュロウイルス、アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)核多角体病ウイルス(HzNPV)などの核多角体病ウイルス(NPV)、アナグラパ・ファルキフェラ(Anagrapha falcifera)核多角体病ウイルス(AfNPV)などの昆虫病原性ウイルス(天然と遺伝子組み換えのものの両方);ならびにコドリンガ(キュディア・ポモネッラ(Cydia pomonella))グラニュローシスウイルス(CpGV)などのグラニュローシスウイルス(GV)が挙げられる。
【0103】
本発明の化合物と混合されるための生物学剤の別の実施形態としては、(i)以下の属:アクチノミセテス(Actinomycetes)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)、アルトロバクター(Arthrobacter)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、アウレオバクテリウム(Aureobacterium)、アゾバクター(Azobacter)、バチルス(Bacillus)、ベイジェリンキア(Beijerinckia)、ブラディリゾビウム(Bradyrhizobium)、ブレビバチルス(Brevibacillus)、ブルクホリデリア(Burkholderia)、クロモバクテリウム(Chromobacterium)、クロストリジウム(Clostridium)、クラビバクター(Clavibacter)、コマモナス(Comamonas)、コリネバクテリア(Corynebacterium)、クルトバクテリウム(Curtobacterium)、エンテロバクター(Enterobacter)、フラボバクテリウム(Flavobacterium)、グルコノバクター(Gluconobacter)、ヒドロゲノパガ(Hydrogenophaga)、クレブシェラ(Klebsiella)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、パエニバチルス(Paenibacillus)、パスツリア(Pasteuria)、フォトラブダス(Photorhabdus)、フィロバクテリウム(Phyllobacterium)、シュードモナス(Pseudomonas)、リゾビウム(Rhizobium)、セラティア(Serratia)、スフィンゴバクテリウム(Sphingobacterium)、ステノトロポモナス(Stenotrophomonas)、ストレプトマイセズ(Streptomyces)、バリオボラックス(Variovorax)またはゼノラブダス(Xenorhabdus)、例えばバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バキッルス・ケレウス(Bacillus cereus)、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、バシルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、ブラジリリゾビウム・ジャポニクム(Bradyrhizobium japonicum)、クロモバクテリウム・スブツガエ(Chromobacterium subtsugae)、パスツリア・ニシザワエ(Pasteuria nishizawae)、パスツリア・ペネトランス(Pasteuria penetrans)、パスツリア・ウサゲ(Pasteuria usage)、シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)、およびストレプトマイセス・リュディクス(Streptomyces lydicus)の細菌;(ii) 黒きょう病真菌類などの菌;(iii) バキュロウイルス、ヘリコベルパ・ゼア(Helicoverpa zea)核多角体病ウイルス、アナグラパ・ファルキフェラ(Anagrapha falcifera)核多角体病ウイルスなどの核多角体病ウイルスを含むウイルス;キュディア・ポモネッラ(Cydia pomonella)顆粒症ウイルスなどの顆粒症ウイルスを含むウイルスの1つまたは組合せを含む。
【0104】
特に注目すべきは、他の無脊椎有害生物防除活性成分が、異なる化学群に属しているか、または化合物1もしくは式2の化合物とは異なる作用部位を有しているような組合せである。一定の事例において、同様の防除範囲を有するが、異なる作用部位を有する少なくとも1種の他の無脊椎有害生物防除活性成分との組合せが耐性管理に関して特に有利であろう。それ故、本発明の組成物は、同様の防除範囲を有しているが、異なる化学的分類に属しているか、または異なる作用部位を有する生物学的有効量の少なくとも1種の追加の無脊椎有害生物防除活性成分をさらに含んでいることが可能である。これらの追加の生物学的活性化合物または薬剤としては、カルバマートメソミル、オキサミル、チオジカルブ、トリアザマート、およびオルガノホスホナートクロルピリホスなどのアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬;シクロジエンジエルドリンおよびエンドスルファン、ならびにフェニルピラゾールエチプロールおよびフィプロニルなどのGABA依存性塩素チャネルアンタゴニスト;ピレスロイドビフェントリン、シフルトリン、ベータシフルトリン、シハロトリン、ラムダシハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、ジメフルトリン、エスファンバレレート、メトフルトリンおよびプロフルトリンなどのナトリウムチャネル調整薬;ネオニコチノイドアセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、チアメトキサムおよびスルホキサフロルなどのニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アゴニスト;スピノシン、スピネトラムおよびスピノサドなどのニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アロステリック活性化剤;アベルメクチン、アバメクチンおよびエマメクチンなどの塩素チャネル活性化剤;ジオフェノラン、メトプレン、フェノキシカルブおよびピリプロキシフェンなどの幼若ホルモン擬態;ピメトロジンおよびフロニカミドなどの選択的な同翅類給餌遮断薬;エトキサゾールなどのダニ成長抑制剤;プロパルギットなどのミトコンドリアATP合成酵素阻害薬;クロルフェナピルなどの陽子勾配の破壊による酸化的リン酸化の脱共役剤;ネレイストキシン類似体カルタップなどのニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)チャネル遮断薬;ベンゾイルウレア、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロンおよびトリフルムロン、ならびにブプロフェジンなどのキチン生合成阻害薬;シロマジンなどの双翅目脱皮撹乱物質;ジアシルヒドラジンメトキシフェノジドおよびテブフェノジドなどのエクジソン受容体アゴニスト;アミトラズなどのオクトパミン受容体アゴニスト(;ヒドラメチルノンなどのミトコンドリア複合体III電子輸送阻害薬;ピリダベンなどのミトコンドリア複合体I電子輸送阻害薬;インドキサカルブなどの電圧依存性ナトリウムチャネル遮断薬;テトロン酸とおよびレトラミン酸、スピロジクロフェン、スピロメシフェンおよびスピロテトラマトなどのアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害薬;β-ケトニトリル、シエノピラフェンおよびシフルメトフェンなどのミトコンドリア複合体II電子輸送阻害薬;アントラニル酸ジアミドクロラントラニリプロール、シアントラニリプロールおよびシアントラニリプロール、フルベンジアミドなどのジアミド、およびリアノジンなどのリアノジン受容体配位子などのリアノジン受容体調整薬;アザジラクチン、ビフェナゼート、ピリダリル、ピリフルキナゾンおよびトリフルメゾピリムなどの生物学的活性の原因である標的位置が不明または特定されていない化合物;バチルス・チューリンゲンシスおよびそれが産生するデルタエンドトキシン、バチルス・スフェリカス(Bacillus sphaericus)などの昆虫中腸膜の菌撹乱物質;ならびに核多角体病ウイルス(NPV)および他の天然に存在するまたは遺伝子組み換えの殺虫性ウイルスを含む生物学的因子を含むがこれらに限定されない。
【0105】
本発明の化合物と配合可能である生物学的に活性な化合物もしくは薬剤のさらなる例は:アシベンゾラル-S-メチル、アルジモルフ、アメトクラジン、アミスルブロム、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル(ベナラキシルMを含む)、ベノダニル、ベノミル、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、ビノミアル、ビフェニル、ビテルタノール、ブラストサイジン-S、ボルドー混合物(三塩基性硫酸銅)、ボスカリド/ニコビフェン、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、カルボキシン、カルプロパミド、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、水酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、クモキシストロビン、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロフルアニド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェンコナゾール、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール(ジニコナゾールMを含む)、ジノカップ、ジチアノン、ドデモルフ、ドジン、エコナゾール、エタコナゾール、エディフェンホス、エノキサストロビン(エネストロブリンとしても知られる)、エポキシコナゾール、エタボキサム、エチリモール、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナミストロビン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、酢酸フェンチン、フェンチン水酸化物、フェルバム、フェリムゾン、フロメトキン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルフェノキシストロビン、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペット、フサライド(フタリドとしても知られる)、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、グアザチン、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、イオジカルブ、イプコナゾール、イソフェタミド、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソコナゾール、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、マンジプロパミド、マンデストロビン、マンネブ、マパニピリン、メプロニル、メプチルジノカップ、メタラキシル(メタラキシルM/メフェノキサムを含む)、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミクロブタニル、ナフチチン、ネオアソジン(メタンアルソン酸第二鉄)、ヌアリモル、オクチリノン、オフラセ、オリザストロビン、オキサジキシル、オキサピプロリン、オキソリン酸、オキシポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ペルフラゾエート、亜リン酸(その塩、例えばホセチルアルミウムを含む)、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブタカルブ、ピリフェノックス、ピリオフェノン、ペリスオキサゾール、ピリメタニル、ピリフェノックス、ピロールニトリン、ピロキロン、キンコナゾール、キンメチオナート、キノキシフェン、キントゼン、シルチオファム、セダキサン、シメコナゾール、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テブフロキン、テクロフタラム(teclofthalam)、テクロフタラム(tecloftalam)、テクナゼン、テルビナフィン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート、チオファネートメチル、チラム、チアジニル、トルクロホス-メチル、トルプロカルブ、トリフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアリモル、トリアゾキシド、三塩基性硫酸銅、トリクロピリカルブ、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリモプルハミド(trimoprhamide)、トリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリホリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、バリダマイシン、バリフェナレート(バリフェナールとしても知られる)、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミドおよび1-[4-[4-[5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノンなどの抗真菌剤;フルオピラム、スピロテトラマト、チオジカルブ、ホスチアゼート、アバメクチン、イプロジオン、フルエンスルホン、ジメチルジスルフィド、チオキサザフェン、1,3-ジクロロプロペン(1,3-D)、メタム(ナトリウムおよびカリウム)、ダゾメット、クロロピクリン、フェナミホス、エトプロホス、カズサホス、テルブホス、イミシアホス、オキサミル、カルボフラン、チオキサザフェン、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)およびパスツリア・ニシザワエ(Pasteuria nishizawae);などの抗線虫薬;ストレプトマイシンなどの殺菌剤;アミトラズ、キノメチオナト、クロロベンジラート、シヘキサチン、ジコホル、ジエノクロル、エトキサゾール、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、ヘキシチアゾクス、プロパルギット、ピリダベンおよびテブフェンピラドなどの殺ダニ剤である。
【0106】
特定の事例において、本発明の化合物と、他の生物学的活性(特に、無脊椎有害生物防除)化合物または薬剤(すなわち、活性成分)との組合せは、相加的を超える(すなわち、相乗的)効果をもたらすことができる。効果的な有害生物の防除を確保しつつ、環境中に放出される活性成分の量を低減することは常に望ましい。無脊椎有害生物防除活性成分の相乗作用が農学的に満足できる水準の無脊椎有害生物防除をもたらす施用量で生じる場合、このような組合せは、作物の生産コストの削減、および環境負荷の低減を有利にすることができる。
【0107】
本発明の化合物およびその組成物は、遺伝子形質転換された植物に適用して、無脊椎有害生物に有害なタンパク質(バチルス・チューリンゲンシスのデルタエンドトキシンなど)を発現させることができる。このような適用は、より広い範囲の植物保護をもたらし、耐性管理のために有利であり得る。外因的に適用された本発明の無脊椎有害生物防除化合物の効果は発現された毒素タンパク質と相乗的であり得る。
【0108】
これらの農業の保護剤(すなわち、殺虫剤、抗真菌剤、抗線虫薬、殺ダニ剤、除草剤および生物学剤)のための一般的な文献としては、The Pesticide Manual、第13版、C.D.S.Tomlin編、British Crop Protection Council、Farnham、Surrey、U.K.、2003年、およびThe BioPesticide Manual、第2版、L.G.Copping編、British Crop Protection Council、Farnham,Surrey、U.K.、2001年が挙げられる。
【0109】
無脊椎有害生物は、本発明の化合物の1つまたはそれ以上を、典型的には組成物の形態で、農学的および/または非農学的寄生場所を含む有害生物の環境に、保護されるべき領域に、または防除されるべき有害生物に直接に、生物学的有効量で適用することにより農学的用途および非農学的用途において防除される。
【0110】
したがって、本発明は、農学的用途および/または非農学的用途における無脊椎有害生物を防除する方法であって、無脊椎有害生物もしくはその環境に、1つまたはそれ以上の本発明の化合物、または少なくとも1種のこのような化合物を含む組成物、または少なくとも1種のこのような化合物と生物学的有効量の少なくとも1種の追加の生物学的活性化合物または薬剤とを含む組成物を、生物学的有効量で接触させるステップを含む方法を含む。本発明の化合物と生物学的有効量の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤の少なくとも1種とを含む好適な組成物の例としては、追加の活性化合物が、本発明の化合物と同一の顆粒上に存在しているか、または本発明の化合物のものとは別の顆粒上に存在している顆粒状組成物が挙げられる。
【0111】
本発明の化合物または組成物との接触を達成して農作物を無脊椎有害生物から保護するために、本化合物または組成物は、典型的には、植栽前の作物の種子に、作物植物の群葉(例えば、葉、茎、花、果実)に、または作物が植栽される前または後に土壌もしくは他の栽培媒地に適用される。
【0112】
接触方法の一実施形態は吹付けによるものである。代替として、本発明の化合物を含む顆粒状組成物を植物群葉または土壌に適用することができる。本発明の化合物はまた、植物を、液体配合物の土壌潅注、土壌への顆粒状配合物、苗床箱処理、または移植体の浸漬として適用された本発明の化合物を含む組成物と接触させることによる植物の摂取を介して効果的に送達させることができる。注目すべきは、土壌潅注液体配合物の形態の本発明の組成物である。また、注目すべきは、無脊椎有害生物を防除する方法であって、無脊椎有害生物またはその環境を、生物学的有効量の本発明の化合物、または生物学的有効量の本発明の化合物を含む組成物と接触させる工程を含む方法である。さらに注目すべきは、環境が土壌であり、組成物が土壌に土壌潅注配合物として適用されるこの方法である。さらに注目すべきは、本発明の化合物が侵襲位置への局所的な適用によって効果的でもあることである。他の接触方法は、直接および残存噴霧、空中噴霧、ゲル、種子粉衣、マイクロカプセル化、浸透摂取、餌、標、ボーラス、噴霧器、燻蒸器、エアロゾル、粉剤および他の多くによる本発明の化合物または組成物の適用を含む。接触方法の一実施形態は、本発明の化合物または組成物を含む寸法的に安定な肥料顆粒、棒または錠剤である。本発明の化合物はまた、無脊椎生物防除デバイス(例えば、昆虫ネット)の構成用材料に含浸されることが可能である。
【0113】
本発明の化合物は、植物、植物の一部および種子をすべて処理するのに有用である。植物および種子の多様性ならびに栽培品種は、従来の繁殖および育種方法、または遺伝子工学の方法によって得ることができる。遺伝子組み換えの植物または種子(遺伝子導入された植物または種子)は、異種遺伝子(導入遺伝子)が植物または種子のゲノムに安定して組み込まれたものである。植物ゲノム中の特別の位置によって規定される導入遺伝子は、形質転換または遺伝子組み換えの事象と呼ばれる。
【0114】
本発明に従って処理することができる遺伝子組み換えの植物および種子の栽培品種は、1つまたはそれ以上の生存ストレス(有害生物、例えば線虫、虫、ダニ、真菌類など)または環境ストレス(干ばつ、低温温度、土壌塩分など)に対して耐性であるもの、または他の望ましい特性を有するものを含む。植物および種子は、遺伝子組み換えして例えば、耐除草剤性、耐虫性、改質油プロフィールまたは耐干ばつ性の形質を示すことができる。
【0115】
本発明の化合物を用いる、遺伝子組み換えの植物および種子の処理は、超相加的または相乗的効果をもたらすことができる。例えば、施用量の削減、活性範囲の拡大、生存/環境ストレスに対する許容量耐性の増加、または貯蔵安定性の向上は、遺伝子組み換えの植物および種子に対する、本発明の化合物を適用する単純な相加的効果から予想されるより大きい可能性がある。
【0116】
本発明の化合物はまた、種子を無脊椎有害生物から保護するための種子処理において有用である。本開示の文脈および特許請求の範囲において、種子を処理する工程とは、種子を、典型的には本発明の組成物として配合されている本発明の化合物と生物学的有効量で接触させる工程を意味する。この種子処理は、種子を無脊椎生物土壌有害生物から保護すると共に、一般に、発芽種子から生育する実生の土壌に接触している根および他の植物部位をも保護することが可能である。種子処理はまた、本発明の化合物または第2の活性成分の転流により、生育している植物における群葉の保護をも提供し得る。種子処理は、遺伝的に形質転化されて特別な形質を発現する植物が発芽することとなるものを含むすべてのタイプの種子に適用可能である。代表的な例としては、バチルス・チューリンゲンシスの毒素などの無脊椎有害生物に有害なタンパク質を発現するもの、またはグリホサートに対する耐性をもたらす、グリホサートアセチルトランスフェラーゼなどの除草抵抗性を発現するものが挙げられる。本発明の化合物での種子処理もまた種子から栽培される植物の成長力を高めることが可能である。
【0117】
種子処理の1つの方法は、種子を播種する前の、本発明の化合物(すなわち配合組成物として)の種子への噴霧または散粉である。種子処理用に配合された組成物は、一般に、フィルム形成剤または接着剤を含む。したがって、典型的には、本発明の種皮粉衣組成物は、生物学的有効量の化合物1または式2の化合物と、フィルム形成剤または接着剤とを含む。種子は、流動性の懸濁濃縮物を種子の転回床に直接的に噴霧し、次いで、種子を乾燥させることによりコーティングすることが可能である。あるいは、湿潤化された粉末、溶液、サスポエマルジョン、乳化性濃縮物および水中エマルジョンなどの他のタイプの配合物を種子に噴霧することが可能である。このプロセスは、フィルムコーティングを種子に適用するために特に有用である。種々のコーティング機およびプロセスが当業者に利用可能である。好適なプロセスとしては、P.Kostersら、Seed Treatment:Progress and Prospects、1994 BCPC Mongraph 第57号、および引用されている文献に列挙されているものが挙げられる。
【0118】
化合物1または式2の化合物およびその組成物は、単独、ならびに他の殺虫剤、殺線虫剤および抗真菌剤との組合せの両方で、トウモロコシまたはコーン、ダイズ、綿、穀類(例えば、コムギ、カラスムギ、オオムギ、ライ麦およびイネ)、ジャガイモ、野菜およびアブラナを含むがこれらに限定されない作物のための種子処理に特に有用である。
【0119】
化合物1または式2の化合物と配合されて種子処理に有用な混合物を提供することが可能である他の殺虫剤としては、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンサルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ディルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルフェノクスロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メタフルミゾン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシスのデルタエンドトキシン、すべての株のバチルス・チューリンゲンシスおよびすべての株の核多角体病ウイルスが挙げられる。
【0120】
化合物1または式2の化合物と配合されて種子処理に有用な混合物を提供することが可能である抗真菌剤としては、アミスルブロム、アゾキシストロビン、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、シモキサニル、シプロコナゾール、ジフェンコナゾール、ジメトモルフ、フルアジナム、フルジオキソニル、フルキンコナゾール、フルオピコリド、フルオキサストロビン、フルトリアホール、フルキサピロキサド、イプコナゾール、イプロジオン、メタラキシル、メフェノキサム、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンフルフェン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、セダキサン、シルチオファム、テブコナゾール、チアベンダゾール、チオファネート-メチル、チラム、トリフロキシストロビンおよびトリチコナゾールが挙げられる。
【0121】
種子処理のために有用な化合物1または式2の化合物を含む組成物は、植物の病原菌またはバクテリアの悪影響および/または線虫などの土壌棲息動物から保護する能力を有するバクテリアおよび真菌類をさらに含むことができる。線虫駆除特性を示すバクテリアは、バチルス・フィルムス、バチルス・ケレウス(Bacillus cereus)、バチルス・スプティリス(Bacillius subtiliis)およびパスツリア・ペネトランス(Pasteuria penetrans)を含むがこれらに限定することはできない。適切なバチルス・フィルムス株は、BioNem(商標)として市販されている株CNCM I-1582(GB-126)である。適切なバチルス・ケレウス株は株NCMM I-1592である。両バチルス株は米国特許第6,406,690号明細書に開示されている。線虫駆除活性を示す他の適切なバクテリアは、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)IN937aおよびB.ケレウス株GB03である。殺カビ性を示すバクテリアは、B.プミルス(B.pumilus)株GB34を含むがこれらに限定することはできない。線虫駆除特性を示す菌種は、ミュロテキウム・ウェッルカリア(Myrothecium verrucaria)、パエキロミュケス・リラキヌス(Paecilomyces lilacinus)およびプルプレオシリウム・リラシヌム(Purpureocillium lilacinum)を含むがこれらに限定することはできない。
【0122】
種子処理はまた、エルウィニア・アミロボーラ(Erwinia amylovora)などの特定のバクテリアの植物病原体から単離されるハーピンと呼ばれるエリシタータンパク質の天然起源の、1つまたはそれ以上の線虫駆除剤を含むことができる。例としては、N-Hibit(商標)Gold CSTとして利用可能なハーピン-N-Tek種子処理技術がある。
【0123】
種子処理はまた、ミクロ共生の窒素固定細菌ブラディリゾビウム・ジャポニクム(Bradyrhizobium japonicum)などの、1つまたはそれ以上の豆科植物根粒バクテリアの種を含むことができる。これらの接種物は、場合により、1つまたはそれ以上のリポ-キトオリゴ糖(LCO)を含むことができ、豆科植物の根で結節形成の開始中にリゾビウムバクテリアによって発生させる結節(Nod)因子である。例えば、Optimize(登録商標)商標の種子処理技術は、接種物と組み合わせたLCO Promoter Technology(商標)を組み込んでいる。
【0124】
種子処理はまた、菌根真菌類による根のコロニー形成のレベルを上げることができる、1つまたはそれ以上のイソフラボンを含むことができる。菌根真菌類は、水、硫酸塩、硝酸塩、リン酸および金属などの栄養素の根の取り込みを高めることにより植物成長を改善する。イソフラボンの例としては、ゲニステイン、ビオカニンA、ホルモノネチン、ダイゼイン、グリシテイン、ヘスペレチン、ナリンゲニンおよびプラテンセインを含むがこれらに限定されない。ホルモノネチンは、PHC Colonize(登録商標)AGなどの菌根接種製品中の活性成分として利用可能である。
【0125】
種子処理はまた、病原体による接触に続いて、植物における浸透による獲得耐性を誘発する、1つまたはそれ以上の植物活性化剤を含むことができる。そのような保護機構を誘発する植物活性化剤の例はアシベンゾラル-S-メチルである。
【0126】
被処理種子は、典型的には、本発明の化合物を、種子約0.1g~1kg/100kg(すなわち、処理前の種子の約0.0001~1重量%)の量で含む。種子処理用に配合された流動性懸濁液は、典型的には、約0.5~約70%の活性成分、約0.5~約30%のフィルム形成性接着剤、約0.5~約20%の分散剤、0~約5%の増粘剤、0~約5%の顔料および/または染料、0~約2%の消泡剤、0~約1%の防腐剤、ならびに0~約75%の揮発性液体希釈剤を含む。
【0127】
本発明の化合物は、無脊椎有害生物により摂取されるか、またはトラップなどのデバイス、餌場等において用いられる誘引組成物に組み合わせることができる。このような誘引組成物は、(a)活性成分、すなわち、生物学的有効量の化合物1または式2の化合物;(b)1つまたはそれ以上の食材;場合により(c)誘引剤、および場合により、(d)1つまたはそれ以上の湿潤剤を含む顆粒の形態とすることができる。注目すべきは、約0.001~5%の活性成分、約40~99%の食材および/または誘引剤;および場合により、約0.05~10%の湿潤剤を含み、極めて低い施用量であって、特に直接的な接触による致死量ではなく、摂食により致死量となる活性成分の投与量で有害無脊椎土壌生物の防除に効果的である顆粒または誘引組成物である。幾つかの食材は、食物源および誘引剤の両方として機能することができる。食材としては、炭水化物、タンパク質および脂質が挙げられる。食材の例は、植物粉、糖類、デンプン、動物脂肪、植物油、イースト菌抽出物および乳固形分である。誘引剤の例は、果実もしくは植物抽出物、芳香剤、あるいは他の動物もしくは植物成分、フェロモン、または標的無脊椎有害生物を誘引することが公知である他の薬剤などの匂い物質および香料である。湿潤剤、すなわち保水剤の例は、グリコールおよび他のポリオール、グリセリンおよびソルビトールである。注目すべきは、アリ、シロアリおよびゴキブリからなる群から選択される少なくとも1種の無脊椎有害生物の防除に用いられる誘引組成物(およびそのような誘引組成物を利用する方法)である。無脊椎有害生物を防除するためのデバイスは、本誘引組成物と、誘引組成物を収容するよう適応させた筐体とを含むことができ、ここで、この筐体は、無脊椎有害生物が筐体の外の位置から誘引組成物に接近することができるように、無脊椎有害生物が通過できる大きさの開口を少なくとも1つ有し、ならびに筐体は、無脊椎有害生物が活動する可能性がある場所もしくは既知の活動場所、またはその付近に配置されるようさらに適応させる。
【0128】
本発明の一実施形態は、有害無脊椎動物生物を防除する方法であって、本発明の駆除組成物(界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤と配合された化合物1もしくは式2の化合物、または化合物1もしくは式2の化合物と少なくとも1種の他の農薬の配合混合物)を、水で希釈し、場合により補助剤を添加して希釈組成物を形成する工程と、無脊椎有害生物またはその環境を、有効量の前記希釈組成物と接触させる工程とを含む方法に関する。
【0129】
本駆除組成物の十分な濃度を水で希釈することにより形成された噴霧組成物は、無脊椎有害生物を防除するための十分な効能を与えることができるが、別々に配合された補助剤生成物もタンク混合物を噴霧するために添加することができる。これらの追加の補助剤は、「噴霧補助剤」または「タンクミックス補助剤」として一般に知られ、農薬の成績を改善する、または噴霧混合物の物理的性質を変えるために噴霧タンク中に混合された任意の物質を含む。補助剤は、界面活性剤、乳化剤、石油系作物油、作物派生の種子油、酸性化剤、緩衝液、増粘剤または泡消し剤であってもよい。補助剤は、効能(例えば生物学的な利用可能性、接着、浸透、被覆率の均一性および保護の耐久力)を高め、または不適合性、発泡、ドリフト、蒸発、揮発および劣化と関連した噴霧施用問題を極小化するかなくすために用いられる。最適な成績を得るために、補助剤は、活性成分、配合物および標的(例えば作物、虫有害生物)の特性に関して選択される。
【0130】
噴霧補助剤のうち、作物油を含む油、作物油濃縮物、植物油濃縮物、およびメチル化種子油濃縮物は、最も一般的には、ことによるとより均一で均質な溶射皮膜の促進によって、農薬の効能を改善するために使用される。油または水と混和しない他の液体によって潜在的に引き起こされる植物毒性が重要である状況において、本発明の組成物から製造された噴霧組成物は一般に油性噴霧補助剤を含まない。しかし、油性噴霧補助剤によって引き起こされる植物毒性が業務上些細である状況においては、本組成物の組成物から製造される噴霧組成物はまた、油性噴霧補助剤を含むことができ、潜在的に無脊椎有害生物の防除ならびに雨堅牢度をさらに上げることができる。
【0131】
「作物油」として一般に特定される製品は95~98%のパラフィンまたはナフサ系石油および乳化剤として機能する、1つまたはそれ以上の1~2%の界面活性剤を含む。「作物油濃縮物」として特定される製品は、典型的には80~85%の乳化性石油系油、および15~20%の非イオン性界面活性剤からなる。「植物油濃縮物」として正確に特定された製品は、典型的には80~85%の植物油(すなわち種子または果実油、最も一般的には綿、アマニ、大豆またはヒマワリから)および15~20%の非イオン性界面活性剤からなる。補助剤の成績は、植物油を、典型的には植物油に由来する脂肪酸のメチルエステルと置き換えることにより改善することができる。メチル化種子油濃縮物の例は、MSO(登録商標)Concentrate(UAP-Loveland Products,Inc.)およびPremium MSO Methylated Spray Oil(Helena Chemical Company)を含む。
【0132】
混合物を噴霧するために添加された補助剤の量は一般に約2.5体積%を超えず、より典型的にはその量は約0.1~約1体積%である。混合物を噴霧するために添加される補助剤の施用量は、典型的には1ヘクタール当たり約1~5Lの間にある。噴霧補助剤の代表的な例は以下を含む:Adigor(登録商標)(Syngenta)、液体炭化水素中47%のメチル化なたね油、Silwet(登録商標)(Helena Chemical Company)、ポリアルキレンオキシド改質ヘプタメチルトリシロキサンおよびAssist(登録商標)(BASF)83%パラフィン系鉱油中の17%界面活性剤ブレンド。
【0133】
本発明の化合物は、他の補助剤を伴わずに適用することができるが、ほとんどの場合、適用は1つまたはそれ以上の活性成分を、適切な担体、希釈剤および界面活性剤と共に含む配合物でなされ、ことによると予期される最終用途に応じて食品と組み合わされる。1つの適用方法は、本発明の化合物の水分散液または精製油溶液の噴霧を含む。噴霧油、噴霧油濃縮物、拡展剤、展着剤、補助剤、他の溶剤、およびピペロニルブトキシドなどの相乗剤との組合せが、度々、化合物の効能を高める。非農学的用途に関しては、このような噴霧は、缶、瓶または他の容器などの噴霧容器から、ポンプによって、または加圧容器、例えば、加圧エアロゾル噴霧缶からの放出のいずれかによって適用することができる。このような噴霧組成物は、例えば、噴霧、ミスト、フォーム、煙霧または霧という種々の形態をとることができる。したがって、このような噴霧組成物は、場合により、噴射剤、発泡剤等をさらに含むことができる。注目すべきは、生物学的有効量の本発明の化合物または組成物および担体を含む噴霧組成物である。このような噴霧組成物の一実施形態は、生物学的有効量の本発明の化合物または組成物および噴射剤を含む。代表的な噴射剤としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン、ヒドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ジメチルエーテル、および前述のものの混合物を含むがこれらに限定されない。注目すべきは、個別でまたは組み合わせて、蚊、ブユ、サシバエ、メクラアブ、アブ、ワスプ、スズメバチ(yellowjacket)、スズメバチ(hornet)、マダニ、クモ、アリ、ブユ(gnat)等からなる群から選択される少なくとも1種の無脊椎有害生物の防除に用いられる噴霧組成物(および噴霧容器から分配されるこのような噴霧組成物を利用する方法)である。
【0134】
以下のテストは、本発明の化合物の具体的な有害生物に対する防除効能を実証する。「防除効能」は、摂食を著しく低減させる原因となる無脊椎有害生物の発育の阻害(死亡率を含む)を表す。しかし、化合物によって達成される有害生物防除の保護は、これらの種に限定されない。
【0135】
本発明の生物学的な実施例
試験A~Dに対する、配合物および噴霧方法論
試験化合物を、10%のアセトン、90%の水、ならびにアルキルアリールポリオキシエチレン、遊離脂肪酸、グリコールおよびイソプロパノールを含む300ppm X-77(登録商標)Spreader Lo-Foam Formula非イオン性界面活性剤(Loveland Industries,Inc.Greeley,Colorado,USA)を含有する溶液を用いて配合した。配合した化合物を、1mLの液体中に、各試験ユニットの最上部から1.27cm(0.5インチ)上方に位置する1/8 JJカスタムボディを備えるSUJ2噴霧器ノズル(Spraying Systems Co.、Wheaton、Illinois、USA)を通して適用した。試験化合物を示した率で噴霧し、各試験を3回繰り返した。
【0136】
試験A
接触および/または浸透手段を介したモモアカアブラムシ(ミュズス・ペルシカエ(Myzus persicae)(Sulzer))の防除を評価するために、試験ユニットを、12~15日齢のダイコン植物を中に有する小型の開放型容器で構成した。培養植物から切除した一枚の葉の上の30~40匹のアブラムシをテスト植物の葉の上に置くことによりこれを予め外寄生させた(カットリーフ法)。葉片が乾燥するにつれて、アブラムシは試験植物上に移動した。予め外寄生させた後、試験ユニットの土壌を砂層で覆った。
【0137】
試験化合物を250および/または50ppmで配合し噴霧した。配合試験化合物の噴霧の後、各試験ユニットを1時間乾燥し、次いで、黒色の遮蔽キャップを上部に置いた。試験ユニットは、栽培室に19~21℃および50~70%の相対湿度で6日間保持した。次いで、各試験ユニットは、虫の死亡率について目視で評価した。
【0138】
250ppmで試験した化合物のうち、以下の化合物は、少なくとも80%の死亡率をもたらした:1および2a。
【0139】
50ppmで試験した化合物のうち、以下の化合物は、少なくとも80%の死亡率をもたらした:1、2a、2bおよび2c。
【0140】
試験B
接触および/または浸透手段を介したワタアブラムシ(アピス・ゴッシュピイ(Aphis gossypii)(Glover))の防除を評価するために、試験ユニットを、6~7日齢の綿植物を中に有する小型の開放型容器で構成した。これを、カットリーフ法に従い、一片の葉の上に30~40匹の昆虫で予め外寄生させ、試験ユニットの土壌を砂層で覆った。
【0141】
試験化合物を配合し、250および/または50ppmで噴霧した。噴霧の後、試験ユニットを栽培室中で19℃および70%の相対湿度で6日間維持した。次いで、各試験ユニットを、虫の死亡率について目視で評価した。
【0142】
50ppmで試験した化合物のうち、以下の化合物は、少なくとも80%の死亡率をもたらした:1、2a、2bおよび2c。
【0143】
試験C
接触および/または浸透手段を介したワタコナジラミ(ベミシア・タバキ(Bemisia tabaci)(Gennadius))の防除を評価するために、試験ユニットを、12~14日齢の綿植物を中に有する小型の開放型容器で構成した。噴霧を適用する前に、植物から子葉を両方とも除去し、アッセイのために1枚の本葉を残した。成虫コナジラミに卵を植物に置かせ、次いでコナジラミを試験ユニットから取り出した。少なくとも15個の卵が寄生した綿植物を、噴霧についての試験にかけた。
【0144】
試験化合物を250および/または50ppmで配合し噴霧した。噴霧の後、試験ユニットを1時間乾燥した。次いで、シリンダを除去し、ユニットを栽培室に入れ、28℃および50~70%の相対湿度で13日間保持した。次いで、各試験単位は、虫死亡に対する目視で評価された。
【0145】
250ppmで試験した化合物のうち、1および2bが少なくとも50%の死亡率をもたらした。
【0146】
50ppmで試験した化合物のうち、1が少なくとも50%の死亡率をもたらした。
【0147】
試験D
接触および/または浸透手段を介したミカンキイロアザミウマ(フランクリニエラ・オシデンタリス(Frankliniellla occidentalis)(Pergande))の防除を評価するために、試験ユニットを5~7日齢ソレイユビーン植物を中に有する小型の開放容器で構成した。
【0148】
試験化合物を250および/または50ppmで配合し噴霧した。噴霧の後、試験ユニット1時間乾燥し、次いで22~27匹の成虫アザミウマを各ユニットに加えた。黒色の遮蔽キャップを上部に置き、試験ユニットを25℃および45~55%の相対湿度で6日間保持した。
【0149】
250ppmで試験した化合物のうちで、以下の化合物は、非常に良好~優れた水準の防除効能をもたらした(30%以下の植物の損害および/または100%の死亡率):1、2aおよび2b。
【0150】
50ppmで試験した化合物のうち、以下の化合物は、非常に良好~優れた水準の防除効能をもたらした(30%以下の植物の損害および/または100%の死亡率):1、2aおよび2b。