(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】パラジウム活性化層の堆積の前に使用する水性アルカリ前処理溶液、その方法及び使用
(51)【国際特許分類】
C23C 18/18 20060101AFI20240305BHJP
C23C 18/30 20060101ALI20240305BHJP
H05K 3/18 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
C23C18/18
C23C18/30
H05K3/18 B
(21)【出願番号】P 2021534356
(86)(22)【出願日】2019-10-07
(86)【国際出願番号】 EP2019077000
(87)【国際公開番号】W WO2020126145
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-10-03
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511188635
【氏名又は名称】アトテック ドイチェランド ゲーエムベーハー ウント コ カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シュテファニ・ブレンマート
(72)【発明者】
【氏名】マリウス・ゲーンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス・ヨン・グレゴリアデス
(72)【発明者】
【氏名】カイ・ヴュルディンガー
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-026771(JP,A)
【文献】特開2004-043947(JP,A)
【文献】特開2011-042836(JP,A)
【文献】特開2013-129856(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0222283(US,A1)
【文献】韓国登録特許第1810546(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 18/00 - 20/08
H05K 3/10 - 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路を有する物品の製作においてパラジウム活性化層の基材への堆積の前に使用する水性アルカリ前処理溶液であって、
- 一般式(I)による少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸又はその塩
[RCH
2-(RCH)
n-COO
-]
m M
m+ (I)
(式中、nは2~4の整数であり、mは1又は2であり、
Rは、独立してH又はOHであり、但し少なくとも1つのRがOHであることを条件とし、
mが1のM
m+は、水素、アンモニウム又はアルカリ金属であり;又はmが2のM
m+はアルカリ土類金属である)
- 少なくとも1種のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 少なくとも1種のスルホン化脂肪酸又はその塩
を含み、
前記少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸又はその塩の濃度が、200~400mg/Lであり、
前記少なくとも1種のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの濃度が、0.4~1.2mg/Lであり、
前記少なくとも1種のスルホン化脂肪酸
又はその塩の濃度が、4~12mg/Lである、水性アルカリ前処理溶液。
【請求項2】
前記少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸又はその塩の濃度が、260~370mg/
Lである、請求項1に記載の水性アルカリ前処理溶液。
【請求項3】
前記少なくとも1種のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの濃度が、0.6~0.9mg/Lである、請求項1に記載の水性アルカリ前処理溶液。
【請求項4】
前記スルホン化脂肪酸が、不飽和の分岐又は非分枝C16~C20脂肪酸又はその混合物からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の水性アルカリ前処理溶液。
【請求項5】
前記少なくとも1種のスルホン化脂肪酸
又はその塩の濃度が、5~10mg/
Lである、請求項1に記載の水性アルカリ前処理溶液。
【請求項6】
8~1
2のpHを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の水性アルカリ前処理溶液。
【請求項7】
集積回路を有する物品の製作においてパラジウム活性化層の基材への後続の堆積のために基材を前処理する方法であって、以下の順序で、
(i)少なくとも1つの導電性金属層表面及び少なくとも1つの非導電性表面を有する基材を用意する工程;
(ii)請求項1から6のいずれか一項に記載の水性アルカリ前処理溶液を用意する工程;
(iii)前記基材を前記水性
アルカリ前処理溶液と接触させることにより、前処理溶液で基材を処理する工程
を含む方法。
【請求項8】
(iv)工程(iii)の前記基材をパラジウム活性化溶液で処理する工程であって、パラジウムイオン層を工程(iii)の処理された基材の表面に堆積させる工程を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(v)工程(iv)の基材をパラジウム還元溶液で処理する工程であって、工程(iv)の堆積した前記パラジウムイオン層が金属パラジウム層に転換される工程を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの導電性金属層表面が銅層面である、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記パラジウムイオン層を、工程(iii)の処理された基材の前記少なくとも1つの非導電性表面に堆積させる、請求項8
又は9に記載の方法。
【請求項12】
集積回路を有する物品の製作においてパラジウムイオン層の基材への後続の堆積のための、請求項1から6のいずれか一項に記載の水性
アルカリ前処理溶液の使用であって、パラジウムイオン層を形成する間のパラジウム粒子形成を最小限にするために、パラジウム活性化溶液を適用する前に前記水性
アルカリ前処理溶液を直接適用する、使用。
【請求項13】
集積回路を有する物品の製作において金属層の後続の堆積のための、請求項1から6のいずれか一項に記載の水性
アルカリ前処理溶液又は請求項7から10
のいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項14】
集積回路を有する物品の製作において少なくとも1つの非導電性表面の少なくとも1つの凹状構造の金属化のための、請求項1から6のいずれか一項に記載の水性
アルカリ前処理溶液又は請求項7から10のいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項15】
前記少なくとも1つの凹状構造が、ブラインドマイクロビア(BMV)、スルーホールビア(THV)、スルーガラスビア(TGV)、スルーシリコンビア(TSV)、ベリッドビア、及び前述のもののいずれかの混合物からなる群から選択される、請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路を有する物品の製作においてパラジウム活性化層の基材への堆積の前に使用する新規の水性アルカリ前処理溶液及びその方法に関し、特に溶液及び方法は、高密度内部配線(HDI)及びパッケージ基材用途のデスミア及び金属化(プリントスルーホール用)プロセス工程のために使用することができ、とりわけ、ブラインドマイクロビア(BMV)、スルーホール又は内部配線のような回路機能を作ることができる、プリント回路基板、殊に多層基板(MLB)及び細線HDI基板の製作のための導電性及び非導電性表面を有する基材の金属化に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来のプリント回路基板(PCB)は、基板の対向する側及び/又は内部層の間の接続を形成するために、穿孔及びめっきスルーホール(PTH)に依存する、積層非導電性誘電体基材を含む。無電解めっきは、表面の金属被覆を調製するよく知られているプロセスである。誘電体表面の無電解めっきは、触媒の先行堆積を必要とする。
【0003】
無電解めっきの前に、積層非導電性誘電体基材領域を触媒又は活性化する一般に使用される方法は、酸性塩化物媒体中での水性スズ-パラジウムコロイドによる基板の処理、又はアルカリイオン性パラジウム溶液で処理した後、好適な還元剤を用いて還元することを含む。前述のコロイドは、スズ(II)イオンの安定化層に包まれた金属パラジウムコアからなる。[SnCl3]錯体のシェルは、懸濁液中でコロイドの凝集を回避するために表面を安定させる基として働く。前述のイオン性パラジウム溶液はパラジウム塩と適切な配位子を含み、その中でのイオン性パラジウムの還元は、ボラン系還元剤によって達成することができる。
【0004】
上に言及した触媒法の性能に影響する、多くの要因が存在する。コロイド状パラジウム活性化剤は、酸化に対して敏感であるが、先行の処理溶液に含まれる成分の持ち込みによって、イオン性パラジウム活性化剤は機能が損なわれかねない。例えば、典型的なイオン性パラジウム活性化溶液に持ち込まれる銅イオンは、水和酸化銅又は水酸化銅として沈殿する傾向がある。
【0005】
アルカリイオン性パラジウム触媒を用いる基材の処理前に、基材は、典型的には酸性浴に浸される。この処理に続いて、基材は、次に、基材の中間すすぎを実行することなくアルカリイオン性パラジウム触媒で直接処理される。したがって、酸性前浸漬処理溶液が直接アルカリイオン性パラジウム溶液に持ち込まれ、その結果、水和酸化パラジウム又は水酸化パラジウムの望ましくない沈殿が生じる可能性がある。
【0006】
前述の酸性前浸漬処理溶液は典型的には界面活性剤を含み、したがって発泡する傾向があり得る。前述のアルカリイオン性パラジウム触媒法による基材活性化は、そのような酸性前浸漬処理溶液を用いる処理によって進行し、基材に明確でないパラジウム層の形成を引き起こすことがあり、次に、後続のプロセスにおいて不完全な銅エッチングに、そしてそのため短絡の原因になることがある。電子産業は、高密度内部配線(HDI)基板及び多層基板(MLB)の製作においてブラインドマイクロビア(BMV)及び導電路等の基板機能の小型化の継続により品質及び信頼性向上を絶えず要求するのでそのような短絡の形成のリスクを最小限にすることが望まれる。更に、新しい性質を有する基材材料が恒久的に変化することによる、様々な異なる基材への優れた被覆性能の要求もまたある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】US2008/0038450A1
【文献】WO2013/050332
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、先行技術の欠点を乗り越えて、パラジウム活性化層の基材への後続の堆積を改善する手段を提供することが、本発明の目的である。
【0009】
種々様々の基材材料上への、殊に有機ポリマー及びガラスを含む複合基板のガラス成分へのパラジウム層の吸着を改善することを本発明のさらなる目的とする。
【0010】
細線HDI、MLB及びパッケージ基材用の手段を使用することが、なお別の本発明の目的である。
【0011】
ロバストな活性化によってうまく処理された基材の収率を改善し、短絡、殊にパラジウムが引き金となる短絡を低減することがなお別の目的である。
【0012】
アルカリイオン性パラジウム触媒中の水和酸化パラジウム又は水酸化パラジウムの沈殿の量を低減することはなお別の目的である。
【0013】
発泡がアルカリイオン性パラジウム触媒中で低減されることを保証することはなお別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらの目的は本発明を用いることで解決される。
【0015】
本発明の一態様において、集積回路を有する物品の製作においてパラジウム活性化層の基材への堆積の前に使用する水性アルカリ前処理溶液であって、
- 少なくとも1種の一般式(I)によるヒドロキシカルボン酸又はその塩
[RCH2-(RCH)n-COO-]m Mm+ (I)
(式中、nは2~4の整数であり、mは1又は2であり、Rは、独立してH又はOHであり、但し、少なくとも1つのRがOHであることを条件とし、mが1であるMm+は、水素、アンモニウム又はアルカリ金属であり;又はmが2であるMm+はアルカリ土類金属である)
- 少なくとも1種のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 少なくとも1種のスルホン化脂肪酸又はその塩
を含む水性アルカリ前処理溶液が提供される。
【0016】
本発明の別の態様において、集積回路を有する物品の製作においてパラジウム活性化層の基材への後続の堆積のために前記基材を前処理する方法であって、所与の順序で、
(i)少なくとも1つの導電性金属層表面及び少なくとも1つの非導電性表面を有する基材を用意する工程;
(ii)上記発明の溶液による水性前処理溶液を用意する工程;
(iii)基材を水性前処理溶液と接触させることにより、前処理溶液で基材を処理する工程
を含む方法が提供される。
【0017】
本発明のなお別の態様において、集積回路を有する物品の製作においてパラジウムイオン層の基材への後続の堆積のための上記の水性前処理溶液の使用が提供され、パラジウムイオン層を形成する間のパラジウム粒子形成を最小限にするために、パラジウム活性化溶液を適用する前に水性前処理溶液を直接適用する。この文脈において、「直接」は、さらなる処理工程、例えば、すすぎ工程は中間に遂行されないことを意味する。
【0018】
本発明のなお別の態様において、集積回路を有する物品の製作において金属層の後続の堆積のための、特に、金属充填したスルーホール、ブラインドビア又は導電線のような集積回路を有する物品の製作において少なくとも1つの非導電性表面の少なくとも1つの凹状構造の金属化のための、本発明による水性前処理溶液又は方法の使用が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
特に本発明は、精細な機能を有するHDI及びMLBの基板のような電子物品の製造において、粒子形成を著しく減らしそれによってより高い収率を可能にし、ライン/スペース(L/S)は75/75又は25/25μmまで、例えば、水平の適用については、約1:3~約1:10のスルーホール、及び約1:1の、又は1:1.15~1:2.3までのブラインドホールのアスペクト比へ縮小することができる。垂直めっき適用については、約1:3~約1:30のスルーホールのアスペクト比が可能である。同時に、プロセスは発泡挙動を著しく低減しつつ優れた被覆性能を提供する。
【0020】
更に、本発明は、後続使用のパラジウム活性化溶液の活性体性能が、溶解した銅イオンのような前処理溶液の妨害量の化合物の持ち込みによって損なわれないので、使用寿命にわたってパラジウム活性化溶液の安定な性能を提供する。
【0021】
本発明を用いれば、また、いわゆるはんだ衝撃試験後の電気的信頼性は、最先端技術からの既存の解決策に対して電子産業の工業的要求事項を満たすことができることもまた示すことができる。更に、使用寿命の終了まで経時的に本発明の水性アルカリ溶液を使用している間、電気的信頼性試験の結果は上昇さえしることを示すことができた。
【0022】
本発明は、種々の供給業者の広範囲の種々の基礎材料において使用することができる。
【0023】
本発明において使用することができる基材は、好ましくは少なくとも1つの非導電性表面を有する非導電性基材であり、少なくとも1つの非導電性表面は、非導電性基材の一部であり、したがって、非導電性基材と同一の材料で製造され、少なくとも1つの導電性金属層表面を有する。導電性金属表面と非導電性表面の組合せは、互いに隣接して位置する場合、例えばプリント回路基板に見出すことができる。
【0024】
非導電性基材は、好ましくはガラス、シリコン、樹脂及びプラスチック、並びにその混合物及びブレンドから選択される。樹脂及びプラスチックは、典型的には電子産業において使用される誘電体材料、及び典型的には金属化されることになる家庭物品の製作において使用される材料を含む。樹脂及びプラスチックは、好ましくはエポキシ、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)コポリマー、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)並びに前述のものの混合物及びブレンドから選択される。
【0025】
適切なガラスは、好ましくはホウケイ酸ガラス、石英ガラス、シリカガラス、フッ素化ガラスから選択される。シリコンは、好ましくはポリシリコン(ドープしたポリシリコン、例えばpドープポリシリコン及びnドープポリシリコンを含む)及び単結晶シリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素並びにオキシ窒化ケイ素を含む。
【0026】
非導電性基材はより好ましくはポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂を含む。ポリイミド樹脂は、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリエステル等の添加によって変性することができる。エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂及びガラス繊維の組合せを含むガラスエポキシ基板材料であってもよく、又は低熱膨張及び高ガラス転移温度を有するように変性され、高ガラス転移温度ガラスエポキシ基板材料を構成するものであってもよい。
【0027】
非導電性基材の少なくとも1つの非導電性表面は、少なくとも1つの凹状構造を有する。そのような凹状構造は、好ましくは溝、ブラインドマイクロビア(BMV)、スルーホールビア(THV)、スルーガラスビア(TGV)、スルーシリコンビア(TSV)、ベリッドビア(buried via)(又は製作プロセスの後の段階の間にそのようなベリッドビアになるビア)及び前述のいずれかの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、凹状構造は、前述のビア又はこれらのビアの混合物のうちの1つである。ほとんどの場合、そのような基材は複数の前記凹状構造を含む。本発明によるプロセスで前記基材を選ぶことによって、例示された凹状構造は、好ましくは本発明によるプロセスにおいて表面として使用される。
【0028】
導電性金属層表面は、例えば、集積導電性構造/パターンによって、内部配線、充填したマイクロビア又はブラインドマイクロビア、及び基材の表面で少なくとも終了する基材内の配線(本発明を適用する前に既に存在する構造)として形成することができる。導電性金属層表面は、好ましくは銅、タングステン、タンタル、ニッケル、コバルト、金、並びに、前述のものの合金及び混合物から選択される。前記好ましい金属、前述のものの合金及び混合物は、電子産業において広く使用される。優れた導電率のために特に電子産業で有用であるので、銅及び銅合金がより好ましい。最も好ましくは、導電性金属層表面は銅からなる。
【0029】
発明の方法の工程i)の前の先行工程によって、これらの先行工程の後に金属酸化物、特に酸化銅を含み得る、銅のような少なくとも1つの導電性金属層表面及び少なくとも1つの非導電性表面を有する基材を用意する際に、エッチング工程及び清浄化工程を行なうことができる。
【0030】
本発明の一実施形態において、基材は、耐熱性ガラスクロス基材のエポキシ樹脂銅張り積層基板材料であり、銅張りは、導電性金属層表面を少なくとも部分的に又は完全に形成する。銅張りは酸化銅を含んでもよい。
【0031】
基材は全体が列挙した材料又はその組合せのうちのいずれかで製造され、又は、(上に)列挙した材料の1つ又は複数で製造された表面のみを含む。したがって、基材は、プリント回路基板基材、回路キャリア基材、内部配線デバイス基材及び物品の製作のための前述のいずれかの前駆体からなる群から選択することができる。そのような前駆体は、とりわけFR-1、FR-2、FR-3、FR-4、FR-5、銅張り材料及びその積層物を含む。
【0032】
好ましくは、金属層表面の導電性金属層、好ましくは、銅層は、数十nmから数十μmの厚さを有し、より好ましくは0.1~1.5μm、最も好ましくは0.2~1μmの厚さを有する。導電性金属層は、接着剤によって基材に銅箔を接着することにより形成することができ、又は、金属層は、乾式法若しくは湿式法によって、例えばスパッタ若しくは蒸着とそれに続く銅電気めっきによって形成することができ、又は、例えば、熱可塑性ポリイミド樹脂及び一緒に積層した銅層を含むもの、又は、単一若しくは複数種のポリイミド樹脂が銅層に流動注型積層されたものによって形成することができる。
【0033】
本発明は、好ましくは物品の製作におけるいわゆるスルーホールめっきプロセスを対象とし、特に、レーザー穿孔又は機械式穿孔プロセスのような穿孔プロセスによって予め形成することができるブラインドマイクロビア(BMV)、スルーホールビア(THV)、スルーガラスビア(TGV)、スルーシリコンビア(TSV)、ベリッドビア等のビアのような凹状構造内の非導電性表面に金属層を形成することを目指す。
【0034】
本発明は、殊にスルーホール内を適切に濡らし、基材の予備調整を確実にし、エッチング清浄化後に残存する酸化銅をしっかり除去する。特に、ガラス/樹脂を含む基材の被覆が改善される。
【0035】
好ましくは、本発明による方法は、高密度内部配線(HDI)及びパッケージ基材用途、とりわけプリント回路基板のような物品、殊に多層基板(MLB)及び細線HDI基板の製作のために導電性及び非導電性表面を有する基材の金属化のためのプリント回路基板のような物品の製作を対象とする。
【0036】
本発明による少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸又はその塩の適切な濃度は200~400mg/Lである。好ましくは、濃度は260~370mg/L、より好ましくは280~350mg/Lである。1種を超えるヒドロキシカルボン酸又はその塩が使用される場合、使用されるヒドロキシカルボン酸又はその塩の合計量は、前記濃度内にある。
【0037】
好ましくは、一般式(I)
[RCH2-(RCH)n-COO-]m Mm+ (I)
による少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸又はその塩は、4の整数nを有する。より好ましくは、RはすべてOHであり、nは4である。別の好ましい実施形態において、RはすべてOHであり、nは4であり、mが1である場合、Mm+は水素、ナトリウム、カリウムであり、又は、mが2である場合、Mm+はマグネシウム、カルシウムである。最も好ましくは、少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸又はその塩は、グルコン酸又はグルコン酸ナトリウムである。
【0038】
ヒドロキシカルボン酸又はその塩が好ましい濃度であれば、例えば、酸化銅の可溶性銅イオンは、錯体化することができるが、パラジウム活性化層の後続の堆積のパラジウムイオンは錯体化されない。
【0039】
本発明による少なくとも1種のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの適切な濃度は、0.4~1.2mg/L、好ましくは0.6~0.9mg/Lである。複数のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが使用される場合、使用されるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの合計量は、前記濃度内にある。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる場合、水素を置き換えるハロゲン、ヒドロキシル等のような官能基を有するポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの誘導体もまた含まれる。好ましい実施形態において、脂肪酸エステルは、モノラウレート、モノパルミテート、モノパルミトレエート、モノステアレート、モノオレエート、トリステアレート又はトリオレエートからなる群から選択される。
【0040】
本発明による少なくとも1種のスルホン化脂肪酸又はその塩の適切な濃度は、4~12mg/L、好ましくは5~10mg/L、より好ましくは6~9mg/Lである。複数のスルホン化脂肪酸又はその塩が使用される場合、使用されるスルホン化脂肪酸又はその塩の合計量は、前記濃度内にある。好ましくは、少なくとも1種のスルホン化脂肪酸は、不飽和の分岐又は非分枝C16~C20脂肪酸又はその混合物からなる群から選択され、より好ましくは、少なくとも1種のスルホン化脂肪酸は、飽和又は不飽和の非分枝C16~C20脂肪酸である。好ましい実施形態において、スルホン化脂肪酸の脂肪酸は、ラウリン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸又はアラキジン酸からなる群から選択される。
【0041】
本発明による水性アルカリ前処理溶液は、8~12、好ましくは9.5~11.5の適切なpH範囲を有する。pH値は1種又は複数の無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの添加により調節することができる。更に、有機塩基を添加することができる。
【0042】
本発明による方法は、殊にガラスエポキシ基板材料基板のための基材への、パラジウム活性化溶液によるパラジウム活性化層の後続の堆積のために使用される。
【0043】
方法は、好ましくは基材がめっき装置の処理モジュールに通して加工される輸送デバイスによって輸送される水平のめっき装置において使用される。基材、例えば、基板形の被加工材は、水平配向に保持される。輸送器具は好ましくは、その水平配向の基材を輸送するために輸送ロール又は輸送クランプを使用する。
【0044】
基材が工程(iii)で水性アルカリ前処理溶液を用いて処理された後、基材は、好ましくはパラジウム活性化溶液で基材を処理する処理工程(iv)において、直接処理され(清浄化又はすすぎ工程のような追加の処理工程なしに)、パラジウムイオン層が工程(iii)の処理された基材の表面に堆積する。処理工程(iii)の後に基材を直接に処理することによって、後続使用のパラジウム活性化溶液の活性体性能が、溶解した銅イオンのような前処理溶液の撹乱する量の化合物の持ち込みによって損なわれないので、使用寿命にわたってパラジウム活性化溶液の性能は安定化することを見出すことができた。
【0045】
パラジウム活性化溶液は、パラジウムイオンの少なくとも1種の供給源を含む。更に、溶液は、ルテニウムイオンの供給源、ロジウムイオンの供給源、パラジウムイオンの供給源、オスミウムイオンの供給源、イリジウムイオンの供給源、白金イオンの供給源、銅イオンの供給源、銀イオンの供給源、ニッケルイオンの供給源、コバルトイオンの供給源、金イオンの供給源及びその混合物のような金属イオンの他の供給源を含んでもよい。パラジウムイオン及び前記追加の金属イオンは前記基材の表面に吸着されている。
【0046】
続いて、少なくともパラジウムイオンを含む基材の表面を処理(iv)し、ホウ素系還元剤、次亜リン酸イオン、ヒドラジン及びヒドラジン誘導体、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸の供給源、ホルムアルデヒド、グリオキシル酸の供給源、グリオキシル酸、グリコール酸、ギ酸、糖の供給源、及び前述の酸の塩からなる群から選択される、前記基材の表面に吸着された金属イオン(少なくともパラジウムイオン)を還元するのに適切な少なくとも1種の還元剤を含む溶液で基材を処理するさらなる処理工程(v)が行なわれる。
【0047】
パラジウムイオン層が好ましくは少なくとも1つの非導電性表面にのみ堆積する、工程(iv)から得られた基材を処理することによって、その上に吸着された金属イオンの少なくとも一部は好ましくはそれぞれの金属状態へ還元される。工程(v)は本明細書において「還元工程」とも称される。
【0048】
パラジウム層の基材への後続の堆積のための基材の前処理についての本発明による水性アルカリ前処理溶液及び方法は、プリント回路基板のような集積回路を有する物品の製作において、更に金属層の後続の堆積のために使用される。
【0049】
金属又は金属合金がその上に堆積するように、溶媒及び堆積する少なくとも1種の金属イオンの供給源を含む金属化溶液で基材を処理する処理工程(vi)で、堆積は、前記基材の工程(v)から得られた表面を処理することによって得られる。工程(vi)は本明細書において「金属化工程」とも称される。
【0050】
金属化溶液(まためっき浴とも称される)は、無電解金属化溶液、電解金属化溶液又は液浸金属化溶液となるように選択される。
【0051】
好ましくは、金属化溶液は、これが工程(v)から得られた表面に金属又は金属合金の層を最も効果的に形成するので、無電解金属化溶液である。一般に、金属化溶液は、溶媒、典型的には、水、及び堆積する金属イオンの少なくとも1種の供給源を含む。さらなる任意の成分は、前記金属イオン(例えば以下に挙げるもの)用の錯化剤(又はキレート剤)、前記金属イオン用の還元剤、安定化剤、共溶媒、湿潤剤及び機能性添加剤、例えば増白剤、促進剤、抑制剤、変色防止剤である。そのような金属化溶液及び成分は当技術分野で公知である。無電解金属化溶液中の少なくとも1種の金属イオンの供給源は、好ましくは銅イオンの供給源、ニッケルイオンの供給源、コバルトイオンの供給源及びその混合物、より好ましくは銅イオンの供給源からなる群から選択されるが、それは、銅堆積物の高い導電率のために銅又は銅合金が特に電子産業における使用に特に有用になるからである。
【0052】
電子の外部供給源を使用する電解金属堆積法に反して、無電解プロセスは多くの金属の金属膜の形成について公知である。無電解めっきは、電子の外部供給の援助がなく、その代りに還元剤(化学薬品)を用いる、金属の連続膜の制御された自触媒作用の堆積である。本発明の文脈において、無電解めっきは、還元剤(化学薬品)(本明細書において「還元剤」と称される)による自触媒作用の堆積として理解されるはずである。金属堆積のさらなる形は液浸めっきである。
【0053】
パラジウム活性化溶液、パラジウム還元溶液及び無電解銅溶液に適した溶液は、公知であり、例えば、Neoganth(登録商標)U Activator、Neoganth(登録商標)P WA又はPrintoganth(登録商標)U PlusとしてAtotech Deutschland GmbH社から購入することができる。
【実施例】
【0054】
以下の非限定的な実施例を参照して本発明を説明する。実施例内で本発明の使用した化合物の相対的な比は、好ましく有用であることがわかったが、しかし、限定するものとは見なされない。
【0055】
I. バックライト試験:凹状構造の表面の金属又は金属合金の被覆の調査
業界標準のバックライト試験を使用して、めっきした切取試片を区分化した、プロセス中の金属又は金属合金を含む凹状構造の表面の被覆を評価し、不完全な被覆の領域を、強力な光源で見る際に明るいスポットとして検出されるようにすることができる(その全体が参照により本明細書に組み込まれる、US2008/0038450A1を参照のこと)。従来の光学顕微鏡の下で観察される光の量によって、金属又は金属合金堆積物の品質を求める。
【0056】
バックライト測定の結果を、D1~D10のスケールで示し、ここでD1は最悪の結果、D10は最良の結果を意味する。D1~D10からの結果を示す参照試料は、WO2013/050332(参照により本明細書に組み込まれる)の
図3に示されている。
【0057】
種々の試験において切取試片として以下の基材を使用した:
材料DE104、DE117、IS410及び185のHR(Isola社製)、R-1755C(Matsushita/Panasonic社製)、NP140、NP140 TL及びNP170(Nan Ya社製)、S1141(Shengy社製)、KB6160A(Kingboard社製)並びにIT-185-TC(Iteq社製)に基づいた切取試片を使用した。切取試片の孔径は1mmであった。必要があれば、発明の実施例又は比較例の溶液を適用する前に、基材を当技術分野で公知のデスミア及び清浄化処理にかけた。
【0058】
発明の実施例又は比較例の溶液を適用した後、以下の表Iに記載のプロセスにおいて切取試片をすべて直接使用した。基材を、溶液中へ表に示すような時間及び温度に所与の順序で浸した。
【0059】
【0060】
Neoganth(登録商標)U Activator浴
パラジウムイオン濃度:300mg/L
- pH:10
Neoganth P-WA浴
Neoganth P-WA濃度:6ml/L
- pH:8
無電解銅浴
- 銅イオン濃度:2.25g/L
- ニッケルイオン濃度:0.5g/L
- ホルムアルデヒド濃度4g/L
- NaOH濃度:14g/L
- 酒石酸塩濃度:19g/L
- シアニド濃度:0,006g/L
【0061】
(発明の実施例1)
以下の実施例において、原液/pH値の温度[℃]/量[ml]に関して種々の条件(表IIを参照)を用いて材料ISOLA IS410に基づいた切取試片を試験した(例えば、30/150/10は、D8.5の被覆の結果を示す)。
【0062】
120mL(発明の実施例1a)、150mL(発明の実施例1b)及び180mL(発明の実施例1c)の原液を用意し、1Lの合計体積にアルカリ水で希釈して得た、本発明の水性アルカリ前処理溶液を用いて切取試片を前処理し、表IIの条件に従って適用した。原液は以下の組成及び条件を有する:
濃度:
グルコン酸塩:1,9g/L
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート:0.005g/L
スルホン化モノパルミトレエート:0.046g/L
- 温度:35℃
- pH:10
【0063】
続いて上記の表Iのプロセスに従って切取試片を処理した。
【0064】
バックライト測定の結果を、D1~D10のスケールで示し、ここでD1は最悪の結果、D10は最良の結果を意味し、D7~D10が所望の結果である。
【0065】
前処理溶液は、pH、濃度、及びまた作業温度による所与の作業範囲において優れた結果を示すことがわかる。
【0066】
【0067】
比較例1
以下の種々の切取試片を、以下の組成及び条件の水性酸性の前処理溶液を用いて前処理した:
濃度:
硫酸水素ナトリウム:0.7g/L
PEG 1200:0.1g/L
ベンゼンスルホン酸の誘導体:0.18g/L
- 温度:25℃
- pH:3
【0068】
バックライト試験:
表IIIにバックライト結果を示す。処理した切取試片に基づいて銅被覆を評価した。バックライト切取試片からバックライト値を得た。本発明は種々の基礎材料の広域にわたってうまく働くことがわかる。
【0069】
【0070】
比較例2~5
1mmの孔径を有する切取試片ISOLA IS 410を、当技術分野で公知のデスミア及び清浄化処理にかけ、次いで、下記の種々の添加剤を含有するpH10の水性前処理溶液を用いて前処理した:
- 比較例2:脂肪アルコールポリアルキレングリコールエーテル濃度:0.015g/L
- 比較例3:ソルビン酸カリウム濃度:0.02g/L
- 比較例4:スルホサリチル酸:0.0243g/L
- 比較例5:PEG 1200濃度:0.1g/L
【0071】
発明の実施例1b及び比較例2~5による前処理工程の後、切取試片はすべて、表Iにおいて上の記載と同様に前処理工程の後に直接処理した。
【0072】
表IVに切取試片についてのバックライト結果を要約する。処理した切取試片に基づいて銅被覆を評価した。発明の実施例1b及び比較例2~5のバックライト切取試片ISOLA IS 410からバックライト値を得た。
【0073】
【0074】
II. 前浸漬で汚染された活性体浴の発泡挙動
前処理溶液を含有するいわゆる前浸漬での基材処理に続いて、すすぎなしでアルカリイオン性パラジウム活性化溶液に直接基材を移動する。したがって、パラジウム活性化溶液は、前浸漬処理溶液の成分で直接汚染される。
【0075】
表Vは、汚染されていない触媒処理溶液、比較例1に記載の組成物による前浸漬で汚染された触媒処理溶液、及び発明の実施例1bに記載の組成物による前浸漬で汚染された触媒処理溶液の発泡挙動を示す。発明の実施例1bに記載の組成物による前浸漬で汚染された触媒処理溶液は、比較例1に記載の組成物による前浸漬で汚染された触媒処理溶液より著しく少ない発泡を示し、それによって発明の実施例1bの、際立って改善された発泡特性を実証することがわかる。
【0076】
【0077】
III. 前浸漬で汚染されたパラジウム活性化溶液中での粒子形成
前処理溶液を用いる基材処理(前浸漬)に続いて、すすぎなしでアルカリイオン性パラジウム触媒に直接基材を移動する。したがって、触媒は、前浸漬処理溶液の成分で直接汚染される。表VIは、汚染されていない触媒処理溶液、比較例1に記載の組成物による前浸漬で汚染された触媒処理溶液、及び発明の実施例1bに記載の組成物による前浸漬で汚染された触媒処理溶液の粒子形成挙動を描く。発明の実施例1bに記載の組成物による前浸漬で汚染された触媒処理溶液は、比較例1に記載の組成物による前浸漬で汚染された触媒処理溶液より著しく少数の粒子を含み、それによって発明の実施例1bの、際立って改善された粒子形成特性を実証することがわかる。
【0078】
【0079】
IV. 電気的信頼性試験
特定の処理溶液の電気的信頼性への影響を測定するために、当技術分野で公知のいわゆるはんだ衝撃試験が、多くの場合使用される。この試験において、銅内部層を有する適切な切取試片を、当技術分野で知られているようにはんだ衝撃のためにデスミアし、清浄化し、活性化し、無電解めっきし、電気分解によって補強し、調製した。次いで切取試片を、必要とされる条件に従ってはんだ衝撃処理にかけ、好適な試料の包埋、及び研磨(grinding)による断面調製の後に顕微鏡で検査した。内部配線欠陥(ICD)の数、すなわち切取試片銅内部層と堆積した銅との間の分離の数を、顕微鏡によって試料を観察しながら数え:数えたICDが少ないほど、調査中のシステムの電気的信頼性が高い。
【0080】
表VIIは、発明の実施例1bによる前浸漬溶液を用いて処理した切取試片、及び比較例1による前浸漬溶液を用いて処理した切取試片のはんだ衝撃試験結果を含む。以下の2つの試験については、288℃又は326℃ではんだ浴温を使用し、所与の順序で以下のはんだ衝撃手順を適用した:
1.切取試片を288又は326℃のはんだ面に10秒間浮かべ、
2.切取試片を288又は326℃のはんだ面から取り出し、室温に達するまで、非導電性表面で冷却し、
3.切取試片をひっくり返し、新しい288又は326℃のはんだ面に10秒間浮かべ、
4.切取試片を288℃について合計6回及び326℃について9回浮かせるまで工程2及び3を繰り返し、
5.包埋及び断面調製した。
【0081】
【0082】
表VIIにおいて、発明の実施例1bのはんだ衝撃試験性能は、288℃試験条件について比較例1のはんだ衝撃試験性能と判別不能であることがわかる。更により激しい326℃試験条件によると、発明の実施例1bの電気的信頼性は、比較例1の電気的信頼性より少し良好であり、経時的に溶液を用いる間に改善されたことを見ることができる。
【0083】
発明の実施例1bの試験を用いて、パラジウム活性化溶液を含む活性体モジュールへの発明の溶液の直接の持ち込みによって「経時的な実際の製造条件」をシミュレートした。それによって、発明の溶液の全量に加えて銅のある量が、最小時間内に、パラジウム活性化溶液に移送され、溶液中に存在する。この結果をシミュレートするために、発明の実施例の全作製量(150ml/l)をパラジウム活性化溶液へ直ちに注いだ。その後で、溶解したCuSO4×5H20の形の100ppmの銅イオンを添加し、パラジウム活性化溶液のpH値を関連する技術データシート(TDS)に従って調節した。
【0084】
100ppmの銅イオンの量は、すべての従来の前浸漬溶液(前処理溶液)のTDSを表し、銅イオンのこの量を限界として設定する。