(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】ゴム樹脂材料及びそれを用いた金属基板
(51)【国際特許分類】
C08L 21/00 20060101AFI20240305BHJP
C08L 71/12 20060101ALI20240305BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20240305BHJP
B32B 15/06 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
C08L21/00
C08L71/12
C08K3/013
B32B15/06 Z
(21)【出願番号】P 2022165490
(22)【出願日】2022-10-14
【審査請求日】2022-10-14
(32)【優先日】2022-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501296612
【氏名又は名称】南亞塑膠工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NAN YA PLASTICS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】廖徳超
(72)【発明者】
【氏名】張宏毅
(72)【発明者】
【氏名】陳豪昇
(72)【発明者】
【氏名】劉家霖
【審査官】南 宏樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-133414(JP,A)
【文献】特開2022-022090(JP,A)
【文献】特表2022-508173(JP,A)
【文献】特開2022-011017(JP,A)
【文献】特開2018-012772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00-13/08
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム樹脂組成物、第1の無機フィラー及び第2の無機フィラーを含むゴム樹脂材料であって、
前記ゴム樹脂組成物は、
分子量が2500g/mol~6000g/molの液体ゴム30重量%~60重量%と、
ポリフェニレンエーテル樹脂10重量%~30重量%と、
架橋剤20重量%~40重量%のみを含み、
前記液体ゴムは、少なくとも1つのビニール基を含む不飽和側鎖又はビニール基を有し、
前記架橋剤は、アリル基を含み、
前記ゴム樹脂組成物100重量部に対して、前記第1の無機フィラーの添加量は、100重量部~150重量部であり、前記第2の無機フィラーの添加量は、20重量部~250重量部であり、
前記ゴム樹脂組成物100重量部に対して、前記第1の無機フィラーは、酸化アルミニウム5重量部~120重量部と、窒化ホウ素10重量部~100重量部と、ケイ酸アルミニウム30重量部~80重量部とを含み、前記第2の無機フィラーは、二酸化チタンと、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム又はそれらの組み合わせ20重量部~50重量部と、二酸化
ケイ素10重量部~40重量部と、を含む、ゴム樹脂材料。
【請求項2】
前記液体ゴムを構成するモノマーは、スチレンモノマー、ブタジエンモノマー、ジビニルベンゼンモノマー及び無水マレイン酸モノマーからなる群から選択される、請求項1に記載のゴム樹脂材料。
【請求項3】
前記液体ゴムの全ての末端基に占めるビニール基の割合は、30モル%~90モル%であり、前記液体ゴムの全ての末端基に占めるスチレン基の割合は、10モル%~50モル%である、請求項2に記載のゴム樹脂材料。
【請求項4】
前記ブタジエンモノマーの総重量に基づいて、30重量%~90重量%の前記ブタジエンモノマーは、ビニール基を含む側鎖を有する、請求項2に記載のゴム樹脂材料。
【請求項5】
前記第1の無機フィラーは、表面処理を行うことにより、アクリル基及び/又はビニール基を含む、請求項1に記載のゴム樹脂材料。
【請求項6】
アクリル基及び/又はビニール基を有するシロキサンカップリング剤を更に含む、請求項1に記載のゴム樹脂材料。
【請求項7】
前記ゴム樹脂組成物100重量部に対して、前記シロキサンカップリング剤の含有量は、0.1重量部~5重量部である、請求項6に記載のゴム樹脂材料。
【請求項8】
基材層と、前記基材層に設置した金属層とを備える、金属基板であって、前記基材層の材料は、請求項1に記載のゴム樹脂材料を含むことを特徴とする、金属基板。
【請求項9】
熱伝導率は、1.2W/m・K以上である、請求項8に記載の金属基板。
【請求項10】
比誘電率は、6~12である、請求項8に記載の金属基板。
【請求項11】
前記金属基板の剥離強度は、0.51N・m~0.8N・mである、請求項8に記載の金属基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム樹脂材料及びその応用に関し、特に、高熱伝導性ゴム樹脂材料及びそれを用いた金属基板に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム(5th generation wireless system,5G)の開発に伴い、5G無線通信規格を満たすために、高周波伝送が現在の開発の主流となっている。したがって、業界は、高周波伝送に適した高周波基板材料(例えば、6~77GHzの周波数範囲)の開発に取り組んでおり、高周波基板を基地局のアンテナ、衛星レーダー、自動車レーダー、無線通信アンテナ、又はパワーアンプに応用できるようにしている。
【0003】
高周波伝送の機能を与えるために、高周波基板は通常、高い比誘電率(dielectric constant,Dk)と高い誘電正接(dielectric dissipation factor,Df)の特性を持っている。以下、高周波基板の比誘電率と誘電正接とを合わせて、高周波基板の誘電特性と称す。
【0004】
現在市販のゴム樹脂材料は、特定の比率の液体ゴムを添加し、液体ゴムは、高い溶解性及び反応性官能基を有する、という特徴を有する。このように、ゴム樹脂材料は、高周波基板材料として好適である。しかしながら、液体ゴムの添加量は、高すぎてはいけない。液体ゴムの含有量が高すぎる(25重量%を超える)と、ゴム樹脂材料のガラス転移温度(glass transition temperature,Tg)が比較的に低くなると共に、基板の剥離強度が不良となってしまう。
【0005】
また、市販の高熱伝導性樹脂材料において、樹脂材料の熱伝導性を向上させるために、所定の比率で熱伝導性フィラーを含有する。樹脂100重量部に対して、熱伝導性フィラーの添加量は、45重量部超え60重量部以下であるが、過量の熱伝導性フィラーは、ゴム樹脂材料と熱伝導性フィラーとの界面相容性に悪影響を与え、基板の耐熱性に影響することで、高周波基板材料での応用にとって不利となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術の課題は、従来技術の不足に対し、高誘電性且つ高誘電性を有するゴム樹脂材料及びそれを用いた金属基板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明が採用する一つの技術的手段は、高誘電性且つ低誘電性を有するゴム樹脂材料を提供する。前記ゴム樹脂材料は、ゴム樹脂組成物、第1の無機フィラー及び第2の無機フィラーを含む。前記ゴム樹脂組成物は、分子量が2500g/mol~6000g/molの液体ゴム30重量%~60重量%と、ポリフェニレンエーテル樹脂10重量%~30重量%と、架橋剤20重量%~40重量%とを含む。前記第1の無機フィラーは、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、炭化ケイ素及びケイ酸アルミニウムからなる群から選択され、前記第2の無機フィラーは、二酸化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム及び二酸化チタンからなる群から選択される。
【0008】
本発明の一つの実施形態において、前記液体ゴムを構成するモノマーは、スチレンモノマー、ブタジエンモノマー、ジビニルベンゼンモノマー及び無水マレイン酸モノマーからなる群から選択される。
【0009】
本発明の一つの実施形態において、前記液体ゴムの全ての末端基に占めるビニール基の割合は、30モル%~90モル%であり、前記液体ゴムの全ての末端基に占めるスチレン基の割合は、10モル%~50モル%である。
【0010】
本発明の一つの実施形態において、前記ブタジエンモノマーの総重量に基づいて、30重量%~90重量%の前記ブタジエンモノマーは、ビニール基を含む側鎖を有する。
【0011】
本発明の一つの実施形態において、前記第1の無機フィラーは、表面処理を行うことにより、アクリル基及び/又はビニール基を含む。
【0012】
本発明の一つの実施形態において、前記ゴム樹脂組成物100重量部に対して、前記第1の無機フィラーの添加量は、100重量部~150重量部であり、前記第2の無機フィラーの添加量は、20重量部~250重量部である。
【0013】
本発明の一つの実施形態において、前記ゴム樹脂組成物100重量部に対して、前記第1の無機フィラーは、酸化アルミニウム5重量部~120重量部と、窒化ホウ素10重量部~100重量部と、ケイ酸アルミニウム30重量部~80重量部とを含み、前記第2の無機フィラーは、二酸化チタンと、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム又はそれらの組み合わせ20重量部~50重量部と、二酸化チタン10重量部~40重量部と、を含む。
【0014】
本発明の一つの実施形態において、前記ゴム樹脂材料は、アクリル基及び/又はビニール基を有するシロキサンカップリング剤を更に含む。
【0015】
本発明の一つの実施形態において、前記ゴム樹脂組成物100重量部に対して、シロキサンカップリング剤の含有量は、0.1重量部~5重量部である。
【0016】
上記の技術的課題を解決するために、本発明が採用するもう一つの技術的手段は、金属基板を提供する。前記金属基板は、基材層と、前記基材層に設置した金属層とを備える。前記基材層の材料は、前記組成を含む高熱伝導性且つ低誘電特性を有するゴム樹脂材料を含む。
【0017】
本発明の一つの実施形態において、前記金属基板の熱伝導率は、1.2W/m・K以上である。
【0018】
本発明の一つの実施形態において、前記金属基板の比誘電率は、6~12である。
【0019】
本発明の一つの実施形態において、前記金属基板の剥離強度は、4.5lb/in~7lb/inである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の有利な効果として、本発明に係る高い熱伝導性且つ高いゴム樹脂材料及び金属基板は、「ゴム樹脂組成物は、分子量が2500g/mol~6000g/molの液体ゴムを含む」、及び「第1の無機フィラーは、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、炭化ケイ素及びケイ酸アルミニウムからなる群から選択され、第2の無機フィラーは、二酸化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム及び二酸化チタンからなる群から選択される」といった技術特徴によって、実際に応用する際に所望の物性(例えば、熱伝導率、誘電特性、剥離強度、耐熱性など)を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る高熱伝導性且つ高誘電性を有する金属基板の構造を示す模式図である。
【
図2】本発明に係る高熱伝導性且つ高誘電性を有する金属基板のもう一つの構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下の本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照されたい。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の請求の範囲を制限するためのものではない。
【0023】
以下、所定の具体的な実施態様によって本発明に係る「ゴム樹脂材料及びそれを用いた金属基板」の実施形態を説明し、当業者は、本明細書に開示された内容に基づいて本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施態様によって実行または適用でき、本明細書における各細部についても、異なる観点と用途に基づいて、本発明の構想から逸脱しない限り、各種の修正と変更を行うことができる。また、事前に説明するように、本発明の添付図面は、簡単な模式的説明であり、実際のサイズに基づいて描かれたものではない。以下の実施形態に基づいて本発明に係る技術内容を更に詳細に説明するが、開示される内容によって本発明の保護範囲を制限することはない。また、本明細書において使用される「または」という用語は、実際の状況に応じて、関連して挙げられる項目におけるいずれか1つまたは複数の組み合わせを含むことがある。
【0024】
[高誘電性且つ高誘電性を有するゴム樹脂材料]
本発明は、高誘電性且つ高誘電性を有するゴム樹脂材料を提供する。前記ゴム樹脂材料は、ゴム樹脂系に二種類の異なる無機フィラーを導入するものである。それによって、ゴム樹脂系の物性は(熱伝導性、誘電特性など)高周波・高速の要求を満たし、従来の材料に比べて、高周波高速基板材料として好適である。
【0025】
具体的に説明すると、本発明に係るゴム樹脂材料は、ゴム樹脂組成物と、第1の無機フィラー(即ち、高熱伝導性無機フィラー)及び第2の無機フィラー(即ち、高誘電性無機フィラー)を含み、また、第1の無機フィラー及び第2の無機フィラーは、ゴム樹脂組成物に均一に分散される。以下にて、ゴム樹脂組成物、第1の無機フィラー及び第2の無機フィラーを詳しく説明する。
【0026】
[ゴム樹脂組成物]
本発明に係るゴム樹脂組成物は、液体ゴム30重量%~60重量%と、ポリフェニレンエーテル樹脂10重量%~30重量%と、架橋剤20重量%~40重量%とを含む。
【0027】
特筆すべきことは、液体ゴムの分子量が2500g/mol~6000g/molである場合、ゴム樹脂組成物の流動性が向上し、低誘電基板材料の充填性を向上する効果を果たせる。液体ゴムの分子量は、3000g/mol~5500g/molであることが好ましく、3000g/mol~5000g/molであることがより好ましい。液体ゴムは、溶解性が高い特性を有するため、各成分の間の相溶性を向上させると共に、液体ゴムは、反応性官能基を有するため、ゴム樹脂材料を硬化した後の架橋度を向上させることができる。
【0028】
また、液体ゴムは、特定の分子量を有し、且つ特定の構造及び構成単位を有するため、より大量にゴム樹脂組成物に添加し、即ち、液体ゴムのゴム樹脂組成物での含有割合を大幅に向上させることができる。具体的に説明すると、ゴム樹脂組成物の総重量を100重量%として、液体ゴムの含有量は40重量%を超えることが可能であり、従来の技術のゴム樹脂組成物での液体ゴムの含有量(25重量%)を明らかに超える。好ましくは、液体ゴムのゴム樹脂組成物での含有量は、30重量%~60重量%である。
【0029】
一つの実施形態において、液体ゴムは、液体ジエン系ゴムを含む。具体的に説明すると、液体ジエン系ゴムは、ポリブタジエン樹脂を含む。ポリブタジエン樹脂とは、ブタジエンモノマーを用いて重合されたポリマーであり、例えばブタジエンホモポリマー、又はブタジエンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
【0030】
一つの好ましい実施形態において、液体ジエン系ゴムは、ブタジエン及びスチレンで形成された共重合体である。即ち、液体ゴムを構成するモノマーは、スチレン及びブタジエンを含む。スチレンモノマー及びブタジエンモノマーは、ランダムに配列してランダム共重合体(random copolymer)として形成されることか、若しくは、規則的に配列して交互共重合体(alternating copolymer)又はブロック共重合体(block copolymer)として形成されることができる。
【0031】
液体ゴムの総重量を100重量%として、スチレンモノマーの液体ゴムでの含有量は、10重量%~50重量%である。スチレンモノマーの液体ゴムでの含有量が10重量%~50重量%である場合、液体ゴムの構造が液晶分子配列の分子幾何構造に類似することで、耐熱性及びシステム相溶性が向上させることができる。好ましくは、スチレンモノマーの液体ゴムでの含有量は、15重量%~50重量%である。スチレンモノマーの含有量が50重量%を超える場合、ゴム樹脂材料の粘度は高くなるため、高熱伝導性金属基板の製造にとって不利となる。
【0032】
更に説明すると、ブタジエンそのものは、2つの二重結合を有することから、重合する際に、重合方法の違いによって、異なる構造を得る。即ち、ポリブタジエンは、cis-1,4-ポリブタジエン、trans-1,4-ポリブタジエン、1,2-ポリブタジエンの中の任意1つ又は複数の構造から構成されてもよい。具体的に説明すると、ブタジエンが1,4-付加重合反応を行う場合に、cis-1,4-ポリブタジエン又はtrans-1,4-ポリブタジエンの構造が生成される。cis-1,4-ポリブタジエン又はtrans-1,4-ポリブタジエンの構造において、ポリブタジエンは、不飽和側鎖を有しない。ブタジエンが1,2-付加重合反応を行う場合に、1,2-ポリブタジエンの構造が生成される。1,2-ポリブタジエンの構造において、ポリブタジエンは、不飽和側鎖(ビニール基)を有する。
【0033】
好ましくは、ブタジエンモノマーの総重量を100重量%として、30重量%~90重量%の前記ブタジエンモノマー(重合後)は、ビニール基を含む側鎖を有する。好ましくは、ブタジエンモノマーの総重量を100重量%として、30重量%~80重量%の前記ブタジエンモノマー(重合後)は、ビニール基を含む側鎖を有する。若しくは、30重量%~80重量%の前記ブタジエンモノマー(重合後)は、ビニール基側鎖を有する。
【0034】
液体ゴムが少なくとも1つのビニール基を含む側鎖(又はビニール基)を有する場合に、架橋したゴム樹脂組成物の架橋密度及び耐熱性が向上する。又、本発明において、液体ゴムにおけるビニール基を含む不飽和側鎖(又はビニール基)の測定は、化学分析におけるヨウ素価で定量することができる。
【0035】
液体ゴムにおけるビニール基を含む不飽和側鎖(又はビニール基)の含有量が高いほど、液体ゴムのヨウ素価が高い。ビニール基を含む不飽和側鎖(又はビニール基)は、架橋したゴム樹脂組成物の物理特性を向上させることができる。本発明において、液体ゴムのヨウ素価は、30g/100g~60g/100gである。
【0036】
ヨウ素価の測定方法は、まず0.3mg~1mgの液体ゴムを採取し、クロロホルムを添加して液体ゴムを完全に溶解させ、ウィイス試液(Wijs solution)を添加して30分間暗所に放置する。次に、20mLのヨウ化カリウム(100g/L)及び100mLの水を添加した後に、0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液を用いて滴定を行い、溶液が薄黄色となった時に、数滴のデンプン溶液(10g/L)を加え、青色が消えるまで滴定を行う。
【0037】
本発明の一つの実施形態において、液体ジエン系ゴムは、ブタジエンモノマー、スチレンモノマー、ジビニルベンゼンモノマー及び無水マレイン酸モノマーで形成された共重合体である。即ち、液体ゴムを構成するモノマーは、スチレンモノマー、ブタジエンモノマー、ジビニルベンゼンモノマー及び無水マレイン酸モノマーを含む。スチレンモノマー、ブタジエンモノマー、ジビニルベンゼンモノマー及び無水マレイン酸モノマーは、規則的に配列するか、もしくはランダムに配列されることができる。ブタジエンモノマー、スチレンモノマー、ジビニルベンゼンモノマー及び無水マレイン酸モノマーの総量を100モル%として、ブタジエンモノマーの含有量は、30モル%~90モル%であり、スチレンモノマーの含有量は、10モル%~50モル%であり、ジビニルベンゼンモノマーの含有量は、10モル%~40モル%であり、且つ無水マレイン酸モノマーの含有量は、2モル%~20モル%であってもよい。液体ジエン系ゴムにおいて、ジビニルベンゼンモノマー及び無水マレイン酸モノマーは、剥離強度(peel strength)及び耐熱性、との作用を果たせる。
【0038】
ポリフェニレンエーテル樹脂の分子量は、1000g/mol~20000g/molであり、好ましくは、2000g/mol~10000g/molであり、より好ましくは、2000g/mol~2200g/molである。特筆すべきことは、ポリフェニレンエーテル樹脂の分子量が20000g/mol未満である場合に、より優れた溶解性を有するため、ゴム樹脂組成物の製造に有利である。
【0039】
好ましくは、ポリフェニレンエーテル樹脂は、少なくとも1つの改質基を有してもよい。改質基は、水酸基、アミノ基、ビニール基、スチレン基、メタクリレート基及びエポキシ基からなる群から選択されてもよい。ポリフェニレンエーテル樹脂での改質基は、不飽和結合を提供して、架橋反応の進行が有利となり、それによって、高ガラス転移温度且つ耐熱性が良好な材料を形成することができる。本実施形態において、ポリフェニレンエーテルの分子構造における2つの末端にはそれぞれ、改質基を有すると共に、前記2つの改質基が同一である。
【0040】
好ましくは、ポリフェニレンエーテル樹脂は、単一の種類であるポリフェニレンエーテルを含んでもよく、複数の種類のポリフェニレンエーテルを同時に含んでもよい。
【0041】
例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂として、SABIC社の品番SA90(2つの末端にある改質基が水酸基である)又はSA9000(2つの末端にある改質基がメタクリレート基である)であるポリフェニレンエーテル樹脂、もしくは、三菱ガス化学株式会社(MGC)製のOPE-2St(2つの末端にある改質基がスチレン基である)、OPE-2EA(2つの末端にある改質基がメタクリレート基である)、又はOPE-2Gly(2つの末端にある改質基がエポキシ基である)であるポリフェニレンエーテル樹脂を用いられるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0042】
例えば、ポリフェニレンエーテルとして、2つの末端にある改質基が水酸基であるポリフェニレンエーテル、2つの末端にある改質基がメタクリレート基であるポリフェニレンエーテル、2つの末端にある改質基がスチレン基であるポリフェニレンエーテル、又は2つの末端にある改質基がエポキシ基であるポリフェニレンエーテルであってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0043】
一つの実施形態において、ポリフェニレンエーテル樹脂は、第1のポリフェニレンエーテル及び第2のポリフェニレンエーテルを含んでもよい。第1のポリフェニレンエーテル及び第2のポリフェニレンエーテルのそれぞれの分子末端に少なくとも1つの改質基を有し、改質基は、水酸基、アミノ基、ビニール基、スチレン基、メタクリレート基及びエポキシ基などの基からなる群から選択されると共に、第1のポリフェニレンエーテルの改質基は、第2のポリフェニレンエーテルの改質基と異なっている。具体的に説明すると、第1のポリフェニレンエーテルと第2のポリフェニレンエーテルとの重量比は、0.5~1.5であり、好ましくは、0.75~1.25であり、より好ましくは、1である。
【0044】
例えば、第1のポリフェニレンエーテル及び第2のポリフェニレンエーテルは独立に、2つの末端にある改質基が水酸基であるポリフェニレンエーテル、2つの末端にある改質基がメタクリレート基であるポリフェニレンエーテル、2つの末端にある改質基がスチレン基であるポリフェニレンエーテル、又は2つの末端にある改質基がエポキシ基であるポリフェニレンエーテルであってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0045】
第1のポリフェニレンエーテル樹脂及び第2のポリフェニレンエーテル樹脂は独立に、SABIC社の品番SA90(2つの末端にある改質基が水酸基である)又はSA9000(2つの末端にある改質基がメタクリレート基である)であるポリフェニレンエーテル樹脂、もしくは、三菱ガス化学株式会社(MGC)製のOPE-2St(2つの末端にある改質基がスチレン基である)、OPE-2EA(2つの末端にある改質基がメタクリレート基である)、又はOPE-2Gly(2つの末端にある改質基がエポキシ基である)であるポリフェニレンエーテル樹脂を用いられるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0046】
本発明の架橋剤は、ポリフェニレンエーテル樹脂と液体ゴムとの架橋度を向上させることができる。本実施形態において、架橋剤は、アリル基(allyl group)を含んでもよい。例えば、架橋剤は、トリアリルシアヌレート(triallyl cyanurate,TAC)、トリアリルイソシアヌレート(triallyl isocyanurate,TAIC)、フタル酸ジアリル(diallyl phthalate)、ジビニルベンゼン(divinylbenzene)、トリアリルトリメリテート(triallyl trimellitate)又はそれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、架橋剤は、トリアリルイソシアヌレートであるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0047】
[第1の無機フィラー]
第1の無機フィラーを添加することによって、ゴム樹脂材料の粘度を低減させ、且つゴム樹脂材料の熱伝導性を向上させることができる。以上の内容は、第1の無機フィラーの作用を簡単に説明するものであって、本発明を限定するためのものではない。実際に応用する際に、第1の無機フィラーは、ゴム樹脂材料の誘電特性を向上させることもある。
【0048】
本発明において、第1の無機フィラーは、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ケイ酸アルミニウム及びそれらの組み合わせであってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。一つの好ましい実施形態において、第1の無機フィラーは、酸化アルミニウム及び窒化ホウ素の中の少なくとも一種を含む。
【0049】
一つの好ましい実施形態において、第1の無機フィラーは、表面処理を行うことにより、第1の無機フィラーの表面にアクリル基及び/又はビニール基に与え、即ち、アクリル基及び/又はビニールの中の少なくとも一種を有する。このように、第1の無機フィラーと液体ゴムとを反応することが可能となり、それによって、ゴム樹脂組成物が良好な相容性を有し、金属基板の耐熱性に悪影響を与えない。また、ゴム樹脂材料における第1の無機フィラーの添加量は、従来の技術における無機フィラーの添加量の上限を超えることができる。故に、本発明に係るゴム樹脂材料は、高周波基板材料としてより好適である。
【0050】
特筆すべきことは、第1の無機フィラーは、単一の無機物粉末又は複数種の無機物粉末で混合されてもよい。また、第1の無機フィラーは、全てが表面処理されるか、もしくは、一部が表面処理されてもよい。第1の無機フィラーが酸化アルミニウム及び窒化ホウ素を含む具体例において、酸化アルミニウムが表面改質によってアクリル基及び/又はビニール基を有し、窒化ホウ素が表面改質されない。以上の内容は可能な実施形態であるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0051】
一つの好ましい実施形態において、熱伝導性フィラーは、酸化アルミニウム、窒化ホウ素及びケイ酸アルミニウムを同時に含む。ゴム樹脂組成物100重量部に対して、酸化アルミニウムの添加量は、50重量部~120重量部であり、窒化ホウ素の添加量は、10重量部~100重量部であり、ケイ酸アルミニウムの添加量は、30重量部~80重量部である。
【0052】
具体的に、第1の無機フィラーの表面改質方法は、第1の無機フィラーにアクリル基及び/又はビニール基を与えるために、特定の官能性を有するシランに含浸させる(例えば、ビニール基を有するシラン又はアクリル基を有するシラン)ことである。
【0053】
第1の無機フィラーの添加量は、製品の規格に応じて調整することができる。一つの実施形態において、ゴム樹脂組成物100重量部に対して、第1無機フィラーの添加量は、100重量部~150重量部であり、110重量部~140重量部であることが好ましく、120重量部~130重量部であることがより好ましい。しかしながら、上述した例はあくまでも一つの実施形態に過ぎなく、本発明はこれに制限されるものではない。
【0054】
第1の無機フィラーの外観は、球状又はシート状であってもよい。第1の無機フィラーの平均粒子径は、0.3μm~30μmであると共に、第1の無機フィラーの粒子径の分布範囲が、0.3~30μmであることによって、第1無機フィラーをゴム樹脂組成物に均一に分散することにとって有利である。
【0055】
[第2の無機フィラー]
第2の無機フィラーの添加により、高誘電性ゴム樹脂材料の粘度を低減させ、且つ高誘電性ゴム樹脂材料の比誘電率を向上させることができる。以上の内容は、第2の無機フィラーの作用を簡単に説明するものであって、本発明を限定するためのものではない。実際に応用する際に、第2の無機フィラーは、ゴム樹脂材料の熱伝導性を向上させることもある。
【0056】
本発明において、第2の無機フィラーは、二酸化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、及び二酸化チタンからなる群から選択されるが、本発明はこれに制限されるものではない。一つの好ましい実施形態において、第2の無機フィラーは、二酸化ケイ素及び二酸化チタンとを同時に含み、また、二酸化チタンは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム又はそれらの組み合わせで置換されてもよい。二酸化ケイ素は、溶融シリカ又は結晶シリカであってもよい。好ましくは、二酸化ケイ素は溶融シリカである。
【0057】
一つの好ましい実施形態において、第2の無機フィラーは、表面処理を行うことにより、第2の無機フィラーの表面にアクリル基及び/又はビニール基に与え、即ち、アクリル基及び/又はビニールの中の少なくとも一種を有する。このように、第2の無機フィラーと液体ゴムとを反応することが可能となり、それによって、ゴム樹脂組成物が良好な相容性を有し、高い誘電特性を有する金属基板の耐熱性に悪影響を与えない。また、ゴム樹脂材料における第2の無機フィラーの添加量は、従来の技術における無機フィラーの添加量の上限を超えることができる。故に、本発明に係るゴム樹脂材料は、高周波基板材料としてより好適である。
【0058】
特筆すべきことは、第2の無機フィラーは、単一の無機物粉末又は複数種の無機物粉末で混合されてもよい。また、第2の無機フィラーは、全てが表面処理されるか、もしくは、一部が表面処理されてもよい。第2の無機フィラーが二酸化ケイ素を含む具体例において、一部の二酸化ケイ素が表面改質によってアクリル基及び/又はビニール基を有し、他部の二酸化ケイ素が表面改質されない。以上の内容は可能な実施形態であるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0059】
具体的に、第2の無機フィラーの表面改質方法は、第2の無機フィラーにアクリル基及び/又はビニール基を与えるために、特定の官能性を有するシランに含浸させる(例えば、ビニール基を有するシラン又はアクリル基を有するシラン)ことである。
【0060】
第2の無機フィラーの添加量は、製品の規格に応じて調整することができる。一つの実施形態において、ゴム樹脂組成物100重量部に対して、第2の無機フィラーの添加量は、20重量部~250重量部であり、30重量部~200重量部であることは好ましく、40重量部~160重量部であることはより好ましい。しかしながら、上述した例はあくまでも一つの実施形態に過ぎなく、本発明はこれに制限されるものではない。
【0061】
本発明の一つの好ましい実施形態において、ゴム樹脂組成物100重量部に対して、第2の無機フィラーは、二酸化チタンと、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム又はそれらの組み合わせ20重量部~50重量部と、二酸化ケイ素10重量部~40重量部と、を含む。
【0062】
第2の無機フィラーの外観は、球状であってもよい。第2の無機フィラーの平均粒子径は、0.3μm~30μmであると共に、第2の無機フィラーの粒子径の分布範囲も、0.3μm~30μmであることによって、第2の無機フィラーをゴム樹脂組成物に均一に分散することに有利である。
【0063】
[シロキサンカップリング剤]
本発明のゴム樹脂材料は、シロキサンカップリング剤を更に含んでもよい。シロキサンカップリング剤の添加は、繊維布、高熱伝導性ゴム樹脂組成物及びフィラー(第1の無機フィラー及び第2の無機フィラーを含む)の間の反応性及び相容性を向上させ、高熱伝導性金属基板の剥離強度及び耐熱性を向上させることができる。
【0064】
一つの好ましい実施形態において、シロキサンカップリング剤は、アクリル基及びビニール基の中の少なくとも1つを含む。シロキサンカップリング剤の分子量は、100g/mol~500g/molであり、110g/mol~250g/molであることは好ましく、120g/mol~200g/molであることはより好ましい。
【0065】
ゴム樹脂組成物100重量部に対して、シロキサンカップリング剤の含有量は、0.1重量部~5重量部であり、好ましくは、0.5重量部~3重量部である。
【0066】
[難燃剤]
本発明のゴム樹脂材料は、難燃剤を更に含んでもよい。難燃剤の添加により、高周波基板の難燃性を向上させることができる。例えば、難燃剤は、リン系難燃剤又は臭素系難燃剤であってもよい。好ましくは、難燃剤はハロゲンフリー難燃剤であり、即ち、臭素を含まないものである。
【0067】
臭素系難燃剤として、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)(ethylene bistetrabromophthalimide)、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン(tetradecabromodiphenoxy benzene)、デカブロモジフェノキシオキシド(decabromo diphenoxy oxide)又はそれらの組み合わせであってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0068】
リン系難燃剤として、リン酸エステル系(sulphosuccinic acid ester)、ホスファゼン系(phosphazene)、ポリリン酸アンモニウム系、ポリリン酸メラミン系(melamine polyphosphate)又はシアヌル酸メラミン(melamine cyanurate)であってもよい。リン酸エステル系難燃剤としては、リン酸トリフェニル(triphenyl phosphate,TPP)、テトラフェニルレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(tetraphenyl resorcinol bis(diphenylphosphate),RDP)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(bisphenol A bis(diphenyl phosphate),BPAPP)、ビスフェノールAビス(ジメチル)ホスファート(BBC)、レゾルシノール二リン酸(例えば、大八化学工業社製、CR-733S)、レゾルシノールビス(2,6-ジメチルフェニルホスフェート)(例えば、大八化学工業社製、PX-200)が挙げられるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0069】
難燃剤の添加量は、製品の規格に応じて調整することができる。一つの実施形態において、ゴム樹脂組成物100重量部に対して、難燃剤の添加量は、0.1~5重量部である。
【0070】
[金属基板]
図1及び
図2に示すように、本発明は、基材層1と、基材層1に設置した少なくとも1つの金属層2と、を備える金属基板Zを更に提供する。基材層1の材料は、前記組成を有し、高誘電性且つ高誘電性を有するゴム樹脂材料を含む。具体的に説明すると、金属基板Zは、銅箔基板(Copper Clad Laminate,CCL)であってもよい。金属層2(銅箔層)は、基材層1の片面(例えば、上面)に形成されてもよい(金属層2の数は1つのみである)。もしくは、金属層2は、基材層1の両表面(例えば、上面、下面)にそれぞれ形成されてもよい(金属層2の数は2つである)。
【0071】
具体的に説明すると、金属基板Zの比誘電率(10GHz)は、6~12である。金属基板Zの誘電正接(10GHz)は、0.0040以下であり、0.0035以下であることが好ましく、0.0030以下であることがより好ましい。金属基板Zの熱伝導率は、1.2W/m・K以上であり、1.3W/m・K以上であることが好ましく、1.4W/m・K以上であることがより好ましい。金属基板Zの剥離強度は、4.5lb/in~7lb/inであることが好ましく、5lb/in~7lb/inであることがより好ましい。
【0072】
金属基板Zの特性を評価する方法として、以下に示す通りである。
(1)比誘電率(10GHz):誘電分析装置(Dielectric Analyzer)(品番:HP Agilent E5071C)を用いて、10GHzの周波数での比誘電率を測定する。
(2)誘電正接(10GHz):誘電分析装置(Dielectric Analyzer)(品番:HP Agilent E5071C)を用いて、10GHzの周波数での誘電正接を測定する。
(3)剥離強度:試験方法IPC-TM-650-2.4.8に基づいて、銅箔基板の剥離強度を測定する。
(4)熱伝導率:測定方法ASTM D5470に基づいて、銅箔基板の熱伝導率を測定する。
【0073】
[実施形態による有利な効果]
本発明の有利な効果として、本発明に係る高い熱伝導性且つ高いゴム樹脂材料及び金属基板は、「ゴム樹脂組成物は、分子量が2500g/mol~6000g/molの液体ゴムを含む」、及び「第1の無機フィラーは、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、炭化ケイ素及びケイ酸アルミニウムからなる群から選択され、第2の無機フィラーは、二酸化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム及び二酸化チタンからなる群から選択される」といった技術特徴によって、実際に応用する際に所望の物性(例えば、熱伝導率、誘電特性、剥離強度、耐熱性など)を達成する。
【0074】
以上に開示された内容は、ただ本発明の好ましい実行可能な実施態様であり、本発明の請求の範囲はこれに制限されない。そのため、本発明の明細書及び図面内容を利用して成される全ての等価な技術変更は、いずれも本発明の請求の範囲に含まれる。