(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】ポンピング・ラインでの堆積クリーニングのための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H05H 1/24 20060101AFI20240305BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240305BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240305BHJP
C23C 16/50 20060101ALI20240305BHJP
B08B 5/04 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
H05H1/24
H01L21/302 101G
H01L21/31 B
C23C16/50
B08B5/04 Z
(21)【出願番号】P 2022206137
(22)【出願日】2022-12-23
(62)【分割の表示】P 2021075584の分割
【原出願日】2017-01-12
【審査請求日】2023-01-20
(32)【優先日】2016-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505477121
【氏名又は名称】エムケイエス インストゥルメンツ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ヒル、ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】ベネディクト、スコット
(72)【発明者】
【氏名】ウェンゼル、ケビン
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-083770(JP,A)
【文献】特表2013-519188(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0011445(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0252472(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0007910(US,A1)
【文献】国際公開第2009/069204(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/24
H01L 21/3065
H01L 21/31
C23C 16/50
B08B 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に接地される表面を含む真空弁と、
前記真空弁の前記電気的に接地される表面に近接する電極と、
バリア誘電体であって、その少なくとも一部分が前記電極と前記電気的に接地される表面との間に配備される、バリア誘電体と、
前記電気的に接地される表面と、前記電極と、前記バリア誘電体とから形成される誘電体バリア放電構造であって、前記誘電体バリア放電構造は、前記真空弁の少なくとも一部分を処理するために、前記バリア誘電体と前記電気的に接地される表面との間のギャップにプラズマを生成するように適合され、前記真空弁の前記電気的に接地される表面は、前記プラズマを生成するための接地される電極を形成する、誘電体バリア放電構造と、を備える弁組立体。
【請求項2】
前記電極と、前記バリア誘電体と、隔離体誘電体とを含む埋め込み電極組立体をさらに備える、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項3】
前記真空弁の本体は円筒形であり、前記埋め込み電極組立体は円筒形であり、前記本体の円形の開口部及び前記埋め込み電極組立体の円形の開口部は、長手軸に沿って同心円状に配置される、請求項2に記載の弁組立体。
【請求項4】
前記電極は、前記バリア誘電体の内部表面上に形成される、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項5】
前記埋め込み電極組立体を前記真空弁に対して固定するための、前記真空弁の本体に結合される拡張部分をさらに備える、請求項2に記載の弁組立体。
【請求項6】
前記真空弁は、スロットル弁、隔離弁、又は振り子弁の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項7】
前記電極又は前記電気的に接地される表面は、前記真空弁の制御要素の少なくとも一部分を含む、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項8】
前記真空弁、前記電極、及び前記バリア誘電体は一体構造を形作る、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項9】
前記真空弁又は前記電極の各々は、置き換え可能な消耗品である、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項10】
前記バリア誘電体は、石英、アルミナ、ガラス、又はpolymide(商標)の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項11】
前記プラズマを生成するために、前記電極と前記電気的に接地される表面との間に接続される電力供給部をさらに備える、請求項1に記載の弁組立体。
【請求項12】
本体と制御要素とを含む真空弁を設ける工程と、
前記本体又は前記制御要素の少なくとも1つの表面を、電気的に接地される表面を形成するために電気的に接地する工程と、
電極を、前記真空弁の前記電気的に接地される表面に近接して配備する工程と、
バリア誘電体の少なくとも一部分を、前記電極と前記真空弁の前記電気的に接地される表面との間に挿入する工程と、
誘電体バリア放電構造を、前記電極と、前記バリア誘電体と、前記電気的に接地される表面とを使用して創出する工程であって、前記誘電体バリア放電構造は、前記真空弁の少なくとも一部分を処理するために、前記真空弁に結合される局在化プラズマを生成するように適合され、前記真空弁の前記電気的に接地される表面は、前記バリア誘電体と前記電気的に接地される表面との間のギャップにプラズマを生成するための設置される電極を形成する、工程と、を含む方法。
【請求項13】
前記電極を、前記バリア誘電体の内部表面上に配備する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電極及び前記バリア誘電体を、前記真空弁の前記本体に対して固定する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
高電圧交流(AC)を、前記局在化プラズマを生成するために、前記電極と前記電気的に接地される表面との間に与える工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記局在化プラズマの電力は、約266.6Pa(2トル)で約15ワットである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記真空弁及び前記誘電体バリア放電構造をウェハ加工処理チャンバから下流に配備する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記局在化プラズマを使用して、前記真空弁の少なくとも一部分を、前記ウェハ加工処理チャンバの動作の間の防止モード、又は前記ウェハ加工処理チャンバの動作の後の排除モードの少なくとも1つでクリーニングする工程をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記防止モードは、
前記ウェハ加工処理チャンバで、前記ウェハ加工処理チャンバの中のウェハ堆積処理の遂行と関連付けて1次プラズマを生成する工程と、
前記ウェハ加工処理チャンバの中の前記ウェハ堆積処理と関連付けて、前記ウェハ加工処理チャンバから前記真空弁に流れるガス状副生物を生成する工程と、
前記真空弁上の固体堆積物への前記ガス状副生物の凝集を防止するために、前記真空弁に結合される前記局在化プラズマを、前記ウェハ加工処理チャンバの中の前記ウェハ堆積処理の遂行の間、生成する工程と、を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記排除モードは、
前記ウェハ加工処理チャンバで、前記ウェハ加工処理チャンバの中のウェハ堆積処理の実行と関連付けて1次プラズマを生成する工程と、
前記ウェハ加工処理チャンバの中の前記ウェハ堆積処理と関連付けて、前記真空弁上の固体堆積物を生成する工程と、
前記真空弁上の前記固体堆積物を実質的にエッチング除去するために、前記真空弁に結合される前記局在化プラズマを、前記ウェハ堆積処理の実行の後、生成する工程と、を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記局在化プラズマを生成する工程に先行して、クリーニング・ガスを前記真空弁に供給する工程をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記局在化プラズマを使用して、前記真空弁に近接する粗引きラインの少なくとも一部分をクリーニングする工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、半導体加工処理環境でのポンピング・ラインの少なくとも一部分をクリーニングするために局在化プラズマを生成するように構成されるプラズマ源に関係する。
【背景技術】
【0002】
化学蒸気堆積(CVD)処理を含む堆積処理は、半導体デバイスの製造で普通に使用されている。例えば、典型的なCVD処理では、反応物ガスが、制御される化学反応を誘導するために、反応チャンバ内に導入され、加熱される基板に方向設定され、そのことによって、基板の表面上の薄膜の堆積が結果的に生じる。堆積処理の間、チャンバ圧力は、反応チャンバから下流で接続される、真空弁などの、1つ以上の機械的デバイスにより精密に制御される。例えば、隔離弁が典型的には、反応チャンバの排気ガス・ポートに直接接続され、スロットル弁が、隔離弁から下流に置かれ、真空ポンプが、隔離弁及びスロットル弁の両方からさらに下流に配備される。反応チャンバと真空ポンプとの間の配管(例えば、パイプライン及び弁)は、一般的には、フォアライン、粗引きライン、又は真空ポンピング・ラインと呼称される。
【0003】
堆積処理の間、スロットル弁は、反応チャンバの内側のガス圧力を調整するために、開位置と閉位置との間で循環し得る。反応物ガスから生み出される材料の大部分は、反応チャンバでの基板表面上に堆積させられる。しかしながら、一部の材料はさらには、スロットル弁上など、反応チャンバの外側の表面上に堆積させられる。不要の材料がスロットル弁上に蓄積する際、スロットル弁の有用寿命は、例えば、シール摩耗の導入、負荷追加、高トルク駆動システムに対する要請、及び、コンダクタンス特性が変わることにより低減され得る。結局のところ、スロットル弁上の不要の材料堆積物は、弁の精密な動作を損ない、そのことにより、反応チャンバの内側のガス圧力を制御する弁の能を低減する。真空ポンピング・ラインに沿った他の真空弁が、同様に、不要の材料堆積により影響を受け得る。加えて、閉ループ圧力制御の間のスロットル弁の位置は、有用な診断情報をもたらし得る。しかしながら、弁位置は堆積の量によって変動するので、弁上の不要の堆積は、システム内の他の変化の指示としての、弁位置決めの有用性を制限し得る。
【0004】
典型的には、オペレータは、クリーニング又は置き換えのために、機械的システム内の弁を手動で除去することを必要とする。このことは、ツールのダウンタイム、及び、フォアライン配管の脱気を要する。あるいは、遠隔のプラズマ源が、ポンプ及びフォアライン・クリーニングに対して使用されてきており、プラズマ出力が、フォアラインに方向設定されるが、最適化及び目標設定された構成要素クリーニングをもたらすほどには弁に近くない。
【0005】
さらに、ウェハ堆積処理の間、反応物ガスから生み出される不要の材料は、さらには、反応物ガスが加工処理チャンバからポンピング・ラインを通って外にポンピングされる際、真空ポンピング・ラインに沿って堆積させられ得る。スロットル弁と同様に、真空ポンピング・ラインでの不要の材料の蓄積は、ポンピング・ライン及び他の下流設備を詰まらせること、関連付けられる真空ポンプの正常動作に干渉すること、真空ポンプの有用寿命を低減すること、ならびに、加工処理チャンバでの加工処理工程を汚染することを含む、多数の問題を生み出し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえに、まず第1に、弁(例えば、スロットル弁)の自動的な、目標設定されたクリーニングをもたらし、弁上の堆積を防止するためのシステム及び方法が必要とされる。本発明は、実質的に、弁上の蓄積される堆積を排除し、将来の堆積を防止し得る、局在化プラズマを生成するための組立体を提供する。例えば本発明は、堆積が弁にとって問題となっている1つ以上の目標場所で局在化プラズマを創出するための、弁と統合されるプラズマ源を提供する。
【0007】
さらに、真空ポンピング・ラインの自動化されたクリーニングをもたらし、ポンピング・ラインでの堆積を防止するためのシステム及び方法が必要とされる。本発明は、実質的に、ライン上の蓄積される堆積を排除し、将来の堆積を防止し得る、真空ポンピング・ラインでの局在化プラズマを生成するための1つ以上の組立体を提供する。例えば本発明は、ポンピング・ラインに沿ったポンピング・スピードもしくはコンダクタンスを低減すること、又は、ポンピング経路を塞ぐことなど、ラインの機能に干渉することなく、ラインの1つ以上のセグメントをクリーニングするために局在化プラズマを創出するための、真空ポンピング・ラインと統合される1つ以上のプラズマ源を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様では、電気的に接地される表面を含む真空弁と、真空弁の電気的に接地される表面に近接する電極とを備える弁組立体が提供される。弁組立体はさらには、バリア誘電体であって、そのバリア誘電体の少なくとも一部分が、電極と、電気的に接地される表面との間に配備される、バリア誘電体を含む。弁組立体は、電気的に接地される表面と、電極と、バリア誘電体とから形成される誘電体バリア放電構造をさらに含む。誘電体バリア放電構造は、真空弁の少なくとも一部分を処理するために、プラズマを、電気的に接地される表面上で生成するように適合させられる。
【0009】
一部の実施形態では、弁組立体は、電極と、バリア誘電体と、隔離体誘電体とを含む埋め込み電極組立体をさらに備える。真空弁の本体、及び、埋め込み電極組立体は、実質的に円筒形であり得るものであり、したがって、本体及び埋め込み電極組立体は、長手軸に沿って同心円状にそろえられる。一部の実施形態では、弁組立体は、埋め込み電極組立体を真空弁に対して固定するための、真空弁の本体に結合される拡張部分をさらに含む。
【0010】
一部の実施形態では、電極は、バリア誘電体の内部表面上に形成される。一部の実施形態では、電気的に接地される表面は、プラズマを生成するための接地される電極を形成する。電極、又は、電気的に接地される表面は、真空弁の制御要素の少なくとも一部分を含み得る。一部の実施形態では、真空弁組立体は、プラズマを生成するための、電極と、電気的に接地される表面との間に接続される電力供給部をさらに備える。
【0011】
一部の実施形態では、真空弁は、スロットル弁、隔離弁、又は振り子弁の少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、バリア誘電体は、石英、アルミナ、窒化アルミニウム、ガラス、又はpolymide(商標)の少なくとも1つを含む。
【0012】
一部の実施形態では、真空弁、電極、及びバリア誘電体は、一体構造を形作る。あるいは、真空弁又は電極の各々は、置き換え可能な消耗品である。
別の態様では、本体と制御要素とを含む真空弁を設ける工程と、本体又は制御要素の少なくとも1つの、表面を、電気的に接地される表面を形成するために電気的に接地する工程と、電極を、真空弁の電気的に接地される表面の近傍に配備する工程とを含む方法が提供される。方法はさらには、バリア誘電体の少なくとも一部分を、電極と、真空弁の電気的に接地される表面との間に挿入する工程と、誘電体バリア放電構造を、電極と、バリア誘電体と、電気的に接地される表面とを使用して創出する工程とを含む。誘電体バリア放電構造は、真空弁の少なくとも一部分を処理するために、真空弁に結合される局在化プラズマを生成するように適合させられる。
【0013】
一部の実施形態では、方法は、電極を、バリア誘電体の内部表面上に配備する工程をさらに含む。一部の実施形態では、方法は、電極及びバリア誘電体を真空弁の本体に対して固定する工程をさらに含む。
【0014】
一部の実施形態では、方法は、高電圧交流(AC)を、局在化プラズマを生成するために、電極と、電気的に接地される表面との間に与える工程をさらに含む。一部の実施形態では、局在化プラズマの電力は、約266.6Pa(2トル)で約15ワットである。
【0015】
一部の実施形態では、方法は、真空弁及び誘電体バリア放電構造をウェハ加工処理チャンバから下流に配備する工程をさらに含む。方法は、局在化プラズマを使用して、真空弁の少なくとも一部分を、ウェハ加工処理チャンバの動作の間の防止モード、又は、ウェハ加工処理チャンバの動作の後の排除モードの少なくとも1つでクリーニングする工程をさらに含み得る。局在化プラズマはさらには、真空弁に近接する粗引きラインの少なくとも一部分をクリーニングするために使用され得る。
【0016】
防止モードは、ウェハ加工処理チャンバで、ウェハ加工処理チャンバの中のウェハ堆積処理の遂行と関連付けて、1次プラズマを生成する工程と、ウェハ加工処理チャンバの中のウェハ堆積処理と関連付けて、ウェハ加工処理チャンバから真空弁に流れるガス状副生物を生成する工程と、真空弁上の固体堆積物へのガス状副生物の凝集を防止するために、真空弁に結合される局在化プラズマを、ウェハ加工処理チャンバの中のウェハ堆積処理の遂行の間、生成する工程とを含み得る。
【0017】
排除モードは、ウェハ加工処理チャンバで、ウェハ加工処理チャンバの中のウェハ堆積処理の実行と関連付けて、1次プラズマを生成する工程と、ウェハ加工処理チャンバの中のウェハ堆積処理と関連付けて、真空弁上の固体堆積物を生成する工程と、真空弁上の固体堆積物を実質的にエッチング除去するために、真空弁に結合される局在化プラズマを、ウェハ堆積処理の実行の後、生成する工程とを含み得る。一部の実施形態では、排除モードは、局在化プラズマを生成する工程に先行して、及び/又は、その生成する工程の間、クリーニング・ガスを真空弁に供給する工程をさらに含む。
【0018】
別の態様では、真空ポンピング・ライン・プラズマ源が提供される。プラズマ源は、中心長手軸に沿って延在する、概ね円筒形の内部容積を画定する本体を含む。本体は、入力ポンピング・ラインに結合するための入力ポートと、出力ポンピング・ラインに結合するための出力ポートと、概ね円筒形の内部容積の周りに設けられる内部表面とを有する。プラズマ源はさらには、戻り電極の近傍に設けられる供給電極と、バリア誘電体部材であって、そのバリア誘電体部材の少なくとも一部分が、供給電極と戻り電極との間に位置させられる、バリア誘電体部材とを含む。プラズマ源は、供給電極と、戻り電極と、バリア誘電体部材とから形成される誘電体バリア放電構造をさらに含む。誘電体バリア放電構造の少なくとも一部分は、本体内に、又は、本体の内部表面上に設けられ、誘電体バリア放電構造は、プラズマを、概ね円筒形の内部容積で生成するように適合させられる。
【0019】
一部の実施形態では、戻り電極は、電気的に接地される。一部の実施形態では、戻り電極は、プラズマ源の本体の電気的に接地される部分を備える。一部の実施形態では、戻り電極及び供給電極は、バリア誘電体部材に埋め込まれる。
【0020】
一部の実施形態では、概ね円筒形の内部容積は、中心長手軸に沿って実質的に直線的に延在する。一部の実施形態では、供給電極、バリア誘電体部材、又は戻り電極の少なくとも1つが、概ね円筒形の内部容積を画定する。供給電極及び戻り電極は、中心長手軸までのほとんど同じ半径距離を維持し得る。
【0021】
一部の実施形態では、プラズマ源は、本体に埋め込まれる冷却チャネルをさらに含む。冷却チャネルは、冷却液を、本体を通して導通させるように構成される。一部の実施形態では、プラズマ源は、本体を冷却するための、本体の外部表面上に設けられる1つ以上のフィンをさらに備える。
【0022】
一部の実施形態では、プラズマ源は、中心長手軸に沿って交番の配置構成で位置させられる、複数の供給電極と、複数の戻り電極とをさらに備える。
一部の実施形態では、プラズマ源は、本体内に設けられ、入力ポート及び出力ポートから離隔される、2次ポートをさらに備える。2次ポートは、ガス・フローを、本体の概ね円筒形の内部容積内に導通させるように構成される。
【0023】
さらに別の態様では、真空ポンピング・ライン・プラズマ源を製造する方法が提供される。方法は、中心長手軸に沿って延在する、概ね円筒形の内部容積を画定する本体を設ける工程を含む。本体は、ポンピング・ラインの入力に結合するための入力ポートと、ポンピング・ラインの出力に結合するための出力ポートと、概ね円筒形の内部容積を画定するために中心長手軸の周りに設けられる内部表面とを有する。方法はさらには、供給電極を、戻り電極の近傍に配備する工程と、バリア誘電体部材の少なくとも一部分を、供給電極と戻り電極との間に位置させる工程とを含む。方法は、誘電体バリア放電構造を、供給電極と、戻り電極と、バリア誘電体部材とを使用して創出する工程をさらに含む。誘電体バリア放電構造の少なくとも一部分は、本体内に、又は、本体の内部表面上に設けられ、誘電体バリア放電構造は、局在化プラズマを、概ね円筒形の内部容積で生成するように適合させられる。
【0024】
一部の実施形態では、真空ポンピング・ライン・プラズマ源を製造する方法は、戻り電極を接地する工程をさらに含む。一部の実施形態では、方法は、戻り電極を、本体の少なくとも1つの部分を電気的に接地することにより形成する工程をさらに含む。一部の実施形態では、方法は、戻り電極又は供給電極の少なくとも1つを、バリア誘電体部材に埋め込む工程をさらに含む。一部の実施形態では、方法は、供給電極、戻り電極、及びバリア誘電体部材を、本体内に、又は、本体の内部表面上に配備する工程をさらに含む。
【0025】
一部の実施形態では、誘電体バリア放電構造は、約20ワットから約1000ワットの電力を伴う局在化プラズマを生成するように構成され得る。
一部の実施形態では、概ね円筒形の内部容積は、ポンピング・ラインと同軸である。
【0026】
一部の実施形態では、同時焼成技法が、分離誘電体部材と、バリア誘電体部材と、供給電極とを含む誘電体バリア放電構造の少なくとも一部分を統合的に形成するために使用される。バリア誘電体部材及び分離誘電体部材は、1つ以上のセラミック材料を含み得る。
【0027】
さらに別の態様では、ポンピング・ラインであって、そのポンピング・ラインに結合される複数のインライン・プラズマ源を有する、ポンピング・ラインをクリーニングするための方法が提供される。方法は、クリーニング・ガスをポンピング・ラインに、ポンピング・ラインに接続されるウェハ加工処理チャンバから供給する工程と、局在化プラズマを、複数のインライン・プラズマ源の1つ以上で、ポンピング・ライン内を流れるクリーニング・ガスを使用して生成する工程であって、各々の局在化プラズマは、ポンピング・ラインの少なくとも一部分をクリーニングするように適合させられる、生成する工程とを含む。方法は、1つ以上のインライン・プラズマ源での局在化プラズマの、1つ以上のインピーダンスを決定する工程と、1つ以上のインピーダンスを、クリーニングの終了点を検出するために監視する工程とをさらに含む。
【0028】
一部の実施形態では、複数のインライン・プラズマ源の少なくとも1つは、ポンピング・ラインのスロットル弁から上流にある。インライン・プラズマ源は、複数のインライン・プラズマ源内の近接するプラズマ源から、約2メートルから約3メートル離隔され得る。
【0029】
一部の実施形態では、クリーニングの終了点を検出する工程は、監視されるインピーダンスの少なくとも1つの、定常状態を決定する工程を含む。ポンピング・ラインへのクリーニング・ガスの供給は、終了点を検出する後に停止され得る。さらに、1つ以上のインライン・プラズマ源での局在化プラズマは、終了点を検出する後に消され得る。
【0030】
一部の実施形態では、各々の局在化プラズマの電圧又は電流の少なくとも1つが監視され、それらの電圧又は電流に基づいて、1つ以上のインピーダンスが判定される。
一部の実施形態では、局在化プラズマは、各々のインライン・プラズマ源の内部表面上に形成され、各々のインライン・プラズマ源の内部表面は、ポンピング・ラインのセクションを形成する、概ね円筒形の内部容積を画定する。コンダクタンスは、ポンピング・ライン、及び、インライン・プラズマ源の概ね円筒形の内部容積に沿って実質的に一定であり得る。
【0031】
一部の実施形態では、第2のクリーニング・ガスが、インライン・プラズマ源の少なくとも1つの、内部容積内に、少なくとも1つのインライン・プラズマ源のポートを経て注入される。第2のクリーニング・ガスは、分散型フロー・パターン、及び/又は、ポンピング・ラインの壁に沿った環状フロー・パターンで方向設定され得る。
【0032】
上記で説明された本発明の利点は、さらなる利点とともに、付随する図面との連関で行われる以下の説明を参照することにより、より良好に理解され得る。図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに全体的に、技術の原理を図解することに重きが置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】フォアラインでの普通に見られる副生物である、塩化アンモニウムの例示的な相図を示す図。
【
図2a】例示的な誘電体バリア放電構成であって、それに基づいて本発明の弁組立体が構築され得る、例示的な誘電体バリア放電構成を示す図。
【
図2b】例示的な誘電体バリア放電構成であって、それに基づいて本発明の弁組立体が構築され得る、例示的な誘電体バリア放電構成を示す図。
【
図2c】例示的な誘電体バリア放電構成であって、それに基づいて本発明の弁組立体が構築され得る、例示的な誘電体バリア放電構成を示す図。
【
図3】(a)閉位置で図解される、スロットル弁に結合される埋め込み電極組立体を含む、例示的な弁組立体の断面図、及び(b)開位置で図解される、スロットル弁に結合される埋め込み電極組立体を含む、例示的な弁組立体の断面図。
【
図4】スロットル弁が開位置にある、
図3(a),(b)の弁組立体の上面図を示す図。
【
図5】
図3(a),(b)の、弁組立体の中の埋め込み電極組立体の少なくとも一部分の詳細図を示す図。
【
図6a】
図3(a),(b)の埋め込み電極組立体との関係で、電気的放電及びプラズマ形成をサポートする、様々な例示的な電気的に接地される表面を示す図。
【
図6b】
図3(a),(b)の埋め込み電極組立体との関係で、電気的放電及びプラズマ形成をサポートする、様々な例示的な電気的に接地される表面を示す図。
【
図6c】
図3(a),(b)の埋め込み電極組立体との関係で、電気的放電及びプラズマ形成をサポートする、様々な例示的な電気的に接地される表面を示す図。
【
図6d】
図3(a),(b)の埋め込み電極組立体との関係で、電気的放電及びプラズマ形成をサポートする、様々な例示的な電気的に接地される表面を示す図。
【
図7】(a)閉位置で図解される、局在化プラズマが、スロットル弁を処理するために生成される、
図3(a),(b)の弁組立体の断面図、及び(b)開位置で図解される、局在化プラズマが、スロットル弁を処理するために生成される、
図3(a),(b)の弁組立体の断面図。
【
図8】局在化プラズマを含む、
図7(a),(b)の弁組立体の上面図を示す図。
【
図9a】例示的な振り子弁であって、それに基づいて弁組立体が、弁のイン・サイチュ局在化処理過程をもたらすために創出され得る、例示的な振り子弁の側面図を示す図。
【
図9b】例示的な振り子弁であって、それに基づいて弁組立体が、弁のイン・サイチュ局在化処理過程をもたらすために創出され得る、例示的な振り子弁の断面図を示す図。
【
図10】例示的な隔離弁であって、それに基づいて弁組立体が、弁のイン・サイチュ局在化処理過程をもたらすために創出され得る、例示的な隔離弁の断面図を示す図。
【
図11】
図3~10の弁組立体などの弁組立体を創出するための例示的な処理を示す図。
【
図12】埋め込み電極組立体と弁とを含む、本発明の弁組立体を使用して、弁の少なくとも一部分を動作の2つのモードの1つでクリーニングするための例示的な処理を示す図。
【
図13a】真空ポンピング・ラインに結合されるように構成される、例示的なプラズマ源の外面図を示す図。
【
図13b】真空ポンピング・ラインに結合されるように構成される、例示的なプラズマ源の断面図を示す図。
【
図14】真空ポンピング・ラインに結合されるように構成される、別の例示的なプラズマ源の断面図を示す図。
【
図15】真空ポンピング・ラインに結合されるように構成される、さらに別の例示的なプラズマ源の断面図を示す図。
【
図16】真空ポンピング・ラインに結合されるように構成される、さらに別の例示的なプラズマ源の断面図を示す図。
【
図17】2次流体を受けるために補助ポートを組み込む、
図14のプラズマ源の例示的なセクションを示す図。
【
図18】プラズマ源の内部容積の少なくともセクションへの導入のための2次流体の、境界層又は移動壁を創出するように構成される、ノズル組立体の例示的な設計を示す図。
【
図19】プラズマ源の内部容積内の分散型2次流体フローを創出するように構成される、例示的な設計を示す図。
【
図20】真空ポンピング・ラインに結合されるように構成される、さらに別の例示的なプラズマ源の断面図を示す図。
【
図21】例示的なプラズマ・クリーニング組立体であって、その組立体のポンピング・ラインの少なくともセクションをクリーニングするための、本発明の1つ以上のプラズマ源を含む、例示的なプラズマ・クリーニング組立体を示す図。
【
図22】
図21のポンピング・ラインであって、そのポンピング・ラインをクリーニングするための、そのポンピング・ラインの長さに沿って分散される複数個のプラズマ源を伴う、
図21のポンピング・ラインを示す図。
【
図23】
図22のポンピング・ラインをクリーニングするための工程の例示的なシーケンスを示す図。
【
図24】
図13~18のプラズマ源を形成するなど、インライン・プラズマ源を形成するための、例示的な処理を示す図。
【
図25】本発明の複数のインライン・プラズマ源を使用して、ポンピング・ラインの少なくとも一部分をクリーニングするための、例示的な処理を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
堆積処理では、一般的には、不要の材料堆積を、フォアライン(さらには、真空ポンピング・ラインと呼称される)に沿った構成要素(例えば、スロットル弁)上に、又は、フォアラインそれ自体の中に創出し得る、化学反応の2つのタイプが存する。化学反応の1つのタイプは、レート制限(rate limited)反応であり、反応チャンバ内の大部分又はすべての反応物(例えば、入力ガス)が、ウェハ面で消費されるわけではない。代わりに、ウェハ上で発生することを意図される反応は、さらには、チャンバのさらに下流及び/又は外側で発生し得る。例えば、反応チャンバに供給されるガスは、チャンバの外にポンピングされるときに反応し続け得る。壁相互作用は、そのようなレート制限反応の公算を増大し得るものであり、その場合、2つのガス反応物が、反応チャンバの外にポンピングされ、同じ表面に付着し、その同じ表面上で、反応が引き続いて、副生物を生成するように発生する。一部の事例では、壁相互作用は、反応チャンバの外にポンピングされているガスの渦電流フロー・パターンに起因して、弁の制御要素の表面上(例えば、スロットル弁のフラッパの裏側上)で発生する公算がより大きい。一部の事例では、高圧(例えば、準大気圧)処理は、レート制限反応を経験する公算がより大きい。レート制限反応から生成される副生物は、固体及び/又は蒸気の形態でのものであり得る。化学反応の別のタイプは、反応物制限(reactant limited)であり、その場合、ガス反応物は、反応チャンバ内のウェハ上で消費され、おそらくは固体形態での、反応からの副生物が、反応チャンバからポンピングされ、フォアラインを通って下流に抜ける。一部の事例では、反応物制限反応は、レート制限反応からの副生物と比較して、より化学的に安定な副生物を結果的に生じさせ得る。レート制限反応と反応物制限反応との間の遷移は、処理温度及び圧力によって操作され得る。一般的には、レート制限反応及び反応物制限反応の両方から生成される、固体及び/又は蒸気副生物は、フォアラインの1つもしくは複数の構成要素上の、又は、フォアラインそれ自体内の、不要の材料堆積となり得る。
【0035】
図1は、反応物制限反応から生み出され得る、フォアラインでの普通に見られる、化学的に安定な副生物である、塩化アンモニウムの例示的な相図を示す。示されるように、約10Cから30Cの範囲などでの、フォアラインでの相対的に小さい温度降下が、蒸気から固体への塩化アンモニウムの凝集102につながり得るものであり、その固体は、副生物が、フォアラインでの1つ以上の表面上に、不要の堆積物として容易に蓄積することを可能とする形態である。加えて、フォアラインが約150Cまで加熱されるときの、約26.66Pa(200ミリ・トル)より大きいフォアライン圧力は、普通に見られる処理条件であるが、そのような望ましくない凝集が発生する前のガス冷却のための余地をほとんど許さない。それゆえに、フォアラインに沿った冷却は、フォアラインでの構成要素上の材料堆積を加速し得る。例えば、スロットル弁内の速度はスロットル点で劇的に増大し得るので、このことが、エネルギーの保存に起因して、エンタルピーの減少、より低いガス温度、及び、スロットル弁の付近の冷却につながり得る。その上、ジュール・トムソン冷却の理論によれば、一定のエンタルピーを伴っても、非理想気体性状は、温度が降下することを引き起こし得るものであり、降下の量は、ガス、圧力、及び/又は温度条件に、きわめて依存的である。
図1での塩化アンモニウムの例示的な相図により図解されるように、スロットル弁の周囲の温度の降下は、副生物が、蒸気から、スロットル弁上に容易に堆積させられる固体に変化することを引き起こし得る。それゆえに、フォアライン構成要素上の、及び/又は、フォアライン上の堆積を防止するために、ガス状副生物を蒸気状態に維持するように環境温度を増大するためのシステム及び方法が必要とされる。加えて、構成要素上にすでに堆積させられた固体副生物を低減/排除するためのシステム及び方法が必要とされる。
【0036】
1つの態様では、弁と統合される誘電体バリア放電構造を含む弁組立体が提供され、弁組立体は、弁上の堆積を(例えば、ガス状副生物をその蒸気形態に維持することにより)防止する、及び/又は、弁上の既存の堆積物を(例えば、少なくとも1つのクリーニング・ガスと相互作用することにより)エッチング除去するために、局在化プラズマを生成し得る。弁組立体での使用に適した弁は、スロットル弁、隔離弁、又は振り子弁であり得る真空弁など、任意のタイプの弁であり得る。
【0037】
図2a~cは、いくつかの例示的な誘電体バリア放電構成であって、それらに基づいて本発明の弁組立体が構築され得る、いくつかの例示的な誘電体バリア放電構成を示す。示されるように、誘電体バリア放電は一般的には、電極202と、少なくとも1つのバリア誘電体層204と、少なくとも1つの放電ギャップ206と、電気的に接地される電極208とを含む。電力供給部210が、電極202と接地電極208との間に接続される。誘電体バリア放電構造での、バリア誘電体層204及び放電ギャップ206の、いくつかの可能な配置構成が存する。例えば、
図2aで示されるように、バリア誘電体層204は、電極202と物理的に接触し得るものであり、放電ギャップ206は、バリア誘電体204と接地電極208との間に置かれる。
図2bでは、2つのバリア誘電体層204a、204bが、電極202、208の各々と物理的に接触し得るものであり、バリア放電ギャップ206は、2つのバリア誘電体層の間に挟まれる。
図2cでは、バリア誘電体層204は、電極202、208の両方から、放電ギャップ206a及び206bにより物理的に隔離される。他の誘電体バリア放電構造が可能であり、本発明の範囲内にある。動作において、電力供給部210が高電圧交流(AC)を電極202と接地電極208との間に与える際、電荷が、バリア誘電体層204を通って移り、これらの層204の表面上に集まる。表面電位が絶縁破壊しきい値電圧に達するとき、大きい数の小さい放電が、AC波形の半サイクルごとに発生して、プラズマを生成する。プラズマは、継続的なエネルギー源が、放電プラズマの消滅につながる再結合処理に打ち勝つ、要される程度のイオン化をもたらすならば持続させられる。
【0038】
図3(a),(b)は、それぞれ閉位置及び開位置で図解される、スロットル弁302に結合される埋め込み電極組立体301を含む、例示的な弁組立体300の断面図を示す。
図4は、スロットル弁302が開位置にある、
図3(a),(b)の弁組立体300の上面図を示す。示されるように、弁組立体300のスロットル弁302は、制御要素304(例えば、円形フラッパ)と、制御要素304を開位置と閉位置との間で回転させるために使用されるシャフト306と、本体308であって、それを通ってガスが、制御要素304が開位置にあるときに流れる、本体308とを含む。スロットル弁302の本体308は、制御要素304の運動を受け入れるための中心開口部324を伴って、円筒形及び円板形状であり得る。弁本体308は、例えば、ステンレス鋼又は陽極処理アルミニウムで作製され得る。弁本体308は、開口部324を通って延在する長手軸Aを画定する。スロットル弁302のコンダクタンスは、本体308の内側表面(すなわち、開口部324の周縁上の表面)と、制御要素304の周縁との間の距離の関数である。
【0039】
スロットル弁本体308、制御要素304、又はシャフト306の、少なくとも1つの表面が、電気的に接地され得る。一部の実施形態では、弁本体308の表面が電気的に接地されると、弁本体308全体が、電気的に接地される様態となる。一般的に、電気的に接地される表面310は、スロットル弁302の接地される表面を指し、その接地される表面に対して、局在化プラズマが、スロットル弁302との関係で、埋め込み電極組立体301の配置に起因して方向設定される。プラズマは、可能な最も低いエネルギー状態を占有することを試みるので、そのプラズマは、埋め込み電極組立体301から、埋め込み電極組立体301に最も近い接地される表面であれば何にでも放電する傾向にある。それゆえに、埋め込み電極組立体301をスロットル弁302との関係で選択的に位置させることにより、オペレータは、弁302の所望される部分の目標設定されたイン・サイチュ・クリーニングを、統合されたプラズマ源によって遂行することができる。一部の事例では、電気的に接地される表面310は、スロットル弁302の「濡れ」表面又は「内部真空露出」表面であり得る。電気的に接地される表面310は、制御要素304、スロットル弁本体308、シャフト306、又は、電気的放電をサポートする、スロットル弁302上の、もしくはスロットル弁302に近い、別の表面上に配備され得る。
【0040】
図5は、弁組立体300の中の、
図3(a),(b)の埋め込み電極組立体301の少なくとも一部分の詳細図を示す。示されるように、埋め込み電極組立体301は、電極312と、バリア誘電体314と、隔離体誘電体316とを含む。電極312は、隔離体誘電体316とバリア誘電体314との間に挟まれ、したがって、電極312は、2つの構成要素の内部表面上に形成される。一部の実施形態では、埋め込み電極組立体301は、スロットル弁302の制御要素304を半径方向で包囲し、バリア誘電体314は、制御要素304に半径方向(すなわち、長手軸Aに直交する方向)で最も近く、隔離体誘電体316は、制御要素304から半径方向で最も遠く離れている。電極312はさらには、スロットル弁302上の、又はスロットル弁302に近い、電気的に接地される表面310に近接し、バリア誘電体314の少なくとも一部分が、電極312と、電気的に接地される表面310との間に配備される。一部の実施形態では、隔離体誘電体316又はバリア誘電体314の少なくとも1つは、石英、アルミナ、セラミック材料(例えば、窒化アルミニウム)、ガラス、又は、polymide(商標)(例えば、クリプトン(Klypton))などの安定ポリマで作製される。一部の実施形態では、電極312はタングステンで作製される。
【0041】
図3(a),(b)を参照すると、埋め込み電極組立体301は、スロットル弁302の本体308と同様に形状設定され得るものであり(例えば、円筒形及び円板形状)、したがって、2つの構成要素301、308は、長手軸Aに沿って、同心円状にそろい、合わさって積層し得る。具体的には、円板形状の埋め込み電極組立体301は、円形の中心開口部334を有し得るものであり、その中心開口部334は、埋め込み電極組立体301が弁302に取り付けられるときに、長手軸Aに沿って、弁本体308の中心開口部324と実質的にそろう。一部の実施形態では、電極312、バリア誘電体314、及び隔離体誘電体316は、円筒形であり、埋め込み電極組立体301を形成するために、長手軸Aの周りに同心円状に配置構成され得るものであり、電極312はバリア誘電体314を実質的に包囲し、隔離体誘電体316は電極312を実質的に包囲する。一部の実施形態では、埋め込み電極組立体301は、埋め込み電極組立体301をスロットル弁302に対して固定するように構成される、例えば、ステンレス鋼で作製される、拡張部分315を含む。一部の実施形態では、1つ以上の真空シール320が、電極312の基板を弁本体308に取り付けるために使用され得る。
【0042】
一般的には、弁組立体300は、電気的に接地される表面310及び埋め込み電極組立体301に基づいて創出される、誘電体バリア放電構造を含む。電力供給部(示されない)が、電気的に接地される表面310に向けて方向設定される局在化プラズマを、その表面、及び、その表面の近傍をクリーニングするために生成するために、埋め込み電極組立体301の電極312と、電気的に接地される表面310との間に接続され得る。一部の実施形態では、弁組立体300の誘電体バリア放電構造は、電気的に接地される表面310との関係で、電極312、隔離体誘電体316、及び/又はバリア誘電体314を、適するように配置構成することにより、
図2a~cの誘電体バリア放電構成の1つと同様の幾何形状及び構築様式を有するように構成され得る。例えば、電気的に接地される表面310は、電気的に接地される電極208と実質的に同じ機能を供し得るものであり、電極312は、電極202と実質的に同じであるように構築され得るものであり、バリア誘電体314は、バリア誘電体層204と実質的に同じであるように構築され得る。加えて、埋め込み電極組立体301と、スロットル弁302の接地される表面310との間のギャップは、
図2a~cの放電ギャップ206と同様の放電ギャップの働きをし得る。
【0043】
上記で説明されたように、電気的に接地される表面310は、埋め込み電極組立体301が、プラズマを誘電体バリア放電によって形成するために、電気的に接地される表面310に十分近傍に配備される限り、電気的放電をサポートする、スロットル弁302上の、又はスロットル弁302に近い、任意の表面であり得る。
図6a~dは、埋め込み電極組立体301との関係で、電気的放電及びプラズマ形成をサポートする、様々な例示的な電気的に接地される表面310を示す。上記で説明されたように、埋め込み電極組立体301をスロットル弁302との関係で選択的に位置させることにより、オペレータは、結果的に生じるプラズマ放電が目標設定される対象の電気的に接地される表面310を選定することができる。
図6aでは、電気的に接地される表面310は、スロットル弁302の制御要素304上に配備され、プラズマは、埋め込み電極組立体301と、制御要素304の接地される表面との間の放電ギャップ322で形成され得る。
図6bでは、電気的に接地される表面310は、弁本体308の内方表面(例えば、弁本体308の中心開口部324の内方円筒形表面)上に配備され、プラズマは、埋め込み電極組立体301と、弁本体308の接地される内方表面との間の放電ギャップ322で形成され得る。
図6cでは、第2の任意選択のバリア誘電体602が、埋め込み電極組立体301と、弁本体308上に配備される電気的に接地される表面310との間に挿入される。この第2のバリア誘電体602は、バリア放電での金属スパッタリングを低減するために使用され得る。一部の実施形態では、陽極処理アルミニウム本体の陽極処理層が、第2のバリア誘電体602の働きをし得る。電気的に接地される表面310は、陽極処理層の下にあるアルミニウム層上に配備され得る。
図6dは、供給電極608及び戻り(例えば、接地される)電極610の両方が、共有隔離体誘電体612及び共有バリア誘電体614とともに、1つの構造に統合される、埋め込み電極組立体606を示す。例えば、供給電極608及び戻り電極610は、隔離体誘電体612とバリア誘電体614との間に設けられ得る。放電ギャップ616が、供給電極608と戻り電極610との間に形成され得る。
【0044】
図7(a),(b)は、それぞれ閉位置及び開位置で図解される、局在化プラズマ702が、スロットル弁302を処理するために生成される、弁組立体300の断面図を示す。
図8は、局在化プラズマ702を含む、弁組立体300の上面図を示す。示されるように、プラズマ放電702は、電極312(埋め込み電極組立体301の中心開口部334の内方円筒形表面に沿って配備される)と、近接する接地される表面310(スロットル弁本体308の中心開口部324の内方円筒形表面上に配備される)との間で創出される。プラズマ702は、中心開口部324,334の内方円筒形表面に沿って創出される薄円形層であり得る。プラズマ702は、長手軸Aに沿って、埋め込み電極組立体301の隔離体誘電体316、電極312、又はバリア誘電体314の少なくとも1つと、同心円状及び/又は平行であり得る。動作において、プラズマ放電702は、付近の弁302を加熱し、電気的に接地される表面310は、最も多い量の熱にさらされる。一部の実施形態では、弁組立体300により生成されるプラズマ放電は、約266.6Pa(2トル)で約15ワットの電力を有し得る。
【0045】
一部の実施形態では、埋め込み電極組立体301は、スロットル弁302の1つの構成要素上に形成され、一方で、電気的に接地される表面310は、スロットル弁302の別の構成要素上にある。例えば、埋め込み電極組立体301は、制御要素304上に形成され得るものであり(例えば、制御要素304が電極312である)、その事例では、接地される電気的表面310は、スロットル弁本体308の中心開口部324の内方円筒形表面の少なくとも一部分となる。逆のことが、さらには構築され得る。具体的には、埋め込み電極組立体301は、弁本体308上に形成され得るものであり(例えば、弁本体308が電極312である)、一方で、接地される電気的表面310は、制御要素304上に配備される。これらの事例では、電極312、又は、電気的に接地される表面310は、制御要素304の少なくとも一部分を備える。
【0046】
一部の実施形態では、弁組立体300は、単一の構成要素として統合される弁302及び埋め込み電極組立体301を有する一体構造である。一部の実施形態では、弁組立体300の各々の構成要素(例えば、弁302又は埋め込み電極組立体301)は、消耗品であり、別々に置き換え可能であり得る。さらに、埋め込み電極組立体301の構成要素(例えば、隔離体誘電体316、電極312、又はバリア誘電体314)は、消耗品で、別々に置き換え可能であり得る。
【0047】
弁組立体300が、スロットル弁について上記で説明されているものの、弁組立体は、隔離弁又は振り子弁を含む、他のタイプの真空弁をクリーニングするように容易に適合させられ得る。一般的に、本発明の弁組立体は、埋め込み電極組立体と弁とを含み得る。埋め込み電極組立体は、電極、及び、少なくとも1つのバリア誘電体から構築され得る。弁の表面(又は、弁に近い表面)は、電気的に接地され得る。かくして、弁組立体は、誘電体バリア放電を、電気的に接地される表面、及び、埋め込み電極組立体から創出することができる。動作において、誘電体バリア放電は、弁及びその近傍(例えば、弁が配備されるフォアラインの少なくとも一部分)を処理するためのプラズマ電荷を生み出す。
【0048】
図9a,9bは、例示的な振り子弁900であって、それに基づいて弁組立体が、弁900のイン・サイチュ局在化処理過程をもたらすために創出され得る、例示的な振り子弁900の側面図及び断面図をそれぞれ示す。示されるように、振り子弁900は、制御要素904(例えば、ゲート)とシャフト906とを含み、そのシャフト906は、制御要素904を方向905で、開口部907を露出させるための開位置と、開口部907を覆うための閉位置との間で回転させるために使用される。加えて、振り子弁900は、本体908を含み、その本体908を通ってガスが、制御要素904が開位置にあるときに流れる。弁本体908は一般的には、遠位端920及び近位端922を画定する。振り子弁900のコンダクタンスは、本体908内に設けられる開口部907に相対する制御要素904の位置により画定される開口部の量の関数である。
【0049】
弁本体908、制御要素904、又はシャフト906の表面を含む、振り子弁900の少なくとも1つの表面は、電気的に接地される表面を形成するために電気的に接地され得る。例えば、電気的に接地される表面は、制御要素904に対して近位である(すなわち、制御要素904により、覆われ得る、又は、覆われなくされ得る)、開口部907の周縁に沿った表面910上に配備され得る。別の例として、電気的に接地される表面は、制御要素904に対して遠位である、開口部907に近い表面912上に配備され得る。あるいは、電気的に接地される表面は、振り子弁900に近接する表面(示されない)上に配備され得る。一部の実施形態では、スロットル弁302について上記で説明された埋め込み電極組立体301と同様の埋め込み電極組立体(示されない)が、プラズマ放電を、埋め込み電極組立体と、電気的に接地される表面との間で生成するために、振り子弁900、及び、電気的に接地される表面の近傍に位置させられ得る。
【0050】
図10は、例示的な隔離弁1000であって、それに基づいて弁組立体が、弁1000のイン・サイチュ局在化処理過程をもたらすために創出され得る、例示的な隔離弁1000の断面図を示す。隔離弁1000は、制御要素1004(例えば、ノーズピース)とシャフト1006とを含み、そのシャフト1006は、制御要素1004を垂直方向1005で、開口部1007を露出させるための開位置と、開口部1007を閉塞するための閉位置との間で動かすために使用される。加えて、隔離弁1000は、本体1008を含み、その本体1008を通ってガスが、制御要素1004が開位置にあるときに流れる。示されるように、制御要素1004は、近位表面1012と遠位表面1014とを有し、近位表面1012は、その近位表面1012に接続されるばね1010を有し、遠位表面1014は、その遠位表面1014に取り付けられる1つ以上のo-リング1016を有する。ばね1010の伸張によって、制御要素1004は、弁1000の本体1008の台座1018と接することを強いられ、したがって、o-リング1016は、台座1018と物理的に接触して、開口部1007を閉じる。ばね1010の収縮によって、制御要素1004は、台座1018から離れるように動いて、開口部1007を覆われなくする。隔離弁1000はさらには、真空を大気から隔離し、一方で、垂直方向1005での制御要素1004の動きを許すための、1つ以上のベローズ1022を含み得る。隔離弁1000のコンダクタンスは、台座1018に相対する制御要素1004の位置により画定される開口部の量の関数である。
【0051】
弁本体1008、制御要素1004、又はシャフト1006の表面を含む、隔離弁1000の少なくとも1つの表面は、電気的に接地される表面を形成するために電気的に接地され得る。例えば、電気的に接地される表面は、制御要素の遠位表面1014上に配備され得る。別の例として、電気的に接地される表面は、開口部1007を画定する弁本体1008の表面1020上に配備され得る。一部の実施形態では、スロットル弁302について上記で説明された埋め込み電極組立体301と同様の埋め込み電極組立体(示されない)が、プラズマ放電を、埋め込み電極組立体と、(例えば、開口部1007での)電気的に接地される表面との間で生成するために、隔離弁1000、及び、電気的に接地される表面の近傍に位置させられ得る。
【0052】
図11は、
図3~10を参照して上記で説明された弁組立体などの弁組立体を創出するための例示的な処理を示す。処理は、スロットル弁302、振り子弁900、又は隔離弁1000などの真空弁が用意される(工程1102)ときに開始する。弁は一般的には、本体と制御要素(例えば、スロットル弁302のフラッパ304、振り子弁900のゲート904、又は、隔離弁1000のノーズピース1004)とを含む。弁の本体又は制御要素の表面は、電気的に接地される表面を形成するために電気的に接地され得る(工程1104)。埋め込み電極組立体を形成するために、電極が、真空弁の電気的に接地される表面の近傍に配備され得るものであり(工程1106)、バリア誘電体の少なくとも一部分が、電極と、電気的に接地される表面との間に挿入され得る(工程1108)。埋め込み電極組立体は、電極が、バリア誘電体の内部表面上にあるように配置構成され得る。一部の実施形態では、隔離体誘電体がさらには、埋め込み電極組立体に含まれ、電極は、隔離体誘電体の内部表面上に配置される。すなわち、電極は、隔離体誘電体とバリア誘電体との間に挟まれ得る。誘電体バリア放電構造が、そのことにより、埋め込み電極組立体(電極とバリア誘電体とを含む)と、電気的に接地される表面とに基づいて創出される(工程1110)。誘電体バリア放電構造は、真空弁の少なくとも一部分を処理するために、埋め込み電極組立体と、電気的に接地される表面との間などで、真空弁に結合される局在化プラズマを生成するように適合させられる。高電圧交流が、誘電体バリア放電構造を活動化して、局在化プラズマを生成するために、電極と、電気的に接地される表面との間に供給され得る。一部の実施形態では、結果的に生じるプラズマの電力は、約266.6Pa(2トル)で約15ワットである。
【0053】
一部の実施形態では、本発明の弁組立体は、ウェハを堆積処理で処理するために使用される反応チャンバから下流に配備される。上記で説明されたように、堆積処理からの固体及び/又は蒸気副生物は、反応チャンバから下流である弁上の不要の材料堆積となり得る。それゆえに、弁組立体をフォアラインでの弁の周りで形成することによって、弁の目標設定されたイン・サイチュ・クリーニングが可能になる。
図12は、少なくとも埋め込み電極組立体と弁とを含む、本発明の弁組立体を使用して、弁の少なくとも一部分を動作の2つのモードの1つでクリーニングするための例示的な処理を示す。処理は、反応チャンバでの、チャンバの中のウェハ堆積処理と関連付けての、1次プラズマの生成(工程1202)によって開始する。上記で説明されたように、ウェハ堆積処理は、下流に弁へと流れ得るガス状副生物、及び/又は、弁上に堆積し得る固体材料の生産に起因する、下流の真空弁上の不要の材料堆積を潜在的に引き起こし得る(工程1204)。反応チャンバでのウェハ堆積処理が、レート制限処理であるか(すなわち、入力反応物ガスの一部が、ウェハ面で消費されないかどうか)、それとも、反応物制限処理であるか(すなわち、入力反応物ガスの大部分又はすべてが、ウェハ面で消費されるかどうか)の決定が為される(工程1206)。反応物制限処理が決定されるならば、実質的に反応チャンバでの堆積処理の間に行われる、動作の防止モードが実行される。さもなければ、ウェハ堆積処理はレート制限処理であり、ウェハが反応チャンバから除去され、チャンバが相対的に非活動である後に、動作の排除モードが実行される。上記で説明されたように、反応物制限反応は、レート制限反応より化学的に安定な副生物を生み出す傾向にある。プラズマがガス状副生物に付与されるとき、結果的に生じる熱がさらには、副生物内の分子の多くを、それらの分子の成分要素に解離させ得る。元の分子が化学的に安定である(例えば、反応物制限反応からのものである)ならば、それらの分子は、プラズマ加熱の後に同じ安定なモジュールに再び形を成すように適合させられる。しかしながら、副生物内の元の分子が安定でない(例えば、レート制限反応からのものである)ならば、解離要素は、フォアライン構成要素上の不要の堆積物となり得る他の分子に形を成す公算が大きい。それゆえに、レート制限反応に対して、局在化プラズマは、ウェハ堆積の間は活性化されないものであり、なぜならば、堆積の間の局在化プラズマ加熱は、追加的な固体堆積物を生み出し得るからである。しかしながら、レート制限反応に対して、局在化プラズマは、固体堆積物を所定のクリーニング化学作用の助力によってクリーニングで除くために、ウェハ堆積の後に活性化され得る。
【0054】
動作の防止モードでは、クリーニングされることになる弁を組み込む弁組立体は、局在化プラズマを、弁上の電気的に接地される表面と、近接する埋め込み電極組立体との間で生成するために、(例えば、高電圧交流を付与することにより)活動化され得る(工程1208)。局在化プラズマは、弁上の固体堆積物へのガス状副生物の凝集を防止するために、ウェハ堆積処理の少なくとも一部分の間持続させられ得るものであり(工程1210)、ガス状副生物は、化学的に安定である傾向にある。一部の実施形態では、局在化プラズマは、反応チャンバでのウェハ堆積処理の完了のわずかに後に持続させられる。ゆえに、反応チャンバでの1次プラズマ、及び、反応チャンバから下流の弁組立体での局在化プラズマは、ほとんど同じ時間に発生し、又は、動作の防止モードでの時間の少なくとも一部分と少なくとも重なり得る。防止モードでは、弁組立体の局在化プラズマは、ガス状副生物を加熱するために使用され、そのことによって、そのガス状副生物は、弁内の温度が、例えば、弁がスロットル弁であるならばスロットリング処理過程に起因して冷えるときでさえ、蒸気形態でのままである。それゆえに、防止モードは、堆積が、まず第1に、弁に固有の圧力低減機能の間の、ガスの、それらのガスの急速な冷却により引き起こされる凝集に起因して発生することを防止するように適合させられる。
【0055】
あるいは、動作の排除モードでは、弁組立体は、局在化プラズマを、反応チャンバでのウェハ堆積の遂行の後に生成するために活動化され得る(工程1212)。局在化プラズマは、弁上にすでに形を成した固体堆積物をエッチング除去し得る。ゆえに、反応チャンバでの1次プラズマの生成と、弁組立体での局在化プラズマの生成との間の重なりは、実質的にほとんど、又は全く存し得ない。動作の排除モードの一部の実施形態では、フッ素化又は塩素化ガス(すなわち、NF3)などのクリーニング・ガスが、弁組立体での局在化プラズマの活性化に先行して、真空弁に供給される。クリーニング・ガスは、局在化プラズマと相互作用して、弁上の固体堆積物をエッチング除去するためのラジカルを創出する。動作の両方のモードの一部の実施形態では、局在化プラズマは、弁組立体と統合される弁のみではなく、さらには、弁が配備されるフォアラインの近接する部分を処理し得る。
【0056】
一部の実施形態では、
図12の処理を自動化するための制御回路(示されない)が用意される。例えば、制御回路は、弁組立体を防止モードで、あらゆるウェハ堆積処理の間、又は、所定の数がすでに行われた後の堆積処理の間、自動的に動作させ得る。同様に、制御回路は、弁組立体を排除モードで、あらゆるウェハ堆積の後、又は、所定の数の堆積処理の後、自動的に動作させ得る。一部の実施形態では、制御回路は、高電圧ACを、局在化プラズマを弁組立体で活性化するために生成するように構成される電力供給部を含む。例えば、電力供給部は、約50kHzで約600Vから1000Vを与え得る電流調整電力供給部であり得る。弁組立体によるプラズマ放電は、電圧をクランプするように適合させられ、電流調整が、プラズマの電力を制御する。一部の実施形態では、複数個の弁組立体が、フォアラインに沿って複数個の弁の周囲に構築され得る。制御回路は、各々の弁組立体を独立的に制御して、必要とされる際にそれぞれの弁をクリーニングし得る。一部の実施形態では、弁組立体のバリア放電構造が、弁以外のフォアライン配管をクリーニングするために、同様に使用され得る。例えば、処理堆積物の除去のための定期的なメンテナンスを通常は要するフォアラインは、イン・サイチュ・クリーニングのための表面バリア放電源を含み得る。
【0057】
本発明の別の態様では、真空ポンピング・ラインでの不要の堆積物蓄積を低減及び/又は排除するための、システム及び方法が提供される。一部の実施形態では、1つ以上のポンピング・ライン・プラズマ源が、これらの不要の副生物の対処のために用意される。これらのプラズマ源は、
図2a~cについて上記で説明された誘電体バリア放電原理に基づいて構築され得る。例えば、本発明のプラズマ源は、局在化プラズマ放電を生成するための誘電体バリア放電構造を含み得る。誘電体バリア放電構造は、(i)供給電極、(ii)供給電極の近傍に配備される戻り電極、及び、(iii)バリア誘電体材料であって、その少なくとも一部分が、供給電極と戻り電極との間に位置させられる、バリア誘電体材料により形成され得る。高電圧交流が、誘電体バリア放電構造を活動化し、そのことにより、誘電体バリア放電構造の中に局在化されるプラズマを生成するために、供給電極と戻り電極との間に供給され得る。一部の実施形態では、結果的に生じるプラズマの電力は、約20ワットから約1000ワットである。強制的な対流又は水冷却が、生成されるプラズマでのより高い電力強度を達成するために、プラズマ源内に組み込まれ得る。加えて、本発明のプラズマ源は、1つ以上のポンピング・ライン・セグメントとのインライン接続を形成し得るものであり、各々のインライン・プラズマ源は、概ね円筒形の内部容積であって、それを通ってポンピング・ラインからのガスが流れることを、ポンピング・ラインに沿ったポンピング・スピード及び/又はコンダクタンスを変えることなく可能とする、概ね円筒形の内部容積を設ける。各々のプラズマ源のプラズマは、円筒形の内部容積の表面に沿って、その内部容積内のガス・フローを解離させるために形成され得る。一般的には、インライン・プラズマ源によりもたらされる、低い圧力、及び、長い平均自由行程に起因して、結果的に生じるプラズマは、内部容積の直径全体のかなりの部分を充填するように適合させられる。
【0058】
本発明の文脈では、誘電体バリア放電構造の供給電極は、一般的には、正電圧、例えば約300から約2000Vを、接続される電力供給部から受ける電極を指す。戻り電極は、一般的には、供給電極に相対して、より低い電圧で維持される電極を指す。例えば、戻り電極は、電気的に接地される、浮動的である(すなわち、電力源に接続されない)、又は、供給電極について負電圧にバイアスされることがある。一部の実施形態では、誘電体バリア放電構造の供給電極及び戻り電極は、両方が、バリア誘電体材料に埋め込まれ、戻り電極は、電気的に接地されるか、接地されない(例えば、浮動的である)かのいずれかである。一部の実施形態では、供給電極は、バリア誘電体材料に埋め込まれ、一方で、電気的に接地される戻り電極は、バリア誘電体材料の外側である。埋め込み電極組立体は、一般的には、バリア誘電体材料を含む、及び、バリア誘電体材料に埋め込まれる戻り電極又は供給電極の少なくとも1つを有する、構造を指す。
【0059】
図13a,13bは、それぞれ、真空ポンピング・ラインに結合されるように構成される、例示的なプラズマ源1300の外面図及び断面図を示す。プラズマ源1300は、中心長手軸Aに沿って延在し、中心長手軸Aの周りに設けられる、概ね円筒形の内部容積1304を画定する本体1302を含む。一部の実施形態では、プラズマ源1300の概ね円筒形の内部容積1304の少なくとも一部分は、内部容積1304の周りに設けられる本体1302の内部表面により画定される。プラズマ源1300の本体1302は、導電性の材料、例えばステンレス鋼又は陽極処理アルミニウムで作製され得る。
【0060】
本体1302は、入力ポンピング・ライン・セグメント(示されない)に結合するための、長手軸Aに沿った近位端での入力ポート1306と、出力ポンピング・ライン・セグメント(示されない)に結合するための、長手軸Aに沿った遠位端での出力ポート1308とを有する。かくして、プラズマ源1300が、入力ポンピング・ライン・セグメントに入力ポート1306で、及び、出力ポンピング・ライン・セグメントに出力ポート1308で接続されると、プラズマ源1300は、総体的なポンピング・ラインのセグメントとなる。さらに、プラズマ源1300の概ね円筒形の内部容積1304は、中心長手軸Aに沿って実質的に直線的であり、入力ポンピング・ライン・セグメント及び出力ポンピング・ライン・セグメントの内部容積について同軸であり得るものであり、したがって、ポンピング・ラインの結果的に生じる内部チャネルは、実質的に円筒形であり、チャネル内の、そのチャネル内の流体フローを塞ぐための追加的な構造を伴わない。加えて、概ね一定のポンピング・スピード及び/又はコンダクタンスが、流体が入力/出力ポンピング・ライン・セグメントの内部容積を通って進行しているか、それとも、プラズマ源1300の内部容積1304を通って進行しているかに関わらず、ポンピング・ラインの結果的に生じる内部チャネルの全体を通して維持され得る。
【0061】
図13a,13bのプラズマ源1300は、(i)長手軸Aに直交する半径方向で、バリア誘電体材料1314と隔離体誘電体材料1316との間に挟まれる供給電極1312を備える埋め込み電極組立体1301と、(2)埋め込み電極組立体1301の外側の戻り電極とを含む、誘電体バリア放電構造を形成し得る。供給電極1312は、かくして、埋め込み電極組立体1301の中のバリア誘電体材料1314又は隔離体誘電体材料1316の少なくとも1つに埋め込まれ得る。埋め込み電極組立体1301は、長手軸Aの周りの、プラズマ源本体1302の内部表面上に設けられ得る。埋め込み電極組立体1301の供給電極1312は、導電性の材料、例えば銅で作製され得る。誘電体バリア放電構造の戻り電極は、電気的に接地され得る、プラズマ源1300の本体1302を備え得る。かくして、プラズマ源1300で、戻り電極は、埋め込み電極組立体1301の外側に配備される、電気的に接地されるプラズマ源本体1302を備える。バリア誘電体材料1314及び/又は隔離誘電体材料1316は、供給電極1312を埋め込み電極組立体1301内で実質的に包囲することを、供給電極1312を、近接する戻り電極(すなわち、プラズマ源本体1306)及び内部容積1304から、電気的及び物理的に隔離するために行い得る。一部の実施形態では、埋め込み電極組立体1301は、
図5について上記で説明された埋め込み電極組立体301と実質的に同じであり、供給電極1312は、電極312と実質的に同じであり、バリア誘電体材料1314は、バリア誘電体314と実質的に同じであり、隔離誘電体材料1316は、隔離体誘電体316と実質的に同じである。
【0062】
示されるように、埋め込み電極組立体1301及びプラズマ源本体1302は、実質的に、プラズマ源1300の内部容積1304を画定する。例えば、バリア誘電体材料1314は、内部容積1304の壁の少なくとも一部分を画定し得るものであり、処理ガスにさらされる。かくして、バリア誘電体1314は、処理ガスからの供給電極1312のさらされることを防止する。プラズマ源本体1302及び埋め込み電極組立体1301の、概ね円筒形の形状に起因して、それらの対応する内部表面の各々は、中心長手軸Aまでのほとんど同じ半径距離1318を維持し得る。
【0063】
動作において、プラズマ源1300での誘電体バリア放電構造の活動化を基に、プラズマ放電が、内部容積1304の表面に沿って形成される。具体的には、プラズマ放電は、供給電極1312と戻り電極(すなわち、プラズマ源本体1302)との間で創出され得るものであり、長手軸Aの周りで概ねトロイダルの形状を維持し得る。一部の実施形態では、プラズマ放電は、約20ワットから約1000ワットの電力を有し得る。プラズマ源1300によりもたらされる、低い圧力、及び、長い平均自由行程に起因して、プラズマは、内部容積1304の直径のかなりの部分を充填するように適合させられる。
【0064】
図14は、真空ポンピング・ラインに結合されるように構成される、別の例示的なプラズマ源1400の断面図を示す。プラズマ源1400は、中心長手軸Aに沿って延在し、中心長手軸Aの周りに設けられる、概ね円筒形の内部容積1404を画定する導電性の本体1402を含み得る。プラズマ源1300と同様に、本体1402は、入力ポンピング・ライン・セグメント(示されない)に結合するための、長手軸Aに沿った近位端での入力ポート1406と、出力ポンピング・ライン・セグメント(示されない)に結合するための、長手軸Aに沿った遠位端での出力ポート1408とを有する。プラズマ源1400の概ね円筒形の内部容積1404は、中心長手軸Aに沿って実質的に直線的であり、入力ポンピング・ライン・セグメント及び出力ポンピング・ライン・セグメントの内部容積について同軸であり得るものであり、したがって、これらのポンピング・ライン・セグメントは、ほとんど一定のポンピング・スピード及び/又はコンダクタンスを維持する。
【0065】
プラズマ源1400はさらには、長手軸Aの周りの、プラズマ源本体1402の内部表面上に設けられる、埋め込み電極組立体1401により画定される誘電体バリア放電構造を形成する。埋め込み電極組立体1401は、1つ以上の戻り電極1413の間に散在させられる、1つ以上の供給電極1412を含み、供給電極1412及び戻り電極1413は、半径方向で、共有バリア誘電体材料1414と共有隔離体誘電体材料1416との間に設けられる。一部の実施形態では、供給電極1412及び戻り電極1413は、バリア誘電体材料1414又は隔離体誘電体材料1416の少なくとも1つに埋め込まれる。一部の実施形態では、埋め込み電極組立体1401は、
図6dの埋め込み電極組立体606と同様に構成される。供給電極1412及び戻り電極1413は、各々の供給電極1412が長手軸Aに沿って戻り電極1413の近傍に、長手軸Aに沿って交番的配置構成で設けられ得る。ゆえに、プラズマ源構造1300の埋め込み電極組立体1301とは違い、埋め込み電極組立体1401は、供給電極1412及び戻り電極1413の両方を含む。戻り電極1413は、電気的に接地されるか、接地について浮動的であるかのいずれかであり得る。プラズマ源本体1402は、電気的に接地され得る。戻り電極1413が浮動的にされている事例では、プラズマは、埋め込み電極組立体1401内の電極の間で形成され得るが、接地される本体1402に相対して形成されないことがある。戻り電極1413が接地される事例では、プラズマは、埋め込み電極組立体1401内の電極の間で、及び、接地される本体1402と、埋め込み電極組立体1401内の最も近い電極との間で形成され得る。バリア誘電体材料1414及び/又は隔離体誘電体材料1416は、供給電極1412及び戻り電極1413の各々を実質的に包囲することを、それらの電極を互いから、包囲するプラズマ源本体1402から、及び、内部容積1404から、電気的及び物理的に隔離するために行い得る。
【0066】
埋め込み電極組立体1401及びプラズマ源本体1402は、中を処理ガスが流れる、プラズマ源1400の内部容積1404を実質的に画定し得る。例えば、バリア誘電体1414は、内部容積1404の壁の少なくとも一部分を画定し得るものであり、処理ガスにさらされる。かくして、バリア誘電体1414は、処理ガスからの電極1412及び1413のさらされることを防止し得る。埋め込み電極組立体1401及びプラズマ源本体1402の、概ね円筒形の形状に起因して、それらの対応する内部表面の各々は、中心長手軸Aまでのほとんど同じ半径距離1418を維持し得る。さらに、供給電極1412及び戻り電極1413は、中心長手軸Aまでのほとんど同じ半径距離を維持し得る。
【0067】
図13a,13bのプラズマ源1300と比較しての、
図14のプラズマ源1400の利点の1つは、埋め込み電極組立体1401内の供給電極1412及び戻り電極1413の数の増大に起因して、ガス・フローの軸に沿った(すなわち、長手軸Aに沿った)結果的に生じるプラズマは、プラズマ源1300により生成されるプラズマと比較して拡大されるということである。このことが今度は、プラズマ内のクリーニング・ガスの滞留時間を増大し、そのことが、より高いマス・フロー・レート又はガス速度での解離効率を増大し、そのことは、より多くの不要の副生物が、クリーニング・ガス内の解離分子によりエッチング除去され得るということを意味する。
【0068】
図15は、真空ポンピング・ラインに結合されるように構成される、さらに別の例示的なプラズマ源1500の断面図を示す。プラズマ源1500は、埋め込み電極組立体1501により画定される誘電体バリア放電構造を形成し、その埋め込み電極組立体1501は、少なくとも1つの供給電極1512と、少なくとも1つの戻り電極1513とを含み、それらの電極の各々は、半径方向で、共有バリア誘電体材料1514と共有隔離体誘電体材料1516との間に設けられる。プラズマ源1500は、
図14のプラズマ源1400と実質的に同様である。2つのプラズマ源1400、1500の間の1つの違いは、埋め込み電極組立体1501の中の供給電極及び戻り電極の配置構成である。
図15で示されるように、「T」形状供給電極1512が、「U」形状戻り電極1513により部分的に包囲され得るものであり、隔離体誘電体材料1516の少なくとも一部分、及び、バリア誘電体材料1514の少なくとも一部分が、2つの電極の間に、それらの電極を互いから物理的に分離するために挟まれる。加えて、バリア誘電体材料1514及び隔離体誘電体材料1516は、電極1512、1513を、付近のプラズマ源本体1502及び内部容積1504から、物理的及び電気的に分離し得る。
【0069】
一部の実施形態では、プラズマ源1500は、プラズマ源1500の温度を、そのプラズマ源1500が活動化されるときに低減し、そのことにより、より高い電力強度プラズマがプラズマ源1500で生成されることを可能とするための、1つ以上の冷却機構を含む。示されるように、フィン1520が、熱放散を、空気による強制的な対流冷却によってもたらすために、プラズマ源本体1502の外部表面上に設けられ得る。フィンは、熱伝導材料、例えばアルミニウムから構築され得る。一部の実施形態では、フィン1520は、プラズマ源1500を、プラズマが生成されている間、摂氏約100未満の温度で維持するのに十分にサイズ設定される。
【0070】
図16は、真空ポンピング・ラインに結合されるように構成される、さらに別の例示的なプラズマ源1600の断面図を示す。プラズマ源1600は、
図15のプラズマ源1500と実質的に同様である。2つのプラズマ源1500、1600の間の1つの違いは、用いられる冷却機構である。示されるように、少なくとも1つの冷却チャネル1620が、プラズマ源1600の本体1602内に、例えば、本体1602に沿って長手に延在して設けられ得る。冷却チャネル1620は、冷却液(例えば、水)を入口1622から受け、プラズマ生成処理の間の熱を除去するために、プラズマ本体1602の長さに沿って液を導通させ、出口1624を経て本体1602から離れるように液を導通させるように構成され得る。一部の実施形態では、複数個の冷却チャネル1620が、冷却を最大にするために、プラズマ源本体1602の異なるセクションに設けられ得る。
【0071】
図13~16を参照して上記で説明されたプラズマ源構成は、単に図解的なものである。形式及び詳細での変形が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく為され得る。1つの例では、プラズマ源1300、1400、1500、1600内の供給電極及び戻り電極と称される構成要素は、極性において逆になり得るものであり、したがって、供給電極は、実質的に同じプラズマ生成能力を依然として保ちながら、戻り電極として機能し得るものであり、その逆も同様である。別の例では、プラズマ源1500、1600について上記で説明された空気冷却機構及び/又は液体冷却機構は、さらには、同様の冷却機能を達成するために、プラズマ源1300,1400の任意のものに構築され得る。
【0072】
一般的に、プラズマ源1300、1400、1500、1600の誘電体バリア放電構造は、
図2a~cについて上記で説明されたプラズマ放電原理によって動作する。ゆえに、
図2a~cで説明された異なるプラズマ生成構成を実現するための、これらの誘電体バリア放電構造に対する変更が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく為され得る。例えば、詳細に説明されないが、誘電体隔離体が、所望プラズマ放電機能を達成するために、プラズマ源1300、1400、1500、1600の埋め込み電極組立体に組み込まれ得る。一部の実施形態では、プラズマ源1300、1400、1500、1600の埋め込み電極組立体の少なくとも1つは、同時焼成セラミック構造として形成される。例えば、バリア誘電体材料及び/又は誘電体隔離体材料は、セラミックであり、「グリーン状態」で(例えば、室温で)形成され得る。次いで、バリア誘電体及び/又は誘電体隔離体のセラミック材料と同様の、熱膨張の係数を伴う、少なくとも1つの高温金属要素が、セラミック材料上にパターニングされ得る。高温金属は、埋め込み電極組立体の供給電極の働きをし得る。結果的に生じる構造は、一体構造を形成するために、高い温度、例えば、摂氏約1550から摂氏約1700で、押圧及び同時焼成される。
【0073】
一部の実施形態では、プラズマ源1300、1400、1500、1600の1つ以上は、プラズマ源の入力ポート(例えば、入力ポート1306)から受けられる1次流体に加えて、プラズマ源内への2次流体(例えば、2次ガス)の導入を可能とする特徴部を含み得る。1次流体又は2次流体の少なくとも1つは、クリーニング・ガス、例えば、フッ素化又は塩素化ガス(すなわち、NF3、CF4、O2と化合させられるNF3、SF6、その他)であり得る。一部の実施形態では、1次流体及び2次流体の両方が、同じクリーニング・ガスである。他の実施形態では、それらの流体は異なるガスである。各々のクリーニング・ガスは、プラズマ源の局在化プラズマと相互作用して、ポンピング・ラインでの固体堆積物をエッチング除去し得るラジカルを創出し得る。
【0074】
図17は、2次流体、例えばクリーニング・ガスを受けるために補助ポート1720を組み込む、
図14のプラズマ源1400の例示的なセクションを示す。2次流体は、プラズマ源1400により入力ポート1406を経て受けられる1次流体を補い得るものであり、1次流体は、2次流体と同じであることがある、又は、同じでないことがある、別のクリーニング・ガスであり得る。具体的には、プラズマ源1400は、加工処理チャンバ(示されない)と流体連通している入力ポンピング・ライン・セグメント(示されない)に接続され得る入力ポート1406を含む。加工処理チャンバは、プラズマ源1400に相対して上流に位置させられ得るものであり、したがって、加工処理チャンバからの1次クリーニング・ガスは、ポンピング・ラインを通してポンピングされ得る。プラズマ源1400は、1次クリーニング・ガスを加工処理チャンバから入力ポート1406を経て受け、1次クリーニング・ガスと相互作用するための局在化プラズマを活性化し、そのことにより、ポンピング・ラインでの堆積物をエッチング除去するように適合させられるラジカルを創出し得る。この対処処理に関しての詳細は、下記で説明される。
【0075】
加えて、プラズマ源1400は、2次クリーニング・ガスを、環状ノズルであり得る補助ポート1720を経て直接受けることができる。示されるように、プラズマ源1400の本体1402は、本体1402の外部表面に露出される入口1722を有する補助ポート1720を含む。補助ポート1720の入口1722は、プラズマ源1400内への注入のために、2次クリーニング・ガスの源(示されない)に接続され得る。一部の実施形態では、コントローラ(示されない)が、2次クリーニング・ガスをプラズマ源1400に給送、ポンピング、又は他の形で導入するために、及び、導入されるガスの量を制御、監視、又は調整するために、2次クリーニング・ガスの源と、補助ポート1720の入口1722との間に位置させられ得る。一部の実施形態では、補助ポート1720は、実質的に、プラズマ源1400の本体1402に埋め込まれ、入力ポート1406及び出力ポート1408から離隔される。補助ポート1720は、プラズマ源1400の概ね円筒形の内部容積1404に露出される、及び、その内部容積1404と流体連通している、出口1724を有し得るものであり、したがって、その出口1724は、入口1722から受けられる2次クリーニング・ガスを内部容積1404に導入することができる。補助ポート1720は、埋め込み電極組立体1401と接触することなく、入力ポート1406に近く、及び、埋め込み電極組立体1401から上流で、プラズマ源1400の本体1402に埋め込まれ得る。
【0076】
内部容積1404内にあると、2次ガスは、加工処理チャンバから離れて下流方向1726で流れ得る。例えば、プラズマ源1400は、2次クリーニング・ガスが、内部容積1404の壁に近い環状フロー・パターンで、下流方向1726で流れることを可能とする様式で構成され得る。補助ポート1720での環状ノズルの、より大きい孔径を伴う実現形態では、プラズマ・サイズは、分子の平均自由行程により制限される。それゆえに、結果的に生じるプラズマは、内部容積1404の壁に近く、形を成す公算が大きい。クリーニング・ガスを内部容積1404の壁に近く注入することによって、プラズマ内のクリーニング・ガスの滞留時間を増大することにより、クリーニング・ガスを解離させる可能性が増大する。
【0077】
一般的には、クリーニング・ガスの解離を促進するために、ガスは、プラズマ内の滞留時間を増大するために、ガス・フローを内部容積1404の壁に沿って方向設定する様式で、内部容積1404内に注入、又は他の形で導入され得る。
図18は、プラズマ源の内部容積の少なくともセクションへの、例えば、プラズマ源1400の内部容積1404への導入のための2次流体の、境界層又は移動壁を創出するように構成される、ノズル組立体1800の例示的な設計を示す。
図18のノズル組立体1800の幾何形状によって、2次流体が、内部容積1404内に、一連の角度設定されたギャップ(例えば、ノズル)1890、1892、1894で注入されることが可能となり、各々のギャップ・セグメントは、バリア放電セクション(例えば、中でプラズマが形成される内部容積1404のセクション)を含み得る。ノズル組立体1800は、概ね中空の円筒形又は管状の形状を有し、(i)上流カラー・セクション1822、(ii)下流スペーサ・リング又はセクション1824、ならびに、(iii)上流カラー1822と下流スペーサ・リング1824との間に位置させられ、上流カラー1822及び下流スペーサ・リング1824に接続される、例えば、環状リングとして構成される、1つ以上のモジュラ中間セクション1826を含む。ノズル組立体1800は、積層構成で配置構成され、副生物が特に堆積しやすい、ポンピング・ラインの、1つ以上のセクションに配備され得る。
図18で図解される実施形態では、ノズル組立体1800の少なくとも一部分は、プラズマ源1400の概ね円筒形の内部容積1404のセクションに位置させられ、したがって、ノズル組立体1800は、プラズマ源本体1402により外的に包囲される。例えば、ノズル組立体1800は、埋め込み電極組立体1401と統合され、又は、埋め込み電極組立体1401から上流に位置させられ得る。他の実施形態では、ノズル組立体1800の少なくとも一部分は、プラズマ源1400の入力ポート1406に接続される入力ポンピング・ライン・セグメントの、中空の円筒形の容積の中に位置させられる。さらに他の実施形態では、ノズル組立体1800は、入力ポンピング・ライン・セグメントがプラズマ源1400に合する接合部に位置させられ、ノズル組立体1800の一部分は、入力ポンピング・ライン・セグメントの内部容積の中に設けられ、ノズル組立体1800の残りの部分は、プラズマ源1400の内部容積1404の中に設けられる。
【0078】
図17の補助ポート1720と同様の補助ポート1820が、2次ガスのフローを内部容積1404内に導入するために、プラズマ源1400の本体1402内に設けられ得る。補助ポート1820から注入される2次ガスが、中間セクション1826により画定される複数個のスロット1884を通って流れることを可能とするように、十分な容積が形成されることを可能にするために、ギャップが、プラズマ源本体1402の内方表面1854と、各々の中間セクション1826の外方表面1879との間に維持され得る。特に、2次ガスは、矢印Bにより指示されるように、プラズマ源本体1402の内方表面1854と、ノズル組立体1800の中間セクション1826の外方表面1879との間の容積を、実質的又は完全に充填するように流れる。一部の実施形態では、1つ以上のo-リング・シール(示されない)が、ガスが上流に流れることを防止し、実質的にガス・フローのすべてを、スロット1884を通して運ぶために使用され得る。一部の実施形態では、複数個の中間セクション1826が、長手方向Aに沿って、積層され、及び/又は、ずらして配置され、したがって、中間セクション1826の、各々のスロット1884は、上流カラー1822の平滑部分1877(カラー1822に最も近い中間セクション1826に関係がある)、又は、別の中間セクション1826の平滑セクション1883(残りの中間セクション1826に関係がある)のいずれかの近傍に位置させられる。ゆえに、ギャップ1890が、カラー1822に最も近い中間セクション1826の内方表面1885と、上流カラー1822の平滑部分1877との間に形成され得る。加えて、ギャップ1892が、下流スペーサ1824に最も近い中間セクション1826の平滑表面部分1883と、スペーサ1824の内方表面1878との間に形成され得る。さらに、複数個のギャップ1894が、1つの中間セクション1826の内方表面1885と、別の中間セクション1826の平滑表面1883との間に形成され得る。
【0079】
プラズマ源1400内に補助ポート1820を経て注入されるガスは、実質的に、スロット1884及びギャップ1890、1892、1894を通って内部容積1404内に、下流方向で流れるように散ずるように適合させられる。しかしながら、ガスは、半径方向で内向きに、長手軸Aの方に流れない。むしろ、ガスのフローは、平滑部分1877、1883により、再度方向設定され、又は、偏向させられ、したがって、ガスは、中間セクション1826の内方表面1885、及び、下流スペーサ・リング1824の内方表面1878を、覆い、又は、コーティングし、それらの内方表面に沿って環状に流れる。より具体的には、ガスは、環状ノズル組立体1800の内方表面1885、1878の少なくとも相当の部分を覆い、概ね軸方向及び下流方向で(加工処理チャンバから)、環状ノズル組立体1800の内方表面1885、1878上を、又は、それらの内方表面に沿って、環状フロー・パターンで流れる、境界層又は移動壁を形成する。一部の実施形態では、ノズル組立体1800は、全体を本願明細書に援用する、米国特許第5,827,370号のノズル組立体、又は、米国特許第9,314,824号の環状ノズルと実質的に同様である。
【0080】
一部の実施形態では、ノズル組立体1800は、ノズル組立体1800がポンピング・ラインのセクションの中に設けられるときに、電力伝送のための電気的接点の手段を与えるように、電気的に導電性である。かくして、上流カラー・セクション1822、下流スペーサ・リングもしくはセクション1824、又は、1つもしくは複数のモジュラ中間セクション1826の、少なくとも1つは、電気的に導電性の材料から構築される。
図17の補助ポート1720、及び、
図18のノズル組立体1800が、プラズマ源1400の文脈で説明されているものの、他の実施形態では、プラズマ源1300、1500、1600の任意のものが、同じ又は同様の、2次クリーニング流体を受けるための補助ポート1720、及び/又は、個別のフロー・パターンを2次クリーニング流体に附与するためのノズル組立体1800を組み込むことができる。
【0081】
図19は、プラズマ源の内部容積内の、例えば、プラズマ源1400の内部容積1404内の、分散型2次流体フローを創出するように構成される、例示的な設計を示す。示されるように、一連の注入ポート1952が、クリーニング・ガスを内部容積1404内に分散型様式で導入するために、埋め込み電極組立体1401に形成される。一部の実施形態では、各々の注入ポート1952は、電極1412、1413と接触することなく、埋め込み電極組立体1401の隔離体誘電体材料1416及び/又はバリア誘電体材料1414の一部分に埋め込まれる。例えば、注入ポート1952は、バリア誘電体材料1414及び隔離体誘電体材料1416の中で、軸方向で中心長手軸Aに沿って、及び、半径方向で内部容積1404の周りに離隔され得る。各々の注入ポート1952は、プラズマ源1400の外部表面を、内部容積1404の壁上の出口1956に流体接続する、入口1954を含む。さらに、各々の注入ポート1952は、クリーニング・ガスが、内部容積1404の壁を、ポート1952を抜ける後にコーティングするように、角度設定され得る。一部の実施形態では、クリーニング・ガスは、半径方向で内向きに、長手軸Aの方に、注入ポート1952を抜ける後に流れる。
図19の注入ポート1952が、プラズマ源1400の文脈で説明されているものの、他の実施形態では、プラズマ源1300、1500、1600の任意のものが、分散型フロー・パターンを2次クリーニング流体に附与するための、同じ又は同様の設計を組み込むことができる。
【0082】
図20は、真空ポンピング・ライン1902に結合されるように構成される、さらに別の例示的なプラズマ源1900の断面図を示す。一部の実施形態では、ポンピング・ライン1902は、上流で加工処理チャンバ(示されない)に、加工処理チャンバから排気されるガスのフローをポンピング・ライン1902の入力1910を経て受けるために接続される。排気ガス・フローは、加工処理チャンバから離れるように、ポンピング・ライン1902を経て、下流でポンピング・ライン1902に接続されるポンプ(示されない)により、ポンピング・ライン1902の出力ポート1912でポンピングされ得る。
【0083】
示されるように、プラズマ源1900は、ポンピング・ライン1902の少なくともセクションの外部の周囲に巻き付くように構成される、コイル管の形状でのらせん状本体1904を備える。らせん状本体1904は、クリーニング・ガス、例えば、フッ素化又は塩素化ガス(すなわち、NF3、CF4、O2と化合させられるNF3、SF6、その他)の源を受けるための入力ポート1906を含む。クリーニング・ガスが下流に、プラズマ源本体1904の内部容積1908を通って進行する際、本体1904の中の活性化されたプラズマが、そのプラズマ内のクリーニング・ガスを、イオン化し、解離させるように適合させられる。プラズマ源本体1904はさらには、加工処理チャンバからの排気フローにより導入され得る、ポンピング・ライン1902上に堆積させられる副生物をエッチング除去するために、イオン化及び解離ガスを、プラズマ源1900の内部容積1908から、ポンピング・ライン1902の内部に注入するための、ポンピング・ライン1902と流体連通している出力ポート1910を含む。一部の実施形態では、プラズマ源1900の中のプラズマは、誘電体バリア放電構造(示されない)により生成され得るものであり、その誘電体バリア放電構造の少なくとも一部分は、プラズマ源本体1904に埋め込まれる。例えば、誘電体バリア放電構造は、プラズマ源1300、1400、1500、1600について上記で説明された誘電体バリア放電構造の任意のものと同様であり得る。誘電体バリア放電構造は、プラズマ源本体1904と実質的に統合され得るものであり、したがって、その誘電体バリア放電構造は、管状内部容積1908を通るガス・フローに干渉しない、及び/又は、そのガス・フローを塞がない。一部の実施形態では、プラズマ源の中のプラズマは、管状本体1904に近接するフェライト(示されない)を配備することにより誘導的に生成される。一般的には、プラズマ源1900は、内部容積1908の中のクリーニング・ガスのイオン化及び解離の高いパーセンテージ(例えば、100%に近い)を達成するための、十分に長い滞留時間をもたらすための、任意の合理的な長手の長さを有し得る。
【0084】
図21は、例示的なプラズマ・クリーニング組立体2000であって、その組立体2000のポンピング・ライン2004の少なくともセクションをクリーニングするための、本発明の1つ以上のプラズマ源を含む、例示的なプラズマ・クリーニング組立体2000を示す。示されるように、プラズマ・クリーニング組立体2000は、加工処理チャンバ2006であって、ウェハ2008をそのチャンバ2006の中で、例えば化学蒸気堆積(CVD)処理を使用して処理するための、加工処理チャンバ2006を含む。堆積の間、堆積ガスの一部分が、ウェハ2008、又は、チャンバ2006の壁のいずれかの上に堆積させられる。残りの消費されないガス・モジュールは、加工処理チャンバ2006の外に、部分的に反応させられた化合物及び反応副生物とともに、チャンバ2006と流体連通している真空ポンピング・ライン2004を通してポンピングされる。この排気されるガス・フロー内の化合物の多くは、依然としてきわめて反応的な状態にあり、及び/又は、ポンピング・ライン2004での不要の堆積物を形成し得る残留物もしくは粒子状物質を内包する。ポンピング・ライン2004での不要の堆積物を低減又は排除するために、
図13~19を参照して上記で説明されたプラズマ源などの、1つ以上のプラズマ源2002が、加工処理チャンバ2006から下流に位置させられ、インラインでポンピング・ライン2004と結合され得る。各々のプラズマ源2002は、ポンピング・ライン2004の一部分に接続され得る、又は、その一部分と置き換わり得る。
【0085】
示されるように、プラズマ源2002aは、その入力ポートでのポンピング・ライン・セグメント2004aと、その出力ポートでのポンピング・ライン・セグメント2004bとの間に付けられ、したがって、プラズマ源2002aは、ポンピング・ライン2004のセクションを形成する。同様に、プラズマ源2002bは、その入力ポートでのポンピング・ライン・セグメント2004bと、その出力ポートでのポンピング・ライン・セグメント2004cとの間に接続され、したがって、プラズマ源2002bは、ポンピング・ライン2004の別のセクションを形成する。そのように位置させることによって、プラズマ・チャンバ2006からの排気されるガスが、プラズマ源2002の内部容積を必然的に通過することが可能となる。プラズマ源2002は、ポンピング・ライン2004に沿った任意の場所に位置させられ得る。一部の実施形態では、少なくとも1つのプラズマ源2002は、ポンピング・ライン2004の中に配備されるスロットル弁2010から上流に位置させられる。一部の実施形態では、少なくとも1つのプラズマ源2002は、加工処理チャンバ2006に相対的に近く位置させられる。
図21が、ポンピング・ライン2004に結合される2つのプラズマ源2002を示すものの、より少ない(例えば、1つの)、又は、より多い(例えば、3つ又は4つの)プラズマ源が使用されることがある。
【0086】
堆積工程の間のクリーニング動作において、クリーニング・ガス、例えば、フッ素化又は塩素化ガス(すなわち、NF
3、CF
4、O
2と化合させられるNF
3、SF
6、その他)が、加工処理チャンバ2006内に導入され得る。クリーニング・ガスは、チャンバ壁上で増した不要の堆積材料、及び、チャンバ2006の中の他の構成要素を除去し得る。クリーニング・ガスが、チャンバ2006からポンピング・ライン2004を経て排気される際、プラズマ源2002は、局在化プラズマをプラズマ源2002の各々で生成するために作動させられる。局在化プラズマは、クリーニング・ガスを、そのクリーニング・ガスがポンピング・ライン2004を通って流れる際、ポンピング・ライン2004で増した不要の堆積材料をエッチング除去するように、イオン化し、解離させるように適合させられる。一部の実施形態では、加工処理チャンバ2006から供給される主なクリーニング・ガスに加えて、クリーニング・ガスの2次源が、プラズマ源のクリーニング効率を高めるために、
図17,18について上記で説明されたような補助ポートを経て、プラズマ源2002の1つ又は複数に直接導入される。
【0087】
図22は、
図21のポンピング・ライン2004であって、そのポンピング・ライン2004をクリーニングするための、そのポンピング・ラインの長さに沿って分散される複数個のプラズマ源2002を伴う、
図21のポンピング・ライン2004を示す。クリーニング動作の間、クリーニング・ガスがポンピング・ライン2004を通って進行する際、プラズマ2100が、プラズマ源2002の各々で活性化され得るものであり、プラズマ2100は、実質的に、各々のプラズマ源の内部容積に閉じ込められ、局在化される。それゆえに、解離ガス分子の濃度は、クリーニング・ガスが、対応するプラズマ源2002を通って進行し、生成されるプラズマにより解離させられる際、これらの内部容積の中でピークに達する(2102)公算が大きい。しかしながら、進行するクリーニング・ガスが、プラズマ源2002から離れるように移動する際、形成される解離ガス分子の濃度は、クリーニング・ガスが次のプラズマ源2002に移動するまで、ポンピング・ライン2004に沿った再結合に起因して、フロー経路に沿って減少する(2104)傾向にあり、次のプラズマ源2002が、ピークが再び達せられる(2102)まで、解離分子の濃度を再び増大する/蘇生させる(2106)。一部の実施形態では、ポンピング・ライン2004に沿ったプラズマ源2002の任意の対の間の距離は、解離分子の濃度が、ポンピング・ライン2004に沿った効果的なクリーニング能力を維持するのに十分な頻度によって蘇生させられるように最適化される。一部の実施形態では、プラズマ源2002は、効果的なクリーニングを維持するために、ポンピング・ライン2004に沿って、お互いから、約2メートルから約3メートル離して離隔される。例えば、
図22で示されるように、各々のプラズマ源2002は、近接するプラズマ源2002から約2メートル離隔され得る。1つの実験では、クリーニング・ガス・フローが小さいとき(例えば、約50から約100sccm)、クリーニング・ガスのほぼ完全な解離(例えば、約90%より多い)が、ポンピング・ライン2004の中で発生し得るものであり、各々のプラズマ源2002は、相対的な低い電力(例えば、約50から約100W)で動作させられ得る。一部の実施形態では、ポンピング・ラインに沿った、このタイプの分散型プラズマ・クリーニングは、相対的な長い継続時間(例えば、約15分)の間、及び/又は、頻繁でない間隔で(例えば、週単位で)動作し得る。
【0088】
図23a~cは、
図22のポンピング・ライン2004をクリーニングするための工程の例示的なシーケンスを示す。
図23aで示されるように、クリーニング処理の開始(時間=0)で、クリーニング・ガス(例えば、NF
3)2201が、ポンピング・ライン2004に供給される。クリーニング処理の開始で、ポンピング・ライン2004の内部表面(ポンピング・ライン・セグメント2004a、2004bの内部表面を含む)は、これからクリーニングされることになっている、その内部表面上に堆積させられる不要の副生物2202(例えば、Si、SiO
2)を有する。クリーニング・ガスが、第1のプラズマ源2002aにより創出される第1のプラズマに入る際、クリーニング・ガスは、個々のガス・モジュール(F
*)及び窒素ガス(N
2)に解離させられる。F
*ラジカルは、不要の副生物2202を、時間のある期間、例えば数分にわたってエッチング除去し得る。一般的には、第1のプラズマ源2002aでF
*に最も近い副生物が、エッチング除去又はクリーニングされることになる第1のものである。エッチング/クリーニング処理が進展する際、F
*ラジカルは、さらに下流に流れる機会を有し、そのことにより、エッチング/クリーニング処理が、さらに下流で、低速移動波方式で進展することを可能とする。時間=0で、第2のプラズマ源2002b、及び、最後のプラズマ源2002cでのガスの化学組成は、大方は、安定なガスであり得る、窒素(N
2)、及び、エッチング/クリーニング処理の副生物(すなわち、SiF4)から成り得る。
【0089】
図23bで示されるように、エッチング/クリーニング処理が、ポンピング・ライン2004に沿って、第2のプラズマ源2002bに達した(時間=1)後、第2のプラズマ源2002bと、第3のプラズマ源2002cとの間の、ポンピング・ライン・セグメント2004bでの不要の副生物2202が、F
*濃度が第2のプラズマ源2002bで継ぎ足されることに起因して、エッチング/クリーニングされ得る。かくして、第2のプラズマ源2002bの周囲のガスの化学組成は、大方は、窒素(N
2)、フッ素(F
2)、及び、クリーニング・ガスからの解離ガス・モジュール(F
*)から成る。エッチング/クリーニング処理は、時間的なこの点では、最後のプラズマ源2002cに達していないので、最後のプラズマ源2002cの周囲のガスの化学組成は、ほとんど不変のままであり、依然として不要の副生物2202を含む。しかしながら、第1のプラズマ源2002aと、第2のプラズマ源2002bとの間の、ポンピング・ライン・セグメント2004aでの副生物2202は、時間=1で低減/排除されている。
【0090】
図23cで示されるように、エッチング/クリーニング処理が、ポンピング・ライン2004に沿って、最後のプラズマ源2002cに達した(時間=2)後、第2のプラズマ源2002bと、第3のプラズマ源2002cとの間の、ポンピング・ライン・セグメント2004bでの副生物2202は、低減/排除されている。第3のプラズマ源2002cでのガスの化学組成は、大方は、窒素(N
2)、フッ素(F
2)、及び、クリーニング・ガスからの解離ガス・モジュール(F
*)から成る。第3のプラズマ源2002cの周囲の蓄積される副生物2202(例えば、Si、SiO
2)は、実質的に消費される。ゆえに、時間的なこの点(時間=2)では、ポンピング・ライン2004はクリーニングされ、不要のシリコン・ベースの副生物2202が、大方は排除される。
図23a~cについて上記で説明されたクリーニング/エッチング反応は、数分にわたって発生し得る。例えば、時間=0と時間=1との間の時間セグメントは5分であり得るものであり、時間=1と時間=2との間の時間セグメントは10分であり得る。
【0091】
下記の表1は、
図23a~cを参照して上記で説明されたクリーニング処理に対する、時間的なサンプル点(時間=0、1、及び2)の各々での、プラズマ源2002の各々に入るガスの化学組成を示す。
【0092】
【表1】
この例に関しては、ポンピング・ライン2004に供給される入力クリーニング・ガスはNF
3である。クリーニング・ガスを解離させる後に生成されるラジカルは、F
*により表される。ポンピング・ライン2004に蓄積される不要の副生物は、Si及びSiO
2である。エッチング/クリーニング処理により生成される副生物はSiF
4であり、そのSiF
4は、安定なガスであり、ポンピング・ライン2004から離れるようにポンピングされ得る。上記で解説されたように、エッチング/クリーニング処理の進行する性質に起因して、時間=1で、プラズマ源2002b及びポンピング・ライン・セグメント2004aの付近の区域が、堆積させられる副生物を実質的に排除するようにクリーニングされる。時間=2で、プラズマ源2002b、2002c及びポンピング・ライン・セグメント2004a、2004bの両方の付近の区域が、堆積させられる副生物を実質的に排除するようにクリーニングされる。
【0093】
一部の実施形態では、不要の副生物(例えば、Si又はSiO2)を表すものである化学的特徴が、プラズマ源で、もはや検出可能でない、クリーニング処理の終了点を決定するためのシステム及び方法が展開され得る。1つの例示的な手法では、インライン・プラズマ源での局在化プラズマの電圧及び/又は電流が監視され、結果的に生じる測定値が、プラズマ源の各々でのインピーダンスを算出するために使用される。固定されるハードウェア構成に対して、インピーダンスは、個別の時間でのプラズマ源内のガス組成、付与される電力、及び、ガスの圧力の関数であり得る。プラズマのインピーダンスは、プラズマ源の少なくとも1つと関連付けられるインピーダンスの定常状態を検出するために、経時的に監視され得る。例えば、個別のプラズマ源と関連付けられるインピーダンスが経時的に変化するならば、このことは、副生物が依然として消費されており、クリーニング処理はこれから完了されることになっているということを指示する。しかしながら、インピーダンスが、時間の期間に対する変化を伴わない定常状態に達するならば、このことは、副生物の大部分/すべてが消費され、さらなる変化は、発生することとは違うものであるということを指示し、そのことは、クリーニング処理の終了のしるしとなる。一部の実施形態では、クリーニング処理の終了点が検出される後、オペレータは、ポンピング・ラインへのクリーニング・ガスの供給を停止すること、及び/又は、インライン・プラズマ源での局在化プラズマを消すことができる。一部の実施形態では、インピーダンス以外のプラズマ特性が、クリーニング処理の終了点を決定するために監視される。例えば、光学発光分光法が、クリーニング処理の終了点を決定するために、個別の化学種と関連付けられる波長を監視するために使用され得る。
【0094】
図24は、
図13~18のプラズマ源を形成するなど、インライン・プラズマ源を形成するための、例示的な処理を示す。処理は、それぞれプラズマ源1300、1400、1500、1600に対応する本体1302、1402、1502、1602と同様の、中心長手軸Aに沿って延在する、概ね円筒形の内部容積を画定する本体が用意される(工程2302)ときに開始する。インライン・プラズマ源の本体は、入力ポンピング・ライン・セグメントに結合するための入力ポートと、出力ポンピング・ライン・セグメントに結合するための出力ポートとを有し得るものであり、したがって、プラズマ源は、ポンピング・ラインのセグメントを形成する。さらに、プラズマ源本体は、入力ポンピング・ライン・セグメント及び出力ポンピング・ライン・セグメントの内部容積について、実質的に直線的及び同軸であり得る、概ね円筒形の内部容積を画定する。ポンピング・ラインでの結果的に生じる内部チャネルは、流体が入力/出力ポンピング・ライン・セグメントを通って進行しているか、それとも、プラズマ源を通って進行しているかに関わらず、概ね一定のポンピング・スピード及び/又はコンダクタンスを維持し得る。
【0095】
プラズマ源の誘電体バリア放電構造を形成するために、供給電極が、戻り電極の近傍に配備され得(工程2304)、バリア誘電体の少なくとも一部分が、供給電極と戻り電極との間に位置させられ得る(工程2306)。例えば、プラズマ源1300では、戻り電極は、供給電極1312とバリア誘電体材料1314とを含む埋め込み電極組立体1301の近傍に配備される、接地されるプラズマ源本体1302を備える。対照的に、プラズマ源1400、1500、1600の各々では、戻り電極は、プラズマ源本体から分離され、戻り電極及び供給電極の両方は、埋め込み電極組立体に両方が含まれる。一般的には、戻り電極は、電気的に接地される、浮動的である(すなわち、電力源に接続されない)、又は、供給電極について負電圧にバイアスされることがある。埋め込み電極組立体は、供給電極及び/又は戻り電極が、プラズマ源の内部容積に露出されるバリア誘電体材料の内部表面上にあるように配置構成され得る。一部の実施形態では、隔離体誘電体がさらには、埋め込み電極組立体に含まれる。誘電体バリア放電構造は、そのことにより、供給電極と、戻り電極と、バリア誘電体部材とを組み込んで創出される(工程2308)。誘電体バリア放電構造は、ポンピング・ラインの少なくとも一部分をクリーニングするために、プラズマ源の内部容積でなど、ポンピング・ラインに結合されるインライン・プラズマ源で局在化プラズマを生成するように適合させられる。高電圧交流が、誘電体バリア放電構造を活動化して、局在化プラズマを生成するために、供給電極と戻り電極との間に供給され得る。
【0096】
一部の実施形態では、本発明の少なくとも1つのプラズマ源は、
図21で図解されるプラズマ・クリーニング構成2000と同様に、ポンピング・ラインとのインラインで、及び、ウェハ加工処理チャンバから下流に配備される。上記で説明されたように、加工処理チャンバでの堆積処理からの副生物は、ポンピング・ラインの内部表面での不要の材料堆積となり得る。それゆえに、1つ又は複数のプラズマ源をポンピング・ラインに結合することによって、加工処理チャンバによる堆積動作の間などでの、ポンピング・ラインのイン・サイチュ・クリーニングが可能になる。
図25は、本発明の複数のインライン・プラズマ源を使用して、ポンピング・ラインの少なくとも一部分をクリーニングするための、例示的な処理を示す。複数のインライン・プラズマ源は、ポンピング・ラインの長さに沿って、お互いに相対して規則的な間隔(例えば、お互いから、約2から約3メートル)で離隔されて分散され得る。処理は、クリーニング・ガスをポンピング・ラインに、ポンピング・ラインに接続されるウェハ加工処理チャンバから供給すること(工程2402)によって開始する。クリーニング・ガスは、1次プラズマを加工処理チャンバで、又は加工処理チャンバの上流で生成することにより加工処理チャンバを、及び、局在化プラズマを、複数のインライン・プラズマ源の1つ又は複数で生成することによりポンピング・ラインを、両方クリーニングするために使用され得る(工程2404)。一般的に、活性化される1次プラズマ及び局在化プラズマは、それぞれ、加工処理チャンバ及びポンピング・ラインの壁上の堆積物をエッチング除去するために、クリーニング・ガスを、イオン化し、解離させるように適合させられる。ポンピング・ラインをクリーニングするとき、活動化されるインライン・プラズマ源の各々での局在化プラズマのインピーダンスが算出され得る(工程2406)。例えば、これらのインピーダンスは、対応する局在化プラズマの電流及び/又は電圧を測定することにより算出され得る。インピーダンスに基づいて、ポンピング・ラインに相対するクリーニング処理の終了点が決定され得る(工程2408)。この決定を為すために、処理は、プラズマ源の少なくとも1つと関連付けられるインピーダンスの定常状態が、時間のあらかじめ画定された期間にわたって達せられたかどうかを決定し得る。例えば、時間=1でのプラズマ源でのインピーダンスが、時間=2での同じプラズマ源でのインピーダンスと実質的に同じである(例えば、しきい値差の範囲内である)ならば、定常状態が達せられるものであり、そのことは、不要の副生物が、クリーニング処理により大方は排除/消費され、インピーダンスのさらなる変化は、発生する公算が大きくないということを指示する。クリーニング処理の終了点が検出されるならば(2410)、局在化プラズマは消され得るものであり、及び/又は、ポンピング・ラインへのクリーニング・ガスの供給が停止され得る。しかしながら、終了点が検出されない(例えば、少なくとも1つのプラズマ源のインピーダンスが、あらかじめ画定された時間期間の中で変化し続ける)ならば、処理は、局在化プラズマのインピーダンスを、規則的な時間間隔で、終了点が達せられるかどうかを決定する(工程2408)ために監視し続ける(工程2406)。一部の実施形態では、1次クリーニング・ガスと同じ又は異なることがある、クリーニング・ガスの2次供給が、対応するプラズマ源のクリーニング効率を高めるために、インライン・プラズマ源のうちの1つ以上に直接供給される。
【0097】
本発明は特に、特定の実施形態を参照して示され、説明されたが、形式及び詳細の様々な変更が、それらの実施形態において、添付される特許請求の範囲により定義されるような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく為され得るということが、当業者により理解されるはずである。