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特許7448636状態情報の報告方法、端末及びネットワーク機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】状態情報の報告方法、端末及びネットワーク機器
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20240305BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20240305BHJP
   H04W 74/0833 20240101ALI20240305BHJP
   H04W 76/18 20180101ALI20240305BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W36/08
H04W74/0833
H04W76/18
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022508863
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 CN2020109221
(87)【国際公開番号】W WO2021027929
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】201910750380.3
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】陳 力
(72)【発明者】
【氏名】鮑 ▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】呉 ▲ユウ▼民
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0223073(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103581999(CN,A)
【文献】特表2022-546907(JP,A)
【文献】国際公開第2018/188078(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101938757(CN,A)
【文献】Ericsson,Discussion on Mobility Robustness Optimization in 5G system[online],3GPP TSG RAN WG3 #104 R3-193186,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_104/Docs/R3-193186.zip>,2019年05月21日
【文献】vivo,Discussion on the RLF and HOF during non-split bearer handover[online],3GPP TSG RAN WG2 #105bis R2-1903811,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_105bis/Docs/R2-1903811.zip>,2019年03月29日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末によって実行される状態情報の報告方法であって、
ネットワーク機器に切り替えプロセスの状態情報を送信することを含み、
そのうち、前記切り替えプロセスの状態情報は、切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報含み、
前記切り替えプロセスは、条件付き切り替えプロセスであり、
前記ランダムアクセスプロセス状態情報は、
ランダムアクセスプロセス失敗情報を含み、
前記ランダムアクセスプロセス失敗情報は、
一回又は複数回のリセット失敗に対応するターゲット情報と、
一回又は複数回のリセットにおいて切り替え候補セルを選択する回数と、
一回又は複数回のリセットにおいて切り替え候補セルを選択するごとに対応するル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、のうちの少なくとも1つを含
前記ターゲット情報は、ランダムアクセス衝突検出結果を含む、
状態情報の報告方法。
【請求項2】
前記ランダムアクセスプロセス状態情報は、
ランダムアクセスプロセス成功情報をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ランダムアクセスプロセス失敗情報は、
一回又は複数回の切り替え試行の回数と、
一回又は複数回の切り替え失敗の回数と、
一回又は複数回の切り替え試行において最後にアクセスに成功した際に対応する切り替え試行回数と、
一回又は複数回のリセット試行の回数と、
一回又は複数回のリセット失敗の回数と、
一回又は複数回のリセット試行において最後にアクセスに成功した際に対応するリセット試行回数と、
複数回の切り替え試行とリセット試行の回数と、
複数回の切り替え失敗とリセット失敗の回数と、
複数回の切り替え試行とリセット試行において最後にアクセスに成功した際に対応する切り替え試行の回数又はリセット試行の回数と、
一回又は複数回の切り替え失敗に対応するターゲット情報と、
時間関連情報と、
位置関連情報と、のうちの少なくとも一つを含み、
前記時間関連情報は、接続失敗が発生した時の時間情報であり、
前記位置関連情報は、現在切り替えに失敗した又はリセットに失敗した時、前記端末が位置している位置情報である、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲット情報は、
本セル、候補セル及び隣接セルのうちの少なくとも一つの測定結果である測定結果と、
セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、
うちの少なくとも一つを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記測定結果は、
切り替えがトリガされる時の測定結果と、
切り替え失敗を判断するための対応するトリガ条件が満たされる測定結果と、のうちのいずれか一つである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ランダムアクセスプロセス失敗情報は、
一回又は複数回の切り替え失敗に対応するトリガ条件と、
一回又は複数回の切り替え失敗に対応するトリガ条件番号と、
一回又は複数回のリセット失敗に対応するトリガ条件と、
一回又は複数回のリセット失敗に対応するトリガ条件番号と、のうちの少なくとも一つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記ランダムアクセスプロセス成功情報は、
最後に成功したランダムアクセスプロセスのプリアンブルの伝送回数と、
最後に成功したランダムアクセス衝突検出結果と、
切り替え成功に対応するトリガ条件、測定結果、セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、
リセット成功に対応するトリガ条件、測定結果、セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、
ランダムアクセスに成功する前の複数回の切り替え試行の回数と、
ランダムアクセスに成功する前の複数回のリセット試行の回数と、
ランダムアクセスに成功する前の複数回の切り替え試行とリセット試行の回数と、
ランダムアクセスに成功する前の毎回の切り替え試行に対応するトリガ条件、測定結果、セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、
ランダムアクセスに成功する前の毎回のリセット試行に対応する測定結果、セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、のうちの少なくとも一つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記切り替えプロセスの状態情報は、切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応する接続失敗情報を更に含み、
前記接続失敗情報は、RLF情報、切り替え失敗情報及びリセット失敗情報のうちの少なくとも一つを含み、
前記RLF情報は、
RLFの発生に対応する切り替え段階情報と、
本セル、候補セル及び隣接セルのうちの少なくとも一つの測定結果である測定結果と、
RLFに対応するセル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記端末に接続失敗が発生した場合、前記切り替えプロセスの状態情報は、
接続失敗計時情報をさらに含み、
そのうち、前記接続失敗計時情報は、
ターゲット切り替えコマンドの実行を開始してから、前記ターゲット切り替えコマンドに対応するターゲットセルの接続確立に失敗するまでの時間の長さと、
切り替えプロセスのトリガを初めて開始してから、ターゲット切り替えコマンドに対応するターゲットセルの接続確立に失敗するまでの時間の長さと、
ターゲット切り替えコマンドを受信してから、前記ターゲット切り替えコマンドに対応するターゲットセルの接続確立に失敗するまでの時間の長さと、のうちのいずれか一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前述した、ネットワーク機器に切り替えプロセスの状態情報を送信することは、
前記端末が、前記ネットワーク機器から送信された、切り替えプロセスの状態情報を報告するように前記端末に要求する要求情報を受信したことと、
前記端末の切り替えプロセスにおいて接続失敗が発生したことと、のうちのいずれか一つを満たす場合、前記ネットワーク機器に前記切り替えプロセスの状態情報を送信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記端末の切り替えプロセスにおいて接続失敗が発生したことは、
切り替えプロセス全体に失敗したことと、
切り替え失敗を判断するタイマーがタイムアウトしたことと、
予め設定されるタイマーがタイムアウトする前に、候補セルへのアクセスに成功していないことと、
予め設定されるタイマーがタイムアウトする前に、リセットに成功していないことと、
切り替えプロセスの一つ又は複数の切り替えコマンドに対応する切り替え試行に失敗したことと、
切り替えプロセスの一つ又は複数のターゲットセルに対応する切り替え試行に失敗したことと、
切り替えプロセスの一回又は複数回のリセットに失敗したことと、
切り替えプロセスにおいてRLFが発生したことと、
切り替え失敗又はRLFの後、リセットプロセスを開始することと、
切り替え失敗又はRLFの後、セルの選択を行うことと、のうちの少なくとも一つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ネットワーク機器によって実行される状態情報の受信方法であって、
端末から切り替えプロセスの状態情報を受信することを含み、
そのうち、前記切り替えプロセスの状態情報は、切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報含み、
前記ランダムアクセスプロセス状態情報は、
ランダムアクセスプロセス失敗情報を含み、
前記ランダムアクセスプロセス失敗情報は、
一回又は複数回のリセット失敗に対応するターゲット情報と、
一回又は複数回のリセットにおいて切り替え候補セルを選択する回数と、
一回又は複数回のリセットにおいて切り替え候補セルを選択するごとに対応するル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、のうちの少なくとも1つを含み、
前記状態情報は、前記ネットワーク機器が、前記状態情報に関連する設定を最適化することに用いられ
前記ターゲット情報は、ランダムアクセス衝突検出結果を含む、
状態情報の受信方法。
【請求項13】
端末であって、
ネットワーク機器に切り替えプロセスの状態情報を送信するための第一の送信モジュールを含み、
そのうち、前記切り替えプロセスの状態情報は、切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報含み、
前記ランダムアクセスプロセス状態情報は、
ランダムアクセスプロセス失敗情報を含み、
前記ランダムアクセスプロセス失敗情報は、
一回又は複数回のリセット失敗に対応するターゲット情報と、
一回又は複数回のリセットにおいて切り替え候補セルを選択する回数と、
一回又は複数回のリセットにおいて切り替え候補セルを選択するごとに対応するル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、のうちの少なくとも1つを含
前記ターゲット情報は、ランダムアクセス衝突検出結果を含む、
端末。
【請求項14】
ネットワーク機器であって、
端末から切り替えプロセスの状態情報を受信するための受信モジュールを含み、
そのうち、前記切り替えプロセスの状態情報は、切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報含み、
前記ランダムアクセスプロセス状態情報は、
ランダムアクセスプロセス失敗情報を含み、
前記ランダムアクセスプロセス失敗情報は、
一回又は複数回のリセット失敗に対応するターゲット情報と、
一回又は複数回のリセットにおいて切り替え候補セルを選択する回数と、
一回又は複数回のリセットにおいて切り替え候補セルを選択するごとに対応するル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、のうちの少なくとも1つを含み、
前記状態情報は、前記ネットワーク機器が、前記状態情報に関連する設定を最適化することに用いられ
前記ターゲット情報は、ランダムアクセス衝突検出結果を含む、
ネットワーク機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年8月14日に中国で提出された中国特許出願番号No.201910750380.3の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
本開示は、通信技術分野に関し、特に状態情報の報告方法、端末及びネットワーク機器に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術において、切り替えプロセスは、候補セルへの切り替えを試行するということであり、自己組織化ネットワーク(Self-Organizing Network、SON)又は最小化ドライブテスト(Minimization of Drive-Test、MDT)に対して、端末は、最後に成功したランダムアクセスプロセス(Random Access Channel、RACH)の関連情報、無線リンク失敗(Radio Link Failure、RLF)報告及び失敗のタイプといった情報を報告する必要がある。この情報に基づき、ネットワーク機器は関連する設定操作を実行することができる。
【0003】
通信技術の発展に適応するために、関連技術において、端末は、複数の候補セルへの切り替えを複数回試行する切り替えプロセス、例えば、条件付き切り替え(Conditional Handover、CHO)プロセスを行うことができる。しかしながら、複数の候補セルへの切り替えを複数回試行する切り替えプロセスを導入した後、関連技術において端末が切り替えプロセスの状態情報を報告する方式は、ネットワーク機器の設定需要を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施例は、複数の候補セルへの切り替えを複数回試行する切り替えプロセスを導入した後、関連技術において端末が切り替えプロセスの状態情報を報告する方式がネットワーク機器の設定需要を満たすことができないという問題を解決するための状態情報の報告方法、端末及びネットワーク機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術課題を解決するために、本開示の実施例は、以下のように実現される。
【0006】
第一の方面によれば、本開示の実施例は、端末に用いられる状態情報の報告方法を提供する。この方法は、
ネットワーク機器に切り替えプロセスの状態情報を送信することを含み、
そのうち、前記切り替えプロセスの状態情報は、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報と、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応する接続失敗情報と、
切り替えプロセスにおけるRLF情報と、のうちの少なくとも一つを含む。
【0007】
第二の方面によれば、本開示の実施例は、ネットワーク機器に用いられる状態情報の報告方法を提供する。この方法は、
端末から切り替えプロセスの状態情報を受信することを含み、
そのうち、前記切り替えプロセスの状態情報は、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報と、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応する接続失敗情報と、
切り替えプロセスにおけるRLF情報と、のうちの少なくとも一つを含む。
【0008】
第三の方面によれば、本開示の実施例は、端末を提供する。この端末は、
ネットワーク機器に切り替えプロセスの状態情報を送信するための第一の送信モジュールを含み、
そのうち、前記切り替えプロセスの状態情報は、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報と、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応する接続失敗情報と、
切り替えプロセスにおけるRLF情報と、のうちの少なくとも一つを含む。
【0009】
第四の方面によれば、本開示の実施例は、ネットワーク機器を提供する。このネットワーク機器は、
端末から切り替えプロセスの状態情報を受信するための受信モジュールを含み、
そのうち、前記切り替えプロセスの状態情報は、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報と、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応する接続失敗情報と、
切り替えプロセスにおけるRLF情報と、のうちの少なくとも一つを含む。
【0010】
第五の方面によれば、本開示の実施例は、通信機器を提供する。この通信機器は、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、そのうち、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行される時、上記状態情報の報告方法のステップを実現させることができる。選択的に、この通信機器は、端末又はネットワーク機器であってもよい。
【0011】
第六の方面によれば、本開示の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータプログラムが記憶されており、そのうち、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、上記状態情報の報告方法のステップを実現させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の実施例では、端末は、ネットワーク機器に切り替えプロセスの状態情報を送信することができ、この切り替えプロセスの状態情報は、切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報、切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応する接続失敗情報、及び/又は切り替えプロセスにおけるRLF情報を含んでもよい。関連技術における報告方法に比べて、本開示の実施例による端末を利用すれば、関連する切り替えプロセスの状態情報を効果的に報告することができ、複数の候補セルへの切り替えを複数回試行する切り替えプロセスを導入した後でも、ネットワーク機器の設定需要を満たすことができ、それによって、ネットワーク機器は、端末によって報告される情報に従って関連する設定を最適化することができる。
【0013】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本開示の実施例において使用される必要がある添付図面を簡単に紹介する。自明なことに、以下の記述における添付図面は、ただ本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、それらの添付図面に基づき、他の添付図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の実施例による一状態情報の報告方法のフローチャートである。
図2】本開示の実施例による別の状態情報の報告方法のフローチャートである。
図3】本開示の実施例による端末の構造概略図のその一である。
図4】本開示の実施例によるネットワーク機器の構造概略図のその一である。
図5】本開示の実施例による端末の構造概略図のその二である。
図6】本開示の実施例によるネットワーク機器の構造概略図のその二である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本開示の実施例において使用される必要がある添付図面を簡単に紹介する。自明なことに、以下の記述における添付図面は、ただ本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、それらの添付図面に基づき、他の添付図面を取得することもできる。
【0016】
本明細書で記述された技術は、長期的進化型(Long Term Evolution、LTE)/LTEの進化型(LTE-Advanced、LTE-A)システムに限らず、様々な無線通信システム、例えば、符号分割多重接続(Code Division Multiple Access、CDMA)、時分割多重接続(Time Division Multiple Access、TDMA)、周波数分割多重接続(Frequency Division Multiple Access、FDMA)、直交周波数分割多重接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access、OFDMA)、単一搬送波周波数分割多重接続(Single-carrier Frequency-Division Multiple Access、SC-FDMA)及び他のシステムにも適用できる。「システム」と「ネットワーク」という用語は、常に交換可能に使用されている。CDMAシステムは、CDMA2000、ユニバーサル地上ラジオアクセス(Universal Terrestrial Radio Access、UTRA)などのようなラジオ技術を実現することができる。UTRAは、広帯域CDMA(Wideband Code Division Multiple Access、WCDMA(登録商標))及び他のCDMA変形を含む。TDMAシステムは、グローバルモバイル通信システム(Global System for Mobile Communication、GSM(登録商標))などのようなラジオ技術を実現することができる。OFDMAシステムは、ウルトラモバイルブロードバンド(Ultra-Mobile Broadband、UMB)、進化型UTRA(Evolution-UTRA、E-UTRA)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Flash-OFDMなどのラジオ技術を実現することができる。UTRAとE-UTRAは、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)の一部である。LTEとより高いレベルのLTE(例えば、LTE-A)は、E-UTRAを使用した新UMTSバージョンである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-A及びGSM(登録商標)は、「第三世代パートナーシッププロジェクト」(3rd Generation Partnership Project、3GPP)と称される組織からの文献に記述されている。CDMA2000とUMBは、「第三世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と称される組織からの文献に記述されている。本明細書で記述された技術は、以上に言及されたシステムとラジオ技術に用いられてもよく、他のシステムとラジオ技術に用いられてもよい。
【0017】
本開示の実施例による無線通信システムは、端末とネットワーク機器を含む。そのうち、端末は、端末機器又はユーザ端末(User Equipment、UE)と呼ばれてもよく、端末は、携帯電話、タブレットパソコン(Tablet Personal Computer)、ラップトップコンピュータ(Laptop Computer)、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)、モバイルインターネットデバイス(Mobile Internet Device、MID)、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)又は車載機器などの端末側機器であってもよい。なお、本開示の実施例では、端末の具体的なタイプを限定しない。ネットワーク機器は、基地局又はコアネットワークであってもよく、そのうち、上記基地局は、5G及びそれ以降のバージョンの基地局(例えば、gNB、5G NR NBなど)、又は他の通信システムにおける基地局(例えば、eNB、WLANアクセスポイント、又は他のアクセスポイントなど)であってもよく、基地局は、ノードB、進化型ノードB、アクセスポイント、ベーストランシーバーステーション(Base Transceiver Station、BTS)、ラジオ基地局、ラジオトランシーバー、ベーシックサービスセット(Basic Service Set、BSS)、エクステンデッドサービスセット(Extended Service Set、ESS)、ノードB、進化型Bノード(eNB)、ホームBノード、ホーム進化型Bノード、WLANアクセスポイント、WiFiノード、又は当分野における他のある適切な用語と呼ばれてもよく、同じ技術的効果を達成する限り、特定の技術用語に限定されない。
【0018】
本開示の実施例をよりよく理解をするために、まず、条件付き切り替えCHOプロセスを以下のように説明する。
【0019】
具体的には、CHOプロセスは、主に、
ソースノードが一つ又は複数のターゲットノードに切り替え要求情報を送信するステップS1と、
ターゲットノードがソースノードに切り替え確認情報をフィードバックするステップS2と、
ソースノードが端末、例えば、ユーザ機器(User Equipment、UE)に条件付き切り替えの設定情報を送信するステップS3と、
UEが候補セルが条件を満たしているかどうかを評価し、満たしていると、一つのターゲットセルを選択して切り替えを行うステップS4と、
UEが選択したターゲットセルでランダムアクセスプロセスを開始するステップS5と、
UEがターゲットノードに切り替え完了情報を送信するステップS6と、
ソースノードが他のターゲットノードに条件付き切り替えキャンセルコマンドを送信するステップS7と、
他のターゲットノードがソースノードに条件付き切り替えキャンセル確認コマンドを送信するステップS8とを含んでもよい。
【0020】
選択的に、本開示の実施例における切り替えプロセスは、複数の候補セルへの切り替えを複数回試行する一般的な切り替えプロセスであってもよく、複数の候補セルへの切り替えを複数回試行するCHOプロセスであってもよい。
【0021】
図1を参照すると、図1は、本開示の実施例による一状態情報の報告方法のフローチャートである。この方法は、端末に用いられ、図1に示すように、この方法は、
ネットワーク機器に切り替えプロセスの状態情報を送信するステップ101を含む。
【0022】
選択的に、前記切り替えプロセスの状態情報は、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報と、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応する接続失敗情報と、
切り替えプロセスにおけるRLF情報、即ち、ターゲットセルに接続する前のRLF情報と、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0023】
そのうち、上記切り替えターゲットセルは、切り替えターゲットセルに対応する切り替えコマンド、例えば、CHOコマンドとして理解できる。
【0024】
一実施の形態では、本実施例における切り替えプロセスがCHOプロセスである場合、端末によって報告されるCHOプロセスの状態情報は、
CHOプロセスの切り替えターゲットセル(又は、この切り替えターゲットセルに対応するCHOコマンド)に対応するランダムアクセスプロセス状態情報と、
CHOプロセスの切り替えターゲットセル(又は、この切り替えターゲットセルに対応するCHOコマンド)に対応する接続失敗情報と、
CHOプロセスにおけるRLF情報と、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0025】
選択的に、前記ランダムアクセスプロセス状態情報は、
ランダムアクセスプロセス失敗情報と、
ランダムアクセスプロセス成功情報と、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0026】
選択的に、前記接続失敗情報は、
RLF情報、切り替え失敗情報及びリセット失敗情報のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0027】
RLF情報については、以下の少なくとも一つを含んでもよい。
【0028】
RLFの発生に対応する切り替え段階情報であって、選択的に、切り替え段階情報は、トリガ条件が満たされる前、トリガ条件が満たされた後、又はターゲットセルへのアクセスに成功した後であってもよい。
【0029】
測定結果であって、前記測定結果は、本セル、候補セル及び隣接セルのうちの少なくとも一つの測定結果であってもよく、選択的に、この隣接セルは、同一周波数隣接セル、異周波数(inter-frequency)隣接セル、及び/又は異周波数RAT(Inter-RAT)セルであってもよい。
【0030】
RLFに対応するセル識別子(Cell ID)、セルグループ識別子(Cell group ID)及び周波数識別子(frequency ID)のうちの少なくとも一つである。選択的に、このセル識別子は、物理識別子(physical ID、PCI)、及び/又はセルグローバル識別子(cell global ID)であってもよい。この周波数識別子は、搬送波(carrier)識別子、帯域幅(Band Width)識別子、周波数帯域(frequency band)識別子などのうちの少なくとも一つであってもよい。
【0031】
本開示の実施例による報告方法では、端末は、ネットワーク機器に切り替えプロセスの状態情報を送信することができ、この切り替えプロセスの状態情報は、切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報、切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応する接続失敗情報、及び/又は切り替えプロセスにおけるRLF情報を含んでもよい。関連技術における報告方法に比べて、本開示の実施例による端末を利用すれば、関連する切り替えプロセスの状態情報を効果的に報告することができ、複数の候補セルへの切り替えを複数回試行する切り替えプロセスを導入した後でも、ネットワーク機器の設定需要を満たすことができ、それによって、ネットワーク機器は、端末によって報告される情報に従って関連する設定を最適化することができる。
【0032】
本開示の実施例では、選択的に、前記ランダムアクセスプロセス失敗情報は、
1)一回又は複数回の切り替え試行の回数と、
2)一回又は複数回の切り替え失敗の回数と、
3)一回又は複数回の切り替え試行において最後にアクセスに成功した際に対応する切り替え試行回数と、
4)一回又は複数回のリセット試行の回数と、
5)一回又は複数回のリセット失敗の回数と、
6)一回又は複数回のリセット試行において最後にアクセスに成功した際に対応するリセット試行回数と、
7)複数回の切り替え試行とリセット試行の回数と、
8)複数回の切り替え失敗とリセット失敗の回数と、
9)複数回の切り替え試行とリセット試行において最後にアクセスに成功した際に対応する切り替え試行の回数又はリセット試行の回数と、
10)一回又は複数回の切り替え失敗に対応するターゲット情報と、
11)一回又は複数回のリセット失敗に対応するターゲット情報と、
12)一回又は複数回のリセットにおいて切り替え候補セルを選択する回数と、
13)一回又は複数回のリセットにおいて切り替え候補セルを選択するごとに対応する測定結果、セル識別子(Cell ID)、セルグループ識別子(Cell group ID)及び周波数識別子(frequency ID)のうちの少なくとも一つと、
14)時間関連情報であって、例えば、この時間関連情報は、接続失敗が発生した時の時間情報、例えば、timeConnFailureであってもよいものと、
15)位置関連情報であって、例えば、この位置関連情報は、現在切り替えに失敗した又はリセットに失敗した時、端末が位置している位置情報であってもよいものと、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0033】
なお、上記1)における回数は、端末による切り替え試行の合計回数、例えば、Nとして理解できる。上記2)における回数は、端末による切り替え失敗の合計回数として理解できる。上記3)における切り替え試行回数は、最後にアクセスに成功した際に対応する何回目の切り替え試行か、例えば、N+1回目の切り替え試行として理解できる。上記1)~3)に対応するシーンは、端末による切り替え試行、例えば、条件付き切り替えCHO試行しかないことであってもよい。
【0034】
上記4)における回数は、端末によるリセット(Re-est)試行の合計回数として理解できる。上記5)における回数は、端末によるリセット失敗の合計回数として理解できる。上記6)におけるリセット試行回数は、最後にアクセスに成功した際に対応する何回目のリセット試行かとして理解できる。上記4)~6)に対応するシーンは、端末によるリセット試行しかないことであってもよい。
【0035】
上記7)における回数は、端末による切り替え試行とリセット試行の合計回数として理解できる。上記8)における回数は、端末による切り替え失敗とリセット失敗の合計回数として理解できる。上記9)における切り替え試行回数は、最後にアクセスに成功した際に対応する何回目の切り替え試行かとして理解できるが、リセット試行回数は、最後にアクセスに成功した際に対応する何回目のリセット試行かとして理解できる。上記7)~9)に対応するシーンは、端末によるリセット試行しかないこと、又は、端末による切り替え試行(例えば、CHO試行)とリセット試行がいずれもある可能性があることであってもよい。例えば、端末によって実行される切り替えプロセスは、CHO1、CHO2、CHO3、CHO4及びRe-est1を含んでもよく、Re-est1の時に候補セルへのアクセスに成功した場合、切り替え試行とリセット試行の回数は5回であり、切り替え失敗の回数は4回であり、最後にアクセスに成功した際に対応するリセット試行回数は1回目のリセット試行である。
【0036】
上記10)及び11)におけるターゲット情報は、以下の少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限らない。
【0037】
測定結果であって、この測定結果は本セル、候補セル及び隣接セルのうちの少なくとも一つの測定結果であってもよく、選択的に、この隣接セルは、同一周波数隣接セル、異周波数(inter-frequency)隣接セル、及び/又は異周波数RAT(Inter-RAT)セルであってもよい。
【0038】
セル識別子(Cell ID)、セルグループ識別子(Cell group ID)及び周波数識別子(frequency ID)のうちの少なくとも一つであって、選択的に、このセル識別子は、PCI、及び/又はcell global IDであってもよく、選択的に、この周波数識別子は、搬送波(carrier)識別子、帯域幅(Band Width)識別子、周波数帯域(frequency band)識別子などのうちの少なくとも一つであってもよい。
【0039】
ランダムアクセス衝突(RACH contention)検出結果であって、この検出結果は、ランダムアクセス衝突が検出されたかどうかを指示する情報であってもよい。
【0040】
選択的に、上記測定結果は、
切り替えがトリガされる時の測定結果(選択的に、この測定結果は最新の測定結果であってもよい)と、
切り替え失敗を判断するための対応するトリガ条件が満たされる測定結果と、のうちのいずれか一つであってもよい。
【0041】
上記13)における測定結果は、本セル、候補セル及び隣接セルのうちの少なくとも一つの測定結果であってもよく、選択的に、この隣接セルは、同一周波数隣接セル、異周波数(inter-frequency)隣接セル、及び/又は異周波数RAT(Inter-RAT)セルであってもよい。上記13)における周波数識別子は、選択的に、搬送波(carrier)識別子、帯域幅(Band Width)識別子、周波数帯域(frequency band)識別子などのうちの少なくとも一つである。
【0042】
選択的に、本開示の実施例における測定結果は、
リファレンス信号受信パワー(Reference Signal Received Power、RSRP)と、
リファレンス信号受信品質(Reference Signal Received Quality、RSRQ)と、
信号対干渉プラス雑音比(Signal to Interference plus Noise Ratio、SINR)と、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0043】
さらに、本実施例におけるランダムアクセスプロセス失敗情報は、
16)一回又は複数回の切り替え失敗に対応するトリガ条件と、
17)一回又は複数回の切り替え失敗に対応するトリガ条件番号と、
18)一回又は複数回のリセット失敗に対応するトリガ条件と、
19)一回又は複数回のリセット失敗に対応するトリガ条件番号と、のうちの少なくとも一つをさらに含んでもよい。
【0044】
そのうち、上記16)におけるトリガ条件は、毎回の切り替え失敗に対応するトリガ条件であってもよく、アクセスに成功する前の最後の切り替え失敗に対応するトリガ条件であってもよい。上記17)におけるトリガ条件番号は、毎回の切り替え失敗に対応するトリガ条件番号であってもよく、アクセスに成功する前の最後の切り替え失敗に対応するトリガ条件番号であってもよい。上記18)におけるトリガ条件は、毎回のリセット失敗に対応するトリガ条件であってもよく、アクセスに成功する前の最後のリセット失敗に対応するトリガ条件であってもよい。上記19)におけるトリガ条件番号は、毎回のリセット失敗に対応するトリガ条件番号であってもよく、アクセスに成功する前の最後のリセット失敗に対応するトリガ条件番号であってもよい。
【0045】
上記16)~19)に対して、前記一回は、
一回だけの試行と、いずれか一回の試行と、アクセスに成功する前の最後の試行とのうちのいずれか一つを含んでもよく、
及び/又は、前記複数回は、
すべての切り替え及びリセット試行と、すべての切り替え試行と、すべてのリセット試行と、のうちのいずれか一つを含んでもよい。
【0046】
本開示の実施例では、選択的に、前記ランダムアクセスプロセス成功情報は、
最後に成功したランダムアクセスプロセスのプリアンブル(preamble)の伝送回数と、
最後に成功したランダムアクセス衝突検出(Contention Detection)結果と、
切り替え成功に対応するトリガ条件、測定結果、セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、
リセット成功に対応するトリガ条件、測定結果、セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、
ランダムアクセスに成功する前の複数回の切り替え試行の回数と、
ランダムアクセスに成功する前の複数回のリセット試行の回数と、
ランダムアクセスに成功する前の複数回の切り替え試行とリセット試行の回数と、
ランダムアクセスに成功する前の毎回の切り替え試行に対応するトリガ条件、測定結果、セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、
ランダムアクセスに成功する前の毎回のリセット試行に対応する測定結果、セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0047】
理解できるように、ランダムアクセスプロセス成功情報に含まれる測定結果については、対応する本セル、候補セル及び隣接セルのうちの少なくとも一つの測定結果であってもよく、選択的に、この隣接セルは、同一周波数隣接セル、異周波数(inter-frequency)隣接セル、及び/又は異周波数RAT(Inter-RAT)セルであってもよい。選択的に、周波数識別子は、搬送波(carrier)識別子、帯域幅(Band Width)識別子、周波数帯域(frequency band)識別子などのうちの少なくとも一つであってもよい。
【0048】
本開示の実施例では、端末によって報告される切り替えプロセスの状態情報がトリガ条件(例えば、切り替え試行に対応するトリガ条件、切り替え失敗に対応するトリガ条件など)を含む場合、前記切り替えプロセスの状態情報は、前記トリガ条件に対応する有効範囲情報をさらに含んでもよい。
【0049】
そのうち、トリガ条件に対応する有効範囲情報は、有効範囲の識別子(ID)を含んでもよい。このトリガ条件に対応する有効範囲情報を利用して、ネットワーク機器(NW)がトリガ条件を設定する有効範囲を決定するのに役立つことができる。
【0050】
一実施の形態では、トリガ条件1がセル1及びセル2で成功したCHOに対応するが、セル3では失敗したCHOに対応する場合、ネットワーク機器がトリガ条件1のために設定できる有効範囲はセル1及びセル2である。
【0051】
本開示の実施例では、端末に接続失敗が発生した場合、端末によって報告される切り替えプロセスの状態情報は、接続失敗計時情報をさらに含んでもよい。
【0052】
選択的に、前記接続失敗計時情報は、以下のいずれか一つを含んでもよい。
【0053】
(1)ターゲット切り替えコマンドの実行を開始してから、前記ターゲット切り替えコマンドに対応するターゲットセルの接続確立に失敗するまでの時間の長さである。即ち、端末は、異なるターゲット切り替えコマンドに対して異なる接続失敗計時情報を報告する。ターゲット切り替えコマンドがCHOコマンドである場合、このターゲット切り替えコマンドの実行を開始してからは、このCHOコマンドに対応するトリガ条件を満たしてからであってもよい。
【0054】
例えば、ターゲット切り替えコマンドがセル1への切り替えを指示する場合、対応する接続失敗計時情報は、セル1への切り替えを開始してから、セル1への切り替えに失敗するまでの時間の長さであってもよい。
【0055】
(2)切り替えプロセスのトリガを初めて開始してから、ターゲット切り替えコマンドに対応するターゲットセルの接続確立に失敗するまでの時間の長さである。即ち、端末は、異なるターゲット切り替えコマンドに対して異なる接続失敗計時情報を報告する。
【0056】
例えば、セル1への切り替えを初めてトリガし、ターゲット切り替えコマンドがセル4への切り替えを指示する場合、対応する接続失敗計時情報は、セル1への切り替えを初めてトリガしてから、セル4への切り替えに失敗するまでの時間の長さであってもよく、セル1とセル4との間で、セル1とセル3への切り替えを試行した可能性がある。
【0057】
(3)ターゲット切り替えコマンドを受信してから、前記ターゲット切り替えコマンドに対応するターゲットセルの接続確立に失敗するまでの時間の長さである。即ち、端末は、異なるターゲット切り替えコマンドに対して異なる接続失敗計時情報を報告する。
【0058】
そのうち、上記(1)~(3)におけるターゲット切り替えコマンドは、特定の切り替えコマンドと呼ばれてもよい。このターゲット切り替えコマンドは、
最初にトリガされる切り替えコマンド、例えば、最初にトリガされるCHOコマンド、即ち、CHOが初めて条件を満たすものと、
現在切り替え又はリセットされている候補セルに対応する切り替えコマンドと、
候補セルへの切り替えに成功する前の最後の切り替え候補セル又はリセット候補セルに対応する切り替えコマンドと、
候補セル又は他のセルへのリセットに成功する前の最後の切り替え候補セル又はリセット候補セルに対応する切り替えコマンドと、のうちのいずれか一つであってもよい。
【0059】
本開示の実施例では、端末が切り替えプロセスの状態情報を報告する時、ネットワーク機器からの要求によってトリガされる報告であってもよく、自体の状況によってトリガされる報告であってもよい。選択的に、上記ステップ101は、
前記端末が、前記ネットワーク機器から送信された、切り替えプロセスの状態情報を報告するように前記端末に要求する要求情報を受信したことと、
前記端末の切り替え(例えば、CHO)プロセスにおいて接続失敗が発生したことと、のうちのいずれか一つを満たす場合、ネットワーク機器に切り替えプロセスの状態情報を送信することを含んでもよい。
【0060】
そのうち、前記要求情報は、
ランダムアクセス状態情報と、
接続失敗情報と、
切り替えプロセスにおけるRLF情報と、のうちの少なくとも一つを報告するように端末に要求してもよい。
【0061】
選択的に、前記端末の切り替えプロセスにおいて接続失敗が発生したことは、
切り替えプロセス全体に失敗したこと、例えば、CHOプロセス全体に失敗したことと、
切り替え失敗を判断するタイマー、例えば、T304又は他の類似したタイマーがタイムアウトしたことと、
予め設定されるタイマー(例えば、T304又は他の類似したタイマーT304-like)がタイムアウトする前に、候補セルへのアクセスに成功していないこと、例えば、T304がタイムアウトする前に、端末が複数の候補セルへの切り替えを複数回試行したが、候補セルへのアクセスに成功していないことと、
予め設定されるタイマー(例えば、T304又は他の類似したタイマーT304-like)がタイムアウトする前に、リセットに成功していないことと、
切り替えプロセスの一つ又は複数の切り替えコマンドに対応する切り替え試行に失敗したことと、
切り替えプロセスの一つ又は複数のターゲットセルに対応する切り替え試行に失敗したことと、
切り替えプロセスの一回又は複数回のリセットに失敗したことと、
切り替えプロセスにおいてRLFが発生したことと、
切り替え失敗又はRLFの後、リセットプロセスを開始すること、例えば、リセットプロセスにおいては、端末がリセット完了メッセージを介して指示情報を送信し、報告されるべきRLF又はHOF情報があることを指示することと、
切り替え失敗又はRLFの後、セルの選択を行うことと、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。例えば、選択されるセルが一つのCHOのターゲットセルである場合、端末はCHOを行う。切り替えプロセスにおいては、端末は、リセット完了メッセージを介して指示情報を送信し、報告されるべきRLF又はHOF情報があることを指示する。
【0062】
図2を参照すると、図2は、本開示の実施例による一状態情報の報告方法のフローチャートである。この方法は、ネットワーク機器に用いられ、図2に示すように、この方法は、
端末から切り替えプロセスの状態情報を受信するステップ201を含む。
【0063】
そのうち、前記切り替えプロセスの状態情報は、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報と、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応する接続失敗情報と、
切り替えプロセスにおけるRLF情報と、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0064】
選択的に、前記切り替えプロセスは、条件付き切り替えプロセスである。
【0065】
理解できるように、関連技術における報告方法に比べて、本開示の実施例による端末を利用すれば、関連する切り替えプロセスの状態情報を効果的に報告することができ、複数の候補セルへの切り替えを複数回試行する切り替えプロセスを導入した後でも、ネットワーク機器の設定需要を満たすことができ、それによって、ネットワーク機器は、端末によって報告された情報に従って関連する設定を最適化することができる。
【0066】
選択的に、前記ランダムアクセスプロセス状態情報は、
ランダムアクセスプロセス失敗情報と、
ランダムアクセスプロセス成功情報と、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0067】
選択的に、前記ランダムアクセスプロセス失敗情報は、
一回又は複数回の切り替え試行の回数と、
一回又は複数回の切り替え失敗の回数と、
一回又は複数回の切り替え試行において最後にアクセスに成功した際に対応する切り替え試行回数と、
一回又は複数回のリセット試行の回数と、
一回又は複数回のリセット失敗の回数と、
一回又は複数回のリセット試行において最後にアクセスに成功した際に対応するリセット試行回数と、
複数回の切り替え試行とリセット試行の回数と、
複数回の切り替え失敗とリセット失敗の回数と、
複数回の切り替え試行とリセット試行において最後にアクセスに成功した際に対応する切り替え試行の回数又はリセット試行の回数と、
一回又は複数回の切り替え失敗に対応するターゲット情報と、
一回又は複数回のリセット失敗に対応するターゲット情報と、
一回又は複数回のリセットにおいて切り替え候補セルを選択する回数と、
一回又は複数回のリセットにおいて切り替え候補セルを選択するごとに対応する測定結果、セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、
時間関連情報と、
位置関連情報と、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0068】
選択的に、前記ターゲット情報は、
本セル、候補セル及び隣接セルのうちの少なくとも一つの測定結果である測定結果と、
セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、
ランダムアクセス衝突検出結果と、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0069】
選択的に、前記測定結果は、
切り替えがトリガされる時の測定結果と、
切り替え失敗を判断するための対応するトリガ条件が満たされる測定結果と、のうちのいずれか一つである。
【0070】
選択的に、前記ランダムアクセスプロセス失敗情報は、
一回又は複数回の切り替え失敗に対応するトリガ条件と、
一回又は複数回の切り替え失敗に対応するトリガ条件番号と、
一回又は複数回のリセット失敗に対応するトリガ条件と、
一回又は複数回のリセット失敗に対応するトリガ条件番号と、のうちの少なくとも一つを含む。
【0071】
選択的に、前記ランダムアクセスプロセス成功情報は、
最後に成功したランダムアクセスプロセスのプリアンブルの伝送回数と、
最後に成功したランダムアクセス衝突検出結果と、
切り替え成功に対応するトリガ条件、測定結果、セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、
リセット成功に対応するトリガ条件、測定結果、セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、
ランダムアクセスに成功する前の複数回の切り替え試行の回数と、
ランダムアクセスに成功する前の複数回のリセット試行の回数と、
ランダムアクセスに成功する前の複数回の切り替え試行とリセット試行の回数と、
ランダムアクセスに成功する前の毎回の切り替え試行に対応するトリガ条件、測定結果、セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、
ランダムアクセスに成功する前の毎回のリセット試行に対応する測定結果、セル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0072】
選択的に、前記接続失敗情報は、
RLF情報、切り替え失敗情報及びリセット失敗情報のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0073】
選択的に、前記RLF情報は、
RLFの発生に対応する切り替え段階情報と、
本セル、候補セル及び隣接セルのうちの少なくとも一つの測定結果である測定結果と、
RLFに対応するセル識別子、セルグループ識別子及び周波数識別子のうちの少なくとも一つと、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0074】
選択的に、前記切り替えプロセスの状態情報が前記トリガ条件を含む場合、前記切り替えプロセスの状態情報は、
前記トリガ条件に対応する有効範囲情報をさらに含んでもよい。
【0075】
選択的に、前記端末に接続失敗が発生した場合、前記切り替えプロセスの状態情報は、
接続失敗計時情報をさらに含んでもよく、
そのうち、前記接続失敗計時情報は、
ターゲット切り替えコマンドの実行を開始してから、前記ターゲット切り替えコマンドに対応するターゲットセルの接続確立に失敗するまでの時間の長さと、
切り替えプロセスのトリガを初めて開始してから、ターゲット切り替えコマンドに対応するターゲットセルの接続確立に失敗するまでの時間の長さと、
ターゲット切り替えコマンドを受信してから、前記ターゲット切り替えコマンドに対応するターゲットセルの接続確立に失敗するまでの時間の長さと、のうちのいずれか一つを含む。
【0076】
選択的に、前記ターゲット切り替えコマンドは、
最初にトリガされる切り替えコマンドと、
現在切り替え又はリセットされている候補セルに対応する切り替えコマンドと、
候補セルへの切り替えに成功する前の最後の切り替え候補セル又はリセット候補セルに対応する切り替えコマンドと、
候補セル又は他のセルへのリセットに成功する前の最後の切り替え候補セル又はリセット候補セルに対応する切り替えコマンドと、のうちのいずれか一つである。
【0077】
選択的に、ステップ201の前に、前記方法は、
前記端末に要求情報を送信することをさらに含み、
そのうち、前記要求情報は、切り替えプロセスの状態情報を報告するように前記端末に要求する。
【0078】
選択的に、前記要求情報は、
ランダムアクセス状態情報と、
接続失敗情報と、
切り替えプロセスにおけるRLF情報と、のうちの少なくとも一つを報告するように前記端末に要求する。
【0079】
上記実施例は、本開示の状態情報の報告方法を説明しており、以下では、実施例及び添付図面を結び付けながら、本開示の端末及びネットワーク機器を説明する。
【0080】
図3を参照すると、図3は、本開示の実施例による端末の構造概略図である。図3に示すように、この端末30は、
ネットワーク機器に切り替えプロセスの状態情報を送信するための第一の送信モジュール31を含み、
そのうち、前記切り替えプロセスの状態情報は、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報と、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応する接続失敗情報と、
切り替えプロセスにおけるRLF情報と、のうちの少なくとも一つを含む。
【0081】
理解できるように、関連技術における報告方法に比べて、本開示の実施例による端末を利用すれば、関連する切り替えプロセスの状態情報を効果的に報告することができ、複数の候補セルへの切り替えを複数回試行する切り替えプロセスを導入した後でも、ネットワーク機器の設定需要を満たすことができ、それによって、ネットワーク機器は、端末によって報告された情報に従って関連する設定を最適化することができる。
【0082】
選択的に、前記切り替えプロセスは、条件付き切り替えプロセスである。
【0083】
理解できるように、前記ランダムアクセスプロセス状態情報、前記接続失敗情報及び前記RLF情報に含まれる内容は、上記図1に示す方法の実施例に記載の内容を参照すればよく、ここではこれ以上説明しない。
【0084】
選択的に、前記切り替えプロセスの状態情報が前記トリガ条件を含む場合、前記切り替えプロセスの状態情報は、
前記トリガ条件に対応する有効範囲情報をさらに含む。
【0085】
選択的に、前記端末に接続失敗が発生した場合、前記切り替えプロセスの状態情報は、接続失敗計時情報をさらに含む。
【0086】
そのうち、前記接続失敗計時情報に含まれる内容は、上記図1に示す方法の実施例に記載の内容を参照すればよく、ここではこれ以上説明しない。
【0087】
選択的に、前記第一の送信モジュール31は、具体的には、
前記端末が、前記ネットワーク機器から送信された、切り替えプロセスの状態情報を報告するように前記端末に要求する要求情報を受信したことと、
前記端末の切り替えプロセスにおいて接続失敗が発生したことと、のうちのいずれか一つを満たす場合、前記ネットワーク機器に前記切り替えプロセスの状態情報を送信するためのものである。
【0088】
そのうち、前記請求情報と前記端末の切り替えプロセスにおいて接続失敗が発生したことについては、上記図1に示す方法の実施例に記載の内容を参照すればよく、ここではこれ以上説明しない。
【0089】
図4を参照すると、図4は、本開示の実施例によるネットワーク機器の構造概略図である。図4に示すように、このネットワーク機器40は、
端末から切り替えプロセスの状態情報を受信するための受信モジュール41を含み、
そのうち、前記切り替えプロセスの状態情報は、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報と、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応する接続失敗情報と、
切り替えプロセスにおけるRLF情報と、のうちの少なくとも一つを含む。
【0090】
理解できるように、関連技術における報告方法に比べて、本開示の実施例による端末を利用すれば、関連する切り替えプロセスの状態情報を効果的に報告することができ、複数の候補セルへの切り替えを複数回試行する切り替えプロセスを導入した後でも、ネットワーク機器の設定需要を満たすことができ、それによって、ネットワーク機器は、端末によって報告された情報に従って関連する設定を最適化することができる。
【0091】
選択的に、前記切り替えプロセスは、条件付き切り替えプロセスである。
【0092】
理解できるように、前記ランダムアクセスプロセス状態情報、前記接続失敗情報及び前記RLF情報に含まれる内容は、上記図1に示す方法の実施例に記載の内容を参照すればよく、ここではこれ以上説明しない。
【0093】
選択的に、前記切り替えプロセスの状態情報が前記トリガ条件を含む場合、前記切り替えプロセスの状態情報は、
前記トリガ条件に対応する有効範囲情報をさらに含んでもよい。
【0094】
選択的に、前記端末に接続失敗が発生した場合、前記切り替えプロセスの状態情報は、
接続失敗計時情報をさらに含んでもよく、
そのうち、前記接続失敗計時情報に含まれる内容は、上記図1に示す方法の実施例に記載の内容を参照すればよく、ここではこれ以上説明しない。
【0095】
選択的に、このネットワーク機器40は、
前記端末に要求情報を送信するための第二の送信モジュールをさらに含み、
そのうち、前記要求情報は、切り替えプロセスの状態情報を報告するように前記端末に要求する。
【0096】
選択的に、前記要求情報は、
ランダムアクセス状態情報と、
接続失敗情報と、
切り替えプロセスにおけるRLF情報と、のうちの少なくとも一つを報告するように前記端末に要求する。
【0097】
本開示の実施例は、通信機器をさらに提供する。プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、そのうち、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行される時、上記図1又は図2に示す状態情報の報告方法の実施例の各プロセスを実現させることができ、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここではこれ以上説明しない。この通信機器は、選択的に、端末又はネットワーク機器である。
【0098】
図5を参照すると、図5は、本開示の各実施例を実現する端末のハードウェア構造概略図である。端末500は、無線周波数ユニット501、ネットワークモジュール502、オーディオ出力ユニット503、入力ユニット504、センサ505、表示ユニット506、ユーザ入力ユニット507、インターフェースユニット508、メモリ509、プロセッサ510、及び電源511などの部材を含むが、それらに限らない。当業者であれば理解できるように、図5に示される端末の構造は、端末に対する限定を構成せず、端末は、図示される部材の数よりも多くまたは少ない部材、またはなんらかの部材の組み合わせ、または異なる部材の設定を含んでもよい。本開示の実施例では、端末は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、パームトップコンピュータ、車載端末、ウェアラブルデバイス、及び歩数計などを含むが、それらに限らない。
【0099】
そのうち、無線周波数ユニット501は、ネットワーク機器に切り替えプロセスの状態情報を送信するために用いられ、前記切り替えプロセスの状態情報は、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報と、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応する接続失敗情報と、
切り替えプロセスにおけるRLF情報と、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0100】
本開示の実施例による端末500は、上記図1に示す方法の実施例で実現される各プロセスを実現させ、且つ同じ有益な効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここではこれ以上説明しない。
【0101】
本開示の実施例では、無線周波数ユニット501は、情報の送受信または通話中の信号の送受信に用いることができることが理解されたい。具体的には、基地局からの下りリンクデータを受信してから、プロセッサ510に処理させてもよい。また、上りリンクのデータを基地局に送信してもよい。一般的には、無線周波数ユニット501は、アンテナ、少なくとも一つの増幅器、送受信機、カプラ、低雑音増幅器、デュプレクサなどを含むが、それらに限らない。なお、無線周波数ユニット501は、無線通信システムやネットワークを介して他の機器との通信を行ってもよい。
【0102】
端末は、ネットワークモジュール502によってユーザに無線のブロードバンドインターネットアクセスを提供し、例えば、ユーザへ電子メールの送受信、ウェブページの閲覧、ストリーミングメディアへのアクセスなどを支援する。
【0103】
オーディオ出力ユニット503は、無線周波数ユニット501またはネットワークモジュール502によって受信されたまたはメモリ509に記憶されたオーディオデータをオーディオ信号に変換して、音声として出力することができる。そして、オーディオ出力ユニット503はさらに、端末500によって実行された特定の機能に関連するオーディオ出力(例えば、呼び信号受信音、メッセージ着信音など)を提供することができる。オーディオ出力ユニット503は、スピーカ、ブザー及び受話器などを含む。
【0104】
入力ユニット504は、オーディオまたはビデオ信号を受信するために用いられる。入力ユニット504は、グラフィックスプロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)5041とマイクロホン5042を含んでもよい。グラフィックスプロセッサ5041は、ビデオキャプチャモードまたは画像キャプチャモードにおいて画像キャプチャ装置(例えば、カメラ)によって得られた静止画像またはビデオの画像データを処理する。処理された画像フレームは、表示ユニット506に表示されてもよい。グラフィックスプロセッサ5041によって処理された画像フレームは、メモリ509(または他の記憶媒体)に記憶されてもよく、または無線周波数ユニット501またはネットワークモジュール502を介して送信されてもよい。マイクロホン5042は、音声を受信することができるとともに、このような音声をオーディオデータとして処理することができる。処理されたオーディオデータは、電話の通話モードにおいて、無線周波数ユニット501を介して移動通信基地局に送信することが可能なフォーマットに変換して出力されてもよい。
【0105】
端末500は、少なくとも一つのセンサ505、例えば、光センサ、モーションセンサ及び他のセンサをさらに含む。具体的には、光センサは、環境光センサ及び接近センサを含み、そのうち、環境光センサは、環境光の明暗に応じて、表示パネル5061の輝度を調整することができ、接近センサは、端末500が耳元に移動した時、表示パネル5061及び/又はバックライトをオフにすることができる。モーションセンサの一種として、加速度計センサは、各方向(一般的には、三軸)での加速度の大きさを検出することができ、静止時、重力の大きさ及び方向を検出することができ、端末姿勢(例えば、縦横スクリーン切り替え、関連ゲーム、磁力計姿勢校正)の識別、振動識別関連機能(例えば、歩数計、タップ)などに用いることができる。センサ505は、指紋センサ、圧力センサ、虹彩センサ、分子センサ、ジャイロ、気圧計、湿度計、温度計、赤外線センサなどをさらに含んでもよい。ここではこれ以上説明しない。
【0106】
表示ユニット506は、ユーザによって入力された情報またはユーザに提供される情報を表示するために用いられる。表示ユニット506は、表示パネル5061を含んでもよい。液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)などの形式で表示パネル5061を設定してもよい。
【0107】
ユーザ入力ユニット507は、入力された数字または文字情報の受信、端末のユーザによる設置及び機能制御に関するキー信号入力の発生に用いられてもよい。具体的には、ユーザ入力ユニット507は、タッチパネル5071および他の入力機器5072を含む。タッチパネル5071は、タッチスクリーンとも呼ばれ、その上または付近でのユーザによるタッチ操作(例えば、ユーザが指、タッチペンなどの任意の適切な物体または付属品を使用してタッチパネル5071上またはタッチパネル5071付近で行う操作)を収集することができる。タッチパネル5071は、タッチ検出装置とタッチコントローラの二つの部分を含んでもよい。そのうち、タッチ検出装置は、ユーザによるタッチ方位を検出し、タッチ操作による信号を検出し、信号をタッチコントローラに伝送する。タッチコントローラは、タッチ検出装置からタッチ情報を受信し、それをタッチポイント座標に変換してから、プロセッサ510に送信し、プロセッサ510から送信されてきた指令を受信して実行する。なお、抵抗式、静電容量式、赤外線及び表面音波などの様々なタイプを用いてタッチパネル5071を実現してもよい。タッチパネル5071以外、ユーザ入力ユニット507は、他の入力機器5072を含んでもよい。具体的には、他の入力機器5072は、物理的なキーボード、機能キー(例えば、ボリューム制御ボタン、スイッチボタンなど)、トラックボール、マウス、操作レバーを含んでもよいが、それらに限らない。ここではこれ以上説明しない。
【0108】
さらに、タッチパネル5071は、表示パネル5061上に覆われてもよい。タッチパネル5071は、その上または付近でのタッチ操作を検出すると、プロセッサ510に伝送して、タッチイベントのタイプを特定し、その後、プロセッサ510は、タッチイベントのタイプに応じて表示パネル5061上で相応な視覚出力を提供する。図5では、タッチパネル5071と表示パネル5061は、二つの独立した部材として端末の入力と出力機能を実現するものであるが、なんらかの実施例では、タッチパネル5071と表示パネル5061を集積して端末の入力と出力機能を実現してもよい。具体的には、ここでは限定しない。
【0109】
インターフェースユニット508は、外部装置と端末500との接続のためのインターフェースである。例えば、外部装置は、有線または無線ヘッドフォンポート、外部電源(または電池充電器)ポート、有線または無線データポート、メモリカードポート、識別モジュールを有する装置への接続用のポート、オーディオ入力/出力(I/O)ポート、ビデオI/Oポート、イヤホンポートなどを含んでもよい。インターフェースユニット508は、外部装置からの入力(例えば、データ情報、電力など)を受信するとともに、受信した入力を端末500内の一つまたは複数の素子に伝送するために用いられてもよく、または端末500と外部装置との間でデータを伝送するために用いられてもよい。
【0110】
メモリ509は、ソフトウェアプログラム及び各種のデータを記憶するために用いられてもよい。メモリ509は、主に記憶プログラム領域および記憶データ領域を含んでもよい。そのうち、記憶プログラム領域は、オペレーティングシステム、少なくとも一つの機能に必要なアプリケーションプログラム(例えば、音声再生機能、画像再生機能など)などを記憶することができ、記憶データ領域は、携帯電話の使用によって作成されるデータ(例えば、オーディオデータ、電話帳など)などを記憶することができる。なお、メモリ509は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、不揮発性メモリ、例えば、少なくとも一つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、または他の不揮発性ソリッドステートメモリデバイスをさらに含んでもよい。
【0111】
プロセッサ510は、端末の制御センターであり、各種のインターフェースと線路によって端末全体の各部分に接続され、メモリ509内に記憶されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを運行又は実行すること、及びメモリ509内に記憶されたデータを呼び出し、端末の各種の機能を実行し、データを処理することにより、端末全体をモニタリングする。プロセッサ510は、一つまたは複数の処理ユニットを含んでもよい。選択的に、プロセッサ510は、アプリケーションプロセッサとモデムプロセッサを集積してもよい。そのうち、アプリケーションプロセッサは、主にオペレーティングシステム、ユーザインターフェースおよびアプリケーションプログラムなどを処理するためのものであり、モデムプロセッサは、主に無線通信を処理するためのものである。理解できるように、上記モデムプロセッサは、プロセッサ510に集積されなくてもよい。
【0112】
端末500はさらに、各部材に電力を供給する電源511(例えば、電池)を含んでもよい。選択的に、電源511は、電源管理システムによってプロセッサ510にロジック的に接続されてもよい。それにより、電源管理システムによって充放電管理及び消費電力管理などの機能を実現することができる。
【0113】
また、端末500は、さらにいくつかの示されていない機能モジュールを含んでもよい。ここではこれ以上説明しない。
【0114】
図6を参照すると、図6は、本開示の各実施例を実現するネットワーク機器のハードウェア構造概略図である。前記ネットワーク機器60は、バス61、送受信機62、アンテナ63、バスインターフェース64、プロセッサ65及びメモリ66を含むが、これらに限らない。
【0115】
本開示の実施例では、前記ネットワーク機器60は、メモリ66に記憶され、且つプロセッサ65上で運行できるコンピュータプログラムをさらに含む。選択的に、前記コンピュータプログラムがプロセッサ65によって実行される時、
端末から切り替えプロセスの状態情報を受信するステップを実現させる。
【0116】
そのうち、前記切り替えプロセスの状態情報は、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応するランダムアクセスプロセス状態情報と、
切り替えプロセスの切り替えターゲットセルに対応する接続失敗情報と、
切り替えプロセスにおけるRLF情報と、のうちの少なくとも一つを含む。
【0117】
送受信機62は、プロセッサ65の制御の下でデータを送受信するために用いられる。
【0118】
本開示の実施例によるネットワーク機器60は、上記図2に示す方法の実施例で実現される各プロセスを実現させ、且つ同じ有益な効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここではこれ以上説明しない。
【0119】
図6では、バスアーキテクチャ(バス61で代表される)について、バス61は、任意の数の相互接続されたバスとブリッジを含んでもよく、バス61は、プロセッサ65によって代表される一つまたは複数のプロセッサとメモリ66によって代表されるメモリを含む各種の回路をリンクしている。バス61は、周辺機器、電圧レギュレータ及びパワー管理回路などの各種の他の回路をリンクしてもよい。それらは、すべて当技術分野でよく知られているものであるため、ここではこれ以上説明しない。バスインターフェース64は、バス61と送受信機62との間でインターフェースを提供する。送受信機62は、一つの素子であってもよく、複数の素子、例えば、複数の送信機と受信機であってもよく、伝送媒体で各種の他の装置と通信するためのユニットを提供してもよい。プロセッサ65によって処理されたデータは、アンテナ63を介して無線媒体上で伝送され、さらに、アンテナ63は、データを受信し、データをプロセッサ65に送信する。
【0120】
プロセッサ65は、バス61の管理と一般的な処理を担当し、タイミング、周辺インターフェース、電圧調整、電力管理及び他の制御機能を含む様々な機能を提供してもよい。メモリ66は、プロセッサ65が操作を実行する時に使用したデータを記憶するために用いられてもよい。
【0121】
選択的に、プロセッサ65は、CPU、ASIC、FPGA又はCPLDであってもよい。
【0122】
本開示の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、このコンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、上記図1又は図2に示す状態情報の報告方法の実施例の各プロセスを実現させることができ、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここではこれ以上説明しない。そのうち、このコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスクまたは光ディスクなどである。
【0123】
なお、本明細書において、「含む」、「包含」という用語またはその他の任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものであり、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの要素を含むだけではなく、明確にリストアップされていない他の要素も含み、またはこのようなプロセス、方法、物品または装置に固有の要素も含む。それ以上の制限がない場合に、「……を1つ含む」という文章で限定された要素について、この要素を含むプロセス、方法、物品または装置には他の同じ要素も存在することが排除されるものではない。
【0124】
以上の実施の形態の記述によって、当業者であればはっきりと分かるように、上記実施例の方法は、ソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームの形態によって実現されてもよい。無論、ハードウェアによっても実現されるが、多くの場合、前者は、好適な実施の形態である。このような理解を踏まえて、本開示の技術案は、実質にはまたは関連技術に寄与した部分がソフトウェア製品の形式によって表われてもよい。このコンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、一台の端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、またはネットワーク機器などであってもよい)に本開示の各実施例に記載の方法を実行させるための若干の指令を含む。
【0125】
以上は、添付図面を結び付けながら、本開示の実施例を記述していたが、本開示は、上記具体的な実施の形態に限らず、上記具体的な実施の形態は例示的なものに過ぎず、制限性のあるものではない。当業者は、本開示による示唆を基にして、本開示の趣旨や請求項が保護する範囲から逸脱しない限り、多くの形式の変更を行うことができ、それらはいずれも本開示の保護範囲に入っている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6