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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】電力供給ユニットのための電力アダプタ
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20240305BHJP
   H04B 3/50 20060101ALI20240305BHJP
   H04B 3/02 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
H02J13/00 B
H04B3/50
H04B3/02
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2022547035
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 US2021017505
(87)【国際公開番号】W WO2021173354
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】16/912,563
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/981,136
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508041127
【氏名又は名称】シスコ テクノロジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】ゲルゲン,ジョエル,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,チャド,エム.
(72)【発明者】
【氏名】キーファー,ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】アルドゥイーニ,ダグラス,ポール
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-260563(JP,A)
【文献】国際公開第2019/212759(WO,A1)
【文献】特開2015-042078(JP,A)
【文献】特開平11-073247(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0020858(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0064939(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26-3/00
G06F 3/18
H01R 27/00-31/08
H02J 1/00-1/16
H02J 13/00
H02M 3/00-3/44
H02M 7/42-7/98
H04B 1/76-3/44
H04B 3/50-3/60
H04B 7/00-7/015
H04L 12/00-12/28
H04L 12/44-12/66
H04L 45/00-49/9057
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
ネットワークデバイス内に設置された電力供給ユニット(PSU)への直接接続のために構成された電力アダプタを備え、前記電力アダプタが、
イーサネットケーブル上の電力を受容するための電力入力ポートと、
前記電力入力ポートにおいて受容される前記電力をPSU入力電力に変換するための電力変換器モジュールと、
PSU電力入力コネクタと接続するための電力出力コネクタと、
前記PSUのファン入口に空気流を提供するためのファンと、を備える、装置。
【請求項2】
前記電力入力ポートが、パルス電力を受容するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電力入力ポートが、パワー・オーバー・イーサネット(PoE)を受容するように構成された複数のポートを備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記電力入力ポートが、前記電力アダプタの第1の端部に位置しており、前記電力出力コネクタが、前記電力アダプタの第2の端部に位置しており、前記電力アダプタの前記第2の端部が、前記電力アダプタを前記PSUに接続するための少なくとも1つの接続点を備える、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記電力アダプタが、前記PSU上のステータスライトから放出された光を前記電力アダプタの自由端に伝送するためのライトパイプを備える、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記PSU入力電力が、240VAC(ボルト交流)、240VDC(ボルト直流)、または380VDCのうちの1つを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記受容される電力が、DC(直流)電力を含み、前記PSU入力電力が、AC(交流)電力を含み、前記PSUが、前記ネットワークデバイスの電力構成要素に給電するための調整されたDC電力を送達するように動作可能である、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記電力アダプタの前記電力出力コネクタが、IEC(国際電気標準会議)標準コネクタを備える、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
装置であって、
ネットワークデバイス内に設置されたときにPSU入力電力を受容し、ネットワークデバイス構成要素に給電するように動作可能な電力入力コネクタを備える、電力供給ユニット(PSU)と、
前記PSUに結合されており、イーサネットケーブル上の電力を受容するための電力入力ポート、前記電力入力ポートにおいて受容される前記電力を前記PSU入力電力に変換するための電力変換器モジュール、前記PSUの前記電力入力コネクタに接続される電力出力コネクタ、および前記PSUのファン入口に空気流を提供するためのファンを備える、電力アダプタと、を備える、装置。
【請求項10】
前記電力入力ポートが、単相DC(直流)パルス電力、多相DCパルス電力、またはパワー・オーバー・イーサネット(PoE)のうちの1つ以上を受容するように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記PSUが、前記PSU入力電力が特定の周波数および波形シグネチャを含むことを検証するように構成されている、請求項または10に記載の装置。
【請求項12】
前記電力アダプタおよび前記PSUが、結合構成において、前記ネットワークデバイス上でのみホットスワップ可能である、請求項11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記PSUが、ステータスライトを備え、前記電力アダプタが、前記ステータスライトから放出された光を前記電力アダプタの自由端に伝送するためのライトパイプを備える、請求項12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記電力アダプタにおいて受容される前記電力が、DC(直流)電力を含み、前記PSU入力電力が、AC(交流)電力を含み、前記電力アダプタが、過電流保護のための少なくとも1つのDCヒューズを備える、請求項13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記電力アダプタにおいて受容される前記電力が、多相DC(直流)パルス電力を含み、前記PSU入力電力が、AC(交流)電力を含み、前記PSUが、前記ネットワークデバイス構成要素に給電するための調整されたDC電力を送達するように動作可能であり、前記電力アダプタが、前記多相DCパルス電力の各相のための電力変調器と、前記電力変調器の下流にあるDC/AC変換器と、を備える、請求項14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
ネットワークデバイスであって、
電力供給ユニット(PSU)入力電力を受容し、前記ネットワークデバイスの1つ以上の構成要素に給電するように動作可能な電力入力コネクタを備える、電力供給ユニット(PSU)と、
前記PSUに結合されており、DC(直流)パルス電力を受容するための電力入力ポート、前記DCパルス電力を前記PSU入力電力に変換するための電力変換器モジュール、前記PSUの前記電力入力コネクタに接続されている電力出力コネクタおよび前記PSUのファン入口に空気流を提供するためのファンを備える、電力アダプタと、を備える、ネットワークデバイス。
【請求項17】
前記ネットワークデバイスが、2つの電力供給ユニットと、前記電力供給ユニットに接続されている2つの電力アダプタと、を備える、スイッチを備える、請求項16に記載のネットワークデバイス。
【請求項18】
前記ネットワークデバイスが、2つの電力供給ユニットを備え、前記電力アダプタが、前記2つの電力供給ユニットにおいて、2つの電力入力コネクタと接続するための2つの電力出力コネクタを備える、請求項16または17に記載のネットワークデバイス。
【請求項19】
前記電力入力ポートが、前記電力アダプタの第1の端部に位置しており、前記電力出力コネクタが、前記電力アダプタの第2の端部に位置しており、前記電力アダプタの前記第2の端部が、前記電力アダプタを前記PSUに直接接続するための複数の締結具を備える、請求項1618のいずれか一項に記載のネットワークデバイス。
【請求項20】
前記PSUおよび電力アダプタが、前記ネットワークデバイスへの挿入のために構成された電力モジュールを画定するように持続的に結合されており、前記電力アダプタの前記電力出力コネクタおよび前記PSUの前記電力入力コネクタが、前記電力モジュールの内部接続を画定する、請求項1619のいずれか一項に記載のネットワークデバイス。
【請求項21】
前記電力アダプタの前記電力入力ポートが、多相DCパルス電力を受容するように動作可能である、請求項20に記載のネットワークデバイス。
【請求項22】
装置であって、
ケーブル上の電力およびデータを受容するための電力入力ポートと、
前記電力入力ポートにおいて受容される前記電力を電力供給ユニット(PSU)入力電力に変換するための電力変換器モジュールと、
ネットワークデバイスに設置されているPSUとの電気的接続のための電力出力コネクタと、
前記ネットワークデバイスにデータを伝送するためのデータ出力ポートと、
前記PSUのファン入口に空気流を提供するためのファンと、を備える、装置。
【請求項23】
前記ケーブルが、1つ以上の電線および1つ以上の光ファイバを備える、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記データが、光データを含み、前記データ出力ポートが、前記光データを前記ネットワークデバイスに送達するための光コネクタを備える、請求項22または23に記載の装置。
【請求項25】
前記データ出力ポートが、前記データを前記ネットワークデバイスに伝送するためのイーサネットポートを備える、請求項2224のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記データ出力ポートが、電気データを伝送するための電気コネクタと、光データを伝送するための光コネクタと、を備える、請求項2225のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記データ出力ポートが、前記データを、前記ネットワークデバイスの第1の面に伝送し、前記電力出力コネクタが、前記電力を、前記ネットワークデバイスの第2の面に位置するPSU電力入力コネクタに伝送する、請求項2226のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
装置であって、
ネットワークデバイス内に設置された電力供給ユニット(PSU)に給電するように構成された電力アダプタを備え、前記電力アダプタが、
ケーブル上のDC(直流)パルス電力を受容するための電力入力ポートと、
前記DCパルス電力をPSU入力電力に変換するための電力変換モジュールと、
PSU電力入力コネクタとの電気的接続のための電力出力コネクタと、
前記PSUのファン入口に空気流を提供するためのファンと、を備える、装置。
【請求項29】
前記電力入力ポートが、多相DCパルス電力を受容するように構成されており、前記PSU入力電力が、AC(交流)電力を含み、前記PSUが、ネットワークデバイス構成要素に給電するための調整されたDC電力を送達するように動作可能である、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記電力出力コネクタが、AC(交流)電力ケーブルを備える、請求項28又は29に記載の装置。
【請求項31】
電力アダプタであって、
ケーブル上の多相DC(直流)パルス電力を受容するための電力入力ポートと、
前記多相DCパルス電力を電力供給ユニット(PSU)入力電力に変換するための電力変換器モジュールと、
ネットワークデバイス内に設置されたPSU上に位置するPSU電力入力コネクタに前記PSU入力電力を伝送するための電力出力コネクタと、
前記PSUのファン入口に空気流を提供するためのファンと、を備える、電力アダプタ。
【請求項32】
前記電力出力コネクタが、AC(交流)電力ケーブルを備える、請求項31に記載の電力アダプタ。
【請求項33】
前記ネットワークデバイス内に設置された第2のPSU上に位置する第2のPSU電力入力コネクタに前記PSU入力電力を伝送するための第2の電力出力コネクタをさらに備える、請求項31または32に記載の電力アダプタ。
【請求項34】
前記電力アダプタにおいて受容されるデータを前記ネットワークデバイスに伝送するためのデータ出力ポートをさらに備える、請求項3133のいずれか一項に記載の電力アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の陳述
本出願は、2020年2月25日に出願された、「METHOD AND APPARATUS FOR CONVERTING POWER SUPPLY UNIT BASED SYSTEM TO FAULT MANAGED POWER BASED SYSTEM」と題する米国特許仮出願第62/981,136号からの優先権を主張する。この仮特許出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、ネットワーク通信デバイスのための電力システムに関し、より具体的には、ネットワーク通信デバイスの電力供給ユニットのための電力アダプタに関する。
【背景技術】
【0003】
208VACまたは380VDCなどの商用電力またはグリーンエネルギー電力を受け入れる従来の電力供給ユニットとともに現在使用されている、または販売されている多数のネットワークデバイスがある。これらの電力供給ユニットを異なる電力入力で動作するように変更するには、コストがかかる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】一実施形態による、2つの電力供給ユニット(PSU)との接続のために位置整合された2つの電力アダプタを有するネットワークデバイスの斜視図である。
図1B】電力アダプタがPSUに結合されている、図1Aに示されているネットワークデバイスの上面図である。
図2】一実施形態による、詳細を示すために上部を取り除いた電力アダプタの概略斜視図である。
図3】詳細を示すために上部を取り除いて示す、PSUとの接続のために位置整合された図2の電力アダプタの概略斜視図である。
図4A】AC(交流)コネクタを備えた図3のPSUの後面図である。
図4B】DC(直流)コネクタを備えた図3のPSUの後面図である。
図4C】電力アダプタにある電力入力、電力アダプタとPSUとの間のインターフェースにある電力、およびPSUにある電力出力の例を有する電力アダプタおよびPSUを備える電力モジュールの斜視図である。
図5】一実施形態による、複数のパワー・オーバー・イーサネット(PoE)入力ポートを有する電力アダプタの概略斜視図である。
図6】一実施形態による、PSUとの接続のために位置整合された、ファンのない電力アダプタを示す概略斜視図である。
図7】一実施形態による、PSUとの接続のために位置整合された、ファンを有する電力アダプタの概略斜視図である。
図8】一実施形態による、PoE入力ポートを有する図7の電力アダプタの概略斜視図である。
図9A】ネットワークデバイスおよび電力アダプタの後面斜視図である。
図9B図9Aの電力アダプタに電力を伝送するためのソースFMP(障害管理電力)デバイスの正面斜視図である。
図10】一実施形態による、多相パルス電力入力を有する電力アダプタおよびPSUの側面図である。
図11】一実施形態による、入力ケーブル、電力アダプタ、およびPSUを示す電気回路図である。
図12】一実施形態による、電力アダプタの構成要素を示す概略図である。
図13】本明細書に記載の実施形態を実装することができるネットワークデバイスの一例を示すブロック図である。
【0005】
対応する参照文字は、図面のいくつかの図にわたって対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
概要
本発明の態様は、独立請求項で述べられ、好ましい特徴は、従属請求項で述べられる。一態様の特徴は、単独で、または他の態様と組み合わせて、任意の態様に適用され得る。
【0007】
一実施形態では、装置は一般に、ネットワークデバイス内に設置された電力供給ユニット(PSU)に直接接続するように構成された電力アダプタを備え、電力アダプタは、イーサネットケーブル上の電力を受容するための電力入力ポートと、電力入力ポートにおいて受容された電力をPSU入力電力に変換するための電力変換器モジュールと、PSU電力入力コネクタに接続するための電力出力コネクタと、を備える。
【0008】
別の実施形態では、装置は一般に、ネットワークデバイス内に設置されたときにPSU入力電力を受容し、ネットワークデバイス構成要素に給電するように動作可能な電力入力コネクタを備えるPSUと、PSUに結合され、イーサネットケーブル上の電力を受容するための電力入力ポート、電力入力ポートにおいて受容された電力をPSU入力電力に変換するための電力変換器モジュール、および、PSUの電力入力コネクタに接続される電力出力コネクタを備える電力アダプタと、を備える。
【0009】
別の実施形態では、ネットワークデバイスは一般に、PSU入力電力を受容し、ネットワークデバイスの1つ以上の構成要素に給電するように動作可能な電力入力コネクタを備えるPSUと、PSUに結合され、DC(直流)パルス電力を受容するための電力入力ポート、DCパルス電力をPSU入力電力に変換するための電力変換器モジュール、および、PSUの電力入力コネクタに接続される電力出力コネクタを備える電力アダプタと、を備える。
【0010】
別の実施形態では、装置は一般に、ケーブル上の電力およびデータを受容するための入力ポートと、電力入力ポートにおいて受容された電力をPSU入力電力に変換するための電力変換器モジュールと、ネットワークデバイス内に設置されたPSUと電気接続するための電力出力コネクタと、ネットワークデバイスにデータを伝送するためのデータ出力ポートと、を備える。
【0011】
別の実施形態では、装置は一般に、ネットワークデバイス内に設置されたPSUに給電するように構成された電力アダプタを備え、電力アダプタは、ケーブル上のDCパルス電力を受容するための電力入力ポートと、DCパルス電力をPSU入力電力に変換するための電力変換器モジュールと、PSU電力入力コネクタと電気接続するための電力出力コネクタと、を備える。
【0012】
さらに別の実施形態では、電力アダプタは一般に、ケーブル上の多相DCパルス電力を受容するための電力入力ポートと、多相DCパルス電力をPSU入力電力に変換するための電力変換器モジュールと、ネットワークデバイス内に設置されたPSU上に位置するPSU電力入力コネクタにPSU入力電力を伝送するための電力出力コネクタと、を備える。
【0013】
本明細書に記載の実施形態の特徴および利点のさらなる理解は、本明細書の残りの部分および添付の図面を参照することによって実現することができる。
【0014】
例示的な実施形態
以下の説明は、当業者が実施形態を作成および使用することを可能にするために提示される。特定の実施形態および用途の説明は、例としてのみ提供されており、様々な変更形態が当業者には容易に明らかになるであろう。本明細書に記載の一般原理は、実施形態の範囲から逸脱することなく、他の用途に適用することができる。したがって、実施形態は、示されているものに限定されるべきではなく、本明細書に記載されている原理および特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。明確にするために、実施形態に関連する技術分野で知られている技術資料に関連する詳細は、詳細には説明されていない。
【0015】
電力供給ユニット(PSU)は、ネットワークデバイスの内部構成要素によって使用するために、AC(交流)またはDC(直流)電力を調整されたDC電力に変換するために使用することができる。PSUは、例えば、標準入力電力を供給する従来の電力ケーブルを使用して、100VAC(ボルト交流)~277VACまたはDC(直流)入力(例えば、240VDC、380VDC)の入力電圧をサポートすることができる。しかしながら、新たなまたは異なるタイプの電力入力を利用することが所望される場合がある。例えば、デジタルビルディング用途の企業スイッチング構成要素のユーザは、標準構成要素を使用するが、異なる電力ベースの実施態様に移行する柔軟性も有することを所望する場合がある。異なるタイプの電力が供給される場合(例えば、下記に説明する障害管理電力(FMP))、従来のPSUを変更して異なる電力入力および配電方法で動作させるにはコストがかかる。
【0016】
本明細書で説明する実施形態は、電力供給ユニットに直接取り付ける電力アダプタを提供し、それによって、従来の電力供給源とは異なる電力入力によって動作することができる電力モジュールを提供する。1つ以上の実施形態では、電力供給ユニットをFMPベースのシステムに持続的に変換することができる。
【0017】
本明細書に記載の実施形態は、複数のネットワークデバイスを含むデータ通信ネットワークの文脈で動作する。ネットワークは、ネットワーク内のデータの通過を容易にする任意の数のノード(例えば、ルータ、スイッチ、ゲートウェイ、コントローラ、エッジデバイス、アクセスデバイス、集約デバイス、コアノード、中間ノード、または他のネットワークデバイス)を介して通信する、任意の数のネットワークデバイスを含み得る。上記ネットワークデバイスのうちの1つ以上は、障害管理電力を受容するように動作可能な電力モジュールを作成するために、本明細書で説明するように電力アダプタに結合された電力供給ユニットを備えることができる。
【0018】
ネットワークは、パワー・オーバー・イーサネット(PoE)(例えば、IEEE802.3af、IEEE802.3atにまたはIEEE802.3btに準拠した、電力レベル<100ワット(W)、電圧レベル<57ボルト(V)の従来のPoEまたはPoE+)、パワー・オーバー・ファイバ(PoF)、先進パワー・オーバー・データ、FMP、または現在もしくは将来の規格に準拠した任意の他のパワー・オーバー・コミュニケーション・システム向けに構成することができ、これらは、1本のケーブルが、スイッチ、ルータ、無線アクセスポイント、多くの他のネットワークデバイスなどのネットワークデバイスにデータ接続と電力の両方を提供することを可能にするために電力をデータとともに通すために使用することができる。
【0019】
本明細書で使用されるものとしての「障害管理電力」(FMP)(拡張安全電力(ESP)とも呼ばれる)という用語は、1つ以上のワイヤまたはワイヤ対上で送達されるパルス電力による高電力(例えば、>100W)、高電圧(例えば、>60V)運用を指す。1つ以上の実施形態では、FMPは、障害検出(例えば、初期化時および高電圧パルス間の障害検出)、および、給電機器(PSE)と受電側デバイス(PD)との間のパルス同期を含む。電力は、通信あり(例えば、双方向通信)または通信なしで伝送することができる。
【0020】
本明細書で使用されるものとしての用語「パルス電力」(「パルス化電力」としても参照される)は、電圧がパルスオフ間隔中の非常に小さい電圧(例えば、0Vに近い、3V)と、パルスオン間隔中のより大きい電圧(例えば、>12V、>24V)との間で変化する(低直流電圧状態と高直流電圧状態とを交番する)一連のパルスにおいて送達される電力を指す。1つ以上の実施形態では、FMP(またはESP)は、高電圧(例えば、≧56V)において高電力(例えば、≧100W)を提供する。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年11月1日に出願された米国特許出願第16/671,508(「Initialization and Synchronization for Pulse Power in a Network System」)に記載されているように、高電圧パルス電力(例えば、≧56VDC、≧60VDC、≧300VDC、約108VDC、約380VDC)が、受電側デバイスに給電する際に使用するために、給電機器から受電側デバイスに伝送され得る。パルス送電は、例えば、ケーブル、伝送ライン、バスバー、バックプレーン、PCB(プリント回路基板)、および配電システムを介して行うことができる。本明細書に記載されている電力および電圧レベルは単なる例であり、他のレベルが使用され得ることが理解されるべきである。
【0021】
1つ以上の実施形態では、FMPは、(図10に関して下記に説明するように)ワイヤまたはワイヤ対間でパルスが互いにオフセットされて連続電力を提供する多相パルス電力システムにおいて複数相で伝送されるパルス電力を含み得る。その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年4月10日に出願された米国特許出願第16/380,954号(「Multiple Phase Pulse Power in a Network Communications System」)に記載されるように、1つ以上の実施形態は、例えば、受電側デバイスへの相パルスのオーバーラップを伴う連続的な途切れのない電力で、より少ない損失を達成するための多相パルス電力を使用し得る。1つ以上の実施形態では、FMPは、ESP(単相または多相DCパルス電力)とPoEとの組み合わせ、またはESPとPoEとの間で切り替えるように動作可能な電力システムを指す場合がある。
【0022】
ここで図面を参照し、最初に図1Aを参照すると、2つのPSU12を備えるネットワークデバイス10(例えば、スイッチ、ルータ、または他のネットワークデバイス)が、PSUとの接続のために位置整合された2つの電力アダプタ14とともに示されている。電力アダプタ14(受電装置またはFMPレシーバとも呼ばれる)は、ケーブル(例えば、イーサネットケーブル)15において電力を受容し、電力を変換して、電力出力コネクタ17において標準PSU電力入力(例えば、240VAC、240VDC、380VDC、または他の標準PSU入力電力)を提供するように構成されている。本明細書で使用されるものとしての「イーサネットケーブル」という用語は、4対通信ケーブル、シングルペアイーサネット(SPE)、または1つ以上のワイヤ対を含む任意の他のケーブルを指す場合がある。
【0023】
下記に説明するように、単相または多相パルス電力入力が、ケーブル15上で電力アダプタ14に提供され得る。図1Aに示す例では、2つのPSU(例えば冗長電力供給ユニット)12がネットワークデバイスの後壁16aに沿って位置付けられている。PSU12は、シャーシの後部の開口部に受け入れられ、電力(例えば、48VDC、54VDC、または他の調整された電圧)をネットワークデバイス10に供給するように構成された取り外し可能なモジュール(現場交換可能、ホットスワップ可能なデバイス)であり得る。1つ以上の実施形態では、電力アダプタ14およびPSU12は、結合構成においてネットワークデバイス10上でのみホットスワップ可能である。
【0024】
電力アダプタはまた、図1Aの切り抜き図に示すように、複数のPSU12への電力接続を提供するための複数の電力コネクタ17を有する単一のユニットまたは電力アダプタストリップ14aに組み合わせることもできる。
【0025】
図1Bの上面図に示されるように、電力アダプタ14は、PSUに電力入力を提供するためにPSU12に結合され、それによって、PSUを一切変更することなく別個の電力コードの必要性を排除する。電力アダプタ14は、下記に説明するように、電力接続(電力出力コネクタ17およびPSUの電力入力コネクタ)および1つ以上の構造的取り付け点(例えば、スナップ、クリップ、締結具、コネクタ)を介してインターフェース13においてPSU12に結合される。PSU12は、1つ以上のネットワークデバイス構成要素19(例えば、プロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)、ファン、コントローラ)に給電し得る。一例では、電力アダプタ14の電力入力ポートにおいて受容される電力はDC電力を含み、PSU入力電力はAC電力を含み、PSUは、ネットワークデバイス10に給電するための調整されたDC電力を送達するように動作可能である。電力アダプタ14は、例えば、1100WをPSU12に提供するように構成することができる。
【0026】
再び図1Aを参照すると、ネットワークデバイス10の前面16bは、任意の数のポート11(例えば、RJコネクタ、RJ45コネクタ、光モジュールケージ、または電力、データ、光を伝送するコネクタまたはモジュールを受け入れるための任意の他のポートもしくは開口部、またはそれらの任意の組み合わせ)を備える。一例では、ネットワークデバイス10は、ラック取り付けブラケット18を有する1RU(ラックユニット)構成要素として構成される。
【0027】
ネットワークデバイス10は、例えば、15A(アンペア)および125/250VACの定格のIEC(国際電気標準会議)60320C16入力電力コネクタを各々が備える1つ以上の電力供給ユニット12を備えたスイッチを備えることができ、電力アダプタが、電力入力ポートにおいて380VDCの単相または多相パルス電力を受容し、IEC60320C15電力出力コネクタを有するように構成されている。下記に示すように、本明細書に記載されている定格電力およびコネクタのタイプは、例としてのみ提供されている。
【0028】
図1Aおよび図1Bに示され、上で説明されたネットワークデバイス10は単なる例であり、本明細書で説明される電力アダプタ14は、任意の場所または配設において設置された任意の数のPSUを有して構成され得る任意のタイプのネットワークデバイス内に設置された任意のタイプのPSUに電力を供給するために使用され得ることが理解されるべきである。本明細書に記載のコネクタおよび電力定格は単なる例であり、実施形態の範囲から逸脱することなく、異なる電力定格を有するか、または異なる規格に従って構成された他のタイプのコネクタが使用され得ることも理解されたい。
【0029】
電力アダプタ(FMPレシーバ)14は、既存の(従来の、標準の)PSUに取り付けるものとして本明細書で説明されているが、1つ以上の実施形態では、FMPレシーバは、PSU12に取って代わり、単相または多相パルス電力を生成し、ネットワークデバイス10によって使用するために、パルス電力を調整されたVDC(例えば、48VDC、54VDC)に直接変換するように構成され得ることに留意されたい。この場合、従来のPSUの代わりに、電力モジュール(電力アダプタおよびPSUを備える)がシャーシの開口部に挿入される。例えば、PSUと電力アダプタとを持続的に結合して、場所12においてデバイスに挿入するように構成された電力モジュールを規定することができる。
【0030】
本明細書において使用される前部および後部という用語は相対的な用語にすぎず、ネットワークデバイスはポートを任意の面に位置し得、PSUを任意の面に位置する開口部に挿入し得ることを理解されたい。例えば、「前面」という用語は、ポートが典型的に位置するシャーシの露出面またはアクセス可能な面を指し得、このとき、シャーシの後面に電力接続が位置する。しかしながら、電力アダプタ14は、他の構成のネットワーク装置において使用され得る。ネットワークデバイス内の構成要素の配設(例えば、PSUの場所および数、電力構成要素の場所および数)、ネットワークデバイスのサイズ(例えば、1RU、2RUなど)、およびPSU内の構成要素の配設(例えば、電力コネクタに対するファンの位置)は、実施形態の範囲から逸脱することなく、本明細書に示されているものと異なっていてもよい。
【0031】
図2は、図1の電力アダプタ14の概略斜視図であり、電力アダプタの詳細を示すために電力アダプタ14の上部が取り除かれている。1つ以上の実施形態では、装置は、(図3に関して下記に説明するように)電力供給ユニットに直接接続するように構成された電力アダプタ14を備える。電力アダプタ14は、(図1に示すように)イーサネットケーブル15上で電力を受容するために第1の端部(自由端)21a上に位置する電力入力ポート20(例えば、RJ45コネクタ、修正RJ45コネクタ、または電力(例えば、FMP)を受容するための他の好適なコネクタ)と、電力入力ポート20において受容される電力をPSU入力電力に変換するための電力変換器モジュール24と、PSU電力入力コネクタとの接続のために第2の端部21b上に位置する電力出力コネクタ22と、を備える。電力アダプタ14の電力入力ポート20は、図10に関して下記に説明するように、DCパルス電力(単相または多相)を受容するように構成され得る。電力出力コネクタ22は、PSU12(図1Aおよび図2)に出力電力を供給するためのPSU互換コネクタ(例えば、IEC、NEMA、または他の好適なコネクタ)を備える。
【0032】
電力変換器モジュール(受電装置/変換器モジュール)24は、障害管理電力を受容し、それを適切なPSU入力電力(例えば、208VAC~277VAC、240VAC、240VDC、380VDC、または他の標準PSU電圧入力レベル)に変換するように動作可能である。1つ以上の実施形態では、受電装置/変換器モジュール24は、複数の電圧レベル(例えば、240VDCまたは380VDC)の間で切り替えるように構成され得る。本明細書において使用されるものとしての「電力変換器モジュール」(受電装置モジュール、受電装置/変換モジュール)という用語は、受容された電力(例えば、単相または多相DCパルス電力、PoE)を電力供給ユニット入力電力に変換するように動作可能な任意の数、タイプ、または配設の回路および構成要素(例えば、変調器、整流器、フィルタ、ヒューズ、スイッチ、抵抗器、ダイオード、変換器、インバータなど)を指す。受電装置/変換器モジュール24の詳細は、図11および図12に関して下記に説明される。
【0033】
1つ以上の実施形態では、電力アダプタ14は、PSUのファン入口に空気流を提供するためのファン26をさらに備える。図2に示される例では、電力アダプタ14は、2つのファンアセンブリ26(例えば、ファン、ファンコントローラ、フィルタ)を備える。ファンは、電力アダプタ14において受容される電力によって給電される。下記に説明するように、ファン26は、電力アダプタ14のサイズがPSUファンへの空気入口を遮断する構成に対して、PSUファン入口に冷却空気流を提供するために使用され得る。図2に示す例では、電力アダプタ14の第1の端部21aに位置する第1のファン26が、電力変換モジュール24およびPSUの冷却を可能にする。電力アダプタ14の第2の端部21bに位置する第2のファン26が、PSUの冷却を可能にする。
【0034】
電力アダプタ14は、図3に関して下記に説明するように、電力アダプタをPSUに結合する(取り外し可能に結合するか、または持続的に結合する)ためのコネクタ28(クリップ、締結具、スナップ)をさらに備える。電力接続(電力アダプタのレセプタクル22およびPSUのプラグ)は、電力アダプタ14の重量の一部を支持することができるが、1つ以上の締結具28が、電力アダプタの重量に基づいて必要とされ得る追加の支持のために提供される。
【0035】
図3は、PSU12との接続のために位置整合された電力アダプタ14を示す。1つ以上の実施形態では、装置は一般に、ネットワークデバイス10内に設置されたときにPSU入力電力を受容し、ネットワークデバイス構成要素19に給電するように動作可能な電力入力コネクタ32を備えるPSU12と、PSUに結合され、イーサネットケーブル15上の電力を受容するための電力入力ポート20、電力入力ポートにおいて受容された電力をPSU入力電力に変換するための電力変換器モジュール24、および、PSUの電力入力コネクタ32に接続される電力出力コネクタ22を備える電力アダプタ14と、を備える(図1Bおよび図3)。
【0036】
PSU12は、第1の端部31aに位置し、電力アダプタ14上の電力コネクタ22と嵌合するのに適合した電力入力コネクタ32(プラグコネクタ、電源ソケット)を備える。電力コネクタ32は、PSUの第2の端部31bの出力35において調整されたDC出力電力(例えば、54VDCまたはネットワークデバイスの構成要素に給電するための他の好適な電圧レベル)を提供するように構成されたPSU構成要素34に電力を供給する。図1Aに関して上述したように、PSU12は、第1の端部31aが露出した状態でネットワークデバイス10に挿入される。
【0037】
PSU12はファン36を含み、ファン36は、電力アダプタ14において位置整合したファン26から冷却空気流を受容することができる。PSU12は、電力アダプタ14の嵌合面21b上の締結具28と嵌合するように位置整合された締結具38(クリップ、コネクタ、スナップ)を備える。1つ以上の実施形態では、締結具28、38は、電力アダプタ14をPSU12にシームレスに取り付けながら、電力アダプタの重量を保持するように構成されたプラスチッククリップを備えたスナップポイントを備える。前述のように、電力アダプタ14は、PSU12に取り外し可能に取り付けるか、またはPSUに持続的に結合することができる。
【0038】
図4Aおよび4Bは、それぞれ、ACコネクタ45aを有するPSU42aおよびDCコネクタ45bを有するPSU42bの後面図である。ACコネクタ45aは、例えば、IEC(国際電気標準会議)コネクタ(例えば、IEC60320/C14、C16、C20)、NEMA(全国電機製造業者協会)コネクタ、または例えば、208VAC~239VAC、208VAC~277VAC、240VAC、または他の適切な電圧または電圧範囲を受け入れるように動作可能な別の好適なコネクタを備え得る。DCコネクタ45bは、例えば、240VDCまたは380VDCを受容するように構成され得る。前述のように、PSU42a、42bはまた、ファン36と、電力アダプタをPSUの第1の端部31a(後部)に堅固に接続するための任意の数の電力アダプタ付着点(スナップポイント)38を含む(図3図4A、および図4B)。
【0039】
結合されたPSU12および電力アダプタ14は、本明細書では電力モジュールとして参照される場合がある。図4Cは、電力アダプタにある電力入力(電力モジュールにある電力入力)(例えば、FMP、ESP、パルス電力、PoE)、電力アダプタ14とPSU12との間のインターフェースにある電力(図4Aおよび4Bに関して上述)、およびPSUにある電力出力(電力モジュールにある電力出力)(例えば、54VDC)に対する電力または電圧レベルのタイプの例を有する、PSU12および電力アダプタ14を備える電力モジュール40の斜視図である。
【0040】
1つ以上の実施形態では、PSU12と電力アダプタ14との間に持続的な取り付けを提供して、ホットスワップ電流/電圧嵌合/遮断定格または資格の問題を回避することができる。電力アダプタ14は、PSU12に持続的に取り付けられて、PSUを、FMP/ESPまたはPoEを受容するように動作可能な障害管理電力システムに変換することができる。このとき、電力コネクタを電力モジュールの下にリストすることができ、これにより、対処すべきアーク点滅がないため、通常はそのようにリストされていない複数のタイプの電力を搬送することができる。例えば、電力モジュール40は、定格250VACのACコネクタを通じて380VDC入力の設計におけるすべての安全要件を満たすように構成することができる。電力モジュール40(PSU12および結合された電力アダプタ14)は、1つ以上の規格に従ってアセンブリとして試験および承認され得る。1つ以上の実施形態では、電力モジュール40は、下記に説明するように、通信制御を備えた安全インターロックを含むことができる。
【0041】
図5は、複数のPoE入力ポート50a、50b、50c、50dにおいて電力を受容するように構成された電力アダプタ54の例を示している。電力アダプタ54の電力入力ポートは、任意の数のPoEポート(例えば、1~10)を含むことができる。各ポートは、イーサネットケーブル55から(例えば、RJ45ポートにおいて)電力を受容することができる。一例では、4つのポート50a、50b、50c、50dの各々は、合計360Wの入力電力に対して90WのPoE電力を受容するように動作可能である。前述のように、これらの電力レベルは単なる例であり、PDにおいて受容される電力は90W未満の場合がある(例えば、ケーブルの長さに応じて70W~90W)。4本の個別のケーブル55が示されているが、任意の数のワイヤ対が単一のケーブルに束ねられ得る。PoEポートは、電力出力コネクタ52においてPSUに電力を供給する受電装置/変換器モジュール54に結合される。前述のように、電力アダプタ54は、ファン56および締結具58を含むことができる。
【0042】
図2および5に示される電力入力ポート20、50a、50b、50c、50dは単なる例であり、電力アダプタは、単相パルス電力、多相パルス電力、PoE、またはそれらの任意の組み合わせを受け入れるように動作可能であり得、また、パルス電力とPoE(例えば、より高い電力のパルス電力とPoEとの間で切り替えるように動作可能なFMP)の両方を受け入れるように動作可能でもあり得る、任意の数または構成のポートを含み得ることを理解されたい。例えば、安全テストが実行されるまでは起動時にPoEを受け入れ、障害が検出されない場合は、より高い電力のパルス電力に切り替えるように、ポートを構成することができる。高電力動作中に回路をテストすることができ(例えば、高電力パルス間)、障害が検出された場合は、電力をPoEに戻して切り替えることができる(低電力動作)。テストは、上記の米国特許出願第16/671,508号に記載されているように、電力アダプタが受電側デバイス(PD)として動作し、ソースFMPが給電機器(PSE)として動作する状態で実行することができる。
【0043】
図6は、PSU62、および、PSUとの接続のために位置整合された電力アダプタ64の部分図を含む概略斜視図である。この例では、電力アダプタ64は、PSUの電力部分にほぼ対応する幅を有し、ファン入口(空気開口部65)を覆わず、したがって、電力アダプタ内にファンは必要ない。電力アダプタ64は、前述のように、電力入力ポート63、電力変換器60、およびPSU62上の電力入力コネクタ66に接続するための電力出力コネクタ61を含む。電力アダプタ64は、電力アダプタの1つ以上の壁に位置する任意の数の空気入口開口部67を含むことができる。PSU62は、電力アダプタ64上の接続点69と嵌合するための1つ以上の接続点68を含む。
【0044】
一例では、コネクタ61は、図6の代替の切り抜き図に示されるように、PSU電力入力コネクタ66と嵌合するように構成された端部61bを有するケーブル61aを備えることができる。
【0045】
図7および8は、PSU62の幅にほぼ対応する幅を有する電力アダプタ74を示す。図2および5に関して前述したように、電力アダプタ74は、電力入力ポート(例えば、図7に示されるFMP入力ポート73または図8に示されるような複数のPoEポート80a、80b、80c、80d)およびPSU62上の電力入力コネクタ66との電力接続のための電力出力ポート71を備える。受電装置・変換器モジュール72は、上述のように、電力入力ポートにおいて受容される電力をPSU入力電力に変換する。電力アダプタ74は、PSU62の空気入口開口部65に冷却空気流を提供するためのファン76を含む。空気入口開口部67は、ファンアセンブリ76に隣接して位置付けることができ、フィルタ(図示せず)も、ファン入口において空気を濾過するように位置付けることができる。
【0046】
図6~8に示される例では、PSU62は、電力供給部およびファンのステータス(例えば、入力電圧ステータス、出力電圧ステータス、ファンステータス)を示すためのステータスライト70(例えば、2色(緑/赤)LED(発光ダイオード))を含む。電力アダプタ74は、電力アダプタ74の後面(自由端)でLEDステータスライトを見ることができるように、PSU62上のステータスライト70から放射された光を電力アダプタ74の自由端に伝送するライトパイプ79を含む。電力アダプタ74は、PSU62の後面上の1つ以上のステータスライト70と位置整合された任意の数(例えば、1つ以上)のライトパイプ79を含み得る。
【0047】
図9Aは、別の実施形態による、ネットワークデバイス90にあるPSU92との接続のために位置整合された電力アダプタ94の後面斜視図である。ネットワークデバイス90の前面(第1の面)99aは、例えば、イーサネットポート91(例えば、ダウンリンクポート)、光モジュール(例えば、アップリンクモジュール、光トランシーバ)を受け入れるための光モジュールポート93、または、ポートの任意の組み合わせ、数、または配設を含む複数のポートを含む。上述のように、ネットワークデバイス90の前面99aは、ラック取り付けブラケット18を含み得る。PSU入力電力コネクタは、ネットワークデバイスの後面(第2の面)99bに位置している)。前述のように、電力はケーブル95上で受容される。1つ以上の実施形態では、ケーブル95は、電力、電力およびデータ、電力および光、またはそれらの任意の組み合わせを伝送するように構成され得る。一例では、ケーブル95は、銅線および1つ以上の光ファイバを含むハイブリッドケーブルを含み得る。1つ以上の実施形態では、電力アダプタ94は、ケーブル96a上の1つ以上のデータをイーサネットポート91に伝送するか、ケーブル96b上の光をネットワークデバイス90の前面99aに位置する光ポートに伝送するように構成され得る。電力アダプタ94は、例えば、ケーブル96a、96bにそれぞれ取り付けるための1つ以上のイーサネットポート103a(例えば、RJコネクタ)または光ポート103b(例えば、LCコネクタ)を含むことができる。
【0048】
1つ以上の実施形態では、電力アダプタ94は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2020年1月21日に発行された米国特許第10,541,758号(「Power Delivery Through an Optical System」)に記載されているような、電力を受容するように構成されている光学トランシーバ(光学モジュール、光学デバイス、光モジュール、ネットワークトランシーバ、シリコンフォトニクス光学トランシーバ、プラグ着脱可能トランシーバモジュール)を備え得る。光トランシーバにおいて受容される電力は、PSU92に送達するために電力変換器モジュールに伝送される。データまたは電力およびデータ(例えば、PoE)は、ケーブル96a上でイーサネットポート91のうちの1つ以上に送達され得、光は、ケーブル96b上の1つ以上の光ファイバを介して光学モジュール93に送達され得る。
【0049】
前述のように、電力アダプタはまた、1つ以上のケーブル95から電力を受容し、PSU入力電力を2つ以上のPSU92に伝送するように構成することもできる。図9Aの切り抜き図に示される一例では、電力アダプタ94aは、2本のケーブル95上で入力電力(FMP、PoE)を受容し、AC電力コード101を通じて2つのPSUに電力を伝送する。電力アダプタ94aは、任意の数の電力入力ポートおよび任意の数の電力出力コネクタによって構成することができ、これらは、PSU92への直接接続またはACケーブル(コード)101を通じた接続のために構成することができる。また、前述のように、電力アダプタ94aは、1つ以上のデータ出力ポートを備えることもできる。
【0050】
図9Bは、一実施形態によるソースFMPデバイス97の例を示す。この例では、ソースFMPデバイス97は、ケーブル95(図9Aおよび9B)上の1つ以上の電力アダプタ94に電力を伝送するための3つのトランスミッタ98(FMP1、FMP2、FMP3)を備える。各FMPトランスミッタ98は、上述のように、IDC(圧接)コネクタを備えることができ、単相または多相パルス電力を送達することができる。トランスミッタ出力は、例えば、設置を基準として380VDC/±190であり得る。一例では、システムは、二相または三相パルス電力および安全インターロック(例えば、上記で参照した米国特許出願第16/671,508号に記載の障害試験)により、2000メートルにわたって2000Wを駆動するように動作可能であり得る。別の例では、各FMPトランスミッタ98は、12000Wの送達のために4000Wを伝送することができる。各FMPトランスミッタ98は、ソーストランスミッタ97において電力供給ユニット(図示せず)によって給電される。ソーストランスミッタ97は、ラック(例えば、1RUフォーマット)に設置するように構成することができ、ラック取り付けブラケット18を備えることができる。図9Bに示されるソーストランスミッタデバイス97は一例にすぎず、ソースネットワークデバイスは、任意の好適な電圧において任意の好適な電力を伝送するように構成された任意の数のトランスミッタ98を備え得ることが理解されるべきである。
【0051】
図10は、一実施形態による、PSU102および電力アダプタ104の側面図である。この例では、電力アダプタ104は、三相DCパルス電力を受容する(ワイヤ対105a上の相1、ワイヤ対105b上の相2、ワイヤ対105c上の相3)。前述したように、パルス電力は、電圧が、パルスオフ時間111a中の非常に小さい電圧と、パルスオン時間111b中のより大きい電圧との間で変化する、複数の電圧パルス(一連の電圧パルス)106で送達される電力を指す。これは、電力出力の観点から単純化された電圧パルスであることを理解されたい。ケーブル静電容量垂下電圧のパルスオフ時間中の電圧は、障害のない通常動作の<100キロオームの抵抗、または、ケーブル静電容量垂下電圧の350オームの最悪の場合の本体抵抗障害による高電圧レベルからゼロまで、例えば、約2~10%であってもよい。高電圧パルス電力(例えば、>56V、>60V以上、>300V)は、受電側デバイスの給電に使用するために使用給電機器(PSE)から受電側デバイス(PD)に伝送され得、一方、低電圧パルス電力(低電圧パルス)(例えば、約12V、約24V、<30V、<56V)は、起動(例えば、初期化、同期、ローカルエネルギー貯蔵の充電、コントローラの電源投入、試験、またはそれらの任意の組み合わせ)のために短い間隔にわたって使用され得る。図10に示すように、パルス電力は、連続電力を提供するために、相間でパルスが互いにオフセットされて、複数の相で送達され得る。
【0052】
ケーブルはまた、遮蔽線107を含み得る。電力アダプタ104は、多相パルス電力をPSU入力電力に変換するための変調器/整流器/フィルタ108を備える。PSU入力電力は、電力接続109(例えば、IEC C13/C14、IEC C15/C16、IEC C19/C20、または他の好適なコネクタ)においてPSU102に供給される。PSU102は、当業者によく知られているような、電気構成要素(PSU構成要素)110を備える。一例では、PSU102は、200~277VACにおいて1000~3000ワットの電力を受容するように構成されている。前述のように、本明細書に記載されている電圧および電力レベルは、例としてのみ提供されている。
【0053】
図11は、一実施形態による、電力アダプタにおける回路の単純化された例を示す。この例では、多相入力ケーブルが、3つのツイストペア112a、112b、112c上で電力を供給する。遮蔽線113を設けることもできる。図11の例に示される電力アダプタ回路は、インダクタ114a、114b、ダイオード115、コンデンサ116、およびヒューズ117a、117bを有する整流器/フィルタを含む。この例では、PSUはまた、ヒューズ118も含む。一例では、定格600VDCの入力ヒューズ117a、117bを、電圧インバータ段への整流器/フィルタの後の中点接地多相パルス電力入力の両側に設けて、定格250VACのコネクタに等価なAC波形の矩形波形を提供して、電流定格を満たすことができる。PSUの定格は、例えば200~240VACであってもよく、DC過電流保護はない。1つ以上の実施形態では、電力アダプタは、PSUの損傷を防ぐための電流遮断機能によって、電力アダプタにおけるDC入力電圧に対するDC電圧過電流保護を備えて構成され得る。過電流保護を提供するために、多相パルス電力入力電力ケーブル対からの中間点接地フィルタ付きDC電力線の各側にあるDCヒューズ117a、117b(例えば、定格400~600VDC)を使用することができる。
【0054】
1つ以上の実施形態では、より低いEMI(電磁干渉)およびより遅いゼロ交差のために、正弦波または準正弦出力インバータが含まれ得る。1つ以上の実施形態では、PSU内のファームウェアは、DC入力を拒否し、周波数およびゼロ交差スルーレートまたは指定されたdv/dtスルーレートの矩形波または正弦波タイプのシグネチャを要求するようにプログラムされ得る。1つ以上の実施形態では、PSUは、PSU入力電力が、指定された周波数シグネチャを含む電圧波形を含むことを検証するように構成される。例えば、PSUロジック(例えば、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア)を使用して、動作を許可する前に、入力電圧波形が周波数およびゼロ交差di/dtの特定のシグネチャを有することを検証することができる。
【0055】
図12は、変調器/整流器/フィルタ122に各々が結合された3つのワイヤ対120a、120b、120cを示す。変調器/整流器/フィルタ122は、電力調整器を含む、PSU129のPSU入力コネクタ128と嵌合するように構成された電力アダプタ出力コネクタ126に結合されたDC/AC変換器124に接続する。DC/AC変換器/インバータ124は、最大VAC入力電力コネクタ定格を満たすように、DC入力電力と、PSUコネクタ128に嵌合する電力出力コネクタ126との間に位置付けることができる。変換器/インバータ124は、例えば、コネクタの250VAC RMS(2乗平均平方根)電圧定格を超えないようにAC電圧を提供することができる。これには、最大250VAC RMSを生成するバイポーラ準方形波の±350Vの最大ピーク電圧を提供することができる。1つ以上の実施形態では、電力アダプタとPSUコネクタ126、128との間のホットプラグインの嵌合または分離中に電流が流れるのを防止するコネクタインターロックが含まれ得る。これは、追加のタッチセーフのために出力電圧を中断するために使用することもできる。
【0056】
図9A、9B、10、11、および12に示す電力アダプタは、PSU電力入力コネクタへの直接接続を示している。前述し、図9Aの切り抜き図に示したように、FMP入力電力(1つ以上のケーブル95上)は、電力アダプタ94aに直接提供され、出力電力は、AC電力ケーブル(コード)101(例えば、250VACコネクタの電圧および電流定格を満たすように構成されている)を通じてPSU電力入力コネクタに接続する複数のAC電力出力コネクタに供給される。電力アダプタ94aは、図11および12に関して上述したように、AC波形を有する高電力整流器/フィルタ/ヒューズおよびインバータ回路を含み得る。
【0057】
図13は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態を実装することができるネットワークデバイス130の例を示している。一実施形態では、ネットワークデバイスは、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせにおいて実装され得るプログラム可能マシンである。ネットワークデバイスは、1つ以上のプロセッサ132、メモリ134、インターフェース136、およびコントローラ(例えば、PSUコントローラ、ファンコントローラ、電力アダプタのコントローラ)138を含む。
【0058】
メモリ134は、プロセッサ132によって実行および使用されるための様々なアプリケーション、オペレーティングシステム、モジュール、およびデータを格納する、揮発性メモリまたは不揮発性記憶装置であり得る。ネットワークデバイス130は、任意の数のメモリ構成要素を含み得る。
【0059】
ロジックは、プロセッサ132によって実行されるために、1つ以上の有形媒体にコード化され得る。例えば、プロセッサ132は、メモリ134などのコンピュータ可読媒体に格納されたコードを実行することができる。コンピュータ可読媒体は、例えば、電子媒体(例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読み出し専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ))、磁気媒体、光媒体(例えば、CD、DVD)、電磁媒体、半導体技術の媒体、または他の任意の好適な媒体であってよい。一例では、コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体を含む。ネットワークデバイス130は、任意の数のプロセッサ132を含み得る。
【0060】
インターフェース136は、データを受信するかまたは他のデバイスにデータを伝送するための任意の数のネットワークインターフェース(ラインカード、ポート)、または電力インターフェース(例えば、電力アダプタと接続するためのPSUの電力インターフェース)を備えることができる。
【0061】
図13に示す上述のネットワークデバイス130は、単なる一例であり、ネットワークデバイスの異なる構成が使用され得ることが理解されるべきである。例えば、ネットワークデバイスは、本明細書に記載の機能を容易にするように動作可能なハードウェア、ソフトウェア、アルゴリズム、プロセッサ、デバイス、構成要素、または要素の任意の好適な組み合わせをさらに含み得る。
【0062】
本方法および装置は、示された実施形態に従って説明されてきたが、当業者であれば、実施形態の範囲から逸脱することなく、実施形態に変更を加えることができることを容易に認識するであろう。したがって、上記の説明に含まれ、添付の図面に示されているすべての事項は、限定的な意味ではなく、例示として解釈されるものとすることが意図されている。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13