(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】条件付き必須測定ギャップパターンをサポートする方法と装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0446 20230101AFI20240305BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20240305BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20240305BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20240305BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240305BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20240305BHJP
H04B 17/309 20150101ALI20240305BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W72/0457 110
H04W92/20
H04W8/22
H04W72/0453
H04W16/32
H04B17/309
(21)【出願番号】P 2022548396
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(86)【国際出願番号】 CN2020075030
(87)【国際公開番号】W WO2021159373
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】ヘ,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ユアン,ピン
(72)【発明者】
【氏名】ダルスガード,ラース
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0174343(US,A1)
【文献】国際公開第2019/098928(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/228473(WO,A1)
【文献】Samsung,Measurement Gap Configuration for EN-DC[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2018_01_NR R2-1800625,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2018_01_NR/Docs/R2-1800625.zip>,2018年01月11日
【文献】MediaTek Inc.,Discussion on remaining issues in UE measurement mode[online],3GPP TSG RAN WG4 #86Bis R4-1803687,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_86Bis/Docs/R4-1803687.zip>,2019年04月06日
【文献】Ericsson,UE Capabilities and configuration of per CC measurement gaps[online], 3GPP TSG-RAN WG4#79 R4-163463,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_79/Docs/R4-163463.zip>,2016年05月13日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H04B 17/309
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークデバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含み、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記ネットワークデバイスに、
ユーザ機器UEに第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージを送信するステップであって、前記第1測定ギャップ構成はUE新測定ギャップ能力に基づいているステップと、
レガシーギャップ補助測定が前記UEに必要かどうかを検出するステップと、
前記レガシーギャップ補助測定が必要であることに応答して、第2測定ギャップ構成を含む第2メッセージを前記UEに送信するステップであって、前記第2測定ギャップ構成はUEレガシー測定ギャップ能力に基づいているステップと、
前記レガシー測定ギャップ能力への前記UEのフォールバックを示す第3メッセージを
、前記UEと通信している別のネットワークデバイスに送信するステップとを少なくとも実行させる、ネットワークデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記ネットワークデバイスに、前記第2メッセージを送信するステップの後に、
前記UEが前記UE新測定ギャップ能力に基づいて前記別のネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持していることを示す前記UEから第5メッセージを受信するステップを少なくとも実行させる、請求項1に記載のネットワークデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記ネットワークデバイスに、
前記UEについて、レガシーギャップ補助測定が存在するかどうかを検出するステップと、
レガシーギャップ補助測定が存在しないことに応答して、前記UE新測定ギャップ能力の復元を示す第4メッセージを前記別のネットワークデバイスに送信するステップとを少なくとも実行させる、請求項1に記載のネットワークデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記ネットワークデバイスにさらに、
前記UEが前記別のネットワークデバイスに関連するレガシーギャップ補助測定をまだ保持していることを示すUEから第6メッセージを受信するステップを少なくとも実行させる、請求項3に記載のネットワークデバイス。
【請求項5】
前記第3メッセージは、前記フォールバックを示すために、明示的なインジケータまたは前記レガシーギャップ補助測定によって測定された周波数のリストを含み、
前記第4メッセージは、明示的なインジケータ、または前記復元を示すためにレガシーギャップ補助測定によって測定された周波数の空のリストを含む、請求項3に記載のネットワークデバイス。
【請求項6】
前記ネットワークデバイスは、第1周波数範囲(FR1)で動作するマスターセルグループ(MCG)のマスターノード(MN)として機能し、
前記別のネットワークデバイスは、第2周波数範囲(FR2)で動作するセカンダリセルグループ(SCG)のセカンダリノード(SN)として機能する、請求項1に記載のネットワークデバイス。
【請求項7】
前記UEは、前記ネットワークデバイスおよび前記別のネットワークデバイスの両方と通信するために、二重接続モード、例えば、EN-DC、NGEN-DCまたはNR-DCモードで動作することができ、前記ネットワークデバイスと前記別のネットワークデバイスからそれぞれの測定ギャップ構成を独立して設定される、請求項6に記載のネットワークデバイス。
【請求項8】
前記第1測定ギャップ構成と前記第2測定ギャップ構成は、周波数範囲ごと(FRごと)の構成である、請求項1に記載のネットワークデバイス。
【請求項9】
前記レガシーギャップ補助測定は、LTE周波数への測定を含む、請求項1に記載のネットワークデバイス。
【請求項10】
前記UEレガシー測定ギャップ能力は静的ギャップ能力を含み、
前記UE新測定ギャップ能力は、レガシーギャップ補助測定が存在しない場合に適用される条件付き必須ギャップ能力を含む、請求項1に記載のネットワークデバイス。
【請求項11】
前記UEレガシー測定ギャップ能力は、3GPPリリース15で定義されたギャップ能力を含み、
前記UE新測定ギャップ能力は、3GPPリリース16以降で導入された条件付き必須ギャップ能力を含む、請求項1に記載のネットワークデバイス。
【請求項12】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含
むネットワークデバイスであって、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、
少なくとも、
第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージをユーザ機器UEに送信するステップであって、前記第1測定ギャップ構成はUE新測定ギャップ能力に基づくステップと、
別のネットワークデバイスから、または、UEレガシー測定ギャップ能力へのフォールバックを示す前記UEから、第2メッセージを受信するステップと、
前記第2メッセージに応答し、第2測定ギャップ構成を含む第3メッセージを前記UEに送信するステップであって、前記第2測定ギャップ構成は、前記UEレガシー測定ギャップ能力に基づくステップとを
前記ネットワークデバイスに実行させるように構成された、ネットワークデバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに
、さらに、
少なくとも、
前記別のネットワークデバイスまたは前記UE新測定ギャップ能力の復元を示す前記UEから第4メッセージを受信するステップと、
前記第4メッセージに応答し、第3測定ギャップ構成を含む第5メッセージを前記UEに送信するステップであって、前記第3測定ギャップ構成は前記UE新測定ギャップ能力に基づく、送信するステップとを
前記ネットワークデバイスに実行させる、請求項12に記載のネットワークデバイス。
【請求項14】
ユーザ機器UEであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含み、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記UEに、
第1ネットワークデバイスから第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージを受信するステップであって、前記第1測定ギャップ構成はUEレガシー測定ギャップ能力に基づくステップと、
前記第1メッセージに応答して、前記UEのレガシー測定ギャップ能力へのフォールバックを示す第2メッセージを、前記UEと通信している第2ネットワークデバイスに、および/または、前記UEがUE新測定ギャップ能力に基づいて前記第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持している場合に、前記UEが前記UE新測定ギャップ能力に基づいて前記第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持していることを示す第3メッセージを、前記第1ネットワークデバイスに送信するステップとを少なくとも実行させる、UE。
【請求項15】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記UEにさらに、
前記UEが前記第1ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定を保持せず、かつ、前記第2ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定をまだ保持しているかどうかを検出するステップと、
前記UEが前記第1ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定を保持せず、かつ、前記第2ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定をまだ保持している場合、前記UEが前記第2ネットワークデバイスに関連付けられたレガシーギャップ補助測定をまだ保持していることを示す第4メッセージを前記第1ネットワークデバイスに送信するステップ、および/または、前記UE新測定ギャップ能力を復元することを示す第5メッセージを前記第2ネットワークデバイスに送信するステップとを少なくとも実行させる、請求項14に記載のUE。
【請求項16】
測定ギャップ構成に対する方法であって、
第1ネットワークデバイスからユーザ機器UEに第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージを送信するステップであって、前記第1測定ギャップ構成はUE新測定ギャップ能力に基づいているステップと、
前記第1ネットワークデバイスで、レガシーギャップ補助測定が前記UEに必要かどうかを検出するステップと、
前記レガシーギャップ補助測定が必要であることに応答して、第2測定ギャップ構成を含む第2メッセージを前記第1ネットワークデバイスから前記UEに送信するステップであって、前記第2測定ギャップ構成はUEレガシー測定ギャップ能力に基づくステップと、
前記レガシー測定ギャップ能力への前記UEのフォールバックを示す第3メッセージを前記第1ネットワークデバイスから前記UEと通信している第2ネットワークデバイスへ送信するステップとを含む、方法。
【請求項17】
測定ギャップ構成に対する方法であって、
第2ネットワークデバイスからユーザ機器UEに第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージを送信するステップであって、前記第1測定ギャップ構成はUE新測定ギャップ能力に基づいているステップと、
前記第2ネットワークデバイス
において、第1ネットワークデバイスから、または
前記UEから、UEレガシー測定ギャップ能力へのフォールバックを示
す第2メッセージを受信することと、
前記第2メッセージに応答して
前記第2ネットワークデバイスから前記UEに、第2測定ギャップ構成を含む第3メッセージ
を送信するステップであって、前記第2測定ギャップ構成は前記UEレガシー測定ギャップ能力に基づくステップとを含む、方法。
【請求項18】
測定ギャップ構成に対する方法であって、
ユーザ機器UEで、第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージを第1ネットワークデバイスから受信するステップであって、前記第1測定ギャップ構成はUEレガシー測定ギャップ能力に基づく受信するステップと、
前記第1メッセージに応答して、前記レガシー測定ギャップ能力への前記UEのフォールバックを示す第2メッセージを前記UEと通信している第2ネットワークデバイスに、および/または、前記UEがUE新測定ギャップ能力に基づいて前記第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持している場合に、前記UEが前記UE新測定ギャップ能力に基づいて前記第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持していることを示す第3メッセージを、前記第1ネットワークデバイスに送信するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な例示的な実施形態は、一般に通信技術に関連しており、特に、条件付き必須測定ギャップパターンをサポートする方法および装置に関連している。
【背景技術】
【0002】
説明および/または図に見られる特定の略語は、ここで次のように定義される。
eNB 進化したノードB
EN-DC E-UTRA NRデュアル接続
E-UTRA 進化したユニバーサル地上波無線アクセス
FR1 第1周波数範囲
FR2 第2周波数範囲
gNB 5GノードB
GP ギャップパターン
LTE ロングタームエボリューション
MCG マスターセルグループ
MG 測定ギャップ
MN マスターノード
MO 測定対象
MR-DC 複数の無線デュアル接続
NE-DC NR E-UTRAデュアル接続
NGEN-DC 次世代E-UTRA NRデュアル接続
NR-DC NR NR NRデュアル接続
NSA 非スタンドアロン
NR new radio
RRC 無線リソース制御
RRM 無線リソース管理
SN セカンダリノード
UE ユーザ機器
【0003】
5G New Radio(NR)も、4G LTEと同様に、セル選択、セル再選択、ハンドオーバ等を目的として、チャネル品質を検出するための各種測定を行うが、Measurement Gaps(MG)は、ユーザ機器(UE)がそのような測定を行うために設計されており、その間、UEはネットワークとの間でデータの送受信を行うことができない。ネットワークは、UEごとのギャップまたはUEの周波数範囲ごと(FRごと)のギャップを設定できる。UE単位のギャップは、第1周波数範囲(FR1)と第2周波数範囲(FR2)の両方に適用でき、FR単位のギャップには、FR1とFR2にそれぞれ適用できるFR1とFR2の2つの独立したギャップが含まれる。第1周波数範囲(FR1)には、一般的にNRサブ6GHzと呼ばれる450MHzから6,000MHzまでのさまざまな帯域が含まれているが、410MHzから7,125MHzまでの潜在的な新しいスペクトルをカバーするように拡張されている。第2周波数範囲(FR2)には24.25GHzから52.60GHzまでの周波数帯が含まれており、厳密にはミリ波の周波数は30GHzから始まる場合もあるが、一般的にはmmWaveと呼ばれている。NR FR1が4G LTE周波数と重複して拡張しているため、LTE周波数の測定には、UE単位のギャップとFR単位のFR1のギャップも使用できることが理解される。
【0004】
デュアル接続(DC)または複数の無線デュアル接続(MR-DC)に関連する一部のシナリオでは、異なるノードがUE単位のギャップとFR単位のギャップの設定、およびノード間メッセージを介したノード間のギャップ構成情報の交換を担当する。たとえば、3GPPリリース15(Rel-15)では、次のように提供される。(NG)EN-DCでは、FRごとのFR1ギャップはNR RRCで設定できない(つまり、FR1ギャップを設定できるのはLTE RRCのみである)。NE-DCでは、FR単位のFR1ギャップはNR RRCのみで設定可能である(つまり、LTE RRCはFR1ギャップを設定できない)。NR-DCでは、FR単位のFR1ギャップは、マスターセルグループ(MCG)に関連付けられたmeasConfig情報要素(IE)でのみ設定できる。FR単位のFR2ギャップについては、(NG)EN-DCまたはNE-DCでは、NR RRCでのみ設定できる(つまり、LTE RRCはFR単位のFR2ギャップを設定できない)。NR-DCでは、FR単位のFR2ギャップは、MCGに関連付けられたmeasConfig IEでのみ設定できる。UE単位のギャップの場合、(NG)EN-DCではNR RRCで設定できない(つまり、LTE RRCのみがUE単位のギャップを設定できる)。NE-DCでは、UE単位のギャップはNR RRCでのみ設定できる(つまり、LTE RRCはUE単位のギャップを設定できない)。NR-DCでは、MCGに関連付けられたmeasConfig IEでのみUE単位のギャップを設定できる。上記MR-DC測定ギャップ構成機構を以下の表1にまとめる。
【表1】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さまざまな実施例のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、例示的な実施例の簡単な概要を以下に示す。なお、本概要は、必須要素の主要な特徴を特定したり、実施例の範囲を定義したりすることを目的としたものではなく、以下に示すより詳細な説明の前文として、いくつかの概念を簡略化した形で紹介することを唯一の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、測定ギャップ構成の方法の例示的な実施例が提供される。この方法は、第1ネットワークデバイスからユーザ機器UEに第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージを送信することを含み、第1測定ギャップ構成はUE新測定ギャップ能力に基づいている。この方法は、さらに、第1ネットワークデバイスで、レガシーギャップ補助測定がUEに必要かどうかを検出することを含むことができる。UEにレガシーギャップ補助測定が必要であると判断された場合、UEレガシー測定ギャップ能力に基づく第2測定ギャップ構成を含む第2メッセージが第1ネットワークデバイスからUEに送信されることがある。この方法は、さらに、UEと通信している第1ネットワークデバイスから第2ネットワークデバイスへのレガシー測定ギャップ能力へのUEのフォールバックを示す第3メッセージを送信することを含むことができる。
【0007】
いくつかの実施例では、この方法は、第2メッセージを送信した後、UEがUE新測定ギャップ能力に基づいて第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持していることを示すUEからの第5メッセージを第1ネットワークデバイスで受信することをさらに含むことができる。
【0008】
いくつかの実施例では、この方法はさらに、第1ネットワークデバイスで、UEに対してレガシーギャップ補助測定が存在しないかどうかを検出することを含む場合がある。UEのレガシーギャップ補助測定が存在しないと判断された場合、UE新測定ギャップ能力の復元を示す第4メッセージが第1ネットワークデバイスから第2ネットワークデバイスに送信されることがある。
【0009】
いくつかの実施例では、この方法は、UEが第2ネットワークデバイスに関連するレガシーギャップ補助測定をまだ保持していることを示すUEからの第6メッセージを第1ネットワークデバイスで受信することをさらに含むことができる。
【0010】
いくつかの実施例では、第3メッセージは、フォールバックを示すために、明示的なインジケータまたはレガシーギャップ補助測定によって測定された周波数のリストを含むことができ、第4メッセージは、復元を示すために、明示的なインジケータまたはレガシーギャップ補助測定によって測定された周波数の空のリストを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1ネットワークデバイスは、第1周波数範囲(FR1)で動作するマスターセルグループ(MCG)のマスターノード(MN)として機能し、第2ネットワークデバイスは、第2周波数範囲(FR2)で動作するセカンダリセルグループ(SCG)のセカンダリノード(SN)として機能することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、UEは、第1ネットワークデバイスと第2ネットワークデバイスの両方と通信するために、デュアル接続モード、例えば、EN-DC、NGEN-DCまたはNR-DCモードで動作し、第1ネットワークデバイスと第2ネットワークデバイスからそれぞれの測定ギャップ構成を独立して設定することができる。
【0013】
いくつかの実施例では、第1測定ギャップ構成と第2測定ギャップ構成は、周波数範囲ごと(FRごと)の構成であってもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、レガシーギャップ補助測定は、LTE周波数への測定を含むことができる。
【0015】
いくつかの実施例では、UEレガシー測定ギャップ機能は静的ギャップ機能を含み、UE新測定ギャップ能力は、レガシーギャップ補助測定が存在しない場合に適用される条件付き必須ギャップ能力を含むことができる。
【0016】
いくつかの実施例では、UEレガシー測定ギャップ能力は、3GPPリリース15で定義されたギャップ能力を含むことができ、UE新測定ギャップ能力は、3GPPリリース16以降で導入された条件付き必須ギャップ能力を含むことができる。
【0017】
第2態様では、測定ギャップ構成の方法の例示的な実施例が提供される。この方法は、ユーザ機器(UE)の新しい測定ギャップ能力に基づく第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージを第2ネットワークデバイスからUEに送信し、第2ネットワークデバイスで第1ネットワークデバイスまたはUEからUEレガシー測定ギャップ能力へのフォールバックを示す第2メッセージを受信することを含むことができる。第2メッセージに応答して、UEレガシー測定ギャップ能力に基づく第2測定ギャップ構成を含む第3メッセージが、第2ネットワークデバイスからUEに送信される場合がある。
【0018】
いくつかの実施例では、この方法は、第2ネットワークデバイスにおいて、第1ネットワークデバイスから、またはUEから、UE新測定ギャップ能力の復元を示す第4メッセージを受信することをさらに含むことができる。第4メッセージに応答して、UE新測定ギャップ能力に基づく第3測定ギャップ構成を含む第5メッセージが、第2ネットワークデバイスからUEに送信され得る。
【0019】
第3態様では、測定ギャップ構成についての方法の例示的な実施例が提供される。この方法は、第1ネットワークデバイスからのUEレガシー測定ギャップ能力に基づく第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージをユーザ機器UEで受信することを含むことができる。第1メッセージに応答して、UEのレガシー測定ギャップ能力へのフォールバックを示す第2メッセージを、UEと通信している第2ネットワークデバイスに送信し、UEがUEの新しい測定ギャップ能力に基づいて第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持している場合に、UEがUE新測定ギャップ能力に基づいて第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持していることを示す第3メッセージを第1ネットワークデバイスに送信することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、UEが第1ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定を保持せず、かつ、第2ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定をまだ保持しているかどうかを検出することを含むことができる。その場合、UEが第2ネットワークデバイスに関連付けられたレガシーギャップ補助測定をまだ保持していることを示す第4メッセージが第1ネットワークデバイスに送信されることがあり、および/またはUE新測定ギャップ能力の復元を示す第5メッセージが第2ネットワークデバイスに送信されることがある。
【0021】
第4態様では、ネットワークデバイスの例示的な実施形態が提供される。ネットワークデバイスは、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリを含むことができる。少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサで、ネットワークデバイスが、第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージをユーザ機器UEに送信することであって、前記第1測定ギャップ構成はUE新測定ギャップ能力に基づく、送信することと、UEにレガシーギャップ補助測定が必要かどうかを検出することと、レガシーギャップ補助測定が要求されていることに応答して、第2測定ギャップ構成を含む第2メッセージをUEに送信することであって、第2測定ギャップ構成は、UEレガシー測定ギャップ能力に基づく、送信することと、UEと通信している別のネットワークデバイスに、レガシー測定ギャップ能力へのUEのフォールバックを示す第3メッセージを送信することとを実行するように設定できる。
【0022】
いくつかの実施例では、少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサで、第2メッセージを送信した後に、ネットワークデバイスを、UEがUE新測定ギャップ能力に基づいて、別のネットワークデバイスに関連付けられた測定値をまだ保持していることを示すUEからの第5メッセージを受信することを少なくとも実行させるようにさらに構成され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードをさらに構成して、少なくとも1つのプロセッサを使用して、ネットワークデバイスに、UEに対してレガシーギャップ補助測定が存在するかどうかを検出することと、既存のレガシーギャップ補助測定がないことに応答して、UE新測定ギャップ能力の復元を示す第4メッセージを別のネットワークデバイスに送信することとを少なくとも実行させることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードを、少なくとも1つのプロセッサで、少なくともネットワークデバイスが、UEが別のネットワークデバイスに関連するレガシーギャップ補助測定をまだ保持していることを示す、UEからの第6メッセージを受信することを実行するようにさらに構成することができる。
【0025】
いくつかの実施例では、第3メッセージは、フォールバックを示すために、明示的なインジケータまたはレガシーギャップ補助測定によって測定された周波数のリストを含むことができる。第4メッセージには、明示的なインジケータ、または復元を示すためにレガシーギャップ補助測定によって測定された周波数の空のリストを含めることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイスは、第1周波数範囲(FR1)で動作するマスターセルグループ(MCG)のマスターノード(MN)として機能し、別のネットワークデバイスは、第2周波数範囲(FR2)で動作するセカンダリセルグループ(SCG)のセカンダリノード(SN)として機能することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、UEは、ネットワークデバイスと別のネットワークデバイスの両方と通信するために、二重接続モード、例えば、EN-DC、NGEN-DCまたはNR-DCモードで動作することができ、UEは、ネットワークデバイスと別のネットワークデバイスからそれぞれの測定ギャップ構成を独立して設定することができる。
【0028】
いくつかの実施例では、第1測定ギャップ構成と第2測定ギャップ構成は、周波数範囲ごと(FRごと)の構成であってもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、レガシーギャップ補助測定は、LTE周波数への測定を含むことができる。
【0030】
いくつかの実施例では、UEレガシー測定ギャップ能力は静的ギャップ能力を含み、UE新測定ギャップ能力は、レガシーギャップ補助測定が存在しない場合に適用される条件付き必須ギャップ能力を含むことができる。
【0031】
いくつかの実施例では、UEレガシー測定ギャップ能力は、3GPPリリース15で定義されたギャップ能力を含むことができ、UE新測定ギャップ能力は、3GPPリリース16以降で導入された条件付き必須ギャップ能力を含むことができる。
【0032】
第5態様では、ネットワークデバイスの例示的な実施形態が提供される。ネットワークデバイスは、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリを含むことができる。少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサで、ネットワークデバイスが、第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージをユーザ機器UEに送信することであって、第1測定ギャップ構成はUE新測定ギャップ能力に基づく、送信することと、別のネットワークデバイスから、または、UEレガシー測定ギャップ能力へのフォールバックを示すUEから、第2メッセージを受信することと、第2メッセージに応答し、第2測定ギャップ構成を含む第3メッセージをUEに送信することであって、第2測定ギャップ構成は、UEレガシー測定ギャップ能力に基づく、送信することとを少なくとも実行するように設定され得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードを、少なくとも1つのプロセッサで、ネットワークデバイスが、別のネットワークデバイスまたはUE新測定ギャップ能力の復元を示すUEから第4メッセージを受信することと、第4メッセージに応答し、第3測定ギャップ構成を含む第5メッセージをUEに送信することであって、第3測定ギャップ構成はUE新測定ギャップ能力に基づく、送信することとを少なくとも実行するようにさらに構成することができる。
【0034】
第6態様では、ユーザ機器UEの例示的な実施形態を提供する。UEは、少なくとも1つのプロセッサとコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリから構成される。少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを使用して、UEが、第1ネットワークデバイスから第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージを受信することであって、第1測定ギャップ構成はUEレガシー測定ギャップ能力に基づく、受信することと、第1メッセージに応答して、UEのレガシー測定ギャップ能力へのフォールバックを示す第2メッセージを、UEと通信している第2ネットワークデバイスに送信すること、および/または、UEがUE新測定ギャップ能力に基づいて第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持している場合に、UEがUE新測定ギャップ能力に基づいて第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持していることを示す第3メッセージを、第1ネットワークデバイスに送信することとを少なくとも実行するように設定できる。
【0035】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードをさらに構成して、少なくとも1つのプロセッサで、UEは、UEが第1ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定を保持せず、かつ、第2ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定をまだ保持しているかどうかを検出することと、その場合は、UEが第2ネットワークデバイスに関連付けられたレガシーギャップ補助測定をまだ保持していることを示す第4メッセージを第1ネットワークデバイスに送信すること、および/または、UE新測定ギャップ能力を復元することを示す第5メッセージを第2ネットワークデバイスに送信することとを少なくとも実行するようにすることができる。
【0036】
第7態様では、測定ギャップ構成のための装置の例示的な実施例が提供される。この装置は、第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージをユーザ機器UEに送信する手段であって、第1測定ギャップ構成はUE新測定ギャップ能力に基づく、手段と、UEについて、レガシーギャップ補助測定が必要かどうかを検出する手段と、必要とされるレガシーギャップ補助測定に応答する手段、UEに第2測定ギャップ構成を含む第2メッセージを送信する手段であって、第2測定ギャップ構成はUEレガシー測定ギャップ能力に基づく、手段と、UEと通信して、レガシー測定ギャップ能力へのUEのフォールバックを示す第3メッセージを別のネットワークデバイスに送信する手段とを含むことができる。
【0037】
いくつかの実施例では、装置は、第2メッセージを送信した後、UEがUE新測定ギャップ能力に基づいて第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持していることを示すUEからの第5メッセージを受信するための手段をさらに含むことができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、装置はさらに、UEに対してレガシーギャップ補助測定が存在しないかどうかを検出する手段と、レガシーギャップ補助測定がないことに応答して、UE新測定ギャップ能力の復元を示す第4メッセージを別のネットワークデバイスに送信する手段とを含むことができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、装置は、UEからの、UEが別のネットワークデバイスに関連するレガシーギャップ補助測定をまだ保持していることを示す第6メッセージを受信する手段をさらに含むことができる。
【0040】
第8態様では、測定ギャップ構成のための装置の例示的な実施形態が提供される。この装置は、第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージをユーザ機器のUEに送信する手段であって、第1測定ギャップ構成はUE新測定ギャップ能力に基づく、手段と、第2メッセージを別のネットワークデバイスからまたはUEレガシー測定ギャップ能力へのフォールバックを示すUEから受信する手段と、第2メッセージに応答して、第2測定ギャップ構成を含む第3メッセージをUEに送信する手段であって、第2測定ギャップ構成はUEレガシー測定ギャップ能力に基づく、手段とを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、装置はさらに、第1ネットワークデバイスまたはUE新測定ギャップ能力の復元を示すUEから第4メッセージを受信する手段と、第4メッセージに応答して、UEに第3測定ギャップ構成を含む第5メッセージを送信する手段であって、第3測定ギャップ構成はUE新測定ギャップ能力に基づく、手段とを含む。
【0042】
第9態様では、測定ギャップ構成のための装置の例示的な実施例が提供される。この装置は、ユーザ機器UEにおいて、第1ネットワークデバイスからの第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージを受信する手段であって、第1測定ギャップ構成はUEレガシー測定ギャップ能力に基づく、受信する手段と、第1メッセージに応答して、レガシー測定ギャップ能力へのUEのフォールバックを示す第2メッセージをUEと通信している第2ネットワークデバイスに送信し、および/またはUEが、UE新測定ギャップ能力に基づく第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持している場合に、UEが、UE新測定ギャップ能力に基づく第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持していることを示す第3メッセージを、第1ネットワークデバイスに送信する手段を含んでもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、装置はさらに、UEが第1ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定を保持せず、かつ、第2ネットワークデバイスに関連したレガシーガス補助測定をまだ保持しているかどうかをUEで検出する手段と、UEが第1ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定を保持せず、かつ、第2ネットワークデバイスに関連したレガシーガス補助測定をまだ持っている場合、UEが第2ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定をまだ保持していることを示す第4メッセージを第1ネットワークデバイスに送信し、および/または、UE新測定ギャップ能力の復元を示す第5メッセージを第2ネットワークデバイスに送信する手段を含むことができる。
【0044】
第10態様では、コンピュータ可読媒体の例示的な実施形態が提供される。コンピュータが読み取り可能な媒体には命令が格納されている場合があり、その命令が装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置は上記のいずれかの方法を実行することになる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
ここで、いくつかの実施例について、非限定的な例として、添付の図面を参照して説明する。
【
図1】例示的な実施形態に従ったMR-DCアーキテクチャの簡略化された図を示している。
【
図2】例示的な実施形態に従ったMR-DCアーキテクチャにおける新しい条件付き必須ギャップパターン(GP)をサポートするためのシグナリング手順のフローチャートを示している。
【
図3】例示的な実施形態によるネットワークデバイスのブロック図を示す。
【
図4】例示的な実施形態に従ったユーザ機器のブロック図を示す。
【
図5】例示的な実施形態による装置のブロック図を示す。
【
図6】例示的な実施形態による装置のブロック図を示す。
【
図7】例示的な実施形態による装置のブロック図を示す。
【0046】
図面全体を通して、同一または類似の参照番号は同一または類似の要素を示している。同じ要素の繰り返し説明は省略する。
【発明を実施するための形態】
【0047】
ここでは、いくつかの実施例を、添付図面を参照して詳細に説明する。ここでは、さまざまな概念を十分に理解するための具体的な内容を説明する。しかしながら、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実践され得ることは、当業者には明らかであろう。場合によっては、説明されている概念や特徴が不明瞭にならないように、よく知られた回路、手法、およびコンポーネントがブロック図形式で表示される。
【0048】
ギャップパターンは、UE単位とFR単位のギャップ構成に対して定義される。概して、GPはギャップ期間とギャップ繰り返し期間で定義されることがある。たとえば、3GPP Rel-15ではGP#0-23が定義されており、そのうちGP#0-11はFR1とFR2のギャップ補助測定の両方に適用されるものの、GP#12-23はFR2のギャップ補助測定にのみ適用できる。GP#0~23は、本開示では単に例として記載されているだけであり、他のGP、例えば不均一なGPは、FR1および/またはFR2測定に対しても定義されている場合があることが理解されよう。GP#0-23のうち、現在必須となっているのはGP#0-1のみである。GP#0とGP#1は両方とも6msのギャップ長であり、それぞれ40msと80msの繰り返し周期を持つ。
【0049】
5G NRネットワークのさまざまな展開シナリオでは、新しい(または追加の)必須GPが望ましいだろう。より短いギャップ長を持つ新しい必須GPはシステム効率に有益であり、必須GPの柔軟な繰り返し期間は、さまざまなシナリオにおける測定遅延とギャップオーバーヘッドに関するさまざまな要件を満たすだろう。潜在的な利点を考慮して、3GPPはRelease16(Rel-16)仕様で新しい必須GPを導入する予定である。ただし、特に5G NRのMR-DC展開では、従来の実装に影響を与えることなく、新しい必須GPを適用するためのソリューションがまだ必要である。
【0050】
ここに記載されている例示的な実施形態は、MR-DCアーキテクチャにおける新しい(または追加の)必須GPをサポートする方法および装置を提供する。例示的な実施形態では、新しい必須GPは、NR測定の特定の条件において義務化されるだけであり、従来の実装に影響を与えることはない。例えば、LTE測定の場合は、新しい必須GPを適用すべきではない。新しい必須GPとUE新測定ギャップ能力の導入のために、新しいシグナリングも提案されている。例示的な実施形態では、新しい必須GPは、いくつかの特定の条件においてのみ義務化されるため、条件付き/動的必須GPと呼ばれることもある。いくつかの例では、新しい条件付き必須GPは、3GPP Rel-16以降の仕様で導入された条件付き必須GPで構成される場合がある。新しい条件付き必須GPは、既存のGP#2-23から選択することができ、GP#12-23はFR2ギャップ補助測定にのみ適用されるため、できればGP#2-11、または将来設計される新しいGPから選択することができる。
【0051】
一方、UEレガシー測定ギャップ能力とは、UEがネットワークに接続しているため、GPをサポートするためのUEの静的能力を指し、本開示では静的GPと呼ぶこともある。NR測定の特定の条件でのみ有効にできる条件付き/動的必須GPとは異なり、UEはネットワークに接続するため、静的GPはLTE測定とNR測定の両方でいつでもUEによってサポートされる。いくつかの例では、レガシー/静的GPには、3GPP Rel-15で定義されているGPが含まれる場合があり、たとえば、必須GP#0-1と非必須GP#2-23がある。また、レガシー/静的GPは、3GPP Rel-15で現在定義されているGP#0-23に限定されるものではなく、今後導入されるGPも、既存のGP#0-23のようにLTE測定とNR測定の両方でUEによって静的にサポートされるように設計されている場合は、レガシー/静的GPとみなされる可能性があることを理解しておく必要がある。
【0052】
図1は、例示的な実施形態に従ったMR-DCアーキテクチャの簡略化された図を示している。
図1を参照すると、MR-DCアーキテクチャでは、UE10が2つの基地局20、30に接続されている。第1基地局20は、第1周波数範囲(FR1)で動作するサービングセル(MCG)のグループを含むマスターノード(MN)として動作し、第2基地局30は、第2周波数範囲(FR2)で動作するサービングセル(SCG)のグループを含むセカンダリノード(SN)として動作することができる。
【0053】
いくつかの例では、MN20はE-UTRA基地局(MeNB)であり、SN30はNR基地局(SgNB)であるかもしれない。MeNB20が4Gコアネットワーク、すなわちEvolved Packet Core(EPC)(図示せず)に接続されている場合、UE10はEN-DCモードで動作することがある。MeNB20を5Gコアネットワーク(5GC)(図にはない)に接続すると、UE10はNGEN-DCモードで動作する場合がある。(NG)EN-DCモードでは、MeNB20がUE10のUE単位およびFR単位のFR1ギャップ構成を担当し、SgNB30がUE10のFR単位のFR2ギャップ構成を担当する。つまり、MN20とSN30からそれぞれ独立した測定ギャップ構成でUE10を構成することができる。
【0054】
例によっては、MN20がNR基地局(MgNB)であり、5GCに接続されている場合もある。このような場合、UE10はNR-DCモードで動作することがある。なお、NR-DCモードでは、MgNB20がUE10のUE単位およびFR単位のFR1ギャップ構成を担当し、SgNB30がUE10のFR単位のFR2ギャップ構成を担当する。つまり、MN20とSN30からそれぞれ独立した測定ギャップ構成でUE10を構成することができる。別の例として、FR単位のFR2ギャップ構成は、3GPP Rel-15で定義されているように、MgNB20の責任下にあってもよい。
【0055】
図2は、例示的な実施形態に従ってMR-DCアーキテクチャにおける新しい条件付き必須GPをサポートするためのシグナリング手順100のフローチャートを示している。代表的な実施例では、LTE周波数での測定など、レガシーギャップ補助測定(または測定対象MO)がネットワークによってUEに設定されていない場合、MNとSNの両方を含むネットワークで新しい条件付き必須GPを有効にすることができる。一方、LTE測定などのレガシーギャップ補助測定(または測定対象MO)がネットワークによってUEに設定されている場合、UEは新しい必須GPを適用できず、MNおよびSNを含むネットワークでは新しい必須GPを無効にするものとする。
【0056】
図2を参照すると、110で、UE10はその測定ギャップ能力をMN20に報告することができる。いくつかの実施例では、報告されたUE測定ギャップ能力は、レガシーギャップ能力とUEの新しい必須ギャップ能力の両方を含むことができる。いくつかの実施例では、報告されたUE測定ギャップ能力は、MN20がレガシーの必須ギャップと新しい条件付き必須ギャップがUE10によってサポートされなければならないことを認識しているため、非必須ギャップ能力のみを明示的に含めることができる。UEレガシーギャップ能力と新しい条件付き必須ギャップ能力は、1つのメッセージまたは別々のメッセージでMN20に報告することができる。例えば、UE10の測定ギャップ能力は、MN20に送信されるUECapabilityInformationメッセージに含まれることがある。UECapabilityInformationメッセージには、UE-EUTRA-Capabilityコンテナ内のshortMeasurementGap-r14やmeansGapPatterns-r15、UE-NR-Capabilityコンテナ内のsupportedGapPatternなど、UEのギャップ能力を示す複数の情報要素を含めることができる。UE10は、最初にネットワークに接続するとき、またはトラッキングエリア更新(TAU)手順を実行するときに、自発的にMN20にギャップ能力を報告する場合がある。いくつかの例では、UE10は、MN20からのUECapabilityEnquiryメッセージなどの能力照会に応答して、MN20にギャップ能力を報告することもできる。ステップ110までに、MN20はUE10がサポートするGPを認識する。
【0057】
120で、MN20は測定ギャップ構成を含むメッセージをUE10に送信することができる。測定ギャップの設定は、例えばLTE測定がUE10に対して設定されていない場合、UE10の新しい必須ギャップ能力に基づくことができる。いくつかの実施例では、MN20は、例えばMeasConfigメッセージで新しい必須ギャップ構成をUE10に送信することができる。
図1を参照して前述したように、MN20によって設定された新しい必須ギャップは、FR1ごとのギャップである可能性がある。
【0058】
同様に、SN30は、ステップ130で新しい必須FR2ギャップ構成を含むメッセージをUE10に送信することで、UE10に新しい必須FR2ギャップを設定することができる。たとえば、SN30は、UE10に送信されるMeasConfigメッセージで新しい必須FR2ギャップ構成をエンコードする場合がある。ステップ120および130により、新しい条件付き必須FR1およびFR2ギャップがUE10に対して独立して設定されるため、UE10は新しいギャップ能力に基づいて測定を実行できる。
図2には示されていないが、MN20とSN30は、ノード間メッセージを介して、UE10の測定およびギャップ構成情報を交換する場合がある。UE10は、FR1およびFR2の測定を実行し、それぞれの測定レポートをMN20およびSN30に送信することができる。
【0059】
次に140で、MN20はレガシーギャップ補助測定、例えばLTE測定がUE10に必要かどうかを検出する。例えば、LTE周波数で動作しているセルに関してAまたはBタイプのイベントを測定する必要があるとMN20が判断した場合、MN20はUE10にレガシーギャップ補助測定が必要であると決定する場合がある。
【0060】
MN20がステップ140でUE10にレガシーギャップ補助測定が必要であると判断すると、MN20はステップ150でUE10にレガシーFR1ギャップを設定する。例えば、MN20は、UEレガシー測定ギャップ能力に基づく測定ギャップ構成を含むメッセージをUE10に送信することができる。たとえば、UE-EUTRA-CapabilityコンテナのshortMeasurementGap-r14とmeasGapPatterns-r15、およびUE-NR-CapabilityのsupportedGapPatternによって報告された既存の必須GPまたはUEのレガシーGP能力を設定できる。現在、UE10がMN20に関連する新しい必須ギャップ補助測定を持っている場合、例えば、ステップ120で設定された新しい必須FR1ギャップは、ステップ150でMN20からUE10に送信されるメッセージに、新しい必須FR1ギャップを解放する指示がさらに含まれる場合がある。
【0061】
その後、160で、MN20は、UEレガシー測定ギャップ能力へのフォールバックをSN30に通知する場合がある。たとえば、MN20はSN30へのフォールバックの明示的なインジケータを含むメッセージを送信する場合がある。他のいくつかの例では、メッセージにはMNによって測定された周波数のリストが含まれる場合があり、周波数のリストに例えばLTE周波数が含まれる場合、SN30は、UE10がレガシーギャップ能力にフォールバックする必要があることを周波数のリストから知ることができる。
【0062】
いくつかの実施例では、任意で、ステップ150でMN20から受信したレガシーFR1ギャップ構成に応答して、UE10はステップ161でMN20にギャップ構成応答メッセージを送信することができる。ギャップ構成応答メッセージでは、UE10はMN20に対して、SN30に関連する新しいFR2ギャップ補助測定、たとえばステップ130で構成されたFR2ギャップをまだ保持していることを示す場合がある。MN20がメッセージ160をSN30に送信する前にUE10からギャップ構成応答メッセージを受信した場合、ギャップ構成応答メッセージはMN20がメッセージ160をSN30に送信するようにトリガーし、これにより、MN20がUEレガシーギャップ能力へのフォールバックをSN30に確実に通知するようになる。MN20がメッセージ160をSN30に送信した後にUE10からギャップ構成応答メッセージを受信した場合、MN20はギャップ構成応答メッセージを無視することがある。
【0063】
いくつかの実施例では、追加的または代替的に、UE10は、ステップ150で受信したレガシーFR1ギャップ構成に応答して、SN30へのレガシーギャップ能力へのフォールバックを示すメッセージをステップ162で直接送信することができる。これは、MN20がメッセージ160の送信に失敗した場合や、SN30がメッセージ160の受信またはデコードに失敗した場合に特に有益である。メッセージ162により、SN30はUE10がレガシーギャップ能力にフォールバックする必要があることを認識できる。
【0064】
その後、170で、SN30はUE10のレガシーFR2ギャップを設定できる。たとえば、SN30は、UEレガシー測定ギャップ能力に基づく測定ギャップ構成を含むメッセージをUE10に送信できる。UE10が現在、SN30に関連する新しい必須ギャップ補助測定を持っている場合、たとえばステップ130で設定された新しい必須FR2ギャップの場合、ステップ170でSN30からUE10に送信されるメッセージには、新しい必須FR2ギャップを解放する指示がさらに含まれる場合がある。ステップ150および170により、新しい必須FR1およびFR2ギャップが解放され、レガシーFR1およびFR2ギャップが設定される場合がある。そのため、UE10は新しいギャップ能力からレガシーギャップ能力にフォールバックする。レガシーギャップ能力により、UE10はレガシー測定、例えばステップ140で決定されたLTE測定を行うことができる。
【0065】
図2には示されていないが、ステップ150で設定されたレガシーギャップ補助測定が実行され、不要になった場合、MN20はUE10に測定の解放を指示することができる。例えば、MN20は、解放されたUE10に対して、測定対象(MO)を示す測定設定を含むメッセージを送信することができる。
【0066】
次に180で、MN20はUE10にレガシーギャップ補助測定が存在しないかどうかを検出することができる。MN20がステップ180でUE10のレガシーギャップ補助測定を持たないと判断した場合、MN20はステップ190でUE新測定ギャップ能力の復元をSN30に通知することができる。例えば、MN20はSN30に復元の明示的なインジケータを含むメッセージを送ることができる。他のいくつかの例では、メッセージにはMNによって測定された周波数の空のリストが含まれる場合があり、SN30は空のリストからUE10が新しい測定ギャップ能力に復元する可能性があることを知る場合がある。示されていないが、MN20は、必要に応じてUE10の新しい条件付き必須測定ギャップをさらに設定することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、任意で、UE10がMN20からレガシーギャップ補助測定を解除する指示を受け取ると、UE10はステップ181で、MN20に関連したレガシーギャップ補助測定を保持せず、かつ、SN30に関連したレガシーギャップ補助測定をまだ保持しているかどうかをチェックすることができる。イエスの場合、UE10は、ステップ182で、SN30によるレガシーギャップ補助測定をまだ保持していることを示すメッセージをMN20に送信することができる。MN20がメッセージ190をSN30に送信する前にUE10からメッセージ182を受信した場合、メッセージ182はMN20がメッセージ190をSN30に送信するようにトリガーし、これにより、MN20がSN30にUEの新しいギャップ能力の復元を確実に通知することになる。MN20がメッセージ190をSN30に送信した後にUE10からメッセージ182を受信した場合、MN20はメッセージ182を無視してもよい。
【0068】
いくつかの実施例では、追加的または代替的に、UE10がステップ181でMN20関連したレガシーギャップ補助測定を保持せず、かつ、SN30に関連したレガシーギャップ補助測定をまだ保持していると判断した場合、UE10はステップ183でSN30にUEの新ギャップ能力の復元を示すメッセージを直接送信することができる。これは、MN20がメッセージ190の送信に失敗した場合や、SN30がメッセージ190の受信またはデコードに失敗した場合に特に有益である。メッセージ183および190のいずれかによって、SN30はUE10が新しいギャップ能力に復元する可能性があることを知ることができる。
【0069】
192で、SN30はUE10にメッセージを送信して、レガシーFR2ギャップを解放し、新しい必須FR2ギャップを設定することができる。たとえば、SN30は、UEの新しいギャップ能力に基づく測定ギャップ構成を含むMeasGapConfigメッセージをUE10に送信する場合がある。その後、UE10はレガシーFR2ギャップを解放し、代わりに新しい必須FR2ギャップを設定する。
【0070】
上記のシグナリング手順100では、新しい必須ギャップ能力は、従来の実装に影響を与えることなくMR-DCアーキテクチャに適用できる。特に、(NG)EN-DCおよびNR-DC展開でのLTE測定には影響しない。新しい条件付き必須ギャップの導入により、測定遅延とギャップオーバーヘッドが改善され、測定効率を高めることができる。
【0071】
上記の説明では、ここに詳述されている例示的な実施形態を理解するのに最も役立つ方法で、シグナリングメッセージが複数の個別の操作で順番に記述されている。ただし、記述の順序は、これらのシグナリングメッセージ/操作が必ずしも記述の順序に限定されることを意味すると解釈すべきではないことを理解すべきである。記述されたシグナリングメッセージ/操作は、記述された実施形態とは異なる順序で実行することができる。様々な追加のシグナリング/動作を実行することができ、および/または追加の実施形態では、記述されたシグナリング/動作を省略することができる。
【0072】
図3は、例示的な実施形態によるネットワークデバイスのブロック図を示す。ネットワークデバイス200は、UE10などの無線デバイスから、5G NRネットワークなどの無線ネットワークへのアクセスを提供する基地局である。基地局200は、5G NRノードB(gNB)または4G LTEノードB(eNB)である場合がある。MR-DCアーキテクチャでは、ネットワークデバイス200は、
図1および2を参照して前述したMN20またはSN30として実装することができる。
【0073】
図3を参照すると、ネットワークデバイス200は、1つ以上のプロセッサ210、1つ以上のメモリ220、1つ以上のネットワークインターフェイス230、および1つ以上のバス250を介して相互接続された1つ以上のトランシーバ240を含む。1つ以上のプロセッサ210は、それに結合された1つ以上のメモリ220に格納されたコンピュータプログラムコードを実行し、ここで説明する様々な操作を実行するためにネットワークデバイス200を制御することができる。1つ以上のトランシーバ240のそれぞれは受信機と送信機を含み、1つ以上のトランシーバ240を1つ以上のアンテナ244に接続することができる。1つ以上のネットワークインターフェイス230は、他のネットワークデバイス、例えば他の基地局や、EPCや5GCなどのコアネットワークと通信することができる。1つまたは複数のバス250は、アドレス、データまたは制御バスであり、マザーボードまたは集積回路上の一連の回線、光ファイバーまたは他の光通信機器、無線チャネルなど、任意の相互接続メカニズムを含むことができる。たとえば、ネットワークデバイス200がgNBとして実装されている場合、gNB200の他の要素が物理的にRRHとは異なる場所、たとえばセントラルユニット(CU)にある状態で、1つまたは複数のトランシーバ240をリモート無線ヘッド(RRH)またはディストリビューションユニット(DU)として実装し、1つまたは複数のバス250を光ファイバケーブルとして一部実装して、gNB200の他の要素をRRH/DUに接続することができる。
【0074】
ネットワークデバイス200がgNBまたはeNBとして実装されている場合、ネットワークデバイス200は(NG)EN-DCまたはNR-DCアーキテクチャのマスターノード(MN)として機能し、1つ以上のメモリ220とそこに格納されているコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプロセッサ210を使用して、ネットワークデバイス200に
図1および2を参照して前述したようにMN20に関連する操作を実行させるように構成されている可能性があることが理解される。ネットワークデバイス200がgNBとして実装されている場合、ネットワークデバイス200は、(NG)EN-DCまたはNR-DCアーキテクチャのセカンダリノード(SN)として機能し、1つ以上のメモリ220とそこに格納されているコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプロセッサ210を使用して、ネットワークデバイス200が
図1および2を参照して前述したようにSN30に関する操作を実行するように構成されている場合がある。
【0075】
図4に、例示的な実施形態に従ったユーザ機器(UE)のブロック図を示す。UE300は、
図3のネットワークデバイス200と無線通信できる無線、通常はモバイルデバイスであり、
図1および2を参照して前述のUE10として実装することができる。
【0076】
図4を参照すると、UE300は、1つ以上のバス350を介して相互接続された1つ以上のプロセッサ310、1つ以上のメモリ320、および1つ以上のトランシーバ340を含む。1つ以上のトランシーバ340のそれぞれは受信機と送信機を含み、1つ以上のトランシーバ340を1つ以上のアンテナ344に接続することができる。1つまたは複数のバス350は、アドレス、データまたは制御バスであってもよく、マザーボードまたは集積回路上の一連の回線、光ファイバーまたは他の光通信機器、無線チャネルなど、任意の相互接続メカニズムを含むことができる。1つ以上のメモリ320は、そこに格納されたコンピュータプログラムコードを含むことができる。1つ以上のメモリ320とコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプロセッサ310とともに、UE300が
図1および2を参照することにより上述のUE10に関する操作を実行するように構成することができる。
【0077】
上述した1つ以上のプロセッサ210、310は、その地域の技術ネットワークに適した適切なタイプのものであればよく、汎用プロセッサ、特殊目的プロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、プロセッサベースのマルチコアプロセッサアーキテクチャの1つ以上のプロセッサ、さらにはField Programmable Gate Array(FPGA)やApplication Specific Integrated Circuit(ASIC)に基づいて開発されたような専用プロセッサを含むことができる。1つ以上のプロセッサ210、310は、ネットワークデバイス/ユーザ機器の他の要素を制御し、それらと協調して動作して、上述の手順を実行するように構成することができる。
【0078】
1つ以上のメモリ220、320は、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリのような様々な形態の記憶媒体を少なくとも1つ含むことができる。揮発性メモリは、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)またはキャッシュを含むことができるが、これに限定されない。不揮発性メモリには、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードディスク、フラッシュメモリなどが含まれるが、これらに限定されない。さらに、1つ以上のメモリ220、320は、電気、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体システム、装置、デバイス、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0079】
図5は、例示的な実施形態による装置400のブロック図を示す。装置400は、
図2のシグナリング手順100でMN20に関連する操作を実行するために、
図3のマスターノードとして機能するネットワークデバイス200に実装することができるが、それに限定されないことが理解されるだろう。
【0080】
図5を参照すると、装置400は、
図2の操作120、140、150および160をそれぞれ実行するための第1ユニット410、第2ユニット420、第3ユニット430および第4ユニット440を構成することができる。特に、第1ユニット410は、第1ネットワークデバイスからユーザ機器UEに第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージを送信するように構成することができ、第1測定ギャップ構成はUE新測定ギャップ能力に基づいている。第2ユニット420は、第1ネットワークデバイスで、UEにレガシーギャップ補助測定が必要かどうかを検出するように設定できる。第3ユニット430は、必要とされるレガシーギャップ補助測定に応答して、第2測定ギャップ構成を含む第2メッセージを第1ネットワークデバイスからUEに送信するように構成することができ、第2測定ギャップ構成はUEレガシー測定ギャップ能力に基づいている。第4ユニット440は、UEと通信している第1ネットワークデバイスから第2ネットワークデバイスへのレガシー測定ギャップ能力へのUEのフォールバックを示す第3メッセージを送信するように構成することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、装置400は、
図2の操作161、180、182および192をそれぞれ実行するための第5ユニット450、第6ユニット460、第7ユニット470および第8ユニット480を任意に構成することができる。特に、第5ユニット450は、第2メッセージを送信した後、UE新測定ギャップ能力に基づいて、UEが第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定値をまだ保持していることを示すUEからの第5メッセージを第1ネットワークデバイスで受信するように構成され得る。第6ユニット460は、第1ネットワークデバイスでUEのレガシーギャップ補助測定が存在しないかどうかを検出するように構成され得る。第7ユニット470は、既存のレガシーギャップ補助測定に応答して、第1ネットワークデバイスから第2ネットワークデバイスへのUE新測定ギャップ能力の復元を示す第4メッセージを送信するように構成され得る。第8ユニット480は、第1ネットワークデバイスで、UEが第2ネットワークデバイスに関連付けられたレガシーギャップ補助測定をまだ保持していることを示すUEからの第6メッセージを受信するように構成され得る。
【0082】
図6は、例示的な実施形態による装置500のブロック図を示す。装置500は、
図2のシグナリング手順100でSN30に関連する動作を実行するために、
図3のセカンダリノードとして機能するネットワークデバイス200に実装され得るが、それに限定されないことが理解される。
【0083】
図6を参照すると、装置500は、
図2の操作130、160または162、および170をそれぞれ実行するための第1ユニット510、第2ユニット520、および第3ユニット530を構成することができる。特に、第1ユニット510は、第2ネットワークデバイスからユーザ機器UEに第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージを送信するように構成することができ、第1測定ギャップ構成はUE新測定ギャップ能力に基づいている。第2ユニット520は、第2ネットワークデバイスで、第1ネットワークデバイスから、またはUEレガシー測定ギャップ能力へのフォールバックを示すUEからの第2メッセージを受信するように設定できる。第3ユニット530は、第2メッセージに応答して、第2測定ギャップ構成を含む第3メッセージを第2ネットワークデバイスからUEに送信するように構成することができ、第2測定ギャップ構成はUEレガシー測定ギャップ能力に基づいている。
【0084】
いくつかの実施形態では、装置500は、
図2の操作183または190および操作192をそれぞれ実行するための第5ユニット550および第6ユニット560を任意に構成することができる。特に、第5ユニット550は、第2ネットワークデバイスで、第1ネットワークデバイスから、またはUE新測定ギャップ能力の復元を示すUEから、第4メッセージを受信するように構成することができる。また、第6ユニット560は、第4メッセージに応答して、第3測定ギャップ構成を含む第5メッセージを第2ネットワークデバイスからUEに送信するように構成することができ、第3測定ギャップ構成は、UE新測定ギャップ能力に基づいている。
【0085】
図7は、例示的な実施形態による装置600のブロック図を示す。装置600は、
図2のシグナリング手順100のUE10に関連する操作を実行するために、
図4のユーザ機器300に実装することができるが、それに限定されないことが理解される。
【0086】
図7を参照すると、装置600は、それぞれ
図2の操作150および操作161および/または162を実行するための第1ユニット610および第2ユニット620を構成することができる。特に、第1ユニット610は、第1ネットワークデバイスからの第1測定ギャップ構成を含む第1メッセージをユーザ機器UEで受信するように構成することができ、第1測定ギャップ構成は、UEレガシー測定ギャップ能力に基づいている。また、第2ユニット620は、第1メッセージに応答して、UEのレガシー測定ギャップ能力へのフォールバックを示す第2メッセージを、UEと通信している第2ネットワークデバイスに送信する、および/または、UEがUE新測定ギャップ能力に基づいて第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持している場合に、UEがUE新測定ギャップ能力に基づいて第2ネットワークデバイスに関連付けられた測定をまだ保持していることを示す第3メッセージを、第1ネットワークデバイスに送信するように構成されてもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、装置600は、
図2の操作181および操作182および/または183をそれぞれ実行するための第3ユニット630および第4ユニット640を任意に構成することができる。特に、第3ユニット630は、UEが第1ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定を保持せず、かつ、第2ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定をまだ保持しているかどうかをUEで検出するように構成することができる。また、第4ユニット640は、UEが第1ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定を保持せず、かつ、第2ネットワークデバイスに関連したレガシーギャップ補助測定をまだ保持している場合、UEが第2ネットワークデバイスに関連付けられたレガシーギャップ補助測定をまだ持っていることを示す第4メッセージを第1ネットワークデバイスに送信し、および/またはUE新測定ギャップ能力の復元を示す第5メッセージを第2ネットワークデバイスに送信するように設定できる。
【0088】
装置400、500および600の各ユニットは、
図1、2を参照して説明した手順100の各ステップに対応していることを理解すべきである。そのため、
図1、2を参照して上述した操作および特徴は、装置400、500、600およびこれら装置に含まれるユニットにも適用可能であり、その際は同様の効果があるが、詳細は省略する。
【0089】
装置400、500、600に含まれるユニットは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを含む様々な方法で実装することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のユニットがソフトウェアおよび/またはファームウェア、例えば記憶媒体に格納されたマシン実行可能命令を使用して実装されることがある。マシン実行可能命令に加えて、またはその代わりに、装置400、500、600内のユニットの一部または全部を、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェア論理コンポーネントによって実装することができる。たとえば、これに限定されないが、使用できるハードウェア論理コンポーネントの例示的なタイプには、Field-Programmable Gate Array(FPGA)、Application-Specific Integrated Circuits(ASIC)、Application-Specific Standard Products(ASSP)、System-on-Chip System(SOC)、Complex Programmable Logic Devices(CPLD)などがある。
【0090】
いくつかの例示的な実施形態は、さらに、1つ以上のプロセッサによって実行されると、装置に上記の手順を実行させることができるコンピュータプログラムのコードまたは命令を提供する。いくつかの例示的な実施形態は、さらに、コンピュータプログラム製品、またはそこに格納されたコンピュータプログラムコードまたは命令を有するコンピュータ可読媒体を提供する。
【0091】
一般に、様々な例示的な実施形態は、ハードウェアまたは特別な目的の回路、ソフトウェア、ロジック、またはそれらの任意の組み合わせで実装される。ハードウェアで実装される態様もあれば、1つ以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、またはその他のコンピューティングデバイスによって実行されるファームウェアまたはソフトウェアで実装される態様もある。例示的な実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート、または他のいくつかの画像表現を使用して図示され記述されているが、ここで説明されているブロック、デバイス、装置、システム、技術または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特殊目的の回路またはロジック、汎用ハードウェアまたはコントローラまたは他のコンピューティングデバイス、またはそれらのいくつかの組み合わせで実装されている可能性があることが理解される。
【0092】
例えば、例示的な実施形態は、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上のデバイスで実行される、プログラムモジュールに含まれる命令のような、マシン実行可能命令の一般的な文脈で記述することができる。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。プログラムモジュールの能力は、様々な実施形態において、必要に応じてプログラムモジュール間で結合または分割することができる。プログラムモジュールのマシン実行可能命令は、ローカルまたは分散デバイス内で実行できる。分散デバイスでは、プログラムモジュールがローカルとリモートの両方の記憶媒体に配置されている場合がある。
【0093】
例示的な実施形態の手順を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。コンピュータプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置の1つ以上のプロセッサまたはコントローラに提供されることがあり、プロセッサまたはコントローラによってプログラムコードが実行されると、フローチャートおよび/またはブロック図に指定された能力/操作が実装される。プログラムコードは、完全にマシン上で、部分的にマシン上で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、部分的にマシン上で、部分的にリモートマシン上で、または完全にリモートマシンまたはサーバー上で実行できる。
【0094】
例示的な実施形態の文脈では、機械可読媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用される、またはそれに関連して使用されるプログラムを含む、または格納することができる任意の有形の媒体であり得る。機械可読媒体は、機械可読信号媒体であっても、機械可読記憶媒体であってもよい。機械可読媒体には、電子式、磁気式、光学式、電磁式、赤外線式、半導体式のシステム、装置、デバイス、またはこれらの適切な組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。機械可読記憶媒体のより具体的な例としては、1つ以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータのディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、または上記の任意の適切な組み合わせが挙げられる。
【0095】
さらに、操作は特定の順序で記述されているが、これは、望ましい結果を得るために、そのような操作が示されている特定の順序または連続した順序で実行されること、またはすべての図解された操作が実行されることを要求するものと理解すべきではない。特定の状況では、マルチタスク処理と並列処理が有利な場合がある。同様に、上記の議論にはいくつかの具体的な実装の詳細が含まれているが、これらは本開示の範囲の制限としてではなく、むしろ特定の実施形態に固有の可能性のある特徴の説明として解釈されるべきである。個別の実施形態の文脈で記述される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で記述される様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装することもできる。
【0096】
主題は、構造的特徴および/または方法作用に特有の言語で記述されているが、添付のクレームに定義されている主題は、上記の特定の特徴または作用に限定されないことを理解すべきである。逆に、上記の具体的な特徴と動作は、クレームの実装例として開示される。