(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】アニオン性界面活性剤を含有する溶解性固体繊維性物品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/73 20060101AFI20240305BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20240305BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/81
A61K8/44
A61K8/36
A61K8/365
A61Q5/02
(21)【出願番号】P 2022574697
(86)(22)【出願日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 US2021038786
(87)【国際公開番号】W WO2021262912
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-05
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン シアオチン ソン
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-290888(JP,A)
【文献】特表2011-516614(JP,A)
【文献】特表2006-522754(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0104177(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0265007(US,A1)
【文献】米国特許第06074997(US,A)
【文献】米国特許第05756438(US,A)
【文献】国際公開第2014/158472(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維要素を含む溶解性固体繊維性シャンプー物品であって、
a.乾燥物品基準で1重量%~50重量
%のポリマー構造化剤と、
b.乾燥物品基準で20重量%~70重量
%の界面活性剤系であって、
i.乾燥物品基準で前記界面活性剤系の35重量%~90重量
%の主アニオン性界面活性剤と、
ii.乾燥物品基準で前記界面活性剤系の10重量%~65重量
%の補助界面活性剤と、
を含み、前記界面活性剤系が、スルフェート系界面活性剤を実質的に含まない、界面活性剤系と、
c.乾燥物品基準で0.5重量%~5重量
%のpH調整剤であって、前記pH調整剤が、一塩基性有機酸からなり、前記一塩基性有機酸が、前記繊維要素全体に分散されている、pH調整剤と、
d.前記複数の繊維要素が、互いに絡み合っているか、又は他の方法で結合して、前記繊維性物品を形成する、
溶解性固体繊維性シャンプー物品。
【請求項2】
前記一塩基性有機酸が、乳酸、酢酸、グリコール酸、グリセリン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記一塩基性有機酸が、乳酸を含む、請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記繊維要素が、クエン酸を実質的に含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
前記主アニオン性界面活性剤が、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ココイルグルタミン酸TEA、若しくはそれらの組み合わせからなる群から選択されるグルタメート界面活性剤、又はココイルアラニン酸ナトリウム、ラウロイルアラニン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-l-アラニン酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせから選択されるアラニネート界面活性剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記ポリマー構造化剤が、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記繊維要素が、均質である、請求項1~6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記物品が、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-10、カチオン性グアー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるカチオン性ポリマーを更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
前記物品が、ハンド溶解試験方法に従って、
15ストローク未
満のハンド溶解値を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
前記物品が、ヒドラトロープ(hydratrope)と、二塩基性及び三塩基性有機酸並びにそれらの塩と、それらの組み合わせと、からなる群から選択される添加剤を含むコーティングを更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
前記二塩基性及び三塩基性有機酸が、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、タルトロン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、及びそれらの塩、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記二塩基性及び三塩基性有機酸が、クエン酸及びその塩を含む、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記ヒドラトロープ(hydratrope)が、キシレンスルホン酸ナトリウム、尿素、トルエンスルホン酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の物品。
【請求項14】
物品2.5グラム当たり7mLの水道水で前記物品が水和されたときに、前記物品が、レオロジー試験方法に従って、25℃で5Pa~150P
aのG’を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の物品。
【請求項15】
前記物品が水和されたときに滑らかでクリーム状であるシャンプー組成物を提供するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の物品の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維性物品、より具体的には、1つ以上のアニオン性界面活性剤、具体的にはスルフェート系界面活性剤を実質的に含まないか、又は含まないアニオン性界面活性剤を含む、溶解性繊維性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
今日市販されている、シャンプーを含む多くのパーソナルケア製品及び他の消費者製品は、液体形態で販売されている。液体製品は、広く使用されているものの、多くの場合、梱包、保管、輸送、及び使用利便性の点で妥協点を有する。例えば、これらの製品は、一般に、相当量の液体、例えば、水(例えば、約80%以上)、防腐剤、及び安定剤とともに配合されるため、著しい量のかさが付加され、輸送及び保管が非効率的になり、かつ費用がかかる。また、液体パーソナルケア製品は、製品の適用量及び送達を制御する観点から、使用が困難となる場合がある。
【0003】
これらの欠点のいくつかを克服するために、パーソナルケア製品を繊維性物品などの固体物品として配合することが望ましい場合がある。物品が滑らかな組成物に迅速に溶解することができるため、繊維性物品が望ましい場合がある。シャンプーである繊維性物品は、消費者に許容可能な量の泡を提供することができる。
【0004】
繊維性物品は、少なくともポリマー構造化剤、界面活性剤、及び水などの揮発性液体溶媒を含む溶融物であり得るフィラメント形成組成物から作製され得る。フィラメント形成組成物は、紡糸用ダイを介して1つ以上の繊維要素に紡糸され得る。紡糸後、繊維要素を乾燥させて液体溶媒を除去し、次いで繊維要素をベルト上に収集して、繊維要素を含む繊維性物品を形成し得る。
【0005】
繊維要素を効率的に製造することは困難であり得るため、これらの製品は量販され得る。繊維性物品をより効率的に作製する1つの方式は、溶融物中の界面活性剤の濃度を30~35%から少なくとも40%に増加させ、それによって乾燥工程中に繊維要素から除去する必要がある液体溶媒の量を減少させることである。蒸発を助けるために、25℃から35℃超に紡糸中の溶融物温度を上昇させることによっても、効率を改善することができる。しかしながら、界面活性剤の濃度を増加させること及び/又は温度を上昇させることにより、相分離並びに/又はレオロジー及び弾性率の破壊を引き起こす可能性があり、これにより、繊維を紡糸させることが困難になり得る。
【0006】
更に、溶融組成物を紡糸して消費者に許容可能な繊維要素にするためには、溶融組成物は、粘性かつ弾性である必要がある。しかしながら、この溶融組成物から作製された最終物品を再水和して使用する場合、それは、滑らかな液体シャンプーのような感触ではなく、代わりに、溶解物品は、ユーザの手で粘着性、糸引き、及び/又は粘り気を感じ得る溶融物様ゲルに戻る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、溶融組成物が少なくとも40%の固形分及び35℃超の温度を有する場合に、相安定性であり、かつそのレオロジー(G’)を維持する溶融組成物が依然として必要とされている。また、水和すると、滑らかでクリーム状であるシャンプー組成物を形成する繊維性物品が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
複数の繊維要素を含む溶解性固体繊維性シャンプー物品であって、(a)乾燥物品基準で約1重量%~約50重量%のポリマー構造化剤と、(b)乾燥物品基準で約20重量%~約70重量%の界面活性剤系であって、(i)乾燥物品基準で界面活性剤系の約35重量%~約90重量%の主アニオン性界面活性剤と、(ii)乾燥物品基準で界面活性剤系の約10重量%~約65重量%の補助界面活性剤と、を含み、界面活性剤系が、スルフェート系界面活性剤を実質的に含まない、界面活性剤系と、(c)乾燥物品基準で約0.5重量%~約5重量%のpH調整剤であって、pH調整剤が、一塩基性有機酸からなり、一塩基性有機酸が、繊維要素全体に分散されている、pH調整剤と、を含み、複数の繊維要素が、互いに絡み合っているか、又は他の方法で結合して、繊維性物品を形成する、溶解性固体繊維性シャンプー物品。
【0009】
溶融組成物であって、(a)約1重量%~約50重量%のポリマー構造化剤と、(b)約20重量%~約70重量%の界面活性剤系であって、(i)界面活性剤系の約35重量%~約90重量%の主アニオン性界面活性剤と、(ii)界面活性剤系の約10重量%~約65重量%の補助界面活性剤と、を含み、界面活性剤系が、スルフェート系界面活性剤を実質的に含まない、界面活性剤系と、(c)≧40%の溶融物総固形分含量%と、(d)pH試験方法に従って約5.8~約7のpHと、(e)レオロジー試験方法に従って40℃でのG’≧25Paと、を含み、溶融組成物が、25℃及び40℃で相安定性である、溶融組成物。
【0010】
複数の繊維要素を含む溶解性固体繊維性シャンプー物品であって、(a)乾燥物品基準で約1重量%~約50重量%のポリマー構造化剤と、(b)乾燥物品基準で約10重量%~約90重量%の界面活性剤系であって、界面活性剤系が、スルフェート系界面活性剤を実質的に含まない、界面活性剤系と、(c)ヒドロトロープ、二塩基性及び三塩基性有機酸並びにそれらの塩、又はそれらの組み合わせから選択される添加剤を含むコーティングと、を含み、複数の繊維要素が、互いに絡み合っているか、又は他の方法で結合して、繊維性物品を形成する、溶解性固体繊維性シャンプー物品。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書は、本発明の主題を具体的に指摘して明確に特許請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付図面と関連させた次の説明によってより容易に理解することができると考えられる。
【
図1A】繊維要素を紡糸するにはレオロジーが低い溶融組成物を有するスライドガラスの写真である。
【
図1B】2本の指を引き離すことによって繊維要素を作製しようとする試みで実証されるように、繊維要素を紡糸するにはレオロジーが低い溶融組成物の写真である。
【
図1C】2本の指を引き離すことによって繊維要素を作製しようとする試みで実証されるように、繊維要素を紡糸するにはレオロジーが低い溶融組成物の写真である。
【
図2A】繊維要素を紡糸するのに十分なレオロジーを有する、溶融組成物を有するスライドガラスの写真である。
【
図2B】2本の指を引き離すことによって繊維要素を作製しようとする試みで実証されるように、繊維要素を紡糸するのに十分なレオロジーを有する溶融組成物の写真である。
【
図3】フィラメントを含有する繊維性物品の例である。
【
図5】本発明の繊維要素を作製するためのプロセスの例の概略図である。
【
図6】
図5のプロセスにおいて使用される、拡大図を含む、ダイの例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
固体繊維性物品を含む固体物品として、シャンプーなどのパーソナルケア製品を配合することが望ましい場合がある。繊維性物品の利点は、それが液体パーソナルケア物品に急速に溶解することができることである。しかしながら、これらの物品を商業的に実行可能にするためには、製造プロセスが効率的である必要があり、物品は、均質で滑らかでクリーム状であるシャンプー組成物に溶解する必要がある。
【0013】
製造効率を改善するために、溶融物中の界面活性剤の濃度を30~35%から少なくとも40%に増加させ、紡糸中の溶融物温度を25℃~35℃超に上昇させることが望ましい場合がある。
【0014】
繊維性物品は、少なくともポリマー構造化剤、界面活性剤、及び水などの揮発性溶媒を含む溶融物であり得る、フィラメント形成組成物から作製され得る。フィラメント形成組成物は、紡糸用ダイを介して1つ以上の繊維要素に紡糸され得る。フィラメント形成組成物が繊維要素に紡糸される前に、pHは、典型的にはクエン酸で調整される。pHは、約6のpHに調整され得るため、人の毛髪及び頭皮に安全かつ効果的である。更に、グルタメート界面活性剤及びアラニネート界面活性剤などのスルフェートを含まないアニオン性界面活性剤を含むシャンプーは、約6のpHでより良好に機能することができる。
【0015】
しかしながら、溶融組成物が≧40%の固形分を有し、かつ40℃まで加熱される場合、クエン酸を添加したときに、溶融組成物が凝固し、許容可能な繊維要素を紡糸することが不可能であることが見出された。したがって、新しいpH調整剤は、≧40%の固形分を含有し、かつ≧35℃まで加熱される溶融物において、溶融物を相分離せず、かつ溶融物のレオロジー(G’≧50Pa)を維持したことを識別する必要があった。
【0016】
図1A、
図1B、及び
図1Cは、繊維要素を形成するのに適切なレオロジーを有さない溶融組成物を強調する写真である。
図1A、
図1B、及び
図1Cの溶融組成物は、以下の表1からの99.78%の実施例Aであり、0.22%のクエン酸を添加した(以下の表4に示すように)。この溶融組成物は、5.5のpHを有する。
図1Aは、溶融組成物を有するスライドガラスの写真である。スライドは、ピペット先端を使用して溶融物の試料から繊維を引き出すことを試み、スライドガラスの周りで回すことによって作製した。しかしながら、紡糸可能な繊維を形成する代わりに、スライドガラスは、溶融組成物の塊を示す。同様に、
図1B及び
図1Cは、溶融組成物を人差し指に付け、親指及び人差し指を合わせてからそれらを引き離すことによって、薄い繊維が作製され得るかを確認する写真である。
図1B及び
図1Cの両方において、溶融組成物は、薄い繊維を形成する代わりに、指の上に塊として残る。
【0017】
乳酸を溶融組成物に添加して、≧40%の固形分を含有する溶融物に対してpHを調整して≧35℃まで加熱すると、溶融物は、そのレオロジー及び相安定性を維持したことが見出された。
【0018】
図2A及び
図2Bは、繊維要素を形成するのに適切なレオロジーを有する溶融組成物を強調する写真である。
図2A及び
図2Bの溶融組成物は、以下の表1からの実施例1である。実施例1は、40%超の溶融物総固形分含量を含有し、乳酸を含む。スライドは、
図1Aに関して上で考察されたように作製した。しかしながら、
図1Aとは異なり、スライドは、微細な繊維要素を示し、これは、この溶融組成物が繊維要素に紡糸可能であり得ることを示す。更に、実施例1の溶融組成物が親指と人差し指との間に配置されると、
図2Bに示されるように、指が離れて移動するときに、微細な繊維要素が形成される。
【0019】
しかしながら、この溶融物から作製された繊維性物品は、依然として、液体シャンプーのような滑らかでクリーム状の感触の代わりに、ユーザの手で再水和した後に粘着性、糸引き、及び/又は粘り気を感じ得る。再水和された繊維性物品の糸引きを防止する1つの方式は、溶融物のレオロジーを低減することであろう。しかしながら、40℃でG’≧50Paを有さない溶融物から繊維を紡糸することは非常に困難であり得る。したがって、活性剤を乾燥繊維要素及び/又は物品に添加して、使用中に製品が濡れたときに弾性率を低減することができる。活性剤は、水和物品と相互作用して、毛髪に適用する前に手で擦るときに均質で非粘着性のゲル又はクリームをもたらし得る。粘着性が低減すると、製品が毛髪繊維上により容易かつより均一に広がる。
【0020】
二塩基性及び三塩基性酸から形成される有機酸(例えば、クエン酸)及びそれらの塩(例えば、クエン酸ナトリウム)並びに/又はヒドラトロープ(hydratrope)(例えば、キシレンスルホン酸ナトリウム)を含むがこれらに限定されない添加剤は、繊維要素の全て若しくは一部並びに/又は繊維性物品の全部若しくは一部分にコーティングとして添加され得る。添加剤は、固体粉末として固体繊維構造及び/又は繊維要素に添加され得る。いくつかの例では、添加剤は、溶融物に添加され得、繊維構造全体に分布し得る。繊維性物品及び/又は繊維要素は、物品の約0.05重量%~約5重量%、代替的に約0.1重量%~約3重量%、代替的に約0.2重量%~約2重量%、代替的に約0.3重量%~約1重量%、及び代替的に約0.4重量%~約0.7重量%の添加剤を含有し得る。添加剤は、水和製品のレオロジー/弾性を低減させ、製品が、ユーザの毛髪全体に均一に広がりやすくする低減した粘着性を有する、滑らかで均質な液体に溶解することを可能にし得る。
【0021】
添加剤は、25℃で固体である二塩基性及び三塩基性酸から形成される有機酸及びそれらの塩であり得る。有機酸の非限定的な例としては、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、タルトロン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、及びそれらの塩、並びにそれらの組み合わせが挙げられ得る。それらの塩の非限定的な例としては、クエン酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、マロン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0022】
例えば、クエン酸が物品の外面にコーティングとして添加されたとき、クエン酸が、水和製品のpHを修飾することによってレオロジー/弾性を低減させ(以下の表4及び表5を参照されたい)、スルフェートを含まないアニオン性界面活性剤を含有する物品に添加することができることが見出された。別の例では、クエン酸ナトリウムが、水和/溶解製品のレオロジー/弾性を低減するために、物品の外面にコーティングとして添加され得る(以下の表4を参照されたい)。クエン酸はまた、クエン酸ナトリウムを形成し得る。表5では、物品は、クエン酸及び重炭酸ナトリウムを含むコーティングを含有する。この例では、水和したときに、クエン酸の一部分が重炭酸ナトリウムと反応してクエン酸ナトリウムを形成し、クエン酸及びクエン酸ナトリウムの両方が、水和シャンプー組成物のレオロジーを変化させるように作用する。
【0023】
添加剤はまた、ヒドラトロープ(hydratrope)であり得る。ヒドラトロープ(hydratrope)の非限定的な例としては、キシレンスルホン酸ナトリウム、尿素、トルエンスルホン酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせが挙げられ得る。例えば、キシレンスルホン酸ナトリウムは、物品の外面にコーティングとして添加され得る。
【0024】
溶融組成物は、≧35%、代替的に≧38%、代替的に≧40%、代替的に≧42%、及び代替的に≧45%の溶融物総固形分含量%を有し得る。溶融組成物は、約35%~約60%、代替的に約38%~約55%、及び代替的に約40%~約50%の溶解物総固形分含量%を有し得る。総固形分含量%は、液体が蒸発した後に溶融物中に残り、原材料からの界面活性剤固形分、ポリマー固形分、及び塩を含み得る。
【0025】
溶融組成物は、約5.5~約7.5、代替的に約5.8~約7、代替的に約6~約6.5、及び代替的に約6.0~約6.3のpHを有し得る。pHは、以下に記載するpH試験方法を使用して決定する。
【0026】
溶融組成物は、40℃で≧25Pa、代替的に≧30、代替的に≧35、代替的に≧40Pa、代替的に≧45、及び代替的に≧50PaのG’を有し得る。溶融組成物は、40℃で25Pa~約100Pa、代替的に約30Pa~約95Pa、代替的に約40Pa~約90Pa、代替的に約45Pa~約80Pa、代替的に約50Pa~約75PaのG’を有し得る。G’は、以下に記載のレオロジー方法によって決定することができる。40℃でのG’’は、約30Pa~約300Pa、代替的に約50Pa~約200Pa、代替的に約70Pa~約160Pa、及び代替的に約80Pa~約150Paであり得る。溶融組成物は、40℃で約2.8及び約4.8、代替的に約2.9~約4.5、及び代替的に約3~約4.2のタンデルタ(G’’/G’の比率)を有し得る。
【0027】
溶融組成物及び/又は水和繊維要素(物品2.5g当たり、Mason,Ohioからの7mLの温水水道水で水和され、均質なシャンプー製品を形成するまで混合される)は、以下に記載のレオロジー試験方法によって決定されるとき、25℃で、G’(Pa)、G’’(Pa)、及び剪断応力(Pa.s)を有し得る。G’は、≦200Pa、代替的に≦150Pa、代替的に≦100Pa、代替的に≦75Pa、代替的に≦60Pa、及び代替的に≦50Paであり得る。G’は、5Pa~約150Pa、代替的に約10Pa~約100Pa、代替的に約12Pa~約75Pa、及び代替的に約15Pa~約50Paであり得る。G’’は、≦200Pa、代替的に≦150Pa、代替的に≦135Pa、及び代替的に≦100Paであり得る。G’’は、約10Pa~約300Pa、代替的に約20Pa~約200Pa、代替的に約50Pa~約160Pa、及び代替的に約80Pa~約150Paであり得る。剪断応力は、≦300Pa.s、代替的に≦200Pa.s、代替的に≦155Pa.s、代替的に≦100Pa.s、代替的に≦50Pa.s、及び代替的に≦40Pa.sであり得る。剪断応力は、約5~約300Pa.s、代替的に約10~約200Pa.s、代替的に約12~約150Pa.s、代替的に約15~約100Pa.s、及び代替的に約25~約50Pa.sであり得る。
【0028】
溶融物及び/又は繊維要素は、pH調整剤を含有し得、pH調整剤は、一塩基性有機酸であり得る。一塩基性有機酸は、乳酸、酢酸、グリコール酸、グリセリン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。一塩基酸は、繊維要素全体に分散され得る。pH調整剤は、繊維要素全体に存在し得る。いくつかの例では、繊維要素及び/又は繊維性物品は、コーティングを含まない。他の例では、繊維要素及び/又は繊維性物品は、コーティングを含み得、コーティングは、一塩基酸を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。
【0029】
繊維性物品及び/又は繊維要素は、溶融物及び/又は繊維要素及び/又は繊維性物品の、約0.25重量%~約5重量%、代替的に約0.5重量%~約4重量%、代替的に約0.6重量%~約3.8重量%、代替的に約0.75重量%~約3.7重量%、代替的に約0.8重量%~約3.5重量%、代替的に約1重量%~約3重量%、代替的に約1.25重量%~約2重量%のpH調整剤を含有し得る。
【0030】
溶融物及び/又は繊維要素及び/又は繊維性物品は、二塩基性及び/又は三塩基性酸を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。いくつかの例では、繊維要素及び/又は繊維性物品は、二塩基性及び/又は三塩基性酸を含むコーティングを有し得るが、繊維要素は、繊維要素全体に分散された二塩基性及び/又は三塩基性酸を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。二塩基性酸は、シュウ酸、マロン酸、タルトロン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、及びそれらの組み合わせを含むジカルボン酸からなる群から選択され得る。三塩基性酸は、リン酸、クエン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。溶融物及び/又は繊維要素及び/又は物品は、クエン酸を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。クエン酸は、繊維要素全体に存在しない場合がある。クエン酸は、繊維性物品及び/又は繊維要素上のコーティング中に存在し得る。
【0031】
溶融物及び/又は繊維要素及び/又は繊維性物品は、≧1.85、代替的に≧1.9、代替的に≧2.0、代替的に≧2.2、代替的に≧2.3、及び代替的に≧2.4の総界面活性剤対総構造化剤の重量比を有し得る。溶融物及び/又は繊維要素及び/又は繊維性物品は、約1.85~約4、代替的に約1.9~約3.75、代替的に約2~約3.5、代替的に約2.1~約3、代替的に約2.25~約2.75、及び代替的に約2.3~約2.5の総界面活性剤対総構造化剤の重量比を有し得る。
【0032】
物品は、以下に記載するハンド溶解方法によって決定されるとき、約25ストローク未満、代替的に約15ストローク未満、代替的に12ストローク未満、代替的に10ストローク未満、代替的に約1~約25ストローク、代替的に約2~約15ストローク、代替的に約3~約10ストローク、代替的に約3~約9ストローク、及び代替的に約3~約7ストロークのハンド溶解値を有し得る。
【0033】
物品は、物品の約0.5重量%~約50重量%、代替的に約1重量%~約25重量%、代替的に約1.5重量%~約15重量%、代替的に約2重量%~約10重量%、代替的に約3重量%~約8重量%、及び代替的に約4重量%~約7.5重量%のコーティングを有し得る。
【0034】
定義
「溶解性」は、溶解性固体物品が水に完全に溶解するか、又は、以下に記載するハンド溶解試験に従って、水中で混合すると均一な分散液をもたらすことを意味する。溶解性固体物品は、ハンド溶解方法によって測定される場合、約1~約30ストローク、代替的に約2~約25ストローク、代替的に約3~約20ストローク、及び代替的に約4~約15ストロークのハンド溶解値を有し得る。
【0035】
本明細書で使用される場合、「繊維性物品」は、1つ以上の繊維要素と、任意選択的に1つ以上の粒子及び/又はコーティングとを含む構造を意味する。一例では、本発明による繊維性物品は、機能を発揮することが可能な、繊維要素と、任意選択的に、一体型構造などの構造をともに形成する粒子及び/又はコーティングとの結合を意味する。
【0036】
図3は、フィラメントを含有する繊維性物品の例である。
【0037】
本発明の繊維性物品は、均質であってもよく、又は層状であってもよい。層状である場合、繊維性物品は、少なくとも2つ、及び/又は少なくとも3つ、及び/又は少なくとも4つ、及び/又は少なくとも5つの層、例えば、1つ以上の繊維要素層、1つ以上の粒子層、及び/又は1つ以上の繊維要素/粒子混合層を含んでもよい。層は、繊維性物品内又は繊維性物品内の繊維要素層間に粒子層を含んでもよい。繊維要素を含む層は、プライと称される場合がある。プライは、本明細書に記載のように均質又は層状であり得る、繊維性物品であってもよい。
【0038】
一例では、本発明による単プライ繊維性物品、又は本発明による1つ以上の繊維性物品プライを含む多プライ繊維性物品は、本明細書に記載の坪量試験方法に従って測定される場合、5000g/m2未満の坪量を呈し得る。一例では、本発明による単プライ又は多プライ繊維性物品は、坪量試験方法に従って測定される場合、10g/m2超~約5000g/m2、及び/又は10g/m2超~約3000g/m2、及び/又は10g/m2超~約2000g/m2、及び/又は10g/m2超~約1000g/m2、及び/又は20g/m2超~約800g/m2、及び/又は30g/m2超~約600g/m2、及び/又は50g/m2超~約500g/m2、及び/又は100g/m2超~約800g/m2、及び/又は200g/m2超~約600g/m2の坪量を呈し得る。
【0039】
一例では、本発明の繊維性物品は、「一体型繊維性物品」であり得る。本明細書で使用される場合、「一体型繊維性物品」は、互いに絡み合っているか、又は他の方法で結合して繊維性物品を形成する、2つ以上及び/又は3つ以上の複数の繊維要素を含む配列物である。一体型繊維性物品は、任意選択的に粒子を含有することができる。本発明の一体型繊維性物品は、多プライ繊維性物品内の1つ以上のプライであり得る。一例では、本発明の一体型繊維性物品は、3つ以上の異なる繊維要素を含んでもよい。別の例では、本発明の一体型繊維性物品は、2つの異なる繊維要素、例えば、共形成された繊維性物品を含んでもよく、上部に異なる繊維要素が堆積されて、3つ以上の異なる繊維要素を含む繊維性物品を形成する。
【0040】
本明細書で使用される場合、「物品」は、消費者用ユニット、消費者用単位用量ユニット、消費者用販売可能ユニット、単回用量ユニット、又は一体型繊維性物品を含む、及び/若しくは本発明の1つ以上の繊維性物品を含む他の使用形態を指す。
【0041】
「乾燥フィラメント基準の重量」は、22℃±2℃の温度及び42%±4%の相対湿度に調整した室内で2時間フィラメントを調整した直後に測定された、フィラメントの重量を意味する。同様に、「乾燥繊維要素基準の重量」又は「乾燥繊維性物品基準の重量」は、22℃±2℃の温度及び42%±4%の相対湿度に調整した室内で2時間繊維要素を調整した後の、繊維要素又は構造の重量を意味する。
【0042】
本明細書で使用される場合、「繊維要素」は、その平均直径を大きく上回る長さを有し、すなわち、長さ対平均直径の比率が少なくとも約10である、細長い粒子を意味する。繊維要素は、フィラメント又は繊維であり得る。一例では、繊維要素は、複数の繊維要素を含む糸ではなく、単一の繊維要素であり得る。
【0043】
本発明の繊維要素は、メルトブロー、スパンボンディング、エレクトロスピニング及び/又は回転紡糸などの好適な紡糸プロセス操作を介して、繊維要素形成組成物とも称されるフィラメント形成組成物から紡糸されてもよい。
【0044】
本発明の繊維要素は、1成分型及び/又は多成分型であってもよい。例えば、繊維要素は、2成分型繊維及び/又はフィラメントを含んでもよい。2成分型繊維及び/又はフィラメントは、サイドバイサイド型、芯鞘型、海島型などの任意の形態であり得る。
【0045】
本明細書で使用される場合、「フィラメント」は、5.08cm(2インチ)以上、及び/又は7.62cm(3インチ)以上、及び/又は10.16cm(4インチ)以上、及び/又は15.24cm(6インチ)以上の長さを呈する上記のような細長い粒子を意味する。フィラメントは、典型的には、本質的に連続的であるか又は実質的に連続的であるとみなされる。フィラメントは、繊維よりも相対的に長い。フィラメントの非限定的な例としては、メルトブローンフィラメント及び/又はスパンボンドフィラメントが挙げられる。フィラメントに紡糸することができるポリマーの非限定的な例としては、例えば、デンプン、デンプン誘導体、セルロース(例えば、レーヨン及び/又はリヨセル)、セルロース誘導体、ヘミセルロース、及びヘミセルロース誘導体などの天然ポリマー、並びに熱可塑性ポリマーフィラメント、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレンフィラメント、及びポリエチレンフィラメント)、並びに生分解性熱可塑性繊維、例えば、ポリ乳酸フィラメント、ポリヒドロキシアルカノエートフィラメント、ポリエステルアミドフィラメント、及びポリカプロラクトンフィラメントが挙げられるが、これらに限定されない合成ポリマーが挙げられる。
【0046】
本明細書で使用される場合、「繊維」は、5.08cm(2インチ)未満、及び/又は3.81cm(1.5インチ)未満、及び/又は2.54cm(1インチ)未満の長さを呈する上記のような細長い粒子を意味する。
【0047】
典型的には、繊維は、本質的に不連続とみなされる。繊維の非限定的な例としては、本発明のフィラメント又はフィラメントトウを紡糸し、その後フィラメント又はフィラメントトウを5.08cm(2インチ)未満の断片に切断することにより生産された短繊維が挙げられる。
【0048】
一例では、フィラメントがより短い長さ(5.08cm未満の長さなど)に切断された場合などに、本発明のフィラメントから1つ以上の繊維を形成してもよい。したがって、一例では、本発明はまた、1つ以上のポリマー構造化剤、並びに界面活性剤及び高融点油脂材料などの1つ以上の他の成分を含む繊維などの、本発明のフィラメントから作製される繊維も含む。したがって、本明細書における本発明のフィラメントへの言及は、別途記載されない限り、そのようなフィラメントから作製された繊維も含む。繊維は、典型的には、本質的に連続的であるとみなされるフィラメントに対して、本質的に不連続であるとみなされる。
【0049】
本明細書で使用される場合、「フィラメント形成組成物」及び/又は「繊維要素形成組成物」は、メルトブロー及び/又はスパンボンディングなどにより本発明の繊維要素を作製するために好適であり得る組成物を意味する。フィラメント形成組成物は、1つ以上のポリマー構造化剤を含み、そのフィラメント形成組成物を繊維要素へと紡糸するために好適なものにする特性を呈する。加えて、フィラメント形成組成物は、水などの1つ以上の極性溶媒を含んでもよく、その極性溶媒中に、1つ以上の、例えば、全てのポリマー構造化剤及び/又は1つ以上の、例えば、全ての界面活性剤が、フィラメントなどの繊維要素をフィラメント形成組成物から紡糸する前に溶解される、かつ/又は分散される。一例では
図4に示すように、本発明のフィラメント形成組成物から作製される本発明のフィラメント10は、1つ以上の活性物質12、例えば、1つ以上の活性剤が、繊維要素及び/又は粒子中の活性剤と同じであるか又は異なり得る1つ以上の活性剤を含むコーティング組成物など、フィラメント上ではなくフィラメント内に存在してもよい。
【0050】
一例では、1つ以上の活性剤などの添加剤は、繊維要素中に存在してもよく、1つ以上の活性剤などの追加の添加剤は、繊維要素の表面上に存在してもよい。別の例では、本発明の繊維要素は、元々作製時には繊維要素中に存在するが、繊維要素の意図される使用条件に曝される前及び/又は曝されたときに、繊維要素の表面にブルームを形成する、活性剤などの1つ以上の添加剤を含んでもよい。
【0051】
本明細書で使用される場合、「ビニルピロリドンコポリマー」(及びこれを参照して使用する場合、「コポリマー」)は、以下の構造(I)のポリマーを指す。
【0052】
【化1】
構造(I)では、nは、ポリマー構造化剤が、本明細書に記載の特徴を有するような重合度を有するような整数である。明確にするため、用語「コポリマー」の使用は、ビニルピロリドンモノマーが、酢酸ビニル、アルキル化ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルバレロラクタム、ビニルイミダゾール、アクリル酸、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメタクリルアミド、アルキルアミノメタクリレート及びアルキルアミノメタクリルアミドモノマーなどの非限定的な他のモノマーと共重合することができるということを伝えることが意図されている。
【0053】
本明細書で使用される場合、「酢酸ビニル-ビニルアルコールコポリマー」(及びこれを参照して使用する場合、「コポリマー」)は、以下の構造(I)のポリマーを指す。
【0054】
【化2】
構造(I)では、m及びnは、ポリマー構造化剤が、本明細書に記載の重合度及びアルコールパーセント特徴を有するような整数である。明確にするため、用語「コポリマー」のこの使用は、本発明の部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルがビニルアルコール及び酢酸ビニル単位を含むことを伝えることが意図されている。下で考察されるように、ポリマー構造化剤は、酢酸ビニル及びビニルアルコールモノマー単位の重合(部分的にビニルアルコールの不安定性による)とは対照的に、通常は、酢酸ビニルモノマーを重合し、続いて酢酸エステル基の一部をアルコール基に加水分解することによって調製される。
【0055】
本明細書で使用される場合、「意図される使用条件」は、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品をその設計用途の1つ以上のために使用するときに、本発明の繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品が曝される温度条件、物理的条件、化学的条件、及び/又は機械的条件を意味する。例えば、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維要素を含む繊維性物品が、ヘアケア目的のためにシャンプーとしてヒトによって使用されるように設計されている場合、意図される使用条件は、ヒトの毛髪のシャンプー中に存在する温度条件、化学的条件、物理的条件、及び/又は機械的条件を含むこととなる。同様に、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維要素を含む繊維性物品が、手又は食器洗浄機による食器洗浄操作において使用されるように設計されている場合、意図される使用条件は、食器洗浄操作中の食器洗浄水及び/又は食器洗浄機中に存在する、温度条件、化学的条件、物理的条件、及び/又は機械的条件を含むこととなる。
【0056】
本明細書で使用される場合、「活性剤」は、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は本発明の繊維要素を含む繊維性物品の外部の環境において、例えば、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品が、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維要素を含む繊維性物品の意図される使用条件に曝される場合に、意図した効果を生じさせる添加剤を意味する。一例では、活性剤は、軟質表面(すなわち、毛髪、皮膚)などの表面を処理する添加剤を含む。別の例では、活性剤は、化学反応(すなわち、起泡、発泡、着色、加温、冷却、泡立ち、消毒及び/又は浄化及び/又は塩素消毒(水の浄化、及び/又は水の消毒、及び/又は水の塩素消毒など))を生じさせる添加剤を含む。更に別の例では、活性剤は、環境を処理する(すなわち、脱臭する、浄化する、芳香を付する)添加剤を含む。一例では、活性剤は、活性剤を含有する繊維要素及び/又は粒子の形成中などで、その場で形成され、例えば、繊維要素及び/又は粒子は、溶解性ポリマー(例えば、デンプン)及び界面活性剤(例えば、アニオン性界面活性剤)を含んでもよく、溶解性ポリマー及び界面活性剤は、毛髪及び/又は頭皮を処理するのに使用される活性剤として機能する高分子複合体、又はコアセルベートを作り出してもよい。一例では、活性剤は、界面活性剤及び添加剤を含むがこれらに限定されない、ポリマー構造化剤以外の溶融物、繊維要素、及び/又は繊維性物品中の全ての組成物を含み得る。
【0057】
表面の処理に関して本明細書で使用される場合、「処理する」は、活性剤が、表面又は環境に利益をもたらすことを意味する。処理としては、表面の清浄度、におい、純度、及び/又は感触の調節及び/又は速やかな改善が挙げられる。一例では、ケラチン性組織(例えば、皮膚及び/又は毛髪)表面の処理に関する処理は、ケラチン性組織の美容上の外観及び/又は感触の調節及び/又は速やかな改善を意味する。例えば、「皮膚、毛髪、又は爪(ケラチン性組織)の条件の調節」としては、皮膚、毛髪、又は爪の萎縮を低減するための、皮膚、毛髪、又は爪の肥厚化(例えば、皮膚の表皮及び/又は真皮及び/又は皮下(例えば、皮下脂肪又は筋肉)層の構築、並びに適用可能である場合、爪及び毛幹の角質層の構築)、真皮-表皮の境界(乳頭間隆起としても既知)の回旋の増加、弾性線維症、たるみ、変形からの皮膚又は毛髪の回復の喪失などの、皮膚又は毛髪の弾性の喪失(機能的皮膚エラスチンの喪失、損傷、及び/又は不活性化)の防止、目の下のくま、染み(例えば、酒さなどによる不均一な赤味)(以下、「赤斑」と称される)、血色の悪さ(青白い色)、毛細血管拡張症又はクモ状血管によって引き起こされる変色、及び白髪などの、皮膚、毛髪、又は爪の色のメラニン性変化又は非メラニン性変化の防止が挙げられる。
【0058】
本明細書で使用される場合、「重量比」は、乾燥基準での2つの材料間の比率を意味する。
【0059】
本明細書で使用される場合、「水溶性材料」は、水に混和性である材料を意味する。言い換えれば、周囲条件で、水と、安定した(均質な液を形成した後、5分超にわたって分離しない)均質な溶液を形成することが可能な材料である。本明細書で使用される場合、「非水溶性」は、水に浸漬したときに溶解しない又は容易に分解しない材料、粒子、及び/又は基材を意味する。場合によっては、非水溶性材料は、水に曝されると膨張する。
【0060】
本明細書で使用される場合、「周囲条件」は、22℃±2℃及び相対湿度42%±4%を意味する。
【0061】
本明細書で使用される場合、「分子量」又は「M.Wt.」は、別途記述されない限り、重量平均分子量を指す。分子量は、業界標準法であるゲル浸透クロマトグラフィ(gel permeation chromatography、「GPC」)を使用して測定される。
【0062】
繊維要素に関して本明細書で使用される場合、「長さ」は、一方の末端から他方の末端までの繊維要素の最長軸に沿った長さを意味する。繊維要素が内部にねじれ、丸まり、又は曲がりを有する場合、長さは一方の末端から他方の末端までの繊維要素の全経路に沿った長さである。
【0063】
繊維要素に関して本明細書で使用される場合、「直径」は、本明細書に記載の直径試験方法に従って測定される。一例では、本発明の繊維要素は、100μm未満、及び/又は75μm未満、及び/又は50μm未満、及び/又は25μm未満、及び/又は20μm未満、及び/又は15μm未満、及び/又は10μm未満、及び/又は6μm未満、及び/又は1μm超、及び/又は3μm超の直径を呈する。
【0064】
本明細書で使用される場合、「誘発条件」は、一例では、刺激として機能し、繊維要素及び/若しくは繊維性物品の物理的構造の喪失若しくは変換などの本発明の繊維要素、及び/若しくは粒子、及び/若しくは繊維性物品における変化、並びに/又は、活性剤などの添加剤の放出を開始させる又は引き起こす、作用又は事象としてのあらゆるものを意味する。別の例では、誘発条件は、本発明の繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品を水に添加したときに、水などの環境中に存在していてもよい。言い換えれば、本発明の繊維要素及び/又は繊維性物品が水に添加されたという事実を除いて、水中で変化は生じない。
【0065】
繊維要素の、及び/又は粒子の形態変化に関して本明細書で使用される場合、「形態変化」は、繊維要素が、その物理的構造の変化を経験することを意味する。本発明の繊維要素及び/又は粒子の形態変化の非限定的な例としては、溶解、溶融、膨張、収縮、粉砕、破裂、延長、短縮、及びそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の繊維要素及び/又は粒子は、意図される使用条件に曝される場合に、その繊維要素及び/又は粒子の物理的構造を完全に、又は実質的に失ってもよく、又はその形態が変化してもよく、又はその繊維要素又は粒子の物理的構造を保持するか、又は実質的に保持してもよい。
【0066】
「乾燥繊維要素基準での重量」及び/又は「乾燥繊維性物品基準での重量」は、それぞれ、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品がそれぞれ、温度22℃±2℃及び相対湿度42%±4%に調整した室内で2時間調整された直後に測定された、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品の重量を意味する。一例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準での重量は、本明細書に記載の含水率試験方法に従って測定される場合、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品が、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品の乾燥重量に基づいて、20重量%未満、及び/又は15重量%未満、及び/又は10重量%未満、及び/又は7重量%未満、及び/又は5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は0重量%まで、及び/又は0重量%超までの水、例えば、遊離水などの水分を含むことを意味する。
【0067】
例えば、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品中に存在する1つ以上の活性剤の総濃度に関して本明細書で使用される場合、「総濃度」は、被験材料、例えば、活性剤の全ての重量又は重量%の合計を意味する。言い換えれば、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品は、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品中に存在する活性剤の総濃度が50重量%超になるように、すなわち、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で55重量%超になるように、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で25重量%のアニオン性界面活性剤と、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で15重量%の非イオン性界面活性剤と、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で10重量%のキレート剤と、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で5重量%の香料と、を含み得る。
【0068】
本明細書で使用される場合、「繊維性物品製品」は、1つ以上の活性剤、例えば、ヘアケア活性剤、シャンプー活性剤、コンディショニング活性剤、及びそれらの混合物を含む、固体形態、例えば、時にシートと称される矩形の固体を意味する。一例では、本発明の繊維性物品製品は、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の酵素(酵素顆粒の形態でなど)、1つ以上の香料、及び/又は1つ以上の抑泡剤を含む。別の例では、本発明の繊維性物品製品は、ビルダー及び/又はキレート剤を含む。別の例では、本発明の繊維性物品製品は、漂白剤(カプセル化された漂白剤など)を含む。
【0069】
繊維要素及び/又は粒子に関して本明細書で使用される場合、「結合する(Associate)」、「結合される(Associated)」、「結合体(Association)」、及び/又は「結合している(Associating)」は、繊維性物品が形成されるように、繊維要素及び/又は粒子を直接接触又は間接接触のいずれかで組み合わせることを意味する。一例では、結合される繊維要素及び/又は粒子は、例えば、接着剤及び/又は熱接着によって互いに接着され得る。別の例では、繊維要素及び/又は粒子は、ベルト及び/又はパターン付きベルトを作製する同一の繊維性物品上に付着させることによって互いに結合され得る。
【0070】
本明細書で使用される場合、「プライ」は、他のプライと実質的に連続の向かい合わせの関係に任意選択的に配置され、多プライ繊維性物品を形成する、個々の繊維性物品を意味する。単一繊維性物品は、例えば、それ自体の上に折り畳むことによって、2「プライ」又は多「プライ」を有効に形成することができることも意図される。
【0071】
本明細書で使用される場合、用語「含まない」は、溶融組成物、又は繊維性要素、又は繊維性物品が、組成物の総重量で、又は繊維性物品の総重量で、又は物品の総重量で、0%の成分を含むこと、したがって、言及された成分の検出可能な量を含まないことを意味する。
【0072】
本明細書で使用される場合、用語「実質的に含まない」は、溶融組成物の総重量、又は繊維要素の総重量、又は繊維性物品の総重量で、1%未満、0.8%未満、0.5%未満、0.3%未満、0.1%未満、又はわずかな量未満の言及された成分を意味する。
【0073】
本明細書で使用される場合、例えば、「アニオン性界面活性剤(an anionic surfactant)」又は「繊維(a fiber)」などのように本明細書で使用される場合の冠詞「a」及び「an」は、特許請求又は記載される1つ以上の材料を意味すると理解される。
【0074】
本明細書で使用される場合、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」は、非限定的であることを意味する。
【0075】
全ての百分率及び比率は、別途示されない限り、重量基準で計算される。全ての百分率及び比率は、別途示されない限り、全組成に基づいて計算される。
【0076】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、そのようなより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、そのようなより大きい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0077】
別途記載されない限り、全ての構成成分又は組成物の濃度は、その成分又は組成物の活性濃度に関するものであり、市販の供給源中に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0078】
繊維性物品
繊維構物品は、複数の繊維要素、例えば複数のフィラメントを含み得る。繊維性物品は、ポリマー構造化剤と、界面活性剤系と、任意選択的に繊維要素又はコーティング中に存在し得る添加剤とを含有する繊維要素を含み得る。
【0079】
図4は、本発明による繊維要素の例の概略図である。フィラメントは、均質であり得る。
【0080】
一例では、繊維性物品は、組成物の観点から、同一であるか又は実質的に同一である複数の繊維要素を含む。別の例では、繊維性物品は、本発明による2つ以上の異なる繊維要素を含んでもよい。繊維要素の相違点の非限定的な例は、直径、長さ、テクスチャ、形状、剛性、弾性の違いなどの物理的な違い;架橋レベル、溶解度、融点、Tg、活性剤、ポリマー構造化剤、色、活性剤の濃度、坪量、ポリマー構造化剤の濃度、繊維要素上の任意のコーティングの存在、生分解性であるか否か、疎水性であるか否か、接触角などの化学的な違い;意図される使用条件に繊維要素が曝されたときに、繊維要素がその物理的構造を失うかどうかの違い;意図される使用条件に繊維要素が曝されたときに、繊維要素の形態が変化するかどうかの違い、及び意図される使用条件に繊維要素が曝されたときに、繊維要素がその活性剤のうちの1つ以上を放出する速度の違いであり得る。一例では、繊維性物品内の2つ以上の繊維要素及び/又は粒子は、異なる活性剤を含んでもよい。これは、異なる活性剤、例えばアニオン性界面活性剤(例えば、シャンプー活性剤)及びカチオン性界面活性剤(例えば、ヘアコンディショナー活性剤)が互いに相溶性ではない場合に該当し得る。
【0081】
別の例では、繊維性物品は、異なる領域、例えば、坪量、密度、及び/又は厚さの異なる領域を呈し得る。更に別の例では、繊維性物品は、その表面のうちの1つ以上にテクスチャを含み得る。繊維性物品の表面は、非ランダムな反復パターンなどのパターンを含んでもよい。繊維性物品は、エンボスパターンでエンボス加工されてもよい。別の例では、繊維性物品は、開口を含んでもよい。開口は、非ランダムな反復パターンで配置されてもよい。
【0082】
一例では、本発明の繊維性物品は、本明細書に記載の厚さ試験方法に従って測定される場合、0.01mm超、及び/又は0.05mm超、及び/又は0.1mm超、及び/又は約100mmまで、及び/又は約50mmまで、及び/又は約20mmまで、及び/又は約10mmまで、及び/又は約5mmまで、及び/又は約2mmまで、及び/又は約0.5mmまで、及び/又は約0.3mmまでの厚さを呈する。
【0083】
繊維性物品の場合、構造は、例えば、平均直径が約150マイクロメートル未満、代替的に約100マイクロメートル未満、代替的に約10マイクロメートル未満、及び代替的に約1マイクロメートル未満であり、相対標準偏差が、10%~50%の範囲内などの、100%未満、代替的に80%未満、代替的に60%未満、代替的に50%未満の多量の溶解性繊維を含み得る。本明細書において記載されているとおり、有意な数は、全溶解性繊維の少なくとも10%、代替的に全溶解性繊維の少なくとも25%、代替的に全溶解性繊維の少なくとも50%、代替的に全溶解性繊維の少なくとも75%を意味する。有意な数は、全溶解性繊維の少なくとも99%であってもよい。代替的に、全溶解性繊維の約50%~約100%が、約10マイクロメートル未満の平均直径を有してもよい。本開示の方法により生産される溶解性繊維は、約1マイクロメートル未満の平均直径を有する有意な数の溶解性繊維、すなわちサブマイクロメートル繊維を有し得る。実施形態では、繊維性物品は、全溶解性繊維の約25%~約100%が約1マイクロメートル未満の平均直径を有し、代替的に全溶解性繊維の約35%~約100%が約1マイクロメートル未満の平均直径を有し、代替的に全溶解性繊維の約50%~約100%が約1マイクロメートル未満の平均直径を有し、代替的に全溶解性繊維の約75%~約100%が約1マイクロメートル未満の平均直径を有してもよい。
【0084】
物品は、一態様では、その比表面積によって特徴付けることができる。物品は、約0.03m2/g~約0.25m2/g、代替的に約0.035m2/g~約0.22m2/g、代替的に約0.04m2/g~約0.19m2/g、及び代替的に約0.045m2/g~約0.16m2/gの比表面積を有し得る。
【0085】
構造は、パッド、ストリップ、又はテープ形態の平坦な可撓性構造であって、以下の手法によって測定される場合、約0.5mm~約10mm、代替的に約1mm~約9mm、代替的に約2mm~約8mm、及び代替的に約3mm~約7mmの厚さを有し得る。構造は、約5mm~約6.5mmの厚さを有するシートであり得る。代替的に、2つ以上のシートが組み合わされて、約5mm~約10mmの厚さを有する構造を形成する。
【0086】
構造は、約200グラム/m2~約2,000グラム/m2、代替的に約400g/m2~約1,200g/m2、代替的に約600g/m2~約2,000g/m2、及び代替的に約700g/m2~約1,500g/m2の坪量を有し得る。
【0087】
構造は、約0.08g/cm3~約0.40g/cm3、代替的に約0.08g/cm3~約0.38g/cm3、代替的に約0.10g/cm3~約0.25g/cm3、及び代替的に約0.12g/cm3~約0.20g/cm3の乾燥密度を有し得る。
【0088】
本発明に好適な他の繊維性物品の非限定的な例は、米国特許第8,980,816号及び同第9,139,802号、米国特許出願公開第2013/0171421号、並びに米国特許出願第16/912876号に開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0089】
繊維要素
本発明の、フィラメント及び/又は繊維などの繊維要素は、1つ以上のポリマー構造化剤を含む。ポリマー構造化剤に加えて、繊維要素は、界面活性剤系と、比較的高い重量平均分子量のカチオン性ポリマーを含む任意選択の成分と、を更に含んでもよい。繊維要素の例は、米国特許出願第16/431,115号に見出すことができ、当該文献は参照により組み込まれる。
【0090】
ポリマー構造化剤
溶融組成物、並びに/又は溶解性繊維性物品及び/若しくは繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、並びに/又は繊維要素形成組成物の重量で、約1重量%~90重量%、代替的に10重量%~約80重量%、代替的に約20重量%~約70重量%、代替的に約30重量%~約65重量%、代替的に約35重量%~約60重量%、代替的に約20重量%~約40重量%のポリマー構造化剤を含有し得る。
【0091】
繊維要素形成ポリマー構造化剤材料の非限定的な例としては、水溶性ポリマーが挙げられる。水溶性ポリマーは合成物であっても又は天然由来であってもよく、かつ化学的に及び/又は物理的に修飾されてもよい。極性溶媒可溶性ポリマーは、約10,000g/mol~約40,000,000g/mol、好ましくは約20,000g/mol~約30,000,000g/mol、より好ましくは約35,000g/mol~約20,000,000g/mol、更により好ましくは約40,000g/mol~約5,000,000g/mol、最も好ましくは約40,000g/mol~約500,000g/molの重量平均分子量を呈してもよい。
【0092】
1つ以上の繊維要素形成ポリマー構造化剤は、1つ以上のポリビニルアルコールを含む。1つ以上のポリビニルアルコールは、約10,000g/mol~約40,000,000g/mol、代替的に約20,000g/mol~約30,000,000g/mol、代替的に約35,000g/mol~約20,000,000g/mol、代替的に約40,000g/mol~約5,000,000g/mol、代替的に約40,000g/mol~約500,000g/molの重量平均分子量を呈してもよい。
【0093】
1つ以上の繊維要素形成ポリマー構造化剤材料は、2つ以上のポリビニルアルコールを含んでもよい。2つ以上のポリビニルアルコールのうちの一方は、約10,000g/mol~約100,000g/mol、代替的に約20,000g/mol~約50,000g/mol、代替的に約25,000g/mol~約45,000g/molの重量平均分子量を呈してもよく、また、2つ以上のポリビニルアルコールのうちの他方は、約105,000g/mol~約40,000,000g/mol、好ましくは約110,000g/mol~約20,000,000g/mol、より好ましくは約120,000g/mol~約500,000g/molの重量平均分子量を呈してもよい。
【0094】
繊維要素形成ポリマー構造化剤の非限定的な例としては、水溶性ヒドロキシルポリマー、水溶性熱可塑性ポリマー、水溶性生分解性ポリマー、水溶性非生分解性ポリマー、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0095】
1つ以上の繊維要素形成ポリマー構造化剤材料は、デンプンを更に含んでもよい。好ましくは、1つ以上の繊維要素形成ポリマー構造化剤材料は、1つ以上のポリビニルアルコール及びデンプンを含んでもよい。
【0096】
1つ以上の繊維要素形成材料は、カルボキシメチルセルロースを更に含んでもよい。1つ以上の繊維要素形成ポリマー構造化剤材料は、1つ以上のポリビニルアルコール及びカルボキシメチルセルロースを含んでもよい。
【0097】
界面活性剤
溶融組成物及び/又は溶解性繊維性物品及び/又は繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、並びに/又は繊維要素形成組成物の重量で、約10重量%~約90重量%、代替的に約20重量%~約80重量%、代替的に約30重量%~約75重量%、及び代替的に約40重量%~約70重量%、約45重量%~約65重量%の界面活性剤系を含有し得る。
【0098】
好適なアニオン性界面活性剤としては、アルキル及びアルキルエーテルスルフェートが挙げられ得る。他の好適なアニオン性界面活性剤は、有機の硫酸反応生成物の水溶性塩である。更に他の好適なアニオン性界面活性剤は、イセチオン酸でエステル化され水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物である。他の同様のアニオン性界面活性剤は、米国特許第2,486,921号、同第2,486,922号、及び同第2,396,278号に記載されており、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0099】
例示的なアニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイルイ硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム又はラウレス硫酸ナトリウムである。
【0100】
一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、式CH3-(CH2)z-CH(R1)-CH2-O-(CH2CH(R2)O)y-SO3Mを有する少なくとも1つの分岐鎖スルフェートであり、式中、zは約3~約14であり、R1は、H又は1~4個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを表し、R2は、H又はCH3であり、R1及びR2は、両方ともHではなく、yは、0~約7であり、yの平均値は、y=0ではない場合は約1であり、Mは、一価又は二価の正電荷カチオンである。一価の正に帯電したカチオンの例としては、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミンカチオンが挙げられ、二価の正に帯電したカチオンの例としては、マグネシウムが挙げられる。前述の分岐鎖スルフェートに関して、「平均値」は、組成物が1以外のy値を有する分子を含み得るが、組成物中の全分子のyの平均値は約1であることを意味する。
【0101】
いくつかの例では、界面活性剤系は、アルキルスルフェート型及びアルキルエーテルスルフェート型の界面活性剤を含むスルフェート系界面活性剤を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。代替的に、溶解性繊維性物品は、C10~C18アルキルスルフェートを含むいかなるアルキルスルフェートも含まないか、又はアルキルグリセリルエーテルスルフェートを含むいかなるアルキルエーテルスルフェートも含まない。
【0102】
いくつかの例では、溶解性繊維性物品は、以下の式を有するいかなるアルキルエーテルスルフェートも含まなくてもよく、
RO(CH2CH2O)nSO3M
式中、Rは、8~18個の炭素、代替的に12~18個の炭素を有するアルキル又はアルケニルであり、nは、少なくとも0.5超、代替的に2~3の平均値を有し、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又は置換アンモニウムなどの可溶化カチオンである。
【0103】
いくつかの例では、溶解性繊維性物品は、いかなるラウリルエーテル硫酸アンモニウム及びラウリルエーテル硫酸ナトリウムも含まなくてもよい。
【0104】
溶解性繊維性物品が、アルキルスルフェート型及び/又はアルキルエーテルスルフェート型の界面活性剤を実際に含有する場合、アルキルスルフェート型又はアルキルエーテルスルフェート型の界面活性剤のそのような重量比率の含量は、合計0.6以下、代替的に合計0.2以下、代替的に0である。
【0105】
また、製品は、上述したように、アルキルスルフェート型及びアルキルエーテルスルフェート型の界面活性剤を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。
【0106】
1つ以上の活性剤は、1つ以上の界面活性剤を含み、1つ以上の界面活性剤は、以下の一般式(I)に従う少なくとも1つのグルタメート界面活性剤を含み、
【0107】
【化3】
式中、R
1は、5~20個の炭素原子、代替的に7~17個の炭素原子、代替的に9~13個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル鎖であり得、Mは、H、アンモニウム、トリエタノールアンモニウム(triethanolammonium、TEA)、ナトリウム又はカリウム、及びそれらの混合物であり得る。
【0108】
上記のように、溶解性繊維性物品は、アルキルスルフェート型及びアルキルエーテルスルフェート型の界面活性剤を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。
【0109】
界面活性剤系は、アニオン性主界面活性剤から含有し得る。物品は、乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、並びに/又は繊維要素形成組成物の重量で、約5重量%~約70重量%、代替的に約10重量%~約65重量%、代替的に約15重量%~約55重量%、代替的に約20重量%~約50重量%の主界面活性剤を含有し得る。
【0110】
界面活性剤系は、アニオン性主界面活性剤を含有し得る。物品は、乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、並びに/又は繊維要素形成組成物の重量で、界面活性剤系の約35重量%~約100重量%、代替的に約40重量%~約90重量%、代替的に約45重量%~約85重量%、代替的に約50重量%~約80重量%、代替的に約60重量%~約75重量%の主界面活性剤を含有し得る。
【0111】
主界面活性剤は、2つ以上の負に帯電した親水性基、特に界面活性剤がスルフェート系界面活性剤を実質的に含まない2つの負に帯電した親水性基を有する、アニオン性界面活性剤であり得る。主界面活性剤としては、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、及びそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0112】
主アニオン性界面活性剤は、少なくとも1つのグルタメート界面活性剤を含み得る。グルタメート界面活性剤の非限定的な例としては、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸二カリウム、カプリロイルグルタミン酸ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸カリウム、カプリロイルグルタミン酸二カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二カリウム、水素添加タロウオイル(tallowoyl)グルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二カリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸二ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸二カリウム、ココイル/水素添加タロウオイルグルタミン酸ナトリウム、ココイル/パルモイル/サンフラワロイル(sunfloweroyl)グルタミン酸ナトリウム、水素添加タロウオイルグルタミン酸ナトリウム、オリボイル(olivoyl)グルタミン酸ナトリウム、オリボイルグルタミン酸二ナトリウム、パルモイルグルタミン酸ナトリウム、パルモイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸TEA、水素添加タロウオイルグルタミン酸TEA、ラウロイルグルタミン酸TEA、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0113】
少なくとも1つのグルタメート界面活性剤は、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸二カリウム、カプリロイルグルタミン酸ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸カリウム、カプリロイルグルタミン酸二カリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二カリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸二ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸TEA、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0114】
いくつかの例では、少なくとも1つのグルタメート界面活性剤は、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ココイルグルタミン酸TEA、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0115】
少なくとも1つのグルタメート界面活性剤の総濃度は、物品の約8重量%~約100重量%、代替的に約8重量%~約85重量%、代替的に約12重量%~約70重量%、代替的に約17重量%~約55重量%、及び代替的に約20重量%~約45重量%であってもよい。グルタメート濃度は、乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準の重量での、並びに/又は繊維要素形成組成物の重量での濃度であり得る。少なくとも1つのグルタメート界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、並びに/又は繊維要素形成組成物の重量で、界面活性剤系の約40重量%~約100重量%、代替的に約40重量%~約85重量%、代替的に約45重量%~約80重量%、代替的に約50重量%~約75重量%であり得る。
【0116】
1つ以上の活性剤の1つ以上の界面活性剤はまた、組成物の重量での補助界面活性剤を含んでもよく、補助界面活性剤は、追加のアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0117】
物品は、任意選択的に補助界面活性剤を含有することができる。補助界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、並びに/又は繊維要素形成組成物の重量で、物品の約0.5重量%~約50重量%、代替的に約2重量%~約30重量%、代替的に約5重量%~約25重量%、代替的に約7重量%~約20重量%であり得る。
【0118】
補助界面活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、並びに/又は繊維要素形成組成物の重量で、界面活性剤系の約10重量%~約65重量%、代替的に約15重量%~約55重量%、代替的に約23重量%~約50重量%であり得る。
【0119】
追加のアニオン性界面活性剤は、イセチオネート界面活性剤、サルコシネート界面活性剤、グリシネート界面活性剤、アラニネート界面活性剤、スルホサクシネート界面活性剤、スルホネート界面活性剤、スルホアセテート界面活性剤、グルコースカルボキシレート界面活性剤、アルキルエーテルカルボキシレート界面活性剤、タウレート界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。上記に列挙した各アニオン性界面活性剤については、以下でより詳細に説明する。
【0120】
1つ以上の活性剤の1つ以上の界面活性剤は、以下の一般式(II)に従う少なくとも1つのイセチオネート界面活性剤も含んでもよく、
【0121】
【化4】
式中、R
1は、6~30個の炭素原子、代替的に8~22個の炭素原子、代替的に9~18個の炭素原子を有する、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル鎖であり得、R
2及びR
3は、各々独立してH又は(C
1~C
4)アルキルであり、代替的に(C
1~C
4)アルキルは、メチルであり得、M
+は、アルカリ金属、代替的にリチウム、ナトリウム、カリウムであり得、又はM
+は、アルカリ土類金属、代替的にマグネシウムであり得、又はM
+は、アンモニウム若しくは置換アンモニウムカチオンであり得る。
【0122】
イセチオネート界面活性剤は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルメチルイセチオン酸ナトリウム、パルミトイルイセチオン酸ナトリウム、パルミトイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ステアリン酸とココイルイセチオン酸ナトリウムとのブレンド、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ココイルメチルイセチオン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0123】
イセチオネート界面活性剤は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、パルミトイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0124】
イセチオネート界面活性剤は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0125】
イセチオネート界面活性剤は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0126】
対応する市販製品は、例えば、Innospecという会社から「Iselux(登録商標)」という商品名で、Clariant又はUniquemaから「Hostapon(登録商標)」又は「Arlatone(登録商標)」という商品名で入手可能である。使用され得る他の市販の脂肪族アシルイセチオネートの例は、ココイルイセチオン酸ナトリウムなどについては、Hostapon(登録商標)SCI-85C、Hostapon(登録商標)SCI-78C、又はステアリン酸とココイルイセチオン酸ナトリウムとのブレンド、Hostapon(登録商標)SCI-65CなどのClariantからのHostapon(登録商標)界面活性剤であり得る。使用され得る他の市販の脂肪族アシルイセチオネートの例は、Jordapon(登録商標)CIプリル又はJordapon(登録商標)CI65などのBASFからの「Jordapon(登録商標)」界面活性剤、及びYA-SCI-85(登録商標)又はYA-SCI-65(登録商標)などのYongan Daily Chemical Co.からのココイルイセチオン酸ナトリウムであり得る。
サルコシネート界面活性剤は、以下の一般式(III)を有してもよく、
【0127】
【化5】
式中、Rは、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、代替的に7~17個の炭素原子を有するアルキル鎖、代替的に9~13個の炭素原子を有するアルキル鎖であり得、M
+は、H、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はトリエタノールアンモニウムカチオンであり得る。
【0128】
サルコシネート界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸TEA、ココイルサルコシン酸アンモニウム、ラウロイルサルコシン酸アンモニウム、ジリノレイルビス-ラウロイルグルタミン酸/ラウロイルサルコシン酸ダイマー、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、ココイルサルコシン酸カリウム、ラウロイルサルコシン酸カリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、オレオイルサルコシン酸ナトリウム、パルミトイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸TEA、ラウロイルサルコシン酸TEA、オレオイルサルコシン酸TEA、パーム核サルコシン酸TEA、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0129】
代替的に、サルコシネート界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0130】
グリシネート界面活性剤は、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0131】
アラニネート界面活性剤は、ココイルアラニン酸ナトリウム、ラウロイルアラニン酸ナトリウム、N-ドデカンノイル-1-アラニン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
スルホサクシネート界面活性剤は、N-オクタデシルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二アンモニウム、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、N-(1,2-ジカルボキシエチル)-N-オクタデシルスルホコハク酸四ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステル、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0132】
スルホネート界面活性剤は、アルファ-オレフィンスルホネート、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、ラウリルグルコシドヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0133】
スルホアセテート界面活性剤は、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0134】
グルコースカルボキシレート界面活性剤は、ラウリルグルコシドカルボン酸ナトリウム、ココイルグルコシドカルボン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0135】
アルキルエーテルカルボキシレート界面活性剤は、ラウレス-4カルボン酸ナトリウム、ラウレス-5カルボキシレート、ラウレス-13カルボキシレート、C12~13パレス-8カルボン酸ナトリウム、C12~15パレス-8カルボン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0136】
タウレート界面活性剤は、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルオレノイルタウリン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0137】
グルタメート界面活性剤ではないアニオン性界面活性剤は、ラクテート又はラクチレートを含んでもよい。ラクテートの非限定的な例としては、乳酸ナトリウムが挙げられ得る。ラクチレートの非限定的な例としては、ラウロイル乳酸ナトリウム、ココイル乳酸ナトリウム、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0138】
追加のアニオン性界面活性剤の総濃度は、繊維要素形成組成物の、又は乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、約0重量%~約20重量%であってもよい。代替的に、グルタメート界面活性剤ではないアニオン性界面活性剤の総濃度は、繊維要素形成組成物の、又は乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、約0.5重量%~約15重量%であってもよい。
1つ以上の活性剤の1つ以上の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤を含んでもよい。非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド、アルキルグリコシド、アシルグルカミド、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0139】
その場合、アルキルは、6~30個の炭素原子、代替的に8~22個の炭素原子、代替的に9~18個の炭素原子を有する、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル鎖として定義することができる。その場合、アシルは、式R-C(O)-(式中、Rは、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニル、代替的に6~30個の炭素原子、代替的に8~22個の炭素原子、代替的に9~18個の炭素原子を有するアルキル鎖であり得る)として定義することができる。
【0140】
アルキルグルコシドは、デシルグルコシド、ココイルグルコシド、ラウロイルグルコシド、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0141】
アシルグルカミドは、ラウロイル/ミリストイルメチルグルカミド、カプリロイル/カプリロイルメチルグルカミド、ココイルメチルグルカミド、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
代替的に、非イオン性界面活性剤は、ココアミドモノエタノールアミン、ラウロアミドモノエタノールアミン、ココイルグルコシド、ラウロイルグルコシド、デシルグルコシド、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0142】
非イオン性界面活性剤の総濃度は、繊維要素形成組成物の、又は乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、約0重量%~約25重量%であってもよい。代替的に、非イオン性界面活性剤の総濃度は、繊維要素形成組成物の、又は乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、約0.1重量%~約15重量%であってもよい。代替的に、非イオン性界面活性剤の総濃度は、繊維要素形成組成物の、又は乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、約0.5重量%~約10重量%であってもよい。
好適な両性又は双極性界面活性剤としては、米国特許第5,104,646号及び米国特許第5,106,609号に記載されているものが挙げられ得る。
【0143】
両性界面活性剤としては、脂肪族ラジカルが直鎖又は分岐鎖であり得、脂肪族置換基が、1個の炭素原子がアニオン性水溶性基、例えばカルボキシ、スルホネート、ホスフェート、又はホスホネートを含有し得るように、8~18個の炭素原子を含有し得る、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記載され得るものが挙げられ得る。この定義に当てはまる化合物の例としては、3-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3-ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることによって調製されるものなどのN-アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号の教示に従って生成されるものなどのN-高級アルキルアスパラギン酸、及び米国特許第2,528,378号に記載されている生成物であり得る。
【0144】
本明細書に記載の両性界面活性剤は、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ココジアンホ酢酸二ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0145】
本明細書に記載の1つ以上の活性剤の補助界面活性剤における使用に好適な双性界面活性剤としては、脂肪族ラジカルが直鎖又は分岐鎖であり得、脂肪族置換基のうちの1つが8~18個の炭素原子を含有することができ、かつ1個の炭素原子がアニオン性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、ホスフェート、又はホスホネートを含有し得る、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されているものが挙げられ得る。
【0146】
したがって、1つ以上の活性剤の1つ以上の界面活性剤は、ココアミドプロピルベタイン、ラウロアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココ-ヒドロキシスルタイン、ココ-スルタイン、ラウリルスルタイン、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウラミンオキシド、ラウリルヒドロキシスルタイン、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも両性界面活性剤又は双性イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0147】
ベタイン双性イオン性界面活性剤の例としては、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン(cocoamidopropyl betaine、CAPB)、ココ-ベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン(lauryl amidopropyl betaine、LAPB)、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファ-カルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ-カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)アルファ-カルボキシエチルベタイン、及びそれらの混合物が挙げられ得る。スルホベタインの例としては、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0148】
双性イオン性界面活性剤の総濃度は、繊維要素形成組成物の、又は乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、約0.5重量%~約20重量%であってもよい。代替的に、非イオン性界面活性剤の総濃度は、繊維要素形成組成物の、又は乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、約2重量%~約15重量%であってもよい。代替的に、非イオン性界面活性剤の総濃度は、繊維要素形成組成物の、又は乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、約4重量%~約13重量%であってもよい。
【0149】
カチオン性ポリマー
繊維性物品は、繊維要素形成組成物の、又は乾燥繊維要素基準及び/若しくは乾燥溶解性繊維性物品基準で、約0.05重量%~約5重量%のカチオン性ポリマー、約0.1重量%~約2重量%のカチオン性ポリマー、約0.2重量%~約1.5重量%のカチオン性ポリマー、約0.3重量~約1.0重量%のカチオン性ポリマー、約0.4重量%~約0.75重量%のカチオン性ポリマーを含有し得る。
【0150】
カチオン性ポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィによって測定される場合、約500,000g/mol~約250万g/mol、代替的に約500,000g/mol~約200万g/mol、代替的に約500,000g/mol~約150万、代替的に約500,000g/mol~約100万の重量平均分子量を有し得る。カチオン性ポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィによって測定される場合、500,000g/mol超、代替的に100万g/mol超の重量平均分子量を有し得る。
【0151】
カチオン性ポリマーは、電荷密度試験方法に従って測定される場合、0.2meq/g超、代替的に0.4meq/g超、代替的に0.6meg/g超、代替的に0.8meg/g、代替的に1meq/g、代替的に1.2meq/g、代替的に1.5meg/g、代替的に2meg/g、代替的に3meg/g超、代替的に5meg/g超の重量平均電荷密度を有し得る。カチオン性ポリマーは、電荷密度試験方法に従って測定される場合、約0.4meg/g~約5meg/g、代替的に約1meg/g~約3meg/g、代替的に約1meg/g~約2.5meg/gの重量平均電荷密度を有し得る。
【0152】
カチオン性グアーポリマー
ヘアケア組成物は、(a)カチオン性グアーポリマーを含み得る。カチオン性グアーポリマーは、カチオン的に置換されたガラクトマンナン(グアー)ガム誘導体である。これらのグアーガム誘導体の調製に使用するグアーガムは、典型的には、グアーという植物の種子から天然に産出される材料として得られる。グアー分子自体は、単員ガラクトース単位が交互にマンノース単位上にある、一定の間隔で分岐する直鎖状マンナンである。マンノース単位は、β(1-4)グリコシド結合によって互いに結合している。ガラクトース分岐は、α(1-6)結合によって生じる。グアーガムのカチオン性誘導体は、ポリガラクトマンナンのヒドロキシル基と反応性四級アンモニウム化合物との間の反応によって得られる。グアー構造上へのカチオン性基の置換度は、上述の必要なカチオン電荷密度を提供するのに十分である必要がある。
【0153】
カチオン性グアーポリマーは、220万g/mol未満、又は約15万~約200万g/mol、又は約20万~約190万g/mol、又は約30万~約180万g/mol、又は約40万~約170万g/mol、又は約500,000~約160万g/molの重量平均分子量を有し得る。カチオン性グアーポリマーは、約150,000g/mol超、代替的に約100万g/mol超、代替的に約150万g/mol超、代替的に約200万g/mol超、及び代替的に約250万g/mol超の重量平均分子量を有し得る。
【0154】
カチオン性グアーポリマーは、約0.2meq/g~約2.2meg/g、又は約0.3meq/g~約2.0meg/g、又は約0.4meq/g~約1.9meg/g、又は約0.5meq/g~約1.8meg/g、又は約0.6meq/g~約1.7meg/g、又は約0.6meq/g~約1.5meq/g、又は約0.6meq/g~約1.3meg/g、及び/又は約0.7meq/g~約1.0meg/gの重量平均電荷密度を有し得る。
【0155】
カチオン性グアーポリマーは、四級アンモニウム化合物から形成されてもよい。カチオン性グアーポリマーを形成するための四級アンモニウム化合物は、以下の一般式1に適合することができ、
【0156】
【化6】
式中、R
3、R
4、及びR
5は、メチル又はエチル基であり、R
6は、以下の一般式2のエポキシアルキル基であるか、
【0157】
【化7】
又は、R
6は、以下の一般式3のハロヒドリン基であり、
【0158】
【化8】
式中、R
7は、C
1~C
3アルキレンであり、Xは、塩素又は臭素であり、Zは、Cl-、Br-、I-、又はHSO
4-などのアニオンである。
カチオン性グアーポリマーは、以下の一般式4に適合することができ、
【0159】
【化9】
式中、R
8は、グアーガムであり、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、上で定義されたとおりであり、Zは、ハロゲンである。カチオン性グアーポリマーは、以下の式5に適合することができる。
【0160】
【化10】
好適なカチオン性グアーポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのカチオン性グアーガム誘導体が挙げられ得る。カチオン性グアーポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの具体例としては、Rhone-Poulenc Incorporatedから市販されているJaguar(登録商標)シリーズ、例えば、Rhodiaから市販されているJaguar(登録商標)C-500が挙げられる。Jaguar(登録商標)C-500は、0.8meq/gの電荷密度及び500,000g/molの重量平均分子量を有する。約1.1meq/gの電荷密度及び約500,000g/molの重量平均分子量を有する別のグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、Ashlandから入手可能である。約1.5meq/gの電荷密度及び約500,000g/moleの重量平均分子量を有する更なるグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、Ashlandから入手可能である。
【0161】
他の好適なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、約0.7meq/gの電荷密度及び約600,000g/moleの重量平均分子量を有し、Rhodiaから入手可能なHi-Care 1000;約0.7meq/gの電荷密度及び約425,000g/molの重量平均分子量を有し、Ashlandから入手可能であるN-Hance 3269及びN-Hance 3270;約0.7meq/gの電荷密度及び約500,000g/molの重量平均分子量を有し、Ashlandから入手可能であるN-Hance 3271;約1.1meq/gの電荷密度及び約800,000の重量平均分子量のボレート(ホウ素)を含まないグアーであるBF-13、並びに約1.7meq/gの電荷密度及び約800,000のM.W.t.のボレート(ホウ素)を含まないグアーであるBF-17(いずれもAshlandから入手可能);約1.0meq/gの電荷密度及び約1,600,000g/molの重量平均分子量を有し、Ashlandから入手可能であるN-Hance CG17、約0.7meq/gの電荷密度及び約1,700,000g/molの重量平均分子量を有し、Ashlandから入手可能であるN-Hance 3196、である。
【0162】
カチオン性合成ポリマー
ヘアケア組成物は、(b)約1,000g/mol~約200万g/mol未満の重量平均分子量を有し得るカチオン性合成ポリマーを含み得、カチオン性グアーポリマーは、約2meq/g~約10meq/gの電荷密度を有し得る。ヘアケア組成物は、組成物の総重量に対して約0.01%~約2.5%のカチオン性合成ポリマーを含み得る。
【0163】
カチオン性合成ポリマーは、
i)1つ以上のカチオン性モノマー単位、及び任意選択的に、
ii)負電荷を有する1つ以上のモノマー単位、及び/又は
iii)非イオン性モノマー、から形成されてもよく、
コポリマーのその後の電荷は正である。これらの3種のモノマーの比率は、「m」、「p」及び「q」で表され、「m」は、カチオン性モノマーの数であり、「p」は、負電荷を有するモノマーの数であり、「q」は、非イオン性モノマーの数である
【0164】
カチオン性ポリマーは、以下の構造を有する、水溶性又は分散性で、非架橋型のカチオン性合成ポリマーであり得、
【0165】
【化11】
式中、Aは以下のカチオン性部分のうちの1つ以上であってもよい。
【0166】
【化12】
式中、@は、アミド、アルキルアミド、エステル、エーテル、アルキル、又はアルキルアリールであり、
Yは、C1~C22アルキル、アルコキシ、アルキリデン、アルキル、又はアリールオキシであり、
Ψは、C1~C22アルキル、アルキルオキシ、アルキルアリール又はアルキルアリールオキシであり、
Zは、C1~C22アルキル、アルキルオキシ、アリール又はアリールオキシであり、
R1は、H、C1~C4の直鎖又は分岐鎖アルキルであり、
sは、0又は1であり、nは、0又は≧1であり、
T及びR7は、C1~C22アルキルであり、
X-は、ハロゲン、ヒドロキシド、アルコキシド、スルフェート、又はアルキルスルフェートである。
上記の構造中、負電荷を有するモノマーは、R2’がH、C1~C4の直鎖又は分岐鎖アルキルであり、R3が以下のように定義され、
【0167】
【化13】
式中、Dは、O、N、又はSであり、
Qは、NH
2又はOであり、
uは、1~6であり、
tは、0~1であり、
Jは、以下の元素P、S、Cを含有する酸素化された官能基である。
上記の構造中、非イオン性モノマーは、R2’’がH、C1~C4の直鎖又は分岐鎖アルキルであり、R6が直鎖又は分岐鎖アルキル、アルキルアリール、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルアリールオキシであることによって定義され、βは以下のように定義され、
【0168】
【化14】
式中、G’及びG’’は互いに独立して、O、S、又はN-Hであり、Lは、0又は1である。
【0169】
カチオン性モノマーの例としては、アミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アミノアルキル(メタ)アクリルアミド;少なくとも1つの二級、三級、若しくは四級アミン官能基、又は窒素原子を含有する複素環基、ビニルアミン若しくはエチレンイミンを含むモノマー;ジアリルジアルキルアンモニウム塩;それらの混合物、それらの塩、及びこれらに由来するマクロモノマーが挙げられ得る。
【0170】
カチオン性モノマーの更なる例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジテルチオ(ditertio)ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレンイミン、ビニルアミン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0171】
好適なカチオン性モノマーとしては、式-NR3
+(式中、Rは、同じであるか又は異なるものであり、水素原子、1~10個の炭素原子を含むアルキル基、又はベンジル基を表し、任意選択的にヒドロキシル基を有する)の四級アンモニウム基を含み、アニオン(対イオン)を含むものが挙げられる。アニオンの例は、クロリド、ブロミドなどのハライド、サルフェート、ヒドロサルフェート、アルキルサルフェート(例えば、1~6個の炭素原子を含む)、ホスフェート、シトレート、ホルメート、及びアセテートである。
【0172】
好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0173】
追加の好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリドが挙げられる。
【0174】
負電荷を有するモノマーの例としては、ホスフェート又はホスホネート基を含むαエチレン性不飽和モノマー、αエチレン性不飽和モノカルボン酸、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、スルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物、及びスルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物の塩が挙げられる。
【0175】
負電荷を有する好適なモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩、α-アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α-アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩、2-スルホエチルメタクリレート、2-スルホエチルメタクリレートの塩、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(acrylamido-2-methylpropanesulphonic acid、AMPS)、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の塩、及びスチレンスルホネート(styrenesulphonate、SS)が挙げられる。
【0176】
非イオン性モノマーの例としては、酢酸ビニル、αエチレン性不飽和カルボン酸のアミド、αエチレン性不飽和モノカルボン酸と水素化又はフッ素化アルコールとのエステル、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート(すなわちポリエトキシル化(メタ)アクリル酸)、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、ビニルニトリル、ビニルアミンアミド、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、及びビニル芳香族化合物が挙げられる。
【0177】
好適な非イオン性モノマーとしては、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、2-エチル-ヘキシルアクリレート、2-エチル-ヘキシルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、及び2-ヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられる。
【0178】
ポリマーが、水、ヘアケア組成物、又はヘアケア組成物のコアセルベート相中で可溶性又は分散性を維持する限り、また、対イオンが、ヘアケア組成物の必須構成成分と物理的及び化学的相溶性であるか、又はそうでなければ製品の性能、安定性、又は審美性を過度に損なわない限り、カチオン性合成ポリマーに付随するアニオン性対イオン(X-)は、任意の既知の対イオンであってもよい。そのような対イオンの非限定的な例としては、ハライドイオン(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、サルフェートイオン及びメチルサルフェートイオンが挙げられる。
【0179】
カチオン性合成ポリマーは、約1,500g/mol~約1,800,000g/mol、又は約2,000g/mol~約1,700,000g/mol、又は約3,000g/mol~約1,600,000g/mol、又は約4,000g/mol~約1,500,000g/mol、又は約5,000g/mol~約1,600,000g/mol、又は約6,000g/mol~約1,500,000g/mol、又は約7,000g/mol~約1,400,000g/mol、又は約8,000g/mol~約1,400,000g/mol、又は約9,000g/mol~約1,300,000g/mol、又は約10,000g/mol~約1,200,000g/mol、又は約11,000g/mol~約1,100,000g/mol、又は約25,000g/mol~約750,000g/mol、又は約50,000g/mol~約500,000g/mol、又は約75,000g/mol~約300,000g/mol、及び/又は約100,000g/mol~約200,000g/molの重量平均分子量を有し得る。
【0180】
カチオン性合成ポリマーは、約2.2meq/g~約9.5meg/g、又は約2.5meq/g~約8meg/g、又は約3meq/g~約8meg/g、又は約3.5meq/g~約7.5meg/g、及び/又は約4meq/g~約7meg/gの重量平均電荷密度を有し得る。
【0181】
カチオン性合成ポリマーは、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(polydiallyldimethylammonium chloride、polyDADMAC)を含み得る。PolyDADMACはまた、ポリクオタニウム-6としても既知である。polyDADMACの具体例は、Solvay製Mirapol(登録商標)100シリーズ、Lubrizol製Merquat(商標)100シリーズ、及びBASF製Salcare(登録商標)SC 30である。例えば、Mirapol(登録商標)100sは、6.2meq/gの電荷密度及び150,000g/molの重量平均分子量を有し、Solvayから入手可能である。
【0182】
ヘアケア組成物は、(c)カチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー、(d)カチオン性デンプンポリマー、(e)アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー、(f)カチオン性セルロースポリマー、又は(g)そのようなポリマーの混合物を更に含んでもよい。
【0183】
カチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー
分散組成物は、モノマー対モノマー基準でマンノース対ガラクトース比が5:1~1:1であるガラクトマンナンポリマー誘導体を含んでもよく、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体、及び正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体からなる群から選択される。本明細書で使用される場合、用語「カチオン性ガラクトマンナン」は、カチオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。用語「両性ガラクトマンナン」は、ポリマーが正味の正電荷を有するようにカチオン性基及びアニオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。
【0184】
ガラクトマンナンポリマーは、マメ科植物の種子の内胚乳に存在する。ガラクトマンナンポリマーは、マンノースモノマーとガラクトースモノマーとの組み合わせから構成される。ガラクトマンナン分子は、特定のマンノース単位上の単員ガラクトース単位が一定の間隔で分岐した直鎖状マンナンである。マンノース単位は、β(1-4)グリコシド結合によって互いに結合されている。ガラクトース分岐は、α(1-6)結合によって生じる。マンノースモノマー対ガラクトースモノマー比は、植物種によって様々であり、気候の影響も受ける。非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、モノマー対モノマー基準で2:1より大きいマンノース対ガラクトース比を有し得る。好適なマンノース対ガラクトース比は、約3:1より大きくてもよく、マンノース対ガラクトース比は約4:1より大きくてもよい。マンノース対ガラクトース比の分析は、当該技術分野において周知であり、典型的には、ガラクトース含量の測定に基づく。
【0185】
非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体の調製に使用するガムは、典型的には、植物の種又はマメなどの天然に産出される材料として得られる。様々な非グアーガラクトマンナンポリマーの例としては、タラガム(マンノース3部/ガラクトース1部)、ローカストビーン又はカロブ(マンノース4部/ガラクトース1部)、及びカッシアガム(マンノース5部/ガラクトース1部)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0186】
ガラクトマンナンポリマー誘導体は、非グアーガラクトマンナンポリマーのカチオン性誘導体であってもよく、これは、ポリガラクトマンナンポリマーのヒドロキシル基と反応性四級アンモニウム化合物との反応によって得られる。カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体の形成に使用するのに好適な四級アンモニウム化合物としては、上記で定義された一般式1~5に適合するものが挙げられる。
【0187】
上記の試薬から形成されるカチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、以下の一般式6により表され、
【0188】
【化15】
式中、Rはガムである。カチオン性ガラクトマンナン誘導体は、ガムヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドであり得、これは、以下の一般式7によってより具体的に表すことができる。
【0189】
【0190】
ガラクトマンナンポリマー誘導体は、正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体であってもよく、これは、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体がアニオン性基を更に含む場合に得られる。
【0191】
カチオン性非グアーガラクトマンナンは、約4:1より大きいマンノース対ガラクトース比を有し得る。分散組成物は、組成物の重量に対して、ガラクトマンナンポリマー誘導体を含み得る。ヘアケア組成物は、組成物の約0.05重量%~約2重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含み得る。
【0192】
(d)カチオン変性デンプンポリマー
分散組成物は水溶性のカチオン変性デンプンポリマーを含み得る。本明細書で使用される場合、用語「カチオン変性デンプン」は、デンプンが分解されて比較的小さい重量平均分子量に達する前にカチオン性基が付加されたデンプン、又はデンプンの変性後にカチオン性基が付加されて所望の重量平均分子量に達したデンプンを指す。用語「カチオン変性デンプン」の定義には、両性変性デンプンも含まれる。用語「両性変性デンプン」とは、カチオン性基及びアニオン性基が付加されたデンプン加水分解物を指す。
【0193】
分散組成物は、組成物の約0.01重量%~約10重量%、及び/又は約0.05重量%~約5重量%の範囲のカチオン変性デンプンポリマーを含み得る。本発明で開示されるカチオン変性デンプンポリマーは、約0.5%~約4%の結合窒素のパーセントを有し得る。
【0194】
分散組成物は、デンプン分子中にアミノ基及び/又はアンモニウム基を添加することによって化学的に変性されたデンプンポリマーを含み得る。これらのアンモニウム基の非限定的な例としては、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、ジメチルステアリルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、及びジメチルドデシルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリドなどの置換基が挙げられ得る。Solarek,D.B.,Cationic Starches in Modified Starches:Properties and Uses,Wurzburg,O.B.,Ed.,CRC Press,Inc.,Boca Raton,Fla.1986,pp 113~125を参照されたい。カチオン性基は、比較的小さな重量平均分子量に分解される前にデンプンに付加されてもよく、又はカチオン性基は、そのような変性の後に付加されてもよい。
【0195】
カチオン変性デンプンポリマーは、一般に、約0.1~約7のカチオン性基の置換度を有する。本明細書で使用される場合、カチオン変性デンプンポリマーの「置換度」は、置換基によって誘導体化された各無水グルコース単位上のヒドロキシル基の数の平均値である。各無水グルコース単位は、置換に利用できる3個の可能なヒドロキシル基を有しているため、可能な最大置換度は3である。置換度は、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数として、モル平均基準で表される。置換度は、当該技術分野において周知のプロトン核磁気共鳴スペクトル(「1H NMR」)法を使用して決定してもよい。好適な1H NMR法としては、「Observation on NMR Spectra of Starches in Dimethyl Sulfoxide,Iodine-Complexing,and Solvating in Water-Dimethyl Sulfoxide」,Qin-Ji Peng and Arthur S.Perlin,Carbohydrate Research,160(1987),57-72、及び「An Approach to the Structural Analysis of Oligosaccharides by NMR Spectroscopy」,J.Howard Bradbury and J.Grant Collins,Carbohydrate Research,71,(1979),15~25に記載されているものが挙げられる。
【0196】
化学変性前のデンプン源は、塊茎、マメ科植物、穀草、及び穀物などの様々な供給源から選択され得る。この供給源のデンプンの非限定的な例としては、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、もちトウモロコシデンプン、オート麦デンプン、キャッサバデンプン、もち麦、もち米(waxy rice)デンプン、もち米(glutenous rice)デンプン、もち米(sweet rice)デンプン、Amioca、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、オート麦デンプン、サゴデンプン、もち米(sweet rice)、又はそれらの混合物が挙げられ得る。
【0197】
カチオン変性デンプンポリマーは、分解カチオン性トウモロコシデンプン、カチオン性タピオカ、カチオン性ジャガイモデンプン、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0198】
デンプンは、相対的に小さな重量平均分子量に分解する前又は変性した後、1つ以上の追加の変性を含み得る。例えば、これらの変性としては、架橋、安定化反応、リン酸化反応、及び加水分解が挙げられ得る。安定化反応としては、アルキル化及びエステル化が挙げられ得る。
【0199】
カチオン変性デンプンポリマーは、加水分解デンプン(例えば、酸、酵素、若しくはアルカリ分解)、酸化デンプン(例えば、過酸化物、過酸、ヒポクロリット、アルカリ、若しくは任意の他の酸化剤)、物理的/機械的に分解させたデンプン(例えば、加工装置の熱機械エネルギー投入によるもの)、又はそれらの組み合わせの形態で組成物に組み込まれてもよい。
【0200】
デンプンの最適な形態は、水に容易に溶解して、実質的に透明な水溶液(600nmの透過率が80%以上)を形成する形状である。組成物の透過率は、紫外可視(Ultra-Violet/Visible、UV/VIS)吸光度測定法によって測定され、この測定法は、関連する指示事項に従って、Gretag Macbeth Colorimeter Color i 5を使用して、試料のUV/VIS光の吸収率又は透過率を決定する。600nmの光波長が、化粧品組成物の透明度を特徴付けるのに適していることが示されている。
【0201】
組成物で使用するのに好適なカチオン変性デンプンは、既知のデンプン供給業者から入手可能である。当該技術分野において既知のカチオン変性デンプンに更に誘導体化され得る非イオン性変性デンプンは、好適であり得る。他の好適な変性デンプンの出発材料は、本発明での使用に好適なカチオン変性デンプンポリマーを生産するために、当該技術分野において既知であるように、四級化されてもよい。
【0202】
デンプン分解手順:デンプンスラリーを、水中に粒状のデンプンを混合することによって調製する。温度を約35℃まで上昇させる。次に、デンプンに基づいて約50ppmの濃度で、過マンガン酸カリウム水溶液を添加する。水酸化ナトリウムでpHを約11.5まで上昇させ、スラリーを十分に撹拌して、デンプンが沈降しないようにする。次に、デンプンに基づく過酸化物濃度が約1%になるまで、水で希釈した過酸化水素の約30%溶液を添加する。続いて、追加の水酸化ナトリウムを添加することによって、pHを約11.5に戻す。この反応を、約1~約20時間かけて完了する。次に、混合物を希塩酸で中和する。分解したデンプンを濾過によって回収してから、洗浄、乾燥する。
【0203】
アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー
分散組成物は、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマーを含み得る。カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとの合成カチオン性コポリマーであり得る。
【0204】
カチオン性コポリマーは、以下を含み得る。
(i)次式AMのアクリルアミドモノマー:
【0205】
【0206】
式AM
式中、R9は、H又はC1~4アルキルであり、R10及びR11は、独立して、H、C1~4アルキル、CH2OCH3、CH2OCH2CH(CH3)2、及びフェニルからなる群から選択されるか、一緒になってC3~6シクロアルキルである。
(ii)次式CMに適合するカチオン性モノマー:
【0207】
【0208】
式CM
式中、k=1であり、v、v’、及びv’’はそれぞれ、独立して、1~6の整数であり、wは0、又は1~10の整数であり、X-はアニオンである。
【0209】
カチオン性モノマーは、式CMに適合し、式中、k=1、v=3及びw=0、z=1であり、X-はCl-であって、次の構造を形成することができる。
【0210】
【化19】
上の構造は、ジクワット(diquat)と称されることがある。カチオン性モノマーは、式CMに適合することができ、式中、v及びv’’はそれぞれ3であり、v’=1、w=1、y=1であり、X
-はCl
-であって、次のようになる。
【0211】
【化20】
上記の構造は、トリクワット(triquat)と称されることがある。
アクリルアミドモノマーは、アクリルアミド又はメタクリルアミドのいずれかであり得る。
カチオン性コポリマー(b)はAM:TRIQUATであり得、これは、アクリルアミドと1,3-プロパンジアミニウム,N-[2-[[[ジメチル[3-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]アンモニオ]アセチル]アミノ]エチル]2-ヒドロキシ-N,N,N’,N’,N’-ペンタメチル-,トリクロリドとのコポリマーである。AM:TRIQUATはまた、ポリクオタニウム76(polyquaternium 76、PQ76)としても既知である。AM:TRIQUATは、1.6meq/gの電荷密度及び110万g/molの分子量を有し得る。
【0212】
カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマー及びカチオン性モノマーであってもよく、カチオン性モノマーは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジテルチオ(ditertio)ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;エチレンイミン、ビニルアミン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン;トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0213】
カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、及びそれらの混合物を含むカチオン性モノマーからなる群から選択されるカチオン性モノマーを含む。
【0214】
カチオン性コポリマーは、水溶性であり得る。カチオン性コポリマーは、(1)(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマー、並びに/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのコポリマーと、(2)(メタ)アクリルアミド、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマー、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とするモノマー、並びに/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのターポリマーと、から形成され得る。カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーは、四級化窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルであってもよい。四級化窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキル基及びアルキレン基内のC1~C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートであり得る。四級化窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、塩化メチルで四級化されたジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのアンモニウム塩からなる群から選択される。四級化窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキルハライドで、又はメチルクロリド若しくはベンジルクロリド若しくは硫酸ジメチルで四級化され得るジメチルアミノエチルアクリレート(ADAME-Quat)であり得る。(メタ)アクリルアミドを主成分とした場合、カチオン性モノマーは、アルキル基及びアルキレン基内のC1~C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、又はアルキルハライド若しくは塩化メチル若しくは塩化ベンジル若しくは硫酸ジメチルで四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドであり得る。
【0215】
(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、アルキル基及びアルキレン基内のC1~C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドである。(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、ハロゲン化アルキルで、特にメチルクロリド若しくはベンジルクロリド若しくは硫酸ジメチルで四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドである。
【0216】
カチオン性モノマーは、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーである。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド以外に、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、OECD加水分解試験に対して安定であるとみなすことができる全てのモノマーであり得る。カチオン性モノマーは加水分解に対して安定であり、当該加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、及び水溶性カチオン性スチレン誘導体からなる群から選択される。
【0217】
カチオン性コポリマーは、アクリルアミドと、メチルクロリドで四級化された2-ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート(ADAME-Q)と、メチルクロリドで四級化された3-ジメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド(DIMAPA-Q)とのターポリマーである。カチオン性コポリマーは、アクリルアミド及びアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドから形成され、このアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドは、約1.0meq/g~約3.0meq/gの電荷密度を有する。
【0218】
カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニオプロピルメタクリルアミドクロリド-N-アクリルアミドコポリマーであり、これは、AM:MAPTACとしても知られている。AM:MAPTACは、約1.3meq/gの電荷密度及び約110万g/molの分子量を有し得る。カチオン性コポリマーは、AM:ATPACであり得る。AM:ATPACは、約1.8meq/gの電荷密度及び約110万g/molの分子量を有し得る。
【0219】
カチオン性セルロースポリマー
好適なカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩であり、これは、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と称され、Dow/Amerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)から、Polymer LR、JR、及びKGシリーズのポリマーで入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適なタイプとしては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と称される、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの材料は、Dow/Amerchol Corp.から、Polymer LM-200の商品名で入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適なタイプとしては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム67と称される、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシド及びトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの材料は、Dow/Amerchol Corp.から、SoftCAT Polymer SL-5、SoftCAT Polymer SL-30、Polymer SL-60、Polymer SL-100、Polymer SK-L、Polymer SK-M、Polymer SK-MH、及びPolymer SK-Hという商品名で入手可能である。
【0220】
伸長助剤
繊維要素は、伸長助剤を含有し得る。伸長助剤の非限定的な例としては、ポリマー、他の伸長助剤、及びそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0221】
一例では、伸長助剤は、少なくとも約500,000Daの重量平均分子量を有する。伸長助剤の重量平均分子量は、約500,000Da~約25,000,000Da、代替的に約800,000Da~約22,000,000Da、代替的に約1,000,000Da~約20,000,000Da、及び代替的に約2,000,000Da~約15,000,000Daである。比較的高い重量平均分子量の伸長助剤は、伸長溶融粘度を増加させ、かつ溶融破壊を低減する能力のために、本発明のいくつかの例では好ましい可能性がある。
【0222】
伸長助剤は、メルトブロープロセスにおいて使用する場合、紡糸プロセス中の繊維の溶融破壊及び毛管破壊を明らかに低減するのに有効な量で本発明の組成物に添加することができ、比較的一貫した直径を有する実質的に連続的な繊維を溶融紡糸することができるようにする。繊維要素及び/又は粒子の生産に用いられるプロセスにかかわらず、伸長助剤は、使用される場合、一例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で約0.001重量%~約10重量%、別の例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で約0.005~約5重量%、更に別の例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で約0.01~約1重量%、別の例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で約0.05重量%~約0.5重量%で存在し得る。
【0223】
伸長助剤として使用することができるポリマーの非限定的な例としては、アルギネート、カラギーナン、ペクチン、キチン、グアーガム、キサンタンガム、アガー、アラビアガム、カラヤゴム、トラガカントガム、ローカストビーンガム、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0224】
他の伸長助剤の非限定的な例としては、修飾及び非修飾ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレンイミン、ポリアミド、ポリアルキレンオキシド(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンプロピレンオキシドを含む)、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0225】
任意選択の成分
物品は、任意選択的に、約1重量%~約25重量%の可塑剤、一実施形態では約3重量%~約20重量%の可塑剤、一実施形態では約5重量%~約15重量%の可塑剤を含み得る。
【0226】
物品内に存在する場合、好適な可塑剤の非限定的な例としては、ポリオール、コポリオール、ポリカルボン酸、ポリエステル及びジメチコンコポリオールが挙げられる。
【0227】
有用なポリオールの例としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール(200~600)、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、イソソルビド、グルカミン、N-メチルグルカミンなどの糖アルコール、並びに他の一価及び多価の比較的低い重量平均分子量のアルコール(例えば、C2~C8アルコール);フルクトース、グルコース、スクロース、マルトース、ラクトースなどの、モノ、ジ、及びオリゴ-糖類、並びに高フルクトース固形コーンシロップ、及びアスコルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0228】
ポリカルボン酸の例としては、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、ポリアクリル酸、及びポリマレイン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0229】
好適なポリエステルの例としては、グリセロールトリアセテート、アセチル化モノグリセリド、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0230】
好適なジメチコンコポリオールの例としては、PEG-12ジメチコン、PEG/PPG-18/18ジメチコン、及びPPG-12ジメチコンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0231】
他の好適な可塑剤としては、アルキル及びアリルフタレート;ナフタレート;ラクテート(例えば、ナトリウム塩、アンモニウム塩、及びカリウム塩);ソルベス-30;尿素;乳酸;ピロリドンカルボン酸ナトリウム(pyrrolidone carboxylic acid、PCA);ヒアルロン酸ナトリウム又はヒアルロン酸;可溶性コラーゲン;変性タンパク質;L-グルタミン酸モノナトリウム;グリコール酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸及びサリチル酸などの、α及びβヒドロキシル酸;ポリメタクリル酸グリセリル;ポリクオタニウムなどのポリマー可塑剤;タンパク質、並びに、グルタミン酸、アスパラギン酸、及びリシンなどのアミノ酸;水素デンプン加水分解産物;他の比較的低い重量平均分子量のエステル(例えば、C2~C10アルコールと酸とのエステル);及び、食品及びプラスチック業界の当業者に既知である任意の他の水溶性可塑剤;並びに、それらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。欧州特許第0283165(B1)号は、プロポキシル化グリセロールなどのグリセロール誘導体を含む好適な可塑剤を開示している。
【0232】
物品は、組成物での使用に関して既知であるか、又はそうではなければ、組成物において有用である、他の任意選択の成分を含み得るが、ただし、そのような任意選択の材料は、本明細書に記載の選択された不可欠な材料と相溶性があるか、又は過度に製品性能を損なわないことを条件とする。
【0233】
そのような任意選択の成分は、最も典型的には、化粧品での使用が認可され、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.1992などの参考文献に記載されている材料である。
【0234】
本明細書において任意選択の成分として好適な乳化剤としては、モノ及びジグリセリド、脂肪族アルコール、ポリグリセロールエステル、プロピレングリコールエステル、ソルビタンエステル、並びに他の既知の乳化剤、又はそうでなければ、例えばケーキ及び他の焼き菓子及び菓子製品などの気泡化食品の調製中、又は毛髪用ムースなどの化粧品の安定化中に使用されるもののような、空気界面を安定化させるのに一般に使用される乳化剤が挙げられる。
【0235】
そのような任意選択の成分の更なる非限定的な例としては、防腐剤、香料又は芳香剤、着色剤又は染料、コンディショニング剤、毛髪漂白剤、増粘剤、保湿剤、皮膚軟化剤、薬剤活性物質、ビタミン又は栄養素、日焼け止め剤、脱臭剤、知覚剤、植物エキス、栄養素、収斂剤、化粧品粒子、吸収剤粒子、接着剤粒子、毛髪定着剤、繊維、反応剤、美白剤、日焼け剤、ふけ防止剤、香料、剥離剤、酸、化粧下地、保湿剤、酵素、懸濁化剤、毛髪着色剤、ヘアパーマ剤、顔料粒子、にきび抑制剤、抗菌剤、日焼け止め剤、日焼け剤、剥離粒子、増毛又は育毛剤、防虫剤、シェービングローション剤、共溶媒又は他の追加の溶媒、並びに類似の他の材料が挙げられる。任意選択の成分の更なる非限定的な例としては、β-シクロデトリン(cyclodetrin)、ポリマーマイクロカプセル、デンプンの封入アコード(accord)、及びそれらの組み合わせなどによるカプセル封入香料が挙げられる。
【0236】
好適なコンディショニング剤は、任意選択的に物品に添加することができ、高融点油脂材料及びシリコーンコンディショニング剤を含み得る。好適な材料は、米国特許出願公開第2008/0019935号、同第2008/0242584号、及び同第2006/0217288号に考察されている。
【0237】
使用方法
本明細書に記載される組成物は、毛髪、毛包、及び/又は頭皮を含む皮膚を洗浄、コンディショニング及び/又は処理するために使用され得る。これらの消費者基材を処理するための方法は、a)有効量の物品を手に適用する工程と、b)物品を水で濡らして固体を溶解する工程と、c)溶解した材料を標的消費者基材に適用して泡立ちを形成し、洗浄かつ任意選択的にコンディショニングする工程と、d)希釈した処理組成物を消費者基材からすすぐ工程と、を含んでもよい。これらの工程は、所望のクレンジング及び又は処理効果を達成するために必要に応じて何度でも繰り返すことができる。
【0238】
毛髪、毛包、及び/又は頭皮を含む皮膚に利益をもたらすための有用な方法は、第1の実施形態による組成物を、調節を必要とするこれらの標的消費者基材に適用する工程を含む。
【0239】
代替的に、毛髪、毛包、皮膚、及び/又は頭皮を含む皮膚の条件を調節するための有用な方法は、本明細書に記載の1つ以上の組成物を、調節を必要とするこれらの標的消費者基材に適用する工程を含む。
【0240】
適用する組成物の量、適用頻度、及び使用期間は、適用の目的、所与の組成物の構成成分のレベル、及び所望の調節のレベルに応じて大幅に変化する。例えば、組成物を全身又は全頭髪の処理に適用するとき、有効量は、一般に、約0.5グラム~約10グラム、代替的に約1.0グラム~約5グラム、及び代替的に約1.5グラム~約3グラムの範囲である。
【0241】
製品タイプ及び商品
繊維性物品を利用する製品の非限定的な例としては、ハンドクレンジング基材、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー又は他のヘアトリートメント基材、ボディクレンジング基材、シェービング準備用基材、薬剤又は他のスキンケア活性物質を含有するパーソナルケア基材、保湿基材、日焼け止め基材、長期皮膚有益剤基材(例えば、ビタミン含有基材、α-ヒドロキシ酸含有基材など)、脱臭基材、香料含有基材などが挙げられる。
【0242】
本明細書には、本明細書に記載した1つ以上の繊維性物品を含む商品と、物品を溶解して、溶解された混合物を毛髪、毛包、及び/又は頭皮を含む皮膚に適用して、標的消費者基材に対する利益、すなわち急速に泡立つ発泡体、急速にすすげる発泡体、きれいにすすげる発泡体、コンディショニング処理、及びそれらの組み合わせを達成するように消費者を指導する情報伝達と、が記載される。その情報伝達は、繊維性物品を収容している梱包物又は繊維性物品自体に直接又は間接的に添着される印刷物であってもよい。代替的に、その情報伝達は、製造物品と関連付けられる電子的又は放送メッセージであってもよい。代替的に、その情報伝達は、その製造物品の少なくとも1つの潜在的用途、性能、際立った特徴及び/又は特性について記載してもよい。
【0243】
誘発条件への曝露
界面活性剤及び任意選択的にカチオン性ポリマーを含むシャンプー成分は、繊維要素及び/又は繊維性物品が誘発条件に曝されると、繊維要素及び/又は繊維性物品から放出されてもよい。一例では、繊維要素及び/又は繊維性物品、あるいはこれらの一部が、そのアイデンティティを失ったとき、言い換えれば、その物理的構造を失ったときに、繊維要素及び/又は繊維性物品、あるいはこれらの一部から1つ以上の活性剤が放出されてもよい。例えば、ポリマー構造化剤が溶解したとき、溶融したとき、又はその構造が失われるような何らかの他の変形工程を経たときに、繊維要素及び/又は繊維性物品は、その物理的構造を失う。一例では、繊維要素及び/又は繊維性物品の形態が変化したとき、繊維要素及び/又は繊維性物品から1つ以上の活性剤が放出される。
【0244】
別の例では、繊維要素及び/又は繊維性物品、あるいはこれらの一部のアイデンティティが変化したとき、言い換えれば、その物理的構造を失うのではなく、その物理的構造が変化したときに、繊維要素及び/又は繊維性物品、あるいはこれらの一部から1つ以上の活性剤が放出されてもよい。例えば、繊維要素及び/又は繊維性物品は、ポリマー構造化剤が膨張したとき、収縮したとき、延びたとき、及び/又は短くなったときに、その物理的構造を変えるが、そのフィラメント形成特性は保持する。
【0245】
別の例では、その形態が変化することなく(その物理的構造を失うことも変化することもなく)、繊維要素及び/又は繊維性物品から1つ以上の活性剤が放出されてもよい。
【0246】
一例では、上で考察されたとおり繊維要素及び/又は繊維性物品のアイデンティティを失わせるか又は変化させることなどによって、繊維要素及び/又は繊維性物品が活性剤を放出させる誘発条件に曝露されたときに、繊維要素及び/又は繊維性物品は、活性剤を放出してもよい。誘発条件の非限定的な例としては、溶媒、アルコール及び/若しくは水などの極性溶媒、並びに/又は非極性溶媒に、繊維要素及び/又は繊維性物品を曝すこと(これは、フィラメント形成組成物が、極性溶媒可溶性材料及び/若しくは非極性溶媒可溶性材料を含むかどうかに依存して、逐次行ってもよい);75°F超、及び/若しくは100°F超、及び/若しくは150°F超、及び/若しくは200°F超、及び/若しくは212°F超などの温度までの熱に、繊維要素及び/若しくは粒子及び/若しくは繊維性物品を曝すこと;40°F未満、及び/若しくは32°F未満、及び/若しくは0°F未満の温度までの冷温に、繊維要素及び/若しくは粒子及び/若しくは繊維性物品を曝すこと;繊維要素及び/若しくは繊維性物品を、繊維要素及び/若しくは繊維性物品を使用する消費者によって印加される延伸力などの力に曝すこと;並びに/又は、繊維要素及び/若しくは繊維性物品を化学反応に曝すこと;繊維要素及び/若しくは繊維性物品を、相変化を引き起こす条件に曝すこと;繊維要素及び/若しくは繊維性物品を、pH変化及び/若しくは圧力変化及び/若しくは温度変化に曝すこと;繊維要素及び/若しくは繊維性物品を、その活性剤のうちの1つ以上を放出する繊維要素及び/若しくは繊維性物品が得られる1つ以上の化学物質に曝すこと;繊維要素及び/若しくは粒子及び/若しくは繊維性物品を超音波に曝すこと;繊維要素及び/若しくは繊維性物品を光及び/若しくは特定の波長に曝すこと;繊維要素及び/若しくは繊維性物品を様々なイオン強度に曝すこと;並びに/又は、繊維要素及び/若しくは繊維性物品を、別の繊維要素及び/若しくは繊維性物品から放出される活性剤に曝すことが挙げられる。
【0247】
一例では、繊維要素を含む繊維性物品製品が、繊維性物品製品を水と接触させることによって洗浄液を形成するなどの誘因工程に供されるとき、1つ以上の活性剤は、本発明の繊維要素から放出されてもよい。
【0248】
繊維要素及び物品の作製方法
本発明の繊維要素は、任意の好適なプロセスによって作製されてもよい。繊維要素を作製するための好適なプロセスの非限定的な例は以下に記載される。
【0249】
一例では、
図5及び
図6に示されるように、本発明による繊維要素32を作製するための方法46は、
a.1つ以上のポリマー構造化剤と、任意選択的に、高融点油脂材料及び/又は1つ以上の界面活性剤を含む1つ以上の他の成分と、を含むフィラメント形成組成物48を提供する工程であって、フィラメント形成組成物が、約5.5超、代替的に約5.8超、代替的に6.0超のpHを含み得る、工程と、
b.紡糸用ダイ50などを介して、フィラメント形成組成物48を、1つ以上のポリマー構造化剤及び任意選択的に1つ以上の他の成分を含む、フィラメントなどの1つ以上の繊維要素32に紡糸する工程と、を含む。1つ以上の他の成分は、意図される使用条件に曝されたときに、繊維要素から放出可能であり得る。繊維要素32中に存在する1つ以上のポリマー構造化剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で、80重量%未満、及び/又は70重量%未満、及び/又は65重量%未満、及び/又は50重量%以下であってもよく、1つ以上の活性剤の総濃度は、繊維要素中に存在する場合、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で、20重量%超、及び/又は35重量%超、及び/又は50重量%以上、65重量%以上、及び/又は80重量%以上であってもよい。
【0250】
図6に示されるように、紡糸用ダイ50は、繊維要素形成穴52を出るときにその中を空気などの流体が通過して、フィラメント形成組成物48の繊維要素32中への細径化を容易にする同心の細径化流体用穴56によって囲まれた溶融物毛管54を含む複数の繊維要素形成穴52を含んでもよい。フィラメント形成組成物が約5.5超のpHを有する場合、乾燥後に、より良好なフィラメントを形成することができることが見出された。
【0251】
一例では、繊維要素を作製するための方法の間、フィラメント形成組成物48中に存在する水などの任意の揮発性溶媒は、繊維要素32が形成されるときに、乾燥などによって除去される。一例では、フィラメント形成組成物の、水などの揮発性溶媒の30重量%超及び/又は40重量%超及び/又は50重量%超及び/又は60%重量%超は、紡糸工程中に、生産される繊維要素を乾燥させることなどによって除去される。
【0252】
紡糸工程中、以下の表1、表3、及び表4の本発明の実施例は、繊維要素を作製する方法中の過剰な熱曝露に敏感であり得ることが見出された。例えば、繊維要素が過度に長い間熱に曝される場合、繊維要素は、活性劣化及び/又は変色及び/又は臭気変化を有する場合がある。しかしながら、温度は、溶媒が許容可能な期間内で蒸発することができるように十分に高い必要がある。
一例では、繊維要素が繊維要素形成穴52を出るとき、繊維要素は、形成ゾーンと呼ばれる真空源の上のベルト上に収集される。繊維要素は、以下の時間及び温度、約150°F(65.6℃)~約160°F(71.1℃)で約50~約60秒間、及び/又は約170°F(65.6℃)~約180°F(82.2℃)で約30~約40秒間、及び/又は約200°F(93.3℃)~約215°F(101.7℃)で約5~約20秒間、形成ゾーン上に留まることができる。
【0253】
一例では、溶媒蒸発、滞留時間、及び熱曝露のバランスを可能にするために、溶融紡糸温度が約70°F~約95°Fであり得る一方で、約340°F(171.1℃)~約350°F(176.7℃)で約50~約60秒間、又は約390°F(198.9℃)~約400°F(204℃)で約30~約40秒間、又は415°F(212.8℃)~470°F(243.3℃)で約5~約20秒間など、熱により乾燥させることができることが明らかである。
【0254】
フィラメント形成組成物から生産される繊維要素が、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で、約5重量%~50重量%以下の総濃度の繊維要素中のポリマー構造化剤と、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で、50重量%~約95重量%の総濃度の繊維要素中の活性剤と、を含む限り、フィラメント形成組成物は、任意の好適な総濃度のポリマー構造化剤と、任意の好適な濃度の活性剤と、を含んでもよい。
【0255】
一例では、フィラメント形成組成物から生産される繊維要素が、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で、約5重量%~50重量%以下の総濃度の繊維要素及び/又は粒子中のポリマー構造化剤と、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維性物品基準で、50重量%~約95重量%の総濃度の繊維要素及び/又は粒子中の活性剤と、を含む限り、フィラメント形成組成物は、任意の好適な総濃度のポリマー構造化剤と、任意の好適な濃度の活性剤と、を含んでもよく、界面活性剤及び/又は高融点油脂材料の総濃度に対するポリマー構造化剤の重量比は、1以下である。
【0256】
一例では、フィラメント形成組成物は、フィラメント形成組成物の約1重量%から、及び/又は約5重量%から、及び/又は約10重量%から、約50重量%まで、及び/又は約40重量%まで、及び/又は約30重量%まで、及び/又は約20重量%までのポリマー構造化剤と、フィラメント形成組成物の約1重量%から、及び/又は約5重量%から、及び/又は約10重量%から約50重量%まで、及び/又は約40重量%まで、及び/又は約30重量%まで、及び/又は約20重量%までの活性剤と、フィラメント形成組成物の約20重量%から、及び/又は約25重量%から、及び/又は約30重量%から、及び/又は約40重量%から、及び/又は約80重量%まで、及び/又は約70重量%まで、及び/又は約60重量%まで、及び/又は約50重量%までの揮発性溶媒(水など)と、を含む。フィラメント形成組成物は、少量の他の活性剤、例えばフィラメント形成組成物の10重量%未満、及び/又は5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は1重量%未満の可塑剤、pH調整剤、及び他の活性剤を含んでもよい。
【0257】
フィラメント形成組成物は、任意の好適な紡糸プロセス(メルトブロー、スパンボンディング、エレクトロスピニング及び/又は回転紡績など)によって、1つ以上の繊維要素及び/又は粒子に紡糸される。一例では、フィラメント形成組成物は、メルトブローによって複数の繊維要素及び/又は粒子に紡糸される。例えば、フィラメント形成組成物は、タンクからメルトブロー紡糸口金(spinnerette)にポンプ移送され得る。紡糸口金内のフィラメント形成穴のうちの1つ以上を出ると、フィラメント形成組成物は空気によって細径化され、1つ以上の繊維要素及び/又は粒子を形成する。次いで、繊維要素及び/又は粒子を乾燥させて、紡糸のために使用される任意の残留溶媒(例えば、水)を除去してもよい。
【0258】
本発明の繊維要素及び/又は粒子を、パターン付きベルトなどのベルト上に収集して、繊維要素及び/又は粒子を含む繊維性物品を形成してもよい。
【0259】
試験方法
別途指定されない限り、定義の節で記載されたものを含む本明細書に記載の全ての試験及び以下の試験方法は、試験前最低2時間、22℃±2℃の温度及び42%±4%の相対湿度に調整した部屋で調整された試料に対して行われる。試験した試料は、「使用可能ユニット」である。本明細書で使用される場合、「使用可能ユニット」は、シート、ロール材から得た平らな部分、予め変換された平らな部分、シート、及び/又は単プライ製品若しくは多プライ製品を意味する。全ての試験は、同一環境条件下及びこのように調整した室内で実施する。しわ、破れ、穴などの欠陥を有する試料は試験しない。本明細書に記載のとおりに調整された試料は、試験目的に関し、乾燥試料(例えば「乾燥フィラメント」)であるとみなされる。全ての計器は、製造業者の仕様書に従って較正される。
【0260】
直径試験方法
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)又は光学顕微鏡、及び画像解析ソフトウェアを使用して、離散繊維要素又は繊維性物品内の繊維要素の直径を決定する。繊維要素を測定のために好適に拡大するように、200~10,000倍の倍率を選択する。SEMを使用する場合には、電子ビーム中での繊維要素の帯電及び振動を避けるために、試料に金又はパラジウム化合物をスパッタリングする。SEM又は光学顕微鏡を用いて得られた画像(モニタースクリーン上)から繊維要素の直径を決定するにはマニュアルの手順を使用する。マウス及びカーソルツールを使用して、ランダムに選択された繊維要素の縁部を探し、その後、その幅(すなわち、その点における繊維要素の方向に対して垂直な)にわたって繊維要素の他方の縁部まで測定する。目盛り付きの較正された画像解析ツールにより、μm単位で実際の読取値を取得するための目盛りが提供される。繊維性物品内の繊維要素については、SEM又は光学顕微鏡を使用して、繊維性物品の試料全体からいくつかの繊維要素を無作為に選択する。繊維性物品の少なくとも2つの部分を切り取り、この様式で試験する。統計解析のために、そのような測定を全部で少なくとも100回実施し、次いで、全てのデータを記録する。記録したデータを使用して、繊維要素の直径の平均値(平均)、繊維要素の直径の標準偏差、及び繊維要素の直径の中央値を計算する。
【0261】
別の有用な統計は、特定の上限よりも小さい繊維要素集団の量の算出である。この統計値を決定するために、繊維要素の直径の結果のうち上限よりも小さいものの個数をカウントするようにソフトウェアをプログラムし、そのカウント(データの合計数で除し、100%を掛ける)を、上限よりも小さいパーセント(例えば直径が1マイクロメートル未満のパーセント又はサブミクロン%)として、パーセントで記録する。本発明者らは、個々の円形繊維要素に関し測定された直径(μm)をdiとして表す。
【0262】
繊維要素が非円形断面を有する場合、繊維要素の直径の測定値は、水力直径として求められ、水力直径と等しいものと設定される。水力直径とは繊維要素の断面積を4倍して、繊維要素の断面の周囲長さ(中空の繊維要素の場合は外周囲長さ)で除したものである。数-平均直径、代替的に平均直径は、以下のように計算する。
【0263】
【0264】
繊維要素組成物試験方法
繊維要素組成物測定用に繊維要素を調製するために、繊維要素の外面上に存在する任意の除去可能であるコーティング組成物及び/又は材料を除去することによって、繊維要素を調整する。それを実行する方法の例としては、繊維要素を変化させずに外部のコーティングを除去する好適な溶媒で、繊維要素を3回洗浄することである。次いで、繊維要素が含む水分が10%未満になるまで、繊維要素を、温度23℃±1.0℃で空気乾燥させる。次いで、調整した繊維要素の化学分析を完了させ、フィラメント形成材料、及び繊維要素内に存在する活性剤に関して、繊維要素の組成の構成を決定する。
【0265】
繊維要素形成材料及び活性剤に関する組成の構成はまた、TOF-SIM又はSEMを使用して、断面解析を完了することによって決定されてもよい。繊維要素の組成の構成を決定するための更に他の方法は、マーカーとして蛍光染料を使用するものである。更に、常として、繊維要素の製造者は自分達の繊維要素の組成を知っていなくてはならない。
【0266】
ハンド溶解方法
必要材料:
試験対象繊維性物品:3~5個の繊維性物品(最終製品試料)を試験し、個別の繊維性物品試料の各々のストローク数の平均を計算して、繊維性物品の平均ハンド溶解値として記録する。この方法では、消費者用販売可能物品、又は消費者使用繊維性物品の全体を試験する。消費者用販売可能物品又は消費者使用繊維性物品全体が50cm2を超える設置面積を有する場合には、最初に、50cm2の設置面積を有するように繊維性物品を切断する。
【0267】
ニトリル手袋
10ccシリンジ
プラスチック製秤量ボート(約3インチ×3インチ)
100mLガラスビーカー
水(以下の特性を有するCincinnati市水道水又は等価物:総硬度=155mg/L(CaCO2として);カルシウム含量=33.2mg/L;マグネシウム含量=17.5mg/L;リン酸含量=0.0462mg/L)。使用される水は、1ガロン当たり7グレイン(grains per gallon、gpg)硬度及び40℃±5℃の水である。
プロトコル:
・水80mLをガラスビーカーに添加する。
・水が40℃±5℃の温度になるまでビーカー内の水を加熱する。
・ビーカーからシリンジによって15mLの水を秤量ボートに移す。
・水を秤量ボートに移す10秒以内に、手袋をはめた手(繊維性物品試料を保持するための非利き手で、カップのように丸めた形の手)の掌に繊維性物品試料を置く。
・利き手を使用して、秤量ボートから繊維性物品試料に水を素早く添加して、直ちに5~10秒間濡らす。
・反対側の利き手(同様に手袋をはめている)を用いて、2回の急速な円形ストロークで擦る。
・2回のストローク後に、手の中の繊維性物品試料を目視検査する。繊維性物品試料が完全に溶解している場合、ストローク数=2溶解ストロークを記録する。完全に溶解していない場合、残りの繊維性物品試料を更に2回の円形ストローク(合計4回)で擦り合わせ、溶解度を観察する。2回の追加のストローク後に繊維性物品試料が固体片を含有しない場合、ストローク数=4溶解ストロークを記録する。合計4回のストローク後、繊維性物品試料が依然として、溶解していない繊維性物品試料の固体片を含有する場合、繊維性物品試料が完全に溶解するか、又は合計ストロークが30に達するかのいずれか早い方まで、引き続き追加の2回の円形ストロークで残りの繊維性物品試料を擦り合わせ、各追加の2回の円形ストローク後に繊維性物品試料の残りの固体片が残っているか否かを確認する。合計ストローク数を記録する。固体繊維性物品試料片が上限の30ストローク後に残った場合であっても、30溶解ストロークを記録する。
・追加の4つの繊維性物品試料の各々について、このプロセスを繰り返す。
・5つの個々の繊維性物品試料の記録された溶解ストロークの値の算術平均を計算し、繊維性物品の平均ハンド溶解値として記録する。平均ハンド溶解値は、最も近い単一の溶解ストローク単位で報告する。
【0268】
pH試験方法
液体組成物のpHを、3つのpH標準物(4.0、7.0、及び10.0)で較正されている、(製造業者の指示に従って)較正されたpHプローブを使用して取得する。pHを第10の単位(すなわち、5.5)に記録する。
【0269】
レオロジー試験方法
40mm 2.002度の円錐平板を備えたDiscovery HR-3レオメータ(TA Instruments(登録商標)、Delaware,USA)、ペルチェ平板鋼-106935、及び温度を制御するためのペルチェ加熱/冷却機構を備えた平板下部形状。約1グラムの組成物を下部プレート形状上に置き、上部プレート形状を60マイクロメートルの目標ギャップまで下げ、それぞれの繊維要素形成組成物のいずれの過剰量も拭き取って、上部プレート形状及び下部プレート形状の縁部と同一平面の平らな表面を形成することによって測定を行う。G’及びG’’曲線を得るために振動振幅1Hz、6.366e-8~5.0e-4MPa、及び剪断粘度を得るために流動掃引0.1~500S-1を用いて振動掃引を実施することによって、指定された25℃又は40℃でデータを収集した。データ表のG’、G’’番号は、最低振動ひずみR(%)(平坦範囲)での第1のデータポイント及び0.1s-1の剪断速度での剪断粘度から取得した。
【0270】
厚さ方法
各切断された試料がVIR Electronic Thickness Tester Model II(Thwing-Albert Instrument Company(Philadelphia,PA)から入手可能)のロードフット搭載面よりも大きいサイズになるように、繊維性物品試料から5つの試料を切り取ることによって、繊維性物品の厚さを測定する。典型的には、ロードフット搭載面は、約3.14平方インチの円形表面積を有する。試料を水平な平面とロードフット搭載面との間に固定する。ロードフット搭載面は、15.5g/cm2の拘束圧を試料に加える。各試料の厚さは、平面とロードフット搭載面との間に生じるギャップである。厚さは、5つの試料の平均の厚さとして計算される。結果をミリメートル(mm)で報告する。
【0271】
含水率試験方法
繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品中に存在する含水(水分)率を、以下の含水率試験方法を使用して測定する。事前に切断されたシートの形態である繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維性物品、あるいはそれらの一部分(「試料」)を、試験の前に少なくとも24時間、22℃±2℃の温度及び42%±4%の相対湿度に調整した部屋に置く。各繊維性物品試料は、少なくとも4平方インチの面積を有するが、天秤の計量皿上に適切に大きさを合わせるのに十分小さい寸法である。上述の温度及び湿度条件下で、少なくとも小数点第4位まで測定できる天秤を使用して、10分間に検出される、前の重量からの変化が0.5%未満になるまで、5分間ごとに試料の重量を記録する。最終重量を、「平衡重量」として記録する。10分以内に、試料を、乾燥させるために、強制空気乾燥器中のホイル上に、22℃±2℃、相対湿度42%±4%で、24時間置く。24時間の乾燥後、試料を取り除き、15秒以内にその重量を測定する。この重量は、試料の「乾燥重量」と呼ばれる。
【0272】
試料の含水(水分)率を以下のように計算する。
【0273】
【数2】
3つの複製物についての試料中の含水(水分)%を平均して、試料中の含水(水分)%として報告する。結果は、小数点第1位(0.1%)まで報告する。
【実施例】
【0274】
以下は、本明細書に記載のシャンプー組成物の非限定的な実施例である。当業者の技術範囲内での本発明の他の修正は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されよう。
【0275】
本明細書における全ての部、百分率(%)、及び比率は、別途指定されない限り、重量基準である。いくつかの構成成分は、供給元から希釈溶液として供給され得る。明記されている量は、別途指定されない限り、添加された材料の重量%を表す。
【0276】
以下の表1~表3に記載の溶融組成物及び繊維性物品を、本出願に記載の方法に従って作製した。
【0277】
以下の表1中の相安定性を、溶融組成物の視覚的検出によって決定した。溶融組成物は、視覚的検出によって、沈殿物を含む相分離が存在せず、かつ実施例が均質と見られる場合に、相安定性であると決定した。本明細書で使用される場合、「視覚的検出」は、標準的な100ワットの白熱電球の照度と少なくとも同等の照明の下で、およそ1フィート(0.30m)の距離から、ヒトの観察者が、肉眼(近視、遠視、若しくは乱視を補正するように適合された標準的な矯正レンズ、又は他の矯正視力を例外とする)によって、実施例の品質を視覚的に識別することができることを意味する。
【0278】
以下の表1の繊維可紡性は、本明細書に記載の繊維要素及び物品の作製方法に従って、溶融組成物を紡糸することによって決定した。紡糸されたときに、溶融組成物が破断又は収縮なしにフィラメントを形成するように伸長し得るように、適切な伸長レオロジーを有する場合、溶融物は、形成の節で記載される紡糸可能であった(繊維性物品の製造方法に記載される本発明の紡糸能力判定基準を参照されたい)。紡糸されたときに、連続フィラメントが形成されないか、又はフィラメントが収集ベルトに到達する前に破壊される場合、溶融物は、紡糸可能ではない。溶融組成物が安定であり、かつ紡糸可能である場合、本明細書に記載の方法に従ってフィラメント及びウェブを形成することができる。
【0279】
【0280】
表1において、実施例Aは、25℃で繊維要素に紡糸することができる。しかしながら、それは、36%の溶融物総固形分含量を有し、この濃度を増加させてプロセスをより効率的にすることが望ましい場合がある。加えて、組成物は、より効率的な温度である40℃で繊維要素に紡糸することができない。実施例Bは、40%の溶融物総固形分を有するが、25℃又は40℃で繊維要素に紡糸することができず、これは、一部に、組成物が40℃で相安定性ではなく、25℃で的確なレオロジーを有さないからであり、また、組成物がいずれかの温度で十分なレオロジー(G’)を有さないためである。実施例1~4は、好ましい場合があり、これは、実施例Aの繊維要素の作製と比較してこれらの繊維要素を作製することがより効率的である一方で、実施例Bとは異なり、依然として40℃で紡糸することができるからである。実施例1は、41.7%の溶融物総固形分を含有し、40℃で相安定性かつ紡糸可能である。しかしながら、25℃では、実施例1の溶融物は、G’>70及びタンデルタ<2.8を有する。25℃では繊維に十分紡糸することはできない。しかし、40℃では、50のG’及び3.0のタンデルタを有し、繊維に紡糸することができる。実施例2は、43%の固形分を含有し、40℃で相安定性かつ紡糸可能である。実施例3は、39%の固形分を含有し、40℃で相安定性かつ紡糸可能である。実施例4は、40%の固形分を含有し、40℃で相安定性かつ紡糸可能である。実施例1~4におけるより高い溶融物総固形分%は、実施例Aと比較してより高い溶融物総固形分%を有するだけでなく、実施例A及び実施例Bと比較してより高い比率の活性界面活性剤対PVA比も有する。したがって、実施例1~4は、同じ重量の乾燥繊維性物品においてより活性を提供する。
【0281】
表1の実施例A及び実施例1の溶融組成物を繊維要素に紡糸し、次いで繊維性シャンプー物品に作製する。以下の表2は、実施例A’(25℃で繊維要素に紡糸された実施例A溶融物から作製)及び実施例1’(40℃で繊維要素に紡糸された実施例1溶融物から作製)を示す。溶融物が繊維性物品に作製され得る繊維要素を作製しないため、実施例Bの繊維性シャンプー物品は示されていない。
【0282】
【0283】
【表3】
表1~表3の実施例のための原材料の供給元:
1.Kuraray(登録商標)製Poval32-80、Poval 3-80(50:50ブレンド)
2A.Sino Lion(商標)製Eversoft(商標)UCS-50SG
2B.Sino Lion(商標)製Eversoft(商標)ACS-30
3.BASF(登録商標)製Jordapon(登録商標)CI Prill
4.Solvay(登録商標)製Mackam(登録商標)DAB ULS
5.Dow(登録商標)製Versene(商標)220
6.ADM(商標)製クエン酸
7.Corbion(登録商標)製PURAC(登録商標)HiPure 90として入手可能な乳酸
8.Solvay(登録商標)製ポリクオタニウム-6、PolyDADMAC、MW:150,000、CD:6.2、商品名:Mirapol(登録商標)100s、31.5%活性、40%固形物
9.Amerchol(登録商標)製ポリクオタニウム-10、UCARE(商標)Polymer JR-30M、MW:2,000,000、CD:1.25
10.Momentive(登録商標)製シリコーン:Y-14945、アモジメチコン
11.Evonik(登録商標)からのTEGO BETAIN CK PH 12
【0284】
【0285】
表4の溶融組成物は、添加剤がレオロジーをどのように低下させ得るかを示し、水和物品がユーザの手でどのように感じるかを近似するために使用することができる。
【0286】
添加剤を含まない実施例Aは、繊維要素に紡糸することができるレオロジーを有する。しかしながら、この溶融物から作製された繊維性物品を水和するとき、ユーザの手に粘着性、糸引き、及び/又は粘り気を感じることが予想され、一部の消費者は煩わしいと感じる可能性がある。
【0287】
0.12%のクエン酸を実施例Aの溶融物に添加するとき、及び0.22%クエン酸を実施例Aの溶融物に添加するとき、クエン酸添加剤を含まない実施例Aと比較して、G’、G’’、及び剪断粘度が低減する。これは、実施例Aを繊維要素に作製してからクエン酸をコーティングとして繊維要素及び/又は繊維性物品に添加した場合に、このレオロジーは、粘着性が低くなり、かつユーザの毛髪全体への分散がより容易であり得るため、一部の消費者に好ましい可能性があることを示す。表1及び添付のテキスト
【0288】
添加剤を含まない実施例5は、溶融組成物のレオロジーに基づいて、それを水和した後、ユーザの手に粘着性、糸引き、及び/又は粘り気を感じることが予想されると予想される。一部のユーザは、このレオロジーが煩わしいと感じ得る。これは、クエン酸ナトリウム添加剤を含む実施例5から作製された繊維性物品が、添加剤を含む実施例5において粘着性のレオロジーが有意に低減したため、実施例5と比較して、一部の消費者によって好ましい手触りを有し得ることを示す。
【0289】
表5は、表2からの繊維性物品の実施例1’及び0.2グラムの添加剤を含む表2からの繊維性物品の実施例1’を評価した感覚パネルからのデータを示す。添加剤は、クエン酸、重炭酸ナトリウム、及びポリビニルピロリドン、並びにゼオライトAを含有する。添加剤を含む実施例1’では、添加剤粒子を、繊維紡糸中にホッパーを介してウェブ上に滴下した。
【0290】
感覚パネルを以下のように実施した。
・Mason,Ohioからの温かい水道水でアップを充填し、これを使用してシリンジを7mLまで充填し、それを置いておいた。
・パネリストは、Cetaphil(登録商標)Gentle Skin Cleanserの1つのポンプで手を洗浄し、泡が完全に消失するまで水道水ですすいだ。
・次いで、パネリストの手を蛇口の下で水道水で再び濡らして、一度手を払って余分な水を除去した。
・繊維性シャンプー物品を、コップ状の位置に保持したパネリストの利き手ではない掌に置いた。
・次に、7mLの水を、端から真ん中に入り込むように、シリンジから物品に迅速かつ均一に分注した。
・物品を2秒間水和し、次いで、パネリストの利き手で急速に2回転させて擦った。パネリストは、手の中の製品を見て、外観及び感触について記述した。
・次いで、パネリストは、両手を合わせて、10回転より多く(全10回転に到達させるまで)擦り合わせた。パネリストは、手の中の製品を見て、外観及び感触について記述した。
・最後に、スコアを記録し、各時間周期における平均を決定した。
【0291】
【表5】
*添加剤は、52.6%のクエン酸、32.2%の重炭酸ナトリウム、1.3%のポリビニルピロリドン、及び14.0%のゼオライトAを含む。
【0292】
表5は、コーティングを欠く実施例1’よりも、添加剤コーティングを含む実施例1’が、薄くて滑りやすい感触を有することを示す。実施例1’は、より従来の液体シャンプー製品のように感じると思われる得るため、一部の消費者によって好まれる場合がある。
【0293】
組み合わせ
1.複数の繊維要素を含む溶解性固体繊維性シャンプー物品であって、
a.乾燥物品基準で1重量%~50重量%のポリマー構造化剤と、
b.乾燥物品基準で20重量%~70重量%の界面活性剤系であって、
i.乾燥物品基準で界面活性剤系の35重量%~90重量%の主アニオン性界面活性剤と、
ii.乾燥物品基準で界面活性剤系の10重量%~65重量%の補助界面活性剤と、を含み、界面活性剤系が、スルフェート系界面活性剤を実質的に含まない、界面活性剤系と、
c.乾燥物品基準で0.5重量%~5重量%のpH調整剤であって、pH調整剤が、一塩基性有機酸からなり、一塩基性有機酸が、繊維要素全体に分散されている、pH調整剤と、を含み、
複数の繊維要素が、互いに絡み合っているか、又は他の方法で結合して、繊維性物品を形成する、溶解性固体繊維性シャンプー物品。
2.一塩基性有機酸が、乳酸、酢酸、グリコール酸、グリセリン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、段落1に記載の物品。
3.一塩基性有機酸が、乳酸を含む、段落2に記載の物品。
4.繊維要素が、クエン酸を実質的に含まない、段落1~3のいずれか1つに記載の物品。
5.主アニオン性界面活性剤が、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ココイルグルタミン酸TEA、及びそれらの混合物からなる群から選択されるグルタメート界面活性剤、又はココイルアラニン酸ナトリウム、ラウロイルアラニン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-l-アラニン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されるアラニネート界面活性剤を含む、段落1~4のいずれか1つに記載の物品。
6.ポリマー構造化剤が、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、及びそれらの組み合わせから選択される、段落1~5のいずれかに1つ記載の物品。
7.繊維要素が、均質である、段落1~6のいずれか1つに記載の物品。
8.物品が、総界面活性剤対総構造剤の≧1.85、好ましくは≧2.0、及びより好ましくは≧2.3の重量比を含む、段落1~7のいずれか1つに記載の物品。
9.ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-10、カチオン性グアー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるカチオン性ポリマーを更に含む、段落1~8のいずれか1つに記載の物品。
10.物品が、ハンド溶解試験方法に従って、15ストローク未満、好ましくは12ストローク未満、及びより好ましくは10ストローク未満のハンド溶解値を含む、段落1~9のいずれか1つに記載の物品。
11.ヒドラトロープ(hydratrope)と、二塩基性及び三塩基性有機酸並びにそれらの塩と、それらの組み合わせと、からなる群から選択される添加剤を含むコーティングを更に含む、段落1~10のいずれか1つに記載の物品。
12.二塩基性及び三塩基性有機酸が、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、タルトロン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、及びそれらの塩、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、段落11に記載の物品。
13.ヒドロトロープが、キシレンスルホン酸ナトリウム、尿素、トルエンスルホン酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、段落11に記載の物品。
14.物品2.5グラム当たり7mLの水道水で物品が水和されたときに、物品が、25℃で5Pa~150Pa、好ましくは25℃で10Pa~100Pa、及びより好ましくは25℃で12Pa~75PaのG’を含む、段落11~13のいずれか1つに記載の物品。
15.物品2.5グラム当たり7mLの水道水で物品が水和されたときに、物品が、25℃で150Pa未満、好ましくは25℃で135Pa未満、及びより好ましくは25℃で100Pa未満のG’’を含む、段落11~14のいずれか1つに記載の物品。
16.物品2.5グラム当たり7mLの水道水で物品が水和されたときに、25℃で200Pa.s未満、好ましくは25℃で155Pa.s未満、及びより好ましくは25℃で100Pa.s未満の剪断応力を含む、請求項31~35のいずれか一項に記載の物品。
17.溶融組成物であって、
a.約1重量%~約50重量%のポリマー構造化剤と、
b.約20重量%~約70重量%の界面活性剤系であって、
i.界面活性剤系の約35重量%~約90重量%の主アニオン性界面活性剤と、
ii.界面活性剤系の約10重量%~約65重量%の補助界面活性剤であって、界面活性剤系が、スルフェート系界面活性剤を実質的に含まない、界面活性剤系と、
c.≧40%の溶融物総固形分含量%と、
d.pH試験方法に従って約5.8~約7のpHと、
e.レオロジー試験方法に従って40℃でG’≧25Pa及び約2.8~4.8の及びタンデルタであって、溶融組成物が25℃及び40℃で相安定である、G’≧25Pa及びタンデルタと、を含む、溶融組成物。
18.乳酸、酢酸、グリコール酸、グリセリン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、約0.5%~約5%の一塩基性有機酸を更に含む、段落17に記載の溶融組成物。
19.総界面活性剤対総構造剤の重量比が、1.85以上である、段落17又は18に記載の溶融組成物。
20.物品が水和されたときに滑らかでクリーム状であるシャンプー組成物を提供するための、段落1~19のいずれか1つに記載の物品の使用。
21.物品が水和されたときに比較的より滑らかで比較的よりクリーム状であるシャンプー組成物を提供するための、段落1~20のいずれか1つに記載の物品の使用。本明細書において、従来技術からの物品を比較する必要がある。
22.改善された手触りを有するシャンプー組成物を提供するための、段落1~21のいずれか1つに記載の物品の使用。
23.物品が水和されたときに比較的薄くて比較的より滑りやすいという感触をシャンプー組成物が有する、コーティングを更に含むシャンプー組成物を提供するための、段落1~22のいずれか1つに記載の物品の使用。
【0294】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別途指定されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0295】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか、又はそうでなければ限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0296】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。