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特許7448699計画作成支援システム、計画作成支援装置、及び計画作成支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】計画作成支援システム、計画作成支援装置、及び計画作成支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20240305BHJP
【FI】
G06Q50/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023008055
(22)【出願日】2023-01-23
【審査請求日】2023-11-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511275500
【氏名又は名称】株式会社LITALICO
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】弁理士法人iRify国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎本 大貴
(72)【発明者】
【氏名】野口 晃菜
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 伸秀
(72)【発明者】
【氏名】青野 友香
(72)【発明者】
【氏名】寺下 胡桃
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-268021(JP,A)
【文献】特開2005-215065(JP,A)
【文献】特開2019-36328(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0243404(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0057242(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンケート情報を受付ける入力処理部と、
上記アンケート情報に基づく演算処理を行う演算処理部と、
上記演算結果に係る表示データを生成する生成部と、
少なくとも文例情報を記憶する記憶部と、
上記演算結果を参照した計画作成を支援する計画作成支援部と、
前記演算結果に対応する文例情報を提示し、転記を促す文例提示部と、
を備えた計画作成支援装置。
【請求項2】
前記記憶部は、過去及び最新の演算結果を記憶しており、前記生成部は、前記過去及び最新の演算結果の時系列的変化に係る表示データを生成し、前記計画作成支援部は、前記支援時に前記時系列的な変化に係る表示データを提示する
請求項1に記載の計画作成支援装置。
【請求項3】
端末装置と、計画作成支援装置とからなる計画作成支援システムにおいて、
前記計画作成支援装置は、
複数のアンケート情報を受付ける入力処理部と、
上記アンケート情報に基づく演算処理を行う演算処理部と、
上記演算結果に係る表示データを生成する生成部と、
前記表示データを前記端末装置に送信する送信部と、
少なくとも文例情報を記憶する記憶部と、
上記演算結果を参照した計画作成を支援する計画作成支援部と、
前記演算結果に対応する文例情報を提示し、転記を促す文例提示部と、を備え、
前記端末装置は、
前記表示データを受信する受信部と、
前記表示データを表示する表示部と、を備えた
計画作成支援システム。
【請求項4】
前記記憶部は、過去及び最新の演算結果を記憶しており、前記生成部は、前記過去及び最新の演算結果の時系列的変化に係る表示データを生成し、前記計画作成支援部は、前記支援時に前記時系列的な変化に係る表示データを提示する
請求項3に記載の計画作成支援システム。
【請求項5】
端末装置と、計画作成支援装置とからなる計画作成支援システムによる方法において、
前記計画作成支援装置が、
複数のアンケート情報を受付け、
上記アンケート情報に基づく演算処理を行い、
上記演算結果に係る表示データを生成し、
前記表示データを前記端末装置に送信し、
前記端末装置が、
前記表示データを受信し、
前記表示データを表示し、
前記計画作成支援装置が、
上記演算結果を参照した計画作成を支援し、
前記演算結果に対応する文例情報を提示し、転記を促す
計画作成支援方法。
【請求項6】
前記計画作成支援装置は、過去及び最新の演算結果の時系列的変化に係る表示データを生成し、前記支援時に前記時系列的な変化に係る表示データを提示する
請求項5に記載の計画作成支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、教育機関における個別の教育支援計画、個別の指導計画等の作成において、質問紙と行動観察から得られた内容を入力することで、即時に個別の教育支援計画、個別の指導計画等の作成を行うことができる計画作成支援システム、計画作成支援装置、及び計画作成支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、教育機関における「個別の教育支援計画、個別の指導計画等」等を作成するにあたっては、指導者が自身の見地、経験則を基に、観察課題をピックアップし、支援計画に作成していく手法が主流であった。また、標準化された検査等を用いる際にも、専門職としての一定の経験年数や検査使用のためのトレーニング、または資格を要する。つまり、経験や知識が浅い指導者は頼りとするところがなく、適切な計画等を立案することに困難さを感じており、また、多くの時間を要していた。
【0003】
ここで、介護支援に関する技術として、例えば、特許文献1では、障害の程度に応じたコンテンツと、患者の脳障害の進行状況を診断するための設問コンテンツを含む評価用データとを格納するコンテンツデータベースと、コンテンツデータベース20に格納されたコンテンツまたは設問コンテンツを提示するモニタと、設問コンテンツに基づく患者の回答を検出する音声認識装置と、音声認識結果と評価用データに基づき患者の障害の程度を判断するコンピュータとを備える介護支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-277226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の支援計画の作成プロセスでは、作成の属人性が高く、考え方のモデルが少なく、児童生徒等やその家族が負っているリスクの予防検知に関する標準化も乏しい中で、作成時に時間がかかることで、指導者の負荷が強く、サービスの質が均一に保ちにくい点などが課題とされていた。
【0006】
さらに、前述したような支援計画の作成プロセスにより、作成者の個人差が多い中で指導者支援計画を作成し、その後、全指導者が集まる支援会議などで意思疎通を図ることを目指す場合であっても、作成時の視点がバラバラとなることもあり、会議自体も生産性が高い状態とは言えなくなっている。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、支援計画等を、アセスメント結果に紐づく文例を提示等により、より児童生徒等生徒等の実態に則した計画を、簡易且つ迅速に作成可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る計画作成支援装置は、複数のアンケート情報を受付ける入力処理部と、上記アンケート情報に基づく演算処理を行う演算処理部と、上記演算結果に係る表示データを生成する生成部と、少なくとも文例情報を記憶する記憶部と、上記演算結果を参照した計画作成を支援する計画作成支援部と、前記演算結果に対応する文例情報を提示し、転記を促す文例提示部と、を備えた。
【0009】
本発明の第2の態様に係る計画作成支援システムは、端末装置と、計画作成支援装置とからなる計画作成支援システムにおいて、前記計画作成支援装置は、複数のアンケート情報を受付ける入力処理部と、上記アンケート情報に基づく演算処理を行う演算処理部と、上記演算結果に係る表示データを生成する生成部と、前記表示データを前記端末装置に送信する送信部と、少なくとも文例情報を記憶する記憶部と、上記演算結果を参照した計画作成を支援する計画作成支援部と、前記演算結果に対応する文例情報を提示し、転記を促す文例提示部と、を備え、前記端末装置は、前記表示データを受信する受信部と、前記表示データを表示する表示部と、を備えた。
【0010】
本発明の第3の態様に係る計画作成支援方法は、端末装置と、計画作成支援装置とからなる計画作成支援システムによる方法において、前記計画作成支援装置が、複数のアンケート情報を受付け、上記アンケート情報に基づく演算処理を行い、上記演算結果に係る表示データを生成し、前記表示データを前記端末装置に送信し、前記端末装置が、前記表示データを受信し、前記表示データを表示し、前記計画作成支援装置が、上記演算結果を参照した計画作成を支援し、前記演算結果に対応する文例情報を提示し、転記を促す。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、支援計画等を、アセスメント結果に紐づく文例を提示等により、より児童生徒等生徒等の実態に則した計画を、簡易且つ迅速に作成可能とする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る計画作成支援システムの構成図である。
図2】同システムの計画作成支援装置の構成図である。
図3】計画作成支援装置による処理手順を示す図である。
図4】同システムの端末装置の構成図である。
図5】同システムによる処理手順を示すフローチャートである。
図6】画面表示例を示す図である。
図7】画面表示例を示す図である。
図8】画面表示例を示す図である。
図9】画面表示例を示す図である。
図10】画面表示例を示す図である。
図11】画面表示例を示す図である。
図12】画面表示例を示す図である。
図13】画面表示例を示す図である。
図14】画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0014】
本発明の実施形態に係る計画作成支援装置では、後述するような複数種類の質問紙の実施に加え、行動観察時における課題設定を同時に行うことで、作成の属人性を減らし、経験の多寡による支援計画書の精度の差を無くすだけではなく、時間短縮も行うことができる点を特徴の1つとしている。そして、支援計画作成に際して、アセスメント結果より最適な文例を導き出し活用することができるようにして、作成者の負担を軽減している。
【0015】
図1には、本発明の一実施形態に係る計画作成支援システムの構成を示し説明する。
【0016】
同図に示されるように、計画作成支援システムは、計画作成支援装置1と、保護者の端末装置2と、指導者の端末装置3とを有する。計画作成支援装置1、保護者の端末装置2、及び指導者の端末装置3は、インターネット等の通信網4を介して通信自在に接続されている。保護者の端末装置2、指導者の端末装置3としては、スマートフォン、タブレット端末、ノード型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ等、各種のものを採用することができる。
【0017】
このような構成において、計画作成支援装置1は、保護者の端末装置2、あるいは指導者の端末装置3より送信された、行動面の困りアンケート、感覚・運動面の困りアンケート、学習面の困りアンケート、スキル習得状況、保護者のアンケート等を受信すると、それらアンケート情報等に基づく演算処理を実施し、アセスメント結果を出力する。指導者の端末装置3では、このアセスメント結果を受信すると、当該アセスメント結果に紐づけられた文例等を取り込みながら、個別の教育支援計画、個別の指導計画等を作成することが可能となる。さらに、指導者の端末装置3では、アセスメント結果より当該児童生徒等に好適な教材のレコメンドを確認することが可能となる。
【0018】
図2には、同システムの計画作成支援装置の構成を示し説明する。
【0019】
同図に示されるように、この計画作成支援装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを有する。制御部11と、通信部12と、記憶部13とは、バスラインを介して通信可能に接続されている。通信部12は、例えば、ネットワークインタフェースカード等により実現され、インターネット等の通信網4と有線又は無線で接続され、端末装置2,3等との間で通信を行う通信インタフェースである。このほか、計画作成支援装置1は、不図示の操作入力部、表示部を備えていてもよい。
【0020】
記憶部6は、例えばRAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスクドライブ、又は光ディスク装置等で実現されるもので、制御部11で実行されるプログラムを予め記憶している。また、記憶部13は、ユーザ情報記憶部14、アンケート記憶部15、演算結果記憶部16、文例情報記憶部17、教材情報記憶部18、及び計画記憶部19を有する。
【0021】
より詳細には、ユーザ情報記憶部14は、ユーザIDと紐づけて、支援対象である児童生徒等の氏名、年齢、性別、保護者の氏名、住所、電話番号、メールアドレス等を含む属性情報と、指導履歴等の情報が記憶されている。アンケート情報記憶部15は、アンケートIDと紐づけて、行動面の困りアンケート、感覚・運動面の困りアンケート、学習面の困りアンケート、スキル習得状況、及び保護者のアンケート等、支援対象である児童生徒等のユーザIDを記憶している。演算結果記憶部16は、アセスメントIDと紐づけて、後述する演算処理部11cによる各種アンケートに対する演算結果(アセスメント結果)と、支援対象の児童生徒等のユーザIDを記憶している。文例情報記憶部17は、文例IDと紐づけて、アセスメント結果(各項目、段階(非常に高い/高い/平均的)等)に対応する文例のテキストデータを記憶している。そして、教材情報記憶部18は、教材IDと紐づけて、アセスメント結果(カテゴリごとの習得度等)に対応する教材情報(画像やテキスト等)を記憶している。計画記憶部19は、指導者等により作成された各種計画の情報を記憶している。
【0022】
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等で実現される。制御部2は、記憶部6に記憶されているプログラムを実行することで、主制御部11a、入力処理部11b、演算処理部11c、生成部11d、出力部11e、送受信制御部11fとして機能する。制御部2は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Array)等の集積回路で構成されてよい。
【0023】
このような構成において、主制御部11aは、計画作成支援装置1の全体的な制御を司る。入力処理部2aは、アンケート情報等の入力を受け、処理する。演算処理部2bは、詳細には、第1乃至第4演算処理部からなり、それぞれ行動面の困りアンケート、感覚・運動面の困りアンケート、学習面の困りアンケート、スキル習得状況に基づく演算処理を実行しアセスメント結果を得る。生成部11dは、これらアセスメント結果に基づく画面の表示データを生成する。出力部11eは、アセスメント結果を出力する。この出力の態様の一つに、表示部への表示がある。
【0024】
そして、送受信制御部11fは、生成部11dにより生成されたアセスメント結果に基づく表示データ等を、通信部12を介して、保護者の端末装置2や指導者の端末装置3に送信する送信部、及び保護者の端末装置2や指導者の端末装置3からのアンケート情報等を受信する受信部、として機能する。前述した主制御部11aは、指導者による各種計画の作成を支援する計画作成支援部11a-1、指導者による各種計画の作成時にアセスメント結果に対応する文例を提示する文例提示部11a-2、スキル習得状況に基づき最適な教材をレコメンドする教材提示部11a-3、としても機能する。
【0025】
以下、図3を参照して、計画作成支援装置による処理手順を更に詳細に説明する。
【0026】
同図に示されるように、保護者の端末装置2や指導者の端末装置3より、通信網4を介して各種アンケート情報が送信されると、計画作成支援装置1では、送受信制御部11fが、それらを受信し、入力処理部11bが、アンケート情報を受け付ける(S1)。より具体的には、計画作成支援装置1では、入力処理部11bは、行動面の困りアンケート(S1-1)、感覚・運動面の困りアンケート(S1-2)、学習面の困りアンケート(S1-3)、スキル習得状況(S1-4)、及び保護者アンケート(S1-5)を受け付ける(S1)。
【0027】
続いて、演算処理部11cが、これらアンケート情報等に基づく演算処理を実行する(S2)。より具体的には、第1演算部11c-1は、行動面の困りアンケートに基づいて、各カテゴリでの得点を、各カテゴリの閾値に基づいて3段階(例えば、非常に高い/高い/平均的)で評価する(S2-1)。第2演算部11c-2は、感覚・運動面の困りアンケートに基づいて、カテゴリでの得点を、各カテゴリの閾値に基づいて、3段階(例えば、非常に高い/高い/平均的)で評価する(S2-2)。第3演算部11c-3は、学習面の困りアンケートに基づいて、カテゴリでの得点を比較し、予め定められた閾値を超えた場合には、困りが非常に高いものと評価する(S2-3)。第4演算部11c-4は、スキル習得状況に基づいて、カテゴリごとの習得度(どの設問で「できる」と回答したか)で比較し評価する(S2-4)。
【0028】
そして、出力部11eは、演算処理部11cによる演算結果であるアセスメント結果や保護者アンケートの内容等を出力する(S3)。この出力に際して、生成部11dが、アセスメント結果をグラフ等に加工した表示データを生成し、送受信制御部11fが、当該表示データを、保護者の端末装置2や指導者の端末装置3に送信し、端末装置2,3で表示するようにしてもよい。指導者の端末装置3では、このアセスメント結果に基づいて、個別の教育支援計画や個別の指導計画等を作成することが可能となる。その際に、詳細は後述するように、文例提示部11a-1により、アセスメント結果に対応する文例が提示され当該文例を活用した作成が可能となると共に、教材提示部11a-2によりスキル習得状況に基づき最適な教材がレコメンドされる。
【0029】
図4には、同システムの端末装置2,3の構成を示し説明する。ここでは、保護者の端末装置2の構成を例示するが、指導者の端末装置3についても同様の構成である。
【0030】
同図に示されるように、この端末装置2は、制御部21と、通信部22と、操作部23と、表示部24と、記憶部25とを有する。各部21~25は、バスラインを介して通信自在に接続されている。通信部22は、例えば、NIC等により実現されるもので、インターネット等の通信網4と有線又は無線で接続され、計画作成支援装置1等との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0031】
操作部23は、マウスやキーボード等で実現され、ユーザによる各種操作入力を受け付ける。表示部24は、液晶ディスプレイ等により実現され、各種表示を行う。操作部23と表示部24とをタッチパネルとして一体に構成してもよい。
【0032】
記憶部26は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、HDD、または光ディスク装置等で実現されるもので、制御部21で実行されるプログラムを記憶している。制御部21は、CPUやMPU等で実現され、記憶部25に記憶されているプログラムを実行することで、主制御部21a、表示制御部21b、送受信制御部21cとして機能する。
【0033】
このような構成において、主制御部21aは、端末装置全体の制御を司る。表示制御部21bは、送受信制御部21cが受信したアセスメント結果等に関わる表示データに基づく表示部24での表示を制御する。送受信制御部21cは、アンケート情報や各種リクエスト等を計画作成支援装置1に送信する送信部、計画作成支援装置1からの表示データ等を受信する受信部、として機能するものである。
【0034】
以下、図5のフローチャートを参照して、本システムによる、アセスメント結果に基づく各種計画の作成に関わる処理手順を詳細に説明する。ここでは、図6乃至図11の画面表示例を適宜参照しつつ説明を進める。
【0035】
指導者の端末装置3は、送受信制御部21cが、各種支援計画の作成支援に係るリクエストを計画作成支援装置1に送信する(S11)。計画作成支援装置1では、送受信制御部11fが、このリクエストを受信すると(S12)、計画作成支援部11a-1が、リクエストに含まれる児童生徒等のユーザIDに基づいて、アンケート記憶部15に記憶されているユーザIDに対応するアンケート情報や、演算結果記憶16に記憶されているユーザIDに対応するアセスメント結果等を読み出し、それらを取り込んだ計画作成フォームの表示データを生成部11dが生成し、送受信制御部11fが、当該計画作成フォームの表示データを端末装置3に送信する(S13)。
【0036】
指導者の端末装置3では、送受信制御部21cが、表示データを受信し、表示制御部21bの制御の下、表示部24に計画作成フォームを表示する(S14)。そして、主制御部11aは、文例要求がなされたか否かを判定し(S15)、文例要求がなされていない場合には(S15をNoに分岐)、S21に移行する。一方、文例要求がなされた場合には(S15をYesに分岐)、送受信制御部21cが、文例のリクエストを計画作成支援装置1に送信する(S16)。
【0037】
計画作成支援装置1では、文例のリクエストを受信すると(S17)、文例提示部11a-2が文例情報記憶部17を参照して、文例を抽出し、送受信制御部11fが、当該文例を端末装置3に送信する(S18)。端末装置3では、送受信制御部21cが、この文例を受信すると、表示制御部21bの制御の下、表示部24に文例を表示する(S19)。そして、主制御部21aの制御の下、文例の転記を実行する(S20)。
【0038】
以上のS15乃至S20の処理を画面遷移に従い説明すると、図6に示されるような計画作成フォーム100の記入欄100cにコメントを記載するにあたり、文例を参照したい場合には、ボタン100aを選択する。すると、図7に示されるような画面101が表示され、アセスメント結果表示領域101aには、各種態様でアセスメント結果が提示されることになる。ここでは、領域101aには、感覚・運動面の困りに関わるアセスメント結果(101b)、学習面の困りに関わるアセスメント結果(101c)、及び行動面の困りに関わるアセスメント結果(101d)がそれぞれ提示されている。そして、各アセスメント結果に対応する好適な文例を参照したい場合には、101b~101dのいずれかを選択することで、図8に示される画面102に切り替わる。この画面では、選択した困りに関わるアセスメント結果の各項目の評価が提示される。そこで、文例参照を所望とする項目を選択すると、図9に示されるような画面103に切り替わり、選択した項目に関わる文例が選択可能に提示される。そして、転記を所望とする文例を選択した後(103a)、「選択した内容を転記」ボタン103aを選択すると、図10に示される画面104に切り替わり、記入欄104aに文例の転記が実行される。
【0039】
こうして、端末装置3では、支援計画の作成を完了したか判定し(S21)、完了していない場合には、S15に戻り、上記処理を繰り返し、完了している場合には、作成された各種計画のデータを送受信制御部21cが計画作成支援装置1に送信する(S22)。計画作成支援装置1では、送受信制御部11fが、各種計画のデータを受信し、計画記憶部19に登録し、一連の処理を終了する。
【0040】
ここで、各種計画の作成過程において、図11に示されるアプリケーショントップ画面110において、アプリケーショントップの不図示のボタンが選択された場合には、計画作成支援装置1側では、計画作成支援部11a-1が、演算結果記憶部19を参照して、支援対象の児童生徒等のユーザIDに対応する過去の支援計画の内容を読み出し、生成部11dが表示データを生成し、送受信制御部11fが、当該表示データを指導者の端末装置3に送信する。指導者の端末装置3では、送受信制御部21cが、表示データを受信すると表示制御部21bの制御の下、表示部24に過去の支援計画の内容が表示される。
【0041】
その様子は、図12図13に示される通りである。すなわち、図12に示される画面104では、アンケートの管理名別に、前年度以前の評価の時系列的な変化が可視化されて示される。図13に示される画面106では、前年以前に定めた各種計画における目標等の文面が並べて表示される。したがって、指導者は、この時系列的な変化を参考にして、最新の各種計画を作成することが可能となる。
【0042】
このほか、各種支援計画の作成の過程で、図14(a)に示されるような画面107において、領域107aにある「数」、「図形と数量」、「四則演算」、「事実を的確に認識する」、「筋道を立てて考える」、「振り返る」、「字を書く」、「文章表現する」、「文字を読む」、「事実の読み取り」のボタンのいずれかが選択されると、図14(b)に示されるような画面108に切り替わる。ここでは、画面107で、「四則演算」ボタン17bが選択された場合を例示しているが、図14(b)では、「四則演算」について、支援対象の児童生徒等のアセスメント結果から推奨される教材の一覧が提示される。
【0043】
以上説明した本実施形態に係る計画作成支援システム、計画作成支援装置、及び計画作成支援方法によれば、以下の効果が奏される。
【0044】
すなわち、複数のアンケート情報を受付ける入力処理部11aと、アンケート情報に基づく演算処理を行う演算処理部11bと、演算結果に係る表示データを生成する生成部11dと、少なくとも文例情報を記憶する記憶部13と、演算結果を参照した計画作成を支援する計画作成支援部11a-1と、前記演算結果に対応する文例情報を提示し、転記を促す文例提示部11a-2とを備えた計画作成支援装置1、及びそれを用いた計画作成支援システムが提供される。従って、可視化されたアセスメント結果から、その評価に対して好適な文例を簡易且つ迅速に選択し、転記することで、計画支援の充実度が高まる。
【0045】
ここで、記憶部13は、過去及び最新の演算結果を記憶しており、生成部11dは、過去及び最新の演算結果の時系列的変化に係る表示データを生成し、計画作成支援部11a-1は、支援時に時系列的な変化に係る表示データを提示してもよい。従って、アセスメント結果の時系列的な変化を参照して、児童生徒等の成長の経緯を確認しながら各種計画を作成することが可能となる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【0047】
例えば、アンケートは、上述したものに限定されることなく、更に別種のアンケートを用いて、その演算結果を、個別の教育支援計画、個別の指導計画等に反映させるようにしてもよい。すなわち、本発明は、アンケートの多様化や、質問項目と評価の重みづけの設計など、柔軟に対応し、前述した効果を奏することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…計画作成支援装置、2…保護者の端末装置、3…指導者の端末装置、4…通信網、11…制御部、11a…入力処理部、11b…演算処理部、11c…表示制御部、11d…支援計画生成部、12…通信部、13…記憶部。
【要約】
【課題】支援計画等を、アセスメント結果に紐づく文例を提示等により、より児童生徒等生徒等の実態に則した計画を、簡易且つ迅速に作成可能とする技術を提供する。
【解決手段】本発明は、複数のアンケート情報を受付ける入力処理部11bと、アンケート情報に基づく演算処理を行う演算処理部11cと、演算結果に係る表示データを生成する生成部11dと、少なくとも文例情報を記憶する記憶部13と、演算結果を参照した計画作成を支援する計画作成支援部11a-1と、演算結果に対応する文例情報を提示し転記を促す文例提示部11a-2とを備えた計画作成支援装置である。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14