(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】排気処理装置の支持構造および排気処理装置付きエンジン
(51)【国際特許分類】
B60K 13/04 20060101AFI20240306BHJP
F01N 3/28 20060101ALI20240306BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20240306BHJP
F01P 1/06 20060101ALI20240306BHJP
F01N 3/033 20060101ALI20240306BHJP
E02F 9/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B60K13/04 D
F01N3/28 301V
F01N3/24 E
F01P1/06 K
F01N3/24 L
F01N3/033 Z
E02F9/00 M
(21)【出願番号】P 2021044755
(22)【出願日】2021-03-18
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【氏名又は名称】芳野 理之
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【氏名又は名称】野口 和孝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祐
(72)【発明者】
【氏名】藤本 一隆
(72)【発明者】
【氏名】武岡 達
(72)【発明者】
【氏名】奥本 泰典
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-162713(JP,A)
【文献】特開2015-182510(JP,A)
【文献】特開2011-163339(JP,A)
【文献】特開2011-132924(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0138240(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0104297(KR,A)
【文献】独国特許出願公開第102015114081(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 13/04
F01N 3/28
F01N 3/24
F01P 1/06
F01N 3/033
E02F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体によりエンジンに排気処理装置を支持する排気処理装置の支持構造であって、
前記支持体は、前記排気処理装置を支持した状態で前記エンジンに固定され、
前記エンジンのヘッドカバーの上面部から上方に離れ
た位置において前記ヘッドカバーと前記排気処理装置のディーゼル・パティキュレート・フィルタとの間に配置され
前記エンジンのクランク軸方向と平行方向に延びた平板状の第1主要部分
と前記第1主要部分の一方の端部に接続され前記エンジンのシリンダヘッドに固定された平板状の支持固定部とを有する第1支持部と、
前記ヘッドカバーの前記上面部から上方に離れた位置において前記クランク軸方向と交差する方向に延びた第2主要部分を有する第2支持部と、
を有し、
前記エンジンの冷却ファンの回転により発生する冷却風の少なくとも一部
が通過する冷却風導入部が、前記
第2主要部分と、前記ヘッドカバーの前記上面部と、の間に形成され
、
前記冷却風導入部を通過した前記冷却風を案内する冷却風案内部が、前記第1主要部分と、前記ヘッドカバーの前記上面部と、の間の空間に形成され、
前記支持固定部は、前記冷却風案内部を案内された前記冷却風と接触し前記冷却風を前記クランク軸方向と交差する方向に導くことを特徴とする排気処理装置の支持構造。
【請求項2】
前記支持固定部は、第1支持固定部
であり、
前記第2支持部は、前記第2主要部分の一方の端部に接続され前記エンジンのエキゾーストマニホールドに固定された
平板状の第2支持固定部と、前記第2主要部分の他方の端部に接続され前記エンジンの排気ガス再循環装置に固定された
平板状の第3支持固定部と、を有することを特徴とする請求項
1に記載の排気処理装置の支持構造。
【請求項3】
前記第1支持固定部、前記第2支持固定部および前記第3支持固定部のそれぞれは、補強部分を有することを特徴とする請求項
2に記載の排気処理装置の支持構造。
【請求項4】
前記支持体は、前記排気処理装置の内部における排気ガスの流れ方向が前記エンジンのクランク軸方向に交差する状態で前記排気処理装置を支持したことを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載の排気処理装置の支持構造。
【請求項5】
ディーゼル・パティキュレート・フィルタを有する排気処理装置と、
エンジンに前記排気処理装置を支持する請求項1~
4のいずれか1項に記載の支持体と、
を備えたことを特徴とする排気処理装置付きエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンに排気処理装置を支持する排気処理装置の支持構造および排気処理装置付きエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンは、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)を有する排気処理装置を搭載している。排気処理装置は、ディーゼルエンジンから排出される排気ガス中の粒子状物質を除去する。
【0003】
特許文献1には、DPFを有するディーゼルエンジンを搭載した作業車両が開示されている。特許文献1に記載されたディーゼルエンジンでは、遮熱板がヘッドカバーの上部に組付けられている。また、遮熱板の上面には、風向誘導板が設けられている。風向誘導板は、冷却ファンからの冷却風を、DPFを内装するマフラーに誘導する。
【0004】
ところが、特許文献1に記載されたディーゼルエンジンでは、上述したように、遮熱板がヘッドカバーの上部に組付けられている。そのため、DPFを内装するマフラーから遮熱板に伝わった熱が、ヘッドカバーの上部に伝わりやすい。そうすると、ヘッドカバーに設けられたインジェクタなどの電子部品が、遮熱板から伝わる熱により熱害を受け不具合を生ずるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、エンジンのヘッドカバーに設けられた電子部品が排気処理装置において発生する熱により熱害を受けることを抑えることができる排気処理装置の支持構造および排気処理装置付きエンジンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、支持体によりエンジンに排気処理装置を支持する排気処理装置の支持構造であって、前記支持体は、前記排気処理装置を支持した状態で前記エンジンに固定され、前記エンジンのヘッドカバーの上面部から上方に離れて設けられるとともに前記ヘッドカバーと前記排気処理装置のディーゼル・パティキュレート・フィルタとの間に配置された主要部分を有し、前記エンジンの冷却ファンの回転により発生する冷却風の少なくとも一部は、前記支持体の前記主要部分と、前記ヘッドカバーの前記上面部と、の間に形成された空間を流れることを特徴とする本発明に係る排気処理装置の支持構造により解決される。
【0008】
本発明に係る排気処理装置の支持構造によれば、支持体は、排気処理装置を支持した状態でエンジンに固定されている。また、支持体は、主要部分を有する。支持体の主要部分は、エンジンのヘッドカバーの上面部から上方に離れて設けられ、エンジンのヘッドカバーと、排気処理装置のディーゼル・パティキュレート・フィルタ(DPF)と、の間に配置されている。これにより、支持体の主要部分は、排気処理装置において発生する熱を遮るとともに、支持体の主要部分と、エンジンのヘッドカバーの上面部と、の間に形成された空間を利用して排気処理装置において発生する熱がヘッドカバーに伝わることを抑えることができる。また、エンジンの冷却ファンの回転により発生する冷却風の少なくとも一部は、支持体の主要部分と、ヘッドカバーの上面部と、の間に形成された空間を流れる。そのため、支持体の主要部分は、冷却ファンの冷却風によって冷却される。そのため、排気処理装置から支持体の主要部分に伝わった熱の放出が促進される。つまり、支持体の主要部分は、放熱部として機能することができる。そのため、支持体の主要部分は、排気処理装置において発生する熱がヘッドカバーに伝わることを抑えることができる。これにより、本発明に係る排気処理装置の支持構造は、エンジンのヘッドカバーに設けられた電子部品が排気処理装置において発生する熱により熱害を受けることを抑えることができる。
【0009】
本発明に係る排気処理装置の支持構造において、好ましくは、前記支持体は、前記ヘッドカバーの前記上面部から上方に離れた位置において前記ヘッドカバーと前記ディーゼル・パティキュレート・フィルタとの間に配置され前記エンジンのクランク軸方向と平行方向に延びた第1主要部分を有する第1支持部と、前記ヘッドカバーの前記上面部から上方に離れた位置において前記クランク軸方向と交差する方向に延びた第2主要部分を有する第2支持部と、を有し、前記第1主要部分および前記第2主要部分は、互いに接続されて前記主要部分を形成し、前記冷却風の少なくとも一部が通過する冷却風導入部が、前記第2主要部分と、前記ヘッドカバーの前記上面部と、の間の空間に形成され、前記冷却風導入部を通過した前記冷却風を案内する冷却風案内部が、前記第1主要部分と、前記ヘッドカバーの前記上面部と、の間の空間に形成されたことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る排気処理装置の支持構造によれば、支持体は、第1主要部分を有する第1支持部と、第2主要部分を有する第2支持部と、を有する。第1主要部分および第2主要部分は、互いに接続されて上記の主要部分を形成する。第1支持部の第1主要部分は、ヘッドカバーの上面部から上方に離れた位置において、ヘッドカバーと、ディーゼル・パティキュレート・フィルタと、の間に配置され、エンジンのクランク軸方向と平行方向に延びている。このように、第1支持部の第1主要部分は、ヘッドカバーの上面部から上方に離れた位置においてヘッドカバーとディーゼル・パティキュレート・フィルタとの間に介在するため、排気処理装置において発生する熱を遮るとともに、第1支持体の第1主要部分と、エンジンのヘッドカバーの上面部と、の間に形成された空間を利用して排気処理装置において発生する熱がヘッドカバーに伝わることを抑えることができる。また、第2支持部の第2主要部分は、ヘッドカバーの上面部から上方に離れた位置においてクランク軸方向と交差する方向に延びている。そして、冷却ファンの冷却風の少なくとも一部が通過する冷却風導入部が、第2主要部分と、ヘッドカバーの上面部と、の間の空間に形成されている。そのため、冷却ファンの冷却風の少なくとも一部は、冷却風導入部を円滑に通過できる。また、冷却風導入部を通過した冷却ファンの冷却風を案内する冷却風案内部が、第1主要部分と、ヘッドカバーの上面部と、の間の空間に形成されている。そのため、冷却風導入部を通過した冷却ファンの冷却風は、冷却風案内部により案内され、第1主要部分と、ヘッドカバーの上面部と、の間の空間を円滑に流れる。そのため、第1主要部分が冷却ファンの冷却風によって効率的に冷却され、排気処理装置から第1主要部分に伝わった熱の放出がより一層促進される。そのため、第1主要部分は、排気処理装置において発生する熱がヘッドカバーに伝わることをより一層抑えることができる。これにより、本発明に係る排気処理装置の支持構造は、エンジンのヘッドカバーに設けられた電子部品が排気処理装置において発生する熱により熱害を受けることをより一層抑えることができる。
【0011】
本発明に係る排気処理装置の支持構造において、好ましくは、前記第1支持部は、前記冷却風案内部を案内された前記冷却風と接触し前記冷却風を前記クランク軸方向と交差する方向に導く導風部を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る排気処理装置の支持構造によれば、第1支持部は、導風部を有する。第1支持部の導風部は、冷却風案内部を案内された冷却風と接触し、冷却風をクランク軸方向と交差する方向に導く。そのため、第1主要部分から放出された熱は、導風部に接触した冷却風によりクランク軸方向と交差する方向に導かれる。そのため、排気処理装置から第1主要部分に伝わり第1主要部分から放出された熱は、例えばエンジンが搭載された産業用機械の側方へ導かれ、エンジン収容部の外部に排出される。これにより、排気処理装置において発生する熱が、例えばエンジンが搭載された産業用機械のキャビンに伝わることを抑えることができる。
【0013】
本発明に係る排気処理装置の支持構造において、好ましくは、前記第1支持部は、前記第1主要部分の一方の端部に接続され前記エンジンのシリンダヘッドに固定された第1支持固定部を有し、前記第2支持部は、前記第2主要部分の一方の端部に接続され前記エンジンのエキゾーストマニホールドに固定された第2支持固定部と、前記第2主要部分の他方の端部に接続され前記エンジンの排気ガス再循環装置に固定された第3支持固定部と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る排気処理装置の支持構造によれば、第1支持部および第2支持部を有する支持体は、エンジンのシリンダヘッドと、エンジンのエキゾーストマニホールドと、エンジンの排気ガス再循環装置と、の3箇所でエンジンに固定される。これにより、支持体は、比較的重い重量を有する排気処理装置をヘッドカバーの上方の位置において安定的に支持することができる。
【0015】
本発明に係る排気処理装置の支持構造において、好ましくは、前記第1支持固定部、前記第2支持固定部および前記第3支持固定部のそれぞれは、補強部分を有することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る排気処理装置の支持構造によれば、例えばエンジンを搭載した産業用機械が走行する場合であっても、支持体は、比較的重い重量を有する排気処理装置をヘッドカバーの上方で安定的に支持することができる。
【0017】
本発明に係る排気処理装置の支持構造において、好ましくは、前記支持体は、前記排気処理装置の内部における排気ガスの流れ方向が前記エンジンのクランク軸方向に交差する状態で前記排気処理装置を支持したことを特徴とする。
【0018】
本発明に係る排気処理装置の支持構造によれば、排気処理装置の内部における排気ガスの流れ方向が、エンジンのクランク軸方向に交差する。そのため、排気処理装置の長手方向(すなわち延在方向)が、エンジンのクランク軸方向に交差する。そのため、冷却ファンの冷却風は、排気処理装置における排気ガスの入口側端部あるいは出口側端部だけではなく、入口側端部から出口側端部までにわたる排気処理装置の全体領域に当たる。これにより、本発明に係る排気処理装置の支持構造は、排気処理装置を効率良く冷却できる。また、排気処理装置の長手方向(すなわち延在方向)がエンジンのクランク軸方向に交差するため、例えばエンジンが搭載された産業用機械のエンジン収容部において、排気処理装置の後方に比較的広い空間を確保することができる。そのため、冷却ファンの冷却風は、エンジン収容部における排気処理装置の後方の空間を円滑に流れる。これにより、排気処理装置から第1主要部分に伝わり第1主要部分から放出された熱がエンジン収容部における排気処理装置の後方の空間に溜まることを抑えることができる。そのため、排気処理装置において発生する熱が、例えばエンジンが搭載された産業用機械のキャビンに伝わることを抑えることができる。
【0019】
前記課題は、ディーゼル・パティキュレート・フィルタを有する排気処理装置と、エンジンに前記排気処理装置を支持する請求項1~6のいずれか1項に記載の支持体と、を備えたことを特徴とする本発明に係る排気処理装置付きエンジンにより解決される。
【0020】
本発明に係る排気処理装置付きエンジンによれば、エンジンに排気処理装置を支持する支持体は、主要部分を有する。支持体の主要部分は、エンジンのヘッドカバーの上面部から上方に離れて設けられ、エンジンのヘッドカバーと、排気処理装置のディーゼル・パティキュレート・フィルタ(DPF)と、の間に配置されている。これにより、支持体の主要部分は、排気処理装置において発生する熱を遮るとともに、支持体の主要部分と、エンジンのヘッドカバーの上面部と、の間に形成された空間を利用して排気処理装置において発生する熱がヘッドカバーに伝わることを抑えることができる。また、エンジンの冷却ファンの回転により発生する冷却風の少なくとも一部は、支持体の主要部分と、ヘッドカバーの上面部と、の間に形成された空間を流れる。そのため、支持体の主要部分は、冷却ファンの冷却風によって冷却される。そのため、排気処理装置から支持体の主要部分に伝わった熱の放出が促進される。つまり、支持体の主要部分は、放熱部として機能することができる。そのため、支持体の主要部分は、排気処理装置において発生する熱がヘッドカバーに伝わることを抑えることができる。これにより、本発明に係る排気処理装置付きエンジンは、エンジンのヘッドカバーに設けられた電子部品が排気処理装置において発生する熱により熱害を受けることを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る排気処理装置付きエンジンを右前側から示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る排気処理装置付きエンジンを左前側から示す斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る排気処理装置付きエンジンを右後側から示す斜視図である。
【
図4】本実施形態の排気処理装置の支持体を示す斜視図である。
【
図5】本実施形態の排気処理装置の支持体を示す側面図である。
【
図6】本実施形態に係る排気処理装置付きエンジンが搭載されたトラクタのエンジン収容部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0023】
(エンジン1の概要)
図1は、本発明の実施形態に係る排気処理装置付きエンジンを右前側から示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る排気処理装置付きエンジンを左前側から示す斜視図である。
図3は、本実施形態に係る排気処理装置付きエンジンを右後側から示す斜視図である。
【0024】
図1~
図3に示すエンジン1は、本実施形態に係る排気処理装置付きエンジンの一例であり、例えば産業用ディーゼルエンジンである。エンジン1は、例えば自然吸気の水冷立形3気筒エンジンや4気筒エンジン等の多気筒エンジンである。
図1に示す例では、エンジン1は、自然吸気の3気筒エンジンである。エンジン1は、例えば建設機械、農業機械、芝刈り機のような産業用機械のエンジン収容部内に搭載される。
図1~
図3において、X方向は、エンジン1の前後方向であるクランク軸方向である。Y方向は、エンジン1の左右方向であり、クランク軸方向とは直交している。Z方向は、エンジン1の上下方向である。X、Y、Z方向は、互いに直交している。
【0025】
(エンジン1の構造例)
エンジン1は、シリンダブロック2と、シリンダヘッド3と、ヘッドカバー4と、クランクケース6と、冷却ファン7と、を備える。シリンダヘッド3は、シリンダブロック2の上に組付けられている。ヘッドカバー4は、シリンダヘッド3の上に組付けられている。クランクケース6は、シリンダブロック2の下に組付けられ、オイルパン5を有する。冷却ファン7は、冷却水ポンプの入力軸に取り付けられている。冷却ファン7および冷却水ポンプは、クランク軸からベルトを介して伝達された力より駆動される。
【0026】
エンジン1は、EGR装置(排気ガス再循環装置)9と、コモンレール式燃料噴射装置(図示を省略)と、をさらに備える。EGR装置9は、例えばヘッドカバー4の近くに配置されており、排気ガスの一部を吸気系に還流する。コモンレール式燃料噴射装置は、例えばヘッドカバー4の近くに配置されている。コモンレール式燃料噴射装置は、燃料供給ポンプで昇圧した燃料を、コモンレールに蓄圧して、電子制御回路の制御によりインジェクタの電磁弁を開閉することで、各気筒の燃料噴射時期や噴射量を調整する。
【0027】
(排気処理装置10)
次に、排気処理装置10について説明する。
図1および
図2に示すように、排気処理装置10は、ボルト88を用いて取付金具10Pに固定されるとともに取付金具10Pを介して支持体50に固定されている。後述するように、支持体50は、排気処理装置10を支持した状態でエンジン1に固定されている。これにより、排気処理装置10は、支持体50により支持され、支持体50を介してエンジン1に固定されている。
【0028】
排気処理装置10は、いわゆるDPFマフラとも呼ばれており、筒状のケーシング11と、ケーシング11の内部に配置されているDOC(ディーゼル酸化触媒)12と、ケーシング11の内部に配置されているDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)13と、を有する。
図1に示すように、筒状のケーシング11では、一端部11Aと他端部11Bとが閉じている。DOC12は、ケーシング11の内部における排気ガスの流れ方向Y1についてDPF13よりも上流側に配置されている。DPF13は、ケーシング11の内部における排気ガスの流れ方向Y1についてDOC12よりも下流側に配置されている。ケーシング11の内部における排気ガスの流れ方向Y1は、エンジン1のクランク軸方向(すなわちX方向)に直交している。つまり、支持体50は、ケーシング11の内部における排気ガスの流れ方向Y1がエンジン1のクランク軸方向に交差する状態で排気処理装置10を支持している。
【0029】
DPF13は、排気ガスに含まれるPM(粒子状物質)を捕捉する。DOC12は、シリンダヘッド3の燃焼室から導かれた未燃焼燃料等を酸化させることにより排気温度を上昇させて、DPF13に堆積しているPMの焼却を促進し、DPF13の再生を行う。
図1に示すように、ケーシング11の一端部11Aには、排気導入管14が設けられている。つまり、一端部11Aは、排気処理装置10における排気ガスの入口側端部に相当する。排気導入管14は、シリンダヘッド3の排気管3Rに接続されている。
図2に示すように、ケーシング11の他端部11Bには、排気出口管15が設けられている。つまり、他端部11Bは、排気処理装置10における排気ガスの出口側端部に相当する。
【0030】
(排気処理装置の支持体50)
次に、排気処理装置の支持体50の構造例について、
図1~
図5を参照して説明する。
図4は、本実施形態の排気処理装置の支持体を示す斜視図である。
図5は、本実施形態の排気処理装置の支持体を示す側面図である。
【0031】
図1~
図3に示すように、排気処理装置の支持体50は、エンジン1のヘッドカバー4の上方に設けられ、排気処理装置10を支持している。排気処理装置の支持体50は、金属板材、例えば鉄やステンレス鋼等により作られている。
【0032】
図4および
図5に示すように、支持体50は、第1支持部70と、第2支持部80と、を有する。第1支持部70および第2支持部80は、例えば溶接により互いに接続され、一体化されている。
【0033】
第1支持部70は、ヘッドカバー4の上方においてヘッドカバー4の上面部4Tから上方に離れて設けられ、平板状の主要部分71と、平板状の第1支持固定部72と、連結部分73と、を有する。本実施形態の主要部分71は、本発明の「主要部分」の一部を形成し、本発明の「第1主要部分」の一例である。主要部分71は、ヘッドカバー4の上面部4Tから上方に離れた位置においてヘッドカバー4の上面部4Tと平行になるようにX-Y平面に沿って配置され、エンジン1のクランク軸方向と平行方向に延びている。これにより、
図1~
図3に示すように、冷却風案内部52が、第1支持部70の主要部分71と、ヘッドカバー4の上面部4Tと、の間の空間に形成されている。また、主要部分71は、ヘッドカバー4と、排気処理装置のDPF13と、の間に配置されている。言い換えれば、主要部分71は、ヘッドカバー4と、排気処理装置のDPF13と、の間に介在する。
【0034】
第1支持固定部72は、主要部分71の一端部から90度折り曲げて形成されている。連結部分73は、主要部分71の他端部から90度折り曲げて形成されている。
【0035】
図4および
図5に示すように、第2支持部80は、ヘッドカバー4の上面部4Tから上方に離れて設けられ、主要部分81と、第2支持固定部82と、第3支持固定部83と、を有する。本実施形態の主要部分81は、本発明の「主要部分」の一部を形成し、本発明の「第2主要部分」の一例である。主要部分81は、ヘッドカバー4の上面部4Tから上方に離れた位置においてエンジン1のクランク軸方向と交差する方向に延びており、ヘッドカバー4を跨いで配置されている。これにより、冷却風導入部51が、第2支持部80の主要部分81と、ヘッドカバー4の上面部4Tと、の間の空間に形成されている。
【0036】
より具体的に説明すると、第2支持固定部82が、主要部分81の一端部から90度折り曲げて形成されている。第3支持固定部83が、主要部分81の他端部に対して例えば溶接により連結されている。これにより、
図1および
図2に示すように、冷却風導入部51が、第2支持部80の主要部分81と、第2支持固定部82と、第3支持固定部83と、ヘッドカバー4の上面部4Tと、で囲まれた空間に形成されている。
【0037】
第1支持部70の連結部分73の端部は、第2支持部80の主要部分81の上面に対して、例えば溶接により互いに接続され、固定されている。これにより、第1支持部70および第2支持部80は、互いに一体化されている。
【0038】
図1~
図3に示すように、支持体50は、第1支持部70の第1支持固定部72と、第2支持部80の第2支持固定部82と、第2支持部80の第3支持固定部83と、の3箇所においてエンジン1に固定されている。第1支持固定部72は、ボルト85を用いて、シリンダヘッド3に対して固定されている。第2支持固定部82は、ボルト86を用いて、エキゾーストマニホールド89に対して固定されている。第3支持固定部83は、ボルト87を用いて、EGR装置9のクーラベースのボスに対して固定されている。これにより、比較的重い重量を有する排気処理装置10は、ヘッドカバー4の上方の位置において支持体50により安定的に支持され、支持体50を介してエンジン1に固定されている。
【0039】
図3および
図5に示すように、第1支持部70の第1支持固定部72は、リブ状の第1補強部分121を有している。第1補強部分121は、Z方向に沿って設けられており、平板状の第1支持固定部72を補強している。
図1、
図4および
図5に示すように、第2支持部80の第2支持固定部82は、リブ状の第2補強部分122を有している。第2補強部分122は、Z方向に沿って設けられており、平板状の第2支持固定部82を補強している。
図2および
図4に示すように、第2支持部80の第3支持固定部83は、リブ状の第3補強部分123を有している。第3補強部分123は、Z方向に沿って設けられており、平板状の第3支持固定部83を強度的に補強している。これにより、エンジン1を搭載した産業用機械が走行する場合であっても、支持体50は、比較的重い重量を有する排気処理装置10をエンジン1の上方で安定的に支持することができる。
【0040】
図1および
図2に示すように、排気処理装置10の中間部分に設けられたDPF13は、第1支持部70の上方に配置されている。言い換えれば、支持体50の第1支持部70は、ヘッドカバー4と、排気処理装置10のDPF13と、の間に介在する。
【0041】
図1および
図2に示すように、冷却ファン7の回転により発生する冷却風CWは、エンジン1のクランク軸方向(すなわちX方向)に沿ってエンジン1の前側から後側に向かって流れる。
図4および
図5に示した矢印X1のように、冷却ファン7の冷却風CWの少なくとも一部は、冷却風導入部51を通過する。前述したように、冷却風導入部51は、第2支持部80の主要部分81と、第2支持固定部82と、第3支持固定部83と、ヘッドカバー4の上面部4Tと、で囲まれた空間に形成されている。
【0042】
続いて、
図4および
図5に示した矢印X2のように、冷却風導入部51を通過した冷却風CWは、冷却風案内部52により案内され、第1支持部70の第1支持固定部72に向かって流れる。冷却風案内部52は、第1支持部70の主要部分71の下面71Rと、ヘッドカバー4の上面部4Tと、の間の空間に形成されている。第1支持部70の主要部分71の下面71Rと、ヘッドカバー4の上面部4Tと、の間のZ方向の距離Gは、例えば約80mm以上、120mm以下程度である。
【0043】
続いて、
図4に表した矢印Y2および矢印Y3のように、冷却風案内部52により案内された冷却風CWは、第1支持部70の第1支持固定部72の内面72Rと接触し、エンジン1の左右方向(すなわちY方向)に流れる。本実施形態の第1支持固定部72の内面72Rは、本発明の「導風部」の一例である。このように、導風部として機能する第1支持固定部72の内面72Rは、冷却風案内部52を案内された冷却風CWと接触し、冷却風CWをクランク軸方向と交差する方向に導く。
【0044】
ここで、例えばコモンレール式燃料噴射装置が有するインジェクタのような電子部品が、ヘッドカバー4に設けられている。一方で、排気処理装置10のDPF13は、エンジン1の動作時に排気ガスに含まれるPM(粒子状物質)を捕捉するとともに、DPF13に堆積しているPMを焼却してDPF13の再生を行う。この際に、DPF13は、高熱を発生する。DPF13は、例えば約600℃程度の高温になることがある。そのため、ヘッドカバー4に設けられたインジェクタなどの電子部品が、DPF13から発生する熱により熱害を受け不具合を生ずることがある。
【0045】
これに対して、本実施形態に係る排気処理装置10の支持構造およびエンジン1では、第1支持部70の主要部分71は、ヘッドカバー4の上面部4Tから上方に離れた位置において、ヘッドカバー4と、DPF13と、の間に配置され、エンジン1のクランク軸方向と平行方向に延びている。このように、第1支持部70の主要部分71は、ヘッドカバー4の上面部4Tから上方に離れた位置においてヘッドカバー4とDPF13との間に介在するため、排気処理装置10において発生する熱を遮るとともに、第1支持部70の主要部分71と、ヘッドカバー4の上面部4Tと、の間に形成された空間を利用して排気処理装置10において発生する熱がヘッドカバー4に伝わることを抑えることができる。
【0046】
また、第2支持部80の主要部分81は、ヘッドカバー4の上面部4Tから上方に離れた位置においてエンジン1のクランク軸方向と交差する方向に延びている。そして、冷却ファン7の冷却風CWの少なくとも一部が通過する冷却風導入部51が、第2支持部80の主要部分81と、ヘッドカバー4の上面部4Tと、の間の空間に形成されている。そのため、冷却ファン7の冷却風CWの少なくとも一部は、冷却風導入部51を円滑に通過できる。また、冷却風導入部51を通過した冷却ファン7の冷却風CWを案内する冷却風案内部52が、第1支持部70の主要部分71と、ヘッドカバー4の上面部4Tと、の間の空間に形成されている。そのため、冷却風導入部51を通過した冷却ファン7の冷却風CWは、冷却風案内部52により案内され、第1支持部70の主要部分71と、ヘッドカバー4の上面部4Tと、の間の空間を円滑に流れる。そのため、第1支持部70の主要部分71が冷却ファン7の冷却風CWによって効率的に冷却される。そのため、排気処理装置10から第1支持部70の主要部分71に伝わった熱の放出が促進される。つまり、第1支持部70の主要部分71は、放熱部として機能することができる。そのため、第1支持部70の主要部分71は、排気処理装置10において発生する熱がヘッドカバー4に伝わることを抑えることができる。これにより、本実施形態に係る排気処理装置の支持構造およびエンジン1は、エンジン1のヘッドカバー4に設けられた電子部品が排気処理装置10において発生する熱により熱害を受けることを抑えることができる。
【0047】
また、第1支持部70の第1支持固定部72の内面72Rは、冷却風案内部52を案内された冷却風CWと接触し、冷却風CWをエンジン1のクランク軸方向と交差する方向に導く。そのため、第1支持部70の主要部分71から放出された熱は、第1支持部70の第1支持固定部72の内面72Rに接触した冷却風CWによりエンジン1のクランク軸方向と交差する方向に導かれる。これにより、排気処理装置10から第1支持部70の主要部分71に伝わり主要部分71から放出された熱は、エンジン1のクランク軸方向と交差する方向(例えばY方向)に導かれ排出される。
【0048】
また、ケーシング11の内部における排気ガスの流れ方向Y1は、エンジン1のクランク軸方向に交差する。そのため、
図1~
図3に示すように、排気処理装置10の長手方向(すなわち延在方向)は、エンジン1のクランク軸方向に交差する。そのため、冷却ファン7の冷却風CWは、ケーシング11の一端部11Aあるいはケーシング11の他端部11Bだけではなく、一端部11Aから他端部11Bまでにわたるケーシング11の全体領域に当たる。これにより、本実施形態に係る排気処理装置の支持構造およびエンジン1は、排気処理装置10を効率良く冷却できる。
【0049】
(エンジン1を搭載したトラクタ100)
図6は、本実施形態に係る排気処理装置付きエンジンが搭載されたトラクタのエンジン収容部を示す斜視図である。
なお、説明の便宜上、
図6は、X-Y平面に平行で所定位置に設定された切断面において切断した状態を表している。そのため、
図6では、エンジン収容部101の上方を覆っているエンジンフード109の主要部が省略されている。
【0050】
図6に示すように、エンジン1は、トラクタ100のエンジン収容部101に搭載されている。本実施形態のトラクタ100は、本発明の「産業用機械」の一例である。エンジン収容部101の前側には、ラジエータ、オイルクーラ等の補器類102が収容されている。補器類102の後側には、エンジン1が収容されている。排気処理装置10は、支持体50を介してエンジン1に固定され、エンジン収容部101の隔壁103に近い位置に配置されている。隔壁103は、エンジン収容部101と、キャビン104と、を隔てている。
【0051】
サイドスカート107は、エンジンフード109とともにエンジン収容部101を形成し、エンジン1の側方を覆っている。また、サイドスカート107は、排気部108を有する。排気部108は、例えば網状構造を有し、エンジン収容部101の内部に存在する気体をエンジン収容部101の外部に通すことができる。
【0052】
エンジン1が稼動し、トラクタ100が前進している場合には、
図6に示すように、トラクタ100の走行に伴う走行風MWが、トラクタ100の前方からエンジン収容部101に入りX方向に沿ってトラクタ100の後方に向かって流れる。また、
図1~
図5に関して前述したように、冷却ファン7の回転により発生する冷却風CWは、エンジン1のクランク軸方向(すなわちX方向)に沿ってエンジン1の前方から後方に向かって流れる。
【0053】
そのため、エンジン1が稼動し、トラクタ100が前進している場合には、走行風MWおよび冷却風CWの少なくとも一部は、冷却風導入部51(
図4参照)を通過した後、冷却風案内部52(
図4および
図5参照)により案内され、第1支持部70の第1支持固定部72に向かって流れる。そして、
図6に示す矢印Y4および矢印Y5のように、第1支持部70の第1支持固定部72の内面72R(
図4および
図5参照)と接触した走行風MWおよび冷却風CWは、エンジン1の左右方向(すなわちY方向)に流れ、サイドスカート107に設けられた排気部108を通り、エンジン収容部101の外部に排出される。
【0054】
一方で、冷却風導入部51を通過せず、冷却風案内部52により案内されなかった走行風MWおよび冷却風CWの他の一部は、エンジン1の後方に設けられた隔壁103へ向かって流れる。そして、
図6に示す矢印Y4および矢印Y5のように、隔壁103と接触した走行風MWおよび冷却風CWは、サイドスカート107に設けられた排気部108、あるいはエンジンフード109とキャビン104との間の隙間を通り、エンジン収容部101の外部に排出される。
【0055】
また、エンジン1が稼動している一方で、トラクタ100が停止している場合には、走行風MWは発生しない。そのため、冷却ファン7の回転により発生する冷却風CWの少なくとも一部が、前述した経路を通り、エンジン収容部101の外部に排出される。一方で、冷却風導入部51を通過せず、冷却風案内部52により案内されなかった冷却風CWの他の一部は、前述した経路を通って隔壁103と接触した後、エンジン収容部101の外部に排出される。
【0056】
本実施形態に係るトラクタ100によれば、
図1~
図5に関して前述したエンジン1がエンジン収容部101に搭載されている。そのため、排気処理装置10から第1支持部70の主要部分71に伝わり主要部分71から放出された熱は、第1支持部70の第1支持固定部72の内面72Rに接触した冷却風CWにより、エンジン収容部101においてエンジン1のクランク軸方向と交差する方向(例えばY方向)に導かれ、排気部108を通ってエンジン収容部101の外部に排出される。これにより、排気処理装置10において発生する熱が、キャビン104に伝わることを抑えることができる。
【0057】
また、排気処理装置10の長手方向(すなわち延在方向)がエンジン1のクランク軸方向に交差するため、エンジン収容部101において、排気処理装置10の後方に比較的広い空間を確保することができる。そのため、冷却ファン7の冷却風CWは、エンジン収容部101における排気処理装置10の後方の空間を円滑に流れる。これにより、排気処理装置10から第1支持部70の主要部分71に伝わり主要部分71から放出された熱がエンジン収容部101における排気処理装置10の後方の空間に溜まることを抑えることができる。そのため、排気処理装置10において発生する熱がキャビン104に伝わることを抑えることができる。これにより、例えばエンジンフード109などに設けられる断熱材(遮熱材)の減量を図ることができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
例えば、エンジン1は、自然吸気式の多気筒エンジンに限らず、ターボチャージャ付きの過給式の高出力な多気筒エンジンであっても良い。また、エンジン1は、多気筒エンジンではなく、単気筒エンジンであっても良い。
図示した排気処理装置の支持体50は、第1支持部70と第2支持部80とが例えば溶接により互いに一体化された構造を有するが、これに限らず、1枚の金属板からプレス加工等により形成されていても良い。
【符号の説明】
【0059】
1:エンジン、 2:シリンダブロック、 3:シリンダヘッド、 3R:排気管、 4:ヘッドカバー、 4T:上面部、 5:オイルパン、 6:クランクケース、 7:冷却ファン、 9:EGR装置、 10:排気処理装置、 10P:取付金具、 11:ケーシング、 11A:一端部、 11B:他端部、 12:DOC、 13:DPF、 14:排気導入管、 15:排気出口管、 50:支持体、 51:冷却風導入部、 52:冷却風案内部、 70:第1支持部、 71:主要部分、 71R:下面、 72:第1支持固定部、 72R:内面、 73:連結部分、 80:第2支持部、 81:主要部分、 82:第2支持固定部、 83:第3支持固定部、 85、86、87、88:ボルト、 89:エキゾーストマニホールド、 100:トラクタ、 101:エンジン収容部、 102:補器類、 103:隔壁、 104:キャビン、 107:サイドスカート、 108:排気部、 109:エンジンフード、 121:第1補強部分、 122:第2補強部分、 123:第3補強部分、 CW:冷却風、 MW:走行風