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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】異物除去装置及び異物除去方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 1/00 20240101AFI20240306BHJP
【FI】
B08B1/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020132923
(22)【出願日】2020-08-05
(65)【公開番号】P2022029579
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 聡
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-075646(JP,A)
【文献】特開2002-248433(JP,A)
【文献】特開平09-237326(JP,A)
【文献】特開2019-018127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/00-1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体の導電性ゴムコネクタを保持して3次元的に移動させる搬送ハンド部と、
粘着面を第1の面として一対の支持部材の間に掛け渡された粘着テープと、
前記粘着テープに対し前記第1の面とは反対の第2の面の側に配置され、前記粘着テープの掛け渡し方向に離接する一対のチャックと、
を備え、
前記搬送ハンド部が、前記導電性ゴムコネクタを前記粘着テープに対し前記第1の面の側から押し込んだ状態で、前記一対のチャックが互いに接近して前記粘着テープの前記粘着面を前記導電性ゴムコネクタの対向する一対の面に押し付けることを特徴とする異物除去装置。
【請求項2】
前記搬送ハンド部は、前記一対のチャックが所定の間隔未満に接近することを規制する規制ブロックを有していることを特徴とする請求項1記載の異物除去装置。
【請求項3】
前記導電性ゴムコネクタを前記搬送ハンド部に供給する搬入部を備え、
前記搬入部は、前記搬送ハンド部に対し、前記導電性ゴムコネクタを前記一対の面が一対の導電面となる姿勢で供給することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の異物除去装置。
【請求項4】
直方体の導電性ゴムコネクタの対向する一対の導電面の異物を除去する異物除去方法であって、
一対の支持部材の間に、粘着面を第1の面として粘着テープを掛け渡しておくと共に、前記粘着テープの前記第1の面とは反対側の第2の面の側に、前記粘着テープの掛け渡し方向に離接する一対のチャックを配置しておき、
搬送ハンド部により、前記導電性ゴムコネクタを、前記一対の導電面が側方に露出するよう保持すると共に前記一対の導電面に連接する非導電面側から前記粘着テープの前記第1の面に押し込む押し込み工程と、
前記導電性ゴムコネクタを前記粘着テープの前記第2の面の側に押し込んだ状態で、前記一対のチャックを互いに接近させて前記粘着テープを前記導電性ゴムコネクタの前記一対の導電面に押し付ける押し付け工程と、
を含むことを特徴とする異物除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性ゴムコネクタにおける一対の端子面に付着した異物を除去する異物除去装置及び異物除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にワーク表面に付着した異物を、粘着テープに転着させて除去する異物除去装置が記載されている。
特許文献2には導電性ゴムコネクタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5442031号公報
【文献】特開2001-15191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載されているように、導電性ゴムコネクタは概ね直方体を呈し、対向する第1面及び第2面にそれぞれ第1端子部及び第2端子部が露出すると共に第1端子部と第2端子部とが導通しているゴム基体のコネクタである。
【0005】
このような導電性ゴムコネクタの第1端子部及び第2端子部に付着した異物を除去する場合、第1端子及び第2端子がそれぞれ直方体の対向面に露出しているため、特許文献1に記載されたような平面上の異物を粘着テープに転着させて除去する装置では2回の工程が必要となる。そのため、導電性ゴムコネクタの一対の端子面の異物除去を、より高い効率で行えることが望まれている。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、導電性ゴムコネクタにおける一対の端子面の異物除去を高効率で行うことができる異物除去装置及び異物除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は次の1)、2)の構成を有する。
1) 直方体の導電性ゴムコネクタを保持して3次元的に移動させる搬送ハンド部と、
粘着面を第1の面として一対の支持部材の間に掛け渡された粘着テープと、
前記粘着テープに対し前記第1の面とは反対の第2の面の側に配置され、前記粘着テープの掛け渡し方向に離接する一対のチャックと、
を備え、
前記搬送ハンド部が、前記導電性ゴムコネクタを前記粘着テープに対し前記第1の面の側から押し込んだ状態で、前記一対のチャックが互いに接近して前記粘着テープの前記粘着面を前記導電性ゴムコネクタの対向する一対の面に押し付けることを特徴とする異物除去装置である。
2) 直方体の導電性ゴムコネクタの対向する一対の導電面の異物を除去する異物除去方法であって、
一対の支持部材間に、粘着面を第1の面として粘着テープを掛け渡しておくと共に、前記粘着テープの前記第1の面とは反対側の第2の面の側に、前記粘着テープの掛け渡し方向に離接する一対のチャックを配置しておき、
搬送ハンド部により、前記導電性ゴムコネクタを、前記一対の導電面が側方に露出するよう保持すると共に前記一対の導電面に連接する非導電面側から前記粘着テープの前記第1の面に押し込む押し込み工程と、
前記導電性ゴムコネクタを前記粘着テープの前記第2の面の側に押し込んだ状態で、前記一対のチャックを互いに接近させて前記粘着テープを前記導電性ゴムコネクタの前記一対の導電面に押し付ける押し付け工程と、
を含むことを特徴とする異物除去方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、導電性ゴムコネクタにおける一対の端子面の異物除去を高効率で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、導電性ゴムコネクタ1を示す二面図であり(a)は上面図、(b)は正面図である。
図2図2は、本発明の実施例の異物除去装置91を示すブロック図である。
図3図3は、異物除去装置91が備える吸着装置2と、導電性ゴムコネクタ1とを示す斜視図である。
図4図4は、吸着装置2が導電性ゴムコネクタ1を吸着した状態を示す側面図である。
図5図5は、異物除去装置91における第1の異物除去動作を示す模式図である。
図6図6は、異物除去装置91における第2の異物除去動作を示す模式図である。
図7図7は、異物除去装置91における第3の異物除去動作を示す模式図である。
図8図8は、異物除去装置91における第3の異物除去動作での部分拡大図である。
図9図9は、異物除去装置91における第4の異物除去動作を示す模式図である。
図10図10は、異物除去装置91における第5の異物除去動作を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る異物除去装置を、実施例の異物除去装置91により説明する。
【0011】
(実施例)
図1は、導電性ゴムコネクタ1を示す二面図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。以下、導電性ゴムコネクタ1を単にゴムコネクタ1とも称する。
ゴムコネクタ1は、シリコーンゴムをベースにした薄厚の直方体状を呈する。
【0012】
ゴムコネクタ1は、厚さ方向に、第1基部11,導電部12,及び第2基部13が積層して形成されている。
第1基部11及び第2基部13は、絶縁性を有するゴム層であり、シリコーンゴムなどによって形成されている。
導電部12は、導電性カーボンを含んで導電性を有するゴムで形成された帯状の導電ゴム部121と、絶縁性を有するゴムで形成された帯状の絶縁ゴム部122とが、ゴムコネクタ1の長手方向に交互に並設して形成されている。
【0013】
図1(a),(b)に示されるように、薄厚の直方体状のゴムコネクタ1は、面積の大きい第1主面1b及び第1主面1bに対向する第2主面1cと、第1主面1b及び第2主面1cに連接する一対の対向面である第1側面1a及び第2側面1dを有する。
導電部12の一方の端面である第1導電面12aは、ゴムコネクタ1の第1側面1aに露出し、第1導電面12aの反対側となる第2導電面12bは、ゴムコネクタ1の第1側面1aの反対側の第2側面1dに露出している。
【0014】
これにより、ゴムコネクタ1は、第1側面1aの第1導電面12aと第2側面1dの第2導電面12bとの間で導通が得られる。
ゴムコネクタ1は、電子部品などの一対の端子間の電気接続を、第1側面1aと第2側面1dとを一対の端子それぞれに接触するよう端子間に圧入して行うことができる。
【0015】
ゴムコネクタ1の第1側面1a及び第2側面1dは、それぞれ第1導電面12a及び第2導電面12bが露出している面であり、塵埃などの異物が付着していないことが望まれる。
従って、電子機器の組み立てラインへゴムコネクタ1を投入する際などにおいて、第1側面1a及び第2側面1dに付着した異物を除去する異物除去装置91が用いられる。
【0016】
図2は、異物除去装置91の構成を示すブロック図である。
異物除去装置91は、搬送ハンド部2,テープ搬送部3,圧接部4,及び制御部5を備える。
【0017】
まず、図2及び図3を参照して搬送ハンド部2について説明する。図3は、搬送ハンド部2及びゴムコネクタ1を示した斜視図である。
搬送ハンド部2は、ベース部21,吸着部22,規制ブロック23,腕部24,負圧発生部CP,及び駆動部M2を含んで構成されている。
【0018】
ベース部21は、直方体状のベース体であり、一面側に腕部24が連結され他面側に吸着部22と、吸着部22を長手方向に挟む一対の規制ブロック23,23が取り付けられている。
【0019】
腕部24は、駆動部M2に連結されている。これにより、ベース部21は、駆動部M2の動作によって2次元又は3次元的に移動する。駆動部M2の動作は、制御部5により制御される。駆動部M2は、例えばロボットやラインに併設されたレール装置などに配置される。
【0020】
図2に示されるように、搬送ハンド部2は、ゴムコネクタ1が搬出及び搬入される搬出入部81の上方の第1位置と、テープ搬送部3の上方の第2位置との間を、矢印D1のように往復移動する。
搬送ハンド部2は、第1位置において、搬出入部81に対し矢印D2のように離接方向に移動し、第2位置において、テープ搬送部3に対し矢印D3のように離接方向に移動する。矢印D2,D3で示される離接方向は、例えば上下方向である。
【0021】
吸着部22は、基部221及び基部221の一端側に連結されたゴム製の吸盤部222を有する。吸着部22は、負圧発生部CPの動作によって、吸盤部222において図2及び図3の矢印D4のように外気を吸引してゴムコネクタ1を吸着保持できる。
一対の規制ブロック23,23の離隔する間隔は、ゴムコネクタ1の長手方向の長さよりも短くなっている。
【0022】
図2に示されるように、テープ搬送部3は、巻き出しローラ31,駆動部M31,巻き取りローラ32,駆動部M32,及び粘着テープ33を含んで構成されている。
巻き出しローラ31は駆動部M31によって矢印D6のように正逆回転し、巻き取りローラ32は駆動部M32によって矢印D7のように正逆回転する。駆動部M31及び駆動部M32の動作は、制御部5によって制御される。
【0023】
粘着テープ33は、一方の面が、粘着層が露出した粘着面33aとされ、他方の面が粘着層のない非粘着面33bとされている。粘着テープ33の幅は、ゴムコネクタ1の長手方向長さとほぼ同じとされている。
粘着テープ33は、粘着面33aが外側となるように巻き出しローラ31と巻き取りローラ32とに掛け渡されている。
【0024】
粘着テープ33がゴムコネクタ1の第1側面1a及び第2側面1dに押し付けられた際に、第1側面1a及び第2側面1dに付着した塵埃は、粘着層の粘着力によって粘着テープ33側に移動する(転着する)。
粘着層は、第1側面1a及び第2側面1dに対し、張り付かず糊残りがない粘着剤によって形成されている。
【0025】
圧接部4は、巻き出しローラ31及び巻き取りローラ32の間に配設されている。圧接部4は平行チャックであって、一対のチャック41,42及び一対のチャック41,42を離接駆動させる駆動部M4を含んで構成されている。駆動部M4の動作は、制御部5によって制御される。
【0026】
チャック41,42は、同一の直方体のブロック形状を呈し、巻き出しローラ31と巻き取りローラ32との間に掛け渡された粘着テープ33の内側である第2の面の側に、掛け渡し方向に沿って離隔して配置されている。チャック41,42の上面となる端面41a,42aは、粘着テープ33の非粘着面33bに近接又は接触している。
チャック41,42は、駆動部M4によって、矢印D8,D9に示されるように、互いに連動して開閉動作の接近動作及び離隔動作をする。
【0027】
異物除去装置91は、上述の構成を有し、次に例示する異物除去方法の各工程を実行してゴムコネクタ1の第1導電面12a及び第2導電面12bの異物を除去する。
【0028】
まず、図3に示されるように、制御部5は、搬送ハンド部2を、搬出入部81の上方の第1位置から、搬出入部81に準備されているゴムコネクタ1に向け下降させる(矢印D21参照)。
搬出入部81には、ゴムコネクタ1が、第1側面1a及び第2側面1dに連接する非導電面である第2主面1cを搬送ハンド部2側とする姿勢(上方を向く姿勢)で支持されている。
【0029】
次に、制御部5は、負圧発生部CP(図2参照)を動作させ、吸着部22から矢印D4に示されるように空気を吸引し、図4に示されるように、吸着部22の吸盤部222によってゴムコネクタ1の第2主面1cを吸着する。
詳しくは、ゴムコネクタ1は、吸着部22によって、両端部に一対の規制ブロック23,23が当接する位置まで持ち上げられて吸着保持される。
すなわち、ベース部21側に移動するゴムコネクタ1は、一対の規制ブロック23,23に当接して吸着状態での上下方向の位置が決められる。
【0030】
また、ゴムコネクタ1が吸着部22に吸着された吸着姿勢において、ゴムコネクタ1の端子面である第1導電面12a及び第2導電面12bは、搬送ハンド部2の側方に露出している。
また、ゴムコネクタ1は、図1(b)及び図2に示される、第1導電面12aと第2導電面12bの対向方向の幅L1が、規制ブロック23の幅L23(図2参照)よりもわずかに大きくなっている。搬送ハンド部2は、ゴムコネクタ1を、第1側面1a及び第2側面1dの両方が、規制ブロック23からわずかに側方へ突出する位置で吸着保持する。
【0031】
次いで、制御部5は、図2及び図5に示されるように、ゴムコネクタ1を吸着した搬送ハンド部2を、搬出入部81の上方の第1位置からテープ搬送部3の上方の第2位置へ移動する(矢印D1の右向き)。
既述のように、テープ搬送部3には、粘着テープ33が、一対の支持部材である巻き出しローラ31と巻き取りローラ32との間に、粘着面33aを外側(図2における上側)である第1の面の側となるよう掛け渡されている。また、圧接部4において、チャック41,42は、間にゴムコネクタ1が余裕をもって通過できる間隔で離隔している。
【0032】
制御部5は、搬送ハンド部2を、ゴムコネクタ1が、非導電面側である第1主面1b側からチャック41,42の間の粘着テープ33を押し下げるように下降させる(矢印D3の下向き)。
図6は、搬送ハンド部2が下降してゴムコネクタ1が粘着テープ33の粘着面33aに接触した状態を示している。
【0033】
制御部5は、搬送ハンド部2を継続して下降させて、図7に示されるように、規制ブロック23が、チャック41とチャック42との間にある程度進入した下限位置で停止させる。その後、制御部5は、チャック41,42を、互いに接近する方向に閉じる(矢印D81,矢印D91参照)。図8は、チャック41,42が閉じた状態を示す拡大図である。
【0034】
ゴムコネクタ1が、図6に示される粘着テープ33に接触した位置から図7図8)に示される下限位置まで下降する間に、粘着テープ33は、ゴムコネクタ1によって巻き出しローラ31及び巻き取りローラ32の両方から必要量が引き出される(矢印D31参照)。
このとき、制御部5は、駆動部M31,M32を駆動して、粘着テープ33にバックテンションBTを付与してもよい。
【0035】
ゴムコネクタ1は、第1側面1a及び第2側面1dが、既述のように、規制ブロック23から側方にわずかに突出するように保持される一方、ゴムコネクタ1は、圧縮方向にある程度の弾性を有する。
そのため、ゴムコネクタ1は、チャック41,42に挟まれることで圧縮する(図8の矢印D10参照)。
図8において、チャック41,42は、矢印D81,矢印D91に示されるように互いに接近すると、規制ブロック23に対し位置P1,P2において粘着テープ33を介して突き当たる。これにより、チャック41,42は、所定の間隔未満に接近することが規制される。
【0036】
粘着テープ33の粘着面33aは、閉じるチャック41,42によって付与される力と、ゴムコネクタ1が圧縮することで生じる圧縮に対する反発力とによって、ゴムコネクタ1の第1導電面12a及び第2導電面12bに高い圧力で密着する。
これにより、第1導電面12a及び第2導電面12bに付着していたゴミなどの異物である付着物は、良好に粘着テープ33側に転着する。
【0037】
図9に示されるように、制御部5は、チャック41,42を所定時間閉じた後開き(矢印D11参照)、搬送ハンド部2を上昇させる(矢印D12参照)。
この動作で、粘着テープ33の粘着面33aには、第1導電面12a及び第2導電面12bに付着していた塵埃などの付着物6が転着している。
【0038】
次いで、制御部5は、図10に示されるように、駆動部M32を駆動して、粘着テープ33において付着物6が転着した部分を巻き取りローラ32側に巻き取る(矢印D13参照)。これにより、巻き出しローラ31から未使用の粘着テープ33が繰り出され(矢印D14参照)、チャック41とチャック42との間には、新しい粘着面33aがセットされる。
一方、制御部5は、ゴムコネクタ1を吸着保持した搬送ハンド部2を第1位置へ移動させ(矢印D15参照)、粘着テープ33によるクリーニングを行ったゴムコネクタ1を搬出して異物除去動作を終了し、必要に応じて次のゴムコネクタ1に対して次の異物除去動作を実行する。
【0039】
上述のように、異物除去装置91及び異物除去装置91を用いた異物除去方法によれば、直方体のゴムコネクタ1の対向面にある第1導電面12a及び第2導電面12bの付着物の除去動作を、粘着テープ33の一回の圧着動作で行うことができる。これにより、ゴムコネクタ1の第1導電面12a及び第2導電面12bの異物除去を高効率で行うことができる。
【0040】
異物除去装置91及びそれを用いた異物除去方法では、規制ブロック23によって吸着保持したゴムコネクタ1の上下方向位置及び姿勢が安定して決まり、チャック41,42の閉動作時の接近位置も規制される。
すなわち、粘着テープ33の第1導電面12a及び第2導電面12bへの圧着位置や圧着力が極めて安定するので、第1導電面12a及び第2導電面12bの異物除去が高効率で安定して実行される。
【0041】
以上詳述した実施例は、上述の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形した変形例としてもよい。
【0042】
テープ搬送部3において、粘着テープ33は、必ずしも水平にかけ渡されていなくてもよい。搬送ハンド部2によって、ゴムコネクタ1が掛け渡された粘着テープ33に対し概ね直交する方向に接触して押し込むようになっていればよい。
【0043】
異物除去装置91は、搬出入部81を含めて構成されていてもよい。搬出入部81は、搬送ハンド部2に異物除去処理前のゴムコネクタ1を供給する搬入部と、搬送ハンド部2から異物除去処理済みのゴムコネクタ1を受け取って搬出する搬出部とで構成され、それぞれ同体又は別体で構成されている。
【符号の説明】
【0044】
1 導電性ゴムコネクタ(ゴムコネクタ)
1a 第1側面
1b 第1主面
1c 第2主面
1d 第2側面
11 第1基部
12 導電部
12a 第1導電面
12b 第2導電面
121 導電ゴム部
122 絶縁ゴム部
13 第2基部
2 搬送ハンド部
21 ベース部
22 吸着部
221 基部
222 吸盤部
23 規制ブロック
24 腕部
3 テープ搬送部
31 巻き出しローラ
32 巻き取りローラ
33 粘着テープ
33a 粘着面
33b 非粘着面
4 圧接部(平行チャック)
41,42 チャック
41a,42a 端面
5 制御部
6 付着物
81 搬出入部
91 異物除去装置
CP 負圧発生部
L1,L23 幅
M2,M31,M32,M4 駆動部
P1,P2 位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10