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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/86 20180101AFI20240306BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20240306BHJP
   F24F 11/88 20180101ALI20240306BHJP
   F25B 5/02 20060101ALI20240306BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20240306BHJP
   F24F 110/20 20180101ALN20240306BHJP
   F24F 110/12 20180101ALN20240306BHJP
【FI】
F24F11/86
F24F11/80
F24F11/88
F25B5/02 A
F24F110:10
F24F110:20
F24F110:12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021149672
(22)【出願日】2021-09-14
(65)【公開番号】P2023042396
(43)【公開日】2023-03-27
【審査請求日】2023-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福山 雄太
(72)【発明者】
【氏名】直井 健浩
(72)【発明者】
【氏名】中西 喬也
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-152167(JP,A)
【文献】特開2006-162156(JP,A)
【文献】特開2013-072590(JP,A)
【文献】特開2017-096568(JP,A)
【文献】特開2018-151102(JP,A)
【文献】特開2019-086246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00 - 11/89
F25B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒との熱交換により生成された調和空気を空調対象空間(S1)へ供給する室内機(120)と、
前記空調対象空間(S1)へ外気を導入する外気導入装置(200)と、
前記空調対象空間(S1)の温度を検出する温度センサ(124)と、
前記空調対象空間(S1)の湿度を検出する湿度センサ(230)と、
前記温度センサ(124)及び前記湿度センサ(230)のそれぞれによって検出された温度及び湿度に基づいて、前記冷媒の蒸発温度を変更する制御部(300)と、
を備え、
前記制御部(300)は、
前記外気導入装置(200)との通信の接続を検出した場合に、前記温度及び前記湿度に基づいて前記冷媒の蒸発温度を変更する第1モードに設定され、
前記外気導入装置(200)との通信の接続を検出しない場合に、前記温度に基づいて前記冷媒の蒸発温度を制御する第2モードに設定される、
空調システム(10)。
【請求項2】
前記室内機(120)は、前記空調対象空間(S1)の空気と前記冷媒との間で熱交換を行う第1熱交換器(121)を含み、
前記外気導入装置(200)は、前記空調対象空間(S1)に導入される前記外気と前記冷媒との間で熱交換を行う第2熱交換器(210)を含み、
前記空調システム(10)は、前記第1熱交換器(121)及び前記第2熱交換器(210)のそれぞれに前記冷媒を供給する冷媒回路(20)を備える、
請求項1に記載の空調システム(10)。
【請求項3】
前記外気導入装置(200)は、前記空調対象空間(S1)に導入される前記外気の温度を目標温度に近づけるように調整する、
請求項2に記載の空調システム(10)。
【請求項4】
前記湿度センサ(230)は、前記空調対象空間(S1)から外部空間(S2)へ空気を排出するための排気流路(256a)に配置されている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空調システム(10)。
【請求項5】
前記排気流路(256a)は、前記外気導入装置(200)に設けられている、
請求項4に記載の空調システム(10)。
【請求項6】
前記制御部(300)は、前記温度及び前記湿度に基づいて、前記空調対象空間(S1)にいる人に不快感を与えないように、前記冷媒の蒸発温度を変更する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の空調システム(10)。
【請求項7】
前記制御部(300)は、
前記温度及び前記湿度が所定の条件を満たす場合に、前記冷媒の蒸発温度を現在の値よりも高い第1の値に設定する第1制御処理を実行し、
前記温度及び前記湿度が前記所定の条件を満たさない場合に、前記冷媒の蒸発温度を前記第1の値で維持する、又は、前記第1の値より低い第2の値に設定する第2制御処理を実行する、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の空調システム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、特定の移行条件が満たされた場合に、通常の冷房運転から露付防止運転に移行する空気調和装置が開示されている。露付防止運転では、熱交換器に供給される冷媒の蒸発温度を高くすることで、空気調和装置の冷房能力を低下させ、省エネを実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-96568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空気調和装置の空調対象空間(部屋)に外気導入装置が設置されることがある。空調対象空間に多湿な外気が導入されると、空間内の湿度が上昇する。このような状態で露付防止運転を実行し、冷房能力が低下すると、ユーザに不快感を与える可能性がある。
【0005】
本開示は、外気導入したとしてもユーザに与える不快感を抑制しつつ、省エネを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の空調システムは、
冷媒との熱交換により生成された調和空気を空調対象空間へ供給する室内機と、
前記空調対象空間へ外気を導入する外気導入装置と、
前記空調対象空間の温度を検出する温度センサと、
前記空調対象空間の湿度を検出する湿度センサと、
前記温度センサ及び前記湿度センサのそれぞれによって検出された温度及び湿度に基づいて、前記冷媒の蒸発温度を変更する制御部と、
を備える。
【0007】
外気導入装置によって空調対象空間に外気を導入させつつ、空調対象空間の温度及び湿度に応じて冷媒の蒸発温度が変更される。このため、ユーザに与える快適性を損なうことを抑制しつつ、省エネを実現することができる。
【0008】
(2)好ましくは、前記室内機は、前記空調対象空間の空気と前記冷媒との間で熱交換を行う第1熱交換器を含み、
前記外気導入装置は、前記空調対象空間に導入される前記外気と前記冷媒との間で熱交換を行う第2熱交換器を含み、
前記空調システムは、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器のそれぞれに前記冷媒を供給する冷媒回路を備える。
室内機の第1熱交換器と外気導入装置の第2熱交換器へ共通の冷媒回路から冷媒を供給することで、効率的に省エネを実現することができる。
【0009】
(3)好ましくは、前記外気導入装置は、前記空調対象空間に導入される前記外気の温度を目標温度に近づけるように調整する。
このような構成によって、外気を導入しつつ空調対象空間の温度を快適な温度に調節することができる。
【0010】
(4)好ましくは、前記湿度センサは、前記空調対象空間から外部空間へ空気を排出するための排気流路に配置されている。
このような構成によって、空調対象空間の平均的な湿度を検出することができる。
【0011】
(5)好ましくは、前記排気流路は、前記外気導入装置に設けられている。
このような構成によって、外気導入装置の内部に湿度センサを取り付ければよく、施工性が向上する。
【0012】
(6)好ましくは、前記制御部は、前記温度及び前記湿度に基づいて、前記空調対象空間にいる人に不快感を与えないように、前記冷媒の蒸発温度を変更する。
このような構成によって、空調対象空間にいるユーザに不快感を与えることを抑制することができる。
【0013】
(7)好ましくは、前記制御部は、
前記温度及び前記湿度が所定の条件を満たす場合に、前記冷媒の蒸発温度を現在の値よりも高い第1の値に設定する第1制御処理を実行し、
前記温度及び前記湿度が前記所定の条件を満たさない場合に、前記冷媒の蒸発温度を前記第1の値で維持する、又は、前記第1の値より低い第2の値に設定する第2制御処理を実行する。
このような構成によって、空調対象空間の温度及び湿度が所定の条件を満たす場合は、第1制御処理により省エネを実現することができ、空調対象空間の温度及び湿度が所定の条件を満たさない場合は、第2制御処理によりユーザの快適性を確保することができる。
【0014】
(8)好ましくは、前記制御部は、
前記外気導入装置との通信の接続を検出した場合に、前記温度及び前記湿度に基づいて前記冷媒の蒸発温度を変更する第1モードに設定され、
前記外気導入装置との通信の接続を検出しない場合に、前記温度に基づいて前記冷媒の蒸発温度を制御する第2モードに設定される。
このような構成によって、外気導入装置の有無に応じて、制御部を適切な動作モードに設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る空調システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】空調システムの冷媒回路の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る空調システムの制御ブロック図である。
図4】実施形態に係る外気処理装置の構成の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る外気処理装置の熱交換部の構成の一例を示す斜視図である。
図6】実施形態に係る室外機の制御部の構成の一例を示すブロック図である。
図7】室外機の制御部による冷房運転における制御処理の一例を示すフローチャートである。
図8】通常冷房制御処理の一例を示すフローチャートである。
図9】省エネ冷房制御処理の一例を示すフローチャートである。
図10】外気処理装置の制御部による冷房運転における制御処理の一例を示すフローチャートである。
図11】空気調和機の動作モードの設定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ、空気調和装置の実施形態を詳細に説明する。
【0017】
[1.空気調和装置の構成]
図1は、本開示の実施形態に係る空調システムの全体構成の一例を示す図である。図1に示す空調システム10は、ビル、工場等に設置されて空調対象空間の空気調和を実現する。空調システム10は、空気調和機100と、外気処理装置200とを含む。空気調和機100は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことで空調対象空間を冷暖房する。空気調和機100で使用する冷媒は、例えばR32である。
【0018】
空調システム10は、建物の内部に形成された室内空間S1を空調対象空間としている。本開示における室外空間S2は屋外空間である。
【0019】
空気調和機100は、熱源側ユニットとしての室外機110と利用側ユニットとしての室内機120とを含む。本実施形態において、空気調和機100は、1台の室外機110に対して1台の室内機120が接続されている。ただし、空気調和機100の構成はこれに限られず、1台の室外機110に対して複数の室内機120が接続されてもよい。複数の室内機120は、互いに異なる室内空間S1に配置されてもよい。
【0020】
空気調和機100は、外気処理装置200に接続されている。外気処理装置200は、外気導入装置の一例であり、室内機120が設置された室内空間S1へ外気を導入する。本実施形態における外気処理装置200は、室外空間S2から導入された空気を熱交換により温度調整し、室内空間S1に供給することができる。外気処理装置200は、建物の内部における室内空間S1の外部に設置されている。外気処理装置200は、室内空間S1と室外空間S2とを繋ぐダクトに接続される。
【0021】
[2.冷媒回路の構成]
図2は、空調システム10の冷媒回路の一例を示す図である。図2に示すように、空調システム10は、冷媒回路20を含む。冷媒回路20は、冷媒が充填された閉回路であり、圧縮機111、四方切換弁112、室外熱交換器113、膨張弁114、122、220、室内熱交換器121、及び外気処理装置200の熱交換器210が設けられている。
【0022】
室外機110と室内機120とは、2本の冷媒配管であるガス管GP及び液管LPによって接続されている。ガス管GP内にはガス冷媒が流れる。液管LP内には液冷媒が流れる。
【0023】
室外機110は、例えば建物の屋上、ベランダ等の屋外、又は地下等の室外空間S2に設置される。室外機110内には、圧縮機111、四方切換弁112、室外熱交換器113、膨張弁114が配設され、これらの機器が冷媒配管を介して接続される。
【0024】
圧縮機111は、圧縮機用モータを内蔵する密閉式の構造を有しており、例えばスクロール方式、ロータリ方式などの容積式の圧縮機である。圧縮機111は、吸入した低圧冷媒を圧縮した後吐出する。圧縮機111の回転数を制御することで、冷媒回路内の冷媒の蒸発温度を変化させることが可能である。
【0025】
室外熱交換器113は、例えば、クロスフィン型又はマイクロチャネル型の熱交換器である。室外熱交換器113の近傍には、室外ファン115が配置されている。室外熱交換器113に流入した冷媒は、室外ファン115が生成する空気流と熱交換する。室外ファン115は、例えばプロペラファンであり、室外ファン用モータ(図示省略)により駆動される。室外ファン115は、室外機110内に流入し室外熱交換器113を通過して室外機110外へ流出する空気流を生成する。
【0026】
膨張弁114は、開度調整が可能な電動弁である。膨張弁114は、内部を通過する冷媒をその開度に応じて減圧する。膨張弁114の一端は、室外熱交換器113まで延びる冷媒配管に接続されている。膨張弁114の他端は、液管LPに接続されている。
【0027】
四方切換弁112は、第1~第4のポートを有している。四方切換弁112は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図2に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換えることができる。
【0028】
室外機110の内部には、制御部300が配置されている。図3は、本実施形態に係る空調システムの制御ブロック図である。制御部300は、圧縮機111、四方切換弁112、室外熱交換器113、膨張弁114、及び室外ファン115を制御する。
【0029】
図2に戻り、室内機120は、天井埋込み型、天井吊下げ型、床置き型、又は壁掛け型の室内ユニットである。室内機120内には、室内熱交換器121及び膨張弁122が配設され、これらの機器が冷媒配管を介して接続される。
【0030】
室内機120には、室内ファン123及び膨張弁122が配置されている。膨張弁122は、開度調整が可能な電動弁である。膨張弁122の一端は、液管LPに接続されている。膨張弁122の他端は、室内熱交換器121まで延びる冷媒配管に接続されている。膨張弁122は、内部を通過する冷媒をその開度に応じて減圧する。
【0031】
室内熱交換器121は、例えば、クロスフィン型又はマイクロチャネル型の熱交換器である。室内熱交換器121の液側端は、膨張弁122から延びる冷媒配管に接続されている。室内熱交換器121のガス側端は、ガス管GPに接続されている。室内熱交換器121の近傍には、室内ファン123が配置されている。室内熱交換器121に流入した冷媒は、室内ファン123が生成する空気流と熱交換し、室内熱交換器121から排出される。室内熱交換器121は、第1熱交換器の一例である。
【0032】
室内ファン123は、例えばクロスフローファン又はシロッコファンである。室内ファン123は、室内ファン用モータ(図示省略)によって駆動される。室内ファン123は、室内空間S1から室内機120内部に流入し、室内熱交換器121を通過してから室内空間S1へ流出する空気流を生成する。
【0033】
図3を参照し、室内機120の内部には、制御部310が配置されている。制御部310は、膨張弁122及び室内ファン123を制御する。制御部310には、室外機110の制御部300、外気処理装置200の制御部320、及び図示しないリモートコントローラが接続される。制御部310は、リモートコントローラに入力された設定温度等の運転条件に基づいて室内ファン123及び膨張弁122を駆動させる。
【0034】
室内機120の内部には、さらに温度センサ124が配置されている。温度センサ124は、室内機120が配置された室内空間S1の空気の温度を検出する。温度センサ124は制御部310に接続されており、温度センサ124の検出値は制御部310に出力される。
【0035】
図2に戻り、液管LPの途中からは冷媒管21が分岐し、冷媒管21は外気処理装置200へ延びている。ガス管GPの途中からは冷媒管22が分岐し、冷媒管22は外気処理装置200へ延びている。
【0036】
外気処理装置200は、室内空間S1に冷却・加熱処理した空気(外気)を供給することができる装置であり、外気処理ユニットとも称される。例えば、外気処理装置200は、室内空間S1の天井裏の空間に配置されており、ダクトを通じて室内空間S1及び室外空間S2とつながっている。なお、外気処理装置200は、天井吊下げ型、天井埋込み型、床置き型、又は壁掛け型であってもよく、天井裏以外の場所に配置してもよい。図2に示すように、外気処理装置200は、外気処理部200A及び排気処理部200Bを有している。外気処理部200Aは、熱交換器210及び給気ファン242を有している。排気処理部200Bは、排気ファン243を有している。
【0037】
外気処理装置200は、膨張弁220を含む。膨張弁220は、開度調整が可能な電動弁である。膨張弁220の一端は、冷媒管21に接続されている。膨張弁220の他端は、熱交換器210まで延びる冷媒配管に接続されている。膨張弁220は、内部を通過する冷媒をその開度に応じて減圧する。
【0038】
熱交換器210は、例えば、クロスフィン型又はマイクロチャネル型の熱交換器である。熱交換器210の液側端は、膨張弁220まで延びる冷媒配管に接続されている。熱交換器210のガス側端は、冷媒管22に接続されている。熱交換器210は、第2熱交換器の一例である。
【0039】
図3を参照し、外気処理装置200の内部には、制御部320が配置されている。制御部320は、膨張弁220、給気ファン242及び排気ファン243を制御する。制御部320には、室外機110の制御部300及び室内機120の制御部310が接続される。
【0040】
外気処理装置200の内部には、さらに湿度センサ230及び温度センサ231が配置されている。湿度センサ230は、室内空間S1の空気の湿度を検出する。温度センサ231は、外気処理装置200から室内空間S1へ供給される空気(給気SA)の温度を検出する。湿度センサ230及び温度センサ231は制御部320に接続されており、湿度センサ230及び温度センサ231の検出値は制御部320に出力される。
【0041】
図2に戻り、空調システム10が冷房運転を行う場合、四方切換弁112が第1状態にセットされ、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する。圧縮機111は冷媒を圧縮し、高圧のガス冷媒を吐出する。圧縮機111から吐出された高圧のガス冷媒は、四方切換弁112を通じて室外熱交換器113に流入し、凝縮する。
【0042】
室外熱交換器113において凝縮した冷媒は、膨張弁114において減圧され、液管LPに流入する。液管LPを流れる冷媒は室内機120の膨張弁122に流入し、さらに減圧される。減圧された冷媒は、室内熱交換器121を通過する際に蒸発する。ガス冷媒が室内熱交換器121からガス管GPに流入する。
【0043】
液管LPを流れる液冷媒の一部は冷媒管21に流入する。冷媒管21に流入した冷媒は、外気処理装置200の膨張弁220に流入し、さらに減圧される。減圧された冷媒は、熱交換器210を通過する際に蒸発する。ガス冷媒が熱交換器210から冷媒管22に流入する。冷媒管22を流れる冷媒はガス管GPに流入する。
【0044】
ガス管GPを流れるガス冷媒は室外機110の四方切換弁112を経て圧縮機111に吸入される。
【0045】
空調システム10が暖房運転を行う場合、四方切換弁112が第2状態にセットされ、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する。圧縮機111は冷媒を圧縮し、高圧のガス冷媒を吐出する。圧縮機111から吐出された高圧のガス冷媒は、四方切換弁112を通じてガス管GPに流入する。
【0046】
ガス管GPに流入した冷媒は、室内機120の室内熱交換器121に流入して凝縮する。凝縮した冷媒は、液管LPに流入する。
【0047】
ガス管GPを流れる冷媒の一部は冷媒管22に流入する。冷媒管22に流入した冷媒は、外気処理装置200の熱交換器210に流入して凝縮する。凝縮した冷媒は、冷媒管21に流入する。冷媒管21を流れる冷媒は液管LPに流入する。
【0048】
液管LPを流れる冷媒は、室外熱交換器113を通過する際に蒸発し、四方切換弁112を経て、圧縮機111に吸入される。
【0049】
[3.外気処理装置の構成]
図4は、本実施形態に係る外気処理装置の構成の一例を示す図である。外気処理装置200において、外気処理部200Aは外気取入口253及び給気吹出口254を含み、排気処理部200Bは還気取入口251及び排気吹出口252を含む。
【0050】
図4に示すように、還気取入口251は、室内空間S1(図1参照)からの空気(還気RA)をケーシング250内に取り入れるために用いられる。還気取入口251は、図示しないダクト等を介して室内空間S1に繋がっている。排気吹出口252は、ケーシング250内に取り入れられた還気RAを、排気EAとして室外空間S2(図1参照)に排出するために用いられる。排気吹出口252は、図示しないダクト等を介して室外空間S2に繋がっている。外気取入口253は、室外空間S2からの空気(外気OA)をケーシング250内に取り入れるために用いられる。外気取入口253は、図示しないダクト等を介して室外空間S2に繋がっている。給気吹出口254は、ケーシング250内に取り入れられた外気OAを、給気SAとして室内空間S1に供給するために用いられる。給気吹出口254は、図示しないダクト等を介して室内空間S1に繋がっている。
【0051】
外気処理装置200は、熱交換部241を含む。図5は、熱交換部の構成の一例を示す斜視図である。図5に示すように、本実施形態における熱交換部241は、第1の空気流A1と、第2の空気流A2とがほぼ直交するように構成された直交型の全熱交換器である。この熱交換部241は、仕切板241aと、隔壁板241bとを有している。仕切板241aと隔壁板241bとは適宜の接着剤により交互に積層されている。熱交換部241は、全体としてほぼ四角柱形状に形成されている。
【0052】
仕切板241aは、伝熱性及び透湿性を有し、平板状に形成されている。隔壁板241bは、ほぼ三角形状の断面が連続して形成された波板状に形成されている。隔壁板241bは、隣り合う2枚の仕切板241aの間に空気の通路を形成する。隔壁板241bは、仕切板241aと隔壁板241bとの積層方向(図5における上下方向)で1枚ごとに90度角度を変えて積層されている。これにより、1枚の仕切板241aを挟んでその両側に、第1の空気流A1を通すための給気側通路241dと第2の空気流A2を通すための排気側通路241cとが互いに直交して形成される。排気側通路241cを流れる空気と、給気側通路241dを流れる空気とは、伝熱性及び透湿性を有する仕切板241aを介して顕熱及び潜熱の交換(全熱交換)が行われるようになっている。なお、本実施形態では、熱交換部241を備えた外気処理装置200を例示したが、本開示の空調システムにおける外気導入装置では、熱交換部(全熱交換器)を省略してもよい。
【0053】
図4に示すように、外気処理装置200は、ケーシング250を有している。ケーシング250の内部は、熱交換部241によって室内空間S1側と室外空間S2側との2つの領域に区画されている。ケーシング250内には、熱交換部241よりも第1の空気流A1の上流側に上流側給気通路255aが形成され、熱交換部241よりも第1の空気流A1の下流側に下流側給気通路255bが形成されている。上流側給気通路255aと下流側給気通路255bとによって、室内空間S1と室外空間S2とを熱交換部241を経由して連通させる給気通路が構成されている。
【0054】
ケーシング250内には、熱交換部241よりも第2の空気流A2の上流側に上流側排気通路256aが形成され、熱交換部241よりも第2の空気流A2の下流側に下流側排気通路256bが形成されている。上流側排気通路256aと下流側排気通路256bとによって、室内空間S1と室外空間S2とを熱交換部241を経由して連通させる排気通路が構成される。
【0055】
下流側給気通路255bと上流側排気通路256aとの間には、区画壁257が設けられている。上流側給気通路255aと下流側排気通路256bとの間には、区画壁258が設けられている。
【0056】
下流側給気通路255bにおいて、給気吹出口254の近傍には給気ファン242及び熱交換器210が配置されている。この給気ファン242が運転されることによって第1の空気流A1が生成され、室外空間S2の外気OAが給気通路を通り、熱交換器210によって熱交換されるとともに、給気SAとして室内空間S1に供給される。熱交換器210は、冷媒回路20によって供給される冷媒と、給気通路を通る空気(外気OA)の間で熱交換する。
【0057】
下流側給気流路255bには、温度センサ231が配置されている。温度センサ231は、給気SAの温度を検出する。
【0058】
下流側排気通路256bにおいて、排気吹出口252の近傍には排気ファン243が配置されている。この排気ファン243が運転されることによって第2の空気流A2が生成され、室内空間S1からの還気RAが排気通路を通り、排気EAとして室外空間S2に排出される。
【0059】
上流側排気通路256aには、湿度センサ230が配置されている。湿度センサ230は、還気RAの湿度を検出する。還気RAは、排気ファン243によって室内空間S1から上流側排気通路256aへ導入される空気であるため、還気RAの湿度は室内空間S1の空気の平均的な湿度である。
【0060】
[4.室外機の制御部の構成]
図6は、本実施形態に係る室外機の制御部の構成の一例を示すブロック図である。室外機110の制御部300は、上記の室外機110の構成部品を制御することができる。制御部300は、プロセッサ301と、不揮発性メモリ302と、揮発性メモリ303と、入出力インタフェース(I/O)304と、通信インタフェース(通信I/F)305とを備える。
【0061】
揮発性メモリ303は、例えばSRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。不揮発性メモリ302は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)等である。不揮発性メモリ302には、コンピュータプログラムである制御プログラム306及び制御プログラム306の実行に使用されるデータが格納される。室外機110の各機能は、制御プログラム306がプロセッサ301によって実行されることで発揮される。フラッシュメモリ、ROM、CD-ROMなどの記録媒体に制御プログラム306を記憶させることができる。
【0062】
プロセッサ301は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。ただし、プロセッサ301は、CPUに限られない。プロセッサ301は、GPU(Graphics Processing Unit)であってもよい。プロセッサ301は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよいし、ゲートアレイ、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスであってもよい。この場合、ASIC又はプログラマブルロジックデバイスは、制御プログラム306と同様の処理を実行可能に構成される。
【0063】
I/O304は、制御部300と室外機110の構成部品との間でのデータの入出力に用いられる。具体的には、I/O304は、圧縮機111、四方切換弁112、膨張弁114及び室外ファン115に接続されており、これらに制御信号を送信することができる。
【0064】
通信I/F305は、有線又は無線通信インタフェースである。通信I/F305は、室内機120の制御部310及び外気処理装置200の制御部320と相互に通信することができる。
【0065】
なお、室内機120の制御部310及び外気処理装置200の制御部320の構成は、室外機110の制御部300の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0066】
[5.空調システムの動作]
次に、本実施形態に係る空調システム10の冷房運転について説明する。なお、本実施形態では、室外機110に備えられた制御部300が以下に示す制御処理を実行するが、同制御処理を、室外機110以外に備えられた制御部が実行してもよい。
【0067】
[5-1.室外機の制御処理]
図7は、室外機の制御部による冷房運転における制御処理の一例を示すフローチャートである。室外機110のプロセッサ301は、制御プログラム306を実行することにより、以下のような制御処理を行う。
【0068】
プロセッサ301は、通常冷房制御処理を開始する(ステップS101)。
【0069】
図8は、通常冷房制御処理の一例を示すフローチャートである。通常冷房制御処理は、室内空間S1の温度を下げ、ユーザに快適な温度に調整するための処理である。通常冷房制御処理は、第2制御処理の一例である。
【0070】
プロセッサ301は、温度センサ124の検出値に応じて冷媒の蒸発温度の目標値を決定する(ステップS201)。例えば、温度センサ124の検出値と、ユーザによって設定された設定温度との差分に応じて、冷媒の蒸発温度の目標値が決定される。目標値は、現在の冷媒の蒸発温度と同じ値、又は、現在の冷媒の蒸発温度よりも低い値である。
【0071】
プロセッサ301は、冷媒の蒸発温度が目標値に近づくように膨張弁114の開度及び圧縮機111の回転速度を制御する(ステップS202)。これにより、冷媒の蒸発温度が現在の値を維持するか、現在の値よりも低下する。
【0072】
図7に戻り、プロセッサ301は、上記のような通常冷房制御処理の実行中に、以下のような処理を実行する。
【0073】
温度センサ124は室内空間S1の温度を検出する。温度センサ124の検出値は、室内機120の制御部310に入力される。制御部310は、温度センサ124の検出値を、室外機110の制御部300へ送信する。湿度センサ230は、上流側排気通路256a内の空気の湿度を検出する。上流側排気通路を通過する空気は、室内空間S1の循環している空気であるため、室内空間S1の平均的な湿度を検出することができる。湿度センサ230の検出値は、外気処理装置200の制御部320に入力される。制御部320は、湿度センサ230の検出値を、室外機110の制御部300へ送信する。
【0074】
室外機110の制御部300は、温度センサ124及び湿度センサ230の検出値を受信する(ステップS102)。
【0075】
室内機120の制御部310には、ユーザがリモコンに入力した設定温度が与えられる。制御部310は、設定温度を制御部300へ送信する。制御部300は、制御部310から送信された設定温度を受信する(ステップ103)。
【0076】
制御部300のプロセッサ301は、室内温度(温度センサ124の検出値)と設定温度とを比較し、室内温度が設定温度に到達したか否かを判定する(ステップS104)。
【0077】
室内温度が設定温度に到達していない(室内温度が設定温度より高い)場合(ステップS104においてNO)、プロセッサ301はステップS101へ戻り、通常冷房制御処理を継続する。
【0078】
室内温度が設定温度に到達していない(室内温度が設定温度未満である)場合(ステップS104においてYES)、制御部300のプロセッサ301は、取得した温度及び湿度に基づいて、不快指数Dを算出する(ステップS105)。具体的には、不快指数Dは、以下の式(1)によって算出される。
D = 0.81 × Th + 0.01 × Rh × (0.99 × Th1 - 14.3)+ 46.3 …(1)
ただし、Thは室内空間S1の温度、Rhは室内空間S1の湿度である。Thには温度センサ124の検出値が利用され、Rhには湿度センサ230の検出値が利用される。
【0079】
プロセッサ301は、不快指数Dと閾値とを比較し、不快指数Dが閾値未満であるか否かを判定する(ステップS106)。不快指数Dが閾値未満であることは、温度及び湿度についての所定の条件の一例である。
【0080】
不快指数Dが閾値以上である場合(ステップS106においてNO)、プロセッサ301はステップS101へ戻り、通常冷房制御処理を継続する。
【0081】
不快指数Dが閾値未満である場合(ステップS106においてYES)、プロセッサ301は、通常冷房制御処理を終了し、省エネ冷房制御処理を開始する(ステップS107)。
【0082】
図9は、省エネ冷房制御処理の一例を示すフローチャートである。省エネ冷房制御処理は、冷媒の蒸発温度を現在の値よりも高くし、電力消費を抑えるための処理である。省エネ冷房制御処理は、第1制御処理の一例である。
【0083】
プロセッサ301は、現在の冷媒の蒸発温度よりも高い目標値を決定する(ステップS301)。例えば、現在の冷媒の蒸発温度よりも所定値高い値に目標値が決定される。
【0084】
プロセッサ301は、冷媒の蒸発温度が目標値に近づくように膨張弁114の開度及び圧縮機111の回転速度を制御する(ステップS302)。これにより、冷媒の蒸発温度が現在の値よりも上昇する。省エネ冷房制御処理により、冷房運転における電力消費量が抑制される。
【0085】
図7に戻り、プロセッサ301は、省エネ冷房制御処理の実行中に、ステップS102へ戻る。
【0086】
プロセッサ301は、温度センサ124及び湿度センサ230の検出値を再び受信し(ステップS102)、設定温度を再び受信する(ステップS103)。
【0087】
プロセッサ301は、室内温度と設定温度とを比較する(ステップS104)。室内温度が設定温度よりも高くなった場合(ステップS104においてNO)、プロセッサ301はステップS101へ移り、省エネ冷房制御処理を終了し、通常冷房制御処理を開始する。
【0088】
室内温度が設定温度以下である場合(ステップS104においてYES)、プロセッサ301は不快指数Dを再び算出する(ステップS105)。プロセッサ301は、不快指数Dと閾値とを比較し、不快指数Dが閾値未満であるか否かを判定する(ステップS106)。
【0089】
不快指数Dが閾値以上である場合(ステップS106においてNO)、プロセッサ301はステップS101へ移り、省エネ冷房制御処理を終了し、通常冷房制御処理を開始する。
【0090】
不快指数Dが閾値未満である場合(ステップS106においてYES)、プロセッサ301は、ステップS107へ移り、省エネ冷房制御処理を継続する。
【0091】
[5-2.外気処理装置の制御処理]
図10は、外気処理装置の制御部による冷房運転における制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0092】
室内機120の制御部310には、ユーザがリモコンに入力した設定温度が与えられる。制御部310は、設定温度を外気処理装置200の制御部320へ送信する。制御部320は、制御部310から送信された設定温度を受信する(ステップ401)。
【0093】
温度センサ231は、給気SAの温度を検出する。制御部320は、温度センサ231の検出値を受け付ける(ステップ402)。
【0094】
制御部320は、受信した設定温度に基づいて、給気SAの目標温度を決定する(ステップS403)。例えば、給気SAの目標温度は、受信した設定温度と同一の値に決定される。
【0095】
制御部320は、温度センサ231の検出値が、目標温度に近づくように膨張弁220の開度を制御する(ステップS404)。これにより、給気SAが、目標温度に近づくように調整される。
【0096】
ステップS404の後、制御部320はステップS401へ戻る。
【0097】
[5-3.空気調和機の動作モードの設定]
本実施形態に係る空気調和機100は、外気処理装置200に接続されているか否かに応じて動作モードを設定する。外気処理装置200が空気調和機100に接続されている場合、空気調和機100の動作モードは、冷房運転時において、上述した省エネ冷房制御処理及び通常冷房制御処理を実行可能な省エネモードに設定され、外気処理装置200が空気調和機100に接続されていない場合、空気調和機100の動作モードは、冷房運転時において、通常冷房制御処理のみを実行可能な通常モードに設定される。省エネモードは、室内空間S1の温度及び湿度に基づいて冷媒の蒸発温度を変更するモードであり、第1モードの一例である。通常モードは、室内空間S1に温度に基づいて冷媒の蒸発温度を制御するモードであり、第2モードの一例である。
【0098】
図11は、空気調和機の動作モードの設定処理の一例を示すフローチャートである。設定処理は、例えば、空調システム10のビルへの取付け施工時、又は、空気調和機100が取り付けられたビルへの外気処理装置200の増設時に実行される。
【0099】
室外機110の制御部300と外気処理装置200の制御部320とが通信ケーブルによって接続されると、制御部300は、制御部320との通信の接続を検出する。室外機110のプロセッサ301は、外気処理装置200の制御部320との通信の接続が検出されたか否かを判定する(ステップS501)。
【0100】
室外機110の制御部300と外気処理装置200の制御部320との通信の接続が検出された場合(ステップS501においてYES)、プロセッサ301は、空気調和機100の動作モードを省エネモードに設定する(ステップS502)。これにより、動作モード設定処理が終了する。
【0101】
室外機110の制御部300と外気処理装置200の制御部320との通信の接続が検出されない場合(ステップS501においてNO)、プロセッサ301は、空気調和機100の動作モードを通常モードに設定する(ステップS503)。これにより、動作モード設定処理が終了する。
【0102】
[6.変形例]
上述した実施形態では、室内空間S1の温度及び湿度から不快指数Dを算出し、不快指数Dに応じて冷媒の蒸発温度を変更したが、これに限定されない。不快指数D以外の指標を室内空間S1の温度及び湿度から算出し、当該指標を用いて冷媒の蒸発温度を変更してもよい。
【0103】
上述した実施形態では、外気処理装置200に熱交換器210を設けたが、これに限定されない。外気処理装置200が熱交換器を備えず、室内空間S1に導入される給気SAと冷媒との間での熱交換を行う機能を有さなくてもよい。
【0104】
上述した実施形態では、外気処理装置200の上流側排気通路256aに湿度センサ230を配置したが、これに限定されない。室内空間S1と室外空間S2とを繋ぐダクト(排気流路)に湿度センサ230を配置してもよい。
【0105】
[7.実施形態の作用効果]
(1)空調システム10は、室内機120と、外気処理装置200と、温度センサ124と、湿度センサ230と、制御部300とを含む。室内機120は、冷媒との熱交換により生成された調和空気を室内空間S1へ供給する。外気処理装置200は、室内空間S1へ外気を導入する。温度センサ124は、室内空間S1の温度を検出する。湿度センサ230は、室内空間S1の湿度を検出する。制御部300は、温度センサ124及び湿度センサ230のそれぞれによって検出された温度及び湿度に基づいて、冷媒の蒸発温度を変更する。
【0106】
外気処理装置200によって室内空間S1に外気が導入されても、室内空間S1の温度及び湿度に応じて冷媒の蒸発温度が変更される。このため、ユーザに与える快適性を損なうことを抑制しつつ、省エネを実現することができる。
【0107】
(2)室内機120は、室内空間S1の空気と冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器121を含んでもよい。外気処理装置200は、室内空間S1に導入される給気SAと冷媒との間で熱交換を行う熱交換器210を含んでもよい。空調システム10は、室内熱交換器121及び熱交換器210のそれぞれに冷媒を供給する冷媒回路20を含んでもよい。
室内機120の室内熱交換器121と外気処理装置200の熱交換器210へ共通の冷媒回路20から冷媒を供給することで、効率的に省エネを実現することができる。
【0108】
(3)外気処理装置200は、室内空間S1に導入される給気SAの温度を目標温度に近づけるように調整してもよい。
このような構成によって、外気を導入しつつ室内空間S1の温度を快適な温度に調節することができる。
【0109】
(4)湿度センサ230は、室内空間S1から室外空間S2へ空気を排出するための排気流路に配置されてもよい。
このような構成によって、室内空間S1の平均的な湿度を検出することができる。
【0110】
(5)排気流路は、外気処理装置200に設けられてもよい。
このような構成によって、外気処理装置200の内部に湿度センサ230を取り付ければよく、施工性が向上する。
【0111】
(6)制御部300は、温度及び湿度に基づいて、室内空間S1にいる人に不快感を与えないように、冷媒の蒸発温度を変更してもよい。
このような構成によって、室内空間S1にいるユーザに不快感を与えることを抑制することができる。
【0112】
(7)制御部300は、室内空間S1の温度及び湿度が所定の条件を満たす場合に、省エネ冷房制御処理を実行してもよい。省エネ冷房制御処理は、冷媒の蒸発温度を現在の値よりも高い第1の値に設定する処理である。制御部300は、室内空間S1の温度及び湿度が所定の条件を満たさない場合に、通常冷房制御処理を実行してもよい。通常冷房制御処理は、冷媒の蒸発温度を第1の値で維持する、又は、第1の値より低い第2の値に設定する処理である。
このような構成によって、室内空間S1の温度及び湿度が所定の条件を満たす場合は、省エネ冷房制御処理により省エネを実現することができ、室内空間S1の温度及び湿度が所定の条件を満たさない場合は、通常冷房制御処理によりユーザの快適性を確保することができる。
【0113】
(8)制御部300は、外気処理装置200との通信の接続を検出した場合に、省エネモードに設定されてもよい。省エネモードは、室内空間S1の温度及び湿度に基づいて冷媒の蒸発温度を変更する動作モードである。制御部300は、外気処理装置200との通信の接続を検出しない場合に、通常モードに設定されてもよい。通常モードは、室内空間S1の温度に基づいて冷媒の蒸発温度を制御する動作モードである。
このような構成によって、外気処理装置200の有無に応じて、制御部300を適切な動作モードに設定することができる。
【0114】
[8.補記]
なお、本開示は、以上の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0115】
10:空調システム、20:冷媒回路、21,22:冷媒管、100:空気調和機、110:室外機、111:圧縮機、112:四方切換弁、113:室外熱交換器、114,122,220:膨張弁、115:室外ファン、120:室内機、121:室内熱交換器、123:室内ファン、124:温度センサ、200:外気処理装置、200A:外気処理部、200B:排気処理部、210:熱交換器、230:湿度センサ、241:熱交換部、241a:仕切板、241b:隔壁板、241c:排気側通路、241d:給気側通路、242:給気ファン、243:排気ファン、250:ケーシング、251:還気取入口、252:排気吹出口、253:外気取入口、254:給気吹出口、255:給気通路、255a:上流側給気通路、255b:下流側給気通路、256:排気通路、256a:上流側排気通路、256b:下流側排気通路、257,258:区画壁、300,310,320:制御部、301:プロセッサ、302:不揮発性メモリ、303:揮発性メモリ、304:入出力インタフェース、305:通信インタフェース、306:制御プログラム、A1:第1の空気流、A2:第2の空気流、S1:室内空間、S2:室外空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11