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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】機器制御システム、機器の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240306BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H04Q9/00 301B
H04M11/00 301
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021524935
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(86)【国際出願番号】 JP2020022349
(87)【国際公開番号】W WO2020246594
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】P 2019106716
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】喜多 健次
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-083596(JP,A)
【文献】特開2008-107944(JP,A)
【文献】特開2011-013716(JP,A)
【文献】特開2009-110300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の機器(21)を遠隔制御する機器制御システム(1)であって、
前記機器と、
前記機器と、ネットワークを介して接続される管理装置(10)と、
を備え、
前記管理装置は、
処理性能の異なる複数の実行モードで、前記機器を制御するプログラムを実行可能であり、
前記管理装置は、
前記プログラム、及び、前記プログラムの実施条件の入力を受付け、
受付けた前記プログラムを、前記複数の実行モードのうちの1つである第1実行モードで実行し、
実行結果に基づいて、前記プログラムを実行する実行モードを決定し、
前記プログラムの実行結果が前記実施条件を満たさないと判断したときは、前記プログラムを前記第1実行モードよりも処理性能の高い第2実行モードで実行することを決定し、
前記機器制御システムは、前記第1実行モードでの実行の後で、ユーザに、前記プログラムの前記決定した実行モードと、前記プログラムの前記実行モードを選択したときの制御品質情報および/またはコストを、提示する、
機器制御システム。
【請求項2】
前記管理装置は、CPU(11)と記憶部(12)とを有し、
前記管理装置は、
前記受付けたプログラムと、前記決定された実行モードとを、前記記憶部に登録し、
前記記憶部に登録されたプログラムを、前記登録された実行モードで実行して、前記機器の制御を行う、
請求項1に記載の機器制御システム。
【請求項3】
前記プログラムの実行結果には、前記プログラムの実行時間が含まれ、
前記プログラムの実行時間は、前記管理装置の処理時間と、前記ネットワークを介して接続される前記機器の応答時間との和である、
請求項1又は2に記載の機器制御システム。
【請求項4】
前記制御品質情報は、前記プログラムの実行時間、CPU平均/最大使用率、メモリ平均/最大使用率の内の少なくとも一つを含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項5】
前記プログラムの前記第1実行モードでの実行時の実行時間は、前記管理装置の処理時間と、前記ネットワークを介して接続される前記機器の応答時間との和であり、
前記機器の応答時間が所定値を超えているときに、ユーザに警告する、
請求項1~のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項6】
前記CPUは、コアとメモリを有し、
前記実行モードの処理性能には、前記CPUの動作周波数、コア数、メモリ数、を含む、
請求項2に記載の機器制御システム。
【請求項7】
前記機器制御システムは、さらに、前記機器に接続された制御装置(30)を備え、
前記制御装置は、前記ネットワークを介して前記管理装置に接続され、
前記機器は、前記制御装置を介して制御される、
請求項1~のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項8】
機器(21)とネットワークを介して接続される管理装置(10)による前記機器の制御方法であって、
前記管理装置は、前記機器を制御するプログラムを、処理性能の異なる複数の実行モードで実行可能であり、
前記管理装置は、
記プログラムの入力を受付け、あわせて前記プログラムの実施条件の入力も受付け、
付けた前記プログラムを、前記複数の実行モードのうちの1つの第1実行モードで実行し、
実行結果に基づいて、前記複数の実行モードのうちから前記プログラムを実行する一の実行モードを決定し、
前記受付けたプログラムを前記決定した実行モードで実行して、前記機器の制御を行い、
前記プログラムの実行結果が前記実施条件を満たさないと判断したときは、前記プログラムを前記第1実行モードよりも処理性能の高い第2実行モードで実行することを決定し、
前記管理装置は、前記第1実行モードでの実行の後で、ユーザに、前記プログラムの前記決定した実行モードと、前記プログラムの前記実行モードを選択したときの制御品質情報および/またはコストを、提示する、
機器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
機器を遠隔制御するシステム、および、機器を遠隔制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報家電機器を、ネットワークを介してサーバから制御する、ネットワーク制御装置が知られている。特許文献1(特開2009-110300号公報)は、このようなネットワーク制御装置において、メーカごとに機器の制御設定を行うことなく、簡単に制御設定を行うことができる、ネットワーク制御装置を提供している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
機器を遠隔制御するシステムに、ユーザが制御プログラムを入力する場合に、プログラムの実行に必要な実行環境パラメータを、プログラムに精通していないユーザが入力するのは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の機器制御システムは、1以上の機器を遠隔制御する。機器制御システムは、機器と、管理装置とを備える。管理装置は、機器と、ネットワークを介して接続される。管理装置は、処理性能の異なる複数の実行モードで、機器を制御するプログラムを実行可能である。管理装置は、プログラムの入力を受付け、受付けたプログラムを、第1実行モードで実行する。第1実行モードは、複数の実行モードのうちの1つである。管理装置は、実行結果に基づいて、プログラムを実行する実行モードを決定する。
【0005】
第1観点の機器制御システムは、機器の制御を行うプログラムを第1実行モードでの実行した結果に基づいて、実行モードを決定するので、機器の制御を行うプログラムを適切な実行モードで実行することができる。
【0006】
第2観点の機器制御システムは、第1観点のシステムであって、管理装置は、CPUと記憶部とを有する。管理装置は、受付けたプログラムと、決定された実行モードとを、記憶部に登録する。管理装置は、記憶部に登録されたプログラムを、登録された実行モードで実行して、機器の制御を行う。
【0007】
第2観点の機器制御システムおいては、管理装置は、実行の際の実行モードではなく、実行によって決定された実行モードを記憶部に登録する。管理装置は、登録された実行モードでプログラムを実行する。
【0008】
第3観点の機器制御システムは、第1観点または第2観点のシステムであって、管理装置は、プログラムの入力を受付ける際に、プログラムの実施条件の入力もあわせて受付ける。管理装置は、プログラムの実行結果が実施条件を満たさないと判断したときは、プログラムを第2実行モードで実行することを決定する。第2実行モードは、第1実行モードよりも処理性能が高い。
【0009】
第3観点の機器制御システムにおいては、予め入力されたプログラムの実施条件により実行結果を判断するので、より適切にプログラムの実行条件を判断することができる。
【0010】
第4観点の機器制御システムは、第1観点~第3観点のいずれかのシステムであって、プログラムの実行結果には、プログラムの実行時間が含まれ、プログラムの実行時間は、管理装置の処理時間と、ネットワークを介して接続される機器の応答時間との和である。
【0011】
第5観点の機器制御システムは、第1観点~第4観点のいずれかのシステムであって、第1実行モードでの実行の後で、ユーザに、プログラムの実行モードと、コスト、または/および制御品質情報とを提示する。プログラムの実行モードとは、第1実行モードでの実行の後で、管理装置が決定した実行モードである。コストとは、決定した実行モードでプログラムを実行したときのコストである。
【0012】
第6観点の機器制御システムは、第5観点のシステムであって、制御品質情報は、プログラムの実行時間を含む。
【0013】
第7観点の機器制御システムは、第1観点~第6観点のいずれかのシステムであって、プログラムの第1実行モードでの実行時の実行時間は、管理装置の処理時間と、ネットワークを介して接続される機器の応答時間との和である。システムは、機器の応答時間が所定値を超えているときに、ユーザに警告する。
【0014】
第8観点の機器制御システムは、第2観点のシステムであって、CPUは、コアとメモリを有している。実行モードの処理性能には、CPUの動作周波数、コア数、メモリ数、を含む。
【0015】
第9観点の機器制御システムは、第1観点~第8観点のいずれかのシステムであって、さらに、制御装置を備えている。制御装置は、機器に接続されている。制御装置は、ネットワークを介して管理装置に接続されている。機器は、制御装置を介して制御される。
【0016】
第9観点の機器制御システムにおいては、複数の機器を制御装置に接続できる。そのため、複数の機器と管理装置の通信も一元化され、管理装置にとっては、包括的に機器の制御が可能になる。また、通信が一元化され、通信コストを削減できる。
【0017】
第10観点の機器の制御方法は、機器と管理装置による機器の制御方法である。管理装置は、ネットワークを介して機器に接続される。管理装置は、機器を制御するプログラムを、処理性能の異なる複数の実行モードで実行可能である。管理装置は、複数の実行モードのうち、少なくとも一の実行モードでプログラムの入力を受付ける。管理装置は、受付けた実行モードで受付けたプログラムを実行する。管理装置は、実行結果に基づいて、複数の実行モードのうちからプログラムを実行する一の実行モードを決定する。管理装置は、受付けたプログラムを、決定した実行モードで実行して、機器の制御を行う。
【0018】
第10観点の機器の制御方法は、機器の制御を行うプログラムを受付けた実行モードで実行した結果に基づいて、実行モードを決定するので、機器の制御を行うプログラムを適切な実行モードで実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態の機器制御システム1の全体構成を示す図である。
図2】変形例1の機器制御システム1aの全体構成を示す図である。
図3】第1実施形態の機器の制御方法のフローチャートである。
図4】第2実施形態の機器の制御方法のフローチャートである。
図5】第2実施形態の機器の制御方法において、ユーザに提示される画面の表示例を示す。
図6】変形例2Bの機器の制御方法において、ユーザに提示される画面の表示例を示す。
図7A】第3実施形態の機器の制御方法のフローチャートの一部である。
図7B】第3実施形態の機器の制御方法のフローチャートの一部である。
図8】第3実施形態の機器の制御方法において、ユーザに提示される画面の表示例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
(1)機器制御システム1の全体構成
本実施形態の機器制御システム1は、図1に示すように、機器21と、管理装置10と、ユーザ端末41a、41bと、を有している。機器21は、建物に設置されている。機器21の例としては、空気調和装置である。管理装置10は、ネットワーク15を介して、機器21、および、ユーザ端末41a、41bに接続されている。管理装置10は、ネットワークを介して機器21を制御できる。ユーザ端末41a、41bは、ユーザと、システム1のインターフェースである。
【0021】
本実施形態の機器制御システム1においては、管理装置10が遠隔操作によって、機器21を制御する。
【0022】
(2)機器制御システム1の各構成要素の説明
(2-1)機器21
機器21は、建物に設置される機器である。建物とは、建物内に限らず、建物の屋上、建物の周囲なども含まれる。建物は、商業ビル、居住用アパート、マンション、公共建物、戸建て住宅など、特に限定されない。
【0023】
機器21の例としては、空気調和装置、照明機器、換気扇などである。空気調和装置としては、室外機と、室外機と接続された複数の室内機を一つの機器として扱っても良いし、室外機と、各室内機を個別の機器と見なしてもよい。
【0024】
本実施形態における機器21は、家庭用の空気調和装置21a~21cを想定している。空気調和装置21aは、アパートの一つの部屋25に配置されている。部屋25には、ユーザが在室し、ユーザは、ユーザ端末41aを所持している。ここでは、ユーザとして、直接の機器21ユーザだけでなく、アパートの設備を管理する者や、機器21のメンテナンスや省エネ等のサービスを請け負う管理者も想定し、その管理者はユーザ端末41bを利用しているとする。
【0025】
機器21に関連して、各種の機器関連情報、言い換えると機器データが存在する。機器データは、各機器21、または、部屋の内外に配置されたセンサ、その他のデータである。これらの機器データは、ネットワーク15を介して、管理装置10に送信され、機器21の制御に利用される。
【0026】
(2-2)ユーザ端末41a、41b
ユーザ端末41a、41bは、ユーザインターフェースの役割を含んでいる。
【0027】
ユーザ端末41a、41bは、ネットワーク15を介して、管理装置10に接続されている。ユーザ端末41a、41bは、管理装置10と、情報を交換する。
【0028】
ユーザ端末41a、41bは、コンピュータである。ユーザ端末41a、41bは、パソコン、携帯端末、などである。ユーザ端末41a、41bは、CPUと、メモリと、入力部と、表示部と、を備えている。ユーザ端末41a、41bは、管理装置10の専用端末であっても良いし、その他の機能を有していても良い。本実施形態においては、汎用の携帯端末、特に、スマートフォンである。
【0029】
ユーザ(直接のユーザ、または機器21の管理者)は、ユーザ端末41a、41bに、機器21を制御する制御指令を入力する。ユーザ端末41a、41bの両方で制御指令を入力しても良いし、一方だけで、入力可能であっても良い。ここでは、機器の管理者が、ユーザ端末41bに、機器21を制御する制御指令を入力する。
【0030】
(2-3)管理装置10
管理装置10は、CPU11と、記憶部12と、その他の回路と、を有している。CPU11は、記憶部12やその他の回路と共同して、演算、記憶部への記憶、登録、データ、プログラムの受取、送信、プログラムの試行、実行、など様々な処理を行う。本明細書においては、管理装置が実行モードを決定するまでの実行を試行ということがある。管理装置10は、仮想化されたものであっても良い。CPU11は、コアと、メモリとを有している。
【0031】
管理装置10は、本開示の管理サービスの提供者とは別の、クラウドサービス提供事業者によって、提供されたものであっても良い。クラウドサービス提供事業者が提供するものは、インフラストラクチャーだけであってもよい。インフラストラクチャーは、ハードウエアを含む。クラウドサービス提供事業者が提供するものは、インフラストラクチャーに加えて、プラットフォームであってもよい。プラットフォームは、オペレーションシステムを含む。
【0032】
管理装置10は、ネットワーク15を介して、機器21およびユーザ端末41a、41bに接続されている。管理装置10とユーザ端末41a、41bを接続する回線は、専用回線であってもよいし、公衆回線であっても良い。専用回線は、仮想専用回線(VPN)であってもよい。回線は、クラウドサービス事業者によって提供されたものであっても良い。
【0033】
管理装置10は、機器21やその他より、機器データを取得する。機器データは、適宜、機器の制御に活用される。
【0034】
管理装置10は、機器21の制御を行うプログラムを実行する。具体的には、管理装置が、機器の制御プログラムを実行すると、機器21の制御指令が、ネットワークを介して、機器21に送信される。機器21の制御部は、受け取った制御指令に基づき、機器21の各部を制御する。たとえば、機器21が空気調和装置21aの場合、室内ファンの風の向きを変更するという制御指令に基づき、空気調和装置21aのフラップの傾きが変更される。
【0035】
管理装置10は、機器21の制御を行うプログラムをユーザが作成する環境を提供する。より具体的には、管理装置10は、ユーザが作成するスクリプトを登録するためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を提供する。ユーザは、ユーザ端末41a、41bにおいて、機器21を制御するためのスクリプトを入力する。
【0036】
管理装置10は、機器21の制御を行うプログラムを実行するための、処理性能の異なる複数の実行モードを有している。ここで、処理性能とは、CPU11の動作周波数、コア数、メモリ数などを含む。たとえば、管理装置10において、プログラムを実行する際、第1実行モードでは、CPUは1コアで、メモリは512MBで実行し、第2実行モードでは、CPUは2コアで、メモリは2048MBで実行する。
【0037】
ユーザが機器21の制御を行うプログラム(スクリプト)を入力すると、管理装置10は、スクリプトを受付ける。管理装置10は、さらに、スクリプトを登録して、記憶部12に記憶する。管理装置10は、登録されたスクリプトを記憶部12より読み出し、一の実行モードを選択して、制御を行うプログラムを実行する。
【0038】
(3)機器制御システム1による機器制御
次に、本実施形態の機器制御システム1による機器21の制御について、図3のフローチャートを用いて、説明する。
【0039】
ユーザは、ユーザ端末41a、41bにおいて、機器21を制御するプログラムと、試行する際の処理性能と、実施条件とを入力する。より具体的には、プログラムは、スクリプトの形で入力される。処理性能とは、CPUコアのコア数、動作周波数、CPUのメモリのメモリ数などである。処理性能は、これらの選択によって、各実行モードに対応する。実施条件とは、スクリプト最大実行時間などである。管理装置10は、ユーザの入力したプログラムを受付ける(S101)。管理装置10は、受付けたプログラム、処理性能(実行モード)、実施条件を、CPU11内のメモリに一時保存する(S102)。
【0040】
次に、管理装置10は、ユーザによって指定された処理性能に応じて、実行モードを選択する(S103)。このステップで選択された実行モードを第1実行モードとする。
【0041】
次に、管理装置10は、第1実行モードで、保持されたプログラムを試行(実行)する(S104)。
【0042】
管理装置10は、プログラムを実行しながら、実行状態を監視する。監視の対象は、プログラムの実行時間、CPUの使用率、メモリの使用率などである。
【0043】
ステップS105で、プログラムを試行した実行状態に基づき、管理装置10は、実行モードを判定する。言い換えると、試行した第1実行モードを選択するか、他の実行モードを選択するか、を決定する。
【0044】
ステップS105の判定においては、第1実行モードで実行した際のプログラムの実行状態で判定する。たとえば、実行時間で判定する。実行時間が、所定時間以下であったときは、第1実行モードを選択し、所定時間を超えている場合には、第1実行モードよりも処理性能の高い、第2実行モードを選択する。
【0045】
第1実行モードを選択した場合には、ステップS106に進み、プログラムと第1実行モードとを記憶部12に登録、記憶する。
【0046】
ステップS105で、第1実行モードを選択せず、他の実行モードを選択すると判断したときは、ステップS107に進み、プログラムと選択した実行モード(たとえば、第2実行モード)とを記憶部12に登録する。
【0047】
ステップS106に進んだ場合も、ステップS107に進んだ場合も、次は、ステップS108に進み、管理装置10は、記憶部12に登録されたプログラムと、プログラムの実行モードとを呼び出し、その実行モードでプログラムを実行することにより、機器21の制御を行う。
【0048】
(4)第1実施形態の特徴
(4-1)
第1実施形態の機器制御システム1は、機器21と、機器21とネットワークを介して接続された管理装置10とを有している。管理装置10は、CPU11と記憶部12とを有している。管理装置10は、ユーザの入力した機器21を制御するプログラムを受付ける(S101)。管理装置10は、機器21の制御をするプログラムを実行する複数の実行モードを有している。
【0049】
管理装置10は、受付けたプログラムを選択した一の実行モード(第1実行モード)で試行する(S104)。管理装置10は、試行結果に基づいて、第1実行モードで、プログラムを実行するのが適切か否かを判断する(S105)。第1実行モードで実施するのが適切と判断した場合には、第1実行モードをプログラムとともに、記憶部12に登録する(S106)。管理装置10は、登録されたプログラムを、登録された実行モードで実行して、機器21の制御を行う(S108)。
【0050】
遠隔制御を行う管理装置10においては、ネットワークを介して複数の機器の制御が可能である。そのため、ユーザは、複数の機器の制御を一緒に行うなど、複雑な制御を行うプログラム(スクリプト)を入力する可能性がある。第1実施形態の機器制御システム1は、制御プログラムに対して複数の実行モードを有しているので、プログラムの複雑さ、コスト等に応じて、適当な実行モードを選択して実行することができる。
【0051】
また、機器制御システム1のユーザには、プログラムの実行に必要な実行環境パラメータ(処理性能、実施条件など)に精通していないユーザも存在する。本実施形態においては、制御プログラムを一の実行モードで試行して、適切な実行モードを決定するので、ユーザが不適切な実行モードを指定したとしても、最終的に、適切な実行モードで機器の制御を行うことができる。
【0052】
(4-2)
第1実施形態の機器制御システム1において、管理装置10は、プログラムとともに、プログラムの実施条件もあわせて入力を受付ける(S101)。実施条件とは、たとえば、プログラムの実行時間が所定時間以下にするとの条件である。そして、プログラムの試行を行う(S104)。管理装置10は、プログラムの試行結果が実施条件を満たさないと判断したときは、プログラムを第1実行モードよりも処理性能の高い第2実行モードで実行することを決定する(S105)。
【0053】
第1実施形態の機器制御システム1は、ユーザの実施条件の入力を受け付け、試行(S104)結果を元に、実施条件を満たすように実行モードを決定する(S105)ので、ユーザの希望に沿った制御スペックを実現することができる。
【0054】
(4-3)
第1実施形態の機器制御システム1において、管理装置10は、プログラムを試行した後で、決定した実行モードを記憶部12に登録する。
【0055】
第1実施形態の機器制御システム1は、制御プログラムと実行モードの登録前に試行を行うので、より適切な実行モードを登録することができる。
【0056】
(5)変形例
(5-1)変形例1A
変形例1Aの機器制御システム1aは、図2に示すように、管理装置10、制御装置30、機器21、ユーザ端末42を有している。管理装置10、機器21、ユーザ端末42の機能は、ほとんど第1実施形態と同じである。変形例1Aの機器制御システム1aは、さらに、制御装置30を有している。制御装置30は、各機器21p~21rに接続されている。制御装置30は、ネットワーク15を介して、管理装置10に通信回線を通じて接続されている。言い換えると、変形例1Aにおいては、各機器21p~21rは、制御装置30を介して、ネットワーク15、管理装置10に接続されている。
【0057】
変形例1Aにおいては、管理装置10が機器21の制御プログラムを実行すると、制御指令は、制御装置30に伝えられる。制御装置30は、この制御指令によって、機器21を制御する。
【0058】
また、変形例1Aにおいては、ユーザは、たとえば、建物の管理者である。ユーザは、建物全体の機器21p~21rの制御を行う。ユーザ端末42は、パーソナルコンピュータであっても良い。制御装置30は、各機器21p~21rを制御する。
【0059】
(5-2)変形例1B
第1実施形態においては、ユーザは、プログラムを入力する際に、処理性能(実行モード)、実施条件を同時に入力していた。ユーザは、プログラム(スクリプト)を入力し、処理性能(実行モード)、または、実施条件を入力しなくても良い。
【0060】
変形例1Bにおいては、ユーザは予め処理性能(実行モード)を入力しない。管理装置10は、ステップS103において、ユーザの入力したプログラムに基づき、プログラム試行時の実行モードを選択する。変形例1Bのその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0061】
(5-3)変形例1C
第1実施形態においては、ユーザが入力したプログラム(スクリプト)と、処理性能(実行モード)と、実施条件とは、管理装置10に受付けられ、一時CPUのメモリに保存された(S102)。このとき、プログラムについては、記憶部12に登録しても良い。
【0062】
変形例1Cにおいては、ステップS102において、受付けられたプログラムは、記憶部12に、登録される。変形例1Cにおいては、ステップS106またはS107で、実行モードが登録される際に、既に登録されているプログラムと関連付けて記憶部12に登録される。
【0063】
(5-4)変形例1D
第1実施形態においては、管理装置10は、制御プログラムを第1実行モードで試行(S104)し、その試行結果に基づいて、実行する実行モードを決定した(S105)。試行は、2回または3回以上であってもよい。または、第1実行モードだけでなく、他の実行モードでもプログラムを試行してもよい。
【0064】
変形例1Dは、ステップS105において、試行結果が、ユーザの入力した実施条件を満たすか否かを判断する。実施条件とは、たとえば、プログラムの実行時間が所定時間以下であるかである。所定時間以下のときは、実施条件を満たすとして、第1実行モードでプログラムを実行することを決定し、記憶部12に登録する(S106)。この場合は、第1実施形態と同様である。ステップS105で、第1実行モードでの試行が実施条件を満たさないときは、他の実行モードで、同じ制御プログラムの再度の試行を行う。実施条件を満たさないときとは、たとえば、プログラムの第1実行モードでの試行が所定時間を超える場合である。この場合は、他の実行モードとして、第1実行モードよりも処理性能の高い、第2実行モードを選択して、試行する。
【0065】
変形例1Dは、第2実行モードでの制御プログラムの試行が、ユーザの指定した実施条件を満たさないときは、さらに、第3実行モードでのプログラムの試行を行う。このように、ユーザの指定した実施条件を満たすまで、より処理性能の高い実行モードの存在する限り、プログラムの試行を繰り返す。実行モードの数は、一般的に有限なので、有限の試行で、ユーザの指定した実施条件を満たしても満たさなくても試行は終了する。
【0066】
変形例1Dの機器の制御方法は、必要な場合には、試行を繰り返して、より適切な実行モードに近づくことができる。
【0067】
(5-5)変形例1E
第1実施形態、変形例1A~1Dにおいては、実施条件とは、プログラムの実行時間が所定時間以下であるかであった。実施条件は、これに限定されない。
【0068】
変形例1Eでは、実施条件は、CPUの平均使用率である。ステップS105では、試行結果が、ユーザの入力したCPUの平均使用率以下であるか否かを判断する。
【0069】
変形例1Eでは、実施条件は、CPUの平均使用率であったが、他には、プログラムの平均実行時間、CPUの最大使用率、メモリの平均使用率、メモリの最大使用率であってもよい。
【0070】
(5-6)変形例1F
変形例1Dでは、ユーザの指定した実施条件を満たすまで、プログラムの試行を繰り返す場合について説明した。変形例1Dでは、特にプログラムの試行回数に制限は設けていない。予め、プログラムの試行回数に上限を設けても良い。
【0071】
変形例1Fでは、ユーザがプログラムの試行回数に上限を設ける。たとえば、変形例1Fでは、3回である。3回の試行でも、実施条件を満たさないときは、その旨をユーザに通知する。
【0072】
変形例1Fでは、試行回数に制限を設けたが、試行回数ではなく、試行を実施する時間に上限を設けてもよい。試行回数と、試行を実施する時間との両方に上限を設けてもよい。
【0073】
<第2実施形態>
(6)第2実施形態の機器制御システム1と、機器21の制御方法
第1実施形態の機器制御システム1においては、管理装置10は、ユーザの入力した機器制御プログラムを第1実行モードで試行して、管理装置10が、第1実行モードを選択するか否かを判断していた。第2実施形態の機器制御システム1においては、プログラムを第1実行モードで試行するところまでは、第1実施形態と同じである。第2実施形態の機器制御システム1においては、管理装置10は、プログラムの第1実行モードでの試行後に、ユーザにプログラムをどの実行モードで実行するかを問い合わせて、ユーザがどの実行モードを選択するか決める。
【0074】
第2実施形態の機器制御システム1の構成は、図1の第1実施形態の機器制御システム1と同じである。第2実施形態の機器制御システム1を用いた機器21の制御方法について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0075】
第2実施形態の機器の制御方法において、ステップS201~S204のプログラムの試行までの段階は、第1実施形態のステップS101~S104と全く同じである。
【0076】
第2実施形態においては、ステップS204でプログラムの試行後に、管理装置10は、第1実行モードの試行時の実行状態に基づいて、適当な実行モードを選択する(S205)。そして、その実行モードのコストを計算する(S206)。適当な実行モードは、第1実行モードであってもよいし、他の実行モードであっても良い。適当な実行モードは、一つであってもよいし、複数であっても良い。本実施形態においては、実行状態に特に問題がなければ、適当な実行モードとして第1実行モードを選択する。実行状態に問題があると、管理装置10が判断したときは、より処理性能の高い実行モードが適当な実行モードとして選択される。
【0077】
次に、管理装置10は、コスト計算を行った実行モードとそのコストと制御品質情報とを、ユーザに提示する(S207)。ここで提示する実行モードとコストと制御品質情報の組は、1組であっても良いし、2組以上であっても良い。具体的には、ユーザ端末42に、その実行モードとコストと制御品質情報を送信し、ユーザ端末42の表示部に表示する。
【0078】
制御品質情報とは、選択した実行モードでプログラムを実行した場合におけるシステムの処理の余裕度を示している。制御品質情報は、処理実行時間、CPU平均/最大使用率、メモリ平均/最大使用率などを含む。ここで、CPUとは、管理装置10のCPU11を指し、メモリとは、CPU11内のメモリを指す。
【0079】
処理実行時間は、管理装置10の処理時間と、ネットワーク15を介して接続される機器21の応答時間とを含む。さらに、機器21の応答時間には、ネットワーク15接続応答時間と、機器21の処理時間とが含まれる。ネットワーク15接続応答時間は、ネットワーク接続環境に応じて、大きく変動する。ネットワーク接続環境には、たとえば、5Gか、LTEか、3Gなどの通信方式を含む。
【0080】
ステップS207において、管理装置がユーザに提示する制御品情報等の提示例を図5に示す。図5では、決定された実行モードと、コストと、制御品質情報とが表示されている。必ずしも、このすべてが表示されている必要はなく、たとえば、決定された実行モードと、コストと、が表示されていてもよいし、決定された実行モードと、制御品質情報とが表示されていてもよい。ここでは、決定された実行モードは、第1実行モードと表示されている。これは、ステップS205で第1実行モードが選択されたことを意味している。次に、図5の2行目では、ステップS206で計算されたコストが表示されている。図5では、3行目以下に、ステップS204の試行(実行)によって得られた、制御品質情報を表示する。ここでは、制御品質情報として、プログラムの実行時間と、プログラムの実行時間に対するユーザの入力した実施条件(所定値)と、管理装置の処理時間と、機器の応答時間と、CPU平均使用率と、を表示している。
【0081】
制御品質情報は、実施条件を満たしている場合であっても、その条件に対して実績値として定量的にどの程度であったのか、ユーザに情報を提示することで、ユーザが実行モードを選択するのを支援する。さらに、具体的に制御品質情報を説明すると、次のような例がある。プログラムの実行における実施条件としてのCPUの平均使用率は70%以下と設定されているとする。プログラムの試行を行って、実績値は68%であったとする。実施条件はクリアしているが、ぎりぎりであることを、ユーザは、認識できる。ユーザは、その他のパラメータの結果を勘案し、総合的に実行モードの選択について判断できる。
【0082】
次に、実行モードと、コストと、制御品質情報を提示されたユーザは、提示されたコストと、制御品質情報に基づいて、実行モードを選択する。ユーザが選択した実行モードは、ユーザ端末42に入力され、ネットワークを通じて、管理装置10に送信される。管理装置10は、ユーザの回答、言い換えると、ユーザの選択した実行モードを、記憶部12に登録する(S208)。
【0083】
管理装置10は、登録した実行モードでプログラムを実行し、機器21の制御を行う(S209)。
【0084】
(7)第2実施形態の特徴
(7-1)
第2実施形態の機器制御システム1においては、プログラムを第1実行モードで試行した後で、ユーザにプログラムをどの実行モードで実行するか否かを問い合わせて、どの実行モードを選択するか決める。
【0085】
機器制御システム1が、ユーザに実行モードについて問い合わせる際には、単数または複数の実行モードについて、実行モードとコストと制御品質情報とをユーザに提示する。ユーザは、コストと制御品質情報を基にして、実行モードを選択する。管理装置は、ユーザの選択にしたがって、実行モードを選択する。
【0086】
第2実施形態の機器制御システム1においては、管理装置10は、実行モードとコストと制御品質情報とをユーザに提示するため、ユーザは、コストと制御品質情報とを考慮して、最適な実行モードを選択することができる。
【0087】
(8)変形例
(8-1)変形例2A
第2実施形態においては、ステップS207において、常に、ユーザに選択した実行モードとコストと制御品質情報とを提示する場合について説明した。ユーザに実行モード等を提示するのは、ステップS205で第1実行モード以外のモードを選択した場合のみとしても良い。
【0088】
より具体的には、変形例2Aにおいては、第2実施形態と同様に、ステップS204において、第1実行モードで、プログラムを試行中に、実行状態を監視する。その結果、第1実行モードでのプログラムの実行に特に問題がないときは、管理装置10は、第1実行モードを選択する。ここで、問題がないとは、たとえば、プログラムの実行時間が所定の時間以下のときである。
【0089】
ステップS205で、管理装置10が第1実行モードのみを選択したときは、ステップS206でコストの計算を行わない。ステップS207で、実行モード等をユーザに提示することも行わない。管理装置10は、ステップS208の代わりに第1実行モードを記憶部12に登録する。
【0090】
一方、ステップS205で、第1実行モード以外の実行モードを選択した場合には、第2実施形態と同様に、ステップS206~S208に進み、ユーザの選択した実行モードを登録する。
【0091】
変形例2Aのその他の構成は、第2実施形態と同様である。
【0092】
(8-2)変形例2B
第2実施形態においては、管理装置10は、制御プログラムを第1実行モードで実行(試行、S204)し、その実行(試行)結果に基づいて、実行する実行モードを決定した(S205)。実行(試行)は、2回または3回以上であってもよい。または、第1実行モードだけでなく、他の実行モードでもプログラムを実行(試行)してもよい。
【0093】
変形例2Bは、ステップS204の後、実行(試行)結果が、ユーザの入力した実施条件を満たすか否かを判断する。実施条件とは、たとえば、プログラムの実行時間が所定値以下であるかである。所定値以下のときは、実施条件を満たすとして、第1実行モードでプログラムを実行することを決定する(S205)。この場合は、第2実施形態と同様である。第1実行モードでの実行(試行)が実施条件を満たさないときは、他の実行モードで、同じ制御プログラムの再度の実行を行う。実施条件を満たさないときとは、たとえば、プログラムの第1実行モードでの実行時間が所定値を超える場合である。この場合は、他の実行モードとして、第1実行モードよりも処理性能の高い、第2実行モードを選択して、実行する。
【0094】
変形例2Bでは、第2実行モードでの制御プログラムの実行が、ユーザの指定した実施条件を満たさないときは、さらに、第3実行モードでのプログラムの実行(試行)を行う。このように、ユーザの指定した実施条件を満たすまで、より処理性能の高い実行モードの存在する限り、プログラムの実行を繰り返す。実行モードの数は、一般的に有限なので、有限の実行で、ユーザの指定した実施条件を満たしても満たさなくても試行としての実行は終了する。
【0095】
変形例2Bでは、このようなプロセスを経て、管理装置は、プログラムの実行モードを選択する(ステップS205)。この後のステップS206以下は、第2実施形態と同じである。
【0096】
変形例2Bにおいて、ステップS207で、ユーザに提示する実行モード、コスト、制御品質情報の例を図6に示す。
【0097】
図6では、「決定された実行モード」が「第3実行モード」と表示されており、3回目の実行(試行)で、実施条件を満たしたことがわかる。また第3実行モードを選択した時の利用コスト、制御品質情報も同時に示されている。
【0098】
<第3実施形態>
(9)第3実施形態の機器制御システム1と、機器21の制御方法
第3実施形態の機器制御システム1は、第1、第2実施形態と同様に、機器21と、機器21とネットワーク15を介して接続された管理装置10と、を備えている。
【0099】
第3実施形態の機器21の制御方法を、図7A、7Bのフローチャートを用いて説明する。第3実施形態のステップS301~S304は、第2実施形態のステップS201~S204と同じである。
【0100】
第3実施形態においては、ステップS305で、ステップS304におけるプログラムの第1実行モードでの実行(試行)結果が、ユーザの指定した実施条件を満たすか否かを判断する。具体的には、第1実行モードでの実行時間が、所定値未満との実施条件を満たすか否かを判断する。実行時間の所定値とは、この制御内容のプログラムであれば、実行時間をこの程度以下にしたいという目標値である。所定値は、ユーザがプログラムの入力時に一緒に入力するか、または、管理装置10が適当な値を設定してもよい。
【0101】
ステップS305で、実行時間が所定値未満の時は、ステップS306で第1実行モードを選択し、ステップS307~S310に進む。第3実施形態のステップS306~S310は、第2実施形態のステップS205~S209と同じである。
【0102】
ステップS305で、実行時間が所定値以上の時は、ステップS311に進む。
【0103】
ステップS311では、プログラムを第1実行モードで実行(試行)した実行時間の内で、機器の応答時間が、所定値を超えているか否かを判断する。ステップS311で用いる所定値は、ステップS305で用いる所定値と同じであってもよい。異なっていてもよい。
【0104】
ステップS311で機器の応答時間が、所定値未満の時は、管理装置の応答時間を小さくすることにより、全体の実行時間が、所定値を下回れることを示している。この場合は、管理装置10は、第1実行モードよりも処理性能の高い第2実行モードでプログラムを実行する(S312)。ステップS312の後は、引き続いてステップS305に戻り、条件判定を繰り返す。
【0105】
ステップS311で、機器の応答時間が所定値以上のときは、ユーザに、警告と、機器の応答時間を提示する(S313)。機器の応答時間が所定値以上のときは、ユーザに警告するとともに、管理装置は、プログラムを実行する実行モードを決定してもよい。
【0106】
ステップS313でユーザに提示する表示画面の例を、図8に示す。図8では、実行した実行モード、制御品質情報、ユーザへの警告情報が表示されている。実行(試行)した実行モードは、第1実行モードである。制御品質情報は、プログラムを第1実行モードで実行した時の実行時間、プログラムの実行時間に対するユーザの入力した実施条件(所定値)、管理装置10の処理時間、機器21の応答時間、CPU平均使用率である。また、ユーザへの警告として、機器の応答時間の下に、「機器の応答時間を5秒以下にする必要があります。」と表示されている。ステップS313では、警告、機器の応答時間のどちら一方を表示してもよい。
【0107】
プログラムの実行時間は、管理装置10の処理時間と、ネットワークを介して接続される機器21の応答時間との和である。機器の応答時間が所定値を超えているときは、管理装置10が高い処理性能の実行モードを選択しても実行時間を十分短縮できない。
【0108】
さらに、機器の応答時間には、ネットワーク接続応答時間と、機器の処理時間とが含まれる。機器の応答時間が所定値を超えているときは、ネットワーク接続応答時間に時間がかかっているケースが多い。ネットワーク(通信環境)の改善は、管理装置10や機器21の改善とは別にユーザが別途取り組む必要があるので、システム1はユーザに警告を出して通信環境の改善を促す。
【0109】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0110】
1 機器制御システム
10 管理装置
11 CPU
12 記憶部
15 ネットワーク
21 機器
30 制御装置
41a、41b、42 ユーザ端末
【先行技術文献】
【特許文献】
【0111】
【文献】特開2009-110300号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8