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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】信号出力回路、送信回路及び集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/49 20060101AFI20240306BHJP
   H04L 25/40 20060101ALI20240306BHJP
   H04L 25/03 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H04L25/49 L
H04L25/40 S
H04L25/03 E
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023010202
(22)【出願日】2023-01-26
(62)【分割の表示】P 2018123104の分割
【原出願日】2018-06-28
(65)【公開番号】P2023033644
(43)【公開日】2023-03-10
【審査請求日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2018021183
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】平松 拓
(72)【発明者】
【氏名】川井 重明
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-146535(JP,A)
【文献】特開2016-146535(JP,A)
【文献】特開2012-73166(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0081708(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/49
H04L 25/40
H04L 25/03
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変電流源を有し、多値信号を出力するドライバ回路と、
前記ドライバ回路から出力される、前記多値信号に対応する複数の信号レベルのうち、第1のサブセットの信号レベルを検出する第1の検出回路と、
前記ドライバ回路から出力される、前記多値信号に対応する複数の信号レベルのうち、第2のサブセットの信号レベルを検出する第2の検出回路と、
前記第1のサブセットの信号レベル及び前記第2のサブセットの信号レベルに基づいて、前記ドライバ回路の特性を制御する制御回路とを有し、
前記制御回路は、前記第1のサブセットの信号レベル及び前記第2のサブセットの信号レベルに基づいて、前記可変電流源の特性を制御する信号出力回路。
【請求項2】
前記ドライバ回路は、4値信号を出力し、
前記第1の検出回路は、前記4値信号に対応する第1~第4の信号レベルのうち、第1のサブセットの信号レベルを検出し、
前記第2の検出回路は、前記4値信号に対応する第1~第4の信号レベルのうち、第2のサブセットの信号レベルを検出する請求項1に記載の信号出力回路。
【請求項3】
前記第1の検出回路は、前記第1の信号レベル、及び前記第1の信号レベルより低い前記第4の信号レベルを検出して保持し、
前記第2の検出回路は、前記第1の信号レベルより低く、前記第4の信号レベルより高い前記第2の信号レベル、及び前記第2の信号レベルより低く、前記第4の信号レベルより高い前記第3の信号レベルを検出して保持し、
前記制御回路は、前記第1~第4の信号レベルに基づいて、前記可変電流源の電流を制御する請求項2に記載の信号出力回路。
【請求項4】
前記第1の検出回路により保持された前記第4の信号レベルと前記第2の検出回路により保持された前記第2の信号レベルに基づいて第1の中間電圧レベルが生成され、
前記第1の検出回路により保持された前記第1の信号レベルと前記第2の検出回路により保持された前記第3の信号レベルに基づいて第2の中間電圧レベルが生成され、
前記制御回路は、前記第1の中間電圧レベルが前記第2の中間電圧レベルに近づくように、前記可変電流源の電流を制御する請求項3に記載の信号出力回路。
【請求項5】
前記第1の検出回路は、前記第1の信号レベル及び前記第4の信号レベルをアナログ値からデジタル値に変換し、
前記第2の検出回路は、前記第2の信号レベル及び前記第3の信号レベルをアナログ値からデジタル値に変換し、
前記制御回路は、前記第1の検出回路により変換されたデジタル値の第1の信号レベル及び第4の信号レベルと、前記第2の検出回路により変換されたデジタル値の第2の信号レベル及び第3の信号レベルとに基づいて、前記可変電流源の電流を制御する請求項2に記載の信号出力回路。
【請求項6】
前記第1の検出回路は、前記第1の信号レベルと前記第4の信号レベルとの差分を出力し、
前記第2の検出回路は、前記第2の信号レベルと前記第3の信号レベルとの差分を出力し、
前記制御回路は、前記第1の信号レベルと前記第4の信号レベルとの差分と、前記第2の信号レベルと前記第3の信号レベルとの差分とに基づいて、前記可変電流源の電流を制御する請求項2に記載の信号出力回路。
【請求項7】
第1のビット数のパラレルデータを前記第1のビット数より少ない第2のビット数のパラレルデータに多重化するマルチプレクサと、
前記第2のビット数のパラレルデータを入力する信号出力回路とを有し、
前記信号出力回路は、
可変電流源を有し、多値信号を出力するドライバ回路と、
前記ドライバ回路から出力される、前記多値信号に対応する複数の信号レベルのうち、第1のサブセットの信号レベルを検出する第1の検出回路と、
前記ドライバ回路から出力される、前記多値信号に対応する複数の信号レベルのうち、第2のサブセットの信号レベルを検出する第2の検出回路と、
前記第1のサブセットの信号レベル及び前記第2のサブセットの信号レベルに基づいて、前記ドライバ回路の特性を制御する制御回路とを有し、
前記制御回路は、前記第1のサブセットの信号レベル及び前記第2のサブセットの信号レベルに基づいて、前記可変電流源の特性を制御する送信回路。
【請求項8】
前記ドライバ回路は、4値信号を出力し、
前記第1の検出回路は、前記4値信号に対応する第1~第4の信号レベルのうち、第1のサブセットの信号レベルを検出し、
前記第2の検出回路は、前記4値信号に対応する第1~第4の信号レベルのうち、第2のサブセットの信号レベルを検出する請求項7に記載の送信回路。
【請求項9】
前記第1の検出回路は、前記第1の信号レベル、及び前記第1の信号レベルより低い前記第4の信号レベルを検出して保持し、
前記第2の検出回路は、前記第1の信号レベルより低く、前記第4の信号レベルより高い前記第2の信号レベル、及び前記第2の信号レベルより低く、前記第4の信号レベルより高い前記第3の信号レベルを検出して保持し、
前記制御回路は、前記第1~第4の信号レベルに基づいて、前記可変電流源の電流を制御する請求項8に記載の送信回路。
【請求項10】
前記第1の検出回路により保持された前記第4の信号レベルと前記第2の検出回路により保持された前記第2の信号レベルに基づいて第1の中間電圧レベルが生成され、
前記第1の検出回路により保持された前記第1の信号レベルと前記第2の検出回路により保持された前記第3の信号レベルに基づいて第2の中間電圧レベルが生成され、
前記制御回路は、前記第1の中間電圧レベルが前記第2の中間電圧レベルに近づくように、前記可変電流源の電流を制御する請求項9に記載の送信回路。
【請求項11】
前記第1の検出回路は、前記第1の信号レベル及び前記第4の信号レベルをアナログ値からデジタル値に変換し、
前記第2の検出回路は、前記第2の信号レベル及び前記第3の信号レベルをアナログ値からデジタル値に変換し、
前記制御回路は、前記第1の検出回路により変換されたデジタル値の第1の信号レベル及び第4の信号レベルと、前記第2の検出回路により変換されたデジタル値の第2の信号レベル及び第3の信号レベルとに基づいて、前記可変電流源の電流を制御する請求項8に記載の送信回路。
【請求項12】
前記第1の検出回路は、前記第1の信号レベルと前記第4の信号レベルとの差分を出力し、
前記第2の検出回路は、前記第2の信号レベルと前記第3の信号レベルとの差分を出力し、
前記制御回路は、前記第1の信号レベルと前記第4の信号レベルとの差分と、前記第2の信号レベルと前記第3の信号レベルとの差分とに基づいて、前記可変電流源の電流を制御する請求項8に記載の送信回路。
【請求項13】
第1のビット数のパラレルデータを生成する内部回路と、
前記第1のビット数のパラレルデータを入力する送信回路とを有し、
前記送信回路は、
前記第1のビット数のパラレルデータを前記第1のビット数より少ない第2のビット数のパラレルデータに多重化するマルチプレクサと、
前記第2のビット数のパラレルデータを入力する信号出力回路とを有し、
前記信号出力回路は、
可変電流源を有し、多値信号を出力するドライバ回路と、
前記ドライバ回路から出力される、前記多値信号に対応する複数の信号レベルのうち、第1のサブセットの信号レベルを検出する第1の検出回路と、
前記ドライバ回路から出力される、前記多値信号に対応する複数の信号レベルのうち、第2のサブセットの信号レベルを検出する第2の検出回路と、
前記第1のサブセットの信号レベル及び前記第2のサブセットの信号レベルに基づいて、前記ドライバ回路の特性を制御する制御回路とを有し、
前記制御回路は、前記第1のサブセットの信号レベル及び前記第2のサブセットの信号レベルに基づいて、前記可変電流源の特性を制御する集積回路。
【請求項14】
前記ドライバ回路は、4値信号を出力し、
前記第1の検出回路は、前記4値信号に対応する第1~第4の信号レベルのうち、第1のサブセットの信号レベルを検出し、
前記第2の検出回路は、前記4値信号に対応する第1~第4の信号レベルのうち、第2のサブセットの信号レベルを検出する請求項13に記載の集積回路。
【請求項15】
前記第1の検出回路は、前記第1の信号レベル及び前記第4の信号レベルを検出して保持し、
前記第2の検出回路は、前記第2の信号レベル及び前記第3の信号レベルを検出して保持し、
前記制御回路は、前記第1~第4の信号レベルに基づいて、前記可変電流源の電流を制御する請求項14に記載の集積回路。
【請求項16】
前記第1の検出回路により保持された前記第4の信号レベルと前記第2の検出回路により保持された前記第2の信号レベルに基づいて第1の中間電圧レベルが生成され、
前記第1の検出回路により保持された前記第1の信号レベルと前記第2の検出回路により保持された前記第3の信号レベルに基づいて第2の中間電圧レベルが生成され、
前記制御回路は、前記第1の中間電圧レベルが前記第2の中間電圧レベルに近づくように、前記可変電流源の電流を制御する請求項15に記載の集積回路。
【請求項17】
前記第1の検出回路は、前記第1の信号レベル及び前記第4の信号レベルをアナログ値からデジタル値に変換し、
前記第2の検出回路は、前記第2の信号レベル及び前記第3の信号レベルをアナログ値からデジタル値に変換し、
前記制御回路は、前記第1の検出回路により変換されたデジタル値の第1の信号レベル及び第4の信号レベルと、前記第2の検出回路により変換されたデジタル値の第2の信号レベル及び第3の信号レベルとに基づいて、前記可変電流源の電流を制御する請求項14に記載の集積回路。
【請求項18】
前記第1の検出回路は、前記第1の信号レベルと前記第4の信号レベルとの差分を出力し、
前記第2の検出回路は、前記第2の信号レベルと前記第3の信号レベルとの差分を出力し、
前記制御回路は、前記第1の信号レベルと前記第4の信号レベルとの差分と、前記第2の信号レベルと前記第3の信号レベルとの差分とに基づいて、前記可変電流源の電流を制御する請求項14に記載の集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号出力回路、送信回路及び集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライバ回路と、バイアス回路とを有する送信回路が知られている(特許文献1参照)。ドライバ回路は、出力インピーダンスを調整するための第1のトランジスタと、第1のトランジスタに接続され、差動出力のための出力極性を切り替える切り替え回路とを有する。バイアス回路は、第1のトランジスタに対応する第2のトランジスタを含む第1のレプリカ回路を有し、第1のトランジスタの電流及び電圧特性が出力インピーダンスに対応するようなゲート電圧を生成し、ゲート電圧を第1のトランジスタのゲートに供給する。
【0003】
また、伝送線路対の間に接続された終端抵抗に電流を流すように伝送線路対を駆動する差動ドライバ回路が知られている(特許文献2参照)。ドライバ本体は、電源側の第1電流源トランジスタと、グランド側の第2電流源トランジスタと、各々第1電流源トランジスタと第2電流源トランジスタとの間に接続されて伝送線路対を介して終端抵抗に流れる電流を制御するための複数の出力スイッチトランジスタとを有する。レプリカ回路は、終端抵抗の抵抗値よりも大きい抵抗値を持つレプリカ終端抵抗と、各々複数の出力スイッチトランジスタの各々のオン抵抗値よりも大きいオン抵抗値を持ち、かつ第1電流源トランジスタと第2電流源トランジスタとの間に接続されてレプリカ終端抵抗に電流を流すことによりプラス側仮想電位とマイナス側仮想電位とを生成する複数のレプリカトランジスタとを有する。フィードバック回路は、伝送線路対のプラス側電位とマイナス側電位とがそれぞれ所定の電位となるように、プラス側仮想電位に応じて第1電流源トランジスタを制御し、かつマイナス側仮想電位に応じて第2電流源トランジスタを制御する。
【0004】
また、第1のペアの積層金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOS)デバイスと、第2のペアの積層MOSデバイスとを有する出力ドライバが知られている(特許文献3参照)。第1のペアの積層MOSデバイスは、電力端子と第1の差動出力端子との間に結合される。第2のペアの積層MOSデバイスは、第2の差動出力端子と接地端子との間に結合される。
【0005】
また、伝送路対の間に接続された終端抵抗に電流を流すことにより伝送路対を駆動する電流ドライバが知られている(特許文献4参照)。出力回路は、正負の制御信号が供給されて伝送路対へ差動信号を出力する。第1の電流源回路は、第1の電源と出力回路との間に接続される。第2の電流源回路は、出力回路と第2の電源との間に接続される。電流源制御回路は、差動信号の中間電圧となるコモンモード電圧を参照して第1の電流源回路と第2の電流源回路との両方を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2016/035192号
【文献】国際公開第2012/117456号
【文献】特表2016-502307号公報
【文献】特開2009-038546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ドライバ回路は、複数の信号レベルを出力することができる。しかし、その複数の信号レベルは、変動し易い。
【0008】
1つの側面では、本発明の目的は、複数の信号レベルを調整することができる信号出力回路、送信回路及び集積回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
信号出力回路は、可変電流源を有し、多値信号を出力するドライバ回路と、前記ドライバ回路から出力される、前記多値信号に対応する複数の信号レベルのうち、第1のサブセットの信号レベルを検出する第1の検出回路と、前記ドライバ回路から出力される、前記多値信号に対応する複数の信号レベルのうち、第2のサブセットの信号レベルを検出する第2の検出回路と、前記第1のサブセットの信号レベル及び前記第2のサブセットの信号レベルに基づいて、前記ドライバ回路の特性を制御する制御回路とを有し、前記制御回路は、前記第1のサブセットの信号レベル及び前記第2のサブセットの信号レベルに基づいて、前記可変電流源の特性を制御する。
【発明の効果】
【0010】
1つの側面では、多値信号に対応する複数の信号レベルを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1の実施形態による集積回路の構成例を示す図である。
図2図2(A)は信号出力回路が出力する4値信号の例を示す電圧波形図であり、図2(B)は時間に対する4値信号の種々の遷移パターンを重ね合わせた電圧波形の例を示す図である。
図3図3(A)及び(B)は、信号出力回路の構成例を示す図である。
図4図4(A)及び(B)は、信号出力回路の構成例を示す図である。
図5図5(A)は抵抗の値を制御することにより信号レベルを調整する信号出力回路を示す図であり、図5(B)は抵抗のコード調整量とRLMの関係の例を示すグラフである。
図6図6(A)は第1の実施形態によるドライバ回路の構成例を示す図であり、図6(B)は可変電流源の電流とRLMの関係の例を示すグラフである。
図7図7は、第1の実施形態による信号出力回路の構成例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態による集積回路の制御方法を示すフローチャートである。
図9図9は、第2の実施形態による信号出力回路の一部の構成例を示す図である。
図10図10は、第3の実施形態による信号出力回路の一部の構成例を示す図である。
図11図11は、第4の実施形態による比較回路の構成例を示す図である。
図12図12は、第5の実施形態による信号出力回路の一部の構成例を示す図である。
図13図13は、第6の実施形態による信号出力回路の構成例を示す図である。
図14図14は、電圧保持回路の構成例を示す図である。
図15図15は、第6の実施形態による集積回路の制御方法を示すフローチャートである。
図16図16は、第7の実施形態による信号出力回路の構成例を示す図である。
図17図17は、第7の実施形態による集積回路の制御方法を示すフローチャートである。
図18図18は、第8の実施形態による信号出力回路の構成例を示す図である。
図19図19は、第8の実施形態による集積回路の制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態による集積回路100及び130の構成例を示す図である。集積回路100及び130は、相互に、伝送路161及び162により接続される。集積回路100は、中央処理ユニット(CPU)101と、送信回路102と、受信回路103と、位相ロックループ(PLL)回路104とを有する。中央処理ユニット101は、内部回路であり、内部データを生成し、パラレルの内部データを送信回路102に出力する。
【0013】
送信回路111は、マルチプレクサ111と、信号出力回路112とを有する。マルチプレクサ111は、中央処理ユニット101により生成された第1のビット数のパラレルデータを入力し、第1のビット数のパラレルデータを第1のビット数より少ない第2のビット数のパラレルデータに多重化する。例えば、マルチプレクサ111は、位相ロックループ回路104により生成されたクロック信号に同期して、16ビットのパラレルデータを2ビットのパラレルデータに多重化し、2ビットのパラレルデータを信号出力回路112に出力する。信号出力回路112は、2ビットのパラレルデータに対応する4値信号を、伝送路161を介して、集積回路130に送信する。なお、信号出力回路112は、2ビット以上のパラレルデータを入力し、多値信号を出力することができる。多値信号は、3値以上の信号である。
【0014】
受信回路103は、判定帰還型等化器(DFE:Decision Feedback Equalizer)12
1と、デマルチプレクサ122とを有する。DFE121は、伝送路162を介して、集積回路130から4値信号(多値信号)を受信し、その受信した4値信号に対して、等化及び4値判定を行い、2ビットのパラレルデータを出力する。デマルチプレクサ122は、位相ロックループ回路104により生成されたクロック信号に同期して、DFE121が出力する2ビットのパラレルデータを例えば16ビットのパラレルデータに逆多重化し、例えば16ビットのパラレルデータを中央処理ユニット101に出力する。中央処理ユニット101は、例えば16ビットのパラレルデータの処理を行う。
【0015】
集積回路130は、集積回路100と同様に、中央処理ユニット131と、送信回路132と、受信回路133と、位相ロックループ回路134とを有する。送信回路132は、上記の送信回路102と同様に、マルチプレクサ141と、信号出力回路142とを有し、伝送路162を介して、集積回路100に4値信号を送信する。受信回路133は、上記の受信回路103と同様に、DFE151と、デマルチプレクサ152とを有し、伝送路161を介して、集積回路100から4値信号を受信する。集積回路130の処理は、上記の集積回路100の処理と同様である。
【0016】
図2(A)は、図1の信号出力回路112が出力する4値信号の例を示す電圧波形図である。以下、信号出力回路112を例に説明するが、信号出力回路142も信号出力回路112と同様である。信号出力回路112は、2ビットパラレルデータを入力し、4値信号を出力する。期間T1では、信号出力回路112は、2ビットパラレルデータ「00」に対応する信号レベルV(-1)を出力する。期間T2では、信号出力回路112は、2ビットパラレルデータ「01」に対応する信号レベルV(-1/3)を出力する。期間T3では、信号出力回路112は、2ビットパラレルデータ「10」に対応する信号レベルV(+1/3)を出力する。期間T4では、信号出力回路112は、2ビットパラレルデータ「11」に対応する信号レベルV(+1)を出力する。
【0017】
図2(B)は、時間に対する4値信号の種々の遷移パターンを重ね合わせた電圧波形の例を示す図である。4値信号は、過去の信号レベルに応じて、電圧波形が変化する。アイパターン201は、信号レベルV(-1)及びV(-1/3)の間に形成されるアイパターンである。アイパターン202は、信号レベルV(-1/3)及びV(+1/3)の間に形成されるアイパターンである。アイパターン203は、信号レベルV(+1/3)及びV(+1)の間に形成されるアイパターンである。
【0018】
理想的には、信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)及びV(+1)は、相互に、等間隔の電圧値である。信号レベルV(+1)及びV(+1/3)の差と、信号レベルV(+1/3)及びV(-1/3)の差と、信号レベルV(-1/3)及びV(-1)の差は、それぞれ、信号レベルV(+1)及びV(-1)の差の1/3であり、相互に同じである。
【0019】
次に、RLM(Level Separation Mismatch Ratio)について説明する。RLMは、次
式で表される。
Vmid={V(-1)+V(+1)}/2
ES1={V(-1/3)-Vmid}/{V(-1)-Vmid}
ES2={V(+1/3)-Vmid}/{V(+1)-Vmid}
RLM=min{(3・ES1),(3・ES2),(2-3・ES1),(2-3・ES2)}
【0020】
RLMは、(3・ES1)の値と、(3・ES2)の値と、(2-3・ES1)の値と、(2-3・ES2)の値の中の最小値である。RLMは、3個のアイパターン201~203のバランスの良さを示す。3個のアイパターン201~203の振幅がすべて同じ場合、RLMは1である。信号出力回路112は、例えば、0.95以上のRLMが必要である。RLMを向上させることにより、送信する4値信号の品質が向上し、受信回路133は、4値信号の再生エラーを低減することができる。RLMを向上させるため、信号出力回路112は、信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)及びV(+1)が相互に等間隔の電圧値になるように調整する。
【0021】
図3(A)、(B)及び図4(A)、(B)は、信号出力回路112の構成例を示す図である。信号出力回路112は、ドライバ回路300を有し、図1のDFE151に接続される。DFE151は、50Ωの抵抗331と、50Ωの抵抗332とを有する。抵抗331及び332は、ノードN1とノードN2との間に直列に接続される。
【0022】
ドライバ回路300は、150Ωの抵抗301~304と、75Ωの抵抗305~308と、pチャネル電界効果トランジスタ(スイッチ)311~314と、nチャネル電界効果トランジスタ(スイッチ)321~324とを有する。
【0023】
pチャネル電界効果トランジスタ311及び抵抗301は、電源電位ノードとノードN1との間に直列に接続される。pチャネル電界効果トランジスタ312及び抵抗305は、電源電位ノードとノードN1との間に直列に接続される。抵抗302及びnチャネル電界効果トランジスタ321は、ノードN1と基準電位ノード(グランド電位ノード)との間に直列に接続される。抵抗306及びnチャネル電界効果トランジスタ322は、ノードN1と基準電位ノードとの間に直列に接続される。
【0024】
pチャネル電界効果トランジスタ313及び抵抗303は、電源電位ノードとノードN2との間に直列に接続される。pチャネル電界効果トランジスタ314及び抵抗307は、電源電位ノードとノードN2との間に直列に接続される。抵抗304及びnチャネル電界効果トランジスタ323は、ノードN2と基準電位ノードとの間に直列に接続される。抵抗308及びnチャネル電界効果トランジスタ324は、ノードN2と基準電位ノードとの間に直列に接続される。
【0025】
図3(A)は、信号レベルV(+1)をノードN1から出力する信号出力回路112を示す図である。信号出力回路112は、2ビットパラレルデータ「11」を入力すると、ノードN1から信号レベルV(+1)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1)を出力する。2ビットパラレルデータ「11」が入力されると、pチャネル電界効果トランジスタ311及び312がオンし、nチャネル電界効果トランジスタ321及び322がオフし、pチャネル電界効果トランジスタ313及び314がオフし、nチャネル電界効果トランジスタ323及び324がオンする。並列に接続される150Ωの抵抗と75Ωの抵抗の合成抵抗は、50Ωである。ノードN1は、信号レベルV(+1)になる。ノードN2は、信号レベルV(-1)になる。
【0026】
図3(B)は、信号レベルV(+1/3)をノードN1から出力する信号出力回路112を示す図である。信号出力回路112は、2ビットパラレルデータ「10」を入力すると、ノードN1から信号レベルV(+1/3)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1/3)を出力する。2ビットパラレルデータ「10」が入力されると、pチャネル電界効果トランジスタ312及び313がオンし、nチャネル電界効果トランジスタ321及び324がオンし、pチャネル電界効果トランジスタ311及び314がオフし、nチャネル電界効果トランジスタ322及び323がオフする。ノードN1は、信号レベルV(+1/3)になる。ノードN2は、信号レベルV(-1/3)になる。
【0027】
図4(A)は、信号レベルV(-1/3)をノードN1から出力する信号出力回路112を示す図である。信号出力回路112は、2ビットパラレルデータ「01」を入力すると、ノードN1から信号レベルV(-1/3)を出力し、ノードN2から信号レベルV(+1/3)を出力する。2ビットパラレルデータ「01」が入力されると、pチャネル電界効果トランジスタ311及び314がオンし、nチャネル電界効果トランジスタ322及び323がオンし、pチャネル電界効果トランジスタ312及び313がオフし、nチャネル電界効果トランジスタ321及び324がオフする。ノードN1は、信号レベルV(-1/3)になる。ノードN2は、信号レベルV(+1/3)になる。
【0028】
図4(B)は、信号レベルV(-1)をノードN1から出力する信号出力回路112を示す図である。信号出力回路112は、2ビットパラレルデータ「00」を入力すると、ノードN1から信号レベルV(-1)を出力し、ノードN2から信号レベルV(+1)を出力する。2ビットパラレルデータ「00」が入力されると、pチャネル電界効果トランジスタ313及び314がオンし、nチャネル電界効果トランジスタ321及び322がオンし、pチャネル電界効果トランジスタ311及び312がオフし、nチャネル電界効果トランジスタ323及び324がオフする。並列に接続される150Ωの抵抗と75Ωの抵抗の合成抵抗は、50Ωである。ノードN1は、信号レベルV(-1)になる。ノードN2は、信号レベルV(+1)になる。
【0029】
ここで、信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)及びV(+1)は、抵抗301~308のばらつき、及び電界効果トランジスタ311~314,321~324の非線形特性等の原因により、変動し、RLMが低下してしまう。
【0030】
図5(A)は、抵抗301~308の値を制御することにより信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)及びV(+1)を調整する信号出力回路112を示す図である。抵抗301~308は、可変抵抗である。信号出力回路112は、抵抗301~308の値を制御することにより、信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)及びV(+1)を調整することができる。
【0031】
図5(B)は、75Ωの抵抗305~308のコード調整量とRLMの関係の例を示すグラフである。信号出力回路112は、コード調整量により、75Ωの抵抗305~308の値を制御することにより、RLMを調整することができる。
【0032】
しかし、抵抗301~308の値の可変分解能を細かくする場合、抵抗301~308の各々の内部の切り替え可能な抵抗の数が増え、抵抗301~308の各々の面積が増加してしまう。面積の制限がある場合、RLMを例えば、0.95以上にすることが困難である。
【0033】
図6(A)は、第1の実施形態によるドライバ回路300aの構成例を示す図である。信号出力回路112は、ドライバ回路300aを有する。ドライバ回路300aは、図3(A)のドライバ回路300に対して、可変電流源341~344を追加したものである。可変電流源341は、電源電位ノードとノードN1との間に接続される。可変電流源342は、ノードN1と基準電位ノードとの間に接続される。可変電流源343は、電源電位ノードとノードN2との間に接続される。可変電流源344は、ノードN2と基準電位ノードとの間に接続される。可変電流源341~344は、それぞれ、カレントミラーを構成するトランジスタ数を制御することにより、電流を変化させることができる。そのため、可変電流源341~344は、RLMの調整範囲及び分解能を容易に調整することができ、図5(A)の可変抵抗に比べ、面積の増加を抑制することができる。
【0034】
図3(A)及び(B)の制御状態では、信号出力回路112は、可変電流源341及び344を制御することにより、抵抗331及び332に流れる電流を制御し、抵抗331及び332の電圧降下量を制御することができる。これにより、信号出力回路112は、信号レベルV(+1)及びV(+1/3)を制御し、RLMを調整することができる。
【0035】
図4(A)及び(B)の制御状態では、信号出力回路112は、可変電流源342及び343を制御することにより、抵抗331及び332に流れる電流を制御し、抵抗331及び332の電圧降下量を制御することができる。これにより、信号出力回路112は、信号レベルV(-1/3)及びV(-1)を制御し、RLMを調整することができる。
【0036】
図6(B)は、可変電流源341の電流とRLMの関係の例を示すグラフである。信号出力回路112は、可変電流源341~344を制御することにより、RLMを調整することができる。
【0037】
図7は、第1の実施形態による信号出力回路112の構成例を示す図である。信号出力回路112は、ドライバ回路300aと、制御回路701と、レプリカ回路702と、比較回路703と、制御回路704とを有する。制御回路701は、図1のマルチプレクサ111から入力した2ビットパラレルデータD1及びD2に基づき、図3(A)、(B)及び図4(A)、(B)に示すように、電界効果トランジスタ311~314及び321~324を制御する。ドライバ回路300aは、図6(A)に示すドライバ回路300aの構成を有し、4値信号に対応する信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)又はV(+1)をノードN1及びN2から出力する。
【0038】
レプリカ回路702は、第1のレプリカ回路部705と第2のレプリカ回路部706を有し、ドライバ回路300aと等価な回路構成を有する。第1のレプリカ回路部705は、可変電流源707を有する。第2のレプリカ回路部706は、可変電流源708を有する。可変電流源707及び708は、図6(A)のドライバ回路300aの可変電流源341~344に対応する。
【0039】
第1のレプリカ回路部705は、4値信号に対応する4個の信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)及びV(+1)のうち、第1のサブセットの信号レベルを生成する。例えば、第1のレプリカ回路部705は、第1のサブセット信号レベルV(-1/3)及びV(+1/3)を生成する。
【0040】
第2のレプリカ回路部706は、4値信号に対応する4個の信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)及びV(+1)のうち、第2のサブセットの信号レベルを出力する。例えば、第2のレプリカ回路部706は、第2のサブセット信号レベルV(-1)及びV(+1)を生成する。
【0041】
比較回路703は、信号レベルV1と信号レベルV2を比較し、その比較結果信号Vcを出力する。信号レベルV1は、第1のレプリカ回路部705によって生成された信号レベルV(-1/3)及びV(+1/3)に基づく第1の比較対象レベルであり、例えば、次式で表される。
V1=V(+1/3)-V(-1/3)
【0042】
信号レベルV2は、第2のレプリカ回路部706によって生成された信号レベルV(-1)及びV(+1)に基づく第2の比較対象レベルであり、例えば、次式で表される。
V2=(V(+1)-V(-1))×1/3
【0043】
制御回路704は、比較結果信号Vcに基づいて、信号レベルV1が信号レベルV2に近づくように、可変電流源707及び708の電流を調整コードC1により制御する。制御回路704は、信号レベルV1と信号レベルV2が同じになると、調整コードC1を固定し、調整コードC1に対応する調整コードC2をドライバ回路300aに出力する。制御回路704は、調整コードC2により、図6(A)のドライバ回路300a内の可変電流源341~344の電流(特性)を制御する。ドライバ回路300a内の可変電流源341~344は、調整コードC2により、電流が制御される。これにより、ドライバ回路300aが出力する4値信号のRLMは、0.95以上に調整される。なお、レプリカ回路702及び比較回路703の詳細は、後の実施形態で説明する。
【0044】
図8は、集積回路100の制御方法を示すフローチャートである。ステップS801では、集積回路100は、テストモードの準備処理を行う。集積回路100は、レプリカ回路702を起動する。制御回路704は、調整コードC1を初期値にリセットし、初期値の調整コードC1を可変電流源707及び708に出力する。例えば、調整コードC1の初期値は、最小値である。可変電流源707及び708は、調整コードC1に基づいた電流を流す。
【0045】
次に、ステップS802では、制御回路704は、調整コードC1に1を加算し、加算後の調整コードC1を可変電流源707及び708に出力する。可変電流源707及び708は、調整コードC1に基づいた電流を流す。
【0046】
次に、ステップS803では、制御回路704は、比較回路703の比較結果信号Vcに基づき、信号レベルV1が信号レベルV2と同じであるか否かを判定する。制御回路704は、信号レベルV1が信号レベルV2と同じでない場合には、ステップS802に戻り、上記の処理を繰り返す。調整コードC1が増加するに従い、信号レベルV1が信号レベルV2に近づいていく。制御回路704は、信号レベルV1が信号レベルV2と同じであると判定した場合には、ステップS804に進む。
【0047】
ステップS804では、制御回路704は、現在の調整コードC1に対応する調整コードC2を決定し、調整コードC2をドライバ回路300a内の可変電流源341~344に出力し、テストモードの処理を終了する。その後、集積回路100は、通常モードの処理を行う。ドライバ回路300a内の可変電流源341~344は、それぞれ、調整コードC2に基づいた電流を流す。ドライバ回路300aは、レプリカ回路702が生成する信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)及びV(+1)と同じ信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)及びV(+1)を出力することができる。
【0048】
ドライバ回路300aは、調整コードC2に基づき、相互に等間隔の信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)及びV(+1)を出力することができる。これにより、ドライバ回路300aが出力する4値信号のRLMは、向上する。RLMを向上させることにより、4値信号の品質が向上し、受信回路133は、4値信号の再生エラーを低減することができる。
【0049】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態による第1のレプリカ回路部705、第2のレプリカ回路部706、比較回路703a,703b、及び制御回路704の構成例を示す図である。比較回路703a,703bは、図7の比較回路703に対応する。以下、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0050】
第1のレプリカ回路部705は、抵抗905a,902a,903a,908a,951~954と、pチャネル電界効果トランジスタ(スイッチ)912a,913aと、nチャネル電界効果トランジスタ(スイッチ)921a,924aと、可変電流源941a~944aとを有する。
【0051】
可変電流源941aは、図6(A)のドライバ回路300aの可変電流源341に対応し、電源電位ノードとノードN1aとの間に接続される。可変電流源942aは、図6(A)のドライバ回路300aの可変電流源342に対応し、ノードN1aと基準電位ノードとの間に接続される。
【0052】
pチャネル電界効果トランジスタ912a及び抵抗905aは、電源電位ノードとノードN1aとの間に直列に接続される。pチャネル電界効果トランジスタ912aは、図6(A)のドライバ回路300aのpチャネル電界効果トランジスタ312に対応する。75Ωの抵抗905aは、図6(A)のドライバ回路300aの75Ωの抵抗305に対応する。
【0053】
抵抗902a及びnチャネル電界効果トランジスタ921aは、ノードN1aと基準電位ノードとの間に直列に接続される。150Ωの抵抗902aは、図6(A)のドライバ回路300aの150Ωの抵抗302に対応する。nチャネル電界効果トランジスタ921aは、図6(A)のドライバ回路300aのnチャネル電界効果トランジスタ321に対応する。
【0054】
可変電流源943aは、図6(A)のドライバ回路300aの可変電流源343に対応し、電源電位ノードとノードN2aとの間に接続される。可変電流源944aは、図6(A)のドライバ回路300aの可変電流源344に対応し、ノードN2aと基準電位ノードとの間に接続される。
【0055】
pチャネル電界効果トランジスタ913a及び抵抗903aは、電源電位ノードとノードN2aとの間に直列に接続される。pチャネル電界効果トランジスタ913aは、図6(A)のドライバ回路300aのpチャネル電界効果トランジスタ313に対応する。150Ωの抵抗903aは、図6(A)のドライバ回路300aの150Ωの抵抗303に対応する。
【0056】
抵抗908a及びnチャネル電界効果トランジスタ924aは、ノードN2aと基準電位ノードとの間に直列に接続される。75Ωの抵抗908aは、図6(A)のドライバ回路300aの75Ωの抵抗308に対応する。nチャネル電界効果トランジスタ924aは、図6(A)のドライバ回路300aのnチャネル電界効果トランジスタ324に対応する。
【0057】
抵抗951及び抵抗952は、ノードN1aとノードN5との間に直列に接続される。ノードN5は、コモン電圧ノードである。抵抗951は、(50×2/3)Ωである。抵抗952は、(50×1/3)Ωである。直列に接続された抵抗951及び952の合成抵抗は、50Ωである。抵抗951及び952は、図6(A)の抵抗331に対応する。
【0058】
抵抗953及び抵抗954は、ノードN5とノードN2aとの間に直列に接続される。抵抗953は、(50×1/3)Ωである。抵抗954は、(50×2/3)Ωである。直列に接続された抵抗953及び954の合成抵抗は、50Ωである。抵抗953及び954は、図6(A)の抵抗332に対応する。
【0059】
第1のレプリカ回路部705は、図3(B)と同様に、ノードN1aから信号レベルV(+1/3)を出力し、ノードN2aから信号レベルV(-1/3)を出力する。
【0060】
第2のレプリカ回路部706は、抵抗901b,905b,904b,908b,961~964と、pチャネル電界効果トランジスタ(スイッチ)911b,912bと、nチャネル電界効果トランジスタ(スイッチ)923b,924bと、可変電流源941b~944bとを有する。
【0061】
可変電流源941bは、図6(A)のドライバ回路300aの可変電流源341に対応し、電源電位ノードとノードN1bとの間に接続される。可変電流源942bは、図6(A)のドライバ回路300aの可変電流源342に対応し、ノードN1bと基準電位ノードとの間に接続される。
【0062】
pチャネル電界効果トランジスタ911b及び抵抗901bは、電源電位ノードとノードN1bとの間に直列に接続される。pチャネル電界効果トランジスタ911bは、図6(A)のドライバ回路300aのpチャネル電界効果トランジスタ311に対応する。150Ωの抵抗901bは、図6(A)のドライバ回路300aの150Ωの抵抗301に対応する。
【0063】
pチャネル電界効果トランジスタ912b及び抵抗905bは、電源電位ノードとノードN1bとの間に直列に接続される。pチャネル電界効果トランジスタ912bは、図6(A)のドライバ回路300aのpチャネル電界効果トランジスタ312に対応する。75Ωの抵抗905bは、図6(A)のドライバ回路300aの75Ωの抵抗305に対応する。
【0064】
可変電流源943bは、図6(A)のドライバ回路300aの可変電流源343に対応し、電源電位ノードとノードN2bとの間に接続される。可変電流源944bは、図6(A)のドライバ回路300aの可変電流源344に対応し、ノードN2bと基準電位ノードとの間に接続される。
【0065】
抵抗904b及びnチャネル電界効果トランジスタ923bは、ノードN2bと基準電位ノードとの間に直列に接続される。150Ωの抵抗904bは、図6(A)のドライバ回路300aの150Ωの抵抗304に対応する。nチャネル電界効果トランジスタ923bは、図6(A)のドライバ回路300aのnチャネル電界効果トランジスタ323に対応する。
【0066】
抵抗908b及びnチャネル電界効果トランジスタ924bは、ノードN2bと基準電位ノードとの間に直列に接続される。75Ωの抵抗908bは、図6(A)のドライバ回路300aの75Ωの抵抗308に対応する。nチャネル電界効果トランジスタ924bは、図6(A)のドライバ回路300aのnチャネル電界効果トランジスタ324に対応する。
【0067】
抵抗961は、(50×2/3)Ωであり、ノードN1bとノードN3との間に接続される。抵抗962は、(50×1/3)Ωであり、ノードN3とノードN6との間に接続される。ノードN6は、コモン電圧ノードである。直列に接続された抵抗961及び962の合成抵抗は、50Ωである。抵抗961及び962は、図6(A)の抵抗331に対応する。
【0068】
抵抗963は、(50×1/3)Ωであり、ノードN6とノードN4との間に接続される。抵抗964は、(50×2/3)Ωであり、ノードN4とノードN2bとの間に接続される。直列に接続された抵抗963及び964の合成抵抗は、50Ωである。抵抗963及び964は、図6(A)の抵抗332に対応する。抵抗961~964の合成抵抗の値は、抵抗951~954の合成抵抗の値と同じである。
【0069】
第2のレプリカ回路部706では、図3(A)と同様に、ノードN1bが信号レベルV(+1)になり、ノードN2bが信号レベルV(-1)になる。ノードN4とノードN2bとの間の電圧は、ノードN1bの信号レベルV(+1)とノードN2bの信号レベルV(-1)との差の1/3の電圧になる。したがって、ノードN4は、ノードN2bの信号レベルV(-1)に対して、ノードN1bの信号レベルV(+1)とノードN2bの信号レベルV(-1)との差の1/3を加算した信号レベルを出力する。ノードN4の信号レベルは、信号レベルV(-1/3)に対応する。
【0070】
比較回路703bは、第1のレプリカ回路部705のノードN2aが出力する信号レベルV(-1/3)と、第2のレプリカ回路部706のノードN4が出力する信号レベルV(-1/3)とを比較し、比較結果信号を制御回路704に出力する。
【0071】
ノードN1bとノードN3との間の電圧は、ノードN1bの信号レベルV(+1)とノードN2bの信号レベルV(-1)との差の1/3の電圧になる。したがって、ノードN3は、ノードN1bの信号レベルV(+1)に対して、ノードN1bの信号レベルV(+1)とノードN2bの信号レベルV(-1)との差の1/3を減算した信号レベルを出力する。ノードN3の信号レベルは、信号レベルV(+1/3)に対応する。
【0072】
比較回路703aは、第1のレプリカ回路部705のノードN1aが出力する信号レベルV(+1/3)と、第2のレプリカ回路部706のノードN3が出力する信号レベルV(+1/3)とを比較し、比較結果信号を制御回路704に出力する。
【0073】
制御回路704は、比較回路703a及び703bの比較結果信号に基づき、ノードN2aの信号レベルV(-1/3)がノードN4の信号レベルV(-1/3)に近づき、ノードN1aの信号レベルV(+1/3)がノードN3の信号レベルV(+1/3)に近づくように、調整コードC1により、可変電流源941a~944a及び941b~944bの電流を制御する。
【0074】
制御回路704は、比較回路703a及び703bの両方の比較結果信号が一致を示した場合、調整コードC1を固定し、調整コードC1に対応する調整コードC2をドライバ回路300aに出力する。制御回路704は、調整コードC2により、図6(A)のドライバ回路300a内の可変電流源341~344の電流を制御する。これにより、ドライバ回路300aが出力する4値信号のRLMは、0.95以上に調整される。
【0075】
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態による第1のレプリカ回路部705、第2のレプリカ回路部706、比較回路1001及び制御回路704の構成例を示す図である。比較回路1001は、図7の比較回路703に対応する。図10は、図9に対して、比較回路703a及び703bの代わりに、比較回路1001を設けたものである。以下、第3の実施形態が第2の実施形態と異なる点を説明する。
【0076】
比較回路1001は、第1のレプリカ回路部705のノードN1aの信号レベルV(+1/3)とノードN2aの信号レベルV(-1/3)との差と、第2のレプリカ回路部706のノードN3の信号レベルV(+1/3)とノードN4の信号レベルV(-1/3)との差とを比較し、比較結果信号を制御回路704に出力する。ここで、第2のレプリカ回路部706のノードN3の信号レベルV(+1/3)とノードN4の信号レベルV(-1/3)の間のレベル差は、ノードN1bの信号レベルV(+1)とノードN2bの信号レベルV(-1)の間のレベル差の1/3の電圧になる。
【0077】
制御回路704は、比較回路1001の比較結果信号に基づき、ノードN1aの信号レベルV(+1/3)とノードN2aの信号レベルV(-1/3)との差が、ノードN3の信号レベルV(+1/3)とノードN4の信号レベルV(-1/3)との差に近づくように、調整コードC1により、可変電流源941a~944a及び941b~944bの電流を制御する。
【0078】
制御回路704は、比較回路1001の比較結果信号が一致を示した場合、調整コードC1を固定し、調整コードC1に対応する調整コードC2をドライバ回路300aに出力する。制御回路704は、調整コードC2により、図6(A)のドライバ回路300a内の可変電流源341~344の電流を制御する。これにより、ドライバ回路300aが出力する4値信号のRLMは、0.95以上に調整される。
【0079】
図9の信号出力回路112は、ノードN5のコモン電圧とノードN6のコモン電圧がずれると、RLMの調整精度が低下してしまう場合がある。本実施形態によれば、比較回路1001は、ノードN1a及びN2aの信号レベルの差と、ノードN3及びN4の信号レベルの差とを比較するので、信号出力回路112は、ノードN5のコモン電圧とノードN6のコモン電圧がずれた場合でも、RLMを高精度で調整することができる。
【0080】
(第4の実施形態)
図11は、第4の実施形態による比較回路1100の構成例を示す図である。比較回路1100は、図7の比較回路703に対応する。比較回路1100は、第3の実施形態(図10)の信号出力回路112において、比較回路1001の代わりに設けられる。以下、第4の実施形態が第3の実施形態と異なる点を説明する。
【0081】
比較回路1100は、抵抗1101,1102と、nチャネル電界効果トランジスタ1103~1106と、電流源1107と、比較器1108とを有する。抵抗1101は、電源電位ノードとノードN7との間に接続される。nチャネル電界効果トランジスタ1103は、ドレインがノードN7に接続され、ゲートがノードN1aに接続され、ソースがノードN9に接続される。nチャネル電界効果トランジスタ1104は、ドレインがノードN7に接続され、ゲートがノードN4に接続され、ソースがノードN9に接続される。
【0082】
抵抗1102は、電源電位ノードとノードN8との間に接続される。nチャネル電界効果トランジスタ1105は、ドレインがノードN8に接続され、ゲートがノードN2aに接続され、ソースがノードN9に接続される。nチャネル電界効果トランジスタ1106は、ドレインがノードN8に接続され、ゲートがノードN3に接続され、ソースがノードN9に接続される。電流源1107は、ノードN9と基準電位ノードとの間に接続される。
【0083】
ノードN1aは、第1のレプリカ回路部705のノードN1aであり、信号レベルV(+1/3)を出力する。ノードN2aは、第1のレプリカ回路部705のノードN2aであり、信号レベルV(-1/3)を出力する。ノードN3は、第2のレプリカ回路部706のノードN3であり、信号レベルV(+1/3)を出力する。ノードN4は、第2のレプリカ回路部706のノードN4であり、信号レベルV(-1/3)を出力する。
【0084】
ノードN7は、ノードN1aの信号レベルV(+1/3)と、ノードN4の信号レベルV(-1/3)との和の信号レベルを出力する。ノードN8は、ノードN2aの信号レベルV(-1/3)と、ノードN3の信号レベルV(+1/3)との和の信号レベルを出力する。
【0085】
比較器1108は、ノードN7の信号レベルとノードN8の信号レベルを比較し、比較結果信号を図10の制御回路704に出力する。制御回路704は、比較器1108の比較結果信号に基づき、ノードN7の信号レベルがノードN8の信号レベルに近づくように、調整コードC1により、可変電流源941a~944a及び941b~944bの電流を制御する。
【0086】
制御回路704は、比較器1108の比較結果信号が一致を示した場合、調整コードC1を固定し、調整コードC1に対応する調整コードC2をドライバ回路300aに出力する。制御回路704は、調整コードC2により、図6(A)のドライバ回路300a内の可変電流源341~344の電流を制御する。これにより、ドライバ回路300aが出力する4値信号のRLMは、0.95以上に調整される。
【0087】
(第5の実施形態)
図12は、第5の実施形態による第1のレプリカ回路部705、第2のレプリカ回路部706、抵抗1201~1204、比較器1205及び制御回路704の構成例を示す図である。抵抗1201~1204及び比較器1205は、図7の比較回路703に対応する。図12は、図10に対して、比較回路1001の代わりに、抵抗1201~1204及び比較器1205を設けたものである。以下、第5の実施形態が第3の実施形態と異なる点を説明する。
【0088】
抵抗1201~1204は、それぞれ、50Ωに対して極めて大きな抵抗であり、例えば1kΩである。抵抗1201は、ノードN1aとノードN10との間に接続される。抵抗1202は、ノードN10とノードN4との間に接続される。抵抗1203は、ノードN3とノードN11との間に接続される。抵抗1204は、ノードN11とノードN2aとの間に接続される。
【0089】
ノードN10は、ノードN1aの信号レベルV(+1/3)と、ノードN4の信号レベルV(-1/3)との平均の信号レベルを出力する。ノードN11は、ノードN3の信号レベルV(+1/3)と、ノードN2aの信号レベルV(-1/3)との平均の信号レベルを出力する。
【0090】
比較器1205は、ノードN10の信号レベルとノードN11の信号レベルを比較し、比較結果信号を制御回路704に出力する。制御回路704は、比較器1205の比較結果信号に基づき、ノードN10の信号レベルがノードN11の信号レベルに近づくように、調整コードC1により、可変電流源941a~944a及び941b~944bの電流を制御する。
【0091】
制御回路704は、比較器1205の比較結果信号が一致を示した場合、調整コードC1を固定し、調整コードC1に対応する調整コードC2をドライバ回路300aに出力する。制御回路704は、調整コードC2により、図6(A)のドライバ回路300a内の可変電流源341~344の電流を制御する。これにより、ドライバ回路300aが出力する4値信号のRLMは、0.95以上に調整される。
【0092】
図11の信号出力回路112では、nチャネル電界効果トランジスタ1103~1106の非線形特性により、ノードN7及びN8の信号レベルに誤差が生じる場合がある。本実施形態によれば、比較器1205の入力ノードに電界効果トランジスタが接続されないので、ノードN10及びN11の信号レベルの誤差を低減し、RLMを高精度で調整することができる。また、比較器1205は、ノードN1a及びN4の信号レベルの平均と、ノードN3及びN2aの信号レベルの平均とを比較するので、信号出力回路112は、ノードN5のコモン電圧とノードN6のコモン電圧がずれた場合でも、RLMを高精度で調整することができる。また、比較器1205の2個の入力ノードを入れ替えることにより、オフセットキャンセルを行うことが可能になる。
【0093】
(第6の実施形態)
図13は、第6の実施形態による信号出力回路112の構成例を示す図である。図13の信号出力回路112は、図7の信号出力回路112に対して、レプリカ回路702と比較回路703と制御回路704を削除し、スイッチ1301,1302と電圧保持回路1303,1304と抵抗1305~1308と比較回路1309を追加したものである。図6(A)に示したように、ドライバ回路300aは、可変電流源341~344を有し、ドライバ回路300aのノードN1及びN2は、DFE151に接続されている。制御回路701は、図1のマルチプレクサ111から入力した2ビットパラレルデータD1及びD2に基づき、図3(A)、(B)及び図4(A)、(B)に示すように、ドライバ回路300a内の電界効果トランジスタ311~314及び321~324を制御する。ドライバ回路300aは、図6(A)に示すドライバ回路300aの構成を有し、4値信号に対応する信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)又はV(+1)をノードN1及びN2から出力する。スイッチ1301及び電圧保持回路1303は例えば、4値信号に対応する信号レベルのうち、信号レベルV(-1)及びV(+1)を検出する第1の検出回路として機能する。スイッチ1302及び電圧保持回路1304は例えば、4値信号に対応する信号レベルのうち、信号レベルV(-1/3)及びV(+1/3)を検出する第2の検出回路として機能する。
【0094】
次に、ドライバ回路300a内の可変電流源341~344の調整コードの決定方法を説明する。まず、制御回路701は、可変電流源341~344の調整コードを初期値に設定する。次に、制御回路701は、図3(A)に示すように、2ビットパラレルデータ「11」に対応する電界効果トランジスタ311~314及び321~324の状態に制御し、スイッチ1301をオンにし、スイッチ1302をオフにする。すると、ドライバ回路300aは、ノードN1から信号レベルV(+1)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1)を出力する。電圧保持回路1303は、ノードN1の信号レベルV(+1)及びノードN2の信号レベルV(-1)を保持する。その後、制御回路701は、スイッチ1301をオフにする。
【0095】
次に、制御回路701は、図3(B)に示すように、2ビットパラレルデータ「10」に対応する電界効果トランジスタ311~314及び321~324の状態に制御し、スイッチ1301をオフにし、スイッチ1302をオンにする。すると、ドライバ回路300aは、ノードN1から信号レベルV(+1/3)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1/3)を出力する。電圧保持回路1304は、ノードN1の信号レベルV(+1/3)及びノードN2の信号レベルV(-1/3)を保持する。その後、制御回路701は、スイッチ1302をオフにする。
【0096】
電圧保持回路1303は、保持している信号レベルV(+1)及びV(-1)を出力する。電圧保持回路1304は、保持している信号レベルV(+1/3)及びV(-1/3)を出力する。
【0097】
抵抗1305は、電圧保持回路1303の信号レベルV(-1)のノードとノードN12との間に接続される。抵抗1306は、電圧保持回路1304の信号レベルV(+1/3)のノードとノードN12との間に接続される。抵抗1305の抵抗値と抵抗1306の抵抗値との比は、3:1である。抵抗1305及び1306は、それぞれ、50Ωに対して極めて大きな抵抗である。例えば、抵抗1305は3kΩであり、抵抗1306は1kΩである。ノードN12の信号レベルV1は、次式で表される。信号レベルV1は、信号レベルV(-1)と信号レベルV(+1/3)の間の中間信号レベルであり、図2(A)に示すように、信号レベルV(+1/3)と信号レベルV(-1/3)との平均の信号レベルに対応する。
V1=(V(+1/3)-V(-1))×3/4+V(-1)
【0098】
抵抗1307は、電圧保持回路1303の信号レベルV(+1)のノードとノードN13との間に接続される。抵抗1308は、電圧保持回路1304の信号レベルV(-1/3)のノードとノードN13との間に接続される。抵抗1307の抵抗値と抵抗1308の抵抗値との比は、3:1である。抵抗1307及び1308は、それぞれ、50Ωに対して極めて大きな抵抗である。例えば、抵抗1307は3kΩであり、抵抗1308は1kΩである。ノードN13の信号レベルV2は、次式で表される。信号レベルV2は、信号レベルV(-1/3)と信号レベルV(+1)の間の中間信号レベルであり、図2(A)に示すように、信号レベルV(+1/3)と信号レベルV(-1/3)との平均の信号レベルに対応する。
V2=(V(+1)-V(-1/3))×1/4+V(-1/3)
【0099】
比較回路1309は、信号レベルV1と信号レベルV2を比較し、その比較結果信号を出力する。制御回路701は、比較回路1309の比較結果信号に基づいて、信号レベルV1が信号レベルV2に近づくように、ドライバ回路300a内の可変電流源341~344の電流を調整コードにより制御する。制御回路701は、信号レベルV1と信号レベルV2が同じになると、調整コードを固定する。ドライバ回路300a内の可変電流源341~344は、調整コードにより、電流が制御される。これにより、ドライバ回路300aが出力する4値信号のRLMは、0.95以上に調整される。
【0100】
図14は、図13の電圧保持回路1303の構成例を示す図である。電圧保持回路1303は、抵抗1401,1403及び容量1402,1404を有し、ノードN1の信号レベルV(+1)及びノードN2の信号レベルV(-1)を保持し、信号レベルV(+1)及びV(-1)を出力する。例えば、抵抗1401及び1403は、それぞれ、20kΩであり、容量1402及び1404は、それぞれ、50pFである。抵抗1401及び1403は、電界効果トランジスタのオフ抵抗を使用してもよい。図13の電圧保持回路1304は、電圧保持回路1303と同様の構成を有する。
【0101】
図15は、本実施形態による集積回路100の制御方法を示すフローチャートである。ステップS1501では、集積回路100は、テストモードの準備処理を行う。集積回路100は、ドライバ回路300aを起動する。制御回路701は、調整コードを初期値にリセットし、初期値の調整コードを可変電流源341~344に出力する。例えば、調整コードの初期値は、最小値である。可変電流源341~344は、調整コードに基づいた電流を流す。
【0102】
次に、ステップS1502では、制御回路701は、調整コードに1を加算し、加算後の調整コードを可変電流源341~344に出力する。可変電流源341~344は、調整コードに基づいた電流を流す。
【0103】
次に、ステップS1503では、制御回路701は、図3(A)に示すように、2ビットパラレルデータ「11」に対応する電界効果トランジスタ311~314及び321~324の状態に制御し、スイッチ1301をオンにし、スイッチ1302をオフにする。すると、ドライバ回路300aは、ノードN1から信号レベルV(+1)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1)を出力する。電圧保持回路1303は、ノードN1の信号レベルV(+1)及びノードN2の信号レベルV(-1)を保持する。その後、制御回路701は、スイッチ1301をオフにする。電圧保持回路1303は、保持している信号レベルV(+1)及び信号レベルV(-1)を出力する。ノードN12は、上記の信号レベルV1を出力する。
【0104】
次に、ステップS1504では、制御回路701は、図3(B)に示すように、2ビットパラレルデータ「10」に対応する電界効果トランジスタ311~314及び321~324の状態に制御し、スイッチ1301をオフにし、スイッチ1302をオンにする。すると、ドライバ回路300aは、ノードN1から信号レベルV(+1/3)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1/3)を出力する。電圧保持回路1304は、ノードN1の信号レベルV(+1/3)及びノードN2の信号レベルV(-1/3)を保持する。その後、制御回路701は、スイッチ1302をオフにする。電圧保持回路1304は、保持している信号レベルV(+1/3)及び信号レベルV(-1/3)を出力する。ノードN13は、上記の信号レベルV2を出力する。
【0105】
次に、ステップS1505では、制御回路701は、比較回路1309の比較結果信号に基づき、信号レベルV1が信号レベルV2と同じであるか否かを判定する。制御回路701は、信号レベルV1が信号レベルV2と同じでない場合には、ステップS1502に戻り、上記の処理を繰り返す。調整コードが増加するに従い、信号レベルV1が信号レベルV2に近づいていく。制御回路701は、信号レベルV1が信号レベルV2と同じであると判定した場合には、ステップS1506に進む。
【0106】
ステップS1506では、制御回路701は、現在の調整コードを通常モード用調整コードとして決定し、通常モード用調整コードをドライバ回路300a内の可変電流源341~344に出力し、スイッチ1301及び1302をオフにし、テストモードの処理を終了する。その後、集積回路100は、通常モードの処理を行う。ドライバ回路300a内の可変電流源341~344は、それぞれ、通常モード用調整コードに基づいた電流を流す。
【0107】
ドライバ回路300aは、通常モード用調整コードに基づき、相互に等間隔の信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)及びV(+1)を出力することができる。これにより、ドライバ回路300aが出力する4値信号のRLMは、向上する。RLMを向上させることにより、4値信号の品質が向上し、受信回路133は、4値信号の再生エラーを低減することができる。
【0108】
なお、ステップS1506では、さらに、制御回路701は、比較回路1309の+入力端子と-入力端子を入れ替え、調整コードを最大値にリセットし、調整コードから1を減算する処理を、信号レベルV1及びV2が同じになるまで繰り返し、通常モード用調整コードを決定してもよい。そして、制御回路701は、調整コードを最小値から増加した場合の通常モード用調整コードと、調整コードを最大値から減少した場合の通常モード用調整コードとの平均値を、最終的な通常モード用調整コードとして決定することができる。これにより、比較回路1309のオフセットによる誤差を低減することができる。この処理は、図8の処理に適用することもできる。
【0109】
図7の場合、ドライバ回路300aとレプリカ回路702のトランジスタ特性には、誤差が生じる場合がある。その誤差が生じた場合には、ドライバ回路300aが出力する4値信号のRLMが低減してしまう場合がある。本実施形態によれば、レプリカ回路702を使用しないので、レプリカ回路702に基づくドライバ回路300aが出力する4値信号のRLMの低減を防止することができる。
【0110】
(第7の実施形態)
図16は、第7の実施形態による信号出力回路112の構成例を示す図である。図16の信号出力回路112は、図13の信号出力回路112に対して、スイッチ1301,1302と電圧保持回路1303,1304と抵抗1305~1308と比較回路1309を削除し、スイッチ1601とアナログデジタル変換器(ADC)1602を追加したものである。スイッチ1601とアナログデジタル変換器(ADC)1602は例えば、4値信号に対応する信号レベルのうち、信号レベルV(-1)及びV(+1)を検出する第1の検出回路として機能する。さらに、スイッチ1601とアナログデジタル変換器1602は例えば、4値信号に対応する信号レベルのうち、信号レベルV(-1/3)及びV(+1/3)を検出する第2の検出回路として機能する。
【0111】
次に、ドライバ回路300a内の可変電流源341~344の調整コードの決定方法を説明する。まず、制御回路701は、可変電流源341~344の調整コードを初期値に設定する。次に、制御回路701は、図3(A)に示すように、2ビットパラレルデータ「11」に対応する電界効果トランジスタ311~314及び321~324の状態に制御し、スイッチ1601をオンにする。すると、ドライバ回路300aは、ノードN1から信号レベルV(+1)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1)を出力する。アナログデジタル変換器1602は、ノードN1の信号レベルV(+1)及びノードN2の信号レベルV(-1)を、それぞれ、アナログ値からデジタル値に変換する。制御回路701は、アナログデジタル変換器1602が出力するデジタル値の信号レベルV(+1)及びV(-1)を保持する。その後、制御回路701は、スイッチ1601をオフにする。
【0112】
次に、制御回路701は、図3(B)に示すように、2ビットパラレルデータ「10」に対応する電界効果トランジスタ311~314及び321~324の状態に制御し、スイッチ1601をオンにする。すると、ドライバ回路300aは、ノードN1から信号レベルV(+1/3)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1/3)を出力する。アナログデジタル変換器1602は、ノードN1の信号レベルV(+1/3)及びノードN2の信号レベルV(-1/3)を、それぞれ、アナログ値からデジタル値に変換する。制御回路701は、アナログデジタル変換器1602が出力するデジタル値の信号レベルV(+1/3)及びV(-1/3)を保持する。その後、制御回路701は、スイッチ1601をオフにする。
【0113】
次に、制御回路701は、デジタル値の信号レベルV(+1)、V(-1)、V(+1/3)及びV(-1/3)を基に、図13の抵抗1305~1308と比較回路1309に対応するデジタル処理を行い、信号レベルV1及びV2を比較する。その後、制御回路701は、第6の実施形態と同様の処理を行う。
【0114】
図17は、本実施形態による集積回路100の制御方法を示すフローチャートである。ステップS1701では、集積回路100は、テストモードの準備処理を行う。集積回路100は、ドライバ回路300aを起動する。制御回路701は、調整コードを初期値にリセットし、初期値の調整コードを可変電流源341~344に出力する。例えば、調整コードの初期値は、最小値である。可変電流源341~344は、調整コードに基づいた電流を流す。
【0115】
次に、ステップS1702では、制御回路701は、調整コードに1を加算し、加算後の調整コードを可変電流源341~344に出力する。可変電流源341~344は、調整コードに基づいた電流を流す。
【0116】
次に、ステップS1703では、制御回路701は、図3(A)に示すように、2ビットパラレルデータ「11」に対応する電界効果トランジスタ311~314及び321~324の状態に制御し、スイッチ1601をオンにする。すると、ドライバ回路300aは、ノードN1から信号レベルV(+1)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1)を出力する。アナログデジタル変換器1602は、ノードN1の信号レベルV(+1)及びノードN2の信号レベルV(-1)を、それぞれ、アナログ値からデジタル値に変換する。制御回路701は、アナログデジタル変換器1602が出力するデジタル値の信号レベルV(+1)及びV(-1)を保持する。その後、制御回路701は、スイッチ1601をオフにする。
【0117】
次に、ステップS1704では、制御回路701は、図3(B)に示すように、2ビットパラレルデータ「10」に対応する電界効果トランジスタ311~314及び321~324の状態に制御し、スイッチ1601をオンにする。すると、ドライバ回路300aは、ノードN1から信号レベルV(+1/3)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1/3)を出力する。アナログデジタル変換器1602は、ノードN1の信号レベルV(+1/3)及びノードN2の信号レベルV(-1/3)を、それぞれ、アナログ値からデジタル値に変換する。制御回路701は、アナログデジタル変換器1602が出力するデジタル値の信号レベルV(+1/3)及びV(-1/3)を保持する。その後、制御回路701は、スイッチ1601をオフにする。
【0118】
次に、ステップS1705では、制御回路701は、図13と同様に、デジタルの信号レベルV(+1/3)及びV(-1)を基に信号レベルV1を算出し、デジタルの信号レベルV(+1)及びV(-1/3)を基に信号レベルV2を算出する。次に、制御回路701は、信号レベルV1が信号レベルV2と同じであるか否かを判定する。制御回路701は、信号レベルV1が信号レベルV2と同じでない場合には、ステップS1702に戻り、上記の処理を繰り返す。調整コードが増加するに従い、信号レベルV1が信号レベルV2に近づいていく。制御回路701は、信号レベルV1が信号レベルV2と同じであると判定した場合には、ステップS1706に進む。
【0119】
ステップS1706では、制御回路701は、現在の調整コードを通常モード用調整コードとして決定し、通常モード用調整コードをドライバ回路300a内の可変電流源341~344に出力し、スイッチ1601をオフにし、テストモードの処理を終了する。その後、集積回路100は、通常モードの処理を行う。ドライバ回路300a内の可変電流源341~344は、それぞれ、通常モード用調整コードに基づいた電流を流す。
【0120】
ドライバ回路300aは、通常モード用調整コードに基づき、相互に等間隔の信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)及びV(+1)を出力することができる。これにより、ドライバ回路300aが出力する4値信号のRLMは、向上する。RLMを向上させることにより、4値信号の品質が向上し、受信回路133は、4値信号の再生エラーを低減することができる。
【0121】
(第8の実施形態)
図18は、第8の実施形態による信号出力回路112の構成例を示す図である。図18の信号出力回路112は、図13の信号出力回路112に対して、電圧保持回路1303,1304と抵抗1305~1308と比較回路1309を削除し、オペアンプ1803,1804と抵抗1805~1808とアナログデジタル変換器(ADC)1809,1810を追加したものである。スイッチ1301、オペアンプ1803、及び抵抗1805、1807は例えば、4値信号に対応する信号レベルのうち、信号レベルV(-1)及びV(+1)を検出する第1の検出回路として機能し、信号レベルV(+1)及びV(-1)の差分を出力する。さらに、スイッチ1302、オペアンプ1804、及び抵抗1806、1808は例えば、4値信号に対応する信号レベルのうち、信号レベルV(-1/3)及びV(+1/3)を検出する第2の検出回路として機能し、信号レベルV(+1/3)及びV(-1/3)の差分を出力する。
【0122】
次に、ドライバ回路300a内の可変電流源341~344の調整コードの決定方法を説明する。まず、制御回路701は、可変電流源341~344の調整コードを初期値に設定する。次に、制御回路701は、図3(A)に示すように、2ビットパラレルデータ「11」に対応する電界効果トランジスタ311~314及び321~324の状態に制御し、スイッチ1301をオンにし、スイッチ1302をオフにする。すると、ドライバ回路300aは、ノードN1から信号レベルV(+1)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1)を出力する。
【0123】
抵抗1805は、オペアンプ1803の+入力端子と出力端子との間に接続される。抵抗1807は、オペアンプ1803の-入力端子と基準電位ノードとの間に接続される。オペアンプ1803は、ノードN1の信号レベルV(+1)とノードN2の信号レベルV(-1)を入力し、信号レベルV(+1)及びV(-1)の差分V(+1)-V(-1)を出力する。アナログデジタル変換器1809は、オペアンプ1803が出力する差分V(+1)-V(-1)をアナログからデジタルに変換する。制御回路701は、アナログデジタル変換器1809が出力するデジタル値V(+1)-V(-1)を保持する。
【0124】
次に、制御回路701は、図3(B)に示すように、2ビットパラレルデータ「10」に対応する電界効果トランジスタ311~314及び321~324の状態に制御し、スイッチ1301をオフにし、スイッチ1302をオンにする。すると、ドライバ回路300aは、ノードN1から信号レベルV(+1/3)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1/3)を出力する。
【0125】
抵抗1806は、オペアンプ1804の+入力端子と出力端子との間に接続される。抵抗1808は、オペアンプ1804の-入力端子と基準電位ノードとの間に接続される。オペアンプ1804は、ノードN1の信号レベルV(+1/3)とノードN2の信号レベルV(-1/3)を入力し、信号レベルV(+1/3)及びV(-1/3)の差分V(+1/3)-V(-1/3)を出力する。アナログデジタル変換器1810は、オペアンプ1804が出力する差分V(+1/3)-V(-1/3)をアナログからデジタルに変換する。制御回路701は、アナログデジタル変換器1810が出力するデジタル値V(+1/3)-V(-1/3)を保持する。
【0126】
次に、制御回路701は、デジタル値V(+1/3)-V(-1/3)を3倍し、デジタル値{V(+1/3)-V(-1/3)}×3を得る。デジタル値{V(+1/3)-V(-1/3)}×3は、図2(A)に示すように、差分値V(+1)-V(-1)に対応する。
【0127】
制御回路701は、上記のデジタル値V(+1)-V(-1)とデジタル値{V(+1/3)-V(-1/3)}×3を比較する。そして、制御回路701は、デジタル値V(+1)-V(-1)がデジタル値{V(+1/3)-V(-1/3)}×3に近づくように、ドライバ回路300a内の可変電流源341~344の電流を調整コードにより制御する。制御回路701は、デジタル値V(+1)-V(-1)とデジタル値{V(+1/3)-V(-1/3)}×3が同じになると、調整コードを固定する。ドライバ回路300a内の可変電流源341~344は、調整コードにより、電流が制御される。これにより、ドライバ回路300aが出力する4値信号のRLMは、0.95以上に調整される。
【0128】
図19は、本実施形態による集積回路100の制御方法を示すフローチャートである。ステップS1901では、集積回路100は、テストモードの準備処理を行う。集積回路100は、ドライバ回路300aを起動する。制御回路701は、調整コードを初期値にリセットし、初期値の調整コードを可変電流源341~344に出力する。例えば、調整コードの初期値は、最小値である。可変電流源341~344は、調整コードに基づいた電流を流す。
【0129】
次に、ステップS1902では、制御回路701は、調整コードに1を加算し、加算後の調整コードを可変電流源341~344に出力する。可変電流源341~344は、調整コードに基づいた電流を流す。
【0130】
次に、ステップS1903では、制御回路701は、図3(A)に示すように、2ビットパラレルデータ「11」に対応する電界効果トランジスタ311~314及び321~324の状態に制御し、スイッチ1301をオンにし、スイッチ1302をオフにする。すると、ドライバ回路300aは、ノードN1から信号レベルV(+1)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1)を出力する。オペアンプ1803は、ノードN1の信号レベルV(+1)とノードN2の信号レベルV(-1)を入力し、信号レベルV(+1)及びV(-1)の差分V(+1)-V(-1)を出力する。アナログデジタル変換器1809は、オペアンプ1803が出力する差分V(+1)-V(-1)をアナログからデジタルに変換する。制御回路701は、アナログデジタル変換器1809が出力するデジタル値V(+1)-V(-1)をデジタル値V1として保持する。その後、制御回路701は、スイッチ1301をオフにする。
【0131】
次に、ステップS1904では、制御回路701は、図3(B)に示すように、2ビットパラレルデータ「10」に対応する電界効果トランジスタ311~314及び321~324の状態に制御し、スイッチ1301をオフにし、スイッチ1302をオンにする。すると、ドライバ回路300aは、ノードN1から信号レベルV(+1/3)を出力し、ノードN2から信号レベルV(-1/3)を出力する。オペアンプ1804は、ノードN1の信号レベルV(+1/3)とノードN2の信号レベルV(-1/3)を入力し、信号レベルV(+1/3)及びV(-1/3)の差分V(+1/3)-V(-1/3)を出力する。アナログデジタル変換器1810は、オペアンプ1804が出力する差分V(+1/3)-V(-1/3)をアナログからデジタルに変換する。制御回路701は、アナログデジタル変換器1810が出力するデジタル値V(+1/3)-V(-1/3)を保持する。そして、制御回路701は、デジタル値V(+1/3)-V(-1/3)を3倍し、デジタル値{V(+1/3)-V(-1/3)}×3をデジタル値V2として保持する。その後、制御回路701は、スイッチ1302をオフにする。
【0132】
次に、ステップS1905では、制御回路701は、デジタル値V1がデジタル値V2と同じであるか否かを判定する。制御回路701は、デジタル値V1がデジタル値V2と同じでない場合には、ステップS1902に戻り、上記の処理を繰り返す。調整コードが増加するに従い、デジタル値V1がデジタル値V2に近づいていく。制御回路701は、デジタル値V1がデジタル値V2と同じであると判定した場合には、ステップS1906に進む。
【0133】
ステップS1906では、制御回路701は、現在の調整コードを通常モード用調整コードとして決定し、通常モード用調整コードをドライバ回路300a内の可変電流源341~344に出力し、スイッチ1301及び1302をオフにし、テストモードの処理を終了する。その後、集積回路100は、通常モードの処理を行う。ドライバ回路300a内の可変電流源341~344は、それぞれ、通常モード用調整コードに基づいた電流を流す。
【0134】
ドライバ回路300aは、通常モード用調整コードに基づき、相互に等間隔の信号レベルV(-1)、V(-1/3)、V(+1/3)及びV(+1)を出力することができる。これにより、ドライバ回路300aが出力する4値信号のRLMは、向上する。RLMを向上させることにより、4値信号の品質が向上し、受信回路133は、4値信号の再生エラーを低減することができる。
【0135】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0136】
112 信号出力回路
330a ドライバ回路
701 制御回路
702 レプリカ回路
703 比較回路
704 制御回路
705 第1のレプリカ回路部
706 第2のレプリカ回路部
707,708 可変電流源
1301,1302 スイッチ
1303,1304 電圧保持回路
1305~1308 抵抗
1309 比較回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19