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特許7448865薬剤分包装置とインクリボンカセットの組み合わせ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】薬剤分包装置とインクリボンカセットの組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
A61J3/00 310E
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023096899
(22)【出願日】2023-06-13
(62)【分割の表示】P 2022201091の分割
【原出願日】2014-03-18
(65)【公開番号】P2023107896
(43)【公開日】2023-08-03
【審査請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】P 2013061923
(32)【優先日】2013-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2013105104
(32)【優先日】2013-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100087538
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(74)【代理人】
【識別番号】100085213
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 洋
(72)【発明者】
【氏名】吉名 克憲
(72)【発明者】
【氏名】▲杉▼本 知大
(72)【発明者】
【氏名】藤井 謙順
【審査官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-167533(JP,A)
【文献】特開平11-157715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤分包紙ロールが装着される回転軸部の回転量を示す回転量情報を出力する回転量情報出力部と、
上記薬剤分包紙ロールの芯管に設けられた記録媒体に情報を書き込み、書き込んだ情報を読み取る情報読取部と、
上記回転量情報出力部が出力する回転量情報に基づき、上記記録媒体に書き込むことができる情報として、上記回転軸部に装着された上記薬剤分包紙ロールの分包紙が基準時点において一定長送出されたときの上記回転量情報である基準紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点以後の分包紙使用時点において上記薬剤分包紙ロールの分包紙が上記一定長送出される毎の上記回転量情報である1または複数回分の現紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点から上記分包紙使用時点までの紙使用量と、を生成する情報生成部と、
上記基準紙残量時点の回転量情報と、上記現紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点から上記分包紙使用時点までの紙使用量と、上記芯管の寸法情報と、に基づいて、現在の紙残量を推定する紙残量推定部と、
上記分包紙に印字をするインクリボンを印字部へ供給するための回転を行う供給側支持軸と、
上記インクリボンを巻き取るための回転を行う巻取り側支持軸と、
を備える薬剤分包装置と、
上記薬剤分包装置に対して着脱可能であり、上記供給側支持軸に支持される供給芯と、
上記巻取り側支持軸に支持される巻取り芯と、を備えるインクリボンカセットの組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、分包紙を用いて薬剤を1包分ずつ包装する薬剤分包装置とインクリボンカセットの組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤分包紙に患者名や服用日時等を印字するとともにこの薬剤分包紙を用いて錠剤や散薬等の薬剤を1包分ずつ包装する薬剤分包装置として特許文献1の薬剤払出装置が知られている。
【0003】
上記特許文献1の薬剤払出装置は、薬剤を包むための薬剤分包紙を薬剤分包紙ロールから供給し、上記薬剤分包紙とインクリボンとを印字ヘッドの位置で重ね合わせて上記印字ヘッドにより患者名や服用日時などを印字し、このように印字された薬剤分包紙を上向きに開口するように2つ折りの状態にして錠剤や散薬等の薬剤を1包分ずつ包装する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4564437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記薬剤分包紙ロールに残っている薬剤分包紙の残量(ロール状の物体の残量)を示すことができれば、利用者は残っている薬剤分包紙によって処方できる包数を知って無駄なく薬剤分包紙を使い切ることができるようになる。
【0006】
上記薬剤分包紙の残量は、上記薬剤分包紙ロールの当初の長さから使用した長さを減算することで求めることができるが、上記薬剤分包紙ロールの端を製品包装でカットする際の量が作業者ごとに多少異なるために当初の長さ自体が相違することがあり、また、ロットごとでも当初の長さが相違することから、およその長さは判断できても正確な残量を判断することはできない。これは、正確にカットすることができないため、規定量よりも少し多めに巻かれているためである。
【0007】
また、上記薬剤分包紙の残量は、薬剤分包紙を送り出したときの薬剤分包紙ロールの回転量から薬剤分包紙ロールの径を判断し、このロール径と薬剤分包紙の紙厚とから演算して求めることが可能である。ただし、この判断において必要となる上記薬剤分包紙の紙厚は、紙厚そのものではなく、ロール状態で積層している薬剤分包紙の間に存在する空気層を考慮した厚みである。
【0008】
しかしながら、上記空気層は上記薬剤分包紙ロールを製造する際の紙巻き張力など様々な要素によって変動するため、上記空気層を考慮した厚みを正確に知ることはできない。したがって、利用者に正確な残り包数を示すことは困難であった。
【0009】
この発明は、薬剤分包紙ロールを支持するロール支持部に装着された芯管に設けられた記録媒体に情報を書き込む薬剤分包装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
また、この発明の薬剤分包装置は、薬剤分包紙ロールを用いて薬剤を1包分ずつ包装する薬剤分包装置において、上記薬剤分包紙ロールの芯管が装着されるロール支持部と、上記ロール支持部に芯管が装着された薬剤分包紙ロールから供給される薬剤分包紙を用いて薬剤を1包分ずつ包装する包装ユニットと、上記ロール支持部に装着された芯管に設けられた記録媒体に情報を書き込む通信部とを備え、上記通信部は、当該薬剤分包装置の情報を書き込むことを特徴とする。
【0011】
また、この発明の薬剤分包装置は、回転軸部に薬剤分包紙ロールの芯管が装着されるロール支持部と、上記回転軸部の回転量を示す回転量情報を出力する回転量情報出力部と、上記ロール支持部に装着された上記芯管に設けられた記録媒体に情報を書き込み、書き込んだ情報を読み取る情報読取部と、上記記録媒体に書き込むことができる情報として、上記薬剤分包紙ロールの分包紙が基準時点において一定長送出されたときの上記回転量情報である基準紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点以後の分包紙使用時点において上記薬剤分包紙ロールの分包紙が上記一定長送出される毎の上記回転量情報である1または複数回分の現紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点から上記分包紙使用時点までの紙使用量と、を生成する情報生成部と、上記基準紙残量時点の回転量情報と、上記現紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点から上記分包紙使用時点までの紙使用量と、上記芯管の寸法情報と、に基づいて、現在の紙残量を推定する紙残量推定部と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
上記の構成であれば、上記基準紙残量時点の回転量情報と、上記現紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点から上記分包紙使用時点までの紙使用量と、上記芯管の寸法情報と、に基づいて、現在の紙残量を算出して推定するため、薬剤分包紙の紙厚や空気層を残量算出に用いる必要がなく、利用者に正確な紙残量を示すことができる。
【0013】
また、この発明の薬剤分包装置は、回転軸部に薬剤分包紙ロールの芯管が装着されるロール支持部と、上記回転軸部の回転量を出力する回転量情報出力部と、第1の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロールから分包紙が一定長送出されたときの第1の回転量と、上記第1の量よりも少ない第2の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロールから分包紙が上記一定長送出されたときの第2の回転量と、上記第1の量と上記第2の量の差分に相当する紙使用量と、を生成する情報生成部と、上記芯管に設けられた記録媒体に上記情報生成部が生成した情報を書き込み、書き込んだ情報を読み込む通信部と、上記通信部が読み取った情報と、上記芯管の寸法情報と、に基づいて、上記第2の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロールから分包紙が上記一定長送出された後の紙残量を演算する紙残量演算部と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
上記の構成であれば、上記第1の回転量と、上記第2の回転量と、上記紙使用量と、上記芯管の寸法情報と、に基づいて、上記第2の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロールから分包紙が上記一定長送出された後の紙残量を演算するため、薬剤分包紙の紙厚や空気層を残量算出に用いる必要がなく、利用者に正確な紙残量を示すことができる。
【0015】
上記記録媒体に、上記基準紙残量時点の回転量情報または上記第1の回転量が未だ書き込まれていない場合の処理と既に書き込まれている場合の処理とを行う制御部を備えてもよい。
【0016】
上記制御部は、上記記録媒体に未だ上記基準紙残量時点の回転量情報または上記第1の回転量が書き込まれていないときは、上記薬剤分包紙ロールの分包紙を上記一定長送出する毎に回転量情報を取得する処理を複数回行い、回転量情報が前回回転量情報と比較して所定範囲内である状態が所定回数続いた場合に、上記基準紙残量時点の回転量情報または上記第1の回転量を取得する処理に移行してもよい。
【0017】
上記制御部は、上記基準紙残量時点の回転量情報または上記第1の回転量を取得する処理として、上記薬剤分包紙ロールの分包紙を上記一定長送出する毎に回転量情報を取得する処理を複数回行い、それらの平均値または最多出現値を所定回目の回転量情報とし、この所定回目の回転量情報を上記基準紙残量時点の回転量情報または上記第1の回転量とする処理を行うことを特徴とする薬剤分包装置。
【0018】
上記制御部は、上記記録媒体に上記基準紙残量時点の回転量情報または上記第1の回転量が書き込まれており且つ上記紙残量の推定に用いる1または複数回分の現紙残量時点の回転量情報または上記第2の回転量が格納されていないときには、上記薬剤分包紙ロールの分包紙を上記一定長送出する毎に現紙残量時点の回転量情報または上記第2の回転量を取得して上記記録媒体に書き込む処理を1または複数回行い、上記記録媒体に上記基準紙残量時点の回転量情報または上記第1の回転量が書き込まれており且つ上記推定に用いる1または複数回分の現紙残量時点の回転量情報または上記第2の回転量が格納されているときには、上記薬剤分包紙ロールの分包紙を上記一定長送出する毎に現紙残量時点の回転量情報または上記第2の回転量を取得して上記記録媒体の1または最古の現紙残量時点の回転量情報または上記第2の回転量に上書きするデータ更新処理を行ってもよい。
【0019】
上記記録媒体と上記情報読取部との間での情報の送受に用いられるアンテナが上記ロール支持部に設けられており、上記アンテナの配置面は上記回転軸部の軸方向に交差していてもよい。
【0020】
また、この発明の薬剤分包装置は、薬剤分包紙ロールを用いて薬剤を1包分ずつ包装する薬剤分包装置において、上記薬剤分包紙ロールの芯管が装着される回転軸部の回転量を示す回転量情報を出力する回転量情報出力部と、上記薬剤分包紙ロールの分包紙の送出量を示す使用量情報を出力する使用量情報出力部と、上記薬剤分包紙ロールの芯管に設けられた記録媒体から、上記薬剤分包紙ロールが基準時点において一定長送出されたときの上記薬剤分包紙ロールの芯管の回転量を示す回転量情報である基準紙残量時点の回転量情報を読み出す情報読取部と、上記基準時点以後の分包紙使用時点において上記薬剤分包紙ロールが上記一定長送出される毎の上記薬剤分包紙ロールの芯管の回転量を示す回転量情報である1または複数回分の現紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点から上記分包紙使用時点までの紙使用量と、を生成する情報生成部と、上記基準紙残量時点の回転量情報と、上記現紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点から上記分包紙使用時点までの紙使用量と、上記芯管の寸法情報と、に基づいて、現在の紙残量を推定する紙残量推定部と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
上記の構成であれば、上記基準紙残量時点の回転量情報と、上記現紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点から上記分包紙使用時点までの紙使用量と、上記芯管の寸法情報と、に基づいて、現在の紙残量を推定するため、薬剤分包紙の紙厚や空気層を残量算出に用いる必要がなく、利用者に正確な紙残量を示すことができる。
【0022】
薬剤包装で必要とされる紙量と紙残量とを比較し、この比較結果が許容範囲外となる場合に警告を行うようにしてもよい。
【0023】
また、この発明の薬剤分包紙ロールは、上記薬剤分包装置に用いる、上記芯管に記録媒体が設けられている薬剤分包紙ロールである。
【0024】
上記記録媒体に上記芯管の寸法情報が記憶されていてもよい。
【0025】
上記薬剤分包紙ロールにおいて、上記芯管が内側管部と外側管部とからなり、上記内側管部と外側管部との間の隙間に上記記録媒体が配置されていてもよい。
【0026】
また、この発明の薬剤分包紙残量判断方法は、薬剤分包紙ロールを用いて薬剤を1包分ずつ包装する薬剤分包装置の薬剤分包紙残量判断方法であって、上記薬剤分包紙ロールの芯管に設けられた記録媒体から、上記薬剤分包紙ロールが基準時点において一定長送出されたときの上記薬剤分包紙ロールの芯管の回転量を示す回転量情報である基準紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点以後の分包紙使用時点において上記薬剤分包紙ロールが上記一定長送出される毎の上記薬剤分包紙ロールの芯管の回転量を示す回転量情報である1または複数回分の現紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点から上記分包紙使用時点までの紙使用量と、を取得し、上記基準紙残量時点の回転量情報と、上記現紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点から上記分包紙使用時点までの紙使用量と、上記芯管の寸法情報と、に基づいて、現在の紙残量を推定することを特徴とする。
【0027】
上記の構成であれば、上記基準紙残量時点の回転量情報と、上記現紙残量時点の回転量情報と、上記基準時点から上記分包紙使用時点までの紙使用量と、上記芯管の寸法情報と、に基づいて、現在の紙残量を推定するため、薬剤分包紙の紙厚や空気層を残量算出に用いる必要がなく、利用者に正確な紙残量を示すことができる。
【0028】
また、この発明の薬剤分包紙残量判断方法は、薬剤分包紙ロールを用いて薬剤を1包分ずつ包装する薬剤分包装置の薬剤分包紙残量判断方法であって、上記薬剤分包紙ロールの芯管に設けられた記録媒体から、第1の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロールから分包紙が一定長送出されたときの上記薬剤分包紙ロールの芯管の回転量である第1の回転量と、上記第1の量よりも少ない第2の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロールから分包紙が上記一定長送出されたときの上記芯管の回転量である第2の回転量と、上記第1の量と上記第2の量の差分に相当する紙使用量と、を取得し、上記第1の回転量と、上記第2の回転量と、上記紙使用量と、上記芯管の寸法情報と、に基づいて、上記第2の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロールから分包紙が上記一定長送出された後の紙残量を演算することを特徴とする。
【0029】
上記の構成であれば、上記第1の回転量と、上記第2の回転量と、上記紙使用量と、上記芯管の寸法情報と、に基づいて、上記第2の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロールから分包紙が上記一定長送出された後の紙残量を演算するため、薬剤分包紙の紙厚や空気層を残量算出に用いる必要がなく、利用者に正確な紙残量を示すことができる。
【0030】
また、この発明の薬剤分包装置は、インクリボンロールおよび薬剤分包紙ロールを用いて薬剤の包装および印字を行う薬剤分包装置において、印字ヘッドとこれに対向するバックアップ部を離間させた第1状態と上記第1状態からさらに離間させた第2状態とを形成する離間形成部と、上記第2状態において上記インクリボンロールのインクリボンの弛みを取り除くように上記インクリボンを巻き取る制御を行う巻取り制御部と、上記薬剤分包紙ロールが交換される可能性があると判断した場合に、上記第2状態を形成して上記インクリボンを巻き取る制御を実行する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0031】
上記インクリボンロールおよび上記薬剤分包紙ロールを用いた印字部と薬剤包装を行う包装部とを有する印字包装ユニットが装置本体内から手前方向に移動可能に設けられており、上記制御部は上記印字包装ユニットが装置本体内から手前方向に移動されたことを検知し、且つ上記インクリボンロールが交換される可能性があると判断した場合に、上記第2状態を形成して上記インクリボンを巻き取る制御を実行するようにしてもよい。
【0032】
上記制御部は、上記薬剤分包紙ロールの芯管に設けられた記録媒体から情報を読み取る情報読取部によって上記記録媒体から情報を読み取ることができなくなった場合に、上記薬剤分包紙ロールが交換される可能性があると判断するようにしてもよい。
【0033】
上記芯管を回転する回転軸部から上記芯管が外されたか否かを検知する検知部を有しており、上記制御部は、上記検知部で上記回転軸部から上記芯管が外されたことを検知した場合に、上記薬剤分包紙ロールが交換される可能性があると判断するようにしてもよい。
【0034】
上記薬剤分包紙ロールの終端を検知する検知部を有しており、上記制御部は、上記検知部で上記薬剤分包紙ロールの終端が検知された場合に上記薬剤分包紙ロールが交換される可能性があると判断するようにしてもよい。
【0035】
また、この発明の薬剤分包装置は、インクリボンロールおよび薬剤分包紙ロールを用いて薬剤の包装および印字を行う薬剤分包装置において、印字ヘッドとこれに対向するバックアップ部とを第1の距離離間させた第1状態と上記第1の距離よりも長い第2の距離離間させた第2状態とを形成する離間形成部と、上記第2状態において上記インクリボンロールのインクリボンの弛みを取り除くように上記インクリボンを巻き取る制御を行う巻取り制御部と、上記インクリボンロールが交換される可能性があると判断した場合に、上記第2状態を形成して上記インクリボンを巻き取る制御を実行する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0036】
上記インクリボンロールおよび上記薬剤分包紙ロールを用いた印字部と薬剤包装を行う包装部とを有する印字包装ユニットが装置本体内から手前方向に移動可能に設けられており、上記制御部は上記印字包装ユニットが装置本体内から手前方向に移動されたことを検知し、且つ上記インクリボンロールが交換される可能性があると判断した場合に、上記第2状態を形成して上記インクリボンを巻き取る制御を実行するようにしてもよい。
【0037】
上記インクリボンロールの終端を検知する検知部を有しており、上記制御部は、上記検知部で上記インクリボンロールの終端が検知された場合に上記インクリボンロールが交換される可能性があると判断するようにしてもよい。
【0038】
上記第2状態を形成して上記インクリボンに対する上記巻き取り制御を実行させる際に上記インクリボンロールの供給芯の回転にブレーキをかけ、上記第2状態から第1状態に遷移するときに、上記ブレーキを解除するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0039】
この発明であれば、薬剤分包紙の紙残量を正確に判断できるので、利用者は残っている薬剤分包紙によって処方できる包数を知って無駄なく薬剤分包紙を使い切ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】この発明の一実施形態に係る薬剤分包装置の概略構成を示した斜視図である。
図2図1に示した薬剤分包装置に設けられた印字包装ユニットを示した斜視図である。
図3図2に示した印字包装ユニットにおいて上記インクリボンカセットのカバー部等を外した状態を示した斜視図である。
図4図2に示した印字包装ユニット内の印字部の裏面側を示した斜視図である。
図5図1に示した薬剤分包装置のインクリボン走行の制御系を示したブロック図である。
図6】印字処理の概要を示したフローチャートである。
図7】インクリボン走行処理の概要を示したフローチャートである。
図8】この発明の一実施形態に係る薬剤分包紙ロールの芯管およびロール支持部を示した断面図である。
図9】同図(A)はロール支持部を示した斜視図であり、同図(B)はロール支持部の内部構成を示した斜視図である。
図10図1に示した薬剤分包装置の紙残量推定処理に関わる制御系を示したブロック図である。
図11図1に示した薬剤分包装置の紙残量推定処理を示した説明図である。
図12図1に示した薬剤分包装置における基準時点と分包紙使用時点との分包紙使用量の関係を示した説明図である。
図13図2に示した印字包装ユニットが装置本体内から引き出されるときの制御例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態の薬剤分包装置1の本体内には、薬剤を種類ごとに収容するとともに処方箋に基づいて上記薬剤を1包分ずつ払い出すための薬剤収容払出ユニット11と、上記1包分ずつ払い出された薬剤を受け取るホッパー群12、13と、薬剤分包紙ロール200及びインクリボンカセット3が着脱可能に装着され、上記薬剤分包紙ロール200から供給される薬剤分包紙Sに印字を行い、この薬剤分包紙Sを用いて上記ホッパー群12、13から供給される薬剤を1包分ずつ包装する印字包装ユニット4と、を備える。また、上記インクリボンカセット3および上記薬剤分包紙ロール200の交換作業を容易にするために、レールやヒンジによって上記印字包装ユニット4を装置本体内から手前側に移動させることができる。上記印字包装ユニット4が装置本体内から手前側に移動されたか否かは例えば検知スイッチ422によって検知できる。
【0042】
図2および図3は、上記薬剤分包紙ロール200及びインクリボンカセット3が装着された状態の上記印字包装ユニット4を示した斜視図である。図2および図3では上記印字包装ユニット4の包装部45も示している。この包装部45は、上記薬剤分包紙Sの開口から薬剤を導入するとともに、この導入した薬剤を封止するように上記薬剤分包紙Sを熱溶着する動作部である。上記薬剤分包紙Sは、3個のガイドシャフト4aに掛かり、バックアップローラ4bと印字ヘッド4eの間を通り、さらにガイドシャフト4cに掛かるように通される。また、上記インクリボンカセット3内に収容されているインクリボンRは、上記印字包装ユニット4のテープガイドによりガイドされ、上記バックアップローラ4bと上記印字ヘッド4eの間を通り、印字後に上記薬剤分包紙Sから離脱し、上記インクリボンカセット3内に戻る。
【0043】
図4は上記印字包装ユニット4を裏面側から見た斜視図である。上記印字ヘッド4eが設けられるユニットは、軸407を中心に揺動自在に支持されている。具体的には、リンク部材406と上記印字ヘッド4eとが上記軸407に取り付けられており、ヘッドソレノイド405がオンすると、リンク部材406が動作し、上記印字ヘッド4eが上記軸407を中心に回動する。そして、上記印字ヘッド4eは、上記バックアップローラ4b側に移動してインクリボンRを上記薬剤分包紙Sに押し当て、印字可能な状態を形成する。
【0044】
また、図2および図3に示したように、上記薬剤分包紙Sを案内する上記ガイドシャフト4cの近傍位置(上記薬剤分包紙Sの搬送方向の下流側)には、上記薬剤分包紙Sの搬送方向を上記包装部45の展開ガイド45aの直前で湾曲させる回転自在な湾曲ガイドローラ45b,45cが配置されている。上記展開ガイド45aの背面側には上記薬剤分包紙Sに薬剤を導入するホッパー装置が設けられている。上記展開ガイド45aは、二つ折りされた上記薬剤分包紙Sを展開して上記ホッパー装置の薬剤導出部(ノズル)を挿入するための開口を形成する。また、上記包装部45は、上記展開ガイド45aの下方に一対のヒータローラ45d,45eを備える。さらに、上記ヒータローラ45d,45eの下方には、図示しない送りローラが設けられる。これらヒータローラ45d,45eは、モーター、直動ギヤ、間欠ギヤ等からなる図示しない駆動機構により回転駆動される。上記ヒータローラ45d,45eにより、上記薬剤分包紙Sを、後述する送り速度V2で走行させることができる。
【0045】
また、上記印字包装ユニット4に設けられている供給側支持軸41は、上記インクリボンカセット3の供給芯31を支持するものであり、この供給芯31の回転によって回転する。また、巻取り側支持軸42は、上記インクリボンカセット3の巻取り芯32を支持するものであり、この巻取り芯32を回転駆動する。上記インクリボンカセット3が装着される収容部の外側には板状の2枚のアンテナ43、44が設けられている。上記2枚のアンテナ43、44は、その電波送受信面が上記供給側支持軸41の周面に対面し(上記インクリボンカセット3が装着された状態では上記供給芯31の周面に対面し)且つ上記電波送受信面の向きが交差する(望ましくは90°配置となる)ように配置されている。
【0046】
上記巻取り側支持軸42は、図4に示したように、巻取りモーター401および駆動力伝達経路402によって回転される。上記駆動力伝達経路402にはトルクリミッタ403が設けられており、上記巻取り側支持軸42に一定以上の負荷が加わったときに駆動力伝達を遮断して上記巻取りモーター401を空回りさせる。上記の負荷は、上記印字ヘッド4eによって押される上記インクリボンRが上記薬剤分包紙Sの走行に引きずられてその走行速度と同速度(送り速度V2)で走行しようとするときに生じる。さらに、上記巻取り側支持軸42には、当該巻取り側支持軸42の回転状態を検出するロータリエンコーダ(回転検出部)404の円板部404aが取り付けられている。そして、上記円板部404aの回転状態は、上記ロータリエンコーダ404の基盤404bに設けられた光センサよって検出される。上記ロータリエンコーダ404により、上記巻取り側支持軸42の回転が検出される。
【0047】
また、上記供給側支持軸41にも当該供給側支持軸41の回転状態を検出するロータリエンコーダ410の円板部411が取り付けられている。そして、上記円板部411の回転状態は、上記ロータリエンコーダ410の基盤412設けられた光センサによって検出される。上記ロータリエンコーダ410により、上記供給側支持軸41の回転が検出される。また、上記供給側支持軸41には電磁クラッチ等のクラッチ41aが設けられており、上記供給側支持軸41の回転をフリーにする状態とブレーキをかける状態との切り替えが可能になっている。印字が行われないときには基本的に上記供給側支持軸41にブレーキをかけるようにしている。
【0048】
また、上記バックアップローラ4bには、その回転状態を検出するためのロータリエンコーダ4fが設けられている。
【0049】
図5は、上記のアンテナ43、44と上記供給芯31との位置関係並びに上記薬剤分包装置1の制御系を示したブロック図である。上記のアンテナ43、44は、無線リーダライタ54に接続されている。この無線リーダライタ54は、コントローラ5によって制御されるものであり、上記インクリボンカセット3内の上記供給芯31に設けられたICタグ(例えば、RFID:Radio Frequency Identification)100から情報を読み取るとともに上記ICタグ100に情報を書き込むようになっている。
【0050】
上記コントローラ5は、マイクロコンピュータからなり、上記薬剤払出ユニット11を制御する薬剤払出制御部51として動作する他、上記巻取り側支持軸42の回転速度制御部52および書込情報出力部53としても機能する。
【0051】
上記回転速度制御部52は、上記インクリボンRを巻き取り方向に走行させる速度をV1、上記薬剤分包紙Sの送り速度をV2とすると、V1>V2となるように、上記インクリボンカセット3の巻取り芯32(巻取り側支持軸42)を回転させる上記巻取りモーター401を、上記ICタグ100から読み取った情報であるインクリボンRの使用長に基づいて制御する。この実施形態では、上記速度V1は上記速度V2の115%に設定しているが、この115%と異なる値を採用することもできる。ここで、上記インクリボンカセット3において、上記インクリボンRの使用長と、上記供給芯31に残存する上記インクリボンRの残存ロール径と、上記巻取り芯32に巻き取られた上記インクリボンRの巻取りロール径との間には、一定の関係が存在する。
【0052】
上記一定の関係に基づき、上記インクリボンRの使用長の変化に応じて上記巻取り側支持軸42の回転速度を変更することで、上記インクリボンRを上記速度V1で走行させるような回転速度で上記巻取りモーター401を回転させることができる。また、上記トルクリミッタ403が設けられていることにより、上記ヘッドソレノイド405のオン時(上記印字ヘッド4eが上記インクリボンRを押圧する状態)において上記インクリボンRに一定のテンションを与えつつ上記インクリボンRを上記薬剤分包紙Sの送り速度V2で走行させることができる。
【0053】
上記トルクリミッタ403のオン/オフの閾値は以下のように設定される。すなわち、上記インクリボンRが上記薬剤分包紙Sの走行に引きずられて速度V2で走行する印刷状態で、上記インクリボンRを速度V1で引っ張っても上記インクリボンRにおける速度V2での走行を確保する。且つ、印字が終了し、上記ヘッドソレノイド405がオフになって上記インクリボンRが上記薬剤分包紙Sの走行に引きずられなくなる状態では、上記速度V1による上記インクリボンRの巻き取り状態を生じさせる。印字が終了すると上記巻取りモーター401は停止される。
【0054】
また、薬剤包装の実行中において上記インクリボンRが使用されていくので、この使用長を薬剤包装開始時の使用長に加算した合計使用長によって上記回転速度を再計算する。また、薬剤包装の実行中の上記インクリボンRの使用長は、上記インクリボンRにおける巻取り速度と巻取り時間とにより算出することができる。なお、新品のインクリボンロール30のICタグ100には、使用長がゼロであることを示す情報が記録されている。
【0055】
また、ICタグ100に、上記インクリボンRの種類(カラー、モノクロ等)、芯の外径または半径(供給芯31の外径または半径と巻取り芯32の外径または半径は同じとする)、インクリボンRの厚みなどの情報も記録することができる。このような情報が記録されていると、芯の外径およびインクリボンRの厚みが異なる場合でも対応可能となる。上記巻取り芯32にインクリボンRが巻き取られたときの巻取りロール径(ここでは半径とする)は、上記巻取り芯32の半径にインクリボンの積層厚み(インクリボンRの厚み×巻き数)を加算することで求めることができる。
【0056】
なお、巻取り芯32の側には上記のアンテナ43、44がなく、巻取り芯32の外径または半径をICタグ100から読みだせないため、巻取りロール径の算出に使う芯の外径または半径として、供給芯31のICタグ100に記録された芯の外径または半径を使用することになる。
【0057】
メモリ55に上記インクリボンRの使用長に対する上記回転速度の情報を記録したデータテーブル55aを設けておいてもよい。この場合、上記回転速度制御部52は、上記インクリボンRの使用長を示す情報を読出アドレスとして上記データテーブル55aに与え、このデータテーブル55aから出力される回転速度の情報を取得することになる。そして、薬剤包装の実行中において上記インクリボンRが使用されていくので、この使用長を薬剤包装開始時の使用長に加算した合計使用長を、読出アドレスとして逐次上記データテーブル55aに与え、新たな回転速度の情報を取得する。なお、インクリボンロール30の種類ごとに上記データテーブル55aを設けておき、薬剤分包装置にセットされたインクリボンロール30の種類を上記ICタグ100から読み取るようにしてもよい。
【0058】
モーター制御部56は、上記回転速度制御部52の制御下で上記巻取りモーター401の駆動を制御する。すなわち、上記巻取り側支持軸42が上記回転速度ωで回転するように上記巻取りモーター401の回転を制御する。
【0059】
上記書込情報出力部53は、上記インクリボンRの使用により変化した上記インクリボンの合計使用長の情報を上記無線リーダライタ54に出力する。この情報は上記無線リーダライタ54によって上記ICタグ100に書き込まれる。例えば、上記回転速度制御部52は、薬剤包装の実行中に使用される上記インクリボンRの使用長を薬剤包装開始時の使用長に加算した合計使用長を、上記書込情報出力部53に逐次与える。上記書込情報出力部53は、上記合計使用長を、上記無線リーダライタ54に供給することになる。上記無線リーダライタ54は上記合計使用長を上記ICタグ100に逐次書き込む。次回、当該薬剤分包装置1は、上記ICタグ100から取得した上記インクリボンRの使用長に基づいて印字処理を実行すればよい。
【0060】
図6は上記コントローラ5が行う印字処理の概要を示したフローチャートである。上記コントローラ5は、患者名や服用日時等が記される上記画像のビットマップ化の処理を行う(ステップS1)。そして、上記コントローラ5は、上記ヒータローラ45d,45eによって分薬剤分包紙Sを走行させながら1包ずつ熱融着するための処理を開始するとともに(ステップS2)、分包紙が規定の位置に送られたか、すなわち薬剤分包紙Sの印字の範囲の先頭位置が上記印字ヘッド4eの位置に達したかを例えば上記ヒータローラ45d,45eの動作に基づいて判断し(ステップS3)、薬剤分包紙Sが上記先頭の位置に送られたと判断したときに、上記ヘッドソレノイド405をオンにする(ステップS4)。上記ヘッドソレノイド405がオンすると、上記印字ヘッド4eによって上記インクリボンRが分包紙に押し当てられ、上記インクリボンRは上記速度V2で走行することになる。
【0061】
さらに、上記コントローラ5は、上記印字ヘッド4eに上記ビットマップ化により得られた印字データを転送し、上記印字ヘッド4eを発熱させる(ステップS5)。そして、上記コントローラ5は、薬剤分包紙Sが印字の範囲分送られたかを判断し(ステップS6)、未だであると判断したときにはステップS5に処理を進める一方、送りが完了したと判断したときには上記ヘッドソレノイド405をオフにする(ステップS7)。上記コントローラ5は、次の印字があるときにはステップS1に処理を進める。
【0062】
図7は上記印字処理に際して行われるインクリボンRの走行制御の概要を示したフローチャートである。上記コントローラ5は、ICタグ100からインクリボンRの使用長を示す情報を読み出し(ステップS10)、この情報に基づいて、上記速度V1が得られるように、上記巻取り側支持軸42の回転速度を計算する(ステップS11)。そして、上記コントローラ5は、図6の印字処理で上記ヘッドソレノイド405がオンされたと同時に、上記巻取り側支持軸42を上記の計算した回転速度ωで回転させて、上記インクリボンRを巻き取る(ステップS12)。
【0063】
上記コントローラ5は、上記バックアップローラ4bにおける上記ロータリエンコーダ4fの出力パルス数をカウントし(ステップS13)、上記インクリボンRが上記印字の範囲分巻き取られたかを判断する(ステップS14)。上記ステップS14でノーとされたときには上記判断処理を継続し、イエスとされたときには上記巻取りモーター401をオフし、上記巻取り側支持軸42の駆動を停止して上記インクリボンRの巻取りを終了する(ステップS15)。そして、上記コントローラ5は、新たに巻き取られたインクリボンRの長さにより新たに算出した使用長をICタグ100に書き込む(ステップS16)。
【0064】
このように、上記インクリボンカセット3に着脱可能に装着されるインクリボンロール30の供給芯31に設けられたICタグ100からインクリボンRの使用長を示す情報が読み取られる。そして、この情報に基づいて、上記送り速度V2よりも速い速度V1を得るための回転速度ωが上記巻取り側支持軸42に生じるように、上記巻取りモーター401が制御される。これにより、テンションバーを用いなくても、上記インクリボンRを弛ませることなく巻き取ることができる。したがって、薬剤分包装置1にテンションバーを配置する必要がなくなり、上記インクリボンRを上記テンションバーに掛け渡す作業が不要になる。また、上記インクリボンRを間欠的に巻取るのではなく、一定速度で巻き取ることができるので、印字の品質が向上する。そして、上記の回転速度ωが上記巻取り側支持軸42に生じるように上記巻取りモーター401が制御されるとしても、上記トルクリミッタ403を設けているので、印刷時に上記インクリボンRに過度な張力が加わるのを防止しつつ、上記インクリボンRを上記薬剤分包紙Sの送り速度V2で走行させることができる。
【0065】
図8はロール支持部2に装着されている上記薬剤分包紙ロール200の芯管201の断面図である。また、図9(A)および図9(B)は上記ロール支持部2の内部構成を示した斜視図である。
【0066】
上記芯管201は内側管部201aと外側管部201bとからなり、上記内側管部201aと外側管部201bとの間の隙間に記録媒体としての芯管ICタグ(例えば、RFID:Radio Frequency Identification)202が配置されている。また、上記芯管201の奥端部には、リング形状の強磁性体(鉄部)201cが設けられており、上記芯管201の前端部には、上記隙間を塞ぐリング形状の蓋部201dが設けられている。
【0067】
上記ロール支持部2は、固定軸部21と、この固定軸部21を中心に回転する回転軸部22とを有する。上記固定軸部21の基端側にナット21aを装着して締めつけることで、上記ロール支持部2が薬剤分包装置1に取り付けられる。上記薬剤分包紙ロール200を薬剤分包装置1に取り付けるときには、上記芯管201を上記回転軸部22に嵌め込む。上記回転軸部22のフランジ部の表面には、例えば4個の磁石22aが等間隔で設けられている。上記薬剤分包紙ロール200を上記ロール支持部2に装着すると、上記磁石22aに上記強磁性体201cが吸引されて上記芯管201が固定され、上記薬剤分包紙ロール200が回転すると上記回転軸部22が回転する。
【0068】
上記回転軸部22の基端側にはギヤ部が設けられており、このギヤ部には当該回転軸部22にブレーキ作用を与えるために設けられたモーターの小ギヤが歯合される。上記モーターは交流モーターであり、適宜の直流
電圧を与えることで適宜のブレーキ力を生じるようになっている。このブレーキ力による上記薬剤分包紙ロール200の紙張力調整では、例えば、特許第2909450号公報に示されているように、磁石とホール素子からなるセンサで上記薬剤分包紙ロール200の残り紙径を求め、この残り紙径に応じて上記直流電圧を段階的に調節することができる。
【0069】
上記固定軸部21は中空構造を有しており、その中空内部に配線29を通すことができる。また、上記固定軸部21の先端側には、基板支持部材23が固定されるようになっている。そして、この基板支持部材23に回路基板24が支持されるようになっている。上記回路基板24の一方の面側(図9(B)では回路基板24の裏面側)には例えば発光部と受光部とからなるフォトセンサ24aが設けられている。一方、上記回路基板24に対面する上記回転軸部22の端面部には24個の突起22b(図9(B)では二点鎖線で示している)が円周状に形成されており、上記回転軸部22が回転すると上記突起22bが上記フォトセンサ24aにおける発光部と受光部との間を順次に通過するようになっている。これにより、上記回転軸部22の回転状態は上記フォトセンサ24aによって検出され、上記コントローラ5は上記フォトセンサ24aの出力を上記配線29を介して検知してカウント値を生成し、上記回転軸部22の回転状態を知ることができる。上記フォトセンサ24aは上記回転軸部22の回転量を示す回転量情報としてカウント値を出力するが、このようなカウント値出力に限定されるものではない。
【0070】
また、上記回路基板24の他方の面側にはアンテナ25が上記回転軸部22の軸方向(上記固定軸部21の軸方向)に交差して渦巻き状に設けられている。このアンテナ25も上記配線29に接続される。上記基板支持部材23および回路基板24は上記回転軸部22の先端側に設けられるキャップ部22cによって覆われる。上記芯管ICタグ202はそのアンテナ面が上記アンテナ25の形成面の延長面に交差しないように配置されるのが望ましい。
【0071】
図10は上記コントローラ5における紙残量推定部57としての構成を示した説明図である。無線リーダライタ(情報読取部)26は、上記コントローラ5によって制御されるものであり、上記芯管ICタグ202から情報を読み取るとともに上記芯管ICタグ202に情報を書き込むようになっている。なお、上記情報の不正な書き換えを防止するために、上記情報を暗号化或いは圧縮して上記ICタグ202に書き込むようにしてもよい。
【0072】
上記紙残量推定部57の情報生成部57aは、上記芯管ICタグ202に書き込む情報として、基準時点で上記薬剤分包紙ロール200の分包紙Sが一定長(1包分である例えば80mm)送出されたときの上記フォトセンサ24aの出力に基づくカウント値(基準紙残量時点の回転量情報に相当し、この実施形態では基準時点カウント値(A)とする。)を生成する。上記分包紙Sが上記一定長送出されかどうかは、上記ヒータローラ45d,45eの回転量等に基づいて上記コントローラ5が判断することができる。
【0073】
また、上記情報生成部57aは、上記基準時点後の分包紙使用時点において上記薬剤分包紙ロール200の分包紙Sが上記一定長送出される毎の複数回分の上記フォトセンサ24aの出力に基づくカウント値(複数回分の現紙残量時点の回転量情報に相当し、この実施形態では100個分の現時点カウント値(B)とする。)を生成する。さらに、上記情報生成部57aは、上記基準時点から上記分包紙使用時点までの紙使用量として、上記基準時点からの経過包数(後述するα2)などを生成する。また、上記現時点カウント値を複数個ではなく最新の現紙残量時点の1個とする形態を採用し得る。また、上記回転量情報は上記カウント値に限定されるものではない。また、上記基準時点から分包紙使用時点までの紙使用量は上記経過包数に限定されず、紙使用長などを採用可能である。
【0074】
図12は基準時点と分包紙使用時点との分包紙使用量の関係を示している。基準時点において分包紙使用量がP包の状態から1包分引き出したときの芯管201の回転量(図12の(ア)状態から(イ)状態に移行するときの回転量)が上記基準紙残量時点の回転量(上記基準時点カウント値(A))となる。この基準時点カウント値(A)は、後述する数式において、一定条件の下、x1として記述される。同様に、分包紙使用時点において分包紙使用量がQ包(Q>P)の状態から1包分引き出したときの芯管201の回転量(図12の(ウ)状態から(エ)状態に移行するときの回転量)が上記現紙残量時点の回転量(上記現時点カウント値(B))である。この現時点カウント値(B)は、後述する数式において、一定条件の下、x2として記述される。また、図12の(ア)状態から(ウ)状態までの分包紙使用量の差分が紙使用量であり、この紙使用量を一包の長さで割ったものが経過包数(α2)となる。
【0075】
上記紙残量推定部57は、上記基準時点カウント値(A)と、上記現時点カウント値(B)と、基準時点から分包紙使用時点までの経過包数(α2)と、上記芯管201の寸法(外径(直径、半径)、外周)情報と、に基づいて、基準時点で存在していた上記薬剤分包紙Sの残量を推定し、この推定した基準時点の紙残量から上記経過包数に基づいた減算処理を行って現在の紙残量を推定する。上記コントローラ5は、推定した現在の紙残量を、表示部10において、分包可能な包数として表示させることができる。
【0076】
また、上記コントローラ5は、上記芯管ICタグ202に上記基準時点カウント値が未だ書き込まれていなかった場合の処理と既に書き込まれていた場合の処理とを行う。
【0077】
次に、上記薬剤分包紙ロール200の紙残量を推定する方法について具体的に説明していく。
【0078】
上記紙残量推定部57は、紙残量推定用の情報として、上記基準時点でのフォトセンサ24aの出力によるカウント値(A)と、基準時点から紙送りが一定量行われる都度のフォトセンサ24aの出力によるカウント値(B)を用いる。また、紙残量の推定精度を高めるため、上記カウント値(B)を常に取得し、取得するたびに紙残量算出を行う。そして、例えば100回分の紙残量算出結果の平均値から分包紙Sの残量を判定する。
【0079】
[基準時点カウント値の取得方法]
電源が投入されると、上記コントローラ5は、上記芯管ICタグ202に書き込まれている情報を読み出す。この情報読出で基準時点カウント値が未取得である場合は、後に図11を用いて詳述するように、基準時点検出準備段階に進み、基準時点カウント値が取得済みで残量算出用情報が未取得の場合は、さらに分包紙残量用情報収集段階に進んで基準時点カウント値(A)を得る。
【0080】
[計算方法]
80mm包換算の紙の残り包数y(包)と、紙厚w(mm)と、芯管201の直径r(mm)、分包紙Sを一定長である80mm送ったときに検出されるフォトセンサ24aによるカウント値x(回)の関係は、ほぼ下記の数式1(数1)ようになる。この数式1の導出については後述する。
【数1】
【0081】
基準時点での残り包数(80mm包換算)をy1、基準時点で分包紙Sを一定長である80mm送ったときのフォトセンサ24aによるカウント値をx1(整数)、基準時点から80mm換算でα2包分を送った後のフォトセンサ24aによるカウント値をx2(整数)とすると、以下の数式2(数2)および数式3(数3)が得られる。なお、1包の長さ及び一定長を80mmとしているが、1包の長さと一定長は異なっていてもよい。
【数2】
【数3】
【0082】
数式2と数式3をwについて解くと、以下の数式4(数4)が得られる。
【数4】
【0083】
また、数式2と数式4をy1について解けば、以下の数式5(数5)が得られる。
【数5】
【0084】
薬剤分包紙Sを一定長である80mm送るたびにフォトセンサ24aによるカウント値から数式5のx2とα2を代入してy1を求めていき、繰り返し求めたy1の直近の例えば100個の平均から基準時点での残り包数が何包であったのかを算出し、上記y1の100個の平均値から経過包数であるα2に1包加えたα2+1包に基づいた減算をすることで、現在の残り包数(図12の(エ)の状態の残り包数)を推定する。なお、数式5の芯管201の直径r(mm)に関しては、将来的に変更された場合に、その変更値を数式5において適用すればよいことになる。また、直径rなどの芯管寸法情報は上記芯管ICタグ202に格納しておいてもよいし、上記メモリ55に格納しておいてもよい。なお、芯管外径として上記薬剤分包紙ロール200の内径を用いることができる。換言すれば、上記薬剤分包紙ロール200の内径を用いることは芯管外径を用いることに相当する。
【0085】
[紙残量とその時のカウント値との関係導出]
ある時点での上記薬剤分包紙ロール200の分包紙残り長をY(mm),芯管201の円周R(mm),分包紙Sの紙厚w(mm)とすると,分包紙Sの残り長はn層に重なった同心円状の紙の円周の長さを足し合わせたものであると考えて、数式6(数6)が得られる。
【数6】
【0086】
nについて解くと、数式7(数7)が得られる。
【数7】
【0087】
また、芯管201が1周するとフォトセンサ24aの出力によるカウント値は24となるので、80mmの紙送りを行った場合に入るフォトセンサ24aの出力によるカウント値xは、数式8(数8)で表される。
【数8】
【0088】
数式8に数式7を代入すると、数式9(数9)が得られる。
【数9】
【0089】
両辺を2乗してから、整理すると数式10(数10)が得られる。なお、数10のように、近似できるのは、分包紙Sの紙厚w(mm)が、芯管201の円周R(mm)、及び、紙管の分包紙残り長Y(mm)に比べて非常に小さいためである。
【数10】
【0090】
r=R/π(芯管直径[mm])、Y=80yとして整理すると、数式11(数11)が得られる。
【数11】
【0091】
上記数式11から数式1が導出される。なお、上記数式10は上記のような近似式とされるが、このような近似式に限定されることはない。したがって、上記数式10に基づく上記数式1なども上記のものに限定されることはない。また、上記では、芯管201が1周するときのフォトセンサ24aの出力によるカウント値を24とし、80mmの紙送りを行った場合の上記フォトセンサ24aの出力によるカウント値をxとし、1包の長さを80mmとした場合について説明した。芯管201が1周するときの上記フォトセンサ24aの出力によるカウント値をgとし、hmmの紙送りを行った場合の上記フォトセンサ24aの出力によるカウント値xとし、1包の長さをjmmとした場合、紙厚(w)及び基準時点での残り包数y1は、下記のとおりである。
【数12】
【数13】
【0092】
図11は、上記コントローラ5が行う分包紙残量推定処理に関する内容を示した説明図である。
【0093】
電源が投入されると(S21)、上記コントローラ5は、上記芯管ICタグ202に書き込まれている情報を読み出す。この情報読出で基準時点カウント値が未取得の場合は基準時点検出準備段階(S22)に進み、基準時点カウント値が取得済みで残量算出用情報が未取得の場合は分包紙残量用情報収集段階(S24)に進み、基準時点カウント値が取得済みで残量算出用情報も取得済みの場合は残量計算更新段階(S25)に進む。
【0094】
基準時点検出準備段階(S22)は、電源投入(S21)後または紙終了ワーニングからの復帰後に開始される。そして、この基準時点検出準備段階では、分包紙Sを一定量である80mm送るごとにフォトセンサ24aの出力によるカウント値を取得していき、前回値と比較してカウント値が2以上変化しない状態が、例えば40回続いた場合に、取得準備完了とし、基準時点検出段階(S23)へ遷移する。この基準時点検出準備段階の間、上記芯管ICタグ202には紙残量検出用の情報は何も書き込まない。なお、基準時点検出準備段階(S22)を省略することとしてもよい。
【0095】
基準時点取得段階(S23)では、分包紙Sを80mm送るごとにフォトセンサ24aの出力によるカウント値を例えば19回取得していき、それらの平均値(最多出現値を用いてもよい)を、例えば10回目のカウント値とするとともに、基準時点のフォトセンサ24aの出力によるカウント値(A)とし、このカウント値(A)を上記芯管ICタグ202に書き込む。そして、分包紙残量用情報収集段階(S24)に遷移する。ただし、上記19回のカウント値を取得している途中に、フォトセンサ24aの出力によるカウント値が前回値と比較して2以上変化した場合には、基準時点検出準備段階(S22)をやり直す。なお、上記平均値を10回目のカウント値として採用する場合、上記のように19回分の紙が使用されており、上記10回目の時点での一包分使用を含めて「10」を基準時点からの経過包数としておく。
【0096】
分包紙残量用情報収集段階(S24)では、分包紙Sを80mm送るたびにフォトセンサ24aの出力によるカウント値(B)を取得し、このカウント値(B)と、基準時点でのカウント値(A)と、基準時点からの経過包数と、上記芯管201の直径rと、を用いて、基準時点での紙残量がいくらであったのかを算出し、算出結果をメモリ55に保持する。100個分(上記の例であれば上記9個を含めての100個)のカウント値(B)が得られたら、残量計算更新段階(S25)へ遷移する。また、上記芯管ICタグ202には、上記100個分のカウント値(B)を書き込む。上記芯管ICタグ202には、上記紙残量として残量長さ等を書き込むことも可能であるが、上記芯管ICタグ202の容量上の制限から上記カウント値(B)を書き込むようにしている。
【0097】
残量計算更新段階(S25)では、分包紙Sを80mm送るたびに、フォトセンサ24aの出力によるカウント値(B)を取得し、基準時点での紙残量算出を行う。この段階では、直近100個のカウント値(B)に基づいて100個分の基準時点紙残量が得られるので、その平均値から、経過包数α2を減算した数値を最新の紙残量算出結果とすることができる。そして、紙残量を算出するたびに上記メモリ55に保存してある100個分の紙残量算出結果のうち最古の算出結果を最新の算出結果で上書きする。また、上記芯管ICタグ202に記憶している上記100個分のカウント値(B)についても、最古のカウント値(B)を最新のカウント値(B)で上書きする。なお、先に図12を用いて述べたように、基準時点において分包紙使用量がP包の状態から1包分引き出したときの芯管201の回転量が基準時点カウント値(A)となるので、上記平均値から経過包数α2を減算した数値を紙残量算出結果とするよりも、上記1包分を考慮して、上記平均値から経過包数α2+1を減算した数値を紙残量算出結果とするほうが、現在の紙残量をより正確に推定できる。
【0098】
このように、上記基準時点カウント値と、上記現時点カウント値と、基準時点から分包紙使用時点までの経過包数と、上記芯管の寸法情報と、に基づいて、基準時点で存在していた上記薬剤分包紙Sの残量を推定するため、薬剤分包紙Sの紙厚や空気層を残量算出に用いる必要がなく、利用者に正確な紙残量を示すことができる。なお、上記基準時点カウント値を取得してから暫くの間は、利用者に提示する紙残量の数値が安定しない場合があるので、この不安定な段階での利用者に提示する紙残量を、例えば、上記薬剤分包紙ロール200の径と分包紙Sの紙厚とから判断した紙残量とするようにしてもよい。
【0099】
上記コントローラ5は、上記芯管ICタグ202に基準時点カウント値が未だ書き込まれていないときは、上記薬剤分包紙ロール200の分包紙Sを一定長(例えば80mm)送出する毎にカウント値を取得する処理を複数回行い、カウント値が前回値と比較して所定範囲内である状態が所定回数(例えば40回)続いた場合に、上記基準時点カウント値を取得する処理に移行する。ここで、上記薬剤分包紙ロール200の外周側は弛みやすく、一定厚の空気層となっていない場合には上記カウント値の振れ幅が大きくなるが、上記の基準時点検出準備段階を経ることにより、不正確な紙残量が算出されてしまうのを防止できる。
【0100】
また、上記コントローラ5は、上記基準時点カウント値を取得する処理として、上記薬剤分包紙ロール200の分包紙Sを一定長(例えば80mm)送出する毎にカウント値を取得する処理を複数回行い(例えば19回)、それらの平均値を所定回目(例えば10回目)のカウント値とするとともに、この所定回目のカウント値を上記基準時点カウント値とする処理を行うので、不正確な紙残量が算出されてしまうのを防止できる。
【0101】
また、上記コントローラ5は、上記芯管ICタグ202に上記基準時点カウント値が書き込まれており且つ上記複数回分(例えば100個)の現時点カウント値が格納されていないときには、上記薬剤分包紙ロール200の分包紙Sを一定長(例えば80mm)送出する毎に現時点カウント値を取得して上記芯管ICタグ202に書き込む処理を1または複数回行い、上記芯管ICタグ202に上記基準時点カウント値が書き込まれており且つ上記1または複数回分(例えば100個)の現時点カウント値が格納されているときには、上記薬剤分包紙ロール200の分包紙Sを一定長送出する毎に現時点カウント値を取得して上記芯管ICタグ202の最古の現時点カウント値に上書きするデータ更新処理を行うので、不正確な紙残量が算出されてしまうのを防止できる。
【0102】
また、上記芯管ICタグ202には、紙残量自体が書き込まれるのではなく、カウント値が格納されるので、上記のように100個分のデータを書き込む場合でも、上記芯管ICタグ202としてメモリ容量の大きなものを用いなくて済む利点が有る。さらに、例えば1包を80mmとする包数換算から1包を90mmとする包数換算に切り替えるときでも、上記カウント値を記憶しておくことで、上記切り替えを直ぐに行うことができる。
【0103】
また、上記芯管ICタグ202に上記1または複数回分(例えば100個)の現時点カウント値が格納されるので、上記薬剤分包紙ロール200が途中で交換された場合でも、その付け替えられた薬剤分包紙ロール200の芯管ICタグ202に1または複数回分の現時点カウント値が格納されている場合には、上記現時点カウント値から直ちに上記付け替えられた薬剤分包紙ロール200の残り包数やロール径を知ることができる。また、上記薬剤分包紙ロール200の回転にブレーキ力を生じさせる上記モーターに与える直流電圧を薬剤分包紙ロール200のロール径に基づいて調節する場合、上記付け替えられた薬剤分包紙ロール200を実際に何回か回さなくても上記ロール径から直ちに上記直流電圧値を決定することが可能となる。
【0104】
インクリボンカセット3のICタグ100と芯管ICタグ202とについて同じものを使用する場合、万が一インクリボンカセット3が上記ロール支持部2の近くに置かれたときに、上記ロール支持部2内のアンテナ25がICタグ100の信号を受信するおそれがある。しかし、両ICタグにはUID(Unique Item identification)が記録されており、上記コントローラ5は処理中のUIDと異なるUIDの信号を受信したときには、例えばエラー処理を行うようにしてもよい。
【0105】
インクリボンカセット3のICタグ100と芯管ICタグ202とについて異なる種類のものを使用してもよい。この場合、万が一インクリボンカセット3が上記ロール支持部2の近くに置かれたときでも、ICタグ100の信号との混信を防止できる。したがって、万が一インクリボンカセット3が上記ロール支持部2の近くに置かれたときでも、エラー処理なしに紙残量推定処理を継続することが可能となる。
【0106】
上記コントローラ5は、処方データによる薬剤包装で必要とされる包数と推定された現在の紙残量による可能包数とを比較し、この比較結果が許容範囲外となる場合に警告を行うようにしてもよい。上記許容範囲は、例えば、推定された現在の紙残量による包数が薬剤包装で必要とされる包数よりも10包以上のように設定される。また、上記警告は例えば上記表示部10を用いた文字メッセージや警報音などで行うことができる。
【0107】
また、以上に述べた実施形態の内容は、上記回転軸部22に上記薬剤分包紙ロール200の芯管201が装着されるロール支持部2と、上記回転軸部22の回転量を示す回転量情報を出力する回転量情報出力部(例えば上記フォトセンサ24a)と、上記ロール支持部2に設けられたアンテナ25を介して上記芯管201に設けられた記録媒体(例えば、上記芯管ICタグ202)に情報を書き込み、書き込んだ情報を読み取る情報読取部(例えば、無線リーダライタ26)と、上記記録媒体に書き込むことができる情報として、第1の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロール200から分包紙が一定長送出されたときの上記回転量情報である第1の回転量と、上記第1の量よりも少ない第2の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロール200から分包紙が上記一定長送出されたときの上記回転量情報である第2の回転量と、上記第1の量と上記第2の量の差分に相当する上記紙使用量(例えば、経過包数α2)と、を生成する情報生成部57aと、上記第1の回転量と、上記第2の回転量と、上記紙使用量と、上記芯管201の寸法情報と、に基づいて、上記第2の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロール200から分包紙が上記一定長送出された後の紙残量を演算する紙残量演算部(紙残量判断部57)と、を備えた薬剤分包装置を開示している。
【0108】
上記実施形態では、上記第1の量が存在した時点として、上記基準時点が例示されており、上記第2の量が存在した時点として上記分包紙使用時点が例示されており、上記第1の回転量として、上記基準時点カウント値が例示されており、上記第2の回転量として、上記現時点カウント値が例示されている。また、上記コントローラ5は、上記記録媒体(例えば、上記芯管ICタグ202)に、上記第1の回転量が未だ書き込まれていない場合の処理と既に書き込まれている場合の処理とを行う。
【0109】
また、上記コントローラ5は、上記記録媒体に未だ上記第1の回転量が書き込まれていないときは、上記薬剤分包紙ロール200の分包紙を上記一定長送出する毎に回転量情報を取得する処理を複数回行い、回転量情報が前回回転量情報と比較して所定範囲内である状態が所定回数続いた場合に、上記第1の回転量を取得する処理に移行する。また、上記コントローラ5は、上記第1の回転量を取得する処理として、上記薬剤分包紙ロール200の分包紙を上記一定長送出する毎に回転量情報を取得する処理を複数回行い、それらの平均値または最多出現値を所定回目の回転量情報とし、この所定回目の回転量情報を上記第1の回転量とする処理を行う。また、上記コントローラ5は、上記記録媒体に上記第1の回転量が書き込まれており且つ上記紙残量の演算に用いる1または複数回分の第2の回転量が格納されていないときには、上記薬剤分包紙ロール200の分包紙を上記一定長送出する毎に第2の回転量を取得して上記記録媒体に書き込む処理を1または複数回行い、上記記録媒体に上記第1の回転量が書き込まれており且つ上記演算に用いる1または複数回分の第2の回転量が格納されているときには、上記薬剤分包紙ロール200の分包紙を上記一定長送出する毎に第2の回転量を取得して上記記録媒体の1または最古の第2の回
転量に上書きするデータ更新処理を行う。
【0110】
また、以上に述べた実施形態の内容は、薬剤分包紙ロール200を用いて薬剤を1包分ずつ包装する薬剤分包装置の薬剤分包紙残量判断方法であって、上記薬剤分包紙ロール200の芯管201に設けられた記録媒体(例えば、上記芯管ICタグ202)から、第1の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロール200から分包紙が一定長送出されたときの上記薬剤分包紙ロール200の芯管201の回転量である第1の回転量と、上記第1の量よりも少ない第2の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロール200から分包紙が上記一定長送出されたときの上記芯管201の回転量である第2の回転量と、上記第1の量と上記第2の量の差分に相当する紙使用量(例えば、経過包数α2)と、を取得し、上記第1の回転量と、上記第2の回転量と、上記紙使用量と、上記芯管の寸法情報と、に基づいて、上記第2の量の分包紙が残っている上記薬剤分包紙ロールから分包紙が上記一定長送出された後の紙残量を演算する薬剤分包紙残量判断方法を開示している。
【0111】
また、上記基準紙残量時点の回転量情報や上記第1の回転量を、例えば薬剤分包紙ロール200の出荷段階において、当該薬剤分包紙ロール200に対する疑似分包処理を実行することにより取得し、当該薬剤分包紙ロール200の芯管201に設けられている芯管ICタグ202に記録することとしてもよい。この場合、実際の分包処理において上記基準紙残量時点の回転量情報や上記第1の回転量を生成して芯管ICタグ202に記録する処理が不要になる。また、芯管201が1周するとフォトセンサ24aの出力によるカウント値は「24」とすることを例示したが、これに限るものではなく、例えば、1周でより多くをカウントする構成としてもよい。また、1周でより多くをカウントする構成とする場合、複数のカウント値の平均等ではなく、1つのカウント値を利用して紙残量を判断することも可能になる。
【0112】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【0113】
また、上記の数4及び数12から、薬剤分包紙Sの紙厚を求めることも可能である。
【0114】
上記では、薬剤分包紙Sの残量の推定について説明したが、推定方法をインクリボンの残量の推定にも用いることができる。
【0115】
また、薬剤分包紙ロール200の内周側では外周側よりも空気層は小さく、また空気層のばらつきも少なくなる。よって、薬剤分包紙ロール200の径が小さくなった段階では、空気層が殆ど無くなるか或いはばらつきが小さくなるため、薬剤分包装置1が算出する薬剤分包紙Sの推定残量は、薬剤分包紙Sが残り少なくなった段階で一層正確になる。特に、薬剤分包紙Sが終了する直前の状態、すなわち芯管201に残っている薬剤分包紙Sが1周分となった状態で最も正確に紙残量の推定が正確になり、薬剤分包紙Sの終了を的確に知らせることが可能になる。ただし、薬剤分包装置1は、紙残量推定部57が推定した現在の紙残量が0であるか否かにかかわらず、薬剤分包紙Sの残量が0であると紙終端センサ421(図2図3参照)が検出するまで、薬剤分包紙ロール200を使用してもよい。上記紙終端センサ421として、薬剤分包紙ロール200から送出された薬剤分包紙Sによって、発光器から受光器に送られる光が遮断される光センサを用いることができる。上記紙終端センサ421は、図2および図3に示すように、例えば上記印字ヘッド4eに至る前の薬剤分包紙ロール200の走行路近傍の位置に設けられる。薬剤分包装置1の機械毎の若干寸法の違い、温度・湿度などの環境によって、紙残量推定部57の推定精度が変動する。従って、紙残量推定部57は、実際よりも少ない量、または、多い量を現在の紙残量として推定することがある。紙残量推定部57が推定した現在の紙残量が、実際の紙残量よりも多いか、少ないかに基づいて、将来の現在の紙残量の推定方法を補正してもよい。紙残量推定部57が推定した現在の紙残量が、実際の紙残量よりも多いか、少ないかは、例えば、紙残量推定部57が現在の紙残量が0と推定したタイミングと、紙終端センサ421が薬剤分包紙Sの残量が0であると検出したタイミングの何れが早いかで検出できる。例えば、紙残量推定部57は、実際よりも少ない量を現在の紙残量として推定した場合、以後、薬剤分包装置1に装着した薬剤分包紙ロール200の紙残量の推定は、上記推定した紙残量よりも一定量多い量を現在の紙残量として推定する。一方、紙残量推定部57は、実際よりも多い量を現在の紙残量として推定した場合、以後、薬剤分包装置1に装着した薬剤分包紙ロール200の紙残量の推定は、上記推定した紙残量よりも一定量少ない量を現在の紙残量として推定する。一定量としては、例えば、1または2包分に相当する長さとすることができる。
【0116】
また、紙残量推定部57が現残量を0と推定した後、または、分包紙の残量が0であると紙終端センサ421が検出した後、薬剤分包装置1は、フォトセンサ24aによるカウント値が記録された芯管ICタグ202の領域に、薬剤分包装置1の情報(例えば、直近に発生したエラーの情報)を書き込んでもよい。このような情報を書き込み、分包紙Sを使い終わった芯管を回収することで、薬剤分包装置1の状態を確認でき、適切なメンテナンスや、薬剤分包装置1の改良を適切に行うことができる。また、フォトセンサ24aによるカウント値が記録された芯管ICタグ202の領域に薬剤分包装置1の情報を書き込むことで、記憶容量の少ないICタグであっても、芯管ICタグ202として利用できる。
【0117】
また、この実施形態では、図4に示したように、上記印字包装ユニット4にはヘッド移動モーター408が設けられている。このヘッド移動モーター408の回転軸には偏心カム408aが装着されており、この偏心カム408aは、上記リンク部材406に接触している。また、コイルばね409は上記リンク部材406を上記バックアップローラ4bから離間させる方向に引っ張っている。上記偏心カム408aが回転すると、上記コイルばね409の付勢に抗して上記リンク部材406が上記軸407を中心に移動する。この移動により、上記印字ヘッド4eと上記バックアップローラ4bとの間隔を例えば10mm程度開ける第1状態と、さらにこれよりも長い30mm程度開ける第2状態とが形成される。
【0118】
上記間隔変更動作が行われて上記リンク部材406が移動すると、当該リンク部材406に連結されている上記ヘッドソレノイド405の動作軸も移動する。上記第1状態において上記ヘッドソレノイド405がオンされると、上記ヘッドソレノイド405の動作軸によって上記リンク部材406が押され、上記印字ヘッド4eは、上記バックアップローラ4bの方向に移動してインクリボンRを上記薬剤分包紙Sに押し当て、印字可能な状態を形成する。
【0119】
上記第2状態を形成することにより、上記インクリボンカセット3および上記薬剤分包紙ロール200の交換が容易なる。ただし、上記第2状態が形成されると、上記印字ヘッド4eが上記インクリボンカセット3のインクリボンR押さない状態になり、インクリボンRが弛んで薬剤分包紙Sに静電気でくっついたままの状態になりやすい。このような状態になると、上記薬剤分包紙ロール200の交換がしづらく、また交換しようとする上記薬剤分包紙ロール200の薬剤分包紙Sに上記インクリボンRがくっついて当該インクリボンRが無駄に出てしまうことがある。
【0120】
そこで、上記第2状態を形成したときには、上記インクリボンカセット3の上記巻取り芯32を上記巻取りモーター401で回転させることで、上記インクリボンRの弛んだ分を巻き取って上記インクリボンRの弛みを取り除くこととする。上記弛んだ分のリボン長は略一定であるが、上記巻取り芯32に巻き取られた上記インクリボンRの巻取り径によって、上記巻取り芯32が1回転したときの上記インクリボンRの巻取り量は異なる。
【0121】
この実施形態では、上記コントローラ5は、上記弛んだ分(例えば、3cmのように決定しておく)のリボンを巻き取るための上記巻取りモーター401の回転駆動において、上記ICタグ100から読み取ったインクリボンRの使用長を利用している。すなわち、上記コントローラ5は、上記インクリボンRの使用長に基づく上記インクリボンロール30の現時点の巻取り径から、上記弛んだ分の上記インクリボンRを巻き取るために必要な上記巻取りモーター401の回転角度を算出し、この角度の回転が行われるように上記巻取りモーター401を駆動する。
【0122】
また、上記印字包装ユニット4が装置本体内から引き出される動作が上記検知スイッチ422(図1参照)によって検知されたときに、上記第2状態を形成するならば、オペレーターによるスイッチ操作なしで自動的に上記第2状態が形成されることになる。また、図1において仮想線で示す位置に上記インクリボンカセット3および上記薬剤分包紙ロール200が配置される構造であれば、上記印字包装ユニット4を引き出し可能で且つ縦軸回りに回動可能に設けることもあり、このような場合には、例えば、上記引き出し動作と上記回動動作のいずれかが上記検知スイッチ422等で検知されたときに上記第2状態を形成することができる。
【0123】
しかしながら、上記印字包装ユニット4の引き出し動作等が検知されるたびに上記第2状態を形成して上記インクリボンRを巻き取るのでは、上記インクリボンRの無駄が多くなる。
【0124】
そこで、上記コントローラ5は、上記インクリボンロール30におけるインクリボンの終端または上記薬剤分包紙ロール200における紙終端を判断したとき等において、上記印字包装ユニット4の引き出し動作等が検知された場合に上記第2状態を形成して上記インクリボンRを巻き取る。なお、上記インクリボンロール30に捲回されている上記インクリボンRの後端の所定長領域には光反射領域が形成されており、上記コントローラ5は、図示しない光センサによって上記光反射領域を検出したときに上記インクリボンRが終了したと判定する。また、上記コントローラ5は、上記紙終端センサ421の出力に基づいて分包紙Sの終了を判定する。
【0125】
例えば、上記コントローラ5は、上記印字包装ユニット4が装置本体から手前に引き出されるか或いは回動された場合に印字ヘッド離間制御を行う。この印字ヘッド離間制御において、上記コントローラ5は、図13に示すように、上記分包紙Sが終了したか否かを判断する(ステップS31)。上記コントローラ5は、上記分包紙Sが終了したと判断した場合には、第2状態を形成してインクリボンの弛みを取り除く(ステップS34)。一方、上記分包紙Sが終了していないと判断した場合には、上記インクリボンRが終了したか否かを判断する(ステップS32)。
【0126】
上記コントローラ5は、上記インクリボンRが終了したと判断した場合には、第2状態を形成してインクリボンの弛みを取り除く(ステップS34)。この場合には、上記インクリボンRは殆ど残っていない状態であるので、上記インクリボンRを巻き取れるだけ巻き取るようにしてもよい。一方、上記コントローラ5は、上記インクリボンRが終了していないと判断した場合には、上記無線リーダライタ26で上記芯管ICタグ202のUIDが読み取れるか否かを判る(ステップS33)。上記芯管ICタグ202のUIDが読み取れない場合は、第2状態を形成してインクリボンの弛みを取り除く(ステップS34)。上記薬剤分包紙ロール200の交換が行われるときには、上記芯管201が上記回転軸部22から外されるため、上記芯管ICタグ202のUIDが読み取れない状態となる。
【0127】
上記芯管ICタグ202のUIDが読み取れた場合は、印字ヘッド離間制御を終了する。なお、この実施形態では、上記印字包装ユニット4が装置本体内に戻されたことを検知するまで上記芯管ICタグ202のUIDが読み取れるか否かを判断しており、上記印字包装ユニット4が装置本体内に戻されたことを検知すると、印字ヘッド離間制御を終了するようにしている。
【0128】
このように、上記インクリボンロール30または上記薬剤分包紙ロール200の交換の可能性があると判断した場合に、上記第2状態を形成して上記インクリボンRの弛みを取るので、上記印字包装ユニット4が移・BR>ョしたというだけで常に弛み取りのために巻き取る制御に比べ、上記インクリボンRの無駄を格段に少なくできる。
【0129】
上記ステップS34の判断に代えて、上記芯管201が上記回転軸部22から外されたか否かを検知するために設けた専用センサ(上記強磁性体201cを検知するセンサ等)の出力に基づいた判断を行ってもよい。すなわち、上記コントローラ5は、上記専用センサで上記芯管201が上記回転軸部22から外されたことを検知した場合に、上記薬剤分包紙ロール200が交換される可能性があると判断してもよい。
【0130】
なお、上記インクリボンRの弛み取りのために当該インクリボンRを巻き取る際には、上記クラッチ41aによって上記供給側支持軸41にブレーキをかけておくのがよい。また、上記薬剤分包紙ロール200等の交換後において上記印字包装ユニット4を装置本体内に戻す回動動作または移動動作が上記検知スイッチ422等によって検知されると、上記コントローラ5は、上記ヘッド移動モーター408を駆動し、上記第2状態から第1状態に遷移させる。
【0131】
上記第2状態から第1状態に遷移するときには、上記第2状態で弛みが取り除かれて張っている状態の上記インクリボンRを上記印字ヘッド4eが押す状態となる。この状態で上記クラッチ41aによって上記供給側支持軸41にブレーキがかけられていたのでは、上記インクリボンRが張力に耐えられずに切断されるおそれがある。
【0132】
そこで、この実施形態では、上記第2状態から第1状態に遷移するときには、上記クラッチ41aによる上記供給側支持軸41のブレーキを解除している。これにより、上記インクリボンRの切断は確実に防止される。
【符号の説明】
【0133】
1 薬剤分包装置
11 薬剤払出ユニット
2 ロール支持部
22 回転軸部
23 基板支持部材
24 回路基板
24a フォトセンサ
25 アンテナ
26 無線リーダライタ(情報読取部、通信部)
3 インクリボンカセット
30 インクリボンロール
31 供給芯
32 巻取り芯
4 印字包装ユニット
4e 印字ヘッド
4b バックアップローラ(バックアップ部)
408 ヘッド移動モーター(離間形成部)
421 紙終端センサ(検知部)
5 コントローラ(制御部)
52 回転速度制御部
55 メモリ
54 無線リーダライタ
56 モーター制御部
57 紙残量判断部(紙残量推定部、紙残量演算部)
57a 情報生成部
200 薬剤分包紙ロール
201 芯管
202 芯管ICタグ(記録媒体)
R インクリボン
S 薬剤分包紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13