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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】支援装置および支援システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20240306BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240306BHJP
【FI】
H05B47/125
H05B47/19
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020063799
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021163621
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】貞照 知基
(72)【発明者】
【氏名】杉田 真一
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 智之
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-055848(JP,A)
【文献】特開2014-120351(JP,A)
【文献】特表2017-526139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/125
H05B 47/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影部と;
情報を表示する表示部と;
前記撮影部で撮影されるバトンを認識する認識部と;
前記バトンに対応する情報を有する上位機と通信する通信部と;
前記認識部で認識された前記バトンに対応する情報を前記上位機から取得する取得部と;
前記取得部で取得された前記バトンに対応する情報であって、前記上位機に表示される情報の一部を前記表示部で表示させる制御部と;
を備えることを特徴とする支援装置。
【請求項2】
前記認識部は、前記撮影部で撮影される前記バトンのシルエットから前記バトンを認識する
ことを特徴とする請求項1記載の支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部により、前記バトンのシルエット上に、前記バトンに対応する情報に基づいて前記バトンに設置する照明器具を仮想表示させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の支援装置。
【請求項4】
前記認識部は、前記撮影部で撮影される前記照明器具の位置を移動させるための所定の指示動作を認識し、
前記制御部は、前記認識部で認識される所定の指示動作に基づいて、前記上位機に対して前記照明器具の位置を移動させた前記バトンに対応する情報への変更を指示するとともに、前記照明器具の位置を移動させた前記バトンに対応する情報を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項記載の支援装置。
【請求項5】
撮影部と;
情報を表示する表示部と;
前記撮影部で撮影されるバトンを認識する認識部と;
前記バトンに対応する情報を有する上位機と;
前記認識部で認識された前記バトンに対応する情報を前記上位機から取得する取得部と;
前記取得部で取得された前記バトンに対応する情報であって、前記上位機に表示される情報の一部を前記表示部で表示させる制御部と;
を備えることを特徴とする支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バトンへの照明器具の設置、確認の作業を支援する支援装置および支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、テレビスタジオや舞台等では、バトンに照明器具を設置する作業が行われている。この作業は、どのバトンのどの位置にどの照明器具を設置するかを予め設定した仕込み図を参照しながら行われている。
【0003】
このような仕込み図からでは、どのバトンのどの位置にどの照明器具を設置するかといったことが把握しずらく、さらに設置後に正しい照明器具が正しく設置されているかどうかの確認もしずらく、作業効率が悪いものとなっており、作業効率の向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-55848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、バトンへの照明器具の設置、確認の作業を支援し、作業効率を向上できる支援装置および支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の支援装置は、撮影部と、情報を表示する表示部と、撮影部で撮影されるバトンを認識する認識部と、バトンに対応する情報を有する上位機と通信する通信部と、認識部で認識されたバトンに対応する情報を上位機から取得する取得部と、取得部で取得されたバトンに対応する情報であって、上位機に表示される情報の一部を表示部で表示させる制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の支援装置によれば、バトンへの照明器具の設置、確認の作業を支援し、作業効率を向上させることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す照明システムに適用する支援システムの説明図である。
図2】同上支援システムの上位機が有する仕込み図の説明図である。
図3】同上支援システムの支援装置の構成図である。
図4】同上支援装置で仮想表示する照明器具の位置を移動させる位置移動動作の説明図である。
図5】同上上位機が有する仕込み図の情報を支援装置での位置移動動作に連動して変更する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1において、10は照明システムである。照明システム10は、テレビスタジオや舞台等での演出照明を制御するものである。照明システム10は、複数の照明器具11、これら照明器具11を設置する複数のバトン12、およびこれらバトン12に設置された照明器具11を遠隔操作する調光操作卓13等を備えている。
【0011】
照明器具11は、例えばLED等の発光素子を光源として用いており、調光操作卓13による照明演出に応じた照明制御が可能に構成されている。照明器具11は、例えば明るさ、光照射範囲、色彩、光照射角度等の照明制御が可能となっている。照明器具11は、DMXを拡張したRDM(Remote Device Management)規格に沿った通信方式により、調光操作卓13と双方向に通信可能なRDM規格対応照明器具である。照明器具11は、固有の器具ID、器具種類、メーカー、製品名、製造番号等の固有の器具情報を記憶しており、この固有の器具情報を調光操作卓13に送信可能とする。
【0012】
また、バトン12は、テレビスタジオや舞台等の天井側に、昇降装置により昇降可能に設置されている。バトン12は、長尺に設けられ、長手方向の複数箇所に、複数の照明器具11を吊下げ状態に設置する設置位置A1~A4の領域が設けられている。なお、図1には、3つのバトン12の例を示し、さらに、バトン12毎に4つの設置位置A1~A4を示すが、これらに限られるものではない。
【0013】
バトン12を例えば正面方向等の所定方向から見た場合の視認可能な位置に、例えばL1、L2、L3…といったバトン12毎の固有の識別情報15が表示されている。
【0014】
バトン12には、バトン12に設置される照明器具11を接続するノード(RDMノード)16が設けられている。ノード16は、RDM規格に沿った通信方式により、照明器具11や調光操作卓13と双方向に通信可能に接続する中継器である。ノード16は、例えばイーサネット(登録商標)等の有線または無線によるネットワークを通じてハブ17と双方向に通信可能に接続され、このハブ17を介して調光操作卓13と双方向に通信可能とする。ノード16は、バトン12の照明器具11が設置される設置位置A1~A4に対応して設けられた複数のポートP1~P4を有し、これらポートP1~P4に照明器具11の通信ケーブルが接続され、ポートP1~P4を通じて照明器具11と双方向に通信可能としている。ポートP1~P4にはポートIDが付与されており、このポートIDに基づいてどのポートP1~P4にどの照明器具11が接続されているかを特定可能としている。そして、ポートP1~P4に照明器具11の通信ケーブルを接続すると、ノード16を通じて照明器具11と調光操作卓13とが双方向に通信し、どのポートP1~P4つまりどの設置位置A1~A4にどの照明器具11が接続されて設置されているかを調光操作卓13で特定することが可能となっている。
【0015】
バトン12には、バトン12の照明器具11が設置される設置位置A1~A4に対応して照明器具11に電力を供給する図示しないコンセントが設けられている。
【0016】
また、調光操作卓13は、ハブ17およびノード16を通じてバトン12に設置された照明器具11と通信し、照明演出に応じて照明器具11を制御する。調光操作卓13は、例えばオペレータによる操作に応じて制御対象の照明器具11のアドレスを含む制御情報を生成し、またはシーンに応じて制御対象の照明器具11のアドレスを含む制御情報を自動的に生成し、アドレスが示す照明器具11が接続されているノード16に制御情報を送信する。ノード16は、制御情報をRDM規格に沿った制御信号に変換し、アドレスが示す照明器具11に対して制御信号を出力する。これにより、制御信号を受け取った照明器具11が動作して照明状態を変更する。このように、調光操作卓13は、RDM規格対応の制御情報に含まれるアドレスを用いて、各照明器具11を遠隔制御する。
【0017】
調光操作卓13には、照明演出に応じて、予め作成される仕込み図のデータが記憶されている。図2に仕込み図の例を示す。L1、L2、L3…のバトン12毎に、バトン12のどの位置にどの照明器具11を設置するかが設定されている。さらに、照明器具11をどの向きで設置するかの情報も設定されている。仕込み図は、調光操作卓13の画面に表示され、画面上で作成し、設定することができる。
【0018】
そして、作業者は、仕込み図に従って、各バトン12に各照明器具11を設置したり、各バトン12に正しく照明器具11が設置されているかを確認する作業を行う。
【0019】
次に、作業者によるバトン12への照明器具11の設置および確認を支援する支援システム20について説明する。この支援システム20は、作業者が装着または携帯する支援装置21を備えている。本実施形態では、支援装置21は、作業者が顔に装着する眼鏡形支援装置であり、作業者が目視している実際の像に対して情報を重ねて表示する拡張現実AR(Augmented Reality)技術を用いたARグラスが用いられる。
【0020】
図1および図3に示すように、支援装置21は、装置本体であるグラス本体22と、このグラス本体22に設けられた撮影部23と、情報を表示する表示部24と、バトン12に対応する情報を有する上位機25と通信する通信部26と、支援装置21を制御する制御装置27とを備えている。さらに、制御装置27は、撮影部23で撮影されるバトン12を認識する認識部28と、認識部28で認識されたバトン12に対応する情報を上位機25である調光操作卓13から取得する取得部29と、この取得部29で取得されたバトン12に対応する情報の一部を表示部24で表示させる表示制御部である制御部30とを機能として有している。
【0021】
グラス本体22は、作業者が透過して目視するグラス部22a、およびこのグラス部22aの両側に連結され作業者の左右の両耳に掛けるための左右のテンプル部を有し、眼鏡構造に形成されている。
【0022】
撮影部23は、グラス部22aの前方であって作業者がグラス部22aを通じて目視する目視方向を撮影するカメラが用いられる。撮影部23は、グラス本体22に設けられ、具体的にはグラス部22aまたはテンプル部のいずれかに設けられる。
【0023】
表示部24は、グラス部22aに設けられ、例えば透過型のディスプレイが用いられる。この表示部24は、グラス部22aを透過して目視される実際の像に、CG(Computer Graphics)等で表現される仮想表示物等の情報を重ねて表示する。なお、表示部24は、グラス部22aに情報を投影する投影形や、撮影部23によって撮影される画像を表示する液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。
【0024】
上位機25は、バトン12に対応する情報を有する調光操作卓13である。バトン12に対応する情報には、仕込み図のデータが含まれており、どのバトン12のどの位置にどの照明器具11がどの向きで設置されるかといった情報や、バトン12毎のシルエット情報等が含まれている。また、調光操作卓13は、各バトン12について、仕込み図のデータ上での照明器具11の設置状況と、上述したように実際に設置されることで得られる照明器具11の設置状況とを比較し、設置位置A1~A4に正しく照明器具11が設置されているか否かを判断する判断部の機能を有している。バトン12に対応する情報には、仕込み図のデータに基づいて調光操作卓13に表示される画面の一部であって該当するバトン12とこのバトン12に設置される照明器具11の情報、仕込み図のデータに対して実際に設置されていない未設置の照明器具11の情報、仕込み図のデータに対して実際に正しく設置されている照明器具11の情報、設置が正しくなく異なっている照明器具11の情報等が含まれる。なお、上位機25は、バトン12に対応する情報を有していれば、パソコン等でもよい。
【0025】
通信部26は、例えばWi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の無線方式により、例えばルーター等のアクセスポイント31と双方向に通信し、このアクセスポイント31を通じて上位機25である調光操作卓13と双方向に通信する。
【0026】
制御装置27は、マイコン等で構成され、ソフトウェアにより認識部28、取得部29および制御部30の機能を有している。
【0027】
認識部28は、撮影部23で撮影されるバトン12の識別情報15から、どのバトン12かを認識する。または、認識部28は、撮影部23で撮影されるバトン12のシルエットから、どのバトン12かを認識する。この場合、バトン12のシルエット情報は上位機25である調光操作卓13がバトン12に対応する情報の一部として有しており、認識部28は調光操作卓13から取得されるバトン12のシルエット情報から、どのバトン12かを認識する。あるいは、撮影部23で撮影されるバトン12のシルエットとバトン12のシルエット情報との照合は調光操作卓13側で行い、その照合結果から認識部28がどのバトン12かを認識する。バトン12のシルエット情報には、バトン12自体の場合と、バトン12に設置される照明器具11を含めた場合とが含まれる。
【0028】
取得部29は、認識部28で認識されたバトン12に対応する情報を調光操作卓13から取得する。
【0029】
制御部30は、表示制御部でもあり、取得部29で取得されたバトン12に対応する情報の一部の表示内容を表示部24に表示させる。
【0030】
次に、支援装置21を用いた支援動作について説明する。
【0031】
作業者は、ARグラスである支援装置21を装着し、例えば識別情報15がL1のバトン12を目視する。このとき、L1のバトン12は、昇降装置により作業者が作業可能な高さまで下降されている。
【0032】
作業者がL1のバトン12を目視するのに応じて、撮影部23がL1のバトン12を撮影する。
【0033】
撮影部23がL1のバトン12を撮影すると、認識部28が例えばバトン12に表示されている識別情報15から、L1のバトン12であることを認識する。あるいは、撮影部23で撮影されるバトン12のシルエットから、L1のバトン12であることを認識する。この場合、上述したように、バトン12のシルエット情報は上位機25である調光操作卓13がバトン12に対応する情報の一部として有しており、認識部28は調光操作卓13から取得されるバトン12のシルエット情報から、どのバトン12かを認識するか、あるいは、撮影部23で撮影されるバトン12のシルエットとバトン12のシルエット情報との照合は調光操作卓13側で行い、その照合結果から認識部28はどのバトン12かを認識する。
【0034】
認識部28がL1のバトン12であることを認識すると、通信部26を通じて調光操作卓13と通信し、取得部29によりL1のバトン12に対応する情報を調光操作卓13から取得する。
【0035】
このとき、調光操作卓13では、L1のバトン12について、仕込み図のデータ上での照明器具11の設置状況と、実際の照明器具11の設置状況とを比較し、設置位置A1~A4に正しく照明器具11が設置されているか否かを判断している。そして、仕込み図のデータに基づいて調光操作卓13に表示される画面の一部であって該当するバトン12とこのバトン12に設置される照明器具11の情報、仕込み図のデータに対して実際に設置されていない未設置の照明器具11の情報、仕込み図のデータに対して実際に正しく設置されている照明器具11の情報、設置が正しくなく異なっている照明器具11の情報等を含むL1のバトン12に対応する情報等を含む情報を、調光操作卓13から支援装置21に送信する。
【0036】
そして、支援装置21の取得部29がL1のバトン12に対応する情報を取得すると、制御部30によりL1のバトン12に対応する情報の一部の表示内容を表示部24に表示させる。
【0037】
例えば図1の表示部24における右上の表示領域24aに、調光操作卓13に表示される画面の一部を表示するものであって、認識されたバトン12とこのバトン12に設置される照明器具11の情報を含むバトン画像Pを表示する。
【0038】
この際、取得部29により、仕込み図のデータに対して実際に設置されていない未設置の照明器具11の情報を取得している場合には、グラス部22aを透過して目視されるバトン12のシルエット上に、設置すべき照明器具11を仮想表示する。例えば、バトン12のシルエット上の設置位置A3に、照明器具11cを仮想表示する。仮想表示には、照明器具11aの向きの情報も付加してもよい。さらに、照明器具11cのシルエットを表示する他、照明器具11cの器具種類、メーカー、製品名、製造番号等の固有の器具情報を文字で表示してもよい。
【0039】
これにより、作業者は、グラス部22aを透過して目視されるバトン12のシルエット上に仮想表示される照明器具11cを視認し、設置すべき照明器具11c、およびバトン12上での設置位置A3を容易に確認できる。作業者は、この確認に基づいて、照明器具11cをバトン12の対応する設置位置A3に設置する。
【0040】
また、取得部29により、仕込み図のデータに対して実際に正しく設置されている照明器具11の情報を取得している場合には、グラス部22aを透過して目視されるバトン12の照明器具11上に、正しく設置されていることを表示する。例えば、照明器具11aが正しく設置されている場合には、正しく設置されている照明器具11aに上に重ねて、青色表示や、「○」表示をする。
【0041】
一方、取得部29により、仕込み図のデータに対して設置が正しくなく異なっている照明器具11の情報を取得している場合には、グラス部22aを透過して目視されるバトン12の照明器具11上に、正しくなく異なっていることを表示する。例えば、照明器具11bが正しくなく異なっている場合には、正しくなく異なっている照明器具11b上に重ねて、赤色表示や、「×」表示をする。
【0042】
これらにより、作業者は、グラス部22aを透過して目視されるバトン12に実際に設置されている照明器具11が正しく設置されているか否かを容易に確認することができる。
【0043】
また、作業者の作業中に、仕込み図のデータによる照明器具11の位置が間違っていることに気付いたり、実際の状況から判断して照明器具11の位置を変更した方がよい場合等がある。例えば、設置位置A3の照明器具11cは、設置位置A4に変更したい場合がある。
【0044】
この場合、図4に示すように、撮影部23の撮影範囲内に作業者の手をかざし、照明器具11の位置を移動させるための所定の指示動作を行う。例えば、照明器具11cを設置位置A3から設置位置A4に変更する場合には、表示部24の表示領域24aに表示されるバトン画像Pにおいて、作業者の手の指で照明器具11cを摘まむようにして、その手を設置位置A3から設置位置A4に向けて右方向に移動させるように指示動作する。
【0045】
これにより、撮影部23が手による指示動作を撮影し、認識部28が撮影された手による指示動作を認識する。制御部30は、指示動作に基づいて、上位機25である調光操作卓13に対して照明器具11cの位置を移動させたバトン12に対応する情報への変更を指示する。
【0046】
調光操作卓13では、支援装置21から照明器具11cの位置変更の指示を受けて、仕込み図のデータ上で照明器具11cの位置を設置位置A3から設置位置A4に変更するとともに、調光操作卓13の画面に表示される仕込み図において照明器具11cの位置を設置位置A3から設置位置A4に移動させる。
【0047】
これにより、支援装置21では、調光操作卓13から変更後のバトン12に対応する情報を取得する。そして、表示部24の表示領域24aに、照明器具11cの位置を移動させたバトン12に対応する情報を含むバトン画像Pを表示する。
【0048】
さらに、表示部24によりバトン12のシルエット上に照明器具11cを仮想表示している場合には、照明器具11cの位置を設置位置A3から設置位置A4に移動させる。なお、照明器具11cが実際に設置されている場合には、表示部24によりバトン12のシルエット上で照明器具11aを仮想表示し、この仮想表示する照明器具11cを設置位置A4に表示させ、実際に設置されている照明器具11c上には、設置位置A3から設置位置A4への移動を示す矢印を示したり、上述したように実際の照明器具11c上に正しくなく異なっていることを表示してもよい。
【0049】
そして、このように支援装置21では、バトン12を認識し、バトン12に対応する情報を上位機25である調光操作卓13から取得し、そのバトン12に対応する情報の一部を表示部24で表示するため、バトン12への照明器具11の設置、確認の作業を支援し、作業効率を向上できる。
【0050】
また、認識部28では、撮影部23で撮影されるバトン12のシルエットからバトン12を認識するため、識別情報15が表示されていない方向からバトン12を目視した場合、識別情報15が認識しにくい場合であっても、バトン12を認識することができる。
【0051】
また、表示部24により、バトン12のシルエット上に、バトン12に対応する情報に基づいてバトン12に設置する照明器具11を仮想表示するため、バトン12に設置すべき照明器具11、バトン12上での設置位置を容易に把握可能とし、作業効率を向上できる。
【0052】
また、撮影部23で撮影される指示動作を認識することにより、表示部24により表示する照明器具11の位置を移動させることができ、照明器具11の位置の変更に容易に対応できる。さらに、照明器具11の位置を移動した場合、上位機25である調光操作卓13の有するバトン12に対応する情報を変更するように指示するため、上位機25である調光操作卓13の有するバトン12に対応する情報を、支援装置21に連動して変更することができる。
【0053】
なお、認識部28は、支援装置21が備える場合に限らず、上位機25である調光操作卓13が備えていてもよく、支援システム20として備えていればよい。
【0054】
また、支援装置は、ARグラスに限らず、撮影部および表示部等を有するスマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等であってもよい。
【0055】
なお、支援装置21とバトン12とがBluetooth(登録商標)等の近距離無線方式により通信し、支援装置21がバトン12から識別情報を取得してバトン12を認識することにより、バトン12の認識精度を向上させるようにしてもよい。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
11 照明器具
12 バトン
20 支援システム
21 支援装置
23 撮影部
24 表示部
25 上位機
26 通信部
28 認識部
29 取得部
30 制御部
図1
図2
図3
図4
図5