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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】送り装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 5/22 20060101AFI20240306BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B23Q5/22 530H
B23Q17/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021560023
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 JP2020045967
(87)【国際公開番号】W WO2022123711
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-11-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】弁理士法人タス・マイスター
(74)【代理人】
【識別番号】100104662
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智司
(72)【発明者】
【氏名】中島 純彦
(72)【発明者】
【氏名】木谷 晋也
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-166114(JP,A)
【文献】特開2007-331086(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0204392(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104439570(CN,A)
【文献】特開2012-45703(JP,A)
【文献】特開2018-120359(JP,A)
【文献】特表2012-518167(JP,A)
【文献】国際公開第2009/069423(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/111754(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 5/22 - 5/58
B23Q 17/00
B23Q 1/48 - 1/62
F16C 29/00 - 31/06
B24B 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の送り方向に沿って平行に設けられた2本のガイドレールと、
前記各ガイドレールに対してそれぞれ少なくとも2つずつ設けられ、前記送り方向に沿って移動自在に前記各ガイドレールに係合した少なくとも4つのスライダと、
前記各スライダが取り付けられ、前記送り方向に移動する移動台と、
前記移動台を前記送り方向に移動させる駆動機構とを備えた送り装置において、
少なくとも一方の前記ガイドレールに、その前記送り方向に沿って配設されたスケールと、
前記少なくとも4つのスライダから選択される少なくとも2つのスライダであって、前記スケールが設けられたガイドレールに係合するスライダにそれぞれ設けられ、前記スケールに付与された情報を読み取って、前記送り方向における位置及び前記送り方向と直交する方向の位置を検出する読み取りヘッドと、
前記各読み取りヘッドにより検出された2方向の位置情報に基づいて、前記移動台の運動誤差を算出する運動誤差算出部とを設けて構成したことを特徴とする送り装置。
【請求項2】
前記スケールを前記2本のガイドレールに配設するともに、前記読み取りヘッドを前記4つのスライダにそれぞれ配設し、
前記運動誤差算出部は、前記4つの読み取りヘッドによりそれぞれ検出された2方向の位置情報に基づいて、前記移動台の運動誤差を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の送り装置。
【請求項3】
少なくとも一方の前記ガイドレールに対して設けられる2つの読み取りヘッドは、前記送り方向である第1軸方向における位置と、前記2本のガイドレールを含む平面内において前記第1軸と直交する第2軸方向の位置を検出するように構成され、他方のガイドレールに対して設けられる2つの読み取りヘッドは、前記第1軸方向における位置と、前記第1軸及び第2軸と直交する第3軸方向の位置を検出するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の送り装置。
【請求項4】
少なくとも一方の前記ガイドレールに対して設けられる2つの読み取りヘッドの内の一方は、前記送り方向である第1軸方向における位置と、前記2本のガイドレールを含む平面内において前記第1軸と直交する第2軸方向の位置を検出するように構成されるとともに、他方の読み取りヘッドは前記第1軸方向における位置と、前記第1軸及び第2軸と直交する第3軸方向の位置を検出するように構成され、
他方の前記ガイドレールに対して設けられる2つの読み取りヘッドは、前記第1軸方向における位置と、前記第3軸方向の位置を検出するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の送り装置。
【請求項5】
前記運動誤差算出部は、前記第1軸方向における位置決め誤差と、前記第1軸-第2軸平面における前記第2軸方向の真直誤差、前記第1軸-第3軸平面における前記第3軸方向の真直誤差、前記第1軸まわりの角度誤差、前記第2軸まわりの角度誤差及び第3軸まわりの角度誤差の中から選択される少なくとも1つの誤差とを算出するように構成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の送り装置。
【請求項6】
前記請求項1乃至5記載のいずれかの送り装置を備えていることを特徴とする工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直線状の送り軸を構成する送り装置であって、特に、自身の運動誤差を測定可能な送り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、工具を保持する主軸と、ワークが取り付けられるテーブルとを、X軸、Y軸及びZ軸の直交3軸方向に相対的に移動させるように構成された工作機械が知られている。この工作機械では、X軸方向の送り軸を構成するX軸送り装置、Y軸方向の送り軸を構成するY軸送り装置、及びZ軸方向の送り軸を構成するZ軸送り装置の3つの送り装置が設けられている。そして、このような構成の工作機械では、これら送り装置の運動精度によって、その加工精度が左右されるため、当該送り装置の運動誤差を正確に測定することにより、運動誤差が一定の許容範囲内に収まるように、適宜修正等を行う必要がある。
【0003】
近年、工作機械の3次元空間内における運動誤差(位置決め誤差)は、図5に示すように、各送り軸の並進運動の誤差、各送り軸の角度誤差、及び各送り軸相互間の直角度に関する誤差が相互に影響し合った状態で発現されるものと考えられている。したがって、このような各誤差を求めることによって、正確な前記運動誤差を同定することができる。
【0004】
従来、このような誤差を測定する測定方法として、図6及び図7に示すような測定装置を用いた測定方法が提案されている。図6に示した一例としての工作機械100は、上面がワーク載置面(所謂テーブル)となったベッド101と、門形をしたフレーム102と、サドル103とから構成される。フレーム102は、その水平部がベッド101の上方に位置するように配設されるとともに、その2つ垂直部がそれぞれベッド101の側部に係合して、全体としてY軸方向に移動可能になっている。
【0005】
また、サドル103は、フレーム102の水平部に係合し、この水平部に沿ってX軸方向に移動可能となっており、このサドル103には、主軸104がZ軸方向に移動可能に、且つ、Z軸と平行な軸線を中心に回転可能に保持されている。前記X軸、Y軸及びZ軸は、相互に直交する基準軸であり、この基準軸に対応した各送り軸がX軸送り装置(図示せず)、Y軸送り装置(図示せず)及びZ軸送り装置(図示せず)によって構成されている。
【0006】
上記各誤差は、ベッド101上に設置されたレーザ測長器105及び主軸104に装着されたミラー110を用いて測定される。具体的には、まず、レーザ測長器105を、所定位置、例えば、図6において実線で示す4カ所にそれぞれ設置するとともに、ミラー110を主軸104に装着する。ついで、前記X軸送り装置、Y軸送り装置及びZ軸送り装置をそれぞれ一定間隔毎に位置決め制御することにより、3次元空間内を一定間隔で格子状に分割した各格子点に前記ミラー110を位置決めし、各格子点において、各レーザ測長器105からミラー110にレーザ光を照射するとともに、その反射光をレーザ測長器105に受光することによって、各レーザ測長器105によりミラー110との間の距離を測定する。
【0007】
そして、以上のようにして得られた測定データを基に、3辺測量法の原理に従って、3次元空間内の前記各格子点におけるミラー110の位置を算出し、算出した位置データ及び当該位置データを解析することによって、上記各誤差を算出する。
【0008】
尚、前記レーザ測長器105は、図7に示す基準球106の中心点を中心として、レーザ干渉計107を旋回移動可能に構成されており、前記ミラー110の移動に併せてレーザ干渉計105を旋回移動させることで、当該ミラー110を自動追尾することができるように構成されている。
【0009】
ところが、このような構造のレーザ測長器105は大変高価であり、上記測定において4個のレーザ測長器105を用いるのは非現実的である。このため、従来は1つのレーザ測長器105を用い、このレーザ測長器105を4カ所に順次移動させて設置し、各設置位置において、前記ミラー110を前記各格子点に位置決めして、レーザ測長器105とミラー110との間の距離を測定するようにしていた。
【0010】
しかしながら、このように1つのレーザ測長器105を用いて運動誤差を測定するようにした場合、レーザ測長器105に要する費用は軽減されるものの、当該レーザ測長器105の各設置位置において、それぞれ前記ミラー110を前記各格子点に位置決めする操作を繰り返して実行する必要があるため、測定に長時間を要し、また、その作業が煩雑で面倒であるという問題があった。1つのレーザ測長器105を用いた測定では、4つのレーザ測長器105を用いた測定に比べて、単純計算で4倍の時間を必要とする。
【0011】
そこで、本願出願人は、下記特許文献1において、1つのレーザ測長器を用いながらも、一度の操作で運動誤差を同定することが可能な運動誤差の同定方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2019-206043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、近年、工作機械の分野では、前記送り装置に、磁気を用いたスケールや、光学スケールといった高精度なスケールを採用して、当該送り装置を高精度に制御することが行われるようになってきている。
【0014】
したがって、上述したレーザ測長器105のような高価な測定器を別途用意することなく、送り装置に配設された既存の前記スケールを用いて、当該送り装置の運動誤差を測定することができれば、特段のコストを掛けることなく、また、測定のために複雑で面倒な準備作業を要することなく、送り装置の運動誤差を高精度に測定することができて有益である。
【0015】
また、工作機械の上述した各送り軸の並進運動の誤差、各送り軸の角度誤差、及び各送り軸相互間の直角度に関する誤差といった全ての誤差を検出することができなくても、必要最小限の運動誤差を簡単に検出することができれば、経時的に変化する工作機械の運転性能を、当該工作機械の稼働率を大きく低下させることなく適宜都合の良いときに評価することができる。そして、得られた評価結果に基づいて工作機械に対して必要なメンテナンスを行うなど、必要な処置を事前に行うことができる。
【0016】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、自身の運動誤差を短時間で効率的に測定することができる送り装置の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するための本発明は、
所定の送り方向に沿って平行に設けられた2本のガイドレールと、
前記各ガイドレールに対してそれぞれ少なくとも2つずつ設けられ、前記送り方向に沿って移動自在に前記各ガイドレールに係合した少なくとも4つのスライダと、
前記各スライダが取り付けられ、前記送り方向に移動する移動台と、
前記移動台を前記送り方向に移動させる駆動機構とを備えた送り装置において、
少なくとも一方の前記ガイドレールに、その前記送り方向に沿って配設されたスケールと、
前記少なくとも4つのスライダから選択される少なくとも2つのスライダであって、前記スケールが設けられたガイドレールに係合するスライダにそれぞれ設けられ、前記スケールに付与された情報を読み取って、前記送り方向における位置及び前記送り方向と直交する方向の位置を検出する読み取りヘッドと、
前記各読み取りヘッドにより検出された2方向の位置情報に基づいて、前記移動台の運動誤差を算出する運動誤差算出部とを設けて構成した送り装置に係る。
【0018】
この態様(第1の態様)の送り装置によれば、前記駆動機構により前記移動台が駆動され、前記ガイドレール及びスライダの係合関係から、当該移動台が前記送り方向に移動する。そして、前記移動台を予め定められた距離だけ移動させたときに、前記少なくとも2つのスライダに設けられた読み取りヘッドにより検出された2方向の位置情報に基づいて、前記運動誤差算出部により前記移動台の運動誤差が算出される。
【0019】
このように、この送り装置によれば、上述したレーザ測長器のような高価な測定器を用いることなく、送り装置に配設された既存の前記スケールを用いて、当該送り装置の運動誤差を測定することができ、特段のコストを掛けることなく、また、測定のために複雑で面倒な準備作業を要することなく、当該送り装置の運動誤差を高精度に測定することができる。
【0020】
また、送り装置の運動性能を簡単に検出することができるので、経時的に変化する工作機械の運転性能を、当該工作機械の稼働率を大きく低下させることなく適宜都合の良いときに評価することができ、得られた評価結果に基づいて工作機械に対して必要なメンテナンスを行うなど、必要な処置を事前に行うことができる。
【0021】
尚、第1の態様の送り装置では、前記スケールを設けるガイドレール、及び前記読み取りヘッドを設けるスライダを適宜設定することで、前記運動誤差算出部は、前記送り方向における真直位置決め誤差の他、当該送り装置の様々な運動誤差を導出することができる。
【0022】
例えば、前記第1の態様の送り装置において、前記スケールを前記2本のガイドレールに配設するともに、前記読み取りヘッドを前記4つのスライダにそれぞれ配設し、
前記運動誤差算出部は、前記4つの読み取りヘッドによりそれぞれ検出された2方向の位置情報に基づいて、前記移動台の運動誤差を算出するように構成された態様(第2の態様)を採ることができる。
【0023】
また、この第2の態様の送り装置において、少なくとも一方の前記ガイドレールに対して設けられる2つの読み取りヘッドは、前記送り方向である第1軸方向における位置と、前記2本のガイドレールを含む平面内において前記第1軸と直交する第2軸方向の位置を検出するように構成され、他方のガイドレールに対して設けられる2つの読み取りヘッドは、前記第1軸方向における位置と、前記第1軸及び第2軸と直交する第3軸方向の位置を検出するように構成された態様(第3の態様)を採ることができる。
【0024】
或いは、上記第2の態様の送り装置において、少なくとも一方の前記ガイドレールに対して設けられる2つの読み取りヘッドの内の一方は、前記送り方向である第1軸方向における位置と、前記2本のガイドレールを含む平面内において前記第1軸と直交する第2軸方向の位置を検出するように構成されるとともに、他方の読み取りヘッドは前記第1軸方向における位置と、前記第1軸及び第2軸と直交する第3軸方向の位置を検出するように構成され、
他方の前記ガイドレールに対して設けられる2つの読み取りヘッドは、前記第1軸方向における位置と、前記第3軸方向の位置を検出するように構成された態様(第4の態様)を採ることができる。
【0025】
そして、上記第3及び第4の態様において、前記運動誤差算出部は、前記第1軸方向における位置決め誤差(真直位置決め精度)と、前記第1軸-第2軸平面における前記第2軸方向の真直誤差(真直度)、前記第1軸-第3軸平面における前記第3軸方向の真直誤差(真直度)、前記第1軸まわりの角度誤差(ロール)、前記第2軸まわりの角度誤差(ピッチ)及び第3軸まわりの角度誤差(ヨー)の中から選択される少なくとも1つの誤差とを算出するように構成された態様(第5の態様)を採ることができる。
【0026】
また、本発明は、上記第1の態様~第5の態様のいずれかの送り装置を備えた工作機械に係る。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る送り装置によれば、上述したレーザ測長器のような高価な測定器を用いることなく、送り装置に配設された既存の前記スケールを用いて、当該送り装置の運動誤差を測定することができ、特段のコストを掛けることなく、また、測定のために複雑で面倒な準備作業を要することなく、当該送り装置の運動誤差を高精度に測定することができる。
【0028】
また、送り装置の運動性能を簡単に検出することができるので、経時的に変化する工作機械の運転性能を、当該工作機械の稼働率を大きく低下させることなく適宜都合の良いときに評価することができ、得られた評価結果に基づいて工作機械に対して必要なメンテナンスを行うなど、必要な処置を事前に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施の形態に係る工作機械を示した斜視図である。
図2】本実施形態に係る送り装置の概略構成を示した説明図である。
図3】本実施形態に係るガイドレール、スライダ及びスケールを示した断面図であり、図2における矢視A-A断面図である。
図4】本実施形態に係るガイドレール、スライダ及びスケールを示した断面図であり、図2における矢視B-B断面図である。
図5】直交3軸方向の送り装置を備えた工作機械における運動誤差を説明するための説明図である。
図6】従来の運動誤差測定方法を説明するための説明図である。
図7】従来の運動誤差測定方法を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0031】
まず、本実施形態に係る工作機械1の概略構成について説明する。図1に示すように、本例の工作機械1は平面から視てアルファベットのT字状をしたベッド2、このベッド2の一方の辺上に配設されたコラム3、同じくベッド2の他方の辺上に配設されたテーブル6、前記コラム3の前記テーブル6側の側面(前面)に配設されたサドル4、このサドル4に回転自在に支持された主軸5、及び主軸5を回転させる主軸モータ(図示せず)、並びに前記コラム3を矢示X軸に沿って移動させるX軸送り部10、前記サドル4を矢示Y軸に沿って移動させるY軸送り部30及び前記テーブル6を矢示Z軸に沿って移動させるZ軸送り部50などを備えている。尚、X軸、Y軸及びZ軸は互いに直交する基準軸である。
【0032】
また、本例の工作機械1は、図2に示すように、上記構成の他に、運動誤差算出部70、出力部71及び制御装置75を備えている。そして、本例では、X軸送り部10、Y軸送り部30及びZ軸送り部50、コラム3、サドル4及びテーブル6、並びに運動誤差算出部70及び出力部71が一つの送り装置を構成する。以下、各部の詳細について説明する。
【0033】
まず、運動機構部としてのX軸送り部10、Y軸送り部30及びZ軸送り部50について説明する。尚、図2及び図3には、代表としてX軸送り部10を図示しているが、Y軸送り部30及びZ軸送り部50も同様の構成であり、同じ構成物については、括弧書きでその符号を付している。
【0034】
[X軸送り部]
前記X軸送り部10は、ベッド2上に、X軸に沿って平行に配設された一対のガイドレール15,16と、このガイドレール15に、これに沿って移動自在に係合する2つのスライダ17,19と、ガイドレール15に沿ってその上面に固設されたスケール15a、及び側面に固設されたスケール15bと、前記スライダ17,19にそれぞれ固設された読み取りヘッド18,20と、前記ガイドレール16に、これに沿って移動自在に係合する2つのスライダ21,23と、ガイドレール16に沿ってその上面に固設されたスケール16a、及び側面に固設されたスケール16bと、前記スライダ21,23にそれぞれ固設された読み取りヘッド22,24と、前記コラム3を駆動するX軸駆動機構11などから構成される。
【0035】
前記スケール15a,15b及び読み取りヘッド18,20は一組のリアエンコーダを構成し、同様に、スケール16a,16b及び読み取りヘッド22,24は一組のリアエンコーダを構成する。このリニアエンコーダは磁気式及び光学式のものを採用することができるが、本例では、磁気式のものを採用している。また、前記各読み取りヘッド18,20は、スケール15a,15bを読み取ることによって、スライダ17,19のX軸方向の位置、並びにY軸及びZ軸方向の変位を検出し、同様に、読み取りヘッド22,24は、スケール16a,16bを読み取ることによって、スライダ21,23のX軸方向の位置、並びにY軸及びZ軸方向の変位を検出する。
【0036】
前記X軸駆動機構11は、サーボモータであるX軸送りモータ12、このX軸送りモータ12によって駆動されるボールねじ13、このボールねじ13に螺合し、且つ前記コラム3の下面に固設されたボールナット(図示せず)、ボールねじ13の両端を回転自在に支持する軸受14(もう一方の軸受は図示せず)などから構成される。このX軸駆動機構11は、X軸送りモータ12を駆動してボールねじ13を回転させることで、コラム3がガイドレール15,16に案内されてX軸に沿って移動する。
【0037】
[Y軸送り部]
前記Y軸送り部30は、前記コラム3の前面に、Y軸に沿って平行に配設された一対のガイドレール35,36と、このガイドレール35に、これに沿って移動自在に係合する2つのスライダ37,39と、ガイドレール35に沿ってその上面に固設されたスケール35a、及び側面に固設されたスケール35bと、前記スライダ37,39にそれぞれ固設された読み取りヘッド38,40と、前記ガイドレール36に、これに沿って移動自在に係合する2つのスライダ41,43と、ガイドレール36に沿ってその上面に固設されたスケール36a、及び側面に固設されたスケール36bと、前記スライダ41,43にそれぞれ固設された読み取りヘッド42,44と、前記コラム3を駆動するY軸駆動機構31などから構成される。
【0038】
前記スケール35a,35b及び読み取りヘッド38,40は一組のリアエンコーダを構成し、同様に、スケール36a,36b及び読み取りヘッド42,44は一組のリアエンコーダを構成する。このリニアエンコーダも磁気式及び光学式のものを採用することができるが、本例では、磁気式のものを採用している。また、前記各読み取りヘッド38,40は、スケール35a,35bを読み取ることによって、スライダ37,39のY軸方向の位置、並びにZ軸及びX軸方向の変位を検出し、同様に、読み取りヘッド42,44は、スケール36a,36bを読み取ることによって、スライダ41,43のY軸方向の位置、並びにZ軸及びX軸方向の変位を検出する。
【0039】
前記Y軸駆動機構31は、サーボモータであるY軸送りモータ32、このY軸送りモータ32によって駆動されるボールねじ33、このボールねじ33に螺合し、且つ前記サドル4の後面に固設されたボールナット(図示せず)、ボールねじ33の両端を回転自在に支持する軸受34(もう一方の軸受は図示せず)などから構成される。このY軸駆動機構31は、Y軸送りモータ32を駆動してボールねじ33を回転させることで、サドル4がガイドレール35,36に案内されてY軸に沿って移動する。
【0040】
[Z軸送り部]
前記Z軸送り部50は、ベッド2上に、Z軸に沿って平行に配設された一対のガイドレール55,56と、このガイドレール55に、これに沿って移動自在に係合する2つのスライダ57,59と、ガイドレール56に沿ってその上面に固設されたスケール55a、及び側面に固設されたスケール55bと、前記スライダ57,59にそれぞれ固設された読み取りヘッド58,60と、前記ガイドレール56に、これに沿って移動自在に係合する2つのスライダ61,63と、ガイドレール56に沿ってその上面に固設されたスケール56a、及び側面に固設されたスケール56bと、前記スライダ61,63にそれぞれ固設された読み取りヘッド62,64と、前記テーブル6を駆動するZ軸駆動機構51などから構成される。
【0041】
前記スケール55a,55b及び読み取りヘッド58,60は一組のリアエンコーダを構成し、同様に、スケール56a,56b及び読み取りヘッド62,64は一組のリアエンコーダを構成する。このリニアエンコーダも磁気式及び光学式のものを採用することができるが、本例では、磁気式のものを採用している。また、前記各読み取りヘッド58,60は、スケール55a,55bを読み取ることによって、スライダ57,59のZ軸方向の位置、並びにY軸及びX軸方向の変位を検出し、同様に、読み取りヘッド62,64は、スケール56a,56bを読み取ることによって、スライダ61,63のZ軸方向の位置、並びにY軸及びX軸方向の変位を検出する。
【0042】
前記Z軸駆動機構51は、サーボモータであるZ軸送りモータ52、このX軸送りモータ52によって駆動されるボールねじ53、このボールねじ3に螺合し、且つ前記テーブル6の下面に固設されたボールナット(図示せず)、ボールねじ53の両端を回転自在に支持する軸受54(もう一方の軸受は図示せず)などから構成される。このZ軸駆動機構51は、Z軸送りモータ52を駆動してボールねじ53を回転させることで、テーブル6がガイドレール55,56に案内されてZ軸に沿って移動する。
【0043】
次に、前記運動誤差算出部70、出力部71及び制御装置75について説明する。尚、運動誤差算出部70及び制御装置75はCPU、RAM、ROMなどを含むコンピュータから構成される。
【0044】
[制御装置]
前記制御装置75は、前記主軸モータ(図示せず)、X軸送りモータ12、Y軸送りモータ32及びZ軸送りモータ52などの動作を数値制御する公知の制御装置である。また、制御装置75は、予め用意された運動誤差測定用の動作プログラムに従って、X軸送りモータ12、Y軸送りモータ32及びZ軸送りモータ52をそれぞれ駆動して、コラム3、サドル4及びテーブル6を所定間隔で移動させ、それぞれの送り軸方向に位置決めする制御を行う。
【0045】
[運動誤差算出部]
前記運動誤差算出部70は、前記制御装置75による制御の下、前記運動誤差測定用の動作プログラムに従い、コラム3、サドル4及びテーブル6を所定間隔で移動させることによって、それぞれの送り軸方向に位置決めする動作が実行されたとき、前記X軸送り部10の読み取りヘッド18,20,22,24によって検出されるデータ、前記Y軸送り部30の読み取りヘッド38,40,42,44によって検出されるデータ、及び前記Z軸送り部50の読み取りヘッド58,60,62,64によって検出されるデータに基づいて、X軸送り部10、Y軸送り部30及びZ軸送り部50における運動誤差を、以下のようにして算出する処理を行う。
【0046】
[X軸送り部における運動誤差]
前記運動誤差算出部70は、例えば、以下のようにして、X軸送り部10における各運動誤差を算出する。
・X軸送り部10のX軸方向における真直位置決め誤差であるEXX
誤差EXXとして、X軸方向の移動指令値と各読み取りヘッド18,20,22,24によって検出されたX軸方向の移動値との差分の平均値を算出する。
・X軸送り部10のX軸-Y軸平面における真直誤差(Y軸方向)であるEYX
誤差EYXとして、各読み取りヘッド18,20,22,24によって検出されるY軸方向の変位量のいずれか、若しくはその平均値を算出する。
・X軸送り部10のX軸-Z軸平面における真直誤差(Z軸方向)であるEZX
誤差EZXとして、各読み取りヘッド18,20,22,24によって検出されるZ軸方向の変位量のいずれか、若しくはその平均値を算出する。
・X軸送り部10におけるX軸まわりの角度誤差であるEAX
誤差EAXとして、読み取りヘッド18及び22、又は読み取りヘッド20及び24によって検出されるY軸方向の変位の差分値を算出する。
・X軸送り部10におけるY軸まわりの角度誤差であるEBX
誤差EBXとして、読み取りヘッド18及び22、若しくは読み取りヘッド20及び24によって検出されるX軸方向の位置の差分値、又は、読み取りヘッド18及び20、若しくは読み取りヘッド22及び24によって検出されるZ軸方向の変位の差分値を算出する。
・X軸送り部10におけるZ軸まわりの角度誤差であるECX
誤差ECXとして、読み取りヘッド18及び20、又は読み取りヘッド22及び24によって検出されるY軸方向の変位の差分値を算出する。
【0047】
[Y軸送り部における運動誤差]
運動誤差算出部70は、例えば、以下のようにして、Y軸送り部30における各運動誤差を算出する。
・Y軸送り部30のY軸方向における真直位置決め誤差であるEYY
誤差EYYとして、Y軸方向の移動指令値と各読み取りヘッド38,40,42,44によって検出されたY軸方向の移動値との差分の平均値を算出する。
・Y軸送り部30のY軸-X軸平面における真直誤差(X軸方向)であるEXY
誤差EXYとして、各読み取りヘッド38,40,42,44によって検出されるX軸方向の変位量のいずれか、若しくはその平均値を算出する。
・Y軸送り部30のY軸-Z軸平面における真直誤差(Z軸方向)であるEZY
誤差EZYとして、各読み取りヘッド38,40,42,44によって検出されるZ軸方向の変位量のいずれか、若しくはその平均値を算出する。
・Y軸送り部30におけるX軸まわりの角度誤差であるEAY
誤差EAYとして、読み取りヘッド38及び40、又は読み取りヘッド42及び44によって検出されるZ軸方向の変位の差分値を算出する。
・Y軸送り部30におけるY軸まわりの角度誤差であるEBY
誤差EBYとして、読み取りヘッド38及び42、又は読み取りヘッド40及び44によって検出されるZ軸方向の変位の差分値を算出する。
・Y軸送り部30におけるZ軸まわりの角度誤差であるECY
誤差ECYとして、読み取りヘッド38及び42、若しくは読み取りヘッド40及び44によって検出されるY軸方向の位置の差分値、又は、読み取りヘッド38及び40、若しくは読み取りヘッド42及び44によって検出されるX軸方向の変位の差分値を算出する。
【0048】
[Z軸送り部における運動誤差]
運動誤差算出部70は、例えば、以下のようにして、Z軸送り部50における各運動誤差を算出する。
・Z軸送り部50のZ軸方向における真直位置決め誤差であるEZZ
誤差EZZとして、Z軸方向の移動指令値と各読み取りヘッド58,60,62,64によって検出されたZ軸方向の移動値との差分の平均値を算出する。
・Z軸送り部50のZ軸-X軸平面における真直誤差(X軸方向)であるEXZ
誤差EXZとして、各読み取りヘッド58,60,62,64によって検出されるX軸方向の変位量のいずれか、若しくはその平均値を算出する。
・Z軸送り部50のZ軸-Y軸平面における真直誤差(Y軸方向)であるEYZ
誤差EYZとして、各読み取りヘッド58,60,62,64によって検出されるY軸方向の変位量のいずれか、若しくはその平均値を算出する。
・Z軸送り部50におけるX軸まわりの角度誤差であるEAZ
誤差EAZとして、読み取りヘッド58及び60、又は読み取りヘッド62及び64によって検出されるY軸方向の変位の差分値を算出する。
・Z軸送り部30におけるY軸まわりの角度誤差であるEBZ
誤差EBZとして、読み取りヘッド58及び62、若しくは読み取りヘッド60及び64によって検出されるZ軸方向の位置の差分値、又は、読み取りヘッド58及び60、若しくは読み取りヘッド62及び64によって検出されるX軸方向の変位の差分値を算出する。
・Z軸送り部50におけるZ軸まわりの角度誤差であるECZ
誤差ECZとして、読み取りヘッド58及び62、又は読み取りヘッド60及び64によって検出されるY軸方向の変位の差分値を算出する。
【0049】
[出力部]
前記出力部71は、例えば、タッチパネルなどの表示装置から構成され、前記運動誤差算出部70によって算出されたX軸送り部10、Y軸送り部30及びZ軸送り部50における各運動誤差を表示する。
【0050】
以上の構成を備えた本例の工作機械1によれば、前記制御装置75により制御されて、X軸駆動機構11、Y軸駆動機構31、Z軸駆動機構51及び主軸モータ(図示せず)が適宜駆動されることにより、主軸5とテーブル6とが3次元空間内で適宜相対的に移動し、このような相対的移動によって、テーブル6上に載置されたワークが、主軸5に装着された工具によって加工される。
【0051】
そして、必要に応じて、制御装置75による制御の下、予め用意された運動誤差測定用の動作プログラムが実行されて、X軸送りモータ12、Y軸送りモータ32及びZ軸送りモータ52により、コラム3、サドル4及びテーブル6を所定間隔でそれぞれの送り軸方向に位置決めされる。
【0052】
そして、この動作中に、前記X軸送り部10の読み取りヘッド18,20,22,24によって検出されるデータ、前記Y軸送り部30の読み取りヘッド38,40,42,44によって検出されるデータ、及び前記Z軸送り部50の読み取りヘッド58,60,62,64によって検出されるデータに基づいて、運動誤差算出部70により、前記X軸送り部10、Y軸送り部30及びZ軸送り部50における上述した運動誤差がそれぞれ算出される。そして、このようにして算出された運動誤差が前記出力部71に表示される。
【0053】
斯くして、本例の工作機械1によれば、上述した従来例のような高価なレーザ測長器を用いることなく、X軸送り部10に配設された既存のスケール15a,15b,16a,16b及び読み取りヘッド18,20,22,24、Y軸送り部30に配設された既存のスケール35a,35b,36a,36b及び読み取りヘッド38,40,42,44、並びにZ軸送り部50に配設された既存のスケール55a,55b,56a,56b及び読み取りヘッド58,60,62,64を用いて、当該X軸送り部10、Y軸送り部30及びZ軸送り部50における各運動誤差を測定することができ、特段のコストを掛けることなく、また、測定のために複雑で面倒な準備作業を要することなく、当該X軸送り部10、Y軸送り部30及びZ軸送り部50についての運動誤差を高精度に測定することができる。
【0054】
また、X軸送り部10、Y軸送り部30及びZ軸送り部50の運動誤差(運動性能)を簡単に検出することができるので、経時的に変化する工作機械1の運転性能を、当該工作機械1の稼働率を大きく低下させることなく適宜都合の良いときに評価することができ、得られた評価結果に基づいて工作機械1に対して必要なメンテナンスを行うなど、必要な処置を事前に行うことができる。
【0055】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は、何ら上例のものに限定されるものではない。
【0056】
例えば、上例では工作機械1として、横形のマシニングセンタを例示したが、これに限られるものではなく、本発明は、立形のマシニングセンタや、横形の旋盤、立形の旋盤など、従来公知の全ての工作機械に適用することができる。
【0057】
また、上記工作機械1の構成上、上例では、運動誤差算出部70において、X軸送り部10、Y軸送り部30及びZ軸送り部50の3つの送り部の運動誤差を算出するようにしたが、当然のことながら、このような構成に限られるのではなく、工作機械に1つの送り部が設けられる場合には、運動誤差算出部70はこの1つの送り部の運動誤差を算出するように構成されていれば良く、工作機械に2つの送り部、或いは4つ以上の送り部が設けられる場合には、運動誤差算出部70はこれらの送り部の運動誤差を算出するように構成されていても良い。
【0058】
また、上例では、X軸送り部10に設けられる各読み取りヘッド18,20,22,24がX軸方向の位置、並びにY軸及びZ軸方向の変位を検出するように構成されているが、これに限られるものではない。
【0059】
例えば、少なくとも一方のガイドレールに対して設けられる2つの読み取りヘッドの内の一方は、送り方向である第1軸方向における位置と、2本のガイドレールを含む平面内においてこの第1軸と直交する第2軸方向の位置を検出するように構成され、他方の読み取りヘッドは第1軸方向における位置と、第1軸及び第2軸と直交する第3軸方向の位置を検出するように構成され、更に、他方のガイドレールに対して設けられる2つの読み取りヘッドは、第1軸方向における位置と、第3軸方向の位置を検出するように構成されていても良い。このような態様によっても、上記6つの運動誤差を算出することができる。
【0060】
或いは、少なくとも一方のガイドレールに対して設けられる2つの読み取りヘッドの内の一方は、送り方向である第1軸方向における位置と、2本のガイドレールを含む平面内において第1軸と直交する第2軸方向の位置を検出するように構成され、他方の読み取りヘッドは第1軸方向における位置と、第1軸及び第2軸と直交する第3軸方向の位置を検出するように構成され、他方のガイドレールに対して設けられる2つの読み取りヘッドは、第1軸方向における位置と、第3軸方向の位置を検出するように構成されていても良い。このような態様によっても、上記6つの運動誤差を算出することができる。
【0061】
また、上例では、運動誤差算出部70は、各送り部について6つの運動誤差を算出するように構成されているが、このような構成に限られるものではなくい。例えば、運動誤差算出部70は、前記第1軸方向における位置決め誤差(真直位置決め精度)と、前記第1軸-第2軸平面における前記第2軸方向の真直誤差(真直度)、前記第1軸-第3軸平面における前記第3軸方向の真直誤差(真直度)、前記第1軸まわりの角度誤差(ロール)、前記第2軸まわりの角度誤差(ピッチ)及び第3軸まわりの角度誤差(ヨー)の中から選択される少なくとも1つの誤差とを算出するように構成されていても良い。
【0062】
また、この場合に、必ずしも、2軸方向の位置を検出するためのスケールを各ガイドレールに設ける必要はなく、誤差を算出するために必要なスケールのみを、各ガイドレール又はいずれか一方のガイドレールに設けた態様としても良い。これに応じて、スライダに設ける読み取りヘッドも、誤差を算出するために必要な読み取りヘッドのみを配設すれば良い。
【0063】
また、上例では、各ガイドレールに2つのスライダを設けたが、これに限られるものではなく、各ガイドレールに対して3つ以上のスライダを設けても良い。
【0064】
繰り返しになるが、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1 工作機械
2 ベッド
3 コラム
4 サドル
6 テーブル
10 X軸送り部
11 X軸駆動機構
15,16 ガイドレール
17,19,21,23 スライダ
18,20,22,24 読み取りヘッド
30 Y軸送り部
31 Y軸駆動機構
35,36 ガイドレール
37,39,41,43 スライダ
38,40,42,44 読み取りヘッド
50 Z軸送り部
51 Z軸駆動機構
55,56 ガイドレール
57,59,61,63 スライダ
58,60,62,64 読み取りヘッド
70 運動誤差算出部
71 出力部
75 制御装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7