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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】オゾン滅菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/20 20060101AFI20240306BHJP
   A61L 2/24 20060101ALI20240306BHJP
   A61L 101/10 20060101ALN20240306BHJP
【FI】
A61L2/20 100
A61L2/24
A61L101:10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021202958
(22)【出願日】2021-12-15
(65)【公開番号】P2023088344
(43)【公開日】2023-06-27
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503242877
【氏名又は名称】株式会社タムラテコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤森 春充
(72)【発明者】
【氏名】坂田 智志
(72)【発明者】
【氏名】高橋 厚
(72)【発明者】
【氏名】福田 由之
【審査官】中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-217837(JP,A)
【文献】特開平11-206861(JP,A)
【文献】特開2011-019825(JP,A)
【文献】特開2017-006847(JP,A)
【文献】特開2020-075042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L2/00-2/28
A61L11/00-12/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾンガスを発生させるオゾン発生部と、
空気中のオゾン濃度を測定するオゾン濃度測定部と、
前記オゾン発生部によるオゾンガスの発生を開始してからの経過時間を計測する時間計測部と、
前記オゾン濃度測定部により測定されたオゾン濃度、及び前記時間計測部により計測された経過時間に基づいて、CT値を算出する算出部と、
不揮発性記憶部に前記オゾン濃度及び/又は前記CT値を保存する保存部と、
を備えるオゾン滅菌装置であって、
前記算出部は、当該オゾン滅菌装置への給電が遮断された後に、給電が再開された場合、前記不揮発性記憶部に保存された前記オゾン濃度又は前記CT値に基づいて、給電再開後のCT値を算出するオゾン滅菌装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記オゾン滅菌装置への給電が遮断される前に前記保存部により前記オゾン濃度及び/又は前記CT値が保存された最終保存時刻と、現在時刻との差が所定の閾値内である場合、前記不揮発性記憶部に保存された前記オゾン濃度又は前記CT値に基づいて、給電再開後のCT値を算出する請求項1に記載のオゾン滅菌装置。
【請求項3】
前記所定の閾値は、1分である請求項2に記載のオゾン滅菌装置。
【請求項4】
前記保存部は、分単位の値の時間間隔で前記不揮発性記憶部に前記オゾン濃度及び/又は前記CT値を保存する請求項1から3のいずれか一項に記載のオゾン滅菌装置。
【請求項5】
前記不揮発性記憶部は、バックアップレジスタを備える請求項1からのいずれか一項に記載のオゾン滅菌装置。
【請求項6】
前記不揮発性記憶部は、可搬記憶媒体を備える請求項1からのいずれか一項に記載のオゾン滅菌装置。
【請求項7】
前記可搬記憶媒体を覆う蓋体と、
前記蓋体が取り付けられる筐体本体と、
を備え、
前記蓋体は、専用工具を使用することで前記筐体本体から取り外すことが可能である請求項に記載のオゾン滅菌装置。
【請求項8】
前記オゾン発生部により発生されるオゾンガスは、有人環境下で使用可能な濃度である請求項1からのいずれか一項に記載のオゾン滅菌装置。
【請求項9】
表示部と、
前記算出部により算出されたCT値を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備える請求項1からのいずれか一項に記載のオゾン滅菌装置。
【請求項10】
前記オゾン滅菌装置への給電が遮断された後に、給電が再開された場合、前記オゾン滅菌装置への給電が遮断される直前の設定に基づいて、オゾン発生に関する動作を実行する動作制御部を備える請求項1からのいずれか一項に記載のオゾン滅菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン滅菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウイルス等に感染した要救護者の救急搬送、治療等における二次感染を防止するために、救急隊員が着用する防護服、搬送された病院の医師等が着用する白衣及び繰り返し使用可能な治療用器具等を、オゾンを使用して滅菌する技術が提案されている。
【0003】
これに関して、特許文献1には、帰還救急隊員が入室する密閉可能な消毒室にオゾンガスを供給し、救急隊員の滞在時間と消毒室内のオゾン濃度の積であるCT値を演算して、CT値が所定値となったことを救急隊員に伝達する帰還救急隊員消毒装置が記載されている。
また、特許文献2には、滅菌処理の開始を検出したときに実測CT値をリセットし、オゾン濃度とサンプリング間隔時間(または実際の間隔時間)との積を実測CT値に加算して、実測CT値が滅菌処理の終了を判断するための判定CT値以上となったときには滅菌処理を終了させるオゾン滅菌管理装置が記載されている。
また、特許文献3には、算出したCT値をCT設定値に対し0%から100%まで複数段階に分けて表示灯で点灯し、リセットボタンとCT設定値を減少させるダウンボタンを同時に押下された際にCT設定値を0にセットするオゾン滅菌管理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4762331号公報
【文献】特許第5124536号公報
【文献】特許第5538037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のオゾン滅菌装置では、動作中に停電またはユーザーが誤って電源コンセントを抜いてしまうこと等が発生して、オゾン滅菌装置への給電が急に遮断された場合、制御部のRAM領域内の作業用データが消えてしまうため、CT値[ppm・min]がリセットされる。
この場合、オゾン滅菌装置への給電を再開した際に、給電が遮断される前のCT値を加味した動作をすることができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、オゾンによる滅菌をより効果的に実施することができるオゾン滅菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のオゾン滅菌装置は、
オゾンガスを発生させるオゾン発生部と、
空気中のオゾン濃度を測定するオゾン濃度測定部と、
前記オゾン発生部によるオゾンガスの発生を開始してからの経過時間を計測する時間計測部と、
前記オゾン濃度測定部により測定されたオゾン濃度、及び前記時間計測部により計測された経過時間に基づいて、CT値を算出する算出部と、
不揮発性記憶部に前記オゾン濃度及び/又は前記CT値を保存する保存部と、
を備えるオゾン滅菌装置であって、
前記算出部は、当該オゾン滅菌装置への給電が遮断された後に、給電が再開された場合、前記不揮発性記憶部に保存された前記オゾン濃度又は前記CT値に基づいて、給電再開後のCT値を算出する。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオゾン滅菌装置において、
前記算出部は、前記オゾン滅菌装置への給電が遮断される前に前記保存部により前記オゾン濃度及び/又は前記CT値が保存された最終保存時刻と、現在時刻との差が所定の閾値内である場合、前記不揮発性記憶部に保存された前記オゾン濃度又は前記CT値に基づいて、給電再開後のCT値を算出する。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のオゾン滅菌装置において、
前記所定の閾値は、1分である。
【0012】
また、請求項に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のオゾン滅菌装置において、
前記保存部は、分単位の値の時間間隔で前記不揮発性記憶部に前記オゾン濃度及び/又は前記CT値を保存する。
【0013】
また、請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載のオゾン滅菌装置において、
前記不揮発性記憶部は、バックアップレジスタを備える。
【0014】
また、請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載のオゾン滅菌装置において、
前記不揮発性記憶部は、可搬記憶媒体を備える。
【0015】
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載のオゾン滅菌装置において、
前記可搬記憶媒体を覆う蓋体と、
前記蓋体が取り付けられる筐体本体と、
を備え、
前記蓋体は、専用工具を使用することで前記筐体本体から取り外すことが可能である。
【0016】
また、請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載のオゾン滅菌装置において、
前記オゾン発生部により発生されるオゾンガスは、有人環境下で使用可能な濃度である。
【0017】
また、請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載のオゾン滅菌装置において、
表示部と、
前記算出部に算出されたCT値を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備える。
【0018】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載のオゾン滅菌装置において、
前記オゾン滅菌装置への給電が遮断された後に、給電が再開された場合、前記オゾン滅菌装置への給電が遮断される直前の設定に基づいて、オゾン発生に関する動作を実行する動作制御部を備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、オゾンによる滅菌をより効果的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】オゾン滅菌装置の概略図である。
図2】オゾン滅菌装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】操作部及び表示部の例を示す図である。
図4】通信部のポートの例を示す図である。
図5A】蓋体と蓋体付近の筐体本体の構造図である。
図5B図5AのVB-VB断面図である。
図6】設定保存処理の流れを示すフローチャートである。
図7】取得データ保存処理の流れを示すフローチャートである。
図8A】保存された保存タイミングの時刻及びCT値(取得データ)の例を示す図である。
図8B】保存された保存タイミングの時刻及びCT値(取得データ)の例を示す図である。
図8C】保存された保存タイミングの時刻及びCT値(取得データ)の例を示す図である。
図9A】保存された保存タイミングの時刻及びオゾン濃度(取得データ)の例を示す図である。
図9B】保存された保存タイミングの時刻及びオゾン濃度(取得データ)の例を示す図である。
図10】再開処理の流れを示すフローチャートである。
図11】変形例のオゾン滅菌装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0022】
(オゾン滅菌装置100の構成)
図1及び図2に示すとおり、本発明の好ましい実施形態にかかるオゾン滅菌装置100は、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、通信部15と、オゾン濃度測定部16と、オゾン発生部17と、拡散部18と、電源部20と、筐体本体30と、筐体本体30に取り付けられる蓋体31等を備える。
【0023】
制御部11は、オゾン滅菌装置100の動作を制御する部分である。具体的には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部12に記憶されたコンピュータプログラムとCPUとの協働により、オゾン滅菌装置100の各部を統括制御する。
【0024】
また、制御部11は、オゾン発生部17によるオゾンガスの発生を開始してからの経過時間を計測する。ここで、制御部11は時間計測部として機能する。
また、制御部11は、オゾン濃度測定部16により測定されたオゾン濃度、及び時間計測部により計測された経過時間に基づいて、CT値を算出する。ここで、制御部11は算出部として機能する。
また、制御部11は、不揮発性記憶部(後述)にオゾン発生に関するデータを保存する。ここで、制御部11は保存部として機能する。
また、制御部11は、算出部により算出されたCT値を算出CT値表示部141(表示部14)に表示させる。ここで、制御部11は表示制御部として機能する。
また、制御部11は、オゾン滅菌装置100への給電が遮断された後に、給電が再開された場合、オゾン滅菌装置100への給電が遮断される直前のオゾン発生動作における設定に基づいて、オゾン発生動作(オゾン発生に関する動作)を実行する。ここで、制御部11は動作制御部として機能する。
【0025】
記憶部12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、データ及びプログラムを書き込み及び読み出し可能な記憶部である。
【0026】
操作部13は、ユーザーからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部11へと出力する。
図3に、操作部13及び表示部14の例を示す。
図3に示すとおり、操作部13は、ON/OFFボタン131と、Concentrationボタン132と、Levelボタン133と、Clearボタン134を備える。
【0027】
ON/OFFボタン131は、オゾン滅菌装置100におけるオゾン発生動作の開始あるいは停止を受け付ける。
Concentrationボタン132は、オゾン滅菌装置100を設置した環境におけるオゾン濃度の目標値の設定を受け付ける。図3に示す例においては、オゾン濃度の目標値を0.09[ppm]及び0.05[ppm]のうちどちらかを選択できる。当該オゾン濃度の目標値は、有人環境下で使用可能な低濃度(具体的には、人体に許容される濃度である0.10[ppm]以下、または0.05ppm以下)であれば、任意の値に設定できるとしてもよい。
Levelボタン133は、オゾン発生部17におけるオゾン発生量の設定を受け付ける。図3に示す例においては、Levelボタン133は、オゾン発生量を1から5までの5段階での設定を受け付ける。
Clearボタン134は、オゾン滅菌装置100のメンテナンス実施時期通知(後述)のクリアを受け付ける。
【0028】
表示部14は、制御部11から入力される表示制御信号の指示に従って、各種情報を表示する。
図3に示すとおり、表示部14は、算出CT値表示部141と、ON/OFF表示部142と、Concentration表示部143と、Level表示部144と、Clear表示部145と、到達CT値表示部146を備える。
【0029】
また、図3に示すように、ON/OFFボタン131とON/OFF表示部142、Concentrationボタン132とConcentration表示部143、Levelボタン133とLevel表示部144、Clearボタン134とClear表示部145は、それぞれ紙面上下方向に一対一に対応して配置される。
【0030】
算出CT値表示部141は、制御部11(算出部)により算出されたCT値を表示する。
ON/OFF表示部142は、ON/OFFボタン131が押下され、オゾン滅菌装置100のオゾン発生動作がONである場合(オゾン発生動作が開始されると)、例えば、緑色のLEDを点灯する。
Concentration表示部143は、Concentrationボタン132の押下により選択されたオゾン濃度の目標値に対応したLEDを点灯する。図3に示す例においては、0.05[ppm]に対応するLEDが点灯している。
Level表示部144は、Levelボタン133の押下により選択されたオゾン発生量の段階を表示する。図3に示す例においては、オゾン発生量の段階のうち、「3」が表示されている。
Clear表示部145は、オゾン滅菌装置100がメンテナンス実施時期に到達したこと示すメンテナンス実施時期通知として、LEDを赤色に点灯する。また、ユーザーによりメンテナンスが実施され、Clearボタン134が押下されると、Clear表示部145は、LEDを青色に点灯する。
到達CT値表示部146は、制御部11(算出部)により算出されたCT値が所定のCT値に到達した場合に、当該所定のCT値に対応するLEDを点灯する。図3に示す例においては、CT値60及びCT値330に対応するLEDが点灯している。
【0031】
通信部15は、制御部11の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて、外部装置とデータ通信を行う。具体的には、通信部15は、通信用IC(Integrated Circuit)と通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであって、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の通信ネットワークを介して有線又は無線で接続された外部装置とデータ通信を行う。
【0032】
また、通信部15は、図4に示すように、不揮発性記憶部である可搬記憶媒体200を差し込むことが可能なポート151を備える。図4に示す例においては、通信部15は、可搬記憶媒体200であるmicroSDカード(登録商標)を差し込むことが可能なポート1511、及び可搬記憶媒体200であるUSB(Universal Serial Bus)(登録商標)メモリを差し込むことが可能なポート1512を備える。
なお、通信部15は、ポート1511及びポート1512のうち、どちらか一方を備える構成であってもよい。
また、microSDカードやUSBメモリの代わりに、他の可搬記憶媒体を差し込むことが可能な構成であってもよい。
当該可搬記憶媒体200には、保存タイミング(後述)の時刻、及び当該保存タイミングにおいて測定したオゾン濃度及び算出したCT値である取得データ(後述)が保存される。
また、当該可搬記憶媒体200は、オゾン滅菌装置100の電源をOFFした後に、ポート151から取り外すことができる。
【0033】
また、ポート151、及びポート151に差し込まれた可搬記憶媒体200は、蓋体31によって覆われる。
図5Aに、蓋体31と蓋体31付近の筐体本体30の構造図を示す。また、図5Bに、図5AのVB-VB断面図を示す。
図5Bに示すように、蓋体31は、突起部311と、開口部312を備える。筐体本体30は、突起部311と結合する結合部32を備える。
突起部311及び結合部32は、スナップフィットで結合する。
開口部312は、突起部311及び結合部32の結合を外すために使用され、開口の大きさは人の指が入らないサイズである。
蓋体31及び筐体本体30は、開口部312に、開口部312に差し込むことが可能な小さな専用工具(例えば、マイナスドライバーなど)を差し込み、突起部311を上へ押し上げる事で、突起部311及び結合部32の結合を外し、筐体本体30から蓋体31を取り外すことができる構造である。
蓋体31及び筐体本体30を上記の構造とすることで、オゾン滅菌装置100を不特定多数の人が居る環境下に設置する場合であっても、データが保存された可搬記憶媒体200を簡単には取り外せない構造とすることができる。
【0034】
オゾン濃度測定部16は、オゾン滅菌装置100を設置した環境における空気中のオゾン濃度を、紫外線吸収法、または半導体薄膜式等により測定し、当該測定結果を制御部11に出力する。なお、オゾン濃度の測定方法は上記方法に限らない。
【0035】
オゾン発生部17は、制御部11の制御の下、無声放電式、紫外光ランプ式あるいは沿面放電式等によって、有人環境下で使用可能な低濃度(具体的には、人体に許容される濃度である0.10[ppm]以下、または0.05ppm以下)のオゾンガスを発生させる。なお、オゾンガスの発生方法は上記方法に限らない。
【0036】
拡散部18は、オゾン発生部17が発生させたオゾンガスを、オゾン滅菌装置100を設置した環境に拡散する。
拡散部18は、例えば、ファンモーターであり、ファンを回転させることで空気の流れを発生させ、オゾンガスを拡散する。
なお、拡散部18は、オゾン滅菌装置100内の空気を暖めて得られる上昇気流を利用してオゾンガスを拡散させる構成であってもよい。
また、オゾン滅菌装置100を設置した環境において空気の流れがある場合には、オゾン滅菌装置100は、拡散部18を備えなくともよい。
【0037】
電源部20は、外部から給電された電力をオゾン滅菌装置100内の各部で必要な電力へ変換し供給する。
【0038】
(オゾン滅菌装置100の動作)
続いて、オゾン滅菌装置100の動作について説明する。
制御部11は、オゾン滅菌装置100の電源がONされている状態において、所定時間(例えば、1分)ごとに図6に示す設定保存処理を実行する。
【0039】
はじめに、制御部11は、操作部13を介したユーザーの入力操作により、オゾン発生動作における設定は変更されたか否かを判断する(ステップS1)。
当該オゾン発生動作は、オゾン発生部17を制御してオゾンガスを発生させ、拡散部18を制御して発生させたオゾンガスを拡散させること、及び表示部14に現在のオゾン発生動作における設定状態を表示する設定表示動作を含む。
制御部11は、設定表示動作として、オゾン濃度測定部16を制御して取得したオゾン濃度とオゾン発生動作を開始してからの経過時間の積であるCT値を、算出CT値表示部141に表示する。また、ON/OFFボタン131の押下により設定されたオゾン発生動作のON/OFFに応じてON/OFF表示部142のLEDを点灯する。また、Concentrationボタン132の押下により選択された、オゾン滅菌装置100を設置した環境におけるオゾン濃度の目標値に対応するConcentration表示部143のLEDを点灯する。また、制御部11は、Levelボタン133の押下により設定された、オゾン発生部17におけるオゾン発生量の段階を、Level表示部144に表示する。また、制御部11は、オゾン滅菌装置100がメンテナンス実施時期に到達している場合は、Clear表示部145のLEDを赤色に点灯し、それ以外の場合は、Clear表示部145のLEDを青色に点灯する。また、制御部11は、算出したCT値が所定のCT値に到達した場合に、到達CT値表示部146の当該所定のCT値に対応するLEDを点灯する。
そして、オゾン発生動作における設定とは、オゾン発生動作のON/OFFの設定、オゾン滅菌装置100を設置した環境におけるオゾン濃度の目標値の設定、オゾン発生部17におけるオゾン発生量の段階の設定、メンテナンス実施時期通知のクリアである。
オゾン発生動作における設定が変更されない場合(ステップS1;NO)、制御部11は、本処理を終了する。
【0040】
オゾン発生動作における設定が変更された場合(ステップS1;YES)、制御部11は、操作部13を介したユーザーの入力操作がない状態が所定時間(例えば、3秒)続いたか否かを判断する(ステップS2)。
所定時間内にユーザーの入力操作があった場合(ステップS2;NO)、制御部11は、本処理をステップS2に移行する。つまり、ユーザーの入力操作がない状態が所定時間続くまで待機する。
【0041】
ユーザーの入力操作がない状態が所定時間続いた場合(ステップS2;YES)、制御部11は、ポート151に差し込まれた可搬記憶媒体200(不揮発性記憶部)に、現在のオゾン発生動作における設定を保存する(ステップS3)。
なお、ステップS3において、制御部11は、オゾン発生動作における設定のうち、ステップS1において変更された項目のみを保存するとしてもよい。
【0042】
また、制御部11は、オゾン発生動作中において、所定時間(例えば、分単位、具体的には1分)ごとに図7に示す取得データ保存処理を実行する。
【0043】
はじめに、制御部11は、オゾン濃度測定部16を制御して、オゾン滅菌装置100を設置した環境における空気中のオゾン濃度を取得する(ステップS11)。
次に、制御部11は、ステップS11において取得したオゾン濃度と、オゾン発生動作を開始してからの経過時間の積であるCT値を算出する(ステップS12)。
【0044】
次に、制御部11は、ステップS11において取得したオゾン濃度、及びステップS12において算出したCT値を保存する保存タイミングか否かを判断する(ステップS13)。当該保存タイミングとは、前回オゾン濃度及びCT値を保存してから所定時間(例えば、分単位、具体的には1分)が経過した時点である。
CT値[ppm×min]は、オゾン濃度[ppm]とオゾン暴露時間(燻蒸時間)[min]の積によって算出されるため、分単位の値の時間間隔でオゾン濃度及びCT値を保存することで、ユーザーが保存されたオゾン濃度及びCT値を使用して、CT値の検証を行う際の作業性をより向上させる事ができる。
また、オゾン滅菌装置100のオゾン発生動作中において、停電またはユーザーが誤って電源コンセントを抜いてしまう事等が発生して、当該オゾン滅菌装置100への給電が遮断された後に、給電が再開された場合において、制御部11は分単位の値の時間間隔で保存されたオゾン濃度を使用して、給電が遮断される前のCT値を容易に復旧させることができる。オゾン滅菌装置100のオゾン発生動作中に、当該オゾン滅菌装置100への給電が遮断された後に、給電が再開された場合の処理(図10に示す再開処理)については、後に詳述する。
なお、上記所定時間は1分に限らず、例えば10秒や5分であってもよい。
また、上記所定時間は、通信部15を介してユーザーにより任意に設定される構成であってもよい。
【0045】
保存タイミングである場合(ステップS13;YES)、制御部11は、ポート151に差し込まれた可搬記憶媒体200(不揮発性記憶部)に、保存タイミングの時刻、ステップS11において取得したオゾン濃度、及びステップS12において算出したCT値を保存し(ステップS14)、本処理を終了する。
ここで、ステップS11において取得したオゾン濃度、及びステップS12において算出したCT値が取得データであり、オゾン発生に関するデータである。
【0046】
なお、ステップS14において、制御部11は、保存タイミング(例えば、前回オゾン濃度及びCT値を保存してから1分経過した時点)において取得したオゾン濃度を保存してもよいし、保存タイミング間において所定時間(例えば、数秒)ごとにオゾン濃度を取得し、当該複数の測定結果の平均値を保存してもよい。
また、ステップS14において、制御部11は、取得データとして、ステップS11において取得したオゾン濃度、及びステップS12において算出したCT値のうちどちらか一方を保存するとしてもよい。
【0047】
図8A図8Cに、不揮発性記憶部に保存された保存タイミングの時刻及びCT値(取得データ)の例を示す。
図8A図8Cに示す例において、保存タイミング(A)において算出されたCT値(B)が保存されている。
図8Aに示す例では、保存タイミング(A)は、30分ごとである。
また、図8Bに示す例では、保存タイミング(A)は、1分ごとである。
また、図8Cに示す例では、最新の保存タイミング(A)において算出されたCT値(B)のみが保存されている。この場合、不揮発性記憶部で保持するデータ量を抑えることができる。
【0048】
また、図9A及び図9Bに、不揮発性記憶部に保存された保存タイミングの時刻及びオゾン濃度(取得データ)の例を示す。
図9A及び図9Bに示す例において、保存タイミング(A)において取得されたオゾン濃度(C)が保存されている。
図9Aに示す例では、保存タイミング(A)は、1秒ごとである。
また、図9Bに示す例では、保存タイミング(A)は、1分ごとである。
上記のように所定時間ごとに(分単位の値の時間間隔で)オゾン濃度の連続的な時系列データが保存されている場合、オゾン滅菌装置100のオゾン発生動作中に、当該オゾン滅菌装置100への給電が遮断された後に、給電が再開された場合において、制御部11は、当該オゾン濃度のデータを使用して、給電が遮断される前のCT値を容易に復旧させることができる。
また、上記のように所定時間ごとに(分単位の値の時間間隔で)オゾン濃度の連続的な時系列データが可搬記憶媒体200に保存されている場合、ユーザーは、当該可搬記憶媒体200からオゾン濃度の連続的な時系列データを取得し、制御部11により復旧された給電が遮断される前のCT値に対する妥当性の検証を容易に実施できる。
【0049】
また、上記のように、保存タイミングの時刻及び取得データを可搬記憶媒体200に保存する構成とすることで、不揮発性記憶部(可搬記憶媒体200)の記憶容量を容易に増やすことができるため、保存する保存タイミングの時刻及び取得データのデータ量が大容量である場合でも保存することができ、オゾン滅菌装置100の冗長性を向上させることができる。
【0050】
また、保存タイミングでない場合(ステップS13;NO)、制御部11は、制御部11のRAMに、保存タイミングの時刻、ステップS11において取得したオゾン濃度、及びステップS12において算出したCT値を一時的に保存し(ステップS15)、本処理を終了する。
【0051】
また、制御部11は、オゾン滅菌装置100のオゾン発生動作中に、当該オゾン滅菌装置100への給電が遮断された後に、給電が再開された場合において、図10に示す再開処理を実行する。
【0052】
はじめに、制御部11は、図6に示す設定保存処理のステップS3において、不揮発性記憶部に保存したオゾン発生動作における設定を読み出す(ステップS31)。
次に、制御部11は、ステップS31において読み出したオゾン発生動作における設定において、オゾン発生動作はONであるか否かを判断する(ステップS32)。
オゾン発生動作における設定において、オゾン発生動作がOFFである場合(ステップS32;NO)、制御部11は、本処理を終了する。
【0053】
また、オゾン発生動作における設定において、オゾン発生動作がONである場合(ステップS32;YES)、制御部11は、ステップS31において読み出したオゾン発生動作における設定に基づいて、オゾン発生動作を開始し、オゾン発生動作を開始してからの経過時間の測定を開始する(ステップS33)。
つまり、制御部11は、オゾン滅菌装置100への給電が遮断された後に、給電が再開された場合、オゾン滅菌装置100への給電が遮断される直前のオゾン発生動作における設定に基づいて、オゾン発生動作(オゾン発生に関する動作)を実行する。
したがって、オゾン滅菌装置100が医療施設に設置され、当該医療施設において停電が発生して、非常用電源に切り替えられた場合に、ユーザーである医療従事者は、オゾン滅菌装置100の動作を再開させる作業を行う必要が無いため、医療従事者の負担を減らすことができる。
【0054】
次に、制御部11は、図7に示す取得データ保存処理のステップS14において、不揮発性記憶部に保存した保存タイミングの時刻及び取得データを読み出す(ステップS34)。ステップS34において、例えば、制御部11は、不揮発性記憶部に保存された最新の保存タイミングの時刻及び取得データを読み出す。
次に、制御部11は、ステップS34において読み出した最新の保存タイミングの時刻(最終保存時刻)と、現在時刻との差は、所定の第1閾値(例えば、1分)以内か否かを判断する(ステップS35)。
【0055】
最新の保存タイミングと、現在時刻との差が所定の第1閾値(例えば、1分)以内である場合(ステップS35;YES)、制御部11は、ステップS34において読み出した、最新の保存タイミングにおいて保存されたCT値に、ステップS33においてオゾン発生動作を開始してからのCT値を加算して、現在のCT値を算出する(ステップS36)。
なお、ステップS36において、制御部11は、不揮発性記憶部に保存したオゾン濃度のデータに基づいて、給電が遮断される前のCT値を復旧(算出)して、当該給電が遮断される前のCT値に、オゾン発生動作を開始してからのCT値を加算して、現在のCT値を算出してもよい。
次に、制御部11は、算出した現在のCT値を算出CT値表示部141に表示する。また、算出したCT値が所定のCT値に到達した場合には、制御部11は、到達CT値表示部146の当該所定のCT値に対応するLEDを点灯し(ステップS37)、本処理を終了する。
【0056】
また、最新の保存タイミングと、現在時刻との差が所定の第1閾値(例えば、1分)以内でない場合(ステップS35;NO)、制御部11は、最新の保存タイミングと、現在時刻との差は、所定の第2閾値(例えば、5分)以内か否かを判断する(ステップS38)。当該所定の第2閾値は、所定の第1閾値より長い値であればよい。
最新の保存タイミングと、現在時刻との差が所定の第2閾値(例えば、5分)以内である場合(ステップS38;YES)、制御部11は、ステップS34において読み出した、最新の保存タイミングにおいて保存されたCT値から減衰させた値に、ステップS33においてオゾン発生動作を開始してからのCT値を加算することで現在のCT値を算出して(ステップS39)、本処理をステップS37に移行する。
なお、ステップS39において、制御部11は、不揮発性記憶部に保存したオゾン濃度のデータに基づいて、給電が遮断される前のCT値を復旧(算出)して、当該給電が遮断される前のCT値から減衰させた値に、オゾン発生動作を開始してからのCT値を加算して、現在のCT値を算出してもよい。
ステップS39において、最新の保存タイミングにおいて保存されたCT値から減衰させた値として、最新の保存タイミングにおいて保存されたCT値の2分の1である値を使用してもよいし、最新の保存タイミングにおいて保存されたCT値からオゾン滅菌装置100が設置された環境における時間に基づく減衰値を差し引いた値を使用してもよい。
【0057】
なお、ステップS38の代わりに、制御部11は、オゾン濃度測定部16を制御して現在のオゾン濃度を取得し、当該現在のオゾン濃度と最新の保存タイミングにおいて保存されたオゾン濃度の差が所定値以内か否かを判断してもよい。
【0058】
また、最新の保存タイミングと、現在時刻との差が所定の第2閾値(例えば、5分)以内でない場合(ステップS38;NO)、制御部11は、ステップS33においてオゾン発生動作を開始してからのCT値を、現在のCT値として算出して(ステップS40)、本処理をステップS37に移行する。
【0059】
このように、オゾン滅菌装置100への給電が遮断されてから再開されるまでの時間が例えば、1分(所定の第1閾値)以内という短時間である場合、具体的には、オゾン滅菌装置100が設置された医療施設において停電が発生し、短時間で非常用電源に切り替えられた場合においてのみ、オゾン発生動作を再開後の現在CT値において、給電が遮断される直前のCT値を継承することで、現在のCT値を正確に算出することができる。
また、オゾン滅菌装置100への給電が遮断されてから再開されるまでの時間が所定の第1閾値より長く、且つ所定の第2閾値以内である場合、オゾン発生動作を再開後のCT値において、給電が遮断される直前のCT値を減衰させた値を加味することで、現在のCT値を正確に算出することができる。
【0060】
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
以下では、上記実施形態との差異を中心に説明する。
【0061】
図11に、本変形例のオゾン滅菌装置100の構成を示す。
本変形例の制御部11は、不揮発性記憶部であるバックアップレジスタ111を備え、電源部20は、一次電池21を備える。その他の構成は、上記実施形態のオゾン滅菌装置100と同一である。
【0062】
バックアップレジスタ111には、一次電池21が接続されており、オゾン滅菌装置100への給電が遮断された場合においても、バックアップレジスタ111に保存されたデータを保持することができる。
【0063】
本変形例の設定保存処理において、制御部11は、バックアップレジスタ111にオゾン発生動作における設定を保存する。
また、本変形例の取得データ保存処理において、制御部11は、バックアップレジスタ111に保存タイミングの時刻及び取得データを保存する。
したがって、上記実施形態のように可搬記憶媒体200を使用することなく、保存タイミングの時刻及び取得データを保存することができる。
【0064】
以上、説明してきた本実施形態に係るオゾン滅菌装置100は、オゾンガスを発生させるオゾン発生部17と、空気中のオゾン濃度を測定するオゾン濃度測定部16と、オゾン発生部17によるオゾンガスの発生を開始してからの経過時間を計測する時間計測部(制御部11)と、オゾン濃度測定部16により測定されたオゾン濃度、及び時間計測部により計測された経過時間に基づいて、CT値を算出する算出部(制御部11)と、不揮発性記憶部(可搬記憶媒体200またはバックアップレジスタ111)にオゾン発生に関するデータを保存する保存部(制御部11)と、を備えるオゾン滅菌装置100であって、算出部は、当該オゾン滅菌装置100への給電が遮断された後に、給電が再開された場合、不揮発性記憶部に保存されたオゾン発生に関するデータに基づいて、給電再開後のCT値を算出する。
従って、給電が遮断される前に保存されたオゾン発生に関するデータに基づいて、現在のCT値を正確に算出することができるため、ユーザーは当該現在のCT値に基づいて、オゾンによる滅菌をより効果的に実施することができる。
【0065】
また、本実施形態に係るオゾン滅菌装置100において、算出部は、オゾン滅菌装置100への給電が遮断される前に保存部によりオゾン発生に関するデータが保存された最終保存時刻と、現在時刻との差が所定の閾値(第1閾値)内である場合、不揮発性記憶部に保存されたオゾン発生に関するデータに基づいて、給電再開後のCT値を算出する。
従って、最終保存時刻と、現在時刻との差が所定の閾値内である場合、オゾン発生動作を再開後の現在のCT値において、給電が遮断される直前のCT値を継承することで、現在のCT値を正確に算出することができるため、ユーザーは当該現在のCT値に基づいて、オゾンによる滅菌をより効果的に実施することができる。
【0066】
また、本実施形態に係るオゾン滅菌装置100において、所定の閾値は、1分である。
従って、オゾン滅菌装置100への給電が遮断されてから再開されるまでの時間が1分以内という短時間である場合においてのみ、オゾン発生動作が再開されてからの現在CT値において、給電が遮断される直前のCT値を継承することで、現在のCT値を正確に算出することができる。
【0067】
また、本実施形態に係るオゾン滅菌装置100において、オゾン発生に関するデータは、算出部により算出されたCT値を含む。
従って、最新の保存タイミングにおいて算出されたCT値のみを保存する場合、不揮発性記憶部で保持するデータ量を抑えることができる。
【0068】
また、本実施形態に係るオゾン滅菌装置100において、オゾン発生に関するデータは、オゾン濃度測定部16により測定されたオゾン濃度を含む。
従って、オゾン滅菌装置100のオゾン発生動作中に、当該オゾン滅菌装置100への給電が遮断された後に、給電が再開された場合において、制御部11は、不揮発性記憶部に保存されたオゾン濃度のデータを使用して、給電が遮断される前のCT値を容易に復旧させることができる。
また、オゾン濃度のデータが可搬記憶媒体200に保存されている場合、ユーザーは、当該可搬記憶媒体200からオゾン濃度のデータを取得し、制御部11により復旧された給電が遮断される前のCT値に対する妥当性の検証を容易に実施できる。
【0069】
また、本実施形態に係るオゾン滅菌装置100において、保存部は、分単位の値の時間間隔で不揮発性記憶部にオゾン発生に関するデータを保存する。
従って、CT値[ppm×min]は、オゾン濃度[ppm]とオゾン暴露時間(燻蒸時間)[min]の積によって算出されるため、分単位の値の時間間隔でオゾン濃度及びCT値を保存することで、ユーザーが、保存されたオゾン濃度及びCT値を使用して、CT値の検証を行う際の作業性をより向上させる事ができることができる。
【0070】
また、本実施形態に係るオゾン滅菌装置100において、不揮発性記憶部は、バックアップレジスタ111を備える。
従って、可搬記憶媒体200を使用することなく、保存タイミングの時刻及び取得データを保存することができる。
【0071】
また、本実施形態に係るオゾン滅菌装置100において、不揮発性記憶部は、可搬記憶媒体200を備える。
従って、不揮発性記憶部(可搬記憶媒体200)の記憶容量を容易に増やすことができるため、保存タイミングの時刻及び取得データのデータ量が大容量である場合でも保存することができ、オゾン滅菌装置100の冗長性を向上させることができる。
【0072】
また、本実施形態に係るオゾン滅菌装置100は、可搬記憶媒体200を覆う蓋体31と、蓋体31が取り付けられる筐体本体30と、を備え、蓋体31は、専用工具を使用することで筐体本体30から取り外すことが可能である。
従って、オゾン滅菌装置100を不特定多数の人が居る環境下に設置する場合であっても、データが保存された可搬記憶媒体200を簡単には取り外せない構造とすることができる。
【0073】
また、本実施形態に係るオゾン滅菌装置100において、オゾン発生部17により発生されるオゾンガスは、有人環境下で使用可能な濃度である。
従って、有人環境下で使用可能な濃度である低濃度のオゾンガスを発生させ、オゾン滅菌装置100を長時間連続稼働する場合であり、オゾン滅菌装置100のオゾン発生動作中に、当該オゾン滅菌装置100への給電が遮断された後に、給電が再開された場合に、オゾン発生動作を再開後の現在のCT値において、給電が遮断される直前のCT値を継承することで、現在のCT値を正確に算出することができる。
【0074】
また、本実施形態に係るオゾン滅菌装置100は、表示部14(算出CT値表示部141)と、算出部により算出されたCT値を表示部14に表示させる表示制御部(制御部11)と、を備える。
従って、ユーザーは、算出されたCT値を把握することができる。
【0075】
また、本実施形態に係るオゾン滅菌装置100は、オゾン滅菌装置100への給電が遮断された後に、給電が再開された場合、オゾン滅菌装置100への給電が遮断される直前の設定に基づいて、オゾン発生に関する動作を実行する動作制御部(制御部11)を備える。
従って、オゾン滅菌装置100が医療施設に設置され、当該医療施設において停電が発生して、非常用電源に切り替えられた場合に、ユーザーである医療従事者は、オゾン滅菌装置100の動作を再開させる作業を行う必要が無いため、医療従事者の負担を減らすことができる。
【0076】
なお、本実施形態における記述は、本発明に係る好適なオゾン滅菌装置の一例であり、これに限定されるものではない。
【0077】
例えば、上記実施形態では、不揮発性記憶部は可搬記憶媒体200であり、変形例では、不揮発性記憶部はバックアップレジスタ111であるとしたがこれに限らない。オゾン滅菌装置100は、不揮発性記憶部として、制御部11と同じ基板上に実装されるNVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)や、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)を備えてもよい。
【符号の説明】
【0078】
100 オゾン滅菌装置
11 制御部(時間計測部、算出部、保存部、表示制御部、動作制御部)
111 バックアップレジスタ(不揮発性記憶部)
12 記憶部
13 操作部
131 ON/OFFボタン
132 Concentrationボタン
133 Levelボタン
134 Clearボタン
14 表示部
141 算出CT値表示部
142 ON/OFF表示部
143 Concentration表示部
144 Level表示部
145 Clear表示部
146 到達CT値表示部
15 通信部
151 ポート
1511 ポート
1512 ポート
16 オゾン濃度測定部
17 オゾン発生部
18 拡散部
20 電源部
21 一次電池
30 筐体本体
31 蓋体
32 結合部
200 可搬記憶媒体(不揮発性記憶部)
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11