(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】ドライブレコーダー、補助記憶装置
(51)【国際特許分類】
G07C 5/00 20060101AFI20240306BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
G08G1/00 D
(21)【出願番号】P 2020019360
(22)【出願日】2020-02-07
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】593026627
【氏名又は名称】セルスター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100178331
【氏名又は名称】津田 宏二
(72)【発明者】
【氏名】松本 良浩
(72)【発明者】
【氏名】小野 幸範
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-004223(JP,A)
【文献】特開2018-041122(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、
媒体収容部に着脱自在とされて装着された第1記憶媒体に前記撮像手段が撮像した映像データを記憶させる記憶手段と、
前記第1記憶媒体に記憶された映像データの少なくとも一部が記憶される第2記憶媒体と、
予め設定されている第1要件を満たすと、前記第2記憶媒体に対する処理を禁止する禁止手段と、
前記第2記憶媒体が設けられ装置本体に対して着脱可能とされ、前記媒体収容部に装着された前記第1記憶媒体の一部を覆うように装置本体に装着されるカバーと、を有
し、
前記禁止手段は、前記予め設定されている第1要件として、前記媒体収容部から前記第1記憶媒体を取り出すために前記カバーが前記装置本体から外されると、前記第2記憶媒体に対する処理を禁止するドライブレコーダー。
【請求項2】
前記禁止手段によって処理が禁止された前記第2記憶媒体に対する処理を許可する許可手段をさらに有する請求項
1に記載のドライブレコーダー。
【請求項3】
前記第2記憶媒体は、予め設定されている第2要件を満たすと、前記第1記憶媒体に記憶された映像データの少なくとも一部が記憶される請求項1
又は2に記載のドライブレコーダー。
【請求項4】
前記第2記憶媒体は、予め設定されている第3要件を満たすと、当該第2記憶媒体に記憶される映像データに連続する前又は後の少なくとも何れかの映像データが記憶される請求項1乃至
3の何れか1項に記載のドライブレコーダー。
【請求項5】
前記第1記憶媒体に記憶された映像データを通信によって外部に送信する送信手段をさらに有する請求項1乃至
4の何れか1項に記載のドライブレコーダー。
【請求項6】
前記送信手段は、前記映像データを前記第2記憶媒体に記憶させることができないとき、当該映像データを通信によって外部に送信する請求項
5に記載のドライブレコーダー。
【請求項7】
媒体収容部に着脱自在とされて装着された第1記憶媒体に撮像手段が撮像した映像データを記憶させるドライブレコーダーの当該映像データの少なくとも一部を第2記憶媒体に記憶させる記憶手段と、
予め設定されている第1要件を満たすと、前記第2記憶媒体に対する処理を禁止する禁止手段と、を有
し、
前記ドライブレコーダーは、前記第2記憶媒体が設けられ装置本体に対して着脱可能とされ、前記媒体収容部に装着された前記第1記憶媒体の一部を覆うように装置本体に装着されるカバーとを有し、
前記禁止手段は、前記予め設定されている第1要件として、前記媒体収容部から前記第1記憶媒体を取り出すために前記カバーが前記装置本体から外されると、前記第2記憶媒体に対する処理を禁止する補助記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダーの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ドライブレコーダーは、録画した映像データが記憶されている記憶媒体を運転者等が自由に取り出せるようになっている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドライブレコーダーから記憶媒体を運転者等が自由に取り出せるため、記憶媒体に記憶されているドライブレコーダーが録画した映像データを運転者等が自由に改変できた。
【0005】
本発明の目的は、ドライブレコーダーによって録画された映像データを運転者等が自由に改変できないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、撮像手段と、媒体収容部に着脱自在とされて装着された第1記憶媒体に前記撮像手段が撮像した映像データを記憶させる記憶手段と、前記第1記憶媒体に記憶された映像データの少なくとも一部が記憶される第2記憶媒体と、予め設定されている第1要件を満たすと、前記第2記憶媒体に対する処理を禁止する禁止手段と、前記第2記憶媒体が設けられ装置本体に対して着脱可能とされ、前記媒体収容部に装着された前記第1記憶媒体の一部を覆うように装置本体に装着されるカバーと、を有し、前記禁止手段は、前記予め設定されている第1要件として、前記媒体収容部から前記第1記憶媒体を取り出すために前記カバーが前記装置本体から外されると、前記第2記憶媒体に対する処理を禁止するドライブレコーダーである。
【0009】
本発明の第2の態様では、前記禁止手段によって処理が禁止された前記第2記憶媒体に対する処理を許可する許可手段をさらに有することが好ましい。
【0010】
本発明の第3の態様では、前記第2記憶媒体は、予め設定されている第2要件を満たすと、前記第1記憶媒体に記憶された映像データの少なくとも一部が記憶されることが好ましい。
【0011】
本発明の第4の態様では、前記第2記憶媒体は、予め設定されている第3要件を満たすと、前記第2記憶媒体に記憶される映像データに連続する前又は後の少なくとも何れかの映像データが記憶されることが好ましい。
本発明の第5の態様では、前記第1記憶媒体に記憶された映像データを通信によって外部に送信する送信手段をさらに有することが好ましい。
【0012】
本発明の第6の態様では、前記送信手段は、前記映像データを前記第2記憶媒体に記憶させることができないとき、当該映像データを通信によって外部に送信することが好ましい。
【0013】
前記課題を解決するために、本発明の第7の態様は、媒体収容部に着脱自在とされて装着された第1記憶媒体に撮像手段が撮像した映像データを記憶させるドライブレコーダーの当該映像データの少なくとも一部を第2記憶媒体に記憶させる記憶手段と、予め設定されている第1要件を満たすと、前記第2記憶媒体に対する処理を禁止する禁止手段と、を有し、前記ドライブレコーダーは、前記第2記憶媒体が設けられ装置本体に対して着脱可能とされ、前記媒体収容部に装着された前記第1記憶媒体の一部を覆うように装置本体に装着されるカバーとを有し、前記禁止手段は、前記予め設定されている第1要件として、前記媒体収容部から前記第1記憶媒体を取り出すために前記カバーが前記装置本体から外されると、前記第2記憶媒体に対する処理を禁止する補助記憶装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の前記第1の態様によれば、ドライブレコーダーは、第1記憶媒体に記憶された映像データと同じ映像データを第2記憶媒体に記憶させることができる。これにより、ドライブレコーダーは、第2記憶媒体に記憶された映像データを第1記憶媒体に記憶された映像データのバックアップとして活用できる。これにより、第1記憶媒体に記憶された映像データが運転者等によって改変されたとしても、第2記憶媒体に記憶された映像データは改変されずに残るようになる。
【0015】
また、本発明の前記第1の態様によれば、ドライブレコーダーは、予め設定されている第1要件を満たしたときに、第1記憶媒体に記憶された映像データと同じ映像データが記憶された第2記憶媒体に対する処理を禁止することができる。これにより、第2記憶媒体に記憶された映像データの改変がより困難になる。
【0016】
また、本発明の前記第1の態様によれば、ドライブレコーダーは、第1記憶媒体を覆うカバーといった簡易な構造を利用して媒体収容部から第1記憶媒体を取り出すための操作を検出し、第2記憶媒体に対する処理を禁止することができる。
【0017】
本発明の前記第2の態様によれば、ドライブレコーダーは、禁止手段によって処理が禁止された第2記憶媒体に対し、許可手段によって処理できるようになる。
【0018】
本発明の前記第3の態様によれば、ドライブレコーダーは、予め設定されている第2要件を満たすときに第1記憶媒体に記憶された映像データの少なくとも一部を第2記憶媒体に記憶させることで、第1記憶媒体に記憶された映像データのうち、特定の映像データだけを第2記憶媒体に記憶させることができる。
【0019】
本発明の前記第4の態様によれば、ドライブレコーダーは、予め設定されている第3要件を満たすときに前又は後の少なくとも何れかの映像データも第2記憶媒体に記憶させることで、第1記憶媒体に記憶された映像データのうち、特定の映像データの前後の映像データも第2記憶媒体に記憶させることができる。
【0020】
本発明の前記第5の態様によれば、ドライブレコーダーは、第1記憶媒体に記憶された映像データを外部に送信し外部でも保存可能にする。
【0021】
本発明の前記第6の態様によれば、ドライブレコーダーは、第2記憶媒体が記憶できない映像データを外部に送信し保存可能にする。
【0022】
本発明の前記第7の態様によれば、補助記憶装置は、第1記憶媒体に記憶された映像データと同じ映像データを第2記憶媒体に記憶させることができる。これにより、補助記憶装置は、第2記憶媒体に記憶された映像データを第1記憶媒体に記憶された映像データのバックアップとして活用できる。これにより、第1記憶媒体に記憶された映像データが運転者等によって改変されたとしても、第2記憶媒体に記憶された映像データは改変されずに残るようになる。
また、本発明の前記第7の態様によれば、補助記憶装置は、予め設定されている第1要件を満たしたときに、第1記憶媒体に記憶された映像データと同じ映像データが記憶された第2記憶媒体に対する処理を禁止することができる。これにより、第2記憶媒体に記憶された映像データの改変がより困難になる。
また、本発明の前記第7の態様によれば、補助記憶装置は、第1記憶媒体を覆うカバーといった簡易な構造を利用して媒体収容部から第1記憶媒体を取り出すための操作を検出し、第2記憶媒体に対する処理を禁止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、ドライブレコーダーの外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、ドライブレコーダーの下部の一部の構成例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本体におけるメモリカード収容部の開口部の周辺の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、本体におけるメモリカード収容部の開口部の周辺の外観構成の一例を示す底面図である。
【
図5】
図5は、コネクタの形状の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、カバーが本体に取り付けられる様子の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、ドライブレコーダーにおいてデータの処理を行うための構成とロック装置の構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、フラグ設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、映像データ転送処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、記憶処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、ロック実行処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、ロック解除処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、ドライブレコーダーを挙げている。
【0025】
(構成)
図1は、ドライブレコーダー1の外観構成の一例を示す斜視図である。
図2は、ドライブレコーダー1の下部の一部の構成例を示す斜視図である。
【0026】
図1及び
図2に示すように、ドライブレコーダー1は、本体(装置本体)10及びカバー30を有している。
【0027】
本体10は、略直方体形状の筐体を有し、裏面10a側に、ディスプレイ11、ボタン12、ランプ13、及び音声入力口14等を有している。ここで、ディスプレイ11は、液晶等であり、各種の情報を表示する装置である。ボタン12は、使用者によって操作されて各種の指示入力がなされるボタンである。ランプ13は、発光により各種の情報を表示する。音声入力口14は、マイクに音声を入力するために開口されている。また、本体10には、上部10b側に、当該ドライブレコーダー1を車体に取り付けるための取り付け部15が設けられている。また、本体10は、表面側に、図示しないカメラや音声出力部を有している。ここで、カメラは、車両の外部を撮像する装置である。音声出力部は、スピーカによって音声を出力する。
【0028】
カバー30は、本体10の底部10c側に設けられている。カバー30は、本体10の底部10cに設けられたメモリカード収容部の開口部を覆うためのカバーであり、メモリカード収容部の開口部を開閉できるように本体10に対して着脱自在とされている。
【0029】
図3及び
図4は、本体10におけるメモリカード収容部20の開口部20aの周辺の外観構成の一例を示す図である。
図3は、斜視図であり、
図4は、底面図である。また、
図3では、メモリカード40がメモリカード収容部20から取り外されている。
図4では、カバー30が本体10から取り外されている。
【0030】
図3及び
図4に示すように、本体10の底部10cには、メモリカード収容部20が設けられている。メモリカード収容部20に対してメモリカード40が挿脱可能に取り付けられる。このメモリカード収容部20の開口部20aを開閉できるようにカバー30が本体10に対して着脱自在とされている。
【0031】
本例では、カバー30は、本体10に対して嵌め込んで取り付けられる。そのための構造として、本体10には、メモリカード収容部20の開口部20aの両側に、カバー30側と係合可能な形状を有する凸部21が設けられている。これに対応して、カバー30には、本体10側の凸部21と係合可能な形状を有する図示しない凹部が設けられている。これにより、カバー30は、本体10に取り付けられた際に、凹部が本体10の凸部21と係合されることで、本体10に対して位置決めされつつ本体10から外れないように嵌め込まれて取り付けられる。そして、カバー30は、使用者によってある程度の力で本体10から取り外す操作がなされると、凹部が凸部21から外れて本体10から取り外される。
【0032】
これにより、メモリカード40がメモリカード収容部20に取り付けられ、その後にカバー30が本体10に取り付けられる。これによって、メモリカード40は、カバー30を本体10から取り外さなければメモリカード収容部20から取り出せなくなっている。また、カバー30と本体10には、カバー30が本体10に取り付けられた際に電気的に接続状態になるコネクタがそれぞれ設けられている。
【0033】
図5は、コネクタ22,101の形状の一例を示す図である。なお、
図5では、コネクタ22,101が接触していない状態を示す。
図4及び
図5に示すように、本体10側のコネクタ(以下、本体側コネクタという。)22は、メモリカード収容部20の近傍に設けられている。また、カバー30側のコネクタ(以下、カバー側コネクタという。)101は、カバー30の裏面において、カバー30が本体10に取り付けられた際に本体側コネクタ22に接触できる位置に設けられている。
【0034】
図6は、カバー30が本体10に取り付けられる様子の一例を示す図である。
【0035】
図6中の(A)から(B)への変化として示すように、カバー30が本体10に取り付けられると、カバー側コネクタ101と本体側コネクタ22とが電気的に接触した状態になる。その逆に、
図6中の(B)から(A)のように、カバー30が本体10から取り外されると、カバー側コネクタ101と本体側コネクタ22とが電気的に非接続の状態になる。ここで、本体側コネクタ22は、カバー側コネクタ101と電気的に接触することで、メモリカード40に記憶されている映像データをカバー側コネクタ101を介してロック装置100に出力する。
【0036】
ロック装置100は、カバー30に内蔵されている装置である。ロック装置100は、ドライブレコーダー1の本体10から転送されてくる映像データを記憶できるように構成されている。
【0037】
図7は、ドライブレコーダー1においてデータの処理を行うための構成とロック装置100の構成の一例を示す図である。
【0038】
図7に示すように、ドライブレコーダー1は、カメラ16からの撮像データの処理を行うための構成として、本体10側に、本体側コネクタ22、メモリカード40の他に、通信部(以下、本体側通信部という。)50、制御部(以下、本体側制御部という。)60等を有している。
【0039】
本体側通信部50は、ロック装置100等の他の外部装置との間で無線による通信を行う。例えば、本体側通信部50は、赤外線通信を行う。
【0040】
メモリカード40は、カメラ16が撮像した映像データを記憶する。メモリカード40は、常時録画記憶部41、イベント録画記憶部42、モーション録画記憶部43、安全運転支援録画記憶部44を有している。ここで、常時録画記憶部41には、後述の常時録画処理による映像データが記憶される。イベント録画記憶部42には、後述のイベント録画処理やクイック録画処理による映像データが記憶される。モーション録画記憶部43には、後述のモーション録画処理による映像データが記憶される。安全運転支援録画記憶部44には、後述の安全運転録画処理による映像データが記憶される。
【0041】
本体側制御部60は、カメラ16、本体側通信部50、及びメモリカード40等のドライブレコーダー1の本体10側の各構成について各種の処理を実行する。本例では、本体側制御部60は、各種の処理を実行する構成として、常時録画部61、イベント録画部62、クイック録画部63、モーション録画部64、安全運転録画部65、フラグ設定部66、及び映像データ転送部67を有している。
【0042】
ここで、常時録画部61は、カメラ16からの映像を常時録画するための常時録画処理を実行する。イベント録画部62は、常時録画中に予め設定されたイベントの発生時(予め設定されている値を超えた衝撃の発生時等)の映像を録画するためのイベント録画処理を実行する。例えば、イベント録画部62は、イベント録画として、イベントの発生時の所定の時間区間の映像、例えば、イベントの発生時の5秒前からイベントの発生時から20秒後の合計25秒間の映像を録画する。クイック録画部63は、乗員により手動で録画操作されたときのイベントの映像を録画するためのクイック録画処理を実行する。モーション録画部64は、車室内外で動作を検出したときのカメラ16からの映像を録画するためのモーション録画処理を実行する。安全運転録画部65は、安全運転支援機能を利用して映像を録画するための安全運転録画処理を実行する。ここで、安全運転支援機能は、カメラ16からの映像を画像処理し、自車両の前方及び後方の他の車両との車間距離を判定し、音声又は表示により乗員に注意を促す機能である。安全運転録画部65は、このように安全運転支援機能が車間距離を判定する機能を利用し、予め設定した速度以上走行中に、予め設定した距離以下の車間距離で予め設定した時間(例えば数秒~数十秒単位)走行すると、カメラ16からの映像を録画する安全運転録画処理を実行する。
【0043】
なお、常時録画処理、イベント録画処理、クイック録画処理は、車両走行中及び駐車中に実行可能とされている。また、モーション録画処理は、駐車中のみ実行可能とされている。
【0044】
また、フラグ設定部66は、録画のためのフラグを設定するフラグ設定処理を実行する。
【0045】
図8は、フラグ設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0046】
図8に示すように、先ずステップS1の処理として、フラグ設定部66は、第1フラグ(録画選択用フラグ)を予め設定する。ここで、第1フラグは、メモリカード40に記憶させる映像を選択できるようにするためのフラグである。例えば、予め設定される第1フラグは、使用者によってボタン12が操作されて入力される。第1フラグの設定によって、例えば、前述のイベント録画、常時録画、クイック録画、モーション録画、及び安全運転録画から1つ又は複数が選択される。
【0047】
この第1フラグの設定によって、従来の機能と同様に、メモリカード40には、第1フラグによって設定された録画によって映像データが記憶される。
【0048】
続くステップS2の処理として、フラグ設定部66は、第2フラグ(転送選択用フラグ)を予め設定する。ここで、第2フラグは、メモリカード40に記憶した映像データのうち、ロック装置100の後述の記憶部104に記憶する映像データを選択できるようにするためのフラグである。例えば、予め設定される第2フラグは、使用者によってボタン12が操作されて入力される。このとき、メモリカード40に記憶された映像を選択的にロック装置100の記憶部104に転送し記憶できるようにするため、ステップS1の処理で選択された、すなわち、第1フラグが設定されたイベント録画、常時録画、クイック録画、モーション録画、安全運転録画の何れかから1つ又は複数が選択可能になっている。
【0049】
以上のようにして、フラグ設定部66は、メモリカード40に記憶する映像やロック装置100の記憶部104に記憶する映像を選択するための第1及び第2フラグを設定する。
【0050】
そして、常時録画部61、イベント録画部62、クイック録画部63、モーション録画部64、及び安全運転録画部65は、フラグ設定部66が設定した第1フラグを基に、選択された常時録画、イベント録画、クイック録画、モーション録画、及び安全運転録画の何れかによる映像データをメモリカード40に記憶する。
【0051】
また、映像データ転送部67は、フラグ設定部66が設定した第2フラグを基に、メモリカード40に記憶されている映像データをロック装置100に転送するための映像データ転送処理を実行する。これにより、映像データ転送部67は、フラグ設定部66が設定した1つ又は複数選択されている第2フラグに対応する映像データ(メモリカード40に記憶されている映像データ)をロック装置100に転送する。以下に具体例を挙げて説明する。
【0052】
図9は、映像データ転送処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
図9に示すように、先ずステップS21の処理として、映像データ転送部67は、録画が発生したか否かを判定する。映像データ転送部67は、録画が発生したと判定したときに、ステップS22の処理に進む。なお、この録画の発生によって、カメラ16が撮像した映像データがメモリカード40にまず記憶される。具体的には、第1フラグが設定されている録画によって、その映像データがメモリカード40に記憶される。
【0054】
続くステップS22の処理として、映像データ転送部67は、ステップS21の処理で発生したと判定した録画が、フラグ設定部66によって第2フラグが設定されているか否かを判定する。映像データ転送部67は、ステップS21の処理で発生したと判定した録画が、フラグ設定部66によって第2フラグが設定されていると判定すると、ステップS23の処理に進む。一方、映像データ転送部67は、ステップS21の処理で発生したと判定した録画が、フラグ設定部66によって第2フラグが設定されていないと判定すると、当該映像データ転送処理を終了する。
【0055】
ステップS23の処理として、映像データ転送部67は、ロック装置100に転送する映像データの前後の映像データも転送するか否かを判定する。映像データ転送部67は、ロック装置100に転送する映像データの前後の映像データも転送すると判定すると、ステップS24の処理に進む。一方、映像データ転送部67は、そうでない場合、ステップS25の処理に進む。
【0056】
ここで、映像データ転送部67は、ロック装置100に転送する映像データの前後の映像データも転送するか否かの判定を、予め設定されている要件を満たすか否かで判定する。すなわち、映像データ転送部67は、予め設定されている要件を満たすと判定すると、ロック装置100に転送する映像データの前後の映像データも転送すると判定する。
【0057】
例えば、イベント録画が1G以上の衝撃レベル(3軸で検出した衝撃レベル)を検出したときに録画を実行する設定がされており、予め設定されている要件が、3G以上の衝撃レベルのときのイベント録画に限定するという要件とする。このような場合において、映像データ転送部67は、ステップS22の処理で第2フラグが設定されていると判定した録画がイベント録画であり、当該イベント録画が3G以上の衝撃レベルを検出して実行されたイベント録画であると判定すると、ロック装置100に転送する映像データの前後の映像データを転送すると判定する(ステップS24の処理に進む)。一方、映像データ転送部67は、そうでない場合、すなわち、イベント録画が3G未満の衝撃レベルを検出して実行されたイベント録画であると判定すると、ロック装置100に転送する映像データの前後の映像データを送信しないと判定する(ステップS25の処理に進む)。
【0058】
ステップS24の処理として、映像データ転送部67は、メモリカード40に記憶された映像データ中、ステップS22の処理でフラグ設定部66によって第2フラグが設定されていると判定された録画による映像データをロック装置100に転送する。さらに、映像データ転送部67は、当該映像データに係る映像に連続した前後の映像データもロック装置100に転送する。このとき、映像データ転送部67は、転送する映像データ量が多いような場合は、映像データを分割して転送する。常時録画であれば、走行中の映像データ量が多くなるため、例えば、この場合、映像データ転送部67は、常時録画による映像データを一定時間間隔で、例えば、30分間隔で、一定の録画区間の映像データをロック装置100に転送する。また、常にカメラ16からの映像データが送られてきて当該映像データが一時的に記憶されるメモリが設けられ、映像データ転送部67が、当該メモリに保存されている映像データから前記前後の映像データをロック装置100に転送しても良い。
【0059】
ステップS25の処理として、映像データ転送部67は、メモリカード40に記憶された映像データ中、ステップS22の処理でフラグ設定部66によって第2フラグが設定されていると判定された録画による映像データだけをロック装置100に転送する。このとき、ステップS24の処理と同様に、映像データ転送部67は、転送する映像データ量が多いような場合は、映像データを分割して転送する。
【0060】
以上のようにして、映像データ転送部67は、録画が発生し、その録画がフラグ設定部66によって第2フラグが設定されている録画であると判定すると、メモリカード40に記憶された映像データ中、当該録画による映像データをロック装置100に転送する。また、映像データ転送部67は、発生した録画がフラグ設定部66によって第2フラグが設定されている録画であり、かつ予め設定されている要件を満たすと判定すると、メモリカード40に記憶された映像データ中、当該録画による映像データに加えて、当該映像データに連続する前後の映像データもロック装置100に転送する。このとき、前後の映像データは、それぞれ予め設定されている時間区間の映像データである。
【0061】
図7に戻り、ロック装置100は、データの処理を行うための構成として、カバー側コネクタ101の他に、通信部(以下、ロック装置側通信部という。)102、電池103、記憶部104、及び制御部(以下、ロック装置側制御部という。)110を有している。
【0062】
ロック装置側通信部102は、ドライブレコーダー1の本体10側等の他の外部装置との間で無線による通信を行う。
【0063】
記憶部104は、カバー側コネクタ101から入力されたドライブレコーダー1の本体10側からの映像データを記憶する。記憶部104は、データの上書き、書き換えが可能な記憶部である。記憶部104も、ロック装置100と同様に、カバー30の筐体内に内蔵されている。
【0064】
電池103は、ロック装置100を駆動するための駆動電源となる。電池103は、カバー30が本体10から取り外されたときにのみロック装置100を駆動するための駆動電源となる。すなわち、ロック装置100は、カバー30が本体10に取り付けられている状態では、電気的に接続されているコネクタ22,101を介して本体10側から電源が供給される。一方、ロック装置100は、カバー30が本体10から取り外されると、電池103から電源が供給される。
【0065】
ロック装置側制御部110は、ロック装置側通信部102、記憶部104等のロック装置100を構成する各構成について各種の処理を実行する。本例では、ロック装置側制御部110は、各種の処理を実行する構成として、記憶処理部111、コネクタ接触検出部112、ロック実行部113、及びロック解除部114を有している。
【0066】
ここで、記憶処理部111は、ドライブレコーダー1の本体10から転送されてきた映像データを記憶部104に記憶するための記憶処理を実行する。コネクタ接触検出部112は、本体側コネクタ22に対するカバー側コネクタ101の接触状態を検出するためのコネクタ接触検出処理を実行する。ロック実行部113は、記憶部104への処理を禁止するロック実行処理を実行する。ロック解除部114は、記憶部104に対する処理の禁止を解除するロック解除処理を実行する。
【0067】
図10は、記憶処理の一例を示すフローチャートである。
【0068】
図10に示すように、先ずステップS41の処理として、記憶処理部111は、カバー側コネクタ101を介して本体10から転送されてきた映像データ(第2フラグが設定された録画による映像データ)を受信したか否かを判定する。記憶処理部111は、本体10から転送されてきた映像データを受信したと判定したときに、ステップS42の処理に進む。
【0069】
ステップS42の処理として、記憶処理部111は、ステップS21の処理で受信したと判定した映像データを記憶部104に記憶する。このとき、記憶処理部111は、当該映像データの前後の映像データも受信していれば、当該映像データも記憶部104に記憶する。
【0070】
以上のようにして、記憶処理部111は、本体10から転送されてきた映像データ、すなわちメモリカード40に記憶されている映像データ(第2フラグが設定された録画による映像データ)を受信すると、当該映像データを記憶部104に記憶していく。さらに、記憶処理部111は、当該映像データの前後の映像データも受信していれば、当該映像データも記憶部104に記憶していく。
【0071】
図11は、ロック実行処理の一例を示すフローチャートである。
【0072】
図11に示すように、先ずステップS61の処理として、ロック実行部113は、本体側コネクタ22とカバー側コネクタ101とが電気的に非接続状態になったか否かを判定する。例えば、ロック実行部113は、本体側コネクタ22からカバー側コネクタ101が外れたり、エンジンが切れたりしたときに、本体側コネクタ22とカバー側コネクタ101とが電気的に非接続状態になったと判定する。ロック実行部113は、本体側コネクタ22とカバー側コネクタ101とが電気的に非接続状態になったと判定したときに、すなわち例えば、カバー側コネクタ101が外れたと判定したときに、ステップS62の処理に進む。
【0073】
ステップS62の処理として、ロック実行部113は、本体10から映像データが転送中か否かを判定する。ロック実行部113は、本体10から映像データが転送中であると判定すると、ステップS63の処理に進む。一方、ロック実行部113は、本体10から映像データが転送中でないと判定すると、すなわち、本体10からの映像データの転送が完了していると判定すると、ステップS64の処理に進む。
【0074】
ステップS63の処理として、ロック実行部113は、本体10からの映像データの転送を継続させる。例えば、ロック実行部113は、ロック装置側通信部102による無線通信によって、本体10からの映像データを受信し、受信した映像データを記憶部104に記憶する処理を実行する。このとき、本体側コネクタ22とカバー側コネクタ101とが電気的に非接続状態になっていることで、ロック装置100がコネクタ22,101を介した本体10側からの電源の供給を受けられないため、ロック実行部113は、電池103から供給される電源により処理を実行する。ロック実行部113は、本体10からの映像データの転送が完了すると、ステップS64の処理に進む。
【0075】
ステップS64の処理として、ロック実行部113は、記憶部104をロックし、記憶部104に対する処理を禁止する。具体的には、ロック実行部113は、記憶部104のロックによって、記憶部104に記憶されている映像データの消去、記憶部104への新たなデータの書き込み、データの上書き、記憶部104からのデータの読み出しをできなくする。
【0076】
以上のようにして、ロック実行部113は、本体側コネクタ22とカバー側コネクタ101とが電気的に非接続状態になったと判定すると、記憶部104にロックをかける。このとき、ロック実行部113は、本体10から映像データが転送中であると判定すると、本体10からの映像データの転送が完了した後、記憶部104にロックをかける。
【0077】
図12は、ロック解除処理の一例を示すフローチャートである。
【0078】
図12に示すように、先ずステップS81の処理として、ロック解除部114は、ロック実行処理によって実行されたロックを解除するか否かを判定する。例えば、ロック解除部114は、再び本体側コネクタ22とカバー側コネクタ101とが電気的に接続状態になったと判定すると、ロックを解除する。このとき、ロック解除部114は、ロック解除用のパスワードや予め用意されているロック解除用の認定キーが入力されたことを条件として、ロックを解除する。ロック解除部114は、ロックを解除すると判定したときに、ステップS82の処理に進む。
【0079】
ステップS82の処理として、ロック解除部114は、記憶部104に対して処理できるようにロックを解除する。これにより、例えば、ロック装置100では、記憶部104に記憶されている映像データを読み出したり、消去したり、記憶部104に映像データを上書きしたりすることができる。
【0080】
以上のようにして、ロック解除部114は、ロックを解除すると判定すると、記憶部104に対して処理できるようにする。例えば、記憶部104に記憶されている映像データを読み出したり、消去したり、記憶部104に映像データを上書きしたりすることができる。
【0081】
(動作、作用等)
ドライブレコーダー1における動作、及びその作用等の一例について説明する。
【0082】
ドライブレコーダー1の本体10側では、フラグ設定部66が設定した第1フラグを基に、常時録画、イベント録画、クイック録画、モーション録画、及び安全運転録画の1つ又は複数の録画による映像データがメモリカード40に記憶される。
【0083】
そして、映像データ転送部67は、当該録画に第2フラグが設定されていると、その録画による映像データをロック装置100に転送する。さらに、映像データ転送部67は、当該映像データの前後の映像データも転送すると判定すると、当該前後の映像データもロック装置100に転送する。
【0084】
ロック装置100では、記憶処理部111が、本体10側から転送されてきた映像データを受信すると、当該映像データを記憶部104に記憶する。これによって、第1及び第2フラグが設定されている録画に対応する映像データがメモリカード40及び記憶部104の両方に記憶される。
【0085】
そして、本体側コネクタ22とカバー側コネクタ101とが電気的に非接続状態になると、ロック実行部113が、記憶部104に対する処理ができなくなるように記憶部104にロックをかける。すなわち、例えば、本体10からカバー30が取り外されたり、エンジンが切られたりして、本体側コネクタ22とカバー側コネクタ101とが電気的に非接続状態になると、記憶部104に対する処理ができなくなるように記憶部104にロックをかける。これにより、記憶部104に記憶されている映像データの消去、記憶部104への新たなデータの書き込み、データの上書き、記憶部104からのデータの読み出しができなくなる。これにより、記憶部104内のデータ内容は、外部からの操作によって変更されることなく維持される。
【0086】
なお、ロックされた記憶部104が内蔵されたロック装置100は、専用リーダや無線通信等(例えば、赤外線通信)によって、記憶部104に記憶されている映像データが読み取られることができる。例えば、専用リーダは、ロック装置100の記憶部104に対してデータの書き込みや読み出し等の様々な処理ができる専用の装置である。このような専用リーダを例とした場合、予め用意された認証キーを入力することで、ロックされた記憶部104に記憶されている映像データの閲覧が可能となる。
【0087】
その後、本体側コネクタ22とカバー側コネクタ101が電気的に接続されると、ロック解除部114が、記憶部104に対する処理を許可する。つまり、ロックが解除される。これにより、再度、電気接続が確立されると、記憶部104内の映像データが読み出し等できるようになる。
【0088】
(実施形態における効果)
(1)ドライブレコーダー1は、メモリカード40に記憶された映像データの少なくとも一部を記憶部104に記憶させることができ、メモリカード40に記憶された映像データと同じ映像データをロック装置100の記憶部104に記憶させることができる。これにより、ドライブレコーダー1は、記憶部104に記憶された映像データをメモリカード40に記憶された映像データのバックアップとして活用できる。
【0089】
例えば、メモリカード40に記憶された映像データは、事故等が起きた場合の証拠として利用できる。しかしながら、自動車事故でドライブレコーダー1を設置している運転者側に過失があるとき、当該運転者がメモリカード40を取り出しメモリカード40に記憶された映像データを消去して証拠を残さないようにすることがあった。
【0090】
これに対して、本実施形態に係るドライブレコーダー1では、ロック装置100の記憶部104に記憶された映像データがメモリカード40に記憶された映像データのバックアップとなる。そのため、メモリカード40から映像データが消去等されてメモリカード40のデータ内容が改変されたとしても、記憶部104に記憶された映像データは改変されずに証拠として残すことができるようになる。
【0091】
(2)ドライブレコーダー1は、本体10からカバー30が外される等して本体側コネクタ22とカバー側コネクタ101とが電気的に非接続状態になると、記憶部104に対する処理を禁止する。これにより、記憶部104に記憶された映像データの改変がより困難になる。また、本体10からカバー30が外されて、メモリカード収容部20からメモリカード40を取り出すための操作がされたときに、記憶部104に対する処理を禁止できるため、ドライブレコーダー1を設置している運転者が、意図的にメモリカード40を取り出して記憶されている映像データを消去したとして、少なくとも、記憶部104側にバックアップとして記憶されている映像データは消去されることなく保持される。
【0092】
(3)ドライブレコーダー1は、ロック解除部114によって、ロックがかけられた記憶部104に対する映像データの読み出し等の処理ができるようなる。
【0093】
(4)ドライブレコーダー1は、第2フラグが設定された録画の映像データだけを記憶部104に記憶することで、特定の映像データだけを記憶部104に記憶させたり、記憶容量が少ない記憶部104に映像データを記憶させたりすることができる。
【0094】
(5)ドライブレコーダー1は、メモリカード40に記憶された映像データのうち、特定の映像データの前後の映像データ記憶部104に記憶させることができる。
【0095】
なお、前記の実施形態では、カメラ16は、例えば、撮像手段を構成している。また、メモリカード収容部20は、例えば、媒体収容部を構成している。また、本体側制御部60による録画機能、ロック装置側制御部110による記憶処理機能は、例えば、記憶手段を構成している。また、メモリカード40は、例えば、第1記憶媒体を構成している。また、記憶部104は、例えば、第2記憶媒体を構成している。また、カバー30は、例えば、蓋体を構成している。また、ロック実行部113は、例えば、禁止手段を構成している。また、ロック解除部114は、例えば、許可手段を構成している。また、通信部50,102は、例えば、送信手段を構成している。また、ロック装置100は、例えば、補助記憶装置を構成している。また、前述の本体側コネクタ22とカバー側コネクタ101とが電気的に非接続状態になったとする要件は、例えば、予め設定されている第1要件に対応している。また、前述の第2フラグが設定されている要件は、例えば、予め設定されている第2要件に対応している。また、前述の3G以上の衝撃レベルのときのイベント録画に限定するという要件は、例えば、予め設定されている第3要件に対応している。
【0096】
(変形例等)
前記の実施形態の他の例として、ドライブレコーダー1は、メモリカード40にロックをかけることもできる。例えば、ドライブレコーダー1は、本体側コネクタ22とカバー側コネクタ101とが電気的に非接続状態になったと判定すると、ロック装置100の記憶部104に加えて、メモリカード40もロックする。これにより、ロック装置100が外されて、持って帰られてしまった場合でも、ドライブレコーダー1に取り付けられているメモリカード40の改ざんができなくなるため、セキュリティが確保される。
【0097】
また、前記の実施形態の他の例として、ドライブレコーダー1は、本体10側にロック装置100と同様な機能を有することもできる。すなわち、ドライブレコーダー1は、メモリカード40とは別に本体10内に内蔵型の記憶部を有し、前述のロック装置100が行った処理と同様な処理を本体10側で行う。
【0098】
また、前記の実施形態の他の例として、ロック実行部113は、本体側コネクタ22とカバー側コネクタ101とが電気的に非接続状態になっていることに限定されず、他の要件を満たす場合、例えば、本体10側に設定されたメモリカード40の取り出し用のボタン操作等によりメモリカード収容部20からメモリカード40を取り出すための操作を直接検出した場合等でも、記憶部104をロックすることができる。
【0099】
また、前記の実施形態の他の例として、ロック解除部114は、専用リーダにロック装置100が無線又は有線で接続されて通信可能になったとき、ロックを解除すると判定することもできる。これにより、専用リーダは、無線又は有線による通信によってロック装置100のロックを解除しつつ、記憶部104に対する処理ができるようになる。
【0100】
また、前記の実施形態の他の例として、ドライブレコーダー1は、録画の種類を選択するための第2フラグに関係なく、メモリカード40に記憶された映像データを記憶部104に記憶することができる。すなわち、ドライブレコーダー1は、録画が発生したといった要件を満たす限り、映像データを記憶部104に記憶する。これにより、メモリカード40と記憶部104には、まったく同じ映像データが記憶されることになる。
【0101】
また、前記の実施形態の他の例として、第1及び第2フラグは、使用者によって設定されることも限定されず、自動で設定されることもできる。例えば、第1及び第2フラグは、車両の走行状態等を基に、自動で設定されることもできる。
【0102】
また、前記の実施形態の他の例として、ステップS23の処理として、イベント録画を例に挙げて説明したが、映像データ転送部67は、クイック録画やモーション録画等の他の種類の録画でも、当該録画に応じて予め設定された要件を満たすと、ロック装置100に転送する映像データの前後の映像データを送信することもできる。
【0103】
また、前記の実施形態の他の例として、映像データ転送部67は、ステップS23の処理として、映像データの前後両方の映像データを送信することに限定されず、映像データの前後の一方の映像データを送信することもできる。例えば、この場合、映像データ転送部67は、録画の種類に応じて、前後の映像データのうち優先度が高い映像データだけを送信することもできる。
【0104】
また、前記の実施形態の他の例として、ドライブレコーダー1は、メモリカード40に記憶された映像データを記憶部104に記憶するとともに、本体側通信部50又はロック装置側通信部102によって、外部に通信によって送信することもできる。これにより、ドライブレコーダー1は、メモリカード40に記憶された映像データを外部に送信し外部でも保存できる。
【0105】
また、このとき、ドライブレコーダー1は、記憶部104に記憶されたデータ量が一定量以上になり記憶部104に映像データを記憶させることができないとき、メモリカード40に記憶された映像データを記憶部104に保存することなく外部に通信によって送信することもできる。これにより、ドライブレコーダー1は、記憶部104に記憶できない映像データを外部に送信し外部で保存できる。
【0106】
また、前記の実施形態の他の例として、カバー30は、嵌め込み以外の他の構造、例えば、スライド構造によって本体10に対して取り付けられることもできる。
【0107】
また、前記の実施形態の他の例として、ドライブレコーダー1からロック装置100への映像データの転送は、通信部50,102により無線通信によって行うこともできる。
【0108】
また、前記の実施形態の他の例として、記憶部104は、カバー30に対して挿脱可能なメモリカード40等の記憶媒体とされることもできる。
【0109】
また、前記の実施形態の他の例として、ロック実行部113は、本体10から映像データを受信した時点から予め設定した時間内に本体側コネクタ22からカバー側コネクタ101が外れたとき、記憶部104をロックすることもできる。ここで、予め設定した時間とは、実験的、経験的、又は論理的に決定された値である。これにより、ロック装置100は、不用意に記憶部104をロックしてしまうのを防止できる。
【0110】
また、前記の実施形態の他の例として、ロック解除部114は、ロックされた時点から予め設定した時間が経過したとき、自動的にロックを解除することもできる。ここで、予め設定した時間とは、実験的、経験的、又は論理的に決定された値である。これにより、ドライブレコーダー1は、記憶部104のロックが不用意に維持されてしまうのを防止できる。
【0111】
また、本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0112】
1 ドライブレコーダー、10 本体、16 カメラ、20 メモリカード収容部、22 本体側コネクタ、40 メモリカード、60 本体側制御部、100 ロック装置、101 カバー側コネクタ、104 記憶部、110 ロック装置側制御部、111 記憶処理部、112 コネクタ接触検出部、113 ロック実行部、114 ロック解除部