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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/193 20060101AFI20240306BHJP
   H01R 13/7193 20110101ALI20240306BHJP
   H01R 31/06 20060101ALI20240306BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H01R13/193
H01R13/7193
H01R31/06 Z
H01R13/11 302A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021053677
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022150882
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000242231
【氏名又は名称】北川工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡田 侑也
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-176339(JP,A)
【文献】特開平11-214060(JP,A)
【文献】特開2014-107016(JP,A)
【文献】特開2017-041400(JP,A)
【文献】実開平03-086569(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/193
H01R 13/7193
H01R 31/06
H01R 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスバーを挿し込み可能に構成される、少なくとも1つの被挿込部と、
前記バスバーが前記被挿込部に挿し込まれた際に、前記バスバーに加圧接触して前記バスバーに電気的に接続される導電部と、
第1位置及び第2位置へ変位可能に構成され、前記バスバーが前記被挿込部に挿し込まれる際に、前記バスバーから作用する力を受けて、前記第1位置から前記第2位置へ変位し、その変位の際に前記導電部を加圧して前記導電部の少なくとも一部を弾性変形させる加圧部と、
を備え、
前記導電部は、前記加圧部に加圧されて弾性変形する際に、その弾性変形に伴って生じる弾性力を前記バスバーに作用させて、前記バスバーに対する接触圧力を増大させるように構成されており
前記導電部は、
前記バスバーに接触する接触部と、
前記加圧部が前記第1位置から前記第2位置へ変位する際に前記加圧部によって加圧されるレバー部と、
前記接触部及び前記加圧部を支持する支持部と、
を備え、
前記加圧部が前記第1位置から前記第2位置へ変位する際、前記レバー部が前記加圧部によって加圧されると、前記導電部の少なくとも一部が弾性変形しつつ、前記レバー部及び前記接触部が前記支持部に対して相対的に揺動し、前記接触部と前記バスバーとの接触圧力が増大するように構成されている、
コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタであって、
前記導電部は、前記バスバーの板厚方向両側にある第1面及び第2面のうち、前記第1面に加圧接触するように構成される第1金属部材と、前記第2面に加圧接触するように構成される第2金属部材と、
を備えるコネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項に記載のコネクタであって、
前記少なくとも1つの被挿込部として、第1被挿込部及び第2被挿込部を有し、
前記第1被挿込部に設けられる前記導電部と、前記第2被挿込部に設けられる前記導電部とが、電気的に接続されている、
コネクタ。
【請求項4】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のコネクタであって、
磁性材料によって構成された磁性体コア、
を備え、
前記導電部及び前記被挿込部に挿し込まれる前記バスバーのうちの少なくとも一方によって形成される導電経路が、前記磁性体コアの内周側を貫通する位置に配置されるように構成されている、
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
平型導体用のコネクタが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のコネクタの場合、端子及び加圧部材を備える。加圧部材を回動させると、加圧部材が端子の上腕部前端を上方へと持ち上げる。このとき、上腕部は連結部の位置を支点として揺動し、上腕部後端が下方へと変位する。これにより、上腕部後端に設けられた押圧部が下方に変位して、平型導体を接触部へ押し付け、その接触圧力を高める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-37190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載のコネクタの場合、平型導体と端子との間の接触圧力を高める際には、平型導体をコネクタに挿し込む作業と加圧部材を回動させる作業、以上2つの作業が必要となる。そのため、このような作業手順を更に簡素化したいとの要望がある。また、上述のような2つの作業が必要な場合、作業者が加圧部材を回動させる作業の実施を忘れると、平型導体と端子との間の接触圧力が不足する。そのため、導電性能が低下する、又は導電性能が不安定になる、という問題を招く。
【0005】
本開示の一局面においては、バスバーの接続作業を簡素化でき、バスバーと端子との間の接触圧力を適正に確保可能なコネクタを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面におけるコネクタは、少なくとも1つの被挿込部と、導電部と、加圧部と、を備える。被挿込部は、バスバーを挿し込み可能に構成される。導電部は、バスバーが被挿込部に挿し込まれた際に、バスバーに加圧接触してバスバーに電気的に接続される。加圧部は、第1位置及び第2位置へ変位可能に構成され、バスバーが被挿込部に挿し込まれる際に、バスバーから作用する力を受けて、第1位置から第2位置へ変位し、その変位の際に導電部を加圧して導電部の少なくとも一部を弾性変形させる。導電部は、加圧部に加圧されて弾性変形する際に、その弾性変形に伴って生じる弾性力をバスバーに作用させて、バスバーに対する接触圧力を増大させるように構成されている。
【0007】
このように構成されたコネクタによれば、バスバーが被挿込部に挿し込まれる際には、加圧部がバスバーから作用する力を受けて、第1位置から第2位置へ変位する。その際、加圧部は導電部を加圧して導電部の少なくとも一部を弾性変形させる。導電部は、加圧部に加圧されて弾性変形する際に、その弾性変形に伴って生じる弾性力をバスバーに作用させて、バスバーに対する接触圧力を増大させる。そのため、上述のような加圧部相当物を備えていない場合に比べ、バスバーが被挿込部から抜ける方向へ変位するのを抑制することができる。
【0008】
しかも、加圧部は、バスバーが被挿込部に挿し込まれる際に、バスバーから作用する力を受けて、第1位置から第2位置へ変位する。そのため、バスバーを被挿込部へ挿し込む作業とは別に、加圧部を第1位置から第2位置へ変位させる作業を実施しなくてもよい。したがって、バスバーを被挿込部へ挿し込む作業と、加圧部を第1位置から第2位置へ変位させる作業とを、それぞれ実施しなければならない場合に比べ、作業工程を簡素化することができる。また、加圧部を変位させる作業を、作業者が実施し忘れることはない。よって、そのような作業ミスが原因となって導電部とバスバーとの接触圧力が不足することはない。したがって、導電部とバスバーとの接触圧力を適正に確保でき、導電性能が低下したり不安定になったりするのを抑制することができる。
【0009】
なお、本開示のコネクタは、更に以下に挙げるような構成を備えていてもよい。
(A)導電部は、接触部と、レバー部と、支持部と、を備えてもよい。接触部は、バスバーに接触する。レバー部は、加圧部が第1位置から第2位置へ変位する際に加圧部によって加圧される。支持部は、接触部及び加圧部を支持する。加圧部が第1位置から第2位置へ変位する際、レバー部が加圧部によって加圧されると、導電部の少なくとも一部が弾性変形しつつ、レバー部及び接触部が支持部に対して相対的に揺動し、接触部とバスバーとの接触圧力が増大するように構成されている。
【0010】
このように構成されたコネクタによれば、導電部が上述のような接触部、レバー部及び支持部を備える。レバー部が加圧部に加圧された際には、導電部の少なくとも一部が弾性変形しつつ、レバー部及び接触部が支持部に対して相対的に揺動し、接触部とバスバーとの接触圧力が増大する。したがって、上述のような加圧部相当物を備えていない場合に比べ、バスバーが被挿込部から抜ける方向へ変位するのを抑制することができる。
【0011】
(B)導電部は、バスバーの板厚方向両側にある第1面及び第2面のうち、第1面に加圧接触するように構成される第1金属部材と、第2面に加圧接触するように構成される第2金属部材と、を備えてもよい。
【0012】
このように構成されたコネクタによれば、導電部が上述のような第1金属部材及び第2金属部材を備えているので、バスバーの第1面及び第2面の双方に加圧接触する。したがって、導電部は、バスバーを板厚方向両側から挟み込むことができ、バスバーが被挿込部から抜ける方向へ変位するのを抑制する効果を高めることができる。
【0013】
(C)少なくとも1つの被挿込部として、第1被挿込部及び第2被挿込部を有してもよい。第1被挿込部に設けられる導電部と、第2被挿込部に設けられる導電部とが、電気的に接続されていてもよい。
【0014】
このように構成されたコネクタによれば、第1被挿込部及び第2被挿込部のそれぞれに対してバスバーを挿し込むことにより、2つのバスバーを電気的に接続することができる。
【0015】
(D)磁性材料によって構成された磁性体コア、を備えてもよい。導電部及び被挿込部に挿し込まれるバスバーのうちの少なくとも一方によって形成される導電経路が、磁性体コアの内周側を貫通する位置に配置されるように構成されていてもよい。
【0016】
このように構成されるコネクタによれば、上述のような磁性体コアを備えているので、導電経路にノイズ電流が流れるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1Aはコネクタを右前上方から見た斜視図である。図1Bはコネクタを左後下方から見た斜視図である。
図2図2Aはコネクタの一部を破断して内部構造を示した斜視図である。図2Bは加圧部品及び導電部品を拡大して示す斜視図である。
図3図3Aは被挿込部にバスバーが挿し込まれていない状態における加圧部品及び導電部品を示す断面図である。図3Bは被挿込部にバスバーが挿し込まれた状態における加圧部品及び導電部品を示す断面図である。
図4図4Aはコネクタの平面図である。図4Bはコネクタの正面図である。図4Cはコネクタの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、上述のコネクタについて、例示的な実施形態を挙げて説明する。
[コネクタの構成]
図1A図1B図2A及び図2Bに示すように、コネクタ1は、被挿込部3と、導電部5と、加圧部7と、磁性体コア9とを備える。本実施形態の場合、コネクタ1は、図2Aに示すように、2組の接続機構11を備える。この接続機構11は、図2Bに拡大して示すように、樹脂によって構成される樹脂部材13と、薄板状の金属(例えば銅合金。)によって構成される第1金属部材15A及び第2金属部材15Bとを備える。樹脂部材13は、上述の加圧部7とベース部17とを備える。加圧部7及びベース部17は、樹脂材料によって一体成形されている。第1金属部材15A及び第2金属部材15Bは、上述の導電部5を構成する。
【0019】
本実施形態の場合、コネクタ1は、樹脂製のケース20を備える。上述の被挿込部3は、ケース20の前端と後端それぞれに2つずつ設けられている。これら4つの被挿込部3は、それぞれに対してバスバー41(図3B参照。)を挿し込み可能に構成されている。ケース20は、第1ケース部品21と第2ケース部品22とによって構成される。ケース20の前端は、第2ケース部品22によって構成される。ケース20の後端は、第1ケース部品21によって構成される。
【0020】
第1金属部材15A及び第2金属部材15Bは、前端側で1つの導電部5を構成し、後端側で1つの導電部5を構成している。すなわち、第1金属部材15A及び第2金属部材15Bは、2つの導電部5を構成している。換言すれば、1つの接続機構11は、2つの導電部5を備えている。コネクタ1には、2組の接続機構11が、上下方向に間隔を空けて配置されている(図2A参照。)。したがって、コネクタ1は4つの導電部5を備えている。
【0021】
第1金属部材15A及び第2金属部材15Bの前端側に構成される1つの導電部5と、第1金属部材15A及び第2金属部材15Bの後端側に構成される1つの導電部5とは、その構造上、常に電気的に接続されている状態にある。したがって、コネクタ1が備える4つの導電部5のうち、上側に配置される2つの導電部5は、常に電気的に接続されている状態にあり、下側に配置される2つの導電部5は、常に電気的に接続されている状態にある。
【0022】
4つの導電部5は、それぞれが被挿込部3に対応する位置にある。バスバー41が被挿込部3に挿し込まれた際には、各導電部5がバスバー41に対して電気的に接続される。その際、各導電部5では、バスバー41の板厚方向両側にある第1面及び第2面のうち、第1面に第1金属部材15Aが加圧接触し、第2面に第2金属部材15Bが加圧接触する。これにより、バスバー41は第1金属部材15Aと第2金属部材15Bとの間に挟み込まれる状態になる。すなわち、バスバー41は第1金属部材15A及び第2金属部材15Bによって挟持される。
【0023】
また、本実施形態の場合、各導電部5は、接触部31、レバー部33及び支持部35を備えている。接触部31は、バスバー41が被挿込部3に挿し込まれた際に、バスバー41に接触する部分である。レバー部33は、詳しくは後述するが、加圧部7によって加圧される部分である。支持部35は、接触部31及びレバー部33を支持する部分である。第1金属部材15A及び第2金属部材15Bは、前後方向中央付近において、上述のベース部17に対して固定されている。そのため、各導電部5では、支持部35の一端がベース部17に対して固定され、接触部31及びレバー部33は、支持部35によって支持されている。
【0024】
本実施形態の場合、第1金属部材15A及び第2金属部材15Bは、いずれか一方を180度反転させて上下方向を入れ替えると同一形状となる部品となっている。そのため、第1金属部材15A及び第2金属部材15Bそれぞれが接触部31、レバー部33及び支持部35に相当する部分を備えている。また、第1金属部材15A及び第2金属部材15Bは、上述の通り、それぞれの前端側及び後端側に導電部5を構成する部品である。そのため、第1金属部材15Aの前端側及び後端側それぞれに、接触部31、レバー部33及び支持部35に相当する部分を備え、第2金属部材15Bの前端側及び後端側それぞれに、接触部31、レバー部33及び支持部35に相当する部分を備えている。
【0025】
加圧部7は、ベース部17から延出している。加圧部7の延出方向先端側は、図3A及び図3Bに示すように、上述のレバー部33に接触している。図3Aに示すように、バスバー41が被挿込部3に挿し込まれていない状態において、加圧部7は第1位置にある。また、バスバー41が被挿込部3に挿し込まれると、加圧部7はバスバー41から作用する力を受けて弾性変形し、図3Aに示す第1位置から図3Bに示す第2位置へ変位する。
【0026】
このとき、図3Bにおいて、バスバー41の上側にある加圧部7は、時計回り方向へと揺動してレバー部33を押圧する。レバー部33は、加圧部7によって上方へと押圧されて、支持部35との接続箇所付近を中心に反時計回り方向へと揺動する。その際、支持部35とレバー部33との接続箇所付近において導電部5の一部が弾性変形し、その弾性力で接触部31が反時計回り方向へ付勢される。その結果、接触部31とバスバー41との接触圧力が増大する。
【0027】
図3Bにおいて、バスバー41の下側にある加圧部7は、反時計回り方向へと揺動してレバー部33を押圧する。レバー部33は、加圧部7によって下方へと押圧されて、支持部35との接続箇所付近を中心に時計回り方向へと揺動する。その際、支持部35とレバー部33との接続箇所付近において導電部5の一部が弾性変形し、その弾性力で接触部31が時計回り方向へ付勢される。その結果、接触部31とバスバー41との接触圧力が増大する。
【0028】
つまり、バスバー41が、バスバー41の上下にある2つの加圧部7間に割り込むことにより、2つの加圧部7は、加圧部7間にある間隔が拡大する方向へと揺動する。それら2つの加圧部7の上下にある2つのレバー部33は、加圧部7に押圧されて、レバー部33間にある間隔が拡大する方向へと揺動する。その結果、2つの接触部31は、それぞれに対応するレバー部33の揺動方向と同方向へ付勢されて、それぞれのバスバー41に対する接触圧力が増大する。すなわち、バスバー41を挟持する状態にある第1金属部材15A及び第2金属部材15Bにおいて、挟持力が増大する。
【0029】
磁性体コア9は、磁性材料によって構成されている。本実施形態の場合、磁性体コア9は、フェライトの焼結体によって構成されている。第1ケース部品21は、前端が開口面とされた筒状の空洞を有し、この空洞に磁性体コア9が収容されている。第2ケース部品22は、第1ケース部品21の前端の開口面を閉塞する蓋として機能する。バスバー41が被挿込部3に挿し込まれた際には、導電部5及びバスバー41によって形成される導電経路が、磁性体コア9の内周側を貫通する位置に配置される。したがって、このような磁性体コア9を設けることにより、導電経路にノイズ電流が流れるのを抑制することができる。
【0030】
なお、図4Aは、コネクタ1の平面図である。コネクタ1の底面図は、平面図と対称に表れる。図4Bは、コネクタ1の正面図である。コネクタ1の背面図は、正面図と同一に表れる。図4Cは、コネクタ1の右側面図である。コネクタ1の左側面図は、右側面図と対称に表れる。
【0031】
[効果]
以上のように構成されたコネクタ1によれば、上述のような加圧部7に相当する構造物を備えていない場合に比べ、バスバー41が被挿込部3から抜ける方向へ変位するのを抑制することができる。しかも、加圧部7は、バスバー41が被挿込部3に挿し込まれる際に、バスバー41から作用する力を受けて、第1位置から第2位置へ変位する。そのため、バスバー41を被挿込部3へ挿し込む作業とは別に、加圧部7を第1位置から第2位置へ変位させる作業を実施しなくてもよい。
【0032】
よって、バスバー41を被挿込部3へ挿し込む作業と、加圧部7を第1位置から第2位置へ変位させる作業とを、それぞれ実施しなければならない場合に比べ、作業工程を簡素化することができる。また、加圧部7を変位させる作業を、作業者が実施し忘れることはない。よって、そのような作業ミスが原因となって導電部5とバスバー41との接触圧力が不足することはない。したがって、導電部5とバスバー41との接触圧力を適正に確保でき、導電性能が低下したり不安定になったりするのを抑制することができる。
【0033】
また、本実施形態の場合、導電部5は、バスバー41を板厚方向両側から挟み込むことができる。したがって、導電部5が、バスバー41の1面のみに加圧接触するように構成されている場合に比べ、バスバー41が被挿込部3から抜ける方向へ変位するのを抑制する効果を高めることができる。
【0034】
また、本実施形態の場合、コネクタ1の前端側にある被挿込部3(本開示でいう第1被挿込部に相当。)と、コネクタ1の後端側にある被挿込部3(本開示でいう第2被挿込部に相当。)が、電気的に接続されている。したがって、上記2つの被挿込部3それぞれに対してバスバー41を挿し込むことにより、2つのバスバー41を電気的に接続することができる。
【0035】
[他の実施形態]
以上、本開示のコネクタについて、例示的な実施形態を挙げて説明したが、上述の実施形態は本開示の一態様として例示されるものにすぎない。すなわち、本開示は、上述の例示的な実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な形態で実施することができる。
【0036】
例えば、上記実施形態では、導電部5が、接触部31、レバー部33及び支持部35を備えていたが、同等な機能を実現できるのであれば、接触部31、レバー部33及び支持部35の全てを備えていることは必須ではない。
【0037】
また、上記実施形態では、導電部5は、バスバー41の第1面及び第2面の双方に加圧接触するように構成されていたが、いずれか一方の面に加圧接触するように構成してもよい。この場合でも、上述のような加圧部7を設けることにより、導電部5のバスバー41に対する接触圧力を増大させることができる。
【0038】
また、上記実施形態では、2つの導電部5が電気的に接続され、2つの被挿込部3それぞれにバスバー41を挿し込むと、2つのバスバー41が電気的に接続されるように構成されていたが、このような構成を採用するか否かは任意である。例えば、1つの導電部5と本開示でいう導電部5とは異なる導電経路(例えば、単なる電線等。)が電気的に接続される構成を採用してもよい。この場合は、1つの被挿込部3にバスバー41を挿し込めば、バスバー41と本開示でいう導電部5とは異なる導電経路(例えば、単なる電線等。)を電気的に接続することができる。
【0039】
また、上記実施形態では、コネクタ1が磁性体コア9を備えていたが、磁性体コア9を備えるか否かは任意である。
また、上記実施形態では、磁性体コア9がフェライトの焼結体によって構成される例を示したが、他の材料で形成された磁性体コアを利用してもよい。フェライト以外の例としては、例えばアモルファス合金及びナノ結晶合金を挙げることができる。ナノ結晶合金は、アモルファス合金に対し、磁場中熱処理を施してアモルファス合金の一部をナノ結晶化させた合金である。アモルファス合金又はナノ結晶合金で磁性体コアを構成する場合は、例えばアモルファス合金又はナノ結晶合金で帯状体を形成し、その帯状体を巻回することにより、磁性体コアとして利用可能な環状体を構成すればよい。
【0040】
なお、上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される複数の機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される1つの機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される複数の機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した構成の一部を省略してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…コネクタ、3…被挿込部、5…導電部、7…加圧部、9…磁性体コア、11…接続機構、13…樹脂部材、15A…第1金属部材、15B…第2金属部材、17…ベース部、20…ケース、21…第1ケース部品、22…第2ケース部品、31…接触部、33…レバー部、35…支持部、41…バスバー。
図1
図2
図3
図4